(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-06
(45)【発行日】2022-06-14
(54)【発明の名称】レーダ装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/03 20060101AFI20220607BHJP
H01Q 1/42 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
G01S7/03 240
G01S7/03 246
H01Q1/42
(21)【出願番号】P 2018067145
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2020-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】石川 隆之
(72)【発明者】
【氏名】陣鎌 真一
(72)【発明者】
【氏名】松村 昌浩
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-064632(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0331087(US,A1)
【文献】特開2016-197061(JP,A)
【文献】再公表特許第2016/059961(JP,A1)
【文献】特開平09-172274(JP,A)
【文献】特開平07-254812(JP,A)
【文献】実開平06-041219(JP,U)
【文献】特開2010-118778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/00 - 7/42
G01S 13/00 -13/95
H01Q 1/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電波を送受信するアンテナ部が表面上に設けられたアンテナ基板と、
該アンテナ基板の表面から所定間隔を隔てて
前記アンテナ基板を覆うアッパーケースと、
該アンテナ基板の裏面側を、所定間隔を隔てて覆うロアケースとで構成され、
前記アッパーケースと前記ロアケースとで筐体
が構成
されるとともに、該ロアケース
は導電性を有する導電性部材で構成
され、
前記アッパーケースに、前記アンテナ基板を取り付ける基板取付け部が設けられ
、
前記アッパーケース及び前記ロアケースにおいて、前記アンテナ基板の厚み方向である表裏方向に対向する箇所に、
前記アンテナ基板の基板縁部を表裏方向に挟み込んで固定する挟み込み部が設けられた
レーダ装置。
【請求項2】
前記基板取付け部として、枢動する前記アンテナ基板を弾性変形して係止する弾性係止部
が設けられた
請求項1に記載のレーダ装置。
【請求項3】
前記アッパーケースに対して前記アンテナ基板を枢支する枢支部が設けられ、
前記弾性係止部が前記枢支部によって枢動する前記アンテナ基板を弾性変形して係止する
請求項2に記載のレーダ装置。
【請求項4】
前記アッパーケースに、前記アンテナ基板の面内方向における前記アッパーケースに対する位置を規制する位置規制手段が備えられた
請求項1乃至
3のうちいずれかに記載のレーダ装置。
【請求項5】
前記アッパーケースと前記ロアケースとを表裏方向に固定する固定部が、前記アンテナ基板における前記アンテナ部の電波影響範囲外に設けられた
請求項1乃至
4のうちいずれかに記載のレーダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車載されるような小型のレーダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アッパーケースとロアケースで構成する筐体の内部に、電波を送受信するアンテナ部が表面上に設けられたアンテナ基板を配置した、例えば、車載されるような小型のレーダ装置が用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のアンテナ装置(レーダ装置)もそのひとつであるが、アンテナ基板に対するノイズ防止を目的とし、筐体内部においてアンテナ基板を導電性部材で構成したシールド部材で保持する構成であった。
【0004】
このようなレーダ装置では、レーダの照射方向前方に配置されるアッパーケースはレドームと呼ばれ、レーダの照射面を構成するものの、電波を送受信するアンテナ部とレドームとの距離、つまりアンテナ基板と前記アッパーケースとの距離によってレーダの照射性能が異なる。しかしながら、例えば、特許文献1に記載のレーダ装置のように、アッパーケースとロアケースで構成する筐体の内部においてアンテナ基板をシールド部材で保持する構成である場合、レドームを構成する前記アッパーケースとアンテナ基板との距離を精度よく設置することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述した問題を鑑み、レドームを構成するアッパーケースに対してアンテナ基板を精度よく配置できるレーダ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、電波を送受信するアンテナ部が表面上に設けられたアンテナ基板と、該アンテナ基板の表面から所定間隔を隔てて前記アンテナ基板を覆うアッパーケースと、該アンテナ基板の裏面側を、所定間隔を隔てて覆うロアケースとで構成され、前記アッパーケースと前記ロアケースとで筐体が構成されるとともに、該ロアケースは導電性を有する導電性部材で構成され、前記アッパーケースに、前記アンテナ基板を取り付ける基板取付け部が設けられ、前記アッパーケース及び前記ロアケースにおいて、前記アンテナ基板の厚み方向である表裏方向に対向する箇所に、前記アンテナ基板の基板縁部を表裏方向に挟み込んで固定する挟み込み部が設けられたレーダ装置であることを特徴とする。
【0008】
この発明により、レドームを構成するアッパーケースに対してアンテナ基板を精度よく配置することができる。
詳述すると、基板取付け部によりアッパーケースにアンテナ基板を取り付けることができ、アンテナ基板が取り付けられたアッパーケースとロアケースとを組み付けることで構成したレーダ装置は、予めアッパーケースにアンテナ基板が取り付けられているため、レドームを構成するアッパーケースに対してアンテナ基板を高精度で配置することができる。
【0009】
また、前記アッパーケース及び前記ロアケースにおいて表裏方向に対向する箇所に、前記アンテナ基板の基板縁部を表裏方向に挟み込んで固定する挟み込み部が設けられているため、前記アッパーケースと前記ロアケースとにおいて表裏方向に対向する箇所に、前記アンテナ基板の基板縁部を表裏方向に挟み込んで固定する挟み込み部が設けられているため、前記アッパーケース及び前記ロアケースを組み付けて筐体を構成する際に、前記挟み込み部で前記アンテナ基板の基板縁部を表裏方向に挟み込んで、筐体にアンテナ基板を組み付けることができる。
【0010】
なお、このアッパーケースとロアケースとの組み付け状態において、アッパーケースとロアケースとにおいて表裏方向に対向する箇所に設けた前記挟み込み部で前記アンテナ基板の基板縁部を表裏方向に挟み込んで固定するため、レドームを構成するアッパーケースに対してアンテナ基板を精度よく配置することができる。
【0011】
また、前記ロアケースを、導電性を有する導電性部材で構成するため、前記ロアケースを、ノイズを防止するシールド部材として機能させ、レドームを構成する前記アッパーケースとシールド部材を構成する前記ロアケースとで、ノイズを防止できる筐体を構成することができる。したがって、アッパーケースとロアケースとで構成する筐体内部においてシールド部材でアンテナ基板を保持する従来のレーダ装置に比べて少ない部品点数でレーダ装置を構成することができる。
【0012】
また、導電性部材で構成し、シールド部材として機能する前記ロアケースにおける前記挟み込み部とアッパーケースの挟み込み部とでアンテナ基板の基板縁部を挟み込んでいるため、シールド部材として機能する前記ロアケースとアンテナ基板とが通電可能に確実に接触するため、シールド部材としてのノイズ防止効果を確実に発揮させることができる。
【0013】
この発明の態様として、前記基板取付け部として、枢動する前記アンテナ基板を弾性変形して係止する弾性係止部が設けられてもよい。
この発明により、前記アンテナ基板を弾性変形する弾性係止部で係止するため、アッパーケースにアンテナ基板を容易に取り付けることができる。
【0014】
またこの発明の態様として、前記アッパーケースに対して前記アンテナ基板を枢支する枢支部が設けられ、前記弾性係止部が前記枢支部によって枢動する前記アンテナ基板を弾性変形して係止してもよい。
この発明により、容易にアッパーケースにアンテナ基板を取り付けることができる。
【0015】
詳述すると、前記アッパーケースに対して前記アンテナ基板を枢支部で枢支するとともに、前記枢支部によって枢動する前記アンテナ基板を弾性変形する弾性係止部で係止するため、アッパーケースにアンテナ基板を容易に取り付けることができる。
【0016】
またこの発明の態様として、前記挟み込み部の表裏方向の間隔が、前記アンテナ基板の表裏方向の厚みより小さくてもよい。
この発明により、前記挟み込み部でアソビなくアンテナ基板の基板縁部を挟み込むことができる。そのため、レドームを構成するアッパーケースに対してアンテナ基板をさらに高精度で配置することができる。
また、シールド部材として機能する前記ロアケースとアンテナ基板とがより密着して接触するため、シールド部材としてのノイズ防止効果を向上させることができる。
【0017】
またこの発明の態様として、前記アッパーケースに、前記アンテナ基板の面内方向における前記アッパーケースに対する位置を規制する位置規制手段が備えられてもよい。
この発明により、前記アッパーケースに対してアンテナ基板の面内方向の位置を規制できるため、アッパーケースとロアケースとの前記挟み込み部で前記アンテナ基板の基板縁部を確実に挟み込んで固定することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記アッパーケースと前記ロアケースとを表裏方向に固定する固定部が、前記アンテナ基板における前記アンテナ部の電波影響範囲外に設けられてもよい。
この発明により、前記アッパーケース及び前記ロアケースを容易且つ確実に組み付けて筐体を構成できるとともに、前記アッパーケース及び前記ロアケースの組み付け状態を固定する固定部が、前記アンテナ部の電波影響範囲外に設けられているため、前記アンテナ部による電波の送受信に支障することがない。したがって、電波の送受信性能が高いレーダ装置を容易に構成することができる。
【発明の効果】
【0019】
この発明により、レドームを構成するアッパーケースに対してアンテナ基板を精度よく配置できるレーダ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図10】アッパーケースへのアンテナ基板の組み付け状態の斜視図。
【
図11】アッパーケースへのアンテナ基板の組み付け状態を説明する説明図。
【
図12】アッパーケースへのアンテナ基板の組み付け状態を説明する説明図。
【
図13】アッパーケースへのロアケースの組み付け状態を説明する説明図。
【
図14】アンテナ基板が装着されたアッパーケースの底面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1はレーダユニット1の斜視図を示し、
図2はレーダユニット1の分解斜視図を示し、
図3はレーダ装置10の幅方向Wの中央を通る縦断面図を示し、
図4は
図3のA-A断面図を示し、
図5、
図6はレーダ装置10の分解斜視図を示している。
詳述すると、
図5はレーダ装置10の正面、平面、及び右側面を示す分解斜視図であり、
図6はレーダ装置10の正面、底面、及び左側面を示す分解斜視図である。
【0022】
図7はアッパーケース20の底面図を示し、
図8はロアケース30の説明図を示し、
図9はアンテナ基板40の説明図を示し、
図10はアッパーケース20へのアンテナ基板40の組み付け状態の正面、底面、及び右側面を示す斜視図であり、
図11、
図12はアッパーケース20へのアンテナ基板40の組み付け状態を説明する説明図を示している。
【0023】
詳しくは、
図8(a)はロアケース30の平面図を示し、
図8(b)は
図8(a)のB-B断面図を示し、
図8(c)は
図8(a)のC-C断面図を示している。
図9(a)はアンテナ基板40の平面図を示し、
図9(b)はアンテナ基板40の底面図を示し、
図9(c)はアンテナ基板40の幅方向Wの中央を通る縦断面図を示している。
【0024】
図11(a)はアッパーケース20へのアンテナ基板40の組み付け前の状態の縦断面図を示し、
図11(b)はアッパーケース20へのアンテナ基板40の組み付け開始状態の縦断面図を示し、
図12(a)はアッパーケース20へのアンテナ基板40の挿入状態の縦断面図を示し、
図12(b)はアッパーケース20へのアンテナ基板40の枢動状態の縦断面図を示している。
【0025】
また、
図13はアッパーケース20へのロアケース30の組み付け状態を説明する説明図を示し、
図14はアンテナ基板40が装着されたアッパーケース20の底面図を示している。
詳しくは、
図13(a)はアンテナ基板40が組み付けられたアッパーケース20にロアケース30の組み付ける前の状態の縦断面図を示し、
図13(b)は同状態の縦断面図を示している。
【0026】
なお、レーダ装置10の高さ方向(
図1において上下方向)を上下方向Zとし、レーダ装置10の幅方向(
図1において左上と右下とを結ぶ方向)を幅方向Wとし、レーダ装置10の奥行方向(
図1において左下と右上とを結ぶ方向)を奥行方向Hとしている。さらに、奥行方向Hにおいて手前側(
図1において左下側)を奥行方向前側Hfとし、奥側(
図1において右上側)を奥行方向後側Hbとしている。
【0027】
レーダユニット1は、車載される小型のレーダユニットであり、
図1及び
図2に示すように、幅方向Wより奥行方向Hに長い平面視略長方形状のレーダ装置10と、レーダ装置10を車両(図示省略)の適宜の箇所に取り付けるための取付ブラケット2とで構成している。
【0028】
取付ブラケット2は、平面視略長方形状のレーダ装置10を脱着可能に取り付ける取付部材であり、レーダ装置10を装着する装着箇所3と、装着箇所3から外側に延びる三か所の取付け箇所4とで構成されている。
【0029】
取付ブラケット2によって車両の所定箇所に取り付けられるレーダ装置10は、アッパーケース20とロアケース30とで構成される筐体10aと、筐体10aの内部空間10bに配置されるアンテナ基板40とで構成されている。
【0030】
筐体10aの上半部分を構成するアッパーケース20は、電波を透過する樹脂製であり、平面視略長方形状の周縁に沿って下方に突出する、所定の幅と高さを有する周縁部21と、平面視長方形状の周縁部21の奥行方向前側Hfの短辺部分から外側に突出する筒状の端子カバー部22とを備えている。
【0031】
平面視長方形状のアッパーケース20において奥行方向前側Hfが、上面がフラットな送信アンテナ用部分20aであり、奥行方向後側Hbが側面視略円弧状に突出する略ドーム状の受信アンテナ用部分20bを構成している。そして、アッパーケース20の平面視四隅には、ロアケース30と固定する固定ボルト60を取り付ける固定部23を設けている。
【0032】
端子カバー部22は、正面視横長略長方形の筒状であり、内部にアッパーケース20の内部と外部とを奥行方向Hに貫通する貫通空間221を有し、上面に他のコネクタと嵌合して固定する嵌合固定部222を設けている。なお、正面視横長略長方形の筒状で構成された端子カバー部22は、下半部分が周縁部21より下方に突出する態様で設けられている。また、貫通空間221は、
図11に示すように、電気的に接続する他のコネクタが嵌合する嵌合空間221aと、嵌合空間221aより小さく、後述するアンテナ基板40の端子部42を位置規制する位置規制空間221bとで構成している。
【0033】
アッパーケース20の底面側には、周縁部21に対して平面視内側には、下方に突出する周状嵌合凸部24を設けている。周状嵌合凸部24は、
図3のa部拡大図及びb部拡大図に示すように略V字状断面で構成している。
【0034】
また、
図4,7に示すように、周縁部21の底面において、受信アンテナ用部分20bに対応するように底面視略枠状に下方に突出する挟み込み部25を設けている。挟み込み部25は、奥行方向前側Hfが開放された底面視コ字状であり、周状嵌合凸部24から所定間隔を隔てて内側において、周壁状に構成している。
【0035】
さらに、底面視コ字状の挟み込み部25において、奥行方向後側Hbの短辺部分の中央には、一部を切り欠いて、弾性係止部に対応するスナップフィット26を設けている。
【0036】
図3及び
図6のe部拡大図に示すように、スナップフィット26は、周縁部21の底面から下方に延びる弾性アーム27と、弾性アーム27の下端から奥行方向前側Hfに突出する係止凸部28とで構成している。係止凸部28は、底面側において奥行方向前側Hfに向かって上方に傾斜する傾斜面28aと、上面が奥行方向後側Hbに向かって上方に傾斜する係止面28bとで構成している。なお、係止面28bは、挟み込み部25の下端面から後述するアンテナ基板40の厚み分下方に位置するように形成している。
【0037】
また、
図6のf部拡大図及び
図7に示すように、周縁部21の内周側に沿って平面視内側に突出する縦長のリブ29を備えている。リブ29は底面視長方形状の周縁部21における長辺の奥行方向Hの両端付近に設けられており、全部で4か所設けている。
【0038】
アッパーケース20と組み付けて筐体10aの下半部分を構成するロアケース30は、アッパーケース20に対応する平面視長方形状で構成され、平面視長方形状に沿って、所定の高さ及び幅を有する周縁部31を設けている。また、平面視長方形状の周縁部31における奥行方向前側Hfの短辺の中央に、端子カバー部22が嵌る嵌合凹部32を設けている。また、周縁部31は、平面視長方形状の角部が内側に面取りされており、面取り部分の外側となる平面視四隅には、固定部23と対応し、アッパーケース20と固定する固定ボルト60を螺合する固定部33を設けている。
【0039】
図8に示すように、所定の高さ及び幅を有する周縁部31の幅方向中央付近には、アッパーケース20の周縁部付近から下方に突出する周状嵌合凸部24が嵌合する略U字状断面の嵌合溝部34を設けている。なお、嵌合溝部34は、
図3のa部拡大図に示すように、嵌合した際に、周状嵌合凸部24の下端が溝底部に当接しない深さ及び断面形状で形成している。
【0040】
なお、嵌合溝部34を幅方向中央付近に形成した周縁部31における嵌合溝部34より平面視内側部分で、周縁部21の底面から底面視略枠状に下方に突出する挟み込み部25と上下方向に対向し、アンテナ基板40を上下方向から挟み込む挟み込み部35を構成している。
【0041】
なお、ロアケース30は、後述するアンテナ基板40と通電可能に当接してシールド部材として機能するように、導電性を有する導電性部材で構成されており、挟み込み部35より平面視内側において、後述するアンテナ基板40のアンテナ部(図示省略)の平面視外側を囲むGND部(図示省略)と通電可能に接触する所望の枠状に形成されたGND枠部36を設けている。
【0042】
また、平面視長方形状の短辺のうち奥行方向前側Hfの短辺の嵌合凹部32の両側と、平面視長方形状の長辺の中央付近と、底面とには、外側に突出し、取付ブラケット2と固定する固定凸部37を設けている。
【0043】
このように構成したアッパーケース20の周状嵌合凸部24をロアケース30の嵌合溝部34に挿入して嵌合し、アッパーケース20とロアケース30とを組み付けることで、アッパーケース20とロアケース30とで囲まれた内部空間10bを有する筐体10aを構成することができる。
【0044】
アッパーケース20とロアケース30とを組み付けて構成した筐体10aの内部空間10bに配置されるアンテナ基板40は、電波を送受信するアンテナ部(図示省略)が表面上に設けられた所定の厚みを有する基板41と、基板41の裏面側から外側に突出する端子部42と、端子部42に装着する位置保持具50とで構成している。なお、基板41の周縁部を基板周縁部41aとしている。
【0045】
詳述すると、電波を送受信するアンテナ部(図示省略)を表面上に設けた基板41は、図示省略するプリントパターンによってアンテナ部を構成するプリント基板であり、角部が面取りされた平面視長方形状で形成している。
【0046】
角部が面取りされた平面視長方形状の形成した基板41の短辺部分の中央(つまり、アッパーケース20における端子カバー部22に対応する箇所)に外側に突出する端子支持部411を設けている。
【0047】
また、
図9に示すように、平面視略長方形状に形成した基板41における長辺の奥行方向Hの両端付近に、つまりアッパーケース20のリブ29に対応する箇所に、リブ29が嵌まり込む切欠き凹部412を、全部で4か所設けている。
【0048】
さらには、端子支持部411と対向する側、つまり奥行方向後側Hbの短辺の中央には、アッパーケース20のスナップフィット26における弾性アーム27が嵌まり込むスナップ用凹部413を設けている。
【0049】
端子部42は、
図9に示すように、基板41の裏面に沿って、端子支持部411より外側(奥行方向前側Hf)に突出する複数本のタブ421を、幅方向Wに所定間隔を隔てて配置しており、内側(奥行方向後側Hb)を基板41の厚み方向(上下方向Z)に貫通させて、上述のプリントパターンと導通可能に接続している。
【0050】
このように構成された端子部42は、上述のアッパーケース20の端子カバー部22の内部の貫通空間221に挿通され、端子カバー部22に接続される他のコネクタの端子と導通可能に接続される。なお、本実施形態においては、6本のタブ421で端子部42を構成している。
【0051】
端子部42に装着される位置保持具50は、上下方向Zに対して奥行方向H及び幅方向Wが長い横長のブロック体であり、
図5,6,9に示すように、横長のブロック本体51と、ブロック本体51の上面と底面のそれぞれに備えた傾斜凸部52(52a,52b)とで構成している。
【0052】
詳述すると、ブロック本体51は、奥行方向H及び上下方向Zより幅方向Wに長く、かつ上下方向Zより奥行方向Hに長い横長の略直方体状であり、複数本のタブ421をそれぞれ奥行方向Hに挿通する奥行方向Hの挿通孔511を幅方向Wに所定間隔を隔てて、タブ421の本数に応じて有している。
【0053】
ブロック本体51の上面及び底面に設けた傾斜凸部52は、
図9(c)のj部拡大図に示すように、奥行方向H及び上下方向Zに対して傾斜する傾斜面521と、傾斜面521の頂部に設けたフラット頂部522とで構成する側面視略片傾斜台形状である。このように傾斜面521とフラット頂部522とで側面視略片傾斜台形状に形成した傾斜凸部52は、ブロック本体51の上面側に備え、上方に突出する上側傾斜凸部52aと、底面側に備え、下方に突出する下側傾斜凸部52bとがある。
【0054】
なお、ブロック本体51の上面に備えた上側傾斜凸部52aと、傾斜凸部52の底面に備えた下側傾斜凸部52bとは、同形状であるものの、ブロック本体51の側面視中央を中心とした側面視点対称な向きで配置されている。
【0055】
具体的には、ブロック本体51の上面に備えた上側傾斜凸部52aの傾斜面521は、奥行方向前側Hfに向かって上下方向Zが低くなる傾斜方向で傾斜し、フラット頂部522が奥行方向後側Hbに配置されているのに対し、ブロック本体51の底面に備えた下側傾斜凸部52bの傾斜面521は、奥行方向後側Hbに向かって上下方向Zが高くなる傾斜方向で傾斜し、フラット頂部522が奥行方向前側Hfに配置されている。そのため、上側傾斜凸部52aにおいて奥行方向前側Hfで傾斜する傾斜面521と、下側傾斜凸部52bにおいて奥行方向後側Hbで傾斜する傾斜面521とは側面視平行な向きとなる。したがって、ブロック本体51の上面と底面とに傾斜凸部52a,52bを備えた位置保持具50は、側面視略平行四辺形状を構成することができる。
【0056】
なお、
図3のa部拡大図に示すように、このように、側面視略平行四辺形状を構成する位置保持具50において、上側傾斜凸部52aのフラット頂部522と下側傾斜凸部52bのフラット頂部522との上下方向Zの間隔(以下において頂部間隔D1という)は端子カバー部22の貫通空間221を構成する位置規制空間221bの上下方向Zの内面同士の間隔(以下において空間高さDhという)を略同一であり、側面視平行な向きとなる上側傾斜凸部52aの傾斜面521と下側傾斜凸部52bの傾斜面521との間隔(以下において傾斜間隔D2という)は空間高さDhより小さな間隔で形成している。
【0057】
また、このような形状で形成した傾斜凸部52はそれぞれ幅方向Wの厚みを有するが、ブロック本体51の上面に配置された上側傾斜凸部52aは、幅方向Wにおいて所定間隔を隔てて3つ配置され、ブロック本体51の底面に配置された下側傾斜凸部52bは、幅方向Wにおいて所定間隔を隔てて2つ配置されている。そのため、平面視方向において、幅方向Wに所定間隔を隔てて配置された3つのうち隣り合う上側傾斜凸部52a同士の間に対応する底面の位置に下側傾斜凸部52bを配置している。
【0058】
続いて、上述のように構成したアッパーケース20、ロアケース30及びアンテナ基板40を組み付けてレーダ装置10を構成する組み付け方法について説明する。
まず、基板41の裏面に実装した端子部42に対して位置保持具50を装着してアンテナ基板40を構成する。このとき、位置保持具50の奥行方向後側Hbの端面が基板41の端子支持部411の奥行方向前側Hfの端面に当接する位置まで挿入する。
【0059】
次に、アンテナ基板40をアッパーケース20に組み付ける。アンテナ基板40をアッパーケース20に組み付けるには、
図10及び
図11に示すように、アッパーケース20の下方からアンテナ基板40を装着する。具体的には、奥行方向前側Hfが上方かつ奥行方向後側Hbが下方となる、つまり端子部42が上方となるように傾斜させたアンテナ基板40をアッパーケース20の下方に配置し(
図11(a)参照)、端子部42を底面視内側から端子カバー部22の貫通空間221に挿入する(
図11(b)参照)。
【0060】
なお、このときのアンテナ基板40の傾斜角度は、
図11(a)のk部拡大図に示すように、端子部42に装着した位置保持具50の傾斜凸部52における傾斜面521が奥行方向Hに向く角度で傾斜させ、位置保持具50を位置規制空間221bの奥行方向後側Hbから挿入する。このとき、上記傾斜角度でアンテナ基板40を傾斜させているため、傾斜面521が位置規制空間221bを構成する上下方向Zの面と対向することとなる。この状態を挿通姿勢という。
【0061】
そして、
図12(a)に示すように、挿通姿勢を維持したまま、つまり傾斜させたままアンテナ基板40を奥行方向前側Hfに移動させる。このとき、上記傾斜角度でアンテナ基板40を傾斜させているため、アンテナ基板40の端子部42に装着した位置保持具50も傾斜しており、上述したように傾斜面521が位置規制空間221bを構成する上下方向Zの面と対向している。この挿通姿勢状態では、側面視平行な向きとなる上側傾斜凸部52aの傾斜面521と下側傾斜凸部52bの傾斜面521との傾斜間隔D2が、位置規制空間221bの空間高さDhより小さな間隔であるため、スムーズに奥行方向前側Hfに移動することができる。
【0062】
このようにして、奥行方向前側Hfへの移動は、
図12(b)に示すように、位置保持具50が位置規制空間221bの奥行方向前側Hfの端部となる所定位置まで、つまり
図14に示すように、アンテナ基板40の基板41の奥行方向前側Hfの面がアッパーケース20の奥行方向前側Hfの周縁部21の内面に当接する所定位置まで挿入する。
【0063】
次に、
図12(b)に示すように、所定位置まで挿入されたアンテナ基板40を枢動する。
詳しくは、端子カバー部22の位置規制空間221bに挿入された位置保持具50を枢動中心として、奥行方向後側Hbを上方に移動させる方向にアンテナ基板40を枢動させる。このとき、アンテナ基板40の端子部42に装着した位置保持具50に設けた上側傾斜凸部52a及び下側傾斜凸部52bにおける傾斜面521とフラット頂部522との境界部分のいずれかが位置規制空間221bを構成する上下方向Zの内面と接触し、接触箇所を枢動中心として枢動することとなる。
【0064】
そして、位置保持具50を枢動中心としてアンテナ基板40を枢動させることで、
図13に示すように、アンテナ基板40のスナップ用凹部413にスナップフィット26が係止してアッパーケース20にアンテナ基板40を取り付けることができる。
【0065】
詳述すると、基板41が奥行方向Hに沿う向きまでアンテナ基板40を枢動させると、スナップフィット26の係止凸部28がスナップ用凹部413を通過する際に、傾斜面28aによって弾性アーム27が奥行方向後側Hbに弾性変形し、スナップ用凹部413を係止凸部28が通過することで弾性アーム27の付勢力によって係止凸部28が奥行方向前側Hfに移動して、係止面28bで基板41の底面側に係止することとなる。
【0066】
なお、このスナップフィット26による係止状態では、アンテナ基板40の奥行方向前側Hfが位置保持具50によって端子カバー部22に対して位置固定され、アンテナ基板40の奥行方向後側Hbはスナップフィット26によって係止されており、つまりアンテナ基板40の奥行方向Hの両側がアンテナ基板40に対して固定されている。
【0067】
また、アンテナ基板40の枢動により、傾斜面521が位置規制空間221bの上下方向Zの内面と対向する挿通姿勢から、傾斜凸部52のフラット頂部522が位置規制空間221bの上下方向Zの内面と対向する位置保持姿勢となるが、傾斜凸部52のフラット頂部522同士の頂部間隔D1が端子カバー部22の貫通空間221の位置規制空間221bにおける空間高さDhと略同一であるため、貫通空間221の位置規制空間221bにおいて、アソビなく端子部42を正確に位置規制することができる。
【0068】
さらに、係止凸部28を構成する係止面28bが、挟み込み部25の下端面から基板41の厚み分下方に位置するように形成しているため、基板41の上面は挟み込み部25の下端面と当接することとなる。
【0069】
また、上述のように端子カバー部22に対して所定位置まで挿入されたうえで枢動したアンテナ基板40は、
図14に示すように、アッパーケース20の底面側において周縁部21の内面に形成したリブ29が基板41の切欠き凹部412に嵌まり込む態様で組み付けることができる。これによって、アッパーケース20に対して奥行方向H且つ幅方向Wの位置を規制した状態でアンテナ基板40を組み付けることができる。
【0070】
上述のように、アンテナ基板40を組み付けたアッパーケース20に対して、下方からロアケース30を組み付けるとともに、固定部23,33を固定ボルト60で締結してレーダ装置10の組付けを完成させる。
このとき、アッパーケース20の周縁部21より下方に突出する周状嵌合凸部24が、ロアケース30の周縁部31に形成した嵌合溝部34に挿入されるとともに、嵌合凹部32に端子カバー部22が嵌まり込む態様で組み付けられる。
【0071】
さらには、
図4のc部拡大図に示すように、周縁部21の内面に設けたリブ29も周状嵌合凸部24とともに嵌合溝部34に挿入されるため、アッパーケース20に対して幅方向Wを規制した状態でロアケース30を組み付けることができる。
【0072】
また、上面が挟み込み部25の底面に当接した状態でアンテナ基板40が組み付けられたアッパーケース20とロアケース30とを組み付けることで、
図4のc部拡大図に示すように、アッパーケース20の挟み込み部25と、ロアケース30の挟み込み部35とで上下方向Zの両側から挟み込むようにしてアッパーケース20とロアケース30とで構成する筐体10aにアンテナ基板40を装着することができる。
【0073】
上述したように、レーダ装置10は電波を送受信するアンテナ部が表面上に設けられたアンテナ基板40と、アンテナ基板40の表面から所定間隔を隔てて覆うアッパーケース20と、アンテナ基板40の裏面側を、所定間隔を隔てて覆うロアケース30とで構成され、アッパーケース20とロアケース30とで筐体10aを構成するとともに、ロアケース30を導電性を有する導電性部材で構成し、アッパーケース20に、アンテナ基板40を取り付けるスナップフィット26が設けられたため、レドームを構成するアッパーケース20に対してアンテナ基板40を精度よく配置することができる。
【0074】
詳述すると、スナップフィット26によりアッパーケース20にアンテナ基板40を取り付けることができ、アンテナ基板40が取り付けられたアッパーケース20とロアケース30とを組み付けることで構成したレーダ装置10は、予めアッパーケース20にアンテナ基板40が取り付けられているため、レドームを構成するアッパーケース20に対してアンテナ基板40を高精度で配置することができる。
【0075】
また、枢動するアンテナ基板40を弾性変形して係止するスナップフィット26で係止するため、アッパーケース20にアンテナ基板40を容易に取り付けることができる。
【0076】
また、アッパーケース20に対してアンテナ基板40を枢支する位置保持具50が設けられ、スナップフィット26が位置保持具50によって枢動するアンテナ基板40を弾性変形して係止することにより、容易にアッパーケース20にアンテナ基板40を取り付けることができる。
【0077】
詳述すると、アッパーケース20に対してアンテナ基板40を位置保持具50で枢支するとともに、位置保持具50によって枢動するアンテナ基板40を弾性変形するスナップフィット26で係止するため、アッパーケース20にアンテナ基板40を容易に取り付けることができる。
【0078】
また、アッパーケース20及びロアケース30において上下方向zに対向する箇所に、アンテナ基板40の基板周縁部41aを上下方向zに挟み込んで固定する挟み込み部25,35が設けられることにより、アッパーケース20及びロアケース30を組み付けて筐体10aを構成する際に、挟み込み部25,35でアンテナ基板40の基板周縁部41aを上下方向zに挟み込んで、筐体10aにアンテナ基板40を組み付けることができる。
【0079】
なお、このアッパーケース20とロアケース30との組み付け状態において、アッパーケース20とロアケース30とにおいて上下方向zに対向する箇所に設けた挟み込み部25,35でアンテナ基板40の基板周縁部41aを上下方向zに挟み込んで固定するため、レドームを構成するアッパーケース20に対してアンテナ基板40を精度よく配置することができる。
【0080】
また、ロアケース30を、導電性を有する導電性部材で構成するため、ロアケース30を、ノイズを防止するシールド部材として機能させ、レドームを構成するアッパーケース20とシールド部材を構成するロアケース30とで、ノイズを防止できる筐体10aを構成することができる。したがって、アッパーケース20とロアケース30とで構成する内部空間10bにおいてシールド部材でアンテナ基板40を保持する従来のレーダ装置に比べて少ない部品点数でレーダ装置10を構成することができる。
【0081】
また、導電性部材で構成し、シールド部材として機能するロアケース30における挟み込み部35とアッパーケース20の挟み込み部25とでアンテナ基板40の基板周縁部41aを挟み込んでいるため、シールド部材として機能するロアケース30とアンテナ基板40とが通電可能に確実に接触するため、シールド部材としてのノイズ防止効果を確実に発揮させることができる。
【0082】
また、挟み込み部25,35の上下方向zの間隔、つまり周縁部21の底面と周縁部31の上面とが当接する際の挟み込み部25,35の上下方向zの間隔が、アンテナ基板40の上下方向zの厚みより小さいため、挟み込み部25,35でアソビなくアンテナ基板40の基板周縁部41aを挟み込むことができる。そのため、レドームを構成するアッパーケース20に対してアンテナ基板40をさらに高精度で配置することができる。
また、シールド部材として機能するロアケース30とアンテナ基板40とがより密着して接触するため、シールド部材としてのノイズ防止効果を向上させることができる。
【0083】
また、アッパーケース20に、アンテナ基板40の奥行方向H且つ幅方向Wにおけるアッパーケース20に対する位置を規制するリブ29が備えられることにより、アッパーケース20に対してアンテナ基板40の奥行方向H且つ幅方向Wの位置を規制できるため、アッパーケース20とロアケース30との挟み込み部25,35でアンテナ基板40の基板周縁部41aを確実に挟み込んで固定することができる。
【0084】
また、アンテナ基板40に、基板41の端子支持部411より突出する端子部42が実装され、アッパーケース20に、端子部42が挿入される端子カバー部22が設けられるとともに、端子部42に装着され、端子カバー部22における端子部42の位置を保持する位置保持具50が設けられ、位置保持具50に、傾斜間隔D2が端子カバー部22の位置規制空間221bの空間高さDhより小さい傾斜凸部52が設けられ、傾斜凸部52が上下方向Zに向き、端子カバー部22に対して奥行方向Hに移動可能な挿通姿勢で端子部42を端子カバー部22に挿通し、端子部42が所定位置まで挿入された状態で、アンテナ基板40を枢動することで、端子カバー部22において端子部42の位置を保持する位置保持姿勢に変更されることにより、アンテナ基板40に実装された、基板41の端子支持部411より突出する端子部42を端子カバー部22において所定の位置で保持された状態で、アンテナ基板40をアッパーケース20に容易に取り付けることができる。
【0085】
詳述すると、アンテナ基板40に実装された、基板41の端子支持部411より突出する端子部42に位置保持具50を装着することで、端子カバー部22において端子部42を所定の位置に保持することができる。
【0086】
また、端子部42に装着した位置保持具50を枢動中心としてアンテナ基板40を枢動させてアッパーケース20に取り付けることができる。
さらに、位置保持具50に、傾斜間隔D2が端子カバー部22の位置規制空間221bの空間高さDhより小さい傾斜凸部52が設けられているため、傾斜凸部52が上下方向Zに向く状態で、つまりアンテナ基板40を枢動する前の姿勢で端子部42を端子カバー部22に挿入し、端子カバー部22に対して端子部42が所定位置まで挿入された状態でアンテナ基板40を枢動させてアッパーケース20に取り付けることができる。
【0087】
なお、傾斜凸部52が上下方向Zに向く状態で、つまりアンテナ基板40を枢動する前の姿勢で端子部42を端子カバー部22に挿入するが、この状態では、傾斜間隔D2が端子カバー部22の位置規制空間221bの空間高さDhより小さい傾斜凸部52が上下方向Zに向く状態であるため、端子カバー部22において挿入に位置保持具50が支障することなる、スムーズに挿入することができる。
【0088】
また、傾斜凸部52が、上下方向Z及び奥行方向Hに対して傾斜する傾斜形状で形成されることにより、傾斜凸部52が上下方向Zに向く端子部42の挿入状態において、傾斜形状によって安定して挿入することができる。
【0089】
また、アッパーケース20とロアケース30とを上下方向zに固定ボルト60で固定する固定部23,33が、アンテナ基板40におけるアンテナ部の電波影響範囲外、つまり送信アンテナ用部分20a及び受信アンテナ用部分20bの平面視外側に設けられることにより、アッパーケース20及びロアケース30を容易且つ確実に組み付けて筐体10aを構成できるとともに、アンテナ部による電波の送受信に支障することがない。したがって、電波の送受信性能が高いレーダ装置10を容易に構成することができる。
【0090】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明のアンテナ基板はアンテナ基板40に対応し、
以下同様に、
アッパーケースはアッパーケース20に対応し、
ロアケースはロアケース30に対応し、
筐体は筐体10aに対応し、
挟み込み部は挟み込み部25及び挟み込み部35に対応し、
レーダ装置はレーダ装置10に対応し、
固定部は固定部23,33に対応し、
位置規制手段はリブ29に対応し、
基板取付け部及び弾性係止部はスナップフィット26に対応し、
枢支部及び位置保持具は位置保持具50に対応し、
端子部は端子部42に対応し、
端子カバー部は端子カバー部22に対応し、
挿通姿勢部は傾斜凸部52に対応し、
直交方向は上下方向Zに対応し、
挿通方向は奥行方向Hに対応し、
表裏方向は上下方向zに対応し、
面内方向は、奥行方向H且つ幅方向Wに対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の位置保持具50ではブロック本体51に複数の傾斜凸部52を設けたが、傾斜凸部52を設けることなくブロック本体51自体を側面視略平行四辺形状に構成してもよい。
【0091】
また、上述の説明では、アッパーケース20において奥行方向前側Hfの端子カバー部22に対して奥行方向Hに対向する奥行方向後側Hbにスナップフィット26を設けたが、平面視長方形状のアッパーケース20において奥行方向Hに沿う長辺部分にスナップフィット26を設けてアンテナ基板40を係止するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0092】
10…レーダ装置
10a…筐体
20…アッパーケース
22…端子カバー部
23…固定部
25…挟み込み部
26…スナップフィット
29…リブ
30…ロアケース
33…固定部
35…挟み込み部
40…アンテナ基板
42…端子部
50…位置保持具
52…傾斜凸部
412…切欠き凹部
H…奥行方向
z…上下方向