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特許7084707温度再現性及びインサイチューシャワーヘッド温度監視
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-07
(45)【発行日】2022-06-15
(54)【発明の名称】温度再現性及びインサイチューシャワーヘッド温度監視
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017195675
(22)【出願日】2017-10-06
(65)【公開番号】P2018082156
(43)【公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】62/424,197
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/405,758
(32)【優先日】2017-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジョセフ フランクリン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン イー ババヤン
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ アラン クラウス
【審査官】田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0032189(US,A1)
【文献】特表2010-524205(JP,A)
【文献】国際公開第2005/024928(WO,A1)
【文献】特開2008-235337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャワーヘッドアセンブリであって、
上面及び底面を有するガス分配プレートと、
ガス分配プレートの上面に接触する1以上の温度検出アセンブリであって、各温度検出アセンブリは、
ガス分配プレートの上面に接触する突出構造と、
突出構造内に配置された温度プローブと、
ガス分配プレートの上面に接触し、温度プローブと結合されていない突出構造であって、ガス分配プレートをガスプレートに付勢するように軸方向に負荷が掛けられた突出構造を含む温度検出アセンブリとを含むシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項2】
ガス分配プレートは、複数の貫通孔を含み、複数の貫通孔は、ガス分配プレート上に1以上のゾーンで配置される、請求項1記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項3】
1以上の温度検出アセンブリは、1以上のゾーンの外側の領域内のガス分配プレート上に配置される、請求項2記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項4】
上面及び底面を有するガスプレートを含み、ガスプレートは、上面及び底面からガスプレートを貫通して形成された1以上の開口部を有し、ガスプレートの底面は、ガス分配プレートの上面の上に配置され、これによって各温度検出アセンブリの突出構造が、ガスプレートの開口部を通って延びる、請求項1記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項5】
シャワーヘッドアセンブリは、1以上の絶縁スリーブを更に含み、各絶縁スリーブは、突出構造を少なくとも部分的に取り囲む、請求項1記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項6】
突出構造の少なくともいくつかは、ガス分配プレートと同心のリング状に配置される、請求項1記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項7】
温度検出アセンブリ及びガス分配プレートは、単一体から形成される、請求項1記載のシャワーヘッドアセンブリ。
【請求項8】
処理チャンバであって、
基板を支持するように構成された基板支持部材と、
シャワーヘッドアセンブリであって、
上面及び底面を有するガス分配プレートと、
ガス分配プレートの上面に結合された1以上の温度検出アセンブリであって、各温度検出アセンブリは、
ガス分配プレートの上面に接合された突出構造と、
突出構造内に配置された温度プローブと、
突出構造の上面で、チルプレートの上方で温度プローブを支持するように構成されたプローブ支持体を含む温度検出アセンブリとを含むシャワーヘッドアセンブリとを含む処理チャンバ。
【請求項9】
上面及び底面を有するガスプレートを含み、ガスプレートは、上面及び底面からガスプレートを貫通して形成された1以上の開口部を有し、ガスプレートの底面は、ガス分配プレートの上面の上に配置され、これによって各温度検出アセンブリの突出構造が、ガスプレートの開口部を通って延びる、請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項10】
上面及び底面を有するチルプレートを含み、チルプレートは、上面から底面まで形成された1以上の開口部を有し、チルプレートの底面は、ガスプレートの上面の上に配置され、これによって各温度検出アセンブリの突出構造は、チルプレートの開口部を通って延びる、請求項9記載の処理チャンバ。
【請求項11】
シャワーヘッドアセンブリは、1以上の絶縁スリーブを更に含み、各絶縁スリーブは、突出構造を少なくとも部分的に取り囲む、請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項12】
突出構造のうちの少なくとも1つは、ガス分配プレートをガスプレートに付勢するように軸方向に負荷が掛けられる、請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項13】
ガス分配プレートの上面に接触し、温度プローブと結合されていない突出構造であって、ガス分配プレートをガスプレートに付勢するように軸方向に負荷が掛けられた突出構造を含む、請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項14】
突出構造の少なくともいくつかは、ガス分配プレートと同心のリング状に配置される、請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項15】
温度検出アセンブリ及びガス分配プレートは、単一体から形成される、請求項8記載の処理チャンバ。
【請求項16】
基板を処理する方法であって、
ガス分配プレートを有するシャワーヘッドアセンブリと、基板を支持するように構成された基板支持アセンブリとの間に画定された処理チャンバの処理領域内にプラズマを形成する工程と、
ガス分配プレートの上面と結合された温度検出アセンブリによってシャワーヘッドアセンブリの温度を検出して、これによってガス分配プレートと温度検出アセンブリとの間に熱結合が形成される工程であって、温度検出アセンブリは、
ガス分配プレートの上面と結合された突出構造と、
突出構造によって支持され、ガス分配プレートの温度を監視するように構成された温度プローブと
ガス分配プレートの上面に接触し、温度プローブと結合されていない突出構造であって、ガス分配プレートをガスプレートに付勢するように軸方向に負荷が掛けられた突出構造を含む工程と、
温度検出アセンブリによって監視された温度に基づいてプロセスレシピを調節する工程とを含む方法。
【請求項17】
温度検出アセンブリによって検出された温度に応答して、ガス分配プレートの上に配置されたチルプレートに温度制御流体を供給する工程を含む、請求項16記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(分野)
本明細書に記載の実施形態は、概して、基板処理装置に関し、より詳細には、基板処理装置用の改良されたシャワーヘッドアセンブリに関する。
【0002】
(関連技術の説明)
反応性イオンエッチング(RIE)としても知られている、プラズマガスを介して半導体基板の「ドライ」エッチングを実行する半導体処理システムは、常時監視する必要がある。エッチングパラメータを予め定義し、システムがエッチングプロセスを監視せずに実行可能とすることもできるが、システム内の状態は経時的に変化する可能性がある。例えば、基板処理装置用のシャワーヘッドアセンブリの温度を監視することは、安定したプロセス制御を維持するのを助けることができる温度フィードバックを提供することを助ける。エッチングガスの組成又は圧力又は処理チャンバ又は基板温度のわずかな変化は、望ましくないエッチング結果を生じさせる。
【0003】
したがって、基板処理装置用の向上したシャワーヘッドアセンブリが必要とされている。
【概要】
【0004】
本明細書に記載の実施形態は、概して、基板処理装置に関し、より詳細には、基板処理装置用の改良されたシャワーヘッドアセンブリに関する。シャワーヘッドアセンブリは、ガス分配プレートと、1以上の温度検出アセンブリとを含む。ガス分配プレートは、上面及び底面を有する本体を含む。1以上の温度検出アセンブリは、ガス分配プレートの上面と物理的に結合(インターフェース接続)される。各温度検出アセンブリは、突出構造及び温度プローブを含む。突出構造は、ガス分配プレートの上面と接触している。温度プローブは、突出構造内に配置される。
【0005】
別の一実施形態では、処理チャンバが本明細書に開示される。処理チャンバは、基板支持部材と、シャワーヘッドアセンブリとを含む。基板支持部材は、基板を支持するように構成される。シャワーヘッドアセンブリは、ガス分配プレートと、1以上の温度検出アセンブリとを含む。ガス分配プレートは、上面及び底面を有する本体を含む。1以上の温度検出アセンブリは、ガス分配プレートの上面と結合される。各温度検出アセンブリは、軸方向に負荷が掛けられた突出構造及び温度プローブを含む。突出構造は、ガス分配プレートの上面に接合される。温度プローブは、突出構造内に配置される。
【0006】
別の一実施形態では、基板を処理する方法が本明細書に開示される。プラズマは、処理チャンバの処理領域内に形成される。処理領域は、シャワーヘッドアセンブリと基板支持アセンブリとの間に画定される。シャワーヘッドアセンブリは、ガス分配プレートを含む。基板支持アセンブリは、基板を支持するように構成される。ガス分配プレートの温度は、温度検出アセンブリによって監視される。温度検出アセンブリは、ガス分配プレートの上面と結合され、これによってガス分配プレートと温度検出アセンブリとの間に熱結合が形成される。温度検出アセンブリは、突出構造と温度プローブとを含む。突出構造は、ガス分配プレートの上面と結合され、これによって軸方向負荷が突出構造の軸に沿ってガス分配プレート上に与えられる。温度プローブは、突出構造によって支持される。温度プローブは、ガス分配プレートの温度を監視するように構成される。次いで、プロセスレシピは、温度検出アセンブリによって監視された温度に基づいて調節される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照して行うことができる。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本開示の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
【0008】
図1】一実施形態に係る、処理チャンバの断面図を示す。
図2】一実施形態に係る、図1のシャワーヘッドアセンブリの部分断面図を示す。
図3A】一実施形態に係る、図1及び図2のガス分配プレートの上面図を示す。
図3B】一実施形態に係る、図1及び図2のガス分配プレートの上面図を示す。
図4】一実施形態に係る、図1及び図2のシャワーヘッドアセンブリの上面図を示す。
【0009】
明確にするために、図面間で共通する同一の要素を示す際には適用可能な限り同一の参照番号を使用している。また、一実施形態の要素は、本明細書に記載される他の実施形態での利用に有利に適合させることができる。
【詳細な説明】
【0010】
図1は、一実施形態に係る、改良されたシャワーヘッドアセンブリ150を有する処理チャンバ100の断面図である。図示されるように、処理チャンバ100は、基板(例えば、基板101)をエッチングするのに適したエッチングチャンバである。本開示の例示的な実施形態から恩恵を受けるように適合可能である処理チャンバの例は、Sym3(商標名)処理チャンバ、及びMesa(商標名)処理チャンバであり、これらはカリフォルニア州サンタクララにあるアプライドマテリアルズ社(Applied Materials, Inc.)から市販されている。他の製造業者からのものを含む他の処理チャンバが、本開示の例示的な実施形態から恩恵を受けるように適合可能であることが理解される。
【0011】
処理チャンバ100は、様々なプラズマ処理のために使用することができる。一実施形態では、処理チャンバ100を使用して、1以上のエッチング剤によってドライエッチングを行うことができる。例えば、処理チャンバは、前駆体C(ここでx及びyは異なる許容される組み合わせとすることができる)、O、NF、又はそれらの組み合わせからのプラズマの点火のために使用することができる。
【0012】
処理チャンバ100は、チャンバ本体102と、蓋アセンブリ104と、支持アセンブリ106とを含む。蓋アセンブリ104は、チャンバ本体102の上端に配置される。支持アセンブリ106は、チャンバ本体102によって画定される内部容積108内にさらされる。チャンバ本体102は、その側壁に形成されたスリットバルブ開口部110を含む。スリットバルブ開口部110は選択的に開閉され、基板搬送用の基板ハンドリングロボット(図示せず)によって内部容積108へのアクセスを可能にする。
【0013】
チャンバ本体102は、支持アセンブリ106を取り囲むライナ112を更に含むことができる。ライナ112は、修理及び洗浄のために取り外し可能である。ライナ112は、金属(例えば、アルミニウム)、セラミックス材料、又は任意の他のプロセス適合性材料で作製することができる。1以上の実施形態では、ライナ112は、1以上の開口部(アパーチャ)114と、真空ポート118と流体連通する内部に形成されたポンピングチャネル116とを含む。開口部114は、ガスがポンピングチャネル116に流入するための流路を提供する。ポンピングチャネル116は、真空ポート118へのチャンバ100内のガスの出口を提供する。
【0014】
真空システム120は、真空ポート118に結合されている。真空システム120は、真空ポンプ122と、スロットルバルブ124とを含むことができる。スロットルバルブ124は、チャンバ100を通るガスの流れを調節する。真空ポンプ122は、内部容積108内に配置された真空ポート118に結合されている。
【0015】
蓋アセンブリ104は、プラズマ容積又はキャビティ(空洞)をその間に形成するように構成された少なくとも2つの積み重ねられたコンポーネントを含む。1以上の実施形態では、蓋アセンブリ104は、第2の電極(「下部電極」)128の鉛直上方に配置された第1の電極(「上部電極」)126を含む。上部電極126及び下部電極128は、プラズマキャビティ130をその間に閉じ込める。第1の電極126は、電源132(例えば、RF電源)に結合される。第2の電極128は、グランドに接続され、2つの電極126、128の間にコンデンサを形成する。上部電極126は、ガス入口134と流体連通している。1以上のガス入口134の第1の端部は、プラズマキャビティ130内に開放する。
【0016】
蓋アセンブリ104はまた、第1の電極126を第2の電極128から電気的に絶縁するアイソレータリング136を含むことができる。アイソレータリング136は、酸化アルミニウム又は任意の他の絶縁性の処理適合性材料から作製することができる。
【0017】
蓋アセンブリ104はまた、シャワーヘッドアセンブリ150と、オプションとしてブロッカプレート140とを含むことができる。シャワーヘッドアセンブリ150は、ガス分配プレート138と、ガスプレート139と、チル(冷却)プレート151を含む。シャワーヘッドアセンブリ150は、図2図3と併せて以下で詳細に説明する。第2の電極128、ガス分配プレート138、チルプレート151、及びブロッカプレート140は、チャンバ本体102に結合された蓋リム142上に積み重ねられて配置することができる。
【0018】
1以上の実施形態では、第2の電極128は、プラズマキャビティ130の下に形成された複数のガス通路144を含み、プラズマキャビティ130からのガスがそこを通って流れることを可能にすることができる。ガス分配プレート138は、ガス流がそこを通って分配されるように構成された複数の開口部146を含む。ブロッカプレート140は、第2の電極128とガス分配プレート138との間にオプションとして配置されてもよい。ブロッカプレート140は、複数の開口部148を含み、第2の電極128からガス分配プレート138までの複数のガス通路を提供する。
【0019】
支持アセンブリ106は、支持部材180を含むことができる。支持部材180は、処理用の基板101を支持するように構成される。支持部材180は、チャンバ本体102の底面を貫通して延びるシャフト184を介してリフト機構182に結合されてもよい。リフト機構182は、シャフト184の周囲からの真空漏れを防止するベローズ186によってチャンバ本体102にフレキシブルにシールされてもよい。リフト機構182は、支持部材180が下部搬送部分と多数の上方の処理位置との間でチャンバ本体102内を鉛直方向に移動することを可能にする。また、1以上のリフトピン188が、支持部材180を貫通して配置されてもよい。1以上のリフトピン188は、支持部材180を貫通して延びるように構成され、これによって基板101は、支持部材180の表面から持ち上げられることができる。1以上のリフトピン188は、リフトリング190によってアクティブにすることができる。
【0020】
処理チャンバはまた、コントローラ191を含むことができる。コントローラ191は、メモリ194及び大容量記憶装置、入力制御ユニット、及びディスプレイユニット(図示せず)(例えば、処理システムの様々なコンポーネントに結合された、電源、クロック、キャッシュ、入出力(I/O)回路、及びライナ)と共に動作可能なプログラマブルな中央処理装置(CPU)192を含み、基板処理の制御を促進にする。
【0021】
上述したチャンバ100の制御を促進するために、CPU192は、様々なチャンバ及びサブプロセッサを制御するための工業環境で使用することができる任意の形態の汎用コンピュータプロセッサ(例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC))のうちの1つであってもよい。メモリ194がCPU192に結合され、メモリ194は非一時的であり、容易に利用可能なメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、フロッピー(商標名)ディスクドライブ、ハードディスク、又はローカル又はリモートの他の形態のデジタル記憶装置)のうちの1以上とすることができる。サポート回路196はCPU192に結合され、従来の方法でプロセッサをサポートする。荷電種の生成、加熱、及び他のプロセスは、一般的に、通常はソフトウェアルーチンとしてメモリ194内に記憶される。ソフトウェアルーチンはまた、CPU192によって制御される処理チャンバ100から遠隔に位置する第2のCPU(図示せず)によって記憶及び/又は実行されてもよい。
【0022】
メモリ194は、CPU192によって実行されるとチャンバ100の動作を促進する命令を含むコンピュータ可読記憶媒体の形態である。メモリ194内の命令は、プログラム製品(例えば、本開示の方法を実施するプログラム)の形態である。プログラムコードは、多数の異なるプログラミング言語のうちのいずれか1つに準拠することができる。一例では、本開示は、コンピュータシステムと共に使用するためのコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたプログラム製品として実施することができる。プログラム製品のプログラムは、(本明細書に記載の方法を含む)実施形態の機能を定義する。例示的なコンピュータ可読記憶媒体には、(i)情報が永久に記憶される書込み不能な記憶媒体(例えば、コンピュータ内の読出し専用メモリデバイス(例えば、CD-ROMドライブによって読出し可能なCD-ROMディスク)、フラッシュメモリ、ROMチップ、又は任意のタイプの固体(ソリッドステート)不揮発性半導体メモリ)、及び(ii)変更可能な情報が記憶される書込み可能な記憶媒体(例えば、ディスケットドライブ内のフロッピー(商標名)ディスク又はハードディスクドライブ又は任意のタイプの固体ランダムアクセス半導体メモリ)が含まれるが、これらに限定されない。このようなコンピュータ可読記憶媒体は、本明細書に記載の方法の機能を指示するコンピュータ可読命令を備えている場合、本開示の実施形態である。
【0023】
図2は、一実施形態に係る、シャワーヘッドアセンブリ150の部分断面図を示す。シャワーヘッドアセンブリ150は、ガス分配プレート138と、ガス分配プレート138の上面に配置されたガスプレート139と、ガスプレート139の上面に配置されたチルプレート151とを含む。ガス分配プレート138は、上面204及び底面206を有する本体202を含む。底面206は、処理チャンバ100の処理領域に面する。1以上の貫通孔208が、本体202を貫通して形成され、上面204から底面206まで延びる。1以上の貫通孔208は、ガス分配プレート138を通って処理領域内への処理ガスの通過が可能となるように構成される。
【0024】
図3Aは、一実施形態に係る、ガス分配プレート138の上面図を示す。図示のように、シャワーヘッドアセンブリ150は、1以上の温度検出アセンブリ250を更に含む。一実施形態では、1以上の温度検出アセンブリ250は、ガス分配プレート138の上面204に結合される。1以上の温度検出アセンブリ250は、処理中にガス分配プレート138の温度を監視するように構成される。各温度検出アセンブリ250は、突出構造252と、温度プローブ256とを含む。突出構造252は、ガス分配プレート138の上面204と接触して配置される。突出構造252は、ガス分配プレート138と同様の材料又は同一材料から形成されてもよい。例えば、一実施形態では、突出構造252はシリコンから形成され、ガス分配プレート138はシリコンから形成される。ガス分配プレート138の材料と同様又は同一の材料から突出構造252を形成することにより、ガス分配プレート138から突出構造252を通って温度プローブ256への熱伝達が向上可能となり、これにより、温度読み取り値の精度が向上する。別の一実施例では、突出構造252は、ガス分配プレート138の熱伝導率とは異なる良好な熱伝導率を有する材料から形成されてもよい。例えば、突出構造252は、アルミニウム、ステンレス鋼、炭化ケイ素、窒化アルミニウム等から形成することができるが、これらに限定されない。
【0025】
温度検出アセンブリ250は、ガス分配プレート138上に選択的に配置されてもよい。例えば、温度検出アセンブリ250は、ガス分配プレート138の中心の周りにアレイ状に配置されてもよい。1つの温度検出アセンブリ250は、温度検出アセンブリ250の中心線を通って形成された開口部228、272を通って配置されてもよい。図3Aに示される実施形態では、温度検出アセンブリ250は、ガス分配プレート138の中心線の周りに格子パターンに又は円形配列状に配置され、一例では、温度検出アセンブリ250の中心線282は、等間隔に離間している。別の一実施例では、温度検出アセンブリ250は、ガス分配プレート138の中心と同心のリング状に配置される。一般的に、温度検出アセンブリ250は、ガス分配プレート138上で1以上の貫通孔空乏領域290内に配置されてもよい。孔空乏領域290は、貫通形成されたガス貫通孔208を有さないガス分配プレート138の領域である。温度検出アセンブリ250を貫通孔空乏領域290内に配置することは、温度検出アセンブリ250が処理領域内への均一な処理ガスの分配を妨害するのを防止する。
【0026】
突出構造252は、上面258及び底面260を有する細長い本体を含む。突出構造252の底面260は、ガス分配プレート138の上面204と結合される。一実施形態では、突出構造252は、高熱伝導材料を使用して底面260を上面204に接合することによって上面204に熱的に結合され、こうして熱結合280を生成することができる。例えば、高熱伝導材料は、アルミニウム、チタン、ニッケル-コバルト鉄合金(例えば、KOVAR(商標名))などから形成することができるが、これらに限定されない。別の一実施形態では、突出構造252は、ガス分配プレート138の一部として一体的に形成(すなわち、均質な単一体として形成)されてもよい。例えば、突出構造252及びガス分配プレート138は、1つの単一体とすることができる。ガス分配プレート138と1以上の温度検出アセンブリ250のそれぞれとの間の熱結合280は、温度プローブ256によるガス分配プレート138の温度変化の高速かつ信頼性のある検出を保証する。
【0027】
オプションとして、チルプレート151の(最)上面222の上方に延在する突出構造252のうちの少なくとも1つの少なくとも一部は、ねじ部262を有する。ねじ部262は、ナット264がガス分配プレート138に熱結合された突出構造252のねじ部262にねじ込まれることを可能にし、弾性エネルギー貯蔵構造266を圧縮する。弾性エネルギー貯蔵構造266は、圧縮ばね、コイルばね、平ばね形状、皿ばね座金(すなわち、円錐ばね座金)、弾性エラストマー、又は他の力発生装置/構造とすることができる。エネルギー貯蔵構造266は、ナット264によって圧縮されたとき、圧縮矢印268によって示されるように、軸方向に突出構造252に負荷を掛けて、チルプレート151、ガスプレート139、及びガス分配プレート138を共に圧縮する。有利には、ガスプレート139及びガス分配プレート138は、圧縮されたエネルギー貯蔵構造266による軸方向負荷によって共に付勢されるので、突出構造252に隣接するガスプレート139とガス分配プレート138との間の接触面の領域270は、物理的に密接な接触が維持され、こうして突出構造252を介して温度プローブ256によって感知された温度が、突出構造252の直下の温度のみを表すピンポイントの読み取り値ではなく、プローブ256に隣接するガス分配プレート138の領域の正確な読み取り値となることを保証する。突出構造252は、突出構造252に隣接するガスプレート139とガス分配プレート138との間に良好な圧縮を提供する他の方法で軸方向に負荷を掛けてもよいことが理解される。
【0028】
1つの実施例では、各々がそれぞれの温度プローブ256と結合されている1つの又はそれ以上の又は更には全ての突出構造252は、軸方向に負荷が掛けられている。他の実施例では、アレイを含む突出構造252のいくつかは、温度プローブ256と結合されていなくてもよく、温度プローブ無しの(すなわち、温度プローブ256と結合されていない)突出構造252のうちの1つ又はそれ以上又は更にはすべては、軸方向に負荷が掛けられている。プローブ無しであるか否かにかかわらず、軸方向に負荷が掛けられた突出構造252のアレイは、ガスプレート139のより大きな表面積を更に保証し、ガス分配プレート138は、密接した物理的接触で共にクランプされ、こうして使用時にプラズマ状態に曝された場合であっても、ガス分配プレート138全域にわたって横方向に温度の均一性を促進する。要約すると、突出構造252のアレイ内に含まれる少なくとも第1の突出構造252は、温度プローブ256を含み、第1の突出構造252は、軸方向に負荷が掛けられていても、軸方向に負荷が掛けられていなくてもよい。突出構造252のアレイ内に含まれる第1の突出構造252以外の突出構造252は、温度プローブ256を含んでいても、含んでいなくてもよく、軸方向に負荷が掛けられていても、掛けられていなくてもよい。
【0029】
図2を続けて参照すると、上面258は、底面260の反対側にある。上面258は、温度プローブ256を支持するように構成される。例えば、一実施形態では、プローブ支持体254は、プローブ構造252の上面258内に形成されてもよい。プローブ支持体254は、突出構造252を貫通して形成された開口部とすることができ、これによって温度プローブ256が内部に摺動可能に配置される。図2に示される実施例では、プローブ支持体254は、突出構造252を貫通して形成された横穴である。別の一実施例では、プローブ支持体254は、突出構造252の中心軸と同軸又は平行に形成された穴(例えば、温度プローブ256が突出構造252の内部に、少なくとも部分的にチルプレート151の下に、ガス分配プレート138のより近くに配置されるのを可能にする、突出構造252の上面258に形成された止まり穴など)である。
【0030】
図3Bは、別の一実施形態に係る、ガス分配プレート138の上面図を示す。図示の実施形態では、シャワーヘッドアセンブリ150は、温度検出アセンブリ300を含む。温度検出アセンブリ300は、温度検出アセンブリ250と実質的に同様である。温度検出アセンブリは、1以上の突出構造302を含む。1以上の突出構造の各々は、ガス分配プレート138と同心であるリング状本体304を有する。例えば、図3Bは、(ガス分配プレート138の中心から測定して)第1の半径rを有する第1の突出構造302と、第2の半径rを有する第2の突出構造302を示す。第1の半径rは、ガス分配プレート138の半径Rよりも小さい。第2の半径rは、第1の半径rよりも小さい。更に、1以上の突出構造302は、1以上の貫通孔空乏領域306内のガス分配プレート138上に配置される。1以上の突出構造302を貫通孔空乏領域306内に配置することは、処理ガスが、処理領域内に均一に分配されることを保証する。
【0031】
従来の温度監視システムは、ガス分配プレートに埋め込まれたコンポーネントを使用する。しかしながら、そのようなコンポーネントを内部に埋め込むことにより、ガス分配プレートの本体内に熱的不一致を有するベースコンポーネント(すなわち、ガス分配プレート)内に熱的不一致が生じる可能性がある。内部に埋め込まれるのではなく、ガス分配プレート138から延在する突出構造252(例えば、本明細書に開示されるもの)を有することは、ガス分配プレート138の熱的均一性を保証する。
【0032】
温度検出アセンブリ300は、1以上の突出構造と一体的に形成された1以上のプローブ支持部材308を更に含むことができる。プローブ支持部材308は、1以上の突出構造302と同じ材料から形成されてもよい。各プローブ支持部材308は、温度プローブ256を支持するように構成される。各プローブ支持部材308は、温度プローブ256がチルプレート151の上及び上方に支持されることができるように配置される。
【0033】
図2に戻って参照すると、ガスプレート139は、上面212及び底面214を有する本体210を含む。底面214は、ガス分配プレート138の上面204の上に配置され、これによってガスプレート139とガス分配プレート138との間には実質的にギャップが形成されない。ガスプレート139は、1以上のガス通路218と、1以上のガス供給チャネル220とを含む。1以上のガス通路218は、ガス源から処理チャンバ内に処理ガスの供給を可能にする。1以上のガス供給チャネル220は、1以上のガス通路218からガスプレート139の底面214まで延在し、ガスが1以上のガス通路218から1以上の貫通孔208内に及び処理領域内に流入することを可能にする。ガスプレート139は、本体210を貫通して形成された開口部272を更に含む。開口部272は、ガス分配プレート138に結合された突出構造252が貫通して延在することを可能にする。開口部272の各々は、突出構造252がガスプレート139に接触しないような直径を有する。そのような接触は、温度プローブ256の温度測定値の汚染を招く可能性がある。
【0034】
チルプレート151は、上面222及び底面224を有する本体216を含む。底面224は、ガスプレート139の上面212の上に配置される。チルプレート151は、処理中のガス分配プレート138の温度を調節するように構成される。例えば、チルプレート151は、貫通形成された1以上の温度制御チャネル226を含むことができ、これによって温度制御流体を内部に供給してガス分配プレート138の温度を調節することができる。チルプレート151は、貫通形成された1以上の開口部228を更に含む。1以上の開口部228は、ガス分配プレート138に結合された突出構造252が貫通して延在することを可能にする。1以上の開口部228の各々は、突出構造252がチルプレート151に接触しないような直径を有する。そのような接触は、温度プローブの温度測定値の汚染を招く可能性がある。
【0035】
図2に示される実施形態では、温度検出アセンブリ250は、プローブ支持体254(又は図3のプローブ支持部材308)を少なくとも部分的に取り囲む絶縁スリーブ240を更に含むことができる。絶縁スリーブ240は、ポリマー又は他の適切な材料から製造することができる。絶縁スリーブ240は、チルプレート151及びガスプレート139から温度検出アセンブリ250を絶縁するように構成される。例えば、図2に示される実施形態では、絶縁スリーブ240は、チルプレート151の開口部228及びガスプレート139の開口部272内へ下方に延びており、これによって絶縁スリーブ240は、開口部272及び228内にある温度検出アセンブリ250の部分を完全に取り囲む。
【0036】
図4は、一実施形態に係る、シャワーヘッドアセンブリ150の上面図を示す。図4に示されるように、1以上の温度検出アセンブリ250は、ガス分配プレート138上に配置される。1以上の温度検出アセンブリ250は、ガスプレート139及びチルプレート151を貫通して延び、これによって温度プローブ256は、チルプレート151の上方に支持される。一旦、プローブ支持体254内に配置されると、温度プローブ256は、突出構造252まで伝達した熱を測定することによって、ガス分配プレート138の温度を測定するように構成される。ガス分配プレート138のインサイチューリアルタイム温度監視は、安定したプロセス制御を維持するのに役立つ重要な温度フィードバックを提供する。
【0037】
上記は特定の実施形態を対象としているが、他の及び更なる実施形態は本発明の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
図1
図2
図3A
図3B
図4