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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-09
(45)【発行日】2022-06-17
(54)【発明の名称】有線ドローンシステム
(51)【国際特許分類】
   B64C 37/02 20060101AFI20220610BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20220610BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20220610BHJP
   B64D 39/00 20060101ALN20220610BHJP
【FI】
B64C37/02
B64D27/24
B64C27/08
B64D39/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018076040
(22)【出願日】2018-04-11
(65)【公開番号】P2019182228
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100118500
【弁理士】
【氏名又は名称】廣澤 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100091498
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 勇
(72)【発明者】
【氏名】能見 基彦
(72)【発明者】
【氏名】関野 夕美子
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-171032(JP,A)
【文献】特開2002-264899(JP,A)
【文献】特開平07-222358(JP,A)
【文献】国際公開第2016/059953(WO,A1)
【文献】特開2002-154495(JP,A)
【文献】特開2015-189321(JP,A)
【文献】米国特許第04586683(US,A)
【文献】国際公開第2017/094842(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 37/02
B64D 27/24
B64C 27/08-27/10
B64C 39/02
B64D 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドローンと、
前記ドローンに固定された自在継手と、
前記自在継手に連結された電力ケーブルと、
前記自在継手内に配置され、前記電力ケーブルと前記ドローンの両方に電気的に接続された回転コネクタとを備え、
前記自在継手は、X軸を中心に回転可能なX軸回転継手と、Y軸を中心に回転可能なY軸回転継手と、Z軸を中心に回転可能なZ軸回転継手を備え、
前記X軸回転継手は、前記ドローンに固定された第1X軸シャフトと、前記第1X軸シャフトと同軸上に連結された第2X軸シャフトを備えており、前記第1X軸シャフトおよび前記第2X軸シャフトの中心軸は前記X軸に一致し、前記第1X軸シャフトおよび前記第2X軸シャフトは、前記X軸を中心に互いに相対的に回転可能であり、
前記Y軸回転継手は、前記第2X軸シャフトに接続された第1Y軸シャフトと、前記第1Y軸シャフトに回転可能に連結された第2Y軸シャフトを備え、前記第1Y軸シャフトおよび前記第2Y軸シャフトは、前記Y軸を中心に互いに相対的に回転可能であり、
前記Z軸回転継手は、前記第2Y軸シャフトに接続された第1Z軸シャフトと、前記第1Z軸シャフトと同軸上に連結された第2Z軸シャフトを備えており、前記第1Z軸シャフトおよび前記第2Z軸シャフトの中心軸は前記Z軸に一致し、前記第1Z軸シャフトおよび前記第2Z軸シャフトは、前記Z軸を中心に互いに相対的に回転可能であり、前記電力ケーブルは、前記第2Z軸シャフトの中心に接続されており、前記第2Z軸シャフトと同軸に配置されている、ドローンシステム。
【請求項2】
前記回転コネクタは、前記X軸回転継手と同軸上に配置されたX軸回転コネクタと、前記Y軸回転継手と同軸上に配置されたY軸回転コネクタと、前記Z軸回転継手と同軸上に配置されたZ軸回転コネクタを備える、請求項1に記載のドローンシステム。
【請求項3】
前記X軸回転コネクタは、前記ドローンの正極電線および負極電線にそれぞれ接続された2つのX軸回転端子と、前記X軸回転端子にそれぞれ接触する2つのX軸静止端子を備え、前記2つのX軸静止端子は、2つのXY電線にそれぞれ接続されており、
前記Y軸回転コネクタは、前記2つのXY電線にそれぞれ接続された2つのY軸回転端子と、前記Y軸回転端子にそれぞれ接触する2つのY軸静止端子を備え、前記2つのY軸静止端子は、2つのYZ電線にそれぞれ接続されており、
前記Z軸回転コネクタは、前記2つのYZ電線にそれぞれ接続された2つのZ軸静止端子と、前記Z軸静止端子にそれぞれ接触する2つのZ軸回転端子を備え、前記2つのZ軸回転端子は、前記電力ケーブルの正極電線および負極電線にそれぞれ接続されている、請求項2に記載のドローンシステム。
【請求項4】
前記自在継手は、前記ドローンの両側に配置されており、前記ドローンのプロペラよりも外側に配置されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のドローンシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力ケーブルを通じて電力が供給される有線ドローンシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ドローンは、空中の広い範囲を飛行することができるため、高所での撮影や観測などの目的に広く使用されている。通常、ドローンはバッテリーを内蔵しており、プロペラを回転させるためのモータは、バッテリーから供給される電力により駆動される。したがって、ドローンの飛行時間は、バッテリーの持続時間に依存する。そこで、ドローンの長時間の飛行を可能とするために、電力ケーブルを介して電力をドローンに供給する有線ドローンが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-189321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、有線ドローンは、電力ケーブル自体がドローンの動作を機械的に拘束し、ドローンの姿勢制御の妨げとなってしまう。結果として、ドローンが目的の場所まで飛行できないことがある。
【0005】
そこで、本発明は、ドローンの姿勢制御を妨げることがない有線ドローンシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様では、ドローンと、前記ドローンに固定された自在継手と、前記自在継手に連結された電力ケーブルと、前記自在継手内に配置され、前記電力ケーブルと前記ドローンの両方に電気的に接続された回転コネクタとを備え、前記自在継手は、X軸を中心に回転可能なX軸回転継手と、Y軸を中心に回転可能なY軸回転継手と、Z軸を中心に回転可能なZ軸回転継手を備え、前記X軸回転継手は、前記ドローンに固定された第1X軸シャフトと、前記第1X軸シャフトと同軸上に連結された第2X軸シャフトを備えており、前記第1X軸シャフトおよび前記第2X軸シャフトの中心軸は前記X軸に一致し、前記第1X軸シャフトおよび前記第2X軸シャフトは、前記X軸を中心に互いに相対的に回転可能であり、前記Y軸回転継手は、前記第2X軸シャフトに接続された第1Y軸シャフトと、前記第1Y軸シャフトに回転可能に連結された第2Y軸シャフトを備え、前記第1Y軸シャフトおよび前記第2Y軸シャフトは、前記Y軸を中心に互いに相対的に回転可能であり、前記Z軸回転継手は、前記第2Y軸シャフトに接続された第1Z軸シャフトと、前記第1Z軸シャフトと同軸上に連結された第2Z軸シャフトを備えており、前記第1Z軸シャフトおよび前記第2Z軸シャフトの中心軸は前記Z軸に一致し、前記第1Z軸シャフトおよび前記第2Z軸シャフトは、前記Z軸を中心に互いに相対的に回転可能であり、前記電力ケーブルは、前記第2Z軸シャフトの中心に接続されており、前記第2Z軸シャフトと同軸に配置されている、ドローンシステムが提供される。
【0007】
態様では、前記回転コネクタは、前記X軸回転継手と同軸上に配置されたX軸回転コネクタと、前記Y軸回転継手と同軸上に配置されたY軸回転コネクタと、前記Z軸回転継手と同軸上に配置されたZ軸回転コネクタを備える。
一態様では、前記X軸回転コネクタは、前記ドローンの正極電線および負極電線にそれぞれ接続された2つのX軸回転端子と、前記X軸回転端子にそれぞれ接触する2つのX軸静止端子を備え、前記2つのX軸静止端子は、2つのXY電線にそれぞれ接続されており、前記Y軸回転コネクタは、前記2つのXY電線にそれぞれ接続された2つのY軸回転端子と、前記Y軸回転端子にそれぞれ接触する2つのY軸静止端子を備え、前記2つのY軸静止端子は、2つのYZ電線にそれぞれ接続されており、前記Z軸回転コネクタは、前記2つのYZ電線にそれぞれ接続された2つのZ軸静止端子と、前記Z軸静止端子にそれぞれ接触する2つのZ軸回転端子を備え、前記2つのZ軸回転端子は、前記電力ケーブルの正極電線および負極電線にそれぞれ接続されている。
【発明の効果】
【0008】
上述した自在継手は、電力ケーブルに対するドローンの姿勢の自由度を向上させることができる。また、回転コネクタは、自在継手の動きを妨げることなく、送電を確保することができる。したがって、上述したドローンシステムは、安定した姿勢で長時間飛行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】ドローンシステムの一実施形態を示す上面図である。
図2図1に示す自在継手の一実施形態を示す模式図である。
図3】自在継手内に配置されたX軸回転コネクタ、Y軸回転コネクタ、およびZ軸回転コネクタの一実施形態を示す模式図である。
図4】自在継手の他の実施形態を示す模式図である。
図5図4に示す自在継手内に配置されたX軸回転コネクタ、Y軸回転コネクタ、およびZ軸回転コネクタの他の実施形態を示す模式図である。
図6】複数のドローンを直列に接続した一実施形態を示す模式図である。
図7】複数のドローンを直列に接続した一実施形態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1はドローンシステムの一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、ドローンシステムは、ドローン1と、ドローン1に電力を供給する電力ケーブル5と、ドローン1および電力ケーブル5に接続された自在継手10を有する。ドローン1は、3つ以上のプロペラ6と、これらプロペラ6にそれぞれ連結された複数のモータ7を備えている。本実施形態では、4つのプロペラ6および4つのモータ7が設けられている。電力ケーブル5は、自在継手10を介してドローン1に連結されている。自在継手10は、ドローン1に固定されている。より具体的には、電力ケーブル5がプロペラ6に接触しないように、自在継手10は、ドローン1の最も外側の部位に固定されている。
【0011】
図2は、自在継手10の一実施形態を示す模式図である。自在継手10は、X軸を中心に回転可能なX軸回転継手12と、Y軸を中心に回転可能なY軸回転継手15と、Z軸を中心に回転可能なZ軸回転継手18を有している。X軸回転継手12はドローン1に連結され、Y軸回転継手15はX軸回転継手12に連結され、Z軸回転継手18はY軸回転継手15および電力ケーブル5に連結されている。X軸回転継手12は、ドローン1に固定された第1X軸シャフト12Aと、第1X軸シャフト12Aと同軸上に連結された第2X軸シャフト12Bを備えている。第1X軸シャフト12Aおよび第2X軸シャフト12Bの中心軸はX軸に一致し、第1X軸シャフト12Aおよび第2X軸シャフト12Bは、X軸を中心に互いに相対的に回転可能となっている。
【0012】
Y軸回転継手15は、第2X軸シャフト12Bに接続された第1Y軸シャフト15Aと、第1Y軸シャフト15Aに回転可能に連結された第2Y軸シャフト15Bを備えている。第1Y軸シャフト15Aは、第2X軸シャフト12Bと一体に構成されてもよく、または別体として構成されてもよい。第1Y軸シャフト15Aと第2Y軸シャフト15Bは、ピボット軸16によって互いに回転可能に連結されている。このピボット軸16の軸心は、Y軸に一致する。したがって、第1Y軸シャフト15Aおよび第2Y軸シャフト15Bは、Y軸を中心に互いに相対的に回転可能となっている。
【0013】
Z軸回転継手18は、第2Y軸シャフト15Bに接続された第1Z軸シャフト18Aと、第1Z軸シャフト18Aと同軸上に連結された第2Z軸シャフト18Bを備えている。第1Z軸シャフト18Aは、第2Y軸シャフト15Bと一体に構成されてもよく、または別体として構成されてもよい。第1Z軸シャフト18Aおよび第2Z軸シャフト18Bの中心軸はZ軸に一致し、第1Z軸シャフト18Aおよび第2Z軸シャフト18Bは、Z軸を中心に互いに相対的に回転可能となっている。電力ケーブル5は、第2Z軸シャフト18Bの側部に接続されており、Z軸の周りを回転できるようになっている。
【0014】
X軸回転継手12の回転軸心であるX軸は、Y軸回転継手15の回転軸心であるY軸と垂直であり、Y軸は、Z軸回転継手18の回転軸心であるZ軸と垂直である。したがって、X軸回転継手12、Y軸回転継手15、およびZ軸回転継手18を備えた自在継手10は、電力ケーブル5に対するドローン1の自由な回転および自由な傾動を許容する。ドローン1は、空中で安定した姿勢を維持することができ、安定して飛行することができる。
【0015】
ドローンシステムは、自在継手10内に配置されたX軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41をさらに備えている。X軸回転コネクタ21は、X軸回転継手12内に配置され、Y軸回転コネクタ31はY軸回転継手15内に配置され、Z軸回転コネクタ41はZ軸回転継手18内に配置されている。X軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41は、電力ケーブル5とドローン1の両方に電気的に接続されている。すなわち、X軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41は、自在継手10の自由な動きを許容しつつ、電力ケーブル5とドローン1との電気的接続を維持することができる回転コネクタである。
【0016】
図3は、X軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41の一実施形態を示す模式図である。X軸回転コネクタ21はX軸回転継手12と同軸上に配置され、Y軸回転コネクタ31はY軸回転継手15と同軸上に配置され、Z軸回転コネクタ41はZ軸回転継手18と同軸上に配置されている。すなわち、X軸回転コネクタ21はX軸上に配置され、Y軸回転コネクタ31はY軸上に配置され、Z軸回転コネクタ41はZ軸上に配置されている。
【0017】
X軸回転コネクタ21は、ドローン1の正極電線2および負極電線3にそれぞれ接続された2つのX軸回転端子23と、これらX軸回転端子23にそれぞれ接触する2つのX軸静止端子24を備えている。2つのX軸静止端子24は、2つのXY電線27にそれぞれ接続されている。X軸回転コネクタ21とY軸回転コネクタ31は2つのXY電線27によって電気的に接続されている。
【0018】
本実施形態では、X軸回転端子23は、リング形状を有しており、X軸静止端子24は、X軸回転端子23に接触する金属ブラシから構成される。2つのX軸回転端子23は、X軸に沿って並列に配置されており、X軸を中心に回転可能である。ドローン1の正極電線2および負極電線3は、X軸回転端子23とともに回転可能となっている。このような構成を有するX軸回転コネクタ21にはスリップリングを使用することができる。
【0019】
X軸回転端子23がX軸を中心に回転しているとき、X軸静止端子24はX軸回転端子23に対して相対的に静止したままで、X軸回転端子23と接触した状態を維持している。したがって、X軸回転コネクタ21は、ドローン1の正極電線2および負極電線3がX軸回転端子23とともに回転しつつ、一方のXY電線27と正極電線2との電気的接続、および他方のXY電線27と負極電線3との電気的接続を維持することができる。
【0020】
Y軸回転コネクタ31は、上記2つのXY電線27にそれぞれ接続された2つのY軸回転端子33と、これらY軸回転端子33にそれぞれ接触する2つのY軸静止端子34を備えている。2つのY軸静止端子34は、2つのYZ電線37にそれぞれ接続されている。Y軸回転コネクタ31とZ軸回転コネクタ41は2つのYZ電線37によって電気的に接続されている。
【0021】
本実施形態では、Y軸回転端子33は、リング形状を有しており、Y軸静止端子34は、Y軸回転端子33に接触する金属ブラシから構成される。2つのY軸回転端子33は、Y軸に沿って並列に配置されており、Y軸を中心に回転可能である。2つのXY電線27は、Y軸回転端子33とともに回転可能となっている。このような構成を有するY軸回転コネクタ31にはスリップリングを使用することができる。
【0022】
Y軸回転端子33がY軸を中心に回転しているとき、Y軸静止端子34はY軸回転端子33に対して相対的に静止したままで、Y軸回転端子33と接触した状態を維持している。したがって、Y軸回転コネクタ31は、2つのXY電線27がY軸回転端子33とともに回転しつつ、2つのXY電線27と2つのYZ電線37とのそれぞれの電気的接続を維持することができる。
【0023】
Z軸回転コネクタ41は、上記2つのYZ電線37にそれぞれ接続された2つのZ軸静止端子43と、これらZ軸静止端子43にそれぞれ接触する2つのZ軸回転端子44を備えている。2つのZ軸回転端子44は、電力ケーブル5の正極電線5Aおよび負極電線5Bにそれぞれ接続されている。
【0024】
本実施形態では、Z軸回転端子44は、リング形状を有しており、Z軸静止端子43は、Z軸回転端子44に接触する金属ブラシから構成される。2つのZ軸回転端子44は、Z軸に沿って並列に配置されており、Z軸を中心に回転可能である。電力ケーブル5の正極電線5Aおよび負極電線5Bは、Z軸回転端子44とともに回転可能となっている。このような構成を有するZ軸回転コネクタ41にはスリップリングを使用することができる。
【0025】
Z軸回転端子44がZ軸を中心に回転しているとき、Z軸静止端子43はZ軸回転端子44に対して相対的に静止したままで、Z軸回転端子44と接触した状態を維持している。したがって、Z軸回転コネクタ41は、電力ケーブル5の正極電線5Aおよび負極電線5BがZ軸回転端子44とともに回転しつつ、一方のYZ電線37と電力ケーブル5の正極電線5Aとの電気的接続、および他方のYZ電線37と電力ケーブル5の負極電線5Bとの電気的接続を維持することができる。
【0026】
図3に示す構成によれば、電力は、電力ケーブル5から、Z軸回転コネクタ41、YZ電線37、Y軸回転コネクタ31、XY電線27、およびX軸回転コネクタ21を経由して、ドローン1に供給される。X軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41の組み合わせは、ドローン1が電力ケーブル5に対してあらゆる方向に傾いても、電力ケーブル5とドローン1との電気的接続を維持することができる。さらに、X軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41は、X軸回転継手12、Y軸回転継手15、およびZ軸回転継手18と同軸上にそれぞれ配置されているので、X軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41は、自在継手10の動きを妨げない。したがって、ドローン1は、その姿勢が電力ケーブル5によって妨げられることなく、長時間飛行を続けることができる。
【0027】
図4は、自在継手10の他の実施形態を示す模式図であり、図5は、図4に示す自在継手10内に配置されたX軸回転コネクタ、Y軸回転コネクタ、およびZ軸回転コネクタの他の実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成は、図2および図3に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。
【0028】
本実施形態では、電力ケーブル5は、第2Z軸シャフト18Bの中心に接続されており、第2Z軸シャフト18Bと同軸に配置されている。すなわち、電力ケーブル5は、Z軸回転継手18と同軸上に配置されている。本実施形態でも、X軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41は、X軸回転継手12、Y軸回転継手15、およびZ軸回転継手18と同軸上にそれぞれ配置されているので、X軸回転コネクタ21、Y軸回転コネクタ31、およびZ軸回転コネクタ41は、自在継手10の動きを妨げない。
【0029】
図6は、複数のドローン1を直列に接続した一実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図6に示すように、複数のドローン1は、電力ケーブル5および自在継手10によって横方向に接続されている。電力ケーブル5がドローン1のプロペラ6に接触しないように、自在継手10は、プロペラ6よりも外側に配置されている。電力は、各電力ケーブル5を経由して各ドローン1に供給される。隣接するドローン1同士の衝突を避けるために、ドローン1同士を図示しない棒状部材で連結し、電力ケーブル5を各棒状部材内に配置してもよい。
【0030】
図7は、複数のドローン1を直列に接続した一実施形態を示す模式図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6に示す実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図7に示すように、複数のドローン1は、電力ケーブル5および自在継手10によって縦方向に接続されている。電力ケーブル5がドローン1のプロペラ6に接触しないように、自在継手10は、ドローン1の中心に配置されている。
なお、図6および図7において、離着陸時などに、電力ケーブル5とドローン1の位置関係に自由度を与えすぎてドローン1の操縦を困難にしないように、X軸回転継手12、Y軸回転継手15、およびZ軸回転継手18の少なくとも1つの回転を制限するロック機構を設けてもよい。
【0031】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
【符号の説明】
【0032】
1 ドローン
2 正極電線
3 負極電線
5 電力ケーブル
5A 正極電線
5B 負極電線
6 プロペラ
7 モータ
10 自在継手
12 X軸回転継手
12A 第1X軸シャフト
12B 第2X軸シャフト
15 Y軸回転継手
15A 第1Y軸シャフト
15B 第2Y軸シャフト
16 ピボット軸
18 Z軸回転継手
18A 第1Z軸シャフト
18B 第2Z軸シャフト
21 X軸回転コネクタ
23 X軸回転端子
24 X軸静止端子
27 XY電線
31 Y軸回転コネクタ
33 Y軸回転端子
34 Y軸静止端子
37 YZ電線
41 Z軸回転コネクタ
43 Z軸静止端子
44 Z軸回転端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7