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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】面光源装置、表示装置及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220622BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220622BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20220622BHJP
   F21Y 105/16 20160101ALN20220622BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220622BHJP
【FI】
F21S2/00 415
F21S2/00 413
F21S2/00 419
G02F1/13357
G02B6/00 331
F21Y105:16
F21Y115:10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020209314
(22)【出願日】2020-12-17
(62)【分割の表示】P 2016239560の分割
【原出願日】2016-12-09
(65)【公開番号】P2021061246
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-01-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100123319
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 武彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125357
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100123098
【弁理士】
【氏名又は名称】今堀 克彦
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【弁理士】
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】廣田 和英
(72)【発明者】
【氏名】石見 直樹
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/058625(WO,A1)
【文献】特開2016-095346(JP,A)
【文献】特開2011-210674(JP,A)
【文献】特開2007-180022(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
G02F 1/13357
G02B 6/00
F21Y 105/16
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する出光面と、前記出光面の反対側の反対面と、前記反対面に設けられた凹部と、前記出光面に設けられ、光を屈折及び散乱する散乱部と、を有する導光板と、
前記凹部の下方に配置された光源と、
前記導光板の前記反対面側であって前記光源の周囲に配置された反射層と、
前記導光板と前記光源との間に配置された透明樹脂層と、
を備え、
前記反射層の一部が前記凹部の下方に配置されており、
前記反射層の他の一部が前記反対面に接触しており、
前記凹部は、前記凹部の底面から前記凹部の開口に向かって広がるテーパ面を有し、
前記凹部の前記テーパ面と前記透明樹脂層とが接触している面光源装置。
【請求項2】
前記散乱部は、前記導光板とは別部材である請求項1に記載の面光源装置。
【請求項3】
前記凹部は、円錐台形状を有する請求項1又は2に記載の面光源装置。
【請求項4】
前記散乱部は、凸形状である請求項1から3の何れか一項に記載の面光源装置。
【請求項5】
前記凹部の底面と前記透明樹脂層とが接触している請求項1からの何れか一項に記載の面光源装置。
【請求項6】
前記反射層は前記光源の側面の一部を覆っている請求項1からの何れか一項に記載の面光源装置。
【請求項7】
前記透明樹脂層は前記光源の上面と前記光源の側面の他の一部を覆っている請求項に記載の面光源装置。
【請求項8】
前記光源の主軸の角度に応じて前記テーパ面の角度が設定されている請求項1からの何れか一項に記載の面光源装置。
【請求項9】
前記散乱部が前記光源の上方に配置されている請求項1からの何れか一項に記載の面光源装置。
【請求項10】
複数の前記凹部が、前記導光板の前記反対面に設けられており、
複数の前記光源のそれぞれが、複数の前記凹部の下方に配置されており、
複数の前記散乱部のそれぞれが、複数の前記光源の上方に配置されており、
前記反射層が、複数の前記光源の周囲に配置されており、
前記反射層の一部が複数の前記凹部の下方に配置されている請求項1からの何れか一項に記載の面光源装置。
【請求項11】
請求項1から10の何れか一項に記載の面光源装置と、
前記面光源装置から出射される光を受ける表示パネルと、
を備える表示装置。
【請求項12】
請求項11に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板、面光源装置、表示装置及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、薄型化が進んでいる。このような電子機器に搭載される液晶表示装置(液晶ディスプレイ)の導光板には、薄型化が要求されている。液晶表示装置用のバックライトの方式として、エッジライト型バックライトと呼ばれる方式と、直下型バックライトと呼ばれる方式とがある。大型の液晶表示装置用のバックライトとして、光の利用効率が高く、高輝度化が容易な直下型バックライトが用いられている。バックライトの光源として、例えば、白色光を出射するLED(Light Emitting Diode)が用いられる。直下型バックライトの場合、導光板の直下に複数のLEDを配置するが、LEDの直上の部分と他の部分とで導光板に輝度ムラが生じやすい。上記の技術に関連して、光源の輝度バラツキを低減することを目的として、光源を、導光板の背面に設けられた円錐状をした光源挿入用の凹みに設置し、導光板の背面に、導光板内部の光を散乱させるための光散乱用ドットを設けた面光源装置が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3427636号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
導光板の薄型化及び導光板の輝度ムラの抑制が要求されている。このような状況に鑑み、本発明は、導光板の薄型化を促進すると共に、導光板の輝度ムラを抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、光を出射する出光面と、出光面の反対側の反対面と、反対面に設けられた凹部と、出光面、反対面及び凹部の底面に設けられ、光を屈折及び散乱する複数の散乱部と、を備え、凹部は、凹部の底面から凹部の開口に向かって広がるテーパ面を有する導光板である。
【0006】
本発明によれば、光がテーパ面に当たり、光が屈折して導光板内に入射されることで、導光板内に入射された光が大きく広がる。本発明によれば、凹部の底面に設けられた散乱部に光が当たり、光が屈折及び散乱して導光板内に入射される。本発明によれば、反対面に設けられた散乱部に導光板内の光が当たり、導光板内の光が屈折及び散乱する。本発明によれば、出光面に設けられた散乱部に導光板内の光が当たり、導光板内の光が屈折及び散乱して、導光板の出光面から外部に光が出射される。これらの構成により、導光板の厚みを大きくせずに、導光板の出光面の輝度分布が均一化され、導光板の輝度ムラを抑制することができる。
【0007】
本発明に係る導光板は、出光面、反対面及び凹部の底面に設けられた複数の散乱部が、それぞれ密集して配置されている。この構成により、導光板内の光や導光板の出光面から出射される光が屈折及び散乱する可能性が高くなるため、導光板の厚みを大きくせずに、導光板の出光面の輝度分布がより均一化され、導光板の輝度ムラをより抑制することができる。
【0008】
本発明に係る導光板は、凹部が、円錐台形状を有する。この構成により、小さいサイズの光源を凹部内に収容することができるため、導光板の厚みを大きくせずに、導光板の出光面の輝度分布が均一化され、導光板の輝度ムラを抑制することができる。
【0009】
本発明に係る導光板は、凹部内に収容される光源の主軸の角度に応じてテーパ面の角度が設定されている。この構成により、光源の種類を変更することで光源の主軸が変わった場合であっても、導光板の出光面に入射する光の入射角を一定の角度に維持することができる。また、光源の出射光のピーク方向を制御することができる。したがって、導光板の出光面の輝度分布を光源毎に制御することができる。
【0010】
本発明に係る導光板は、凹部が反対面に複数設けられている。この構成により、複数の凹部のそれぞれに光源を収容することができる。本発明に係る面光源装置は、本発明に係る導光板と、凹部内に収容された光源と、を備え、光源の主軸の角度に応じてテーパ面の角度が設定されている。このような面光源装置は、本発明に係る導光板を備えるため、導光板の厚みを大きくせずに、導光板の出光面の輝度分布が均一化され、導光板の輝度ムラが抑制された面光源装置を提供することができる。
【0011】
本発明に係る面光源装置は、本発明に係る導光板と、導光板の反対面側に配置された光源と、導光板と光源との間に配置された透明樹脂層と、を備え、光源が透明樹脂層に埋め込まれている。また、本発明に係る面光源装置は、本発明に係る導光板と、導光板の反対面側に配置された複数の光源と、導光板と複数の光源との間に配置された透明樹脂層と、を備え、複数の光源が透明樹脂層に埋め込まれている。これらの構成により、導光板の厚みを大きくせずに、導光板と光源との間の距離を一定に保つことができる。導光板の凹部内に光源を収容せずに、導光板と光源とを離すことにより、導光板内に入射される光の広がりを大きくすることができる。また、導光板の凹部内に光源及び透明樹脂層を収容して、導光板と光源との間の距離を大きくすることにより、導光板内に入射される光の広がりを大きくすることができる。
【0012】
本発明に係る表示装置は、本発明に係る面光源装置と、面光源装置から出射される光を受ける表示パネルとを備える。このような表示装置は、本発明に係る導光板及び面光源装置を備えるため、導光板の厚みを大きくせずに、導光板の出光面の輝度分布が均一化され、導光板の輝度ムラが抑制された表示装置を提供することができる。
【0013】
本発明に係る電子機器は、本発明に係る表示装置を備える。このような電子機器では、本発明に係る導光板、面光源装置及び表示装置を備えるため、導光板の厚みを大きくせずに、導光板の出光面の輝度分布が均一化され、導光板の輝度ムラが抑制された電子機器を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導光板の薄型化を促進すると共に、導光板の輝度ムラを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、実施形態に係る液晶表示装置の構成を例示する斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る面光源装置の構成を例示する斜視図である。
図3図3は、導光板の断面図である。
図4A図4Aは、導光板の拡大断面図である。
図4B図4Bは、導光板の拡大断面図である。
図4C図4Cは、導光板の拡大断面図である。
図5A図5Aは、導光板の平面図である。
図5B図5Bは、導光板の平面図である。
図6図6の(A)及び(B)は、導光板の断面図である。
図7図7は、導光板の拡大断面図である。
図8図8の(A)及び(B)は、光源の主軸の角度と、凹部のテーパ面の角度との関係を示す図である。
図9図9は、光源の主軸の角度に対して約±20度の範囲で光源から光が出射された場合の光の進行を示す図である。
図10A図10Aは、導光板10の断面図である。
図10B図10Bは、導光板10の断面図である。
図10C図10Cは、導光板10の断面図である。
図10D図10Dは、導光板10の断面図である。
図10E図10Eは、導光板10の断面図である。
図10F図10Fは、導光板10の断面図である。
図10G図10Gは、導光板10の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する一例を示すものであって、本発明を以下に説明する具体的な構成に限定するものではない。
【0017】
以下の実施形態では、「表示装置」は、液晶表示装置として説明され、「面光源装置」は、液晶表示装置のバックライトとして説明される。なお、「面光源装置」は、表示パネルや電子ペーパによる表示装置の前面に配置されるフロントライト等、バックライト以外の用途で利用されてもよい。
【0018】
(液晶表示装置の構成)
図1は、実施形態に係る液晶表示装置の構成を例示する斜視図である。図1に示すように、液晶表示装置は、バックライトとして配置される面光源装置1と、面光源装置1から出射される光を受ける表示パネル2とを備える。表示パネル2は、ガラス板に挟まれて封入された液晶に電圧をかけて光の透過率を増減等させることで、像を表示する。以下、面光源装置1における、表示パネル2側を上面側として、その反対面側を下面側として説明することがある。
【0019】
(面光源装置1の構成)
図2は、実施形態に係る面光源装置1の構成を例示する斜視図である。面光源装置1は、導光板10及びフレーム12を備える。また、面光源装置1は、導光板10の下面側に配置される複数の光源11、実装基板13及び反射層14を備える。導光板10の下面側は、表示パネル2が配置されている側の反対側である。更に、面光源装置1は、導光板10の上面側に順に積層される拡散シート15、プリズムシート16及び遮光部材17を備える。導光板10の上面側は、表示パネル2が配置されている側である。プリズムシート16は、1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。
【0020】
導光板10は、概略平板状であり、ポリカーボネート樹脂やポリメチルメタクリレート樹脂等の透光性の素材で成形される。導光板10の上面は、光が出射する出光面であり、表示パネル2と向かい合っている面である。導光板10は、導光板10内に入射された光を出光面に導き、出光面全体が均一に光るようにしたものである。
【0021】
光源11は、白色光を出射面から出射する。光源11は、例えば、LEDパッケージであるが、LEDパッケージ以外の光源が用いられてもよい。光源11は、発光素子であるLEDチップが蛍光体を含む透光性樹脂(樹脂層)で封止されて形成されている。若しく
は、LEDチップ上に蛍光体を配置せずに、導光板10の出光面上に蛍光体層を配置してもよいし、拡散シート15上に蛍光体層を配置してもよい。光源11は、実装基板13からの給電を受けて駆動される。なお、光源11として、白色以外のLED光源が用いられてもよい。光源11は、導光板10の下方に配置されている。
【0022】
フレーム12は、開口を有し、4辺からなる枠状の部材(「枠体」の一例)である。フレーム12は、酸化チタンを含有したポリカーボネート樹脂又は酸化チタンを含有しないポリカーボネート樹脂等により成形される。フレーム12には、導光板10が嵌め込まれ、フレーム12の内周面が導光板10の外周面を形成する側面を囲う。フレーム12は、高い反射率を有しており、導光板10の側面から漏れた光を反射して再利用する。実装基板13は、絶縁性の基材上に、導体箔によって配線を設けた配線基板である。
【0023】
実装基板13上に複数の光源11及び反射層14が設けられている。反射層14は、光源の11の周囲に設けられている。反射層14は、例えば、反射率の高い白色樹脂や金属箔等であり、導光板10内の光が面光源装置1の下面から漏れないように光を反射する。拡散シート15は、半透明な樹脂フィルムであり、導光板10の出光面から発せられた光を拡散させて光の指向特性を広げる。プリズムシート16は、上面に三角プリズム状の微細なパターンが形成された透明な樹脂フィルムあり、拡散シート15によって拡散された光を集光し、面光源装置1を上面側から見た場合の輝度を上昇させる。
【0024】
遮光部材17は、面光源装置1を上面側から見て、枠形状になっている。枠形状は、閉ループ形状であればよく、例えば、矩形形状、略楕円形状であってもよいし、これら以外の他の形状であってもよい。遮光部材17は、例えば、上下両面が粘着面となった黒色の粘着テープであってもよい。遮光部材17の枠部分が、フレーム12の上端に沿って接着されており、面光源装置1から光が漏れ出ることを抑制する。
【0025】
図3は、導光板10の断面図である。導光板10は、導光板10の下面に複数の凹部20を有している。凹部20は、円錐台形状を有する。複数の光源11が、実装基板13上に配置され、各凹部20内に一つの光源11が収容されている。凹部20が円錐台形状を有するため、小さいサイズの光源11を凹部20内に収容することができる。光源11から出射された光は、導光板10内に入射する。導光板10内に入射した光が、導光板10内で屈折、反射及び拡散して導光板10の出光面から出射されることで、導光板10の出光面が均一に光る。導光板10の厚み(高さ)t1は、例えば、0.35mmであるが、この値に限定されず、他の値であってもよい。光源11のピッチd1は、例えば、2~4mmであるが、これらの値に限定されず、他の値であってもよい。
【0026】
図4Aは、導光板10の拡大断面図である。導光板10は、光が入光する入光面30と、入光面30から入射する光を出射する出光面31と、出光面31の反対側の反対面32とを備える。導光板10の反対面32は、導光板10の下面である。導光板10の反対面32に凹部20が設けられている。凹部20は、底面21と、開口22と、底面21から開口22に向かって広がるテーパ面(径斜面)23とを有する。テーパ面23は、平滑面である。導光板10の出光面31及び反対面32と、凹部20の底面21とが平行である。凹部20の底面21から開口22に向かって凹部20の径が広がっている。凹部20の底面21の直径は、例えば、Φ0.43mmであるが、この値に限定されず、他の値であってもよい。凹部20の高さ(深さ)は、例えば、0.32mmであるが、この値に限定されず、他の値であってもよい。光源11の形状、高さ及び幅は特に制限されず、光源11は、凹部20内に収容される形状及びサイズであればよい。また、光源11の形状、高さ及び幅に応じて、凹部20のサイズを変更してもよい。
【0027】
図4Bは、導光板10の拡大断面図である。図4Bに示すように、円錐台形状の凹部2
0の内部角がR形状であってもよい。4Cは、導光板10の拡大断面図である。図4Cに示すように、円錐台形状の凹部20の底面21がR形状であってもよい。すなわち、円錐台形状の凹部20の底面21が湾曲面であってもよい。
【0028】
光源11から出射された光は、凹部20のテーパ面23に当たり、屈折して導光板10内に入射される。導光板10内の光は、導光板10の出光面31及び反対面32に入射する。導光板10の出光面31に入射する光が、臨界角よりも小さな入射角で入射すると、導光板10の出光面31から外部に光が出射される。導光板10の出光面31に入射する光が、臨界角よりも大きな入射角で入射すると、光が導光板10の出光面31で反射する。導光板10の反対面32に入射する光が、臨界角よりも小さな入射角で入射すると、導光板10の反対面32から外部に光が出射される。導光板10の反対面32から出射された光は、反射層14によって反射され、導光板10内に再び入射される。導光板10の反対面32に入射する光が、臨界角よりも大きな入射角で入射すると、光が導光板10の反対面32で反射する。
【0029】
導光板10の出光面31に、複数のドットパターン41が設けられている。導光板10の反対面32に、複数のドットパターン42が設けられている。導光板10内の光は、導光板10の出光面31に設けられたドットパターン41及び導光板10の反対面32に設けられたドットパターン42に当たって屈折及び散乱する。凹部20の底面21に、複数のドットパターン43が設けられている。光源11から出射された光は、凹部20の底面21に設けられたドットパターン43に当たり、屈折及び散乱して導光板10内に入射される。ドットパターン41~43は、散乱部の一例である。
【0030】
図4に示すドットパターン41は、導光板10の外側に突起する突起形状(凸形状)であるが、この形状に限定されず、ドットパターン41は、導光板10の内側に窪んだ凹形状であってもよい。図4に示すドットパターン42、43は、導光板10の内側に窪んだ凹形状であるが、この形状に限定されず、ドットパターン42、43は、導光板10の外側に突起する突起形状(凸形状)であってもよい。突起形状は、例えば、凸レンズ形状、円柱形状、角柱形状、円錐形状、角錐形状等である。凹形状は、例えば、凹レンズ形状、円柱溝形状、角柱溝形状、円錐溝形状、角錐溝形状等である。ドットパターン41~43は、平面視で円形、楕円形、多角形の何れであってもよい。ドットパターン41~43は、射出成形によって製造される導光板10に一体に形成されてもよい。また、インクジェット等によって、ドットパターン41~43を導光板10に別途形成してもよい。ドットパターン41~43の表面に、微小な凹凸があってもよい。ドットパターン41~43の表面に微小な凹凸を形成することで、ドットパターン41~43に当たる光をより屈折及び散乱させることができる。
【0031】
複数のドットパターン41~43は、それぞれ密集して配置されている。複数のドットパターン41~43は、離散的に配置されてもよいが、導光板10内の光や導光板10の出光面31から出射される光の屈折及び散乱の効果を高めるため、複数のドットパターン41~43を密集して配置することが好ましい。例えば、図5Aに示すように、複数のドットパターン41を、最密配置してもよい。図5Aは、導光板10の平面図であって、導光板10の出光面31の法線方向から見た図である。図5Aに示すドットパターン41は、平面視で六角形であり、複数のドットパターン41が互いに隣接して配置されている。また、例えば、図5Bに示すように、複数のドットパターン41を配置してもよい。図5Bは、導光板10の平面図であって、導光板10の出光面31の法線方向から見た図である。図5Bに示すドットパターン41は、平面視で円形であり、複数のドットパターン41が互いに隣接して配置されている。ドットパターン41~43の幅は、例えば、30μmであり、ドットパターン41~43の高さは、例えば、5~6μmであるが、これらの値に限定されず、他の値であってもよい。
【0032】
ドットパターン41~43は、同一のサイズ(高さ及び幅)であってもよいし、それぞれ異なるサイズであってもよい。ドットパターン41とドットパターン42とが同じサイズであり、ドットパターン41、42とドットパターン43とが異なるサイズであってもよい。ドットパターン41とドットパターン43とが同じサイズであり、ドットパターン41、43とドットパターン42とが異なるサイズであってもよい。ドットパターン42とドットパターン43とが同じサイズであり、ドットパターン41とドットパターン42、43とが異なるサイズであってもよい。導光板10の厚みの値や隣接する光源11のピッチの値に応じて、ドットパターン41~43のサイズを変更してもよい。
【0033】
図6の(A)及び(B)は、導光板10の断面図である。図6の(A)に示すように、凹部20のテーパ面23は、底面21から開口22に向かって広がっているので、光源11の垂直方向以外の方向に向かって光源11から出射される光は、凹部20のテーパ面23に当たる。凹部20のテーパ面23に当たって導光板10内に入射された光は、導光板10の平面方向に向かって屈折する。したがって、導光板10内に入射された光の広がりは、光源11の出射光の広がりよりも大きい。そのため、導光板10内に入射された光が導光板10の出光面31に対して大きく広がりつつ、導光板10の出光面31から外部に光が出射される。これにより、導光板10の出光面31の輝度分布が均一化され、導光板10の輝度ムラ及び液晶表示装置の輝度ムラを抑制することができる。
【0034】
図6の(A)に示すように、導光板10内の光が導光板10の出光面31に設けられたドットパターン41に当たって屈折及び散乱する共に、導光板10の出光面31から外部に光が出射される。これにより、導光板10の出光面31の輝度分布が均一化される。また、図6の(A)に示すように、導光板10内の光が導光板10の出光面31及び反対面32で反射を繰り返しながら、導光板10の内部を光が進む。
【0035】
図6の(B)に示すように、導光板10内の光が導光板10の反対面32に設けられたドットパターン42に当たって屈折及び散乱する。導光板10内の光が屈折及び散乱して、導光板10の出光面31から外部に光が出射されることにより、導光板10の出光面31の輝度分布が均一化され、導光板10の輝度ムラ及び液晶表示装置の輝度ムラを抑制することができる。
【0036】
図7は、導光板10の拡大断面図である。図7に示すように、光源11の垂直方向に向かって光源11から出射される光が、凹部20の底面21に設けられたドットパターン43に当たり、屈折及び散乱して導光板10内に入射され、導光板10の出光面31から外部に光が出射される。そのため、導光板10の出光面31のうち光源11の直上部分の輝度分布が均一化され、導光板10の輝度ムラ及び液晶表示装置の輝度ムラを抑制することができる。
【0037】
光源11の配光角度や光源11の主軸(出射光のピーク)の角度(傾き角度)に応じて凹部20のテーパ面23の角度(傾き角度)を設定してもよい。図8の(A)及び(B)は、光源11の主軸の角度と、凹部20のテーパ面23の角度との関係を示す図である。図8の(A)及び(B)では、光源11から出射された光の軌跡の一例を太い矢印で示している。図8の(A)では、光源11の中心線に対する光源11の主軸の角度(θ1)が50度であり、光源11の中心線に対する凹部20のテーパ面23の角度(θ2)が60度である。図8の(B)では、光源11の中心線に対する光源11の主軸の角度(θ1)が30度であり、光源11の中心線に対する凹部20のテーパ面23の角度(θ2)が75度である。
【0038】
光源11の主軸の角度や光源11の配光角度に応じて、凹部20のテーパ面23の角度
を設定する。これにより、光源11の種類を変更することで光源11の主軸や配光角度が変わった場合であっても、導光板10の出光面31に入射する光の入射角(θ3)を一定の角度に維持することができる。また、凹部20のテーパ面23の角度を調整することで、光源11の出射光のピーク方向(出射光の強度が最大になる方向)を制御することができる。したがって、導光板10の出光面31の輝度分布を光源11の種類毎に制御することができる。また、導光板10の直下に複数の光源11を配置した場合における導光板10の出光面31全体の輝度分布を制御することができる。
【0039】
図9は、光源11の主軸の角度に対して約±20度の範囲で光源11から光が出射された場合の光の進行を示す図である。図9に示すように、光源11の主軸の角度に対して約±20度の範囲内の光についても、図6に示した光の進行と同様に、光源11から出射された光が導光板10の内部を進む。
【0040】
隣接する光源のピッチを小さくすることで、導光板の直下に配置される光源の密度を高くすれば、導光板の輝度ムラが抑制される。一方、隣接する光源のピッチが大きい場合、導光板の厚みを大きくしなければ、導光板の輝度ムラを抑制することができない。実施形態によれば、導光板10の凹部20内に光源11を収容し、光源11の出射光を凹部20のテーパ面23で屈折して導光板10内に入射することで、導光板10内における光の広がりを大きくする。また、実施形態によれば、導光板10に設けられたドットパターン41~43に当たる光が屈折及び散乱する。これらにより、隣接する光源11のピッチが大きい場合であっても、導光板10の厚みを大きくせずに、導光板10の出光面31の輝度分布が均一化され、導光板10の輝度ムラ及び液晶表示装置の輝度ムラを抑制することができる。したがって、導光板10の薄型化を促進すると共に、導光板10の輝度ムラ及び液晶表示装置の輝度ムラを抑制することができる。
【0041】
光源11は、透明樹脂層に埋め込まれていてもよい。図10A図10Gは、導光板10の断面図である。図10Aに示す構造例では、導光板10と複数の光源11及び反射層14との間に透明樹脂層51が配置されている。したがって、複数の光源11が透明樹脂層51に埋め込まれている。透明樹脂層51上に導光板10が配置され、導光板10の凹部20内に光源11が収容されていない。導光板10の反対面32と透明樹脂層51とが接触し、導光板10の反対面32と反射層14とが接触していない。透明樹脂層51の上面が平面である。透明樹脂層51の上面は、導光板10との接触面である。光源11から出射された光は、透明樹脂層51を通って導光板10内に入射される。
【0042】
図10Bに示す構造例では、導光板10と複数の光源11及び反射層14との間に透明樹脂層52が配置されている。したがって、複数の光源11が透明樹脂層52に埋め込まれている。透明樹脂層52上に導光板10が配置され、導光板10の凹部20内に光源11が収容されていない。導光板10の反対面32と透明樹脂層52とが接触し、導光板10の反対面32と反射層14とが接触していない。透明樹脂層52の上面が平面である。透明樹脂層52の上面は、導光板10との接触面である。光源11から出射された光は、透明樹脂層52を通って導光板10内に入射される。図10Bに示す構造例では、透明樹脂層52の厚みが図10Aに示す透明樹脂層51の厚みよりも薄くなっている。そのため、光源11の直上における透明樹脂層52が薄くなっている。
【0043】
図10Cに示す構造例では、導光板10と複数の光源11及び反射層14との間に透明樹脂層53が配置されている。したがって、複数の光源11が透明樹脂層53に埋め込まれている。透明樹脂層53上に導光板10が配置され、導光板10の凹部20内に光源11が収容されていない。導光板10の反対面32と透明樹脂層53とが接触し、導光板10の反対面32と反射層14とが接触していない。透明樹脂層53の上面に複数の凸部61が形成されている。透明樹脂層53の上面は、導光板10との接触面である。図10C
に示す透明樹脂層53の凸部61は、略半球形状であるが、この形状に限定されず、透明樹脂層53の凸部61は、円柱形状、角柱形状、円錐形状、角錐形状等の突起形状(凸形状)であってもよい。光源11の上方に透明樹脂層53の凸部61が位置しており、導光板10の凹部20内に透明樹脂層53の凸部61の一部又は全部が入り込んでいる。導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層53の凸部61とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層53の凸部61とが非接触であってもよい。導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層53の凸部61とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層53の凸部61とが非接触であってもよい。光源11から出射された光は、透明樹脂層53を通って導光板10内に入射される。
【0044】
図10Dに示す構造例では、導光板10の下方に複数の透明樹脂層54が配置されており、導光板10と複数の光源11のそれぞれとの間に透明樹脂層54が配置されている。したがって、各光源11が各透明樹脂層54に埋め込まれている。導光板10の凹部20内に光源11が収容されていない。導光板10と透明樹脂層54とが接触し、導光板10の反対面32と反射層14とが接触していない。導光板10の反対面32と透明樹脂層54とが接触していてもよいし、導光板10の反対面32と透明樹脂層54とが非接触であってもよい。図10Dに示す透明樹脂層54は、略半球形状であるが、この形状に限定されず、透明樹脂層54は、円柱形状、角柱形状、円錐形状、角錐形状等の突起形状(凸形状)であってもよい。導光板10の凹部20内に透明樹脂層54の一部が入り込んでいてもよいし、導光板10の凹部20内に透明樹脂層54が入り込まなくてもよい。導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層54とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層54とが非接触であってもよい。導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層54とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層54とが非接触であってもよい。導光板10の凹部20のテーパ面23と導光板10の反対面32との境界部分が、透明樹脂層54に接触していてもよい。光源11から出射された光は、透明樹脂層54を通って導光板10内に入射される。
【0045】
図10Eに示す構造例では、導光板10の下方に複数の透明樹脂層55が配置されており、導光板10と複数の光源11のそれぞれとの間に透明樹脂層55が配置されている。したがって、各光源11が各透明樹脂層55に埋め込まれている。導光板10の凹部20内に光源11が収容されていない。導光板10と透明樹脂層55とが接触し、導光板10の反対面32と反射層14とが接触していない。導光板10の反対面32と透明樹脂層55とが接触していてもよいし、導光板10の反対面32と透明樹脂層55とが非接触であってもよい。透明樹脂層55は、2つの略半球形状が繋がった形状である。導光板10の凹部20内に透明樹脂層55の一部が入り込んでいてもよいし、導光板10の凹部20内に透明樹脂層55が入り込まなくてもよい。導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層55とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層55とが非接触であってもよい。導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層55とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層55とが非接触であってもよい。導光板10の凹部20のテーパ面23と導光板10の反対面32との境界部分が、透明樹脂層55に接触していてもよい。光源11から出射された光は、透明樹脂層55を通って導光板10内に入射される。
【0046】
図10Fに示す構造例では、導光板10の下方に複数の透明樹脂層56が配置されており、導光板10と複数の光源11のそれぞれとの間に透明樹脂層56が配置されている。したがって、各光源11が各透明樹脂層56に埋め込まれている。導光板10の凹部20内に光源11及び透明樹脂層56が収容されている。導光板10の反対面32と反射層14とが接触している。すなわち、導光板10と反射層14とが密着している。導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層56とが接触していてもよいし、導光板10の凹部2
0の底面21と透明樹脂層56とが非接触であってもよい。導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層56とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層56とが非接触であってもよい。図10Fに示す透明樹脂層56は、略半球形状であるが、この形状に限定されず、透明樹脂層56は、円柱形状、角柱形状、円錐形状、角錐形状等の突起形状(凸形状)であってもよい。光源11から出射された光は、透明樹脂層56を通って導光板10内に入射される。
【0047】
図10Gに示す構造例では、導光板10の下方に複数の透明樹脂層57が配置されており、導光板10と複数の光源11のそれぞれとの間に透明樹脂層57が配置されている。したがって、各光源11が各透明樹脂層57に埋め込まれている。導光板10の凹部20内に光源11及び透明樹脂層57が収容されている。導光板10の反対面32と反射層14とが接触している。すなわち、導光板10と反射層14とが密着している。導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層57とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20の底面21と透明樹脂層57とが非接触であってもよい。導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層57とが接触していてもよいし、導光板10の凹部20のテーパ面23と透明樹脂層57とが非接触であってもよい。透明樹脂層57は、2つの略半球形状が繋がった形状である。光源11から出射された光は、透明樹脂層57を通って導光板10内に入射される。
【0048】
図10A図10Eに示す構造例では、導光板10の出光面31の法線方向から見て、光源11と導光板10の凹部20とが重なっており、導光板10の凹部20の下方に光源11が配置されている。導光板10と光源11との間に透明樹脂層51~55の何れかを配置することにより、導光板10の厚みを大きくせずに、導光板10と光源11との間の距離を一定に保つことができる。導光板10の凹部20内に光源11を収容せずに、導光板10と光源11とを離すことにより、導光板10内に入射される光の広がりが大きくなる。透明樹脂層51~55の厚みは任意である。透明樹脂層51~55の厚みを変更することにより、導光板10と光源11との間の距離を変更することができる。例えば、光源11の種類に応じて透明樹脂層51~55の厚みを変更することにより、導光板10と光源11との間の距離を光源11の種類に応じた距離にすることができる。
【0049】
図10F及び図10Gに示す構造例では、導光板10の出光面31の法線方向から見て、光源11と導光板10の凹部20とが重なっており、導光板10の凹部20の下方に光源11が配置されている。導光板10の凹部20内に光源11及び透明樹脂層56、57を収容し、導光板10と光源11との間の距離を大きくすることにより、導光板10内に入射される光の広がりが大きくなる。透明樹脂層56、57の厚みは任意である。例えば、光源11の種類に応じて透明樹脂層56、57の厚みを変更してもよい。
【0050】
実施形態に示す液晶表示装置は、各種の電子機器に搭載することができる。このような液晶表示装置を備えた電子機器として、スマートフォン、デジタルカメラ、タブレット端末、電子ブック、ウェアラブル機器、カーナビゲーション装置、電子辞書、電子広告板等を例示できる。実施形態に係る導光板10、面光源装置1及び液晶表示装置を用いることで、電子機器の小型化、薄型化が可能であると共に、液晶表示装置の輝度ムラを抑制することができる。
【符号の説明】
【0051】
1 面光源装置
2 表示パネル
10 導光板
11 光源
12 フレーム
13 実装基板
14 反射層
15 拡散シート
16 プリズムシート
17 遮光部材
20 凹部
21 底面
22 開口
23 テーパ面
31 出光面
32 反対面
41~43 ドットパターン
51~57 透明樹脂層
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G