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特許7091725情報処理装置、検索方法、プログラム、ネットワークシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、検索方法、プログラム、ネットワークシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/33 20190101AFI20220621BHJP
   G06F 16/335 20190101ALI20220621BHJP
【FI】
G06F16/33
G06F16/335
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018041249
(22)【出願日】2018-03-07
(65)【公開番号】P2019159422
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】川津 雄介
【審査官】松尾 真人
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-097502(JP,A)
【文献】米国特許第06298343(US,B1)
【文献】特開平07-230472(JP,A)
【文献】特開2006-330994(JP,A)
【文献】特開平08-115334(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された端末装置から取得したユーザの検索要求に対し前記ユーザの検索結果を送信する情報処理装置であって、
前記端末装置から前記ユーザを検索するための第一の検索ワードを取得する検索ワード取得手段と、
前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが検索される際に使用された1つ以上の第二の検索ワードとが対応付けられた検索履歴情報記憶部から、
前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記ユーザの識別情報、又は、前記ユーザの識別情報とユーザの氏名が対応付けられたユーザ情報記憶部から取得した前記ユーザの氏名を前記端末装置に送信する検索結果送信手段と、を有し、
前記検索履歴情報記憶部には、前記ユーザを検索する検索ユーザが使用する使用言語ごとに、前記ユーザの識別情報に対応付けて前記第二の検索ワードが登録されており、
前記ユーザ情報記憶部には前記検索ユーザの前記使用言語が検索ユーザの識別情報に対応付けて登録されており、
前記抽出手段は、前記検索ユーザの識別情報に対応付けられている前記検索ユーザの前記使用言語を前記ユーザ情報記憶部から取得し、
取得した前記使用言語に対応付けられている1つ以上の前記第二の検索ワードから、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードを特定し、特定した前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を前記検索履歴情報記憶部から抽出することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記検索履歴情報記憶部には、前記第二の検索ワードごとに、前記ユーザの検索のために前記第二の検索ワードが使用された回数が対応付けられており、
前記抽出手段は、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む全ての前記第二の検索ワードに対応付けられている回数を合計して合計回数を算出し、
前記合計回数の算出を前記ユーザの識別情報のそれぞれについて行い、
前記合計回数が多い順に所定数の前記ユーザの識別情報を抽出することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記端末装置から、前記ユーザの識別情報、及び、検索対象のユーザが見つかった旨を取得した場合、前記ユーザの識別情報に対応付けられた、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードと同じ前記第二の検索ワードの回数を1つ大きくするか、又は、
前記ユーザの識別情報に対応付けて、前記第一の検索ワードを前記第二の検索ワードとして前記検索履歴情報記憶部に登録すると共に前記回数を1に設定する検索履歴記録手段を有することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記抽出手段は、前記端末装置から1つめの前記第一の検索ワードを取得してから、検索対象のユーザが見つかった旨を取得するまでの間に、前記端末装置から取得した全ての前記第一の検索ワードを保持しておき、
前記検索履歴記録手段は、前記ユーザの識別情報、及び、検索対象のユーザが見つかった旨を取得した場合、前記抽出手段が保持している全ての前記第一の検索ワードと同じ前記第二の検索ワードの回数を1つ大きくするか、又は、
前記抽出手段が保持している全ての前記第一の検索ワードをそれぞれ前記第二の検索ワードとして前記検索履歴情報記憶部に登録すると共に前記回数を1に設定することを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第一の検索ワードは、検索対象のユーザの氏名のある言語による読みをアルファベットで表記したものであり、
前記抽出手段が抽出した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードに対応付けられた、前記ユーザの識別情報を有する前記ユーザの氏名は、前記第一の検索ワードを含まないことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
ネットワークを介して接続された端末装置から取得したユーザの検索要求に対し前記ユーザの検索結果を送信する情報処理装置が行う検索方法であって、
検索ワード取得手段が、前記端末装置から前記ユーザを検索するための第一の検索ワードを取得するステップと、
前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが検索される際に使用された1つ以上の第二の検索ワードとが対応付けられた検索履歴情報記憶部から、抽出手段が、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を抽出するステップと、
検索結果送信手段が、前記抽出手段が抽出した前記ユーザの識別情報、又は、前記ユーザの識別情報とユーザの氏名が対応付けられたユーザ情報記憶部から取得した前記ユーザの氏名を前記端末装置に送信するステップと、を有し、
前記検索履歴情報記憶部には、前記ユーザを検索する検索ユーザが使用する使用言語ごとに、前記ユーザの識別情報に対応付けて前記第二の検索ワードが登録されており、
前記ユーザ情報記憶部には前記検索ユーザの前記使用言語が検索ユーザの識別情報に対応付けて登録されており、
前記抽出手段は、前記検索ユーザの識別情報に対応付けられている前記検索ユーザの前記使用言語を前記ユーザ情報記憶部から取得し、
取得した前記使用言語に対応付けられている1つ以上の前記第二の検索ワードから、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードを特定し、特定した前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を前記検索履歴情報記憶部から抽出する検索方法。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された端末装置から取得したユーザの検索要求に対し前記ユーザの検索結果を送信する情報処理装置を、
前記端末装置から前記ユーザを検索するための第一の検索ワードを取得する検索ワード取得手段と、
前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが検索される際に使用された1つ以上の第二の検索ワードとが対応付けられた検索履歴情報記憶部から、
前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記ユーザの識別情報、又は、前記ユーザの識別情報とユーザの氏名が対応付けられたユーザ情報記憶部から取得した前記ユーザの氏名を前記端末装置に送信する検索結果送信手段、として機能させ、
前記検索履歴情報記憶部には、前記ユーザを検索する検索ユーザが使用する使用言語ごとに、前記ユーザの識別情報に対応付けて前記第二の検索ワードが登録されており、
前記ユーザ情報記憶部には前記検索ユーザの前記使用言語が検索ユーザの識別情報に対応付けて登録されており、
前記抽出手段は、前記検索ユーザの識別情報に対応付けられている前記検索ユーザの前記使用言語を前記ユーザ情報記憶部から取得し、
取得した前記使用言語に対応付けられている1つ以上の前記第二の検索ワードから、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードを特定し、特定した前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を前記検索履歴情報記憶部から抽出するプログラム。
【請求項8】
ネットワークを介して接続された端末装置と、前記端末装置から取得したユーザの検索要求に対し前記ユーザの検索結果を送信する情報処理装置とを有するネットワークシステムであって、
前記端末装置は、
前記ユーザを検索するための第一の検索ワードを受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記第一の検索ワードを前記情報処理装置に送信する送信手段と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記端末装置から前記ユーザを検索するための第一の検索ワードを取得する検索ワード取得手段と、
前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが検索される際に使用された1つ以上の第二の検索ワードとが対応付けられた検索履歴情報記憶部から、
前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段が抽出した前記ユーザの識別情報、又は、前記ユーザの識別情報とユーザの氏名が対応付けられたユーザ情報記憶部から取得した前記ユーザの氏名を前記端末装置に送信する検索結果送信手段と、を有し、
前記検索履歴情報記憶部には、前記ユーザを検索する検索ユーザが使用する使用言語ごとに、前記ユーザの識別情報に対応付けて前記第二の検索ワードが登録されており、
前記ユーザ情報記憶部には前記検索ユーザの前記使用言語が検索ユーザの識別情報に対応付けて登録されており、
前記抽出手段は、前記検索ユーザの識別情報に対応付けられている前記検索ユーザの前記使用言語を前記ユーザ情報記憶部から取得し、
取得した前記使用言語に対応付けられている1つ以上の前記第二の検索ワードから、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードを特定し、特定した前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を前記検索履歴情報記憶部から抽出するネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、検索方法、プログラム、及び、ネットワークシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業、団体等の組織では各従業員の端末装置がネットワークを介して通信できるようになっており、ネットワークにより従業員同士が情報を共有したり、情報を送信したりすることなどにより効率的な業務の遂行を図っている。このようなネットワークシステムの一方のユーザが他方のユーザと連絡を取りたいが、ネットワーク上でユーザを正確に特定できるユーザIDまではすぐに分からない場合がある。このような場合に備えて、ネットワークシステムでは、他のユーザの断片的な情報(例えば、ユーザIDの一部、氏名の一部など)で他のユーザを検索する機能が提供される場合がある。例えば、組織が大きくなると、従業員検索は必須の機能として頻繁に行われている。
【0003】
しかしながら、近年では企業の多国籍化が進んでおり、様々な国や地方から来た従業員が1つの組織で働いている。このようなネットワークシステムのユーザをあるユーザが検索する場合にはそもそも正確な氏名の一部さえ知らない場合がある。人の名前は出身国の言語で付与され、その読みも出身国の言語で決まるためである。例えば、英語圏や日本語圏のユーザが中国語圏のユーザを名前(例えば周さん)で検索するには、中国語で氏名を入力するか(例えば、周さん)、又は、中国語の読みを入力する(例えば、zhou)必要がある。しかし、漢字圏でないユーザが漢字の氏名を入力することは困難な場合が多い。また、漢字圏のユーザでも検索対象のユーザの氏名の漢字を思い出せない場合や中国語の読みを知らない場合が少なくない。例えば、「shu」と入力しても「周さん」は検索にヒットしない。
【0004】
このような不都合に対して、複数の言語による名前の入力を支援する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、ピンイン(中国語の読みを英語表記にしたもの)と中国語での名前のマッピングを用意し、英語圏の従業員がピンインを入力することで中国語の氏名を検索できる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の検索方法では、予め登録された検索ワードを入力しなければ検索対象のユーザを検索できないという問題がある。例えば、中国語圏のユーザを検索するにはピンインを知らなければならないため、ピンインを知らなければ検索できない。また、ピンインを知らなくても検索できるようにシステムの構築時に、ユーザが入力することが想定される正確でないいくつかの検索ワードを設計者が登録することも検討されるが、様々な国のユーザが入力する多種多様な検索ワードに対応することは大きなコスト増となることが予想される。
【0006】
なお、このような予め登録された検索ワードを入力しなければ検索対象のユーザを検索できないという課題は、ユーザの出身国や出身地域が様々であるという制約がなくても生じるものである。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑み、予め登録された検索ワードを入力しなくてもユーザを検索できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題に鑑み、本発明は、ネットワークを介して接続された端末装置から取得したユーザの検索要求に対し前記ユーザの検索結果を送信する情報処理装置であって、前記端末装置から前記ユーザを検索するための第一の検索ワードを取得する検索ワード取得手段と、前記ユーザの識別情報と、前記ユーザが検索される際に使用された1つ以上の第二の検索ワードとが対応付けられた検索履歴情報記憶部から、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記ユーザの識別情報、又は、前記ユーザの識別情報とユーザの氏名が対応付けられたユーザ情報記憶部から取得した前記ユーザの氏名を前記端末装置に送信する検索結果送信手段と、を有し、前記検索履歴情報記憶部には、前記ユーザを検索する検索ユーザが使用する使用言語ごとに、前記ユーザの識別情報に対応付けて前記第二の検索ワードが登録されており、前記ユーザ情報記憶部には前記検索ユーザの前記使用言語が検索ユーザの識別情報に対応付けて登録されており、前記抽出手段は、前記検索ユーザの識別情報に対応付けられている前記検索ユーザの前記使用言語を前記ユーザ情報記憶部から取得し、取得した前記使用言語に対応付けられている1つ以上の前記第二の検索ワードから、前記検索ワード取得手段が取得した前記第一の検索ワードを少なくとも一部に含む前記第二の検索ワードを特定し、特定した前記第二の検索ワードに対応付けられた前記ユーザの識別情報を前記検索履歴情報記憶部から抽出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
予め登録された検索ワードを入力しなくてもユーザを検索できる情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ネットワークシステムによる検索の手順の概略を説明する図の一例である。
図2】ネットワークシステムのシステム構成例を示す図である。
図3】コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
図4】ネットワークシステムが有する端末装置と検索サーバの機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
図5】端末装置がLCDに表示するログイン画面の一例を示す図である。
図6】端末装置がLCDに表示するシステム利用画面の一例を示す図である。
図7】端末装置がLCDに表示するユーザ設定画面の一例を示す図である。
図8】端末装置がLCDに表示する検索画面の一例を示す図である。
図9】ユーザの検索手順を説明するシーケンス図の一例である。
図10】端末装置がLCDに表示する検索結果画面の一例を示す図である。
図11】検索部が検索履歴DBを検索する手順を示すフローチャート図の一例である。
図12】検索履歴DBの検索方法を模式的に説明する図の一例である。
図13】検索履歴DBの更新方法を説明する図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
<本実施形態のネットワークシステムの概略>
本実施形態のネットワークシステムは、ネットワークシステムを利用するユーザが検索対象のユーザを検索するために実際に入力した検索ワードと検索対象のユーザのユーザIDを対応付けて検索履歴を作成しておく。ユーザはこの検索履歴を使用してユーザを検索する。図1を使って検索の概略を説明する。
【0013】
図1は、本実施形態のネットワークシステムによる検索の手順の概略を説明する図の一例である。
【0014】
(1)まず、図1(a)に示すように、ユーザは検索対象のユーザを検索するための検索ワードを入力するが、この時、検索者(検索ユーザ)が使用する使用言語(これを検索元言語という)が自動的に入力される。例えば、日本人が「周子高」というユーザを検索する場合、日本語読みの「shu」などを入力することがある。
【0015】
(2)図1(b)は検索結果を示す。検索結果からユーザが検索対象のユーザを見つけると、このユーザのユーザID(Zhou Zigao)、検索ワード(shu)、及び検索元言語(Japanese)が対応付けられる。つまり、このユーザの検索元言語ではこのユーザが入力した検索ワードが、見つかったユーザの検索に使用されるという履歴が得られる。なお、検索対象のユーザが見つかるとは、連絡を取りたいユーザが検索結果に表示される(含まれる)ことをいう。
【0016】
(3)図1(c)は検索履歴DB50を示す。検索履歴DB50には、ユーザIDに対応付けて、検索元言語、検索ワード、この検索ワードで検索された回数が対応付けられている。1つのユーザIDは複数の検索元言語で検索されるので、ユーザIDと検索元言語は1対多の関係である。また、検索元言語ごとに検索ワードが記録されるので、各検索元言語に検索ワードとその検索ワードで検索された回数が対応付けられている。この回数は検索対象のユーザが見つからなかった回数も含む。図1(c)では検索元言語が「Japanese」の場合の検索ワードとその回数が示されている。(2)の処理で検索対象のユーザが見つかった場合、ネットワークシステムは、ユーザID「Zhou Zigao」と検索元言語「Japanese」と検索ワード「shu」に対応付けられた回数を1つ大きくする。したがって、検索者であるこのユーザの検索元言語では見つかったユーザIDの検索のためにユーザが入力した検索ワードが使用されるという知見が回数に反映される。
【0017】
(4)検索結果を得る際の検索履歴DB50の検索方法を説明する。ネットワークシステムは各ユーザID(図では「Zhou Zigao」)について検索元言語に対応付けられた検索ワードを取得し、ユーザが入力した検索ワードに少なくとも部分一致する検索ワードを特定する。ネットワークシステムは、部分一致する検索ワードに対応付けられた回数を合計して合計回数を算出する。
【0018】
(5)同じ処理を全てのユーザIDについて行う。
【0019】
(6)ネットワークシステムは合計回数が多い順にユーザIDを提示する。これが図1(b)の検索結果である。
【0020】
このように、本実施形態のネットワークシステムは、ある検索元言語のユーザが検索対象のユーザを検索するために入力する検索ワードとその検索ワードが使用された回数が検索履歴DB50に蓄積される。このため、ユーザの出身国や出身地域が様々であっても、出身国や出身地域で一般的な検索ワードで検索対象のユーザを検索できる。したがって、システムの構築時に検索ワードを登録することは不要になり、システムの構築時に登録された検索ワードを入力しなくてもユーザを検索できる。また、検索者であるユーザの出身国や出身地域の言語での読み方で他の言語が使用される出身国や出身地域のユーザを検索できる。
【0021】
また、機械が苦手とするユーザID又は氏名を類推する検索も可能になる。例えば、「一郎」というユーザを検索する際、「ichiro」と入力するユーザだけでなく「ichiroo」「ichirou」又は「itiro」と入力するユーザも存在する。人間であれば「ichiro」に対し、「ichiroo」「ichirou」又は「itiro」を類推して検索することができるが、機械はデータベースがない限りこのような類推した検索はできない。本実施形態のネットワークシステムは、検索ワードの「揺れ」が検索履歴DB50に蓄積されるので、擬似的な類推検索が可能になる。
【0022】
<用語について>
検索するとは検索を実行することをいい、検索対象のユーザが得られるかどうかまでは含まれない。
【0023】
また、検索により検索対象のユーザが得られること(検索結果に表示されること)を本実施形態では「見つかる」という。見つかることを検索にヒットする、適合する等という場合もある。
【0024】
検索対象のユーザは検索されるユーザであり、検索するユーザ又は検索者であるユーザは検索を実行するユーザ(検索ユーザ)である。
【0025】
検索ワードは、ユーザの氏名やユーザIDなどユーザを特定するための文字列である。例えば、氏名又はユーザIDの一部は検索ワードになり、更に、氏名又はユーザIDとは全く異なっていても検索ワードになる。
【0026】
<システム構成例>
図2は、ネットワークシステム100のシステム構成例を示す図である。なお、ユーザが検索されうるシステムは情報系システム、業務システム又は基幹システムなど多岐にわたる。ネットワークシステム100は、ユーザの検索が可能なシステムであればよい。例えば、メール送信システム、会議室予約システム、スケジュール管理システム、人事システム、又は、経理システム等どのようなシステムでもよい。
【0027】
図2のネットワークシステム100は、ネットワークに接続された端末装置10、検索サーバ30、ユーザ情報DB40、及び、検索履歴DB50を有する。検索サーバ30、ユーザ情報DB40、及び、検索履歴DB50はデータセンターに配置されているが、社内などユーザ側の建物に配置されてもよい。データセンターとはサーバやメインフレーム(大型コンピュータ)等のコンピュータ機器及びネットワーク機器などのIT機器を設置、運用する物理的な施設である。
【0028】
ネットワークNは、端末装置10が配置された施設のLAN(Local Area Network)と外側のインターネット(クラウド環境)などである。しかしながら、ネットワークシステム100は施設内に閉じていてもよい。この他、VPN(Virtual Private Network)や広域イーサネット(登録商標)が含まれていてもよい。また、ネットワークNは、有線又は無線のどちらで構築されていてもよく、有線と無線が組み合わされていてもよい。また、無線の場合、無線LAN、3G、LTE(Long Term Evolution)、4Gなどの携帯電話網の他、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信を含んでいてもよい。
【0029】
端末装置10は、検索対象のユーザを検索するユーザが使用する情報処理装置である。端末装置10は、例えばPC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPCなどであるが、一般的な情報処理装置の機能を有する端末であればよい。また、情報処理装置ではブラウザソフトウェアが動作することが好ましい。ブラウザソフトウェアは一般的な情報処理装置のOS(Operating System)に対し用意されているため、多くの種類の端末装置10でユーザの検索が可能となる。したがって、端末装置10は例えばブラウザソフトウェアが動作するゲーム機、カーナビ装置、プロジェクタ、電子黒板、テレビ会議端末などでもよい。
【0030】
一方、検索機能を有するアプリが端末装置10で動作してもよい。このようなアプリはOSごとに用意されるため、コスト増となるおそれがあるが、ユーザはアプリを起動するだけで検索サーバ30と通信してより少ない手順で検索対象のユーザを検索できる。
【0031】
検索サーバ30は、端末装置10からの検索要求に対し、検索対象のユーザを検索して検索結果を端末装置10に返す1つ以上の情報処理装置である。検索サーバ30は検索機能の他、業務に関係する機能を有している場合がある。
【0032】
ユーザ情報DB40はユーザに関する情報を記憶する記憶装置であり、検索履歴DB50は上記した検索履歴を記憶する記憶装置である。ユーザ情報DB40と検索履歴DB50はNAS(Network Attached Storage)などの情報処理装置である。ユーザ情報DB40と検索履歴DB50は検索サーバ30が有していてもよく、検索サーバ30からアクセスできる場所にあればよい。ユーザ情報DB40と検索履歴DB50の詳細については後述する。
【0033】
<ハードウェア構成例>
図3のネットワークシステム100を実現する一台以上の情報処理装置(端末装置10又は検索サーバ30)は図3に示すようなハードウェア構成のコンピュータにより実現される。図3は、コンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0034】
このコンピュータは、CPU201と、CPU201が使用するデータの高速アクセスを可能とするメモリ202とを備える。CPU201及びメモリ202は、システム・バス203を介して、コンピュータの他のハードウェア要素、例えば、グラフィックス・ドライバ204及びネットワーク・ドライバ(NIC)205へと接続されている。
【0035】
グラフィックス・ドライバ204は、バスを介してLCD206に接続されて、CPU201による処理結果をモニタする。また、ネットワーク・ドライバ205は、データリンク層レベル及び物理層レベルでコンピュータをネットワークNへと接続させる。
【0036】
システム・バス203には、更にI/Oバス・ブリッジ207が接続されている。I/Oバス・ブリッジ207の下流側には、PCIなどのI/Oバス208を介して、IDE、ATA、ATAPI、シリアルATA、SCSI、USBなどにより、HDD(ハードディスクドライブ)209などの記憶装置が接続されている。HDD209はコンピュータの全体を制御するプログラム209pを記憶している。HDD209はSSD(Solid State Drive)でもよい。
【0037】
また、I/Oバス208には、USBなどのバスを介して、キーボード及びマウス(ポインティング・デバイスと呼ばれる)などの入力装置210が接続され、システム管理者などのオペレータによる入力及び指令を受け付けている。
【0038】
なお、検索サーバ30はクラウドコンピューティングに対応していることが好ましい。クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。この場合、図示したコンピュータのハードウェア構成は、1つの筐体に収納されていたり一まとまりの装置として備えられていたりする必要はなく、検索サーバ30が備えていることが好ましいハード的な要素を示す。
【0039】
<機能について>
続いて、図4を用いてネットワークシステム100が有する機能について説明する。図4は、ネットワークシステム100が有する端末装置10と検索サーバ30の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。なお、図4では説明を容易にするため、検索サーバ30がユーザ情報DB40と検索履歴DB50を有する態様を記載した。
【0040】
<<端末装置>>
端末装置10は、通信部11、操作受付部12、及び、表示制御部13を有する。端末装置10が有するこれらの機能は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、このプログラムは上記のようにブラウザソフトウェア又はアプリである。
【0041】
通信部11は、検索サーバ30と各種の情報を送受信する。例えば、HTML、CSS(Cascade Style Sheet)、及び、JavaScript(登録商標)で記述された画面情報を検索サーバ30から取得する。画面情報に検索結果が含まれる場合もあるし、検索結果が単独で送信されてもよい。また、通信部11はユーザが入力した検索ワードを検索サーバ30に送信する。
【0042】
操作受付部12は、ユーザによる端末装置10に対する各種の操作を受け付ける。例えば、検索ワードの入力を受け付ける。表示制御部13は、HTML、CSS、及び、JavaScript(登録商標)等で記述された画面情報を解析してLCD206に例えばユーザの検索画面等を表示させる。表示制御部13は操作受付部12が受け付けた操作により通信部11を介して新たな画面情報を取得して画面を遷移させることができる。
【0043】
<<検索サーバ>>
検索サーバ30は画面生成部31、通信部32、検索部33、及び、検索履歴記録部34を有する。検索サーバ30が有するこれらの機能は、図3に示されている各構成要素のいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0044】
通信部32は、端末装置10と各種の情報を送受信する。例えば、HTML、CSS(Cascade Style Sheet)、及び、JavaScript(登録商標)で記述された画面情報を端末装置10に送信する。画面情報には検索結果が含まれる場合もあるし、検索結果を単独で送信してもよい。また、通信部32はユーザが入力した検索ワードを端末装置10から受信する。
【0045】
画面生成部31は、上記の画面情報を構築するWebサーバである。すなわち、端末装置10からのHTTPリクエストに対し、HTTPレスポンスにより送信される各種の画面情報を生成する。なお、動的な画面情報を画面生成部31が生成すること又はそのような仕組みをWebアプリという。Webアプリとは、ブラウザ上で動作するスクリプト言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバ側のプログラムが協調することによって動作し、ブラウザ上で使用されるソフトウェア又はその仕組みを言う。
【0046】
検索部33は、ユーザが使用する言語(使用言語)をユーザ情報DB40から取得し、この言語を検索元言語として、端末装置10から送信された検索ワード(第一の検索ワード)で検索履歴DB50を検索する。検索履歴記録部34は、検索履歴DB50にユーザの検索履歴(ユーザID、検索元言語、及び検索ワード)を記録する。
【0047】
また、検索サーバ30は、図3に示されているHDD209やメモリ202に構築されるユーザ情報DB40と検索履歴DB50を有している。これらについて表1,表2を用いて説明する。
【0048】
【表1】
表1は、ユーザ情報DB40に記憶されているユーザ情報の一例を示す。ユーザ情報DB40には、ユーザID、氏名、会社、国、言語、パスワードなどの各項目が対応付けて登録されている。ユーザIDはユーザを識別又は特定するための識別情報である。本実施形態ではアルファベットで記載されたユーザ名がユーザIDであるものとする。ユーザIDがあることで、組織内で氏名が重複したとしてもユーザを一意に特定できる。なお、ユーザIDは数値列などの番号でもよい。IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。ユーザIDは一意性が保証されている。
【0049】
氏名は、それぞれのユーザの母国語で表記されたユーザの氏名である。日本人や中国人のユーザは漢字で表記され、英語圏のユーザはアルファベットで表記され、アラビア人のユーザはアラビア語で表記される。会社は、ユーザが所属している組織を示す。例えば、1つの持ち株会社における各国の法人名である。この他、部署などが登録されていてよい。国は、ユーザの出身国である。母国という場合もある。母国語は、公用語であってもよいしそうでなくてもよい。なお、国を地域とみなす区分の仕方もあり表1の国に地域が含まれていてもよい。言語は、ユーザの母国語である。つまり、ユーザが幼少期から慣れ親しんだ言語を言う。複数の言語が登録されていてもよい。例えば、日本を出身国とするユーザの言語はJapaneseであり、イギリスを出身国とするユーザの言語はEnglishである。ただし、国と言語の対応関係はユーザによって異なっていてよい。パスワードは、ユーザを認証するための通常は秘匿されている文字・数字・記号等の組み合わせである。
【0050】
表1のユーザ情報は、ユーザ自らが登録したり変更したりできる。また、支障のない範囲で、システム管理者が登録してもよい。また、表1に示すほか、パスワード及びメールアドレス等が登録されていてもよい。
【0051】
【表2】
表2は、検索履歴DB50の構成例を示す。検索履歴DB50は、ユーザIDテーブル51と、ユーザIDに対応付けられた検索元言語テーブル52と、検索ワードテーブル53とを有する。ユーザIDテーブル51は組織内の好ましくは全てのユーザのユーザIDが登録されたテーブルである。一例として、ユーザIDテーブル51の「Zhou Zigao」というユーザIDには、「Chinese、Japanese、…」の検索元言語を含む検索元言語テーブル52が対応付けられている。これは、過去に、「Zhou Zigao」というユーザIDが「Chinese、Japanese、…」の検索元言語のユーザにより検索され最終的に見つかったことを示している。検索元言語テーブル52は過去にこのユーザが検索された際に検索したユーザの言語(表1に示した)が登録されたテーブルである。
【0052】
また、検索履歴DB50では各検索元言語に検索ワードテーブル53が対応付けられている。検索ワードテーブル53は、各検索ワード(第二の検索ワード)に回数が対応付けられたテーブルである。この回数は、検索ワードでユーザIDが検索された回数である。見つかった回数でないことに注意されたい。例えば、検索元言語が「Chinese」の場合、「Zhou Zigao」という検索ワードで「Zhou Zigao」というユーザIDが検索された回数が2481回であることが登録されている。検索元言語が「Japanese」の場合、「shuu」という検索ワードで「Zhou Zigao」というユーザIDが検索された回数が256回であることが登録されている。
【0053】
<画面例>
以下では、端末装置10がLCD206に表示するいくつかの画面について説明する。
図5は、端末装置10がLCD206に表示するログイン画面501の一例を示す。ログイン画面501とは、ユーザが検索サーバ30にログインするための画面である。ログイン画面501は、ログインユーザ名入力欄502、パスワード入力欄503、及び、ログインボタン504を有する。ログインユーザ名入力欄502には、ログインするユーザのユーザIDが入力される。パスワード入力欄503にはパスワードが入力される。ログインボタン504は、端末装置10がログイン要求(ユーザID,パスワード)を検索サーバ30に送信するためのボタンである。
【0054】
検索サーバ30は、端末装置10が送信したユーザIDとパスワードの組がユーザ情報DB40に登録されていれば、ユーザの認証が成功したと判断し、ユーザをログイン済状態にする。これにより、端末装置10とのセッションを確立し、画面生成部31が生成したシステム利用画面を通信部32が端末装置10に送信する。なお、ログインに生体認証情報やICカードが使用されてもよい。
【0055】
図6は、端末装置10がLCD206に表示するシステム利用画面511の一例を示す。システム利用画面511は、ユーザが利用可能なメニューを表示する画面である。システム利用画面511は、一例としてメールボタン512、カレンダーボタン513、業務一覧ボタン514、ユーザ設定ボタン515、及び、ログアウトボタン516を有する。
【0056】
メールボタン512は受信フォルダ、送信フォルダ等を表示し、更に、メールの新規作成を受け付ける画面を表示させるボタンである。カレンダーボタン513はカレンダー(スケジュール表)を表示するボタンである。業務一覧ボタン514はユーザが行う業務(例えば、システム開発、経理、人事など)の一覧を表示するためのボタンである。ユーザ設定ボタン515はユーザ情報を設定するためのボタンである。ログアウトボタン516はユーザがログアウトするためのボタンである。
【0057】
ここでは、ユーザ設定ボタン515が押下されたものとする。ユーザ設定ボタン515の押下により、端末装置10の通信部11がHTTPリクエストを検索サーバ30に送信し、検索サーバ30の通信部32がHTTPリクエストを受信して、画面生成部31がユーザ設定画面を生成し、HTTPレスポンスとして通信部32がユーザ設定画面を送信する。これにより、端末装置10にはユーザ設定画面が表示される。
【0058】
図7は、端末装置10がLCD206に表示するユーザ設定画面の一例を示す。ユーザ設定画面521は、ログインユーザ名表示欄522、氏名欄523、表示言語選択欄524、メールアドレス入力欄525、アイコン画像526、及び、更新ボタン527を有する。
【0059】
ログインユーザ名表示欄522にはログインしているユーザのユーザIDが表示される。ログインによりユーザIDが特定されているため、画面生成部31はログインユーザ名表示欄522にユーザIDを設定できる。氏名欄523に同様にユーザ情報DB40の氏名が表示される。
【0060】
表示言語選択欄524には、検索サーバ30が端末装置10に表示させることが可能な言語のリストが表示される。言語のリストは、世界中の公用語、又は、全ユーザの出身国の公用語を含み、ユーザはこの中から自分の母国語を選択する。端末装置10の操作受付部12はユーザの選択を受け付ける。ユーザが選択したこの言語がユーザ情報DB40に登録され、ユーザが検索対象のユーザを検索することにより検索元言語になる。
【0061】
メールアドレス入力欄525にはユーザが自分のメールアドレスを入力する。アイコン画像526は、ユーザを表すアイコンや画像(写真)をユーザが任意に設定した画像である。ユーザが更新ボタン527を押下すると、ユーザ設定画面521でユーザが設定した情報が検索サーバ30に送信され、ユーザ情報DB40に登録される。
【0062】
図8は、端末装置10がLCD206に表示する検索画面531の一例を示す。検索画面531は、例えば、システム利用画面511でメールボタン512など、ユーザを検索する可能性があるボタンが押下されると表示される。また、任意の画面でユーザが検索画面531を表示させる操作を行うと表示することができる。例えば、システム利用画面511のメールボタン512の押下により、端末装置10の通信部11がHTTPリクエストを検索サーバ30に送信し、検索サーバ30の通信部32がHTTPリクエストを受信して、画面生成部31が検索画面531を生成し、HTTPレスポンスとして通信部32が検索画面531を送信する。これにより、端末装置10には検索画面531が表示される。あるいは、ポップアップ画面のように、任意の画面に検索画面531が表示されてもよい。
【0063】
検索画面531は検索ワード入力欄532と検索ボタン533を有する。ユーザは検索ワード入力欄532に、検索対象のユーザのユーザID又は氏名と思われる検索ワードを入力する。
・ユーザIDとしては上記のように英数字で入力される。
・氏名としては検索対象のユーザの母国語で入力される。
【0064】
母国語で氏名を表記することが分かりやすいが母国語で氏名を入力することが困難な場合に、ユーザIDで検索できる。本実施形態では、入力されたユーザIDが適切でなくても、本実施形態では検索対象のユーザを見つけやすくなっている。検索ワードがユーザID又は氏名の一部を一切、含まなくても、本実施形態では過去の検索ワードが検索されるので、検索対象のユーザを検索できる。ユーザが検索ボタン533を押下することで、この検索ワードによる検索が実行される。
【0065】
<検索手順>
続いて、図9を用いて検索履歴DB50を用いた検索方法について説明する。図9は、ユーザの検索手順を説明するシーケンス図の一例である。図9の手順は、例えばシステム利用画面を端末装置10が表示した状態からスタートする。
【0066】
S1:検索サーバ30の通信部32は検索対象のユーザを検索するための検索画面531に関する画面情報を端末装置10に送信する。
【0067】
S2:端末装置10の通信部11は画面情報を受信して、表示制御部13が検索画面531をLCD206に表示する。ユーザは検索画面531から検索ワード(ユーザID又は氏名)を入力する。端末装置10の操作受付部12は検索ワードの入力を受け付ける。
【0068】
S3:ユーザが検索ボタン533を押下すると端末装置10の操作受付部12がこれを受け付け、通信部11が検索ワードを含む検索要求を検索サーバ30に送信する。
【0069】
S4:検索サーバ30の通信部32は検索ワードを含む検索要求を受信する。通信部32は検索ワードを検索部33に送出するので、検索部33は、メモリ202に検索ワードを保存しておく。これは、この検索ワードで検索対象のユーザが見つからなかった場合でも、この検索ワードを検索履歴DB50に登録又は回数を更新するためである。メモリ202には図10で説明する検索結果画面の決定ボタンが押下されるまでに検索部33が取得した1つ以上の検索ワードが保持される。なお、過去の検索ワードによる検索履歴DB50の更新については図13にて説明する。
【0070】
S5:検索サーバ30の検索部33は検索履歴DB50から検索ワードで所定数のユーザを抽出する。検索の詳細は図11で説明する。
【0071】
S6:また、検索部33は、ユーザ情報DB40からも検索ワードを少なくとも一部に含む氏名又はユーザIDを有する全てのユーザを抽出する。すなわち、従来と同様の検索も可能である。
【0072】
S7:検索サーバ30の画面生成部31は、検索結果を端末装置10が表示するための画面情報を生成する。本実施形態では、検索履歴DB50の検索とユーザ情報DB40の検索の2つの検索結果が得られているため2種類の検索結果を表示する画面情報が生成される。検索サーバ30の通信部32は画面情報を端末装置10に送信する。
(ア)検索履歴DB50から検索した1人以上のユーザ
(イ)検索ワードがユーザ情報DB40のユーザの名称又はユーザIDに少なくとも部分的に一致した全てのユーザ
S8:端末装置10の通信部11は画面情報を受信し、表示制御部13がLCD206に検索結果画面を表示する。検索結果画面の一例を図10に示す。
【0073】
S9:ユーザは検索対象のユーザが検索結果画面に表示されたかどうか確認する。検索対象のユーザが検索結果画面に表示されない場合、ユーザが別の検索ワードで検索をやり直すため処理はステップS2に戻る。
【0074】
検索対象のユーザが検索結果画面に表示された場合、ユーザは検索対象のユーザを選択して(反転させて)決定ボタンを押下する。端末装置10の操作受付部12は決定ボタンの押下を受け付ける。
【0075】
S10:これにより、通信部11が、決定ボタンが押下された旨と検索対象のユーザのユーザIDを検索サーバ30に送信する。
【0076】
S11:検索サーバ30の通信部32は検索対象のユーザのユーザIDを受信し、検索履歴記録部34が検索履歴DB50を更新する。すなわち、検索対象のユーザのユーザIDに対応付けられた検索元言語のうち、検索者であるユーザの検索元言語に対応付けられた検索ワードの回数を1つ大きくする。検索ワードテーブル53に検索ワードが登録されていない場合は、今回検索に使用された検索ワードを検索ワードテーブル53に追加して、回数を1に設定する。
【0077】
<検索結果画面の一例>
図10を用いて検索結果画面541の一例を説明する。図10は端末装置10がLCD206に表示する検索結果画面541の一例を示す。なお、検索結果画面541は、検索画面と同じ検索ワード入力欄532と検索ボタン533を有する。
【0078】
検索結果画面541は、検索ワード入力欄532と検索ボタン533に加え、検索結果欄542、キャンセルボタン543、及び、決定ボタン544を有する。検索結果欄542は、1対1に対応付けられたユーザIDと名称の項目を有している。検索結果欄542は2つの領域に分かれており、上段の領域542aに検索履歴DB50の検索結果が表示され、下段の領域542bにユーザ情報DB40の検索結果が表示されている。
【0079】
キャンセルボタン543は、元の画面に戻るためのボタンである。この場合、検索履歴DB50は更新されない。決定ボタン544は、検索対象のユーザが見つかった旨を端末装置10が受け付けるためのボタンである。検索対象のユーザが見つかった場合、ユーザはマウスなどで検索対象のユーザを反転状態(選択状態)にして決定ボタン544を押下する。図10では「Zhou Zigao」が反転されている。これにより、ユーザIDが確定される。決定ボタン544で確定されたユーザIDが検索サーバ30に通知されるので、検索サーバ30はユーザ情報DB40からこのユーザIDに対応付けられたユーザ情報を取得し、端末装置10に送信する。これにより、検索したユーザは検索対象のユーザに電子メール等を送信できる。また、上記のように検索サーバ30は検索履歴DB50を更新する。
【0080】
<検索履歴DBの検索例>
図11は、検索部33が検索履歴DB50を検索する手順を示すフローチャート図の一例である。なお、図11の説明では、適宜、図12を参照して説明する。図12は検索履歴DB50の検索方法を模式的に説明する図の一例である。
【0081】
S101:ユーザが「shu」という検索ワードを検索画面531で入力する(図12(a-1)。検索サーバ30の検索部33は検索ワードを含む検索要求を取得する。
【0082】
S102:検索サーバ30の検索部33は検索者であるユーザの検索元言語をユーザ情報DB40の言語から取得する。ここでは検索元言語は「Japanese」である(図12(a-2))。
【0083】
S103:検索部33はユーザIDテーブル51から1つのユーザIDを決定する(図12(b-1))。全てのユーザIDについて同じ処理を行うため、ユーザIDの決定方法はどのような順番でもよい。
【0084】
S104:検索部33は、決定したユーザIDに対応付けられた検索元言語テーブル52を特定する(図12(b-2))。
【0085】
S105:検索者であるユーザの検索元言語に該当する検索ワードテーブル53を特定する(図12(b-3))。
【0086】
S106:検索ワードが少なくとも部分一致する、検索ワードテーブル53の検索ワードを全て検出する。図12では「shuu」と「shu」が検出される。
【0087】
S107:検出された検索ワードの回数を合計した合計回数を求め、それをステップS103で決定したユーザIDの検索語句総一致数に決定する。
【0088】
S108:検索部33は、ステップS101~S107の処理をユーザIDテーブル51の全てのユーザIDについて行う。
【0089】
S109:検索部33は、検索語句総一致数(合計回数)が大きい順に上位の所定数(例えば3名)のユーザIDを決定する(図12(c))。図12(c)では1位~3位までのユーザID、検索語句総一致数、及び、部分一致した検索ワードが示されている。検索部33は、例えばこの3名のユーザIDの氏名をユーザ情報DB40から取得する。画面生成部31はユーザIDと氏名を含む検索結果画面の画面情報を生成し、通信部32に送信させる。
【0090】
図12で説明したように、検索する日本人のユーザは「周さん」を検索したいが「Zhou Zigao」というユーザIDの一部さえ思いつかなかった。このため、検索するユーザは「shuさん」という「周さん」の日本語の読みをアルファベットで入力して検索した。「Zhou Zigao」に「shu」は全く含まれておらず、従来の技術では、検索するユーザは「周さん」を見つけることができない。本実施形態では、多くの日本人のユーザが「shuさん」で「周さん」を検索するという検索履歴を使うことで、「周さん」を見つけることができる。したがって、検索者であるユーザの出身国や出身地域の言語での読み方で他言語の出身国や出身地域のユーザの氏名を検索できる。
【0091】
<検索履歴DBの更新>
図13を用いて検索履歴DB50の更新について説明する。図13は検索履歴DB50の更新方法を説明する図の一例である。検索元言語が「Japanese」の場合に「shu」という検索ワードで、検索結果画面が表示され、その中の「Zhou Zigao」というユーザIDを検索するユーザが反転させて決定ボタン544を押下したものとする。これにより、検索サーバ30の検索履歴記録部34は、「Zhou Zigao」というユーザID、「Japanese」という検索元言語、及び、「shu」という検索ワードを取得できる。これを使って、検索履歴記録部34は、ユーザIDテーブル51の「Zhou Zigao」に対応付けられた検索元言語テーブル52を特定し、この検索元言語テーブル52の「Japanese」に対応付けられた検索ワードテーブル53を特定し、この検索ワードテーブル53の「shu」の回数を1つ大きくする。図13(a)では、「shu」の回数が179回になる。
【0092】
なお、「shu」という検索ワードが検索ワードテーブル53に登録されていない場合は、「shu」を登録し、その回数を「1」にする。
【0093】
図13(b)は決定ボタン544が押下されるまでに複数の検索ワードで検索された場合の検索履歴DB50の更新方法を説明する図である。例えば、検索するユーザが「周さん」を見つけるために、「jou」「zou」「zuu」を検索ワードとして検索したが、検索結果画面には「Zhou Zigao」が表示されなかった。検索部33は1つめ(最初の)検索ワードから、ユーザが決定ボタンを押下するまでに入力した検索ワードを全て保持している。
【0094】
そして、「shu」を検索ワードとして検索した場合に検索結果画面に「Zhou Zigao」が表示され、ユーザが決定ボタンを押下した。検索部33は決定ボタンが押下された旨と検索対象のユーザのユーザIDを端末装置10から取得して、「jou」「zou」「zuu」と共に「shu」を検索履歴記録部34に送出する。これにより、検索履歴記録部34は「jou」「zou」「zuu」の回数を1つ大きくするか又は検索ワードテーブル53に新たに登録できる(回数は1)。なお、「shu」の回数も1つ大きくなる。
【0095】
このように、検索対象のユーザが見つからなかった場合の検索ワードも検索履歴DB50に蓄積されるため、検索対象のユーザが、次回、検索される際には「jou」「zou」「zuu」によっても見つかる可能性が高くなる。例えば、ネットワークシステム100の構築時に何ら検索ワードが登録されていなくても、ユーザ情報DB40のユーザID又はユーザの氏名から最終的にユーザが見つかることで、検索ワードテーブル53に検索ワードが登録される。検索ワードが登録された後は、更に検索対象のユーザが見つかりやすくなるので、検索ワードが徐々に豊富化されていく。システムの構築時に検索ワードを登録することは不要になり、システムの構築時に登録された検索ワードを入力しなくてもユーザを検索できる。なお、システムの構築時にいくつかの想定される検索ワードを登録しておくことは何ら支障がない。
【0096】
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態のネットワークシステム100は、見つかったユーザのユーザID、検索元言語、及び検索ワードが検索履歴DB50に蓄積され、この検索ワードが検索されるので、ユーザの出身国や出身地域が様々であっても、出身国や出身地域で一般的な検索ワードで検索対象のユーザを検索できる。検索者であるユーザの出身国や出身地域の言語での読み方で他言語の出身国や出身地域のユーザの氏名を検索できる。また、システムの構築時に検索ワードを登録することは不要になり、システムの構築時に登録された検索ワードを入力しなくてもユーザを検索できる。
【0097】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0098】
例えば、本実施形態では、クライアントサーバ方式でユーザが検索される形態を説明したが、ユーザの検索はスタンドアローン型の情報処理装置でも可能である。この場合、スタンドアローン型の情報処理装置が端末装置10と検索サーバ30の機能を有していればよい。
【0099】
また、本実施形態では、ユーザ情報DB40に登録されている検索元言語で検索元言語テーブル52が選択されたが、検索元言語は端末装置10が送信してもよい。例えば、ユーザが、検索のたびに入力した検索元言語で検索元言語テーブル52が選択される。
【0100】
また、検索結果画面にはユーザIDが表示されているが、検索結果画面にはユーザIDを表示されなくてもよい。ユーザは氏名によりユーザを認識する場合も多いためである。ただし、表示されなくても、検索履歴の登録のために検索サーバ30から端末装置10にユーザIDが送信され、端末装置10は決定ボタンの押下に備えてユーザIDを保持している。
【0101】
また、検索元言語テーブル52がなくても本実施形態の検索は可能である。この場合、ユーザIDと検索ワードテーブル53が対応付けられている。この場合でも検索ワードでユーザID又は氏名が見つかれば検索ワードの回数が大きくなるので、出身国や出身地域で一般的な検索ワードで検索対象のユーザを検索できる。
【0102】
また、図4などの構成例は、端末装置10、及び検索サーバ30の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。また、端末装置10、及び検索サーバ30の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0103】
また、複数の検索サーバ30が存在してもよいし、検索サーバ30の機能が複数のサーバに分散して設けられていてもよい。
【0104】
また、上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0105】
なお、通信部32は検索ワード取得手段の一例であり、検索履歴DB50は検索履歴情報記憶部の一例であり、検索部33は抽出手段の一例であり、画面生成部31は検索結果送信手段の一例であり、ユーザ情報DB40はユーザ情報記憶部の一例であり、検索履歴記録部34は検索履歴記録手段の一例である。操作受付部12は受付手段の一例であり、通信部11は送信手段の一例である。
【符号の説明】
【0106】
10 端末装置
30 検索サーバ
50 検索履歴DB
100 ネットワークシステム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0107】
【文献】特開2013-232193号公報
図1
図2
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図5
図6
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図8
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図10
図11
図12
図13