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特許7092456連続CVDプロセスによる低フッ素タングステンの堆積
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-20
(45)【発行日】2022-06-28
(54)【発明の名称】連続CVDプロセスによる低フッ素タングステンの堆積
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20220621BHJP
   C23C 16/08 20060101ALI20220621BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20220621BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/08
H01L21/285 C
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016104837
(22)【出願日】2016-05-26
(65)【公開番号】P2017008412
(43)【公開日】2017-01-12
【審査請求日】2019-05-21
(31)【優先権主張番号】14/723,270
(32)【優先日】2015-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/328,759
(32)【優先日】2016-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アダム・ジャンドル
(72)【発明者】
【氏名】サンジャイ・ゴピナス
(72)【発明者】
【氏名】シャオラン・バ
(72)【発明者】
【氏名】ラシーナ・フマユン
(72)【発明者】
【氏名】ミハル・ダネク
(72)【発明者】
【氏名】ローレンス・シュロス
(72)【発明者】
【氏名】ティアンファ・ユ
(72)【発明者】
【氏名】シュルティ・ビベク・トンバレ
(72)【発明者】
【氏名】カイハン・アビディ・アシュティアニ
【審査官】今井 淳一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-067869(JP,A)
【文献】特開2009-024252(JP,A)
【文献】特開2008-303466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/455
C23C 16/08
H01L 21/285
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィーチャを充填する方法であって、
(a)基板上にタングステン核形成層を堆積させるために、チェンバ内で還元剤と第1のタングステン含有前駆体の交互のパルスに前記基板を暴露することと、
(b)連続化学気相成長により前記タングステン核形成層の上にバルクタングステン層を堆積させるために、水素と第2のタングステン含有前駆体の交互のパルスに前記基板を暴露することであって、前記連続化学気相成長における前記水素と前記第2のタングステン含有前駆体の反応は、自己制御的ではない、前記基板の暴露と、を含み、
(a)におけるチェンバ圧力は、10Torr以下である、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
(c)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、還元剤と第3のタングステン含有前駆体に同時に前記基板を暴露すること、を含む、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、さらに、
(d)として、(b)の2サイクル以上の実施ごとに(c)を実施すること、を含み、(b)の1サイクルには、水素のパルスと前記第2のタングステン含有前駆体のパルスが含まれる、方法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法であって、
(b)は、水素のパルスと前記第2のタングステン含有前駆体のパルスを含むサイクルで実施され、各サイクルで、少なくとも約0.3Åの厚さを有するサブ原子層を形成する、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、フッ素フリーのものである、方法。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載の方法であって、
前記堆積されたタングステン核形成層および前記堆積されたバルクタングステン層は、500Åの堆積あたり、約1GPa未満の引張応力を有する、方法。
【請求項7】
基板上にタングステンを堆積させる方法であって、前記方法は、
(a)前記基板上にタングステン層を堆積させることであって、
(i)還元剤に前記基板を暴露すること、および、
(ii)第1のフッ素フリータングステン含有前駆体に前記基板を暴露することにより、(a)前記基板上にタングステン層を堆積させることと、
(b)連続化学気相成長によりバルクタングステン層をサイクルで堆積させることと、を含み、(b)は、
(i)水素(H2)に前記基板を暴露すること、
(ii)第2のタングステン含有前駆体に前記基板を暴露すること、および、
(iii)前記バルクタングステン層を堆積させるために(i)-(ii)を1回以上のサイクルで繰り返すことであって、前記連続化学気相成長における前記水素と前記第2のタングステン含有前駆体の反応は、自己制御的ではない、繰り返し、を含む、方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
前記第1のフッ素フリータングステン含有前駆体は、有機金属タングステン含有前駆体、およびヘキサカルボニルタングステン、からなる群から選択される、方法。
【請求項9】
請求項7または8に記載の方法であって、
(b)における各サイクルは、少なくとも約0.3Åの厚さを有するサブ原子層を形成する、方法。
【請求項10】
フィーチャを充填する方法であって、
(a)連続化学気相成長により基板上にバルクタングステン層を堆積させるために、水素と第1のタングステン含有前駆体の交互のパルスに前記基板を暴露することと、
(b)前記基板上に第2のバルクタングステン層を堆積させるために、第2のタングステン含有前駆体と還元剤に同時に前記基板を暴露することと、を含み、
前記連続化学気相成長における前記水素と前記第1のタングステン含有前駆体の反応は、自己制御的ではない、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
(b)における前記第2のタングステン含有前駆体は、有機金属タングステン含有前駆体、塩化タングステン、およびヘキサカルボニルタングステン、からなる群から選択されたフッ素フリータングステン含有前駆体である、方法。
【請求項12】
請求項1ないし3ならびに請求項10ないし11のいずれかに記載の方法であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、前記第2のタングステン含有前駆体とは異なるものである、方法。
【請求項13】
フィーチャを充填する方法であって、
(a)基板上にタングステン核形成層を堆積させるために、チェンバ内で還元剤と第1のタングステン含有前駆体の交互のパルスに前記基板を暴露することと、
(b)連続化学気相成長により前記タングステン核形成層の上にバルクタングステン層を堆積させるために、水素と第2のタングステン含有前駆体の交互のパルスに前記基板を暴露することと、
(c)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、還元剤と第3のタングステン含有前駆体に同時に前記基板を暴露すること、
を含み、
前記連続化学気相成長における前記水素と前記第2のタングステン含有前駆体の反応は、自己制御的ではない、方法。
【請求項14】
請求項1ないし13のいずれかに記載の方法であって、
(a)および(b)は、半導体処理ツールにおいて実施される、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記半導体処理ツールは、シングルチャンバ半導体処理ツールである、方法。
【請求項16】
請求項14に記載の方法であって、
前記半導体処理ツールは、マルチチャンバ半導体処理ツールである、方法。
【請求項17】
基板を処理するための装置であって、前記装置は、
(a)基板を保持するように構成された台を有する処理チェンバと、
(b)真空に接続するための少なくとも1つの出口と、
(c)1つ以上の処理ガス源に接続された1つ以上の処理ガス導入口と、
(d)前記装置におけるオペレーションを制御するためのコントローラと、を備え、前記コントローラは、
(i)交互のパルスによる還元剤と第1のタングステン含有前駆体の前記処理チェンバへの導入を行わせるための機械可読命令、および、
(ii)交互のパルスによる水素と第2のタングステン含有前駆体の前記処理チェンバへの導入を行わせて、連続化学気相成長によりバルクタングステン層を堆積させるための機械可読命令を含み、
前記連続化学気相成長における前記水素と前記第2のタングステン含有前駆体の反応は、自己制御的ではなく、
(i)におけるチェンバ圧力は、10Torr以下である、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、さらに、
前記コントローラは、(iii)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、還元剤と第3のタングステン含有前駆体を同時に前記処理チェンバに導入するための機械可読命令を含む、装置。
【請求項19】
請求項17に記載の装置であって、さらに、
前記コントローラは、(iv)として、(ii)の2サイクル以上の実施ごとに(iii)を実施するための機械可読命令を含み、(ii)の1サイクルには、水素のパルスと前記第2のタングステン含有前駆体のパルスが含まれる、装置。
【請求項20】
請求項17ないし19のいずれかに記載の装置であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、前記第2のタングステン含有前駆体とは異なるものである、装置。
【請求項21】
請求項17ないし19のいずれかに記載の装置であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、フッ素フリーのものである、装置。
【請求項22】
基板を処理するための装置であって、前記装置は、
(a)基板を保持するように構成された台を有する処理チェンバと、
(b)真空に接続するための少なくとも1つの出口と、
(c)1つ以上の処理ガス源に接続された1つ以上の処理ガス導入口と、
(d)前記装置におけるオペレーションを制御するためのコントローラと、を備え、前記コントローラは、
(i)連続化学気相成長によりバルクタングステン層を堆積させるために、交互のパルスによる水素と第1のタングステン含有前駆体の前記処理チェンバへの導入を行わせるための機械可読命令、および、
(ii)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、第2のタングステン含有前駆体と還元剤の前記処理チェンバへの同時の導入を行わせるための機械可読命令を含み、
前記連続化学気相成長における前記水素と前記第1のタングステン含有前駆体の反応は、自己制御的ではない、
装置。
【請求項23】
請求項22に記載の装置であって、
前記コントローラは、さらに、(i)と(ii)を順次繰り返すための機械可読命令を含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
タングステン含有材料の堆積は、多くの半導体製造プロセスの欠かせない一部である。このような材料は、水平配線、隣接する金属層間のビア、シリコン基板上の金属層とデバイスとの間のコンタクト、および高アスペクト比のフィーチャに用いられることがある。半導体基板上での従来のタングステン堆積プロセスでは、真空チェンバ内で基板が処理温度に加熱されて、シード層または核形成層として機能するタングステン膜の極めて薄い部分が堆積される。その後、2種類の反応物質に同時に基板を暴露することにより、タングステン膜の残り部分(バルク層)が核形成層の上に堆積される。一般的に、バルク層は、核形成層よりも高速で堆積される。しかしながら、当業界で、デバイスのシュリンクが進み、より複雑なパターニング方式が用いられることに伴って、タングステン薄膜の堆積は、難題となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本明細書において、タングステンを堆積させるための方法および装置を提供する。一態様は、フィーチャを充填する方法に関し、前記方法は、(a)基板上にタングステン核形成層を堆積させるために、チェンバ内で還元剤とタングステン含有前駆体の交互のパルスに基板を暴露することと、(b)タングステン核形成層の上にバルクタングステン層を堆積させるために、水素とタングステン含有前駆体の交互のパルスに基板を暴露することと、を含み、(a)におけるチェンバ圧力は、10Torr以下である。
【0003】
この方法は、(c)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、還元剤とタングステン含有前駆体に同時に基板を暴露すること、をさらに含んでもよい。本方法は、(d)として、(b)の2サイクル以上の実施ごとに(c)を実施すること、をさらに含んでもよく、(b)の1サイクルには、水素のパルスとタングステン含有前駆体のパルスが含まれる。
【0004】
種々の実施形態において、(b)は、水素のパルスとタングステン含有前駆体のパルスを含むサイクルで実施し、各サイクルで、少なくとも約0.3Åの厚さを有するサブ原子層を形成する。
【0005】
(a)におけるタングステン含有前駆体は、(b)におけるタングステン含有前駆体とは異なるものであってよい。一部の実施形態では、(a)におけるタングステン含有前駆体は、フッ素フリーのものである。
【0006】
堆積されたタングステンは、500Åの堆積あたり、約1GPa未満の引張応力を有し得る。
【0007】
他の態様は、基板上にタングステンを堆積させる方法に関し、前記方法は、(a)基板上にタングステン層を堆積させることであって、(i)還元剤に基板を暴露すること、および(ii)フッ素フリータングステン含有前駆体に基板を暴露することにより、(a)基板上にタングステン層を堆積させることと、(b)バルクタングステン層をサイクルで堆積させることと、を含み、(b)は、(i)水素(H2)に基板を暴露すること、(ii)タングステン含有前駆体に基板を暴露すること、および(iii)バルクタングステン層を堆積させるために(i)-(ii)を1回以上のサイクルで繰り返すこと、を含む。
【0008】
いくつかの実施形態において、フッ素フリータングステン含有前駆体は、有機金属タングステン含有前駆体、塩化タングステン、およびヘキサカルボニルタングステン、からなる群から選択される。
【0009】
種々の実施形態において、フッ素フリータングステン含有前駆体は、六塩化タングステンである。種々の実施形態において、フッ素フリータングステン含有前駆体は、五塩化タングステンである。
【0010】
(a)において、タングステン層は、約2Å~約100Åの間の厚さに堆積させてよい。(b)における各サイクルで、少なくとも約0.3Åの厚さを有するサブ原子層を形成してよい。
【0011】
他の態様は、フィーチャを充填する方法に関し、前記方法は、(a)基板上にバルクタングステン層を堆積させるために、水素とタングステン含有前駆体の交互のパルスに基板を暴露することと、(b)基板上に第2のバルクタングステン層を堆積させるために、タングステン含有前駆体と還元剤に同時に基板を暴露することと、を含む。
【0012】
種々の実施形態において、(a)と(b)を順次繰り返す。
【0013】
(b)におけるタングステン含有前駆体は、有機金属タングステン含有前駆体、塩化タングステン、およびヘキサカルボニルタングステン、からなる群から選択されたフッ素フリータングステン含有前駆体でであってよい。
【0014】
一部の実施形態では、(a)におけるタングステン含有前駆体は、(b)におけるタングステン含有前駆体とは異なる。
【0015】
他の態様は、基板を処理するための装置に関し、前記装置は、(a)基板を保持するように構成された台(ペデスタル、pedestal)を有する少なくとも1つの処理チェンバと、(b)真空に接続するための少なくとも1つの出口と、(c)1つ以上の処理ガス源に接続された1つ以上の処理ガス導入口と、(d)前記装置におけるオペレーションを制御するためのコントローラと、を備え、コントローラは、(i)還元剤とタングステン含有前駆体を交互のパルスで処理チェンバに導入するため、および(ii)水素とタングステン含有前駆体を交互のパルスで処理チェンバに導入するため、の機械可読命令を含み、(i)におけるチェンバ圧力は、10Torr以下である。
【0016】
他の態様は、基板を処理するための装置に関し、前記装置は、(a)基板を保持するように構成された台を有する少なくとも1つの処理チェンバと、(b)真空に接続するための少なくとも1つの出口と、(c)1つ以上の処理ガス源に接続された1つ以上の処理ガス導入口と、(d)前記装置におけるオペレーションを制御するためのコントローラと、を備え、コントローラは、(i)バルクタングステン層を堆積させるために、水素とタングステン含有前駆体を交互のパルスで処理チェンバに導入するため、および(ii)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、タングステン含有前駆体と還元剤を同時に処理チェンバに導入するため、の機械可読命令を含む。コントローラは、(i)と(ii)を順次繰り返すための機械可読命令をさらに含んでよい。
【0017】
これらおよび他の態様について、図面を参照して、以下でさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A図1Aは、基板上の例示的な膜の概略図である。
【0019】
図1B図1Bは、開示される実施形態に従ってタングステンが堆積され得る種々の構造の概略例である。
図1C図1Cは、開示される実施形態に従ってタングステンが堆積され得る種々の構造の概略例である。
図1D図1Dは、開示される実施形態に従ってタングステンが堆積され得る種々の構造の概略例である。
図1E図1Eは、開示される実施形態に従ってタングステンが堆積され得る種々の構造の概略例である。
図1F図1Fは、開示される実施形態に従ってタングステンが堆積され得る種々の構造の概略例である。
図1G図1Gは、開示される実施形態に従ってタングステンが堆積され得る種々の構造の概略例である。
図1H図1Hは、開示される実施形態に従ってタングステンが堆積され得る種々の構造の概略例である。
【0020】
図2A図2Aは、開示される実施形態による方法のオペレーションを示すプロセスフロー図である。
図2B図2Bは、開示される実施形態による方法のオペレーションを示すプロセスフロー図である。
【0021】
図2C図2Cは、開示される実施形態による方法の例示的なサイクルを示すタイミングシーケンス図である。
【0022】
図3A図3Aは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3B図3Bは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3C図3Cは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3D図3Dは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3E図3Eは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3F図3Fは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3G図3Gは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3H図3Hは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3I図3Iは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
図3J図3Jは、開示される実施形態に従って膜を堆積させる機構の一例の概略図である。
【0023】
図3K図3Kは、開示される実施形態による方法のオペレーションを示すプロセスフロー図である。
【0024】
図4図4は、開示される実施形態を実施するための例示的なプロセスツールの概略図である。
【0025】
図5図5は、開示される実施形態を実施するための例示的なステーションの概略図である。
【0026】
図6図6は、種々のタイミングシーケンス図を示している。
【0027】
図7図7は、実験結果のプロットである。
図8図8は、実験結果のプロットである。
図9図9は、実験結果のプロットである。
図10A図10Aは、実験結果のプロットである。
図10B図10Bは、実験結果のプロットである。
図11A図11Aは、実験結果のプロットである。
図11B図11Bは、実験結果のプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下の説明では、提示する実施形態についての完全な理解を与えるため、様々な具体的詳細について記載する。開示される実施形態は、それら特定の詳細の一部または全てを省いて実施してもよい。また、開示される実施形態を不必要に不明瞭にすることがないよう、周知の工程処理については詳細に記載していない。開示される実施形態は、具体的な実施形態に関連して説明されるものの、それは、開示される実施形態を限定するものではないことは理解されるであろう。
【0029】
タングステン(W)によるフィーチャ充填は、半導体デバイスの製造において、電気的接触を形成するために、よく用いられる。より微細なテクノロジノードへとデバイスのスケーリングが進むとともに、より複雑なパターニング構造が用いられることに伴って、タングステン充填において様々な課題が生じる。課題の1つは、堆積後のタングステン膜中のフッ素濃度または含有量を低減することである。より大きなフィーチャと比較して、より小さなフィーチャほど、より大きなフィーチャと同じフッ素濃度をタングステン膜中に有する場合に、デバイスの性能に及ぼす影響はより大きくなる。例えば、フィーチャが小さいほど、薄い膜が堆積される。その結果、堆積後のタングステン膜中のフッ素は、より薄い膜を抜けて拡散する可能性が高くなり、これにより、デバイス故障を引き起こしかねない。
【0030】
フッ素の拡散を防ぐ1つの方法として、タングステンを堆積させる前に、フッ素がタングステンから酸化物層のような基板の他の層に拡散することを阻止するための1つ以上のバリア層を堆積させることが挙げられる。例えば、図1Aは、基板上に堆積された層の例示的なスタックを示している。基板190は、シリコン層192と、酸化物層194(例えば、酸化チタン(TiOx)、テトラエチルオルトシリケート(TEOS)酸化物など)と、バリア層196(例えば、窒化チタン(TiN))と、タングステン核形成層198と、バルクタングステン層199と、を含む。バリア層196は、バルクタングステン層199およびタングステン核形成層198から酸化物層へのフッ素の拡散を防ぐために堆積される。しかしながら、デバイスのシュリンクが進むにつれて、バリア層はより薄くなり、堆積後のタングステン層からフッ素が拡散することが依然としてあり得る。より高温でバルクタングステンの化学気相成長を実施することで、結果的にフッ素含有量は低減するが、そのような膜は、ステップカバレッジが劣る。
【0031】
別の課題は、堆積後のタングステン膜の抵抗を低減することである。より薄い膜ほど、より厚い膜と比較して、高い抵抗を有する傾向がある。フィーチャが小さくなるにつれて、より薄いタングステン膜における散乱効果に起因して、タングステンの接触抵抗またはライン抵抗が増加する。低抵抗率のタングステン膜によって、集積回路設計における電力損失および過熱は最小限となる。タングステン核形成層は、一般的に、その上のバルク層よりも高い電気抵抗率を有する。また、コンタクト、ビア、および他のフィーチャに堆積されるバリア層も、高い抵抗率を有し得る。さらに、薄いバリアおよびタングステン核形成膜は、より小さなフィーチャでは、より大きな割合を占めて、フィーチャにおける全体抵抗を増加させる。タングステン膜の抵抗率は、堆積された膜の厚さに依存し、厚さが減少すると、境界効果によって抵抗率が増加する。
【0032】
別の課題は、堆積後の膜における応力を低減することである。より薄いタングステン膜ほど、より大きな引張応力を有する傾向がある。化学気相成長によってバルクタングステン膜を堆積させるための従来の技術では、200Åの膜の場合、2.5GPaを超える引張応力を有する。高い熱引張応力によって、基板のカールを引き起こし、これにより、後続の処理が困難となる。例えば、後続のプロセスには、化学機械平坦化、材料の堆積、および/またはチェンバ内でプロセスを実施するために基板を基板ホルダにクランプすること、が含まれることがある。しかしながら、これらのプロセスは、多くの場合、基板が平坦であることに依拠しており、カールした基板では、結果的に、不均一な処理となるか、または基板を処理することが不可能となる。アニールのように、他の材料の膜における応力を低減するための既存の方法はあるものの、タングステンは、その高融点のため、堆積後の粒子の移動または変化を可能とする表面移動度を有していない。
【0033】
本明細書において、連続CVDプロセスを用いて、低フッ素濃度を有するタングステン膜を堆積させる方法を提供する。堆積後の膜は、さらに、低応力を有し得る。これらの方法は、水素と、六フッ化タングステンのようなタングステン含有前駆体と、をサイクルで導入することを伴う。開示される実施形態は、従来のCVDで堆積させた膜よりも著しく低いフッ素含有量を有する低応力タングステン膜を堆積させるために、他のタングステン堆積プロセスと統合されてよい。例えば、連続CVDプロセスは、低圧での核形成層の堆積、フッ素フリータングステン層の堆積、および/または非連続CVDプロセスと統合されてよい。開示される実施形態には、幅広い用途がある。それらの方法は、フィーチャ内にタングステンを高ステップカバレッジで堆積させるために用いられてよく、さらに、ディープトレンチを有するものを含む3D NAND構造および垂直NAND構造内にタングステンを堆積させるために用いられてもよい。
【0034】
連続CVDプロセスは、非連続CVD、パルスCVD、原子層堆積(ALD)、および核形成層堆積とは区別される。非連続CVDプロセスは、2種類の反応物質への同時暴露を伴い、従って、堆積の際に両方の反応物質を同時に流入させる。例えば、バルクタングステンは、フィーチャを充填するのに十分な継続時間にわたって、水素(H2)と六フッ化タングステン(WF6)に同時に基板を暴露することによって堆積され得る。暴露中に、水素とWF6が反応することで、フィーチャ内にタングステンを堆積させる。パルスCVDプロセスでは、一方の反応物質を連続的に流入させつつ、他方の反応物質をパルス化するが、堆積の際に、両方の反応物質に基板を暴露することで、各パルス中に材料を堆積させる。例えば、WF6をパルス化しつつ、H2の連続流に基板を暴露してよく、パルス中に、WF6とH2が反応することで、タングステンを堆積させる。
【0035】
これに対し、連続CVDプロセスでは、各々の反応物質への暴露を別々に実施し、従って、堆積の際に、それらの反応物質が同時にチェンバ内に流入されることはない。むしろ、それぞれの反応物質流は、時間的に分離されたパルスで順次、かつサイクルで1回以上繰り返して、基板を収容しているチェンバに導入される。一般に、1サイクルは、表面堆積反応を1回実施するために用いられる工程の最小セットである。1サイクルの結果は、基板表面上の少なくとも部分的な膜層の生成である。連続CVDのサイクルについては、さらに詳細に後述する。
【0036】
また、ALDおよび核形成層の堆積も、時間的に分離されたパルスで、かつサイクルで、2つの反応物質に基板を暴露することを伴う。例えば、ALDサイクルでは、第1の反応物質をチェンバ内に流入させ、チェンバをパージし、第2の反応物質をチェンバ内に流入させ、そして再びチェンバをパージする。このようなサイクルを、一般的には繰り返すことで、膜厚を形成する。従来のALDおよび核形成層堆積のサイクルでは、第1の反応物質流は、自己制御反応における第1の「ドーズ」に相当する。例えば、基板は、限られた数の活性点を有し、これにより、第1の反応物質が基板上の活性点に吸着されて、その表面を飽和し、そして第2の反応物質が吸着層と反応することにより、サイクルで一層ずつ材料を堆積させる。
【0037】
一方、連続CVDでは、反応物質は、基板上の活性点に必ずしも吸着せず、一部の実施形態では、反応は自己制御的ではない場合がある。例えば、連続CVDで用いられる反応物質は、吸着率が低いものであってもよい。さらに、基板表面上の反応物質は、第2の反応物質が導入されたときに、必ずしも第2の反応物質と反応しなくてもよい。むしろ、連続CVDのいくつかの実施形態では、基板上の一部の反応物質は、そのサイクル中は未反応のままであり、次のサイクルまでは反応しない。一部の反応物質は、化学量論的性質、立体障害、または他の効果に起因して、反応しない場合がある。
【0038】
本明細書に記載の方法は、チェンバ内に収容され得る基板上で実施される。基板は、例えば、200mmウェハ、300mmウェハ、または450mmウェハであるシリコンウェハであってよく、その上に堆積された誘電材料、導電材料、または半導体材料などの1つ以上の材料層を有するウェハが含まれる。基板は、ビアまたはコンタクトホールなどのフィーチャを有するものであってよく、それらは、幅狭および/またはリエントラント型の開口部、フィーチャ内の狭窄部、高アスペクト比、のうちの1つ以上を特徴とするものであり得る。フィーチャは、上記の層のうちの1つ以上に形成されてよい。例えば、フィーチャは、誘電体層内に少なくとも部分的に形成されたものであり得る。いくつかの実施形態において、フィーチャは、少なくとも約2:1の、少なくとも約4:1の、少なくとも約6:1の、少なくとも約10:1の、またはさらに高いアスペクト比を有し得る。フィーチャの一例は、半導体基板内または基板上の層内の孔もしくはビアである。
【0039】
図1B~1Hは、開示される実施形態に従ってタングステンが堆積され得る種々の構造の概略例である。図1Bは、タングステンで充填される垂直フィーチャ101の断面図の一例を示している。フィーチャは、基板103内のフィーチャ孔105を含み得る。孔105または他のフィーチャは、開口付近の寸法として、約10nm~500nmの間の、例えば約25nm~約300nmの間の、例えば開口径またはライン幅を有し得る。フィーチャ孔105は、未充填フィーチャ、または単にフィーチャと呼ぶことができる。このようなフィーチャ101、および任意のフィーチャは、フィーチャの長さにわたって延びる軸118によって部分的に特徴づけられる場合があり、垂直向きのフィーチャは垂直軸を有し、水平向きのフィーチャは水平軸を有する。
【0040】
一部の実施形態では、フィーチャは、3D NAND構造内のトレンチである。例えば、基板は、18~48層と、少なくとも200Åの深さのトレンチと共に、少なくとも60ラインを有するワードライン構造を含むものであり得る。他の例は、基板内または層内のトレンチである。フィーチャは、任意の深さのものであってよい。種々の実施形態において、フィーチャは、バリア層または接着層のような下層を有し得る。下層の非限定的な例として、誘電体層および導電層が含まれ、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、および金属の層が含まれる。
【0041】
図1Cは、リエントラント型プロファイルを有するフィーチャ101の一例を示している。リエントラント型プロファイルは、フィーチャの閉じた底端または内部からフィーチャ開口に向かって窄まるプロファイルである。いくつかの実現形態によれば、プロファイルは、徐々に窄まるもの、および/またはフィーチャ開口にオーバハングを含むものであり得る。図1Cは、後者の一例を示しており、フィーチャ孔105の側壁または内面を下層113によってライニングしている。下層113は、例えば、拡散バリア層、接着層、核形成層、それらの組み合わせ、または他のいずれかの適合材とすることができる。下層の非限定的な例として、誘電体層および導電層を含むことができ、例えば、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン炭化物、金属酸化物、金属窒化物、金属炭化物、および金属の層を含むことができる。具体的な実現形態では、下層は、Ti、TiN、WN、TiAl、Wのうちの1つ以上とすることができる。下層113は、オーバハング115を形成しており、これにより、下層113は、フィーチャ101の開口付近において、フィーチャ101内部よりも厚くなっている。
【0042】
一部の実現形態では、フィーチャ内に1つ以上の狭窄部を有するフィーチャに充填する場合がある。図1Dは、狭窄部を有する種々のフィーチャが充填された図の例を示している。図1Dの例(a)、(b)、(c)のそれぞれは、フィーチャ内の中間点に狭窄部109を含んでいる。狭窄部109は、例えば、約15nm~20nmの間の幅であり得る。従来の技術を用いたフィーチャ内へのタングステン堆積の際に、狭窄部を越えた先の堆積を、フィーチャのその部分が充填される前に、堆積されたタングステンが阻害することで、狭窄部はピンチオフの原因となることがあり、その結果、フィーチャ内にボイドが生じる。例(b)は、さらに、ライナ/バリアのオーバハング115を、フィーチャ開口に含んでいる。このようなオーバハングも、やはりピンチオフ点となる可能性があり得る。例(c)は、例(b)のオーバハング115よりもフィールド領域からさらに離れたところに狭窄部112を含んでいる。
【0043】
また、3Dメモリ構造のような水平フィーチャを充填することもできる。図1Eは、狭窄部151を含む水平フィーチャ150の一例を示している。例えば、水平フィーチャ150は、VNAND構造におけるワードラインであり得る。
【0044】
一部の実現形態では、狭窄部は、VNANDまたは他の構造においてピラーが存在することによるものであり得る。図1Fは、例えば、VNANDまたは垂直集積メモリ(VIM)構造148におけるピラー125の平面図を示しており、図1Gは、ピラー125の概略断面図を示している。図1Fにおける矢印は堆積材料を表しており、ピラー125は、領域127とガス導入口または他の堆積源との間に配置されているので、隣接するピラーは、結果的に、領域127のボイドフリー充填における課題を提示する狭窄部151となり得る。
【0045】
構造148は、例えば、基板100上に層間誘電体層129と犠牲層(図示せず)とを交互に重ねたスタックを堆積させて、犠牲層を選択的にエッチングすることにより、形成することができる。層間誘電体層は、例えば、シリコン酸化物および/またはシリコン窒化物の層であってよく、犠牲層は、エッチャントにより選択的にエッチング可能な材料のものであってよい。これに、続いて、エッチングおよび堆積プロセスによってピラー125を形成してよく、これは、完成したメモリデバイスのチャネル領域を含み得るものである。
【0046】
基板100の主面は、x方向とy方向に広がり得るものであり、一方、ピラー125は、z方向に向いたものである。図1Fおよび1Gの例では、ピラー125はオフセット状に配列されており、これにより、x方向に直接隣接するピラー125は、y方向に相互にオフセットしており、またその逆も同様である。様々な実現形態により、ピラー(ならびに、隣接するピラーにより対応して形成される狭窄部)は、多くの形式で配置され得る。また、ピラー125は、円形、方形などを含む任意の形状であってよい。ピラー125は、環状の半導体材または円形(もしくは方形)の半導体材を含み得る。その半導体材は、ゲート誘電体で取り囲まれ得る。層間誘電体層129のそれぞれの間の領域を、タングステンで充填することができ、このように、構造148は、x方向および/またはy方向に延在して充填されるべき、スタックされた複数の水平向きフィーチャを有する。
【0047】
図1Hは、例えば、ピラー狭窄部151を含むVNANDまたは他の構造の、水平フィーチャの図の別の例を提示している。図1Hの例は、オープンエンドであって、矢印で示すように、堆積される材料が両側から水平方向に流入することが可能である(留意すべきことは、図1Hの例は、構造の3Dフィーチャを2Dレンダリングしたものと見ることができ、図1Hは充填される領域の断面図であって、同図に示すピラー狭窄部は、断面図ではなく平面図で見られるであろう狭窄部を示しているということである)。一部の実現形態では、3D構造は、2次元または3次元(例えば、図1Gの例におけるx、y方向、またはx、y、z方向)に沿って広がる充填領域によって特徴づけることができ、その充填は、1次元または2次元に沿って広がる孔またはトレンチを充填する場合よりも多くの課題を提示し得る。例えば、3D構造の充填を制御することは、堆積ガスが複数の次元からフィーチャに流入し得るため、難しくなることがある。
【0048】
水平向きおよび垂直向きのフィーチャの場合のフィーチャ充填の例について、以下で説明する。なお、それらの例は、多くの場合、水平向きまたは垂直向きのフィーチャのどちらにも適用可能であるということに留意すべきである。さらに、以下の説明において、「横方向」という用語は、フィーチャ軸に略垂直な方向を指して使用され、「垂直方向」という用語は、フィーチャ軸に略沿った方向を指して使用され得るということにも留意すべきである。
【0049】
以下の説明では、タングステンによるフィーチャ充填に焦点を当てているが、本開示の態様は、他の材料によるフィーチャ充填において実施されてもよい。例えば、本明細書に記載の1つ以上の技術を用いたフィーチャ充填を、他のタングステン含有材料(例えば、窒化タングステン(WN)、炭化タングステン(WC))、チタン含有材料(例えば、チタン(Ti)、窒化チタン(TiN)、チタンシリサイド(TiSi)、炭化チタン(TiC)、チタンアルミナイド(TiAl))、タンタル含有材料(例えば、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN))、ニッケル含有材料(例えば、ニッケル(Ni)、ニッケルシリサイド(NiSi))など、他の材料によってフィーチャを充填するために用いてもよい。さらに、本明細書に開示の方法および装置は、フィーチャ充填に限定されることなく、平坦面上にブランケット膜を形成するためなど、任意の適切な表面上にタングステンを堆積させるために用いることができる。
【0050】
図2Aは、開示される実施形態に従って実施される方法についてのプロセスフロー図を提示している。図2Aのオペレーション202~210は、ALDによってタングステン核形成層を堆積させるために実施される。本明細書に記載の種々の実施形態では、オペレーション202~210は、オペレーション280よりも低圧で実施する。例えば、オペレーション202~210は、約10Torr未満の低圧で実施され得る。いくつかの例では、オペレーション202~210は、約10Torrの圧力、または約3Torrの圧力で実施する。特定の理論にとらわれることなく、オペレーション202~210を低圧で実施することで、膜を堆積させる際のチェンバ内のフッ素含有前駆体の分圧がより低いことによって、膜内に取り込まれるフッ素がより少ないことから、堆積後のタングステン膜中のフッ素濃度が低減すると考えられる。堆積後のタングステンにおける低フッ素濃度を実現するために、低圧でタングステン核形成層を堆積させるためのプロセスの例は、2015年5月27日に出願された米国特許出願第14/723,275号(代理人整理番号LAMRP183/3623-1US)に、さらに記載されている。
【0051】
オペレーション202で、WF6のようなタングステン含有前駆体に基板を暴露する。本明細書における説明の目的では、タングステン含有前駆体の一例として、WF6を用いるが、開示される実施形態を実施するために、他のタングステン含有前駆体が適する場合があることは理解されるべきである。例えば、有機金属タングステン含有前駆体を用いてよい。また、有機金属前駆体、ならびにMDNOW(メチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)およびEDNOW(エチルシクロペンタジエニル-ジカルボニルニトロシル-タングステン)などのフッ素フリー前駆体、を用いてもよい。タングステン含有前駆体は、これらの化合物の組み合わせを含むものであってよい。いくつかの実施形態において、オペレーション202では、窒素(N2)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、または他の不活性ガスのようなキャリアガスを流入させてよい。
【0052】
オペレーション202は、任意の適切な継続時間にわたって、任意の適切な温度で実施してよい。いくつかの例では、オペレーション202は、約0.25秒~約30秒の間の、約0.25秒~約5秒の間の、または約0.5秒~約3秒の間の、継続時間にわたって実施され得る。このオペレーションは、一部の実施形態では、基板表面上の活性点を飽和させるのに十分な継続時間にわたって実施され得る。
【0053】
オペレーション204で、任意選択的に、チェンバは、基板表面に吸着しなかった余分なWF6を除去するためにパージされる。パージは、一定の圧力で不活性ガスを流入させることによりチェンバの圧力を低下させ、そして別のガスへの暴露を開始する前にチェンバを再加圧することによって、実施され得る。
【0054】
オペレーション206で、タングステン核形成層を堆積させるために、基板を還元剤に暴露する。還元剤は、ボラン、シラン、またはゲルマンであってよい。ボランの例として、ボラン(BH3)、ジボラン(B26)、トリボラン、アルキルボラン、アミノボラン、カルボラン、およびハロボランが含まれる。シランの例として、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、トリシラン(Si38)、アルキルシラン、アミノシラン、カルボシラン、およびハロシランが含まれる。ゲルマンとして、Genn+4、Genn+6、Genn+8、およびGenmが含まれ、ただし、nは1~10の整数、mはnとは異なる整数である。また、他のゲルマンを用いてもよく、例えば、アルキルゲルマン、アミノゲルマン、カルボゲルマン、およびハロゲルマンを用いてもよい。一般的に、ハロゲルマンは、それほどの還元ポテンシャルを有していない場合があるものの、ハロゲルマンを用いた成膜に適したプロセス条件およびタングステン含有前駆体があり得る。
【0055】
オペレーション206は、任意の適切な継続時間にわたって実施してよい。いくつかの例では、継続時間の例として、約0.25秒~約30秒の間の、約0.25秒~約5秒の間の、または約0.5秒~約3秒の間の、継続時間が含まれる。一部の実施形態では、このオペレーションは、基板表面上のWF6吸着層と反応するのに十分であり得る。オペレーション206は、これらの例の範囲外の継続時間にわたって実施されてもよい。一部の実施形態では、例えばアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、または窒素(N2)などのキャリアガスを用いてよい。
【0056】
オペレーション206の後に、フィーチャ表面上のWF6と反応しなかった気相のままの余分な還元剤をパージするために、任意選択的なパージステップを設けてもよい。パージは、一定の圧力で不活性ガスを流入させることによりチェンバの圧力を低下させ、そして別のガスへの暴露を開始する前にチェンバを再加圧することによって、実施され得る。
【0057】
オペレーション210で、タングステン核形成層が十分な厚さに堆積されたかどうか判断する。もしそうでない場合は、フィーチャ表面上に所望の厚さのタングステン核形成層が堆積されるまで、オペレーション202~208を繰り返す。オペレーション202~208の各繰り返しは、ALD「サイクル」と呼ばれることがある。一部の実施形態では、還元剤を最初に導入するように、オペレーション202と206の順序を逆にしてもよい。
【0058】
タングステン核形成層を適切な厚さに堆積させた後に、オペレーション280で、連続CVDによってバルクタングステンを堆積させる。種々の実施形態において、オペレーション280は、オペレーション202~210における圧力よりも高圧で実施され得る。例えば、オペレーション280は、約10Torr以上の圧力で実施してよく、例えば、約10Torr、または約40Torrで実施してよい。
【0059】
図2Bは、オペレーション280で実施され得るオペレーションについてのプロセスフロー図を提示している。なお、図2Aのオペレーションを実施することなく、図2Bのオペレーションを実施してもよいということに留意すべきである。図2Cは、プロセス200における連続CVDの例示的なサイクルを示すタイミングシーケンス図を提示している。図3A~3Jは、連続CVDのサイクルについての例示的な機構の概略図である。
【0060】
図2Bでは、オペレーション282において、H2のような還元剤に基板を暴露する。このオペレーションは、本明細書において区別なく用いられ得る「パルス」または「ドーズ」と呼ばれることがある。本明細書に記載の実施形態では、還元剤の一例として、H2を提示しているが、シラン、ボラン、ゲルマン、ホスフィン、水素含有ガス、およびこれらの組み合わせなど、他の還元剤を用いてよいことは理解されるであろう。非連続CVDとは異なり、他の反応物質を流入させることなく、H2はパルス化される。一部の実施形態では、キャリアガスを流入させてもよい。キャリアガスは、図2Aのオペレーション206に関して上述したもののいずれかであり得る。オペレーション282は、任意の適切な継続時間にわたって実施してよい。いくつかの例では、継続時間の例として、約0.25秒~約30秒の間の、約0.25秒~約5秒の間の、または約0.5秒~約3秒の間の、継続時間が含まれる。
【0061】
図2Cでは、堆積サイクル211Aに、H2ドーズ220Aを示しており、これは図2Bのオペレーション282に相当し得る。H2ドーズ220Aの最中は、キャリアガスを流入させ、還元剤をパルス化し、WF6流をオフにする。
【0062】
図3Aは、タングステン核形成層301が堆積された基板300に、H2を取り込む場合の例示的な機構を示している。水素は、気相(311aおよび311b)で導入されて、いくらかのH2(313aおよび313b)は、タングステン核形成層301の表面上にあるが、必ずしも表面に吸着しないことがある。例えば、H2は、必ずしも核形成層301上に化学吸着しないことがあるが、一部の実施形態では、核形成層301の表面に物理吸着することがある。
【0063】
図2Bに戻って、オペレーション284で、チェンバをパージする。このパージオペレーションによって、気相のまま残った余分なH2が除去され得る。パージは、一定の圧力で不活性ガスを流入させることによりチェンバの圧力を低下させ、そして別のガスへの暴露を開始する前にチェンバを再加圧することによって、実施される。任意の適切な継続時間にわたって、例えば約0.1秒~約3秒の間の継続時間にわたって、チェンバをパージしてよい。図2Bのオペレーション284は、図2Cのパージフェーズ240Aに相当し得る。図2Cに示すように、パージフェーズ240Aの最中は、キャリアガスを流入させるが、一方、H2流およびWF6流はオフにする。図3Bは、これまで気相であったH2図3Aの311aおよび311b)がチェンバからパージされ、これまで表面上にあったH2(313aおよび313b)がタングステン核形成層301の表面に留まることを示す例を提示している。
【0064】
図2Bに戻って、オペレーション286で、基板上に膜のサブ原子層を形成するために、タングステン含有前駆体(例えば、WF6)に基板を暴露する。種々の実施形態において、このオペレーションでは、約0.1秒~約3秒の間の、または約0.5秒の継続時間にわたって、チェンバにWF6を流入させる。一部の実施形態では、WF6は、ドーズ前のガスライン充填およびライン変更に流用され得る。一部の実施形態では、WF6は、チェンバに流入されるが、基板表面上のすべてのH2分子と完全に反応するわけではない。オペレーション286は、図2CにおけるWF6ドーズ260Aに相当し得る。図2Cに示すように、WF6ドーズ260Aの最中は、キャリアガスを流入させ、H2流をオフにし、WF6流をオンにする。
【0065】
図3Cは、図2Bのオペレーション286についての概略例を示している。図3Cでは、基板はWF6に暴露されて、WF6の一部は、気相であり(331aおよび331b)、WF6の一部は、基板表面またはその近くにある(323aおよび323b)。
【0066】
図2Bのオペレーション286では、いくらかのWF6が、前のドーズから表面上に残っているH2と反応することがある。図3Dに示すように、WF6がH2と反応し得ることで、中間体343bを一時的に形成し、これにより図3Eで、中間体343bが完全に反応することにより、基板300の表面上で核形成層301の上にタングステン390が残り、さらにHFが気相で残る(例えば、351aおよび351b)。
【0067】
図2Bのオペレーション286では、いくらかのWF6が、前のドーズから表面上に残っているH2と完全には反応しないことがある。図3Dに示すように、WF6がH2と部分的に反応し得ることで、中間体343aを形成し、これにより図3Eで、中間体343aが部分的に反応したまま、基板300の表面上で核形成層301の上に残る。WF6とH2に関わる反応機構は、活性化エネルギーの障壁および立体障害効果に起因して、タングステン核形成層の堆積の場合のボランまたはシランまたはゲルマンとWF6との反応よりも遅いことがある。例えば、特定の理論にとらわれることなく、WF6の化学量論では、少なくとも3つのH2分子を用いて、1つのWF6分子と反応し得る。WF6は、タングステンを形成するのではなく、H2分子と部分的に反応して、中間体を形成する可能性がある。例えば、これは、化学量論の原理(例えば、3つのH2分子を用いて、1つのWF6分子と反応する)に基づいて、WF6と反応するための十分なH2がその近傍にない場合に生じることがあり、これにより、基板表面上に中間体343aが残る。
【0068】
図2Bのオペレーション286では、いくらかのWF6が、H2と全く反応しないことがあり、その代わりに、基板表面上に物理吸着したH2または留まっているH2がない場合の基板表面上に、WF6が物理吸着し得る。一部の実施形態では、WF6は、基板表面上に留まり得るものの、表面に物理吸着または化学吸着されないことがある。
【0069】
図2Bのオペレーション286は、これにより、数多くの実施形態で、タングステンのサブ原子層を形成し得る。例えば、オペレーション282~286の実行後には、約0.3Åの厚さのサブ原子層が堆積され得る。
【0070】
図2Bのオペレーション288では、気相の反応副生成物およびWF6をチェンバから除去するために、チェンバをパージする。一部の実施形態では、オペレーション288におけるパージ継続時間が短すぎることによって、非連続CVDの反応性が高まることがあり、これにより、より高応力の膜が堆積される。一部の実施形態では、パージ継続時間は、約0.1秒~約2秒の間であり、このパージ継続時間によれば、タングステン表面へのWF6の吸着率が低いことによって基板表面からWF6がすべて除去されることが、回避され得る。一部の実施形態では、パージ継続時間は、約0.1秒~約15秒の間であり、例えば約7秒である。例えば、3D NAND構造の製造の場合に、チェンバは、オペレーション288において、約7秒間パージされてよい。パージ継続時間は、基板および応力に依存する。
【0071】
図2Bのオペレーション288は、図2Cのパージフェーズ270Aに相当し得る。図2Cに示すように、パージフェーズ270Aで、堆積サイクル211Aは完了する。図3Fは、チェンバをパージするときの基板の概略例を提示している。注目されるのは、化合物343cは、完全に反応することなく形成された中間体であり得る一方、いくらかのタングステン390が基板上に形成され得るということである。各サイクルは、これにより、基板上にタングステンのサブ原子層を形成する。
【0072】
一部の実施形態では、オペレーション282よりも前にオペレーション286が実行されるように、オペレーション286と282を逆にしてよい。一部の実施形態では、オペレーション282を、オペレーション286の前に実行してよい。
【0073】
図2Bのオペレーション290では、バルクタングステンが適切な厚さに堆積されたかどうか判断する。もしそうでない場合は、所望の厚さに堆積されるまで、オペレーション282~288を繰り返す。一部の実施形態では、フィーチャが充填されるまで、オペレーション282~288を繰り返す。図2Cでは、バルクタングステンは適切な厚さに堆積されていないと判断され、従って、図2Bのオペレーション282~288が、堆積サイクル211Bで繰り返されて、これにより、H2ドーズ220Bが実行され、続いてパージフェーズ240Bが実行される。WF6ドーズ260Bが実行され、続いて別のパージフェーズ270Bが実行される。
【0074】
一例として、図3Gは、繰り返しサイクルにおけるオペレーション282を示しており、これにより、気相のH2311cが、堆積されたタングステン390および部分的に反応した中間体343dをその上に有する基板に取り込まれる。なお、注目されるのは、取り込まれたH2は、このとき、基板上の中間体343dと完全に反応し得るということであり、これにより、図3Hに示すように、反応した化合物343dによって、堆積されたタングステン390bおよび390cが残され、そして副生成物HF351cおよび351dが気相で形成される。いくらかのH2311cが気相のまま残り得る一方、いくらかのH2313cがタングステン層390aの上に残り得る。図3Iでは、チェンバをパージし(これは、図2Bのオペレーション284、または図2Cのオペレーション240Bに相当する)、堆積されたタングステン390a、390b、390cと、いくらかのH2313cが残される。図3Jでは、再びWF6をドーズで導入し、このとき、分子331cと323cは、H2および基板に、吸着および/または反応し得る。図3Jは、図2Bのオペレーション286または図2Cの260Bに相当し得る。WF6ドーズの後に、再びチェンバをパージしてよく、そして、所望の厚さのタングステンが堆積されるまで、再びサイクルを繰り返してよい。
【0075】
開示される実施形態を用いて堆積されたタングステン膜は、非連続CVDによって堆積されたタングステンと比較して、約2桁低いフッ素濃度などの、低フッ素濃度を有する。温度、パルス時間、および他のパラメータなどの堆積条件は、ハードウェアまたはプロセスの変更に応じて変化し得る。膜全体の引張応力は、約1GPa未満であり得る。
【0076】
図3Kは、開示される実施形態に従って実施される方法についてのプロセスフロー図を提示している。オペレーション280で、連続CVDによってバルクタングステンを堆積させる。プロセス条件およびケミストリは、図2Bおよび3A~3Jに関して上述したもののいずれかであり得る。オペレーション299で、非連続CVDによってバルクタングステンを堆積させる。非連続CVDでは、バルクを堆積させるために、タングステン含有前駆体と還元剤に同時に基板を暴露する。タングステン含有前駆体の例として、フッ素含有前駆体(例えば、WF6)、塩素含有前駆体(例えば、WClx)、およびヘキサカルボニルタングステン(W(CO)6)が含まれる。還元剤の例として、水素が含まれる。一部の実施形態では、非連続CVDの堆積は、基板をWF6とH2に暴露することによる。オペレーション280と299は、順次実行してよく、または、オペレーション280のいずれかを、オペレーション299の実行前もしくは実行後に1回以上実行してよい。一部の実施形態では、オペレーション280および299は、パルスで実施され、これにより、オペレーション280の2サイクル以上の実行ごとに、オペレーション299が実行される。このようにして、バルクタングステンは、連続CVDと非連続CVDを併用して堆積され得る。
【0077】
開示される実施形態には、タングステン堆積プロセスにおける様々な用途があり得る。例えば、一部の実施形態では、還元剤(例えば、ボラン、シラン、またはゲルマン)とWF6の交互のパルスのALDサイクルにより、タングステン核形成層を堆積させ、続いて、図2Bに関して上述したような連続CVDによりバルクタングステンを堆積させることで、フィーチャを充填してよい。
【0078】
別の例では、いくつかの実施形態において、還元剤とWF6のALDサイクルを用いてタングステン核形成層を堆積させ、続いて、還元剤とフッ素フリータングステン含有前駆体(例えば、有機金属タングステン前駆体)を用いたフッ素フリータングステンのCVDと、図2Bに関して上述したような連続CVDとの併用によって、バルクタングステンを堆積させてよい。フッ素フリータングステン前駆体として、さらに、カルボニルタングステン(W(CO)6)と、五塩化タングステン(WCl5)および六塩化タングステン(WCl6)のような塩化タングステン(WClx)を含んでもよい。
【0079】
別の例では、還元剤とWF6の交互のパルスのALDサイクルによって、フィーチャ上にタングステン核形成層を堆積させてよく、さらに、図2Bに関して上述したような連続CVDと、非連続CVDを交互に繰り返すことにより、バルクタングステンを堆積させてよい。例えば、バルクタングステンは、所定の継続時間の非連続CVDの合間に、いくつかのサイクルの連続CVDを用いて堆積され得る。具体的な例では、バルクタングステンは、約5サイクルの連続CVD、続いて5秒の非連続CVD、続いて5サイクルの連続CVD、さらに5秒の非連続CVDを用いて堆積され得る。
【0080】
別の例では、最初に、還元剤とWF6の交互のパルスのALDサイクルによってタングステン核形成層を堆積させ、次に、連続CVDを用いてフィーチャを部分的に充填し、さらに非連続CVDによってフィーチャの残り部分を充填することにより、フィーチャを充填してよい。
【0081】
別の例では、還元剤とWF6の交互のパルスのALDサイクルによってタングステン核形成層を堆積させ、続いて連続CVDによりバルクタングステンを部分的に堆積させ、さらに(有機金属タングステン前駆体を用いるような)フッ素フリータングステンのCVDによる完全なバルク充填によって、フィーチャを充填してよい。例えば、バルクタングステンによってフィーチャを部分的に充填するために、いくつかのサイクルの連続CVDを実施し、続いてMDNOWとH2への同時暴露を用いたCVDによってフィーチャの残り部分を充填してよい。一部の実施形態では、核形成層を堆積させることなく、フィーチャは充填され得るものの、核形成層は、バルクタングステンの成長の遅れを抑える助けとなり得るということに留意すべきである。
【0082】
なお、タングステンを堆積させるために、本明細書に記載の応用の様々な組み合わせを用いてよく、また、それらの方法は、本明細書で提示される例に限定されないことは理解されるであろう。例えば、本明細書に記載の実施形態におけるWF6の代わりに、またはWF6と組み合わせて、五塩化タングステン(WCl5)および六塩化タングステン(WCl6)のような塩素含有タングステン前駆体(WClx)を用いてよい。
【0083】
種々の実施形態において、核形成層を堆積させる前に、ソークまたは表面処理オペレーションを実施してよい。ソークまたは表面処理の例として、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、トリシラン(Si38)、ゲルマン(GeH4)、アルゴン(Ar)、六フッ化タングステン(WF6)、ジボラン(B26)、水素(H2)、窒素(N2)のガス、またはそれらの組み合わせに、基板を暴露することが含まれる。いくつかの実施形態において、基板は、1種以上のガスを用いてソークされ得る。例えば、一部の実施形態では、基板を、第1の継続時間にわたってシランに暴露し、次に、第2の継続時間にわたってジボランに暴露してよい。また、このようなオペレーションを、サイクルで繰り返してもよい。別の例では、基板を、第1の継続時間にわたってジボランに暴露し、次に、第2の継続時間にわたってシランに暴露してよい。別の例では、基板を、第1の継続時間にわたってジボランに暴露し、次に、第2の継続時間にわたって水素に暴露してよい。別の例では、基板を、第1の継続時間にわたってシランに暴露し、次に、第2の継続時間にわたって水素に暴露してよい。一部の実施形態では、上記ソークプロセスのいずれかと組み合わせて、基板を、窒素ガスに暴露してよい。開示される実施形態のいずれかにおいて、1回以上のソークオペレーションの合間に、基板を収容しているチェンバをパージしてよい。パージは、アルゴンなどの不活性ガスをチェンバ内に流入させることによって、実施され得る。例えば、一例では、第1の継続時間にわたって基板をジボランに暴露してよく、次にチェンバをパージしてよく、その後、第2の継続時間にわたって基板をシランに暴露してよい。
【0084】
バルクタングステン層を堆積させる前に、開示されるいくつかの実施形態に従って堆積される核形成層は、タングステン含有前駆体と、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、トリシラン(Si38)、ゲルマン(GeH4)、またはジボラン(B26)などの還元剤と、を交互に用いることにより堆積させてよい。一部の実施形態では、核形成層は、タングステン含有前駆体とシランの交互のパルスに基板を暴露することによって堆積される。一部の実施形態では、核形成層は、タングステン含有前駆体とジボランの交互のパルスに基板を暴露することによって堆積される。一部の実施形態では、核形成層は、タングステン含有前駆体とシランの交互のパルスに基板を暴露し、次に、タングステン含有前駆体とジボランの交互のパルスに基板を暴露することによって堆積される。一部の実施形態では、核形成層は、タングステン含有前駆体とジボランの交互のパルスに基板を暴露し、次に、タングステン含有前駆体とシランの交互のパルスに基板を暴露することによって堆積される。一部の実施形態では、核形成層は、タングステン含有前駆体とシランの交互のパルスに基板を暴露し、次に、タングステン含有前駆体とジボランの交互のパルスに基板を暴露し、その後、タングステン含有前駆体とシランの交互のパルスに基板を暴露することによって堆積される。一部の実施形態では、核形成層は、タングステン含有前駆体とジボランの交互のパルスに基板を暴露し、次に、タングステン含有前駆体とシランの交互のパルスに基板を暴露し、その後、タングステン含有前駆体とジボランの交互のパルスに基板を暴露することによって堆積される。開示される実施形態のいずれかにおいて、核形成層を堆積させるための1回以上のドーズオペレーションの合間に、基板を収容しているチェンバをパージしてよい。パージは、アルゴンなどの不活性ガスをチェンバ内に流入させることによって、実施され得る。任意の適切な不活性ガスを、パージに用いてよい。例えば、一部の実施形態では、タングステン含有前駆体のパルスに基板を暴露してよく、次にチェンバをパージしてよく、その後、シランのパルスに基板を暴露してよく、そして再びチェンバをパージしてよく、さらに、このようなオペレーションをサイクルで繰り返してよい。
【0085】
上記の実現形態のいずれかで用いられ得る核形成層の堆積は、核形成堆積プロセスの間中、またはシランのドーズ中、またはジボランのドーズ中、またはWF6ドーズのようなタングステン含有前駆体のドーズ中、またはいずれかのパージ時間の間に、水素(H2)、アルゴン(Ar)、窒素(N2)のうちのいずれか1つ、またはそれらの組み合わせを、共流させることを含んでよい。一部の実施形態では、核形成成長の最中または後に、シラン、ジシラン、トリシラン、ゲルマン、ジボラン、水素、六フッ化タングステン、窒素、アルゴン、およびこれらの組み合わせのいずれかに基板を暴露することにより、表面処理オペレーションを実施してよい。例えば、核形成層の堆積の際に、シランとWF6の交互のパルスに基板を暴露してよく、次に、基板をシランソークに暴露してよく、その後、シランとWF6の交互のパルスへの基板の暴露を再開してよい。このようなオペレーションを、サイクルで実行してよい。例えば、一部の実施形態では、核形成層を堆積させるために、以下のサイクルを1回以上繰り返してよい:SiH4とWF6の交互のパルスと、表面処理への暴露。
【0086】
一部の実施形態では、核形成層は、タングステン含有前駆体と、以下のガスのいずれか1つ以上との任意の組み合わせに、任意の順序で順次、かつ1回以上のサイクルで、基板を暴露することによって堆積され得る:ジボラン、シラン、ジシラン、トリシラン、水素、窒素、およびゲルマン(GeH4)。例えば、一部の実施形態では、核形成層は、ジボランに基板を暴露し、六フッ化タングステンに基板を暴露し、シランに基板を暴露し、そして水素に基板を暴露することによって堆積され得る。このようなオペレーションを、1回以上のサイクルで繰り返してよい。別の例では、いくつかの実施形態において、核形成層は、シランに基板を暴露し、六フッ化タングステンに基板を暴露し、そして水素に基板を暴露することによって堆積され得る。このようなオペレーションを、1回以上のサイクルで繰り返してよい。別の例では、いくつかの実施形態において、核形成層は、ジボランに基板を暴露し、水素に基板を暴露し、そして六フッ化タングステンに基板を暴露することによって堆積され得る。このようなオペレーションを、1回以上のサイクルで繰り返してよい。別の例では、いくつかの実施形態において、核形成層は、窒素に基板を暴露し、ジボランに基板を暴露し、そして六フッ化タングステンに基板を暴露することによって堆積され得る。このようなオペレーションを、1回以上のサイクルで繰り返してよい。別の例では、いくつかの実施形態において、核形成層は、シランに基板を暴露し、窒素に基板を暴露し、そして六フッ化タングステンに基板を暴露することによって堆積され得る。このようなオペレーションを、1回以上のサイクルで繰り返してよい。記載される実施形態のいずれかにおいて、任意の利用可能なガスを用いて、核形成堆積サイクルの前、最中、または後に、基板を、表面処理および/またはソークオペレーションに暴露してよい。一部の実施形態では、核形成堆積プロセスの1回以上の暴露中に、上記のガスのいずれかと共に、追加的なガスを共流させてよい。開示される実施形態のいずれかにおいて、核形成層を堆積させるための1回以上のドーズオペレーションの合間に、基板を収容しているチェンバをパージしてよい。パージは、アルゴンなどの不活性ガスをチェンバ内に流入させることによって、実施され得る。任意の適切な不活性ガスを、パージに用いてよい。
【0087】
バルクタングステンの堆積は、本明細書、および2015年5月27日に出願された米国特許出願第14/723,275号(代理人整理番号LAMRP183/3623-1US)に記載された開示の実施形態のいずれかを用いた堆積であってよく、上記文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。また、上記の実現形態のいずれかにおいて、バルク堆積の合間に実行される再核形成および/またはソークおよび/または表面処理および/または従来のCVD堆積オペレーションを伴って、バルクタングステンは周期的に堆積されてもよい。例えば、いくつかの実施形態において、図2Bに関して上述したような開示の実施形態を用いて、バルクタングステンを堆積させてよく、その後、バルクタングステンの堆積は休止されてよく、次に、基板の表面に再核形成するために、シランとWF6、またはジボランとWF6の交互のパルスに基板を暴露してよく、次に、図2Bに関して上述したような開示の実施形態を用いて、バルクタングステンの堆積を再開させてよい。このようなオペレーションを、任意の数のサイクルで繰り返してよい。別の例では、いくつかの実施形態において、図2Bに関して上述したような開示の実施形態を用いて、バルクタングステンを堆積させてよく、その後、バルクタングステンの堆積は休止されてよく、次に、基板の表面を処理するために、シラン、ジシラン、トリシラン、ゲルマン、ジボラン、水素、六フッ化タングステン、窒素、アルゴン、およびそれらの組み合わせのいずれかを流入させることにより、ソークまたは表面処理に基板を暴露してよく、次に、図2Bに関して上述したような開示の実施形態を用いて、バルクタングステンの堆積を再開させてよい。バルクタングステンの堆積は、WF6のようなタングステン含有前駆体と、以下のガスのいずれか1つ以上に基板を暴露することにより実施され得る:水素、シラン、ジシラン、トリシラン、ジボラン、窒素、アルゴン、およびゲルマン。また、図3Kに関して上述したように、連続CVDと従来のCVDを併用してバルクタングステンを堆積させてもよい。連続CVDを用いてバルクタングステンを堆積させる前、最中(連続CVDと従来のCVDを順に繰り返すことなどによる)、または後に、従来のCVDを実施してよい。
【0088】
一部の実施形態では、バルクタングステンを堆積させる前、かつ核形成層を堆積させた後に、基板を任意の適切な温度でアニールしてよい。一部の実施形態では、バルクタングステン層を堆積させた後に、基板を任意の適切な温度でアニールしてよい。一部の実施形態では、バルクタングステンの堆積中の中間時点で、基板を任意の適切な温度でアニールしてよい。アニールは、以下のガスの1つ以上を含む環境など、任意の適切なガス環境で実施され得る:WF6のようなタングステン含有ガス、水素、シラン、ジシラン、トリシラン、ジボラン、窒素、アルゴン、およびゲルマン。
【0089】
種々の実施形態において、図2Bに関して上述したような開示の実施形態に従ってバルクタングステンを堆積させるためのタングステン含有前駆体および還元剤のドーズの前または後に、基板を収容しているチェンバを排気またはパージしてよい。一部の実施形態では、本明細書で記載されるような連続CVD堆積のドーズまたはパージステップに、遅延時間を導入してよい。一部の実施形態では、以下のガスのいずれか1つ以上を用いたドーズまたはパージオペレーション中に、1種以上のガスを共流させてよい:WF6、水素、シラン、ジシラン、トリシラン、ジボラン、窒素、アルゴン、およびゲルマン。
【0090】
核形成堆積中の基板の温度は、図2Bに関して上述したような連続CVDの際の基板の温度と同じでなくてもよい。基板の温度とは、基板を保持する台に設定される温度を意味するものと解釈される。開示される実施形態は、約10Torr超の圧力、または約10Torr未満の圧力など、任意の適切な圧力で実施してよい。マルチステーション・チェンバの場合、各台は、異なる温度に設定されてよい。一部の実施形態では、各台は、同じ温度に設定される。開示の実施形態による上述のオペレーションのいずれかの一部またはすべての際に、基板をステーションからステーションへと巡回させてよい。また、開示されるいくつかの実施形態における1つ以上のオペレーションにおいて、チェンバ圧力を変調させてもよい。一部の実施形態では、核形成堆積中のチェンバ圧力は、バルク堆積中のチェンバ圧力とは異なる。一部の実施形態では、核形成堆積中のチェンバ圧力は、バルク堆積中のチェンバ圧力と同じである。
【0091】
上記の暴露の際はいずれも、ガスは、パルス化するか、または連続的に流入させてよい。例えば、一部の実施形態では、連続CVDオペレーションのWF6ドーズの際に、1回のドーズ中にWF6を1回以上のパルス状にしてよい。同様に、一部の実施形態では、パージの際に、1回のパージオペレーション中に不活性ガスを1回以上のパルス状にしてよい。このようなパルス化操作は、任意の核形成堆積オペレーション、または任意のバルク堆積オペレーション、またはそれらの任意の組み合わせにおいて実施してよい。いくつかの実施形態において、圧力、流量、および温度などの1つ以上のパラメータに対して1つ以上の変更を加えてよい。いくつかの実施形態において、核形成堆積またはバルク堆積またはその両方のいずれかのオペレーションの際に、基板と台上方のシャワーヘッドとの間の間隔が変調され得るように、台を移動させてよい。台の移動は、圧力、温度、または流量などの1つ以上のパラメータの変更と組み合わせて用いてよい。基板とシャワーヘッドとの間の間隔を変調することは、開示されるいくつかの実施形態に従って用いられ得る圧力、温度、または流量に影響を及ぼし得る。本明細書に記載のプロセスはいずれも、ALDを伴う技術に適用可能であり得ることは理解されるであろう。
【0092】
[装置]
開示される実施形態を実施するために、任意の適切なチェンバを使用してよい。堆積装置の例として様々なシステムが含まれ、例えば、カリフォルニア州フリーモントのラムリサーチ社(Lam Research Corp.)から入手可能なALTUS(登録商標)およびALTUS(登録商標)Max、または他の様々な市販の処理システムのいずれかが含まれる。いくつかの実施形態において、連続化学気相成長(CVD)は、シングル成膜チェンバ内に配置された2つ、5つ、またはさらに多くの成膜ステーションのうちの1つである第1のステーションで実施され得る。その場合、第1のステーションにおいて、例えば、水素(H2)と六フッ化タングステン(WF6)を、交互に、基板表面で局所雰囲気を生成する個々のガス供給システムを用いて半導体基板の表面に導入してよい。フッ素フリータングステン堆積、または非連続CVDのために、他のステーションを使用してよい。低圧でタングステン核形成層を堆積させるために、他のステーションを使用してよい。並行処理でタングステンを堆積させるために、2つ以上のステーションを使用してよい。あるいは、連続CVDオペレーションが、2つ以上のステーションに跨って順次実行されるように、ウェハにインデックスを付けてよい。
【0093】
図4は、いくつかの実施形態に従ってタングステン薄膜堆積プロセスを実施するのに適した処理システムのブロック図である。システム400は、搬送モジュール403を備える。搬送モジュール403は、処理されている基板をいくつかの反応器モジュールの間で移送するときの基板の汚染のリスクを最小限に抑えるための、クリーンな加圧環境を提供する。原子層堆積(ALD)、およびいくつかの実施形態による連続CVDを実施することが可能なマルチステーション反応器409が、搬送モジュール403に取り付けられる。また、マルチステーション反応器409は、いくつかの実施形態においてフッ素フリータングステン堆積および/または非連続CVDを実施するために使用されてもよい。反応器409は、開示される実施形態に従ってオペレーションを順次実行し得る複数のステーション411、413、415、417を有し得る。例えば、反応器409は、ステーション411でALDにより核形成層堆積を実施し、ステーション413で連続CVDを実施し、ステーション415でフッ素フリータングステン堆積を実施し、ステーション417で非連続CVDを実施するように、構成することができる。これらのステーションは、加熱される台または基板サポートと、1つ以上のガス導入口またはシャワーヘッドまたは分散板と、を有し得る。成膜ステーション500の一例を、図5に示しており、これは、基板サポート502とシャワーヘッド503とを有する。台部501に、ヒータを設けてよい。
【0094】
さらに、プラズマまたは化学的(非プラズマ)プレクリーニングを実施することが可能な1つ以上のシングルまたはマルチステーションモジュール407を、搬送モジュール403に取り付けてもよい。また、このモジュールは、例えば堆積プロセスのための基板を準備するために、様々な処理に用いてもよい。システム400は、さらに、処理前および処理後のウェハを格納する1つ以上のウェハソースモジュール401を備える。大気搬送チェンバ419内の大気ロボット(図示せず)によって、まず、ウェハをソースモジュール401からロードロック421に取り出してよい。搬送モジュール403内のウェハ搬送装置(一般的には、ロボットアームユニット)によって、ウェハを、ロードロック421から、搬送モジュール403に取り付けられたモジュールへ、さらには搬送モジュール403に取り付けられたモジュール間で、移送する。
【0095】
種々の実施形態において、堆積中のプロセス条件を制御するために、システムコントローラ429を採用する。コントローラ429は、一般に、1つ以上のメモリデバイスと、1つ以上のプロセッサとを備える。プロセッサは、CPUまたはコンピュータ、アナログおよび/またはデジタル入力/出力接続、ステッピングモータ・コントローラボード、などを含み得る。
【0096】
コントローラ429は、堆積装置の動作のすべてを制御し得る。システムコントローラ429は、特定のプロセスのタイミング、ガスの混合、チェンバ圧力、チェンバ温度、ウェハ温度、高周波(RF)電力レベル、ウェハチャックまたは台の位置、および他のパラメータを制御するための命令セットを含むシステム制御ソフトウェアを実行する。コントローラ429に関連付けられたメモリデバイスに格納される他のコンピュータプログラムを、いくつかの実施形態において採用してよい。
【0097】
一般的に、コントローラ429に関連付けられたユーザインタフェースが設けられる。ユーザインタフェースとして、ディスプレイ画面と、装置および/またはプロセス条件のグラフィックソフトウェア表示と、さらに、ポインティングデバイス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォンなどのユーザ入力デバイスが含まれ得る。
【0098】
システム制御ロジックは、任意の適切な方法で構成され得る。一般に、ロジックは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで設計または構成することができる。駆動回路を制御するための命令は、ハードコーディングされるか、またはソフトウェアとして提供され得る。それらの命令は、「プログラミング」によって提供され得る。そのようなプログラミングは、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、および他のデバイスにおいてハードコーディングされたロジックであって、ハードウェアとして実現された特定のアルゴリズムを有するものなど、任意の形態のロジックを含むものと解釈される。プログラミングは、さらに、汎用プロセッサ上で実行され得るソフトウェアまたはファームウェア命令を含むものと解釈される。システム制御ソフトウェアは、任意の適切なコンピュータ可読プログラミング言語でコーディングされ得る。
【0099】
プロセスシーケンスにおけるゲルマニウム含有還元剤パルス、水素流、およびタングステン含有前駆体パルス、および他のプロセスを制御するためのコンピュータプログラムコードは、例えば、アセンブリ言語、C、C++、パスカル、フォートランなど、通常のコンピュータ可読プログラミング言語のいずれかで作成することができる。コンパイルされたオブジェクトコードまたはスクリプトをプロセッサにより実行することで、プログラムで示されるタスクが実行される。さらに、指摘したように、プログラムコードは、ハードコーディングされてもよい。
【0100】
コントローラパラメータは、例えば、処理ガスの組成および流量、温度、圧力、冷却ガス圧力、基板温度、チェンバ壁温度、などのプロセス条件に関するものである。これらのパラメータは、レシピの形でユーザに提供され、ユーザインタフェースを利用して入力され得る。
【0101】
プロセスを監視するための信号を、システムコントローラ429のアナログおよび/またはデジタル入力接続によって供給してよい。プロセスを制御するための信号は、堆積装置400のアナログおよびデジタル出力接続に出力される。
【0102】
システムソフトウェアは、多くの異なる方法で設計または構成され得る。例えば、開示した実施形態による堆積プロセスを実施するために必要なチェンバ構成要素の動作を制御するための、各種チェンバ構成要素サブルーチンまたは制御オブジェクトが作成され得る。この目的のためのプログラムまたはプログラム部分の例には、基板位置決めコード、処理ガス制御コード、圧力制御コード、およびヒータ制御コードが含まれる。
【0103】
いくつかの実現形態において、コントローラ429は、上述の例の一部であり得るシステムの一部である。そのようなシステムは、処理ツールまたはいくつかのツール、チェンバまたはいくつかのチェンバ、処理用プラットフォームまたはいくつかのプラットフォーム、および/または特定の処理コンポーネント(ウェハ台、ガスフローシステムなど)、などの半導体処理装置を備えることができる。これらのシステムは、半導体ウェハまたは基板の処理前、処理中、処理後の自身のオペレーションを制御するための電子装置と統合されてよい。それらの電子装置は、そのシステムまたはいくつかのシステムの各種コンポーネントまたはサブパーツを制御し得る上記「コントローラ」を指す場合がある。コントローラ429は、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、一部のシステムにおける高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給の設定、位置および動作設定、ツールとの間および他の搬送ツールとの間および/または特定のシステムに接続またはインタフェースしているロードロックとの間のウェハ搬送を含む、本明細書に開示の任意のプロセスを制御するようにプログラムされ得る。
【0104】
コントローラは、広義には、種々の集積回路、ロジック、メモリ、および/または、命令を受け取り、命令を発行し、オペレーションを制御し、クリーニング動作を実現し、終点測定を実現するなどのソフトウェア、を有する電子装置と定義され得る。集積回路には、プログラム命令を格納したファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として規定されるチップ、および/またはプログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラ、が含まれ得る。プログラム命令は、半導体ウェハ上での特定のプロセスまたは半導体ウェハのための特定のプロセスまたはシステムに対する特定のプロセスを実施するための動作パラメータを規定する様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であり得る。動作パラメータは、一部の実施形態では、ウェハの1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/またはダイの製造において1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって規定されるレシピの一部であり得る。
【0105】
コントローラ429は、いくつかの実現形態において、システムに統合もしくは接続されるか、またはその他の方法でシステムにネットワーク接続されたコンピュータの一部であるか、またはそのようなコンピュータに接続されたものであるか、またはそれらの組み合わせであり得る。例えば、コントローラ429は、「クラウド」にあるか、またはファブホストコンピュータシステムの全体もしくは一部であってよく、それは、ウェハ処理のためのリモートアクセスを可能とするものであり得る。コンピュータによって、製造オペレーションの現在の進行状況を監視し、過去の製造オペレーションの履歴を調査し、複数の製造オペレーションからの傾向またはパフォーマンスメトリックを調査するため、現在の処理のパラメータを変更するため、現在の処理に従って処理工程を設定するため、または、新たなプロセスを開始するための、システムへのリモートアクセスが実現され得る。いくつかの例において、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含み得るネットワークを介して、システムにプロセスレシピを提供することができる。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能とするユーザインタフェースを有するものであってよく、それらは、その後、リモートコンピュータからシステムに伝達される。一部の例では、コントローラは、1つ以上のオペレーションにおいて実行される処理工程の各々のパラメータを指定するデータの形で命令を受け取る。なお、それらのパラメータは、実施されるプロセスのタイプ、およびコントローラがインタフェースまたは制御するように構成されているツールのタイプ、に固有のものであり得ることは、理解されなければならない。その場合、上述のように、相互にネットワーク接続されているとともに、本明細書に記載のプロセスおよび制御などの共通の目的に向かって協働する1つ以上の別個のコントローラを備えることなどによって、コントローラを分散させてよい。このような目的の分散コントローラの一例は、チェンバに搭載する1つ以上の集積回路であり、これらは、(プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として、など)遠隔配置された1つ以上の集積回路と通信し、共同でチェンバにおけるプロセスを制御する。
【0106】
例示的なシステムは、限定するものではないが、プラズマエッチングチェンバまたはモジュール、成膜チェンバまたはモジュール、スピンリンスチェンバまたはモジュール、金属メッキチェンバまたはモジュール、クリーンチェンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチェンバまたはモジュール、物理気相成長(PVD)チェンバまたはモジュール、CVDチェンバまたはモジュール、ALDチェンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チェンバまたはモジュール、イオン注入チェンバまたはモジュール、トラックチェンバまたはモジュール、ならびに半導体ウェハの作製および/または製造に関連または使用することがある他の任意の半導体処理システム、を含み得る。
【0107】
上述のように、ツールによって実行される処理工程またはいくつかの工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近隣のツール、工場の至るところに配置されたツール、メインコンピュータ、他のコントローラ、または半導体製造工場においてツール場所および/またはロードポートとの間でウェハの容器を移動させる材料搬送で使用されるツール、のうちの1つ以上と通信し得る。
【0108】
コントローラ429は、各種プログラムを含み得る。基板位置決めプログラムは、基板を台またはチャック上にロードするために、さらには、基板と、ガス導入口のようなチェンバの他の部材および/またはターゲットとの間隔を制御するために、使用されるチェンバ構成要素を制御するためのプログラムコードを含み得る。処理ガス制御プログラムは、ガス組成、流量、パルス時間を制御するための、さらにはオプションとして、堆積前にチェンバ内の圧力を安定化させるためにチェンバ内にガスを流入させるための、コードを含み得る。圧力制御プログラムは、例えば、チェンバの排気システムのスロットル弁を調節することによってチェンバ内の圧力を制御するための、コードを含み得る。ヒータ制御プログラムは、基板を加熱するために使用される加熱ユニットへの電流を制御するためのコードを含み得る。あるいは、ヒータ制御プログラムは、ウェハチャックへのヘリウムのような熱伝達ガスの供給を制御するものであってよい。
【0109】
堆積中に監視され得るチェンバセンサの例として、マスフローコントローラ、マノメータのような圧力センサ、台またはチャックに配置される熱電対、が含まれる。所望のプロセス条件を維持するために、これらのセンサからのデータと共に、適切にプログラムされたフィードバックおよび制御アルゴリズムを用いてよい。
【0110】
上記では、シングルまたはマルチチェンバ半導体処理ツールにおける開示の実施形態の実施について記載している。本明細書に記載の装置およびプロセスは、例えば、半導体デバイス、ディスプレイ、LED、太陽電池パネルなどの作製または製造のために、リソグラフィパターニング・ツールまたプロセスと組み合わせて用いてよい。一般に、そのようなツール/プロセスは、必ずしもそうではないが、共通の製造設備で一緒に使用または実施される。膜のリソグラフィパターニングは、通常、以下の工程の一部またはすべてを含み、各工程は、いくつかの考え得るツールを用いて実施される。(1)スピン式またはスプレー式のツールを用いて、ワークピースすなわち基板の上にフォトレジストを塗布する;(2)ホットプレートまたは炉またはUV硬化ツールを用いて、フォトレジストを硬化させる;(3)ウェハステッパなどのツールによって、可視光線または紫外線またはX線でフォトレジストを露光する;(4)ウェットベンチなどのツールを用いて、選択的にレジストを除去するようにレジストを現像し、これによりパターンを形成する;(5)ドライまたはプラズマアシスト・エッチングツールを用いて、レジストパターンを下の膜またはワークピースに転写する;(6)RFまたはマイクロ波プラズマ・レジストストリッパなどのツールを用いて、レジストを剥離する。
【0111】
[実験]
「実験1」
395℃、かつ40Torrの圧力で、バルクタングステンを堆積させるための4通りのプロセスについて、実験を実施した。各プロセスでは、ジボラン(B26)と六フッ化タングステン(WF6)の交互のサイクルを繰り返す原子層堆積(ALD)を用いて堆積させたタングステン核形成層の上に、バルクタングステンを堆積させた。図6は、これら4通りのプロセスの各々について、例示的なパルス化スキームを提示している。プロセス1では、従来の化学気相成長(CVD)のときのように、H2とWF6を同時に、チェンバ内に連続的に流入させる。プロセス2では、H2を連続的に流入させつつ、一方でWF6をパルス化する(例えば、パルスCVD)。プロセス3では、WF6を連続的に流入させつつ、一方でH2をパルス化する(例えば、パルスCVD)。プロセス4では、図2Bに関して上述したような方法(例えば、連続CVD)を用いて、H2とWF6を交互にパルス化する。タングステン核形成層の厚さと、これら4通りのプロセスをそれぞれ用いて堆積させた膜の応力、不均一性、および抵抗率を測定して、以下の表1に編集した。
【表1】
【0112】
表1に示すように、プロセス4を用いて堆積させたタングステン膜の応力と抵抗率はともに、プロセス1~3のいずれかを用いて堆積させた膜よりも顕著に低い。
【0113】
「実験2」
両方ともに、窒化チタン(TiN)バリア層と、B26とWF6の交互のサイクルを繰り返すALDによって堆積させたタングステン核形成層とを有する基板である2つの基板上に、バルクタングステンを堆積させるためのプロセスについて、実験を実施した。一方の基板は、300℃でWF6とH2に同時に基板を暴露することを伴う非連続CVDを用いたバルクタングステン堆積に関わったものである。他方の基板は、10Torrのチェンバ圧力でWF6とH2の交互のパルスを繰り返すことを伴って、図2Bに関して上述したような連続CVDを用いたバルクタングステン堆積に関わったものである。両方の基板について、フッ素濃度を測定した。この実験の条件を表2に示している。結果を、図7にプロットしている。
【表2】
【0114】
ライン700は、非連続CVDで堆積されたタングステンを有する基板について、フッ素濃度を示している。ライン701は、連続CVDで堆積されたタングステンを有する基板について、フッ素濃度を示している。約350Åの位置のW/TiN界面のラインは、タングステン核形成層とTiNバリア層との間の界面を表している。約475Åの位置のTiN/酸化物界面の点線ラインは、TiNバリア層と酸化物との間の界面を表している。注目すべきことは、プロットのy軸上のフッ素濃度は、桁の違いによるものであり、連続CVDのフッ素濃度701は、非連続CVDのフッ素濃度700よりも、顕著に低く、いくつかの基板深さにおいてフッ素濃度は最大2桁低いということである。
【0115】
「実験3」
異なる圧力で基板上にバルクタングステンを堆積させるためのプロセスについて、実験を実施した。3つの基板はそれぞれTiNバリア層を有するものであった。
1つの基板は、10TorrでB26とWF6の交互のサイクルを繰り返すALDにより堆積されたタングステン核形成層の堆積と、その後の、300℃でWF6とH2に基板を暴露することによるバルクタングステンのCVDに関わったものである。もう1つの基板は、10TorrでB26とWF6の交互のサイクルを繰り返すALDにより堆積されたタングステン核形成層の堆積と、その後の、10TorrでWF6とH2の交互のパルスを繰り返すことによるバルクタングステンの連続CVDに関わったものである。第3の基板は、3TorrでB26とWF6の交互のサイクルを繰り返すことにより堆積されたタングステン核形成層のALDと、その後の、10TorrでWF6とH2の交互のパルスを用いたバルクタングステンの連続CVDに関わったものである。3つの基板すべてについて、フッ素濃度を測定した。この実験の条件を、表3に示している。結果を、図8にプロットしている。
【表3】
【0116】
ライン800は、非連続CVDによりバルクタングステンが堆積された第1の基板について、フッ素濃度を表している。破線ライン801は、10Torrでの核形成層の堆積に続いて、連続CVDによりバルクタングステンが堆積された第2の基板について、フッ素濃度を表している。点線ライン803は、3Torrでの核形成層の堆積に続いて、連続CVDによりバルクタングステンが堆積された第3の基板について、フッ素濃度を表している。結果は、低圧での核形成層の後に続く連続CVD(803)では、W/TiN界面であっても、さらには(350Åと475Åの間の)TiN層においても、第2の基板(801)よりも低いフッ素濃度が示されたことを、示している。これは、タングステン膜中のフッ素濃度の減量によって、TiN層および酸化物へのフッ素の拡散が低減され得ることを示唆している。
【0117】
「実験4」
タングステン堆積の異なる組み合わせを用いて基板上にバルクタングステンを堆積させるためのプロセスについて、実験を実施した。3つの基板で比較した。1つの基板は、1kÅの熱酸化物と、30ÅのTiNと、WF6とB26の交互のパルスを繰り返すALDを用いて3Torrで堆積された18Åのタングステン核形成層と、WF6とH2のパルスによる連続CVDを用いて10Torrで堆積されたバルクタングステンと、を有するものであった。この基板のフッ素濃度を、図9に破線ライン912で示している。もう1つの基板は、1kÅの熱酸化物と、30ÅのTiNと、10Åのフッ素フリータングステンと、WF6とB26の交互のパルスを繰り返すALDを用いて3Torrで堆積された12Åのタングステン核形成層と、WF6とH2のパルスを用いた10Torrでの連続CVDにより堆積されたバルクタングステンと、を有するものであった。この第2の基板のフッ素濃度を、図9にライン911で示している。第3の基板は、5kÅのTEOS堆積による酸化物と、30Åのフッ素フリータングステンと、WF6とB26の交互のパルスを繰り返すALDを用いて3Torrで堆積された12Åのタングステン核形成層と、WF6とH2を用いた10Torrでの連続CVDにより堆積されたバルクタングステンと、を有するものであった。この基板のフッ素濃度を、図9に点線ライン913で示している。この実験で各基板に堆積させた層を、表4に要約している。
【表4】
【0118】
図9に示すように、フッ素フリータングステンと、低圧での核形成層と、連続CVDとの組み合わせを用いて堆積させた膜についてのフッ素濃度では、フッ素拡散がより少なかった(W/TiN界面を越えた425Å超の深さにおけるライン911およびライン913を参照)。核形成層付近のフッ素濃度は、基板上に堆積させたより多くのフッ素フリータングステンを有する膜の場合に、300Åと425Åの間において最も低かったが、一方、バルクタングステンは、フッ素フリータングステン層を有することなく低圧での核形成と連続CVDを用いて堆積させた膜の場合に、約50Åと300Åの間においてフッ素濃度がより低かった(ライン912を参照)。これらの結果は、フッ素フリータングステンの堆積と、タングステンの連続CVDとの組み合わせによって、結果的に、極めて低いフッ素濃度およびフッ素拡散の低減を実現したタングステン膜が得られる場合があることを示唆している。
【0119】
「実験5」
低圧と高圧での核形成層の堆積との組み合わせで、連続CVDにより膜を堆積させるプロセスについて、実験を実施した。一方の基板は、10TorrでWF6とB26の交互のサイクルを繰り返すALDを用いて堆積されたタングステン核形成層と、10TorrでWF6とH2の交互のパルスを用いて、上述のように図2Bに従った連続CVDにより堆積されたバルクタングステンと、を有するものであった。膜の応力および抵抗率を、いくつかの厚さの位置で測定したものを、図10Aおよび10Bにライン1001「低圧での核形成」として示している。他方の基板は、40TorrでWF6とB26の交互のサイクルを繰り返すALDを用いて堆積されたタングステン核形成層と、10TorrでWF6とH2の交互のパルスを用いて、上述のように図2Bに従った連続CVDにより堆積されたバルクタングステンと、を有するものであった。膜の応力および抵抗率を、いくつかの厚さの位置で測定したものを、図10Aおよび10Bにライン1002「高圧での核形成」として示している。これらの核形成層およびバルク層の堆積条件を、表5に示している。
【表5】
【0120】
結果に示されているように、低圧で堆積された核形成層を有する基板は、高圧で堆積された核形成層を有する基板よりも、応力が顕著に低かったが、一方、抵抗率は、略同じままであった。
【0121】
「実験6」
低温と高温での核形成層の堆積との組み合わせで、連続CVDにより膜を堆積させるプロセスについて、実験を実施した。一方の基板は、10Torrかつ250℃でWF6とB26の交互のサイクルを繰り返すALDを用いて堆積されたタングステン核形成層と、10TorrでWF6とH2の交互のパルスを用いて、上述のように図2Bに従った連続CVDにより堆積されたバルクタングステンと、を有するものであった。膜の応力および抵抗率を、いくつかの厚さの位置で測定したものを、図11Aおよび11Bにライン1104「低温での核形成」として示している。他方の基板は、10Torrかつ300℃でWF6とB26の交互のサイクルを繰り返すALDを用いて堆積されたタングステン核形成層と、10TorrでWF6とH2の交互のパルスを用いて、上述のように図2Bに従った連続CVDにより堆積されたバルクタングステンと、を有するものであった。膜の応力および抵抗率を、いくつかの厚さの位置で測定したものを、図11Aおよび11Bにライン1102「高温での核形成」として示している。これらの核形成層およびバルク層の堆積条件を、表6に示している。
【表6】
【0122】
結果に示されているように、低温で堆積された核形成層を有する基板は、高温で堆積された核形成層を有する基板よりも、応力が顕著に低かったが、一方、より高温で堆積された膜の抵抗率は、より低温で堆積された膜の抵抗率よりも、わずかに低かった。これらの結果は、より低温での核形成層の堆積と、連続CVDによるバルク堆積との組み合わせによって、膜の応力を顕著に低減できることを示唆している。
【0123】
[結論]
上記の実施形態は、明確な理解を目的として、ある程度詳細に記載しているが、添付の請求項の範囲内でいくらかの変更および変形を実施してよいことは明らかであろう。なお、本発明の実施形態のプロセス、システム、および装置を実現する数多くの代替的形態があることに留意すべきである。よって、本発明の実施形態は例示とみなされるべきであって、限定するものではなく、また、実施形態は、本明細書で提示した詳細に限定されるものではない。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
フィーチャを充填する方法であって、
(a)基板上にタングステン核形成層を堆積させるために、チェンバ内で還元剤と第1のタングステン含有前駆体の交互のパルスに前記基板を暴露することと、
(b)前記タングステン核形成層の上にバルクタングステン層を堆積させるために、水素と第2のタングステン含有前駆体の交互のパルスに前記基板を暴露することと、を含み、
(a)におけるチェンバ圧力は、10Torr以下である、方法。
適用例2:
適用例1の方法であって、さらに、
(c)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、還元剤と第3のタングステン含有前駆体に同時に前記基板を暴露すること、を含む、方法。
適用例3:
適用例2の方法であって、さらに、
(d)として、(b)の2サイクル以上の実施ごとに(c)を実施すること、を含み、(b)の1サイクルには、水素のパルスと前記第2のタングステン含有前駆体のパルスが含まれる、方法。
適用例4:
適用例1ないし3のいずれかの方法であって、
(b)は、水素のパルスと前記タングステン含有前駆体のパルスを含むサイクルで実施され、各サイクルで、少なくとも約0.3Åの厚さを有するサブ原子層を形成する、方法。
適用例5:
適用例1ないし3のいずれかの方法であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、前記第2のタングステン含有前駆体とは異なるものである、方法。
適用例6:
適用例5の方法であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、フッ素フリーのものである、方法。
適用例7:
適用例1ないし3のいずれかの方法であって、
前記堆積されたタングステン核形成層および前記堆積されたバルクタングステン層は、500Åの堆積あたり、約1GPa未満の引張応力を有する、方法。
適用例8:
基板上にタングステンを堆積させる方法であって、前記方法は、
(a)前記基板上にタングステン層を堆積させることであって、
(i)還元剤に前記基板を暴露すること、および、
(ii)第1のフッ素フリータングステン含有前駆体に前記基板を暴露することにより、(a)前記基板上にタングステン層を堆積させることと、
(b)バルクタングステン層をサイクルで堆積させることと、を含み、(b)は、
(i)水素(H2)に前記基板を暴露すること、
(ii)第2のタングステン含有前駆体に前記基板を暴露すること、および、
(iii)前記バルクタングステン層を堆積させるために(i)-(ii)を1回以上のサイクルで繰り返すこと、を含む、方法。
適用例9:
適用例8の方法であって、
前記第1のフッ素フリータングステン含有前駆体は、有機金属タングステン含有前駆体、およびヘキサカルボニルタングステン、からなる群から選択される、方法。
適用例10:
適用例8または9の方法であって、
(a)において、前記タングステン層は、約2Å~約100Åの間の厚さに堆積される、方法。
適用例11:
適用例8または9の方法であって、
(b)における各サイクルは、少なくとも約0.3Åの厚さを有するサブ原子層を形成する、方法。
適用例12:
フィーチャを充填する方法であって、
(a)基板上にバルクタングステン層を堆積させるために、水素と第1のタングステン含有前駆体の交互のパルスに前記基板を暴露することと、
(b)前記基板上に第2のバルクタングステン層を堆積させるために、第2のタングステン含有前駆体と還元剤に同時に前記基板を暴露することと、を含む方法。
適用例13:
適用例12の方法であって、
(a)と(b)を順次繰り返す、方法。
適用例14:
適用例12の方法であって、
(b)における前記タングステン含有前駆体は、有機金属タングステン含有前駆体、塩化タングステン、およびヘキサカルボニルタングステン、からなる群から選択されたフッ素フリータングステン含有前駆体である、方法。
適用例15:
適用例12ないし14のいずれかの方法であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、前記第2のタングステン含有前駆体とは異なるものである、方法。
適用例16:
基板を処理するための装置であって、前記装置は、
(a)基板を保持するように構成された台を有する少なくとも1つの処理チェンバと、
(b)真空に接続するための少なくとも1つの出口と、
(c)1つ以上の処理ガス源に接続された1つ以上の処理ガス導入口と、
(d)前記装置におけるオペレーションを制御するためのコントローラと、を備え、前記コントローラは、
(i)還元剤と第1のタングステン含有前駆体を交互のパルスで前記処理チェンバに導入するための機械可読命令、および、
(ii)水素と第2のタングステン含有前駆体を交互のパルスで前記処理チェンバに導入するための機械可読命令を含み、
(i)におけるチェンバ圧力は、10Torr以下である、装置。
適用例17:
適用例16の装置であって、さらに、
前記コントローラは、(iii)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、還元剤と第3のタングステン含有前駆体を同時に前記処理チェンバに導入するための機械可読命令を含む、装置。
適用例18:
適用例16の装置であって、さらに、
前記コントローラは、(iv)として、(ii)の2サイクル以上の実施ごとに(iii)を実施するための機械可読命令を含み、(ii)の1サイクルには、水素のパルスと前記第2のタングステン含有前駆体のパルスが含まれる、装置。
適用例19:
適用例16ないし18のいずれかの装置であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、前記第2のタングステン含有前駆体とは異なるものである、装置。
適用例20:
適用例16ないし18のいずれかの装置であって、
前記第1のタングステン含有前駆体は、フッ素フリーのものである、装置。
適用例21:
基板を処理するための装置であって、前記装置は、
(a)基板を保持するように構成された台を有する少なくとも1つの処理チェンバと、
(b)真空に接続するための少なくとも1つの出口と、
(c)1つ以上の処理ガス源に接続された1つ以上の処理ガス導入口と、
(d)前記装置におけるオペレーションを制御するためのコントローラと、を備え、前記コントローラは、
(i)バルクタングステン層を堆積させるために、水素と第1のタングステン含有前駆体を交互のパルスで前記処理チェンバに導入するための機械可読命令、および、
(ii)第2のバルクタングステン層を堆積させるために、第2のタングステン含有前駆体と還元剤を同時に前記処理チェンバに導入するための機械可読命令を含む、装置。
適用例22:
適用例21の装置であって、
前記コントローラは、さらに、(i)と(ii)を順次繰り返すための機械可読命令を含む、装置。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図3K
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B