IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

特許7087503情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図7
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図8
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図9
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図10
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/303 20220101AFI20220614BHJP
【FI】
H04L67/303
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018050591
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019164419
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】水梨 亮介
【審査官】今川 悟
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/112581(WO,A1)
【文献】特開2009-238065(JP,A)
【文献】特開2015-019218(JP,A)
【文献】特開2016-208131(JP,A)
【文献】竹下 恵,LANアナライザWireshark活用術,パケットキャプチャ入門 改訂版 packet capture,日本,2011年06月03日,147-151, 207-214, 282-298
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/303
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、
前記生成部は、前記通信履歴に含まれる前記機器が有するIPアドレスに基づいて、前記第2のネットワークに接続される装置からホスト名を取得し、前記リストに、前記機器及び前記IPアドレスと関連付けられるホスト名を記録する情報処理装置。
【請求項2】
1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、
前記生成部は、前記通信履歴に含まれる前記機器が有するMACアドレスに基づいて、前記第2のネットワークに接続される装置からベンダ名を取得し、前記リストに、前記機器及び前記MACアドレスと関連付けられるベンダ名を記録する情報処理装置。
【請求項3】
1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、
前記生成部は、前記通信履歴に含まれる前記外部機器から送信されるユーザIDに基づいて、前記リストに、前記機器と関連付けられるユーザIDを記録する情報処理装置。
【請求項4】
1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置であって、
前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、
前記生成部は、前記通信履歴に含まれるパケットデータに基づいて、前記機器が使用するOSを特定し、前記リストに、前記機器と関連付けられる特定された前記OSを記録する情報処理装置。
【請求項5】
1又は複数の機器と、前記機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置と、前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器とを有する情報処理システムにおいて、
前記機器は、
前記外部機器と通信を行う第1の通信部を有し、
前記情報処理装置は、
前記外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、
前記生成部は、前記通信履歴に含まれる前記機器が有するIPアドレスに基づいて、前記第2のネットワークに接続される装置からホスト名を取得し、前記リストに、前記機器及び前記IPアドレスと関連付けられるホスト名を記録し、
前記外部機器は、
前記機器と通信を行う第2の通信部を有する情報処理システム。
【請求項6】
1又は複数の機器と、前記機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置と、前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器とを有する情報処理システムにおいて、
前記機器は、
前記外部機器と通信を行う第1の通信部を有し、
前記情報処理装置は、
前記外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、
前記生成部は、前記通信履歴に含まれる前記機器が有するMACアドレスに基づいて、前記第2のネットワークに接続される装置からベンダ名を取得し、前記リストに、前記機器及び前記MACアドレスと関連付けられるベンダ名を記録し、
前記外部機器は、
前記機器と通信を行う第2の通信部を有する情報処理システム。
【請求項7】
1又は複数の機器と、前記機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置と、前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器とを有する情報処理システムにおいて、
前記機器は、
前記外部機器と通信を行う第1の通信部を有し、
前記情報処理装置は、
前記外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、
前記生成部は、前記通信履歴に含まれる前記外部機器から送信されるユーザIDに基づいて、前記リストに、前記機器と関連付けられるユーザIDを記録し、
前記外部機器は、
前記機器と通信を行う第2の通信部を有する情報処理システム。
【請求項8】
1又は複数の機器と、前記機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置と、前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器とを有する情報処理システムにおいて、
前記機器は、
前記外部機器と通信を行う第1の通信部を有し、
前記情報処理装置は、
前記外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、
前記生成部は、前記通信履歴に含まれるパケットデータに基づいて、前記機器が使用するOSを特定し、前記リストに、前記機器と関連付けられる特定された前記OSを記録し、
前記外部機器は、
前記機器と通信を行う第2の通信部を有する情報処理システム。
【請求項9】
1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介手順と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持手順と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成手順と、
前記通信履歴に含まれる前記機器が有するIPアドレスに基づいて、前記第2のネットワークに接続される装置からホスト名を取得し、前記リストに、前記機器及び前記IPアドレスと関連付けられるホスト名を記録する手順とを実行する情報処理方法。
【請求項10】
1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介手順と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持手順と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成手順と、
前記通信履歴に含まれる前記機器が有するMACアドレスに基づいて、前記第2のネットワークに接続される装置からベンダ名を取得し、前記リストに、前記機器及び前記MACアドレスと関連付けられるベンダ名を記録する手順とを実行する情報処理方法。
【請求項11】
1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介手順と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持手順と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成手順と、
前記通信履歴に含まれる前記外部機器から送信されるユーザIDに基づいて、前記リストに、前記機器と関連付けられるユーザIDを記録する手順とを実行する情報処理方法。
【請求項12】
1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続される情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介手順と、
前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持手順と、
前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成手順と、
前記通信履歴に含まれるパケットデータに基づいて、前記機器が使用するOSを特定し、前記リストに、前記機器と関連付けられる特定された前記OSを記録する手順とを実行する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理システム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
機器を一括管理するシステムには、管理する機器登録の手間を軽減するため、ネットワークに接続されている機器を検索する技術が既に知られている(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、今までの検索技術においては、検索用の通信プロトコルをサポートする機器のみしか検索できなかった。様々な種別の機器を管理対象とする場合には、検索用の通信プロトコルをサポートしていない機器も多く、機器登録が手入力となり手間がかかるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、オフィス又はワークプレイスに設置される複数の機器と通信を行う仲介装置(MFP(Multifunction Peripheral)、サーバ等)の通信履歴を利用して管理対象候補の機器リストを作成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで上記課題を解決するため、情報処理装置は、1又は複数の機器と第1のネットワークを介して接続され、前記第1のネットワークとファイアウォールを介して接続される第2のネットワークに接続される外部機器と、前記機器との通信を仲介する仲介部と、前記外部機器と、前記機器との通信に係る通信履歴を保持する保持部と、前記通信履歴に基づいて、前記機器の情報を含むリストを生成する生成部とを有し、前記生成部は、前記通信履歴に含まれる前記機器が有するIPアドレスに基づいて、前記第2のネットワークに接続される装置からホスト名を取得し、前記リストに、前記機器及び前記IPアドレスと関連付けられるホスト名を記録する。
【発明の効果】
【0006】
オフィス又はワークプレイスに設置される複数の機器と通信を行う仲介装置の通信履歴を利用して管理対象候補の機器リストを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】本発明の実施の形態におけるMFP1のハードウェア構成例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態におけるMFP1の機能構成例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態における通信履歴の例を示す図(1)である。
図5】本発明の実施の形態における通信履歴の例を示す図(2)である。
図6】本発明の実施の形態における通信履歴の例を示す図(3)である。
図7】本発明の実施の形態における通信履歴の例を示す図(4)である。
図8】本発明の実施の形態における機器リストの例を示す図である。
図9】本発明の実施の形態における通信履歴と機器リストのマッピングについて説明するための図である。
図10】本発明の実施の形態における機器リスト作成処理の例を示すシーケンス図である。
図11】本発明の実施の形態における他の情報処理システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0009】
図1は、本発明の実施の形態における情報処理システムの構成例を示す図である。図1に示されるように、本発明の実施の形態における情報処理システムは、外部ネットワークとファイアウォールを介して接続されるイントラネットに、MFP1、PC2、ストレージサーバ3及びタブレット4を有し、イントラネットを介して互いに接続されている。外部ネットワークには、デバイス管理Cloud5及び機器管理アプリ6が接続されている。
【0010】
MFP1は、機器であるPC2、ストレージサーバ3又はタブレット4等を管理及び監視する情報処理装置である。図1において機器3台が図示されているが、さらに多数がMFP1に接続されてよい。MFP1は、印刷、スキャン、WIM(Windows Imaging Format)アクセス等の機能を機器に提供する。MFP1が機器に機能を提供する際の通信履歴が、「デバイス管理仲介ソフトウェア」が制御する記憶部に保持される。「デバイス管理仲介ソフトウェア」は、デバイス管理Cloud5、機器管理アプリ6と共に、MFP1に接続される機器を管理する機能を提供する。
【0011】
機器管理アプリ6は、外部機器である情報処理装置で動作するアプリケーションである。当該情報処理装置は、PC(Personal Computer)、サーバ等であってよい。機器管理アプリ6は、アカウントを有するユーザにログインされてクラウドサービスであるデバイス管理Cloud5に接続する。機器管理アプリ6は、「デバイス管理仲介ソフトウェア」によって、MFP1に接続される機器にアクセスすることが可能であり、機器管理に係る情報を参照することができる。すなわち、MFP1が通信を仲介することによって、機器管理アプリ6は、MFP1に接続される機器と通信を行うことができる。
【0012】
図2は、本発明の実施の形態におけるMFP1のハードウェア構成例を示す図である。図2に示されるように、MFP1は、CPU1001(Central Processing Unit)、RAM1002(Random Access Memory)、HDD1003(Hard Disk Drive)、ROM1004(Read Only Memory)、入力装置1005、接続インタフェース1006、表示装置1007及び通信インタフェース1008を有する。
【0013】
CPU1001は、プロセッサ及び周辺回路から構成され、MFP1全体を制御する。ROM1004は、CPU1001で実行されるプログラム及び使用されるデータを格納する不揮発性の記憶装置である。RAM1002は、CPU1001で実行されるプログラムが制御を行うときのワークエリアとして使用される記憶装置である。HDD1003は、CPU1001で実行されるプログラム及び使用されるデータを格納する補助記憶装置である。HDD1003は、例えば、ハードディスクドライブであってもよいし、フラッシュメモリ等で構成される補助記憶装置であってもよい。
【0014】
入力装置1005は、ユーザ又は管理者等が各種入力操作を行うための装置である。入力装置1005は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル等を含む。表示装置1007は、ユーザ又は監視者等に対して、各種情報の表示を行う。表示装置1007は、例えば、液晶ディスプレイであってもよいし、入力装置1005と一体化されたタッチパネルであってもよい。接続インタフェース1006は、プリンタエンジン1009と接続するためのインタフェースである。プリンタエンジン1009は、印刷又はスキャン等を行うハードウェアである。通信インタフェース1008は、ネットワークを介したデータの送受信を行う通信装置である。通信インタフェース1008は、例えば、無線LANインタフェースであってもよいし、有線LANインタフェースであってもよいし、その他の方式を使用する通信ネットワークとのインタフェースであってもよい。
【0015】
なお、機器であるPC2、ストレージサーバ3又はタブレット4、機器管理アプリ6が動作する情報処理装置は、図2に示されるハードウェア構成例と同様の構成を有してもよい。
【0016】
図3は、本発明の実施の形態におけるMFP1の機能構成例を示す図である。図3に示されるように、MFP1は、機器リスト作成部11、ネットワークインタフェース12、機器リスト13及び通信履歴保持部14を有する。機器リスト作成部11は、ネットワークインタフェース12、機器リスト13及び通信履歴保持部14と接続される。また、通信履歴保持部14は、機器リスト作成部11、ネットワークインタフェース12及び機器リスト13と接続される。図3に示される各機能部は、図1に示されるMFP1上で動作する「デバイス管理仲介ソフトウェア」により実現されてもよい。
【0017】
機器リスト作成部11は、MFP1に接続される機器に関して、通信履歴から機器管理に必要な情報を抽出し、かつ、機器管理に必要な情報を追加する機能を有する。また、機器リスト作成部11は、外部サーバ等と通信する機能を有する。
【0018】
ネットワークインタフェース12は、機器管理アプリ6が動作する外部機器と、MFP1に接続される機器とが通信するための制御部である。ネットワークインタフェース12は、機器管理アプリ6が動作する外部機器と、MFP1に接続される機器とが通信を行った際、通信履歴を取得し、通信履歴保持部14に通信履歴を送信する。通信履歴には、パケットデータ及びユーザIDが含まれてよい。
【0019】
機器リスト13は、MFP1に接続される機器のリストである。当該リストは、本発明の実施の形態によって生成される。
【0020】
通信履歴保持部14は、MFP1に接続される機器と、機器管理アプリ6が動作する外部機器とが通信を行ったときのパケットデータ及びユーザIDを含む通信履歴を保持する。
【0021】
図4は、本発明の実施の形態における通信履歴の例を示す図(1)である。図4において、パケットデータの通信履歴の例を説明する。
【0022】
機器が外部機器に対して接続を行う場合のパケットデータにおいて、外部機器が有するIPアドレスが、IPヘッダのDestinationに含まれる。MACアドレスのDestinationは、機器がEthernet(登録商標)で接続されるデバイスのMACアドレスが設定される。
【0023】
外部機器が機器に対して接続を行う場合のパケットデータにおいて、機器が接続されるイントラネットのゲートウェイのIPアドレスが、IPヘッダのDestinationに含まれる。あるいは、MFP1が直接外部アクセスネットワークから接続可能な場合は、MFP1が有するグローバルIPアドレスが、IPヘッダのDestinationに含まれてもよい。
【0024】
なお、機器は、Ethernetではなく、無線LAN等を介して外部機器と接続されてもよい。
【0025】
図5は、本発明の実施の形態における通信履歴の例を示す図(2)である。図5において、Etherヘッダフォーマットを説明する。
【0026】
図5に示されるように、Etherヘッダフォーマットは、「プリアンブル」、「宛先MACアドレス」、「送信元MACアドレス」、「タイプ」、「データ」、「FCS」を含む。機器が送信元である場合、「送信元MACアドレス」は機器のMACアドレスが設定され、「宛先MACアドレス」は、機器がEthernetを介して接続されるデバイスのMACアドレスが設定される。
【0027】
図6は、本発明の実施の形態における通信履歴の例を示す図(3)である。図6において、IPヘッダフォーマットを説明する。
【0028】
図6に示されるように、IPヘッダフォーマットは、「バージョン」、「ヘッダ長」、「サービス・タイプ」、「データグラム長」、「ID」、「フラグ」、「フラグメント・オフセット」、「TTL(Time to Live)」、「プロトコル番号」、「ヘッダ・チェックサム」、「送信元IPアドレス」、「あて先IPアドレス」、「オプション部」、「データ部分」を含む。
【0029】
機器が送信元である場合、「送信元IPアドレス」は、機器が有するIPアドレスが含まれ、「あて先IPアドレス」は、外部機器が有するIPアドレスが含まれる。
【0030】
図7は、本発明の実施の形態における通信履歴の例を示す図(4)である。図7において、TCPヘッダフォーマットを説明する。
【0031】
図7に示されるように、TCPヘッダフォーマットは、「送信元ポート番号」、「あて先ポート番号」、「シーケンス番号」、「ACK番号」、「データ・オフセット」、コントロールフラグ「URG、ACK、PSH、RST、SYN、FIN」、「ウィンドウ・サイズ」、「チェックサム」、「緊急ポインタ」、「オプション+パディング部」、「データ部分」を含む。
【0032】
「送信元ポート番号」及び「あて先ポート番号」は、機器が外部機器と通信を行う際に使用するポート番号がそれぞれ設定される。
【0033】
図8は、本発明の実施の形態における機器リストの例を示す図である。図8に示されるように、機器リストは、「IPアドレス(またはホスト名)」、「作成日時」、「MACアアドレス」、「ベンダ名」、「デバイス種別」、「OS種別」、「ユーザID」を含む。機器リストは、機器の通信履歴等から作成される。
【0034】
「IPアドレス」は、機器が有するIPアドレスである。「ホスト名」を取得している場合、機器のホスト名を含んでもよい。「作成日時」は、機器リストの当該エントリが作成された日時である。「MACアドレス」は、機器のMACアドレスである。「ベンダ名」は、機器のベンダ名である。「OS種別」は、機器が使用するOSの種別である。「ユーザID」は、機器と通信を行った外部機器においてログインに使用されたユーザIDである。
【0035】
図9は、本発明の実施の形態における通信履歴と機器リストのマッピングについて説明するための図である。機器のIPアドレス及びMACアドレスは、通信履歴から取得される。さらに当該機器のホスト名を取得する場合は、DNS(Domain Name System)サーバと通信を行いIPアドレスからホスト名を取得する。機器リストのエントリの作成日時は、日時取得のシステムコールを利用して通信発生時に付与する。
【0036】
機器のベンダ名は、MACアドレスの上位3バイトを使用して、図9(A)に示されるように外部サービスから取得する。
【0037】
機器のデバイス種別は、機器のIPアドレスにツールを実行して取得する。
【0038】
機器のOS種別は、スキャンツールを使用して取得してもよいし、通信履歴から特定してもよい。通信履歴から特定する場合、図9(B)に示されるようなOS、TTL、WindowSizeのテーブルを予め保持しておいて参照することによりOSを特定してもよい。
【0039】
ユーザIDは、外部機器から機器へアクセスしたときにユーザ認証が行われた場合、対応するユーザIDが取得される。
【0040】
図10は、本発明の実施の形態における機器リスト作成処理の例を示すシーケンス図である。図10に示されるように、例えば外部ネットワークに存在する、DNSサーバ及びMACアドレス管理サイトが使用される。
【0041】
ステップS101において、機器管理アプリ6は、ユーザID及びパスワードを含む接続要求をネットワークインタフェース12に送信する。続いて、ネットワークインタフェース12は、ユーザID及び通信履歴を通信履歴保持部14に送信する(S102)。ここで、ネットワークインタフェース12は、機器管理アプリ6が動作する外部機器と、MFP1に接続される機器との通信の仲介を開始してもよい。続いて、通信履歴保持部14は、受信したユーザID及び通信履歴を保持する。
【0042】
ステップS103において、通信履歴保持部14は、機器リスト作成要求を機器リスト作成部11に送信する。続いて、機器リスト作成部11は、ステップS103で受信した機器リスト作成要求に含まれるIPアドレスに基づいて、ホスト名要求をDNSサーバに送信する(S104)。続いて、機器リスト作成部11は、ホスト名をDNSサーバから受信する(S105)。続いて、機器リスト作成部11は、ホスト名を通信履歴保持部14に送信し保存させる(S106)。
【0043】
ステップS107において、機器リスト作成部11は、ステップS103で受信した機器リスト作成要求に含まれるMACアドレスの上位3バイトに基づいて、ベンダ名要求をMACアドレス管理サイトに送信する。続いて、機器リスト作成部11は、ベンダ名をMACアドレス管理サイトから受信する(S108)。続いて、機器リスト作成部11は、ベンダ名を通信履歴保持部14に送信し保存させる(S109)。
【0044】
ステップS110において、機器リスト作成部11は、スキャンツールを有している場合、スキャンツールを機器に対して実行する。機器リスト作成部11は、スキャンツールの実行結果デバイス種別及びOS種別を取得する。又は図9で説明したように通信履歴に含まれる情報から、OS種別を取得する。続いて、機器リスト作成部11は、デバイス種別及びOS種別、又はOS種別を通信履歴保持部14に送信して保存させる(S111)。
【0045】
ステップS112において、ネットワークインタフェース12は、作成された機器リストを含むWeb管理画面を作成する。Web管理画面とは、外部機器から参照することができる機器の管理状態を示す情報を表示する画面である。
【0046】
ステップS113において、外部機器は、ネットワークインタフェース12が出力するWeb管理画面によって応答を受信し、切断して(S114)、機器リスト作成処理は終了する。
【0047】
上述のように、本発明の実施形態によれば、MFP1は、外部機器と機器とが通信を行った際の通信履歴を使用して、IPアドレス又はホスト名、機器リスト作成日時、MACアドレス、ベンダ名、デバイス種別、OS種別、ユーザIDを含む機器リストを作成することができる。また、MFP1は、外部機器が複数の機器と通信を行う場合、それぞれの機器の通信履歴を使用して、複数の機器の機器リストを作成することができる。
【0048】
すなわち、オフィス又はワークプレイスに設置される複数の機器と通信を行う仲介装置の通信履歴を利用して管理対象候補の機器リストを作成することができる。
【0049】
なお、本発明は、他の情報処理システムである産業機械管理システムにも利用可能である。図11は、本発明の実施形態に係る他の情報処理システムの構成例を示す図である。
【0050】
図11に示される産業機械管理システムは、遠隔管理される複数の産業機械100aと、センサ100b(撮像装置、集音装置)と、それら機器100と同じローカルネットワーク102に接続された仲介装置101と、仲介装置101にファイアーウォール103とインターネット104を介して接続された管理装置105を備える。図1に示されるMFP1が仲介装置101に対応し、機器管理アプリ6が、管理装置105に対応する。当該管理装置105がインターネット104を介して仲介装置101と同じローカルネットワーク102上で接続された機器100を遠隔管理するものである。なお、撮像装置、集音装置等のセンサ100bは、産業機械100a自体もしくはその周囲に取り付けられ、産業機械100aの情報を取得できるよう構成されている。
【0051】
ここで、ファイアーウォール103や管理装置105は、複数設置されている場合も考えられる。また、1つのファイアーウォール103中に、複数の仲介装置101が設置されている場合も考えられる。
【0052】
当該管理システムにおける被管理装置は、画像形成装置に限られず、ネットワーク家電、自動販売機、医療機器、3Dプリンター、電源装置、空調システム、ガス・水道・電気等の計量システム等に通信機能を持たせた機器であってもよい。例えば、医療機器としては、眼底検査装置、X線検査装置、血圧計、体脂肪計、視力計、ペースメーカ等である。医療機器は、当該機器の識別情報、当該機器の稼働状況や異常動作の有無、当該機器による測定結果等を、数値、テキスト又は画像等の種々のデータ形式を用いて管理装置に送信する。
【0053】
また、3Dプリンターは造形方式として、材料押出堆積法(FDM)、マテリアルジェッティング、バインダージェッティング、粉末焼結積層造形(SLS)、光造形法(SLA)等がある。3Dプリンターは、当該機器の識別情報、当該機器の稼働状況や異常動作の有無、当該機器に装着された消耗品の状態等を、種々の情報伝達手段を用いて管理装置に送信する。
【0054】
なお、本発明の実施の形態において、イントラネットは、第1のネットワークの一例である。外部ネットワークは、第2のネットワークの一例である。ネットワークインタフェース12は、仲介部の一例である。通信履歴保持部14は、保持部の一例である。機器リスト作成部11は、生成部の一例である。
【0055】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 MFP
2 PC
3 ストレージサーバ
4 タブレット
5 デバイス管理Cloud
6 機器管理アプリ
1001 CPU
1002 RAM
1003 HDD
1004 ROM
1005 入力装置
1006 接続インタフェース
1007 表示装置
1008 通信インタフェース
11 機器リスト作成部
12 ネットワークインタフェース
13 機器リスト
14 通信履歴保持部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0057】
【文献】特開2009-169966号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11