(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】分散液、組成物、封止部材、発光装置、照明器具および表示装置
(51)【国際特許分類】
H01L 33/56 20100101AFI20220614BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20220614BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H01L33/56
C08K3/22
C08L101/00
(21)【出願番号】P 2018145055
(22)【出願日】2018-08-01
【審査請求日】2021-02-02
(31)【優先権主張番号】P 2017151682
(32)【優先日】2017-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000183266
【氏名又は名称】住友大阪セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168572
【氏名又は名称】後藤 仁志
(74)【代理人】
【識別番号】100180415
【氏名又は名称】荒井 滋人
(72)【発明者】
【氏名】原田 健司
(72)【発明者】
【氏名】大塚 剛史
【審査官】小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-097263(JP,A)
【文献】国際公開第2014/126016(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/060289(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/142992(WO,A1)
【文献】特開2014-086526(JP,A)
【文献】特開2015-213157(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0210965(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H01L 33/48 - 33/64
C08K 3/22
C08L 101/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子と、少なくとも一部が前記金属酸化物粒子に付着した表面修飾材料と、を含有し、
動的光散乱法により得られる散乱強度分布の累積百分率が50%のときの前記金属酸化物粒子の粒子径D50が、20nmより大きく、100nm以下であ
り、
前記金属酸化物粒子に付着していない前記表面修飾材料の含有量は、前記金属酸化物粒子および前記表面修飾材料の合計の含有量に対し、20質量%以上53質量%以下である、発光素子を封止するための分散液。
【請求項2】
前記表面修飾材料が、アルケニル基、H-Si基、およびアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する、請求項1に記載の分散液。
【請求項3】
請求項1または2に記載の分散液と、樹脂成分とを混合することにより得られる、発光素子を封止するための組成物。
【請求項4】
請求項3に記載の組成物の硬化物である、封止部材。
【請求項5】
請求項4に記載の封止部材と、前記封止部材により封止された発光素子と、を備える発光装置。
【請求項6】
請求項5に記載の発光装置を備える、照明器具。
【請求項7】
請求項5に記載の発光装置を備える、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表面修飾材料が付着した屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子を含む分散液、組成物、封止部材、発光装置、照明器具および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型、長寿命化、低電圧駆動等の長所を有する光源として、発光ダイオード(LED)が広く用いられている。LEDパッケージ中のLEDチップは、一般に、酸素、水分といった外部環境に存在する劣化因子との接触を防止するために、樹脂を含む封止材料で封止されている。したがって、LEDチップにおいて発した光は、封止材料を透過して外部に向かって出射される。そのため、LEDパッケージから放出される光束を増大させるためには、LEDチップにおいて放出された光をLEDパッケージ外部に効率よく取り出すことが重要となる。
【0003】
LEDチップから放出された光の取り出し効率を向上させるための封止材料として、分散粒径が1nm以上かつ20nm以下でありかつ屈折率が1.8以上である無機酸化物粒子と、シリコーン樹脂とを含有してなる組成物が提案されている(特許文献1)。
【0004】
この組成物では、分散粒径が小さく、かつ屈折率が高い無機酸化物粒子を含む分散液が、シリコーン樹脂に混合されている。そのため、組成物中の無機酸化物粒子が封止材料の屈折率を向上させることができ、LEDチップから発光された光が封止材料に進入する際に、LEDチップと封止材料の界面での光の全反射を抑制することができる。また、無機酸化物粒子の分散粒径が小さいため、封止材料の透明性の低下が抑制される。これらの結果として、LEDチップからの光の取り出し効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、LEDパッケージ等の発光装置から放出される光束をより一層増大させるために、光の取り出し効率のさらなる向上が求められていた。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、発光装置の光の取り出し効率を向
上させることができる、表面修飾材料が付着した屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子を含む分散液、これを含有する組成物、該組成物を用いて形成される封止部材、この封止部材を有する発光装置、ならびにこの発光装置を備えた照明器具および表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子と、少なくとも一部が前記金属酸化物粒子に付着した表面修飾材料と、を含有し、動的光散乱法により得られる散乱強度分布の累積百分率が50%のときの前記金属酸化物粒子の粒子径D50が、20nmより大きく、100nm以下である、発光素子を封止するための分散液が提供される。
【0009】
前記表面修飾材料は、アルケニル基、H-Si基、およびアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有していてもよい。
【0010】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記分散液と、樹脂成分と、を含有する、発光素子を封止するための組成物が提供される。
【0011】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記組成物の硬化物である、封止部材が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記封止部材と、前記封止部材により封止された発光素子と、を備える発光装置が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記発光装置を備えてなる照明器具が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、前記発光装置を備えてなる表示装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
以上、本発明によれば、発光装置の光の取り出し効率を向上させることができる、表面修飾材料が付着した屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子を含む分散液、これを含有する組成物、該組成物を用いて形成される封止部材、この封止部材を有する発光装置、ならびにこの発光装置を備えた照明器具および表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る発光装置の一例を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る発光装置の他の一例を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る発光装置の他の一例を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る発光装置の他の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
<1. 分散液>
本実施形態に係る分散液は、後述するように樹脂成分と混合されて発光装置中の封止部材として発光素子の封止に用いられる。本実施形態に係る分散液は、屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子と、少なくとも一部が前記金属酸化物粒子に付着した表面修飾材料と、を含有する。
【0016】
(1.1 金属酸化物粒子)
本実施形態に係る分散液中に含まれる金属酸化物粒子は、1.7以上の屈折率を有し、封止部材の屈折率を向上させる。また、金属酸化物粒子は、後述するように封止部材中における光の散乱に用いられる。
【0017】
本実施形態で用いられる金属酸化物粒子は、屈折率が1.7以上であれば特に限定されない。このような金属酸化物粒子の屈折率は、封止部材の屈折率の向上および光の散乱効果の向上の観点から、好ましくは1.8以上、より好ましくは1.9以上、さらに好ましくは2.0以上である。
【0018】
1種の金属元素を含む屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ジルコニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化鉄粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化銅粒子、酸化錫粒子、酸化イットリウム粒子、酸化セリウム粒子、酸化タンタル粒子、酸化ニオブ粒子、酸化モリブデン粒子、酸化インジウム粒子、酸化アンチモン粒子、酸化ゲルマニウム粒子、酸化鉛粒子、酸化ビスマス粒子、酸化タングステン粒子、酸化ユーロピウム粒子、および酸化ハフニウム粒子からなる群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。
【0019】
2種の金属元素を含む屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子としては、例えば、チタン酸カリウム粒子、チタン酸バリウム粒子、チタン酸ストロンチウム粒子、ニオブ酸カリウム粒子、ニオブ酸リチウム粒子、タングステン酸カルシウム粒子、イットリア安定化ジルコニア粒子、アルミナ安定化ジルコニア粒子、シリカ安定化ジルコニア粒子、カルシア安定化ジルコニア粒子、マグネシア安定化ジルコニア粒子、スカンジア安定化ジルコニア粒子、ハフニア安定化ジルコニア粒子、イッテルビア安定化ジルコニア粒子、セリア安定化ジルコニア粒子、インジア安定化ジルコニア粒子、ストロンチウム安定化ジルコニア粒子、酸化サマリウム安定化ジルコニア粒子、酸化ガドリニウム安定化ジルコニア粒子、アンチモン添加酸化スズ粒子、およびインジウム添加酸化スズ粒子からなる群から選択される1種または2種以上が好適に用いられる。なお、3種以上の金属元素を含む金属酸化物粒子も、屈折率が1.7以上であれば用いることができる。また、上述した1種、2種および3種以上の金属元素を含む金属酸化物粒子を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0020】
これらの金属酸化物粒子の中でも、屈折率が高く、透明性が高い分散液を得るという観点において、金属酸化物粒子は、好ましくは酸化ジルコニウム粒子および/または酸化チタン粒子、より好ましくは酸化ジルコニウム粒子を含む。
【0021】
また、本実施形態においては、動的光散乱法により得られる散乱強度分布の累積百分率が50%のときの金属酸化物粒子(表面修飾材料が付着した金属酸化物粒子)の粒子径D50が20nmより大きくかつ100nm以下である。
【0022】
本実施形態の分散液において、動的光散乱法により得られる散乱強度分布の累積百分率が50%のときの金属酸化物粒子の粒子径D50(以下、単に「D50」ともいう)を20nmより大きくかつ100nm以下とした理由は次のとおりである。
【0023】
従来は、光の取り出し効率を向上させるためには、封止材料として用いられる組成物の透明性(透過率)は高い方が好ましいと考えられていた。そのため、分散液における金属酸化物粒子のD50はできる限り小さくした方が好ましいと考えられていた。
【0024】
しかしながら本発明者らは、分散液中の金属酸化物粒子のD50を20nmより大きくかつ100nm以下とし、発光素子から出射された光を後述する封止部材(硬化体)や組成物中でより多く散乱させることで、分散液や組成物自体の透明性が多少低下したとしても、封止部材における光の取り出し効率が向上することを見出した。
光の取り出し効率をより向上させる観点においては、金属酸化物粒子のD50は、好ましくは30nm以上100nm以下であり、より好ましくは30nm以上80nm以下であり、さらに好ましくは30nm以上70nm以下である。
【0025】
D50が20nm以下である場合には、光の散乱効果が十分には得られず、後述する組成物を封止材料として用いた場合に、光の取り出し効率が小さくなるため好ましくない。
一方でD50が100nmを超える場合には、後述する組成物の透過率が低くなりすぎて、封止材料として用いた場合に光の取り出し効率が小さくなるため好ましくない。
【0026】
なお、金属酸化物粒子のD50は、動的光散乱式の粒度分布計(例えば、HORIBA社製、型番:SZ-100SP)により測定することができる。測定は、固形分を5質量%に調整した分散液を対象として光路長10mm×10mmの石英セルを用いて行うことができる。なお、本明細書において「固形分」とは、分散液において揮発可能な成分を除去した際の残留物をいう。例えば、分散液1.2gを磁性るつぼに入れて、ホットプレートで、150℃で1時間加熱した時に、揮発せずに残留する成分(金属酸化物粒子や表面修飾材料等)を固形分とすることができる。
【0027】
本実施形態における金属酸化物粒子のD50は、分散液中における金属酸化物粒子の分散粒子径に基づいて測定、算出される値である。D50は、金属酸化物粒子が一次粒子または二次粒子のいずれの状態で分散しているかに関わらず、分散している状態の金属酸化物粒子の径に基づいて測定、算出される。また、本実施形態において、金属酸化物粒子のD50は、表面修飾材料が付着した金属酸化物粒子のD50として測定されてもよい。分散液中には、表面修飾材料が付着した金属酸化物粒子と、表面修飾材料が付着していない金属酸化物粒子とが存在し得るため、通常、金属酸化物粒子のD50は、これらの混合状態における値として測定される。
【0028】
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、例えば3nm以上20nm以下、好ましくは4nm以上20nm以下、より好ましくは5nm以上20nm以下である。平均一次粒子径が上記範囲であることにより、D50を20nmより大きくかつ100nm以下に制御することが容易となる。
【0029】
平均一次粒子径の測定方法は、金属酸化物粒子を所定数、例えば100個を選び出す。
そして、これらの金属酸化物粒子各々の最長の直線分(最大長径)を測定し、これらの測定値を算術平均して求める。
ここで金属酸化物粒子同士が凝集している場合には、この凝集体の凝集粒子径を測定するのではない。この凝集体を構成している金属酸化物粒子の粒子(一次粒子)の最大長径を所定数測定し、平均一次粒子径とする。
【0030】
本実施形態に係る分散液中における屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子の含有量は、所望の特性に応じて適宜調整して用いればよい。光散乱性と透明性を両立させる観点から、好ましくは1質量%以上70質量%以下、より好ましくは5質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは5質量%以上30質量%以下である。
【0031】
なお、以上の説明は、屈折率が1.7未満の金属酸化物粒子を分散液が含むことを排除するものではない。分散液は、その目的に応じて屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子に加え、屈折率が1.7未満の金属酸化物粒子を含み得る。
また、以上説明した金属酸化物粒子の表面には、以下に説明する表面修飾材料が付着している。これにより、分散液中において安定して金属酸化物粒子が分散する。
【0032】
(1.2 表面修飾材料)
本実施形態に係る分散液は、表面修飾材料を含む。この表面修飾材料は、分散液内において、少なくともその一部が金属酸化物粒子の表面に付着して、金属酸化物粒子の凝集を防止する。さらに、後述する樹脂成分との相溶性を向上させる。
【0033】
ここで、表面修飾材料が金属酸化物粒子に「付着する」とは、表面修飾材料が金属酸化物粒子に対し、これらの間の相互作用により接触または結合することをいう。接触としては、例えば物理吸着が挙げられる。また、結合としては、イオン結合、水素結合、共有結合等が挙げられる。
【0034】
このような表面修飾材料としては、金属酸化物粒子に付着でき、分散媒と樹脂成分との相溶性が良好なものであれば、特に限定されない。
このような表面修飾材料としては、反応性官能基、例えばアルケニル基、H-Si基、およびアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する表面修飾材料が好適に用いられる。このような官能基を有する表面修飾材料は、分散媒および後述する樹脂成分との親和性に優れ、金属酸化物粒子の分散液または組成物中における分散性を向上させることができる。
【0035】
アルケニル基としては、例えば炭素数2~5の直鎖または分岐状アルケニル基を用いることができ、具体的にはビニル基、2-プロペニル基、プロパ-2-エン-1-イル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、例えば炭素数1~5の直鎖または分岐状アルコキシ基が挙げられ、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
【0036】
アルケニル基、H-Si基、およびアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する表面修飾材料としては、例えば、以下のシラン化合物、シリコーン化合物および炭素-炭素不飽和結合含有脂肪酸が挙げられ、これらのうち1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ジメチルクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジエチルクロロシラン、エチルジクロロシラン、メチルフェニルクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、フェニルジクロロシラン、トリメトキシシラン、ジメトキシシラン、モノメトキシシラン、トリエトキシシラン、ジエトキシモノメチルシラン、モノエトキシジメチルシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェニルモノメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、およびジフェニルモノエトキシシランからなる群から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
【0038】
シリコーン化合物としては、例えば、メチルハイドロジェンシリコーン、ジメチルハイドロジェンシリコーン、メチルフェニルハイドロジェンシリコーン、フェニルハイドロジェンシリコーン、アルコキシ両末端フェニルシリコーン、アルコキシ基含有フェニルシリコーン、アルコキシ片末端ビニル片末端フェニルシリコーン、メチルフェニルシリコーン、アルコキシ両末端メチルフェニルシリコーン、アルコキシ基含有ジメチルシリコーン、アルコキシ基含有メチルフェニルシリコーン、アルコキシ片末端トリメチル片末端ジメチルシリコーン、およびアルコキシ片末端ビニル片末端ジメチルシリコーンからなる群から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
シリコーン化合物は、オリゴマーであってもよく、レジン(ポリマー)であってもよい。
炭素-炭素不飽和結合含有脂肪酸としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸等が挙げられる。
【0039】
これらの表面修飾材料のなかでも、分散液や組成物において、金属酸化物粒子同士の凝集を抑制し、透明性の高い封止部材が得られやすい観点において、ビニルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アルコキシ片末端トリメチル片末端ジメチルシリコーン、およびメチルフェニルシリコーンからなる群から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
【0040】
分散液において無機酸化物粒子同士の凝集を抑制し、透明性の高い封止部材がより得られやすいという観点により、シラン化合物と、シリコーン化合物の双方で表面修飾することが好ましい。すなわち、分散液は、少なくとも1種のシラン化合物と、少なくとも1種のシリコーン化合物とを含むことが好ましい。好ましいシラン化合物としては例えば、ビニルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランが挙げられる。好ましいシリコーン化合物としては、アルコキシ片末端トリメチル片末端ジメチルシリコーン、メトキシ基含有フェニルシリコーン、メチルフェニルシリコーンが挙げられる。
【0041】
本実施形態の分散液中における表面修飾材料の含有量は、金属酸化物粒子の質量に対して好ましくは1質量%以上80質量%以下、より好ましくは5質量%以上40質量%以下である。
【0042】
また、本実施形態に係る分散液において、遊離表面修飾材料の含有量は、金属酸化物粒子および表面修飾材料の合計の含有量に対し、好ましくは53質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。なお、本明細書において「遊離表面修飾材料」とは、金属酸化物粒子に付着していない表面修飾材料を意味する。
【0043】
遊離表面修飾材料の下限は限定されるものではないが、遊離表面修飾材料の含有量は、金属酸化物粒子および表面修飾材料の合計の含有量に対し、例えば0質量%もしくは0質量%以上、10質量%以上、20質量%以上または30質量%以上であってもよい。
後述する組成物の粘度の上昇を抑制する観点においては、遊離表面修飾材料の含有量は、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、35質量%以上であることがさらに好ましい。
遊離表面修飾材料が存在すると、後述する組成物において、分散媒が除去されても遊離表面修飾材料は残留する。組成物中において遊離表面修飾材料が多く存在すると、表面修飾材料が付着した金属酸化物粒子の量が相対的に少なくなるため、組成物の粘度を抑制できると推定される。
【0044】
遊離表面修飾材料の含有量は、例えば、以下の方法により算出される値であり、アセトン等の表面修飾材料の良溶媒によって分散液から抽出され得る表面修飾材料の質量に基づき算出される。
【0045】
分散液5g中の液体を、エバポレータで除去して濃縮物を得る。次いで、この濃縮物にアセトンを2g添加して混合し、混合液を作製する。
シリカゲル10gを充填したカラムと、展開溶媒(ヘキサンとアセトンを2:1の体積比で混合)100ccを用いたカラムクロマトグラフィーにて、混合液から分離された抽出液を回収する。この抽出液中の液体をエバポレータにて除去し、得られた残留物を遊離表面修飾材料と仮定し、その質量を測定する。この残留物の質量を、本実施形態の分散液5gに含まれる金属酸化物粒子と表面修飾材料の合計質量で除した値の百分率を計算した結果を、遊離表面修飾材料の含有量とする。
【0046】
また、表面修飾材料を金属酸化物粒子に付着させる方法としては例えば、金属酸化物粒子に表面修飾材料を直接混合、噴霧等する乾式方法や、表面修飾材料を溶解させた水や有機溶媒に金属酸化物粒子を投入し、溶媒中で表面修飾する湿式方法が挙げられる。
【0047】
(1.3 分散媒)
また、本実施形態に係る分散液は、通常、金属酸化物粒子を分散する分散媒を含む。この分散媒は、表面修飾材料が付着した屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子を分散させることができ、後述する樹脂成分と混合することができるものであれば、特に限定されない。
このような分散媒としては、例えば、アルコール類、ケトン類、芳香族類、飽和炭化水素類、不飽和炭化水素類等の有機溶剤が挙げられる。これらの溶媒は1種を用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
後述するシリコーン樹脂との相溶性の観点からは、芳香環を有する有機溶剤、すなわち芳香族類が好ましく、芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン等が特に好ましく用いられる。
【0048】
本実施形態の分散液中における分散媒の含有量は、好ましくは10質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは10質量%以上80質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以上70質量%以下である。
また、本実施形態に係る分散液は、必要に応じて上述した以外の成分、例えば、分散剤、分散助剤、酸化防止剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、防腐剤等の一般的な添加剤等を含んでいてもよい。
【0049】
なお、本明細書において、本実施形態に係る分散液は、樹脂成分を含み、かつ硬化により封止部材を形成可能な本実施形態に係る組成物とは区別される。すなわち、本実施形態に係る分散液は、単純に硬化させても封止部材を形成可能な程度には後述する樹脂成分を含まない。より具体的には、本実施形態に係る分散液における、樹脂成分と金属酸化物粒子との質量比率は、樹脂成分:金属酸化物粒子で、0:100~40:60の範囲にあることが好ましく、0:100~20:80の範囲にあることがより好ましい。本実施形態に係る分散液は、さらに好ましくは後述する樹脂成分を本質的に含まず、特に好ましくは後述する樹脂成分を完全に含まない。
【0050】
以上説明した本実施形態によれば、分散液中において、金属酸化物粒子のD50が20nmより大きく、かつ100nm以下であるため、分散液を封止部材の材料として用いた際に光散乱性と透明性のバランスに優れる。すなわち、金属酸化物粒子のD50を従来用いられている範囲より大きくすることにより、封止部材中における光散乱性を向上させることができる。要するに、本実施形態においては、本発明者らは、金属酸化物粒子のD50の範囲と光散乱性および透明性との関係という、従来知られていない関係を見出し、これを採用した。そして、このような上記分散液を、後述する組成物に含ませ、封止材料に用いた場合に、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0051】
<2.分散液の製造方法>
次に、本実施形態に係る分散液の製造方法について説明する。分散液は、例えば、分散液の各成分を混合した後、公知の分散機で分散機の動力等を制御して分散させることにより製造することができる。ここで、本実施形態に係る分散液は、公知の分散機を用いて、分散液中における金属酸化物粒子の粒子径がほぼ均一となる様に、過剰なエネルギーは付与せず、必要最低限のエネルギーを付与して分散させることが好ましい。
【0052】
公知の分散機としては、例えば、ビーズミル、ボールミル、ホモジナイザー、ディスパー、撹拌機等が好適に用いられる。
ここではビーズミルを用いて分散液を製造する方法について、詳しく説明する。
【0053】
ビーズミルで本実施形態の分散液を作製する場合には、分散容器内の羽周速を4m/s以上9m/s以下とし、冷却水温度を10℃以上30℃以下とすることで、分散処理時にビーズミル装置に表示される動力が、分散液1kgあたり1.0kW~2.5kWとなるような条件で分散させればよい。
このような比較的穏やかな条件で分散させることで、D50を20nmより大きくかつ100nm以下に制御することができる。また、遊離表面修飾材料の含有量を53質量%以下に制御することができる。
以上の方法により、本実施形態の分散液を得ることができる。
【0054】
<3. 組成物>
次に、本実施形態に係る組成物について説明する。本実施形態に係る組成物は、上述した分散液と樹脂成分とを混合することにより得られるものであり、上述した屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子と、少なくとも一部が金属酸化物粒子に付着した表面修飾材料と、に加え、樹脂成分、すなわち樹脂および/またはその前駆体を含む。
【0055】
本実施形態に係る組成物は、後述するように硬化させて発光素子の封止部材として用いられる。本実施形態に係る組成物は、上述した光散乱性と透明性の向上に寄与する金属酸化物粒子を含むことにより、封止部材に用いた際に光の取り出し効率を向上させることができる。
【0056】
本実施形態の組成物における、屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子の含有量は、透明性の高い組成物を得る観点においては、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、5質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上35質量%以下であることがさらに好ましい。
【0057】
また、表面修飾材料の含有量および遊離表面修飾材料の含有量は、本実施形態に係る分散液における含有量と同様とすることができる。
【0058】
樹脂成分は、本実施形態に係る組成物における主成分である。樹脂成分は、本実施形態に係る組成物を封止材料として用いた際において硬化して発光素子を封止することにより、発光素子に水分、酸素等の外部環境からの劣化因子が到達することを防止する。また、本実施形態において、樹脂成分より得られる硬化物は、基本的に透明であり、発光素子から放出される光を透過させることができる。
【0059】
このような樹脂成分としては、封止材料として用いることができれば特に限定されず、例えば、シリコーン樹脂や、エポキシ樹脂等の樹脂を用いることができる。特に、シリコーン樹脂が好ましい。
【0060】
シリコーン樹脂としては、封止材料として使用されているものであれば特に限定されず、例えば、ジメチルシリコーン樹脂、メチルフェニルシリコーン樹脂、フェニルシリコーン樹脂、有機変性シリコーン樹脂等を用いることができる。
【0061】
特に、上記表面修飾材料として、アルケニル基、H-Si基、およびアルコキシ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有する表面修飾材料を用い、かつ樹脂成分としてシリコーン樹脂を用いた場合、当該シリコーン樹脂として、H-Si基、アルケニル基、およびアルコキ基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有することが好ましい。理由を以下に説明する。
【0062】
表面修飾材料のアルケニル基は、シリコーン樹脂中のH-Si基と反応することにより架橋する。表面修飾材料のH-Si基は、シリコーン樹脂中のアルケニル基と反応することにより架橋する。表面修飾材料のアルコキシ基は、シリコーン樹脂中のアルコキシ基と加水分解を経て縮合する。このような結合により、シリコーン樹脂と表面修飾材料とが一体化することから、得られる封止部材の強度や緻密性を向上させることができる。
【0063】
樹脂成分の構造としては、特に限定されるものではなく、二次元の鎖状の構造であってもよく、三次元網状構造であってもよく、かご型構造であってもよい。
【0064】
樹脂成分は、封止部材として用いた際に硬化したポリマー状となっていればよく、組成物中において、硬化前の状態、すなわち前駆体であってもよい。したがって、組成物中に存在する樹脂成分は、モノマーであってもよく、オリゴマーであってもよく、プレポリマーであってもよく、ポリマーであってもよい。
樹脂成分は、付加反応型のものを用いてもよく、縮合反応型のものを用いてもよく、ラジカル重合反応型のものを用いてもよい。
【0065】
JIS Z 8803:2011に準拠して測定される25℃における樹脂成分の粘度は、例えば、10mPa・s以上100,000mPa・s以下、好ましくは100mPa・s以上10,000mPa・s以下、より好ましくは1,000mPa・s以上7,000mPa・s以下である。
【0066】
また、本実施形態に係る組成物中における樹脂成分の含有量は、他の成分の残部とすることができるが、例えば10質量%以上70質量%以下である。
本実施形態に係る組成物中における樹脂成分と金属酸化物粒子との質量比率は、樹脂成分:金属酸化物粒子で、50:50~90:10の範囲にあることが好ましく、60:40~80:20の範囲にあることがより好ましい。
【0067】
本実施形態に係る組成物は、本実施形態に係る分散液由来の分散媒を含んでいてもよく、除去されていてもよい。すなわち、分散液由来の分散媒を完全に除去してもよく、組成物中に組成物の質量に対し1質量%以上10質量%以下程度残存していてもよく、2質量%以上5質量%以下程度残存していてもよい。
【0068】
また、本実施形態に係る組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、蛍光体粒子を含んでいてもよい。蛍光体粒子は、発光素子から放出される特定の波長の光を吸収し、所定の波長の光を放出する。すなわち、蛍光体粒子により光の波長の変換ひいては色調の調整が可能となる。
【0069】
蛍光体粒子は、後述するような発光装置に使用できるものであれば、特に限定されず、発光装置の発光色が所望の色となるように、適宜選択して用いることができる。
本実施形態の組成物中における蛍光体粒子の含有量は、所望の明るさが得られるように、適宜調整して用いることができる。
【0070】
また、本実施形態の組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、防腐剤、重合開始剤、重合禁止剤、硬化触媒、光拡散剤等の、一般的に用いられる添加剤が含有されていてもよい。光拡散剤としては、平均粒子径が1~30μmのシリカ粒子を用いることが好ましい。
【0071】
上述した本実施形態に係る組成物の粘度は、25℃の測定温度、および剪断速度1(1/s)の条件下において、例えば0.1Pa・s以上100Pa・s以下、好ましくは0.5Pa・s以上50Pa・s以下、さらに好ましくは1.0Pa・s以上20Pa・s以下である。組成物の粘度が上記の範囲にあることにより、発光素子封止時における組成物の取り扱いが容易となり、発光素子を担持する基板の凹部への組成物の付与が容易となる。そして、発光素子封止時において封止部材への気泡の混入を防止しつつ、凸状または平坦な表面形状を有する封止部材を形成することが可能となる。
【0072】
本実施形態に係る組成物は、本実施形態に係る分散液と樹脂成分とを混合することにより製造することができる。また、混合後、必要に応じて、分散液に含有されていた分散媒をエバポレータ等で除去してもよい。
【0073】
本実施形態に係る組成物は、表面修飾材料が付着した、分散液において所定の範囲のD50を有する屈折率が1.7以上の金属酸化物粒子と、樹脂成分とを含むため、光散乱性と透明性のバランスに優れる。そのため、光の取り出し効率に優れる封止部材を形成することができる。
【0074】
<4. 封止部材>
本実施形態に係る封止部材は、本実施形態に係る組成物の硬化物である。本実施形態に係る封止部材は、通常、発光素子上に配置される封止部材またはその一部として用いられる。
本実施形態に係る封止部材の厚みや形状は、所望の用途や特性に応じて適宜調整することができ、特に限定されるものではない。
【0075】
本実施形態に係る封止部材は、上述したように本実施形態に係る組成物を硬化することにより製造することができる。組成物の硬化方法は、本実施形態に係る組成物中の樹脂成分の特性に応じて選択することができ、例えば、熱硬化や電子線硬化等が挙げられる。より具体的には、本実施形態の組成物中の樹脂成分を付加反応や重合反応により硬化することにより、本実施形態の封止部材が得られる。
【0076】
封止部材中における金属酸化物粒子の平均分散粒子径は、好ましくは40nm以上200nm以下、より好ましくは40nm以上150nm以下、さらに好ましくは45nm以上130nm以下である。
【0077】
平均分散粒子径が40nm以上である場合には、光の散乱効果を十分に得ることができ、発光装置の光の取り出し効率をより一層向上させることができる。一方で平均分散粒子径が200nm以下である場合、封止部材の透過率を適度に大きくすることができ、発光装置の光の取り出し効率をより一層向上させることができる。
【0078】
なお、封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径は、封止部材の透過型電子顕微鏡観察(TEM)により測定される、個数分布基準の平均粒子径(メジアン径)である。また、本実施形態における封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径は、封止部材中における金属酸化物粒子の分散粒子径に基づいて測定、算出される値である。平均分散粒子径は、金属酸化物粒子が一次粒子または二次粒子のいずれの状態で分散しているかに関わらず、分散している状態の金属酸化物粒子の径に基づいて測定、算出される。また、本実施形態において、封止部材中の金属酸化物粒子の平均粒子径は、後述する表面修飾材料が付着した金属酸化物粒子の平均粒子径として測定されてもよい。封止部材中には、表面修飾材料が付着した金属酸化物粒子と、表面修飾材料が付着していない金属酸化物粒子とが存在し得るため、通常、封止部材中の金属酸化物粒子の平均粒子径は、これらの混合状態における値として測定される。
【0079】
本実施形態に係る封止部材は、本実施形態に係る組成物の硬化体であるので、光散乱性と透明性のバランスに優れる。そのため、本実施形態によれば、光の取り出し効率に優れる封止部材を得ることができる。
【0080】
<5. 発光装置>
次に、本実施形態に係る発光装置について説明する。本実施形態に係る発光装置は、上述した封止部材と、当該封止部材に封止された発光素子とを備えている。
発光素子としては、例えば発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)等が挙げられる。特に、本実施形態に係る封止部材は、発光ダイオードの封止に適している。
【0081】
以下、発光素子が、チップ上の発光ダイオード、すなわちLEDチップであり、発光装置がLEDパッケージである例を挙げて、本実施形態に係る発光装置を説明する。
図1~4は、それぞれ、本発明の実施形態に係る発光装置の一例を示す模式図(断面図)である。なお、図中の各部材の大きさは、説明を容易とするため適宜強調されており、実際の寸法、部材間の比率を示すものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0082】
図1に示す発光装置(LEDパッケージ)1Aは、凹部21を有する基板2と、基板2の凹部21の底面上に配置される発光素子(LEDチップ)3と、凹部21において発光素子3を覆うように封止する封止部材4Aとを備えている。
封止部材4Aは、上述した本実施形態に係る封止部材により構成されている。したがって、封止部材4Aは、所定の金属酸化物粒子を含有し、優れた光散乱性と透明性とを両立している。この結果、発光装置1Aにおける光の取出し効率が向上している。また、封止部材4A内においては、蛍光体粒子5が分散している。蛍光体粒子5は、発光素子3より出射される光の少なくとも一部の波長を変換する。
【0083】
図2に示す発光装置1Bは、封止部材4Bが2層となっている点で発光装置1Aと異なる。すなわち、封止部材4Bは、発光素子3を直接覆う第1の層41Bと、第1の層41Bを覆う第2の層43Bとを有している。第1の層41Bと第2の層43Bとは、共に本実施形態に係る封止部材である。第1の層41B内においては、蛍光体粒子5が分散している。一方で、第2の層43Bは、蛍光体粒子5を含まない。発光装置1Bは、封止部材4Bを構成する第1の層41Bおよび第2の層43Bが、優れた光散乱性および透明性を有する本実施形態に係る封止部材であるため、光の取出し効率が向上している。
【0084】
図3に示す発光装置1Cも、封止部材4Cの構成が封止部材4Aのものと異なる点で、発光装置1Aと異なっている。封止部材4Cは、発光素子3を直接覆う第1の層41Cと、第1の層41Cを覆う第2の層43Cとを有している。第1の層41Cは、本実施形態に係る封止部材ではなく、上述した金属酸化物粒子を含まない樹脂の封止部材であり、封止部材に用いることのできる樹脂等により構成されている。また、第1の層41C内においては、蛍光体粒子5が分散している。一方で、第2の層43Cは、優れた光散乱性および透明性を有する本実施形態に係る封止部材である。発光装置1Cは、封止部材4Cを構成する第2の層43Cが本実施形態に係る封止部材によって形成されていることにより、光の取出し効率が向上している。
【0085】
図4に示す発光装置1Dにおいては、封止部材4Dは、発光素子3を直接覆う第1の層41Dと、第1の層41Dを覆う第2の層43Dと、第2の層43Dをさらに覆う第3の層45Dとを有している。第1の層41Dおよび第2の層43Dは、本実施形態に係る封止部材ではなく、上述した金属酸化物粒子を含まない樹脂の封止部材であり、封止部材に用いることのできる樹脂等により構成されている。また、第2の層43D内においては、蛍光体粒子5が分散している。一方で、第3の層45Dは、優れた光散乱性および透明性を有する本実施形態に係る封止部材である。発光装置1Dは、封止部材4Dを構成する第3の層45Dが本実施形態に係る封止部材によって形成されていることにより、光の取出し効率が向上している。
【0086】
なお、本発明に係る発光装置は、図示の態様に限定されるものではない。例えば、本発明に係る発光装置は、封止部材中に蛍光体粒子を含まなくてもよい。また、本実施形態に係る封止部材は、封止部材中の任意の位置に存在することができる。
【0087】
以上、本実施形態に係る発光装置は、発光素子が本実施形態の封止部材により封止されているため、光の取り出し効率に優れている。
【0088】
なお、本実施形態に係る発光装置は、上述したような本実施形態に係る組成物により発光素子が封止される。したがって、本発明は、一側面において、本実施形態に係る組成物を用いて発光素子を封止する工程を有する発光装置の製造方法にも関する。同側面において、上記製造方法は、本実施形態に係る分散液と樹脂成分とを混合して上記組成物を得る工程を有していてもよい。
【0089】
上述したような本実施形態に係る発光装置は、例えば、照明器具および表示装置に用いることができる。したがって、本発明は、一側面において、本実施形態に係る発光装置を備える照明器具または表示装置に関する。
照明器具としては例えば、室内灯、室外灯等の一般照明装置、携帯電話やOA機器等の電子機器のスイッチ部の照明等が挙げられる。
本実施形態に係る照明器具は、本実施形態に係る発光装置を備えるため、同一の発光素子を使用しても従来と比較して放出される光束が大きくなり、周囲環境をより明るくすることができる。
【0090】
表示装置としては、例えば携帯電話、携帯情報端末、電子辞書、デジタルカメラ、コンピュータ、テレビ、およびこれらの周辺機器等が挙げられる。
本実施形態に係る表示装置は、本実施形態に係る発光装置を備えるため、同一の発光素子を使用しても従来と比較して放出される光束が大きくなり、例えばより鮮明かつ明度の高い表示を行うことができる。
【実施例】
【0091】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、あくまでも本発明の一例であって、本発明を限定するものではない。
【0092】
[実施例1]
(分散液の作製)
平均一次粒子径が5nmの酸化ジルコニウム粒子(住友大阪セメント社製)10g、トルエン82g、表面修飾材料としてのメトキシ基含有フェニルシリコーンレジン(信越化学工業社製、KR217)5gを加えて混合した。この混合液を羽周速5.0m/s、冷却水温度を25℃に設定して、ビーズミルで6時間分散処理を行い、実施例1に係る分散液を得た。分散処理時にビーズミル装置に表示された動力を仕込みスラリー量で割った単位質量当たりの動力は1.4kW/kgであった。
【0093】
(粒子径の評価)
得られた分散液の一部を採取し、固形分が5質量%となるようにトルエンで希釈した。
この希釈した分散液のD50を、粒度分布計(HORIBA社製、型番:SZ-100SP)を用いて測定した。その結果、D50は32nmであった。結果を表1に示す。なお、分散液に含まれる粒子は、基本的に表面修飾材料が付着した酸化ジルコニウム粒子のみであるから、測定されたD50は、酸化ジルコニウム粒子のD50であると考えられた。
【0094】
(遊離表面修飾材料の含有量の評価)
得られた分散液5g(酸化ジルコニウム粒子と表面修飾材料の合計含有量0.78g)中の液体をエバポレータで除去した。
この濃縮物にアセトンを2g添加し、混合して混合液を作製した。
シリカゲル10gを充填したカラムと、展開溶媒(ヘキサンとアセトンを2:1の体積比で混合)100ccを用いたカラムクロマトグラフィーにて、混合液から分離された抽出液を回収した。この回収液の液体をエバポレータにて除去し、得られた残量物を遊離表面修飾材料とし、その質量を測定した。この残留物の質量を、分散液5gに含まれる酸化ジルコニウム粒子と表面修飾材料の合計質量(0.78g)で除した値の百分率を計算した。
その結果、遊離表面修飾材料の含有量は40質量%であった。結果を表1に示す。
【0095】
(組成物の作製)
得られた実施例1に係る分散液を10g、シリコーン樹脂としてメチルフェニルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング社製OE-6520 屈折率1.54 A液:B液の質量配合比=1:1(樹脂中に反応触媒含有))7.6gを混合した。ついで、この混合液から減圧乾燥によりトルエンを除去することで、表面修飾酸化ジルコニウム粒子とメチルフェニルシリコーン樹脂(OE-6520)を含有した実施例1に係る組成物を得た。なお組成部中の酸化ジルコニウム粒子およびトルエンの含有量は、それぞれ、11質量%、2質量%であった。
【0096】
(組成物の透過率の評価)
得られた実施例1に係る組成物の透過率を、分光光度計 V-770(日本分光社製)にて積分球を用いて測定した。測定サンプルは、上記組成物を薄層石英セルに挟んで、厚み(光路長)を1mmとした状態のものを用いた。
その結果、組成物の波長460nmにおける透過率は84%であり、波長600nmにおける透過率は90%であった。結果を表1に示す。
【0097】
(組成物の粘度の評価)
得られた実施例1に係る組成物の粘度を、レオメーター(レオストレスRS-6000、HAAKE社製)を用いて測定した。なお、粘度の測定は、温度25℃にて、剪断速度1.0(1/s)に設定し、行った。
その結果、実施例1に係る組成物の粘度は10Pa・sであった。
【0098】
(封止部材の作製)
SUS基板に、長さ20mm、幅15mmおよび深さ5mmの溝を設け、その溝にフッ素コートをした型を作成した。型の溝に対し硬化後の厚みが0.5mmとなるように得られた組成物を流し込み、150℃で4時間加熱処理して硬化し、そのSUS基板から取り外すことで、実施例1に係る封止部材を得た。
【0099】
(封止部材の透過率の評価)
得られた封止部材の透過率を、分光光度計 V-770(日本分光社製)にて積分球を用いて測定した。
その結果、封止部材の波長460nmにおける透過率は25%であり、波長600nmにおける透過率は70%であった。結果を表1に示す。
【0100】
(封止部材中における金属酸化物粒子の平均分散粒子径)
封止部材中の酸化ジルコニウム粒子の平均分散粒子径は、封止部材を厚さ方向に薄片化したものを試料とし、電界放出型透過電子顕微鏡(JEM-2100F、日本電子社製)で測定した。その結果、封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径は55nmであった。結果を表1に示す。
【0101】
(LEDパッケージの作製と全光束の評価)
容量計算式デジタル制御ディスペンサー(商品名:MEASURING MASTER MPP-1、武蔵エンジニアリング社製)を用いて、実施例1に係る組成物で、青色発光ダイオード(LEDチップ)を封止した。組成物を150℃にて2時間熱処理して硬化させることで、3030シリーズ(3.0mm×3.0mm)の実施例1に係るLEDパッケージ(発光装置)を作製した。
【0102】
このLEDパッケージの全光束を、全光束測定システム HMシリーズ(大塚電子社製、球サイズ3000mm)を用いて測定した。
その結果、実施例1に係るLEDパッケージの全光束は61.2lmであった。
【0103】
[実施例2]
平均一次粒子径が10nmの酸化ジルコニウム粒子を用い、羽周速を6.0m/s、冷却水温度を20℃に設定した以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る分散液を得た。分散処理時にビーズミル装置に表示された動力を仕込みスラリー量で割った単位質量当たりの動力は2.3kW/kgであった。
【0104】
実施例1と同様に粒子径と遊離表面修飾材料の含有量を測定した。その結果、D50は48nmであった。また、遊離表面修飾材料の含有量は45質量%であった。結果を表1に示す。
【0105】
実施例1に係る分散液を用いる替わりに、実施例2に係る分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2に係る組成物、封止部材およびLEDパッケージを得た。
【0106】
実施例1と同様に、実施例2に係る組成物の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は58%であり、波長600nmにおける透過率は79%であった。
実施例1と同様に組成物の粘度を測定した結果、実施例2に係る組成物の粘度は7Pa・sであった。
また、実施例1と同様に、実施例2に係る封止部材の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は15%で、波長600nmにおける透過率は52%であった。
また、実施例1と同様に、実施例2に係る封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径を測定した結果、85nmであった。
さらに、実施例2に係るLEDパッケージについて実施例1と同様にして全光束を測定した結果、全光束は61.3lmであった。結果を表1に示す。
【0107】
[実施例3]
平均一次粒子径が20nmの酸化ジルコニウム粒子を用い、羽周速を6.0m/s、冷却水温度を15℃に設定した以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る分散液を得た。分散処理時にビーズミル装置に表示された動力を仕込みスラリー量で割った単位質量当たりの動力は2.2kW/kgであった。
実施例1と同様に粒子径と遊離表面修飾材料の含有量とを測定した。その結果、D50は57nmであり、遊離表面修飾材料の含有量は50質量%であった。結果を表1に示す。
【0108】
実施例1に係る分散液を用いる替わりに、実施例3に係る分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例3に係る組成物、封止部材およびLEDパッケージを得た。
実施例1と同様に、実施例3に係る組成物の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は41%で、波長600nmにおける透過率は68%であった。
実施例1と同様に組成物の粘度を測定した結果、実施例3に係る組成物の粘度は4Pa・sであった。
また、実施例1と同様に、実施例3に係る封止部材の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は10%で、波長600nmにおける透過率は41%であった。
また、実施例1と同様に、実施例3に係る封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径を測定した結果、128nmであった。
また、実施例3に係るLEDパッケージについて実施例1と同様にして全光束を測定した結果、全光束は61.7lmであった。結果を表1に示す。
【0109】
[実施例4]
平均一次粒子径が15nmの酸化チタン粒子を用い、羽周速を6.0m/s、冷却水温度を15℃に設定した以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る分散液を得た。分散処理時にビーズミル装置に表示された動力を仕込みスラリー量で割った単位質量当たりの動力は2.1kW/kgであった。
実施例1と同様に粒子径と遊離表面修飾材料の含有量とを測定した。その結果、D50は51nmで、遊離表面修飾材料の含有量は42質量%であった。結果を表1に示す。
【0110】
実施例1に係る分散液を用いる替わりに、実施例4に係る分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例4に係る組成物、封止部材およびLEDパッケージを得た。
【0111】
実施例1と同様に、実施例4に係る組成物の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は38%であり、波長600nmにおける透過率は61%であった。
実施例1と同様に組成物の粘度を測定した結果、実施例4に係る組成物の粘度は9Pa・sであった。
実施例1と同様に、実施例4に係る封止部材の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は19%であり、波長600nmにおける透過率は35%であった。
また、実施例1と同様に、実施例4に係る封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径を測定した結果、110nmであった。
さらに、実施例4に係るLEDパッケージについて、実施例1と同様にして全光束を測定した結果、全光束は61.4lmであった。結果を表1に示す。
【0112】
[実施例5]
平均一次粒子径が12nmの酸化ジルコニウム粒子を用い、メトキシ基含有フェニルシリコーンレジンを5g用いる替わりに3g用い、冷却水温度を20℃に設定した以外は実施例1と同様にして、実施例5に係る分散液を得た。分散処理時にビーズミル装置に表示された動力を仕込みスラリー量で割った単位質量当たりの動力は1.6kW/kgであった。
実施例1と同様に粒子径と遊離表面修飾材料の含有量とを測定した。その結果、D50は53nmで、遊離表面修飾材料の含有量は17質量%であった。結果を表1に示す。
【0113】
実施例1に係る分散液を用いる替わりに、実施例5に係る分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、実施例5に係る組成物、封止部材およびLEDパッケージを得た。
【0114】
実施例1と同様に、実施例5に係る組成物の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は54%であり、波長600nmにおける透過率は73%であった。
実施例1と同様に組成物の粘度を測定した結果、実施例5に係る組成物の粘度は175Pa・sであった。
実施例1と同様に、実施例5に係る封止部材の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は13%であり、波長600nmにおける透過率は45%であった。
また、実施例1と同様に、実施例5に係る封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径を測定した結果、98nmであった。
さらに、実施例5に係るLEDパッケージについて、実施例1と同様にして全光束を測定した結果、全光束は61.3lmであった。結果を表1に示す。
【0115】
[比較例1]
平均一次粒子径が33nmの酸化ジルコニウム粒子を用い、羽周速を12.0m/s、冷却水温度を40℃に設定した以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る分散液を得た。分散処理時にビーズミル装置に表示された動力を仕込みスラリー量で割った単位質量当たりの動力は12.9kW/kgであった。
実施例1と同様に粒子径と遊離表面修飾材料の含有量とを測定した。その結果、D50は125nmであり、遊離表面修飾材料の含有量は65質量%であった。結果を表1に示す。
【0116】
実施例1に係る分散液を用いる替わりに、比較例1に係る分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る組成物、封止部材およびLEDパッケージを得た。
実施例1と同様に、比較例1に係る組成物の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は18%であり、波長600nmにおける透過率は29%であった。
実施例1と同様に組成物の粘度を測定した結果、比較例1に係る組成物の粘度は52Pa・sであった。
また、実施例1と同様に、比較例1に係る封止部材の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は3%であり、波長600nmにおける透過率は21%であった。
また、実施例1と同様に、比較例1に係る封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径を測定した結果、160nmであった。
さらに、比較例1に係るLEDパッケージについて、実施例1と同様にして測定した結果、全光束は59.7lmであった。結果を表1に示す。
【0117】
[比較例2]
平均一次粒子径が5nmの酸化ジルコニウム粒子を用い、羽周速を6.0m/s、冷却水温度を25℃に設定した以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る分散液を得た。分散処理時にビーズミル装置に表示された動力を仕込みスラリー量で割った単位質量当たりの動力は2.6kW/kgであった。
実施例1と同様に粒子径と遊離表面修飾材料の含有量とを測定した。その結果、D50は13nmであり、遊離表面修飾材料の含有量は41質量%であった。結果を表1に示す。
【0118】
実施例1に係る分散液を用いる替わりに、比較例2に係る分散液を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例2に係る組成物、封止部材およびLEDパッケージを得た。
【0119】
実施例1と同様に、比較例2に係る組成物の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は89%で、波長600nmにおける透過率は93%であった。
実施例1と同様に組成物の粘度を測定した結果、比較例2に係る組成物の粘度は23Pa・sであった。
また、実施例1と同様に、比較例2に係る封止部材の透過率を測定した結果、波長460nmにおける透過率は34%であり、波長600nmにおける透過率は75%であった。
また、実施例1と同様に、比較例2に係る封止部材中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径を測定した結果、21nmであった。
さらに、比較例2に係るLEDパッケージについて、実施例1と同様にして測定した結果、全光束は60.1lmであった。結果を表1に示す。
【0120】
【0121】
実施例1~5と比較例1~2との結果より、金属酸化物粒子のD50が20nmより大きくかつ100nm以下である分散液を用いることにより、光の取り出し効率に優れる発光装置が得られることが確認された。
【0122】
さらに、遊離表面修飾剤の含有量が比較的大きい実施例1~4に係る組成物は、遊離表面修飾剤の含有量が小さい実施例5に係る組成物と比較し、粘度が大幅に小さかった。このような実施例1~4に係る組成物は、発光素子の封止時における取り扱いが容易である。
【0123】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0124】
1A、1B、1C、1D 発光装置
2 基板
21 凹部
3 発光素子
4A、4B、4C、4D 封止部材
41B、41C、41D 第1の層
43B、43C、43D 第2の層
45D 第3の層
5 蛍光体粒子