(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-01
(45)【発行日】2022-06-09
(54)【発明の名称】ダイボンディング装置、半導体装置の製造方法および半導体製造システム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/52 20060101AFI20220602BHJP
【FI】
H01L21/52 F
(21)【出願番号】P 2017145061
(22)【出願日】2017-07-27
【審査請求日】2020-06-03
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515085901
【氏名又は名称】ファスフォードテクノロジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】小橋 英晴
(72)【発明者】
【氏名】牧 浩
(72)【発明者】
【氏名】望月 政幸
【審査官】綿引 隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-117916(JP,A)
【文献】特開平08-181178(JP,A)
【文献】特開2011-091286(JP,A)
【文献】特開平06-260517(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/52
G01N 21/84
H01L 21/301
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイが貼り付けられたダイシングテープを保持するウェハリングホルダを有するダイ供給部と、
前記ダイを撮像する第一撮像装置と、
前記ダイを吸着するコレットを有し、前記ダイをピックアップするピックアップヘッドと、
前記ピックアップされたダイが載置される中間ステージと、
前記中間ステージに載置されたダイを撮像する第二撮像装置と、
前記ダイ供給部および前記第一撮像装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は
、
前記第一撮像装置を用いて撮像した前記ダイの異常を検出した場合、前記ダイの画像に基づいた情報を収集し、統計解析し、自己診断
し、
前記第二撮像装置を用いて撮像した前記ダイの異常を検出した場合、前記ダイの画像に基づいた情報を収集し、統計解析し、自己診断するダイボンディング装置。
【請求項2】
請求項
1において、
さらに、前記中間ステージからピックアップされたダイを撮像する第三撮像装置を備え、
前記制御装置は前記第三撮像装置を用いて撮像した前記ダイの異常を検出した場合、前記ダイの画像に基づいた情報を収集し、統計解析
し、自己診断するダイボンディング装置。
【請求項3】
請求項
2において、さらに、
前記中間ステージに載置されたダイを吸着する第二コレットを有し、前記ダイをボンディングステージ上で基板または既にボンディングされているダイ上にボンディングするボンディングヘッドと、
前記ボンディングされたダイを撮像する第四撮像装置と、
を備え、
前記制御装置は前記第四撮像装置を用いて撮像した前記ダイの異常を検出した場合、前記ダイの画像に基づいた情報を収集し、統計解析
し、自己診断するダイボンディング装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記制御装置は、前記収集した情報であるクラックの位置、向き、方向、長さ、幅、本数のうち少なくとも一つに基づいて、異常を発生させた装置が、バックグラインディング装置、ウェハ検査装置、ダイシング装置およびダイボンディング装置のいずれかを推定するダイボンディング装置。
【請求項5】
請求項
1において、
前記第一撮像装置で前記ダイの異常を検出しないで前記第二撮像装置で前記ダイの異を検出した場合、前記制御装置は、
前記異常の起因を前記中間ステージの異物付着と推定し、前記中間ステージの異物検査またはクリーニングを行う、もしくは
前記異常の起因を前記コレットの取付け平坦度と推定し、前記コレットを調整し、または前記取付け平坦度が異常の起因であることを表示するダイボンディング装置。
【請求項6】
請求項
2において、
前記第二撮像装置で前記ダイの異常を検出しないで前記第三撮像装置で前記ダイの異常を検出した場合、前記制御装置は、
前記異常の起因を前記中間ステージの異物付着と推定し、前記中間ステージの異物検査またはクリーニングを行う、もしくは
前記異常の起因を前記コレットの異物付着と推定し、前記コレットの検査またはクリーニングを行うダイボンディング装置。
【請求項7】
請求項
3において、
前記第三撮像装置で前記ダイの異常を検出しないで前記第四撮像装置で前記ダイの異常を検出した場合、前記制御装置は、
前記異常の起因を前記ボンディングステージの異物付着と推定し、前記ボンディングステージの異物検査またはクリーニングを行う、もしくは
前記異常の起因を前記第二コレットの異物付着と推定し、前記第二コレットの検査またはクリーニングを行う、もしくは
前記異常の起因を前記基板の異物付着と推定し、前記基板の検査またはクリーニングを行うダイボンディング装置。
【請求項8】
(a)ウェハの裏面を研削するバックグラインディング工程と、
(b)前記ウェハに形成された複数のダイを検査するウェハ検査工程と、
(c)前記ウェハに形成された複数のダイを個片化するダイシング工程と、
(d)前記個片化されたダイを基板または既にボンディングされているダイ上にボンディングするダイボンディング工程と、
(e)前記ウェハまたは前記ダイの異常工程を推定する工程と、
を備え、
前記(d)工程は、
(d1)ダイが貼付されたダイシングテープを保持するウェハリングホルダを搬入する工程と、
(d2)前記ダイを撮像する工程と、
(d3)前記ダイを第一コレットでピックアップする工程と、
(d4)前記ピックアップされたダイを中間ステージに載置する工程と、
(d5)前記中間ステージに載置されたダイを撮像する工程と、
を備え、
前記(e)工程は
、
前記(d2)工程で撮像した前記ダイの異常を検出した場合、前記ダイの画像に基づいた情報を収集し、統計解析し、自己診断
し、
前記(d5)工程で撮像した前記ダイの異常を検出した場合、前記ダイの画像に基づいた情報を収集し、統計解析し、自己診断する半導体装置の製造方法。
【請求項9】
請求項
8において、
前記(d)工程は、さらに、(d6)前記中間ステージからピックアップしたダイを撮像する工程を備え、
前記(e)工程は前記(d6)工程で撮像した前記ダイの異常を検出した場合、前記ダイの画像に基づいた情報を収集し、統計解析し、自己診断する半導体装置の製造方法。
【請求項10】
請求項
9において、
前記(d)工程は、さらに、
(d7)前記中間ステージから第二コレットでピックアップしたダイをボンディングステージ上で基板または既にボンディングされているダイ上にボンディングする工程と、
(d8)前記ボンディングされたダイを撮像する工程と、
を備え、
前記(e)工程は前記(d8)工程で撮像した前記ダイの異常を検出した場合、前記ダイの画像に基づいた情報を収集し、統計解析し、自己診断する半導体装置の製造方法。
【請求項11】
請求項
8において、
前記(e)工程は、前記収集した情報であるクラックの位置、向き、方向、長さ、幅、本数のうち少なくとも一つに基づいて、前記(a)工程、(b)工程または(c)工程での異常発生箇所の推定を行う半導体装置の製造方法。
【請求項12】
請求項
8において、
前記(d2)工程で前記ダイの異常を検出しないで前記(d5)で前記ダイの異常を検出した場合、前記(e)工程は、
前記異常の起因を前記中間ステージの異物付着と推定し、前記中間ステージの異物検査またはクリーニングを行う、もしくは
前記異常の起因を前記第一コレットの取付け平坦度と推定し、前記第一コレットを調整し、または前記取付け平坦度が異常の起因であることを表示する半導体装置の製造方法。
【請求項13】
請求項
9において、
前記(d5)で前記ダイの異常を検出しないで前記(d6)で前記ダイの異常を検出した場合、前記(e)工程は、
前記異常の起因を前記中間ステージの異物付着と推定し、前記中間ステージの異物検査またはクリーニングを行う、もしくは
前記異常の起因を前記第一コレットの異物付着と推定し、前記第一コレットの検査またはクリーニングを行う半導体装置の製造方法。
【請求項14】
請求項
10において、
前記(d6)で前記ダイの異常を検出しないで前記(d8)で前記ダイの異常を検出した場合、前記(e)工程は、
前記異常の起因を前記ボンディングステージの異物付着と推定し、前記ボンディングステージの異物検査またはクリーニングを行う、もしくは
前記異常の起因を前記第二コレットの異物付着と推定し、前記第二コレットの検査またはクリーニングを行う、もしくは
前記異常の起因を前記基板の異物付着と推定し、前記基板の検査またはクリーニングを行う半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はダイボンディング装置に関し、例えばダイを認識するカメラを備えるダイボンダに適用可能である。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程には、シリコンウェハの表面に多数の集積回路すなわちIC部を形成するウェハ処理工程と、このウェハ処理工程で多数のIC部が形成されたウェハの裏面を研削して薄くするバックグラインディング工程と、このバックグラインディング工程で薄くされたウェハを各IC部ごとに切断(個片化)して多数のICチップを得るためのダイシング工程と、このダイシング工程で得られたICチップを所定の基板上に載置して固定するためのダイボンディング工程と、等がある(例えば、特開2006-156978号公報)。
【0003】
ダイボンディング工程に使用される半導体製造装置がダイボンダ等のダイボンディング装置である。ダイボンダは樹脂等を接合材料として、ICチップ(以下、単にダイという。)を基板(配線基板やリードフレーム等)または既にボンディングされたダイの上にボンディング(搭載して接着)する装置である。ダイを、例えば、基板の表面にボンディングするダイボンダにおいては、コレットと呼ばれる吸着ノズルを用いてダイをウェハから吸着してピックアップし、基板上に搬送し、押付力を付与すると共に、接合材を加熱することによりボンディングを行うという動作(作業)が繰り返して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ダイボンディング装置は、ピックアップするダイ等の外観を検査する機能を備えているが、その結果を有効活用しきれていない。
本開示の課題は、外観検査機能を有効に活用可能なダイボンディング装置を提供することである。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
すなわち、ダイボンディング装置は、ピックアップするダイ等の外観を検査する機能を用いて、クラック等のウェハやダイの異常を検出し、検出したウェハ等の異常の発生状況の情報をデータとして活用、統計解析し、装置内の異常発生箇所の推定、上流工程での異常発生箇所の推定、それらの要因解析を行う。
【発明の効果】
【0007】
上記ダイボンディング装置によれば、外観検査機能を有効に活用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1において矢印A方向から見たときの概略構成を説明する図
【
図5】
図1のダイボンダの制御系の概略構成を示すブロック図
【
図6】
図1のダイボンダにおけるダイボンディング工程を説明するフローチャート
【
図8】半導体製造システムの構成例を示すブロック図
【
図9】
図7の各工程におけるウェハ上のクラックの特徴を示す図
【
図10】ダイボンダ内の故障箇所の推定を行うフローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係るダイボンディング装置は、ピックアップするダイ等の外観を検査する機能を用いて、クラック、スクラッチ、異物などのウェハやダイの異常を検出し、検出した部材(ウェハ等)の異常(クラック等)の発生状況の情報(位置、向き、方向、長さ、幅、本数など)をデータとして活用、統計解析し、装置内の異常発生箇所の推定、上流工程での異常発生箇所の推定、それらの要因解析を行う。
【0010】
以下、実施例について、図面を用いて説明する。ただし、以下の説明において、同一構成要素には同一符号を付し繰り返しの説明を省略することがある。なお、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【実施例】
【0011】
図1は実施例に係るダイボンダの概略を示す上面図である。
図2は
図1において矢印A方向から見たときに、ピックアップヘッド及びボンディングヘッドの動作を説明する図である。
【0012】
ダイボンダ10は、大別して、一つ又は複数の最終1パッケージとなる製品エリア(以下、パッケージエリアPという。)をプリントした基板Sに実装するダイDを供給する供給部1と、ピックアップ部2、中間ステージ部3と、ボンディング部4と、搬送部5、基板供給部6と、基板搬出部7と、各部の動作を監視し制御する制御部8と、を有する。Y軸方向がダイボンダ10の前後方向であり、X軸方向が左右方向である。ダイ供給部1がダイボンダ10の手前側に配置され、ボンディング部4が奥側に配置される。
【0013】
まず、ダイ供給部1は基板SのパッケージエリアPに実装するダイDを供給する。ダイ供給部1は、ウェハ11を保持するウェハ保持台12と、ウェハ11からダイDを突き上げる点線で示す突上げユニット13と、を有する。ダイ供給部1は図示しない駆動手段によってXY方向に移動し、ピックアップするダイDを突上げユニット13の位置に移動させる。
【0014】
ピックアップ部2は、ダイDをピックアップするピックアップヘッド21と、ピックアップヘッド21をY方向に移動させるピックアップヘッドのY駆動部23と、コレット22を昇降、回転及びX方向移動させる図示しない各駆動部と、を有する。ピックアップヘッド21は、突き上げられたダイDを先端に吸着保持するコレット22(
図2も参照)を有し、ダイ供給部1からダイDをピックアップし、中間ステージ31に載置する。ピックアップヘッド21は、コレット22を昇降、回転及びX方向移動させる図示しない各駆動部を有する。
【0015】
中間ステージ部3は、ダイDを一時的に載置する中間ステージ31と、中間ステージ31上のダイDを認識する為のステージ認識カメラ32を有する。
【0016】
ボンディング部4は、中間ステージ31からダイDをピックアップし、搬送されてくる基板SのパッケージエリアP上にボンディングし、又は既に基板SのパッケージエリアPの上にボンディングされたダイの上に積層する形でボンディングする。ボンディング部4は、ピックアップヘッド21と同様にダイDを先端に吸着保持するコレット42(
図2も参照)を備えるボンディングヘッド41と、ボンディングヘッド41をY方向に移動させるY駆動部43と、基板SのパッケージエリアPの位置認識マーク(図示せず)を撮像し、ボンディング位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。
このような構成によって、ボンディングヘッド41は、ステージ認識カメラ32の撮像データに基づいてピックアップ位置・姿勢を補正し、中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板認識カメラ44の撮像データに基づいて基板にダイDをボンディングする。
【0017】
搬送部5は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51と、基板Sが移動する搬送レーン52と、を有する。基板Sは、搬送レーン52に設けられた基板搬送爪51の図示しないナットを搬送レーン52に沿って設けられた図示しないボールネジで駆動することによって移動する。
このような構成によって、基板Sは、基板供給部6から搬送レーン52に沿ってボンディング位置まで移動し、ボンディング後、基板搬出部7まで移動して、基板搬出部7に基板Sを渡す。
【0018】
制御部8は、ダイボンダ10の各部の動作を監視し制御するプログラム(ソフトウェア)を格納するメモリと、メモリに格納されたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)と、を備える。
【0019】
次に、ダイ供給部1の構成について
図3および
図4を用いて説明する。
図3はダイ供給部の外観斜視図を示す図である。
図4はダイ供給部の主要部を示す概略断面図である。
【0020】
ダイ供給部1は、水平方向(XY方向)に移動するウェハ保持台12と、上下方向に移動する突上げユニット13と、を備える。ウェハ保持台12は、ウェハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウェハリング14に保持され複数のダイDが接着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17と、を有する。突上げユニット13は支持リング17の内側に配置される。
【0021】
ダイ供給部1は、ダイDの突き上げ時に、ウェハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。その結果、ウェハリング14に保持されているダイシングテープ16が引き伸ばされダイDの間隔が広がり、突上げユニット13によりダイD下方よりダイDを突き上げ、ダイDのピックアップ性を向上させている。なお、薄型化に伴いダイを基板に接着する接着剤は、液状からフィルム状となり、ウェハ11とダイシングテープ16との間にダイアタッチフィルム(DAF)18と呼ばれるフィルム状の接着材料を貼り付けている。ダイアタッチフィルム18を有するウェハ11では、ダイシングは、ウェハ11とダイアタッチフィルム18に対して行なわれる。従って、剥離工程では、ウェハ11とダイアタッチフィルム18をダイシングテープ16から剥離する。なお、以降では、ダイアタッチフィルム18の存在を無視して、説明する。
【0022】
ダイボンダ10は、ウェハ11上のダイDの姿勢を認識するウェハ認識カメラ24と、中間ステージ31に載置されたダイDの姿勢を認識するステージ認識カメラ32と、ボンディングステージBS上の実装位置を認識する基板認識カメラ44とを有する。認識カメラ間の姿勢ずれ補正しなければならないのは、ボンディングヘッド41によるピックアップに関与するステージ認識カメラ32と、ボンディングヘッド41による実装位置へのボンディングに関与する基板認識カメラ44である。本実施例ではウェハ認識カメラ24を用いてダイDのクラックを検出する。
【0023】
制御部8について
図5を用いて説明する。
図5は制御系の概略構成を示すブロック図である。制御系80は制御部8と駆動部86と信号部87と光学系88とを備える。制御部8は、大別して、主としてCPU(Central Processor Unit)で構成される制御・演算装置81と、記憶装置82と、入出力装置83と、バスライン84と、電源部85とを有する。記憶装置82は、処理プログラムなどを記憶しているRAMで構成されている主記憶装置82aと、制御に必要な制御データや画像データ等を記憶しているHDDで構成されている補助記憶装置82bとを有する。入出力装置83は、装置状態や情報等を表示するモニタ83aと、オペレータの指示を入力するタッチパネル83bと、モニタを操作するマウス83cと、光学系88からの画像データを取り込む画像取込装置83dと、を有する。また、入出力装置83は、ダイ供給部1のXYテーブル(図示せず)やボンディングヘッドテーブルのZY駆動軸等の駆動部86を制御するモータ制御装置83eと、種々のセンサ信号や照明装置などのスイッチ等の信号部87から信号を取り込み又は制御するI/O信号制御装置83fとを有する。光学系88には、ウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32、基板認識カメラ44が含まれる。制御・演算装置81はバスライン84を介して必要なデータを取込み、演算し、ピックアップヘッド21等の制御や、モニタ83a等に情報を送る。
【0024】
制御部8は画像取込装置83dを介してウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32および基板認識カメラ44で撮像した画像データを記憶装置82に保存する。保存した画像データに基づいてプログラムしたソフトウェアにより、制御・演算装置81を用いてダイDおよび基板SのパッケージエリアPの位置決め、並びにダイDおよび基板Sの表面検査を行う。制御・演算装置81が算出したダイDおよび基板SのパッケージエリアPの位置に基づいてソフトウェアによりモータ制御装置83eを介して駆動部86を動かす。このプロセスによりウェハ上のダイの位置決めを行い、ピックアップ部2およびボンディング部4の駆動部で動作させダイDを基板SのパッケージエリアP上にボンディングする。使用するウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32および基板認識カメラ44はグレースケール、カラー等であり、光強度を数値化する。
【0025】
図6は
図1のダイボンダにおけるダイボンディング工程を説明するフローチャートである。
実施例のダイボンディング工程では、まず、制御部8は、ウェハ11を保持しているウェハリング14をウェハカセットから取り出してウェハ保持台12に載置し、ウェハ保持台12をダイDのピックアップが行われる基準位置まで搬送する(ウェハローディング(工程P1))。次いで、制御部8は、ウェハ認識カメラ24によって取得した画像から、ウェハ11の配置位置がその基準位置と正確に一致するように微調整を行う。
【0026】
次に、制御部8は、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、水平に保持することによって、最初にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置する(ダイ搬送(工程P2))。
【0027】
制御部8は、ウェハ認識カメラ24によってピックアップ対象のダイDの主面(上面)を撮影し、取得した画像からピックアップ対象のダイDの上記ピックアップ位置からの位置ずれ量を算出する。制御部8は、この位置ずれ量を基にウェハ11が載置されたウェハ保持台12を移動させ、ピックアップ対象のダイDをピックアップ位置に正確に配置する(ダイ位置決め(工程P3))。
【0028】
次いで、制御部8は、ウェハ認識カメラ24によって取得した画像から、ダイDの表面検査を行う(工程P4)。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、ダイDの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理は、ダイDの工程P9以降をスキップし、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、次にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置する。ウェハ11は、予めプローバ等の検査装置により、ダイ毎に検査され、ダイ毎に良、不良を示すマップデータが生成され、制御部8の記憶装置82に記憶される。ピックアップ対象となるダイDが良品であるか、不良品であるかの判定はマップデータにより行われる。制御部8は、ダイDが不良品である場合は、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、次にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置し、不良品のダイDをスキップする。
【0029】
制御部8は、基板供給部6で基板Sを搬送レーン52に載置する(基板ローディング(工程P5))。制御部8は、基板Sを掴み搬送する基板搬送爪51をボンディング位置まで移動させる(基板搬送(工程P6))。
【0030】
基板認識カメラ44にて基板を撮像して位置決めを行う(基板位置決め(工程P7))。
【0031】
次いで、制御部8は、基板認識カメラ44によって取得した画像から、基板SのパッケージエリアPの表面検査を行う(工程P8)。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、基板SのパッケージエリアPの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理は、基板SのパッケージエリアPの該当タブへの工程P10以降をスキップし、基板着工情報に不良登録を行う。
【0032】
制御部8は、ピックアップ対象のダイDを正確にピックアップ位置に配置した後、コレット22を含むピックアップヘッド21によってダイDをダイシングテープ16からピックアップし(ダイハンドリング(工程P9))、中間ステージ31に載置する((工程P10)。制御部8は、中間ステージ31に載置したダイの姿勢ずれ(回転ずれ)の検出をステージ認識カメラ32にて撮像して行う(工程P11)。制御部8は、姿勢ずれがある場合は中間ステージ31に設けられた旋回駆動装置(不図示)によって実装位置を有する実装面に平行な面で中間ステージ31を旋回させて姿勢ずれを補正する。
【0033】
制御部8は、ステージ認識カメラ32によって取得した画像から、ダイDの表面検査を行う(工程P12)。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、ダイDの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P13)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認するか、さらに高感度の検査や照明条件などを変えた検査を行い、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理は、ダイDの工程P13以降をスキップし、ウェハ11が載置されたウェハ保持台12を所定ピッチでピッチ移動させ、次にピックアップされるダイDをピックアップ位置に配置する。
【0034】
制御部8は、コレット42を含むボンディングヘッド41によって中間ステージ31からダイDをピックアップし、基板SのパッケージエリアPまたは既に基板SのパッケージエリアPにボンディングされているダイにダイボンディングする(ダイアタッチ((工程P13))。リフティング中のダイDの外観検査のため、アンダビジョンカメラ45でダイDの裏面を撮像するようにしてもよい。
【0035】
制御部8は、ダイDをボンディングした後、そのボンディング位置が正確になされているかを検査する(ダイと基板の相対位置検査(工程P14))。このとき、後述するダイの位置合わせと同様にダイの中心と、タブの中心を求め、相対位置が正しいかを検査する。
【0036】
次いで、制御部8は、基板認識カメラ44によって取得した画像から、ダイDおよび基板Sの表面検査を行う(工程P15)。ここで、制御部8は、表面検査で問題があるかどうかを判定し、ボンディングされたダイDの表面に問題なしと判定した場合には次工程(後述する工程P9)へ進むが、問題ありと判定した場合には、表面画像を目視で確認し、問題がある場合はスキップ処理し、問題がない場合は次工程の処理を行う。スキップ処理では、基板着工情報に不良登録を行う。
【0037】
以後、同様の手順に従ってダイDが1個ずつ基板SのパッケージエリアPにボンディングする。1つの基板のボンディングが完了すると、基板搬送爪51で基板Sを基板搬出部7まで移動して(基板搬送(工程P16))、基板搬出部7に基板Sを渡す(基板アンローディング(工程P17))。
【0038】
以後、同様の手順に従ってダイDが1個ずつダイシングテープ16から剥がされる(工程P9)。不良品を除くすべてのダイDのピックアップが完了すると、それらダイDをウェハ11の外形で保持していたダイシングテープ16およびウェハリング14等をウェハカセットへアンローディングする(工程P18)。
【0039】
次に、ダイボンディング工程より上流の製造工程の解析について
図7~9を用いて説明する。
図7は半導体装置の製造工程を示すフローチャートである。
図8は半導体製造システムの構成例を示すブロック図である。
図9は各工程におけるウェハ上のクラックの特徴を示す図であり、
図9(A)はダイシング工程におけるクラックの特徴を示す図であり、
図9(B)はダイシング工程よりも前の工程におけるクラックの特徴を示す図であり、
図9(C)はバックグラインディング工程におけるクラックの特徴を示す図である。
【0040】
図7に示すように、半導体装置の製造工程は、ウェハ処理工程後、ウェハの裏面を研削して薄くするバックグラインディング工程P200、ウェハ検査工程P300、ウェハを切断して個片化するダイシング工程P400を経てダイボンディング工程P100が行われる。半導体装置の製造工程は、さらに、ダイボンディング工程P100で載置されたダイと基板側または既にボンディングされたダイとを電気的に接続するワイヤボンディング工程P500、ワイヤボンディング工程P500で電気的に接続されたダイの気密封止を合成樹脂にて行う封止工程P600等を備える。
【0041】
ダイの上にダイをボンディングする積層ボンディングの場合、ダイボンディング工程P100とワイヤボンディング工程P500とが繰り返される。ダイボンディング工程P100とワイヤボンディング工程P500とを繰り返す場合、一つのダイボンディング工程P100において一つのパッケージエリアで複数回のボンディングを行う場合と、一つのダイボンディング工程P100において一つのパッケージエリアで一回のボンディングを行う場合と、がある。なお、積層ボンディングにおいて、一つのパッケージエリアで複数回のダイボンディング後にワイヤボンディングを行い、ダイボンディング工程P100とワイヤボンディング工程P500とを繰り返さない場合もある。
【0042】
図8に示すように、バックグラインディング工程P200はバックグラインディング装置(バックグラインディング装置#1、#2、・・・、#N:N≧1)201で行われ、ウェハ検査工程P300はウェハ検査装置(ウェハ検査装置#1、#2、・・・、#N:N≧1)301で行われ、ダイシング工程P400はダイシング装置(ダイシング装置#1、#2、・・・、#N:N≧1)401で行われる。ダイボンディング工程P100はダイボンディング装置(ダイボンディング装置#1、#2、・・・、#N:N≧1)101で行われる。ここで、ダイボンディング装置101は上述のダイボンダ10である。
【0043】
図8に示すように、バックグラインディング装置201、ウェハ検査装置301およびダイシング装置401により上流の製造工程で各ウェハを処理した装置固有の識別情報と処理されたウェハの識別情報とをネットワークを介してデータベースとして蓄積する。
【0044】
次に、ダイボンディング工程でウェハにクラック等の異常を検出したとき、そのクラック等の発生状況を判断し、その情報をウェハの識別情報に関連付け、どの工程のどの装置で問題を発生させているかを予測(推定)し、出力する。予測は、ダイボンディング装置の制御部またはシステムホストPC(Personal Computer)501などで行う。なお、ダイボンディング装置にはダイ供給部を二つ有し、ピックアップ対象のウェハが二系統ある製品の場合、ボンディング工程も予測対象となる。
【0045】
次に、ダイの異常発生状況から、異常を発生させている工程の推定を行う手法の例について
図9を用いて説明する。
図9の格子状の線がダイシングラインを示し、太い線がクラックを示している。
【0046】
図9(A)に示すように、発生しているクラックが、ダイシングラインを跨がないものが多いまたはコーナー起点になっているものが多い場合、もしくはダイサーの刃の進行方向に依存している場合は、ダイシング工程に起因があると予想する。
図9(B)に示すように、発生しているクラックが、ダイシングラインを跨いでいるものが多い場合は、ダイシング工程より前に起因があると予想する。
図9(C)に示すように、発生しているクラックが、バックグラインディングの螺旋放射模様の軌跡に沿っているものが多い場合は、バックグラインディング工程に起因があると予想する。
【0047】
ダイの異常発生状況、例えばクラックの位置、向き、方向、長さ、幅、本数のうち少なくとも一つに基づいて異常を発生させている工程を推定する。
【0048】
次に、ダイボンダ内でダイまたはウェハの異常を検出した場合の活用事例について
図10を用いて説明する。
図10はダイボンダ内の故障箇所の推定を行うフローを示す図である。
【0049】
ダイボンダ10は、同一装置内にて、部材は搬送および着工に一定方向の移動プロセスを持っており、各セクションでは必要に応じてカメラシステムを備える。移動プロセスとしては、例えば、ダイ供給部1からダイDをピックアップするプロセス、ピックアップしたダイDを中間ステージ31にプレースするプロセス、中間ステージ31からピックアップしたダイDを基板Sにボンディングするプロセスがある。このカメラシステムには、ウェハ認識カメラ24、ステージ認識カメラ32、基板認識カメラ44、アンダビジョンカメラ45があり、各カメラシステムでウェハまたはダイの異常を検出したとき、単純には搬送工程におけるそれより上流での起因として捉えることができる。
【0050】
まず、制御部8はウェハ認識カメラ24でダイDの異常を検出したかどうかを判断し(ステップS11)、異常を検出していた場合(YESの場合)は、ステップS12に移る。ステップS12では下記のように故障箇所の推定および処理(A)を行う。
(A1)故障箇所はダイボンディング工程より上流の工程とし、
図9の解析により起因のある工程を推定する。
(A2)故障箇所がダイシング工程であり、ステルスダイシングの場合は、エキスパンドパラメータの確認を行う。
【0051】
次に、制御部8はウェハ認識カメラ24でダイDの異常を検出しなかった場合(ステップS11でNOの場合)は、ステップS13に移る。制御部8はステージ認識カメラ32でダイDの異常を検出したかどうかを判断し(ステップS13)、異常を検出していた場合(YESの場合)、すなわち、ウェハ認識カメラ24で検出せず、ステージ認識カメラ32で検出した場合は、ステップS14に移る。ステップS14では下記のように故障箇所の推定および処理(B)を行う。
(B1)制御部8はウェハ状態(ダイボンディング工程よりも前の工程)では割れてないと判断する。ただし、クラックサイズが検出限界に近い場合は除く。
(B2)制御部8は中間ステージ31での異物付着を予想し、異物検査またはクリーニングを行う。制御部8は異物検査で異物を検出した場合に、中間ステージ31をクリーニングするようにしてもよい。なお、クリーニングを行うと、異物が未検出でも予防動作になる。
(B3)制御部8はピックアップヘッド21のコレット22の取付け平坦度を確認する。例えば、ロードセルを用いた多点検出で平坦度を確認して、コレット22の取付けの調整またはその旨表示する。
(B4)中間ステージ31の異物付着でもコレット22の取付け不良でもなければピックアップ条件(コレット22の吸着圧やピックアップ高さなど)の確認を行う。
(B5)上記ではウェハでは割れてないとしたが、制御部8は、クラックダイが連続して発生したことを検出した場合、ウェハ座標と比較し、状態によってダイボンディングより前の工程での要因解析に用いるため表示またはシステムホストPC501等に出力する。
(B6)同一ロット内のウェハ毎で同じ傾向があっても同様にダイボンディングより前の工程での要因解析に用いる。制御部8はウェハ識別情報と関連上流工程装置の統計表示も行う。
【0052】
次に、制御部8はステージ認識カメラ32でダイDの異常を検出しなかった場合(ステップS13でNOの場合)は、ステップS15に移る。制御部8はアンダビジョンカメラ45でダイDの異常を検出したかどかを判断し(ステップS15)、異常を検出していた場合(YESの場合)、すなわち、ステージ認識カメラ32で検出せず、アンダビジョンカメラ45で検出した場合は、ステップS16に移る。ステップS16では下記のように故障箇所の推定および処理(C)を行う。
(C1)制御部8はコレット22における異物付着を予想し、コレット22の検査(異物や取付け位置)、またはクリーニングを自動で行う。
(C2)制御部8は中間ステージ31における異物付着を予想し、異物検査を自動で行う。またはクリーニングを自動で行う。
【0053】
次に、制御部8はアンダビジョンカメラ45でダイDの異常を検出しなかった場合ステップS15でNOの場合)は、ステップS17に移る。制御部8は基板認識カメラ44でダイDの異常を検出していた場合(YESの場合)、すなわち、アンダビジョンカメラ45で検出せず、基板認識カメラ44で検出した場合は、ステップS18に移る。ステップS18では下記のように故障箇所の推定および処理(D)を行う。
(D1)制御部8はコレット42における異物付着を予想し、コレット42の検査(異物や取付け位置)、またはクリーニングを自動で行う。
(D2)制御部8は中間ステージ31における異物付着を予想し、異物検査を自動で行う。またはクリーニングを自動で行う。
(D3)制御部8はボンディング部4の異物(基板S上の異物、ボンディングステージBS上の異物)の検査を行う。またはクリーニングを自動で行う。
(D4)ボンディングヘッド41のコレット42によるピックアップ条件を見直し、上昇時の持ち上げ速度を減速する。
(D5)コレット42の吸着圧の確認を行う。
(D6)各クリーニングパラメータをより精度向上するよう、速度、回数を変更する。
【0054】
ステップS12、S14、S16、S18に共通の処理として、下記を行う。
(E1)通常生産性を考慮して無効化してある関連検査機能を一定期間、自動で有効設定に切り替え、要因推定の精度を向上させる。例えば、検出セクションより上流側のカメラのクラック等の異常検出の有効化、異物検出の有効化などを行う。
(E2)制御部8はクラック等の異常を検出した場合、その前の装置内カメラ画像をすべて保存し、後段取りで確認できるようにする。例えば、映像の目視確認等が行えるようにする。
(E3)制御部8はクラック等の異常を検出した場合、通常の生産性を考慮して高速化および短時間化している各パラメータ(例えば、ピックアップ速度、突上げ高さ、リトライ回数等)を、一定期間安全方向へ自動でシフトさせる。
【0055】
最後に、パラメータ変更や治具交換タイミングの関連付けの例について説明する。
制御部8はクラック等を検出した後、検出セクションよりも上流のプロセスにて、検出時より一定期間または一定の着工数以内で変更しているパラメータの抽出、交換した治具の有無の確認を行う。例えば、制御部8は、ダイ供給部1のウェハからのピックアップ速度を変更し、1日以内にステージ認識カメラ32でクラックを検出した場合、その変更したパラメータの種類と変更前後の値を表示する。また、制御部8は、変更後、クラックが発生しやすいパラメータの種類や値を統計情報として蓄積し、パラメータの変更時に警告を出せるようにする。自動で交換するコレットなどについては、制御部8は通常の交換タイミングに達していなくても、次のコレットへの自動交換を行う。コレット交換を何度も行ってしまう場合は、制御部8はそれもまた装置が他の原因を自動で調査するか、もしくはエラーまたは警告表示を行う。
【0056】
実施例では、ダイまたはウェハのクラック等の異常を検出したときの情報を収集し、統計解析、自己診断する。また、ダイまたはウェハのクラック等の異常を検出したときの情報を収集し、上流工程の着工情報と関連付け、統計解析、自己診断する。
【0057】
さらに、ダイまたはウェハのクラック等の異常を検出したときの情報を活用し、上流工程のどこに(どの装置に)起因があるかを予想し出力する。また、装置内のどこに起因があるかを予想し出力する。また、装置がより要因を予測の精度を上げられるよう、検査機能を自動で有効する。また、装置がより異常発生を防止できるよう、関連各パラメータを安全方向へ自動でシフトさせる。
【0058】
実施例では、クラック等の発生状況をデータベース化し、その傾向を解析し、上流工程の着工情報、自身の装置内の着工パラメータと関連づけ、クラックの発生箇所・要因を予測するため、製品不良発生箇所推定作業を効率化することができる。また、更なる製品不良の発生を防止することができる。さらに、それらを自動化することで、歩留まりを向上させ、作業者に左右されないで(ヒューマンエラー防止等によって)品質を安定化することができる。
【0059】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態および実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態および実施例に限定されるものではなく、種々変更可能であることはいうまでもない。
【0060】
例えば、積層ボンディングにおいて、基板認識で既に基板にボンディングされたダイの異常を検出し、基板搬送の異常や、前の工程のダイボンディング装置やワイヤボンディング装置の異常を推定するようにしてもよい。
また、実施例ではダイ位置認識の後にダイ外観検査認識を行っているが、ダイ外観検査認識の後にダイ位置認識を行ってもよい。
また、実施例ではウェハの裏面にDAFが貼付されているが、DAFはなくてもよい。
また、実施例ではピックアップヘッドおよびボンディングヘッドをそれぞれ1つ備えているが、それぞれ2つ以上であってもよい。また、実施例では中間ステージを備えているが、中間ステージがなくてもよい。この場合、ピックアップヘッドとボンディングヘッドは兼用してもよい。
また、実施例ではダイの表面を上にしてボンディングされるが、ダイをピックアップ後ダイの表裏を反転させて、ダイの裏面を上にしてボンディングしてもよい。この場合、中間ステージは設けなくてもよい。この装置はフリップチップボンダという。
【符号の説明】
【0061】
10・・・ダイボンダ
1・・・ダイ供給部
13・・・突上げユニット
2・・・ピックアップ部
24・・・ウェハ認識カメラ
3・・・アライメント部
31・・・中間ステージ
32・・・ステージ認識カメラ
4・・・ボンディング部
41・・・ボンディングヘッド
42・・・コレット
44・・・基板認識カメラ
45・・・アンダビジョンカメラ
5・・・搬送部
51・・・基板搬送爪
8・・・制御部
S・・・基板
BS・・・ボンディングステージ
D・・・ダイ
P・・・パッケージエリア
101・・・ダイボンディング装置
201・・・バックグラインディング装置
301・・・ウェハ検査装置
401・・・ダイシング装置
501・・・システムホストPC