(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-05-31
(45)【発行日】2022-06-08
(54)【発明の名称】基板処理装置、半導体装置の表示方法、半導体装置の製造方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
(21)【出願番号】P 2020050145
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2020-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥野 正則
(72)【発明者】
【氏名】川崎 潤一
(72)【発明者】
【氏名】森 真一朗
(72)【発明者】
【氏名】城宝 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智美
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-183708(JP,A)
【文献】特開2012-150721(JP,A)
【文献】特開2011-082246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサ情報を含むモニタデータ及び前記センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームを少なくとも含む装置データと、アラームの原因を解析するための解析項目を少なくとも含むアラーム解析テーブルを少なくとも記憶する記憶部を有する装置コントローラを含む基板処理装置であって、
前記装置コントローラは、
前記障害を検知したら
障害を表すアラームの種類を特定するためのアラームID及びアラームの発生時刻を含む前記アラームを出力し、
前記アラームIDから前記解析項目
の候補を特定し、特定した候補に対応する
複数のモニタデータを
取得し、前記
取得したモニタデータ
と予め定められた閾
値を比較して、
アラーム発生時刻の前記モニタデータの値と前記閾値との差に応じて前記アラームの原因である順位を決定し、前記アラームの発生履歴
を表示する領域と、
前記順位に沿って前記
取得した
複数のモニタデータの収集履歴を
、前記モニタデータの値、前記順位
、前記閾値及びアラーム発生時刻と共に
表示する領域と、をそれぞれ有する表示画面に、前記モニタデータの値と前記閾値との関係を時系列に表示することが可能なように構成されている基板処理装置。
【請求項2】
前記装置コントローラは、前記アラーム発生時に、前記アラームに関連する装置データが複数ある場合、予め設定される閾値を超えた装置データをアラーム発生の要因として特定することが可能なように構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記装置コントローラは、前記アラーム発生時に、前記アラームに関連する装置データで予め設定される閾値を超えた装置データが無い場合、前記閾値に近い装置データをアラーム発生の要因として特定することが可能なように構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記装置コントローラは、前記アラームのうち排気制御の不良に起因するアラームを示す原因解析要求を受け付け、前記アラームの原因を解析する解析項目として、排気のためのポンプに関するセンサ情報を含むモニタデータを取得し、前記センサ情報を含むモニタデータを表示することが可能なように構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
更に、前記アラーム解析テーブルは、前記アラームを識別するためのアラームIDと、当該アラームIDが表すアラームの原因を解析するための解析項目の数を示す項目数と、当該解析項目を特定するための解析項目ナンバーとを含み、前記装置コントローラは、前記アラームIDを含む前記アラームの原因解析要求を受け付けて、前記アラームIDで前記アラーム解析テーブルを検索して、前記項目数及び前記解析項目ナンバーを取得し、前記アラームの原因となる項目の候補を特定することが可能なように構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記装置コントローラは、前記項目数で定義される数の前記解析項目ナンバーで特定された解析項目に対応するモニタデータを取得することが可能なように構成されている請求項5記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記記憶部は、更に、前記解析項目ナンバーに関連付けられた原因解析処理を定義するアラーム原因追及テーブルを記憶し、前記装置コントローラは、前記アラームIDに対応する前記解析項目ナンバーに基づいて前記原因解析処理を取得することが可能なように構成されている請求項5記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記装置コントローラは、前記解析項目ナンバーに関連付けされた原因解析処理の取得を、前記アラームIDに対応する前記項目数分だけ繰返すことが可能なように構成されている請求項7記載の基板処理装置。
【請求項9】
更に、前記アラーム解析テーブルは、前記アラームを識別するためのアラームIDと、当該アラームIDが表すアラームの原因を解析するための解析項目を特定するための解析項目ナンバーとを含み、前記記憶部は、更に、前記アラームID毎に予め作成された複数のFT要因図を記憶し、前記装置コントローラは、前記アラームの原因解析要求を受付けて、前記記憶部から、前記原因解析要求に含まれる前記アラームIDに対応する前記FT要因図を検索し、前記検索された前記FT要因図に基づいて、前記アラーム解析テーブルと、前記解析項目ナンバーに関連付けられた原因解析処理を定義するアラーム原因追及テーブルを作成することが可能なように構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記装置データは、基板を処理する処理室の雰囲気を排気する排気装置に関連する装置データであって、ポンプ電流、ポンプ回転数、及びポンプ背圧からなる群から選択される一つ以上の装置データである請求項1記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記装置コントローラは、前記ポンプ電流、前記ポンプ回転数、及び前記ポンプ背圧からなる群から少なくとも一つの前記装置データの平均値が所定回数連続して予め定められた閾値から外れるとアラームを発生させることが可能なように構成されている請求項10記載の基板処理装置。
【請求項12】
更に、前記処理室と、前記排気装置と、を少なくとも備え、前記処理室と前記排気装置が同じフロアに配置されることが可能なように構成されている請求項10記載の基板処理装置。
【請求項13】
センサ情報を含むモニタデータ及び前記センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームを少なくとも含む装置データと、アラームの原因を解析するための解析項目を少なくとも含むアラーム解析テーブルを少なくとも記憶する工程と、
前記障害を検知したら
障害を表すアラームの種類を特定するためのアラームID及びアラームの発生時刻を含む前記アラームを出力させる工程と、
前記アラームIDから前記解析項目
の候補を特定し、特定した候補に対応する
複数のモニタデータを
取得し、前記
取得したモニタデータ
と予め定められた閾
値を比較して、
アラーム発生時刻の前記モニタデータの値と前記閾値との差に応じて前記アラームの原因である順位を決定し、前記アラームの発生履歴
を表示する領域と、
前記順位に沿って前記
取得した
複数のモニタデータの収集履歴を
、前記モニタデータの値、前記順位
、前記閾値及びアラーム発生時刻と共に
表示する領域と、をそれぞれ有する表示画面に、前記モニタデータの値と前記閾値との関係を時系列に表示する工程と、
を含む半導体装置の表示方法。
【請求項14】
センサ情報を含むモニタデータ及び前記センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームを少なくとも含む装置データと、アラームの原因を解析するための解析項目を少なくとも含むアラーム解析テーブルを少なくとも記憶する工程と、
前記障害を検知したら
障害を表すアラームの種類を特定するためのアラームID及びアラームの発生時刻を含む前記アラームを出力させる工程と、
前記アラームIDから前記解析項目
の候補を特定し、特定した候補に対応する
複数のモニタデータを
取得し、前記
取得したモニタデータ
と予め定められた閾
値を比較して、
アラーム発生時刻の前記モニタデータの値と前記閾値との差に応じて前記アラームの原因である順位を決定し、前記アラームの発生履歴
を表示する領域と、
前記順位に沿って前記
取得した
複数のモニタデータの収集履歴を
、前記モニタデータの値、前記順位
、前記閾値及びアラーム発生時刻と共に
表示する領域と、をそれぞれ有する表示画面に、前記モニタデータの値と前記閾値との関係を時系列に表示する工程と、
を含む半導体装置の製造方法。
【請求項15】
センサ情報を含むモニタデータ及び前記センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームを少なくとも含む装置データと、アラームの原因を解析するための解析項目を少なくとも含むアラーム解析テーブルを少なくとも記憶する記憶部を有する装置コントローラに、
前記障害を検知したら
障害を表すアラームの種類を特定するためのアラームID及びアラームの発生時刻を含む前記アラームを出力させる手順と、
前記アラームIDから前記解析項目
の候補を特定し、特定した候補に対応する
複数のモニタデータを
取得し、前記
取得したモニタデータ
と予め定められた閾
値を比較して、
アラーム発生時刻の前記モニタデータの値と前記閾値との差に応じて前記アラームの原因である順位を決定し、前記アラームの発生履歴
を表示する領域と、前記順位に沿って前記
取得した
複数のモニタデータの収集履歴を
、前記モニタデータの値、前記順位
、前記閾値及びアラーム発生時刻と共に
表示する領域と、をそれぞれ有する表示画面に、前記モニタデータの値と前記閾値との関係を時系列に表示する手順と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板処理装置、半導体装置の製造方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体製造分野では、装置の稼働率や生産効率の向上を図るため、装置のトラブルの解析や装置の状態監視を行っている。基本的な監視手段として、半導体製造装置の情報から、統計解析技術などで装置の異常を検出する手段が一般的に使われている。
【0003】
例えば、基板処理装置の生産管理について、特許文献1には、データの健全性を管理する手法が記載され、特許文献2には、データ異常が発生したときの異常解析に関する技術がそれぞれ記載されている。これらは基板処理装置に接続される管理装置が基板処理装置の稼働状態を管理するものである。しかし、デバイスの微細化に伴うデータ量の増加に伴い、これまで以上によりきめ細かいデータ管理が求められており、複数の基板処理装置を管理する管理装置では、十分な対応が難しくなってきている。
【0004】
近年、デバイスメーカの負荷を増やす事なく、装置側で自己監視する生産管理が求められている。そこで、装置メーカでは、早急に異常の原因を特定し、装置の稼働率を向上させるために色々な工夫をしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2017/168676号
【文献】特開2012-186213号公報
【発明の概要】
【0006】
本開示の目的は、アラームを発報した後のトラブルシューティングを円滑に進め、ダウンタイムを低減し生産性向上に寄与することができる構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、
センサ情報を含むモニタデータ及び各コントローラが前記センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームを少なくとも含む装置データ、及び前記アラームを識別するためのアラームIDと、当該アラームIDが表すアラームの原因を解析するための解析項目の数を示す項目数と、当該解析項目を特定するための解析項目ナンバーとで構成される予め設定されたアラーム解析テーブルをそれぞれ記憶する記憶部を有する装置コントローラを含む構成であって、
前記装置コントローラは、
前記障害を検知したら前記アラームを出力し、
前記アラームIDを含む前記アラームの原因解析要求を受け付けて、前記アラームIDで前記アラーム解析テーブルを検索して、前記項目数及び前記項目ナンバーを取得し、
前記アラームの原因を解析する解析項目を前記解析項目ナンバーで特定し、
前記記憶部から、前記項目数で定義される数の前記解析項目ナンバーで特定された解析項目に対応するモニタデータを取得し、
前記アラームの発生履歴を表示する領域と、前記解析項目に対応するモニタデータを表示する領域と、をそれぞれ有する表示画面を表示する構成が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、アラームを発報した後のトラブルシューティングを円滑に進め、ダウンタイムを低減し生産性向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示の一実施形態に好適に用いられる基板処理装置を示す斜視図である。
【
図2】本開示の一実施形態に好適に用いられる基板処理装置を示す側断面図である。
【
図3】本開示の一実施形態に好適に用いられる制御システムの機能構成を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態に好適に用いられる装置コントローラの機能構成を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態のアラーム解析処理のロジックを示すフロー図である。
【
図6】本開示の一実施形態のアラーム解析テーブルの例を示す図である。
【
図7】本開示の一実施形態のアラーム原因追及テーブルの例を示す図である。
【
図8】本開示の一実施形態の解析項目毎の原因順位の例を示す図である。
【
図9】本開示の実施例に係るFT要因図の例を示す図である。
【
図10】本開示の実施例に係るグラフの例を示す図である。
【
図11】本開示の実施例に係るグラフの例を示す図である。
【
図12】本開示の実施例に係るグラフの例を示す図である。
【
図13】本開示の実施例に係るアラーム履歴及び各グラフの表示画面の例を示す図である。
【
図14】本開示の実施例に係るアラーム履歴及び各グラフの表示画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(基板処理装置の概要)
【0011】
以下、図面を参照しつつ本開示の一実施形態について説明する。先ず、
図1、
図2に於いて、本開示が実施される基板処理装置1について説明する。
【0012】
基板処理装置1は筐体2を備え、該筐体2の正面壁3の下部にはメンテナンス可能な様に設けられた開口部としての正面メンテナンス口4が開設され、該正面メンテナンス口4は正面メンテナンス扉5によって開閉される。
【0013】
筐体2の正面壁3にはポッド搬入搬出口6が筐体2の内外を連通する様に開設されており、ポッド搬入搬出口6はフロントシャッタ7によって開閉され、ポッド搬入搬出口6の正面前方側にはロードポート8が設置されており、該ロードポート8は載置されたポッド9を位置合せする様に構成されている。
【0014】
該ポッド9は密閉式の基板搬送容器であり、図示しない工程内搬送装置によってロードポート8上に搬入され、又、該ロードポート8上から搬出される様になっている。
【0015】
筐体2内の前後方向の略中央部に於ける上部には、回転式ポッド棚11が設置されており、該回転式ポッド棚11は複数個のポッド9を格納する様に構成されている。
【0016】
回転式ポッド棚11は垂直に立設されて間欠回転される支柱12と、該支柱12に上中下段の各位置に於いて放射状に支持された複数段の棚板13とを備えており、該棚板13は前記ポッド9を複数個載置した状態で格納する様に構成されている。
【0017】
回転式ポッド棚11の下方には、ポッドオープナ14が設けられ、該ポッドオープナ14はポッド9を載置し、又該ポッド9の蓋を開閉可能な構成を有している。
【0018】
ロードポート8と回転式ポッド棚11、ポッドオープナ14との間には、ポッド搬送機構(容器搬送機構)15が設置されており、該ポッド搬送機構15は、ポッド9を保持して昇降可能、水平方向に進退可能となっており、ロードポート8、回転式ポッド棚11、ポッドオープナ14との間でポッド9を搬送する様に構成されている。
【0019】
筐体2内の前後方向の略中央部に於ける下部には、サブ筐体16が後端に亘って設けられている。該サブ筐体16の正面壁17にはウェーハ(以後、基板と称する。)18をサブ筐体16内に対して搬入搬出する為の基板搬入搬出口19が一対、垂直方向に上下2段に並べられて開設されており、上下段の基板搬入搬出口19に対してポッドオープナ14がそれぞれ設けられている。
【0020】
該ポッドオープナ14はポッド9を載置する載置台21と、ポッド9の蓋を開閉する開閉機構22とを備えている。ポッドオープナ14は載置台21に載置されたポッド9の蓋を開閉機構22によって開閉することにより、ポッド9の基板出入口を開閉する様に構成されている。
【0021】
サブ筐体16はポッド搬送機構15や回転式ポッド棚11が配設されている空間(ポッド搬送空間)から気密となっている移載室23を構成している。該移載室23の前側領域には基板移載機構24が設置されており、該基板移載機構24は、基板18を載置する所要枚数(図示では5枚)の基板載置プレート25を具備し、該基板載置プレート25は水平方向に直動可能、水平方向に回転可能、又昇降可能となっている。基板移載機構24はボート26に対して基板18を装填及び払出しする様に構成されている。
【0022】
移載室23の後側領域には、ボート26を収容して待機させる待機部27が構成され、該待機部27の上方には縦型の処理炉28が設けられている。該処理炉28は内部に処理室29を形成し、該処理室29の下端部は炉口部となっており、該炉口部は炉口シャッタ31により開閉される様になっている。
【0023】
筐体2の右側端部とサブ筐体16の待機部27の右側端部との間にはボート26を昇降させる為のボートエレベータ32が設置されている。該ボートエレベータ32の昇降台に連結されたアーム33には蓋体としてのシールキャップ34が水平に取付けられており、該シールキャップ34はボート26を垂直に支持し、該ボート26を処理室29に装入した状態で炉口部を気密に閉塞可能となっている。
【0024】
ボート26は、複数枚の基板18をその中心に揃えて水平姿勢で多段に保持する様に構成されている。
【0025】
ボートエレベータ32側と対向した位置にはクリーンユニット35が配設され、該クリーンユニット35は、清浄化した雰囲気若しくは不活性ガスであるクリーンエア36を供給する様供給ファン及び防塵フィルタで構成されている。基板移載機構24とクリーンユニット35との間には、基板18の円周方向の位置を整合させる基板整合装置としてのノッチ合せ装置(図示せず)が設置されている。
【0026】
クリーンユニット35から吹出されたクリーンエア36は、ノッチ合せ装置(図示せず)及び基板移載機構24、ボート26に流通された後に、図示しないダクトにより吸込まれて、筐体2の外部に排気がなされるか、若しくはクリーンユニット35によって移載室23内に吹出されるように構成されている。
【0027】
次に、前記基板処理装置1の作動について説明する。
【0028】
ポッド9がロードポート8に供給されると、ポッド搬入搬出口6がフロントシャッタ7によって開放される。ロードポート8上のポッド9はポッド搬送機構15によって筐体2の内部へポッド搬入搬出口6を通して搬入され、回転式ポッド棚11の指定された棚板13へ載置される。ポッド9は回転式ポッド棚11で一時的に保管された後、ポッド搬送機構15により棚板13からいずれか一方のポッドオープナ14に搬送されて載置台21に移載されるか、若しくはロードポート8から直接載置台21に移載される。
【0029】
この際、基板搬入搬出口19は開閉機構22によって閉じられており、移載室23にはクリーンエア36が流通され、充満している。例えば、移載室23にはクリーンエア36として窒素ガスが充満することにより、酸素濃度が20ppm以下と、筐体2の内部(大気雰囲気)の酸素濃度よりも遙かに低く設定されている。
【0030】
載置台21に載置されたポッド9はその開口側端面がサブ筐体16の正面壁17に於ける基板搬入搬出口19の開口縁辺部に押付けられると共に、蓋が開閉機構22によって取外され、ウェーハ出入口が開放される。
【0031】
ポッド9が前記ポッドオープナ14によって開放されると、基板18はポッド9から基板移載機構24によって取出され、ノッチ合せ装置(図示せず)に移送され、該ノッチ合せ装置にて基板18を整合した後、基板移載機構24は基板18を移載室23の後方にある待機部27へ搬入し、ボート26に装填(チャージング)する。
【0032】
該ボート26に基板18を受渡した基板移載機構24はポッド9に戻り、次の基板18をボート26に装填する。
【0033】
一方(上端又は下段)のポッドオープナ14に於ける基板移載機構24により基板18のボート26への装填作業中に、他方(下段又は上段)のポッドオープナ14には回転式ポッド棚11から別のポッド9がポッド搬送機構15によって搬送されて移載され、他方のポッドオープナ14によるポッド9の開放作業が同時進行される。
【0034】
複数の基板18がボート26に装填されると炉口シャッタ31によって閉じられていた処理炉28の炉口部が炉口シャッタ31によって開放される。続いて、ボート26はボートエレベータ32によって上昇され、処理室29に搬入(ローディング)される。
【0035】
ローディング後は、シールキャップ34によって炉口部が気密に閉塞される。なお、本実施の形態において、このタイミングで(ローディング後)、処理室29が不活性ガスに置換されるパージ工程(プリパージ工程)を有する。
【0036】
処理室29が所望の圧力(真空度)となる様にガス排気機構(図示せず)によって真空排気される。又、処理室29が所望の温度分布となる様にヒータ駆動部(図示せず)によって所定温度迄加熱される。
【0037】
又、ガス供給機構(図示せず)により、所定の流量に制御された処理ガスが供給され、処理ガスが処理室29を流通する過程で、基板18の表面と接触し、基板18の表面上に所定の処理が実施される。更に、反応後の処理ガスは、ガス排気機構により処理室29から排気される。
【0038】
予め設定された処理時間が経過すると、ガス供給機構により不活性ガス供給源(図示せず)から不活性ガスが供給され、処理室29が不活性ガスに置換されると共に、処理室29の圧力が常圧に復帰される(アフターパージ工程)。そして、ボートエレベータ32によりシールキャップ34を介してボート26が降下される。
【0039】
処理後の基板18の搬出については、上記説明と逆の手順で、基板18及びポッド9は前記筐体2の外部へ払出される。未処理の基板18が、更に前記ボート26に装填され、基板18のバッチ処理が繰返される。
【0040】
(制御システム200の機能構成)
次に、
図3を参照して、操作部としての装置コントローラ201を中心とした制御システム200の機能構成について説明する。
図3に示すように、制御システム200は、装置コントローラ201と、温度制御コントローラ211と、圧力制御コントローラ212と、ロボット制御コントローラ213と、MFCコントローラ214と、Pumpコントローラ215とを備えている。また、装置コントローラ201は、データ収集コントローラとして機能する。装置コントローラ201は、基板処理装置1で生成される装置データを収集して、該装置データの健全性を監視する。
【0041】
ここで、装置データは、基板処理装置1が基板18を処理するときの処理温度、処理圧力、処理ガスの流量など基板処理に関するデータ(例えば、実測値等)や、製品基板の品質に関するデータ(例えば、成膜した膜厚、及び該膜厚の累積値等)や、基板処理装置1の構成部品(例えば、石英反応管、ヒータ、バルブ、MFC等)に関するデータ(例えば、設定値、実測値、使用回数、使用時間等)のように、基板処理装置1が基板18を処理する際に各構成部品を動作させることにより発生するモニタデータを含み、また、基板処理装置1で発生する色々な装置イベントに関するイベントデータを含む。例えば、色々なアラームを発生させるアラーム情報が、イベントデータに含まれる。
【0042】
また、特定間隔の実測値データ、例えば、レシピ開始から終了までの特定間隔(1秒など)データとしての生波形データや、レシピ内の各ステップで特定間隔の実測値データを加工して作成される統計量データは、レシピ実行中に収集されるデータとしてプロセスデータと称することがある。このプロセスデータは装置データに含まれる。尚、統計量データには、最大値、最小値、平均値等が含まれる。また、レシピが実行されていない時、例えば、装置に基板が投入されていないアイドル時に生成される色々な装置イベントを示すイベントデータも、装置データに含まれる。イベントデータとして、例えば、メンテナンス履歴を示すデータが含まれる。
【0043】
装置コントローラ201は、例えば100BASE-T等のLAN(Local Area Network)により、温度制御コントローラ211、圧力制御コントローラ212、ロボット制御コントローラ213、MFCコントローラ214、及びPumpコントローラ215と電気的に接続されているため、各装置データの送受信や各ファイルのダウンロード及びアップロード等が可能な構成となっている。
【0044】
装置コントローラ201には、外部記憶装置としての記録媒体(例えばUSBメモリ等)が挿脱される装着部としてのポートが設けられている。装置コントローラ201には、このポートに対応するOS(Operation System)がインストールされている。また、装置コントローラ201には、ホストコンピュータや管理装置が、例えば、通信ネットワークを介して接続される。このため、基板処理装置1がクリーンルーム内に設置されている場合であっても、ホストコンピュータがクリーンルーム外の事務所等に配置されることが可能である。また、管理装置は、基板処理装置1とLAN回線で接続され、装置コントローラ201から装置データを収集する機能を有するように構成してもよい。
【0045】
装置コントローラ201は、装置データを収集し、装置の稼働状態を定量化して画面に表示するように構成されている。また、装置コントローラ201は、各機能を実行するように構成されている。装置コントローラ201についての詳細な説明は、後述する。
【0046】
温度制御コントローラ211には、主にヒータ及び温度センサ等により構成される加熱機構が接続されている。温度制御コントローラ211は、処理炉28のヒータの温度を制御することで処理炉28内の温度を調節するように構成されている。なお、温度制御コントローラ211は、サイリスタのスイッチング(オンオフ)制御を行い、ヒータ素線に供給する電力を制御するように構成されている。
【0047】
圧力制御コントローラ212には、主に圧力センサ、圧力バルブとしてのAPCバルブ及び真空ポンプにより構成されるが接続されている。圧力制御コントローラ212は、圧力センサにより検知された圧力値に基づいて、処理室29内の圧力が所望のタイミングにて所望の圧力となるように、APCバルブの開度及び真空ポンプのスイッチング(オンオフ)を制御するように構成されている。
【0048】
ロボット制御コントローラ213には、主に遮光センサ及びロボットにより構成されるロボット機構が接続されている。ロボット制御コントローラ213は、遮光センサにより検知されたセンサ情報に基づいて、ロボットを制御するように構成されている。
【0049】
MFCコントローラ214は、MFC(MASS Flow Controller)により構成される。
【0050】
温度制御コントローラ211、圧力制御コントローラ212、ロボット制御コントローラ213、及びMFCコントローラ214の各々は、それぞれの制御の他に、ステータス、センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラーム、また接続されている各センサの値をモニタデータとして装置コントローラ201へリアルタイムに報告できるように構成されている。
【0051】
Pumpコントローラ215は、ポンプ機構が接続されている。Pumpコントローラ215は、ポンプ機構を制御すると共に、センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームと、ポンプ状態、電流値、回転数、背圧などのモニタデータとを、装置コントローラ201へリアルタイムに報告できるように構成されている。
【0052】
なお、本実施形態にかかる装置コントローラ201、温度制御コントローラ211、圧力制御コントローラ212、ロボット制御コントローラ213、MFCコントローラ214、及びPumpコントローラ215は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。例えば、汎用コンピュータに、上述の処理を実行するためのプログラムを格納した記録媒体(フレキシブルディスク、CDROM、USBメモリなど)から当該プログラムをインストールすることにより、所定の処理を実行する各コントローラを構成することができる。
【0053】
そして、これらのプログラムを供給するための手段は任意である。上述のように所定の記録媒体を介して供給できる他、例えば、通信回線、通信ネットワーク、通信システムなどを介して供給してもよい。この場合、例えば、通信ネットワークの掲示板に当該プログラムを掲示し、このプログラムをネットワークを介して搬送波に重畳して提供してもよい。そして、このように提供されたプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、所定の処理を実行することができる。
【0054】
(装置コントローラ201の構成)
次に、装置コントローラ201の構成を、
図4を参照しながら説明する。
【0055】
装置コントローラ201は、装置コント制御部220と、ハードディスクである装置コント記憶部222と、各種情報を表示する表示部及び操作者からの各種指示を受け付ける入力部を含む操作表示部227と、基板処理装置1内外と通信する装置コント通信部228とを含むように構成される。ここで、操作者とは、装置オペレータのほか、装置管理者、装置エンジニア、保守員、作業者を含む。装置コント制御部220は、処理部としてのCPU(中央処理装置)224や、一時記憶部としてのメモリ(RAM、ROM等)226を含み、時計機能(図示せず)を備えたコンピュータとして構成されている。
【0056】
装置コント記憶部222には、基板の処理条件及び処理手順が定義されたレシピ等の各レシピファイル、これら各レシピファイルを実行させるための制御プログラムファイル、レシピを実行するためのパラメータが定義されたパラメータファイル、また、エラー処理プログラムファイル及びエラー処理のパラメータファイルの他、プロセスパラメータを入力する入力画面を含む各種画面ファイル、各種アイコンファイル等(いずれも図示せず)が格納されている。
【0057】
また、装置コント記憶部222には、各コントローラから出力されたセンサ情報を含むモニタデータ、及び各コントローラがセンサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームのアラーム履歴をそれぞれ記憶する。また、装置コント記憶部222は、後述するアラーム解析テーブル及びアラーム原因追及テーブルをそれぞれ記憶している。
【0058】
また、操作表示部227の操作画面には、基板搬送系や基板処理系への動作指示を入力したりする入力部としての各操作ボタンを設けることも可能である。
【0059】
操作表示部227には、基板処理装置1を操作するための操作画面が表示されるように構成されている。操作表示部227は、操作画面を介して基板処理装置1内で生成される装置データに基づいた情報を操作画面に表示する。操作表示部227の操作画面は、例えば液晶を用いたタッチパネルである。操作表示部227は、操作画面からの作業者の入力データ(入力指示)を受け付け、入力データを装置コントローラ201に送信する。また、操作表示部227は、メモリ(RAM)226等に展開されたレシピ、若しくは装置コント記憶部222に格納された複数のレシピのうち任意の基板処理レシピ(プロセスレシピともいう)を実行させる指示(制御指示)を受け付け、装置コント制御部220に送信するよう構成されている。
【0060】
また、操作表示部227は、基板処理装置1内で生成されるイベントデータのうち、コントローラによって検知された障害を表すアラームの種類を特定するためのアラームIDを含むアラーム情報を操作画面に表示する。また、操作表示部227は、操作画面からの作業者の入力データ(入力指示)により、アラームIDを含むアラームの原因解析要求を受け付ける。
【0061】
なお、本実施形態においては、装置コントローラ201が起動時に、各種プログラム等を実行することにより、格納された各画面ファイル及びデータテーブルを展開し、装置データを読み込むことにより、装置の稼働状態が示される各画面が、操作表示部227に表示されるよう構成される。
【0062】
装置コント通信部228は、スイッチングハブ等と接続されている。装置コントローラ201は、ネットワークを介して外部のコンピュータや基板処理装置1内の他のコントローラ(温度制御コントローラ211、圧力制御コントローラ212、ロボット制御コントローラ213、MFCコントローラ214、及びPumpコントローラ215)と、各種データを送受信するように構成されている。
【0063】
装置コント制御部220は、操作表示部227によりアラームの原因解析要求を受け付けると、当該アラームの原因を解析する解析項目の候補を特定し、装置コント記憶部222から、候補に挙げられた候補の数の分だけ、特定された解析項目に対応するモニタデータを取得し、特定された解析項目に対応するモニタデータを表示する表示画面を操作表示部227に出力する。
【0064】
また、装置コントローラ201は、図示しないネットワークを介して外部の上位コンピュータに対して基板処理装置1の状態など装置データを送信する。なお、基板処理装置1の基板処理は、装置コント記憶部222に記憶されている各レシピファイル、各パラメータファイル等に基づいて、制御システム200により制御される。
【0065】
(基板処理方法)
次に、本実施形態に係る基板処理装置1を用いて実施する、所定の処理工程を有する基板処理方法について説明する。ここで、所定の処理工程は、半導体デバイスの製造工程の一工程である基板処理工程(ここでは成膜工程)を実施する場合を例に挙げる。
【0066】
基板処理工程の実施にあたって、実施すべき基板処理に対応する基板処理レシピ(プロセスレシピ)が、例えば、ロボット制御コントローラ213内のRAM等のメモリに展開される。そして、必要に応じて、装置コントローラ201からロボット制御コントローラ213へ動作指示が与えられる。このようにして実施される基板処理工程は、搬入工程と、成膜工程と、搬出工程と、回収工程とを少なくとも有する。
【0067】
(移載工程)
装置コントローラ201からは、ロボット制御コントローラ213に対して、基板移載機構24の駆動指示が発せられる。そして、ロボット制御コントローラ213からの指示に従いつつ、基板移載機構24は載置台21上のポッド9からボート26への基板18の移載処理を開始する。この移載処理は、予定された全ての基板18のボート26への装填が完了するまで行われる。
【0068】
(搬入工程)
基板18がボート26に装填されると、ボート26は、ロボット制御コントローラ213からの指示に従って動作するボートエレベータ32によって上昇されて、処理炉28内に形成される処理室29に装入(ボートロード)される。ボート26が完全に装入されると、ボートエレベータ32のシールキャップ34は、処理炉28のマニホールドの下端を気密に閉塞する。
【0069】
(成膜工程)
その後は、処理室29内は、圧力制御コントローラ212からの指示に従いつつ、所定の成膜圧力(真空度)となるように真空排気装置によって真空排気される。また、処理室29内は、温度制御コントローラ211からの指示に従いつつ、所定の温度となるようにヒータによって加熱される。続いて、ロボット制御コントローラ213からの指示に従いつつ、回転機構によるボート26及び基板18の回転を開始する。そして、所定の圧力、所定の温度に維持された状態で、ボート26に保持された複数枚の基板18に所定のガス(処理ガス)を供給して、基板18に所定の処理(例えば成膜処理)がなされる。
【0070】
(搬出工程)
ボート26に載置された基板18に対する成膜工程が完了すると、ロボット制御コントローラ213からの指示に従いつつ、その後、回転機構によるボート26及び基板18の回転を停止させ、ボートエレベータ32によりシールキャップ34を下降させてマニホールドの下端を開口させるとともに、処理済の基板18を保持したボート26を処理炉28の外部に搬出(ボートアンロード)する。
【0071】
(回収工程)
そして、処理済の基板18を保持したボート26は、クリーンユニット35から吹出されるクリーンエア36によって極めて効果的に冷却される。そして、例えば150℃以下に冷却されると、ボート26から処理済の基板18を脱装してポッド9に移載した後に、新たな未処理基板18のボート26への移載が行われる。
【0072】
(アラーム解析処理)
次に、装置コントローラ201が実行するアラーム解析処理の処理フローを、
図5を主に用いて説明する。アラーム解析処理は、基板処理装置1を構成する部品に故障等の障害が発生して、基板処理装置1が稼働停止となった際に、各コントローラがセンサ情報に基づいて、この故障等の障害を検知し、該障害を表すアラームを出力し、当該アラームのアラームIDを含むアラームの原因解析要求を受け付けると、実行される。
【0073】
(アラーム情報取得工程(S100))
まず、装置コントローラ201は、受け付けた解析対象のアラームの原因解析要求からアラームIDを取得すると共に、装置コント記憶部222に格納されている、発生したアラームの発生時刻、アラームID、アラーム種別が時系列に表示されているアラーム履歴一覧テーブル(
図13参照)から、取得したアラームIDに対応するアラームの発生時刻を取得する。
図13では、アラームが発生した年日時、アラームID、及びメッセージ(アラーム種別)の各項目が記録されているアラーム履歴情報が例示されている。
【0074】
(アラーム解析テーブル検索工程(S102))
そして、装置コントローラ201は、装置コント記憶部222に格納されているアラーム解析テーブルから、取得したアラームIDに関するデータの有無を検索する。
【0075】
例えば、
図6に示すようなアラーム解析テーブルが、装置コント記憶部222に格納されている。
図6では、アラームを識別するためのアラームIDと、当該アラームIDが表すアラームの原因を解析するために使用される解析項目の数を示す項目数と、当該解析項目を特定するための解析項目No.(ナンバー)とが記録されているアラーム解析テーブルが例示されている。
【0076】
装置コントローラ201は、装置コント記憶部222に格納されているアラーム解析テーブル内に、取得したアラームIDに関するデータが存在した場合には、ステップS104へ移行する。一方、装置コントローラ201は、装置コント記憶部222に格納されているアラーム解析テーブル内に、取得したアラームIDに関するデータが存在しない場合には、アラーム解析処理を終了する。
【0077】
(カウンタリセット工程(S104))
そして、装置コントローラ201は、解析済みの解析項目の数を表すカウンタの値をクリアし、0にリセットする。
【0078】
(カウンタ判定工程(S106))
そして、装置コントローラ201は、カウンタの値が、上記ステップS102で検索されたデータに含まれる「項目数」と一致しているか否かを判定する。カウンタの値が、当該「項目数」と一致する場合には、ステップS114へ移行する。一方、カウンタの値が、当該「項目数」と一致しない場合には、ステップS108へ移行する。
【0079】
(解析項目ナンバー取得工程(S108))
そして、装置コントローラ201は、上記ステップS102で検索されたデータに含まれる「解析項目No.」を、一つずつ取得する。
【0080】
(アラーム原因追及処理工程(S110))
そして、装置コントローラ201は、装置コント記憶部222に格納されている
図7に示すようなアラーム原因追及テーブルを参照し、上記ステップS108で取得した「解析項目No.」に対応する原因解析処理を行い、装置コント記憶部222から、当該「解析項目No.」に対応するモニタデータを、上記ステップS100で取得したアラーム発生時刻前後について取得する。
【0081】
図7では、アラーム原因追及テーブルに、解析項目No.毎に、当該解析項目No.に対応するモニタデータを取得する処理を定めた原因解析処理に関するデータが格納されている例を示している。
【0082】
(カウンタ更新工程(S112))
そして、装置コントローラ201は、解析済みの解析項目の数を表すカウンタの値を1加算し、カウンタを更新する。
【0083】
(解析結果表示処理工程(S114))
そして、装置コントローラ201は、上記ステップS100で取得したアラーム履歴を含むアラーム情報と、上記ステップS110で取得した「解析項目No.」毎のモニタデータを示すグラフと、を少なくとも表示する領域を有する表示画面を操作表示部227に表示する。
【0084】
グラフ表示の際に、モニタデータに関する異常判定のための閾値及びアラーム発生時点を表示する。なお、閾値には、モニタデータに関する閾値と、モニタデータの標準値との乖離に関する閾値とがある。
【0085】
また、「解析項目No.」毎に、原因順位を決定し(
図8参照)、決定された原因順位をグラフと共に表示する。原因順位の決定処理では、アラーム発生時刻のモニタデータを閾値と比較したり、アラーム発生時刻のモニタデータにおける標準値との乖離を、閾値と比較する。この際、閾値を超えたものがあれば、その解析項目の原因順位を1位と決定する。閾値を超えないが閾値に近い解析項目があれば、その解析項目の原因順位を2位と決定する。閾値に近くない解析項目について、その解析項目の原因順位を3位以降と決定する。また、何れの解析項目も、閾値に近くない場合には、各解析項目について順位なしとする。
【0086】
図8では、「解析項目No.」が「15」の解析項目について原因順位を1位と決定し、「解析項目No.」が「4」の解析項目について原因順位を2位と決定し、「解析項目No.」が「39」の解析項目について原因順位を3位と決定し、「解析項目No.」が「10」の解析項目について原因順位を4位と決定した例を示している。
【0087】
(実施例1)
次に、アラーム解析テーブルが、
図9に示すFT(Fault Tree)要因図を基に製作される例について説明する。
図9は、具体的には、アラーム種別(Alarm Code分類に該当)が、MFC(マスフローコントローラ)のガス流量偏差エラーに基づくアラーム(以下、MFC偏差アラームと称する。)のときのFT要因図を示す。
【0088】
図9では、アラーム種別が、MFC偏差アラームのときの要因分析として、「MFC故障」、「供給ガス圧不足」、「零点ズレ」、「Valve Pattern設定誤り」が定義されている。このMFC偏差アラームの要因分析のための個別提供情報として、「MFC故障」を分析するための「部品使用回数」、「供給ガス圧不足」を分析するための「AUX(日常点検)」、「零点ズレ」を分析するための「当該MFCトレースログ」、「Valve Pattern設定誤り」を分析するための「該当レシピ&ステップ」が定義されている。また、共通提供情報として、「該当Alarm履歴」、「該当トレースログ」が定義されており、ここで、「共通提供情報」とは、アラーム種別によらず共通して要因分析に使用されるデータを示し、「個別提供情報」とは、特定のアラーム種別の要因分析に使用されるデータを示す。
【0089】
ここで、「部品使用回数」は、当該MFCの使用回数を示している。「AUX(日常点検)」は、基板処理装置1のプロセスに直接関係しない、供給ガスの圧力や、冷却水の流量など、装置付帯機器のセンサ値を示している。
【0090】
「該当MFCトレースログ」は、当該MFCの流量値を示している。「該当レシピ&ステップ」は、成膜を実施するために作成されたプロセスレシピを構成する複数のステップの各々における、ガス、圧力、温度、バルブなど、成膜を行う上で必要な設定値を示している。なお、画面表示において、これらの設定値を表示してもよい。これにより、アラームが発生した当該ステップで設定誤りがなかったかを確認することができる。
【0091】
また、「該当Alarm履歴」は、基板処理装置1で発生した全てのアラームを一定期間、履歴として記録することを示している。また、「該当トレースログ」は、ガス(MFC流量モニタ値)、圧力(圧力計モニタ値)、温度などの成膜に直接関係するデータを時系列に一定期間記録していることを示している。
【0092】
本実施例では、装置コント記憶部222は、更に、前記アラームID毎に予め作成された複数のFT要因図を有し、装置コントローラ201は、原因解析要求を受付けて、装置コント記憶部222から、原因解析要求に含まれるアラームIDに対応する前記FT要因図を検索する。装置コントローラ201は、検索されたFT要因図に基づいて、アラーム解析テーブルと、アラーム原因追及テーブルを作成するように構成されている。
【0093】
以上より、MFC偏差アラームに対する解析項目として、例えば、該当MFCの部品使用回数、該当MFCの供給ガスの圧力値、及び当該MFCの流量値が定められている。
【0094】
そしてMFC偏差アラームのアラームIDを含むアラームの原因解析要求を受け付けると、以下の3つのデータが画面表示される。
【0095】
第一に、
図10に示すような、当該MFCの使用回数のモニタデータを表すグラフが表示される。
図10では、アラームの発生時点より所定期間前からの、日毎の当該MFCの使用回数の累積値の変化を、アラームの発生時点、異常判定のための閾値、及び当該閾値との乖離数と共に表示する例を示している。なお、閾値として、MFC限界使用回数が設定され、当該閾値との乖離数が、限界使用回数までの残り回数として表示される。また、日毎ではなく処理バッチ単位で当該MFCの使用回数の累積値の変化を表示してもよい。このグラフにより、閾値到達前に、MFCが異常となった可能性を表示することができる。
【0096】
第二に、
図11に示すような、当該MFCの供給ガスの圧力値のモニタデータを表すグラフが表示される。
図11では、アラームの発生時点より所定期間前からの、日毎の当該MFCの供給ガスの最低圧力値を、アラームの発生時点、異常判定のための閾値、及び当該閾値との乖離値と共に表示する例を示している。なお、閾値として、該当MFCの供給ガスの圧力値に関する閾値が設定される。また、日毎ではなく処理バッチ単位で当該MFCの供給ガスの最低圧力値を表示してもよい。また、閾値近傍となる、供給ガスの圧力値がいくつあるかを検索し、その箇所をグラフ上にハイライトして表示してもよい。このグラフにより、顧客設備の都合で、一時的に供給ガスの圧力値が低下した可能性もあることを表示することができる。
【0097】
第三に、
図12に示すような、当該MFCのガス流量値のモニタデータを表すグラフが表示される。
図12では、アラームの発生時点より所定バッチ数前からの、処理バッチ毎の当該MFCのガス流量値を、アラームの発生時点、設定値、及び設定値に応じた、異常判定のための閾値と共に表示する例を示している。なお、ガス流量値として、該当MFCを制御しているステップのガス流量値を表示している。このグラフより、設定値に対して、実測値がどの程度乖離しているかを表示することができる。また、バッチ処理を繰り返すごとに徐々に零点ズレが累積され、ベースとなるガス流量値が上昇又は下降して、やがて偏差エラーとなることを表示することができる。
【0098】
上記のように、指定されたアラームとその発生時刻をキーに、当該アラームに対する解析項目のモニタデータ(ガス、圧力、温度などのうちのいずれか)を選択し、アラーム発生時点より所定期間前からグラフ表示する。これにより、例えば、MFC偏差アラームであれば、徐々にガス流量値が変化したのか、突発的変化したのかを判別することができる。
【0099】
また、上記のように、各解析項目に対して、予めアラーム発報の閾値が設定されており、閾値オーバーの場合は、上記MFC偏差アラームの前に、当該解析項目のアラームが発報され、オペレータが明確に要因と判断できる。一方、当該解析項目に関連するアラームが発報されていない場合は、閾値近傍の実測値がないかをプログラムが分析し、異常の確度が高い順に、解析項目の順位を決定し表示する。
【0100】
例えば、
図13に示すように、モニタデータが閾値を超えた解析項目「MFCガス流量値」を1位と決定し、閾値を超えてはいないが閾値に近い解析項目「MFC使用回数」、「MFC供給圧力」を、2位と決定し表示する。
【0101】
このように、アラーム閾値に達しないまでも、閾値に対して予め決めた任意の値(例えば、閾値の90%)に到達した解析項目や、設定値からの乖離値が予め決めた任意の値(例えば、設定値の80%)を超えて異常と認められる解析項目、など複数の解析項目がある場合は、これらの解析項目を同順位として表示する。
【0102】
なお、全ての解析項目がアラーム発生要因である確度が高い場合は、全ての解析項目に対して1位と決定して表示してもよい。一方、全ての解析項目がアラーム要因である確度が高い場合は、順位をつけず表示する。アラーム発生要因が低いという結果を表示することでオペレータの調査無駄時間を削減し未知の要因調査に時間を割くことができる。
【0103】
また、
図13に示すアラーム履歴一覧テーブルには、1番目のMFCの偏差アラームが発生したことが含まれている。そして、
図13では、このMFCの偏差アラームに対応する装置データをグラフ表示する領域には、当該アラームに対する解析項目「MFC使用回数」と解析項目「MFC供給圧力」がアラーム発生要因の2位として、「MFC使用回数」と「MFC供給圧力」にそれぞれ対応するモニタデータの時系列グラフが表示され、当該アラームに対する解析項目「MFCガス流量値」がアラーム発生要因の1位として、「MFCガス流量値」を示すモニタデータの時系列グラフが表示されている。
【0104】
(実施例2)
次に、圧力偏差エラーが発生した場合を例に説明する。
【0105】
圧力偏差アラームに対する解析項目として、例えば、処理室29内の圧力値、APCバルブの使用回数、及びポンプ異常(ポンプ電流値、ポンプ回転数、ポンプ背圧)が定められている。
【0106】
圧力偏差エラーに基づくアラーム(以下、圧力偏差アラームと称する)のアラームIDを含むアラームの原因解析要求を受け付けると、以下の3つのデータが画面表示される。
【0107】
第一に、
図14に示すような、処理室29内の圧力値を表すグラフが表示される。
図14では、アラームの発生時点より所定期間前からの、バッチ処理毎の最低圧力値の変化を、アラームの発生時点、圧力値の設定値、及び当該設定値に対する、異常判定のための閾値と共に表示する例を示している。
【0108】
第二に、ポンプ電流値、ポンプ回転数、ポンプ背圧を表すグラフが表示される。
図14では、アラームの発生時点より所定時間前からの、各時刻の値の変化を表示する例を示している。なお、ポンプ電流値、ポンプ回転数、及びポンプ背圧の各々が、3σ値を5回連続超えた場合又は-3σ値を5回連続下回った場合に、アラームが発報される。
【0109】
第三に、APCバルブの使用回数のモニタデータを表すグラフが表示される。
図14では、アラームの発生時点より所定期間前からの、日毎のAPCバルブの使用回数の累積値の変化を、アラームの発生時点、異常判定のための閾値、及び当該閾値との乖離数と共に表示する例を示している。
【0110】
また、
図14に示すアラーム履歴一覧テーブルには、圧力偏差アラームが発生したことが含まれている。そして、
図14では、この圧力偏差アラームに対応する装置データをグラフ表示する領域には、当該アラームに対する解析項目「圧力値」がアラーム発生要因の1位として、「圧力値」に対応するモニタデータの時系列グラフが表示され、当該アラームに対する解析項目「ポンプ異常」が2位として、「ポンプ異常」に対応するモニタデータの時系列グラフが表示され、当該アラームに対する解析項目「APC使用回数」が3位として、「APC使用回数」に対応するモニタデータの時系列グラフが表示される例を示している。
【0111】
この例では、圧力偏差アラームの情報と共に、ポンプの情報も表示に加えてオペレータに提供することで、基板処理装置1外に対しても視野が広がり早期解決の一助となる。
【0112】
本実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0113】
半導体製造装置において、装置コントローラがアラームを発報した後、操作員は当該アラームから原因を特定するために、関連するイベント、モニタ、アラームなどを順に検索し解析していく必要があり、それは、操作員の熟練度に頼るところが大きく、操作員或いはアラームの内容によっては、非常に時間のかかる作業であった。さらにポンプについて言えば、本来、半導体製造装置メーカとポンプメーカはそれぞれ個別に顧客の選定を受け顧客先にそれぞれ設置されるため必要最低限の通信インタフェースしか取り交わしていない。そのため、半導体製造装置側で排気に関するトラブルが発生してもポンプ起因のトラブルについては解決、或いは原因候補の対象とするには時間がかかっていた。
【0114】
そこで、本開示の実施の形態に係る基板処理装置によれば、基板処理装置において、アラーム、ワーニングが発生した際、装置コントローラが蓄積したイベント、モニタ、アラームから、アラームの原因となる解析項目の候補を特定し、その候補を確率の高い順に出力することで、操作員の熟練度に依存することを極力排除し、短時間でトラブルシューティングができるようになることで、装置ダウンタイムを短縮し生産性を向上することができる。
【0115】
また、作業員の熟練度に依存することなくトラブルシューティングが可能となる。これにより装置ダウンタイムを削減でき、基板処理装置の生産性向上に寄与できる。また、ポンプのトラブルについても原因探索の範囲として基板処理装置側で管理することでトラブルシューティングの時間短縮となる。
【0116】
なお、本開示の実施形態に於ける基板処理装置は、半導体製造装置だけではなく、LCD(Liquid Crystal Display)装置の様なガラス基板を処理する装置でも適用可能である。又、露光装置、リソグラフィ装置、塗布装置、プラズマを利用した処理装置等の各種基板処理装置にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0117】
装置で発生したアラームの原因の解析を支援する機能に関するものであり、各種基板処理装置に適用できる。
【0118】
以下、本開示の好ましい態様について付記する。
【0119】
(付記1)
本開示の一態様によれば、
センサ情報を含むモニタデータ及び各コントローラが前記センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームを少なくとも含む装置データ、及び前記アラームを識別するためのアラームIDと、当該アラームIDが表すアラームの原因を解析するための解析項目の数を示す項目数と、当該解析項目を特定するための解析項目ナンバーとで構成される予め設定されたアラーム解析テーブルをそれぞれ記憶する記憶部を有する装置コントローラを含む基板処理装置であって、
前記装置コントローラは、
前記障害を検知したら前記アラームを出力し、
前記アラームIDを含む前記アラームの原因解析要求を受け付けて、前記アラームIDで前記アラーム解析テーブルを検索して、前記項目数及び前記項目ナンバーを取得し、
前記アラームの原因を解析する解析項目を前記項目ナンバーで特定し、
前記記憶部から、前記項目数で定義される数の前記項目ナンバーで特定された解析項目に対応するモニタデータを取得し、
前記アラームの発生履歴を表示する領域と、前記解析項目に対応するモニタデータを表示する領域と、をそれぞれ有する表示画面を表示するように構成されている基板処理装置が提供される。
【0120】
(付記2)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記装置コントローラは、前記アラームのうち自装置の排気制御の不良に起因するアラームを示す前記原因解析要求を受け付けた場合、前記アラームの原因を解析する解析項目として、排気のためのポンプに関するセンサ情報を含むモニタデータを取得し、前記センサ情報を含むモニタデータを表示するように構成されている。
【0121】
(付記3)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記装置コントローラは、前記原因解析要求に含まれる前記アラームIDを用いて、前記アラームIDに対応する前記解析項目ナンバーを取得し、前記アラームの原因となる項目の候補を特定するように構成されている。
【0122】
(付記4)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記記憶部は、更に、前記解析項目ナンバーに関連付けられた原因解析処理を定義するアラーム原因追及テーブルを記憶し、
前記装置コントローラは、前記アラームIDに対応する前記解析項目ナンバーに基づいて前記原因解析処理を取得するように構成されている。
【0123】
(付記5)
付記4に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記装置コントローラは、前記解析項目ナンバーに関連付けされた原因解析処理の取得を、前記アラームIDに対応する前記項目数分だけ繰返すように構成されている。
【0124】
(付記6)
付記3に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記装置コントローラは、更に、前記特定された解析項目の候補に対応するモニタデータを取得し、前記特定された解析項目の候補毎に、取得したモニタデータと、予め定められた閾値とを比較して、前記アラームの原因である順位を決定し、前記モニタデータを前記順位と共に表示する表示画面を出力するように構成されている。
【0125】
(付記7)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記記憶部は、更に、前記アラームID毎に予め作成された複数のFT要因図を有し、
前記装置コントローラは、前記アラームの原因解析要求を受付けて、前記記憶部から、前記原因解析要求に含まれる前記アラームIDに対応する前記FT要因図を検索し、
前記検索された前記FT要因図に基づいて、
前記アラーム解析テーブルと、
前記解析項目ナンバーに関連付けられた原因解析処理を定義するアラーム原因追及テーブルを作成するように構成されている。
【0126】
(付記8)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記装置データは、前記処理室の雰囲気を排気する排気装置に関連する装置データであって、ポンプ電流、ポンプ回転数、ポンプ背圧よりなる群から適宜選択される一つ以上の装置データである。
【0127】
(付記9)
付記8に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
前記装置コントローラは、前記ポンプ電流、前記ポンプ回転数、前記ポンプ背圧よりなる群から少なくとも一つの前記装置データの平均値が所定回数連続して前記閾値から外れるとアラームを発生させるよう構成されている。
【0128】
(付記10)
付記1に記載の基板処理装置であって、好ましくは、
更に、前記処理室からガスを排気する排気装置と、を少なくとも備え、
前記処理室と前記排気装置が同じフロアに配置されるよう構成されている。
【0129】
(付記11)
本開示の一態様によれば、
センサ情報を含むモニタデータを取得しつつ基板を処理する工程を有する半導体装置の製造方法であって、
前記モニタデータ及び前記センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームを少なくとも含む装置データ、及び前記アラームを識別するためのアラームIDと、当該アラームIDが表すアラームの原因を解析するための解析項目の数を示す項目数と、当該解析項目を特定するための解析項目ナンバーとで構成される予め設定されたアラーム解析テーブルをそれぞれ記憶する工程と、
前記障害を検知し前記アラームを出力する工程と、
前記アラームIDを含む前記アラームの原因解析要求を受け付けて、前記アラームIDで前記アラーム解析テーブルを検索して、前記項目数及び前記解析項目ナンバーを取得する工程と、
前記アラームの原因を解析する解析項目を前記解析項目ナンバーで特定する工程と、
前記項目数で定義される数の前記解析項目ナンバーで特定された解析項目に対応するモニタデータを取得する工程と、
前記アラームの発生履歴を表示する領域と、前記解析項目に対応するモニタデータを表示する領域と、をそれぞれ有する表示画面を表示する工程と、
を含む半導体装置の製造方法が提供される。
【0130】
(付記12)
本開示の一態様によれば、
センサ情報を含むモニタデータ及び各コントローラが前記センサ情報に基づいて検知した障害を表すアラームを少なくとも含む装置データ、及び前記アラームを識別するためのアラームIDと、当該アラームIDが表すアラームの原因を解析するための解析項目の数を示す項目数と、当該解析項目を特定するための解析項目ナンバーとで構成される予め設定されたアラーム解析テーブルをそれぞれ記憶する記憶部を有する装置コントローラに、
前記障害を検知した前記アラームを出力させる手順と、
前記アラームIDを含む前記アラームの原因解析要求を受け付ると、前記アラームIDで前記アラーム解析テーブルを検索させ、前記項目数及び前記解析項目ナンバーを取得させる手順と、
前記アラームの原因を解析する解析項目を前記解析項目ナンバーで特定させる手順と、
前記記憶部から、前記項目数で定義される数の前記解析項目ナンバーで特定された解析項目に対応するモニタデータを取得し、
前記アラームの発生履歴を表示する領域と、前記解析項目に対応するモニタデータを表示する領域と、をそれぞれ有する表示画面を表示させる手順と、
を実行させるためのプログラムが提供される。
【符号の説明】
【0131】
1 基板処理装置
200 制御システム
201 装置コントローラ
211 温度制御コントローラ
212 圧力制御コントローラ
213 ロボット制御コントローラ
214 ガス流量制御コントローラ
214 MFCコントローラ
215 Pumpコントローラ
220 装置コント制御部
222 装置コント記憶部
227 操作表示部