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特許7083731グリーンバナナパウダーを含む揚げ物類用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物類
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-03
(45)【発行日】2022-06-13
(54)【発明の名称】グリーンバナナパウダーを含む揚げ物類用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物類
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/157 20160101AFI20220606BHJP
   A23L 5/10 20160101ALI20220606BHJP
【FI】
A23L7/157
A23L5/10 E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018180342
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020048467
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000231637
【氏名又は名称】株式会社ニップン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100156982
【弁理士】
【氏名又は名称】秋澤 慈
(72)【発明者】
【氏名】近田 周磨
(72)【発明者】
【氏名】臼井 千聡
【審査官】安田 周史
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-262794(JP,A)
【文献】特開2007-053909(JP,A)
【文献】クックパッド レシピID:4588517, 2017.06.21 [検索日 2022.04.25], インターネット:<URL:https://cookpad.com/recipe/4588517>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 7/157
A23L 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
澱粉性原料100質量部に対してグリーンバナナパウダーを0.4~12.5質量部含む揚げ物類用ミックス粉。
【請求項2】
揚げ物類の製造方法であって、
請求項1に記載の揚げ物類用ミックス粉を含む揚げ物用衣材を得る工程を含む、前記製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリーンバナナパウダーを含む揚げ物類用ミックス粉及びそれを用いた揚げ物類に関する。
【背景技術】
【0002】
揚げ物類においては、中具(揚げ種)のジューシーさや製品の歩留まり向上が求められ、これらを改良するために、従来の揚げ物類の製造においては保水性の高い資材を使用することが行われている。例えば、肉などの揚げ種に保水性の高い資材の溶液を直接添加する方法や、バッターを使用する揚げ物類においてはバッターを調製する為のミックス粉に保水効果を有する資材を配合する方法が行われており、中具に直接添加する資材としては大豆蛋白やリン酸塩がある。ミックス粉に配合するものとしては大豆蛋白、穀粉、増粘剤などが知られている。
特許文献1には大豆蛋白質及び/又は大豆蛋白質分解物を含有するピックル液を肉にインジェクションし、タンブリングしたものをフライすることで、歩留まり(フライ前の重量に対するフライ後の重量の比)が高い、しなやかでジューシー感のあるすぐれた品質の畜肉フライ製品の製造方法を提供することができることが開示されている。
特許文献2には小麦由来グルテンや中力粉、増粘多糖類などをバッター液に配合することで、中具のジューシー感を付与することができることが開示されている。
特許文献3には、鶏肉に、皮を除去したバナナ磨砕物(ピューレ状にしたもの)を付着させた後、油揚げすることを特徴とする、柔らかく、肉汁が保持されたジューシー感に富む鶏唐揚の製造方法が開示されている。
しかしながら上記の様な方法では、中具のジューシーさや歩留まりは向上する反面、保水により衣は柔らかくなり、本来揚げ物類に求められるサクッとした食感は損なわれる傾向にある。また保水性の高い資材をミックス粉に使用することによって衣に水が多く含まれることとなり、その状態でフライするとフライ中に水と油が置換し油を多く含んでしまうため、油っぽい食感となるという問題点がある。
従って、揚げ物類の歩留まりを向上させつつ、中具や衣の食感を改良することができる揚げ物類用ミックス粉の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平05-328939号公報
【文献】再表2013/073227号公報
【文献】特開2007-53909号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、歩留まりを向上させつつ、改良された食感(中具のジューシーさ、歯切れの良いサクサクとした衣)や食味を有する揚げ物類を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、澱粉性原料100質量部に対してグリーンバナナパウダーを0.4~12.5質量部含む揚げ物類用ミックス粉を使用すると、歩留まりを向上させつつ、改良された食感(中具のジューシーさ、歯切れの良いサクサクとした衣)や食味を有する揚げ物類を提供できることを見いだし、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、以下の態様を包含する。
[1]澱粉性原料100質量部に対してグリーンバナナパウダーを0.4~12.5質量部含む揚げ物類用ミックス粉。
[2]揚げ物類の製造方法であって、
前記[1]に記載の揚げ物類用ミックス粉を含む揚げ物用衣材を得る工程を含む、前記製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の揚げ物類用ミックス粉を使用して揚げ物類を製造することで、歩留まりが向上し、中具がジューシーで、サクサクとした歯切れの良い食感の衣を有し、油を吸いすぎず適度に油を含むことで良好な風味や食味を有する揚げ物類を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<揚げ物類用ミックス粉>
本発明における「揚げ物類」は、畜肉や魚介類、野菜類等の中具(揚げ種)に揚げ物用衣材を付着させた後、熱した油浴中で油ちょう(乾熱加熱)して得られる食品であり、そのような食品として、天ぷら、から揚げ、カツ、フライ、フリッター等が挙げられる。
【0009】
「揚げ物用衣材」とは一般には揚げ物類に使用される衣材であり、小麦粉等の穀粉を主体とする粉体組成物に加水して均質化した後に中具に付着させるものと、前記粉体組成物をそのまま中具に付着させるものとに大別される。前者の揚げ物用粉体組成物はバッターミックス粉、後者はまぶし粉、バッターミックス粉に加水したものはバッター液と称される。本発明の揚げ物類用ミックス粉は、バッターミックス粉としてもまぶし粉としても使用することができる。
【0010】
本発明の揚げ物類用ミックス粉は、澱粉性原料100質量部に対しグリーンバナナパウダーを0.4~12.5質量部含む。
本発明において「澱粉性原料」は澱粉を主成分とする穀粉や澱粉類を指す。
穀粉としては特に制限無く使用でき、例えば、小麦粉(強力粉、中力粉、薄力粉など)、大麦粉、ライ麦粉、米粉、そば粉、ソルガム粉、とうもろこし粉、大豆粉など例示することができる。
澱粉類としてはコーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、甘藷澱粉、米澱粉などの生澱粉及び生澱粉をエーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理などの化学変性、α化などの熱変性、アミラーゼ処理などの酵素変性させた化工澱粉を例示することができる。
本発明において、上記の様な澱粉性原料を単独で又は二種以上を組み合わせて使用することができる。
【0011】
「グリーンバナナパウダー」とはグリーンバナナ(バナナの未熟果)を皮ごと、あるいは皮を除いた状態で粉末化したものである。
粉末化は常法により行うことができる。例えばグリーンバナナを皮ごと又は皮を除いて粉砕してグリーンバナナピューレを調製し、得られたグリーンバナナピューレを乾燥させて粉末化することにより製造することができる。
粉砕方法は特に限定されず、例えば衝撃式粉砕、気流式粉砕、磨砕、切断といった方法で行うことができる。乾燥方法についても特に限定されず、加熱乾燥、真空乾燥、凍結乾燥といった方法で行うことができる。得られた粉末は必要により篩い分けにより粒度を調整することができる。
「グリーンバナナパウダー」の原料のバナナの品種は特に限定されず、例えばレディフィンガー、キャベンディッシュ、ラカタン、モラード、グロスミッチェル、島バナナを使用することができる。好ましくはレディフィンガー、キャベンディッシュである。
市販されているグリーンバナナパウダーとしてはユニテックフーズ株式会社製の「グリーンバナナパウダー バナナマッシュ」やロブソン株式会社製の「グリーンバナナパウダーB1」、「グリーンバナナパウダーA1」を使用することができる。
【0012】
グリーンバナナパウダーの含有量は、揚げ物類用ミックス粉に含まれる澱粉性原料100質量部に対して、0.4~12.5質量部であり、さらに好ましくは1.0~10質量部、より好ましくは3~7質量部である。このような揚げ物類用ミックス粉を使用すれば、歩留まりが向上し、中具がジューシーで、サクサクとした歯切れの良い食感の衣を有し、油を吸いすぎず適度に油を含むことで良好な風味や食味を有する揚げ物類を得ることができる。
【0013】
一般にミックス粉は、その使用用途に応じて、主原料である澱粉性原料に、化学膨張剤、調味料、香料、色素等の粉末原料、任意に油脂類などを混合したものをいう。
本発明の揚げ物類用ミックス粉は、澱粉性原料とグリーンバナナパウダー以外に、グアーガム、キサンタンガムなどの増粘剤;ベーキングパウダー、重曹、イーストパウダーなどの膨張剤;小麦蛋白、大豆蛋白などの植物性蛋白、卵黄蛋白、卵白蛋白、乳蛋白などの動物性蛋白を含む蛋白質類;グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸、コハク酸ナトリウム、鰹粉末、昆布粉末、椎茸粉末などの調味料等の揚げ物類を製造するために使用する原料として通常使用されるものを含むことができる。
【0014】
<揚げ物類の製造方法>
本発明の揚げ物類の製造方法は、上記グリーンバナナパウダーを、澱粉性原料の全量に対して所定量含む本発明の揚げ物類用ミックス粉を使用して揚げ物用衣材を得る工程を含む以外は常法に従って製造することが出来る。
例えば上記揚げ物類用ミックス粉に加水してバッター液(揚げ物用衣材)を調製し、任意に下味をつけた中具に、任意に小麦粉等の穀粉を主体とする打ち粉を付着し、バッター液を被覆した後、60~190℃に熱した食用油の中で油ちょうすることによって製造される。
例えば上記本発明の揚げ物類用ミックス粉に加水してバッター液として調製し又はまぶし粉とし、中具に、任意に粉末調味料あるいは粉末調味料及び/又は液体調味料を含有する調味液で下味をつけ、任意に小麦粉等の穀粉を主体とする打ち粉を付着し、上述したバッター液又はまぶし粉を被覆した後、油ちょうして製造される。まぶし粉を使用する場合、中具をバッター液に浸漬した後にまぶし粉で被覆することもできる。また、中具をバッター液で被覆した後にパン粉を付着させて、パン粉付き揚げ物類とすることもできる。
【0015】
本発明の揚げ物類の製造においては、上記グリーンバナナパウダーを、澱粉性原料の全量に対して所定量含む本発明の揚げ物類用ミックス粉以外に、通常揚げ物類の製造に使用されるものであれば何れも使用することができる。例えば、グアーガム、キサンタンガムなどの増粘剤;ベーキングパウダー、重曹、イーストパウダーなどの膨張剤;小麦蛋白、大豆蛋白などの植物性蛋白、卵黄蛋白、卵白蛋白、乳蛋白などの動物性蛋白を含む蛋白質類;グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸、コハク酸ナトリウム、鰹粉末、昆布粉末、椎茸粉末などの調味料等を例示することができる。
また本発明の揚げ物類の製造方法において、油ちょうに使用する食用油としては、菜種油、ごま油、大豆油、コーン油、紅花油、オリーブ油、米油、綿実油、ひまわり油、サラダ油、オリーブ油、ショートニング、ラードなどを使用できる。
また本発明の揚げ物類の製造方法において、中具は畜肉や魚介類、野菜、山菜等の食材が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0016】
油ちょう工程において、加熱温度や加熱時間に特に制限はないが、揚げ物類の種類によって適宜変えることができる。
【実施例
【0017】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0018】
<製造例1 唐揚げの製造>
(1)小麦粉(薄力小麦粉 日本製粉株式会社製「ダイヤ」)50質量部、澱粉(コーンスターチ 王子コーンスターチ株式会社製「コーンスターチIP」)25質量部、加工澱粉(酢酸化タピオカ澱粉 日澱化学株式会社製「Z-300F」)15質量部、植物性蛋白(大豆蛋白 不二製油株式会社製「プロリーナ200」)5質量部、ベーキングパウダー(株式会社アイコク製「アイコクイスパタ極」)1質量部、食塩3質量部、グルタミン酸ナトリウム1質量部をミキサーで混合し、衣材ミックス粉を調製した。衣材ミックス粉100質量部に対しグリーンバナナパウダー3質量部を混合し、水103質量部を加えて均質になるように混合し唐揚げ用バッターを得た。
(2)鶏もも肉100質量部に(1)で作製したバッター30質量部を練りこんだ。
(3)直ちに170℃に熱した油で4分間揚げて唐揚げを得た。
【0019】
<試験例1 唐揚げの歩留まりと中具や衣の食感や食味に与えるバナナパウダーの影響>
表2に記載の組成で衣材ミックス粉を調製し、加水量を調整してバッターの粘度を合わせた以外は製造例1に従って唐揚げを製造した。フライ後直ちに熟練のパネラー10名により表1の評価基準に従って官能評価を行った。
グリーンバナナパウダーを使用せず歩留まり向上効果のある植物性蛋白を使用した対照例1を外観の評価の基準として評点3(食感及び食味の評点2)、またグリーンバナナパウダーも植物性蛋白も使用しなかった対照例2を食感及び食味の評価の基準として評点3(外観の評点2)とした。
歩留まりは、フライ前後の製品重量を測定し、フライ前の食材(鶏もも肉+バッター)の重量に対するフライ直後の唐揚げの重量の割合を算出した。結果を表2に示す。
グリーンバナナパウダーを澱粉性原料100質量部に対し0.6~11.1質量部添加した実施例1~5では、歩留まり 及び外観、食感、食味の評価ともに良好であった。
なお対照例1では対照例2に対して外観および歩留まりが改善されるが、食感食味においては劣っていた。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】

グリーンバナナパウダー(A):ユニテックフーズ製「グリーンバナナパウダー バナナマッシュ」
グリーンバナナパウダー(B):ロブソン株式会社製「グリーンバナナパウダーB1」
【0022】
<製造例2 とんかつの製造>
(1)小麦粉(薄力小麦粉 日本製粉株式会社製「ダイヤ」)87.5質量部、加工澱粉(リン酸架橋タピオカ澱粉 日本食品化工株式会社製「バッタースターチ♯200N」)5質量部、植物性蛋白(大豆蛋白 不二製油株式会社製「プロリーナ200」)5質量部、食塩2質量部、増粘剤(グアーガム 株式会社タカラゲン製「グアーガムD」)0.5質量部をミキサーで混合し、衣材ミックス粉を調製した。衣材ミックス粉100質量部に対しグリーンバナナパウダー6質量部を混合し、水206質量部を加えて均質になるように混合しとんかつ用バッターを得た。
(2)豚ロース肉100質量部に打ち粉として小麦粉(薄力小麦粉 日本製粉株式会社製「ダイヤ」)を万遍なく付着させた。
(3)(2)に(1)で作製したバッターを30質量部、パン粉を20質量部付着させた。
(4)170℃に熱した油で5分間揚げてとんかつを得た。
【0023】
<試験例2 とんかつの歩留まりと中具や衣の食感や食味に与えるグリーンバナナパウダーの影響>
表4に記載の組成で衣材ミックス粉を調製し、加水量を調整してバッターの粘度を合わせた以外は製造例2に従ってとんかつ製造した。フライ後直ちに熟練のパネラー10名により表3の評価基準に従って官能評価を行った。
グリーンバナナパウダーを使用せず歩留まり向上効果のある植物性蛋白を使用した対照例3を外観の評価の基準として評点3(食感及び食味の評点2)、またグリーンバナナパウダーも植物性蛋白も使用しなかった対照例4を食感及び食味の評価の基準として評点3(外観の評点2)とした。
歩留まりは、フライ前後の製品重量を測定し、フライ前の食材(豚ロース肉+打ち粉+バッター+パン粉)の重量に対するフライ直後のとんかつの重量の割合を算出した。結果を表4に示す。
グリーンバナナパウダーを澱粉性原料100質量部に対し0.5~10.8質量部添加した実施例6~9では、歩留まり及び外観、食感、食味の評価ともに良好であった。
なお対照例3では対照例4に対して外観および歩留まりが改善されるが、食感食味においては劣っていた。
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】

【0026】
<製造例3 天ぷらの製造>
(1)小麦粉94質量部、植物性蛋白(大豆蛋白 不二製油株式会社製「プロリーナ200」)5質量部、膨張剤(ベーキングパウダー 株式会社アイコク製「アイコクイスパタ極」)1質量部をミキサーで混合し、衣材ミックス粉を調製した。衣材ミックス粉100質量部に対してグリーンバナナパウダー5質量部を混合し、水165質量部を加えて均質になるように混合し天ぷら用バッターを得た。
(2)海老(20g)に打ち粉として小麦粉(薄力小麦粉 日本製粉株式会社製「ダイヤ」)を万遍なく付着させた。
(3)(2)に(1)で作製したバッターを30質量部付着させた。
(4)170℃に熱した油で2分間揚げて天ぷらを得た。
【0027】
<試験例3 天ぷらの歩留まりと中具や衣の食感や食味に与えるグリーンバナナパウダーの影響>
表6に記載の組成で衣材ミックス粉を調製し、加水量を調整してバッターの粘度を合わせた以外は製造例3に従って天ぷらを製造した。フライ後直ちに熟練のパネラー10名により表5の評価基準に従って官能評価を行った。グリーンバナナパウダーを使用せず歩留まり向上効果のある植物性蛋白を使用した対照例5を外観の評価の基準として評点3(食感及び食味の評点2)、またグリーンバナナパウダーも植物性蛋白も使用しなかった対照例6を食感及び食味の評価の基準として評点3(外観の評点2)とした。歩留まりは、フライ前後の製品重量を測定し、フライ前の食材(海老+打ち粉+バッター)の重量に対するフライ直後の天ぷらの重量の割合を算出した。結果を表6に示す。
グリーンバナナパウダーを澱粉性原料100質量部に対し0.5~10.6質量部添加した実施例10~13では、歩留まり及び外観、食感、食味の評価ともに良好であった。
なお対照例5では対照例6に対して外観および歩留まりが改善されるが、食感食味においては劣っていた。
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】