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  • 特許-電子銃及び電子線装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-10
(45)【発行日】2022-06-20
(54)【発明の名称】電子銃及び電子線装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/065 20060101AFI20220613BHJP
   H01J 37/063 20060101ALI20220613BHJP
   H01J 37/09 20060101ALI20220613BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20220613BHJP
【FI】
H01J37/065
H01J37/063
H01J37/09 A
H01L21/30 541W
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018193816
(22)【出願日】2018-10-12
(65)【公開番号】P2020061339
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】504162958
【氏名又は名称】株式会社ニューフレアテクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 賢一
【審査官】後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-243335(JP,A)
【文献】特開2007-049023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ビームを放出する陰極と、
前記電子ビームの一部を通過させるとともに、残りの電子ビームを遮蔽する第1アパーチャ部材と、
前記陰極と前記第1アパーチャ部材との間に配置される第1陽極と、
前記陰極と前記第1陽極との間に配置され、負電圧が印加されるウェネルト電極と、
前記第1アパーチャ部材と、前記第1陽極を通過した前記電子ビームが通過する第2アパーチャ部材と、の間に配置される第2陽極と、を備え、
前記第2陽極には、前記陰極から放出される前記電子ビームの加速電圧が印加され、
前記第1陽極には、前記第2陽極に印加される前記加速電圧よりも低く、かつ前記ウェネルト電極に印加される負電圧よりも高い正電圧が印加される、電子銃。
【請求項2】
前記陰極から放出された前記電子ビームの方向を制御するアライナを備え、
前記第1陽極は、前記陰極と前記アライナとの間に配置される、請求項1に記載の電子銃。
【請求項3】
前記第2陽極は、前記第1アパーチャ部材と、前記電子ビームをコリメートするコリメータレンズと、の間に配置され、
前記第2アパーチャ部材は、前記コリメータレンズでコリメートされた前記電子ビームを通過させる、請求項1又は2に記載の電子銃。
【請求項4】
前記第2陽極は、前記コリメータレンズに近づくにつれて、より高い電圧が印加される複数段の陽極部を有する、請求項3に記載の電子銃。
【請求項5】
第1アパーチャ部材を有し、電子ビームを放出する電子銃と、
前記電子銃から放出された前記電子ビームを通過させる第2アパーチャ部材と、を備え、
前記電子銃は、
前記電子ビームを放出する陰極と、
前記電子ビームの一部を通過させるとともに、残りの電子ビームを遮蔽する前記第1アパーチャ部材と、
前記陰極と前記第1アパーチャ部材との間に配置される第1陽極と、
前記陰極と前記第1陽極との間に配置され、負電圧が印加されるウェネルト電極と、
前記第1アパーチャ部材と、前記第1陽極を通過した前記電子ビームが通過する第2アパーチャ部材と、の間に配置される第2陽極と、を有
前記第2陽極には、前記陰極から放出される前記電子ビームの加速電圧が印加され、
前記第1陽極には、前記第2陽極に印加される前記加速電圧よりも低く、かつ前記ウェネルト電極に印加される負電圧よりも高い正電圧が印加される、電子線装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電子銃及び電子線装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子銃の陰極から放出される電子ビームの電流密度分布は、ビーム領域の中心位置付近の電流密度が最大で、周辺ほど電流密度が小さくなる。このため、電子銃の内部にアパーチャ部材を設けて、電子ビームのビーム領域の一部、具体的にはビーム領域の中心位置付近の均一な電流密度の部分のみを電子銃から放出する。この結果、アパーチャ部材を通過する電子ビームよりも、アパーチャ部材に衝突して吸収される電子ビームの割合の方が多くなる。
【0003】
アパーチャ部材に衝突して吸収される電子ビームの割合が大きくなるほど、アパーチャ部材により多くのエネルギが蓄積されて発熱しやすくなる。マルチビーム装置などのように、電子銃から放出される電子ビームの電流密度が大きいほど、電子銃内部のアパーチャ部材の発熱量が大きくなり、アパーチャ部材が溶解しやすくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-312986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電子銃の内部のアパーチャ部材が溶解しないようにした電子銃及び電子線装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、電子ビームを放出する陰極と、
前記電子ビームの一部を通過させるとともに、残りの電子ビームを遮蔽する第1アパーチャ部材と、
前記陰極と前記第1アパーチャ部材との間に配置される第1陽極と、
前記第1アパーチャ部材と、前記第1陽極を通過した前記電子ビームが通過する第2アパーチャ部材と、の間に配置され、前記第1陽極よりも高い電圧が印加される第2陽極と、を備える、電子銃が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態による電子線装置の概略構成を示すブロック図。
図2】本実施形態による電子銃の内部構成を示す図。
図3】一比較例による電子銃の内部構成を示す図。
図4】(a)は陰極から放出される電子ビームのビーム領域のうち電流密度が均一な領域を示す図、(b)は陰極から放出される電子ビームの電流密度分布を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0009】
図1は一実施形態による電子線装置1の概略構成を示すブロック図である。図1の電子線装置1は、マルチビーム描画装置2である。なお、本実施形態による電子線装置1は、マルチビーム描画装置2だけでなく、シングルビーム描画装置にも適用可能である。また、本実施形態による電子線装置1は、描画装置だけでなく、検査装置にも適用可能である。このように、本実施形態による電子線装置1は、マルチビーム又はシングルビームを用いて、試料20への描画又は試料20の検査を行う装置に適用可能であるが、以下では、本実施形態をマルチビーム描画装置2に適用した例を主に説明する。
【0010】
図1のマルチビーム描画装置2は、描画部3と制御部4とを備えている。描画部3は、電子鏡筒5と、描画室6とを有する。電子鏡筒5は、第1アパーチャ部材7を有する電子銃8と、照明レンズ9と、第2アパーチャ部材10と、第3アパーチャ部材11と、縮小レンズ12と、第4アパーチャ部材13と、対物レンズ14と、偏向器15とを有する。描画室6は、XYステージ16と、ミラー17とを有する。
【0011】
電子銃8の内部構成については後述する。照明レンズ9はコリメータレンズを含んでおり、電子銃8から放出された電子ビームを平行化して、第2アパーチャ部材10に導く。第2アパーチャ部材10は、複数の開口部を有し、これら開口部にて電子銃8から放出された電子ビームを通過させることで、マルチビームを生成する。
【0012】
第3アパーチャ部材11は、ブランキングアパーチャアレイとも呼ばれる。第3アパーチャ部材11は、基板に実装された半導体チップ(BAAチップ)であり、この基板がブランキングアパーチャステージ装置18上に載置されている。第2アパーチャ部材10を通過したマルチビームを構成する個々のビームは、第3アパーチャ部材11にて個別に偏向制御される。第3アパーチャ部材11は複数の開口部を有し、これら開口部を通過したマルチビームは第4アパーチャ部材13に導かれる。すなわち、第3アパーチャ部材11を通過したマルチビームのうち一部のビームは第4アパーチャ部材13を通過し、残りのビームは第4アパーチャ部材13に衝突して吸収される。第4アパーチャ部材13を通過したビームは、偏向器15にて位置が制御されて、XYステージ16上に載置された試料20上に照射される。
【0013】
図1の制御部4は、制御計算機21と、メモリ22と、偏向制御回路23と、ステージ位置検出器24と、第1記憶部25と、第2記憶部26とを備えている。
【0014】
制御計算機21は、種々のデータの情報処理を行うデータ処理部27と、マルチビーム描画装置2の描画動作を制御する描画制御部28とを備えている。データ処理部27と描画制御部28は、制御計算機21に内蔵されるハードウェアで構成されてもよいし、制御計算機21が実行するプログラムによるソフトウェアで構成されてもよい。データ処理部27および描画制御部28における入出力情報や演算中の情報は、メモリ22に必要に応じて格納される。描画制御部28は、第1記憶部25に記憶された描画データと、第2記憶部26に記憶された各ショットの照射時間データと、ステージ位置検出器24で検出されたXYステージ16の位置とに基づいて、偏向制御回路23を制御する。偏向制御回路23は、第3アパーチャ部材11(ブランキングアパーチャアレイ)におけるマルチビームの偏向を制御するとともに、偏向器15におけるビームの偏向方向を制御する。
【0015】
図2は本実施形態による電子銃8の内部構成を示す図である。図2に示す電子銃8は、陰極31と、ウェネルト電極32と、第1陽極33と、アライナ34と、第1アパーチャ部材7と、第2陽極35とを有する。
【0016】
陰極31は例えば0Vに設定される。ウェネルト電極32には、0Vより低い負電圧が印加される。第1陽極33は、陰極31と第1アパーチャ部材7との間に配置されている。より具体的には、第1陽極33は、陰極31とアライナ34との間に配置されている。アライナ34は、陰極31から放出された電子ビームの方向を制御するために設けられている。すなわち、アライナ34は、陰極31から放出された電子ビームのビーム領域のうち、電流密度が均一な部分が第1アパーチャ部材7を通過するように、電子ビームの方向を制御する。アライナ34は、静電偏向器又は磁界偏向器で構成することができる。
【0017】
本実施形態では、第1陽極33に印加する電圧をできるだけ小さくする。このため、陰極31から放出された電子ビームは、それほどのエネルギを持たずに第1アパーチャ部材7に到達する。第1アパーチャ部材7は、第1陽極33で加速された電子ビームのビーム領域のうち、電流密度が均一な部分のみを通過させるため、電子ビームの大半は第1アパーチャ部材7に衝突して吸収される。このため、第1アパーチャ部材7が発熱するおそれがあるが、本実施形態では、第1陽極33に印加する電圧が従来に比べて小さいため、第1アパーチャ部材7に衝突して吸収される電子ビームのエネルギはそれほど大きくならない。したがって、第1アパーチャ部材7が電子ビームを吸収して発熱しても、溶解するほど発熱するおそれはなくなる。
【0018】
図2に示すように、本実施形態では、第1アパーチャ部材7と第2アパーチャ部材10の間に第2陽極35を配置している。より具体的には、第2陽極35は、第1アパーチャ部材7とコリメータレンズ36との間に配置されている。コリメータレンズ36は、第2陽極35で加速された電子ビームを平行化(コリメート)して第2アパーチャ部材10を通過させる。このコリメータレンズ36は、図1の照明レンズ9に対応している。
【0019】
第2陽極35には第1陽極33よりも高い電圧が印加される。すなわち、本実施形態では、第1陽極33に印加する電圧を抑制する代わりに、第2陽極35には本来、電子銃8に印加するべき加速電圧を印加する。例えば、第2陽極35には50kVが印加される。これにより、陰極31から放出された電子ビームは、第1アパーチャ部材7を通過した後に、急速に加速されて第2アパーチャ部材10を通過することになる。第1アパーチャ部材7を通過した電子ビームの大半は、第2アパーチャ部材10を通過するため、第1アパーチャ部材7と第2アパーチャ部材10の間で電子ビームを急加速させても、第2アパーチャ部材10が加熱するおそれはない。
【0020】
このように、図2の電子銃8では、第1アパーチャ部材7の加熱を抑制しつつ、十分な加速電圧にて電子ビームを加速させて放出することができる。
【0021】
図3は一比較例による電子銃8aの内部構成を示す図である。図3の電子銃8aは、陰極31とアライナ34の間に陽極37を配置しており、第1アパーチャ部材7と第2アパーチャ部材10の間には陽極は存在しない。図3の陽極37には、例えば50kVが印加される。したがって、図3の場合、陽極37により加速された高エネルギの電子ビームの多くが第1アパーチャ部材7を通過せずに第1アパーチャ部材7に衝突して吸収されるため、第1アパーチャ部材7が発熱して溶解するおそれがある。
【0022】
図4(a)は陰極31から放出される電子ビームのビーム領域のうち電流密度が均一な領域を示す図、図4(b)は陰極31から放出される電子ビームの電流密度分布を示す図である。電流密度がn以上の一様性を持つビーム領域の電流I(n)と、陰極31から放出される電子ビームの電流(エミッション電流)Itとの関係は、以下の(1)式で表される。
I(n)=It(1-n) …(1)
【0023】
n=0.9の場合、I(n)=0.1×Itとなり、エミッション電流の90%がアパーチャに吸収されることになる。第2アパーチャ部材10を通過するビーム電流として100μAが必要な場合、900μAの電流が第1アパーチャ部材7に吸収される。図3の電子銃8の場合、陰極31と第1アパーチャ部材7の間に配置された陽極に50kVの電圧を印加するため、50kV×0.9mA=45Wの電力の電子ビームが第1アパーチャ部材7に吸収される。このような高エネルギの電子ビームが第1アパーチャ部材7に吸収されると、第1アパーチャ部材7は溶解してしまう。第1アパーチャ部材7の材料として、タングステンやタンタル等の高融点金属を用いたところで、第1アパーチャ部は溶解するおそれがある。
【0024】
これに対して、図2に示す本実施形態の電子銃8では、陰極31と第1アパーチャ部材7との間に第1陽極33を設けるとともに、第1アパーチャ部材7と第2アパーチャ部材10との間に第2陽極35を設けて、第1陽極33には第2陽極35よりも十分に低い電圧を印加している。一例として、電子銃8で50kVの加速電圧を印加して電子ビームを放出させる場合、第1陽極33と第1アパーチャ部材7には例えば10kVの電圧を印加し、第2陽極35には例えば50kVの電圧を印加する。第1陽極33には、50kVの1/5の10kVの電圧しか印加されないため、第1アパーチャ部材7に衝突して吸収される電子ビームの電力も1/5になり、第1アパーチャが溶解するおそれはなくなる。
【0025】
第1陽極33に印加する電圧が低いほど、第1アパーチャ部材7に衝突して吸収される電子ビームの電力も小さくなる。このため、電子銃8に50kVの加速電圧を印加する必要がある場合に、第1陽極33に印加する電圧を10kV未満にすることも可能であるが、第1陽極33に印加する電圧が低すぎると、陰極31から電子ビームが放出されなくなる。特に、陰極31と第1陽極33との間に配置されるウェネルト電極32には負電圧が印加されるため、第1陽極33に印加する電圧がある程度以上の正電圧でないと、陰極31から電子ビームが放出されなくなる。本発明者の検討によると、例えば、電子銃8に50kVの加速電圧を印加する必要がある場合には、第1陽極33に印加する電圧が約3kV以上でないと、陰極31から安定して電子ビームが放出されなくなる。
【0026】
なお、第1陽極33に印加する電圧の最小値は、第1アパーチャ部材7の材料や電子銃8のサイズ等により変わるため、一概には規定できない。
【0027】
また、第1陽極33と第1アパーチャ部材7は、必ずしも同一の電圧を印加する必要はない。例えば、第1陽極33に5kVを印加し、第1アパーチャ部材7に10kVを印加してもよい。
【0028】
上述したように、陰極31とアライナ34との間に第1陽極33を設けて、第1陽極33に第2陽極35よりも低い電圧を印加することで、第1アパーチャ部材7の溶解を防止できるが、電子ビームの照射時間が長い場合には、第1アパーチャ部材7が溶解するおそれもありうる。このため、第1陽極33を設けるだけでなく、第1アパーチャ部材7の材料としてタングステンやタンタル等の高融点金属を用いるのが望ましい。
【0029】
電子銃8にて、50kVよりも大きい加速電圧で電子ビームを加速させる必要がある場合には、第2陽極35を多段化してもよい。すなわち、第2陽極35を、電子ビームの進行方向に配置される複数段の陽極部で構成し、コリメータレンズに近い陽極部ほど、より高い電圧を印加してもよい。陽極部の数を増やすほど、隣接する陽極部間の電位差を小さくできるため、各陽極部が絶縁破壊を起こすおそれがなくなる。なお、第1陽極33には、上述したように、できるだけ低い電圧を印加する方が望ましいため、第1陽極33を多段構成にするのは望ましくない。
【0030】
このように、本実施形態による電子銃8では、陰極31と第1アパーチャ部材7の間に第1陽極33を設けるとともに、第1アパーチャ部材7と第2アパーチャ部材10の間に第2陽極35を設け、第1陽極33に第2陽極35よりも低い電圧を印加するため、第1アパーチャ部材7に衝突して吸収される電子ビームのエネルギを抑制でき、第1アパーチャ部材7の発熱が抑えられて第1アパーチャ部材7が溶解するという不具合を防止できる。本実施形態による電子銃8は、マルチビームやシングルビームの電子線描画装置や検査装置に幅広く適用可能であり、既存の電子線描画装置や検査装置の電子銃8を交換して使用することで、描画装置や検査装置における電子銃8を長寿命化できる。
【0031】
本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではなく、当業者が想到しうる種々の変形も含むものであり、本発明の効果も上述した内容に限定されない。すなわち、特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 電子線装置、2 マルチビーム描画装置、3 描画部、4 制御部、5 電子鏡筒、6 描画室、7 第1アパーチャ部材、8、8a 電子銃、9 照明レンズ、10 第2アパーチャ部材、11 第3アパーチャ部材、12 縮小レンズ、13 第4アパーチャ部材、14 対物レンズ、15 偏向器、16 XYステージ、17 ミラー、18 ブランキングアパーチャステージ装置、20 試料、21 制御計算機、22 メモリ、23 偏向制御回路、24 ステージ位置検出器、25 第1記憶部、26 第2記憶部、27 データ処理部、28 描画制御部、31 陰極、32 ウェネルト電極、33 第1陽極、34 アライナ、35 第2陽極、36 コリメータレンズ、37 陽極
図1
図2
図3
図4