(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】送信装置、受信装置及びチップ
(51)【国際特許分類】
H04L 27/34 20060101AFI20220617BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
H04L27/34
H04L27/26 110
(21)【出願番号】P 2018152847
(22)【出願日】2018-08-15
【審査請求日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2017157173
(32)【優先日】2017-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成30年度、総務省、「地上テレビジョン放送の高度化技術の研究開発」に係わる委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】蔀 拓也
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 慎悟
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 明彦
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 宏明
(72)【発明者】
【氏名】白井 規之
(72)【発明者】
【氏名】成清 善一
(72)【発明者】
【氏名】竹内 知明
(72)【発明者】
【氏名】本田 円香
(72)【発明者】
【氏名】村山 研一
(72)【発明者】
【氏名】岡野 正寛
(72)【発明者】
【氏名】土田 健一
【審査官】玉田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-137709(JP,A)
【文献】国際公開第2018/150938(WO,A1)
【文献】特開2015-146556(JP,A)
【文献】国際公開第2015/178213(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0344495(US,A1)
【文献】特開平09-307517(JP,A)
【文献】国際公開第2010/038274(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 27/00-27/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、
1以上の階層データをキャリア変調方式の種類に対応するテーブルに従ってデータキャリアにマッピングするように構成されているマッピング部を具備しており、
前記マッピング部は、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が9/16である場合に、16QAMで伝送される4ビットのうち下位2ビットが、
【表1】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の送信装置から送信されたOFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、
1以上の階層データをキャリア変調方式の種類に対応するテーブルに従ってデータキャリアからデマッピングするように構成されているデマッピング部を具備しており、
前記デマッピング部は、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が9/16である場合に、16QAMで伝送される4ビットのうち下位2ビットが、
【表1】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていることを特徴とする受信装置。
【請求項3】
コンピュータを、請求項1に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【請求項4】
コンピュータを、請求項2に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、受信装置及びチップに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、現行の地上デジタル放送方式に代わる新たな次世代の地上デジタル放送方式の検討が進められている。
【0003】
かかる次世代の地上デジタル放送方式では、キャリア変調方式として、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)や64QAMや256QAMや1024QAMや4096QAMを用いることが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、次世代の地上デジタル放送方式を実現するに際して、従来のキャリア変調におけるコンスタレーションでは、雑音耐性を十分に確保することができないという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、次世代の地上デジタル放送方式において、伝送レートの向上と共に雑音耐性の向上を実現することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、OFDM信号を送信するように構成されている送信装置であって、1以上の階層データをキャリア変調方式の種類に対応するテーブルに従ってデータキャリアにマッピングするように構成されているマッピング部を具備する。前記マッピング部は、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が9/16である場合に、16QAMで伝送される4ビットのうち下位2ビットが、
【表1】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていることを要旨とする。
【0008】
本発明の第2の特徴は、上述の第1の特徴に係る信装置から送信されたOFDM信号を受信するように構成されている受信装置であって、1以上の階層データをキャリア変調方式の種類に対応するテーブルに従ってデータキャリアからデマッピングするように構成されているデマッピング部を具備する。前記デマッピング部は、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が9/16である場合に、16QAMで伝送される4ビットのうち下位2ビットが、
【表1】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていることを要旨とする。
【0009】
本発明の第3の特徴は、コンピュータを、上述の第1の特徴に記載の送信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【0010】
本発明の第4の特徴は、コンピュータを、上述の第2の特徴に記載の受信装置として機能させるためのプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、次世代の地上デジタル放送方式において、伝送レートの向上と共に雑音耐性の向上を実現することができる送信装置、受信装置及びチップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る送信装置1の構成図の一例である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る送信装置1のマッピング部11a/11bによってマッピングされる各信号点の配置を説明するための図の一例である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る送信装置1のマッピング部11a/11bによってマッピングされる各信号点の配置を説明するための図の一例である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る送信装置1のマッピング部11a/11bによってマッピングされる各信号点の配置を説明するための図の一例である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る送信装置1のマッピング部11a/11bによってマッピングされる各信号点の配置を説明するための図の一例である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る送信装置1のマッピング部11a/11bによってマッピングされる各信号点の配置を説明するための図の一例である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る送信装置1のマッピング部11a/11bによってマッピングされる各信号点の配置を説明するための図の一例である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態に係る受信装置3の構成図の一例である。
【
図9】
図9は、従来の送信装置及び受信装置を用いた場合のBICMキャパシティと第1の実施形態に係る送信装置1及び受信装置3を用いた場合のBICMキャパシティとを比較するグラフである。
【
図10】
図10は、従来の送信装置及び受信装置を用いた場合のBICMキャパシティと第1の実施形態に係る送信装置1及び受信装置3を用いた場合のBICMキャパシティとを比較するグラフである。
【
図11】
図11は、従来の送信装置及び受信装置を用いた場合のBICMキャパシティと第1の実施形態に係る送信装置1及び受信装置3を用いた場合のBICMキャパシティとを比較するグラフである。
【
図12】
図12は、従来の送信装置及び受信装置を用いた場合のBICMキャパシティと第1の実施形態に係る送信装置1及び受信装置3を用いた場合のBICMキャパシティとを比較するグラフである。
【
図13】
図13は、従来の送信装置及び受信装置を用いた場合のBICMキャパシティと第1の実施形態に係る送信装置1及び受信装置3を用いた場合のBICMキャパシティとを比較するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1の実施形態)
以下、
図1~
図13を参照して、本発明の第1の実施形態に係る放送システムについて説明する。本実施形態に係る放送システムは、上述の次世代の地上デジタル放送方式に対応するように構成されており、例えば、
図1に示す送信装置1及び
図8に示す受信装置3を具備する。
【0014】
本実施形態に係る送信装置1は、OFDM信号を送信するように構成されており、2階層までの階層伝送を行うように構成されている。具体的には、本実施形態に係る送信装置1は、1以上の階層データ(本実施形態では、A階層データ及びB階層データ)を送信することができるように構成されている。例えば、A階層データは、移動受信向けの放送用データであり、B階層データは、固定受信向けの放送用データであることが想定されている。
【0015】
なお、本実施形態に係る送信装置1は、A階層データ及びB階層データを、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを含むOFDM信号によって送信するように構成されている。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係る送信装置1は、マッピング部11a、11bと、レベル調整部12a、12bと、階層合成部13と、時間インターリーブ部14と、階層内セグメント間インターリーブ部15a、15bと、分離合成部16と、周波数インターリーブ部17と、帯域合成部18と、OFDMフレーム構成部19と、IFFT部20と、送信部21とを具備している。
【0017】
マッピング部11aは、A階層データ(第1階層データ)をデータキャリアにマッピングするように構成されており、マッピング部11bは、B階層データ(第2階層データ)をデータキャリアにマッピングするように構成されている。
【0018】
具体的には、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式の種類に対応するテーブルに従って、各信号点(シンボル)のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されている。
【0019】
なお、マッピング部11a/11bは、コンスタレーションとして、不均一コンスタレーション(NUC:Non-Uniform Constellation)を用いるように構成されている。
【0020】
ここで、マッピング部11a/11bは、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や16QAMや64QAMや256QAMや1024QAMや4096QAMのキャリア変調方式に対応しており、不均一コンスタレーションを用いるように構成されていてもよい。
【0021】
例えば、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が9/16である場合に、16QAMで伝送される4ビット(b
0,b
1,b
2,b
3)のうち下位2ビット(b
2,b
3)が、
【表1】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0022】
なお、16QAMで伝送される4ビット(b
0,b
1,b
2,b
3)のうち上位2ビット(b
0,b
1)については、コンスタレーションの象限を表す。かかる象限は、日本の地上デジタル放送の伝送方式であるISDB-T(ARIB STD-B31「地上デジタルテレビジョン放送の伝送方式」、3.9.3「ビットインターリーブ及びマッピング」)と同様に、表2のように設定されていてもよいし、米国の地上デジタル放送の伝送方式であるATSC3.0(ATSC Standard:Physical Layer Protocol(A/322)、6.3.4「Bit to IQ Mapping)と同様に、表3のように設定されていてもよい。
【表2】
【表3】
【0023】
ここで、本明細書において、「符号化率が9/16である場合」とは、符号化率9/16の誤り訂正符号のLDPC符号を用いる場合を意味するが、かかる記載は、符号化率が厳密に9/16であることに限定するものではない。以下で述べる他の符号化率についても同様である。
【0024】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が3/16である場合に、16QAMで伝送される4ビット(b
0,b
1,b
2,b
3)のうち下位2ビット(b
2,b
3)が、
【表4】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0025】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が5/16である場合に、16QAMで伝送される4ビット(b
0,b
1,b
2,b
3)のうち下位2ビット(b
2,b
3)が、
【表5】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0026】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が11/16である場合に、16QAMで伝送される4ビット(b
0,b
1,b
2,b
3)のうち下位2ビット(b
2,b
3)が、
【表6】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0027】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として16QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が13/16である場合に、16QAMで伝送される4ビット
(b
0,b
1,b
2,b
3)のうち下位2ビット(b
2,b
3)が、
【表7】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0028】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として64QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が2/16である場合に、16QAMで伝送される6ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5)のうち下位4ビット(b
2,b
3,b
4,b
5)が、
【表8】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0029】
なお、64QAMで伝送される6ビット(b0,b1,b2,b3,b4,b5)のうち上位2ビット(b0,b1)については、上述の16QAMで伝送される4ビット(b0,b1,b2,b3)のうち上位2ビット(b0,b1)と同様に設定されていてもよい。
【0030】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として64QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が4/16である場合に、64QAMで伝送される6ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5)のうち下位4ビット(b
2,b
3,b
4,b
5)が、
【表9】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0031】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として64QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が6/16である場合に、64QAMで伝送される6ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5)のうち下位4ビット(b
2,b
3,b
4,b
5)が、
【表10】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0032】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として64QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が8/16である場合に、64QAMで伝送される6ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5)のうち下位4ビット(b
2,b
3,b
4,b
5)が、
【表11】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0033】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として64QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が10/16である場合に、64QAMで伝送される6ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5)のうち下位4ビット(b
2,b
3,b
4,b
5)が、
【表12】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0034】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として64QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が12/16である場合に、64QAMで伝送される6ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5)のうち下位4ビット(b
2,b
3,b
4,b
5)が、
【表13】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0035】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として64QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が14/16である場合に、64QAMで伝送される6ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5)のうち下位4ビット(b
2,b
3,b
4,b
5)が、
【表14】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0036】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として256QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が3/16である場合に、256QAMで伝送される8ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)のうち下位6ビット(b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)が、
【表15】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0037】
なお、256QAMで伝送される6ビット(b0,b1,b2,b3,b4,b5,b6,b7)のうち上位2ビット(b0,b1)については、上述の16QAMで伝送される4ビット(b0,b1,b2,b3)のうち上位2ビット(b0,b1)と同様に設定されていてもよい。
【0038】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として256QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が5/16である場合に、256QAMで伝送される8ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)のうち下位6ビット(b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)が、
【表16】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0039】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として256QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が7/16である場合に、256QAMで伝送される8ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)のうち下位6ビット(b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)が、
【表17】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0040】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として256QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が9/16である場合に、256QAMで伝送される8ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)のうち下位6ビット(b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)が、
【表18】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0041】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として256QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が11/16である場合に、256QAMで伝送される8ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)のうち下位6ビット(b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)が、
【表19】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0042】
また、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として256QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が13/16である場合に、256QAMで伝送される8ビット(b
0,b
1,b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)のうち下位6ビット(b
2,b
3,b
4,b
5,b
6,b
7)が、
【表20】
に従うように、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されていてもよい。
【0043】
以下、
図2~
図4を参照して、キャリア変調方式として1024QAM及び4096QAMが用いられる場合の各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置の決定方法について説明する。
【0044】
第1に、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として1024QAMが用いられている場合、
図2~
図4に示すテーブルを用いて、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されている。
【0045】
図2に示すテーブルは、符号化率が2/16、4/16、6/16、8/16、10/16、12/16及び14/16の場合のu
0~u
15の値を規定している。
【0046】
また、
図3は、入力シンボルの実数部分の配置(I軸上の配置)を示すuの値を規定しており、
図4は、入力シンボルの虚数部分の配置(Q軸上の配置)を示すuの値を規定している。
【0047】
具体的には、マッピング部11a/11bは、
図3及び
図4を参照して、入力シンボルの実数部分の配置を示すuの値及び入力シンボルの虚数部分の配置を示すuの値を算出し、
図2を参照して、これらのuの値に対応する入力シンボルのI軸上の配置(実数部分の配置)及びQ軸上の配置(虚数部分の配置)を決定するように構成されている。
【0048】
例えば、入力シンボルを構成するビットy
0,s~y
9,sが(0010011100)である場合、かかる入力シンボルの実数部分の配置を示すuの値は、
図3においてビットy
0,s~y
9,sの偶数ビット(y
0,s、y
2,s、y
4,s、y
6,s、y
8,s)=(01010)に対応するu
3であり、かかる入力シンボルの虚数部分の配置を示すuの値は、
図4においてビットy
0,s~y
9,sの奇数ビット(y
1,s、y
3,s、y
5,s、y
7,s、y
9,s)=(00110)に対応するu
11である。
【0049】
その結果、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として1024QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が2/16である場合に、入力シンボル(0010011100)のI軸上の配置を「0.8612(
図2におけるu
3に対応)」とし、入力シンボル(0010011100)のQ軸上の配置を「0.9455(
図2におけるu
11に対応)」とするように構成されている。
【0050】
第2に、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として4096QAMが用いられている場合、
図5~
図7に示すテーブルを用いて、各信号点のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されている。
【0051】
図5に示すテーブルは、符号化率が3/16、5/16、7/16、9/16、11/16及び13/16の場合のu
0~u
31の値を規定している。
【0052】
また、
図6は、入力シンボルの実数部分の配置(I軸上の配置)を示すuの値を規定しており、
図7は、入力シンボルの虚数部分の配置(Q軸上の配置)を示すuの値を規定している。
【0053】
具体的には、マッピング部11a/11bは、
図6及び
図7を参照して、入力シンボルの実数部分の配置を示すuの値及び入力シンボルの虚数部分の配置を示すuの値を算出し、
図5を参照して、これらのuの値に対応する入力シンボルのI軸上の配置(実数部分の配置)及びQ軸上の配置(虚数部分の配置)を決定するように構成されている。
【0054】
例えば、入力シンボルを構成するビットy
0,s~y
11,sが(001010011100)である場合、かかる入力シンボルの実数部分の配置を示すuの値は、
図6においてビットy
0,s~y
11,sの偶数ビット(y
0,s、y
2,s、y
4,s、y
6,s、y
8,s、y
10,s)=(011010)に対応するu
12であり、かかる入力シンボルの虚数部分の配置を示すuの値は、
図7においてビットy
0,s~y
11,sの奇数ビット(y
1,s、y
3,s、y
5,s、y
7,s、y
9,s、y
11,s)=(000110)に対応するu
27である。
【0055】
その結果、マッピング部11a/11bは、キャリア変調方式として4096QAMが用いられる場合で、且つ、符号化率が3/16である場合に、入力シンボル(001010011100)のI軸上の配置を「0.2537(
図5におけるu
12に対応)」とし、入力シンボル(001010011100)のQ軸上の配置を「0.8261(
図5におけるu
27に対応)」とするように構成されている。
【0056】
レベル調整部12aは、A階層データがマッピングされているデータキャリア(以下、A階層データとする)のレベルを調整するように構成されており、レベル調整部12bは、B階層データがマッピングされているデータキャリア(以下、B階層データとする)のレベルを調整するように構成されている。
【0057】
階層合成部13は、A階層データ及びB階層データを合成するように構成されている。ここで、互換モードのセグメント構造が用いられる場合、階層合成部13は、かかる調整帯域に配置されるデータキャリア(以下、調整帯域データとする)を分離して、帯域合成部18に送信するように構成されている。かかる調整帯域には、B階層データがマッピングされるものとする。
【0058】
なお、ノーマルモードのセグメント構造では、1チャネル内において、中央の9個のセグメントが部分受信帯域であり、かかる部分受信帯域αの両側に配置された24個のセグメントが非部分受信帯域である。
【0059】
また、互換モードのセグメント構造では、1チャネル内において、中央の9個のセグメントが部分受信帯域であり、かかる部分受信帯域の両外側に配置された24個のセグメントが非部分受信帯域であり、かかる非部分受信帯域の両外側に配置されるのが調整帯域γである。
【0060】
一方、拡張モードのセグメント構造では、1チャネル内において、中央の9個のセグメントが部分受信帯域であり、かかる部分受信帯域の両外側に配置された26個のセグメントが非部分受信帯域である。
【0061】
ここで、階層合成部13は、周波数方向に等しい間隔でB階層データ(すなわち、B階層データがマッピングされているデータキャリア)を引き抜き調整帯域データとするように構成されていてもよい。
【0062】
時間インターリーブ部14は、A階層データ及びB階層データ(互換モードの場合、調整帯域データも)の各々に対して時間インターリーブを施すように構成されている。
【0063】
階層内セグメント間インターリーブ部15aは、A階層データを構成する全てのセグメント内においてキャリア単位で周波数インターリーブを施すように構成されている。
【0064】
同様に、階層内セグメント間インターリーブ部15bは、B階層データを構成する全てのセグメント内においてデータキャリア単位で周波数インターリーブを施すように構成されている。
【0065】
分離合成部16は、A階層データ及びB階層データから、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを生成するように構成されている。
【0066】
具体的には、分離合成部16は、9個のセグメントからなる部分受信帯域にA階層データを割り当てた後に空きがある場合にB階層データを割り当てることによって部分受信帯域データを生成し、24個のセグメントからなる非部分受信帯域にB階層データの残りを割り当てることによって非部分受信帯域データを生成するように構成されている。
【0067】
例えば、A階層データが9個未満のセグメントからなる場合、分離合成部16は、B階層データのうちセグメント番号の低い方から順番に部分受信帯域に割り当てていき、A階層データ及びB階層データを合わせて9個のセグメントからなる部分受信帯域データを生成するように構成されていてもよい。
【0068】
一方、A階層データが9個のセグメントからなる場合、分離合成部16は、A階層データを部分受信帯域データとし、B階層データを非部分受信帯域データとするように構成されていてもよい。
【0069】
周波数インターリーブ部17は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データの各々に対して所定の周波数インターリーブを施すように構成されている。
【0070】
帯域合成部18は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データ(互換モードの場合は、調整帯域データも)を合成するように構成されている。例えば、帯域合成部18は、1チャネル内において、中央の9セグメントに部分受信帯域データを配置し、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを合成するように構成してもよい。
【0071】
OFDMフレーム構成部19は、帯域合成部18から入力した部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データに応じて、OFDMフレームを構成するように構成されており、IFFT部20は、それぞれOFDMフレーム構成部19から出力されたOFDMフレームに対してIFFTを施すように構成されている。
【0072】
送信部21は、それぞれIFFT部20から出力されたOFDM信号を送信するように構成されている。すなわち、送信部21は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データ(互換モードの場合は、調整帯域データも)を含むOFDM信号を送信するように構成されている。
【0073】
本実施形態に係る受信装置3は、OFDM信号を受信するように構成されており、1以上の階層データ(本実施形態では、2階層までの階層伝送によって送信されたA階層データ及びB階層データ)を受信することができるように構成されている。
【0074】
なお、本実施形態に係る受信装置3は、A階層データ及びB階層データを、上述の部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データを含むOFDM信号によって受信するように構成されている。
【0075】
本実施形態に係る受信装置3は、
図8に示すように、受信部31と、FFT部32と、デフレーム化部33と、帯域分離部34と、周波数デインターリーブ部35と、合成分離部36と、階層内セグメント間デインターリーブ部37a、37bと、時間デインターリーブ部38と、階層分離部39と、レベル調整部40a、40bと、デマッピング部41a、41bとを具備している。
【0076】
受信部31は、送信装置1によって送信されたOFDM信号を受信するように構成されている。
【0077】
FFT部32は、受信部31によって受信されたOFDM信号に対してFFTを施すように構成されている。
【0078】
デフレーム化部33は、FFT部32からの出力に基づいて、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データ(互換モードの場合は、調整帯域データも)の合成データを取得するように構成されている。
【0079】
帯域分離部34は、デフレーム化部33から出力された合成データから、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データ(互換モードの場合は、調整帯域データも)を分離して取得するように構成されている。
【0080】
周波数デインターリーブ部35は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データの各々に対して、上述の周波数インターリーブ部17において施された所定の周波数インターリーブに対応する周波数デインターリーブを施すように構成されている。
【0081】
合成分離部36は、部分受信帯域データ及び非部分受信帯域データから、A階層データ及びB階層データを取得するように構成されている。
【0082】
階層内セグメント間デインターリーブ部37aは、A階層データを構成する全てのセグメントA内においてキャリア単位で周波数デインターリーブを施すように構成されている。
【0083】
同様に、階層内セグメント間デインターリーブ部37bは、B階層データを構成する全てのセグメントB内においてデータキャリア単位で周波数デインターリーブを施すように構成されている。
【0084】
時間デインターリーブ部38は、A階層データ及びB階層データ(互換モードの場合は、調整帯域データも)の各々に対して時間デインターリーブを施すように構成されている。
【0085】
階層分離部39は、A階層データ及びB階層データを分離するように構成されている。ここで、互換モードのセグメント構造が用いられる場合、階層分離部39は、調整帯域データに含まれているB階層データも抽出するように構成されていてもよい。すなわち、階層分離部39は、時間デインターリーブ部38から出力されたB階層データに対して、調整帯域データを等間隔で挿入するように構成されている。
【0086】
レベル調整部40aは、A階層データのレベルを調整するように構成されており、レベル調整部40bは、B階層データのレベルを調整するように構成されている。ここで、レベル調整部40a及びレベル調整部40bの少なくとも一方が設けられていなくてもよい。
【0087】
デマッピング部41aは、データキャリアからA階層データをデマッピングするように構成されており、デマッピング部41bは、データキャリアからB階層データをデマッピングするように構成されている。
【0088】
デマッピング部41aは、上述のマッピング部11a/11bと同様の方法で、キャリア変調方式の種類に対応するテーブルに従って、各信号点(シンボル)のI軸上の配置及びQ軸上の配置を決定するように構成されている。
【0089】
図9~
図13に、本実施形態に係る送信装置1及び受信装置3を含む伝送システムのBICM(Bit-Interleaved Coded Modulation)キャパシティの一例を示す。
【0090】
図9~
図13に示すように、本実施形態に係る不均一コンスタレーション(Non-Uniform Constellation:NUC)を用いた伝送システムでは、不均一コンスタレーション(Non-Uniform Constellation:NUC)を用いた伝送システムの場合と比べて、より小さいC/N(Carrier to Noise ratio)において、同一のBICMキャパシティを達成できることが分かる。
【0091】
本実施形態に係る放送システムによれば、次世代の地上デジタル放送方式において、伝送レートの向上と共に雑音耐性の向上を実現することができる。
【0092】
(その他の実施形態)
上述のように、本発明について、上述した実施形態によって説明したが、かかる実施形態における開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。かかる開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0093】
上述の実施形態では、1本の送受信アンテナによるSISO(Single-Input Single-Output)が適用されているケースを挙げて説明しているが、本発明は、かかるケースに限定されることはなく、複数本の送受信アンテナによるMIMO(Multi-Input Multi-Output)が適用されているケース等にも適用可能である。
【0094】
また、上述の実施形態では、2階層までの階層伝送を行うケースを例に挙げて説明したが、本発明は、かかるケースに限定されることなく、3階層までの階層伝送を行うケースにも適用可能である。
【0095】
また、上述の実施形態では特に触れていないが、上述の送信装置1及び受信装置3によって行われる各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。また、かかるプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、かかるプログラムをコンピュータにインストールすることが可能である。ここで、かかるプログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD-ROMやDVD-ROM等の記録媒体であってもよい。
【0096】
或いは、上述の送信装置1及び受信装置3内の少なくとも一部の機能を実現するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
【符号の説明】
【0097】
1…送信装置
11a、11b…マッピング部
12a、12b…レベル調整部
13…階層合成部
14…時間インターリーブ部
15a、15b…階層内セグメント間インターリーブ部
16…分離合成部
17…周波数インターリーブ部
18…帯域合成部
19…OFDMフレーム構成部
20…IFFT部
21…送信部
3…受信装置
31…受信部
32…FFT部
33…デフレーム化部
34…帯域分離部
35…周波数デインターリーブ部
36…合成分離部
37a、37b…階層内セグメント間デインターリーブ部
38…時間デインターリーブ部
39…階層分離部
40a、40b…レベル調整部
41a、41b…デマッピング部