(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】設備予約システム、設備予約方法、予約管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20220621BHJP
G06Q 10/10 20120101ALI20220621BHJP
【FI】
G06Q10/02 300
G06Q10/10
(21)【出願番号】P 2018182884
(22)【出願日】2018-09-27
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】林 泰宏
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-309297(JP,A)
【文献】特開2008-310533(JP,A)
【文献】特開2012-226672(JP,A)
【文献】特開2002-109444(JP,A)
【文献】特開2018-25972(JP,A)
【文献】特開2011-227847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
設備の予約を受け付ける予約管理装置と、前記予約管理装置に前記設備の予約を設定する端末装置と、を有する設備予約システムであって、
前記設備におけるリソースの使用を制約する制約条件が記憶された制約条件記憶部と、
リソースの使用のために前記設備に要求される要求条件が記憶された要求条件記憶部と、
前記設備と前記リソースの予約を受け付ける予約設定画面を表示装置に表示する表示制御手段と、
前記設備の選択を受け付ける操作受付手段と、
前記操作受付手段が前記設備の選択を受け付けた場合、選択された前記設備の前記制約条件を満たさない前記要求条件を有する前記リソースを、前記予約設定画面で予約の候補から除外するリソース判断手段と、
を有することを特徴とする設備予約システム。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作受付手段が前記設備の選択を受け付ける前と後で、予約の候補から除外された前記リソースの表示態様を変更することを特徴とする請求項1に記載の設備予約システム。
【請求項3】
前記制約条件は、前記設備のサイズ、及び、ネットワーク環境の少なくとも一方に関する条件であることを特徴とする請求項1又は2に記載の設備予約システム。
【請求項4】
前記要求条件は、前記リソースの使用時に要求される前記設備のサイズ、及び、ネットワーク環境の少なくとも一方に関する条件であることを特徴とする請求項3に記載の設備予約システム。
【請求項5】
前記要求条件は、前記リソースを使用するために前記設備が満たすべき条件であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の設備予約システム。
【請求項6】
前記要求条件は、前記リソースを使用するために前記設備が満たすべきでない条件であることを特徴とする請求項5に記載の設備予約システム。
【請求項7】
前記要求条件には前記リソースが満たす制約条件が対応付けられており、
前記リソース判断手段は、前記設備と前記リソースが選択された場合、前記設備の前記制約条件を満たさず、前記リソースに対応付けられた前記制約条件を満たす前記要求条件を有する前記リソースを、前記設備で使用できると判断することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の設備予約システム。
【請求項8】
設備の予約を受け付ける予約管理装置から設備の予約情報を取得する情報処理装置と、前記情報処理装置と通信する端末装置とを有する設備予約システムであって、
前記設備がリソースの使用に関して満たす制約条件が記憶された制約条件記憶部と、
前記設備におけるリソースの使用を制約する制約条件が記憶された制約条件記憶部と、
リソースの使用のために前記設備に要求される要求条件が記憶された要求条件記憶部と、
前記予約情報において選択されている前記設備の前記制約条件を満たさない前記要求条件を有する前記リソースが選択されているか否かを判断するリソース判断手段と、
前記リソース判断手段が前記設備で使用できないリソースが選択されていると判断した場合、前記端末装置に前記設備で使用できないリソースが選択されている旨を通知する通知手段と、
を有することを特徴とする設備予約システム。
【請求項9】
前記端末装置は、
前記設備で使用できないリソースが選択されている旨を受信する受信手段と、
前記設備で使用できないリソースが選択されている旨を画面に表示する表示処理手段と、
前記リソースの予約のキャンセル又は前記設備のキャンセルを受け付ける操作受付手段と、
を有することを特徴とする請求項8に記載の設備予約システム。
【請求項10】
前記通知手段は、チャットシステムを介して前記設備で使用できないリソースが選択されている旨を通知するものであり、
前記情報処理装置を代理するボット及び前記設備の予約者の前記チャットシステムにおけるグループを指定して、前記設備で使用できないリソースが選択されている旨を通知することを特徴とする請求項8又は9に記載の設備予約システム。
【請求項11】
設備の予約を受け付ける予約管理装置と、前記予約管理装置に前記設備の予約を設定する端末装置と、を有する設備予約システムが行う設備予約方法であって、
表示制御手段が、前記設備と前記設備におけるリソースの予約を受け付ける予約設定画面を表示装置に表示するステップと、
操作受付手段が、前記設備の選択を受け付けるステップと、
前記設備におけるリソースの使用を制約する制約条件が記憶された制約条件記憶部、及び、リソースの使用のために前記設備に要求される要求条件が記憶された要求条件記憶部を参照し、
前記操作受付手段が前記設備の選択を受け付けた場合、リソース判断手段が、選択された前記設備の前記制約条件を満たさない前記要求条件を有する前記リソースを、前記予約設定画面で予約の候補から除外するステップと、
を有することを特徴とする設備予約方法。
【請求項12】
端末装置から設備の予約の設定を受け付ける予約管理装置であって、
前記設備におけるリソースの使用を制約する制約条件が記憶された制約条件記憶部と、
リソースの使用のために前記設備に要求される要求条件が記憶された要求条件記憶部と、
前記設備と前記リソースの予約を受け付ける予約設定画面を生成する生成手段と、
前記予約設定画面の画面情報を前記端末装置に送信する送信手段と、
前記端末装置から選択された前記設備に関する情報を受信する受信手段と、
選択された前記設備の前記制約条件を満たさない前記要求条件を有する前記リソースを、前記予約設定画面で予約の候補から除外するリソース判断手段と、
を有することを特徴とする予約管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設備予約システム、設備予約方法、及び、予約管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会議室等の設備予約システムが知られている。会議室等の設備の予約者は端末装置を予約管理サーバと通信させ、端末装置で動作するブラウザで会議室を予約できる。設備の予約時には設備で使用されるリソースも予約することができる場合があり、この場合、予約者は設備で使用したいリソースも端末装置から予約できる。
【0003】
設備やリソースの予約に関して予約者の負担を低減する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、割当対象であるオブジェクトを割当条件に基づいてリソースに割り当てる情報処理装置が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、設備と組み合わせて使用することが困難なリソースが選択されるおそれがあるという問題がある。例えば、比較的狭い会議室とプロジェクタ(リソース)を予約したが、参加者が会議に参加してみると会議室が狭すぎてプロジェクタを使用できないなどの状況を抑制できないおそれがある。あるいは、リソースが必要とするネットワーク環境が会議室で整っていないためリソースを使用できない状況が生じうる。また、リソースの使用上好ましくない機能を会議室が持っている場合もありうる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、設備と組み合わせて使用することが困難なリソースが選択されることを低減できる設備予約システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、設備の予約を受け付ける予約管理装置と、前記予約管理装置に前記設備の予約を設定する端末装置と、を有する設備予約システムであって、前記設備におけるリソースの使用を制約する制約条件が記憶された制約条件記憶部と、リソースの使用のために前記設備に要求される要求条件が記憶された要求条件記憶部と、前記設備と前記リソースの予約を受け付ける予約設定画面を表示装置に表示する表示制御手段と、前記設備の選択を受け付ける操作受付手段と、前記操作受付手段が前記設備の選択を受け付けた場合、選択された前記設備の前記制約条件を満たさない前記要求条件を有する前記リソースを、前記予約設定画面で予約の候補から除外するリソース判断手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
設備と組み合わせて使用することが困難なリソースが選択されることを低減できる設備予約システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】設備予約システムの全体的な動作の概略を説明する図の一例である。
【
図2】会議室の予約時に端末装置が表示するリソースの表示例を示す図である。
【
図3】設備予約システムのシステム構成図の一例である。
【
図4】会議管理サーバの一例のハードウェア構成図である。
【
図5】会議室端末の一例のハードウェア構成図である。
【
図6】予約管理サーバ、チャットサーバ、会議管理サーバ、及び、端末装置の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【
図7】端末装置、及び、会議室端末の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【
図9】端末装置が予約設定画面を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
【
図10】すでに選択されたリソースの制約条件を用いた別のリソースの使用可否の判断方法を説明する図の一例である。
【
図11】設備予約システムの動作の概略を説明する図の一例である(実施例2)。
【
図12】予約管理サーバと会議管理サーバの機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である(実施例2)。
【
図13】会議管理サーバが会議室で使用できないリソースを判断する手順を示すシーケンス図の一例である。
【
図14】端末装置のチャットアプリが予約者の端末装置に表示するメッセージの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、設備予約システムと設備予約システムが行う設備予約方法について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
<設備予約システムの概略>
始めに
図1を用いて設備予約システムの概略を説明する。
図1は設備予約システム100の全体的な動作の概略を説明する図の一例である。
【0011】
A.予約者は自分の端末装置を操作して予約管理サーバ20と通信し、会議室を予約する。予約管理サーバ20は汎用のクラウドサービス(Office365、G Suite(いずれも登録商標)等)であるが、予約者が所属する企業などの組織が有する会議室が登録されている。
【0012】
B.会議管理サーバ30は会議室の予約状態に基づいて設備予約システム100の全体を制御するサーバである。会議管理サーバ30は適宜、予約管理サーバ20と通信して予約情報を取得するので、予約管理サーバ20と予約情報を同期している。
【0013】
C.設備予約システム又は組織側の管理者は会議管理サーバ30に対し、ユーザの登録、及び、各種の設定を行うことができる。ユーザの登録とは、チャットサーバ10(slack、Line、Microsoft Teams(いずれも登録商標)等)を使った各種の通知の対象となるユーザを登録することをいう。また、通知は会議管理サーバ30としてメッセージを送信するボットを介して行われるためチャットサーバが提供するボットも登録される。各種の設定は、会議室端末90の登録、リマインドのタイミングの設定などである。
【0014】
D.会議管理サーバ30は予約情報における会議の開始時刻の一定時間前になると、予約者に会議の開催をリマインドする。これにより、会議室の空予約を抑制する。また、会議管理サーバ30は必要に応じてユーザに招待コードを通知する。会議の予約者はリマインドを受信することで会議室にチェックインするための情報(会議識別情報)を端末装置60に保存する。
【0015】
E.各会議室6には会議室端末90が配置されており、定期的にこの会議室で行う会議の予約情報を会議室端末90がダウンロードしている。会議室端末90は当日や直近の会議の予定などを表示して参加者に予定を確認させることができる。会議の開始時刻の少し前になると会議室の予約者は会議室6に赴いてチェックインする。例えば、会議識別情報を会議室端末90に入力する、又は、端末装置60を会議識別情報にかざす(会議識別情報を読み取らせる、通信させるなど)。
【0016】
F.会議室端末90はチェックイン要求を会議管理サーバ30に送信するので、会議識別情報で認証できれば、チェックインできた旨の応答を会議管理サーバ30から受信する。会議室端末90は会議中(使用中)である旨を表示する。会議の開始時刻に対し決まった時刻までにチェックインが確認できない場合、会議管理サーバ30は会議室6の予約をキャンセルして、予約情報に含まれるステータスとしてキャンセル済みを会議室端末90に送信する。この場合、会議室端末90は空室である旨を表示するので、任意のユーザが会議室6を使用できる。
【0017】
G.会議室端末90は、会議管理サーバ30からの要求により電子機器70を制御する。例えば、会議開始時刻に電源をONし、会議終了時刻に電源をOFFする。こうすることで、会議の参加者による電子機器70の操作時の利便性を向上できる。
【0018】
H.電子機器70が例えばテレビ会議の機能を有する場合、別の拠点4の電子機器(テレビ会議端末70x等)と通信して、他拠点と会議を開催できる。なお、アプリが動作するPC70yも電子機器70と通信できる。予約情報には予め他拠点を示す宛先情報(宛先の通信ID)が含まれており、電子機器70は自動でテレビ会議端末70x及びPC70yと通信できる。
【0019】
I.予約者が会議を終了する際、会議室端末90のボタンを押下してチェックアウトするので、会議室端末90は次の予約状況を表示する。これにより、任意のユーザが会議室の予約状況を把握できる。
【0020】
<会議室で使用することが困難なリソースの表示>
図2を用いて、リソースの予約方法の概略的な特徴を説明する。
図2は、会議室の予約時に端末装置が表示するリソースの表示例を示す図である。端末装置は予約管理サーバと通信して図示するような予約設定画面501を表示させる。予約設定画面501には場所選択欄502とリソース欄503があり、予約者は場所選択欄502でプルダウン表示される会議室を選択でき、リソース欄503でリソースを選択できる。
【0021】
予約者が会議室を選択すると、会議室の大きさなどからこの会議室で使用できるリソースが定まる。端末装置60は予約者が選択した会議室で使用できないリソースを予約の候補から除外して表示する。
図2では使用できないリソース(プロジェクタ)に取消線510が重畳して表示されている。
【0022】
このように、本実施形態の設備予約システムは、会議室とリソースの組み合わせが適切か否かを判断することで、会議室と組み合わせて使用することが困難なリソースが選択されることを抑制できる。
【0023】
<用語について>
リソースとは資源をいう。会議室で使用可能な備品、装置、人(受け付け)、仕組みなどがリソースとなりうる。リソースのうち移動されにくいものを設備という。会議室は設備の一例である。また、会議室もリソースであるが、説明の便宜上、会議室は設備又は会議室と称して説明する。
【0024】
リソースの予約にはリソースの予約後の修正も含まれる。設備の選択には設備の一覧の中から選択を受け付ける他、設備名やIDの入力も含まれる。
【0025】
予約の候補から除外することは、リソースの予約が困難な状態にすることをいう。ただし、了解の上で予約の候補から除外されたリソースを予約者が予約することを許容してもよい。
【0026】
<システム構成例>
図3は、設備予約システム100のシステム構成図の一例である。設備予約システム100は、主に社外ネットワークN2と社内ネットワークN1に分けることができる。社内ネットワークN1はファイアウォール73の内側のネットワークをいい、社外ネットワークN2は不特定多数の通信が伝送されるインターネット等のネットワークである。
【0027】
社外ネットワークN2には、予約管理サーバ20、会議管理サーバ30、及びチャットサーバ10が接続されており、各サーバは必要に応じて通信することができる。社外ネットワークN2に会議の参加者が操作する端末装置60が必要に応じて接続されてよい。
【0028】
予約管理サーバ20は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(予約管理装置の一例)によって実現される。予約管理サーバ20が提供する設備の予約に関するシステムを予約管理システムという。予約管理サーバ20はカレンダーシステムを有しており、各種の予定を管理するWebアプリを提供する。具体的には、例えば以下のような機能を有している。
・予定の登録を受け付け、いつでもどこからでも予約者が確認できる
・予定の30分前など、設定した日時に電子メールで通知する
・一人が複数のカレンダー(仕事用、家庭用など)で予定を管理できる
・同じグループの人とカレンダーを共有する
予約管理サーバ20はユーザをアカウントで管理する。アカウントとはユーザがサービスを利用する権利のことである。多くのシステムではユーザはアカウントを使用してシステムにログインする。このため、アカウントはシステムがユーザを一意に特定する機能(識別情報の機能)を有している。本実施形態では、予め登録しておいたアカウント(ドメイン)の予約情報を予約管理サーバ20が会議管理サーバ30に送信する。あるいは、予約管理サーバ20のアカウントを指定して会議管理サーバ30が予約情報を要求することで、会議管理サーバ30が会議室6の予約情報を予約管理サーバ20から取得できる。なお、アカウントは例えば電子メール、ID、電話番号など、ユーザを一意に識別できる情報であればよい。
【0029】
本実施形態で予定として管理されるのは会議室6の予約であるが、予約管理サーバ20は会議室6に限られず各種の予定を管理できる。会議室6の他、各種の電子機器のレンタル、駐車場の予約など、レンタルオフィス、レンタルスタジオ、レンタカー、レンタサイクル、ホテル等の宿泊施設、催し物会場・ロッカーなどの貸しスペースなど、各種の設備の予約に利用できる。
【0030】
なお、予約管理システムとしては、G Suite(登録商標)、Office365(登録商標)等が知られているが、本実施形態で説明する機能を有する予約管理サーバ20であればよい。
【0031】
また、本実施形態では、社内ネットワークN1の会議室6に関する情報が予約管理サーバ20に予め登録されている。すなわち、設備予約システム100を利用する企業の社内ネットワークにある各会議室6の会議室名、会議室ID、予約可能時間、各会議室6の定員、及び、予約単位等に応じて予約管理サーバ20のWebアプリがカスタマイズされている。したがって、設備予約システム100を利用する企業の会議室6と予約情報が結びつけられる。
【0032】
チャットサーバ10は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。チャットサーバ10が提供する複数のユーザにおけるテキスト、音声、映像などの情報のリアルタイムな共有システムをチャットシステムという。チャットサーバ10は端末装置60に会議室6の予約に関する情報(予約した日時や会議室名など)を通知する。
【0033】
共有される情報には画像や音声等もありテキストに限られないが、本実施形態では説明の便宜上、通知には主にテキストが用いられるとして説明している。例えば、チャットシステムは、グループ間の音声通話機能を提供してよい。音声通話は1対1でも1対N(≧2)でもよい。したがって、本実施形態でチャットシステムが会議室6の予約に関する情報を通知する際は、テキストの表示の他、音声メッセージの出力でもよい。なお、チャットシステムとしてはLINE(登録商標)、Slack(登録商標)、Microsoft Teams(登録商標)等が知られているが、ボット(事前に決められている処理を実行するプログラム)から1又は複数のユーザに対して通知が可能なチャットシステムであればよい。
【0034】
チャットサーバ10も同様にアカウント(予約管理サーバ20のアカウントとは異なる)でユーザを管理するが、原則的に会議管理サーバ30はチャットサーバ10のアカウントを意識する必要はない。しかし、会議管理サーバ30はチャットサーバ10の任意のアカウントを指定して通知することができる。
【0035】
会議管理サーバ30は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。会議管理サーバ30は社外ネットワークN2に関する処理として、予約管理サーバ20から会議室6の予約情報を取得し、予約情報に設定されている参加予定者を取得し、設定されているタイミングで参加予定者と対応付けられたチャットサーバ10のグループ(又は予約者など個別の者)に通知を送信する。また、社内ネットワークN1に関する処理として、会議室6へのチェックイン及びチェックアウトを管理したり、予約管理サーバ20から取得した会議室6の予約情報に基づいて電子機器70の電源等を制御したりする。
【0036】
社内には会議室6や参加予定者の現在地5などがあり、参加予定者は各地から社内ネットワークN1を介して社外ネットワークN2にアクセスできる。社内ネットワークN1は例えばLAN(Local Area Network)である。
【0037】
会議室6には社内ネットワークN1に接続されたアクセスポイント72が配置されている。会議室端末90、及び電子機器70はアクセスポイント72を介して社内ネットワークN1に接続する。会議室端末90、及び電子機器70はアクセスポイント72を介して必要に応じて通信することができる。
【0038】
アクセスポイント72は、会議室端末90と電子機器70が無線LANで通信するための基地局である。アクセスポイント72がルータの機能を有していてもよく、アクセスポイント72は通信の宛先IPアドレスに基づいて宛先が社外ネットワークN2か社内ネットワークN1かを判断して通信の転送先を切り替える。なお、社内ネットワークN1はファイアウォール73の内側にあるため、社外ネットワークN2から社内ネットワークN1への直接の通信は困難になっている。
【0039】
会議室端末90は、会議室6を利用する参加者が操作する情報処理装置(設備端末)である。会議室端末90は会議室6の机の上に配置されていたり、会議室6の入り口に配置されたりしている。1つの会議室6に会議室端末90が複数、配置されていてもよい。会議室端末90は、一般的なOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。
【0040】
会議室端末90は会議管理サーバ30に会議室IDを送信し、当日の会議室6の会議管理情報などを表示する。また、電子機器70の電源ON、OFF等の制御情報を会議管理サーバ30から取得する。これにより、会議室端末90は電子機器70の電源をON及びOFFする。
【0041】
また、会議室端末90はチェックイン、チェックアウトなどのための待ち受け画面を表示し、チェックイン又はチェックアウトを会議管理サーバ30に知らせるために会議管理サーバ30と通信する。チェックインの際、会議室端末90は予約者から入力された会議識別情報と予め保持する会議室IDを会議管理サーバ30に送信するので、会議管理サーバ30は会議識別情報と会議室IDにより、会議室6を予約した予約者が予約した会議室6を使用することを確認できる。
【0042】
電子機器70は会議室6で使用され得る各種のオフィス機器である。例えば、遠隔会議システム、電子黒板(ホワイトボード)、複合機、プロジェクタ、デジタルサイネージ、デジタルカメラ等である。電子機器70は本実施形態のリソースに相当する。設備予約システム上は会議室もリソースに相当するが、本実施形態では説明の便宜上、会議室に配置される備品などをリソースと称している。
【0043】
電子黒板とは、タッチパネル付大型ディスプレイを有しユーザが指示した盤面の座標を検出し座標を接続してストロークを表示する。この他、接続されたPCの映像を表示したり、他拠点の電子黒板と通信してストロークを同期したりすることができる。なお、電子黒板は、電子情報ボード、電子ホワイトボードと呼ばれる場合もある。
【0044】
複合機は、コピー機、スキャナ、プリンタ、ファクス送受信などの機能を有し、会議中の資料の印刷や資料のコピー、資料の電子化、資料の送信などに利用される。プロジェクタは画像を投影する装置である。例えば、端末装置60がディスプレイに表示する映像をスクリーン等に投影することで参加者の間で共有することを可能にする。デジタルサイネージは大型のディスプレイであり任意の静止画又は動画を表示するために使用される。デジタルカメラは紙の資料や電子黒板に表示された資料を各参加者が撮像して保存するために使用される。
【0045】
参加予定者の現在地5にはアクセスポイント71があり、端末装置60はこのアクセスポイント71を介して社内ネットワークN1に接続する。端末装置60は有線で通信してもよい。
【0046】
端末装置60は、一般的なOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。端末装置60は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC(サングラス型、腕時計型など)などである。ただし、通信機能を有しブラウザソフトウェア、又は、チャットサーバ10若しくは予約管理サーバ20に専用のアプリケーションソフトウェアが動作すればよい。例えば、カーナビ、ゲーム機、テレビ受像器なども端末装置60となりうる。
【0047】
端末装置60ではチャットサーバ10に専用のアプリケーションソフトウェア(以下、チャットアプリという)が動作し、更に、設備予約システム100に専用のアプリケーションソフトウェア(以下、会議アプリという)が動作する。ただし、これらはブラウザソフトウェアで代用されてよい。
【0048】
<ハードウェア構成>
<<会議管理サーバのハードウェア構成>>
図4は、会議管理サーバ30のハードウェア構成図の一例である。会議管理サーバ30の概略的なハードウェア構成図の一例である。会議管理サーバ30は、CPU201と、CPU201が使用するデータの高速アクセスを可能とするメモリ202とを備える。CPU201及びメモリ202は、システム・バス203を介して、会議管理サーバ30の他のデバイス又はドライバ、例えば、グラフィクス・ドライバ204及びネットワーク・ドライバ(NIC)205へと接続されている。
【0049】
グラフィクス・ドライバ204は、バスを介してLCD(表示装置、ディスプレイの一例)206に接続されて、CPU201による処理結果をモニタする。また、ネットワーク・ドライバ205は、トランスポート層レベル及び物理層レベルで会議管理サーバ30を社外ネットワークN2へと接続して、他の機器とのセッションを確立させている。
【0050】
システム・バス203には、更にI/Oバス・ブリッジ207が接続されている。I/Oバス・ブリッジ207の下流側には、PCIなどのI/Oバス208を介して、IDE、ATA、ATAP80I、シリアルATA、SCSI、USBなどにより、HDD(ハードディスクドライブ)209などの記憶装置が接続されている。HDD209は会議管理サーバ30の全体を制御するプログラム209pを記憶している。HDD209はSSD(Solid State Drive)でもよい。プログラム209pは記憶媒体に記憶された状態で配布されてもよいし、プログラム配信用のサーバから配信されてもよい。
【0051】
また、I/Oバス208には、USBなどのバスを介して、キーボード及びマウス(ポインティング・デバイスと呼ばれる)などの入力装置210が接続され、システム管理者などのオペレータによる入力及び指令を受け付けている。
【0052】
なお、図示した会議管理サーバ30のハードウェア構成は、会議管理サーバ30が備えていることが好ましいハード的な要素を示す。
【0053】
予約管理サーバ20、チャットサーバ10、及び、端末装置60のハードウェア構成図は、会議管理サーバ30と同様であるか、又は、異なるとしても本実施形態の設備予約システム100の説明の上で支障はないものとする。また、会議管理サーバ30、予約管理サーバ20、及び、チャットサーバ10はクラウドコンピューティングに対応するため、これらのハードウェア構成は負荷に応じてハード的なリソースが動的に接続・切断されることで構成されてよい。なお、クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。
【0054】
<<会議室端末>>
図5は会議室端末90の一例のハードウェア構成図である。なお、
図5の会議室端末90はタブレット装置が想定されている。会議室端末90は、CPU601、ROM602、RAM603、EEPROM604、CMOSセンサ605、加速度・方位センサ606、メディアドライブ608を備えている。
【0055】
CPU601は会議室端末90の全体の動作を制御する。ROM602は基本入出力プログラムを記憶している。RAM603はCPU601のワークエリアとして使用される。EEPROM604はCPU601の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う。CMOSセンサ605は、CPU601の制御にしたがって被写体を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ606は地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等である。
【0056】
メディアドライブ608は、フラッシュメモリ等のメディア607に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。メディアドライブ608は、既に記録されていたデータが読み出され又は新たにデータが書き込まれて記憶するメディア607を着脱自在な構成となっている。
【0057】
なお、EEPROM604には、CPU601が実行するプログラム604pが記憶されている。プログラム604pは実施形態における各種処理を実行するためのアプリケーションソフトウェアやOS等である。プログラム604pはメディア607などに記憶された状態で配布されてもよいし、プログラム配信用のサーバから配信されてもよい。
【0058】
また、CMOSセンサ605は光を電荷に変換して被写体の画像を電子化する電荷結合素子である。CMOSセンサ605は被写体を撮像することができるのであれば、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサであってもよい。CMOSセンサ605はバーコードや二次元バーコードを読み取ることができる。
【0059】
更に、会議室端末90は、RFタグリーダ/ライタ622、アンテナI/F623、及び、振動アクチュエータ624を備える。RFタグリーダ/ライタ622は例えばNFC(Near Field Communication)などの規格にしたがって通信する。
【0060】
振動アクチュエータ624は、会議室端末90を振動させるモータである。例えば、会議の終了時刻が迫ると会議室端末90が振動することで参加者にその旨を知らせることができる。
【0061】
更に、会議室端末90は音声入力部609、音声出力部610、アンテナ611、通信部612、無線LAN通信部613、近距離無線通信用アンテナ614、近距離無線通信部615、ディスプレイ616、タッチパネル617及びバスライン619を備える。
【0062】
音声入力部609は音声を音声信号に変換する。音声出力部610は音声信号を音声に変換する。通信部612はアンテナ611を利用して無線通信信号により最寄りの基地局装置と通信を行う。無線LAN通信部613はIEEE802.11規格に準拠する無線LAN通信を行う。
【0063】
近距離無線通信部615は近距離無線通信用アンテナ614を利用して例えばBluetooth(登録商標)、又は、Bluetooth Low Energy(登録商標)の通信規格にしたがった通信装置である。
【0064】
ディスプレイ616は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL等である。タッチパネル617は、ディスプレイ616上に載せられ、感圧式又は静電式のパネルによって構成され、指やタッチペン等によるタッチによってディスプレイ616上におけるタッチ位置を検出する。バスライン619は上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0065】
また、会議室端末90は専用の電池618を備え、電池618又は商用電源のいずれによっても駆動され得る。なお、音声入力部609は音声を入力するマイクが含まれる。音声出力部610は音声を出力するスピーカが含まれている。
【0066】
<機能について>
図6は、予約管理サーバ20、チャットサーバ10、及び、会議管理サーバ30の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0067】
<<予約管理サーバ>>
予約管理サーバ20は、通信部21、予約画面生成部22、予約部23、及び、予約内容判断部24、を有する。予約管理サーバ20が有するこれら各機能部は、
図4に示された各構成要素のいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
【0068】
通信部21は、会議管理サーバ30及び端末装置60と各種の情報を送受信する。通信部21は送信部21aと受信部21bを有する。送信部21aは予約設定画面の画面情報を端末装置60に送信する。受信部21bは端末装置60から予約の設定を受信する。また、予約情報を会議管理サーバ30に送信する。通信部21は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0069】
予約画面生成部22は、予約設定画面501の画面情報を生成し、通信部21を介して端末装置60に送信する。画面情報は、HTML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により作成される。JavaScript(登録商標)によりブラウザ上で動作するWebアプリの一画面として予約設定画面501が提供される。
【0070】
予約画面生成部22に対し予約者が設定した予約情報は通信部21を介して予約部23に送出される。予約部23は、予約情報を予約内容判断部24に送出して、会議室とリソースの組み合わせに不整合がないかどうかを判断させる。予約内容判断部24は、制約条件DB292と要求条件DB293を参照して、会議との組み合わせで使用できないリソースを予約部23に通知する。
【0071】
予約部23は使用できないと判断されたリソースを予約画面生成部22に通知するので、予約画面生成部22は通知されたリソースが予約の候補から除外された予約設定画面501を生成する。このような予約設定画面501から予約された会議室とリソースの予約情報を予約部23は予約情報DB291に登録する。
【0072】
予約管理サーバ20は記憶部29を有している。記憶部29は
図4のメモリ202及びHDD209等により実現される。記憶部29には予約情報DB291(Data Base)、制約条件DB292、及び、要求条件DB293が記憶されている。
【0073】
【表1】
表1は予約情報DB291に記憶されている予約情報の一例を示す。予約情報は会議室の予約状況を管理するための情報である。予約情報には、予約IDに対応付けて予約者アカウント、会議名、会議室ID、開始時刻、終了時刻、参加予定者アカウント、及び、リソースの各項目が登録されている。予約IDは予約情報の1レコードを識別する識別情報である。IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。予約ID以外のIDについても同様である。予約者アカウントは会議室を予約した参加予定者のアカウントである。会議名は参加予定者が任意に付与した会議の名称である。会議室IDは社内ネットワークにある会議室を識別する識別情報である。開始時刻は会議室が予約された時間帯の始期(会議が開始される時刻)であり、終了時刻は会議室が予約された時間帯の終期(会議が終わる時刻)である。参加予定者アカウントは会議に参加する予定の参加予定者のアカウントである。なお、表1のアカウントはいずれも予約管理サーバ20が発行したアカウントである。リソースの項目には会議室で使用することが予約されたリソースが登録される。このリソースは会議室で使用することが可能であると判断されたリソースである。
【0074】
【表2】
表2は制約条件DB292に記憶されている制約条件の一例を示す。制約条件DB292には会議室がリソースの使用を制約する1つ以上の制約条件が登録されている。表2では、会議室のサイズとその会議室で使用可能なネットワーク環境が登録されている。会議室のサイズとネットワーク環境の少なくとも一方が登録されていればよい。ただし、会議室のサイズとネットワーク環境は一例に過ぎない。
【0075】
予約管理サーバ20の予約内容判断部24は会議室のサイズから会議室で使用可能なリソースを決定できる。また、ネットワーク環境はリソースが接続できるネットワークを示す。「Corporate-LAN」は社員が接続する社内LANを意味しており、「Guest-LAN」は社員でなくゲストが接続できるLANを意味している。予約管理サーバ20の予約内容判断部24はリソースが接続できるネットワークがあるか否かにより会議室で使用可能なリソースを決定できる。
【0076】
【表3】
表3は要求条件DB293に記憶されている要求条件の一例を示す。要求条件DB293には、リソースの会議室での使用時に会議室に要求される要求条件が登録されている。リソースは会議室で使用できる資源や備品、などである。表3では一例として、遠隔会議システム、ホワイトボード(電子黒板に相当)、及び、プロジェクタなどが示されている。この他、上記した電子機器70はリソースである。
【0077】
要求条件の一例として各リソースにサイズとネットワーク環境が登録されている。リソースが要求するサイズとネットワーク環境は一例であるが、サイズとネットワーク環境の少なくとも一方が登録されていればよい。なお、具体的な要求条件がない項目に関しては具体的な値が登録されていなくてもよい。表3の例では、遠隔会議システムは「Corporate-LAN」というネットワークに接続できる会議室を要求条件とし、ホワイトボードとプロジェクタは一定以上の会議室のサイズを要求条件としている。なお、サイズは3辺の長さの全てで要求情報を満たす必要があると判断されるが、1辺が満たせばよいと判断してもよい。
【0078】
予約者が予約設定画面501で会議室を選択した時点で、この会議室の制約条件が確定するため、予約画面生成部22は予約設定画面501のリソース欄503から制約条件を満たさない要求条件を有するリソースを、選択の候補から除外する。表3において、予約者が「5階 会議室A」の会議室を選択した場合、会議室のサイズより大きいサイズを要求条件としているプロジェクタは予約の候補から除外される。また、予約者が「6階 応接室B」の会議室を選択した場合は、「Corporate-LAN」への接続を要求条件としている遠隔会議システムは、予約の候補から除外される。
【0079】
【表4】
また、表4に示すように、要求条件が、会議室が満たすべきでない条件を要求してもよい。表4は会議室が有さないことを要求する要求条件の一例を示す。この要求条件は、リソースが使用できない会議室の条件を示す。選択された会議室の制約条件がリソースの要求条件を含む場合、予約内容判断部24はそのリソースを会議室で使用できないと判断する。例えば、表4の例では、遠隔会議システムの要求条件でネットワーク種類が「Guest-LANが使えないこと」となっているので、「5階 会議室A」が選択された場合、遠隔会議システムは使用できないと判断される。なお、リソースが使用できない会議室の条件を非適合条件と称してもよい。
【0080】
表4は表3と別に示されているが、表3の要求条件と表4の要求条件が1つのリソースに混在してもよい。つまり、会議室が満たすべき条件と満たすべきでない条件の両方を1つのリソースの要求条件とすることができる。これにより、細やかな使用可否判断ができる。
【0081】
<<チャットサーバ>>
チャットサーバ10は、通信部11、及び、テキスト処理部12を有する。チャットサーバ10が有するこれら各機能部は、
図4に示された各構成要素のいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
【0082】
通信部11は、会議管理サーバ30と各種の情報を送受信する。本実施形態では会議管理サーバ30から会議室の予約に関する情報、ボットを識別する情報(後述するトークンなど)、及び、通知先のグループを特定する情報を受信する。このボットを識別する情報は、会議管理サーバ30のボットを作成した際に予めチャットサーバ10からボットの識別情報として通知されている。更に、予約者などの個人のアカウントが指定される場合もある。また、通信部11は参加予定者が会議室の予約に関する情報を既読した旨、又は、表示された会議室の予約に関する情報に対する参加予定者の応答を会議管理サーバ30に送信する。通信部11は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0083】
テキスト処理部12は、会議管理サーバ30から通知されたボットを識別する情報及び通知先のグループを特定する情報に基づき、ボットが発言する情報として、グループに属する参加予定者に会議室6の予約に関する情報を送信する。会議管理サーバ30から更に通知先のアカウントが指定された場合は、グループに属する参加予定者の一人に会議室6の予約に関する情報を送信する。したがって、通知は参加予定者の数だけ行われる場合と、予約者などの任意のユーザのみに行われる場合がある。
【0084】
テキスト処理部12はいわゆるプッシュ通知を行うことができる。仕組みとしては、例えば以下のようなものがある。チャットアプリ60a(後述する)はプッシュ通知用のID(トークン)を、OS(Operating System)のメーカが運営するサーバから受け取る。このサーバではトークンとデバイス(端末装置60)を紐付けておく。チャットアプリ60aはトークンとチャットアプリ60aのアカウントをチャットサーバ10に登録しておく。チャットサーバ10がプッシュ通知を行う場合、チャットアプリ60aのアカウントを特定するので紐付いたトークンを特定できる。チャットシステムはトークンを指定して通知内容をOSのメーカが運営するサーバに送信する。このサーバはトークンに紐付いたデバイス(端末装置60)に対しプッシュ通知する。
【0085】
また、チャットサーバ10は記憶部19を有している。記憶部19は
図4のメモリ202及びHDD209等により実現される。記憶部19にはグループ情報DB191が記憶されている。
【0086】
【表5】
表5はグループ情報DB191に記憶されているグループ情報の一例を示す。グループ情報は同じグループに属するメンバのアカウントが登録された情報である。グループ情報には、ワークスペースとチャンネルに対応付けて、メンバアカウント1~n(表5ではn=4)、及び、ボットアカウントが登録されている。
【0087】
ワークスペースは企業や部署などの組織を識別するための識別情報である。本実施形態では複数のメンバがワークスペース(例えばA社)に所属している。ワークスペースは例えばURLであるが、一意性があればよい。更にワークスペースはチャットの目的等に応じた複数のチャンネルを有する。チャンネルは例えば、製品A用のグループ、製品B用のグループ等、共通する情報が交換されるメンバの集まりである。チャンネルにはワークスペースに所属するメンバのうちいずれかのメンバが所属している。つまり、通知先はワークスペースとチャンネルによって特定される。ただし、通知先の特定方法はチャットシステムによって異なるため、グループを一意に特定できる識別情報が存在すれば、その情報のみでも良いし、3つ以上の情報によって特定されてもよい。
【0088】
チャンネルは一意性が保証されている。メンバアカウント1~nはチャンネルのメンバのアカウントであり、このアカウントはチャットサーバ10により発行されたものである。本実施形態では、会議室6の予約に関する情報を通知するためのメンバとしてボットが登録される。ボットはいわば会議管理サーバ30の代理人又は架空のメンバということができる。ボットの発言(テキスト)がメンバアカウント1~nの端末装置60に送信される。
【0089】
ワークスペースとチャンネルは、会議管理サーバ30によって管理され、参加者が属するグループを識別するための情報になる。
【0090】
<<会議管理サーバ>>
会議管理サーバ30は、通信部31、情報対応付部32、予約情報取得部33、通知判断部34、制御情報生成部35、制御情報応答部36、会議情報通知部37、及び、チェックイン管理部38を有する。会議管理サーバ30が有するこれら各機能部は、
図4に示された各構成要素のいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム209pは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0091】
通信部31は、予約管理サーバ20、チャットサーバ10、及び、端末装置60と各種の情報を送受信する。通信部31は送信部31aと受信部31bを有している。受信部31bは予約管理サーバ20から予約情報を受信し、会議室端末90から予約情報の要求を受信する。また、受信部31bは会議室端末90からチェックイン要求を受信する。また、受信部31bは管理者が操作する任意の端末からチャットシステムのグループとアカウントの対応付けを受け付ける。送信部31aはチャットサーバ10に会議室の予約に関する情報を送信し、会議室端末90に予約情報を送信する。通信部31は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0092】
情報対応付部32は、主に事前の登録作業に関する処理を行う。すなわち、管理者が操作する端末等からドメインの登録を受けつけ顧客ドメインDB495に登録し、端末等から送信されたチャットシステムのグループと予約管理サーバ20のアカウントを対応付けて対応付情報DB491に登録する。情報対応付部32は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0093】
予約情報取得部33は、設備予約システム100を利用する顧客のアカウントを指定して予約管理サーバ20から予約情報を取得して会議管理情報として会議管理情報DB493に登録する。あるいは変更があった予約情報を受信する。したがって、予約管理サーバ20の予約情報の少なくとも一部の予約情報が会議管理情報DB493に記憶される。予約情報取得部33は、予約管理サーバ20が保持する予約情報のうち現在から所定期間未来の予約情報を取得する。所定期間はどのくらい先の会議まで会議室6の予約に関する情報を通知するかによって定まる。予約情報取得部33は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0094】
通知判断部34は、予約情報の中に通知する条件を満たす開始時刻の予約があるか否かを判断する。例えば、通知設定DB496を参照し、予約の開始時刻から逆算して設定された日時になると通知すると判断する。なお、例えばリマインダー用のボット、予約受付用のボット等、役割ごとにボットが分けられている場合、処理に応じてボットを特定する。通知判断部34は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0095】
会議情報通知部37は、通知判断部34が通知すると判断すると、ボットを識別する情報及び通知先のグループを特定する情報を指定して会議室の予約に関する情報を通知することをチャットサーバ10に要求する。なお、通知は何回に分けて行われるが、そのうちの少なくとも1回の通知に会議識別情報を含める。会議識別情報は、予約された会議室を予約した時間帯に参加者が使用する権利を有することを会議管理サーバ30が確認するための情報である。会議情報通知部37は、少なくとも最終的な通知の前に会議識別情報を生成する。なお、会議識別情報は会議識別情報DB494に登録される。会議情報通知部37は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0096】
制御情報生成部35は、予約情報を参照して電子機器70の制御情報を生成し、制御情報を制御情報DB497に登録する。例えば、会議の開始時刻の数分前になると電子機器70の電源をONする制御情報を生成し、チェックアウトを検出すると電子機器70の電源をOFFする制御情報を生成する。制御情報は制御情報DB497に記憶される。制御情報生成部35は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0097】
制御情報応答部36は、会議室の会議室端末90から制御情報があるかどうかの問い合わせを受け付け、制御情報DB497を参照し、会議室に対応する制御情報を会議室端末90に送信する。制御情報応答部36は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0098】
チェックイン管理部38は、会議室へのチェックイン・チェックアウトを管理する。また、主にチェックイン・チェックアウトに伴う会議のステータスを会議管理情報DB493に登録する。チェックインは、予約IDで特定される会議の開始時刻の5~10分前になると認められる。そして、会議室端末90が送信する会議室IDと会議識別情報の組が会議識別情報DB494に登録されている場合にチェックインを許可する。チェックイン管理部38は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0099】
また、会議管理サーバ30は記憶部49を有している。記憶部49は
図4のメモリ202及びHDD209等により実現される。記憶部49には、対応付情報DB491、会議管理情報DB493、会議識別情報DB494、顧客ドメインDB495、通知設定DB496、及び、制御情報DB497が記憶されている。
【0100】
【表6】
表6は対応付情報DB491に記憶されている対応付情報の一例を示す。対応付情報は予約管理システムのアカウントとチャットシステムのグループを対応付ける情報である。対応付情報は、ワークスペース、チャンネル及びメンバアカウント1~n(図ではn=4)の各項目を有する。ワークスペースとチャンネルは上記のとおりである。メンバアカウント1~nには予約管理サーバ20が発行した各参加者のアカウントが登録される。また、表6に示すようにチャットシステムのアカウントが登録されてよい。グループに対して通知を行うためには予約管理サーバ20に対して会議を予約したユーザの予約管理サーバ20のアカウントと通知先のグループ及びチャンネルを特定するための情報(本実施形態ではワークスペースとチャンネル名)があればよく、必ずしもグループに所属するすべてのメンバのアカウントが登録されている必要はない。ただし、個人ユーザ宛に通知する場合、それぞれのチャットシステムのアカウント情報が必要なため、表6のように登録されていてもよい。
【0101】
【表7】
表7は会議識別情報DB494に記憶されている会議識別情報管理情報の一例を示す。会議識別情報管理情報は会議室6の予約ごとに会議識別情報を管理する情報である。会議識別情報管理情報は、予約ID、会議室ID、及び、会議識別情報の各項目を有する。これらについてはステータスを除き予約情報と同じであり(予約管理サーバ20から受信した予約情報)、既出であるため説明は省略する。なお、予約IDが登録されているのは、同じ会議室6の予約を識別するためである。ステータスは、予約の状況を意味する。例えば、会議室の予約に関する情報の通知済み、利用確定、チェックイン済み、チェックアウト、又は、キャンセル(取り消し)等の状況が登録される。
【0102】
【表8】
表8は会議識別情報DB494に記憶されている会議識別情報管理情報の一例を示す。会議識別情報管理情報は会議室の予約ごとに会議識別情報を管理する情報である。会議識別情報管理情報は、予約ID、会議室ID、及び、会議識別情報の各項目を有する。これらについては既出であるため説明は省略する。なお、予約IDが登録されているのは、同じ会議室の予約を識別するためである。
【0103】
【表9】
表9は顧客ドメインDB495に記憶されている顧客ドメイン情報の一例を示す。顧客ドメイン情報は顧客のドメインと顧客の管理者のアカウントを管理する情報である。顧客ドメイン情報には顧客のドメイン名と顧客の管理者アカウントが対応付けて登録されている。表9の顧客のドメインは予約管理サーバ20が発行したアカウント(メールアドレス)のドメインである。また、管理者アカウントは、顧客の管理者(代表する)のアカウントである。なお、表9のアカウントは予約管理サーバ20が発行したものである。
【0104】
【表10】
表10は通知設定DB496に記憶されている通知設定情報の一例を示す。通知設定情報は顧客ごとに通知に関する設定を保持する。通知設定情報には、顧客ドメイン名と通知設定が対応付けて登録されている。通知設定には、会議の開始時刻のどのくらい前に、会議室の予約に関する情報を通知するかのタイミングが設定されている。あるいは決まった日時が設定されていてもよい。また、タイミングは1つである必要はなく、1つの顧客に複数回の通知設定が登録されていてもよい。
【0105】
【表11】
表11は制御情報DB497に記憶されている制御情報の一例を示す。制御情報は会議室の電子機器70を制御するための情報である。制御情報は、会議室ID、及び、制御内容の各項目を有する。制御内容は、電子機器70の具体的な制御方法である。会議管理サーバ30は電子機器70ごとに詳細な制御内容を設定できる。また、制御する時刻が登録されないのは、社外ネットワークの会議管理サーバ30から会議室端末90に送信することが困難であり、会議室端末90が会議管理サーバ30にアクセスし、この時、制御情報が生成されていれば制御内容を送信するからである。
【0106】
<<端末装置>>
図7は、端末装置60、及び、会議室端末90の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0107】
端末装置60は、通信部61a、操作受付部61b、表示制御部61c、チャット通信部62、テキスト表示部63、アプリ通信部64、サーバ通信部65、表示制御部66、アプリ通信部67、及び、端末通信部68を有する。端末装置60が有するこれら各機能部は、
図4に示された各構成要素のいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム209pは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。端末装置60ではチャットアプリ60aと会議アプリ60bが動作しているので、プログラム209pにはチャットアプリ60aと会議アプリ60bが含まれる。
【0108】
通信部61aは、会議管理サーバ30と各種の情報を送受信する。通信部61aは、
図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0109】
操作受付部61bは、端末装置60に対する参加者等の各種の操作を受け付ける。操作受付部61bは、
図4のCPU201がプログラム209pを実行し入力装置210を制御すること等により実現される。
【0110】
表示制御部61cは予約管理サーバ20から受信した予約設定画面501の画面情報を解釈してLCD206に表示する。操作受付部61bと表示制御部61cは例えばブラウザの機能を有し、Webアプリを実行して予約者が設定する予約情報を受け付ける。
【0111】
チャットアプリ60aのチャット通信部62は、チャットサーバ10と各種の情報の送受信を行う。本実施形態ではチャットサーバ10から会議室の予約に関する情報を受信し、チャットサーバ10に会議室が利用されるかキャンセルされるかを通知する。チャット通信部62は、
図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0112】
チャットアプリ60aのテキスト表示部63は、チャットサーバ10から送信されたテキスト(会議室の予約に関する情報)を表示する。例えば、発言元はボットでありボットが入力したかのようにテキストを表示する。テキスト表示部63は、
図4のCPU201がチャットアプリ60aを実行すること等により実現される。
【0113】
チャットアプリ60aのアプリ通信部64は、会議アプリ60bを呼び出すと共に会議識別情報を会議アプリ60bに送信する。チャットサーバ10は、会議室の予約に関する情報を通知する際、会議アプリ60bを識別する情報を端末装置60に送信しているので、チャットアプリ60aはOSに対し会議アプリ60bを指定し会議識別情報の通知を依頼する。OSは会議アプリ60bを起動することができる。アプリ通信部64は、
図4のCPU201がチャットアプリ60aを実行すること等により実現される。
【0114】
会議アプリ60bのサーバ通信部65は、会議管理サーバ30と通信する。本実施形態では、会議識別情報を含む2次元コードを会議管理サーバ30から取得する。サーバ通信部65は
図4のCPU201が会議アプリ60bを実行すること等により実現される。
【0115】
会議アプリ60bの表示制御部66は、会議管理サーバ30から通知された上記の2次元コード等をLCD206に表示する。表示制御部66は、
図4のCPU201が会議アプリ60bを実行しグラフィクス・ドライバを制御すること等により実現される。
【0116】
会議アプリ60bのアプリ通信部67は、OSを介して、チャットアプリ60aから各種の情報(会議室の予約に関する情報に含まれる会議識別情報等)を取得する。アプリ通信部67は、
図4のCPU201が会議アプリ60bを実行すること等により実現される。
【0117】
端末通信部68は、会議室端末90と通信し会議識別情報等を送信する。端末通信部68は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信で会議室端末90の存在を検出し、会議室端末90を検出すると会議識別情報を送信する。また、会議室端末90に対し2次元コードを表示する機能を提供する。端末通信部68は、
図4のCPU201が会議アプリ60bを実行すること等により実現される。
【0118】
<<会議室端末>>
会議室端末90はサーバ通信部91、端末装置通信部92、操作受付部93、表示制御部94、及び、電子機器通信部95を有する。会議室端末90が有するこれら各機能部は、
図5に示された各構成要素のいずれかが、EEPROM604からRAM603に展開されたプログラム604pに従ったCPU601からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム604pは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0119】
本実施形態のサーバ通信部91は、予約情報に変更があれば定期的に予約情報を受信する。また、チェックイン時に、端末装置通信部92が端末装置60から受信した会議識別情報又は手で入力された会議識別情報を会議管理サーバ30に送信する。また、サーバ通信部91は会議管理サーバ30から制御情報を受信する。
【0120】
定期的に予約情報を受信するタイミングは数秒~数分ごとの周期である。周期が短い方が早期に予約情報を更新できるが、通信負荷も高くなるため、両者を考量して決定される。サーバ通信部91は少なくとも当日の会議室6の会議管理情報(予約情報)等を受信できる。サーバ通信部91は、
図5のCPU601がプログラム604pを実行し無線LAN通信部613を制御すること等により実現される。
【0121】
端末装置通信部92は端末装置60と通信する。本実施形態では会議識別情報等を受信する。端末装置通信部92は、
図5のCPU601がプログラム604pを実行し近距離無線通信部615又はRFタグリーダ/ライタ622を制御すること等により実現される。
【0122】
電子機器通信部95は、電子機器70と通信する。本実施形態ではサーバ通信部91が受信した制御情報を電子機器70に送信する。電子機器通信部95は、
図5のCPU601がプログラム604pを実行し無線LAN通信部613を制御すること等により実現される。
【0123】
表示制御部94はディスプレイ616に端末アプリ90aが生成する画面を表示する。この画面にはチェックイン、チェックアウトなどのメニューが表示される。表示制御部94は、
図5のCPU601がプログラム604pを実行しディスプレイ616を制御すること等により実現される。
【0124】
操作受付部93は会議室端末90に対する各種の操作を受け付ける。操作受付部93は
図5のCPU601がプログラム604pを実行しタッチパネル617を制御すること等により実現される。
【0125】
また、会議室端末90は記憶部99を有している。記憶部99は
図5のROM602及びEEPROM604等により実現される。記憶部99には会議室ID、及び電子機器70のIPアドレスが記憶されている。
【0126】
<予約設定画面>
図8は、予約設定画面501の一例を示す図である。
図8(a)は会議室の選択前の状態を示し、
図8(b)は会議室の選択後の状態を示す。予約設定画面501は、会議名入力欄504、場所選択欄502、開始日時欄505、終了日時欄506、及び、リソース欄503を有している。会議名入力欄504には予約者が任意に会議名(議題など)を入力できる。場所選択欄502はプルダウン式に1つ以上の会議室名を表示する。予約者は所望の会議室名を選択できる。開始日時欄505と終了日時欄506にはカレンダーや時計などを模倣したアイコンから予約者が日にちと時刻をそれぞれ選択できるようになっている。
【0127】
リソース欄503は、会議室に備え付けのものではなく、どの会議室を予約した場合でも使用可能な共用リソースを表示する。したがって、会議室を選択するまでは、使用可能な全てのリソースが表示される。
【0128】
予約者が会議室を選択すると、端末装置60の通信部61aは会議室名を予約管理サーバ20に送信する。予約管理サーバ20の予約内容判断部24が会議室で使用できるリソースを判断し、予約画面生成部22は使用できないリソースを予約の候補から除外した予約設定画面501を生成する。
図8(b)の例は、選択した会議室(「5階 会議室A」)が狭く、プロジェクタによる投影が困難であると判断された場合の表示例である。
【0129】
なお、
図8(a)から
図8(b)の予約設定画面501の変更を端末装置60が行ってもよい。この場合、画面情報に予約内容判断部24、制約条件DB292、及び、要求条件DB293の機能が含まれており、端末装置60の表示制御部61cが選択された会議室に応じて会議室で使用できるリソースを判断し、使用できないリソースを予約の候補から除外する。すなわち、端末装置60は画面情報に基づいてWebアプリを実行して、予約管理サーバ20と同様の処理を実行できる。
【0130】
なお、操作受付部61bが会議室の選択を受け付ける前と後で、表示制御部61cはリソースの表示態様を変更すればよい。
図8(b)のように使用できないリソースに取消線510を表示するのは一例に過ぎず、端末装置60の表示制御部61cは使用できないリソースの輝度を使用できるリソースよりも小さくしてもよい。また、使用できないリソースを予約設定画面501から非表示にしてもよい。使用できないリソースの背景をグレーにしてもよい。
【0131】
<予約設定画面の表示手順>
図9は、端末装置60が予約設定画面501を表示する手順を示すシーケンス図の一例である。
図9の処理は端末装置60が
図8(a)の予約設定画面501を表示した状態からスタートする。つまり、予約管理サーバ20の送信部21aは予約設定画面501の画面情報を端末装置60に送信した状態である。
【0132】
S1:予約者は予約設定画面501から会議室を選択する。端末装置60の操作受付部61bは会議室の選択を受け付ける。端末装置60の通信部61aは会議室名などの会議室の識別情報を予約管理サーバ20に送信する。予約者が予約設定画面501で入力した会議名、開始日時、終了日時などの情報は会議管理サーバ30に送信されてよい。
【0133】
S2:予約管理サーバ20の通信部21の受信部21bは少なくとも会議室の識別情報を受信する。予約画面生成部22は、選択された会議室を選択状態に設定する。すなわち、予約設定画面501の場所選択欄502に選択された会議室名を設定する。
【0134】
S3:次に、予約内容判断部24は選択された会議室の制約条件を制約条件DB292から取得する。
【0135】
S4:また、予約内容判断部24は要求条件DB293から全てのリソースの要求条件を取得し、リソースごとに選択された会議室の制約条件を満たさない要求条件のリソースであるか否かを判断する。
【0136】
S5:予約画面生成部22は、使用不可と判断されたリソースを予約設定画面501において予約の候補から除外する。
【0137】
以上の処理により、予約設定画面501には会議室で使用できるリソースのみ選択できる態様で表示されるので、予約者がリソースを選択したが会議室で使用できないという状況が生じることを抑制できる。
【0138】
<すでに選択されたリソースの制約条件を用いた別のリソースの使用可否の判断>
リソースを使用できるか否かを、すでに選択されたリソースの制約条件を用いて判断してもよい。この場合、リソースが要求条件だけでなく制約条件を有している。
【0139】
図10は、すでに選択されたリソースの制約条件を用いた別のリソースの使用可否の判断方法を説明する図の一例である。
【0140】
(1)まず、
図10(a)に示すように、予約者が「6階 応接室B」を選択したものとする。「6階 応接室B」の制約条件に「Guest-LAN」があるが、遠隔会議システムは「Corporate-LAN」を要求条件とするので、遠隔会議システムは使用できないと判断される。
【0141】
(2)次に、
図10(b)に示すように、予約者がホワイトボードを選択したものとする。ホワイトボードは制約条件を有しており、「Corporate-LANを構築可」である。「Corporate-LANを構築可」とは、会議室にCorporate-LANがなくてもホワイトボードがアクセスポイントとなってLANを構築できることをいう。遠隔会議システムは「Corporate-LAN」を要求条件とするが、ホワイトボードの選択によりこれが満たされるので、遠隔会議システムが使用できると判断される。したがって、より正確にリソースの使用可否を判断できる。
【0142】
この他、リソースのサイズを考慮してもよい。ホワイトボードのような大型機器の場合、要求条件にあるサイズだけ会議室が狭くなる。例えば、「6階 応接室B」のサイズは
1500×600×300なので、ホワイトボードが選択された場合、予約内容判断部24はホワイトボードの要求条件(サイズ)を減算する。
(1500-250)×(600-50)×(300-150)
=1250×550×150
ホワイトボードよりも後に選択されるリソースの要求条件は、ホワイトボードのサイズが減算された会議室のサイズを制約条件として、使用可否が判断される。こうすることで、より正確にリソースの使用可否を判断できる。
【実施例2】
【0143】
実施例1では、予約管理サーバ20が直接、使用できないリソースを予約の候補から除外して、端末装置60が表示していた。しかし、予約管理サーバ20が会議室で使用できないリソースの判断機能を有していない場合もありうる。
【0144】
そこで、本実施例では、会議管理サーバ30が会議室で使用できないリソースが選択されている旨を予約者に通知する設備予約システム100について説明する。
【0145】
図11は、本実施例の設備予約システム100の動作の概略を説明する図の一例である。
(1)まず、予約者が予約管理サーバ20に対して会議室とリソースを予約する。この時点では、予約管理サーバ20は会議室で使用できないリソースを判断しない。
(2)会議管理サーバ30が予約管理サーバ20に予約情報を要求し、予約情報を受信する。
(3)会議管理サーバ30は予め決まったタイミングで予約者へ会議に関する情報のリマインダーを送信する。リマインダーにはチャットシステムが使用される。
【0146】
会議管理サーバ30は予約管理サーバ20が提供していない、チェックイン・チェックアウトの管理、未使用会議室の自動キャンセルなどを行うサーバであるが、会議管理サーバ30が会議室で使用できないリソースを判断することで、予約管理サーバ20の機能を補填できる。
【0147】
<機能について>
図12は、本実施例の予約管理サーバ20と会議管理サーバ30の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。本実施例において、
図6において同一の符号を付した構成要素は同様の機能を果たすので、主に本実施例の主要な構成要素についてのみ説明する場合がある。
【0148】
<<予約管理サーバ>>
本実施例の予約管理サーバ20は、新たに予約変更通知部25を有している。また、予約内容判断部24を有していない。予約変更通知部25は、新たな予約情報が保存されたこと、編集されたこと、又は、削除されたことなど、予約情報に変更があったことを予約部23から通知される。予約変更通知部25は会議管理サーバ30に予約情報の変更を通知する。これにより、会議管理サーバ30が予約管理サーバ20と連携して予約内容を管理することができる。
【0149】
<<会議管理サーバ>>
本実施例の会議管理サーバ30は、予約内容判断部24と予約内容変更部39を有している。また、記憶部49には制約条件DB292と要求条件DB293が記憶されている。予約内容判断部24、制約条件DB292及び要求条件DB293の機能は実施例1と同様でよい。
【0150】
上記のように、予約情報取得部33が連携する予約管理サーバ20から予約情報を受信する。この予約情報に会議室で使用できないリソースが予約されてないかなどを予約内容判断部24が判断する。予約情報は会議管理情報として会議管理情報DB493に記憶される。
【0151】
会議情報通知部37は会議の開催時刻の一定時間前になると、予約情報に基づいて会議室の予約に関する情報を予約者にリマインダーとして通知する。このリマインダーの仕組みを利用して、会議情報通知部37は会議室で使用できないリソースが予約されている旨を予約者にチャットサーバ10を介して通知する。
【0152】
予約者がリソースの予約の解除など予約情報を変更した場合、チャットサーバ10を介して会議管理サーバ30に通知されるので、予約内容変更部39は予約管理サーバ20に予約情報の変更を要求する。予約情報の変更には、会議室で使用できないリソースの予約の解除、又は、予約情報の削除(この場合は、改めて予約者が会議室を予約する)、などがある。
【0153】
<会議管理サーバが会議室で使用できないリソースを判断する場合の動作手順>
図13は、会議管理サーバ30が会議室で使用できないリソースを判断する手順を示すシーケンス図の一例である。
【0154】
S11:
図8にて説明したように、予約者は、会議室と会議室で使用するリソースを予約管理サーバ20に対して予約する。端末装置60の操作受付部61bは操作を受け付け、通信部61aが設定された内容にしたがって予約情報を予約管理サーバ20に送信する。
【0155】
S12:予約管理サーバ20の通信部21の受信部21bは予約情報を受信し、予約部23が予約情報を予約情報DB291に記憶させる。これにより、予約内容変更部39が会議管理サーバ30に対して予約情報の変更を通知する。予約情報を特定するために予約ID、又は、会議室と予約時間帯など予約情報を特定する情報が指定される。
【0156】
S13:会議管理サーバ30の通信部31の受信部31bは予約情報の変更を受信し、予約情報取得部33が予約情報を特定する情報を指定して予約情報を予約管理サーバ20に要求する。
【0157】
S14:予約管理サーバ20の通信部21の送信部21aは指定された予約情報を会議管理サーバ30に送信する。なお、ステップS12で予約情報が送信されている場合はステップS13、S14は不要である。
【0158】
S15:会議管理サーバ30の予約内容判断部24は、予約情報に基づいて、会議室で使用できないリソースが含まれているかどうかを判断する。判断方法は実施例1と同様でよい。
【0159】
S16:選択された会議室で使用できないリソースが予約情報に含まれている場合、会議情報通知部37が予約者に対してその旨を通知する。
図13ではチャットサーバ10が省略されているが、会議管理サーバ30はチャットサーバ10を介して端末装置60に会議室で使用できないリソースが予約情報に含まれている旨を通知する。通知の際、会議情報通知部37は会議管理情報DB493を参照して、予約IDで特定される予約情報の予約者アカウントを特定する。次に、対応付情報DB491を参照して、この予約者アカウントが登録されているワークスペース、チャンネル、及び、予約者のチャットシステムにおけるアカウントを特定する。会議情報通知部37は、予め割り当てられているボットのアカウント(トークン)を認証のために(ボット)を使用するためにチャットサーバ10に通知する。また、通知先となる予約者のアカウント、及び、グループを指定するワークスペースとチャンネルを指定してチャットサーバ10にメッセージを送信する。チャットサーバ10のテキスト処理部12はワークスペースとチャンネルで特定したグループのうち予約者のアカウントを宛先に、ボットが発言する形で通知する。
【0160】
図14は、端末装置60のチャットアプリ60aが予約者の端末装置60に表示するメッセージの表示例を示す。発言元の「robo」511は会議管理サーバ30の発言を通知するボットである。ボットは「会議室で使用できないリソースが予約されています。5階 会議室Aではプロジェクタを使用できません。」というメッセージ512を表示することで、会議室で使用できないリソースが予約情報に含まれている旨を予約者に通知する。
【0161】
更に、ボットは「リソースの予約を解除しますか?」というメッセージ513と、「解除する」ボタン514を表示する。また、「会議室の予約を解除しますか?」というメッセージ515と「解除する」ボタン516を表示する。「解除する」ボタン514の押下により、予約者は使用できないリソースの予約を解除できる。また、「解除する」ボタン516の押下により、リソースを使用できない会議室の予約を解除できる。
【0162】
解除するボタン514にはリソースの予約を解除する旨、リソースを指定する情報、及び、予約IDが対応付けられている。この「対応付けられている」を「埋め込まれている」「リンクされている」と称する場合がある。解除するボタン516には会議室の予約を解除する旨、及び、予約IDが対応付けられている。端末装置60のチャット通信部62はボットを宛先にして、これらの情報をチャットサーバ10に送信する。チャットサーバ10の通信部11はこれらを受信すると、ボットに対しリソースの予約を解除する旨、リソースを指定する情報及び予約ID、又は、会議室の予約を解除する旨及び予約IDを送信する。ボットは会議管理サーバ30の代理人なので、会議管理サーバ30は予約者の操作内容を取得できる。
【0163】
S17:
図13に戻って説明する。以上の仕組みで、端末装置60の操作受付部61bが解除するボタン514,516の押下を受け付けると、チャット通信部62が操作内容を会議管理サーバ30に送信する。
【0164】
S18:予約者がリソースの予約を解除する場合、会議管理サーバ30の予約内容変更部39は予約IDなどの予約情報を特定する情報を指定して、予約されているリソースの予約の解除を予約管理サーバ20に送信する。予約者が会議室の予約を解除する場合、会議管理サーバ30の予約内容変更部39は予約IDなどの予約情報を特定する情報を指定して、予約されている会議室の予約の解除を予約管理サーバ20に送信する。このような処理により、予約者は通知に対する応答という簡単な操作でリソース又は会議室の予約を解除できる。なお、リソースの予約の解除又は会議室の予約の解除は、予約者が直接、予約管理サーバ20に対して行っても良い。
【0165】
S19:会議室の予約が解除されなかった場合、会議の一定時間前になると、会議管理サーバ30の会議情報通知部37は予約者に会議の開始が近いことを通知する(リマインドする)。
【0166】
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態の設備予約システム100は、会議室とリソースの組み合わせが適切か否かを判断することで、会議室と組み合わせて使用することが困難なリソースが選択されることを抑制できる。会議室とリソースの組み合わせの判断を予約管理サーバ20が行えない場合でも、会議管理サーバ30が会議室とリソースの組み合わせの判断を行って、設備の予約のリマインドと同様の仕組みで通知できる。
【0167】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0168】
なお、会議管理サーバ30は複数、存在してもよいし、会議管理サーバ30の機能が複数のサーバに分散されていてもよい。また、予約管理サーバ20と会議管理サーバ30が一体でもよい。
【0169】
また、以上の実施例で示した
図6,
図7などの構成例は、設備予約システム100の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。しかし、各処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。設備予約システム100は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0170】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0171】
なお、制約条件DB292は制約条件記憶部の一例であり、要求条件DB293は要求条件記憶部の一例であり、表示制御部61cは表示制御手段の一例であり、操作受付部61bは操作受付手段の一例であり、予約内容判断部24はリソース判断手段の一例であり、チャット通信部62は受信手段の一例であり、テキスト表示部63は表示処理手段の一例であり、会議情報通知部37は通知手段の一例であり、予約画面生成部22は生成手段の一例であり、送信部21aは送信手段の一例であり、受信部21bは受信手段の一例である。
【符号の説明】
【0172】
6 会議室
10 チャットサーバ
20 予約管理サーバ
30 会議管理サーバ
60 端末装置
70 電子機器
90 会議室端末
100 設備予約システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0173】