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特許7090413デジタル・アナログ変換装置及びその校正方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】デジタル・アナログ変換装置及びその校正方法
(51)【国際特許分類】
   H03M 1/66 20060101AFI20220617BHJP
【FI】
H03M1/66 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2017211184
(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公開番号】P2018074589
(43)【公開日】2018-05-10
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】15/339448
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391002340
【氏名又は名称】テクトロニクス・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TEKTRONIX,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブランドン・ゼット・フライ
(72)【発明者】
【氏名】ブレット・トレバー
【審査官】工藤 一光
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-510829(JP,A)
【文献】特開2007-60497(JP,A)
【文献】特表2002-526964(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0061909(US,A1)
【文献】米国特許第9564913(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M1/66-1/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通デジタル・アナログ・コンバータ・クロック及びシステム基準クロックを生成する中央クロック・モジュールと、
夫々上記中央クロック・モジュールに結合される少なくとも2つのデジタル・アナログ・コンバータ
を具え、
上記デジタル・アナログ・コンバータの夫々が、
上記共通デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相を位相校正値に変調して、変調デジタル・アナログ・コンバータ・クロックを出力するデジタル・アナログ・コンバータ・クロック・モジュレータと、
上記システム基準クロックの位相をシステム基準クロック校正値に変調して、変調システム基準クロックを出力するシステム基準クロック・モジュレータと、
上記変調デジタル・アナログ・コンバータ・クロック及び上記変調システム基準クロックの位相を監視して、位相関係を維持するための位相検出回路と
を有するデジタル・アナログ変換装置。
【請求項2】
上記デジタル・アナログ・コンバータの夫々が、上記変調デジタル・アナログ・コンバータ・クロックを分周して、変調分周デジタル・アナログ・コンバータ・クロックを生成するクロック分周回路を更に有する請求項1のデジタル・アナログ変換装置。
【請求項3】
上記中央クロック・モジュールが、上記共通デジタル・アナログ・コンバータ・クロックを分周することによって、上記システム基準クロックを生成する請求項1のデジタル・アナログ変換装置。
【請求項4】
パルス波形を供給する処理と、
上記共通デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相を、内部システム基準クロックの位相にアライメントする処理と、
上記変調システム基準クロックの位相を上記調デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相とアライメントする処理と、
上記変調システム基準クロックのアライメントされた位相を上記システム基準クロック校正値として記憶する処理と、
上記少なくとも2つのデジタル・アナログ・コンバータを同期して、上記デジタル・アナログ・コンバータの位相を所望位相の中央値に調整する処理と、
上記デジタル・アナログ・コンバータのアライメントされた上記位相を上記位相校正値として記憶する処理と
を具える請求項1のデジタル・アナログ変換装置の校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタル・アナログ・コンバータに関し、特に、装置中の複数のデジタル・アナログ・コンバータを同期して利用できる装置及びその校正方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)には、試験測定装置や波形生成装置といった多くの応用例があり、時に、試験測定装置中で使用されることもある。装置中の全てのDACは、全てのDACクロック間の関係を測定する共通の位相検出ハードウェアを用いて同期される。これらクロックは、全てが揃(アライン)し、DACの出力信号がデスキューされるまでシフトされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2002-526964号公報
【非特許文献】
【0004】
【文献】「トリガ入門(第3版)」、文書番号55Z-17291-3で検索、特に第10頁「セットアップ/ホールド・トリガ」の説明、テクトロニクス、2010年6月発行、[online]、[2017年10月3日検索]、インターネット<http://jp.tek.com/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この同期方法では、各DACモジュールは、共通の位相検出回路への接続が必要となるために問題が生じる。これによれば、余分なルートによるトレースが必要となり、柔軟性が少なく、再利用がし難い。例えば、もしシステムの設計者が追加のチャンネルを希望した場合には、追加チャンネル用の追加のDACを収容するのに、位相検出回路を変更しなければならなくなる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態としては、少なくとも2つのデジタル・アナログ・コンバータを有する装置があり、各デジタル・アナログ・コンバータが、デジタル・アナログ・コンバータ・クロック・モジュレータと、システム基準クロック・モジュレータと、クロック及びシステム基準クロックの位相を観測(Track:追跡)する位相検出回路とを有している。
【0007】
本発明の別の実施形態としては、位相検出回路を校正する方法があり、パルス波形を供給する処理と、デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相を内部のシステム基準クロックの位相に揃える処理と、変調されたシステム基準クロックの位相を変調分周デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相と揃える処理と、変調されたシステム基準クロックの揃えた位相を校正値として記憶する処理と、複数のデジタル・アナログ・コンバータを同期して複数のデジタル・アナログ・コンバータの位相を所望位相の中央に調整する処理と、複数のデジタル・アナログ・コンバータの揃えた位相を校正値として記憶する処理とを具えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、共通位相検出回路を有する2チャンネル・システムの従来の例のブロック図である。
図2図2は、独立したデジタル・アナログ・コンバータ同期回路を有する本発明によるシステムの実施形態のブロック図である。
図3図3は、複数のデジタル・アナログ・コンバータを同期させる本発明による方法のフローチャートを示す。
図4図4は、同期処理におけるパルス波形のタイミング図である。
図5図5は、本発明による位相検出回路を校正する方法の実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、複数のデジタル・アナログ・コンバータ(DAC)と集中型位相検出回路の典型的な構成の従来例を示す。図示の例には、2つのDAC、DAC-A18及びDAC-Bがある。この説明では、DAC-A18だけにフォーカスし、同じ説明がDAC-Bに当てはまると理解されたい。各DACは、システム・クロックを生成するクロック・モジュール10へ接続されている。システム・クロックは、DACクロックを生成する各DAC用のIQモジュレータへ供給される。
【0010】
IQモジュレータ14は、DACクロックの同相(I)及び直交位相(Q)を変調し、所望の位相に従って回転させる。用語「回転」が使用されるのは、IQ信号は、典型的には、回転軸上でプロットされるからであるが、これら信号の位相の遅延又はシフトとも考えることができる。図1のシステムでは、位相検出回路12は、DAC-A18のようなDACの夫々から、分周回路16で分周されたDACクロックを受ける。次いで、位相検出回路12は、全てのDACクロック間の関係を測定する。位相検出回路12の電圧は、既知の校正値と比較される。測定された電圧が、この校正値と等しい場合には、これらDACクロックは揃って(align:アラインされて)おり、それらの出力信号はデスキューされている。
【0011】
この電圧校正値は、開始ポイントとして利用される。同期処理では、位相検出回路が所望電圧に達するように、IQモジュレータによってDACクロックを「回転」、つまり、シフトし、これによって、DACクロックを所望の位相へと精密に調整する。なお、位相検出回路の電圧は、電圧校正値と必ずしも一致しないこともある。また、DACは、この例では、変換を受けるオリジナルのデジタル信号を生成するFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)20に取り付けられている。
【0012】
この同期方法は、位相検出回路の校正に依存している。位相検出回路を校正するのには、試験波形を生成し、オシロスコープのような試験装置で各DACの出力信号を測定する。これら出力信号は、デスキューされる。出力信号中に遅延が存在することがあるが、これは、他の信号と比較して遅延する信号があることを意味する。デスキュー処理では、典型的には、速い信号を遅らせることによって、全ての信号を同期させる。これは、複数の信号のアライメント(整列)処理と呼ぶこともできる。全ての信号が揃ったら(整列したら)、位相検出回路の電圧が測定されて、メモリに記憶される。これら測定された電圧値が、上述の校正値となる。
【0013】
複数のDACクロックについて、単一の位相検出回路を用いることによる問題は、余分な配線経路に加えて、柔軟性がないことである。もし別のチャンネルを加えようとした場合、新たなDACが必要となるが、その新しいチャンネルを収容するのに、位相検出回路を設計し直さなければならない。更に、DACから位相検出回路へと戻る接続によって、余分な配線が必要となり、回路の配置を複雑なものにする。
【0014】
従来の図1とは対照的に、図2は、独立な同期回路を有する複数DACのセットの実施形態を示し、回路配置の柔軟性が向上し、配線経路をよりシンプルにできる。図1の共通の位相検出回路はなくなり、代わりに、位相検出回路32のような各DAC夫々用に独立で小型化した位相検出回路を利用する。図1のように、特定の位相検出回路について、チャンネルの個数、よって、DACの個数が固定であるのとは異なり、この構成では、同期のための回路を再設計することなく、複数のDACを追加できる。
【0015】
確実に同期するために、同じクロック信号源から切り離されても、全てのデバイスが動作することが重要である。クロック・モジュール30は、2つのクロックを生成する。1つは、共通のDACクロックであり、もう1つは、内部的なシステム基準クロック(SYSREF)である。システム基準クロックSYSREFは、クロック・モジュール30内部でDACクロックを分周することによって生成される。クロック・モジュール30内には、複数の分周回路があり、これらは、DACクロックを分周して、以下で内部システム基準クロック(内部SYSREF)と呼ぶものを生成する。DACクロックIQモジュレータ34に接続されたDACクロック分周回路33は、変調されたDACクロックを分周するのに利用されるので、変調及び分周されたDACクロックを、システム基準クロックSYSREFに対して正確に比較できる。DACクロックIQモジュレータ34のようなDACクロックIQモジュレータと、システム基準クロックIQモジュレータ36は、夫々DACクロックとシステム基準クロックを回転することによって(本願では、回転されたものを、夫々、変調DACクロック及び変調システム基準クロックと呼ぶ)、これらが確実にアライメントするようにする。変調DACクロック及び変調システム基準クロックは、夫々DACとFPGAへと送られる。位相検出回路32のような位相検出回路は、これら2つのクロック間の関係をモニタし、システム基準クロックについて、セットアップ時間及びホールド時間を有効に満たすようにする。
【0016】
セットアップ時間は、クロックで取り込みたいデータを有効にしておくべき、クロックの立ち上がりエッジ以前の最小時間である。同様に、ホールド時間は、クロックで取り込みたいデータを有効にしておくべき、クロックの立ち上がりエッジ以後の最小時間である。データ出力を有効にするために、システムが動作しているアプリケーション又は規格に必要とされるセットアップ時間及びホールド時間を満たす必要がある。
【0017】
複数の独立した位相検出回路を利用することで、同期処理は、図1の回路とは、異なって動作する。図3は、その処理のフローチャートを示し、図4は、代表的なタイミング図を示す。ステップ40では、DACの位相校正値が、DACクロックIQモジュレータに設定される。後述のように、DAC位相校正値は、校正中に設定されても良い。
【0018】
同様に、同期処理では、ステップ42において、システム基準クロック(SYSREF)位相校正値を、システム基準クロックIQモジュレータに設定する。図4を参照すると、DACクロック(DAC CLK)、システム基準クロック(SYSREF)並びに2つの分周DACクロックDIV1及びDIV2を示している。複数のDACは、互いに同じ位相関係でないこともあるが、これらのクロックの立ち上がりエッジは、システム基準クロックと同期している。複数のクロック間のチャンネル間スキューは、DAC内の内部分周回路が、ランダムな位相で開始するので、典型的には、互いに4DACクロック・サイクル内に落ち着くであろう。
【0019】
これらDACクロックは、同じ関係となるようシフトされる。これは、全てのDACクロックが同じ開始ポイントを持っているかのように思えるであろう。従来は、例えば、全てのDACクロックが、特定の時点で立ち上がりエッジを持っていたかもしれないが、しかし、これらDACのいくつかは、その時点がt=2で、他のDACでは、その時点がt=0ということも有り得たのである。本発明では、これらDACクロックを、システム基準クロックに対して同じ位相関係となるようにシフトすることで、これらDACクロックを同じ時点に追い込むことになる。これにより、全てのDACを同期させる。これは、図4の下側の図で示されている。
【0020】
ステップ44では、DACクロックIQモジュレータ34によってDACクロックの位相を回転して、DACクロック分周回路33の位相を調整することによって、DACクロック分周回路33が出力する変調された分周DACクロックとシステム基準クロック間の位相関係を補正する。上述のように、各チャンネルの位相検出回路は、2つのクロック間の関係をモニタし、所望のセットアップ時間及びホールド時間を確実に維持するようにする。上述の同期処理によれば、複数のデジタル信号生成回路(この実施形態では、複数のFPGA)が、データの同期が保証された状態で、開始コマンドを同時に出すことが可能になる。
【0021】
個々の位相検出回路は、校正が必要である。この校正処理では、クロック間の正しい位相関係に関連する位相検出回路の電圧範囲を探し出す。1つの実施形態では、システム基準クロック(SYSREF)を、DACクロックを32分の1に分周したものとし、これによって、32個の電圧範囲を潜在的に有効な領域と考えることにしても良い。次いで、これら有効領域は、図5の校正処理中に参照するために、メモリに記憶される。
【0022】
図5は、位相検出回路を校正する方法の1つの実施形態のフローチャートを示す。この処理は、典型的には、同期した複数DACを利用する装置を出荷する前に、工場において行われる。ステップ50では、パルス波形を再生し、オシロスコープのような試験装置の一部がDACの出力信号を試験するのに利用される。システム基準クロックを32分の1に分周する実施形態では、パルス波形は、1DACクロック・サイクルの幅を有し、全体の長さは64個のサンプルよりも長いものが再生される。
【0023】
ステップ52では、DACクロックの位相が、クロック・モジュール30内の内部システム基準クロックの位相とアライメントされる。次に、ステップ54では、システム基準クロックIQモジュレータ36から出力される変調システム基準クロックを、DACクロックIQモジュレータ34からDACクロック分周回路33を介して得られる変調分周DACクロックとアライメントする。次いで、ステップ56では、システム基準クロック(SYSREF)の位相にアライメントされたところで、システム基準クロックの位相を校正値として記憶する。ステップ58では、複数のDACが同期されて、所望の位相の中央に調整される。次いで、この調整後のDACクロックの位相値が、複数DACクロックに関する校正値として記憶され、必要に応じて、繰り返される。
【0024】
このように、本発明によれば、複数DACを同期する一層柔軟な構造を実現できる。夫々が独自の位相検出回路を有するモジュール化を進めた独立型DACチャンネルによって、位相検出回路を再設計することなく、更なるDACチャンネルの追加が可能になる。各DACから集中型位相検出回路への信号配線をなくすことで、配線がシンプルになり、回路の複雑化を低減できる。
【0025】
本願に開示される本発明の例示的な実施例を以下に示す。本発明の実施形態は、以下に記載される実施例の任意の1つ以上、及び任意の組み合わせが有り得る。
【0026】
実施例1としては、装置があり、
少なくとも2つのデジタル・アナログ・コンバータを具え、
上記デジタル・アナログ・コンバータの夫々が、
デジタル・アナログ・コンバータ・クロック・モジュレータと、
システム基準クロック・モジュレータと、
クロック及びシステム基準クロックの位相を監視する位相検出回路とを有している。
【0027】
実施例2としては、実施例1の装置があり、上記デジタル・アナログ・コンバータの夫々が、クロック分周回路を更に有している。
【0028】
実施例3としては、実施例1の装置があり、デジタル・アナログ・コンバータ・クロックを生成する中央クロック・モジュールを更に具えている。
【0029】
実施例4としては、実施例1の装置があり、システム基準クロックを生成する中央クロック・モジュールを更に具えている。
【0030】
実施例5としては、実施例1の装置があり、上記デジタル・アナログ・コンバータの夫々が、デジタル信号を生成するデバイスに接続されている。
【0031】
実施例6としては、装置中の複数のデジタル・アナログ・コンバータを同期させる方法があり、
デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相を位相校正値に設定する処理と、
システム基準クロックをシステム基準クロック校正値に設定する処理と、
上記デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相を回転させることで、上記デジタル・アナログ・コンバータ・クロックと上記システム基準クロック間の位相関係を調整する処理と
を具えている。
【0032】
実施例7としては、実施例6の方法があり、上記デジタル・アナログ・コンバータに接続された任意のデバイスに開始コマンドを同時に発行する処理を更に具えている。
【0033】
実施例8としては、実施例6の方法があり、上記デジタル・アナログ・コンバータ・クロックを分周することによって、上記システム基準クロックを生成する処理を更に具えている。
【0034】
実施例9としては、実施例6の方法があり、上記システム基準クロック及び上記デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの関係をセットアップ時間及びホールド時間の条件に関して監視する処理を更に具えている。
【0035】
実施例10としては、位相検出回路を校正する方法があり、
パルス波形を供給する処理と、
デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相を、内部システム基準クロックの位相にアライメントする処理と、
変調システム基準クロックの位相を変調分周デジタル・アナログ・コンバータ・クロックの位相とアライメントする処理と、
上記変調システム基準クロックのアライメントされた位相を校正値として記憶する処理と、
複数のデジタル・アナログ・コンバータを同期して、上記デジタル・アナログ・コンバータの位相を所望位相の中央値に調整する処理と、
上記デジタル・アナログ・コンバータのアライメントされた上記位相を校正値として記憶する処理と
を具えている。
【0036】
実施例11としては、実施例10の方法があり、上記位相検出回路の校正処理は、必要に応じて繰り返される。
【0037】
説明の都合上、本発明の特定の実施形態を説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な変更を行うことができることが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0038】
30 クロック・モジュール
32 位相検出回路
33 DACクロック分周回路
34 DACクロックIQモジュレータ
36 システム基準クロックIQモジュレータ
38 デジタル・アナログ・コンバータ(DAC)
40 FPGA
図1
図2
図3
図4
図5