(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】排紙装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20220621BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20220621BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220621BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220621BHJP
B65H 29/60 20060101ALI20220621BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
G03G21/00 530
G03G21/16 104
B41J29/38
H04N1/00 567M
B65H29/60 C
G03G15/00 460
(21)【出願番号】P 2018044253
(22)【出願日】2018-03-12
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100072604
【氏名又は名称】有我 軍一郎
(72)【発明者】
【氏名】山地 健介
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-265349(JP,A)
【文献】特開2009-107767(JP,A)
【文献】特開2012-083691(JP,A)
【文献】特開2003-248349(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0170882(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
B41J 29/38
H04N 1/00
B65H 29/60
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が形成された記録媒体に前記画像を定着させる定着手段と、
前記定着手段と前記記録媒体を排出する排紙口との間に設けられた複数の搬送手段と、
前記定着手段を通った記録媒体の搬送方向を切り替える分岐手段と、
所定の条件にしたがって前記記録媒体を複数の前記搬送手段のいずれかに選択的に搬送するよう前記分岐手段を動かす制御手段と、
前記複数の搬送手段を構成する各搬送手段を冷却する複数の冷却部材と、を有し、
前記複数の冷却部材を構成する各冷却部材は、それぞれ風量を可変調整するファンを有し、
前記記録媒体の搬送時において前記複数の搬送手段は、通紙側の搬送手段と、非通紙側の搬送手段と、のいずれかで構成され、
前記通紙側の前記搬送手段は、前記複数の搬送手段のうち、前記制御手段により前記記録媒体を搬送するよう選択され、前記記録媒体が搬送されている搬送手段であり、
前記非通紙側の前記搬送手段は、前記複数の搬送手段のうち、前記制御手段により前記記録媒体を搬送するよう選択されず、前記記録媒体が搬送されていない搬送手段であり、
前記複数の冷却部材のうち、通紙側の前記搬送手段を冷却する前記冷却部材の前記ファンの風量よりも、非通紙側の前記搬送手段を冷却する前記冷却部材の前記ファンの風量を大きくしたことを特徴とする排紙装置。
【請求項2】
前記搬送手段の温度を検知する温度検知手段を有し、
前記分岐手段にて前記搬送手段による搬送経路を前記温度が最も低い前記搬送経路に変更するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の排紙装置。
【請求項3】
前記記録媒体に転写された画像の画像面積率を検知し、前記画像面積率が所定値以上である場合に前記分岐手段にて前記搬送手段による搬送経路を前記温度が最も低い前記搬送経路に変更するよう制御することを特徴とす
る請求項2に記載の排紙装置。
【請求項4】
前記記録媒体の紙厚を検知し、前記記録媒体の紙厚が厚い程、前記冷却部材の動作効率を大きくするよう制御することを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の排紙装置。
【請求項5】
前記分岐手段下流で、分岐した複数の前記搬送経路を1つに集約し、前記記録
媒体をスイッチバックさせずに搬送することを特徴とする
請求項2又は、請求項3に記載の排紙装置。
【請求項6】
前記搬送手段による前記搬送経路を搬送される前記記録媒体毎に前記搬送経路を交互に変更するよう制御することを特徴とする
請求項2又は、請求項3に記載の排紙装置。
【請求項7】
前記記録媒体が搬送されている前記搬送経路の温度が所定値を超えたことを条件に、前記搬送経路を前記記録媒体が搬送されていない、いずれかの前記搬送経路に変更することを特徴とする
請求項2又は、請求項3に記載の排紙装置。
【請求項8】
前記搬送経路を印刷ジョブ毎に前記記録媒体が搬送されていない、いずれかの前記搬送経路に変更することを特徴とする
請求項2又は、請求項3に記載の排紙装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の排紙装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着部の下流側における搬送経路の切替えを搬送経路の温度等の条件により行う排紙装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、高生産性化やカラー化が急速に進展するとともに、両面印刷機構を備えたものも多く普及するに至っている。そのため、排紙装置においても、高速化への対応を一段と進める必要が生じている。近年では、ヒートパイプを用いて記録紙の温度を低下させる技術や、液冷を用いた冷却搬送ベルトで記録紙の温度を低下させる技術が考えられ既に知られている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、定着装置下流に定着されたシートを冷却する冷却ローラを備え、ローラを正転,反転させる事でシートの温度を下げる手段を備えた画像形成装置が開示されている。このような構成を備えた画像形成装置により、シートの温度状況に応じたシート搬送を行うことで異常画像(シート貼り付き)の発生を抑制することを図っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された排紙装置は、高生産性化に伴い、熱を帯びているシートが連続で通紙され、シートの紙間が狭くなることで、機内部品の温度が上昇し易くなっていた。機内部品の温度が上昇することでシート温度を下げ難くなり、シートが高い温度で排出され異常画像(シート貼り付き)が発生し易くなるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、機内部品の温度上昇を低減する、および搬送されるシート温度を下げる事で、異常画像の発生を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る排紙装置は、上記目的を達成するため、画像が形成された記録媒体に前記画像を定着させる定着手段と、前記定着手段と前記記録媒体を排出する排紙口との間に設けられた複数の搬送手段と、前記定着手段を通った記録媒体の搬送方向を切り替える分岐手段と、所定の条件にしたがって前記記録媒体を複数の前記搬送手段のいずれかに選択的に搬送するよう前記分岐手段を動かす制御手段と、前記複数の搬送手段を構成する各搬送手段を冷却する複数の冷却部材と、を有し、前記複数の冷却部材を構成する各冷却部材は、それぞれ風量を可変調整するファンを有し、前記記録媒体の搬送時において前記複数の搬送手段は、通紙側の搬送手段と、非通紙側の搬送手段と、のいずれかで構成され、前記通紙側の前記搬送手段は、前記複数の搬送手段のうち、前記制御手段により前記記録媒体を搬送するよう選択され、前記記録媒体が搬送されている搬送手段であり、前記非通紙側の前記搬送手段は、前記複数の搬送手段のうち、前記制御手段により前記記録媒体を搬送するよう選択されず、前記記録媒体が搬送されていない搬送手段であり、前記複数の冷却部材のうち、通紙側の前記搬送手段を冷却する前記冷却部材の前記ファンの風量よりも、非通紙側の前記搬送手段を冷却する前記冷却部材の前記ファンの風量を大きくしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、機内部品の温度上昇を低減する、および搬送されるシート温度を下げる事で、異常画像の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の制御ブロック図である。
【
図4】本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成および拡大した排紙装置を示す断面図である。
【
図5】本発明の第1の実施の形態に係る排紙装置の構成を示す説明図である。
【
図6】本発明の第1の実施の形態に係る排紙装置の搬送経路の一部分を示す説明図である。
【
図7】本発明の第1の実施の形態に係る経路変更用分岐爪の動作を説明するフローチャートである。
【
図8】本発明の第1の実施の形態に係る経路変更用分岐爪の動作を説明するフローチャートである。
【
図9】本発明の第2の実施の形態に係る経路変更用分岐爪の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
まず、
図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置1の全体構成について説明する。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の一実施形態に係る排紙装置50を備えた画像形成装置1の断面の一例を示す概略構成図である。画像形成装置1のほぼ中央に中間転写ベルト16が設けられ、中間転写ベルト16の上部走行辺にはイエローY、シアンC、マゼンタM、ブラックKの感光体12が設けられている。各感光体12の周囲には、帯電器11、現像機13や中間転写ベルト16を挟んで1次転写ローラ14、等が配設されている。
【0011】
そして、プリントが開始されると、感光体12が
図1における反時計方向に回転駆動され、このとき帯電器11によって感光体12の表面が所定の極性に帯電される。次いで、その帯電面に、各色のレーザ走査ユニット10から画像情報に基づくレーザ光が照射され、これによって感光体12に静電潜像が形成される。
【0012】
そして、感光体12の表面に形成された静電潜像は、現像機13によってトナー像として可視像化され、トナー像は1次転写ローラ14によって中間転写ベルト16に転写される。なお、トナー像転写後の感光体12の表面に付着する転写残トナーは感光体クリーナーによって除去される。
【0013】
カラー画像形成時は上記した画像形成動作が全ての感光体12で行われ、これによって各感光体12にそれぞれ形成されたイエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像および黒トナー像が中間転写ベルト16上に順次重ねて転写される。一方、画像形成装置1の下部には第1~第3の給紙トレイ5を備え、ユーザは操作パネル3やPC等の入力端末より、使用する第1~第3の給紙トレイ5を選択することにより、選択された給紙トレイに格納された転写紙又は樹脂フィルムなどから成るシートSが給紙される。シートSは本発明に係る記録媒体を構成する。なお、
図1中の破線は画像形成装置1内をシートSが通過する搬送経路19を示す。
【0014】
給紙されたシートSは、レジストローラ18に向けて送り出され、その先端が停止しているレジストローラ18に突き当てられる。これによってシートSが整合された後、レジストローラ18は2次転写ローラ15を設けられた上記中間転写ベルト16の2次転写部に向けてシートSを上記トナー像と合致するタイミングで送り出す。なお、トナー像転写後の中間転写ベルト16の表面に付着する転写残トナーはベルト用のクリーナーによって除去される。
【0015】
そして、2次転写ローラ15によって未定着トナー像が転写されたシートSは、定着部17に送られる。定着部17は、定着ベルト17a、加圧ローラ17b、ハロゲンヒータ17cを有する。加圧ローラ17が回転駆動すると、その駆動力がニップ部で定着ベルト17aに伝達され、定着ベルト17aが従動回転する。ハロゲンヒータ17cは定着ベルト17aの内部に設けられ定着ベルト17aを加熱する。定着ベルト17a、加圧ローラ17bによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートS上に未定着トナー像が定着される。
【0016】
シートSに未定着トナー像が定着された後、排紙口26を経て排紙トレイ4に排出される。このように定着部17は画像が形成されたシートSに画像を定着させるようになっている。または、第一面に画像が形成されたシートSは分岐爪23の搬送経路を切り替えることで両面経路へと搬送される。分岐爪23の反転ローラ21送り出されたシートSは反転ローラの正逆転により、両面ローラ42へと搬送される。
【0017】
この際、シートSの搬送方向に対する表裏は第一面画像形成時と反転する。そして、中継ローラ22、レジストローラ18までシートが搬送された後は、上記で説明したのと同様のプロセスで第二面にも画像形成を施した後、排紙トレイ4に排出される。
【0018】
また、ユーザはオプションにより、画像形成装置1に大量のシートを給紙可能な給紙バンクや、排紙トレイ4の代わりに、スティプル綴じや折りを施すことの出来るフィニッシャーを接続することも可能である。
【0019】
図2は本実施の形態に係る画像形成装置1の機能ブロック図を示す。本実施の形態に係る画像形成装置1は、画像が形成された記録媒体に画像を定着させる定着手段と、定着手段と記録媒体を排出する排紙口との間に設けられた複数の搬送手段と、定着手段を通った記録媒体の搬送方向を切り替える分岐手段105と、所定の条件にしたがって記録媒体を複数の搬送手段のいずれかに選択的に搬送するよう分岐手段105を動かす制御手段101を有する。
【0020】
上述した定着手段は、回転可能な無端状の定着ベルト17aと定着ベルト17aに対向して配置され、定着ベルト17aとの間にニップ部を形成する加圧ローラ17bと定着ベルト17aの内側に配置され、定着ベルト17aを加熱するハロゲンヒータ17cを有する定着部17によって構成されている。上述した複数の搬送手段は、後述するシートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cと搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド51とシートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fと搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド52によって構成されている。上述した分岐手段105は、後述する経路変更用分岐爪53と電磁モータ63によって構成されている。上述した制御手段101は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータによって構成されている。ROMには、本実施の形態における画像形成装置1の駆動等の全般に関する制御プログラムが記憶されている。このROMに記憶されたプログラムを、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、CPUによって実行するようになっている。
【0021】
以下では、本実施の形態に係る画像形成装置1の他の態様を示す。本実施の形態に係る画像形成装置1は、画像が形成された記録媒体に画像を定着させる定着手段と、定着手段と記録媒体を排出する排紙口との間に設けられた第1の搬送手段と第1の搬送手段と分岐して設けられた第2の搬送手段と、定着手段の下流側に設けられ、定着手段を通過した記録媒体を検知する記録媒体検知手段102と、定着手段を通過した記録媒体の搬送方向を第1の搬送手段が形成する搬送経路または第2の搬送手段が形成する搬送経路のいずれかに切り替える分岐手段105と、第1の搬送手段上であって分岐手段の下流側に設けられ、第1の搬送手段の温度を検知する第1の温度検知手段103と、第2の搬送手段上であって分岐手段の下流側に設けられ、第2の搬送手段の温度を検知する第2の温度検知手段104と、を備え、第1の搬送手段上に記録媒体が搬送されている場合、第1の温度検知手段103により検知された温度が所定値を超えたことを条件に、記録媒体検知手段102が記録媒体を検知してから所定時間後に記録媒体が搬送される経路を第2の搬送手段が形成する搬送経路に変更するよう分岐手段105を動かせ、第2の搬送手段上に記録媒体が搬送されている場合、第2の温度検知手段104により検知された温度が所定値を超えたことを条件に、記録媒体検知手段102が記録媒体を検知してから所定時間後に記録媒体が搬送される経路を第1の搬送手段が形成する搬送経路に変更するよう分岐手段105を動かす制御手段101を有する。
【0022】
上述した定着手段は、回転可能な無端状の定着ベルト17aと定着ベルト17aに対向して配置され、定着ベルト17aとの間にニップ部を形成する加圧ローラ17bと定着ベルト17aの内側に配置され、定着ベルト17aを加熱するハロゲンヒータ17cを有する定着部17によって構成されている。上述した、記録媒体検知手段102は、後述するシート検知センサ61によって構成されている。上述した第1の搬送手段は、後述するシートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cと搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド51によって構成されている。上述した第2の搬送手段は、シートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fと搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド52によって構成されている。
【0023】
上述した、分岐手段105は、後述する経路変更用分岐爪53と電磁モータ63によって構成されている。上述した第1の温度検知手段103は、後述する温度検知センサ57によって構成されている。上述した第2の温度検知手段104は、後述する温度検知センサ58によって構成されている。制御手段101は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータによって構成されている。ROMには、本実施の形態における画像形成装置1の駆動等の全般に関する制御プログラムが記憶されている。このROMに記憶されたプログラムを、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、CPUによって実行するようになっている。
【0024】
次に
図3を用いて画像形成装置1の制御構成について説明する。
【0025】
画像形成装置1は、制御構成として制御手段101と温度検知センサ57、58とシート厚検知センサ60とシート検知センサ61と画像ドットカウンタ62と冷却ファン59a、59bと経路変更用分岐爪53と電磁モータ63とを備えている。制御手段101は、入力信号に基づいて、経路変更用分岐爪53の位置や冷却ダクト55、56における風量等を制御する。
【0026】
制御手段101は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータにより構成されている。ROMには、本実施の形態における画像形成装置1の駆動等の全般に関する制御プログラムが記憶されている。このROMに記憶されたプログラムを、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、CPUによって実行するようになっている。
【0027】
温度検知センサ57、58は後述する搬送ガイド51、52に配置され各搬送ガイド51、52の温度を検知するようになっている。温度検知センサ57、58により検知された温度に応じて制御手段101は、後述する電磁モータ63を駆動し経路変更用分岐爪53の位置を切替え、また、冷却ファン59a、59bの風量を調節する。
【0028】
シート厚検知センサ60は、給紙トレイ5から2次転写部に到達するまでの給紙搬送路上に設けられ、シートSの厚さを検知するようになっている。シート厚検知センサ60により検知されたシート厚に応じて制御手段101は、後述する経路変更用分岐爪53の位置を切替える。
【0029】
シート検知センサ61は、定着部17の付近の下流側であって経路変更用分岐爪53の上流側の搬送経路に設けられ搬送されるシートSを検知するようになっている。シート検知センサ61により検知されたシートSの位置情報に基づき制御手段101は後述する経路変更用分岐爪53の位置を切替える。
【0030】
画像ドットカウンタ62は、印刷対象の画像の印字量からトナー消費量を算出するようになっている。画像ドットカウンタ62の算出値に基づき、制御手段101は、各シートSの画像面積率を算出し、算出した画像面積率に基づき経路変更用分岐爪53の位置を切替える。
【0031】
図4および
図5を用いて定着部17の下流側に設けられた2つの搬送ガイド51、52の詳細を説明する。
【0032】
図4は、画像形成装置1の全体図および2つの搬送ガイド51、52を含む排紙装置50の部分拡大図である。排紙装置50は、定着部17と搬送ガイド51、52と経路変更用分岐爪53と搬送ローラ54a、54b、54cと搬送ローラ64a、64b、64c、64d、64e、64fと冷却ダクト55、56を含んで構成されている。本実施の形態では分岐する搬送経路の数は搬送ガイド51、52により形成される搬送経路51Aと搬送経路52Aの2つであるが3つ以上であってもよい。搬送ガイド51、52は定着部17とシートSを排出する排紙口26との間に設けられている。
【0033】
図5は、定着部17の下流側に設けられた2つの搬送ガイド51、52を含む排紙装置50の説明図である。排紙装置50は搬送ガイド51、52により形成される搬送経路51A、52Aの温度等の各種条件にしたがって、シートSを搬送経路51A、52Aのいずれかに選択的に搬送するようになっている。搬送経路51Aと搬送経路52Aの分岐点には経路変更用分岐爪53が設けられている。経路変更用分岐爪53は、搬送経路51A、52Aの温度等の各種条件により回動され、シートSがいずれかの搬送経路に搬送されるように、すなわち、経路変更用分岐爪53は定着部17を通ったシートSの搬送方向を切り替えるようになっている。
【0034】
シートSの搬送方向の切り替えはシート検知センサ61によりシートSの位置を検知してから所定のタイミングの後に行われる。より具体的には、温度検知センサ57、58により検知した温度が後述の所定の条件を満たした場合、シート検知センサ61が検知したシートSの次のシートから搬送方向の変更が可能となるよう搬送経路が切替えられる。シートSが回動する経路変更用分岐爪53に挟まれ紙詰まりを起こすのを防ぐためである。経路変更用分岐爪53は制御手段101から受けた信号により電磁モータ63が駆動されることにより回動する。
【0035】
搬送ガイド51にはシートSを搬送する搬送ローラ54a、54b、54cが搬送上流側から順に所定の間隔をもって設けられている。搬送ガイド52にはシートSを搬送する搬送ローラ64a、64b、64c、64d、64e、64fが搬送上流側から順に所定の間隔をもって設けられている。
【0036】
搬送ガイド51には冷却ダクト55が、搬送ガイド52には冷却ダクト56が、それぞれ設けられ、各搬送ガイド51、52を冷却するようになっている。冷却ダクト55、56は本発明に係る冷却部材を構成する。搬送ガイド51には温度検知センサ57が、搬送ガイド52には温度センサ58がそれぞれ経路変更用分岐爪53の下流側に配置され、各搬送ガイド51、52の温度を検知するようになっている。温度センサ57、58は、常に搬送ガイド51、52の温度を検知し続け、搬送経路51A、52Aのうち温度が低い方の搬送経路にシートSを搬送するようになっている。
【0037】
連続稼働等により一度搬送ガイド51、52および機内部品の温度が上がってしまうと、温度を再度下げるのに時間を要する。そのため、搬送ガイド51、52の温度を上げないために、冷却ダクト55、56を用いている。
【0038】
冷却ダクト55、56の冷却に効率が良いのが冷却ファンであり、本実施の形態においては風量を可変調整可能な冷却ファン59a、59bを用いている。
図5に冷却ファン59a、59bの配置例を挙げているが、シートの搬送性に影響を与えないよう留意する必要がある。
【0039】
冷却ファン59a、59bによる風量の可変調整の例として、例えば、搬送経路にシートがある場合と無い場合で分けて風量を調整する。より具体的には、複数の搬送経路のうちシートを通紙していない側の搬送経路を最大風量にて冷却し、シートを通紙している側の搬送経路についてはシートの搬送性に影響を与えないレベルの風量で常に冷やし続ける。
【0040】
例えば、搬送経路51Aの温度と搬送経路52Aの温度との温度差が所定値を超えると搬送経路を切り替えるようにする。具体的には、搬送経路51Aに通紙をして、搬送経路52Aの温度が搬送経路51Aの温度よりも10℃以上下がった場合、経路変更用分岐爪53を回動させて搬送経路52Aへ通紙を切り替える。すなわち、搬送経路51A、52Aの温度を温度検知センサ57、58で検知し、経路変更用分岐爪53にて搬送経路51A、52Aを温度が最も低い搬送経路に変更するよう制御する。
【0041】
その後、搬送経路51Aは冷却ダクト55で冷やされ搬送経路52Aよりも温度が10℃以上下がった場合、再度経路変更用分岐爪53を回動させて搬送経路51Aに切り替える。この際、温度検知センサ57、58は冷却ダクト55、56付近に配置する事で、冷却ダクト55、56のON/OFFや動作効率を調整する事ができる。
【0042】
温度検知センサ57、58は冷却ダクト55、56付近に配置するのは、仮に冷却ダクト55、56と温度センサ57、58との距離が離れていると、特に搬送ガイド51、52に熱伝導率が悪い部材が用いられていると、搬送ガイド51、52が冷却されたか否かの判断をし難いためである。
【0043】
また、搬送経路の温度が所定値を超えた場合に搬送経路を切替えるようにしてもよい。例えば、通常は搬送経路51Aにて通紙を行い、搬送経路51Aの温度が50℃を超えたら搬送経路52Aに切り替えるようにする。すなわち、温度検知センサ57、58で検知した温度をトリガーとして、50℃を超えたら
図4の経路変更用分岐爪53を可動させ、冷却ダクト55、56をそれぞれON/OFF、またはOFF/ONをさせる。すなわち、排紙装置50は、シートSが搬送されている搬送経路51Aの温度が50℃を超えたことを条件に、搬送経路51AをシートSが搬送されていない、搬送経路52Aに変更する。
【0044】
ここでいう50℃という温度は画像異常を引き起こすトナーの溶融温度の目安であるが、トナーの融点は種類により異なるので、トナーの種類に合わせて搬送経路を切り替える温度を調整するようにしてもよい。
【0045】
経路変更用分岐爪53により経路が切り替えられた後、切り替えられた側の搬送経路にシートが搬送されるようになっている。切り替えられた側の搬送経路側で50℃を超えたら先ほどと逆の動作をさせて、それを繰り返す。両方の搬送経路51A、52Aとも50℃を超えてしまった場合は、冷却ダクト55、56の動作効率を下げて、両方の搬送経路51A、52Aを冷やすものとする。
【0046】
搬送経路52Aに切り替えている間は、搬送経路51Aは冷却ダクト55にて冷却をするが、搬送経路52Aの温度が50℃を超えた場合、再度搬送経路51Aに戻し、搬送経路52Aを冷却ダクト56で冷却するようにする。
【0047】
温度による搬送経路の切替制御に関しては、条件に応じて冷却ダクトの冷却効率を切り替えようにする。例えば、基本的にはシートを通紙していない側の搬送経路を冷却ダクト55または冷却ダクト56にて冷やすようにする。しかし大量のシートが連続通紙される場合は、両方の搬送経路51A、52Aが温められる場合がある。
【0048】
その際は両方の搬送経路51A、52Aを冷やす必要があるが、搬送経路51A、52Aが冷えるまで通紙を中断する訳にはいかず、強い風量で冷やす事も出来ない。風量を強くすると搬送経路51A、52A上のシートが風の影響で正しく搬送されなくなるためである。そのため、シートを通紙する際には風量を抑える必要がある。このように、冷却部材ダクト55、56は両方の搬送経路51A、52Aを冷やす、または非通紙側の搬送経路を冷やすよう切替制御を行うことができる。
【0049】
上記の例では搬送経路51A、52Aの温度に応じて経路変更用分岐爪53を回動させ搬送経路を切替えたが、搬送経路51A、52Aの温度に依らずに、単に搬送経路51A、52Aを交互に通紙させるよう経路変更用分岐爪53を回動させてもよい。これにより通紙順にシート単位での搬送経路の切替えを行う。すなわち、排紙装置50は、搬送経路51A、52Aを搬送されるシートS毎に搬送経路を交互に変更するよう制御する。
【0050】
また、シート単位ではなくジョブ毎に搬送経路を切替えるようにしてもよい。すなわち、始めに搬送経路51Aで通紙を行う場合、ジョブが終わったタイミング、または新しいジョブが入ったタイミングで経路変更用分岐爪53を可動させ、搬送経路52Aで通紙を行うようにする。次のジョブも終わった場合、これの繰り返しで経路変更用分岐爪53を可動させることで、搬送経路51A、52Aを切り替えていく。
【0051】
図5に示すように経路変更用分岐爪53の下流で最終的に搬送経路を1つに集約するようにしているのは、このようにしないと両面通紙、排紙先指定が困難になり、また、場合により、搬送パスが長くなり、結果的に生産性が落ちる懸念があるからである。搬送パスが長くなる前に経路変更用分岐爪53の下流で分岐した2つの搬送経路51A、52Aを1つに集約し、シートSをスイッチバックさせずに搬送することで高生産性を維持している。
【0052】
冷却ファン59a、59bによる風量の可変調整の他の方法として紙種により風量を調整するようにしてもよい。一般に、薄紙を通紙する場合と厚紙を通紙する場合では、厚紙を通紙した場合の方が搬送経路および機内の温度が上がりやすくなる。したがって、通紙をしているシートの坪量毎に冷却ファン59a、59bの動作効率を変えて風量を調整する。例えば、厚紙時の冷却ファン59a、59bの動作効率を100%とした場合、薄紙時の動作効率は75%と下げるようにする。すなわち、シートSのシート厚をシート厚検知センサ60により検知し、シートSのシート厚が厚い程、冷却ファン59a、59bの動作効率を大きくするよう制御する。
【0053】
また、搬送経路の搬送ガイド51、52Aに金属材料を用いる事で、熱伝導率の悪いモールド部品よりも温度の上がり始めは早くなるが、放熱部材等を添付することで温度が下がり易くなり、相対的にモールド部品を使用するよりも機内温度を低くする事が可能となる。これらの方法を用いれば、搬送経路51A、52Aおよび機内部品の温度上昇を抑制させる事ができる。
【0054】
次に、画像形成装置1の機内の温度が上昇した場合の不具合に関して説明する。シートが高い温度で排出されるとシート貼り付きによる異常画像が発生し易くなる。シートが両面通紙されると、一度定着で熱を帯びたシートが両面通紙経路を通過し、再度作像パスである片面通紙経路を通過する事になる。両面通紙されたシートは給紙トレイ5からのシートと違い熱を持っているため、周囲の部品が温められ易くなる。そこで問題になるのがシート貼り付きとなる。
【0055】
シート貼り付きの現象として、スタック部である排紙トレイ4上で両面通紙されたシートが重なり合うことで、冷めていないトナー同士が吸着し合い、剥がれ難くなるまたはトナーが剥がされる。この現象は、排紙スタック時のシートの温度が、トナーの溶融温度を超えている際に発生し易くなる。これを防止するために、シートの機内からの排出時の温度を下げる、すなわちシートが機内より排出される前に搬送経路中でできる限りシートから熱を奪う必要がある。
【0056】
仮に搬送経路が冷えていれば、シートが通過する際に搬送経路中で熱を奪う事が可能になる。機内部品の温度を把握できるようにするため、画像形成装置1は温度を検知する手段としての温度検知センサ57、58を搬送経路51A、52A沿いに備えている。温度検知センサ57、58による温度検知は、定着部17の下流での温度検知となるため、周囲の雰囲気温度ではなく対象部品の温度を直接検知するのが好ましい。
【0057】
非通紙面側の温度を検知する場合は、
図6に示すように搬送ガイド51(または52)としてモールド部品よりも金属ガイド板51b(または52b)を用いる方が良い。モールド部品は熱伝導率が悪いため、通紙面と非通紙面で温度に差異が生じやすく、正しい温度を測定出来ないためである。
【0058】
また通紙面側を測定する場合は、金属ガイド板51bの温度と合わせて、通過時のシート温度も確認する事ができる。但し、画像形成装置1のCPM(1分あたりのコピー枚数)が高い場合は紙間が狭く金属ガイド板51bの温度を正しく検知出来ない場合がある。CPMが高い機種においては、非通紙領域に温度検知センサ57、58を配置する方が好ましい。
【0059】
そしてシートは、トナーが多く載るほど温度は冷え難く、紙厚が厚いほど冷え難い性質がある。上記の内容で連続通紙をする場合が、機内温度が上昇しやすい。そのため、印刷条件や紙種等を考慮して温度を検知しながら効率的に経路変更用分岐爪53で搬送経路を切り替える必要がある。トナーの種類によって溶融温度が異なるが、搬送経路51A、52Aの温度を50℃以下にする事が好ましい。
【0060】
次に、制御手段101が制御する経路変更用分岐爪53の切替について
図7に示すフローチャートを参照して説明する。
【0061】
初期状態で経路変更用分岐爪53はシートSが搬送経路51A上を搬送されるよう配置されている。制御手段101は、温度検知センサ57により搬送経路51Aの温度T1を検知させ(ステップS1)、温度検知センサ58により搬送経路52Aの温度T2を検知させる(ステップS2)。次いで、制御手段101は、搬送経路51Aの温度T1と搬送経路52Aの温度T2との差(T1-T2)を算出する(ステップS3)。
【0062】
制御手段101は、温度T1と温度T2との差がTa℃以上となったか否かを判断する(ステップS4)。Ta℃の例としては例えば、10℃である。制御手段101は、温度T1と温度T2との差(T1-T2)がTa℃以上となったと判断すると、経路変更用分岐爪53を回動させシートSが搬送経路52Aに搬送されるよう搬送経路を切替える(ステップS5)。次いで、制御手段101は、搬送経路51Aを冷却ダクト55で冷却させる(ステップS6)。制御手段101は、温度T1と温度T2との差(T1-T2)がTa℃以上となっていないと判断した場合は、経路変更用分岐爪53を回動させることなく、搬送経路51Aによる搬送を継続させる。
【0063】
制御手段101は、温度検知センサ57により搬送経路51Aの温度T1を検知させ(ステップS7)、温度検知センサ58により搬送経路52Aの温度T2を検知させる(ステップS8)。次いで、制御手段101は搬送経路52Aの温度T2と搬送経路51Aの温度T1との差(T2-T1)を算出する(ステップS9)。
【0064】
制御手段101は、温度T2と温度T1との差がTa℃以上となったか否かを判断する(ステップS10)。制御手段101は、温度T2と温度T1との差(T2-T1)がTa℃以上となったと判断すると、経路変更用分岐爪53を回動させシートSが搬送経路51Aに搬送されるよう搬送経路を切替える(ステップS11)。次いで、制御手段101は、搬送経路52Aを冷却ダクト56で冷却させる(ステップS12)。制御手段101は、温度T2と温度T1との差(T2-T1)がTa℃以上となっていないと判断した場合は、経路変更用分岐爪53を回動させることなく、搬送経路52Aによる搬送を継続させる。
【0065】
以上は、搬送経路51Aと搬送経路52Aとの温度差に基づき搬送経路の切替制御を行った例であるが、以下の
図8に示すように搬送経路の温度が閾値を超えるタイミングで搬送経路の切替制御を行うようにしてもよい。
【0066】
図8は、制御手段101が制御する経路変更用分岐爪53の切替について示すフローチャートである。初期状態で経路変更用分岐爪53はシートSが搬送経路51A上を搬送されるよう配置されている。制御手段101は、温度検知センサ57により搬送経路51Aの温度T1を検知させる(ステップS21)。制御手段101は、温度T1が閾値温度Tb℃以上となったか否かを判断する(ステップS22)。Tb℃の例としては例えば、50℃である。
【0067】
制御手段101は、温度T1が閾値温度Tb℃以上となったと判断すると、経路変更用分岐爪53を回動させシートSが搬送経路52Aに搬送されるよう搬送経路を切替える(ステップS23)。次いで、制御手段101は、搬送経路51Aを冷却ダクト55で冷却させる(ステップS24)。制御手段101は、温度T1が閾値温度Tb℃以上となっていないと判断した場合は、経路変更用分岐爪53を回動させることなく、搬送経路51Aによる搬送を継続させる。
【0068】
制御手段101は、温度検知センサ58により搬送経路52Aの温度T2を検知させる(ステップS25)。制御手段101は、温度T2が閾値温度Tb℃以上となったか否かを判断する(ステップS26)。
【0069】
制御手段101は、温度T2が閾値温度Tb℃以上となったと判断すると、経路変更用分岐爪53を回動させシートSが搬送経路51Aに搬送されるよう搬送経路を切替える(ステップS27)。次いで、制御手段101は、搬送経路52Aを冷却ダクト56で冷却させる(ステップS28)。制御手段101は、温度T2が閾値温度Tb℃以上となっていないと判断した場合は、経路変更用分岐爪53を回動させることなく、搬送経路52Aによる搬送を継続させる。
【0070】
以上のように、本実施の形態に係る排紙装置50は、形成画像が転写されたシートSに画像を定着させる定着部17と、定着部17とシートSを排出する排紙口26との間に設けられた搬送経路51Aおよび搬送経路52Aと、定着部17を通ったシートSの搬送方向を切り替える経路変更用分岐爪53と、を有し、所定の条件にしたがってシートSを搬送経路51Aおよび搬送経路52Aのいずれかに選択的に搬送するよう経路変更用分岐爪53を動かすようになっている。
【0071】
この構成により、排紙装置50は、定着後のシート搬送経路において、2つの分岐する搬送経路51Aおよび搬送経路52Aを設け、任意の搬送経路にシートSを搬送させる構成のため、1つの搬送経路だけが温度上昇し、シートSの温度が上昇することを低減させることができる。したがって、シートSが高い温度で排出されることによる異常画像の発生を抑制できる。また、搬送経路51Aおよび搬送経路52Aを上下に平行に配置させる事で、無駄なスペースを取らずに従来機と大きさを変えずに配置することが可能となる。
【0072】
また、搬送経路を複数設けることで部品の熱容量が複数倍(2倍)以上になる事と、用紙を搬送経路51Aと搬送経路52Aとをいずれかに選択的に通紙させる事で擬似的に紙間が空く構成になり、機内部品の温度上昇の抑制が容易である。
【0073】
また、排紙装置50は、搬送経路51Aおよび搬送経路52Aを冷却する冷却ダクト55、56を有するようにしてもよい。この構成により搬送経路51Aと搬送経路52Aをそれぞれ冷却ダクト55、56により冷却することで搬送されるシートSの温度上昇を低減し、以上画像の発生を抑制できる。
【0074】
また、冷却ダクト55、56は、搬送経路51Aおよび搬送経路52Aを冷やす、または非通紙側の搬送経路を冷やすよう切替制御を行うようにしてもよい。この構成により、冷却ダクト55、56のうち通常は通紙していない側の搬送経路を冷却しつつ、連続通紙により両方の搬送経路51Aおよび搬送経路52Aの温度が上昇している場合は、シートSの搬送性に影響を与えないよう冷却ダクト55、56の動作効率を下げて両方の搬送経路51Aおよび搬送経路52Aを冷却することができる。
【0075】
また、排紙装置50は、搬送経路51Aおよび搬送経路52Aを冷却する冷却ダクト55、56に冷却ファン59を用い、風量を可変調整するようにしてもよい。この構成により、冷却の必要に応じて冷却ファン59は必要な風量を噴き、大きな風量が必要でない場合は風量を下げることで稼働音を下げて消費電力を低くすることができる。
【0076】
また、排紙装置50は、搬送経路51Aおよび搬送経路52Aの温度を検知する温度検知センサ57、58を有し、経路変更用分岐爪53にて搬送経路51Aおよび搬送経路52Aによる搬送経路を温度が最も低い搬送経路に変更するよう制御するようにしてもよい。この構成により、通紙中でも搬送経路を変更し、温度が低い側の搬送経路で通紙することができるので、搬送されるシートSの温度をより低減することができる。
【0077】
また、排紙装置50は、シートSのシート厚を検知し、シートSの紙厚が厚い程、冷却ダクト55、56の動作効率を大きくするよう制御するようにしてもよい。この構成により、シート厚が厚いほどシートの温度は冷えにくいため、薄紙・普通紙の通紙時は、経路変更用分岐爪53による搬送経路変更の頻度を減らすことで無駄な経路変更用分岐爪53の稼働を防止できる。
【0078】
また、排紙装置50は、経路変更用分岐爪53の搬送方向下流で、分岐した複数の搬送経路51Aおよび搬送経路52Aを1つに集約し、シートSをスイッチバックさせずに搬送するようにしてもよい。この構成により、搬送経路を最終的に1つに集約することで両面通紙、排紙先指定を容易に行うことが可能となる。
【0079】
また、排紙装置50は、搬送経路51Aおよび搬送経路52Aによる搬送経路を搬送されるシートS毎に搬送経路51Aおよび搬送経路52Aを交互に変更するよう制御するようにしてもよい。この構成により、搬送経路51Aと搬送経路52Aの温度上昇を略等しくし、平均化することができ、一方の搬送経路の温度上昇が他方の搬送経路の温度上昇より極端に大きくなることを防ぐことができる。したがってシートSの温度上昇による異常画像の発生を抑制できる。
【0080】
また、排紙装置50は、シートSが搬送されている搬送経路51Aまたは搬送経路52Aの温度が所定値を超えたことを条件に、搬送経路をシートSが搬送されていない、搬送経路51Aまたは搬送経路52Aのいずれかの前記搬送経路に変更するようにしてもよい。この構成により、搬送経路の温度を所定値以内に抑えることができるので、シートSの温度上昇による異常画像の発生を抑制できる。
【0081】
また、排紙装置50は、搬送経路51Aまたは搬送経路52Aを印刷ジョブ毎にシートSが搬送されていない、搬送経路51Aまたは搬送経路52Aのいずれかの搬送経路に変更するようにしてもよい。この構成により、シートS毎に搬送経路を変更する場合と比較して、搬送経路の変更回数を抑えることができ、搬送経路変更に要するエネルギーの省エネルギー化を図ることができる。
【0082】
(第2の実施の形態)
本実施の形態では、シートSに転写された画像の画像面積率に着目し、搬送経路を変更するよう構成したが、他の構成は第1の実施の形態と略同一である。第2の実施の形態に係る画像形成装置において、第1の実施の形態におけるものと同一の構成要素については、
図1ないし
図8に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
【0083】
本実施の形態に係る排紙装置50は、制御手段101がシートSに転写された画像の画像面積率を検知し、画像面積率が所定値以上である場合に経路変更用分岐爪53にて搬送経路を温度が最も低い搬送経路51Aまたは搬送経路52Aのいずれかに変更するよう制御する。画像面積率とは、シートSにおける余白を除いた画像形成領域の面積に対する画像形成された画像の面積の比率である。一般に画像面積率が大きい程トナー量が多く機内温度は上昇しやすい。したがって画像面積率に応じて搬送経路を変更する切替制御を行うようにしてもよい。
【0084】
画像面積率は、例えば、シートSのサイズやプリント出力当たりの画像データに基づいて画像ドットカウンタ62が印刷対象の画像の印字量から算出するトナー消費量を基に、制御手段101によって算出される。例えば、文字だけの文書のようなデータ量が比較的少ない画像データは画像面積率が低く、逆に、写真のようなデータ量が多い画像データは画像面積率が高くなる。
【0085】
画像面積率に関しては、画像面積率が所定の面積率Sw%以上の場合、シート温度が高くなりやすく、上述したようなシート温度等に応じた制御を入れる必要があるが、画像面積率Sw%以下、特に文書レベルの印字ではそもそもシート温度が高くならず、100枚レベルでの連続通紙といった特殊な場合を除けば機内の温度も上昇し難いため、搬送経路を切り替える必要がなくなる。ここでいう所定の面積率とは例えば、40%であるが他の割合でも構わない。以上より、本実施の形態では、画像面積率が所定の面積率Sw%以上の場合にシートSの温度に基づく搬送経路の切替えを行い、画像面積率が所定の面積率Sw%以下の場合搬送経路の切替えを行わないよう制御する。
【0086】
ただし、仮に通紙する前から搬送経路51A、52Aの温度が高い場合には搬送経路51A、52Aを冷やす必要があるため、画像面積率が低い場合には、温度により経路変更用分岐爪53を可動させるのではなく、通紙枚数毎(例えば100枚)に搬送経路を切り替えるという制御を行うようにしてもよい。
【0087】
次に、制御手段101が制御する経路変更用分岐爪53の切替について
図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0088】
初期状態で経路変更用分岐爪53はシートSが搬送経路51A上を搬送されるよう配置されている。制御手段101は、搬送経路51Aに搬送されているシートSの画像面積率を算出する(ステップS31)。制御手段101は、画像面積率Sa%が所定の面積率Sw%以上であるか否かを判断する(ステップS32)。Sw%の例としては例えば、40%である。
【0089】
制御手段101は、画像面積率Sa%が所定の面積率Sw%以上となったと判断すると温度検知センサ57により搬送経路51Aの温度T1を検知させ(ステップS33)、温度検知センサ58により搬送経路52Aの温度T2を検知させる(ステップS34)。次いで、制御手段101は、搬送経路51Aの温度T1と搬送経路52Aの温度T2との差(T1-T2)を算出する(ステップS35)。制御手段101は、画像面積率Sa%が所定の面積率Sw%以上となっていないと判断した場合は、経路変更用分岐爪53を回動させることなく、搬送経路51Aによる搬送を継続させる。
【0090】
制御手段101は、温度T1と温度T2との差がTa℃以上となったか否かを判断する(ステップS36)。Ta℃の例としては例えば、10℃である。制御手段101は、温度T1と温度T2との差(T1-T2)がTa℃以上となったと判断すると、経路変更用分岐爪53を回動させシートSが搬送経路52Aに搬送されるよう搬送経路を切替える(ステップS37)。次いで、制御手段101は、搬送経路51Aを冷却ダクト55で冷却させる(ステップS38)。制御手段101は、温度T1と温度T2との差(T1-T2)がTa℃以上となっていないと判断した場合は、経路変更用分岐爪53を回動させることなく、搬送経路51Aによる搬送を継続させる。
【0091】
制御手段101は、温度検知センサ57により搬送経路51Aの温度T1を検知させ(ステップS39)、温度検知センサ58により搬送経路52Aの温度T2を検知させる(ステップS40)。次いで、制御手段101は搬送経路52Aの温度T2と搬送経路51Aの温度T1との差(T2-T1)を算出する(ステップS41)。
【0092】
制御手段101は、温度T2と温度T1との差がTa℃以上となったか否かを判断する(ステップS42)。制御手段101は、温度T2と温度T1との差(T2-T1)がTa℃以上となったと判断すると、経路変更用分岐爪53を回動させシートSが搬送経路51Aに搬送されるよう搬送経路を切替える(ステップS43)。次いで、制御手段101は、搬送経路52Aを冷却ダクト56で冷却させる(ステップS44)。制御手段101は、温度T2と温度T1との差(T2-T1)がTa℃以上となっていないと判断した場合は、経路変更用分岐爪53を回動させることなく、搬送経路52Aによる搬送を継続させる。
【0093】
以上のように、本実施の形態に係る排紙装置50は、シートSに転写された画像の画像面積率を検知し、画像面積率が所定値以上である場合に経路変更用分岐爪53にて搬送経路51Aおよび搬送経路52Aによる搬送経路を温度が最も低い搬送経路に変更するよう制御するようになっている。
【0094】
この構成により、トナーの定着が多いシートSは温度が下がりにくく、トナーの定着が少ないシートSは温度が上がりにくいので、トナーの定着量に応じて経路変更用分岐爪53による経路変更の頻度を調整することで、無駄な経路変更用分岐爪53の稼働を防止できる。また、シートSが高い温度で排出されることによる異常画像の発生を抑制できる。
【0095】
以下では、本実施の形態に係る画像形成装置1の他の態様について記す。上述した画像形成装置1は、第1の温度検知手段103と第2の温度検知手段104により検知される温度と所定値との大小関係に着目して分岐手段105の制御を行ったが、以下に示す例では、第1の温度検知手段103と第2の温度検知手段104により検知される温度の温度差に着目して分岐手段105の制御を行うようにした。
【0096】
画像形成装置1は、画像が形成された記録媒体に画像を定着させる定着手段と、定着手段と記録媒体を排出する排紙口との間に設けられた第1の搬送手段および第2の搬送手段と、定着手段の下流側に設けられ、定着手段を通過した記録媒体を検知する記録媒体検知手段102と、定着手段を通過した記録媒体の搬送方向を第1の搬送手段が形成する搬送経路または第2の搬送手段が形成する搬送経路のいずれかに切り替える分岐手段105と、第1の搬送手段上であって分岐手段の下流側に設けられ、第1の搬送手段の温度を検知する第1の温度検知手段103と、第2の搬送手段上であって分岐手段の下流側に設けられ、第2の搬送手段の温度を検知する第2の温度検知手段104と、を備え、第1の搬送手段上に記録媒体が搬送されている場合、第1の温度検知手段103により検知された温度から第2の温度検知手段により検知された温度を差し引いた差分が所定値を超えたことを条件に記録媒体検知手段102が記録媒体を検知してから所定時間後に記録媒体が搬送される経路を第2の搬送手段が形成する搬送経路に変更するよう分岐手段105を動かし、第2の搬送手段上に記録媒体が搬送されている場合、第2の温度検知手段104により検知された温度から第1の温度検知手段103により検知された温度を差し引いた差分が所定値を超えたことを条件に記録媒体検知手段102が記録媒体を検知してから所定時間後に記録媒体が搬送される経路を第1の搬送手段が形成する搬送経路に変更するよう分岐手段105を動かす制御手段101を有する。
【0097】
上述した定着手段は、回転可能な無端状の定着ベルト17aと定着ベルト17aに対向して配置され、定着ベルト17aとの間にニップ部を形成する加圧ローラ17bと定着ベルト17aの内側に配置され、定着ベルト17aを加熱するハロゲンヒータ17cを有する定着部17によって構成されている。上述した、記録媒体検知手段102は、後述するシート検知センサ61によって構成されている。上述した第1の搬送手段は、後述するシートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cと搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド51によって構成されている。上述した第2の搬送手段は、シートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fと搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド52によって構成されている。
【0098】
上述した、分岐手段105は、後述する経路変更用分岐爪53と電磁モータ63によって構成されている。上述した第1の温度検知手段103は、後述する温度検知センサ57によって構成されている。上述した第2の温度検知手段104は、後述する温度検知センサ58によって構成されている。制御手段101は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータによって構成されている。ROMには、本実施の形態における画像形成装置1の駆動等の全般に関する制御プログラムが記憶されている。このROMに記憶されたプログラムを、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、CPUによって実行するようになっている。
【0099】
上述した、画像形成装置1は、第1の温度検知手段103と第2の温度検知手段104により検知される温度の温度差に着目して分岐手段105の制御を行ったが、以下に示す例では、定着手段を通過した記録媒体を第1の搬送手段と第2の搬送手段とで交互に搬送させるよう分岐手段105の制御を行うようにした。
【0100】
画像形成装置1は、画像が形成された記録媒体に画像を定着させる定着手段と、定着手段と記録媒体を排出する排紙口との間に設けられた第1の搬送手段および第2の搬送手段と、定着手段の下流側に設けられ、定着手段を通過した記録媒体を検知する記録媒体検知手段102と、定着手段を通過した記録媒体の搬送方向を第1の搬送手段が形成する搬送経路または第2の搬送手段が形成する搬送経路のいずれかに切り替える分岐手段105と、分岐手段105を通過した記録媒体が第1の搬送手段上に搬送された場合、記録媒体が分岐手段を通過した後であって次の記録媒体が記録媒体検知手段102に検知されるまでに、記録媒体が搬送される経路を第2の搬送手段が形成する搬送経路に変更するよう分岐手段105を動かし、分岐手段を通過した記録媒体が第2の搬送手段上に搬送された場合、記録媒体が分岐手段105を通過した後であって次の記録媒体が記録媒体検知手段102に検知されるまでに、記録媒体が搬送される経路を第1の搬送手段が形成する搬送経路に変更するよう分岐手段105を動かす制御手段101を有する。
【0101】
上述した定着手段は、回転可能な無端状の定着ベルト17aと定着ベルト17aに対向して配置され、定着ベルト17aとの間にニップ部を形成する加圧ローラ17bと定着ベルト17aの内側に配置され、定着ベルト17aを加熱するハロゲンヒータ17cを有する定着部17によって構成されている。上述した、記録媒体検知手段102は、後述するシート検知センサ61によって構成されている。上述した第1の搬送手段は、後述するシートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cと搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド51によって構成されている。上述した第2の搬送手段は、シートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fと搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド52によって構成されている。
【0102】
上述した、分岐手段105は、後述する経路変更用分岐爪53と電磁モータ63によって構成されている。制御手段101は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータによって構成されている。ROMには、本実施の形態における画像形成装置1の駆動等の全般に関する制御プログラムが記憶されている。このROMに記憶されたプログラムを、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、CPUによって実行するようになっている。
【0103】
上述した、画像形成装置1は、定着手段を通過した記録媒体を第1の搬送手段と第2の搬送手段とで交互に搬送させるよう制御を行ったが、以下に示す例では記録媒体に転写された画像の画像面積率に着目して分岐手段105の制御を行うようにした。
【0104】
画像形成装置1は、画像が形成された記録媒体に画像を定着させる定着手段と、定着手段と記録媒体を排出する排紙口との間に設けられた第1の搬送手段および第2の搬送手段と、定着手段の下流側に設けられ、定着手段を通過した記録媒体を検知する記録媒体検知手段102と、定着手段を通過した記録媒体の搬送方向を第1の搬送手段が形成する搬送経路または第2の搬送手段が形成する搬送経路のいずれかに切り替える分岐手段105と、第1の搬送手段上であって分岐手段105の下流側に設けられ、第1の搬送手段の温度を検知する第1の温度検知手段103と、第2の搬送手段上であって分岐手段105の下流側に設けられ、第2の搬送手段の温度を検知する第2の温度検知手段104と、記録媒体に転写された画像の画像面積率を算出する画像面積率算出手段106を有し、画像面積率の所定期間内の平均値が所定値以上であることを条件に、分岐手段105を通過した記録媒体が第1の搬送手段上に搬送された場合、記録媒体が分岐手段105を通過した後であって次の記録媒体が記録媒体検知手段102に検知されるまでに、記録媒体検知手段102が記録媒体を検知してから所定時間後に記録媒体が搬送される経路を第2の搬送手段が形成する搬送経路に変更するよう分岐手段105を動かし、分岐手段105を通過した記録媒体が第2の搬送手段上に搬送された場合、記録媒体が分岐手段105を通過した後であって次の記録媒体が記録媒体検知手段102に検知されるまでに、記録媒体検知手段102が記録媒体を検知してから所定時間後に記録媒体が搬送される経路を第1の搬送手段が形成する搬送経路に変更するよう分岐手段105を動かす制御手段101を有する。
【0105】
上述した定着手段は、回転可能な無端状の定着ベルト17aと定着ベルト17aに対向して配置され、定着ベルト17aとの間にニップ部を形成する加圧ローラ17bと定着ベルト17aの内側に配置され、定着ベルト17aを加熱するハロゲンヒータ17cを有する定着部17によって構成されている。上述した、記録媒体検知手段102は、後述するシート検知センサ61によって構成されている。上述した第1の搬送手段は、後述するシートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cと搬送ローラ54a、搬送ローラ54b、搬送ローラ54cから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド51によって構成されている。上述した第2の搬送手段は、シートSを挟持して下流側へと搬送する所定の間隔をおいて設けられた搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fと搬送ローラ64a、搬送ローラ64b、搬送ローラ64c、搬送ローラ64d、搬送ローラ64e、搬送ローラ64fから送出されるシートSを機外排出経路へ案内する搬送ガイド52によって構成されている。
【0106】
上述した、分岐手段105は、後述する経路変更用分岐爪53と電磁モータ63によって構成されている。上述した第1の温度検知手段103は、後述する温度検知センサ57によって構成されている。上述した第2の温度検知手段104は、後述する温度検知センサ58によって構成されている。上述した、画像面積率算出手段106は、後述する画像ドットカウンタ62によって構成されている。制御手段101は、CPU、ROM、RAM等を含むマイクロコンピュータによって構成されている。ROMには、本実施の形態における画像形成装置1の駆動等の全般に関する制御プログラムが記憶されている。このROMに記憶されたプログラムを、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、CPUによって実行するようになっている。
【0107】
本発明によれば、機内部品の温度上昇を低減する、および搬送されるシート温度を下げる事で、異常画像の発生を抑制することができ、排紙装置および画像形成装置全般に有用である。
【符号の説明】
【0108】
1 画像形成装置
17 定着部(定着手段)
26 排紙口
50 排紙装置
51、52 搬送ガイド(搬送手段)
51A、52A 搬送経路(搬送手段)
51b、52b 金属ガイド板(搬送手段)
53 経路変更用分岐爪(分岐手段)
54a、54b、54c 搬送ローラ(搬送手段)
55、56 冷却ダクト
57、58 温度検知センサ
59a、59b 冷却ファン
64a、64b、64c、64d、64e、64f 搬送ローラ(搬送手段)
101 制御手段
S シート(記録媒体)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0109】