IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士フイルム株式会社の特許一覧

特許7093418情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
<>
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図1
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図2
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図3
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図4
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図5
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図6
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図7
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図8
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図9
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図10
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図11
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図12
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図13
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図14
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図15
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図16
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図17
  • 特許-情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム 図18
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-21
(45)【発行日】2022-06-29
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/13 20200101AFI20220622BHJP
   G06F 3/04815 20220101ALI20220622BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220622BHJP
   G06F 111/18 20200101ALN20220622BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F3/04815
G06F3/01 515
G06F3/01 510
G06F111:18
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020548037
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 JP2019028301
(87)【国際公開番号】W WO2020059277
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-04-05
(31)【優先権主張番号】P 2018175671
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(74)【代理人】
【識別番号】100170069
【弁理士】
【氏名又は名称】大原 一樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128635
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100140992
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲政
(72)【発明者】
【氏名】狩野 喬俊
(72)【発明者】
【氏名】板垣 和幸
(72)【発明者】
【氏名】大関 誠
(72)【発明者】
【氏名】林 伸治
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-49548(JP,A)
【文献】特開2007-286995(JP,A)
【文献】特開2001-184378(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
G06F 3/0481- 3/0483
G06F 3/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】

オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、前記空間センシング情報に基づく空間情報を取得する空間情報取得部と、

前記オブジェクトのオブジェクト情報を取得するオブジェクト情報取得部と、

前記空間をセンシングする際に、前記空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、前記ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、

前記空間情報及び前記ユーザ情報に基づいて、前記空間の局所領域ごとの前記ユーザの注目度を示す注目度マップを作成する注目度マップ作成部と、

前記空間情報及び前記オブジェクト情報に基づいて、前記局所領域ごとの前記オブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する適合度マップ作成部と、

前記注目度マップ及び前記適合度マップに基づいて、前記空間における前記オブジェクトの配置を提案する提案部と、

を備えた情報処理装置。
【請求項2】

前記ユーザ情報取得部は、撮像装置を用いて前記ユーザを撮像して得られた撮像データを前記ユーザセンシング情報として取得し、前記ユーザセンシング情報に基づいて前記ユーザの表情、前記ユーザの視線、及び前記ユーザの瞳孔のサイズの少なくともいずれかを前記ユーザ情報として取得する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】

前記ユーザ情報取得部は、前記ユーザの生体情報を測定する生体情報測定装置を用いて測定された前記ユーザの心拍数、前記ユーザの血圧、前記ユーザの体温、ユーザの脳波、及びユーザの呼吸数の少なくともいずれかを前記ユーザセンシング情報として取得する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】

前記空間情報取得部は、前記空間を撮像する撮像装置を用いて前記空間を撮像して得られた撮像データを前記空間センシング情報として取得する請求項1から3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】

前記空間情報取得部は、前記空間を撮像する撮像装置を用いて前記空間を撮像して得られた撮像データから前記空間の構成要素の情報を取得する請求項1から4のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】

前記空間情報取得部は、前記空間の広さ、前記空間の形、前記空間の色、及び前記空間の光に関する情報の少なくともいずれかを前記空間情報として取得する請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】

前記オブジェクト情報取得部は、前記オブジェクトのサイズ、前記オブジェクトの形、及び前記オブジェクトの色の少なくともいずれかを前記オブジェクト情報として取得する請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】

前記提案部は、前記オブジェクトを配置した前記空間を表す画像データを作成する請求項1から7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】

前記画像データを表す信号を表示装置へ送信する信号送信部を備えた請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】

前記画像データを印刷装置へ送信する信号送信部を備えた請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項11】

ネットワークに接続されたサーバ装置を備えた情報処理システムであって、

前記サーバ装置は、

オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、前記空間センシング情報に基づく空間情報を取得する空間情報取得部と、

前記オブジェクトのオブジェクト情報を取得するオブジェクト情報取得部と、

前記空間をセンシングする際に、前記空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、前記ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、

前記空間情報及び前記ユーザ情報に基づいて、前記空間の局所領域ごとの前記ユーザの注目度を示す注目度マップを作成する注目度マップ作成部と、

前記空間情報及び前記オブジェクト情報に基づいて、前記局所領域ごとの前記オブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する適合度マップ作成部と、

前記注目度マップ及び前記適合度マップに基づいて、前記空間における前記オブジェクトの配置を提案する提案部と、

を備えた情報処理システム。
【請求項12】

オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、前記空間センシング情報に基づく空間情報を取得する空間情報取得工程と、

前記オブジェクトのオブジェクト情報を取得するオブジェクト情報取得工程と、

前記空間をセンシングする際に、前記空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、前記ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得するユーザ情報取得工程と、

前記空間情報及び前記ユーザ情報に基づいて、前記空間の局所領域ごとの前記ユーザの注目度を示す注目度マップを作成する注目度マップ作成工程と、

前記空間情報及び前記オブジェクト情報に基づいて、前記局所領域ごとの前記オブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する適合度マップ作成工程と、

前記注目度マップ及び前記適合度マップに基づいて、前記空間における前記オブジェクトの配置を提案する提案工程と、

を含む情報処理方法。
【請求項13】

コンピュータに、

オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、前記空間センシング情報に基づく空間情報を取得する空間情報取得機能、

前記オブジェクトのオブジェクト情報を取得するオブジェクト情報取得機能、

前記空間をセンシングする際に、前記空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、前記ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得するユーザ情報取得機能、

前記空間情報及び前記ユーザ情報に基づいて、前記空間の局所領域ごとの前記ユーザの注目度を示す注目度マップを作成する注目度マップ作成機能、

前記空間情報及び前記オブジェクト情報に基づいて、前記局所領域ごとの前記オブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する適合度マップ作成機能、及び

前記注目度マップ及び前記適合度マップに基づいて、前記空間における前記オブジェクトの配置を提案する提案機能を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに係り、特にオブジェクトのレイアウト提案に関する。
【背景技術】
【0002】

コンピュータを用いて現実環境を拡張する拡張現実が知られている。例えば、ARのフレームワークは、カメラを用いて部屋を撮像して得られた撮像データから空間を認識することが可能である。そして、ARを用いて撮像データから認識した空間に家具等のオブジェクトを配置することが可能である。なお、拡張現実は英語表記であるAugmented Realityの省略語を用いてARと呼ばれる場合がある。
【0003】

非特許文献1は、スマートフォン等を用いて動作するルームコーディネートアプリケーションソフトが記載されている。同文献に記載のアプリケーションソフトは、家具等のオブジェクトを配置したい空間を選択し、配置したいオブジェクトを選択し、選択した空間におけるオブジェクトの配置を設定すると、オブジェクトがコーディネートされた空間を、スマートフォン等に具備される表示装置に表示する。
【0004】

非特許文献2は、AR技術を活用して、部屋の中に実寸大の家具を設置した状態を、スマートフォン等に具備される表示装置に表示するアプリケーションソフトウェアが記載されている。
【0005】

非特許文献3は、AI(artificial intelligence)を用いて、資料のレイアウト及び配置等を最適化し、アニメーション化するスライド作成ツールが記載されている。非特許文献4は、写真の自動レイアウトを実施するアプリケーションソフトが記載されている。
【0006】

近年、撮像素子、赤外線センサ、及び環境光センサ等の複数のセンサを含むインカメラを備えたスマートフォンが知られている。また、心拍などの生体情報の取得が可能なウェアラブルが知られている。
【0007】

特許文献1は、三次元空間において体験者が対象物に着目していたかを特定できる情報処理装置が記載されている。同文献に記載の情報処理装置は、三次元空間上の表示装置の位置及びユーザの視線と、三次元空間上の物体の位置から、ユーザが注目していた物体を特定する。
【0008】

特許文献2は、仮想オブジェクトの表示を制御する際に適用されるユーザ情報が記載されている。特許文献3は、実空間にセンサが配置され、センサを用いて実空間全体の三次元情報を取得する情報処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】

【文献】特開2017-68851号公報
【文献】国際公開第2017/047178号
【文献】特開2018-85571号公報
【非特許文献】
【0010】

【文献】「RoomCoNAVI、ルームコーディネートアプリ「RoomCo AR」とは?」、インターネット<URL:https://www.roomco.jp/info/roomco-ar.html>
【文献】「WIRED、INSIGHT 2017.10.06 FRI 07:00 イケアはスマホアプリにARを導入し、「家具の買い方」を根本から変える」、インターネット<URL:https://wired.jp/2017/10/06/ikea-place-augmented-reality/>
【文献】「APPPLA、Beautiful.AI」、インターネット<URL:https://www.appp.la/posts/beautiful_ai>
【文献】「DreamPages」、インターネット<URL: https://dnp-photobook.jp/recommend/easy-photobook.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】

しかしながら、非特許文献1に記載のルームコーディネートアプリケーションソフトは、空間の指定された位置に対して設定したオブジェクトを配置した状態を可視化するが、オブジェクトのレイアウトを提案することは考慮されていない。
【0012】

非特許文献2に記載のアプリケーションソフトウェアは、オブジェクトのレイアウトを自動的に提案するが、提案されるオブジェクトのレイアウトはユーザごとにパーソナライズすることは考慮されていない。
【0013】

非特許文献3及び非特許文献4は、書類及び写真等の自動レイアウトを実施する技術を開示しているが、空間に配置されるオブジェクトの自動レイアウトに関する技術を開示していない。
【0014】

特許文献1に記載の発明は、空間に存在する物体について、ユーザが注目した物体を特定するが、空間に配置されるオブジェクトのレイアウトを提案することは考慮されていない。
【0015】

特許文献2は、仮想オブジェクトの表示を制御する際に適用されるユーザ情報を開示しているが、空間に配置されるオブジェクトのレイアウトを提案する技術を開示していない。
【0016】

特許文献3は、センサを用いた実空間の三次元情報の取得に関する技術を開示しているが、空間に配置されるオブジェクトの自動レイアウトの提案に関する技術を開示していない。
【0017】

本発明はこのような問題点に鑑みてなされ、オブジェクトのユーザにパーソナライズされたレイアウトを提案し得る、情報処理装置、情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】

上記目的を達成するために、次の発明態様を提供する。
【0019】

第1態様に係る情報処理装置は、オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、空間センシング情報に基づく空間情報を取得する空間情報取得部と、オブジェクトのオブジェクト情報を取得するオブジェクト情報取得部と、空間をセンシングする際に、空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、空間情報及びユーザ情報に基づいて、空間の局所領域ごとのユーザの注目度を示す注目度マップを作成する注目度マップ作成部と、空間情報及びオブジェクト情報に基づいて、局所領域ごとのオブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する適合度マップ作成部と、注目度マップ及び適合度マップに基づいて、空間におけるオブジェクトの配置を提案する提案部と、を備えた情報処理装置である。
【0020】

第1態様によれば、ユーザの注目度を表す注目度マップ及びオブジェクトの適合度を表す適合度マップに基づき空間におけるオブジェクトの配置を提案する。これにより、ユーザにパーソナライズされたオブジェクトのレイアウトを提案し得る。
【0021】

オブジェクトは、現実の物品及び仮想的なオブジェクトの少なくともいずれかを含み得る。
【0022】

取得には、生成、導出、及び読み出しなど、取得対象の情報の元となる情報に処理を施す間接的な取得を意味する概念を含み得る。すなわち、ユーザ情報取得部は、ユーザセンシング情報からユーザ情報を導出するユーザ情報導出部を備えてもよい。また、空間情報取得部は、空間センシング情報から空間情報を導出する空間情報導出部を備えてもよい。
【0023】

第1態様に係る情報処理装置は、一つ以上のプロセッサと、一つ以上のメモリを備えた情報処理装置であって、一つ以上のプロセッサは、オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得して空間センシング情報に基づく空間情報を取得し、オブジェクトのオブジェクト情報を取得し、空間をセンシングする際に、空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得してユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得し、空間情報及びユーザ情報に基づいて、空間の局所領域ごとのユーザの注目度を示す注目度マップを作成し、空間情報及びオブジェクト情報に基づいて、局所領域ごとのオブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成し、注目度マップ及び適合度マップに基づいて、空間におけるオブジェクトの配置を提案し、一つ以上のメモリは、各処理におけるデータを記憶する情報処理装置として構成し得る。
【0024】

第2態様は、第1態様の情報処理装置において、ユーザ情報取得部は、撮像装置を用いてユーザを撮像して得られた撮像データをユーザセンシング情報として取得し、ユーザセンシング情報に基づいてユーザの表情、ユーザの視線、及びユーザの瞳孔のサイズの少なくともいずれかをユーザ情報として取得する構成としてもよい。
【0025】

第2態様によれば、ユーザの表情、ユーザの視線、及びユーザの瞳孔のサイズを、ユーザ情報に適用し得る。
【0026】

第3態様は、第1態様又は第2態様の情報処理装置において、ユーザ情報取得部は、ユーザの生体情報を測定する生体情報測定装置を用いて測定されたユーザの心拍数、ユーザの血圧、ユーザの体温、ユーザの脳波、及びユーザの呼吸数の少なくともいずれかをユーザセンシング情報として取得する構成としてもよい。
【0027】

第3態様によれば、生体情報測定装置を用いて測定したユーザの生体情報を、ユーザ情報に適用し得る。
【0028】

第4態様は、第1態様から第3態様のいずれか一態様の情報処理装置において、空間情報取得部は、空間を撮像する撮像装置を用いて空間を撮像して得られた撮像データを空間センシング情報として取得する構成としてもよい。
【0029】

第4態様によれば、撮像装置を用いて空間を撮像して得られた撮像データを、空間センシング情報として取得し得る。
【0030】

第5態様は、第1態様から第4態様のいずれか一態様の情報処理装置において、空間情報取得部は、空間を撮像する撮像装置を用いて空間を撮像して得られた撮像データから空間の構成要素の情報を取得する構成としてもよい。
【0031】

第5態様によれば、撮像データから得られた空間の構成要素の情報を、空間情報に適用し得る。
【0032】

第6態様は、第1態様から第5態様のいずれか一態様の情報処理装置において、空間情報取得部は、空間の広さ、空間の形、空間の色、及び空間の光に関する情報の少なくともいずれかを空間情報として取得する構成としてもよい。
【0033】

第6態様によれば、空間の広さ、空間の形、空間の色、及び空間の光に関する情報の少なくともいずれかを空間情報に適用し得る。
【0034】

第6態様において、空間情報取得部は、空間を撮像する撮像装置を用いて空間を撮像して得られた空間の撮像データから、空間の広さ、空間の形、空間の色、及び空間の光に関する情報の少なくともいずれかを空間情報として取得し得る。
【0035】

第7態様は、第1態様から第6態様のいずれか一態様の情報処理装置において、オブジェクト情報取得部は、オブジェクトのサイズ、オブジェクトの形、及びオブジェクトの色の少なくともいずれかをオブジェクト情報として取得する構成としてもよい。
【0036】

第7態様によれば、オブジェクトのサイズ、オブジェクトの形、及びオブジェクトの色の少なくともいずれかを、オブジェクト情報に適用し得る。
【0037】

第8態様は、第1態様から第7態様のいずれか一態様の情報処理装置において、提案部は、オブジェクトを配置した空間を表す画像データを作成する構成としてもよい。
【0038】

第8態様によれば、オブジェクトを配置した空間を表す画像データを用いて、空間におけるオブジェクトの配置を提案し得る。
【0039】

第9態様は、第8態様の情報処理装置において、画像データを表す信号を表示装置へ送信する信号送信部を備えた構成としてもよい。
【0040】

第9態様によれば、空間におけるオブジェクトの配置の提案を、表示装置を用いて表示し得る。
【0041】

第10態様は、第8態様の情報処理装置において、画像データを印刷装置へ送信する信号送信部を備えた構成としてもよい。
【0042】

第10態様によれば、空間におけるオブジェクトの配置の提案を、印刷装置を用いて印刷し得る。
【0043】

第11の態様に係る情報処理システムは、ネットワークに接続されたサーバ装置を備えた情報処理システムであって、サーバ装置は、オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、空間センシング情報に基づく空間情報を取得する空間情報取得部と、オブジェクトのオブジェクト情報を取得するオブジェクト情報取得部と、空間をセンシングする際に、空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、空間情報及びユーザ情報に基づいて、空間の局所領域ごとのユーザの注目度を示す注目度マップを作成する注目度マップ作成部と、空間情報及びオブジェクト情報に基づいて、局所領域ごとのオブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する適合度マップ作成部と、注目度マップ及び適合度マップに基づいて、空間におけるオブジェクトの配置を提案する提案部と、を備えた情報処理システムである。
【0044】

第11態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることが可能である。
【0045】

第11態様において、第2態様から第10態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、情報処理装置において特定される処理または機能を担う構成要素は、これに対応する処理または機能を担う情報処理システムの構成要素として把握することができる。
【0046】

第12の態様に係る情報処理方法は、オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、空間センシング情報に基づく空間情報を取得する空間情報取得工程と、オブジェクトのオブジェクト情報を取得するオブジェクト情報取得工程と、空間をセンシングする際に、空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得するユーザ情報取得工程と、空間情報及びユーザ情報に基づいて、空間の局所領域ごとのユーザの注目度を示す注目度マップを作成する注目度マップ作成工程と、空間情報及びオブジェクト情報に基づいて、局所領域ごとのオブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する適合度マップ作成工程と、注目度マップ及び適合度マップに基づいて、空間におけるオブジェクトの配置を提案する提案工程と、を含む情報処理方法である。
【0047】

第12態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることが可能である。
【0048】

第12態様において、第2態様から第10態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、情報処理装置において特定される処理または機能を担う構成要素は、これに対応する処理または機能を担う情報処理方法の構成要素として把握することができる。
【0049】

第13態様に係るプログラムは、コンピュータに、オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、空間センシング情報に基づく空間情報を取得する空間情報取得機能、オブジェクトのオブジェクト情報を取得するオブジェクト情報取得機能、空間をセンシングする際に、空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得するユーザ情報取得機能、空間情報及びユーザ情報に基づいて、空間の局所領域ごとのユーザの注目度を示す注目度マップを作成する注目度マップ作成機能、空間情報及びオブジェクト情報に基づいて、局所領域ごとのオブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する適合度マップ作成機能、及び注目度マップ及び適合度マップに基づいて、空間におけるオブジェクトの配置を提案する提案機能を実現させるプログラムである。
【0050】

第13態様によれば、第1態様と同様の効果を得ることが可能である。
【0051】

第13態様において、第2態様から第10態様で特定した事項と同様の事項を適宜組み合わせることができる。その場合、画像処理装置において特定される処理または機能を担う構成要素は、これに対応する処理または機能を担うプログラムの構成要素として把握することができる。
【発明の効果】
【0052】

本発明によれば、ユーザの注目度を表す注目度マップ及びオブジェクトの適合度を表す適合度マップに基づき空間におけるオブジェクトの配置を提案する。これにより、ユーザにパーソナライズされたオブジェクトのレイアウトを提案し得る。
【図面の簡単な説明】
【0053】

図1図1は情報処理装置の機能ブロック図である。
図2図2は情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3図3はオブジェクト選択画面の説明図である。
図4図4は空間センシング及びユーザセンシングの模式図である。
図5図5は空間情報の一例を示す説明図である。
図6図6は注目度マップの模式図である。
図7図7は適合度マップの模式図である。
図8図8はレイアウト提案の模式図である。
図9図9は情報処理方法の手順を示すフローチャートである。
図10図10は畳み込みニューラルネットワークの説明図である。
図11図11はユーザセンシング情報取得の変形例の説明図である。
図12図12はレイアウト提案の変形例の説明図である。
図13図13は応用例に係るオブジェクト選択画面の説明図である。
図14図14は応用例に係る空間センシング及びユーザセンシングの模式図である。
図15図15は応用例に係るレイアウト提案の模式図である。
図16図16は応用例に係るレイアウト提案の他の例の模式図である。
図17図17は応用例に係る情報処理方法の手順を示すフローチャートである。
図18図18はネットワークシステムへの適用例に係る情報処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】

以下、添付図面に従って発明を実施するための形態について詳説する。本明細書では、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明は適宜省略することとする。
【0055】

[情報処理装置の説明]

〔機能ブロックの説明〕

図1は情報処理装置の機能ブロック図である。図1に示す情報処理装置10は、オブジェクト情報取得部12、空間情報取得部14、空間情報記憶部16、ユーザ情報取得部18、ユーザ情報記憶部20、注目度マップ作成部22、適合度マップ作成部24、及び提案部26を備える。情報処理装置10を構成する上記の各部は、バス28を介して通信可能に接続される。
【0056】

情報処理装置10は、ユーザが選択したオブジェクトを空間に配置する場合に、空間をセンシングする際のユーザの状態に応じてパーソナライズされた、最適なオブジェクトのレイアウトを自動的に提案する。なお、本明細書では、レイアウトという用語と配置という用語とは相互に置き替えることが可能である。
【0057】

ここでいうオブジェクトは、写真、絵画、及び家具等の現実の物品でもよいし、AR等を用いて作成された仮想的なオブジェクトでもよい。また、空間は、室内及び屋外のいずれでもよい。
【0058】

オブジェクト情報取得部12は、スマートフォン等のユーザ端末を用いて選択されたオブジェクトの識別情報を用いて、ユーザが選択したオブジェクトにおけるオブジェクト情報を取得する。
【0059】

オブジェクト情報は、オブジェクトのサイズ、オブジェクトの形状、及びオブジェクトの色の少なくともいずれかの情報を適用し得る。オブジェクト情報は、オブジェクトの種類、オブジェクトの製造者、オブジェクトの販売者、オブジェクトの価格、オブジェクトの在庫状況、及びオブジェクトの入手予定日等が含まれていてもよい。
【0060】

空間情報取得部14は、撮像装置等の空間センサ30を用いて空間をセンシングして得られた空間センシング情報を取得し、空間センシング情報に基づく空間情報を導出する。空間センサ30が撮像装置の場合、空間の撮像データが空間センシング情報となる。空間センサ30は、赤外線デバイス及び音波デバイス等を適用してもよい。空間情報取得部14は、空間情報を空間情報記憶部16へ記憶する。
【0061】

空間情報はセンシング対象の空間のマップを適用し得る。空間が室内の場合、空間情報は、家具及び壁等の空間の構成要素が含まれてもよい。空間情報は、空間に照射される光の向き、光の量、及び光の波長等が含まれてもよい。ここでいう光は、自然光及び照明光の少なくともいずれかを含み得る。
【0062】

ユーザ情報取得部18は、撮像装置等のユーザセンサ32を用いて、空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報を取得し、ユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を導出する。ユーザ情報取得部18は、ユーザ情報をユーザ情報記憶部20へ記憶する。ユーザセンサ32は、赤外線デバイス及び音波デバイス等を適用してもよい。
【0063】

ユーザ情報はユーザの表情、ユーザの目の動き、及びユーザの生体情報等を適用し得る。ユーザの生体情報の一例として、ユーザの心拍数、血圧、呼吸数、脳波、体温、及び瞳孔のサイズ等が挙げられる。
【0064】

注目度マップ作成部22は、空間情報及びユーザ情報に基づいて、空間の局所領域ごとのユーザの注目度を表す注目度マップを作成する。注目度マップ作成部22は、注目度マップを提案部26へ提供する。すなわち、注目度マップ作成部22は、空間情報とユーザ情報とを関連付けし、空間情報にユーザ情報をマッピングする。
【0065】

適合度マップ作成部24は、オブジェクト情報及び空間情報に基づいて、局所領域ごとのオブジェクトの適合度を表す適合度マップを作成する。適合度マップ作成部24は、適合度マップを提案部26へ提供する。すなわち、適合度マップ作成部24は、空間情報とオブジェクト情報とを関連付けし、空間情報にオブジェクト情報をマッピングする。
【0066】

提案部26は、注目度マップ及び適合度マップに基づいて、空間におけるオブジェクトの配置を提案する。すなわち、提案部26は注目度マップ及び適合度マップを用いて、オブジェクトの配置に適した局所領域を探索する。提案部26はオブジェクトの配置の適合度合いを表すスコアを空間にマッピングしてもよい。
【0067】

提案部26は、オブジェクトの配置の候補となる局所領域について、ユーザの目線の高さ、周囲の色、及び光等の情報から、オブジェクトの配置の適合度合いをスコア化してもよい。
【0068】

提案部26は、空間におけるオブジェクトのレイアウトの提案として、オブジェクトの配置の候補となる局所領域ごとのスコアを適用してもよい。提案部26は、オブジェクトの最適な配置位置を特定し、空間にオブジェクトを配置したレイアウト画像を生成してもよい。なお、本明細書における画像という用語は画像データの意味が含まれ得る。
【0069】

情報処理装置10は、提案部26を用いて生成された、空間におけるオブジェクトのレイアウト提案を表す表示信号をユーザ端末へ送信し得る。ユーザ端末は、空間におけるオブジェクトのレイアウト提案を表す表示信号に基づいて、ユーザ端末に具備される表示装置を用いて、空間におけるオブジェクトのレイアウトの提案を表示し得る。
【0070】

図1では、バス28を介して情報処理装置10を構成する各部が通信可能に接続される態様を示したが、情報処理装置10の各部の少なくとも一部は、ネットワーク等の通信回線を介して接続されてもよい。
【0071】

〔制御装置のハードウェア構成〕

〈全体構成〉

図2は情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図1に示す情報処理装置10は、制御部40、メモリ42、ストレージ装置44、ネットワークコントローラ46、及び電源装置48を備える。制御部40、メモリ42、ストレージ装置44、及びネットワークコントローラ46は、バス28を介して通信可能に接続される。
【0072】

情報処理装置10は、ディスプレイコントローラ52、入出力インターフェース54、及び入力コントローラ56を備えてもよい。情報処理装置10は、制御部40を用いて規定のプログラムを実行し、情報処理装置10の各種機能を実現し得る。
【0073】

〈制御部〉

制御部40は、情報処理装置10の全体制御部、各種演算部、及び記憶制御部として機能する。制御部40は、メモリ42に具備されるROM(read only memory)に記憶されるプログラムを実行する。
【0074】

制御部40は、ネットワークコントローラ46を介して、外部の記憶装置からプログラムをダウンロードし、ダウンロードしたプログラムを実行してもよい。外部の記憶装置は、ネットワーク50を介して情報処理装置10と通信可能に接続されていてもよい。
【0075】

制御部40は、メモリ42に具備されるRAM(random access memory)を演算領域とし、各種プログラムと協働して、各種処理を実行する。これにより、情報処理装置10の各種機能が実現される。
【0076】

制御部40は、ストレージ装置44からのデータの読み出し及びストレージ装置44へのデータの書き込みを制御する。制御部40は、ネットワークコントローラ46を介して、外部の記憶装置から各種データを取得してもよい。制御部40は、取得した各種データを用いて、演算等の各種処理を実行可能である。
【0077】

制御部40は、一つ又は二つ以上のプロセッサ(processor)が含まれてもよい。プロセッサの一例として、FPGA(Field Programmable Gate Array)及びPLD(Programmable Logic Device)等が挙げられる。FPGA及びPLDは、製造後に回路構成を変更し得るデバイスである。
【0078】

プロセッサの他の例として、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)が挙げられる。ASICは、特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を備える。
【0079】

制御部40は、同じ種類の二つ以上のプロセッサを適用可能である。例えば、制御部40は二つ以上のFPGAを用いてもよいし、二つのPLDを用いてもよい。制御部40は、異なる種類の二つ以上プロセッサを適用してもよい。例えば、制御部40は一つ以上のFPGAと一つ以上のASICとを適用してもよい。
【0080】

複数の制御部40を備える場合、複数の制御部40は一つのプロセッサを用いて構成してもよい。複数の制御部40を一つのプロセッサで構成する一例として、一つ以上のCPU(Central Processing Unit)とソフトウェアとの組合せを用いて一つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の制御部40として機能する形態がある。なお、本明細書におけるソフトウェアはプログラムと同義である。
【0081】

CPUに代わり、又はCPUと併用して、画像処理に特化したプロセッサであるGPU(Graphics Processing Unit)を適用してもよい。複数の制御部40が一つのプロセッサを用いて構成される代表例として、コンピュータが挙げられる。
【0082】

複数の制御部40を一つのプロセッサで構成する他の例として、複数の制御部40を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態が挙げられる。複数の制御部40を含むシステム全体の機能を一つのICチップで実現するプロセッサの代表例として、SoC(System On Chip)が挙げられる。なお、ICは、Integrated Circuitの省略語である。
【0083】

このように、制御部40は、ハードウェア的な構造として、各種のプロセッサを一つ以上用いて構成される。
【0084】

〈メモリ〉

メモリ42は、図示しないROM及び図示しないRAMを備える。ROMは、情報処理装置10おいて実行される各種プログラムを記憶する。ROMは、各種プログラムの実行に用いられるパラメータ及びファイル等を記憶する。RAMは、データの一時記憶領域及び制御部40のワーク領域等として機能する。
【0085】

〈ストレージ装置〉

ストレージ装置44は、各種データを非一時的に記憶する。ストレージ装置44は、情報処理装置10に外付けされてもよい。ストレージ装置44に代わり、又はこれと併用して、大容量の半導体メモリ装置を適用してもよい。
【0086】

〈ネットワークコントローラ〉

ネットワークコントローラ46は、外部装置との間のデータ通信を制御する。データ通信の制御は、データ通信のトラフィックの管理が含まれてもよい。ネットワークコントローラ46を介して接続されるネットワーク50は、LAN(Local Area Network)などの公知のネットワークを適用し得る。
【0087】

〈電源装置〉

電源装置48は、UPS(Uninterruptible Power Supply)などの大容量型の電源装置が適用される。電源装置48は停電等に起因して商用電源が遮断された際に、情報処理装置10へ電源を供給する。
【0088】

〈ディスプレイコントローラ〉

ディスプレイコントローラ52は、制御部40から送信される指令信号に基づいて表示部60を制御するディスプレイドライバーとして機能する。実施形態に示すディスプレイコントローラ52は信号送信部の一例である。
【0089】

〈入出力インターフェース〉

入出力インターフェース54は、情報処理装置10と外部機器との通信可能に接続する。入出力インターフェース54は、USB(Universal Serial Bus)などの通信規格を適用し得る。
【0090】

〈入力コントローラ〉

入力コントローラ56は、操作部62を用いて入力された信号の形式を情報処理装置10の処理に適した形式に変換する。入力コントローラ56を介して操作部62から入力された情報は、制御部40を介して各部へ送信される。
【0091】

なお、図2に示す情報処理装置10のハードウェア構成は一例であり、適宜、追加、削除、及び変更が可能である。
【0092】

[オブジェクトの自動レイアウト提案]

次に、情報処理装置10を用いて実施されるオブジェクトの、ユーザにパーソナライズされた自動レイアウト提案について説明する。本実施形態に示すオブジェクトの自動レイアウト提案では、フレームに入れられた写真を部屋に飾る際の自動レイアウト提案を実施する。
【0093】

〔オブジェクトの説明〕

図3はオブジェクト選択画面の説明図である。図3に示すオブジェクト選択画面100は、ユーザが空間に配置するオブジェクトを選択する際に、ユーザ端末の表示装置を用いて表示される。なお、ユーザ端末は、図4にスマートデバイス122として図示する。また、ユーザ端末の表示装置は、図4にスマートデバイス122の表示装置123として図示する。
【0094】

ユーザは、ユーザ端末を用いてオブジェクトを選択するサイトにアクセスする。ユーザは、複数のオブジェクトが掲載されるオブジェクト一覧102のページを開いて、ユーザ端末の表示装置にオブジェクト一覧102を表示させる。
【0095】

図3に示すオブジェクト一覧102は、第一オブジェクトを表す第一画像104、第二オブジェクトを表す第二画像106、及び第三オブジェクトを表す第三画像108が表示される。第一画像104、第二画像106、及び第三画像108は、図示しない額に入れられた写真を表すサムネイル画像が適用される。
【0096】

ユーザがオブジェクト一覧102から所望のオブジェクトを選択すると、所望のオブジェクトを表す画像が拡大表示される。図3には、第一オブジェクトを選択した結果、第一画像104の拡大画像110が表示される例を示す。ユーザがオーケーボタン112をタップするとオブジェクトの選択が確定する。
【0097】

図1に示すオブジェクト情報取得部12は、ユーザ端末を用いて選択されたオブジェクトの識別情報をユーザ端末から取得する。オブジェクト情報取得部12は、識別情報に対応するオブジェクトのオブジェクト情報を取得する。
【0098】

オブジェクト情報取得部12は、オブジェクト情報にオブジェクトの識別情報が関連付けされて記憶されるオブジェクトデータベース34からオブジェクト情報を取得し得る。オブジェクト情報は図示しないオブジェクト情報記憶部へ記憶される。
【0099】

〔空間情報の説明〕

図4は空間センシング及びユーザセンシングの模式図である。図4には、ユーザ120がスマートデバイス122に具備される第一カメラ127を用いて、部屋の内部124を動画撮像している状態を示す。
【0100】

すなわち、ユーザ120は、スマートデバイス122の第一カメラ127を走査して、部屋の内部124の全体の動画像を撮像する。部屋の内部124の撮像は、静止画撮像でもよい。静止画撮像の場合、ユーザ120は、スマートデバイス122の第一カメラ127の光軸を移動させて、複数枚の静止画を撮像する。実施形態に示すスマートデバイス122の第一カメラ127を用いた部屋の内部124の撮像は、空間センシングの一例である。
【0101】

スマートデバイス122は、部屋の内部124の画像データを図1に示す情報処理装置10へ送信する。空間情報取得部14は、部屋の内部124の画像データを空間センシング情報として取得する。空間情報取得部14は、部屋の内部124の画像データを解析して、部屋のサイズ、部屋の壁の色、テーブル等の家具のサイズ、家具の色、装飾品のサイズ、及び装飾品の色等の情報を取得してもよい。
【0102】

画像データの解析は公知の技術を適用し得る。情報処理装置10は、空間センサ30から取得した空間センシング情報を解析する空間センシング情報解析部を備えてもよい。
【0103】

図5は空間情報の一例を示す説明図である。図5に示す空間情報130は、図4に示す部屋の内部124の動画に含まれる一フレームを構成要素とする。空間情報130は、部屋のサイズ、部屋の壁の色、テーブル等の家具のサイズ、家具の色、装飾品のサイズ、及び装飾品の色等の部屋の内部124に関する情報を構成要素として含み得る。
【0104】

〔ユーザ情報の説明〕

図4に戻り、ユーザ120は、部屋の内部124の動画を撮像する際に、スマートデバイス122に具備される第二カメラ128を用いて、ユーザ120を撮像する。ユーザ120はユーザ120の顔が含まれる画角を適用して、ユーザ120を撮像する。
【0105】

スマートデバイス122は、ユーザ120の画像データを情報処理装置10へ送信する。ユーザ情報取得部18は、ユーザ120の画像データをユーザセンシング情報として取得する。ユーザ120の画像データは、ユーザ120の顔のうち、ユーザ120の目が含まれてもよい。実施形態に示すスマートデバイス122の第二カメラ128を用いたユーザ120の撮像はユーザセンシングの一例である。
【0106】

ユーザ情報取得部18は、ユーザ120の画像データを解析して、ユーザ120の表情、表情の変化、視線及び瞳孔の大きさなど、ユーザ120の状態に関する情報をユーザ情報の構成要素として取得し得る。ユーザ120の表情の変化の一例として、ユーザ120の表情が平常の表情から好感を示す表情に変わった場合等が挙げられる。
【0107】

ユーザ120の画像データの解析は公知の技術を適用し得る。情報処理装置10は、ユーザセンサ32から取得したユーザセンシング情報を解析するユーザセンシング情報解析部を備えてもよい。
【0108】

〔注目度マップの説明〕

図6は注目度マップの模式図である。図6に示す注目度マップ200は、空間情報130に対してユーザ情報から生成されたユーザの注目度を表す注目度スコア202等がマッピングされている。
【0109】

すなわち、図1に示す注目度マップ作成部22は、ユーザ情報からユーザの注目度を表す注目度スコア202、注目度スコア204、及び注目度スコア206を生成し、注目度スコア202、注目度スコア204、及び注目度スコア206を空間情報130にマッピングした注目度マップ200を生成する。
【0110】

図6に示す注目度マップ200は、ユーザ120が最も注目した局所領域に、最も高いスコアを表す注目度スコア202がマッピングされている。すなわち、注目度マップ200はユーザ120が空間の撮像を行う際に、ユーザが最も好感を示す表情をした局所領域に、最も高いスコアを表す注目度スコア202がマッピングされている。
【0111】

注目度マップ200は、ユーザ120が二番目に注目した局所領域に、二番目に高いスコアを表す注目度スコア204がマッピングされ、ユーザ120が三番目に注目した局所領域に、三番目のスコアを表す注目度スコア206がマッピングされている。すなわち、注目度マップ200は、ユーザ120の表情から把握されるユーザの注目の程度の順に生成された注目度スコア202等が、空間情報130にマッピングされる。
【0112】

注目度スコア202等は、数値を用いてユーザの注目度の大きさを表してもよいし、色を用いてユーザの注目度の大きさを表してもよい。ここでいう色は、色相、明度、及び彩度の少なくともいずれかが含まれ得る。後述する適合度マップも同様である。注目度スコア202等は、シンボルマークと数値とを併記してもよい。ユーザの表情からユーザの注目の程度を解析する手法は、公知の画像解析手法を適用し得る。
【0113】

本実施形態では、空間情報130に複数の注目度スコアをマッピングする態様を示したが、空間情報130にマッピングされる注目度スコアは一つ以上であればよい。また、空間情報130に四つ以上の注目度スコアをマッピングしてもよい。
【0114】

〔適合度マップの説明〕

図7は適合度マップの模式図である。図7に示す適合度マップ220は、空間情報130に対して、オブジェクトを配置する局所領域としての適合度を表す適合度スコア222等がマッピングされる。
【0115】

すなわち、図1に示す適合度マップ作成部24は、オブジェクト情報及び空間情報から、オブジェクトを配置する局所領域としての適合度を表す適合度スコア222、適合度スコア224、及び適合度スコア226を生成し、適合度スコア222、適合度スコア224、及び適合度スコア226を空間情報130にマッピングした適合度マップ220を生成する。
【0116】

換言すると、空間の位置、サイズ、色、及び光等の条件と、オブジェクトの種類、形状、サイズ、及び色等の条件とを総合的に勘案して、空間の局所領域とオブジェクトとの適合度合いをスコア化し、適合度スコア222等を生成する。
【0117】

例えば、空間の中央には、空間の中央に適したテーブル等のオブジェクトに高いスコアが付与される。また、空間の中央には、サイズが大きいテーブル等のオブジェクトに高いスコアが付与される。壁には、壁に適した絵画等のオブジェクトに高いスコアが付与される。床には、床に適したカーペット等のオブジェクトに高いスコアが付与される。
【0118】

適合度マップ220は、オブジェクトの配置に最も適した局所領域に、最も高いスコアを表す適合度スコア222がマッピングされている。適合度マップ220は、オブジェクトの配置に二番目に適した局所領域に、二番目に高いスコアを表す適合度スコア224がマッピングされ、オブジェクトの配置に三番目に適した局所領域に、三番目に高いスコアを表す適合度スコア226がマッピングされている。
【0119】

すなわち、適合度マップ220は、空間情報130及びオブジェクト情報に基づき、オブジェクトの配置に適した順を表す適合度スコア222等が、空間情報130にマッピングされる。
【0120】

適合度スコア222等は、数値を用いてオブジェクトの配置の適合度の大きさを表してもよいし、色を用いてオブジェクトの配置の適合度の大きさを表してもよい。適合度スコア222等は、シンボルマークと数値とを併記してもよい。
【0121】

本実施形態では、空間情報130に複数の適合度スコアをマッピングする態様を示したが、空間情報130にマッピングされる適合度スコアは一つ以上であればよい。また、空間情報130に四つ以上の適合度スコアをマッピングしてもよい。
【0122】

〔オブジェクトのレイアウト提案の説明〕

図8はレイアウト提案の模式図である。図1に示す提案部26は、図8に示すレイアウト画像240を生成する。情報処理装置10は、レイアウト画像240を表す表示信号をスマートデバイス122へ送信する。
【0123】

ユーザ120は、スマートデバイス122の表示装置123に表示されたレイアウト画像240を見て、ユーザにパーソナライズされた、最適なオブジェクト125のレイアウト提案を確認することが可能である。
【0124】

本実施形態では、レイアウト画像240を表す表示信号を情報処理装置10からスマートデバイス122へ送信する態様を示したが、情報処理装置10は、図示しないプリンタへレイアウト画像240を表す画像データを送信してもよい。ユーザ120は、プリンタを用いて印刷された画像を見て、ユーザにパーソナライズされた、最適なオブジェクト125のレイアウト提案を確認することが可能である。実施形態に示すプリンタは印刷装置の一例である。
【0125】

〔情報処理方法のフローチャート〕

図9は情報処理方法の手順を示すフローチャートである。図9に手順を示す情報処理方法は、オブジェクト情報取得工程S10、空間情報取得工程S12、ユーザ情報取得工程S14、注目度マップ作成工程S16、適合度マップ作成工程S18、レイアウト提案作成工程S20、及び表示工程S22が含まれる。なお、図9に示すフローチャートは、印刷工程が追加されてもよいし、表示工程S22に代わり印刷工程を実施してもよい。
【0126】

オブジェクト情報取得工程S10では、図1に示すオブジェクト情報取得部12は、オブジェクトの選択情報に基づきオブジェクトを特定し、オブジェクトの識別情報に基づき、オブジェクトデータベース34からオブジェクト情報を取得する。オブジェクト情報取得部12は、空間情報記憶部16へオブジェクト情報を記憶する。オブジェクト情報取得工程S10の後に空間情報取得工程S12へ進む。
【0127】

空間情報取得工程S12では、空間情報取得部14は、空間センサ30から空間センシング情報を取得する。空間情報取得部14は、空間センシング情報を解析して、空間情報130を導出する。空間情報取得部14は、空間情報記憶部16へ空間情報130を記憶する。空間情報取得工程S12の後にユーザ情報取得工程S14へ進む。
【0128】

ユーザ情報取得工程S14では、ユーザ情報取得部18は、ユーザセンサ32からユーザセンシング情報を取得する。空間情報取得部14は、ユーザセンシング情報を解析して、ユーザ情報を導出する。ユーザ情報取得部18は、ユーザ情報記憶部20へユーザ情報を記憶する。ユーザ情報取得工程S14の後に注目度マップ作成工程S16へ進む。
【0129】

なお、オブジェクト情報取得工程S10、空間情報取得工程S12、及びユーザ情報取得工程S14は、並行して実施されてもよいし、順番が入れ替えられてもよい。すなわち、注目度マップ作成工程S16の実施前に、空間情報130及びユーザ情報が取得されていればよい。また、適合度マップ作成工程S18の実施前に、空間情報130及びオブジェクト情報が取得されていればよい。
【0130】

注目度マップ作成工程S16では、注目度マップ作成部22は、空間情報130及びユーザ情報に基づいて、図6に示す注目度マップ200を作成する。注目度マップ作成工程S16の後に適合度マップ作成工程S18へ進む。
【0131】

適合度マップ作成工程S18では、適合度マップ作成部24は、オブジェクト情報及び空間情報130に基づいて、図7に示す適合度マップ220を作成する。適合度マップ作成工程S18の後にレイアウト提案作成工程S20へ進む。
【0132】

なお、注目度マップ作成工程S16と適合度マップ作成工程S18とは、並行して実施されてもよいし、順番が入れ替えられてもよい。すなわち、レイアウト提案作成工程S20の実施前に、注目度マップ200及び適合度マップ220が生成されていればよい。
【0133】

レイアウト提案作成工程S20では、提案部26は、注目度マップ200及び適合度マップ220に基づいて、図8に示すレイアウト画像240を生成する。レイアウト提案作成工程S20の後に表示工程S22へ進む。実施形態に示すレイアウト提案作成工程S20は、提案工程の一例である。
【0134】

表示工程S22では、情報処理装置10は、スマートデバイス122へレイアウト画像240を表す表示信号を生成する。ユーザは表示装置123に表示されたレイアウト画像240を見て、情報処理装置10が生成したオブジェクトのレイアウトを確認し得る。表示工程S22において、情報処理装置10は図示しないプリンタへレイアウト画像240を表す画像データを送信してもよい。表示工程S22の後に、情報処理装置10は情報処理方法を終了させる。
【0135】

[作用効果]

本実施形態に示す情報処理装置及び情報処理方法によれば、以下の作用効果を得ることが可能である。
【0136】

〔1〕

空間情報及びユーザ情報に基づいて、部屋の内部124における局所領域ごとのユーザ120の注目度合いを示す注目度マップ200が生成される。これにより、ユーザ120が部屋の内部124をセンシングした際に、ユーザがどの局所領域にどのくらい注目したかを把握し得る。また、オブジェクト情報及び空間情報に基づいて、部屋の内部124の局所領域ごとのオブジェクト125の配置の適合度合いを示す適合度マップ220が作成される。これにより、部屋の内部124のどの局所領域がオブジェクト125の配置にどのくらい適しているかを把握し得る。更に、注目度マップ200及び適合度マップ220に基づいて、部屋の内部124におけるオブジェクト125のレイアウトが提案される。これにより、ユーザ120にパーソナライズされた、最適なオブジェクト125のレイアウトの提案が可能となる。
【0137】

〔2〕

提案部26は、部屋の内部124におけるオブジェクト125の、ユーザ120にパーソナライズされた、最適なレイアウトを表すレイアウト画像240を生成する。情報処理装置10はスマートデバイス122へレイアウト画像240を表す表示信号を送信する。これにより、スマートデバイス122の表示装置123へレイアウト画像240を表示し得る。
【0138】

〔3〕

ユーザ120は、オブジェクト一覧102からオブジェクトを選択する。オブジェクト情報取得部12は、オブジェクトの識別情報を用いてオブジェクトを特定し、オブジェクトデータベース34にアクセスして、オブジェクト情報を取得する。これにより、情報処理装置10は、ユーザが選択したオブジェクトに対応するオブジェクト情報を取得し得る。
【0139】

〔4〕

ユーザ120は、スマートデバイス122の第一カメラ127を用いて、部屋の内部124の撮像データを取得する。これにより、空間情報の構成要素として部屋の内部124の撮像データを適用し得る。
【0140】

〔5〕

空間情報取得部14は、部屋の内部124のサイズ、色、配置される家具等のサイズ、及び家具等の色の少なくともいずれかの情報を取得する。これにより、空間情報の構成要素として、部屋の内部124のサイズ等の色を適用し得る。
【0141】

〔6〕

ユーザ120は、スマートデバイス122の第二カメラ128を用いてユーザの撮像データを取得する。ユーザ情報取得部18は、ユーザ120の撮像データから、ユーザ120の表情、表情の変化、視線、及びユーザの瞳孔の大きさの少なくともいずれかの情報を取得する。これにより、ユーザ情報の構成要素として、ユーザ120の表情等を適用し得る。
【0142】

[変形例]

〔注目度マップ作成の変形例〕

次に、注目度マップ作成の変形例について説明する。注目度マップ作成部22は、ユーザの表情と好感度との関係を学習した認識器を適用して、空間に対するユーザの好感度の度合いを表す好感度マップを注目度マップとして生成し得る。ユーザの好感度はユーザの状態の一例である。
【0143】

学習は、畳み込みニューラルネットワークを適用し得る。なお、畳み込みニューラルネットワークは、英語表記のConvolutional neural networkの省略語を用いてCNNと呼ばれる場合がある。
【0144】

図10は畳み込みニューラルネットワークの説明図である。注目度マップ作成部22Aは、入力層22B、中間層22C、及び出力層22Dを備える。中間層22Cは、畳み込み層22Eとプーリング層22Fから構成された複数セット、及び全結合層22Gを備える。各層は複数のノードがエッジを用いて結ばれる構造となっている。
【0145】

入力層22Bは、認識処理の対象であるユーザの画像データが入力される。中間層22Cは、畳み込み層22Eとプーリング層22Fとを一セットとする複数セットと、全結合層22Gとを有し、入力層22Bから入力した画像データから特徴を抽出する。
【0146】

畳み込み層22Eは、前の層で近くにあるノードにフィルタ処理を施して特徴マップを取得する。畳み込み層22Eは、フィルタ処理として、フィルタを使用した畳み込み演算を実施する。
【0147】

プーリング層22Fは、畳み込み層22Eから出力された特徴マップを縮小して新たな特徴マップとする。畳み込み層22Eは、画像データからのエッジ抽出等の特徴抽出の役割を担う。プーリング層22Fは抽出された特徴が、平行移動などによる影響を受けないようにロバスト性を与える役割を担う。
【0148】

中間層22Cは、畳み込み層22Eとプーリング層22Fとを一セットとする場合に限らず、畳み込み層22Eが連続する場合、及び図示しない正規化層を備える場合が含まれる。また、各畳み込み層22Eにて使用されるフィルタの重み及びバイアスは、予め多数の学習データを用いて自動的に学習されている。
【0149】

本変形例に示す注目度マップ作成部22Aは、ユーザの表情及びユーザの表情の変化の少なくともいずれかと、ユーザの好感度との組み合わせを学習データとして学習させたものである。ユーザの表情は、ユーザの画像データにおける顔の立体構造から導出し得る。
【0150】

注目度マップ作成部22Aは、入力層22Bにユーザ120の画像データが入力されると、中間層22Cにおける処理を経て、出力層22Dからユーザ120の好感度の度合いを表すスコアが出力される。
【0151】

注目度マップ作成部22Aは、好きなどの正の感情を持っている場合のユーザ120の状態を学習した認識器を適用し得る。注目度マップ作成部22Aは、嫌いなどの負の感情を持っている場合のユーザ120の状態を学習した認識器を適用し得る。
【0152】

〔注目度マップ作成の変形例の作用効果〕

注目度マップ作成の変形例によれば、注目度マップ作成部22はユーザの表情と好感度との関係を学習した認識器が適用される。認識器は畳み込みニューラルネットワークが適用される。これにより、ロバスト性及び精度が高いユーザ情報の取得が可能となる。
【0153】

〔ユーザセンシング情報取得の変形例〕

図11はユーザセンシング情報取得の変形例の説明図である。図11に示すユーザ120Aは、図1に示す空間センサ30としてスマートデバイス122の第一カメラ127を使用する。また、ユーザ120Aは、ユーザセンサ32として心拍測定器144を使用する。心拍測定器144は腕時計型である。
【0154】

すなわち、図1に示す空間情報取得部14は、第一カメラ127から部屋の内部124の撮像データを取得する。ユーザ情報取得部18は、心拍測定器144からユーザ120Aの心拍数の情報を取得する。ユーザ情報はユーザ120Aの心拍数の情報が含まれる。
【0155】

図示を省略するが、ユーザセンサ32は、ユーザ120Aの頭部に装着可能な脳波測定器を適用してもよい。ユーザセンサ32は、血圧計、呼吸計測器、及び体温計など、ユーザ120Aの生体情報を測定する生体情報測定装置を適用してもよい。なお、体温はユーザ120Aの皮膚の表面温度を適用してもよい。体温計はユーザ120Aの皮膚の表面温度を測定する温度センサを適用してもよい。温度センサは非接触型を適用してもよい。
【0156】

ユーザ情報に複数の構成要素が含まれる場合、ユーザ情報を構成する複数の構成要素を用いて、注目度マップ作成部22は総合的なユーザ120Aの注目度を用いた注目度マップを生成してもよい。
【0157】

複数の構成要素の組み合わせの一例として、ユーザ120Aの視線とユーザ120Aの心拍数との組み合わせのように、ユーザ120Aの外観情報とユーザ120Aの生体情報との組み合わせが挙げられる。
【0158】

複数の構成要素の組み合わせの他の例として、ユーザ120Aの表情とユーザ120Aの視線との組み合わせのように、ユーザ120Aの外観情報同士の組み合わせが挙げられる。ユーザ情報はユーザ120Aの生体情報同士を組み合わせてもよい。
【0159】

〔ユーザセンシング情報取得の変形例の作用効果〕

ユーザセンシング情報取得の変形例によれば、以下の作用効果を得ることが可能である。
【0160】

〈1〉

ユーザ情報の構成要素として、ユーザ120Aの生体情報を適用する。ユーザ120Aの生体情報はユーザ120Aの状態が反映される。これにより、ユーザ120Aの生体情報に基づく注目度マップ200が生成される。
【0161】

〈2〉

ユーザ情報取得部18は複数のユーザセンシング情報を取得する。ユーザ情報取得部18は複数の構成要素を含むユーザ情報を取得する。注目度マップ作成部22は複数のユーザ情報の構成要素を用いて注目度マップ200を作成する。これにより、詳細なユーザ120Aの状態が反映された注目度マップ200を作成し得る。
【0162】

〔レイアウト提案の変形例〕

図12はレイアウト提案の変形例の説明図である。図12に示すレイアウト提案では、レイアウト画像240及びオブジェクト情報250が含まれる。すなわち、スマートデバイス122の表示装置123は、レイアウト画像240及びオブジェクト情報250を表示する。
【0163】

図12に示すオブジェクト情報250は、オブジェクト125のサイズを表すサイズ情報252、及びオブジェクト125のフレーム126の材質を表す材質情報254が含まれる。
【0164】

図12では、複数の情報を含むオブジェクト情報250を例示したが、オブジェクト情報250は一つでもよい。図12に示したサイズ情報252及び材質情報254は例示であり、オブジェクト情報250は、オブジェクト125の質量、価格、製作者、及び販売者等の他の情報が含まれていてもよい。
【0165】

〔レイアウト提案の変形例の作用効果〕

レイアウト提案の変形例によれば、以下の作用効果を得ることが可能である。
【0166】

〈1〉

レイアウト提案にオブジェクト情報250が含まれる。これにより、ユーザ120は現実のオブジェクトを把握し得る。
【0167】

〈2〉

オブジェクト情報250はオブジェクト125のサイズを表すサイズ情報252が含まれる。これにより、ユーザ120はオブジェクト125のサイズを把握し得る。
【0168】

〈3〉

オブジェクト情報250はオブジェクト125のフレーム126の材質を表す材質情報254が含まれる。これにより、ユーザ120はオブジェクト125のフレーム126の材質を把握し得る。
【0169】

[応用例]

次に、上記した実施形態の応用例について説明する。応用例に係るレイアウト提案では、部屋の内部124に家具を配置する場合について説明する。以下、主として、上記した実施形態との違いについて説明する。
【0170】

〔オブジェクト選択〕

図13は応用例に係るオブジェクト選択画面の説明図である。図13に示すオブジェクト選択画面300は、オブジェクト一覧302に、椅子の画像304、花瓶の画像306、及びごみ箱の画像308が含まれる。オブジェクト選択画面300はテーブルの画像310が選択された状態を表す。ユーザ120はオーケーボタン312をタップして、オブジェクトとしてテーブルの画像310のテーブルの選択を確定させることができる。
【0171】

〔空間センシング及びユーザセンシング〕

図14は応用例に係る空間センシング及びユーザセンシングの模式図である。既述の実施形態と同様に、ユーザ120は、スマートデバイス122の第一カメラ127を用いて空間のセンシングを行い、かつ、スマートデバイス122の第二カメラ128を用いてユーザのセンシングを行う。もちろん、図11に示す心拍測定器144を用いて、ユーザ120のセンシングを行ってもよい。
【0172】

〔注目度マップの生成及び適合度マップの生成〕

注目度マップの生成及び適合度マップの生成は、既述の実施形態と同様に実施される。ここでは、注目度マップの生成及び適合度マップの生成の説明は省略する。すなわち、空間情報130及びユーザ情報に基づいて注目度マップ200が生成され、空間情報130及びオブジェクト情報に基づいて適合度マップ220が生成される。
【0173】

〔レイアウト提案〕

図15は応用例に係るレイアウト提案の模式図である。図15に示すレイアウト画像340は、部屋の内部124におけるテーブル350の最適なレイアウトの提案を表す。レイアウト画像340は、表示装置123に表示される。
【0174】

図16は応用例に係るレイアウト提案の他の例の模式図である。図16に示すレイアウト画像360は、部屋の内部124における複数のオブジェクトの最適なレイアウトの提案を示す。
【0175】

図16に示すレイアウト画像360は、複数のオブジェクトとして、テーブル350、複数の椅子352、サイドボード354、複数の花瓶356、ごみ箱358、及び置物359が適用されている。
【0176】

〔情報処理方法のフローチャート〕

図17は応用例に係る情報処理方法の手順を示すフローチャートである。図17に示すフローチャートは、複数のオブジェクトの配置を提案する場合に適用される。図17に手順を示すフローチャートは、図9に示すフローチャートに、オブジェクト情報取得終了判定S19が追加されている。
【0177】

図17に示すフローチャートでは、適合度マップ作成工程S18の後にオブジェクト情報取得終了判定S19へ進む。オブジェクト情報取得終了判定S19では、オブジェクト情報取得部12は、オブジェクト情報の取得を終了するか否かを判定する。
【0178】

部屋の内部124に家具を配置する場合、図16に示すように、テーブル350及び椅子352など複数のオブジェクトの配置を提案することがあり得る。そこで、オブジェクト情報取得終了判定S19において、オブジェクト情報取得部12は他のオブジェクト情報を取得しているか否かを判定する。
【0179】

オブジェクト情報取得終了判定S19において、オブジェクト情報取得部12が他のオブジェクト情報を取得すると判定した場合はNo判定となり、オブジェクト情報取得工程S10へ進む。
【0180】

以降、オブジェクト情報取得終了判定S19においてYes判定となるまで、オブジェクト情報取得工程S10から適合度マップ作成工程S18の各工程を繰り返し実施する。
【0181】

一方、オブジェクト情報取得終了判定S19において、オブジェクト情報取得部12がオブジェクト情報の取得を終了すると判定した場合はYes判定となり、レイアウト提案作成工程S20へ進む。レイアウト提案作成工程S20及び表示工程S22を実行すると、情報処理装置10は情報処理方法を終了させる。
【0182】

[応用例の作用効果]

応用例に係る情報処理装置及び情報処理方法によれば、以下の作用効果を得ることが可能である。
【0183】

〔1〕

オブジェクトとして家具を選択する。これにより、部屋の内部124における家具のレイアウト提案が可能である。
【0184】

〔2〕

複数のオブジェクトの選択を可能とする。これにより、複数のオブジェクトを含むユーザ120にパーソナライズされた、最適なオブジェクトのレイアウトの提案が可能である。
【0185】

[ネットワークシステムへの適用例]

図18はネットワークシステムへの適用例に係る情報処理システムのブロック図である。図18に示す情報処理システム400は、サーバ装置410を備える。サーバ装置410、第一ユーザ端末420、第二ユーザ端末422、及び第三ユーザ端末424は、ネットワーク402を介して通信可能に接続される。情報処理システム400は、ネットワーク402を介して通信可能に接続されるストレージ装置等の大容量記憶装置を備えてもよい。
【0186】

ネットワーク402は、WAN(Wide Area Network)などの広域通信網を適用してもよいし、LAN(Local Area Network)などの構内通信網を適用してもよい。ネットワーク402は、通信方式及び通信プロトコル等も限定されない。なお、図2に示すネットワーク50は、図18に示すネットワークを適用し得る。
【0187】

サーバ装置410は、図1から図17を用いて説明した情報処理装置10が適用される。図18に示す態様では、図2に示すディスプレイコントローラ52、入出力インターフェース54、入力コントローラ56、表示部60、及び操作部62を省略し得る。
【0188】

図18に示すサーバ装置410において、図2に示すストレージ装置44は、ネットワーク402を介してサーバ装置410と通信可能に接続されてもよい。また、図1に示すオブジェクトデータベース34は、ネットワーク402を介してサーバ装置410及び第一ユーザ端末420等と通信可能に接続されてもよい。
【0189】

図18には、第一ユーザ端末420及び第二ユーザ端末422として携帯端末が適用され、第三ユーザ端末424としてノート型パソコンが適用される例を示す。第一ユーザ端末420等のユーザ端末は、ネットワーク402を介してサーバ装置410と通信可能に接続される機器であればよい。
【0190】

情報処理システム400は、ネットワーク402を介してサーバ装置410と通信可能に接続されるプリンタを備えてもよい。プリンタの例として、プリントサービスを提供する店舗の店頭に配置されるプリント装置が挙げられる。
【0191】

[プログラムへの適用例]

上述した情報処理装置10及び情報方法は、コンピュータを用いて、情報処理装置10における各部に対応する機能、又は情報処理方法における各工程に対応する機能を実現させるプログラムとして構成可能である。
【0192】

各工程等に対応する機能の例として、空間情報取得機能、オブジェクト情報取得機能、ユーザ情報取得機能、注目度マップ作成機能、適合度マップ作成機能、及び提案機能が挙げられる。
【0193】

空間情報取得機能は、オブジェクトを配置する空間をセンシングして得られた空間センシング情報に基づく空間情報を取得する。オブジェクト情報取得機能は、オブジェクトのオブジェクト情報を取得する。ユーザ情報取得機能は、空間をセンシングする際に、空間に対するユーザの状態をセンシングして得られたユーザセンシング情報に基づくユーザ情報を取得する。
【0194】

注目度マップ作成機能は、空間情報及びユーザ情報に基づいて、空間の局所領域ごとのユーザの注目度を示す注目度マップを作成する。適合度マップ作成機能は、空間情報及びオブジェクト情報に基づいて、局所領域ごとのオブジェクトの適合度を示す適合度マップを作成する。提案機能は、注目度マップ及び適合度マップに基づいて、空間におけるオブジェクトの配置を提案する。
【0195】

各工程等に対応する機能は、オブジェクトの配置を表す表示信号を表示装置へ送信する表示信号送信機能、及びオブジェクトの配置を表す画像のプリントデータをプリンタへ送信する送信機能が含まれてもよい。
【0196】

上述した情報処理機能をコンピュータに実現させるプログラムを、有体物である非一時的な情報記憶媒体である、コンピュータが読取可能な情報記憶媒体に記憶し、情報記憶媒体を通じてプログラムを提供することが可能である。また、非一時的な情報記憶媒体にプログラムを記憶して提供する態様に代えて、ネットワークを介してプログラム信号を提供する態様も可能である。
【0197】

[実施形態及び変形例等の組み合わせについて]

上述した実施形態で説明した構成要素、及び適用例等で説明した構成要素は、適宜組み合わせて用いることができ、また、一部の構成要素を置き換えることもできる。
【0198】

以上説明した本発明の実施形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜構成要件を変更、追加、削除することが可能である。本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者により、多くの変形が可能である。
【符号の説明】
【0199】

10 情報処理装置

12 オブジェクト情報取得部

14 空間情報取得部

16 空間情報記憶部

18 ユーザ情報取得部

20 ユーザ情報記憶部

22 注目度マップ作成部

22A 注目度マップ作成部

22B 入力層

22C 中間層

22D 出力層

22E 畳み込み層

22F プーリング層

22G 全結合層

24 適合度マップ作成部

26 提案部

28 バス

30 空間センサ

32 ユーザセンサ

34 オブジェクトデータベース

40 制御部

42 メモリ

44 ストレージ装置

46 ネットワークコントローラ

48 電源装置

50 ネットワーク

52 ディスプレイコントローラ

54 入出力インターフェース

56 入力コントローラ

60 表示部

62 操作部

100 オブジェクト選択画面

102 オブジェクト一覧

104 第一画像

106 第二画像

108 第三画像

110 拡大画像

112 オーケーボタン

120 ユーザ

120A ユーザ

122 スマートデバイス

123 表示装置

124 部屋の内部

125 オブジェクト

126 フレーム

127 第一カメラ

128 第二カメラ

130 空間情報

144 心拍測定器

200 注目度マップ

202 注目度スコア

204 注目度スコア

206 注目度スコア

220 適合度マップ

222 適合度スコア

224 適合度スコア

226 適合度スコア

240 レイアウト画像

250 オブジェクト情報

252 サイズ情報

254 材質情報

300 オブジェクト選択画面

302 オブジェクト一覧

304 椅子の画像

306 花瓶の画像

308 ごみ箱の画像

310 テーブルの画像

312 オーケーボタン

340 レイアウト画像

350 テーブル

352 椅子

354 サイドボード

356 花瓶

358 ごみ箱

359 置物

360 レイアウト画像

400 情報処理システム

402 ネットワーク

410 サーバ装置

420 第一ユーザ端末

422 第二ユーザ端末

424 第三ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18