(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】動物用トイレ
(51)【国際特許分類】
A01K 1/01 20060101AFI20220601BHJP
A01K 29/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A01K1/01 801A
A01K29/00 E
(21)【出願番号】P 2018205792
(22)【出願日】2018-10-31
【審査請求日】2021-07-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】一色国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】金子 真也
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/150086(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/104216(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/110161(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/166662(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/01
A01K 23/00
A01K 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向、左右方向、及び上下方向を備え、
前記上下方向に貫通する複数の孔が設けられた上容器底部、及び上容器壁部を備えた上容器と、
前記複数の孔を通過した排泄物を受ける受け部を有するトレイと、
前記トレイを支持する支持部を有する支持容器と、
上側及び前側にそれぞれ上側開口部及び前側開口部を有する本体部と、
トレイ当接部を備える出力本体部と、を有し、
前記上容器は、前記上側開口部に配置され、
前記上容器壁部は、前記上容器底部から上方に向かって設けられた部分であり、前記上容器底部より外側に設けられ、
前記トレイを支持した状態の前記支持容器を、前記前側開口部から前記前後方向に沿って抜き差し可能である動物用トイレであって、
前記トレイ当接部には、前記トレイの下面が接触することにより前記トレイの重力が作用し、且つ、前記上容器及び前記本体部の重力が作用しておらず、
前記出力本体部は、前記トレイ当接部に対する荷重に応じて変化する信号を出力する出力部を有し、
前記上容器底部は、前記上下方向において、前記上容器壁部の下端から所定距離だけ下方に突出しており、
前記支持容器は、前側壁部、左側壁部、右側壁部、後側壁部、及び前記前側壁部より前側に設けられた引き出し部を備え、
前記支持部は、前記前側壁部、前記左側壁部、前記右側壁部、及び前記後側壁部によって囲まれた内側領域に配置され、
前記後側壁部は、前記左右方向において前記上容器底部と重なる部分の両外側にそれぞれ設けられた第1壁部と、前記第1壁部同士の間に設けられた第2壁部を有し、
前記上下方向において、前記第1壁部の上端の位置と前記第2壁部の上端の位置との間の距離は、前記所定距離より長いことを特徴とする動物用トイレ。
【請求項2】
請求項1に記載の動物用トイレであって、
前記動物用トイレを載置面上に載置した状態において、
前記引き出し部の底面の前端が前記載置面に当接した状態、且つ、前記支持容器の第1壁部の上端を前記上容器壁部に当接させた状態において、
前記上容器底部と前記第2壁部とが離間していることを特徴とする動物用トイレ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の動物用トイレであって、
前記第2壁部の上端の位置は、前記トレイの上端の位置より高いことを特徴とする動物用トイレ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の動物用トイレであって、
前記第2壁部の上端の位置は、前記トレイの上端の位置より低いことを特徴とする動物用トイレ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の動物用トイレであって、
前記トレイは、前記前後方向及び前記左右方向の中央部に設けられた前記排泄物を受ける平面状の受け部と、前記受け部を区画するトレイ前側壁部、トレイ左側壁部、トレイ右側壁部、及びトレイ後側壁部を備え、
前記トレイ後側壁部は、前記左右方向において、前記上容器底部と重なる部分の両外側にそれぞれ設けられた第3壁部と、前記第3壁部同士の間に設けられた第4壁部を有し、
前記第4壁部の上端の位置は、前記第3壁部の上端の位置より低いことを特徴とする動物用トイレ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の動物用トイレであって、
前記上容器壁部は、前記第1壁部の上端の前記左右方向の内側の端と前記左右方向において重なる上容器接触点を有し、
前記上下方向における、前記上容器壁部の下端と前記上容器接触点との間の距離が、前記所定距離以下であることを特徴とする動物用トイレ。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の動物用トイレであって、
前記前側壁部は、前記左右方向の両側部にそれぞれ設けられた第5壁部と、前記第5壁部同士の間に設けられた第6壁部を有し、
前記第6壁部の上端の位置は、前記第5壁部の上端の位置より低く、
前記第2壁部の前記左右方向の長さは、前記第6壁部の前記左右方向の長さより長く、
前記第2壁部の上端の位置は、前記第6壁部の上端の位置より高いことを特徴とする動物用トイレ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用トイレに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物用トイレとして、室内で飼育される猫等の動物が使用するものが知られている。また、特許文献1に示すように、動物の排泄物の重量を計測する第1重量計21を有する動物用トイレ1も知られている。動物用トイレ1の第1重量計21は、計測台12や動物の重量がかからない排泄トレイ13を支持しており、排泄物の有無による排泄トレイ13の重量の変化を計測することで、排泄物の重量を計測する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の動物用トイレ1の排泄トレイ13は、本体容器10の側面の穴から挿入されたり抜き取られたりするが、排泄物を受けた後の排泄トレイ13を抜き取る際に、排泄トレイ13の上端部がメッシュ12aの裏面に接触して、排泄物が排泄トレイ13の外に漏れてしまう恐れがあった。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、排泄物がトレイの外側に漏れてしまう恐れを軽減させることができる動物用トイレを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための主たる発明は、前後方向、左右方向、及び上下方向を備え、前記上下方向に貫通する複数の孔が設けられた上容器底部、及び上容器壁部を備えた上容器と、前記複数の孔を通過した排泄物を受ける受け部を有するトレイと、前記トレイを支持する支持部を有する支持容器と、上側及び前側にそれぞれ上側開口部及び前側開口部を有する本体部と、トレイ当接部を備える出力本体部と、を有し、前記上容器は、前記上側開口部に配置され、前記上容器壁部は、前記上容器底部から上方に向かって設けられた部分であり、前記上容器底部より外側に設けられ、前記トレイを支持した状態の前記支持容器を、前記前側開口部から前記前後方向に沿って抜き差し可能である動物用トイレであって、前記トレイ当接部には、前記トレイの下面が接触することにより前記トレイの重力が作用し、且つ、前記上容器及び前記本体部の重力が作用しておらず、前記出力本体部は、前記トレイ当接部に対する荷重に応じて変化する信号を出力する出力部を有し、前記上容器底部は、前記上下方向において、前記上容器壁部の下端から所定距離だけ下方に突出しており、前記支持容器は、前側壁部、左側壁部、右側壁部、後側壁部、及び前記前側壁部より前側に設けられた引き出し部を備え、前記支持部は、前記前側壁部、前記左側壁部、前記右側壁部、及び前記後側壁部によって囲まれた内側領域に配置され、前記後側壁部は、前記左右方向において前記上容器底部と重なる部分の両外側にそれぞれ設けられた第1壁部と、前記第1壁部同士の間に設けられた第2壁部を有し、前記上下方向において、前記第1壁部の上端の位置と前記第2壁部の上端の位置との間の距離は、前記所定距離より長いことを特徴とする動物用トイレである。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、動物が排泄を行った後のトレイを備えた支持容器を引き出した場合においても、支持容器の後側壁部が上容器の底部に接触して、排泄物がトレイの外側に漏れてしまう恐れを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本実施形態の動物用トイレ1の概略斜視図である。
【
図2】
図2は、動物用トイレ1の分解説明図である。
【
図3】
図3は、動物用トイレ1の構成について説明する図である。
【
図4】
図4Aは、上容器10の概略平面図である。
図4Bは、上容器10の概略側面図である。
【
図6】
図6は、使用状態の本体部20、トレイ30、支持容器40の配置について説明する図である。
【
図7】
図7は、トレイ30を支持容器40に配置した状態の概略平面図である。
【
図9】
図9は、支持容器40の底面の概略平面図である。
【
図11】
図11は、使用状態の動物用トイレ1の概略平面図である。
【
図13】
図13は、比較例としての動物用トイレにおける上容器10´と支持容器40´との位置関係について説明する図である。
【
図14】
図14は、動物用トイレ1における上容器10と支持容器40との位置関係について説明する図である。
【
図15】
図15は、引き出し部43を載置面に当接させ、且つ、第1壁部42dfの上端を上容器湾曲部12に当接させた状態を説明する図である。
【
図17】
図17は、他の実施形態の動物用トイレ100の前後方向についての中心から後方を見た断面の模式図である。
【
図18】
図18は、他の実施形態のトレイ300について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書及び添付図面の記載により、前後方向、左右方向、及び上下方向を備え、前記上下方向に貫通する複数の孔が設けられた上容器底部、及び上容器壁部を備えた上容器と、前記複数の孔を通過した排泄物を受ける受け部を有するトレイと、前記トレイを支持する支持部を有する支持容器と、上側及び前側にそれぞれ上側開口部及び前側開口部を有する本体部と、トレイ当接部を備える出力本体部と、を有し、前記上容器は、前記上側開口部に配置され、前記上容器壁部は、前記上容器底部から上方に向かって設けられた部分であり、前記上容器底部より外側に設けられ、前記トレイを支持した状態の前記支持容器を、前記前側開口部から前記前後方向に沿って抜き差し可能である動物用トイレであって、前記トレイ当接部には、前記トレイの下面が接触することにより前記トレイの重力が作用し、且つ、前記上容器及び前記本体部の重力が作用しておらず、前記出力本体部は、前記トレイ当接部に対する荷重に応じて変化する信号を出力する出力部を有し、前記上容器底部は、前記上下方向において、前記上容器壁部の下端から所定距離だけ下方に突出しており、前記支持容器は、前側壁部、左側壁部、右側壁部、後側壁部、及び前記前側壁部より前側に設けられた引き出し部を備え、前記支持部は、前記前側壁部、前記左側壁部、前記右側壁部、及び前記後側壁部によって囲まれた内側領域に配置され、前記後側壁部は、前記左右方向において前記上容器底部と重なる部分の両外側にそれぞれ設けられた第1壁部と、前記第1壁部同士の間に設けられた第2壁部を有し、前記上下方向において、前記第1壁部の上端の位置と前記第2壁部の上端の位置との間の距離は、前記所定距離より長いことを特徴とする動物用トイレである。
【0010】
このような動物用トイレによれば、動物が排泄を行った後のトレイを備えた支持容器を引き出した場合においても、支持容器の後側壁部が上容器の底部に接触して、排泄物がトレイの外側に漏れてしまう恐れを軽減させることができる。
【0011】
かかる動物用トイレであって、前記動物用トイレを載置面上に載置した状態において、前記引き出し部の底面の前端が前記載置面に当接した状態、且つ、前記支持容器の第1壁部の上端を前記上容器壁部に当接させた状態において、前記上容器底部と前記第2壁部とが離間していることが望ましい。
【0012】
このような動物用トイレによれば、引き出し部の底面の前端が載置面に当接した状態で、且つ、支持容器の第1壁部の上端を上容器壁部に当接させた状態でも、上容器底部と第2壁部とが接触しないため、支持容器が上容器底部に接触することで排泄物がトレイの外側に漏れる恐れを軽減させることができる。
【0013】
かかる動物用トイレであって、前記第2壁部の上端の位置は、前記トレイの上端の位置より高いことが望ましい。
【0014】
このような動物用トイレによれば、排泄物を受けるトレイより高い第2壁部によって、排泄物が後方へ漏れてしまう恐れを軽減させることができる。
【0015】
かかる動物用トイレであって、前記第2壁部の上端の位置は、前記トレイの上端の位置より低いことが望ましい。
【0016】
このような動物用トイレによれば、トレイの上端部が第2壁部によって覆われていないため、動物の世話をする使用者等は、トレイの後端部を容易につかみやすくなる。
【0017】
かかる動物用トイレであって、前記トレイは、前記前後方向及び前記左右方向の中央部に設けられた前記排泄物を受ける平面状の受け部と、前記受け部を区画するトレイ前側壁部、トレイ左側壁部、トレイ右側壁部、及びトレイ後側壁部を備え、前記トレイ後側壁部は、前記左右方向において、前記上容器底部と重なる部分の両外側にそれぞれ設けられた第3壁部と、前記第3壁部同士の間に設けられた第4壁部を有し、前記第4壁部の上端の位置は、前記第3壁部の上端の位置より低いことが望ましい。
【0018】
このような動物用トイレによれば、動物が排泄を行った後のトレイを備えた支持容器を引き出した場合においても、トレイのトレイ後側壁部が上容器底部に接触して、排泄物がトレイの外側に漏れてしまう恐れを軽減させることができる。
【0019】
かかる動物用トイレであって、前記上容器壁部は、前記第1壁部の上端の前記左右方向の内側の端と前記左右方向において重なる上容器接触点を有し、前記上下方向における、前記上容器壁部の下端と前記上容器接触点との間の距離が、前記所定距離以下であることが望ましい。
【0020】
このような動物用トイレによれば、上下方向における前記上容器壁部の下端と前記上容器接触点との間の距離が、所定距離より大きい場合よりも、左右方向において上容器底部により近い位置で上容器壁部と第1壁部とが当接するため、第2壁部と上容器底部とが接触する恐れを軽減させることができる。
【0021】
かかる動物用トイレであって、前記前側壁部は、前記左右方向の両側部にそれぞれ設けられた第5壁部と、前記第5壁部同士の間に設けられた第6壁部を有し、前記第6壁部の上端の位置は、前記第5壁部の上端の位置より低く、前記第2壁部の前記左右方向の長さは、前記第6壁部の前記左右方向の長さより長く、前記第2壁部の上端の位置は、前記第6壁部の上端の位置より高いことが望ましい。
【0022】
このような動物用トイレによれば、左右方向においてより長い第2壁部を有することで、後側壁部が上容器底部と接触する恐れをより軽減しつつ、第5壁部の上端をより低くすることで、使用者がトレイを持ち上げる作業を前側壁部によって妨げられてしまう恐れを軽減させることができる。
【0023】
===第1実施形態===
本実施形態に係る動物用トイレ1は、例えば室内で飼われる猫等の動物が使用するトイレである。本明細書中における「動物」とは、猫、犬、ウサギ、ハムスター等のいわゆるペットのみならず、トラやライオンの赤ちゃん等も含む。また、動物用トイレ1の「使用者」とは、動物の飼い主や飼育者であり、動物用トイレ1を管理する者をいう。動物用トイレ1は、例えば室内の床等の載置面G上に設置されて使用される。
【0024】
<動物用トイレ1の全体構成>
図1は、本実施形態の動物用トイレ1の概略斜視図である。
図2は、動物用トイレ1の分解説明図である。
図3は、動物用トイレ1の構成について説明する図である。なお、以下の説明では、互いに直交する三方向を、前後方向、左右方向、及び上下方向という。
図4A等における中心線C-Cは、動物用トイレ1の左右方向の中心を示しており、動物用トイレ1は、中心線C-Cに対して左右対称な形状を有している。
【0025】
図1、
図2及び
図3に示すように、動物用トイレ1は、上容器10、本体部20、トレイ30、支持容器40、カバー50、及び出力本体部60と、を備えている。本体部20の上方から上容器10が配され、本体部20及び上容器10の上方にカバー50が配されている。トレイ30は支持容器40の内側に配され、トレイ30を収容(支持)した状態の支持容器40は、本体部20の前方に引き出し可能に収容されている。また、本体部20は、出力本体部60に上方から載置されている。
【0026】
動物用トイレとして使用する際には、上容器10の内側の底面に複数の粒状の排泄物処理剤(不図示)を載置し、トレイ30の受け部31に吸収性シート(不図示)を配置する。排泄物処理材は、いわゆる猫砂であり、尿などの液体の動物の排泄物を吸収したり、透過させたりする粒状の処理材である。排泄物処理材は、撥水性を有し、多くの液体を吸液部材へ透過させる。仮に、液体を吸収しやすい排泄物処理剤を用いると、排泄物処理剤が多くの尿を吸収してしまって、尿量を正確に計測するのが困難になる。ただし、撥水性の排泄物処理剤であっても、若干量の尿が吸収される場合がある。そのような排泄物を使用する場合には、尿の量を検出する際に、使用する排泄物処理材の種類に応じて補正を行ってもよい。吸収性シートは、排泄物(尿)等の液体を吸収可能なシート部材であり、液透過性の表面シートと、液保持性の中間シートと、液不透過性の裏面シートを積層して接合した矩形状のシート部材を用いることができる。以下、主に動物用トイレ1を使用する使用状態における動物用トイレ1について説明し、図面等においては排泄物処理剤及び吸収性シートは省略して示す。
【0027】
<<上容器10の構成>>
図4Aは、上容器10の概略平面図である。
図4Bは、上容器10の概略側面図である。上容器10は、有底無蓋の容器であり、底面に上容器底部11、上容器湾曲部(上容器壁部)12を備えている。
【0028】
上容器底部11は、平面視が略矩形形状であり、上下方向に貫通する複数の孔hが形成された開孔領域Hと、孔hが設けられていない非開孔領域Nを有する。開孔領域Hは、上容器底部11の中央部に設けられており、非開孔領域Nは、開孔領域Hを囲む周縁部に設けられている。具体的には、上容器底部11は、平らな面である同じ面に、孔hを有する開孔領域Hと、開孔領域Hの周りに孔hを有さない非開孔領域Nとを有している。開孔領域Hは、最も前側に位置する孔hに前側から接する直線と、最も左側に位置する孔hに左側から接する直線と、最も後側に位置する孔hに後側から接する直線と、最も右側に位置する孔hに右側から接する直線と、これらの直線同士が交差する4つの角部において孔hに接しながらつなぐ曲線部と、で囲まれた領域をいう。各孔hは、縦長形状であり、動物の排泄物のうち、尿(液体)は通すが、糞便(固体)は通さない大きさである。
【0029】
上容器湾曲部12は、上容器底部11から上方に向かって湾曲した部分であり、上容器10の外壁を構成する壁部である。上容器湾曲部12は、上容器底部11の周縁部の全域から上方へ伸びた領域である。
【0030】
上容器底部11は、上容器湾曲部12の下端から所定距離だけ下方に突出しており、上容器湾曲部12の下端から上容器底部11の下端までの距離はLb(所定距離)である。上容器底部11は、動物が載る領域であり、且つ、複数の孔hが設けられている。そのため、上容器底部11の厚みを厚くすることによって、上容器底部11の強度を向上させている。
【0031】
<<本体部20の構成>>
図5は、本体部20の概略平面図である。
図2及び
図5に示すように、本体部20は、底面及び上面を有さない、壁面で囲まれた部材である。上側に上側開口部21と、下側に下側開口部22と、前側に前側開口部23と、内側の両側部に本体側壁部(側壁部)24、24と、内側の前側部分に本体凹部25と、内側の後側部分に本体後壁部26とを有する。
【0032】
上側開口部21及び下側開口部22は、それぞれ上下方向に貫通した略矩形状の開口部である。上容器10は上側開口部21に配置され、本体部20の上端部で上容器10を支持する。下側開口部22は、上側開口部21より小さく、後述の上側出力部61よりも広い。本体部20を出力本体部60に載置した際には、本体部20は上側出力部61より外側で、下側開口部22の下端部が下側出力部62に接触する。前側開口部23は、本体部20の前側の壁面の下部且つ、左右方向の略全域に亘って設けられた略矩形状の開口部であり、上側開口部21や下側開口部22より小さい。本体側壁部24は、前側開口部23の両側部からそれぞれ前後方向に沿っており、収容された状態(使用状態)の支持容器40の左右方向への動きを制限する。本体凹部25は、内側の前側部分に設けられた下方に向かって凹んだ凹部であり、左右方向に沿っている。本体凹部25に後述の支持容器40の支持容器凸部44(
図9参照)を嵌合させることで、支持容器40の前後方向の動きを制限する。本体後壁部26は、内側の後側部分の左右方向の中央部に設けられ、前記左右方向に沿っている。挿入された支持容器40が所定の位置より後方へ移動しないように支持容器40の前後方向への動きを制限する。
【0033】
<<トレイ30及び支持容器40の構成>>
図6は、使用状態の本体部20、トレイ30、支持容器40の配置について説明する図である。
図6では、便宜上、上容器10及びカバー50を省略して示している。
図6に示すように、使用状態において、トレイ30は、支持容器40の内側に収容され、支持容器40は、本体部20の内側に収容されている。
図7は、トレイ30を支持容器40に配置した状態の概略平面図である。
図8は、支持容器40の概略平面図である。
図9は、支持容器40の底面の概略平面図である。
図10Aは、
図8中のE-E矢視で示す断面の模式図、
図10Bは、
図8中のF-F矢視で示す断面の模式図である。
図6~
図8中の中心線X-Xは、内側領域42Uの中心線である。
【0034】
図2及び
図7に示すように、トレイ30は、中央部に受け部31と、受け部31より上側に設けられた被支持部32とを有する。受け部31は、四方を壁面で囲まれた平面状の略矩形状であり、孔hを通過した排泄物(具体的には、尿)を受ける。受け部31の前後方向の長さがLt、左右方向の長さがMtである。被支持部32は、受け部31より外側で受け部31より上側に設けられ、上面及び下面がそれぞれ平面状の部分である。また、被支持部32は、トレイ30を支持容器40に収容した状態で、支持容器40を移動させる際に支持部41によって支持される部分である。なお、使用状態においては、被支持部32は、支持部41と離間している。
【0035】
図2、
図7、
図8、
図9、
図10A及び
図10Bに示すように、支持容器40は、支持部41と、壁部42と、引き出し部43と、支持容器凸部44を有する。壁部42は、前側壁部42a、左側壁部42b、右側壁部42c、後側壁部42dを備え、前側壁部42aと左側壁部42bと右側壁部42cと後側壁部42dによって囲まれた領域は内側領域42Uである。後側壁部42dは、第1壁部42dfと、第1壁部42dfより上端の高さが低い第2壁部42dsを有する。前側壁部42aは、第5壁部42afと、第5壁部42afより上端の高さが低い第6壁部42asとを有する。第1壁部42df、第2壁部42ds、第5壁部42af及び第6壁部42asについては、後述する。支持部41は、トレイ30を支持する部材であり、内側領域42Uに設けられている。具体的には、支持部41は内側領域42Uの周縁部全域に連続して同じ高さに設けられており、前側及び両側の支持部41は、それぞれ左右方向及び前後方向に沿う一定の幅を持った壁部材であり、後側の支持部41は、後側壁部42dから前側に向かって延びた平面部材である(
図2等参照)。支持容器40を本体部20から引き出した状態において、支持部41の上部にトレイ30の被支持部32を載置した状態となり、支持部41がトレイ30を支持することで、トレイ30が支持容器40内に収容された状態となる。引き出し部43は、前側壁部42aより前側に設けられており、本体部20から支持容器40を前側に引き出す際に使用者が掴む部分が設けられている。
【0036】
支持容器凸部44は、支持容器40の底面に2つ設けられている。2つの支持容器凸部44は、略同じ大きさで、それぞれ略矩形形状で下方に突出している。また、前後方向において同じ位置に配置されている。使用状態では、支持容器凸部44が本体部20の本体凹部25に嵌合しており、支持容器40の前後方向への移動を制限している。所定の力で引き出すことで、支持容器凸部44が本体凹部25との嵌合状態から脱し、支持容器40を本体部20の前方に引き出すことができる。
【0037】
<<カバー50の構成>>
図11は、使用状態の動物用トイレ1の概略平面図である。
図1、
図2及び
図11に示すように、カバー50は、上容器10及び本体部20の上方に配置されており、上側にカバー開口部51を有する。カバー50は、上容器10の上方の開口の前側部分を覆っている。カバー50は、動物によって掻かれた排泄物処理剤が動物用トイレ1の外側に出てしまう恐れを軽減させる。動物用トイレ1は、上容器10の前側部分を覆うことで、動物が後側を向いて排泄をした後に、後脚で排泄物処理剤を掻いた場合の排泄物処理剤が動物用トイレ1の外に出てしまう恐れを軽減させている。
【0038】
<<出力本体部60の構成>>
図2に示すように、出力本体部60は、上側出力部61と、上側出力部61より下側に位置する下側出力部62とを有する。上側出力部61と下側出力部62は、それぞれ平面視において矩形形状を有し、所定の厚みを有する。上側出力部61は、下側出力部62の上に載置されている。上側出力部61は、上面にトレイ30が当接するトレイ当接部61aを有し、上側出力部61の内部に出力部である上側ロードセル(不図示)を少なくとも1つ以上備える。トレイ当接部61aは、上側出力部61の全面の全域に亘って平面である。下側出力部62は、出力部である下側ロードセル63と、制御部(不図示)とを備える。下側ロードセル63は、下側出力部62の底面の四隅に設けられ、下方に突出しており、動物用トイレ1の全体を支える脚部でもある。上側ロードセル及び下側ロードセル63は、それぞれ加えられた力を電気信号に変換して出力する円柱形状の圧縮型のセンサーである。
【0039】
制御部は、有線又は無線の信号線によって上側ロードセル及び下側ロードセル63と接続されており、各ロードセルから出力された信号を受信する。制御部は、通信部(不図示)、記憶部(不図示)、処理部(不図示)を有している。通信部は、ロードセルや、スマートフォン、タブレット端末等の端末との間で無線による通信を行う部位である。記憶部は、RAM、ROMなどから構成されており、各種のデータやプログラムを記憶する部位である。例えば、検出した排泄前の重量、排泄物の重量、排泄回数、排泄物処理剤と関連付けられた補正値等を記憶することができる。処理部は、CPU等で構成されており、各種の演算を行う部位である。例えば、記憶部に記憶された排泄前の重量と排泄後の重量等の各検出結果から排泄物の重量を算出する等の演算処理を行う。
【0040】
<<動物用トイレ1による排泄物の重量測定の動作>>
図12は、
図11中のA-A矢視で示す断面の模式図である。
図12では、上容器10及びカバー50を省略して示している。上述の通り、本体部20から支持容器40から引き出した状態のトレイ30は、トレイ30の被支持部32が支持容器40の支持部41に支持される。一方、使用状態のトレイ30は、上側出力部61にトレイ30の底面が接触し、上側出力部61によって支持されて、支持容器40の支持部41に接触せずに、上側出力部61の上に載る。上容器10とカバー50を備えた状態の本体部20、支持容器40、トレイ30を載せた状態の上側出力部61は、下側出力部62の上に載る。これによって、上側出力部61には、トレイ30の重力が作用し、上容器10と本体部20と支持容器40とカバー50の重力が作用しないようにする。つまり、トレイ30で排泄物を受けた場合、上側出力部61では、上容器10、本体部20、支持容器40、カバー50及び動物の重さを検出しないが、トレイ30と排泄物の重さを上側ロードセルが検出する。なお、吸収性シートはトレイ30の重さとして荷重され、排泄物処理剤は上容器10の重さとして荷重される。
【0041】
具体的に排泄物の重さを測定する方法を説明する。記憶部は、予め動物が動物用トイレに載っていない状態の上側ロードセルが受ける力として検出した重量と下側ロードセル63が受ける力として検出した重量とを記憶しておく。つまり、トレイ30と吸収シートの重量を上側ロードセルで検出した結果を初期トレイ重量として、上容器10と本体部20と支持容器40とカバー50と排泄物処理剤の重量を下側ロードセルで検出した結果を初期本体重量として予め記憶部で記憶しておく。
【0042】
猫等の動物が、動物用トイレ1の前側から上容器10の内側に入ると、上容器10(本体部20)の重量の増加に伴い、下側ロードセル63が受ける力が増加する。このとき、下側ロードセル63は受けた力に応じた信号を出力する。信号を受信した制御部は、信号として受信した検出結果を排泄前重量として記憶部で記憶するとともに、処理部において、排泄前重量と記憶部に記憶された初期本体重量との差を算出して動物の重量(体重)を得る。
【0043】
動物が上容器底部11上で排尿すると、尿は排泄物処理剤間の隙間及び貫通孔hを通って、下方のトレイ30の受け部31へ落下する。これにより、尿を受けたトレイ30の重量が増加し、上側ロードセルがトレイ30から受ける力が増加し、上側ロードセルがトレイ30から受けた力に応じた信号を出力する。制御部は、信号として受信した検出結果を排泄後トレイ重量として記憶する。処理部において、記憶部に記憶された初期トレイ重量と排泄後トレイ重量との差を算出して動物の排泄物(尿)の重量を得る。
【0044】
制御部は、得られた排泄物の重量を、通信部を介して使用者の端末に送信し、端末の画面に表示可能となる。制御部は、排泄物の重量に限らず、得られた各種データを送信して表示させてもよい。得られた各種データは、排泄の回数、排泄をした時刻、動物の体重等である。また、各データの累積をグラフや表に示してもよい。
【0045】
<<第1壁部42df及び第2壁部42dsについて>>
図13は、比較例としての動物用トイレにおける上容器10´と支持容器40´との位置関係について説明する図である。
図13に示すように、比較例として示した動物用トイレは、左右方向の中央部において、上容器10´の上容器底部11´と後側壁部42d´が最接近している。そのため、使用後の動物用トイレ1´から支持容器40´を引き抜く際に、上容器底部11´の下面と後側壁部42d´の上部とが接触してしまう恐れがある。特に、動物の排泄物の重量を測定することができる、出力本体部を備える動物用トイレは、支持容器40´の下面と接地面との間の距離が長いため、支持容器40´を前側に引き抜くと、支持容器40´は、前側は接地面に接触するように、後側は上方へ向かうように傾きやすい。その結果、上容器底部11´と後側壁部42dの上部とが接触し、後側壁部42d´が使用後に上容器底部11´の下面に付着した排泄物(尿)を掻き取るように前方向に移動すると、排泄物が支持容器40´の外側に漏れてしまう恐れがあった。
【0046】
この点、動物用トイレ1においては、後側壁部42dが第1壁部42dfと第2壁部42dsとを備えることで、排泄物がトレイ30の外側や支持容器40より外側に漏れてしまう恐れを軽減している。
【0047】
図14は、動物用トイレ1における上容器10と支持容器40との位置関係について説明する図である。
図14に示すように、後側壁部42dには、左右方向において、上容器底部11と重なる部分の両外側に第1壁部42df、42dfが設けられている。また、左側の第1壁部42dfと右側の第1壁部42dfとの間に、第2壁部42dsが設けられている。両側の第1壁部42dfの上端の高さは同じであり、中心線C-Cに対して左右対称である。第2壁部42dsは中心線C-Cに対して左右対称な形状であり、第2壁部42dsの上端の高さは、第1壁部42dfの上端の高さより低い。また、第1壁部42dfの上端の位置と、第2壁部42dsの上端の位置との間の距離Lwは、上容器底部11が下方に突出した所定距離である距離Lbより長い(Lw>Lb)。
【0048】
上容器底部11は、下方に突出した距離Lbを有しているため、後側壁部42dと接触する恐れが高い。そのため、左右方向において、上容器底部11と重なる部分には第2壁部42dsを設けるようにすることで、上容器底部11と後側壁部42dとが接触する恐れを軽減させることができる。上容器底部11と後側壁部42dとの接触を防ぐと、動物が排泄をした後に、トレイ30に配置された吸収シートを取り替える際などに、支持容器40を本体部20から前に引き出す場合でも、トレイ30の被支持部32上に排泄物が付着したり、支持容器40の外側に排泄物が漏れてしまう恐れを軽減させることができ、出力本体部60上や載置面G等に付着した排泄物の処理が不要となる。
【0049】
また、動物用トイレを載置面Gに載置した使用状態から、
図15及び
図16に示すように、支持容器40を本体部20から引き出して、引き出し部43の底面の前端を載置面Gに当接させた状態、且つ、支持容器40の第1壁部42dfの上端を上容器湾曲部12に当接させた状態において、上容器底部11と第2壁部42dsとが離間していることが好ましい。
図15は、引き出し部43を載置面に当接させ、且つ、第1壁部42dfの上端を上容器湾曲部12に当接させた状態を説明する図である。
図16は、
図15中のK-K矢視で示す断面の模式図である。引き出し部43の底面の前端を載置面Gに当接させた状態、且つ、支持容器40の第1壁部42dfの上端を上容器湾曲部12に当接させた状態は、支持容器40が上下方向に最も傾いた状態でもある。このような状態でも、上容器底部11と第2壁部42dsとが離間しているため、支持容器40が上容器底部11の下面に接触して、排泄物を掻き取って、支持容器40より外側に漏らしてしまう恐れを軽減させている。
【0050】
また、
図12に示すように、第2壁部42dsの上端の位置が、トレイ30の上端の位置より高いことが好ましい。トレイ30の上端、つまり、被支持部32より高い位置に第2壁部42dsが設けられているため、第2壁部42dsがトレイ30で受けた排泄物が後側壁部42より後方に漏れてしまう恐れを軽減させる壁部としての役割を果たすことができる。
【0051】
上容器湾曲部12は、第1壁部42dfの上端の左右方向の内側の端と左右方向において重なる上容器接触点Pを左右方向の両側にそれぞれ有している。上容器湾曲部12の下端と上容器接触点Pとの間の距離Lpが、上容器底部11の下方に突出した部分の所定距離Lb以下であることが好ましい(Lp≦Lb)。上容器接触点Pは、
図16に示すように、上容器10と支持容器40とが最も近づいた場合に接触する点である。上容器接触点Pで接触した上容器10と支持容器40とは、それ以上は上下方向において近づくことができない。
図12等に示すように上容器湾曲部12は、上方に向かって湾曲しており、後側壁部42は、左右方向の両側により高い上端を有する第1壁部42dfを有している。そのため、上容器接触点Pが左右方向のより外側にあるほど、上容器底部11と第2壁部42dsとが接触しやすい状態となってしまう。この点、上容器湾曲部12の下端と上容器接触点Pとの間の距離Lpを距離Lb以下とすると、距離Lpを距離Lbより大きくした場合よりも、上容器底部11から左右方向においてより近い位置で上容器湾曲部12と第1壁部42dfとを当接させることができるため、第2壁部42dsと上容器底部11とが接触する恐れを軽減させることができる。
【0052】
図10A及び
図10Bに示すように、前側壁部42aについても、後側壁部42dと同様に、第5壁部42afと、第5壁部42afより上端の高さが低い第6壁部42asとを有することが好ましい。第1壁部42dfの左右方向の長さは、それぞれMdfであり、第2壁部42dsの左右方向の長さはMdsである。第5壁部42afの左右方向の長さは、それぞれMafであり、第6壁部42asの左右方向の長さはMasである。なお、第1壁部42dfの上端の高さと第5壁部42afの上端の高さは等しい。
【0053】
このような構成において、後側壁部42dの第2壁部42dsの左右方向の長さMdsが、前側壁部42aの第6壁部42asの左右方向の長さMasより短いことが好ましい(Mds<Mas)。また、第2壁部42dsの上端の位置が、第6壁部42asの上端の位置より高いことがより好ましい。つまり、左右方向における一方側の第1壁部42dfの左右方向の長さMdfが、左右方向における一方側の第5壁部42afの左右方向の長さMafより短く(Mdf<Maf)、第1壁部42dfの上端の位置と、第2壁部42dsの上端との位置との間の距離Lwが、第5壁部42afの上端の位置と、第6壁部42asの上端の位置との間の距離Lvより短い(Lw<Lv)。
【0054】
支持容器40のうち、後側壁部42dには左右方向の長さがより長い第2壁部42dsを設けることで、支持容器40を本体部20から引き出す際に、上容器底部11と支持容器40とが接触する恐れを軽減させやすくなる。一方、支持容器40を引き出す際には、一番最初に本体部20の外側に出てくる前側壁部42aは、上容器底部11と支持容器40と接触する恐れが低い。前側壁部42aの第6壁部42asは、使用者が支持容器40からトレイ30を掴みやすくする部分である。そのため、第6壁部42asは、第5壁部42asほど左右方向の長さを広くする必要はない。また、距離Lvをより長くすることで、第6壁部42asとトレイ30との間に手を入れやすくなるため、使用者はトレイ30を取り出しやすくなる。
【0055】
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。
【0056】
上述の実施形態においては、第2壁部42dsの上端の位置を、トレイ30の上端の位置より高く設けたが、これに限られない。第2壁部42dsの上端の位置を、トレイ30の上端の位置と同じ高さ、又はトレイ30の上端の位置より低くした動物用トイレ100でもよい。
図17は、他の実施形態の動物用トイレ100の前後方向についての中心から後方を見た断面の模式図である。
図17に示すように、第2壁部42dsの上端の位置が、トレイ30の上端の位置より低いことで、清掃をする際など、トレイ30を掴むときに、第2壁部42dsとトレイ30の上端との間に手を入れやすくなり、トレイ30を掴みやすくなる。
【0057】
さらに、支持容器40に設けた第1壁部42df及び第2壁部dsに加えて、トレイ300が第3壁部320fと第4壁部320sとを有する構成であってもよい。
図18は、他の実施形態のトレイ300について説明する図である。具体的には、トレイ300は受け部31を区画するトレイ前側壁部320a、トレイ左側壁部320b、トレイ右側壁部320c、トレイ後側壁部320dを備え、トレイ後側壁部320dに第3壁部320fと第4壁部320sが設けられている。第4壁部320sの上端の位置は、第3壁部320fの上端の位置より低い。また、第3壁部320fは、左右方向において上容器底部11と重なる部分の両側にそれぞれ設けられており、第4壁部320sは第3壁部320f同士の間に設けられている。
【0058】
トレイ300を用いることで、
図3及び
図15に示すように、支持容器40を本体部20から引き出した場合に、支持容器40よりもトレイ30が上下方向に大きく傾いてしまった場合でもトレイ300のトレイ後側壁部320dが上容器底部11に接触してしまう恐れを軽減させることができる。
【0059】
上述の実施形態においては、得られた排泄物の重量を、通信部を介して使用者の端末等に表示させることにしたが、これに限られない。例えば、動物用トイレ1に表示部(不図示)を設けて、制御部と表示部との間で無線又は有線による通信を行って、表示部に排泄物の重量を表示させてもよい。
【0060】
さらに、上述の実施形態では、動物用トイレ1は、トレイ30を支持容器40に支持させた状態で抜き差し可能とする構成であったが、これに限られない。例えば、支持容器40と本体部20が一体となった構成で、トレイ30を直接的に本体部20に抜き差し可能な構成であってもよい。
【0061】
上述の実施形態においては、上側出力部61と下側出力部62とを備えた出力本体部60としたが、これに限られない。例えば、出力本体部60が上側出力部61のみを備え、本体部20等を直接接地面Gに載置する構成としたり、下側出力部62にはロードセルを設けない単なる土台として、動物の重量を測定せずに排泄物を測定したりする目的のみを実行する出力部であってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1 動物用トイレ、10 上容器、11 上容器底部、12 上容器湾曲部(上容器壁部)、20 本体部、21 上側開口部、22 下側開口部、23 前側開口部、24 本体側壁部(側壁部)、25 本体凹部、26 本体後壁部、30 トレイ、31 受け部、32 被支持部、40 支持容器、41 支持部、42 壁部、42a 前側壁部、42af 第5壁部、42as 第6壁部、42b 左側壁部、42c 右側壁部、42d 後側壁部、42df 第1壁部、42ds 第2壁部、42U 内側領域、43 引き出し部、44 支持容器凸部、50 カバー、51 カバー開口部、60 出力本体部、61 上側出力部、61a トレイ当接部、62 下側出力部、63 下側ロードセル、100 動物用トイレ、300 トレイ、320a トレイ前側壁部、320b トレイ左側壁部、320c トレイ右側壁部、320d トレイ後側壁部、320f 第3壁部、320s 第4壁部、G 載置面、h 孔、H 開孔領域、N 非開孔領域、P 上容器接触点