(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-30
(45)【発行日】2022-06-07
(54)【発明の名称】制御システム、制御システムによる制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220531BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220531BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220531BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
H02J7/00 H
H01M10/48 P
H01M10/44 Q
H02J7/35 A
(21)【出願番号】P 2018127498
(22)【出願日】2018-07-04
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】小林 俊輝
(72)【発明者】
【氏名】習田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】立川 展也
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-233008(JP,A)
【文献】特開2002-118508(JP,A)
【文献】特開2011-010478(JP,A)
【文献】特許第6145741(JP,B1)
【文献】特開2017-192180(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
H01M 10/42-10/48
H02J 50/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
環境から供給される環境エネルギを電気エネルギに変換する変換手段と電気エネルギを消費して動作をする負荷との間に設けられ、前記変換手段が変換した前記電気エネルギの前記負荷への供給を制御する制御システムであって、
前記変換手段が変換した前記電気エネルギを蓄電する第1蓄電手段と、
前記変換手段が変換した前記電気エネルギを蓄電し、前記第1蓄電手段よりも蓄電容量が大きく蓄電効率が低い第2蓄電手段と、
前記第1蓄電手段及び前記第2蓄電手段に蓄電された前記電気エネルギの前記負荷への供給を制御し、動作と非動作を繰り返す間欠動作を当該負荷に行わせる供給制御手段と、
前記負荷が動作をしているときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギを前記第1蓄電手段に蓄電させ、前記負荷が動作をしていないときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギを前記第2蓄電手段に蓄電させる蓄電制御手段と、
を備えることを特徴とする制御システム。
【請求項2】
前記負荷は、複数備えられており、
前記蓄電制御手段は、少なくとも1つの前記負荷が動作しているときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギの蓄電先を前記第1蓄電手段に設定し、全ての前記負荷が動作していないときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギの蓄電先を前記第2蓄電手段に設定することを特徴とする請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記供給制御手段は、動作対象の前記負荷によって消費される前記電気エネルギの量に応じて、動作対象の前記負荷に前記電気エネルギを供給する前記蓄電手段を決定することを特徴とする請求項2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記第1蓄電手段の電圧を監視する電圧監視手段を備え、
前記蓄電制御手段は、前記負荷の非動作期間において前記第1蓄電手段の電圧が閾値を超えているときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギの蓄電先を前記第2蓄電手段に設定し、前記負荷の非動作期間において前記第1蓄電手段の電圧が前記閾値以下であるときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギの蓄電先を前記第1蓄電手段に設定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の制御システム。
【請求項5】
環境から供給される環境エネルギを電気エネルギに変換する変換手段と電気エネルギを消費して動作をする負荷との間に設けられ、前記変換手段が変換した前記電気エネルギの前記負荷への供給を制御する制御システムによる制御方法であって、
前記制御システムは、
前記変換手段が変換した電気エネルギを蓄電する第1蓄電手段と、
前記変換手段が変換した電気エネルギを蓄電し、前記第1蓄電手段よりも蓄電容量が大きく蓄電効率が低い第2蓄電手段と、
前記変換手段が変換した電気エネルギの前記第1蓄電手段及び前記第2蓄電手段への蓄電を制御する蓄電制御手段と、
前記第1蓄電手段及び前記第2蓄電手段に蓄電された電気エネルギの前記負荷への供給を制御する供給制御手段と、を備え、
前記負荷を間欠的に動作させるステップと、
前記負荷が動作をしているときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギを前記第1蓄電手段に蓄電させるステップと、
前記負荷が動作をしていないときに、前記前記変換手段が変換した前記電気エネルギを前記第2蓄電手段に蓄電させるステップと、を実行することを特徴とする制御システムによる制御方法。
【請求項6】
請求項5に記載の制御システムによる制御方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システム、制御システムによる制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境から供給される環境エネルギを電気エネルギに変換する環境発電(エナジーハーベスティングとも呼ばれる)が知られている。環境発電が用いる環境エネルギとしては、例えば、太陽光や照明光などの光エネルギ、機械から発生する振動などの運動エネルギ、及び発熱体が発生する熱などの熱エネルギが挙げられる。
環境発電を利用する環境発電システムでは、発電素子によって環境エネルギを電気エネルギに変換し、変換後の電気エネルギを蓄電し、蓄電した電気エネルギを動作対象の負荷に供給する。電気エネルギの蓄電には、例えば、キャパシタや二次電池が使用されるが、それぞれに特徴がある。キャパシタは、電気エネルギの蓄電効率が比較的高いが、電気エネルギを蓄電可能な容量(最大容量)が比較的小さいという特徴を備えている。一方、二次電池は、電気エネルギを蓄電可能な容量が比較的大きいが、電気エネルギの蓄電効率が比較的低いという特徴を備えている。
デバイスの動作時間を延ばすためには、蓄電した電気エネルギの負荷への供給効率を向上させたり、発電素子が変換した電気エネルギの蓄電効率を向上させたりすることが有効である。特許文献1には、蓄電ユニットから負荷に対して間欠的に電気エネルギを供給する技術が記載されている。特許文献2には、光発電部が変換した電気エネルギをコンデンサに蓄電し、コンデンサに蓄電した電気エネルギを、定電流・定電圧回路を通じてバッテリに供給する技術が記載されている。
特許文献1に記載された技術では、蓄電ユニットから負荷に対して電気エネルギを間欠的に供給しているため、負荷の消費電力を抑制することができる。特許文献2に記載された技術では、光発電部が変換した電気エネルギをコンデンサに蓄電した後、定電流・定電圧回路を通じてバッテリに供給しているため、バッテリに対して電気エネルギを効率よく蓄電できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した各特許文献には、間欠動作を行う負荷の動作状況に応じて効率的に電気エネルギを蓄電することは開示されていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、間欠動作を行う負荷の動作状況に応じて効率的に電気エネルギを蓄電することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明は、環境から供給される環境エネルギを電気エネルギに変換する変換手段と電気エネルギを消費して動作をする負荷との間に設けられ、前記変換手段が変換した前記電気エネルギの前記負荷への供給を制御する制御システムであって、前記変換手段が変換した前記電気エネルギを蓄電する第1蓄電手段と、前記変換手段が変換した前記電気エネルギを蓄電し、前記第1蓄電手段よりも蓄電容量が大きく蓄電効率が低い第2蓄電手段と、前記第1蓄電手段及び前記第2蓄電手段に蓄電された前記電気エネルギの前記負荷への供給を制御し、動作と非動作を繰り返す間欠動作を当該負荷に行わせる供給制御手段と、前記負荷が動作をしているときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギを前記第1蓄電手段に蓄電させ、前記負荷が動作をしていないときに、前記変換手段が変換した前記電気エネルギを前記第2蓄電手段に蓄電させる蓄電制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、間欠動作を行う負荷の動作状況に応じて効率的に電気エネルギを蓄電することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る制御システムのハードウェア構成を説明するブロック図である。
【
図2】省電力デバイスの非動作時における制御システムの動作を説明する図である。
【
図3】省電力デバイスの動作時であって、環境発電による発電量が充分な場合の制御システムの動作を説明する図である。
【
図4】省電力デバイスの動作時であって、環境発電による発電量による発電量が不充分な場合の制御システムの動作を説明する図である。
【
図5】給電元切り替え制御部の動作を説明するフローチャートである。
【
図6】蓄電先切り替え制御部の動作を説明するフローチャートである。
【
図7】本発明の第二実施形態に係る制御システムのハードウェア構成を説明するブロック図である。
【
図8】全ての省電力デバイスの非動作時における制御システムの動作を説明する図である。
【
図9】2つの省電力デバイスの動作時であって、環境発電による発電量が充分な場合の制御システムの動作を説明する図である。
【
図10】2つの省電力デバイスの動作時であって、環境発電による発電量が不充分な場合の制御システムの動作を説明する図である。
【
図11】本発明の第三実施形態に係る制御システムのハードウェア構成を説明するブロック図である。
【
図12】本発明の第四実施形態に係る給電元切り替え制御部の動作の要部を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0008】
<ハードウェア構成>
図1は、本発明の第一実施形態に係る制御システム1のハードウェア構成を説明するブロック図である。
制御システム1は、発電素子2と省電力デバイス3との間に設けられており、発電素子2が変換した電気エネルギの省電力デバイス3への供給を制御する。
発電素子2は、環境から供給される環境エネルギを電気エネルギに変換する変換手段の一例であり、本実施形態では、光エネルギの供給を受けて電気エネルギに変換する光発電素子を用いている。なお、発電素子2は、光発電素子に限られない。例えば、発電素子2として、振動や圧力が加えられることによって電気エネルギを発生する圧電素子を用いてもよいし、温度差によって起電力を発生する熱電対を用いてもよい。
省電力デバイス3は、制御システム1から電気エネルギの供給を受け、電気エネルギを消費して動作をする負荷の一例である。本実施形態における省電力デバイス3は、検知対象の物理量(例えば光)を検知して電気信号に変換するセンサ3aと、外部機器との間で無線による通信を行う無線通信ユニット3bとを備えている。この省電力デバイス3では、所定時間が経過する毎に物理量を検知し、検知結果を無線通信によって外部機器に送信する。すなわち、省電力デバイス3は、動作と非動作を交互に繰り返す間欠動作を行っている。
【0009】
<制御システム1について>
制御システム1は、省電力デバイス3の動作期間中に亘って当該省電力デバイス3に電気エネルギを供給し、省電力デバイス3の非動作期間に亘って当該省電力デバイス3に電気エネルギを供給しない。
【0010】
制御システム1は、発電素子2が変換した電気エネルギを蓄電するキャパシタ11(第1蓄電手段)、及び二次電池12(第2蓄電手段)と、制御システム1における全体の動作を制御する制御回路13と、キャパシタ11の電圧を監視して制御回路13に出力する電圧監視回路14(電圧監視手段)と、を備えている。また、制御システム1は、制御回路13によって制御されて、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11側と二次電池12側とに切り替える蓄電先切り替え回路15と、蓄電先切り替え回路15と二次電池12との間に配置されて、発電素子2が変換した電気エネルギの電圧及び電流を調整して二次電池12に供給する蓄電回路16と、制御回路13によって制御されて、省電力デバイス3への電気エネルギの供給元をキャパシタ11と二次電池12とに切り替える給電元切り替え回路17とを備えている。
キャパシタ11は、二次電池12と比較して電気エネルギの蓄電効率は高いが、電気エネルギの最大蓄電容量が小さいという特徴を有している。一方、二次電池12は、キャパシタ11と比較して電気エネルギの最大蓄電容量は大きいが、電気エネルギの蓄電効率が低いという特徴を有している。蓄電回路16は、電気エネルギを二次電池12へ蓄電するときに、電気エネルギの電圧及び電流を制御する。蓄電回路16は、例えば、定電圧・定電流回路によって構成される。
【0011】
制御回路13は、SoC(システム・オン・チップ)やマイクロコンピュータによって構成されている。SoC及びマイクロコンピュータは、いずれもCPU、ROM、RAMを含んでいる。制御回路13を動作させるための電気エネルギは、二次電池12から供給されるが、キャパシタ11から供給してもよい。本実施形態では、制御システム1の初期動作に必要な量の電気エネルギを、予め二次電池12に蓄電している。
制御回路13は、ROMに記憶されたコンピュータプログラムをCPUがRAMに展開して実行することにより、蓄電先切り替え制御部13a、及び給電元切り替え制御部13bとして機能する。
【0012】
蓄電先切り替え制御部13aは、蓄電先切り替え回路15を制御する。蓄電先切り替え回路15は、例えば、FET(Field effect transistor)を含むスイッチング回路であり、電源としてキャパシタ11や二次電池12を使用する。蓄電先切り替え回路15は、蓄電先切り替え制御部13aが出力した切り替え信号に基づき、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11又は二次電池12(蓄電回路16)に設定する。従って、制御回路13(蓄電先切り替え制御部13a)と蓄電先切り替え回路15の組は、発電素子2が変換した電気エネルギのキャパシタ11及び二次電池12への蓄電を制御する蓄電制御手段に相当する。
給電元切り替え制御部13bは、給電元切り替え回路17を制御する。給電元切り替え回路17は、例えば、FET(Field effect transistor)を含むスイッチング回路であり、電源としてキャパシタ11や二次電池12を使用する。給電元切り替え回路17は、給電元切り替え制御部13bが出力した切り替え信号に基づき、省電力デバイス3(負荷)へ供給する電気エネルギの供給元をキャパシタ11又は二次電池12に設定する。従って、制御回路13(給電元切り替え制御部13b)と給電元切り替え回路17の組は、キャパシタ11及び二次電池12が蓄電した電気エネルギの省電力デバイス3への供給を制御する供給制御手段に相当する。
【0013】
<制御システム1の動作>
次に、制御システム1の動作について説明する。制御回路13は、タイマ機能などにより、省電力デバイス3を動作させる動作期間であるか、省電力デバイス3を動作させない非動作期間であるかを判断し、判断結果に基づいて動作をする。
【0014】
<省電力デバイス3の非動作時における動作>
図2は、省電力デバイス3の非動作時における制御システム1の動作を説明する図である。給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作停止タイミング(動作中から非動作への切り替えタイミング)において、蓄電先切り替え制御部13aに対し、省電力デバイス3の動作停止通知を出力する。蓄電先切り替え制御部13aは、受け付けた動作停止通知に基づいて蓄電先切り替え回路15を制御し、発電素子2が変換した電気エネルギE1の蓄電先を二次電池12側に設定する。具体的には、発電素子2が変換した電気エネルギE1が蓄電回路16に供給されるように蓄電先切り替え回路15を制御する。これにより、発電素子2が変換した電気エネルギE1は蓄電回路16によって電圧及び電流が調整され、調整後の電気エネルギE2が二次電池12に供給される。また、給電元切り替え制御部13bは、給電元(電源)であるキャパシタ11及び二次電池12の何れも省電力デバイス3に接続しないように、給電元切り替え回路17を制御する。
【0015】
<省電力デバイス3の動作時における動作>
図3は、省電力デバイス3の動作時であって、環境発電による発電量が充分な場合の制御システム1の動作を説明する図である。
図4は、省電力デバイス3の動作時であって、環境発電による発電量が不充分な場合の制御システム1の動作を説明する図である。
【0016】
図3に示すように、給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作開始時において、蓄電先切り替え制御部13aに対し、省電力デバイス3の動作開始通知を出力する。蓄電先切り替え制御部13aは、受け付けた動作停止通知に基づいて蓄電先切り替え回路15を制御し、発電素子2が変換した電気エネルギE1の蓄電先をキャパシタ11側に設定する。これにより、発電素子2が変換した電気エネルギE1がキャパシタ11に供給(蓄電)される。
電圧監視回路14は、キャパシタ11の電圧を監視して制御回路13(給電元切り替え制御部13b)に出力する。給電元切り替え制御部13bは、キャパシタ11の電圧が所定の閾値を超えているときに、発電素子2から制御システム1の動作に充分な電力が供給されている(環境発電による発電量が充分)と判断する。給電元切り替え制御部13bは、環境発電による発電量が充分と判断したとき、キャパシタ11が省電力デバイス3に接続されるように、給電元切り替え回路17を制御する。これにより、キャパシタ11から省電力デバイス3に対して電気エネルギE3が供給される。すなわち、発電素子2が変換した電気エネルギE1は、キャパシタ11を介して電気エネルギE3として省電力デバイス3に供給される。
【0017】
図4に示すように、給電元切り替え制御部13bは、キャパシタ11の電圧が所定の閾値以下のときに、発電素子2から制御システム1の動作に充分な電力が供給されていない(環境発電による発電量が不充分)と判断する。給電元切り替え制御部13bは、環境発電による発電量が不充分と判断したとき、二次電池12が省電力デバイス3に接続されるように、給電元切り替え回路17を制御する。これにより、二次電池12に蓄電された電気エネルギE4が省電力デバイス3に供給される。
なお、電圧監視回路14によるキャパシタ11の電圧監視は、省電力デバイス3の動作期間中に亘って行われる。従って、キャパシタ11の電圧が動作期間中に閾値以下に低下したとき、給電元切り替え制御部13bは、二次電池12が省電力デバイス3に接続されるように、給電元切り替え回路17を制御する。反対に、キャパシタ11の電圧が動作期間中に閾値を超えたとき、給電元切り替え制御部13bは、キャパシタ11が省電力デバイス3に接続されるように、給電元切り替え回路17を制御する。
【0018】
<給電元切り替え制御部13bの動作フローチャート>
次に、給電元切り替え制御部13bの動作について説明する。
図5は、給電元切り替え制御部13bの動作を説明するフローチャートである。
【0019】
給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作開始タイミングになったか否かを判定する(S1)。この判定は、制御回路13のタイマ機能を用いて行うことができる。例えば、給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の前回の動作終了時から計時を開始し、予め定めた時間が経過したときに、動作開始タイミングになったと判定する。なお、動作開始タイミングの判定方法については、他の方法を用いてもよい。
給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作開始タイミングになったとき(S1,Yes)、蓄電先切り替え制御部13aに対して、省電力デバイス3の動作の開始を通知するための動作開始通知を出力する(S3)。また、給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作開始タイミングではないとき、動作開始タイミングになるまで待機をする(S1,No)。
【0020】
給電元切り替え制御部13bは、ステップS3にて動作開始通知を出力した後、蓄電先切り替え制御部13aからの変更通知を待つ(S5)。後述するように、蓄電先切り替え制御部13aは、ステップS3の動作開始通知を受け付けた(
図6のS31,Yes)後、給電元切り替え制御部13bに対して、電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11に変更した旨の変更通知を出力する(
図6のS35)。このため、給電元切り替え制御部13bは、蓄電先の変更通知を受け付けるまで待機する(S5,No)。
給電元切り替え制御部13bは、蓄電先の変更通知を受け付けた(S5,Yes)後、電圧監視回路14からキャパシタ11の電圧を取得し、キャパシタ11の電圧が閾値以下であるか否かを判定する(S7)。
【0021】
給電元切り替え制御部13bは、キャパシタ11の電圧が閾値以下でなかった場合(S7,No)、給電元切り替え回路17を制御して省電力デバイス3に対する電源の給電元をキャパシタ11に設定する(S9)。これにより、
図3で説明したように、発電素子2が変換した電気エネルギE1は、キャパシタ11を介して省電力デバイス3に供給され、省電力デバイス3は、キャパシタ11から電気エネルギE3の供給を受けて動作をする。
給電元切り替え制御部13bは、キャパシタ11の電圧が閾値以下であった場合(S7,Yes)、給電元切り替え回路17を制御して、省電力デバイス3に対する電源の給電元を二次電池12に設定する(S11)。これにより、
図4で説明したように、二次電池12に蓄電された電気エネルギE4が省電力デバイス3に供給され、省電力デバイス3は、二次電池12から電気エネルギE4の供給を受けて動作をする。
【0022】
給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作期間中に亘って、電圧監視回路14からキャパシタ11の電圧を取得し、閾値以下のキャパシタ電圧が閾値を超えたか否かを判定する(S13)。ここで、給電元切り替え制御部13bは、閾値を超えたと判定したとき(S13,Yes)、発電素子2による発電量が充分であることから、給電元切り替え回路17を制御して、省電力デバイス3に対する電源の給電元をキャパシタ11に設定する(S15)。これにより、
図3で説明したように、発電素子2が変換した電気エネルギE1は、キャパシタ11を介して電気エネルギE3として省電力デバイス3に供給される。
【0023】
また、給電元切り替え制御部13bは、閾値を超えていたキャパシタ電圧が閾値以下になったか否かを判定する(S17)。ここで、給電元切り替え制御部13bは、閾値以下になったと判定したとき(S17,Yes)、発電素子2による発電量が不充分になったということであることから、給電元切り替え回路17を制御して、省電力デバイス3に対する電源の給電元を二次電池12に設定する(S19)。これにより、
図4で説明したように、二次電池12に蓄電された電気エネルギE4が省電力デバイス3に供給される。
【0024】
次に、給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作停止タイミングになったか否かを判定する(S21)。この判定は、動作開始タイミングの判定と同様に、制御回路13のタイマ機能を用いて行うことができる。
給電元切り替え制御部13bは、動作停止タイミングになったとき(S21,Yes)、蓄電先切り替え制御部13aに対して、省電力デバイス3の動作の停止を通知する動作停止通知を出力する(S23)。なお、給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作停止タイミングではないとき(S21,No)、動作停止タイミングになるまでステップS13からの処理を繰り返し行う。
【0025】
給電元切り替え制御部13bは、ステップS23にて動作停止通知を出力した後、蓄電先切り替え制御部13aからの変更通知を待つ(S25)。後述するように、蓄電先切り替え制御部13aは、ステップS23の動作停止通知を受け付けた(
図6のS37,Yes)後、給電元切り替え制御部13bに対して、電気エネルギの蓄電先を二次電池12に変更した旨の変更通知を出力する(
図6のS41)。このため、給電元切り替え制御部13bは、蓄電先の変更通知を受け付けるまで待機する(S25,No)。
給電元切り替え制御部13bは、蓄電先の変更通知を受け付けた(S25,Yes)後、給電元切り替え回路17を制御して、給電元であるキャパシタ11及び二次電池12の何れも省電力デバイス3とは非接続に設定する。これにより、
図2で説明したように、省電力デバイス3には電気エネルギが供給されない。
その後、給電元切り替え制御部13bは、ステップS1に移行し、上述した処理を繰り返し行う。
【0026】
<蓄電先切り替え制御部13aの動作フローチャート>
次に、蓄電先切り替え制御部13aの動作について説明する。
図6は、蓄電先切り替え制御部13aの動作を説明するフローチャートである。
【0027】
蓄電先切り替え制御部13aは、給電元切り替え制御部13bから、省電力デバイス3の動作開始通知を受け付けたか否かを判定する(S31)。前述したように、給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作開始タイミングになったときに、省電力デバイス3の動作の開始を通知する動作開始通知を出力する(
図5のS3)。蓄電先切り替え制御部13aは、ステップS31において、動作開始通知を受け付けたか否かを判定する。
蓄電先切り替え制御部13aは、動作開始通知を受け付けたとき(S31,Yes)、蓄電先切り替え回路15を制御して、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11に設定する(S33)。これにより、
図3及び
図4で説明したように、発電素子2によって変換された電気エネルギE1がキャパシタ11に蓄電される。次に、蓄電先切り替え制御部13aは、給電元切り替え制御部13bに対して、電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11に変更した旨の通知を出力する(S35)。給電元切り替え制御部13bは、この変更通知に基づいて、省電力デバイス3への給電を開始する(
図5のS5乃至S11)。
蓄電先切り替え制御部13aは、ステップS31にて省電力デバイス3の動作開始通知を受け付けなかったとき(S31,No)、又はステップS35にて蓄電先の変更通知を出力した後、給電元切り替え制御部13bから、省電力デバイス3の動作停止通知を受け付けたか否かを判定する(S37)。前述したように、給電元切り替え制御部13bは、省電力デバイス3の動作停止タイミングになったときに、省電力デバイス3の動作の停止を通知する動作停止通知を出力する(
図5のS23)。蓄電先切り替え制御部13aは、ステップS37において、動作停止通知を受け付けたか否かを判定する。
【0028】
蓄電先切り替え制御部13aは、動作停止通知を受け付けたとき(S37,Yes)、蓄電先切り替え回路15を制御して、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先を二次電池12に設定する(S39)。これにより、
図2で説明したように、発電素子2によって変換された電気エネルギE1が蓄電回路16にて調整され、電気エネルギE3として二次電池12に蓄電される。次に、蓄電先切り替え制御部13aは、給電元切り替え制御部13bに対して、電気エネルギの蓄電先を二次電池12に変更した旨の変更通知を出力する(S41)。給電元切り替え制御部13bは、この変更通知に基づいて、省電力デバイス3への給電を停止する(
図5のS27)。
蓄電先切り替え制御部13aは、ステップS37にて省電力デバイス3の動作停止通知を受け付けなかったとき(S37,No)、又はステップS41にて蓄電先の変更通知を出力した後、ステップS31に移行して上述した処理を行う。
【0029】
<第一実施形態のまとめ>
以上説明したように、第一実施形態の制御システム1において、制御回路13(給電元切り替え制御部13b)と給電元切り替え回路17の組(供給制御手段)は、キャパシタ11及び二次電池12に蓄電された電気エネルギの省電力デバイス3への供給を制御し、動作と非動作を繰り返す間欠動作を省電力デバイス3に行わせる。また、制御回路13(蓄電先切り替え制御部13a)と蓄電先切り替え回路15の組(蓄電制御手段)は、省電力デバイス3が動作しているときに、発電素子2が変換した電気エネルギをキャパシタ11に蓄電させ、省電力デバイス3が動作していないときに、発電素子2が変換した電気エネルギを二次電池12に蓄電させる。
第一実施形態の制御システム1では、省電力デバイス3の非動作時において、発電素子2が変換した電気エネルギを二次電池12に蓄電している。従って、キャパシタ11と比較して容量が大きく、電気エネルギの蓄電効率が低い二次電池12に対しても、電気エネルギを効率よく蓄電することができる。一方、省電力デバイス3の動作時において、発電素子2が変換した電気エネルギをキャパシタ11に蓄電し、キャパシタ11を介して省電力デバイス3に電気エネルギを供給している。従って、二次電池12と比較して電気エネルギの蓄電効率が高いキャパシタ11によって、省電力デバイス3に対する電気エネルギの供給を安定して行うことができる。
以上のように、第一実施形態の制御システム1では、間欠動作を行う省電力デバイス3の動作状況に応じて効率的に電気エネルギを蓄電することができる。
【0030】
<第二実施形態>
前述の第一実施形態において、制御システム1が電気エネルギを供給する省電力デバイス3は1つであったが、複数の省電力デバイス3に対して電気エネルギを供給してもよい。複数の省電力デバイス3に対して電気エネルギを供給する場合には、少なくとも1つの省電力デバイス3が動作しているときに、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11に設定し、全ての省電力デバイス3が非動作であるときに、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先を二次電池12に設定することが好ましい。以下、このように構成した第二実施形態について説明する。
【0031】
図7は、本発明の第二実施形態に係る制御システム1のハードウェア構成を説明するブロック図である。第二実施形態に係る制御システム1では、給電元切り替え回路17に3つの省電力デバイス3A乃至3Cが接続されている点が第一実施形態と相違している。その他の構成は第一実施形態と同じであるため、説明は省略する。
【0032】
図8は、全ての省電力デバイス3A乃至3Cの非動作時における制御システム1の動作を説明する図である。給電元切り替え制御部13bは、全ての省電力デバイス3A乃至3Cの動作が停止したタイミングにおいて、蓄電先切り替え制御部13aに対し、省電力デバイス3の動作停止通知を出力する。蓄電先切り替え制御部13aは、受け付けた動作停止通知に基づいて蓄電先切り替え回路15を制御し、発電素子2が変換した電気エネルギE1の蓄電先を二次電池12側に設定する。これにより、発電素子2が変換した電気エネルギE1は蓄電回路16によって電圧及び電流が調整され、調整後の電気エネルギE2が二次電池12に供給される。また、給電元切り替え制御部13bは、給電元(電源)であるキャパシタ11及び二次電池12の何れも、各省電力デバイス3A乃至3Cに接続しないように、給電元切り替え回路17を制御する。
【0033】
図9は、2つの省電力デバイス3A、3Bの動作時であって、環境発電による発電量が充分な場合の制御システム1の動作を説明する図である。
図10は、2つの省電力デバイス3A、3Bの動作時であって、環境発電による発電量が不充分な場合の制御システム1の動作を説明する図である。
図9に示す例では、2つの省電力デバイス3A、3Bが動作している。環境発電による発電量が充分な場合、蓄電先切り替え制御部13aは、発電素子2が変換した電気エネルギE1の蓄電先をキャパシタ11に設定し、給電元切り替え制御部13bは、動作対象である2つの省電力デバイス3A、3Bの給電元をキャパシタ11に設定する。これにより、2つの省電力デバイス3A、3Bは、キャパシタ11を介して供給される電気エネルギE3によって動作をする。従って、2つの省電力デバイス3A、3Bへの電気エネルギの供給を安定して行うことができる。
【0034】
図10に示す例でも、2つの省電力デバイス3A、3Bが動作している。環境発電による発電量が不充分な場合には、蓄電先切り替え制御部13aは、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11に設定し、給電元切り替え制御部13bは、動作対象である2つの省電力デバイス3A、3Bの給電元を二次電池12に設定する。これにより、発電素子2が変換した電気エネルギE1はキャパシタ11に蓄電されるが、2つの省電力デバイス3A、3Bは、二次電池12に蓄電された電気エネルギE4によって動作をする。従って、環境発電による発電量が不充分であっても、2つの省電力デバイス3A、3Bを動作させることができる。
なお、
図9及び
図10の例では、2つの省電力デバイス3A、3Bが動作している場合を例示したが、3つの省電力デバイス3A乃至3Cが全て動作している場合、及び1つの省電力デバイス3Aだけが動作している場合も同様である。さらに、省電力デバイス3の数は、3つに限られない。すなわち、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0035】
<第二実施形態のまとめ>
以上説明したように、第二実施形態の制御システム1では、全ての省電力デバイス3A乃至3Cの非動作時において、発電素子2が変換した電気エネルギE1を二次電池12に蓄電している。従って、キャパシタ11と比較して容量が大きく、電気エネルギの蓄電効率が低い二次電池12に対しても、電気エネルギE1を効率よく蓄電することができる。一方、複数の省電力デバイス3A乃至3Cの中の少なくとも1つの動作時においては、発電素子2が変換した電気エネルギE1をキャパシタ11に蓄電し、キャパシタ11を介して省電力デバイス3に電気エネルギE3を供給している。従って、二次電池12と比較して電気エネルギの蓄電効率が高いキャパシタ11を用いて省電力デバイス3に対する電気エネルギの供給を安定して行うことができる。
【0036】
<第三実施形態>
前述した第一実施形態、及び第二実施形態では、1つのキャパシタ11を用いていたが、容量が異なる複数のキャパシタ11を用いてもよい。以下、容量が異なる2種類のキャパシタ11A、11Bを備えた第三実施形態について説明する。
図11は、本発明の第三実施形態に係る制御システム1のハードウェア構成を説明するブロック図である。第三実施形態に係る制御システム1では、第1キャパシタ11Aと、第1キャパシタ11Aよりも電気エネルギの最大蓄電容量が大きい第2キャパシタ11Bと、を備えている。なお、第2キャパシタ11Bにおける電気エネルギの最大蓄電容量は、二次電池12の最大蓄電容量よりも小さい。また、電圧監視回路14は、第1キャパシタ11Aの電圧と第2キャパシタ11Bの電圧をそれぞれ監視しており、給電元切り替え制御部13bは、蓄電先切り替え制御部13aに対して動作対象の省電力デバイス3A乃至3Cの数を通知する。
全ての省電力デバイス3A乃至3Cの非動作時には、第二実施形態と同様に、発電素子2が変換した電気エネルギは蓄電回路16によって電圧及び電流が調整され、調整後の電気エネルギが二次電池12に供給される。一方、省電力デバイス3(3A乃至3C)の動作期間では、動作対象の省電力デバイス3による消費電力に応じて給電元が選択される。
【0037】
例えば、1つの省電力デバイス3Aが動作しているときは、第1キャパシタ11Aから省電力デバイス3Aへ電気エネルギを供給する。この場合において、第1キャパシタ11Aの電圧が閾値以下になったときは、第2キャパシタ11Bから省電力デバイス3Aへ電気エネルギを供給してもよいし、二次電池12から省電力デバイス3Aへ電気エネルギを供給してもよい。
2つの省電力デバイス3A、3Bが動作しているときは、第2キャパシタ11Bから2つの省電力デバイス3A、3Bへ電気エネルギを供給する。この場合において、第2キャパシタ11Bの電圧が閾値以下になったときは、二次電池12から省電力デバイス3Aへ電気エネルギを供給する。
3つの省電力デバイス3A乃至3Cが動作している場合には、第2キャパシタ11Bから3つの省電力デバイス3A乃至3Cへ電気エネルギを供給し、第2キャパシタ11Bの電圧が閾値以下になったときに、二次電池12から3つの省電力デバイス3A乃至3Cへ電気エネルギを供給する。なお、3つの省電力デバイス3A乃至3Cが動作している場合には、各キャパシタ11A、11Bの電圧に関わらず、二次電池12から3つの省電力デバイス3A乃至3Cへ電気エネルギを供給してもよい。
【0038】
<第三実施形態のまとめ>
第三実施形態の制御システム1では、省電力デバイス3によって消費される電気エネルギの量に適した給電元を選択できる。なお、各省電力デバイス3の消費電力が同一の場合に限らず、各省電力デバイス3の消費電力が異なる場合であっても同様の作用効果を奏する。
【0039】
<第四実施形態>
前述した第一実施形態乃至第三実施形態では、省電力デバイス3の非動作期間においてキャパシタ11には電気エネルギを供給していなかったが、非動作期間においてキャパシタ11に電気エネルギを供給してもよい。非動作期間においてキャパシタ11に電気エネルギを供給することにより、省電力デバイス3が非動作状態から動作を開始したタイミングにおいて、省電力デバイス3の動作に必要な量の電気エネルギをキャパシタ11に蓄電させておくことができ、省電力デバイス3を速やかに動作させることができる。
【0040】
以下、省電力デバイス3の非動作期間においてキャパシタ11への電気エネルギの蓄電を可能にした第4実施形態について説明する。
第四実施形態におけるハードウェア構成は、前述した第一実施形態乃至第三実施形態と同じであるため、説明を省略する。第4実施形態では、省電力デバイス3の非動作期間における制御に特徴を有していることから、当該制御について説明をする。
【0041】
図12は、本発明の第四実施形態に係る給電元切り替え制御部13bの動作の要部を説明するフローチャートである。なお、当該フローチャートにおける要部以外の処理は、第一実施形態(
図5参照)と同じであるため、説明を省略する。
給電元切り替え制御部13bは、ステップS1にて省電力デバイス3の動作開始タイミングではないと判定した場合(S1でNo)、キャパシタ11の電圧を確認するタイミングになったか否かを判定する(S51)。この判定は、制御回路13のタイマ機能を用いて行うことができる。例えば、省電力デバイス3の前回の動作終了時から計時を開始し、予め定めた時間が経過したときに、電圧確認タイミングになったと判定する。
給電元切り替え制御部13bは、キャパシタ11の電圧確認タイミングになったと判定したときには(S51,Yes)、閾値を超えていたキャパシタ11の電圧が閾値以下になったか否かを判定する(S53)。一方、給電元切り替え制御部13bは、キャパシタ11の電圧確認タイミングではないと判定したときには(S51,No)、ステップS1へ移行する。
【0042】
給電元切り替え制御部13bは、ステップS53にてキャパシタ11の電圧が閾値以下になったと判定したときには(S53,Yes)、蓄電先切り替え制御部13aに対して電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11に設定する旨の変更通知を出力する(S55)。蓄電先切り替え制御部13aは、この変更通知に基づいて蓄電先切り替え回路15を制御し、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先をキャパシタ11に設定する。これにより、発電素子2によって変換された電気エネルギがキャパシタ11に蓄電される。
ステップS51にてキャパシタ11の電圧が閾値以下になっていないと判定したとき(S53,No)、又はステップS55にて蓄電先切り替え制御部13aに変更通知を出力した後、給電元切り替え制御部13bは、閾値以下であったキャパシタ11の電圧が閾値を超えたか否かを判定する(S53)。
給電元切り替え制御部13bは、キャパシタ11の電圧が閾値を超えたと判定したときには(S57,Yes)、蓄電先切り替え制御部13aに対して電気エネルギの蓄電先を二次電池12に変更する旨の変更通知を出力する(S59)。蓄電先切り替え制御部13aは、この変更通知に基づいて蓄電先切り替え回路15を制御し、発電素子2が変換した電気エネルギの蓄電先を二次電池12に設定する。これにより、発電素子2によって変換された電気エネルギが二次電池12に蓄電される。
【0043】
<第四実施形態のまとめ>
第四実施形態の制御システム1では、非動作期間においてキャパシタ11に電気エネルギを供給しているため、省電力デバイス3の動作に必要な量の電気エネルギを予めキャパシタ11に蓄電させておくことができ、省電力デバイス3を非動作状態から速やかに動作させることができる。
【0044】
<変形例について>
本発明は、環境から供給される環境エネルギを電気エネルギに変換する発電素子2(発電手段)と、発電素子2が発電した電気エネルギの供給を受けて間欠動作をする省電力デバイス3(負荷)との間に設けられ、変換後の電気エネルギを蓄電し、蓄電した電気エネルギを動作対象の負荷に供給する各種の制御システム1に適用することができる。
前述の実施形態では、制御回路13、電圧監視回路14、蓄電先切り替え回路15、蓄電回路16、及び給電元切り替え回路17を用いたが、その全部又は一部をソフトウェアによって構成してもよい。また、蓄電先切り替え制御部13a、及び給電元切り替え制御部13bの全部又は一部をハードウェアによって構成してもよい。
発電素子2に関し、光エネルギ、運動エネルギ、及び熱エネルギなどの環境エネルギを電気エネルギに変換できる素子であればよい。
省電力デバイス3に関し、センサ3aと無線通信ユニット3b以外であっても、電気エネルギの供給を受けて間欠動作をするものであればよい。
電気エネルギを蓄電する蓄電手段に関し、前述した各実施形態では、キャパシタ11と二次電池12を例示したが、これらに限定されない。すなわち、蓄電手段に関しては、電気エネルギを蓄電できればよい。
【0045】
[本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ]
<第一の実施態様>
本態様に係る制御システム(制御システム1)は、環境から供給される環境エネルギを電気エネルギに変換する変換手段(発電素子2)と電気エネルギを消費して動作をする負荷(省電力デバイス3)との間に設けられ、変換手段が変換した電気エネルギの負荷への供給を制御する制御システムであって、変換手段が変換した電気エネルギを蓄電する第1蓄電手段(キャパシタ11)と、変換手段が変換した電気エネルギを蓄電し、第1蓄電手段よりも蓄電容量が大きく蓄電効率が低い第2蓄電手段(二次電池12)と、第1蓄電手段及び第2蓄電手段に蓄電された電気エネルギの負荷への供給を制御し、動作と非動作を繰り返す間欠動作を当該負荷に行わせる供給制御手段(給電元切り替え制御部13bと給電元切り替え回路17の組)と、負荷が動作をしているときに、変換手段が変換した電気エネルギを第1蓄電手段に蓄電させ、負荷が動作をしていないときに、変換手段が変換した電気エネルギを第2蓄電手段に蓄電させる蓄電制御手段(蓄電先切り替え制御部13aと蓄電先切り替え回路15の組)と、を備えることを特徴とする。
【0046】
本態様に係る制御システムでは、省電力デバイス3の非動作時において、変換手段が変換した電気エネルギを第2蓄電手段に蓄電している。従って、第1蓄電手段と比較して容量が大きく、電気エネルギの蓄電効率が低い第2蓄電手段に対しても、電気エネルギを効率よく蓄電することができる。一方、省電力デバイス3の動作時において、変換手段が変換した電気エネルギを第1蓄電手段に蓄電し、第1蓄電手段を介して負荷に電気エネルギを供給している。従って、第2蓄電手段と比較して電気エネルギの蓄電効率が高い第1蓄電手段によって、負荷に対する電気エネルギの供給を安定して行うことができる。その結果、間欠動作を行う負荷の動作状況に応じて効率的に電気エネルギを蓄電することができる。
【0047】
<第二の実施態様>
本態様に係る制御システムにおいて、負荷(省電力デバイス3)は、複数備えられており、蓄電制御手段(蓄電先切り替え制御部13aと蓄電先切り替え回路15の組)は、少なくとも1つの負荷が動作しているときに、変換手段(発電素子2)が変換した電気エネルギの蓄電先を第1蓄電手段(キャパシタ11)に設定し、全ての負荷が動作していないときに、変換手段が変換した電気エネルギの蓄電先を第2蓄電手段(二次電池12)に設定することを特徴とする。
本態様に係る制御システムでは、制御システムが複数の負荷に電気エネルギを供給する場合において、負荷に対する電気エネルギの供給を安定して行うことができる。
【0048】
<第三の実施態様>
本態様に係る制御システムにおいて、供給制御手段(給電元切り替え制御部13bと給電元切り替え回路17の組)は、動作対象の負荷(省電力デバイス3)によって消費される電気エネルギの量に応じて、動作対象の負荷に電気エネルギを供給する蓄電手段を決定することを特徴とする。
本態様に係る制御システムでは、省電力デバイス3の動作数に適した電気エネルギの給電元を選択できる。
【0049】
<第四の実施態様>
本態様に係る制御システムでは、第1蓄電手段(キャパシタ11)の電圧を監視する電圧監視手段(電圧監視回路14)を備え、蓄電制御手段(蓄電先切り替え制御部13aと蓄電先切り替え回路15の組)は、負荷(省電力デバイス3)の非動作期間において第1蓄電手段の電圧が閾値を超えているときに、変換手段が変換した電気エネルギの蓄電先を第2蓄電手段(二次電池12)に設定し、負荷の非動作期間において第1蓄電手段の電圧が閾値以下であるときに、変換手段が変換した電気エネルギの蓄電先を第1蓄電手段に設定することを特徴とする。
本態様に係る制御システムでは、負荷の非動作期間において第1蓄電手段の電圧を閾値よりも高く維持できる。これにより、負荷の動作に必要な量の電気エネルギを第1蓄電手段に蓄電させておくことができ、非動作状態の負荷を速やかに動作させることができる。
【0050】
<第五の実施態様>
本態様では、環境から供給される環境エネルギを電気エネルギに変換する変換手段(発電素子2)と電気エネルギを消費して動作をする負荷(省電力デバイス3)との間に設けられ、変換手段が変換した電気エネルギの負荷への供給を制御する制御システム(制御システム1)による制御方法であって、制御システムは、変換手段が変換した電気エネルギを蓄電する第1蓄電手段(キャパシタ11)と、変換手段が変換した電気エネルギを蓄電し、第1蓄電手段よりも蓄電容量が大きく蓄電効率が低い第2蓄電手段(二次電池12)と、変換手段が変換した電気エネルギの第1蓄電手段及び第2蓄電手段への蓄電を制御する蓄電制御手段(蓄電先切り替え制御部13aと蓄電先切り替え回路15の組)と、第1蓄電手段及び第2蓄電手段に蓄電された電気エネルギの前記負荷への供給を制御する供給制御手段(給電元切り替え制御部13bと給電元切り替え回路17の組)と、を備え、負荷を間欠的に動作させるステップと、負荷が動作をしているときに、変換手段が変換した電気エネルギを第1蓄電手段に蓄電させるステップと、負荷が動作をしていないときに、変換手段が変換した電気エネルギを第2蓄電手段に蓄電させるステップと、を実行することを特徴とする。
本態様に係る制御方法では、第1の実施態様と同様に、間欠動作を行う負荷の動作状況に応じて効率的に電気エネルギを蓄電することができる。
【0051】
<第六の実施態様>
本態様に係るプログラムは、第五の実施態様に記載の制御システムによる制御方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本態様に係るプログラムによれば、第五の実施態様と同等の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0052】
1…制御システム、2…発電素子、3…省電力デバイス、11…キャパシタ(第1蓄電手段)、12…二次電池(第2蓄電手段)、13…制御回路、13a…蓄電先切り替え制御部(蓄電制御手段)、13b…給電元切り替え制御部(供給制御手段)、14…電圧監視回路、15…蓄電先切り替え回路、16…蓄電回路、17…給電元切り替え回路
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【文献】特開2012-253842公報
【文献】特許第5359090公報