(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】連携支援システム、連携支援方法、および連携支援プログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/00 20220101AFI20220614BHJP
H04L 12/28 20060101ALI20220614BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H04L67/00
H04L12/28 500C
H04N1/00 127A
(21)【出願番号】P 2018068920
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】近藤 誠一
【審査官】佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-092823(JP,A)
【文献】特開2018-026087(JP,A)
【文献】特開2015-219808(JP,A)
【文献】特開2011-133951(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
H04L 12/28
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サービス提供装置が提供する複数のサービスの連携処理を支援する連携支援システムであって、
機器からユーザ識別情報を含むログイン情報および実行対象の連携処理の連携識別情報を受付ける受付部と、
前記連携識別情報によって識別される連携処理を実行するための連携設定がなされているか否かを判断する判断部と、
前記連携設定がなされていないと判断した場合、該連携処理を行う前記サービス提供装置の機能利用の認証を示す認証チケットと、該サービス提供装置への利用許可を示す一時トークンとを対応付けて記憶する記憶制御部と、
該サービス提供装置に対する該連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および前記一時トークンを含む設定情報を、前記ユーザ識別情報によって識別されるユーザの通信アドレスを宛先として送信する送信部と、
を備える連携支援システム。
【請求項2】
前記送信部は、
複数の前記連携設定を行うための、複数の前記設定画面の各々にアクセスするための複数のアドレス情報および複数の前記一時トークンを含む前記設定情報を、前記ユーザの前記通信アドレスを宛先として送信する、
請求項1に記載の連携支援システム。
【請求項3】
サービス提供装置が提供する複数のサービスの連携処理を支援する連携支援システムで実行される連携支援方法であって、
機器からユーザ識別情報を含むログイン情報および実行対象の連携処理の連携識別情報を受付けるステップと、
前記連携識別情報によって識別される連携処理を実行するための連携設定がなされているか否かを判断するステップと、
前記連携設定がなされていないと判断した場合、該連携処理を行う前記サービス提供装置の機能利用の認証を示す認証チケットと、該サービス提供装置への利用許可を示す一時トークンとを対応付けて記憶するステップと、
該サービス提供装置に対する該連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および前記一時トークンを含む設定情報を、前記ユーザ識別情報によって識別されるユーザの通信アドレスを宛先として送信するステップと、
含む連携支援方法。
【請求項4】
サービス提供装置が提供する複数のサービスの連携処理を支援する連携支援システムで実行される連携支援プログラムであって、
機器からユーザ識別情報を含むログイン情報および実行対象の連携処理の連携識別情報を受付けるステップと、
前記連携識別情報によって識別される連携処理を実行するための連携設定がなされているか否かを判断するステップと、
前記連携設定がなされていないと判断した場合、該連携処理を行う前記サービス提供装置の機能利用の認証を示す認証チケットと、該サービス提供装置への利用許可を示す一時トークンとを対応付けて記憶するステップと、
該サービス提供装置に対する該連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および前記一時トークンを含む設定情報を、前記ユーザ識別情報によって識別されるユーザの通信アドレスを宛先として送信するステップと、
をコンピュータに実行させるための連携支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連携支援システム、連携支援方法、および連携支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クラウドサービスに代表されるようなWebアプリケーションやサーバ側のアプリケーションの機能をサービスとして提供する利用形態が注目されている。また、複数のサービスを連携させたシステムが知られている。
【0003】
例えば、連携処理を実行するための連携設定を予め行い、ユーザが機器を介してシステムにログインしたときに、予め設定された連携設定に応じた連携処理を実行するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、連携設定が行われてない状態で、ユーザが機器を介してシステムにログインし、該連携設定に応じた連携処理を利用する場合がある。この場合、従来技術では、連携設定を行うための別の装置からシステムに別途ログインした上で、連携設定を行う必要があった。このため、従来では、利便性に劣っていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、利便性の向上を図ることができる、連携支援システム、連携支援方法、および連携支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、連携支援システムは、サービス提供装置が提供する複数のサービスの連携処理を支援する連携支援システムであって、機器からユーザ識別情報を含むログイン情報および実行対象の連携処理の連携識別情報を受付ける受付部と、前記連携識別情報によって識別される連携処理を実行するための連携設定がなされているか否かを判断する判断部と、前記連携設定がなされていないと判断した場合、該連携処理を行う前記サービス提供装置の機能利用の認証を示す認証チケットと、該サービス提供装置への利用許可を示す一時トークンと、を対応付けて記憶する記憶制御部と、該サービス提供装置に対する該連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および前記一時トークンを含む設定情報を、前記ユーザ識別情報によって識別されるユーザの通信アドレスを宛先として送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利便性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、連携支援システムの一例の構成図である。
【
図3】
図3は、認証サービス装置の機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、ワークフローサービス装置の機能ブロック図である。
【
図6】
図6は、サービス管理装置の機能ブロック図である。
【
図7】
図7は、連携支援処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本実施の形態の連携支援システム、連携支援方法、および連携支援プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本実施の形態の連携支援システム1の一例の構成図である。連携支援システム1は、複数のサービスの連携処理を支援するシステムである。連携支援システム1は、ユーザシステム2と、サービス提供システム3と、外部サービスシステム14と、を備える。ユーザシステム2と、サービス提供システム3と、外部サービスシステム14は、ネットワークNを介して接続されている。
【0011】
ユーザシステム2は、ユーザによって操作される各種装置を含むシステムである。本実施の形態では、ユーザシステム2は、機器10と、PC12と、を含む。
【0012】
機器10は、各種の機能を実行する装置である。機器10は、例えば、コピー、スキャナ、プリンタ等の機能を備えた複合機(MFP:Multifunction Peripheral)や、電子黒板や、プロジェクタ等である。本実施の形態では、機器10が、複合機である場合を一例として説明する。
【0013】
本実施の形態では、機器10は、CPU等により実行されるWebブラウザ10Aを有する。機器10を操作するユーザは、Webブラウザ10Aを介してサービス提供システム3および外部サービスシステム14で提供されるサービスを利用することができる。
【0014】
PC12は、ユーザによって操作される装置である。PC12は、例えば、公知のパーソナルコンピュータである。また、PC12は、携帯可能な装置であってもよい。この場合、PC12は、例えば、携帯端末、タブレットPC、ノードPC、スマートフォンなどである。
【0015】
本実施の形態では、PC12は、CPU等により実行されるWebブラウザ12Aを有する。PC12を操作するユーザは、Webブラウザ12Aを介してサービス提供システム3および外部サービスシステム14で提供されるサービスを利用することができる。
【0016】
なお、
図1には、ユーザシステム2が、1台の機器10と1台のPC12を含む構成を一例として示した。しかし、ユーザシステム2は、1または複数の機器10と、1または複数のPC12と、を備えた構成であってもよい。
【0017】
外部サービスシステム14は、サービス提供装置の一例である。外部サービスシステム14は、公知のクラウドサービス等の様々なサービスを提供するシステムである。例えば、外部サービスシステム14は、ストレージ記憶領域の貸し出し等のサービスを行う。外部サービスシステム14は、外部サービスシステム14に保存されているリソースや、そのリソースを扱うサービスを提供する。
【0018】
外部サービスシステム14は、1または複数のサービス提供装置14Aを含む。サービス提供装置14Aは、サービスを提供する装置である。なお、外部サービスシステム14が複数のサービス提供装置14Aを含む場合、複数のサービス提供装置14Aは、互いに異なるサービスを提供する装置であるものとして説明する。
【0019】
サービス提供システム3は、複数種類のサービスを提供するシステムである。例えば、サービス提供システム3は、プリントサービス、スキャンサービス、メールサービス、などを提供する。なお、プリントサービスおよびスキャンサービスを総称して説明する場合には、MFPサービスと称して説明する場合がある。
【0020】
本実施の形態では、サービス提供システム3は、サービス管理装置16、認証サービス装置18、メールサービス装置20、およびワークフローサービス装置22の複数の装置により、複数種類のサービスを提供する形態を一例として説明する。
【0021】
なお、サービス提供システム3は、一台の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現してもよい。
【0022】
なお、連携支援システム1では、OAuthと呼ばれるAPI認可の標準的技術を利用しているものとする。サービス提供システム3は、OAuthのコンシューマ(Consumer)に相当する。外部サービスシステム14は、OAuthのサービスプロバイダ(Service Provider :SP)に相当する。
【0023】
また、外部サービスシステム14は、WebAPI(Application Programming Interface)を公開しているものとする。このため、ユーザは、WebAPIを通じて自身の権限の範囲内で、外部サービスシステム14に保存されているリソースや、そのリソースを扱うサービスを利用することが可能である。
【0024】
また、サービス提供システム3において各サービスを提供する装置は、ユーザから委譲された権限に基づく認可トークンを利用することで、ユーザから委譲された権限の範囲内で、外部サービスシステム14に保存されているリソースや、そのリソースを扱うサービスを利用することが可能となる。
【0025】
次に、ハードウェア構成を説明する。
図2は、PC12、外部サービスシステム14、サービス管理装置16、認証サービス装置18、メールサービス装置20、およびワークフローサービス装置22のハードウェア構成図の一例である。PC12、外部サービスシステム14、サービス管理装置16、認証サービス装置18、メールサービス装置20、およびワークフローサービス装置22は、入力装置32、表示装置36、外部I/F33、RAM(Random Access Memory)31、ROM(Read Only Memory)35、CPU(Central Processing Unit)30、通信I/F37、およびHDD(Hard Disk Drive)34などを備え、それぞれがバスBで相互に接続されている。
【0026】
入力装置32はキーボードやマウス、タッチパネルなどを含み、ユーザが各操作信号を入力するのに用いられる。表示装置36はディスプレイなどを含み、各種情報を表示する。通信I/F37は、ネットワークNに接続するインタフェースである。
【0027】
HDD34はプログラムやデータを格納する不揮発性の記憶装置である。格納されるプログラムやデータには、基本ソフトウェアであるOS(Operating System)や、OS上において各種機能を提供するアプリケーションソフトウェアなどがある。
【0028】
外部I/F33は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体38などがある。記録媒体38は、フレキシブルディスク、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory card)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory)などがある。
【0029】
次に、認証サービス装置18の機能を説明する。
図3は、認証サービス装置18の機能ブロック図の一例である。認証サービス装置18は、機器10やPC12からのログイン要求に基づいて、認証を実行する。また、認証サービス装置18は、ユーザの情報や、サービスに関する情報を管理する。例えば、認証サービス装置18は、通信部18Aと、認証部18Bと、記憶部18Cと、を有する。通信部18Aは、ネットワークNを介して他の装置と通信する。
【0030】
記憶部18Cは、各種データを記憶する。例えば、記憶部18Cは、ユーザ管理情報18Dと、サービス管理情報18Eと、を記憶する。
【0031】
ユーザ管理情報18Dは、ユーザIDと、パスワードと、組織IDと、を対応付けて記憶する。ユーザIDは、ユーザ識別情報である。組織IDは、ユーザの属する組織の識別情報である。本実施の形態では、サービス提供システム3や外部サービスシステム14が提供するサービスを組織ID単位で管理する。このため、本実施の形態では、組織IDは、サービス提供システム3や外部サービスシステム14が提供するサービスの識別情報として機能する。
【0032】
サービス管理情報18Eは、連携IDと、組織IDと、ユーザIDと、スコープと、認証トークンと、を対応付けて記憶する。
【0033】
連携IDは、複数のサービスの連携処理を識別する識別情報である。連携処理は、例えば、原稿のスキャンとスキャンによって得られた原稿データのメール送信の連携処理や、原稿のスキャンとスキャンによって得られた原稿データを外部サービスシステム14へ記憶する連携処理、などである。なお、連携処理の種類は、これらに限定されない。
【0034】
スコープは、サービス範囲を特定する情報である。スコープを読取ることで、連携処理に必要な外部サービスシステム14のサービスを特定することができる。なお、スコープは、サービス範囲と、該サービス範囲によって示されるサービス(例えば、外部サービスシステム14へのファイル書込み)の実行権限を示す情報であってもよい。
【0035】
認証トークンは、外部サービスシステム14によって提供されるリソースや該リソースを扱うサービスへのアクセス許可を示すトークンである。このため、サービス管理情報18Eに認証トークンの登録されている連携IDによって識別される連携処理は、連携設定がなされていることを示す。
【0036】
認証部18Bは、機器10またはPC12から、通信部18Aを介してログイン情報を受付ける。ユーザは、連携支援システム1が提供する連携サービスを利用する際に、機器10の操作パネル10Gを操作することで、ログイン情報を入力する。例えば、ユーザは、操作パネル10Gを操作することで、組織ID、ユーザID、およびパスワード入力する。すると、機器10は、組織ID、ユーザID、およびパスワードを含むログイン情報を、認証サービス装置18へ送信する。すると、認証部18Bは、ログイン情報を受付ける。
【0037】
そして、認証部18Bは、受付けたログイン情報に含まれるユーザIDおよびパスワードがユーザ管理情報18Dに対応付けて登録されているか否かを判断する。対応付けて記憶されている場合、認証部18Bは、認証成功と判断し、認証チケットを生成する。そして、認証部18Bは、生成した認証チケットを、通信部18Aを介して、該ログイン情報の送信元の機器10またはPC12へ送信する。
【0038】
認証チケットとは、連携支援システム1へのログインが成功したことを示す情報であり、認証成功したユーザのユーザIDを含む情報である。
【0039】
また、認証部18Bは、組織IDによって識別されるサービスを提供する外部サービスシステム14へのアクセス許可を示す認証トークンを外部サービスシステム14から受付けた場合、該認証トークンをサービス管理情報18Eへ記憶する。このため、サービス管理情報18Eに認証トークンの登録されているサービスは、連携設定がなされていることを示す。
【0040】
次に、ワークフローサービス装置22の機能を説明する。
図4は、ワークフローサービス装置22の機能ブロック図の一例である。ワークフローサービス装置22は、通信部22Aと、ワークフロー管理部22Bと、記憶部22Cと、を備える。通信部22Aは、ネットワークNを介して他の装置と通信する。
【0041】
記憶部22Cは、各種データを記憶する。例えば、記憶部22Cは、ワークフロー管理情報22Dを記憶する。ワークフロー管理情報22Dは、連携IDと、組織IDと、ユーザIDと、スコープと、を対応づけた情報である。
【0042】
組織IDは、上述したように、サービスの識別情報である。このため、ワークフロー管理情報22Dには、1つの連携IDに対応付けて、1または複数の組織IDが対応付けられている。
【0043】
次に、機器10の機能の一例を説明する。
図5は、機器10の機能ブロック図の一例である。上述したように、本実施の形態では、機器10が、複合機である場合を一例として説明する。
【0044】
機器10は、制御部10Bと、機能実行部10Cと、操作パネル10Gと、を備える。操作パネル46は、ユーザによる各種操作指示を受付けると共に、各種情報を表示する。操作パネル10Gは、例えば、上述したWebブラウザ10Aを備える。
【0045】
機能実行部10Cは、コピー、スキャナ、プリンタ等の機能を実行する実行部である。制御部10Bは、機器10を制御する。制御部10Bは、機能制御部10Dと、入出力制御部10Eと、通信部10Fと、を備える。
【0046】
機能制御部10Dは、機能実行部10Cの動作を制御する。通信部10Fは、ネットワークを介して各種装置と通信する。
【0047】
入出力制御部10Eは、機能制御部10D、および通信部10Fにデータや信号を授受可能に接続されている。入出力制御部10Eは、操作パネル10Gおよび機能制御部10Dに対する入出力を制御する。
【0048】
次に、サービス管理装置16の機能の一例を説明する。
図6は、サービス管理装置16の機能ブロック図の一例である。
【0049】
サービス管理装置16は、機器10およびPC12や外部サービスシステム14とのセッションを管理する。
【0050】
例えば、サービス管理装置16は、機器10に設けられた機能(例えば、プリント、スキャンなど)のサービスを提供するためのアプリケーションを管理する。これらのアプリケーションは、サービス提供システム3に搭載されている。本実施の形態では、これらのアプリケーションが、サービス管理装置16に搭載されている場合を一例として説明する。これらのアプリケーションは、外部サービスシステム14や機器10が提供するサービスと連携してサービスを提供することで、連携処理を実現可能である。なお、この場合、サービス管理装置16は、外部サービスシステム14にアクセスするための認証トークンを外部サービスシステム14から取得することで、外部サービスシステム14へアクセスして連携処理を実現することができる。
【0051】
また、サービス管理装置16は、これらのアプリケーションの各々を実行するためには、何れの外部サービスシステム14の何れのサービス範囲(スコープ)連携している必要があるか、を管理する。
【0052】
サービス管理装置16は、例えば、通信部16Aと、記憶部16Bと、判断部16Cと、作成部16Dと、記憶制御部16Eと、を備える。通信部16Aは、ネットワークNを介して他の装置と通信する。記憶部16Bは、各種データを記憶する。
【0053】
サービス管理装置16の通信部16Aは、受付部の一例である。本実施の形態では、通信部16Aは、機器10からユーザIDを含むログイン情報を受付ける。
【0054】
本実施の形態では、通信部16Aは、機器10から受付けたログイン情報の認証成功を認証サービス装置18で判断することで発行された認証チケットを含む、外部連携設定確認情報を、機器10から受付ける。
【0055】
また、サービス管理装置16の通信部16Aは、連携ID(連携識別情報)を機器10から受付ける。本実施の形態では、例えば、機器10は、連携支援システム1で提供可能または提供予定の連携処理の一覧を示す表示画面を操作パネル10Gへ表示する。ユーザは、操作パネル10Gを操作することで実行対象の連携処理を操作指示する。すると、機器10は、操作指示された連携処理の連携IDを、サービス管理装置16へ送信すればよい。
【0056】
判断部16Cは、連携IDによって識別される連携処理を実行するための連携設定がなされているか否かを判断する。
【0057】
本実施の形態では、判断部16Cは、ワークフローサービス装置22およびワークフローサービス装置22と通信することで、この判断を行う。
【0058】
詳細には、判断部16Cは、機器10から受け付けた認証チケットと、実行対象の連携処理の連携IDと、をワークフローサービス装置22へ送信する。ワークフローサービス装置22のワークフロー管理部22Bは、ワークフロー管理情報22Dにおける、サービス管理装置16から受付けた連携IDに対応するスコープを特定することで、該連携IDによって識別される連携処理に必要なサービスを確認する。
【0059】
そして、ワークフロー管理部22Bは、特定したスコープをサービス管理装置16へ送信する。
【0060】
サービス管理装置16の判断部16Cは、ワークフローサービス装置22から受付けたスコープを解析する。上述したように、スコープは、サービス範囲を示す情報である。このため、判断部16Cは、スコープを解析することで、実行対象の連携処理に必要なサービスを特定する。
【0061】
次に、サービス管理装置16の判断部16Cは、実行対象の連携処理に必要と特定した複数のサービスに対する連携設定がなされているか否かを判断する。本実施の形態では、判断部16Cは、受付けたスコープを認証サービス装置18へ送信する。
【0062】
認証サービス装置18の認証部18Bは、サービス管理情報18Eに、ワークフローサービス装置22から受付けたスコープに対応する認証トークンが登録されているか否か判断する。認証トークンが設定されている場合、連携支援システム1は、実行対象の連携処理を実行する。
【0063】
一方、認証サービス装置18の認証部18Bは、サービス管理情報18Eに、サービス管理装置16から受付けたスコープに対応する認証トークンが登録されていない場合、実行対象の連携処理を実行するための連携設定がなされていないと判断する。そして、認証部18Bは、判断結果を、サービス管理装置16へ送信する。
【0064】
サービス管理装置16の判断部16Cは、認証サービス装置18から、連携設定がなされていない事を示す判断結果を受付けると、連携設定がなされていないと判断する。
【0065】
連携設定がなされていないと判断した場合、判断部16Cは、実行対象の連携処理を行う外部サービスシステム14への利用許可を示す一時トークンの発行要求を認証サービス装置18へ送信する。そして、判断部16Cは、認証サービス装置18から、認証サービス装置18の認証部18Bで一時的に発行された一時トークンを受付ける。
【0066】
サービス管理装置16の記憶制御部16Eは、判断部16Cで受付けた一時トークンと、機器10から受付けた認証チケットと、を対応づけてサービス管理装置16のトークン管理情報16Fに記憶する。このため、トークン管理情報16Fには、認証チケットと、一時トークンと、が対応づけて登録される。
【0067】
作成部16Dは、実行対象の連携処理によって提供されるサービスを提供する外部サービスシステム14に対する、連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および上記一時トークンを含む設定情報を作成する。
【0068】
本実施の形態では、連携設定を行うための設定画面の記憶場所は、サービス管理装置16おの記憶部16B内の特定の領域であるものとする。
【0069】
連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報は、例えば、URL(Uniform Resource Locator)で表される。なお、アドレス情報は、URLに限定されない。本実施の形態では、アドレス情報が、URLで表される場合を、一例として説明する。
【0070】
設定画面は、連携設定を行うための設定画面である。連携設定は、例えば、連携処理を行うサービスや、複数のサービスによる連携処理の順序、連携処理を行うサービスを実行する外部サービスシステム14から提供される認証トークン、などの設定である。なお、認証トークンは、設定画面に示されるサービスに応じて、連携支援システム1側で対応する外部サービスシステム14へ認証トークンの発行要求を送信することで、後から付与される。
【0071】
このようにして、作成部16Dは、上記URLおよび一時トークンを含む設定情報を生成する。なお、作成部16Dは、認証トークンを含むアドレス情報(URL)を作成してもよい。例えば、作成部16Dは、末尾に認証トークンを付与したアドレス情報を作成してもよい。この場合、作成部16Dは、設定画面の記憶場所および一時トークンを示す設定情報(URL)を作成することができる。
【0072】
次に、通信部16Aが、作成部16Dで生成された設定情報を、ログイン情報に含まれるユーザIDによって識別されるユーザの通信アドレスを宛先として送信する。
【0073】
例えば、記憶部16Bに、ユーザIDと、ユーザIDによって識別されるユーザの通信アドレスを予め対応付けて記憶する。通信アドレスは、例えば、メールアドレスである。
【0074】
本実施の形態では、通信アドレスが、メールアドレスである場合を一例として説明する。このため、通信部16Aは、上記URLの記載されたメール本文を、該メールアドレス宛に送信する。具体的には、該メール本文は、メールサービス装置20を介して該メールアドレスに送信される。
【0075】
ユーザは、例えば、PC12により該メールを受信する。そして、ユーザは、メール本文に示されるURLを操作指示する。この処理により、PC12は、該URLによって示される記憶場所であるサービス管理装置16の記憶部16Bへアクセスすると共に、該URLに設定されている一時トークンをサービス管理装置16へ送信する。
【0076】
サービス管理装置16の判断部16Cは、通信部16Aを介してPC12から一時トークンを受信すると、受信した一時トークンに対応する認証チケットをトークン管理情報16Fから読取る。このため、PC12を操作するユーザは、再度連携支援システム1に対してログイン操作を行うことなく、サービス管理装置16に対して認証チケットを特定させることができる。
【0077】
すなわち、サービス管理装置16は、PC12から受付けたログイン情報に応じて認証サービス装置18で再度発行された認証チケットを特定するのではなく、PC12から受付けた一時トークンに対応する認証チケットをトークン管理情報16Fから読取ることで、認証チケットを特定することができる。
【0078】
そして、サービス管理装置16の通信部16Aは、特定した認証チケットを、PC12のWebブラウザ12Aへ送信する。このため、サービス管理装置16およびPC12は、PC12のWebブラウザ12Aが連携支援システム1にログイン済であるとして扱うことができる。
【0079】
そして、連携支援システム1は、連携設定のための操作をPC12から受付ければよい。ここで、外部サービスシステム14とOAuthを用いて連携処理を行うためには、事前に、APIの呼出が必要となる。
【0080】
このため、PC12のWebブラウザ12Aは、API読出を認証サービス装置18に対して行う。すると、認証サービス装置18が、外部サービスシステム14へAPI読出を行うことで、連携処理の設定画面のURLが、外部サービスシステム14から返信される。認証サービス装置18は、返信されたURLによって示される設定画面をPC12がWebブラウザ12Aを用いて表示するように、PC12へリダイレクトする(指示する)。PC12は、該設定画面を表示する。
【0081】
ユーザは、設定画面を参照しながらPC12を操作することで、連携設定を行う。例えば、実行対象の連携処理が、原稿のスキャンとスキャンによって得られた原稿データをサービス提供装置14A(例えば、特定のサーバ装置)へ記憶する連携処理であったと仮定する。この場合、例えば、該サービス提供装置14Aの設定画面として、“AAというアプリがYYの権限を求めています。OKしますか?”との文字情報を含む画面がPC12に表示される。ユーザは、表示される指示に従ってPC12を操作することで、認証サービス装置18のサービス管理情報18Eに、実行対象の連携処理の連携IDに対応付けて認証トークンが記憶されることとなる。
【0082】
次に、連携支援システム1で実行される連携支援処理の流れの一例を説明する。
図7は、本実施の形態の連携支援システム1が実行する連携支援処理の流れの一例を示す、シーケンス図である。
【0083】
まず、ユーザAが、機器10の操作パネル10Gを操作することで、Webページの読み込みを指示することで、アプリケーション実行指示を入力する(ステップS100)。機器10のWebブラウザ10Aが、Webページ内のJavaScript(登録商標)を実行することで、機器10がWebページを表示する(ステップS102、ステップS104、ステップS106)。
【0084】
次に、ユーザAは、機器10の操作パネル10Gを操作することで、MFPサービスを実行するためのアプリケーションの実行指示を入力する(ステップS106)。機器10のWebブラウザ10Aは、例えば、
図8に示す表示画面80を表示する。表示画面80は、連携処理の一覧を示す画面である。ユーザAは、表示画面80に表示された連携処理の中から、実行対象の連携処理を選択する。すると、機器10は、ログイン画面を操作パネル10Gに表示する(ステップS108)。
【0085】
ユーザAは、ログイン画面を介して、組織ID、ユーザID、およびパスワードを入力する(ステップS110)。すると、機器10は、入力された組織ID、ユーザID、およびパスワードを含むログイン情報を、認証サービス装置18へ送信する(ステップS112)。なお、パスワードとして、PINコードを用いてもよい。
【0086】
認証サービス装置18の認証部18Bは、機器10から受付けたログイン情報に含まれるユーザIDおよびパスワードがユーザ管理情報18Dに対応付けて登録されているか否かを判断する(ステップS114)。対応付けて記憶されている場合、認証部18Bは、認証成功と判断し、認証チケットを生成し、該ログイン情報の送信元の機器10へ送信する(ステップS118)。
【0087】
次に、機器10は、ステップS118で受信した認証チケットと、実行対象の連携処理の連携IDと、を含む外部連携設定確認情報を、サービス管理装置16へ送信する(ステップS120)。
【0088】
図7に戻り説明を続ける。サービス管理装置16の判断部16Cは、機器10から受け付けた認証チケットと、実行対象の連携処理の連携IDと、をワークフローサービス装置22へ送信する(ステップS122)。ステップS120の処理によって、サービス管理装置16は、必要な外部サービスの確認要求をワークフローサービス装置22へ送信する。
【0089】
ワークフローサービス装置22のワークフロー管理部22Bは、ワークフロー管理情報22Dにおける、ステップS122でサービス管理装置16から受付けた連携IDに対応するスコープを特定することで、該連携IDによって識別される連携処理に必要なサービスを確認する(ステップS124)。
【0090】
そして、ワークフロー管理部22Bは、特定したスコープをサービス管理装置16へ送信する(ステップS126)。
【0091】
次に、サービス管理装置16の判断部16Cは、実行対象の連携処理に必要と特定した複数のサービスに対する連携設定がなされているか否かを判断する。本実施の形態では、判断部16Cは、受付けたスコープを認証サービス装置18へ送信する(ステップS128)。
【0092】
認証サービス装置18の認証部18Bは、サービス管理情報18Eに、ワークフローサービス装置22から受付けたスコープに対応する認証トークンが登録されているか否か判断する(ステップS130)。認証トークンが設定されている場合、連携支援システム1は、実行対象の連携処理を実行する。
【0093】
一方、認証サービス装置18の認証部18Bは、サービス管理情報18Eに、サービス管理装置16から受付けたスコープに対応する認証トークンが登録されていない場合、実行対象の連携処理を実行するための連携設定がなされていないと判断する。ここでは、連携設定がなされていないものとして説明を続ける。
【0094】
そして、認証部18Bは、連携設定がなされていない事を示す判断結果を、サービス管理装置16へ送信する(ステップS132)。
【0095】
サービス管理装置16の判断部16Cは、認証サービス装置18から、連携設定がなされていない事を示す判断結果を受付けると、連携設定がなされていないと判断する。
【0096】
連携設定がなされていないと判断した場合、判断部16Cは、実行対象の連携処理を行う外部サービスシステム14への利用許可を示す一時トークンの発行要求を認証サービス装置18へ送信する(ステップS134)。そして、判断部16Cは、認証サービス装置18から、認証サービス装置18の認証部18Bで一時的に発行された一時トークンを受付ける(ステップS136、ステップS138)。
【0097】
サービス管理装置16の記憶制御部16Eは、判断部16Cで受付けた一時トークンと、機器10から受付けた認証チケットと、を対応づけてサービス管理装置16のトークン管理情報16Fに記憶する(ステップS140)。このため、トークン管理情報16Fには、認証チケットと、一時トークンと、が対応づけて登録される。
【0098】
サービス管理装置16の作成部16Dは、実行対象の連携処理によって提供されるサービスを提供する外部サービスシステム14に対する、連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および上記一時トークンを含む設定情報(URL)を作成する(ステップS140)。なお、ここでは設定情報を含む情報としてURLを作成することとしたがこれに限られない。二次元バーコードのようにURLに対応づけられた情報を作成してもよい。
【0099】
次に、サービス管理装置16の通信部16Aは、連携設定がなされていないことを示す連携設定確認結果を、機器10へ送信する(ステップS144)。機器10のWebブラウザ10Aは、例えば、
図9に示す表示画面81を表示する(ステップS146)。表示画面81は、連携設定がなされていないことを示す画面である。
【0100】
図7に戻り説明を続ける。次に、サービス管理装置16の通信部16Aが、ステップS140で作成した設定情報(URL)を、ステップS112のログイン情報に含まれるユーザIDによって識別されるユーザの通信アドレスを宛先として、メールサービス装置20を介して送信する(ステップS142、ステップS148、ステップS150)。なお、ここでは設定情報(URL)を送信する手段として電子メールサービスにて説明を行ったがこれに限られない。ショートメッセージサービス、SNSなどURLを送ることができる手段であれば適用できる。
【0101】
本実施の形態では、ユーザAの操作するPC12が、該メールを受信する。すると、PC12のWebブラウザ12Aが、該メールの画面を表示する(ステップS152)。
【0102】
図10は、表示される表示画面82の一例を示す模式図である。
図10に示すように、機器10には、URLを含むメール本文を示す表示画面82が表示される。
【0103】
なお、
図10に示すように、表示画面82は、複数のURL(すなわち、複数の設置情報)を含む画面であってもよい。この場合、サービス管理装置16の通信部16Aは、複数の連携設定を行うための、複数の設定画面の各々にアクセスするための複数のアドレス情報および複数の一時トークンを含む設定情報(URL)を、ユーザの通信アドレスを宛先として送信すればよい。
【0104】
図7に戻り説明を続ける。ユーザは、該メールに示されるURLを選択する(ステップS154)。すると、PC12のWebブラウザ12Aは、該URLによって示される記憶場所であるサービス管理装置16の記憶部16Bへアクセスすると共に、該URLに設定されている一時トークンをサービス管理装置16へ送信する(ステップS156)。
【0105】
サービス管理装置16の判断部16Cは、通信部16Aを介してPC12から一時トークンを受信すると、受信した一時トークンに対応する認証チケットをトークン管理情報16Fから読取る(ステップS158)。このため、PC12を操作するユーザは、連携支援システム1に対して再度ログイン操作を行うことなく、サービス管理装置16に対して認証チケットを特定させることができる。
【0106】
すなわち、サービス管理装置16は、PC12から受付けたログイン情報に応じて認証サービス装置18で再度発行された認証チケットを特定するのではなく、PC12から受付けた一時トークンに対応する認証チケットをトークン管理情報16Fから読取ることで、認証チケットを特定することができる。
【0107】
そして、サービス管理装置16の通信部16Aは、特定した認証チケットを、PC12のWebブラウザ12Aへ送信する(ステップS160)。このため、サービス管理装置16およびPC12は、PC12のWebブラウザ12Aが連携支援システム1にログイン済であるとして扱うことができる。
【0108】
次に、PC12のWebブラウザ12Aは、API読出を認証サービス装置18に対して行う(ステップS162)。すると、認証サービス装置18が、外部サービスシステム14へAPI読出を行うことで、連携処理の設定画面のURLが、外部サービスシステム14から返信される(ステップS164)。認証サービス装置18は、返信されたURLによって示される設定画面をPC12がWebブラウザ12Aを用いて表示するように、PC12へリダイレクトする(ステップS166)。
【0109】
このため、PC12には、設定画面が表示される。
図11は、設定画面84の一例を示す模式図である。
【0110】
図7に戻り説明を続ける。ユーザは、設定画面を参照しながらPC12を操作することで、連携設定を行う(ステップS168)。例えば、実行対象の連携処理が、原稿のスキャンとスキャンによって得られた原稿データをサービス提供装置14A(例えば、特定のサーバ装置)へ記憶する連携処理であったと仮定する。この場合、例えば、該サービス提供装置14Aの設定画面として、“AAというアプリがYYの権限を求めています。OKしますか?”との文字情報を含む画面がPC12に表示される。ユーザは、表示される指示に従ってPC12を操作することで、認証サービス装置18のサービス管理情報18Eに、実行対象の連携処理の連携IDに対応付けて認証トークンが記憶されることとなる。そして、本シーケンスを終了する。
【0111】
以上説明したように、本実施の形態の連携支援システム1は、サービス提供装置(サービス提供装置14A、サービス管理装置16、認証サービス装置18、メールサービス装置20、ワークフローサービス装置22)が提供する複数のサービスの連携処理を支援する連携支援システムである。連携支援システム1は、受付部(通信部16A)と、判断部16Cと、記憶制御部16Eと、送信部(通信部16A)と、を備える。受付部(通信部16A)は、機器11からユーザ識別情報(ユーザID)を含むログイン情報および実行対象の連携処理の連携識別情報(連携ID)を受付ける。判断部16Cは、連携識別情報(連携ID)によって識別される連携処理を実行するための連携設定がなされているか否かを判断する。記憶制御部16Eは、連携設定がなされていないと判断した場合、該連携処理を行うサービス提供装置の機能利用の認証を示す認証チケットと、該サービス提供装置への利用許可を示す一時トークンとを対応付けて記憶する。送信部(通信部16A)は、該サービス提供装置に対する該連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および一時トークンを含む設定情報(URL)を、ユーザ識別情報(ユーザID)によって識別されるユーザの通信アドレス(メールアドレス)を宛先として送信する。
【0112】
このように、本実施の形態の連携支援システム1は、連携処理を実行するための連携設定がなされていない場合、一時トークンに対応する認証チケットを対応付けて記憶する。このため、連携支援システム1は、機器10を操作していたユーザに対して、連携設定を行うために、他の装置(例えば、PC12)を用いて再度連携支援システム1にログインした後に連携設定を行う、といった操作を不要とすることができる。すなわち、連携支援システム1は、ユーザの通信アドレスに対して送信した一時トークンを受付けることで、該一時トークンに対応する認証チケットを特定することができる。このため、連携支援システム1は、PC12からのユーザによるログイン情報を取得する必要なく、連携設定を受付けることが可能となる。
【0113】
このため、連携支援システム1に実行対象の連携設定がなされていない場合であっても、ユーザは、ログインの作業を行った機器10とは別のPC12を用いて、再度、連携支援システム1へログインする作業を行うことなく、連携設定を行うことができる。
【0114】
従って、本実施の形態の連携支援システム1は、利便性の向上を図ることができる。
【0115】
一方、従来技術では、連携設定が行われてない状態で、ユーザが機器10を介して連携支援システム1にログインした場合、連携設定を行うために別の装置(例えば、PC12)から連携支援システム1に別途ログインした上で、連携設定を行う必要があった。
【0116】
図12および
図13は、従来技術の表示画面の遷移の一例を示す模式図である。例えば、機器10を用いて連携支援システム1へログインしたユーザに対して、機器10のWebブラウザ10Aが、
図8に示す表示画面80を表示したと仮定する。そして、ユーザが、表示画面80に表示された連携処理の中から、実行対象の連携処理を選択したと仮定する。そして、選択された連携処理の連携設定がなされていなかったと仮定する。
【0117】
この場合、従来では、機器10には、
図12に示す比較表示画面800が表示されていた。そして、ユーザは、連携設定を行う場合、別の装置(例えば、PC12)から連携支援システム1に別途ログインした上で、連携設定を行う必要があった。
【0118】
このため、従来技術では、連携設定を行うための別の装置から連携支援システム1に別途ログインした上で、連携設定を行う必要があり、利便性に劣っていた。
【0119】
一方、本実施の形態の連携支援システム1によれば、上記特有の構成であるため、利便性の向上を図ることができる。
【0120】
また、上述したように、通信部16Aは、複数の連携設定を行うための、複数の設定画面の各々にアクセスするための複数のアドレス情報および複数の一時トークンを含む設定情報(URL)を、ユーザの通信アドレス(メールアドレス)を宛先として送信してもよい。
【0121】
この場合、ユーザは、複数のメールを別々に開くことなく、1つのメールを確認することで、複数の連携設定の各々を行うことができる。
【0122】
また、本実施の形態の連携支援方法は、サービス提供装置(サービス提供装置14A、サービス管理装置16、認証サービス装置18、メールサービス装置20、ワークフローサービス装置22)が提供する複数のサービスの連携処理を支援する連携支援システム1で実行される連携支援方法である。本実施の形態の連携支援方法は、機器11からユーザ識別情報(ユーザID)を含むログイン情報および実行対象の連携処理の連携識別情報(連携ID)を受付けるステップと、連携識別情報(連携ID)によって識別される連携処理を実行するための連携設定がなされているか否かを判断するステップと、連携設定がなされていないと判断した場合、該連携処理を行うサービス提供装置の機能利用の認証を示す認証チケットと、該サービス提供装置への利用許可を示す一時トークンとを対応付けて記憶するステップと、該サービス提供装置に対する該連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および一時トークンを含む設定情報(URL)を、ユーザ識別情報(ユーザID)によって識別されるユーザの通信アドレス(メールアドレス)を宛先として送信するステップと、を含む。
【0123】
また、本実施の形態の連携支援プログラムは、サービス提供装置(サービス提供装置14A、サービス管理装置16、認証サービス装置18、メールサービス装置20、ワークフローサービス装置22)が提供する複数のサービスの連携処理を支援する連携支援システム1で実行される連携支援プログラムである。本実施の形態の連携支援プログラムは、機器11からユーザ識別情報(ユーザID)を含むログイン情報および実行対象の連携処理の連携識別情報(連携ID)を受付けるステップと、連携識別情報(連携ID)によって識別される連携処理を実行するための連携設定がなされているか否かを判断するステップと、連携設定がなされていないと判断した場合、該連携処理を行うサービス提供装置の機能利用の認証を示す認証チケットと、該サービス提供装置への利用許可を示す一時トークンとを対応付けて記憶するステップと、該サービス提供装置に対する該連携設定を行うための設定画面の記憶場所を示すアドレス情報および一時トークンを含む設定情報(URL)を、ユーザ識別情報(ユーザID)によって識別されるユーザの通信アドレス(メールアドレス)を宛先として送信するステップと、コンピュータに実行させるための連携支援プログラムである。
【0124】
なお、上述した実施の形態における、上記サービス支援処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0125】
また、上述した実施の形態における、上記サービス支援処理を実行するための連携支援プログラムは、上記各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU(プロセッサ回路)がROMまたはHDDから連携支援プログラムを読み出して実行することにより、上述した各機能部がRAM(主記憶)上にロードされ、上述した各機能部がRAM(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、上述した各機能部の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0126】
なお、上記には、実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施の形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
1 連携支援システム
3 サービス提供システム
10 機器
14 外部サービスシステム
16 サービス管理装置
16A 通信部
16B 記憶部
16C 判断部
16D 作成部
16E 記憶制御部
16F トークン管理情報
【先行技術文献】
【特許文献】
【0128】