IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7083424ガス状副生成物軽減およびフォアライン洗浄のための装置
<>
  • 特許-ガス状副生成物軽減およびフォアライン洗浄のための装置 図1
  • 特許-ガス状副生成物軽減およびフォアライン洗浄のための装置 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-02
(45)【発行日】2022-06-10
(54)【発明の名称】ガス状副生成物軽減およびフォアライン洗浄のための装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20220603BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20220603BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20220603BHJP
   C23C 14/00 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
H01L21/205
H01L21/302 101G
C23C16/44 J
C23C14/00 B
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021512360
(86)(22)【出願日】2019-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-09
(86)【国際出願番号】 US2019027638
(87)【国際公開番号】W WO2019212741
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】62/667,187
(32)【優先日】2018-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ルルー ジェイムズ
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-526179(JP,A)
【文献】特表2017-510453(JP,A)
【文献】特開2013-235925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/205
H01L 21/3065
C23C 16/44
C23C 14/00
B01D 53/46
B01D 53/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバのための軽減システムであって、
前記処理チャンバに結合された真空ポンプを含む排気システムと、
前記処理チャンバと前記真空ポンプとの間の前記排気システムの排気フォアラインに結合された排気冷却装置と、
前記排気フォアラインから遠隔に位置づけられ、前記処理チャンバの下流でおよび前記排気冷却装置の前で前記排気フォアラインに遠隔発生プラズマを直接供給するための出口を有する導管を有する遠隔プラズマ源であり、前記遠隔プラズマ源が、酸素ガス源、洗浄ガス源、および不活性ガス源に接続される、遠隔プラズマ源と
を含み、
前記遠隔プラズマ源の前記導管の前記出口は、前記遠隔発生プラズマが、前記排気フォアラインへの排気冷却装置接続の入口に近接する位置で前記排気フォアラインに入るように位置づけられる、軽減システム。
【請求項2】
コントローラをさらに含み、前記コントローラが、前記遠隔プラズマ源に、ガスを前記排気システムにさらに供給させる、請求項1に記載の軽減システム。
【請求項3】
前記洗浄ガス源が、NF3、NF2H、CHF3、またはCF4を前記遠隔プラズマ源に供給する、請求項1に記載の軽減システム。
【請求項4】
前記遠隔プラズマ源の前記出口が、前記排気冷却装置の前記入口から上流に6~18インチ内の位置で前記排気フォアラインに入るように流体的に接続される、請求項1に記載の軽減システム。
【請求項5】
前記遠隔プラズマ源が、誘導結合プラズマ源、容量結合プラズマ源、直流プラズマ源、またはマイクロ波プラズマ源のうちの1つである、請求項1に記載の軽減システム。
【請求項6】
処理チャンバと、
前記処理チャンバに結合された真空ポンプを含む排気システムと、
前記処理チャンバと前記真空ポンプとの間の前記排気システムの排気フォアラインに結合された排気冷却装置と、
前記排気フォアラインから遠隔に位置づけられた遠隔プラズマ源であって、前記処理チャンバの下流でおよび前記排気冷却装置の前で前記排気フォアラインに遠隔発生プラズマを直接供給するために前記遠隔プラズマ源を前記排気フォアラインに接続する導管を有する遠隔プラズマ源であり、前記遠隔プラズマ源が、酸素ガス源、洗浄ガス源、および不活性ガス源に接続される、遠隔プラズマ源と
を含む処理システムであって、
前記遠隔プラズマ源の前記導管の出口は、前記遠隔発生プラズマが、前記排気フォアラインへの排気冷却装置接続の入口に近接する位置で前記排気フォアラインに入るように位置づけられる、処理システム。
【請求項7】
コントローラをさらに含み、前記コントローラが、前記遠隔プラズマ源に、ガスを前記排気システムにさらに供給させる、請求項6に記載の処理システム。
【請求項8】
前記洗浄ガス源が、NF3、NF2H、CHF3、またはCF4を前記遠隔プラズマ源に供給する、請求項6に記載の処理システム。
【請求項9】
前記遠隔プラズマ源の前記出口が、前記排気冷却装置の前記入口から上流に6~18インチ内の位置で前記排気フォアラインに入るように流体的に接続される、請求項6に記載の処理システム。
【請求項10】
前記遠隔プラズマ源が、誘導結合プラズマ源、容量結合プラズマ源、直流プラズマ源、またはマイクロ波プラズマ源のうちの1つである、請求項6に記載の処理システム。
【請求項11】
コントローラを含むシステムであって、前記コントローラが、中央処理装置およびメモリを含み、前記メモリが、前記中央処理装置によって実行されると、以下の動作を実行させるソフトウェアをさらに含み、前記以下の動作が、
前記システムの処理チャンバで実行された堆積プロセスからの排気ガスを、前記処理チャンバと、真空ポンプに流体的に接続された排気冷却装置とを流体的に接続する排気フォアラインに結合される出口を有する遠隔プラズマ源から発生した酸化プラズマを使用して処理することであり、前記酸化プラズマが酸化ガスを含む、処理することと、
前記システムの前記処理チャンバで実行された洗浄プロセスからの排気ガスを、前記遠隔プラズマ源から発生した洗浄プラズマを使用して処理することであり、前記洗浄プラズマが、洗浄ガス源から供給される洗浄ガスを含み、前記遠隔プラズマ源の前記出口は、前記発生酸化プラズマおよび前記発生洗浄プラズマが前記排気冷却装置の入口に近接する位置で前記排気フォアラインに入るように位置づけられる、処理することと
である、システム。
【請求項12】
処理チャンバの排気システムにおいてガスを処理するための方法であって、前記方法が、
前記処理チャンバで実行された堆積プロセスからの排気ガスを、遠隔プラズマ源から発生した酸化プラズマを使用して処理することと、
排気冷却装置において粒子をトラップすることと、
前記処理チャンバで実行された洗浄プロセスからの排気ガスを、前記遠隔プラズマ源から発生した洗浄プラズマを使用して処理することであり、前記洗浄プラズマが、前記排気冷却装置内の前記トラップされた粒子と反応し、前記排気冷却装置を洗浄する、処理することと
を含む、方法。
【請求項13】
前記遠隔プラズマ源が、NF3、NF2H、CHF3、またはCF4を前記遠隔プラズマ源に供給する洗浄ガス源に流体的に結合される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記遠隔プラズマ源が、前記排気冷却装置のフォアライン入口から上流に6~18インチ内の位置で排気フォアラインに入るように流体的に接続される、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記遠隔プラズマ源は、前記排気フォアラインがチャンバ排気口に結合する場所から少なくとも10フィートの場所で前記排気フォアラインに入るように流体的に接続される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記堆積プロセスがTEOSプロセスである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記不活性ガス源が、アルゴンを前記遠隔プラズマ源に供給する、請求項1に記載の軽減システム。
【請求項18】
前記遠隔プラズマ源の前記出口は、前記排気フォアラインに位置づけられ、前記排気フォアラインがチャンバ排気口に結合する場所から少なくとも10フィートのところにある、請求項1に記載の軽減システム。
【請求項19】
前記不活性ガス源が、アルゴンを前記遠隔プラズマ源に供給する、請求項6に記載の軽減システム。
【請求項20】
前記遠隔プラズマ源の前記出口は、前記排気フォアラインに位置づけられ、前記排気フォアラインがチャンバ排気口に結合する場所から少なくとも10フィートのところにある、請求項6に記載の軽減システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、半導体処理機器に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、半導体プロセス中に生成される不要な化合物を除去するための軽減システムおよび真空処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体処理設備で使用されるプロセスガスは、TEOS、SiH4などの多くの化合物を含み、それらは、規制要件と、環境および安全性の問題とのために、廃棄の前に軽減または処理されなければならない。従来の軽減技術では、排気ラインおよびポンプなどの処理チャンバの下流の機器で、固体粒子が形成されることがある。排気ラインおよびポンプなどの処理チャンバの下流の機器に形成された固体粒子が適切に制御されない場合、ポンピングシステムのハードウェアが損傷することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
その結果、当技術分野で必要とされるものは、半導体プロセスで生成される化合物を軽減するための改善された軽減システムである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
1つの実施形態において、化合物の軽減を支援するために、試薬がプラズマ源に注入される。プラズマは、チャンバから生じる化合物の組成を変更するためのエネルギー源として使用され、化合物の組成が異なる化合物に変更され、異なる化合物は、規制の制限をより良好に満たし、安全性を改善し、排気ポンプと下流の軽減構成要素の寿命、およびメンテナンスインターバルの改善を可能にする。
【0005】
1つの実施形態では、処理チャンバのための軽減システムが提供される。軽減システムは、処理チャンバに結合された真空ポンプを含む排気システムと、処理チャンバと真空ポンプとの間の排気システムに結合された排気冷却装置と、処理チャンバの下流でおよび排気冷却装置の前で排気システムにプラズマを供給するための出口を有する遠隔プラズマ源とを含む。遠隔プラズマ源は、酸素ガス源、洗浄ガス源、および不活性ガス源に接続され、遠隔プラズマ源の出口は、排気フォアラインへの排気冷却装置の接続の入口に近接する位置で排気フォアラインに入るように流体的に接続される。
【0006】
1つの実施形態では、処理システムが提供される。処理システムは、処理チャンバと、処理チャンバに結合された真空ポンプを含む排気システムと、処理チャンバと真空ポンプとの間の排気システムに結合された排気冷却装置と、処理チャンバの下流でおよび排気冷却装置の前で排気システムにプラズマを供給するための遠隔プラズマ源とを含む。遠隔プラズマ源は、酸素ガス源、洗浄ガス源、および不活性ガス源に接続され、遠隔プラズマ源の出口は、排気フォアラインへの排気冷却装置の接続の入口に近接する位置で排気フォアラインに入るように流体的に接続される。
【0007】
1つの実施形態では、処理チャンバの排気システムにおいてガスを処理するための方法が提供される。この方法は、処理チャンバで実行された堆積プロセスからの排気ガスを、遠隔プラズマ源から発生した酸化プラズマを使用して処理することと、排気冷却装置において粒子をトラップすることと、処理チャンバで実行された洗浄プロセスからの排気ガスを、遠隔プラズマ源から発生した洗浄プラズマを使用して処理することとを含む。洗浄プラズマは、排気冷却装置内のトラップされた粒子と反応し、排気冷却装置を洗浄する。
【0008】
本開示の上記の特徴を詳細に理解できるように、上述で簡単に要約された本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られ、実施形態の一部が添付の図面に示される。しかしながら、添付の図面は本開示の典型的な実施形態のみを示しており、それゆえに、本開示は他の同様に効果的な実施形態を認めることができるので、添付の図面は本開示の範囲の限定と見なされるべきでないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本明細書に記載された1つの実施形態による、処理チャンバと、遠隔プラズマ源および排気冷却装置を含む軽減システムとの概略図である。
図2】本明細書に記載された1つの実施形態による排気ガスを処理するための方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、遠隔プラズマ源100を軽減システム102に組み込む真空処理システム170の概略側面図である。真空処理システム170は、少なくとも真空処理チャンバ190および軽減システム102を含む。軽減システム102は、少なくともプラズマ源100、排気冷却装置117、およびプロセス真空ポンプ196を含む。真空処理チャンバ190は、一般に、堆積プロセス、エッチングプロセス、プラズマ処理プロセス、前洗浄プロセス、イオン注入プロセス、および/または他の集積回路製造プロセスなどの少なくとも1つの集積回路製造プロセスを実行するように構成される。いくつかの実施形態では、真空処理チャンバ190は、デバイス製造、ディスプレイ、またはソーラー用途のための基板を処理するように構成される。プラズマ強化堆積プロセスを実行できるプラズマ支援化学気相堆積チャンバなどの真空処理チャンバ190で実行されるプロセスは、プラズマ支援することができる。例えば、真空処理チャンバ190で実行されるプロセスは、シリコン含有ガス(例えば、シラン、ジシラン)を使用してシリコンベース材料を堆積させるためのプラズマ強化堆積プロセス、またはシリコンベース材料を除去するためのプラズマエッチングプロセスを実行することができる可能性がある。
【0011】
真空処理チャンバ190は、排気フォアライン192を介して軽減システム102の排気冷却装置117に結合されるチャンバ排気口191を有する。排気冷却装置117は、真空処理チャンバ190に結合されて、プラズマ源100を出る排気を冷却し、そして真空処理チャンバ190から出る排気フォアラインに形成された二酸化ケイ素粒子などの粒子を収集する。排気冷却装置117は、排気導管193に結合され、そしてプロセス真空ポンプ196に結合される。排気導管194により、真空ポンプ196は燃焼/湿式軽減サブシステム198に結合する。プロセス真空ポンプ196は、一般に、真空処理チャンバ190を排気するために利用され、一方、燃焼/湿式軽減サブシステム198は、一般に、真空処理チャンバ190の放出物を大気に入れる準備のためのスクラバーまたは他の排気洗浄装置を含む。
【0012】
排気冷却装置117は、排気フォアライン192内の排気の温度を低下させるために、および排気フォアライン192で形成された粒子を収集するために、真空処理チャンバ190とプロセス真空ポンプ196との間に結合される。1つの例では、排気冷却装置117は、軽減システム102の一部である。真空処理チャンバ190を出る排気は、排気冷却装置117の内部の低温の表面(排気の温度よりも実質的に低い温度を有する表面)に堆積することができる。排気冷却装置に収集され得る材料の一例は、二酸化ケイ素である。
【0013】
いくつかの実施形態では、真空処理チャンバ190は、真空処理チャンバ190の処理領域189に流れ込んで真空処理チャンバ190を洗浄するフッ素ラジカルなどの洗浄ラジカルを発生させるための遠隔プラズマ源185を含む。未反応の洗浄ラジカルは、真空処理チャンバ190を出て、排気フォアライン192および排気冷却装置117に入り、以前に集積回路製造プロセス中に排気フォアライン192および排気冷却装置117に堆積した材料を除去することができる。いくつかの実施形態では、真空処理チャンバ190内で実行される洗浄プロセスは効率的に実行され、それにより、最小量の未反応の洗浄ラジカルが真空処理チャンバ190を出て、排気フォアライン192に入る。真空処理チャンバ190を効率的に洗浄する洗浄プロセスは、一般に、通常の使用中に排気冷却装置117を効果的に洗浄するのに十分な洗浄ラジカルを供給しないであろう。
【0014】
それゆえに、十分な未反応洗浄ラジカルが排気冷却装置117に到達し効率的に洗浄することを保証するために、軽減システム102は、排気冷却装置117を洗浄するために洗浄プラズマを供給するのに使用することができる遠隔プラズマ源100を含む。遠隔プラズマ源100を利用して、真空処理チャンバ190を出るガスおよび/または他の材料に軽減プロセスを実行し、その結果、そのようなガスおよび/または他の材料を、引き続き、トラップするか、または環境により優しいおよび/またはプロセス機器に優しい組成に変換することができる。遠隔プラズマ源は、例えば、誘導結合プラズマ源、容量結合プラズマ源、直流プラズマ源、またはマイクロ波プラズマ源とすることができる。遠隔プラズマ源100は、軽減システム102に結合されて、洗浄、パージ、キャリア、または他のプロセスガスをイオン化し、イオン化されたガスを軽減システム102に供給し、洗浄ラジカルを発生させ排気冷却装置117を洗浄することができる。例えば、第1のガス供給源104を遠隔プラズマ源100に結合して、それを通して、アルゴン(Ar)などの不活性または非反応性ガスを軽減システム102に供給することができる。第2のガス供給源106を遠隔プラズマ源100に結合して、それを通して、NF3などの洗浄ガスを軽減システム102に供給することができる。他の意図される洗浄ガスには、フルオロカーボンおよび/またはハロゲン含有ガス、例えば、NF2H、CHF3、CF4、F2、HCl、Cl2、およびSF6などが含まれる。追加として、第3のガス供給源108を遠隔プラズマ源100に結合して、それを通して、O2などの反応剤を軽減システム102に供給することができる。遠隔プラズマ源100は、図1に示されるように、導管112を介して排気フォアライン192に結合することができる。反応性ガスは、軽減システム102の内部から蓄積堆積物を除去するのを促進し、それにより、洗浄のために軽減システム102を分解する必要性を低減または排除する。1つの実施形態では、プラズマ源100で発生したNF3プラズマなどの洗浄ラジカルは、排気フォアライン192と、排気冷却装置117とに流れ込んで、排気冷却装置117に形成または収集された固体副生成物材料もしくは粒子を除去することができる。
【0015】
1つの実施形態では、遠隔プラズマ源100で発生したO2プラズマなどの酸化剤は、遠隔プラズマ源100から排気フォアライン192に送出されて、堆積処理の間真空処理チャンバ190からプロセス真空ポンプ196に流れる前駆体生成物と反応することができる。酸化剤は、堆積プロセスからの前駆体副生成物と反応し、前駆体ガス副生成物の固体副生成物または粒子への変換を促進して、排気冷却装置117にトラップされる固体副生成物または粒子の量を増大させる。排気冷却装置117にトラップされた固体副生成物の量が増加すると、排気冷却装置117を通ってプロセス真空ポンプ196、排気導管194、および燃焼/湿式軽減サブシステム198に流れ込む反応体副生成物ガスの量が減少し、それによって、プロセス真空ポンプ196および燃焼/湿式軽減サブシステム198の耐用年数が延び、さらに、プロセス真空ポンプ196および燃焼/湿式軽減サブシステム198のためのメンテナンス間の時間が短縮され、それは、ツール稼働時間の増加に寄与する。
【0016】
排気冷却装置117は、製造設備のサブファブ場所の処理チャンバ190から少なくとも10~40フィート以上などの距離DFに配置することができ、設備壁または床301で分離することができる。軽減システム102の遠隔プラズマ源100の出口は、排気冷却装置117の入口に実質的に近接する排気フォアラインの場所195で排気フォアライン192に流れ込むことができる。1つの例では、場所195は、排気フォアライン192が排気冷却装置117に入る前の距離DR、例えば、6~18インチ、または約12インチの距離などに位置づけられる。排気冷却装置117は、遠隔プラズマ源100によって発生したO2プラズマが、排気冷却装置117への入口から6~18インチの距離DRのところで排気フォアライン192に導入されるとき、より多くの固体副生成物材料を捕捉することが見い出された。
【0017】
排気導管194は、プロセス真空ポンプ196から燃焼/湿式軽減サブシステム198までガスが流れるのを可能にする。排気フォアライン192、排気導管193、真空ポンプ196、および排気導管194、ならびに関連ハードウェアは、例えば、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、ニッケルめっきアルミニウム、ステンレス鋼、ならびにそれらの組合せおよび合金などの1つまたは複数のプロセス適合材料から形成することができる。排気冷却装置117は、例えば、同様のプロセス適合材料から形成するか、または排気ガスの凝縮の助けになる材料で製作することができる。燃焼/湿式軽減サブシステム198は、半導体製造産業界で知られているような燃焼/湿式軽減サブシステムとすることができる。例えば、軽減システム102は、製造設備内の真空処理チャンバ190から分離した場所に設け、真空処理チャンバ190から壁または床301で分離することができる。真空処理チャンバから軽減システム102を分離することにより、厳格な洗浄室空気純度クラスの要件を必要としない環境で軽減システムをメンテナンスすることができる。
【0018】
遠隔プラズマ源100、第1のガス供給源104、第2のガス供給源106、第3のガス供給源108、および排気冷却装置117を含む軽減システム102は、コントローラ199と通信することができる。コントローラ199はまた、真空処理チャンバ190およびプロセス真空ポンプ196と通信することができる。
【0019】
コントローラ199は、中央処理装置(CPU)199A、メモリ199B、およびサポート回路(またはI/O)199Cを含むことができる。CPUは、様々なプロセスおよびハードウェア(例えば、モータ、バルブ、電力送出構成要素、および他の関連ハードウェア)を制御し、プロセス(例えば、処理時間および基板位置もしくは場所)をモニタするために工業環境で使用される任意の形態のコンピュータプロセッサのうちの1つとすることができる。メモリ(図示せず)は、CPUに接続され、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、フロッピーディスク、ハードディスク、またはローカルもしくはリモートの他の形態のデジタルストレージなどの容易に利用可能なメモリのうちの1つまたは複数とすることができる。ソフトウェア命令、アルゴリズム、およびデータは、CPUに命令するためにコード化しメモリ内に格納することができる。サポート回路(図示せず)が、さらに、従来の方法でプロセッサをサポートするためにCPUに接続される。サポート回路は、従来のキャッシュ、電源、クロック回路、入力/出力回路、サブシステムなどを含むことができる。コントローラによって読取り可能なプログラム(またはコンピュータ命令)は、どのタスクが軽減システム102によって実行可能であるかを決定する。プログラムは、コントローラによって読取り可能なソフトウェアとすることができ、例えば、処理時間、軽減システムプロセス変数、および処理動作をモニタおよび制御するためのコードを含むことができる。
【0020】
動作中、コントローラ199は、堆積が真空処理チャンバ190で行われているときを検出し、遠隔プラズマ源100で発生した酸化剤を排気フォアライン192に送出して真空処理チャンバ190から流れる前駆体生成物と反応させる。コントローラ199はまた、処理システムの性能が排気冷却装置117に蓄積された大量の粒子によって妨げられたときを検出し、コントローラ199は、遠隔プラズマ源100を使用して洗浄プラズマを発生させ、排気冷却装置に導かれた洗浄プラズマを排気冷却装置内の堆積した粒子と反応させ除去させることができる。
【0021】
図2は、反応性プラズマ強化ガスを使用して、排気フォアライン内に流れる前駆体副生成物と反応させ、固体副生成物を形成し、次いで、固体副生成物を排気冷却装置にトラップする方法を示す。洗浄ガスを含む後続のプラズマは、本開示の特定の態様に従って、トラップされた固体副生成物と反応して気化可能な材料を形成する。動作ブロック202に示されるように、基板堆積プロセスが、排気ガスを形成する真空処理チャンバ内で実行される。例えば、図1を参照すると、TEOSまたは他のシランベース前駆体などの前駆体ガスを使用するプラズマ堆積プロセスが、真空処理チャンバ190の処理領域189で実行されて、そこに配された基板に膜が堆積される。そのプロセスは、未処理前駆体ガスを含む排気ガスを発生させ、それは、チャンバを出て、チャンバ排気口191を通り、排気フォアライン192に排気流として入る。
【0022】
動作は、遠隔プラズマ源100を使用して、軽減システム内に反応性プラズマを発生させ、プラズマ強化反応性ガスを、処理チャンバ190から送出された排気流と混合する動作ブロック204において継続する。例えば、図1を参照すると、プラズマ堆積プロセス中に、酸素を使用する反応性プラズマが遠隔プラズマ源100で発生し、酸化プラズマが作り出される。酸化プラズマは、排気冷却装置117から6~18インチの距離の排気フォアライン192の場所195で導管112を介してフォアラインに入る。酸化プラズマは、排気流中に見い出される反応性、可燃性、および/または爆発性ガスと反応し、プロセス真空ポンプ196に入る、およびさらに下流で、燃焼/湿式軽減サブシステム198および他の設備スクラバー排気ポンプに入る可燃性または爆発性ガスの量を減少させる。1つの例では、酸化プラズマと排気流中の副生成物ガスとの間の反応は、前駆体副生成物ガスの固体副生成物または粒子、例えば二酸化ケイ素への変換を促進する。
【0023】
動作ブロック206において、動作は、排気ラインの領域、例えば、排気冷却装置117で粒子をトラップすることによって継続する。一例として(および図1を参照して)、前駆体副生成物ガスと酸化プラズマとの間の反応によって発生した粒子は、真空処理チャンバ190と真空ポンプ196との間に接続された排気冷却装置117でトラップされる。粒子を作り出す反応により、排気流中の可燃性または爆発性ガスの量が減少する。ポンプ196および燃焼/湿式軽減サブシステム198に入る可燃性または爆発性ガスの量の減少により、これらの構成要素の寿命が長くなり、メンテナンスインターバルが減少し、さらにツール稼働時間が増加する。
【0024】
動作ブロック208は、後続のチャンバ洗浄動作ブロック210の前に排気冷却装置から粒子を除去するためのオプションの洗浄動作である。処理システムの性能が排気冷却装置に蓄積された大量の粒子によって妨げられる場合、オプションの動作ブロック208を実行することができる。動作ブロック208において、洗浄プラズマが、遠隔プラズマ源100を使用して軽減システム102で発生し、洗浄プラズマが排気フォアライン192へ、および排気冷却装置117内に導かれる。例えば、排気冷却装置内の粒子の量が真空処理システム170の性能に悪影響を与えていると決定された後、洗浄ラジカルを作り出すフッ素プラズマなどの洗浄プラズマが、軽減システム102内の遠隔プラズマ源100で発生する。洗浄プラズマが、導管112を介して場所195で排気フォアライン192に入り、排気冷却装置117に入り、堆積した粒子と反応し除去する。1つの例では、NF3を洗浄ガスとして使用して、洗浄プラズマを形成する。他の意図される洗浄ガスには、フルオロカーボンおよびハロゲン含有ガス、例えば、NF2H、CHF3、CF4、F2、HCl、Cl2、およびSF6などが含まれる。
【0025】
動作は、動作ブロック210において、真空処理チャンバ190でチャンバ洗浄プロセスを実行することによって再開する。例えば(図1を参照して)、堆積プロセスまたは一連の堆積プロセスが完了した後、基板の処理の間に、真空処理チャンバに流体的に接続された遠隔プラズマ源185が、洗浄ラジカルを作り出すフッ素プラズマなどの洗浄プラズマを発生させる。洗浄ラジカルが真空処理チャンバ190の処理領域189に流れ込んで、堆積プロセスからの内部チャンバ壁およびプロセスチャンバ部品に残されている堆積した材料と反応し除去する。適切な洗浄ガスにはフルオロカーボンおよびハロゲン含有ガス、例えば、NF3、NF2H、CHF3、CF4、F2、HCl、Cl2、およびSF6などが含まれる。未反応洗浄ラジカルを含む結果として生じる洗浄プロセス排気ガスは、排気フォアライン192および軽減システム102に入る。
【0026】
動作ブロック212において、動作は、遠隔プラズマ源100を使用して軽減システム102内に洗浄プラズマを発生させ、洗浄プラズマを処理チャンバ洗浄プロセスから発生した排気流と混合することによって継続する。例えば、真空処理チャンバ190内のチャンバ洗浄プロセスの間、洗浄ラジカルを作り出すフッ素プラズマなどの洗浄プラズマが、軽減システム102内の遠隔プラズマ源100で発生する。洗浄プラズマが、導管112を介して場所195で排気フォアライン192に入り、排気フォアライン192内で排気ガスと混合する。洗浄プラズマが、排気冷却装置117に入り、堆積プロセス中に排気冷却装置117にトラップされたままの堆積した粒子材料と反応し除去する。堆積した材料は、洗浄プラズマと反応して、非反応性ガス状副生成物を作り出し、それは、排気導管193に沿って進み、プロセス真空ポンプ196に入り、さらに下流で、燃焼/湿式軽減サブシステム198および他の設備スクラバー排気ポンプに入る。1つの例では、NF3を洗浄ガスとして使用して、洗浄プラズマを形成する。洗浄プラズマを作り出すのに使用される適切な洗浄ガスには、限定はしないが、フルオロカーボンおよび/またはハロゲン含有ガス、例えば、NF3、NF2H、CHF3、CF4、F2、HCl、Cl2、およびSF6などが含まれる。1つの例では、NF3洗浄プラズマは、二酸化ケイ素などの堆積した粒子と反応して、非反応体ガス状SiF4を形成する。非反応性SiF4は、プロセス真空ポンプ196を通って、燃焼/湿式軽減サブシステムに流れ込み、そこで、SiF4は、再び、二酸化ケイ素などの粒子材料に変えられ、それは、燃焼/湿式サブシステムから容易に除去することができる。
【0027】
このようにして、可燃性または爆発性副生成物ガスを処理し、堆積システムの真空フォアラインに粒子が蓄積するのを防止するための装置および方法が提供される。堆積プロセスからの排気ガスを反応性プラズマで処理して、反応ガスの処理を促進し、排気冷却装置にトラップされる副生成物粒子の生成を促進することができる。後続の処理チャンバ洗浄プロセスからの排気ガスは、NF3などの洗浄ガスを使用して洗浄プラズマにより処理されて、排気冷却装置内の副生成物材料と反応して非反応性SiF4を形成し、非反応性SiF4は、排気冷却装置から流れ出て、排気流に流れ込み、真空ポンプおよび他の設備軽減サブシステムおよび排気サブスクラバーの方に流れる。
【0028】
本明細書に記載された態様の利益には、排気システムのより安全でより速い洗浄が含まれる。本明細書に記載された態様は、真空ポンプおよび燃焼/湿式軽減ユニットを含む軽減構成要素の洗浄時間を短縮することができる。追加として、適時の高価な予防メンテナンスの間の期間を延ばすことができ、それにより、ツール稼働時間が改善され、メンテナンス費用が低減される。
【0029】
前述は本開示の態様に関するが、本開示の他のおよびさらなる態様を、本開示の基本的な範囲から逸脱することなく考案することができ、本開示の範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1
図2