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特許7090804コポリカーボネートおよびこれを含むポリカーボネート組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-16
(45)【発行日】2022-06-24
(54)【発明の名称】コポリカーボネートおよびこれを含むポリカーボネート組成物
(51)【国際特許分類】
   C08G 64/08 20060101AFI20220617BHJP
   C08G 64/18 20060101ALI20220617BHJP
   C08L 69/00 20060101ALI20220617BHJP
   C08G 77/448 20060101ALI20220617BHJP
【FI】
C08G64/08
C08G64/18
C08L69/00
C08G77/448
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021512869
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 KR2020009961
(87)【国際公開番号】W WO2021045390
(87)【国際公開日】2021-03-11
【審査請求日】2021-03-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0108427
(32)【優先日】2019-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0093464
(32)【優先日】2020-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ファン、ヨン-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヨンウク
(72)【発明者】
【氏名】ファン、テヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ムホ
【審査官】谷合 正光
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-536424(JP,A)
【文献】特表2017-501242(JP,A)
【文献】特表2017-524771(JP,A)
【文献】特開平05-247195(JP,A)
【文献】特表2018-530663(JP,A)
【文献】国際公開第2012/026236(WO,A1)
【文献】国際公開第99/024509(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 64/08
C08G 64/18
C08L 69/00
C08G 77/448
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の化学式1で表される繰り返し単位、および下記の化学式2で表される繰り返し単位を含むコポリカーボネート。
【化10】
前記化学式1において、
1~R4は、それぞれ独立して、水素、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、またはハロゲンであり、
Zは、非置換であるか、もしくはフェニルで置換されたC1-10アルキレン、非置換であるか、もしくはC1-10アルキルで置換されたC3-15シクロアルキレン、O、S、SO、SO2、またはCOであり、
【化11】
前記化学式2において、
5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立して、水素;ハロゲン;アリル;ハロゲン、C1-10アルコキシおよびC6-20アリールからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC1-15アルキル;ハロゲン、C1-10アルコキシおよびC6-20アリールからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC1-10アルコキシ;またはハロゲン、C1-15アルキルおよびC1-10アルコキシからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC6-20アリールであり、
10は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはC6-20アリールであり、
Xは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン、-(OCO)-(C1-10アルキレン)-、または-(COO)-(C1-10アルキレン)-であり、
Yは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはC6-20アリールであり、
Lは、C3-10アルキレンであり、
Ar1、Ar2およびAr3は、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-15アルキルおよびC1-10アルコキシからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC6-20アリーレンであり、
nは10以上100以下の整数であり、mは2以上100以下の整数であり、lは、0~100の整数である。
【請求項2】
前記化学式2で表される繰り返し単位は、下記の化学式2-1で表される、請求項1に記載のコポリカーボネート。
【化12】
前記化学式2-1において、
5、R6、R7、R8およびR9は、それぞれ独立して、水素;ハロゲン;アリル;ハロゲン、C1-10アルコキシおよびC6-20アリールからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC1-15アルキル;ハロゲン、C1-10アルコキシおよびC6-20アリールからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC1-10アルコキシ;またはハロゲン、C1-15アルキルおよびC1-10アルコキシからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC6-20アリールであり、
10は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはC6-20アリールであり、
Xは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン、-(OCO)-(C1-10アルキレン)-、または-(COO)-(C1-10アルキレン)-であり、
Yは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはC6-20アリールであり、
Lは、C3-10アルキレンであり、
nは10以上100以下の整数であり、mは2以上100以下の整数であり、lは、0~100の整数である。
【請求項3】
前記化学式2で表される繰り返し単位は、下記の化学式2-2で表される、請求項1または2に記載のコポリカーボネート。
【化13】
前記化学式2-2において、
nは10以上100以下の整数であり、mは2以上100以下の整数であり、lは、0~100の整数である。
【請求項4】
前記化学式2で表される繰り返し単位は、前記化学式1および2で表される繰り返し単位の総重量に対して、5~20重量%含まれる、請求項1~3のいずれか一項に記載のコポリカーボネート。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のコポリカーボネートを含むポリカーボネート組成物。
【請求項6】
前記化学式2で表される繰り返し単位を含まないポリカーボネートを更に含む、請求項5に記載のポリカーボネート組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互参照]
本出願は、2019年9月2日付の韓国特許出願第10-2019-0108427号および2020年7月28日付の韓国特許出願第10-2020-0093464号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、コポリカーボネートおよびこれを含むポリカーボネート組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
ポリカーボネートは、ビスフェノールAのような芳香族ジオールとホスゲンのようなカーボネート前駆体とを縮重合して製造され、優れた衝撃強度、寸法安定性、耐熱性および透明性などを有し、電気電子製品の外装材、自動車部品、建築素材、光学部品、衣類素材など広範囲な分野に適用される。
【0004】
このようなポリカーボネートについて、最近、より多様な分野に適用するために、2種以上の互いに異なる構造の芳香族ジオール化合物を共重合して、構造が異なる単位体をポリカーボネートの主鎖に導入して所望の物性を得ようとする研究が多く試みられている。
【0005】
ポリカーボネートは、衝撃性に優れていて自動車外装素材にも使用されているが、最近、既存のポリカーボネートのような優れた衝撃性を示しながらも、耐スクラッチ性、耐候性などに優れた新たな素材に対する顧客の要求が増加する傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、耐衝撃性に優れていながらも、耐候性が顕著に向上したコポリカーボネートおよびこれを含むポリカーボネート組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、下記の化学式1で表される繰り返し単位、および下記の化学式2で表される繰り返し単位を含むコポリカーボネートが提供される。
【0008】
【化1】
【0009】
前記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、水素、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、またはハロゲンであり、
Zは、非置換であるか、もしくはフェニルで置換されたC1-10アルキレン、非置換であるか、もしくはC1-10アルキルで置換されたC3-15シクロアルキレン、O、S、SO、SO、またはCOであり、
【0010】
【化2】
【0011】
前記化学式2において、
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素;ハロゲン;アリル;ハロゲン、C1-10アルコキシおよびC6-20アリールからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC1-15アルキル;ハロゲン、C1-10アルコキシおよびC6-20アリールからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC1-10アルコキシ;またはハロゲン、C1-15アルキルおよびC1-10アルコキシからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC6-20アリールであり、
10は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはC6-20アリールであり、
Xは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン、-(OCO)-(C1-10アルキレン)-、または-(COO)-(C1-10アルキレン)-であり、
Yは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはC6-20アリールであり、
Lは、C3-10アルキレンであり、
Ar、ArおよびArは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-15アルキルおよびC1-10アルコキシからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC6-20アリーレンであり、
nおよびmは、それぞれ独立して、1~999の整数であり、lは、0~999の整数である。
【0012】
一方、発明の他の実施形態によれば、前記コポリカーボネートを含むポリカーボネート組成物が提供される。
【発明の効果】
【0013】
発明の一実施形態によるコポリカーボネートは、耐衝撃性、特に低温耐衝撃性に優れ、耐候性に優れている。これによって、前記コポリカーボネートを用いると、極限の環境においても物性の変化がない自動車外装素材を提供できると期待される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の具体的な実施形態によるコポリカーボネートおよびこれを含むポリカーボネート組成物などについて説明する。
【0015】
発明の一実施形態によれば、下記の化学式1で表される繰り返し単位、および下記の化学式2で表される繰り返し単位を含むコポリカーボネートが提供される。
【0016】
【化3】
【0017】
前記化学式1において、
~Rは、それぞれ独立して、水素、C1-10アルキル、C1-10アルコキシ、またはハロゲンであり、
Zは、非置換であるか、もしくはフェニルで置換されたC1-10アルキレン、非置換であるか、もしくはC1-10アルキルで置換されたC3-15シクロアルキレン、O、S、SO、SO、またはCOであり、
【0018】
【化4】
【0019】
前記化学式2において、
、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素;ハロゲン;アリル;ハロゲン、C1-10アルコキシおよびC6-20アリールからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC1-15アルキル;ハロゲン、C1-10アルコキシおよびC6-20アリールからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC1-10アルコキシ;またはハロゲン、C1-15アルキルおよびC1-10アルコキシからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC6-20アリールであり、
10は、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはC6-20アリールであり、
Xは、それぞれ独立して、C1-10アルキレン、-(OCO)-(C1-10アルキレン)-、または-(COO)-(C1-10アルキレン)-であり、
Yは、それぞれ独立して、水素、C1-6アルキル、ハロゲン、ヒドロキシ、C1-6アルコキシ、またはC6-20アリールであり、
Lは、C3-10アルキレンであり、
Ar、ArおよびArは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1-15アルキルおよびC1-10アルコキシからなる群より選択された1つ以上で置換もしくは非置換のC6-20アリーレンであり、
nおよびmは、それぞれ独立して、1~999の整数であり、lは、0~999の整数である。
【0020】
前記コポリカーボネートは、側鎖にエステル基で連結された芳香族基あるいは2以上の芳香族基がエステル基を介して連結された繰り返し単位が導入されたポリシロキサン構造がポリカーボネートの主鎖に導入された高分子を意味し、具体的には、前記化学式1で表される繰り返し単位、および化学式2で表される繰り返し単位を含む。
【0021】
前記コポリカーボネートの主鎖は、芳香族ジオール化合物とカーボネート前駆体とが反応して形成された繰り返し単位として、前記化学式1で表される繰り返し単位を含む。
【0022】
前記化学式1において、R~Rは、例えば、それぞれ独立して、水素、メチル、メトキシ、クロロ、またはブロモである。
【0023】
前記化学式1において、Zは、例えば、非置換であるか、もしくはフェニルで置換された直鎖または分枝鎖のC1-10アルキレンであってもよい。具体的には、Zは、メチレン、エタン-1,1-ジイル、プロパン-2,2-ジイル、ブタン-2,2-ジイル、1-フェニルエタン-1,1-ジイル、またはジフェニルメチレンであってもよい。また、前記化学式1において、Zは、例えば、シクロヘキサン-1,1-ジイル、O、S、SO、SO、またはCOであってもよい。
【0024】
前記化学式1で表される繰り返し単位は、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-クロロフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、および1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタンからなる群より選択されるいずれか1つ以上の芳香族ジオール化合物に由来することができる。
【0025】
前記「芳香族ジオール化合物に由来する」の意味は、芳香族ジオール化合物のヒドロキシ基とカーボネート前駆体とが反応して前記化学式1で表される繰り返し単位を形成することを意味する。例えば、芳香族ジオール化合物のビスフェノールAとカーボネート前駆体のトリホスゲンとが重合された場合、前記化学式1で表される繰り返し単位は、下記の化学式1-1で表される。
【0026】
【化5】
【0027】
前記カーボネート前駆体としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジ-m-クレシルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)カーボネート、ホスゲン、トリホスゲン、ジホスゲン、ブロモホスゲンおよびビスハロホルメートからなる群より選択された1種以上を使用することができる。好ましくは、トリホスゲンまたはホスゲンを使用することができる。
【0028】
前記コポリカーボネートの主鎖は、前記化学式1で表される繰り返し単位のほか、側鎖にエステル基で連結された芳香族基あるいは2以上の芳香族基がエステル基を介して連結された繰り返し単位が導入されたポリシロキサン構造として、前記化学式2で表される繰り返し単位を含む。
【0029】
前記コポリカーボネートは、主鎖にポリシロキサン構造が導入されることによって、優れた耐衝撃性、特に低温耐衝撃性を示すことができ、優れた耐薬品性を示すことができる。しかも、エステル基で連結された芳香族基あるいは2以上の芳香族基がエステル基を介して連結された繰り返し単位が前記ポリシロキサン構造の側鎖に導入されることによって、優れた耐衝撃性を維持しながらも、顕著に向上した耐候性を示すことができる。
【0030】
前記化学式2で表される繰り返し単位は、両末端にヒドロキシ基が結合しており、側鎖にエステル基で連結された芳香族基あるいは2以上の芳香族基がエステル基を介して連結された繰り返し単位が導入されたポリシロキサン構造を含む下記の化学式3で表される変性ポリオルガノシロキサンをカーボネート前駆体と反応させて形成されたものであってもよい。
【0031】
【化6】
【0032】
前記化学式3のR~R10、X、Y、L、Ar~Ar、m、n、およびlは、化学式2で定義した通りである。
【0033】
前記化学式3で表される変性ポリオルガノシロキサンは、例えば、n回繰り返される繰り返し単位として、エステル基で連結された芳香族基あるいは2以上の芳香族基がエステル基を介して連結された繰り返し単位が導入されたポリシロキサン構造を製造した後、m回繰り返される繰り返し単位として、側鎖を変形しないポリシロキサン構造を前記エステル基で連結された芳香族基あるいは2以上の芳香族基がエステル基を介して連結された繰り返し単位が導入されたポリシロキサン構造に付加し、このように製造されたポリシロキサン構造にヒドロキシフェニルを含む末端基を付加して製造できる。
【0034】
前記変性ポリオルガノシロキサンの製造には金属触媒が使用できる。前記金属触媒としてはPt触媒を使用することができ、Pt触媒として、アッシュビー(Ashby)触媒、カルステッド(Karstedt)触媒、ラモロー(Lamoreaux)触媒、スパイヤー(Speier)触媒、PtCl(COD)、PtCl(ベンゾニトリル)、およびHPtBrからなる群より選択された1種以上を使用することができる。
【0035】
前記化学式2において、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、3-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、アリル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、フェニル、またはナフチルであってもよい。より具体的には、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、C1-10アルキル、C1-6アルキル、C1-3アルキル、またはメチルであってもよい。
【0036】
前記化学式2において、R10は、水素、メチル、エチル、プロピル、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、またはフェニルであってもよい。より具体的には、R10は、水素、またはヒドロキシであってもよい。
【0037】
前記化学式2において、Xは、それぞれ独立して、C2-10アルキレン、-(OCO)-(C2-10アルキレン)-、または-(COO)-(C2-10アルキレン)-であってもよい。具体的には、Xは、C2-5アルキレン、-(OCO)-(C2-5アルキレン)-、または-(COO)-(C2-5アルキレン)-であってもよく、より具体的には、Xは、プロパン-1,3-ジイルであってもよい。
【0038】
前記化学式2において、Yは、それぞれ独立して、水素、またはメトキシであってもよい。
【0039】
前記化学式2において、Lは、C3-5アルキレンであってもよい。より具体的には、Lは、プロパン-1,3-ジイルであってもよい。
【0040】
前記化学式2において、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立して、ベンゼンジイル、メチルベンゼンジイル、メトキシベンゼンジイル、ジメチルベンゼンジイル、ジメトキシベンゼンジイル、ナフタレンジイル、メチルナフタレンジイル、メトキシナフタレンジイル、ジメチルナフタレンジイルまたはジメトキシナフタレンジイルであってもよい。より具体的には、Ar、ArおよびArは、それぞれ独立して、ベンゼン-1,2-ジイル、ベンゼン-1,3-ジイルまたはベンゼン-1,4-ジイルであってもよい。
【0041】
一例として、前記化学式2で表される繰り返し単位は、下記の化学式2-1で表される。
【0042】
【化7】
【0043】
前記化学式2-1において、R~R10、X、Y、L、m、n、およびlは、化学式2で定義した通りである。
【0044】
他の例として、前記化学式2で表される繰り返し単位は、下記の化学式2-2で表される。
【0045】
【化8】
【0046】
前記化学式2-2において、
m、n、およびlは、化学式2で定義した通りである。
前記化学式2、化学式2-1および化学式2-2において、mとnは、m回繰り返される繰り返し単位と、n回繰り返される繰り返し単位との比率を示すためのものに過ぎず、m回繰り返される繰り返し単位と、n回繰り返される繰り返し単位はランダムに配置される。
【0047】
前記nおよびmは、それぞれ独立して、1~999の整数あるいは1~200の整数であってもよい。具体的には、前記nは、10以上、15以上、20以上、あるいは25以上でかつ、100以下、50以下、45以下、40以下、35以下、あるいは30以下の整数であってもよく、mは、2以上、3以上、5以上、あるいは7以上でかつ、100以下、50以下、25以下、15以下、あるいは10以下の整数であってもよい。
【0048】
前記化学式2、化学式2-1および化学式2-2において、lは、0~200の整数、0~100の整数、0~50の整数、0~20の整数、あるいは0~10の整数であってもよい。
【0049】
前記コポリカーボネートにおいて、前記化学式2で表される繰り返し単位は、前記化学式1および2で表される繰り返し単位の総重量に対して、1~99重量%、1~80重量%、1~70重量%、1~60重量%、1~50重量%、1~40重量%、1~30重量%、1~20重量%、3~20重量%、あるいは5~20重量%含まれる。
【0050】
前記コポリカーボネートは、芳香族ジオール化合物、カーボネート前駆体および前記化学式3で表される変性ポリオルガノシロキサンを含む組成物を重合する段階により製造することができる。前記芳香族ジオール化合物、カーボネート前駆体および前記化学式3で表される変性ポリオルガノシロキサンは、先に説明した通りである。
【0051】
前記重合時、芳香族ジオール化合物と前記化学式3で表される変性ポリオルガノシロキサンは、コポリカーボネートに導入される前記化学式1および2で表される繰り返し単位の含有量に応じて適切な含有量で使用可能である。また、カーボネート前駆体は、芳香族ジオール化合物と前記化学式3で表される変性ポリオルガノシロキサンと実質的に同等のモル数で使用可能である。
【0052】
前記重合は、界面重合で行うことが好ましく、界面重合時、常圧と低い温度で重合反応が可能であり、分子量調節が容易である。また、前記界面重合は、一例として、先重合(pre-polymerization)後にカップリング剤を投入した後、再び重合させる段階を含むことができ、この場合、高分子量のコポリカーボネートを得ることができる。
【0053】
前記重合温度は0℃~40℃、反応時間は10分~5時間が好ましい。また、反応中のpHは9以上または11以上に維持することが好ましい。
【0054】
前記重合に使用可能な溶媒としては、当業界でコポリカーボネートの重合に使用される溶媒であれば特に限定されず、一例として、メチレンクロライド、クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素を使用することができる。
【0055】
また、前記重合は、酸結合剤の存在下で行うことが好ましく、前記酸結合剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物またはピリジンなどのアミン化合物を使用することができる。
【0056】
さらに、前記重合時、コポリカーボネートの分子量調節のために、分子量調節剤の存在下で重合することが好ましい。前記分子量調節剤としてC1-20アルキルフェノールを使用することができ、その具体例として、p-tert-ブチルフェノール、p-クミルフェノール、デシルフェノール、ドデシルフェノール、テトラデシルフェノール、ヘキサデシルフェノール、オクタデシルフェノール、エイコシルフェノール、ドコシルフェノールまたはトリアコンチルフェノールが挙げられる。前記分子量調節剤は、重合開始前、重合開始中、または重合開始後に投入されてもよい。前記分子量調節剤は、一例として、芳香族ジオール化合物100重量部を基準として、0.01重量部以上、0.1重量部以上、または1重量部以上でかつ、10重量部以下、6重量部以下、または5重量部以下で含まれ、この範囲内で所望の分子量を得ることができる。
【0057】
また、前記重合反応の促進のために、トリエチルアミン、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド、テトラ-n-ブチルホスホニウムブロミドなどの三級アミン化合物、四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物などのような反応促進剤を追加的に使用することができる。
【0058】
前記コポリカーボネートは、好ましくは、重量平均分子量(g/mol)が1,000~100,000であり、より好ましくは15,000~35,000である。より好ましくは、前記重量平均分子量は20,000以上、21,000以上、22,000以上、23,000以上、24,000以上、25,000以上、26,000以上、27,000以上、または28,000以上である。また、前記重量平均分子量は34,000以下、33,000以下、または32,000以下である。
【0059】
一方、発明の他の実施形態によれば、前記コポリカーボネートを含むポリカーボネート組成物が提供される。
【0060】
コポリカーボネートについては先に詳しく説明したので、ここでは詳しい説明を省略する。
【0061】
前記ポリカーボネート組成物は、上述したコポリカーボネートを1種以上、2種以上、あるいは3種以上含むことができる。
【0062】
また、前記ポリカーボネート組成物は、前記化学式2で表される繰り返し単位を含まないポリカーボネートを追加的に含むことができる。
【0063】
具体的には、前記化学式2で表される繰り返し単位を含まないポリカーボネートとしては、例えば、前記化学式1で表される1種以上の繰り返し単位を含むポリカーボネート;あるいは前記化学式1で表される1種以上の繰り返し単位と前記化学式2の繰り返し単位のうち、側鎖にエステル基で連結された芳香族基あるいは2以上の芳香族基がエステル基を介して連結された繰り返し単位が導入されない下記の化学式4で表される繰り返し単位を含むポリカーボネートなどが挙げられる。
【0064】
【化9】
【0065】
前記化学式4において、
’、R’、R’、R’、R’、X’、Y’、m’およびn’は、それぞれ前記化学式2のR、R、R、R、R、X、Y、mおよびnについて定義した通りであり、R11は、R’について定義した通りである。
【0066】
前記ポリカーボネート組成物は、本発明の属する技術分野にて知られた多様な添加剤を追加的に含むことができる。
【0067】
前記ポリカーボネート組成物は、耐衝撃性、特に低温耐衝撃性に優れ、耐候性に優れている。これによって、前記組成物を用いると、極限の環境においても物性の変化がない自動車外装素材を提供できると期待される。
【0068】
以下、発明の具体的な実施例を通じて発明の作用、効果をより具体的に説明する。ただし、これは発明の例として提示されたものであり、これによって発明の権利範囲がいかなる意味でも限定されない。
【0069】
製造例1:変性ポリオルガノシロキサンの製造
1Lのフラスコに、テトラメチルシクロテトラシロキサン9.62g(40.0mmol)を入れて、カルステッド白金触媒(Karstedt’s platinum catalyst)0.005g(25ppm)を投入して、90℃で1時間反応させた後、2-アリルフェノール1.49g(11.1mmol)を混合して3時間反応させた。そして、常温でメチレンクロライド溶媒200mLを入れて、安息香酸(benzoic acid)1.36gを滴加した。その後、オキサリルクロライド(oxalyl chloride)1.41gおよびDMF0.01gを滴加して、4時間程度常温で撹拌し、減圧回転蒸発器により溶媒を除去した。
【0070】
前記変形ポリオルガノシロキサンにオクタメチルシクロテトラシロキサン38.56g(130.0mmol)、テトラメチルジシロキサン2.44g(18.2mmol)を混合した後、この混合物をオクタメチルシクロテトラシロキサン100重量部対比の酸性白土(DC-A3)1重量部と共に1Lのフラスコに入れて、60℃で4時間反応させた。反応終了後、これをエチルアセテートで希釈し、セライト(celite)を用いて速やかにフィルタリングした。
【0071】
前記得られた末端未変性ポリオルガノシロキサンに、カルステッド白金触媒(Karstedt’s platinum catalyst)0.01g(50ppm)を投入して、90℃で1時間反応させた後、2-アリルフェノール4.93g(36.8mmol)を追加的に投入して3時間さらに反応させた。反応終了後、未反応シロキサンは120℃、1torrで蒸発させて除去した。このように製造された変性ポリオルガノシロキサンの構造はH NMRで確認し、繰り返し単位nおよびmはそれぞれ26および8であり、lは0であった。
【0072】
製造例2:変性ポリオルガノシロキサンの製造
1Lのフラスコにテトラメチルシクロテトラシロキサン9.62g(40.0mmol)を入れて、カルステッド白金触媒(Karstedt’s platinum catalyst)0.005g(25ppm)を投入して、90℃で1時間反応させた後、2-アリルフェノール1.49g(11.1mmol)を混合して3時間反応させた。そして、常温でメチレンクロライド溶媒200mLを入れて、3-ヒドロキシ安息香酸(3-hydroxybenzoic acid)4.60gを滴加した。その後、オキサリルクロライド4.07gおよびDMF0.01gを滴加して、4時間程度常温で撹拌し、安息香酸1.36gとオキサリルクロライド1.41gおよびDMF0.01gを追加的に入れて、4時間程度常温でさらに撹拌して反応を完了させ、減圧回転蒸発器により溶媒を除去した。
【0073】
前記変形ポリオルガノシロキサンにオクタメチルシクロテトラシロキサン38.56g(130.0mmol)、テトラメチルジシロキサン2.44g(18.2mmol)を混合した後、この混合物をオクタメチルシクロテトラシロキサン100重量部対比の酸性白土(DC-A3)1重量部と共に1Lのフラスコに入れて、60℃で4時間反応させた。反応終了後、これをエチルアセテートで希釈し、セライト(celite)を用いて速やかにフィルタリングした。
【0074】
前記得られた末端未変性ポリオルガノシロキサンに、カルステッド白金触媒(Karstedt’s platinum catalyst)0.01g(50ppm)を投入して、90℃で1時間反応させた後、2-アリルフェノール4.93g(36.8mmol)を追加的に投入して3時間さらに反応させた。反応終了後、未反応シロキサンは120℃、1torrで蒸発させて除去した。このように製造された変性ポリオルガノシロキサンの構造はH NMRで確認し、繰り返し単位nおよびmはそれぞれ26および8であり、lは3であった。
【0075】
製造例3:変性ポリオルガノシロキサンの製造
テトラメチルシクロテトラシロキサン50.43g(170.0mmol)、オクタメチルシクロテトラシロキサン38.56g(130.0mmol)、テトラメチルジシロキサン2.44g(18.2mmol)を混合した後、この混合物をオクタメチルシクロテトラシロキサン100重量部対比の酸性白土(DC-A3)1重量部と共に1Lのフラスコに入れて、60℃で4時間反応させた。反応終了後、これをエチルアセテートで希釈し、セライト(celite)を用いて速やかにフィルタリングした。
【0076】
前記得られた末端未変性ポリオルガノシロキサンに、カルステッド白金触媒(Karstedt’s platinum catalyst)0.01g(50ppm)を投入して、90℃で1時間反応させた後、2-アリルフェノール4.93g(36.8mmol)を追加的に投入して3時間さらに反応させた。反応終了後、未反応シロキサンは120℃、1torrで蒸発させて除去した。このように製造された変性ポリオルガノシロキサンの構造はH NMRで確認し、シロキサン由来の繰り返し単位の繰り返し回数は34であった。
【0077】
実施例1:コポリカーボネートの製造
重合反応器に水1784g、NaOH385g、BPA(bisphenol A)232gを入れて、窒素雰囲気下で混合して溶かした。これに、PTBP(para-tert butylphenol)4.3gと前記製造例1で製造した変性ポリオルガノシロキサン26.3gを、MC(methylene chloride)に溶解して入れた。その後、TPG(triphosgene)130gをMCに溶かして、40重量%のNaOH水溶液でpHを11以上に維持させながら1時間投入して反応させた後、10分後にTEA(triethylamine)2.18gを入れてカップリング(coupling)反応をさせた。総反応時間1時間20分経過後、35重量%のHCl水溶液でpHを4以下に下げてTEAを除去し、蒸留水で3回洗浄して生成された重合体のpHを6~7の中性に合わせた。このように得られた重合体をメタノールとヘキサンとの混合溶液で再沈殿させて得た後、これを120℃で乾燥して最終コポリカーボネートを得た。得られたコポリカーボネートは、前記化学式2で表される繰り返し単位として、前記製造例1で製造した変性ポリオルガノシロキサン由来の繰り返し単位を総繰り返し単位に対して約10重量%含み、PCスタンダード(Standard)を用いたGPCで分子量を測定して重量平均分子量が29,800g/molであることを確認した。
【0078】
実施例2:コポリカーボネートの製造
実施例1において製造例1で製造した変性ポリオルガノシロキサンの代わりに製造例2で製造した変性ポリオルガノシロキサンを用いたことを除き、実施例1と同様の方法でコポリカーボネートを製造した。前記コポリカーボネートは、前記化学式2で表される繰り返し単位として、前記製造例2で製造した変性ポリオルガノシロキサン由来の繰り返し単位を総繰り返し単位に対して約10重量%含んだ。
【0079】
実施例3:コポリカーボネートの製造
実施例1において製造例1で製造した変性ポリオルガノシロキサンの含有量を26.30gの代わりに13.16gに変更したことを除き、実施例1と同様の方法でコポリカーボネートを製造した。前記コポリカーボネートは、前記化学式2で表される繰り返し単位として、前記製造例1で製造した変性ポリオルガノシロキサン由来の繰り返し単位を総繰り返し単位に対して約5重量%含んだ。
【0080】
実施例4:コポリカーボネートの製造
実施例2において製造例2で製造した変性ポリオルガノシロキサンの含有量を26.30gの代わりに13.16gに変更したことを除き、実施例2と同様の方法でコポリカーボネートを製造した。前記コポリカーボネートは、前記化学式2で表される繰り返し単位として、前記製造例2で製造した変性ポリオルガノシロキサン由来の繰り返し単位を総繰り返し単位に対して約5重量%含んだ。
【0081】
実施例5:ポリカーボネート組成物の製造
実施例1で製造したコポリカーボネートと下記の比較例1で製造したポリカーボネートとを50:50の重量比で混合して、ベント付き二軸押出機を用いてペレット化してポリカーボネート組成物を製造した。
【0082】
実施例6:ポリカーボネート組成物の製造
実施例2で製造したコポリカーボネートと下記の比較例1で製造したポリカーボネートとを50:50の重量比で混合して、ベント付き二軸押出機を用いてペレット化してポリカーボネート組成物を製造した。
【0083】
比較例1:ポリカーボネートの製造
実施例1において製造例1の変性ポリオルガノシロキサンを用いないことを除き、実施例1と同様の方法でポリカーボネートを製造した。
【0084】
比較例2:コポリカーボネートの製造
実施例1において製造例1で製造した変性ポリオルガノシロキサンの代わりに製造例3で製造した変性ポリオルガノシロキサンを用いたことを除き、実施例1と同様の方法でコポリカーボネートを製造した。
【0085】
試験例:(コ)ポリカーボネートの物性評価
実施例および比較例で製造した(コ)ポリカーボネートの物性を下記の方法で評価して、その結果を表1に示した。
【0086】
<試験片の製造>
前記実施例および比較例で製造した(コ)ポリカーボネートあるいはポリカーボネート組成物1重量部に対して、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト0.050重量部、オクタデシル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート0.010重量部、ペンタエリスリトールテトラステアレート0.030重量部を添加して、ベント付きΦ19mm二軸押出機を用いてペレット化した後、HAAKE Minijet射出成形機を用いて、シリンダ温度300℃、金型温度90℃で射出成形して試験片を製造した。
【0087】
1)重量平均分子量(Mw):Agilent 1200 seriesを用いて、PCスタンダード(Standard)を用いたGPCで測定した。
【0088】
2)流動性(Melt Index;MI):ASTM D1238(300℃、1.2kgの条件)に基づいて測定した。
【0089】
3)透明度:ASTM D1003に基づき、UltraScan PRO(HunterLab社製造)を用いて、約350~1050nmの範囲での透過率(transmittance)を測定した。
【0090】
4)黄色指数(Yellow Index;YI):ASTM D1925に基づき、UltraScan PRO(HunterLab社製造)を用いて、常温(20℃)でのYI値を測定した。
【0091】
5)常温および低温衝撃強度:ASTM D256(1/8inch、Notched Izod)に基づき、常温および低温衝撃強度をそれぞれ23℃および-30℃で測定した。
【0092】
6)耐候性:厚さ1/8inchの試験片に対して、UltraScan PRO(Hunterlab社)装置を用いて、L、aおよびb値を測定した。以後、当該試験片を、ASTM D7869に基づき、Weather-OmeterR(Ci5000)機械を用いて2250時間放置した後、これに対して同様の方法でL、aおよびb値を測定し、下記の式1に代入して△Eを算出した。
【0093】
【数1】
【0094】
【表1】
【0095】
前記表1を参照すれば、実施例1~6は、前記化学式1および2で表される繰り返し単位を含むコポリカーボネートを用いて、比較例1のポリカーボネートの優れた諸物性を維持しながらも、比較例1に比べて、耐衝撃性、特に低温耐衝撃性に優れ、顕著に改善された耐候性を示すことが確認される。
【0096】
これに対し、比較例2は、前記化学式2で表される繰り返し単位を含まないコポリカーボネートを用いて、実施例レベルの低温耐衝撃性および耐候性を示さないことが確認される。