IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社リコーの特許一覧

<>
  • 特許-診断システム及び診断方法 図1
  • 特許-診断システム及び診断方法 図2
  • 特許-診断システム及び診断方法 図3
  • 特許-診断システム及び診断方法 図4
  • 特許-診断システム及び診断方法 図5
  • 特許-診断システム及び診断方法 図6
  • 特許-診断システム及び診断方法 図7
  • 特許-診断システム及び診断方法 図8
  • 特許-診断システム及び診断方法 図9
  • 特許-診断システム及び診断方法 図10
  • 特許-診断システム及び診断方法 図11
  • 特許-診断システム及び診断方法 図12
  • 特許-診断システム及び診断方法 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-13
(45)【発行日】2022-06-21
(54)【発明の名称】診断システム及び診断方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220614BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220614BHJP
   B41J 29/393 20060101ALI20220614BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220614BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220614BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/00 127A
B41J29/38 350
B41J29/393 101
G03G21/00 510
G03G21/00 396
G06F3/12 310
G06F3/12 331
G06F3/12 332
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018208474
(22)【出願日】2018-11-05
(65)【公開番号】P2020077921
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-08-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 隆
(72)【発明者】
【氏名】榎並 崇史
(72)【発明者】
【氏名】小松原 悟
(72)【発明者】
【氏名】永田 拡章
(72)【発明者】
【氏名】本江 俊幸
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-162386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38-29/393
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、読取装置と、診断装置とを含む診断システムであって、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置の印刷機能の正否を判定するためのテストパターンと、前記画像形成装置に関する第1の装置情報を示す装置情報画像とを含む第1の診断画像を記録媒体に印刷する第1の印刷手段、
を備え、
前記読取装置は、
前記記録媒体に印刷された前記第1の診断画像を読み取る読取手段と、
前記読取装置に関する第2の装置情報を記憶する記憶手段と、
第1の通信回線を介して前記診断装置と通信する第1の通信手段と、
を備え、
前記診断装置は、
前記テストパターンの画像データ、前記装置情報画像の画像データに基づいて取得された前記第1の装置情報、及び前記第2の装置情報に基づいて前記画像形成装置を診断する診断手段、
を備える、
診断システム。
【請求項2】
前記読取装置は、前記装置情報画像の画像データに基づいて前記第1の装置情報を取得する装置情報取得手段を更に備え、
前記第1の通信手段は、前記第1の通信回線を介して前記読取装置から前記診断装置に対して、前記テストパターンの画像データ、前記第1の装置情報、及び前記第2の装置情報を前記診断装置に送信する、
請求項1に記載の診断システム。
【請求項3】
前記診断装置は、前記装置情報画像の画像データに基づいて前記第1の装置情報を取得する装置情報取得手段を更に備え、
前記第1の通信手段は、前記第1の通信回線を介して前記読取装置から前記診断装置に対して、前記テストパターンの画像データ、前記装置情報画像の画像データ、及び前記第2の装置情報を前記診断装置に送信する、
請求項1に記載の診断システム。
【請求項4】
前記第1の印刷手段は、前記第1の装置情報、又は前記第1の装置情報の補正情報が複数個所に分散するように前記装置情報画像を印刷する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の診断システム。
【請求項5】
画像形成装置と、読取装置と、診断装置とを含む診断システムであって、
前記画像形成装置は、
前記画像形成装置の印刷機能の正否を判定するためのテストパターンと、前記画像形成装置を特定可能な装置特定情報を示す装置特定情報画像とを含む第2の診断画像を記録媒体に印刷する第2の印刷手段と、
前記読取装置から送信された前記装置特定情報に紐付けられた、前記画像形成装置に関する第1の装置情報を前記読取装置に送信する第2の通信手段と、
を備え、
前記読取装置は、
前記装置特定情報画像の画像データに基づいて前記装置特定情報を取得する特定情報取得手段と、
前記読取装置に関する第2の装置情報を記憶する記憶手段と、
前記装置特定情報を前記画像形成装置に送信する第3の通信手段と、
を備え、
前記診断装置は、
前記テストパターンの画像データ、前記第1の装置情報、及び前記第2の装置情報に基づいて、前記画像形成装置を診断する診断手段と、
を備える、
診断システム。
【請求項6】
前記第2の診断画像は、印刷条件を特定可能な印刷条件特定情報を示す印刷条件特定情報画像を更に含み、
前記読取装置は、前記印刷条件特定情報画像の画像データに基づいて前記印刷条件特定情報を更に取得し、
前記第3の通信手段は、前記装置特定情報及び前記印刷条件特定情報を前記画像形成装置に送信し、
前記第2の通信手段は、受信した前記装置特定情報及び前記印刷条件特定情報に紐付けられた前記第1の装置情報を前記読取装置に送信する、
請求項5に記載の診断システム。
【請求項7】
画像形成装置が、前記画像形成装置の印刷機能の正否を判定するためのテストパターンと、前記画像形成装置に関する第1の装置情報を示す装置情報画像とを含む第1の診断画像を記録媒体に印刷する工程と、
読取装置が、前記記録媒体に印刷された前記第1の診断画像を読み取る工程と、
前記読取装置が、通信回線を介して診断装置と通信する工程と、
前記診断装置が、前記テストパターンの画像データ、前記装置情報画像の画像データに基づいて取得された前記第1の装置情報、及び前記読取装置に関する第2の装置情報に基づいて前記画像形成装置を診断する工程と、
を含む診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断システム及び診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、複写機、複合機等の画像形成装置の利用環境において、印刷画像にスジやポチ等の異常が発生した場合に、通常、ユーザは所定のメンテナンスシステムに診断や修復を依頼する。このとき、スジ等を含む異常画像に関するデータをメンテナンスシステムに通信回線を介して送信することで、診断等を遠隔的に行うことができる。
【0003】
例えば、画像形成装置の遠隔診断を可能にすることを目的として、異常画像を読取装置で読み取った画像データ等を含む転送画像データと、画像形成装置(画像出力装置)の管理情報、エラー発生情報等を含む転送情報とを、通信回線を介して接続される診断装置に転送し、診断装置が転送画像データと転送情報とを用いて遠隔診断を行う技術が開示されている(特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、診断の対象となる画像形成装置に関する装置情報(例えば、画像形成装置の識別番号、設定情報等)を診断装置に提供することにより、高精度な診断を行うことが可能となる。しかしながら、従来技術においては、装置情報を画像形成装置から診断装置へ直接送信することが前提となっているため、画像形成装置と診断装置とが通信回線を介して接続されていない場合には、装置情報を診断装置に提供することができず、高精度な診断を実現することが困難となる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像形成装置と診断装置とが通信回線を介して接続していない場合であっても画像形成装置に関する情報を利用して高精度な診断を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、画像形成装置と、読取装置と、診断装置とを含む診断システムであって、前記画像形成装置は、前記画像形成装置の印刷機能の正否を判定するためのテストパターンと、前記画像形成装置に関する第1の装置情報を示す装置情報画像とを含む第1の診断画像を記録媒体に印刷する印刷手段、を備え、前記読取装置は、前記記録媒体に印刷された前記第1の診断画像を読み取る読取手段と、前記読取装置に関する第2の装置情報を記憶する記憶手段と、第1の通信回線を介して前記診断装置と通信する第1の通信手段と、を備え、前記診断装置は、前記テストパターンの画像データ、前記装置情報画像の画像データに基づいて取得された前記第1の装置情報、及び前記第2の装置情報に基づいて、前記画像形成装置を診断する診断手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像形成装置と診断装置とが通信回線を介して接続されていない場合であっても画像形成装置に関する情報を利用した高精度な診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る診断システムの構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る第1のネットワークに含まれるMFP及びサーバのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る第2のネットワークに含まれるプリンタ及びPCCのハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る診断システムの機能構成例を示すブロック図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る診断チャートの構成例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る画像形成装置の装置情報のデータ構造例を示す図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る読取装置の装置情報のデータ構造例を示す図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る診断システムにおける処理例を示すシーケンス図である。
図9図9は、第2の実施形態に係る診断システムの機能構成例を示すブロック図である。
図10図10は、第2の実施形態に係る診断システムにおける処理例を示すシーケンス図である。
図11図11は、第3の実施形態に係る診断システムの機能構成例を示すブロック図である。
図12図12は、第3の実施形態に係る診断チャートの構成例を示す図である。
図13図13は、第3の実施形態に係る診断システムにおける処理例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、診断システム及び診断方法の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及びいわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更、及び組み合わせを行うことができる。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る診断システム1の構成例を示す図である。本例に係る診断システム1は、プリンタ11A,11B(画像形成装置)、MFP(Multifunction Peripheral)12(読取装置)、PC(Personal Computer)13A~13C、及びサーバ14(診断装置)を含んでいる。
【0011】
プリンタ11A,11Bは、印刷機能を有する装置であって、例えばインクジェットプリンタ、レーザプリンタ等であり得る。プリンタ11A,11Bは、PC13A~13C等の情報処理装置から送信される画像データ、設定情報、コマンド等に応じて、印刷用紙等の記録媒体に画像を印刷する。
【0012】
MFP12は、印刷機能、複写機能、画像読取機能、ファクシミリ機能等を有する装置である。MFP12は、プリンタ11A,11Bと同様に記録媒体に画像を印刷することが可能であると共に、記録媒体に印刷された画像を読み取る(画像データを取得する)ことが可能である。なお、MFP12は、「読取装置」の一例であり、MFP12の代わりに単体のスキャナが用いられてもよい。
【0013】
PC13A~13Cは、主にエンドユーザにより操作される情報処理装置であって、プリンタ11A,11BやMFP12に対して、画像データ、設定情報、コマンド等を送信する。
【0014】
サーバ14は、プリンタ11A,11BやMFP12を診断するための診断処理(異常検知、異常原因の推定、対処方法の提示等)を行う情報処理装置であり、主にメンテナンスシステムの管理者等により操作される。
【0015】
本例に係る診断システム1は、第1のネットワーク2と第2のネットワークとを含んでいる。第1のネットワーク2は、プリンタ11A、MFP12、PC13A,13B、及びサーバ14が第1の通信回線17を介して通信可能に構成されたコンピュータネットワークである。第2のネットワーク3は、プリンタ11B及びPC13Cが第2の通信回線18を介して通信可能に構成されたコンピュータネットワークである。第1の通信回線17及び第2の通信回線18は、適宜なコンピュータネットワーク技術(例えばイーサネット(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、インターネット等)を利用して構築され得るものである。
【0016】
MFP12は、スキャナ(画像読取機能)により取得した画像データ、スキャナの装置情報(例えば動作ログ、画像の色味の補正情報、出力枚数、部品情報等を示すコンディションデータ)等を、第1の通信回線を介してPC13A,13Bやサーバ14に送信する。PC13A,13Bは、スキャンの実行指示、コンディションデータの取得指示、診断処理の実行指示等を行うことができるように構成されている。
【0017】
サーバ14は、第1の通信回線17を介して受信したデータに基づいて、プリンタ11A,11BやMFP12についての診断処理を行う。サーバ14は、MFP12から送信された画像データ(スキャナの読取データ)、プリンタ11A,11Bの装置情報、MFP12の装置情報等に基づいて診断処理を行う。プリンタ11A,11Bの装置情報とは、例えば、プリンタ11A,11Bの識別番号、印刷条件(印刷時の設定情報)等である。MFP12の装置情報とは、例えば、MFP12の識別番号、スキャン条件(スキャン時の設定情報)等である。
【0018】
本実施形態においては、第1のネットワーク2及び第2のネットワーク3がそれぞれ独立した(閉じた)ネットワークであることを想定している。すなわち、第2のネットワーク3内のプリンタ11Bは、第1のネットワーク2内のサーバ14と直接通信することができない状態にある。
【0019】
第1のネットワーク2に含まれるプリンタ11AやMFP12について診断処理を行う際には、サーバ14は第1の通信回線17を介してこれらの装置11A,12の装置情報を取得することができる。しかし、第2のネットワーク3に含まれるプリンタ11Bについて診断処理を行う際には、プリンタ11Bが第1の通信回線17と接続していないため、サーバ14はプリンタ11Bの装置情報を直接取得することができない。本実施形態に係る診断システム1は、このようにサーバ14と直接通信することができない状態にあるプリンタ11Bを診断する際に、当該プリンタ11Bの装置情報を利用して高精度な診断を実現できるようにするものである。
【0020】
図2は、第1の実施形態に係る第1のネットワーク2に含まれるMFP12及びサーバ14のハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施形態に係るMFP12は、コントローラ21、操作ユニット22、スキャナ23、画像形成部24、プリントエンジン25、通信I/F26、及びFaxI/F27を含む。
【0021】
コントローラ21は、MFP12全体の制御を司る電子制御ユニットであり、CPU(Central Processing Unit)28、メモリ29等を含んで構成されている。
【0022】
操作ユニット22は、スイッチ、タッチパネル、ディスプレイ、スピーカ等を含むユーザインターフェースである。
【0023】
スキャナ23は、記録媒体に印刷された画像を読み取り、画像データを取得するユニット(装置)であり、例えば、記録媒体を載置する透明板、透明板を介して記録媒体に走査光を照射する光源、光源を変位させる駆動機構、記録媒体からの反射光を受光して光電変換する撮像素子等を含んで構成される。
【0024】
画像形成部24は、スキャナ23により取得された画像データ、PC13A,13B等から送信されたプリントジョブデータ、MFP12内のメモリに記憶された内部パターンの画像データ等に基づいて、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを生成するユニットである。画像形成部24は、例えば、画像処理用のASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。
【0025】
プリントエンジン25は、画像形成部24により生成された印刷データに基づいて、記録媒体に画像を印刷するユニットであり、例えば、電子写真プロセスユニット、インクジェットユニット等である。
【0026】
通信I/F26は、第1の通信回線17を介して他の情報処理装置(サーバ14、PC13A,13B等)とデータの送受信を行う通信デバイスである。
【0027】
FaxI/F27は、MFP12が備えるファクシミリ機能を実現するユニットであり、第1の通信回線17を介して他のファクシミリとデータの送受信を行う通信デバイスである。
【0028】
本実施形態に係るサーバ14は、CPU31、主記憶装置32、補助記憶装置33、クロック装置34、入力装置35、出力装置36、及び通信I/F37を含む。
【0029】
CPU31は、サーバ14全体の制御を司る電子制御ユニットであり、主記憶装置32や補助記憶装置33に記憶されているプログラムに従って各種制御演算処理を行う。CPU31は、クロック装置34が発生するクロック信号に同期して動作を制御する制御装置38と、デジタルデータの演算処理を行う演算装置39とを含んでいる。
【0030】
入力装置35は、キーボード、マウス、タッチパネル、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等を含むユーザインターフェースである。出力装置36は、ディスプレイ、スピーカ等を含むユーザインターフェースである。
【0031】
主記憶装置32は、プログラムやデータを保持し、制御装置38の指示に従って保持しているデータをレジスタに読み出す。補助記憶装置33は、主記憶装置32の記憶容量の補助として機能する。
【0032】
通信I/F37は、第1の通信回線17を介して他の情報処理装置(MFP12、PC13A,13B、プリンタ11A等)とデータの送受信を行う通信デバイスである。
【0033】
図3は、第1の実施形態に係る第2のネットワーク3に含まれるプリンタ11B及びPC13Cのハードウェア構成例を示すブロック図である。本実施形態に係るプリンタ11Bは、コントローラ41、操作ユニット42、画像形成部43、プリントエンジン44、及び通信I/F45を含む。
【0034】
コントローラ41は、プリンタ11B全体の制御を司る電子制御ユニットであり、CPU46、メモリ47等を含んで構成されている。
【0035】
操作ユニット42は、スイッチ、タッチパネル、ディスプレイ、スピーカ等を含むユーザインターフェースである。
【0036】
画像形成部43は、PC13C等の第2の通信回線18に接続された情報処理装置から送信されたプリントジョブデータ(画像データを含む)等に基づいて、記録媒体に画像を印刷するための印刷データを生成するユニットである。画像形成部43は、例えば、画像処理用のASIC等である。
【0037】
プリントエンジン44は、画像形成部43により生成された印刷データに基づいて、記録媒体に画像を印刷するユニットであり、例えば、インクジェットユニット、電子写真プロセスユニット等である。
【0038】
通信I/F45は、第2の通信回線18を介してPC13C等とデータの送受信を行う通信デバイスである。
【0039】
本実施形態に係るPC13Cは、CPU51、主記憶装置52、補助記憶装置53、クロック装置54、入力装置55、出力装置56、及び通信I/F57を含む。
【0040】
CPU51は、PC13C全体の制御を司る電子制御ユニットであり、主記憶装置52や補助記憶装置53に記憶されているプログラムに従って各種制御演算処理を行う。CPU51は、クロック装置54が発生するクロック信号に同期して動作を制御する制御装置58と、デジタルデータの演算処理を行う演算装置59とを含んでいる。
【0041】
入力装置55は、キーボード、マウス、タッチパネル、CCD(Charge Coupled Device)カメラ等を含むユーザインターフェースである。出力装置56は、ディスプレイ、スピーカ等を含むユーザインターフェースである。
【0042】
主記憶装置52は、プログラムやデータを保持し、制御装置58の指示に従って保持しているデータをレジスタに読み出す。補助記憶装置33は、主記憶装置32の記憶容量の補助として機能する。
【0043】
図4は、第1の実施形態に係る診断システム1の機能構成例を示すブロック図である。ここでは、サーバ14が、第2の通信回線18に接続された(第1の通信回線17には接続されていない)プリンタ11Bについて診断処理を行う場合を示す。
【0044】
プリンタ11Bは、操作部101、記憶部102、通信部103、及び印刷部104(第1の印刷手段)を含む。
【0045】
操作部101は、ユーザ(主にエンドユーザ)による操作を受け付ける。操作部101は、例えば操作ユニット42、コントローラ41、制御プログラム等の協働により構成され得る。
【0046】
記憶部102は、印刷機能の正否を判定するためのテストパターンを示すテストパターン情報、プリンタ11Bの装置情報(第1の装置情報)等を記憶する。装置情報とは、プリンタ11Bに関する情報であり、例えばプリンタ11Bの識別番号、印刷条件等を含む。記憶部102は、例えばメモリ47、CPU46等の協働により構成され得る。
【0047】
通信部103は、第2の通信回線18を介して他の装置(ここではPC13C)との間で通信を確立する。通信部103は、PC13Cからのプリントジョブデータ等を受信する。通信部103は、例えば通信I/F45、コントローラ41等の協働により構成され得る。
【0048】
印刷部104は、記録媒体に画像を印刷する。本実施形態に係る印刷部104は、通信部103により受信されたプリントジョブデータ等に基づいて画像を印刷するだけでなく、操作部101になされたユーザの操作及び記憶部102に記憶された情報(テストパターン情報及び装置情報を含む情報)に基づいて、後述する診断チャート(第1の診断画像)を印刷する。印刷部104は、例えば画像形成部43、プリントエンジン44、コントローラ41等の協働により構成され得る。
【0049】
PC13Cは、通信部111及び制御部112を含む。
【0050】
通信部111は、第2の通信回線18を介して他の装置(ここではプリンタ11B)との間で通信を確立する。通信部111は、プリンタ11Bに対してプリントジョブデータを送信する。通信部111は、例えば通信I/F57、CPU51、制御プログラム等の協働により構成される。
【0051】
制御部112は、PC13Cを制御し、プリントジョブデータの生成、通信部111の制御等を行う。制御部112は、例えばCPU51、制御プログラム等の協働により構成され得る。
【0052】
MFP12は、操作部121、読取部122(読取手段)、記憶部123(記憶手段)、通信部124(第1の通信手段)、及び表示部125を含む。読取部122は装置情報取得部131(装置情報取得手段)を含む。通信部124は診断リクエスト生成部132を含む。
【0053】
操作部121は、ユーザ(主にエンドユーザ)による操作を受け付ける。操作部121は、例えば操作ユニット22、コントローラ21、制御プログラム等の協働により構成され得る。
【0054】
読取部122は、記録媒体に印刷された画像を読み取る。本実施形態に係る読取部122は、プリンタ11Bにより印刷された診断チャートを読み取り、その画像データを取得する。読取部122に含まれる装置情報取得部131は、診断チャートの画像データに基づいてプリンタ11Bの装置情報を取得する。読取部122は、例えばスキャナ23、コントローラ21、制御プログラム等の協働により構成され得る。
【0055】
記憶部123は、MFP12の装置情報(第2の装置情報)を記憶する。記憶部123は、例えばメモリ29、CPU28等の協働により構成され得る。
【0056】
通信部124は、第1の通信回線17を介して他の装置(ここではサーバ14)との間で通信を確立する。通信部124に含まれる診断リクエスト生成部132は、読取部122により読み取られた診断チャートの画像データ、装置情報取得部131により取得されたプリンタ11Bの装置情報、及び記憶部123に記憶されたMFP12の装置情報に基づいて、サーバ14に対して診断処理の実行を要求する診断リクエストを生成する。また、通信部124は、サーバ14から送信された診断結果を受信する。通信部124は、例えば通信I/F26、コントローラ21等の協働により構成され得る。
【0057】
表示部125は、通信部124により受信された診断結果を表示する。表示部125は、例えば操作ユニット22(ディスプレイ等)、コントローラ21等の協働により構成され得る。
【0058】
サーバ14は、通信部141及び診断部142を含む。診断部142は原因推定部143を含む。
【0059】
通信部141は、第1の通信回線17を介して他の装置(ここではMFP12)との間で通信を確立する。通信部141は、診断リクエスト生成部132により生成された診断リクエストを受信する。通信部141は、例えば通信I/F37、CPU31等の協働により構成され得る。
【0060】
診断部142は、通信部141により受信された診断リクエストに基づいて、対象となる装置(ここでは11B)についての診断処理を行う。診断部142に含まれる原因推定部143は、プリンタ11Bに異常が有ると判定された場合に、診断リクエストに含まれる画像データ、プリンタ11Bの装置情報、及びMFP12の装置情報に基づいて、異常の原因を推定する。診断部142は、原因推定部143による推定結果を含む診断結果を生成する。診断部142は、例えばCPU31、制御プログラム等の協働により構成され得る。
【0061】
図5は、第1の実施形態に係る診断チャート71(第1の診断画像)の構成例を示す図である。診断チャート71は、サーバ14と直接通信することができない画像形成装置(本実施形態ではプリンタ11B)を診断する際に印刷される。診断チャート71は、テストパターン領域72及び装置情報領域73を含む。
【0062】
テストパターン領域72には、診断の対象となる読取装置(プリンタ11B)の印刷機能の正否を判定するためのテストパターン75が印刷されている。テストパターン75の構成は特に限定されるべきものではなく、対象となる画像形成装置の印刷方式(例えばインクジェット方式、電子写真プロセス方式等)に応じて適宜決定されるものである。印刷機能に異常がある場合(例えばインクやトナーが不足している場合、吐出ヘッドが汚れている場合、転写ベルトの転写効率が低下している場合等)には、テストパターン75にかすれやムラが顕現する。
【0063】
装置情報領域73には、診断の対象となる画像形成装置の装置情報を示す装置情報画像76が印刷されている。図5に例示する装置情報画像76は一覧表状の画像となっているが、装置情報画像76の構成はこれに限定されるものではなく、例えば暗号化された文字列形式、バーコード形式、QRコード(登録商標)形式等であってもよい。
【0064】
また、装置情報画像76は、装置情報、又は装置情報の補正情報が複数個所に分散するように構成されてもよい。これにより、装置情報領域73内に異常画像が発生した場合に、別領域に印刷された装置情報画像76又はその補正情報を用いて妥当性チェック(例えばサムチェック)を行うことが可能となる。
【0065】
図6は、第1の実施形態に係る画像形成装置の装置情報81のデータ構造例を示す図である。本例に係る装置情報81には、属性(カラム)として情報分類1、情報分類2、情報ID、情報名、及び値が含まれている。情報分類1は、装置の分類を示しており、本例では対象となる情報が画像形成装置(プリンタ11B)に関するものであることが示されている。情報分類2は、情報の種類を示しており、本例では対象となる情報がプリンタ11B固有の情報(画像形成装置固有情報)であるか、印刷条件等を示す情報(印刷条件情報)であるかが示されている。情報IDは、情報分類1、情報分類2、情報名、及び値を対応付けたレコード(ロウ)毎に割り当てられた識別記号である。情報名は、情報の名称を示している。値は、具体的な値を示している。このような装置情報81がプリンタ11B(診断の対象となる画像形成装置)の記憶部102に記憶されており、診断チャート71の生成時に装置情報81が読み出されることにより、上記装置情報画像76(装置情報領域73に印刷される画像)が生成及び印刷される。
【0066】
図7は、第1の実施形態に係る読取装置の装置情報91のデータ構造例を示す図である。上述したように、診断処理を行う際には、診断の対象となる画像形成装置(プリンタ11B)の装置情報81だけでなく、診断チャート71を読み取る読取装置(本例ではMFP12)の装置情報91も利用される。本例に係る装置情報91には、上記画像形成装置の装置情報81と同様の属性(情報分類1、情報分類2、情報ID、情報名、及び値)が含まれている。本例に係る装置情報81の情報分類1においては、対象となる情報が読取装置(MFP12のスキャナ23)に関するものであることを示しており、情報分類2においては、対象となる情報がスキャナ23固有の情報(読取装置固有情報)であるか、読取設定等を示す情報(読取条件情報)であるかが示されている。このような装置情報91がMFP12(診断チャート71を読み取る読取装置)の記憶部123に記憶されており、診断処理の実行を要求する診断リクエストの生成時に読み出される。
【0067】
図8は、第1の実施形態に係る診断システム1における処理例を示すシーケンス図である。ここでは、第2のネットワーク3に含まれる(サーバ14と直接通信ができない)プリンタ11Bについて診断を行う場合を示す。
【0068】
ユーザがプリンタ11Bの操作部101に対して、診断チャート71を印刷するための診断チャート印刷ボタンを押下する操作を行うと(S101)、プリンタ11Bの印刷部104は、記憶部102から診断チャート71のテストパターン領域72に印刷されるテストパターン75の画像データと、プリンタ11Bの装置情報81とを読み出す(S102,S103)。そして、印刷部104は、読み出されたテストパターン75の画像データと装置情報81とに基づいて、テストパターン75及び装置情報画像76を含む診断チャート71を印刷する(S104)。その後、プリンタ11Bの操作部101は、診断チャート71の印刷が終了したことを示す終了表示をディスプレイ等に表示する(S105)。
【0069】
その後、ユーザがMFP12の操作部121に対して、MFP12以外の画像形成装置(本例ではプリンタ11B)を診断するための他装置診断開始ボタンを押下する操作を行うと(S111)、MFP12の読取部122が診断チャート71をスキャンする(S112)。装置情報取得部131は、診断チャート71内の装置情報画像76の画像データに基づいてプリンタ11Bの装置情報81を取得し(S113)、診断リクエスト生成部132は、記憶部123からMFP12(スキャナ23)の装置情報91を読み出す(S114)。なお、装置情報画像76から装置情報81を取得する具体的な方法は特に限定されるべきものではないが、例えば公知の文字認識処理、デコード処理、バーコード解析処理、QRコード解析処理等を利用することができる。その後、診断リクエスト生成部132は、診断チャート71内のテストパターン75の画像データ、プリンタ11Bの装置情報81、及びMFP12の装置情報91を含む診断リクエストを生成し、通信部124が当該診断リクエストを第1の通信回線17を介してサーバ14に送信する(S115)。
【0070】
サーバ14の通信部141が診断リクエストを受信すると(S121)、診断部142は、診断リクエストに含まれるテストパターン75の画像データ、プリンタ11Bの装置情報81、及びMFP12の装置情報91に基づいて、プリンタ11Bについての診断処理を実行する(S122)。このとき、テストパターン75の画像データに基づいてプリンタ11Bに異常が有ると判定された場合(例えばテストパターン75にかすれやムラが認められる場合)には、原因推定部143は、プリンタ11Bの装置情報81及び/又はMFP12の装置情報91に基づいて異常の原因を推定する。その後、診断部142は、異常の有無、異常原因の推定結果等を含む診断結果を生成し、通信部141は、診断結果を第1の通信回線17を介してMFP12に送信する(S123)。
【0071】
MFP12の通信部124が診断結果を受信すると(S131)、表示部125は、診断結果をディスプレイ等に表示し(S132)、その後他装置診断が終了したことを示す終了表示を表示する(S133)。
【0072】
以上のように、本実施形態によれば、診断の対象となる画像形成装置と診断装置とが通信回線を介して接続されていない場合であっても画像形成装置に関する情報を利用して高精度な診断を行うことが可能となる。
【0073】
以下に、図面を参照して他の実施形態について説明するが、第1の実施形態と同一又は同様の作用効果を奏する箇所については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0074】
(第2の実施形態)
図9は、第2の実施形態に係る診断システム201の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る診断システム201においては、診断チャート71内の装置情報画像76の画像データに基づいてプリンタ11Bの装置情報81を取得する装置情報取得部131がサーバ14に備えられている。
【0075】
本実施形態に係るMFP12の読取部221は、プリンタ11Bにより印刷された診断チャート71を読み取る際に、テストパターン75及び装置情報画像76の両方を含む診断チャート71全体の画像データを取得する。そして、本実施形態に係るMFP12の診断リクエスト生成部222は、読取部221により取得された診断チャート71全体の画像データと、記憶部123から読み出されたMFP12(スキャナ23)の装置情報91とを含む診断リクエストを生成する。
【0076】
本実施形態に係るサーバ14の診断部241は装置情報取得部131を含む。当該装置情報取得部131は、サーバ14の通信部141により受信された診断リクエストに含まれる診断チャート71全体の画像データのうち、装置情報画像76の画像データに基づいて、プリンタ11Bの装置情報81を取得する。
【0077】
図10は、第2の実施形態に係る診断システム201における処理例を示すシーケンス図である。
【0078】
ユーザがプリンタ11Bの操作部101に対して、診断チャート71を印刷するための診断チャート印刷ボタンを押下する操作を行うと(S201)、プリンタ11Bの印刷部104は、記憶部102からテストパターン75の画像データと、プリンタ11Bの装置情報81とを読み出す(S202,S203)。そして、印刷部104は、読み出されたテストパターン75の画像データと装置情報81とに基づいて、テストパターン75及び装置情報画像76を含む診断チャート71を印刷する(S204)。その後、プリンタ11Bの操作部101は、診断チャート71の印刷が終了したことを示す終了表示をディスプレイ等に表示する(S205)。
【0079】
その後、ユーザがMFP12の操作部121に対して、MFP12以外の画像形成装置(本例ではプリンタ11B)を診断するための他装置診断開始ボタンを押下する操作を行うと(S211)、MFP12の読取部221が診断チャート71をスキャンする(S212)。その後、診断リクエスト生成部222は、記憶部123からMFP12(スキャナ23)の装置情報91を読み出す(S213)。その後、診断リクエスト生成部222は、診断チャート71全体の画像データ及びMFP12の装置情報91を含む診断リクエストを生成し、通信部124が当該診断リクエストを第1の通信回線17を介してサーバ14に送信する(S214)。
【0080】
サーバ14の通信部141が診断リクエストを受信すると(S221)、装置情報取得部131は、診断チャート71全体の画像データに含まれる装置情報画像76の画像データに基づいてプリンタ11Bの装置情報81を取得する(S222)。診断部241は、診断チャート71全体の画像データに含まれるテストパターン75の画像データ、プリンタ11Bの装置情報81、及びMFP12の装置情報91に基づいて、プリンタ11Bについての診断処理を実行する(S223)。その後、診断部241は、異常の有無、異常原因の推定結果等を含む診断結果を生成し、通信部141は、診断結果を第1の通信回線17を介してMFP12に送信する(S224)。
【0081】
MFP12の通信部124が診断結果を受信すると(S231)、表示部125は、診断結果をディスプレイ等に表示し(S232)、その後他装置診断が終了したことを示す終了表示を表示する(S233)。
【0082】
以上のように、本実施形態によれば、診断チャート71内の装置情報画像76の画像データに基づいてプリンタ11Bの装置情報81を取得する処理をサーバ14内で行うことができる。このような構成によっても、診断装置と通信回線を介して接続していない画像形成装置の装置情報を利用して高精度な診断を行うことが可能となる。
【0083】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態に係る診断システム301の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る診断システム301は、MFP12と通信可能な画像形成装置の装置情報を取得する際に、MFP12がプリンタ11Aの装置情報の取得を要求するリクエスト(装置情報リクエスト)を送信し、当該リクエストを受信したプリンタ11Aがその応答としてMFP12に装置情報を送信する構成を含んでいる。なお、以下ではMFP12と通信可能な画像形成装置として、第1のネットワーク2に含まれるプリンタ11Aを例として説明するが、これに限られるものではない。
【0084】
本実施形態に係るプリンタ11Aの印刷部321(第2の印刷手段)は、操作部101に所定の操作(診断チャート印刷ボタンの押下等)がなされた場合に、記録媒体に診断チャート325(第2の診断画像)を印刷する。本実施形態に係る印刷部321は、診断チャート325を印刷する際に、記憶部102からプリンタ11Aを特定するための装置特定情報(例えばプリンタ毎に付された識別番号等)を読み出し、装置特定情報を含む診断チャート325を印刷する。このとき、印刷部321は、診断チャート325に、診断チャート325を印刷する際の印刷条件を特定するための印刷条件特定情報を更に含めてもよい。
【0085】
図12は、第3の実施形態に係る診断チャート325(第2の診断画像)の構成例を示す図である。本実施形態に係る診断チャート325は、テストパターン領域72及び特定情報領域326を含んでいる。特定情報領域326には、プリンタ11Aを特定可能な装置特定情報を示す装置特定情報画像327と、診断チャート325を印刷する際の印刷条件を特定可能な印刷条件特定情報画像328とが印刷されている。
【0086】
また、図11に示すように、本実施形態に係るプリンタ11Aは、プリンタ11Aの装置情報81を取得するための装置情報取得部324を含んでいる。本実施形態に係る装置情報取得部324は、通信部323(第2の通信手段)がMFP12から後述する装置情報リクエストを受信した場合に、記憶部102からプリンタ11Aの装置情報を取得する。通信部323は、装置情報リクエストに対する応答として装置情報をMFP12に送信する。
【0087】
本実施形態に係るMFP12の読取部341は、上記診断チャート325を読み取る。読取部341は特定情報取得部342を含んでおり、特定情報取得部342は、診断チャート325に含まれる装置特定情報画像327の画像データに基づいて装置特定情報を取得する。また、診断チャート325に印刷条件特定情報画像328が含まれている場合には、特定情報取得部342は、印刷条件特定情報画像328の画像データに基づいて印刷条件特定情報も取得する。
【0088】
また、本実施形態に係るMFP12は、特定情報取得部342により取得された情報(装置特定情報のみ、又は装置特定情報及び印刷条件特定情報)に基づいて装置情報リクエストを生成する装置情報リクエスト生成部352を含んでいる。装置情報リクエストは、プリンタ11Aの装置情報を取得する要求を含んでいる。通信部351(第3の通信手段)は、装置情報リクエスト生成部352により生成された装置情報リクエストをプリンタ11Aに送信する。通信部351は、装置情報リクエストに対する応答として、プリンタ11Aから装置情報81を受信する。
【0089】
本実施形態に係る診断リクエスト生成部353は、読取部341により読み取られた診断チャート325に含まれるテストパターン75の画像データと、装置情報リクエストに対する応答として取得したプリンタ11Aの装置情報と、記憶部123から読み出したMFP12の装置情報91とを含む診断リクエストを生成する。
【0090】
図13は、第3の実施形態に係る診断システム301における処理例を示すシーケンス図である。
【0091】
ユーザがプリンタ11Aの操作部101に対して、診断チャート325を印刷するための診断チャート印刷ボタンを押下する操作を行うと(S301)、プリンタ11Aの印刷部321は、記憶部102からテストパターン75の画像データと、プリンタ11Aを特定する装置特定情報と、診断チャート325を印刷する際の印刷条件を特定する印刷条件特定情報とを読み出す(S302,S303)。そして、印刷部321は、テストパターン75の画像データと装置特定情報と印刷条件特定情報とに基づいて、テストパターン75と装置特定情報画像327と印刷条件特定情報画像328とを含む診断チャート325を印刷する(S304)。その後、プリンタ11Aの操作部101は、診断チャート325の印刷が終了したことを示す終了表示をディスプレイ等に表示する(S305)。
【0092】
その後、ユーザがMFP12の操作部121に対して、MFP12以外の画像形成装置(本例ではプリンタ11A)を診断するための他装置診断開始ボタンを押下する操作を行うと(S311)、MFP12の読取部341が診断チャート325をスキャンする(S312)。特定情報取得部342は、装置特定情報画像327の画像データに基づいて装置特定情報を取得すると共に、印刷条件特定情報画像328の画像データに基づいて印刷条件特定情報を取得する(S313)。装置情報リクエスト生成部352は、装置特定情報及び印刷条件特定情報に基づいて上記装置情報リクエストを生成し、通信部351は、当該装置情報リクエストをプリンタ11Aに送信する(S314)。
【0093】
プリンタ11Aの通信部323がMFP12から装置情報リクエストを受信すると(S321)、装置情報取得部324は、記憶部102から装置情報リクエストに含まれる装置特定情報及び印刷条件特定情報(印刷条件特定情報が無い場合には装置特定情報のみ)に紐付いた装置情報81を読み出し(S322)、通信部323は、プリンタ11Aの装置情報81をMFP12に送信する(S323)。
【0094】
MFP12の通信部351がプリンタ11Aから装置情報81を受信すると(S331)、診断リクエスト生成部353は、記憶部123からMFP12(スキャナ23)の装置情報91を読み出す(S332)。その後、診断リクエスト生成部353は、診断チャート325内のテストパターン75の画像データ、プリンタ11Aの装置情報、及びMFP12の装置情報91を含む診断リクエストを生成し、通信部351が当該診断リクエストを第1の通信回線17を介してサーバ14に送信する(S333)。
【0095】
サーバ14の通信部141が診断リクエストを受信すると(S341)、診断部142は、診断リクエストに含まれるテストパターン75の画像データ、プリンタ11Aの装置情報、及びMFP12の装置情報91に基づいて、プリンタ11Aについての診断処理を実行する(S342)。その後、診断部142は、異常の有無、異常原因の推定結果等を含む診断結果を生成し、通信部141は、診断結果を第1の通信回線17を介してMFP12に送信する(S343)。
【0096】
MFP12の通信部351が診断結果を受信すると(S351)、表示部125は、診断結果をディスプレイ等に表示し(S352)、その後他装置診断が終了したことを示す終了表示を表示する(S353)。
【0097】
以上のように、本実施形態によれば、診断チャート325がプリンタ11Aを特定する装置特定情報(装置特定情報画像327)及び印刷条件を特定する印刷条件情報(印刷条件特定情報画像328)を含むように構成される(印刷条件特定情報は含まれない場合がある。)。装置特定情報や印刷条件特定情報の情報量は通常比較的小さいため、第1及び第2の実施形態のように装置情報81を直接的に示す装置情報画像76を含む診断チャート71を印刷する場合よりも、本実施形態に係る診断チャート325を印刷する場合の方がインクやトナーの消費量を削減することができる。
【0098】
上記診断システム1,201,301の各機能を実現するプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、プログラムを、インターネット等のネットワークに接続された他のコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、プログラムをネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【0099】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図するものではない。この新規な実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更、及び組み合わせを行うことができる。この実施形態及びその変形は発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0100】
1,201,301 診断システム
2 第1のネットワーク
3 第2のネットワーク
11A,11B プリンタ(画像形成装置)
12 MFP(読取装置)
13A~13C PC
14 サーバ(診断装置)
17 第1の通信回線
18 第2の通信回線
21 コントローラ
22 操作ユニット
23 スキャナ
24 画像形成部
25 プリントエンジン
26 通信I/F
27 FaxI/F
28 CPU
29 メモリ
31 CPU
32 主記憶装置
33 補助記憶装置
34 クロック装置
35 入力装置
36 出力装置
37 通信I/F
38 制御装置
39 演算装置
41 コントローラ
42 操作ユニット
43 画像形成部
44 プリントエンジン
45 通信I/F
46 CPU
47 メモリ
51 CPU
52 主記憶装置
53 補助記憶装置
54 クロック装置
55 入力装置
56 出力装置
57 通信I/F
58 制御装置
59 演算装置
71 診断チャート(第1の診断画像)
72 テストパターン領域
73 装置情報領域
75 テストパターン
76 装置情報画像
81 装置情報(第1の装置情報)
91 装置情報(第2の装置情報)
101 操作部
102 記憶部
103 通信部
104 印刷部(第1の印刷手段)
111 通信部
112 制御部
121 操作部
122,221,341 読取部(読取手段)
123 記憶部(記憶手段)
124 通信部(第1の通信手段)
125 表示部
131,324 装置情報取得部(装置情報取得手段)
132,222,353 診断リクエスト生成部
141 通信部
142,241 診断部(診断手段)
143 原因推定部
321 印刷部(第2の印刷手段)
323 通信部(第2の通信手段)
325 診断チャート(第2の診断画像)
326 特定情報領域
327 装置特定情報画像
328 印刷条件特定情報画像
342 特定情報取得部
351 通信部(第3の通信手段)
352 装置情報リクエスト生成部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【文献】特許第3957435号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13