(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】吸収性物品用包装材連続体の巻体
(51)【国際特許分類】
B65H 75/38 20060101AFI20220613BHJP
【FI】
B65H75/38 Z
(21)【出願番号】P 2018163877
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】596159854
【氏名又は名称】コスモテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【氏名又は名称】藤本 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】木下 正隆
(72)【発明者】
【氏名】須藤 季晋
(72)【発明者】
【氏名】平口 裕一郎
(72)【発明者】
【氏名】岩部 康博
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-154745(JP,A)
【文献】特開2018-124713(JP,A)
【文献】特表2018-510104(JP,A)
【文献】特開平11-130102(JP,A)
【文献】特開平07-251848(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 75/00-75/50
B65H 18/00-18/28
B65D 30/00-33/38
B31B 70/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品用包装材連続体の巻体であって、
ボビン軸を備えたボビンと、
前記ボビン軸上に巻き取られたプラスチックフィルム製包装材連続体と、
を備え、
前記包装材連続体は、
互いに対向する一対の第1の面と、前記一対の第1の面に連結された互いに対向する一対の第2の面と、を含む連続体本体と、
前記連続体本体に取り付けられた複数の取っ手と、
を備え、
前記連続体本体は、前記一対の第2の面が長さ方向に延びる本体折り目に沿いつつ内向きに折り畳まれて前記第1の面同士間に位置することにより平坦状をなしており、
前記取っ手は、互いに対向する対の形で、かつ、長さ方向に互いに離間しつつ、前記一対の第1の面にそれぞれ取り付けられており、
前記包装材連続体が長さ方向に互いに離間しつつ幅方向に延びる複数の切断線に沿って切断されることにより、前記取っ手を含む包装材が複数形成されるようになっており、前記包装材は吸収性物品を包装するのに適しており、
前記包装材連続体の巻き取り方向先端が固定具によって前記ボビン軸に固定されており、
前記包装材連続体の
最内層である第1層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端に隣接して、前記連続体本体が前記ボビン軸から離間した先端側離間部分が形成されており、
前記包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端が、前記先端側離間部分に対し周方向にオフセットされている、
巻体。
【請求項2】
吸収性物品用包装材連続体の巻体であって、
ボビン軸を備えたボビンと、
前記ボビン軸上に巻き取られたプラスチックフィルム製包装材連続体と、
を備え、
前記包装材連続体は、
互いに対向する一対の第1の面と、前記一対の第1の面に連結された互いに対向する一対の第2の面と、を含む連続体本体と、
前記連続体本体に取り付けられた複数の取っ手と、
を備え、
前記連続体本体は、前記一対の第2の面が長さ方向に延びる本体折り目に沿いつつ内向きに折り畳まれて前記第1の面同士間に位置することにより平坦状をなしており、
前記取っ手は、互いに対向する対の形で、かつ、長さ方向に互いに離間しつつ、前記一対の第1の面にそれぞれ取り付けられており、
前記包装材連続体が長さ方向に互いに離間しつつ幅方向に延びる複数の切断線に沿って切断されることにより、前記取っ手を含む包装材が複数形成されるようになっており、前記包装材は吸収性物品を包装するのに適しており、
前記包装材連続体の巻き取り方向先端が固定具によって前記ボビン軸に固定されており、
前記包装材連続体の
最内層である第1層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端に隣接して、前記連続体本体が前記ボビン軸から離間した末端側離間部分が形成されており、
前記包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端が、前記末端側離間部分に対し周方向にオフセットされている、
巻体。
【請求項3】
吸収性物品用包装材連続体の巻体であって、
ボビン軸を備えたボビンと、
前記ボビン軸上に巻き取られたプラスチックフィルム製包装材連続体と、
を備え、
前記包装材連続体は、
互いに対向する一対の第1の面と、前記一対の第1の面に連結された互いに対向する一対の第2の面と、を含む連続体本体と、
前記連続体本体に取り付けられた複数の取っ手と、
を備え、
前記連続体本体は、前記一対の第2の面が長さ方向に延びる本体折り目に沿いつつ内向きに折り畳まれて前記第1の面同士間に位置することにより平坦状をなしており、
前記取っ手は、互いに対向する対の形で、かつ、長さ方向に互いに離間しつつ、前記一対の第1の面にそれぞれ取り付けられており、
前記包装材連続体が長さ方向に互いに離間しつつ幅方向に延びる複数の切断線に沿って切断されることにより、前記取っ手を含む包装材が複数形成されるようになっており、前記包装材は吸収性物品を包装するのに適しており、
前記包装材連続体の巻き取り方向先端が固定具によって前記ボビン軸に固定されており、
前記包装材連続体の
最内層である第1層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端に隣接して、前記連続体本体が前記ボビン軸から離間した先端側離間部分が形成されており、
前記包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端が、前記先端側離間部分に対し周方向にオフセットされており、
前記包装材連続体の
前記第1層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端に隣接して、前記連続体本体が前記ボビン軸から離間した末端側離間部分が形成されており、
前記包装材連続体の
前記第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端が、前記末端側離間部分に対し周方向にオフセットされている、
巻体。
【請求項4】
前記包装材連続体は、その前記巻き取り方向先端に隣接して、幅方向に拡がるシール部分を備える、請求項1から3までのいずれか一項に記載の巻体。
【請求項5】
前記包装材連続体が、長さ方向に互いに離間しつつそれぞれ幅方向に延びる複数のシール部分を備え、前記シール部分は、後に形成される前記包装材の頂端に隣接するように、前記包装材連続体において位置決めされている、請求項1から4までのいずれか一項に記載の巻体。
【請求項6】
前記取っ手が、取っ手折り目に沿い折り曲げられて互いに重ね合わされた後に仮止めされた重畳部を含んでおり、前記取っ手折り目が、前記本体折り目に対し幅方向にオフセットされている、請求項1から5までのいずれか一項に記載の巻体。
【請求項7】
前記取っ手の幅方向外端が、前記第1の面の幅方向外端よりも幅方向内側に位置する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の巻体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品用包装材連続体の巻体に関する。
【背景技術】
【0002】
紙オムツのような吸収性物品を包装して包装品を形成するためのプラスチックフィルム製包装材であって、平坦状に折り畳まれた包装材本体と、包装材本体の前面及び後面にそれぞれ取り付けられた取っ手と、を備える包装材が公知である(特許文献1参照)。このような取っ手により、包装品の取り扱いが容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した包装品は、包装材及び吸収性物品をそれぞれ包装機械に供給し、包装機械において吸収性物品を包装材により包装することにより、製造される。この場合、包装機械に包装材を連続的に供給できれば、包装品の製造速度を高めることができると考えられる。
【0005】
この点、複数の包装材を長さ方向に順次連結して包装材連続体を形成し、この包装材連続体をボビンに巻き取ることにより巻体を形成すれば、包装材の連続供給が容易になると考えられる。すなわち、巻体から包装材連続体を巻き戻して、順次切断することにより、包装材を連続的に包装機械に供給することが可能となる。
【0006】
しかしながら、上述の取っ手は包装材本体から厚さ方向外向きに突出しており、したがって包装材連続体の厚さは長さ方向に見て一様でない。詳しくは後述するが、このように厚さが一様でない包装材連続体から巻体を形成するときに、包装材連続体をただ単にボビンに巻き取ると、包装材連続体が破損又は変形するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、以下の構成が提供される。
[構成1]
吸収性物品用包装材連続体の巻体であって、
ボビン軸を備えたボビンと、
前記ボビン軸上に巻き取られたプラスチックフィルム製包装材連続体と、
を備え、
前記包装材連続体は、
互いに対向する一対の第1の面と、前記一対の第1の面に連結された互いに対向する一対の第2の面と、を含む連続体本体と、
前記連続体本体に取り付けられた複数の取っ手と、
を備え、
前記連続体本体は、前記一対の第2の面が長さ方向に延びる本体折り目に沿いつつ内向きに折り畳まれて前記第1の面同士間に位置することにより平坦状をなしており、
前記取っ手は、互いに対向する対の形で、かつ、長さ方向に互いに離間しつつ、前記一対の第1の面にそれぞれ取り付けられており、
前記包装材連続体が長さ方向に互いに離間しつつ幅方向に延びる複数の切断線に沿って切断されることにより、前記取っ手を含む包装材が複数形成されるようになっており、前記包装材は吸収性物品を包装するのに適しており、
前記包装材連続体の巻き取り方向先端が固定具によって前記ボビン軸に固定されており、
前記包装材連続体の第1層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端に隣接して、前記連続体本体が前記ボビン軸から離間した先端側離間部分が形成されており、
前記包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端が、前記先端側離間部分に対し周方向にオフセットされている、
巻体。
【0008】
構成1によれば、包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端によって先端側離間部分が破損又は変形するのを制限することができ、したがって巻体において包装材連続体が破損又は変形するのを制限することができる。
【0009】
[構成2]
吸収性物品用包装材連続体の巻体であって、
ボビン軸を備えたボビンと、
前記ボビン軸上に巻き取られたプラスチックフィルム製包装材連続体と、
を備え、
前記包装材連続体は、
互いに対向する一対の第1の面と、前記一対の第1の面に連結された互いに対向する一対の第2の面と、を含む連続体本体と、
前記連続体本体に取り付けられた複数の取っ手と、
を備え、
前記連続体本体は、前記一対の第2の面が長さ方向に延びる本体折り目に沿いつつ内向きに折り畳まれて前記第1の面同士間に位置することにより平坦状をなしており、
前記取っ手は、互いに対向する対の形で、かつ、長さ方向に互いに離間しつつ、前記一対の第1の面にそれぞれ取り付けられており、
前記包装材連続体が長さ方向に互いに離間しつつ幅方向に延びる複数の切断線に沿って切断されることにより、前記取っ手を含む包装材が複数形成されるようになっており、前記包装材は吸収性物品を包装するのに適しており、
前記包装材連続体の巻き取り方向先端が固定具によって前記ボビン軸に固定されており、
前記包装材連続体の第1層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端に隣接して、前記連続体本体が前記ボビン軸から離間した末端側離間部分が形成されており、
前記包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端が、前記末端側離間部分に対し周方向にオフセットされている、
巻体。
【0010】
構成2によれば、包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端によって末端側離間部分が破損又は変形するのを制限することができ、したがって巻体において包装材連続体が破損又は変形するのを制限することができる。
【0011】
[構成3]
吸収性物品用包装材連続体の巻体であって、
ボビン軸を備えたボビンと、
前記ボビン軸上に巻き取られたプラスチックフィルム製包装材連続体と、
を備え、
前記包装材連続体は、
互いに対向する一対の第1の面と、前記一対の第1の面に連結された互いに対向する一対の第2の面と、を含む連続体本体と、
前記連続体本体に取り付けられた複数の取っ手と、
を備え、
前記連続体本体は、前記一対の第2の面が長さ方向に延びる本体折り目に沿いつつ内向きに折り畳まれて前記第1の面同士間に位置することにより平坦状をなしており、
前記取っ手は、互いに対向する対の形で、かつ、長さ方向に互いに離間しつつ、前記一対の第1の面にそれぞれ取り付けられており、
前記包装材連続体が長さ方向に互いに離間しつつ幅方向に延びる複数の切断線に沿って切断されることにより、前記取っ手を含む包装材が複数形成されるようになっており、前記包装材は吸収性物品を包装するのに適しており、
前記包装材連続体の巻き取り方向先端が固定具によって前記ボビン軸に固定されており、
前記包装材連続体の第1層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端に隣接して、前記連続体本体が前記ボビン軸から離間した先端側離間部分が形成されており、
前記包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端が、前記先端側離間部分に対し周方向にオフセットされており、
前記包装材連続体の第1層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端に隣接して、前記連続体本体が前記ボビン軸から離間した末端側離間部分が形成されており、
前記包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端が、前記末端側離間部分に対し周方向にオフセットされている、
巻体。
【0012】
構成3によれば、包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向末端端によって先端側離間部分が破損又は変形するのを制限することができ、同時に、包装材連続体の第2層に含まれる取っ手の巻き取り方向先端によって末端側離間部分が破損又は変形するのを制限することができ、巻体において包装材連続体が破損又は変形するのを制限することができる。
【0013】
[構成4]
前記包装材連続体は、その前記巻き取り方向先端に隣接して、幅方向に拡がるシール部分を備える、構成1から3までのいずれか一に記載の巻体。
【0014】
構成4によれば、ボビン軸2aに固定される位置における第1の面同士の間、第2の面同士の間、及び、第1の面と第2の面との間の相対移動がシール部分によって制限され、したがってボビン軸上に巻き取られた包装材連続体に皺などが形成されるのを制限することができる。
【0015】
[構成5]
前記包装材連続体が、長さ方向に互いに離間しつつそれぞれ幅方向に延びる複数のシール部分を備え、前記シール部分は、後に形成される前記包装材の頂端に隣接するように、前記包装材連続体において位置決めされている、構成1から4までのいずれか一に記載の巻体。
【0016】
構成5によれば、巻体から巻き戻された包装材連続体から形成された包装材の巻き戻し方向先端が開放端となるので、吸収性物品を包装材内に容易に収容することができる。
【0017】
[構成6]
前記取っ手が、取っ手折り目に沿い折り曲げられて互いに重ね合わされた後に仮止めされた重畳部を含んでおり、前記取っ手折り目が、前記本体折り目に対し幅方向にオフセットされている、構成1から5までのいずれか一に記載の巻体。
【0018】
本体折り目における連続体本体の厚さは、連続体本体の他の部分の厚さよりも大きくなるおそれがあり、取っ手折り目における取っ手の厚さは、他の取っ手の部分の厚さよりも大きくなるおそれがある。このため、取っ手折り目が本体折り目と幅方向に重なっていると、先端側離間部分及び末端側離間部分の高さがより大きくなるおそれがある。構成6によれば、取っ手折り目が本体折り目に対し幅方向にオフセットされているので、先端側離間部分及び末端側離間部分の高さを制限することができ、包装材連続体が破損又は変形するのをより制限することができる。
【0019】
[構成7]
前記取っ手の幅方向外端が、前記第1の面の幅方向外端よりも幅方向内側に位置する、構成1から6までのいずれか一に記載の巻体。
【0020】
包装材連続体がボビン上に巻き取られるときに、包装材連続体が幅方向に蛇行又は振動すると、包装材連続体がその幅方向外端周りにおいてボビンの側壁に衝突して折り曲げられるおそれがある。この場合、包装材連続体の幅方向外端周りにおいて取っ手と連続体本体とが互いに重なっていると、包装材連続体の折り曲げられた部分が、後続の層の包装材連続体に干渉するおそれがある。構成7によれば、包装材連続体の折り曲げられた部分が、後続の層の包装材連続体に干渉するのが制限される。
【発明の効果】
【0021】
巻体において包装材連続体が破損又は変形するのを制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明による実施形態の巻体の概略斜視図である。
【
図2】本発明による実施形態の包装材連続体の模式的平面図である。
【
図3】本発明による実施形態の包装材連続体の模式的側面図である。
【
図4】本発明による実施形態の包装材連続体の、
図2の線IV-IVに沿ってみた模式的断面図である。
【
図5】本発明による実施形態の重畳部の模式的斜視図である。
【
図6】各部分の幅方向位置を説明する、
図4と同様な包装材連続体の模式的断面図である。
【
図7】本発明による実施形態の包装材の模式的斜視図である。
【
図8】本発明による実施形態の包装品の模式的斜視図である。
【
図9】取っ手が使用状態にある、本発明による実施形態の包装品の模式的斜視図である。
【
図10】巻き取り開始時における、本発明による実施形態の巻体の模式的平面図である。
【
図11】本発明による実施形態の巻体の模式的部分断面図である。
【
図12】本発明による実施形態の巻体の模式的部分断面図である。
【
図13】好ましくない例の巻体の模式的部分断面図である。
【
図14】好ましくない例の巻体の模式的部分断面図である。
【
図15】本発明による実施形態における包装材連続体の模式的平面図である。
【
図16】(A)本発明による実施形態の巻体の模式的部分断面図、(B)好ましくない例の巻体の模式的部分断面図である。
【
図17】本発明による別の実施形態を説明する、
図4と同様の包装材連続体の模式的断面図である。
【
図18】本発明による更に別の実施形態を説明する、
図6と同様の包装材連続体の模式的断面図である。
【
図19】本発明による更に別の実施形態を説明する、
図6と同様の包装材連続体の模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1を参照すると、本発明による実施形態の吸収性物品用包装材連続体の巻体1は、ボビン2と、プラスチックフィルム製包装材連続体3とを備える。ボビン2は、円筒状のボビン軸2aと、一対の側壁2b,2bとを備える。包装材連続体3は、全体として、長尺平坦状又はウェブ状をなしており、一対の側壁2b,2b間においてボビン軸2a上に巻き取られている。なお、
図1では、巻体1は、包装材連続体3が部分的に巻き戻された状態で示されている。また、
図1において、ボビン2がその回転軸線回りに、巻き取り方向WDに回転されると、包装材連続体3がボビン2に巻き取られ、ボビン2が巻き戻し方向UWDに回転されると、包装材連続体3がボビン2から巻き戻される。
【0024】
図2、
図3,及び
図4はそれぞれ、本発明による実施形態の包装材連続体3の模式的平面図、模式的側面図、及び、
図2の線IV-IVに沿ってみた模式的断面図、をそれぞれ示す。なお、
図8を除く図面において、L、W、及びTはそれぞれ、包装材連続体3又は包装材の長さ方向、幅方向、及び、厚さ方向を表している。
【0025】
図2から
図4を参照すると、本発明による実施形態の包装材連続体3は、連続体本体4と、連続体本体4に取り付けられた複数の取っ手5と、を備える。特に
図4に示されるように、連続体本体4は、互いに対向する一対の第1の面4aa,4abと、互いに対向する一対の第2の面4b,4bと、を含む。これら第1の面4aa,4abと第2の面4b,4bとは、長さ方向Lにそれぞれ延びる4つのコーナー折り目6c,6c,6c,6cを介して互いに連結されており、長さ方向Lに延びる内部空間Sを画定する。本発明による実施形態では、一対の第2の面4b,4bが、コーナー折り目6c,6c,6c,6cと、第2の面4b,4b内を長手方向Lに延びるマチ折り目6g,6gとに沿いつつ、内向きに、すなわち内部空間Sの中央に向けて折り畳まれている。その結果、第2の面4b,4bが第1の面4aa,4ab同士間に位置し、それによって連続体本体4は平坦状又はウェブ状をなす。したがって、連続体本体4に設けられる折り目を本体折り目と称すると、連続体本体4は、一対の第2の面4b,4bが長さ方向Lに延びる本体折り目に沿いつつ内向きに折り畳まれて第1の面4aa,4ab同士間に位置することにより平坦状をなしている、ということになる。本発明による実施形態では、本体折り目は、コーナー折り目6c及びマチ折り目6gを含む。なお、本発明による実施形態では、第1の面4aa,4abに折り目が設けられていない。
【0026】
一方、本発明による実施形態では、取っ手5は、互いに対向する対の形で、連続体本体4の一対の第1の面4aa,4abにそれぞれ取り付けられ、更に、このような取っ手の対が長さ方向Lに互いに離間して複数設けられる。言い換えると、本発明による実施形態の取っ手5は、長さ方向Lに互いに離間しつつ一方の第1の面4aa上に設けられた取っ手5と、長さ方向Lに互いに離間しつつ、対応する取っ手5と対面するように、他方の第1の面4ab上に設けられた取っ手5と、を備える。この場合、取っ手5は長さ方向Lにあらかじめ定めらた長さ(長さ方向L寸法)ごとに設けられる。この場合、特に
図3からわかるように、取っ手5はそれぞれ、連続体本体4から厚さ方向T外向きに突出することになる。
【0027】
本発明による実施形態の取っ手5はそれぞれ、幅方向Wに延びる帯状をなしている。なお、
図4において、5oは取っ手5の幅方向W外端を示している。本発明による実施形態では、取っ手5は、幅方向Wに互いに離間した一対の取付部7,7において、例えば、熱溶着、超音波溶着により、第1の面4aa,4abにそれぞれ取り付けられる。
図4には、本発明による実施形態の取付部7の溶着された部分がドット領域の形で示される。本発明による実施形態では、取付部7はそれぞれ、取っ手5と、第1の面4aaと、この第1の面4aaに対面する第2の面4abの部分と、を互いに接合する。なお、本発明による実施形態の第1の面4aa,4abには、印刷が施されるけれども、取付部7,7に対面する部分には、印刷が施されない。このようにすると、取っ手5を第1の面4aa,4abにより確実に取り付けることができる。
【0028】
本発明による実施形態では、取っ手5はそれぞれ、一対の取付部7,7同士間において、複数の取っ手折り目6h
i,6h
oに沿い折り曲げられて互いに重ね合わされた後に仮止めされた重畳部8を含む。
図4とともに
図5を参照すると、本発明による実施形態の重畳部8では、取っ手5は、一方の取付部7から他方の取付部7に向けて幅方向Wに延び、次いで取っ手折り目6h
iに沿って連続体本体4に近づくよう折り曲げられ、次いで取っ手折り目6h
oに沿って連続体本体4に近づくよう折り曲げられ、次いで取っ手折り目6h
oに沿って連続体本体4から離れるよう折り曲げられ、次いで取っ手折り目6h
iに沿って連続体本体4から離れるよう折り曲げられ、次いで他方の取付部7に到る。本発明による実施形態では、取っ手折り目6h
i,6hoは4つ設けられ、それぞれ長さ方向Lに延びる。次いで、互いに重ね合わされた取っ手5の部分同士が複数の仮止め部9によって仮止めされる。なお、本発明による実施形態の仮止め部9は、取っ手5を第1の面4aa又は連続体本体4に接合しない。このようにして、本発明による実施形態の重畳部8が形成される。仮止め部9は、例えば、熱溶着、超音波溶着により、形成される。仮止め部9では、例えば上述の取付部7と比べて、容易に分離可能に、取っ手5の部分同士が互いに接合されている。なお、本発明による実施形態の包装材連続体3は、
図4に示される幅方向Wの中心面WCに関して、対称的に形成される。また、本発明による実施形態の包装材連続体3は、
図4に示される厚さ方向Tの中心面TCに関して、対称的に形成される。
【0029】
図6には、本発明による実施形態における取っ手折り目6h
i,6ho及び本体折り目
6c,6gの幅方向W位置などが示される。
図6を参照すると、P6hiは幅方向W内側に位置する2つの取っ手折り目6h
iの幅方向W位置を、P6hoは幅方向W外側に位置する2つの取っ手折り目6h
oの幅方向W位置を、P6cはコーナー折り目6cの幅方向W位置を、P6gはマチ折り目6gの幅方向W位置を、それぞれ示す。
図6からわかるように、取っ手折り目6h
i,6hoは、コーナー折り目6c及びマチ折り目6g、すなわち本体折り目6c,6gに対し幅方向Wにオフセットされている。言い換えると、取っ手折り目6h
i,6hoは、コーナー折り目6c及びマチ折り目6gと幅方向Wに重ならない。取っ手折り目6h
i,6ho周りの取っ手5の部分の厚さ(厚さ方向T寸法)は、取っ手5の他の部分の厚さよりも大きいおそれがあり、本体折り目6c,6g周りの連続体本体4の部分の厚さは、連続体本体4の他の部分の厚さよりも大きいおそれがある。本発明による実施形態では、取っ手折り目6h
i,6hoが本体折り目6c,6gに対し幅方向Wにオフセットされているので、包装材連続体3の厚さが制限される。なお、本発明による実施形態では、マチ折り目6gの位置P6gは、内側の取っ手折り目6h
iの位置P6hiと、外側の取っ手折り目6h
oの位置P6hoとの間にある。したがって、この実施形態では、
図6に示される幅方向Wの範囲OL,OLにおいて、重畳部8と第2の面4b,4bとが互いに重なっている。
【0030】
更に
図6を参照すると、P7iは取付部7の幅方向W内端の幅方向W位置を、P7oは取付部7の幅方向W外端の幅方向W位置を、それぞれ示す。
図6に示されるように、取付部7の幅方向W内端及び外端は、本体折り目6c,6gに対し幅方向Wにオフセットされている。取っ手5は、取付部7の幅方向W内端から幅方向W内側に向かうにつれて連続体本体4又は第1の面4aa,4abから離れるよう延びるおそれがあり、取付部7の幅方向W外端から幅方向W外側に向かうにつれて連続体本体4又は第1の面4aa,4abから離れるよう延びるおそれがあり、これらの位置において取っ手5の厚さが大きくなるおそれがある。本発明による実施形態では、取付部7の幅方向W内端及び外端が本体折り目6c,6gに対し幅方向Wにオフセットされているので、包装材連続体3の厚さがより制限される。
【0031】
更に
図6を参照すると、P4oは連続体本体4又は第1の面4aa,4abの幅方向W外端、すなわちコーナー折り目6cの幅方向W位置を、P5oは取っ手5の幅方向W外端5oの幅方向W位置を、それぞれ示す。
図6に示されるように、本発明による実施形態では、取っ手5の幅方向W外端5oの幅方向W位置P5oは、連続体本体4又は第1の面4aa,4abの幅方向W外端の幅方向W位置P4oよりも幅方向W内側に位置する。この場合、幅方向W位置P4o,P4o間の幅方向W長さW4は連続体本体4又は第1の面4aa,4abの幅(幅方向W寸法)を表しており、幅方向W位置P5o,P5o間の幅方向W長さW5は折り畳み状態にある取っ手5の幅を表している。したがって、本発明による実施形態では、折り畳み状態にある取っ手5の幅W5は、連続体本体4又は第1の面4aa,4abの幅W4よりも短い、ということになる。言い換えると、取っ手5の幅方向W外端と連続体本体4又は第1の面4aa,4abの幅方向W外端との間の幅方向Wの範囲Mにおいて、取っ手5は、連続体本体4又は第1の面4aa,4abと重なっていない。
【0032】
上述したように、本発明による実施形態の包装材連続体3、すなわち連続体本体4及び取っ手5は、プラスチックフィルムから形成される。このプラスチックには、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、が含まれる。一例では、連続体本体4と取っ手5とは互いに同じ材料から形成される。別の例では、連続体本体4と取っ手5とは互いに異なる材料から形成される。
【0033】
再び
図2及び
図3を参照すると、本発明による実施形態の包装材連続体3は、長さ方向Lに互いに離間しつつ、幅方向Wにそれぞれ延びる複数のシール部分10が設けられる。シール部分10は、包装材連続体3の全幅にわたり延びており、第1の面4aa,4ab及び第2の面4b,4bを、例えば、熱溶着、超音波溶着により、互いに接合し、それによって、上述の内部空間Sを長さ方向Lに分割する。なお、シール部分10は長さ方向Lに、あらかじめ定められた長さごとに設けられる。
【0034】
さて、本発明による実施形態では、包装材連続体3が巻体1から巻き戻し方向UWDに連続的に巻き戻され、次いで長さ方向Lに切断機械(図示しない)に送られる。切断機械では、幅方向Wに延びるカッター(図示しない)によって包装材連続体3があらかじめ定められた長さごとに切断され、複数の包装材に切断又は分割される。言い換えると、包装材連続体3が長さ方向Lに互いに離間しつつ幅方向Wに延びる複数の切断線に沿って切断されることにより、取っ手5を含む包装材が複数形成されるようになっている。
図2には、本発明による実施形態の切断線11が示されている。この場合、切断線11は長さ方向Lにあらかじめ定められた長さごとに位置する。なお、切断線11は、包装材連続体3が切断機械によって切断される位置を示すに過ぎず、包装材連続体3にあらかじめ設けられた構成要素ではない。
【0035】
図7には、本発明による実施形態の1つの包装材12が示される。
図7を参照すると、本発明による実施形態の包装材12は、連続体本体4に対応する包装材本体13と、一対の取っ手5とを備える。また、本発明による実施形態では、包装材12の長さ方向Lの一端、すなわち頂端12etに隣接して、上述のシール部分10が位置する。したがって、本発明による実施形態では、包装材連続体3が、長さ方向Lに互いに離間しつつそれぞれ幅方向Wに延びる複数のシール部分10を備え、シール部分10は、後に形成される包装材12の頂端12etに隣接するように、包装材連続体3において位置決めされている、ということになる。あるいは、シール部分10が包装材12の頂端12etに隣接するように、包装材連続体3が切断される、と考えることもできる。一方、包装材12の長さ方向Lの他端、すなわち底端12eBは開放されている。
【0036】
なお、包装材12の長さをL12で表すとすると、上述の切断線11は長さL12ごとに包装材連続体3に位置する。同様に、取っ手5及びシール部分10も長さL12ごとに包装材連続体3に設けられる。
【0037】
また、本発明による実施形態のシール部分10は、
図7に示されるように、幅方向Wに不連続であり、すなわち1又は複数の未シール部分10dを含む。その結果、包装材12の頂端12etにおいて、包装材12の内部空間Sが未シール部分10を介して包装材12の外部空間Pと連通する。包装材12に切断される前の包装材連続体3においては、未シール部分10dは、シール部分10に関し、巻き取り方向WD側に位置する内部空間Sと巻き戻し方向UWD側に位置する内部空間Sとを互いに連通する。
【0038】
更に
図7を参照すると、本発明による実施形態の包装材12には、頂端12etを含む頂部12tと、底端12ebを含む底部12bと、長さ方向Lに関し頂部12tと底部12bとの間の中間部12mと、が画定される。頂部12tには、上述の取っ手5及びシール部分10が含まれる。
【0039】
本発明による実施形態では、包装材12は平坦状のまま、次いで包装機械(図示しない)に順次供給される。包装機械では、包装機械に別途供給された被包装物が包装材12によって包装されて包装品が形成される。具体的には、包装材12が拡げられて内部空間Sが拡大され、この内部空間S内に被包装物が収容される。この場合、本発明による実施形態では、上述したようにシール部分10に未シール部分10dが設けられるので、内部空間S内に被包装物を収容するときに内部空間S内の空気が内部空間S外に容易に排出される。したがって、被包装物を内部空間S内に容易に収容することができる。次いで、包装材12の底部がシールされる。このようにして、包装品が連続的に形成される。
【0040】
図8には、本発明による実施形態の包装品14が示される。
図8を参照すると、包装品14は、上述の包装材12と、包装材12により包装された被包装物15と、を備える。本発明による実施形態では、包装材12は吸収性物品を包装するのに適している。すなわち、被包装物15は吸収性物品である。吸収性物品には、人用又はペット用の使い捨てオムツ、生理用ナプキン、尿吸収パッド等が含まれる。なお、
図8において、H、W、及びDはそれぞれ、包装品14の高さ方向、幅方向、及び、奥行き方向を表している。
【0041】
図8を更に参照すると、本発明による実施形態の包装品14は、縦長の直方体形状をなし、頂壁14tと、底壁14bと、頂壁14tと底壁14bとの間で筒状をなす中間壁14mと、を備える。中間壁14mは、前壁14fと、後壁14rと、一対の側壁14s,14sと、を備える。包装品14の頂壁14t、底壁14b、及び中間壁14mはそれぞれ、上述した包装材12の頂部12t、底部12b、及び中間部12mによって形成される。したがって、上述の取っ手5は包装品14の頂壁14tに位置する。
【0042】
図9には、取っ手5が使用可能状態にある、本発明による実施形態の包装品14が示される。
図9に示される状態では、仮止め部9が解放され、重畳部8が折り戻され、環状をなしている。その結果、包装品14の取り扱い者は取っ手5を持って包装品14を容易に取り扱うことが可能となる。また、本発明による実施形態では、取っ手5が重畳部8を備えているので、取っ手の5の長さを、包装品14の幅よりも長くすることができる。その結果、包装品14の取り扱いが更に容易になる。
【0043】
さて、本発明による実施形態の巻体1は、上述したように、包装材連続体3をボビン2のボビン軸2a上に巻き取ることにより、形成される。この場合、本発明による実施形態では、
図10に示されるように、まず、包装材連続体3の巻き取り方向WDの先端3euが固定具20によってボビン軸2aに固定される。固定具20は一例では、粘着テープである。次いで、ボビン2が巻き取り方向WDに回転され、それによって包装材連続体3がボビン軸2a上に巻き取られる。このように固定具20を用いると、巻き取り時又は巻き戻し時に、包装材連続体3がボビン軸2aに対し滑るのが制限される。また、包装材連続体3に皺などが形成されるのが制限される。
【0044】
また、本発明による実施形態では、上述したように、包装材連続体3の巻き取り方向WD先端3euが、後に形成される包装材12の頂端12etを構成する。このため、包装材連続体3の巻き取り方向WD先端3euに隣接して、シール部分10が位置する。その結果、ボビン軸2aに固定される位置における包装材連続体3の第1の面4aa,4ab同士、第2の面4b,4b同士、及び、第1の面4aa,4abと第2の面4b,4bとの間の相対移動がシール10によって制限される。したがって、包装材連続体3に皺などが形成されるのが制限される。
【0045】
更に、本発明による実施形態では、包装材連続体3において、後に形成される包装材12の頂端12etが巻き取り方向WD側に位置し、後に形成される包装材12の底端12ebが巻き戻し方向UWD側に位置する。その結果、開放端である底端12ebが包装材12の巻き戻し方向UWD先端となる。言い換えると、開放端である底端12ebが包装機械に向かうよう包装材12が搬送される。したがって、包装材12の内部空間S内に被包装物を容易に収容することができる。
【0046】
更に本発明による実施形態では、上述したようにシール部分10に未シール部分10dが設けられるので、包装材連続体3の巻き取り時に、内部空間S内の空気が未シール部分10dを介し排出される。その結果、内部空間S内の空気によって、包装材連続体3又は連続体本体4に皺などが形成されるのが制限される。
【0047】
図11は、本発明による実施形態における、包装材連続体3の巻き取り方向WD先端3eu周りの巻体1の模式的断面図であって、ボビン2の回転軸線に垂直な模式的断面図を示している。
図11を参照すると、3fはボビン軸2a上に巻き取られた包装材連続体3の第1層又は最内層を、3sは包装材連続体3の第1層3f上に重なる包装材連続体3の第2層を、それぞれ示している。また、
図11において、4f及び5fは包装材連続体3の第1層3fに含まれる連続体本体4及び取っ手5を、4s及び5sは包装材連続体3の第2層3sに含まれる連続体本体4及び取っ手5を、それぞれ示している。なお、包装材連続体3の第1層3fに含まれる取っ手5fは、包装材連続体3の巻き取り方向WD先端3euから長さ方向Lに数えて1つ目の取っ手5である。これに対し、包装材連続体3の第2層3sに含まれる取っ手5sは包装材連続体3の巻き取り方向WD先端3euから長さ方向Lに数えて2つ目の取っ手5の場合もあれば、そうでない場合もある。
【0048】
巻き取り方向WD先端3euから始まる包装材連続体3の第1層3fは、概ね、ボビン軸2aの外周面に接触しつつ、ボビン軸2a上に巻き取られる。しかしながら、上述したように、取っ手5は連続体本体4から厚さ方向外向きに突出する。このため、第1層において、取っ手5fから離れた連続体本体4fはボビン軸2aに接触するけれども、取っ手5fに隣接する連続体本体4fの部分は、ボビン軸2aから半径方向外向きに離間する。すなわち、
図11に示されるように、取っ手5fの巻き取り方向WD先端5fuに隣接して、連続体本体4がボビン軸2aから離間した先端側離間部分Auが形成される。また、取っ手5fの巻き取り方向WD末端5fdに隣接して、連続体本体4がボビン軸2aから離間した末端側離間部分Adが形成される。
【0049】
その上で、本発明による実施形態では、包装材連続体3の第2層3sに含まれる取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdが先端側離間部分Auに対し周方向にオフセットされている。言い換えると、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdが先端側離間部分Auに対し周方向に重なっていない。具体的に説明すると、
図11に示される例では、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdは、先端側離間部分Auよりも巻き戻し方向UWD側に位置している。
図12に示される例で
も、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdは、先端側離間部分Auよりも巻き
戻し方向
UWD側に位置する。
【0050】
図13には、包装材連続体3の第2層3sに含まれる取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdが先端側離間部分Auに周方向に重なっている場合が示される。本発明による実施形態では、包装材連続体3又は連続体本体4に皺などが生じるのを制限するために、包装材連続体3又は連続体本体4に長さ方向Lに一定の張力が与えられながら、巻き取りが進行される。このため、先端側離間部分Au及び末端側離間部分Sdは伸張状態にある。このような状態のもと、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdが先端側離間部分Auに重なると、先端側離間部分Auが、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sd、特に角部によって、半径方向内向きに押し下げられるおそれがある。その結果、先端側離間部分Auが変形、特に塑性変形し、又は、破損するおそれがある。
【0051】
本発明による実施形態では、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdが先端側離間部分Auに対し周方向にオフセットされているので、先端側離間部分Au又は包装材連続体3が取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdによって破損又は変形するのが制限される。したがって、高品質の包装材12又は包装品14をより確実に得ることができる。
【0052】
また、本発明による実施形態では、包装材連続体3の第2層3sに含まれる取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suが末端側離間部分
Adに対し周方向にオフセットされている。言い換えると、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suが末端側離間部分
Adに対し周方向に重なっていない。具体的に説明すると、
図11に示される例では、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suは、末端側離間部分
Adよりも巻き戻し方向UWD側に位置している。
図12に示される例では、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suは、末端側離間部分
Adよりも巻き取り方向WD側に位置する。
【0053】
図14には、包装材連続体3の第2層3sに含まれる取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suが末端側離間部分Adに周方向に重なっている場合が示される。この場合、末端側離間部分Auが、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suによって、変形又は破損するおそれがある。
【0054】
本発明による実施形態では、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suが末端側離間部分Adに対し周方向にオフセットされているので、末端側離間部分Ad又は包装材連続体3が取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suによって破損又は変形するのが制限される。したがって、高品質の包装材12又は包装品14をより確実に得ることができる。
【0055】
特に、本発明による実施形態では、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdが先端側離間部分Auに対し周方向にオフセットされており、かつ、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suが末端側離間部分Adに対し周方向にオフセットされている。したがって、先端側離間部分Au及び末端側離間部分Adが取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sd及び巻き取り方向WD先端5suによって、破損又は変形するのが制限される。したがって、高品質の包装材12又は包装品14を更に確実に得ることができる。
【0056】
更に、本発明による実施形態では、上述したように、例えば、取っ手折り目6hi,6hoが本体折り目6c,6gに対し幅方向Wにオフセットされ、それにより取っ手5の厚さが制限されている。その結果、先端側離間部分Au及び末端側離間部分Adの半径方向高さが制限される。したがって、先端側離間部分Au及び後端側離間部分Adが変形又は破損するのが更に制限される。
【0057】
このように本発明による実施形態では、包装材連続体3の第2層3sに含まれる取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdと先端側離間部分Auとの相対位置、及び、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suと末端側離間部分Adとの相対位置があらかじめ設定される。このことを、
図15を参照して更に説明する。
【0058】
図15は、本発明による実施形態における、巻き取り方向WD先端3eu周りの包装材連続体3の模式的平面図である。
図15を参照すると、先端側離間部分Auを形成する連続体本体4の領域RAu、及び、末端側離間部分Adを形成することになる連続体本体4の領域RAdがそれぞれ、ドット領域の形で示される。また、
図15には、包装材連続体3の第2層3sに含まれる取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdから、巻き取り方向WD先端3euまでの長さLuu、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdから、包装材連続体3の第1層3fに含まれる取っ手5fの巻き取り方向WD先端5fuまでの長さLud、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suから、取っ手5fの巻き取り方向WD末端5fdまでの長さLdu、及び、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suから、領域RAdの巻き取り方向WD末端ERAdまでの長さLddが示される。なお、領域RAdの巻き取り方向WD末端ERAdの長さ方向Lの位置は、例えば、ボビン軸2aの半径、及び、取っ手5fの厚さに基づいて、あらかじめ求めることができる。
【0059】
本発明による実施形態では、上述したように、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdが先端側離間部分Auに対し周方向にオフセットされている。このことは、大まかに言うと、取っ手5sの巻き取り方向WD末端5sdから巻き取り方向WDにボビン軸2aの1周長だけ遡った位置が領域RAu内に位置しない、ということを意味している。したがって、ボビン軸2aの1周長をLBで表せば、LB<Lud又はLB>Luuということになる。
【0060】
また、本発明による実施形態では、上述したように、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suが末端側離間部分Adに対し周方向にオフセットされている。このことは、大まかに言うと、取っ手5sの巻き取り方向WD先端5suから巻き取り方向WDにボビン軸2aの1周長だけ遡った位置が領域RAd内に位置しない、ということを意味している。したがって、LB<Ldd又はLB>Lduということになる。
【0061】
したがって、本発明による実施形態では、LB<Ldd、又は、Ldu<LB<Lud、又は、LB>Luuという条件が満たされている。
【0062】
この場合、長さLuuは、取っ手5の長さ、取っ手5の長さ方向L間隔、及び、包装材連続体3の巻き取り方向WD先端3euに対する取っ手5fの位置に応じて定まる。長さLud,Lduはそれぞれ、取っ手5の長さ、及び、取っ手5の長さ方向L間隔に応じて定まる。長さLddは、ボビン軸2aの半径及び取っ手5fの厚さに応じて定まる。したがって、本発明による実施形態では、上述の条件が満たされるように、ボビン軸2a及び包装材連続体3の寸法又は構成が設定される、と考えることもできる。
【0063】
ところで、本発明による実施形態では、
図6を参照して上述したように、取っ手5の幅方向W外端5oが、連続体本体4又は第1の面4aa,4abの幅方向W外端、すなわちコーナー折り目6cよりも幅方向W内側に位置する。このようにしているのは、次の理由による。すなわち、包装材連続体3がボビン2上に巻き取られるときに、包装材連続体3が幅方向Wに蛇行又は振動すると、包装材連続体3の幅方向W外端周りがボビンの側壁に衝突して折り曲げられ、折れ曲がり部が形成されるおそれがある。この場合、取っ手5の幅方向W外端5oが、連続体本体4の幅方向W外端に重なっていると、
図16(B)に示されるように、折れ曲がり部分Fが、後続の包装材連続体3x、すなわち折れ曲がり部分F上に巻き取られる包装材連続体、に干渉するおそれがある。具体的には、巻き取り時に後続の包装材連続体3xに皺などが形成されるおそれがあり、又は、巻き戻し時に後続の包装材連続体3xが巻体1からスムーズに離れにくくなるおそれがある。これに対し、本発明による実施形態では、取っ手5の幅方向W外端5oが、連続体本体4の幅方向W外端に重なっていない。このため、
図16(A)に示されるように、包装材連続体3に折れ曲がり部分Fが形成されたとしても、折れ曲がり部分Fが後続の包装材連続体3xに干渉するのが制限されている。したがって、後続の包装材連続体3xの良好な挙動が確保される。
【0064】
図17には、取っ手5の重畳部8の別の実施形態が示される。
図17に示される実施形態では、取っ手5は、一方の取付部7から他方の取付部7に向けて幅方向Wに延び、次いで取っ手折り目6hに沿って連続体本体4から離れるよう折り曲げられ、次いで取っ手折り目6hに沿って連続体本体4から離れるよう折り曲げられ、次いで取っ手折り目6hに沿って連続体本体4に近づくよう折り曲げられ、次いで取っ手折り目6hに沿って連続体本体4に近づくよう折り曲げられ、次いで他方の取付部7に到る。この実施形態では、取っ手折り目6hは4つ設けられる。
【0065】
図18及び
図19には、取っ手5の重畳部8の更に別の実施形態が示される。
図18に示される実施形態では、マチ折り目6gの幅方向W位置P6gが、幅方向W外側の取っ手折り目6hの幅方向W位置P6hoよりも幅方向W外側にある。したがって、この実施形態では、取っ手5の重畳部8と第2の面4b,4bとは互いに重ならない。
図19に示される実施形態では、マチ折り目6gの幅方向W位置P6gが、幅方向W内側の取っ手折り目6hの幅方向W位置P6hiよりも幅方向W内側にある。したがって、この実施形態では、
図19に示される幅方向Wの範囲OL,OLにおいて、重畳部8と第2の面4b,4bとが互いに重なっている。
【0066】
これまで述べてきた本発明による種々の実施形態を互いに組み合わせることもできる。
【符号の説明】
【0067】
1 巻体
2 ボビン
2a ボビン軸
3 包装材連続体
3eu 巻き取り方向先端
4 連続体本体
4aa,4ab 第1の面
4b 第2の面
5 取っ手
6c,6g 本体折り目
6h,6hi,6ho 取っ手折り目
7 取付部
8 重畳部
9 仮止め部
10 シール部分
11 切断線
12 包装材
14 包装品
15 吸収性物品
20 固定具
Au 先端側離間部分
Ad 末端側離間部分
WD 巻き取り方向