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  • 特許-有機光電子素子および表示装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-23
(45)【発行日】2022-07-01
(54)【発明の名称】有機光電子素子および表示装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 51/50 20060101AFI20220624BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220624BHJP
   C09K 11/06 20060101ALI20220624BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20220624BHJP
   C07D 209/86 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
H05B33/14 B
H01L27/32
H05B33/22 A
H05B33/22 C
C09K11/06 660
C09K11/06 690
C07D405/14
C07D209/86
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019566840
(86)(22)【出願日】2018-06-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-30
(86)【国際出願番号】 KR2018006794
(87)【国際公開番号】W WO2018236093
(87)【国際公開日】2018-12-27
【審査請求日】2019-12-03
(31)【優先権主張番号】10-2017-0079209
(32)【優先日】2017-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514278061
【氏名又は名称】サムスン エスディアイ カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG SDI CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】150-20, Gongse-ro,Giheung-gu,Yongin-si,Gyeonggi-do 17084,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,キポ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ビュング
(72)【発明者】
【氏名】カン,ギウォク
(72)【発明者】
【氏名】イ,ハンイル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,スン-ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン,ホ クク
(72)【発明者】
【氏名】ホ,ヨンキョン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,ユン スン
【審査官】塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-503338(JP,A)
【文献】国際公開第2016/013867(WO,A1)
【文献】特表2017-513220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 51/50
H01L 27/32
C09K 11/06
C07D 405/14
C07D 209/86
H05B 33/14
H05B 33/22
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する陽極と陰極、および
前記陽極と前記陰極との間に位置する有機層を含み、
前記有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層のうち少なくとも一つを含み、
前記発光層は、下記の化学式1-3で表される第1ホスト、下記の化学式2で表される第2ホスト、および下記の化学式3で表される燐光ドーパントを含む、有機光電子素子:
【化1】

前記化学式1-3において、
はOまたはSであり、
~Zはそれぞれ独立してNまたはCRであり、
~Zのうち少なくとも二つはNであり、
およびLはそれぞれ独立して単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
Aは置換された若しくは非置換のカルバゾリル基であり、
は置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、
、およびR~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基であり;
前記化学式2において、
およびYはそれぞれ独立して置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換若しくは非置換されたカルバゾリル基、置換若しくは非置換されたジベンゾフラニル基、または置換若しくは非置換されたジベンゾチオフェニル基であり、
およびLはそれぞれ独立して単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
mは0~2の整数であり;
前記化学式3において、
~Z11はそれぞれ独立してN、CまたはCRであり、
環CはC-C結合により環Bに結合され、
イリジウムはIr-C結合により環Bに結合され、
はOまたはSであり、
およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、ゲルマニウム基、シアノ基、置換された若しくは非置換のシリル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキルシリル基、置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
nは1~3の整数のうち一つである。
【請求項2】
前記第1ホストは、下記の化学式1-3aで表される、請求項1に記載の有機光電子素子:
【化2】

前記化学式1-3aにおいて、
はOまたはSであり、
~Zはそれぞれ独立してNまたはCRであり、
~Zのうち少なくとも二つはNであり、
は単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
Aは置換された若しくは非置換のカルバゾリル基であり、
は置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、
、R~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基である。
【請求項3】
前記第1ホストは、下記の化学式1-3a-I、化学式1-3a-IIおよび化学式1-3a-IIIのうちいずれか一つで表される、請求項2に記載の有機光電子素子:
【化3】

前記化学式1-3a-I、化学式1-3a-IIおよび化学式1-3a-IIIにおいて、
はOまたはSであり、
~Zはそれぞれ独立してNまたはCRであり、
~Zのうち少なくとも二つはNであり、
は単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
は置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、
、R~RおよびR~R13はそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基である。
【請求項4】
前記化学式1-3のZ~Zは、いずれもNである、請求項1に記載の有機光電子素子。
【請求項5】
前記化学式1-3のRは、下記グループIに羅列された置換基より選ばれるものである、請求項1に記載の有機光電子素子:
【化4】

前記グループIにおいて、*は連結地点である。
【請求項6】
前記化学式2は、下記グループIIに羅列された構造のうち一つであり、
前記*-L-Yおよび*-L-Yは、下記グループIIIに羅列された置換基のうち一つである、請求項1に記載の有機光電子素子:
【化5】

前記グループIIおよびグループIIIにおいて、*は連結地点である。
【請求項7】
前記化学式2は、前記グループIIの化学式c-8または化学式c-17で表され、
前記*-L-Yおよび*-L-Yは、前記グループIIIより選ばれる、請求項6に記載の有機光電子素子。
【請求項8】
前記化学式2は、前記グループIIの化学式c-8または化学式c-17で表され、
前記*-L-Yおよび*-L-Yは、前記グループIIIのB-1、B-2、B-3、B-11、B-16およびB-17より選ばれる、請求項6に記載の有機光電子素子。
【請求項9】
前記化学式3は、下記の化学式3-1ないし化学式3-6のうちいずれか一つで表され
る、請求項1に記載の有機光電子素子:
【化6】

化学式3-1ないし化学式3-6において、
はOまたはSであり、
c1、Rc2、Rc3およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、ゲルマニウム基、シアノ基、置換された若しくは非置換のシリル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキルシリル基、置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
nは1~3の整数のうち一つである。
【請求項10】
前記第2ホストは、下記の化学式2Aで表される、請求項1に記載の有機光電子素子:
【化7】

前記化学式2Aにおいて、
~Lはそれぞれ独立して単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基であり、
およびYはそれぞれ独立して置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換若しくは非置換されたカルバゾリル基、置換若しくは非置換されたジベンゾフラニル基、または置換若しくは非置換されたジベンゾチオフェニル基である。
【請求項11】
前記第1ホストは、下記の化学式1-3aで表される、請求項10に記載の有機光電子素子:
【化8】

前記化学式1-3aにおいて、
はOまたはSであり、
~Zはそれぞれ独立してNであり、
は単結合、またはmeta-フェニレン基であり、
Aは置換された若しくは非置換のカルバゾリル基であり、
は置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、
~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基である。
【請求項12】
前記化学式3は、下記の化学式3-1で表される、請求項10に記載の有機光電子素子:
【化9】

前記化学式3-1において、
はOまたはSであり、
c1、Rc2、Rc3およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、置換された若しくは非置換のシリル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキルシリル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基であり、
nは1~3の整数のうち一つであり、
前記「置換」とは、置換基または化合物中の少なくとも一つの水素が重水素、ハロゲン基、C1~C4アルキル基、またはC6~C12アリール基に置換されたものを意味する。
【請求項13】
請求項1ないし12のいずれか一項による有機光電子素子を含む、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
有機光電子素子および表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機光電子素子(organic optoelectronic diode)は、電気エネルギと光エネルギを相互転換できる素子である。
【0003】
有機光電子素子は動作原理によって大きく2つに分けられる。一つは光エネルギによって形成されたエキシトン(exciton)が電子と正孔に分離され、前記電子と正孔がそれぞれ他の電極に伝達されることにより電気エネルギを発生する光電素子であり、他の一つは電極に電圧または電流を供給して電気エネルギから光エネルギを発生する発光素子である。
【0004】
有機光電子素子の例としては有機光電素子、有機発光素子、有機太陽電池および有機感光体ドラム(organic photo conductor drum)などが挙げられる。
【0005】
その中の有機発光素子(organic light emitting diode、OLED)は、近来の平板表示装置(flat panel display device)の需要増加につれ大きく注目されている。前記有機発光素子は、有機発光材料に電流を加えて電気エネルギを光に転換させる素子として、通常陽極(anode)と陰極(cathode)との間に有機層が挿入された構造からなる。ここで、有機層は発光層と選択的に補助層を含み得、前記補助層は、例えば有機発光素子の効率と安全性を高めるための正孔注入層、正孔輸送層、電子遮断層、電子輸送層、電子注入層および正孔遮断層から選択した少なくとも1層を含み得る。
【0006】
有機発光素子の性能は、前記有機層の特性によって影響を多く受け、その中でも前記有機層に含まれている有機材料によって多くの影響を受ける。
【0007】
特に前記有機発光素子が大型平板表示装置に適用されるためには正孔および電子の移動性を高めると同時に電気化学的安全性を高められる有機材料の開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一実施形態は、高効率および長寿命の有機光電子素子を提供する。
【0009】
他の実施形態は、前記有機光電子素子を含む表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一実施形態によれば、互いに対向する陽極と陰極、および前記陽極と前記陰極との間に位置する有機層を含み、前記有機層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層のうち少なくとも一つを含み、前記発光層は、下記の化学式1で表される第1ホスト、下記の化学式2で表される第2ホスト、および下記の化学式3で表される燐光ドーパントを含む有機光電子素子を提供する。
【0011】
【化1】
【0012】
前記化学式1において、
はOまたはSであり、
~Zはそれぞれ独立してNまたはCRであり、
~Zのうち少なくとも二つはNであり、
およびLはそれぞれ独立して単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
Aは置換された若しくは非置換のカルバゾリル基であり、
は置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、
、およびR~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基であり;
前記化学式2において、
およびYはそれぞれ独立して置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
およびLはそれぞれ独立して単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
mは0~2の整数であり;
前記化学式3において、
~Z11はそれぞれ独立してN、CまたはCRであり、
環CはC-C結合により環Bに結合され、
イリジウムはIr-C結合により環Bに結合され、
はOまたはSであり、
およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、ゲルマニウム基、シアノ基、置換された若しくは非置換のシリル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキルシリル基、置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
nは1~3の整数のうち一つである。
【0013】
他の実施形態によれば、前記有機光電子素子を含む表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0014】
高効率および長寿命の有機光電子素子を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は一実施形態による有機発光素子を示した断面図である。
図2図2は一実施形態による有機発光素子を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を詳しく説明する。ただし、これは例示として提示されるものであり、本発明はこれによって制限されず、本発明は後述する請求範囲の範疇によってのみ定義される。
【0017】
本明細書において「置換」とは、別途定義されていない限り、置換基または化合物中の少なくとも一つの水素が重水素、ハロゲン基、ヒドロキシル基、アミノ基、置換された若しくは非置換のC1~C30アミン基、ニトロ基、置換された若しくは非置換のC1~C40シリル基、C1~C30アルキル基、C1~C10アルキルシリル基、C6~C30アリールシリル基、C3~C30シクロアルキル基、C3~C30ヘテロシクロアルキル基、C6~C30アリール基、C2~C30ヘテロアリール基、C1~C20アルコキシ基、C1~C10トリフルオロアルキル基、シアノ基、またはこれらの組み合わせに置換されたものを意味する。
【0018】
本発明の一例において、「置換」は置換基または化合物中の少なくとも一つの水素が重水素、C1~C10アルキル基、C6~C20アリール基、またはC2~C20ヘテロ環基に置換されたものを意味する。また、本発明の具体的な一例において、前記「置換」とは、少なくとも一つの水素が重水素、C1~C4アルキル基、C6~C12アリール基またはC2~C12ヘテロ環基に置換されたものを意味する。より具体的には、「置換」は置換基または化合物中の少なくとも一つの水素が重水素、C1~C5アルキル基、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、ナフチル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチオフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基またはカルバゾリル基に置換されたものを意味する。また、本発明の最も具体的な一例において、「置換」は置換基または化合物中の少なくとも一つの水素が重水素、メチル基、エチル基、プロパニル基、ブチル基、フェニル基、para-ビフェニル基、meta-ビフェニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基またはカルバゾリル基に置換されたものを意味する。
【0019】
本明細書において、「ヘテロ」とは、別途定義されていない限り、一つの官能基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選ばれるヘテロ原子を1~3個含有し、残りは炭素であるものを意味する。
【0020】
本明細書において、「アルキル(alkyl)基」とは、別途定義されていない限り、脂肪族炭化水素基を意味する。アルキル基はいかなる二重結合や三重結合を含んでいない「飽和アルキル(saturated alkyl)基」であり得る。
【0021】
前記アルキル基は、C1~C30のアルキル基であり得る。より具体的にはアルキル基はC1~C20アルキル基またはC1~C10アルキル基であり得る。例えば、C1~C4アルキル基は、アルキル鎖に1~4個の炭素原子が含まれるものを意味し、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルからなる群より選ばれるものを示す。
【0022】
前記アルキル基は、具体的な例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などを意味する。
【0023】
本明細書において、「アリール(aryl)基」は炭化水素芳香族モイエティを一つ以上有するグループを総括する概念として、
炭化水素芳香族モイエティのすべての元素がp-オービタルを有し、これらp-オービタルが共役(conjugation)を形成している形態、例えばフェニル基、ナフチル基などを含み、
2以上の炭化水素芳香族モイエティがシグマ結合により連結された形態、例えばビフェニル基、テルフェニル基、クアテルフェニル基などを含み、
2以上の炭化水素芳香族モイエティが直接または間接的に融合された非芳香族融合環も含み得る。例えば、フルオレニル基などが挙げられる。
【0024】
アリール基は、モノサイクリック、ポリサイクリックまたは融合環ポリサイクリック(つまり、炭素原子の隣接する対を分け合う環)官能基を含む。
【0025】
本明細書において、「ヘテロ環基(heterocyclic group)」は、ヘテロアリール基を含む上位概念として、アリール基、シクロアルキル基、これらの融合環またはこれらの組み合わせのような環化合物内に炭素(C)の代わりにN、O、S、PおよびSiからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも一つを含有するものを意味する。前記ヘテロ環基が融合環の場合、前記ヘテロ環基全体またはそれぞれの環ごとにヘテロ原子を1つ以上含み得る。
【0026】
一例として「ヘテロアリール(heteroaryl)基」は、アリール基内にN、O、S、PおよびSiからなる群より選ばれるヘテロ原子を少なくとも一つを含有するものを意味する。2以上のヘテロアリール基はシグマ結合により直接連結されるか、前記ヘテロアリール基が2以上の環を含む場合、2以上の環は互いに融合され得る。前記ヘテロアリール基が融合環の場合、それぞれの環ごとに前記ヘテロ原子を1~3個含み得る。
【0027】
前記ヘテロ環基は、具体的には例えば、ピリジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基などを含み得る。
【0028】
より具体的には、置換された若しくは非置換のC6~C30アリール基および/または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基は、置換された若しくは非置換のフェニル基、置換された若しくは非置換のナフチル基、置換された若しくは非置換のアントラセニル基、置換された若しくは非置換のフェナントレニル基、置換された若しくは非置換のナフタセニル基、置換された若しくは非置換のピレニル基、置換された若しくは非置換のビフェニル基、置換された若しくは非置換のp-テルフェニル基、置換された若しくは非置換のm-テルフェニル基、置換された若しくは非置換のo-テルフェニル基、置換された若しくは非置換のクリセニル基、置換された若しくは非置換のトリフェニレン基、置換された若しくは非置換のペリレニル基、置換された若しくは非置換のフルオレニル基、置換された若しくは非置換のインデニル基、置換された若しくは非置換のフラニル基、置換された若しくは非置換のチオフェニル基、置換された若しくは非置換のピロリル基、置換された若しくは非置換のピラゾリル基、置換された若しくは非置換のイミダゾリル基、置換された若しくは非置換のトリアゾリル基、置換された若しくは非置換のオキサゾリル基、置換された若しくは非置換のチアゾリル基、置換された若しくは非置換のオキサジアゾリル基、置換された若しくは非置換のチアジアゾリル基、置換された若しくは非置換のピリジル基、置換された若しくは非置換のピリミジニル基、置換された若しくは非置換のピラジニル基、置換された若しくは非置換のトリアジニル基、置換された若しくは非置換のベンゾフラニル基、置換された若しくは非置換のベンゾチオフェニル基、置換された若しくは非置換のベンズイミダゾリル基、置換された若しくは非置換のインドリル基、置換された若しくは非置換のキノリニル基、置換された若しくは非置換のイソキノリニル基、置換された若しくは非置換のキナゾリニル基、置換された若しくは非置換のキノキサリニル基、置換された若しくは非置換のナフチリジニル基、置換された若しくは非置換のベンゾオキサジニル基、置換された若しくは非置換のベンズチアジニル基、置換された若しくは非置換のアクリジニル基、置換された若しくは非置換のフェナジニル基、置換された若しくは非置換のフェノチアジニル基、置換された若しくは非置換のフェノキサジニイル基、置換された若しくは非置換のカルバゾリル基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基、またはこれらの組み合わせであり得るが、これに制限されない。
【0029】
本明細書において、正孔特性とは、電場(electric field)を加えた時電子を供与して正孔を形成することのできる特性をいい、HOMO準位に応じて伝導特性を有し、陽極で形成された正孔の発光層への注入、発光層で形成された正孔の陽極への移動および発光層での移動を容易にする特性を意味する。
【0030】
また、電子特性とは、電場を加えた時電子を受けられる特性をいい、LUMO準位に応じて伝導特性を有し、陰極で形成された電子の発光層への注入、発光層で形成された電子の陰極への移動および発光層での移動を容易にする特性を意味する。
【0031】
以下、一実施形態による有機光電子素子を説明する。
【0032】
前記有機光電子素子は、電気エネルギと光エネルギを相互転換できる素子であれば、特に限定されず、例えば有機光電素子、有機発光素子、有機太陽電池および有機感光体ドラムなどが挙げられる。
【0033】
ここでは有機光電子素子の一例の有機発光素子を図面を参照して説明する。
【0034】
図1および図2は一実施形態による有機発光素子を示す断面図である。
【0035】
図1を参照すると、一実施形態による有機発光素子100は、互いに対向する陽極120と陰極110、および陽極120と陰極110との間に位置する有機層105を含む。
【0036】
陽極120は、例えば正孔注入が円滑であるように仕事関数が高い導電体で作られ得、例えば金属、金属酸化物および/または導電性高分子で作られる。陽極120は例えばニッケル、白金、バナジウム、クロム、銅、亜鉛、金のような金属またはこれらの合金;亜鉛酸化物、インジウム酸化物、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)のような金属酸化物;ZnOとAlまたはSnOとSbのような金属と酸化物の組み合わせ;ポリ(3-メチルチオフェン)、ポリ(3,4-(エチレン-1,2-ジオキシ)チオフェン)(polyehtylenedioxythiophene:PEDT)、ポリピロールおよびポリアニリンのような導電性高分子などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0037】
陰極110は、例えば電子注入が円滑であるように仕事関数が低い導電体で作られ得、例えば金属、金属酸化物および/または導電性高分子で作られる。陰極110は、例えばマグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、チタニウム、インジウム、イットリウム、リチウム、ガドリニウム、アルミニウム、銀、スズ、鉛、セシウム、バリウムなどのような金属またはこれらの合金;LiF/Al、LiO/Al、LiF/Ca、LiF/AlおよびBaF/Caのような多層構造物質が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0038】
有機層105は発光層130を含む。
【0039】
図2は他の実施形態による有機発光素子を示す断面図である。
【0040】
図2を参照すると、有機発光素子200は発光層130の他に正孔補助層140をさらに含む。正孔補助層140は、陽極120と発光層130との間の正孔注入および/または正孔移動性をさらに高めて電子を遮断することができる。正孔補助層140は、例えば正孔輸送層、正孔注入層および/または電子遮断層であり得、少なくとも1層を含み得る。
【0041】
図1または図2の有機層105は図面に示していないが、電子注入層、電子輸送層、電子輸送補助層、正孔輸送層、正孔輸送補助層、正孔注入層またはこれらの組み合わせ層を追加的にさらに含み得る。
【0042】
有機発光素子100、200は基板上に陽極または陰極を形成した後、真空蒸着法(evaporation)、スパッタリング(sputtering)、プラズマメッキおよびイオンメッキのような乾式成膜法;またはスピンコーティング(spin coating)、浸漬法(dipping)、フローコーティング法(flow coating)のような湿式成膜法などで有機層を形成した後、その上に陰極または陽極を形成して製造することができる。
【0043】
一実施形態による有機光電子素子は、互いに対向する陽極と陰極、および
前記陽極と前記陰極との間に位置する有機層を含み、前記有機層は正孔注入層、正孔輸送層、発光層および電子輸送層のうち少なくとも一つを含み、前記発光層は、下記の化学式1で表される第1ホスト、下記の化学式2で表される第2ホスト、および燐光ドーパントを含む。
【0044】
【化2】
【0045】
前記化学式1において、
はOまたはSであり、
~Zはそれぞれ独立してNまたはCRであり、
~Zのうち少なくとも二つはNであり、
およびLはそれぞれ独立して単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
Aは置換された若しくは非置換のカルバゾリル基であり、
は置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、
、およびR~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基であり;
前記化学式2において、
およびYはそれぞれ独立して置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
およびLはそれぞれ独立して単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり、
およびR~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
mは0~2の整数である。
【0046】
本発明による有機光電子素子は、第1ホストとしてジベンゾフラン(またはジベンゾチオフェン)が連結されたトリアジンまたはピリミジンモイエティを導入して材料の安全性を高め、同時にカルバゾールモイエティを導入することによってバイポーラ特性により追加的な安定性を得ようとした。カルバゾールモイエティの導入で分子量に対するガラス転移温度が向上する効果があるので、耐熱性が確保され得る。
【0047】
特に、第2ホストとしてビスカルバゾールを組み合せることによって、正孔と電子の均衡を合わせられるので、長寿命および低駆動の特性を実現することができる。
【0048】
同時に、燐光ドーパントを追加的に組み合せることによって、ホストおよびドーパント材料のパッキング、エネルギ伝達など組み合わせマッチングにおける長所を確保することができる。
【0049】
前記化学式1で表される第1ホストは、ジベンゾフラン(またはジベンゾチオフェン)がLを介して含窒素六角環に連結される具体的な位置によって例えば下記の化学式1-1ないし化学式1-4のうちいずれか一つで表される。
【0050】
【化3】
【0051】
前記化学式1-1ないし化学式1-4において、X、Z~Z、L、L、A、R~Rは前述したとおりである。
【0052】
本発明の一実施例において、前記第1ホストは、前記化学式1-1、化学式1-3または化学式1-4で表され、好ましくは前記化学式1-3または化学式1-4で表される。
【0053】
本発明の具体的な一実施例において、前記化学式1-1は、Lに応じて例えば下記の化学式1-1a、化学式1-1bおよび化学式1-1cのうちいずれか一つで表される。
【0054】
【化4】
【0055】
本発明の具体的な一実施例において、前記化学式1-2は、Lに応じて例えば下記の化学式1-2a、化学式1-2bおよび化学式1-2cのうちいずれか一つで表される。
【0056】
【化5】
【0057】
本発明の具体的な一実施例において、前記化学式1-3は、Lに応じて例えば下記の化学式1-3a、化学式1-3bおよび化学式1-3cのうちいずれか一つで表される。
【0058】
【化6】
【0059】
本発明の具体的な一実施例において、前記化学式1-4は、Lに応じて例えば下記の化学式1-4a、化学式1-4bおよび化学式1-4cのうちいずれか一つで表される。
【0060】
【化7】
【0061】
前記化学式1-1aないし化学式1-1c、化学式1-2aないし化学式1-2c、化学式1-3aないし化学式1-3c、および化学式1-4aないし化学式1-4cにおいて、X、Z~Z、L、A、R~Rは前述したとおりである。
【0062】
本発明のさらに具体的な一実施例において、前記第1ホストは、前記化学式1-1a、化学式1-3a、化学式1-4aおよび化学式1-4bのうちいずれか一つで表され、好ましくは前記化学式1-3a、化学式1-4aおよび化学式1-4bのうちいずれか一つで表され、さらに好ましくはジベンゾフラン(またはジベンゾチオフェン)の3番位置が含窒素六角環に直接連結された形態である前記化学式1-3aで表される。
【0063】
第1ホストが前記化学式1-3aのように3-ジベンゾフラン(または3-ジベンゾチオフェン)位置でトリアジンまたはピリミジンモイエティに直接結合する構造を含むことによって、LUMOの拡張およびトリアジン、ピリミジンなどのようなETモイエティの平面性拡張により正孔および電子の注入速度を増加させ得、カルバゾールモイエティの導入でバイポーラ特性を付与することによって追加的な安定性の確保および分子量に対するガラス転移温度の向上効果により耐熱性が確保された材料をデザインすることができる。
【0064】
これと共に、第2ホストとしてビスカルバゾールを組み合せることによって、迅速でかつ安定した電子伝達特性を有する第1ホスト材料と迅速でかつ安定した正孔伝達特性を有する第2ホスト材料として均衡を合わせることができ、これによって分子量に対する高いガラス転移温度を有する低駆動、長寿命のホストセット(set)を確保することができる。
【0065】
同時に、燐光ドーパントとの組み合わせによりホストおよびドーパント材料のパッキング、エネルギ伝達など組み合わせマッチングにおける長所を確保することができ、これによって低駆動、長寿命、高効率の特性を得ることができる。
【0066】
本発明の一実施例において、前記置換基Aは置換された若しくは非置換のカルバゾリル基として、具体的な置換地点に応じて下記の化学式A-1ないし化学式A-5のうちいずれか一つで表される。
【0067】
【化8】
【0068】
前記化学式A-1ないし化学式A-5において、R~R13はそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基であり、*はLとの連結地点である。
【0069】
具体的な一実施例において、前記R~R13はそれぞれ独立して水素、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基であり得、さらに具体的にはR~R13はそれぞれ独立して水素またはフェニル基であり得、
例えば、前記Aが化学式A-1で表される場合、前記R~R2はいずれも水素であるか、R~R12のうち一つまたは二つがフェニル基であり得る。
【0070】
また、前記Aが化学式A-2ないし化学式A-5のうちいずれか一つで表される場合、R13はフェニル基であり、前記R10~R12はいずれも水素であるか、R11およびR12のうち少なくとも一つがフェニル基であり得る。
【0071】
特に、前記化学式1-3aは、置換基Aの具体的な構造に応じて、例えば下記の化学式1-3a-I、化学式1-3a-II、化学式1-3a-III、化学式1-3a-IVおよび化学式1-3a-Vのうちいずれか一つで表され、
前記化学式1-4aは、置換基Aの具体的な構造に応じて、例えば下記の化学式1-4a-I、化学式1-4a-II、化学式1-4a-III、化学式1-4a-IVおよび化学式1-4a-Vのうちいずれか一つで表され、
前記化学式1-4bは、置換基Aの具体的な構造に応じて、例えば下記の化学式1-4b-I、化学式1-4b-II、化学式1-4b-III、化学式1-4b-IVおよび化学式1-4b-Vのうちいずれか一つで表される。
【0072】
【化9】
【0073】
【化10】
【0074】
前記化学式1-3a-Iないし化学式1-3a-V、化学式1-4a-Iないし化学式1-4a-V、および化学式1-4b-Iないし化学式1-4b-Vにおいて、X、Z~Z、L、R~R、およびR~R13は前述したとおりである。
【0075】
前記第1ホストは、好ましくは前記化学式1-3a-I、化学式1-3a-II、化学式1-3a-III、化学式1-4a-I、化学式1-4b-Iおよび化学式1-4b-IIのうちいずれか一つで表され、さらに好ましくは前記化学式1-3a-I、化学式1-3a-IIおよび化学式1-3a-IIIのうちいずれか一つで表される。
【0076】
一方、本発明の一実施例において、前記Z~Zからなる六角環はピリミジンまたはトリアジンであり得、具体的な一実施例においてZおよびZがNであるピリミジン、ZおよびZがNであるピリミジン、ZおよびZがNであるピリミジンであるか、Z~ZがいずれもNであるトリアジンであり得、好ましくはZ~ZがいずれもNであるトリアジンであり得る。
【0077】
また、本発明の一実施例において、前記Rは置換された若しくは非置換のフェニル基、置換された若しくは非置換のビフェニル基、置換された若しくは非置換のナフチル基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり得、さらに具体的には前記Rは置換された若しくは非置換のフェニル基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり得、例えば下記グループIに羅列された置換基より選ばれる。
【0078】
【化11】
【0079】
前記グループIにおいて、*は含窒素六角環との連結地点である。
【0080】
前記Rは最も好ましくはフェニル基、ジベンゾフラニル基、またはジベンゾチオフェニル基であり得る。
【0081】
また、本発明の一実施例において、前記RおよびR~Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、または置換された若しくは非置換のC6~C12アリール基であり得、さらに具体的には前記RおよびR~Rはそれぞれ独立して、水素、重水素、またはシアノ基であり得、好ましくは前記RおよびR~Rはいずれも水素であり得る。
【0082】
また、本発明の一実施例において、前記LおよびLはそれぞれ独立して単結合、または置換された若しくは非置換のC6~C12アリーレン基であり得、さらに具体的には前記LおよびLはそれぞれ独立して単結合、meta-フェニレン基またはpara-フェニレン基であり得る。
【0083】
また、本発明の一実施例において、前記R~R11はそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、または置換された若しくは非置換のC6~C12アリール基であり得、さらに具体的には前記R~R1はそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基またはフェニル基であり得、好ましくは前記R~R11はいずれも水素であるかR~R11のうち少なくとも一つがフェニル基であり得る。さらに好ましくは前記R~R11はいずれも水素であるかR~R11のうちいずれか一つがフェニル基であり得る。
【0084】
前記第1ホストは、例えば下記グループ1に羅列された化合物より選ばれるが、これに限定されるものではない。
【0085】
【化12】
【0086】
【化13】
【0087】
【化14】
【0088】
【化15】
【0089】
【化16】
【0090】
本発明の一実施例において、第2ホストと関連して、前記化学式2のYおよびYはそれぞれ独立して、置換された若しくは非置換のフェニル基、置換された若しくは非置換のビフェニル基、置換された若しくは非置換のテルフェニル基、置換された若しくは非置換のナフチル基、置換された若しくは非置換のアントラセニル基、置換された若しくは非置換のトリフェニレニル基、置換された若しくは非置換のカルバゾリル基、置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、置換された若しくは非置換のフルオレニル基、または置換された若しくは非置換のピリジニル基であり、LおよびLはそれぞれ独立して単結合、置換された若しくは非置換のフェニレン基、または置換された若しくは非置換のビフェニレン基であり、R~Rはそれぞれ独立して水素、重水素、または置換された若しくは非置換のC6~C12アリール基であり、mは0または1であり得る。
【0091】
前記化学式2の「置換」とは、少なくとも一つの水素が重水素、C1~C4アルキル基、C6~C18アリール基、またはC2~C30ヘテロアリール基に置換されたものを意味する。
【0092】
本発明の具体的な一実施例において、前記化学式2は下記グループIIに羅列された構造のうち一つであり、前記*-L-Yおよび*-L-Yは下記グループIIIに羅列された置換基のうち一つであり得る。
【0093】
【化17】
【0094】
前記グループIIおよびグループIIIにおいて、*は連結地点である。
【0095】
本発明のさらに具体的な一実施例において、前記化学式2は前記グループIIの化学式c-8または化学式c-17で表され、前記*-L-Yおよび*-L-Yは前記グループIIIより選ばれる。
【0096】
好ましくは前記化学式2のYおよびYはそれぞれ独立して置換された若しくは非置換のフェニル基、置換された若しくは非置換のビフェニル基、置換された若しくは非置換のカルバゾリル基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり得、さらに好ましくは前記*-L-Yおよび*-L-Yは前記グループIIIのB-1、B-2、B-3、B-11、B-16およびB-17より選ばれる。
【0097】
前記第2ホストは、例えば下記グループ2に羅列された化合物より選ばれるが、これに限定されるものではない。
【0098】
【化18】
【0099】
【化19】
【0100】
【化20】
【0101】
【化21】
【0102】
前記第1ホストおよび第2ホストは、組成物の形態で適用される。
【0103】
前記燐光ドーパントは赤色または緑色の燐光ドーパントであり得、本発明の一実施例において、前記燐光ドーパントは、下記の化学式3で表される有機金属化合物を使用することができる。
【0104】
【化22】
【0105】
前記化学式3において、
~Z11はそれぞれ独立してN、CまたはCRであり、
環CはC-C結合により環Bに結合され、
イリジウムはIr-C結合により環Bに結合され、
はOまたはSであり、
およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、ゲルマニウム基、シアノ基、置換された若しくは非置換のシリル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC3~C20シクロアルキル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキルシリル基、置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、または置換された若しくは非置換のC2~C30ヘテロ環基であり、
nは1~3の整数のうち一つである。
【0106】
前述した第1ホストおよび第2ホストを含む組成物と共にジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、またはジベンゾフラニル基およびジベンゾチオフェニル基の六角環に少なくとも一つのNを含有するジベンゾフラニル基およびジベンゾチオフェニル基の誘導体が含まれている燐光ドーパントとの組み合わせによりホストおよびドーパント材料のパッキング、エネルギ伝達など組み合わせマッチングにおける長所を確保することができ、これによって低駆動、長寿命、高効率の特性を得ることができる。
【0107】
本発明の一実施例において、前記化学式3のZ~Z11のうちいずれか一つがNであることが好ましく、Nが2個、3個、または4個であり得る。
【0108】
前記燐光ドーパントは、例えば下記の化学式3-1ないし化学式3-6のうちいずれか一つで表される。
【0109】
【化23】
【0110】
化学式3-1ないし化学式3-6において、X、R14~R19およびnは前述したとおりであり、Rc1、Rc2およびRc3は前述したRの定義したとおりである。
【0111】
本発明の具体的な一実施例において、前記R、Rc1、Rc2、Rc3およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、置換された若しくは非置換のシリル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキルシリル基、または置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基であり得、例えば前記R、Rc1、Rc2、Rc3およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、置換された若しくは非置換のシリル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキルシリル基、または置換された若しくは非置換のC6~C12アリール基であり得、好ましくは前記R、Rc1、Rc2、Rc3およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、重水素若しくはハロゲン基に置換された若しくは非置換のシリル基、重水素若しくはハロゲン基に置換された若しくは非置換のメチル基、重水素若しくはハロゲン基に置換された若しくは非置換のイソプロピル基、重水素若しくはハロゲン基に置換された若しくは非置換のtert-ブチル基、またはC1~C4アルキル基に置換された若しくは非置換のシリル基であり得る。
【0112】
前記燐光ドーパントは、例えば下記グループ3に羅列された化合物より選ばれるが、これに限定されるものではない。
【0113】
【化24】
【0114】
【化25】
【0115】
本発明のさらに好ましい実施例において、発光層には前記化学式1-3で表される第1ホスト、前記化学式2Aで表される第2ホストおよび前記化学式3-1で表される燐光ドーパントを含む組成物が適用され得、
前記化学式1-3は、例えば前記化学式1-3aであり得る。
【0116】
前記化学式1-3aのZ~ZはいずれもNであり、Rは置換された若しくは非置換のC6~C20アリール基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、Lは単結合であるかmeta-フェニレン基であり得、
前記化学式2AのYおよびYはそれぞれ独立して置換された若しくは非置換のフェニル基、置換された若しくは非置換のmeta-ビフェニル基、置換された若しくは非置換のpara-ビフェニル基、置換された若しくは非置換のカルバゾリル基、置換された若しくは非置換のジベンゾフラニル基、または置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェニル基であり、LおよびLはそれぞれ独立して単結合であるか置換された若しくは非置換のC6~C20アリーレン基であり得、
前記化学式3-1の前記Rc1、Rc2、Rc3およびR14~R19はそれぞれ独立して水素、重水素、ハロゲン基、置換された若しくは非置換のシリル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキル基、置換された若しくは非置換のC1~C10アルキルシリル基、または置換された若しくは非置換のC6~C12アリール基であり得る。
【0117】
さらに具体的には、前記第1ホストおよび第2ホストは、1:9~6:4、2:8~6:4、3:7~6:4の重量比の範囲で含まれ、さらに好ましくは前記第1ホストおよび第2ホストは、1:9~5:5、2:8~5:5、3:7~5:5の重量比の範囲で含まれ得、最も好ましくは前記第1ホストおよび第2ホストは、3:7~5:5の重量比の範囲で含まれる。
【0118】
また、前記燐光ドーパントは前記第1ホストおよび第2ホストの組成物100重量%に対して約0.1重量%~15重量%で含まれ、好ましくは1重量%~15重量%で含まれ得、最も好ましくは5重量%~15重量%で含まれ得る。例えば前記第1ホストおよび第2ホストは、3:7の重量比に含まれ得、前記燐光ドーパントは前記第1ホストおよび第2ホストの組成物100重量%に対して5重量%~15重量%で含まれ得る。
【0119】
本発明による前記第1ホストおよび第2ホストの組成物は、前述した燐光ドーパント以外に公知の燐光ドーパントと共に用いることができる。
【0120】
公知の燐光ドーパントはIr、Pt、Os、Ti、Zr、Hf、Eu、Tb、Tm、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pdまたはこれらの組み合わせのうち一つを含む有機金属化合物と混合して使用し得る。
【0121】
しかし、これらは単に例示に過ぎず、本発明による第1ホストおよび第2ホストの組成物と組み合わせて最も優れた効果を出すドーパントは先に説明した化学式3で表される燐光ドーパントである。
【0122】
以下、公知の燐光ドーパントの一例として化学式401で表される有機金属化合物が挙げられる。
【0123】
【化26】
【0124】
前記化学式401のうち、MはIr、Pt、Os、Ti、Zr、Hf、Eu、TbおよびTmより選ばれ;X401~X404は互いに独立して窒素または炭素であり;A401およびA402環は互いに独立して置換された若しくは非置換のベンゼン、置換された若しくは非置換のナフタレン、置換された若しくは非置換のフルオレン、置換された若しくは非置換のスピロ-フルオレン、置換された若しくは非置換のインデン、置換された若しくは非置換のピロール、置換された若しくは非置換のチオフェン、置換された若しくは非置換のフラン(furan)、置換された若しくは非置換のイミダゾール、置換された若しくは非置換のピラゾール、置換された若しくは非置換のチアゾール、置換された若しくは非置換のイソチアゾール、置換された若しくは非置換のオキサゾール、置換された若しくは非置換のイソオキサゾール(isooxazole)、置換された若しくは非置換のピリジン、置換された若しくは非置換のピラジン、置換された若しくは非置換のピリミジン、置換された若しくは非置換のピリダジン、置換された若しくは非置換のキノリン、置換された若しくは非置換のイソキノリン、置換された若しくは非置換のベンゾキノリン、置換された若しくは非置換のキノキサリン、置換された若しくは非置換のキナゾリン、置換された若しくは非置換のカルバゾール、置換された若しくは非置換のベンゾイミダゾール、置換された若しくは非置換のベンゾフラン(benzofuran)、置換された若しくは非置換のベンゾチオフェン、置換された若しくは非置換のイソベンゾチオフェン、置換された若しくは非置換のベンゾオキサゾール、置換された若しくは非置換のイソベンゾオキサゾール、置換された若しくは非置換のトリアゾール、置換された若しくは非置換のオキサジアゾール、置換された若しくは非置換のトリアジン、置換された若しくは非置換のジベンゾフラン(dibenzofuran)および置換された若しくは非置換のジベンゾチオフェンより選ばれ;ここで「置換」とは置換基または化合物中の少なくとも一つの水素が重水素、ハロゲン基、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、置換された若しくは非置換のC1~C30アミン基、ニトロ基、置換された若しくは非置換のC1~C40シリル基、C1~C30アルキル基、C1~C10アルキルシリル基、C6~C30アリールシリル基、C3~C30シクロアルキル基、C3~C30ヘテロシクロアルキル基、C6~C30アリール基、C2~C30ヘテロ環基、C1~C20アルコキシ基、C1~C10トリフルオロアルキル基、またはこれらの組み合わせに置換されたものを意味し;L401は有機リガンドであり;Xc1は1、2または3であり;Xc2は0、1、2または3である。
【0125】
前記L401は任意の1価、2価または3価の有機リガンドであり得る。例えば、L401はハロゲンリガンド(例えば、Cl、F)、ジケトンリガンド(例えば、アセチルアセトネート、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオナート、2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオナート、ヘキサフルオロアセトネート)、カルボン酸リガンド(例えば、ピコリナート、ジメチル-3-ピラゾールカルボキシレート、ベンゾエート)、カーボンモノオキシドリガンド、イソニトリルリガンド、シアノリガンドおよびホスホラスリガンド(例えば、ホスフィン(phosphine)、ホスファート(phosphite))の中から選ばれるが、これに限定されるものではない。
【0126】
前記Q401~Q407、Q411~Q417およびQ421~Q427は独立して水素、C1~C60アルキル基、C2~C60アルケニル基、C6~C60アリール基およびC2~C60ヘテロアリール基の中から選ばれる。
【0127】
前記化学式401のうちA401が2以上の置換基を有する場合、A401の2以上の置換基を互いに結合して飽和または不飽和環を形成することができる。
【0128】
前記化学式401のうちA402が2以上の置換基を有する場合、A402の2以上の置換基を互いに結合して飽和または不飽和環を形成することができる。
【0129】
前記化学式401のうちXc1が2以上である場合、化学式401のうち複数のリガンド
【0130】
【化27】
【0131】
は互いに同一であるか異なってもよい。前記化学式401のうちXc1が2以上である場合、A401およびA402はそれぞれ隣接する他のリガンドのA401およびA402とそれぞれ直接(directly)または連結基(例えば、C1~C5アルキレン基、-N(R’)-(ここで、R’はC1~C10アルキル基またはC6~C20アリール基である)または-C(=O)-)を挟んで連結され得る。
【0132】
例えば、下記化合物PD1~PD75の中から選ばれるが、これに限定されるものではない:
【0133】
【化28】
【0134】
前述した有機発光素子は有機発光表示装置に適用される。
【実施例
【0135】
以下、本発明の具体的な実施例を提示する。ただし、以下に記載された実施例は本発明を具体的に例示するか説明するためのものに過ぎず、本発明はこれにより制限されない。
【0136】
以下、実施例および合成例で使用された出発物質および反応物質は特に言及しない限り、Sigma-Aldrich社またはTCI社で購入したものであるか、公知の方法により合成した。
【0137】
本発明の化合物のより具体的な例として提示された化合物を下記段階により合成した。
【0138】
(第1ホストの製造)
合成例1:化合物B-1の合成
【0139】
【化29】
【0140】
a)中間体B-1-1の合成
500mLの丸底フラスコに2,4-bis3-bromophenyl)-6-phenyl-1,3,5-triazine30.0g(64.2mmol)をテトラヒドロフラン100mL、トルエン100mL、蒸溜水100mLに入れ、ジベンゾフラン-4-ボロン酸1.0当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流した。6時間後反応液を冷却させ、水層を除去した後、有機層を減圧下で乾燥させた。得られた固体を水とヘキサンで洗浄した後、固体をトルエン300mLで再結晶して中間体B-1-1を21.4g(60%収率)得た。
【0141】
b)中間体B-1-2の合成
500mL丸底フラスコに4-ブロモ-9-フェニルカルバゾール(cas:1097884-37-1)15g(46.55mmol)をトルエン200mLに入れ、ジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム0.05当量、ビスピナコラトジボロン1.2当量、酢酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。反応液を冷却させ、水1Lに滴下させて固体を得る。得られた固体を沸騰したトルエンに溶かして活性炭素を処理後シリカゲルでろ過した後濾液を濃縮した。濃縮された固体を少量のヘキサンと攪拌した後、固体をろ過して中間体B-1-2を80%の収率で得た。
【0142】
c)化合物B-1の合成
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体B-1-1 20g(36.1mmol)をテトラヒドロフラン100mL、蒸溜水50mLに入れ、中間体B-1-2 1.1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流した。18時間後反応液を冷却させ、析出された固体をろ過して水500mLで洗浄した。固体をモノクロロベンゼン500mLで再結晶して化合物B-1を24g得た。
LC/MS calculated for:C51H32N4O Exact Mass:716.2576 found for:717.26 [M+H]。
【0143】
合成例2:化合物B-13の合成
【0144】
【化30】
【0145】
中間体B-1-1 1当量とカルバゾール1当量をソジウムt-ブトキシド2eqおよびPd(dba) 0.05eqをキシレンに0.2Mになるように懸濁させた後トリ-ターシャリーブチルホスフィン0.15eqを入れて18時間還流攪拌した。溶媒1.5倍のメタノールを加えて攪拌した後得られた固体をろ過して水300mLで洗浄した。固体をモノクロロベンゼンを用いて再結晶して化合物B-13を85%の収率で得た。
LC/MS calculated for: C45H28N4O Exact Mass: 640.2263 found for: 641.23 [M+H]。
【0146】
合成例3:化合物B-17の合成
【0147】
【化31】
【0148】
a)中間体B-17-1の合成
500mL丸底フラスコに4-(3-ブロモフェニル)-ジベンゾフラン(cas:887944-90-3)15g(46.4mmol)をトルエン200mLに入れ、ジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム0.05当量、ビスピナコラトジボロン1.2当量、酢酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。溶液を抽出により水で洗浄した後、有機層を活性炭素で処理した後シリカゲルでろ過した後濾液を濃縮した。濃縮された固体を少量のヘキサンと攪拌した後、固体をろ過して中間体B-17-1を85%の収率で得た。
【0149】
b)中間体B-17-2の合成
500mLの丸底フラスコに2,4-ジクロロ-6-フェニルトリアジン9.04g(40mmol)をテトラヒドロフラン60mL、トルエン60mL、蒸溜水60mLに入れ、中間体B-17-1 0.9当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流した。6時間後反応液を冷却させ、水層を除去した後、有機層を減圧下で乾燥させた。得られた固体を水とヘキサンで洗浄した後、固体をトルエン300mLで再結晶して中間体B-17-2を40%の収率で得た。
【0150】
c)化合物B-17の合成
中間体B-17-2 1当量とカルバゾール1.1当量をソジウムt-ブトキシド2eqおよびPd(dba)0.05eqをキシレンに0.2Mになるように懸濁させた後トリ-ターシャリーブチルホスフィン0.15eqを入れて18時間還流攪拌した。溶媒1.5倍のメタノールを加えて攪拌した後得られた固体をろ過して水300mLで洗浄した。固体をモノクロロベンゼンを用いて再結晶して化合物B-17を80%の収率で得た。
LC/MS calculated for: C39H24N4O Exact Mass: 564.1950 found for: 565.21 [M+H]。
【0151】
合成例4:化合物C-1の合成
【0152】
【化32】
【0153】
a)中間体C-1-1の合成
500mLの丸底フラスコに2,4-ジクロロ-6-フェニルトリアジン22.6g(100mmol)をテトラヒドロフラン100mL、トルエン100mL、蒸溜水100mLに入れ、ジベンゾフラン-3-ボロン酸0.9当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流した。6時間後反応液を冷却させ、水層を除去した後、有機層を減圧下で乾燥させた。得られた固体を水とヘキサンで洗浄した後、固体をトルエン200mLで再結晶して中間体C-1-1を21.4g(60%収率)得た。
【0154】
b)化合物C-1-2の合成
500mLの丸底フラスコに4-ブロモ-9-フェニルカルバゾール(cas:1097884-37-1)15g(46.55mmol)をテトラヒドロフラン140mL、蒸溜水70mLに入れ、3-クロロフェニルボロン酸1.1当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流した。12時間後反応液を冷却させ、有機層を抽出して溶媒を減圧下で除去した。濃縮された化合物をシリカカラムクロマトグラフィーにより中間体C-1-2を85%の収率で得た。
【0155】
c)中間体C-1-3の合成
500mL丸底フラスコに中間体C-1-2 12g(33.9mmol)をキシレン150mLに入れ、ジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム0.05当量、ビスピナコラトジボロン1.2当量、酢酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。反応液を冷却させ、溶液を抽出により水で洗浄した後、有機層を活性炭素で処理した後シリカゲルでろ過した後濾液を濃縮した。濃縮された固体を少量のヘキサンと攪拌した後、固体をろ過して中間体C-1-3を75%の収率で得た。
【0156】
d)化合物C-1の合成
500mLの丸底フラスコに前記合成された中間体C-1-18g(22.4mmol)をテトラヒドロフラン80mL、蒸溜水40mLに入れ、中間体C-1-31.0当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流した。18時間後反応液を冷却させ、析出された固体をろ過して、水500mLで洗浄した。固体をモノクロロベンゼン500mLで再結晶して化合物C-1を12g得た。
LC/MS calculated for: C45H28N4O Exact Mass: 640.2263 found for: 641.24。
【0157】
合成例5:化合物C-2の合成
【0158】
【化33】
【0159】
a)中間体C-2-1の合成
500mL丸底フラスコに3-(3-ブロモフェニル)-9-フェニルカルバゾール(cas:854952-59-3)15g(46.4mmol)をトルエン200mLに入れ、ジクロロジフェニルホスフィノフェロセンパラジウム0.05当量、ビスピナコラトジボロン1.2当量、酢酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で18時間加熱還流させた。反応液を冷却させ、水1Lに滴下させて固体を得る。得られた固体を沸騰したトルエンに溶かして活性炭素を処理後シリカゲルでろ過した後濾液を濃縮した。濃縮された固体を少量のヘキサンと攪拌した後、固体をろ過して中間体C-2-1を85%の収率で得た。
【0160】
b)化合物C-2の合成
500mLの丸底フラスコに前記合成例4の中間体C-1-1 8g(22.4mmol)をテトラヒドロフラン80mL、蒸溜水40mLに入れ、中間体C-2-1 1.0当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流した。18時間後反応液を冷却させ、析出された固体をろ過して、水500mLで洗浄した。固体をモノクロロベンゼン500mLで再結晶して化合物C-1を13g得た。
LC/MS calculated for: C45H28N4O Exact Mass: 640.2263 found for: 641.24。
【0161】
合成例6:化合物C-12の合成
【0162】
【化34】
【0163】
500mLの丸底フラスコに前記合成例4の中間体C-1-1 8g(22.4mmol)をテトラヒドロフラン80mL、蒸溜水40mLに入れ、9-phenyl-2-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)-carbazole(cas:1246669-45-3)1.0当量、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.03当量、炭酸カリウム2当量を入れて窒素大気下で加熱還流した。18時間後反応液を冷却させ、析出された固体をろ過して水500mLで洗浄した。固体をモノクロロベンゼン500mLで再結晶して化合物C-12を11g得た。
LC/MS calculated for: C39H24N4O Exact Mass: 564.1950 found for: 565.20。
【0164】
合成例7:化合物C-16の合成
【0165】
【化35】
【0166】
a)中間体C-16-1の合成
窒素環境でmagnesium(7.86g、323mmol)とiodine(1.64g、6.46mmol)をtetrahydrofuran(THF)0.1Lに入れて30分間攪拌した後、ここにTHF0.3Lに溶けている3-ブロモジベンゾフラン(80g、323mmol)を0℃で30分にわたってゆっくり滴加した。このように作られた混合液をTHF0.5Lに溶けているシアヌル酸クロリド29.5g(160mmol)溶液に0℃で30分にわたってゆっくり滴加した。反応を常温に上げて1h攪拌後、還流条件下で12hをさらに攪拌した。反応を冷却させた後、ゆっくり水を加えて反応を終了させて有機溶媒を減圧下で濃縮して固体を得る。これをアセトン200mLと攪拌した後、ろ過して中間体C-16-1を40%の収率で得た。
【0167】
b)化合物C-16の合成
中間体C-16-1を用いて前記合成例2のような方法で化合物C-16を合成した。
LC/MS calculated for: C39H22N4O2 Exact Mass: 578.1743 found for 579.20。
【0168】
合成例8:化合物C-17の合成
【0169】
【化36】
【0170】
中間体C-1-1と3-フェニル-9H-カルバゾールを各1当量ずつ用いて前記合成例2のような方法で化合物C-17を合成した。
LC/MS calculated for: C39H24N4O Exact Mass: 564.1950 found for: 565.20。
【0171】
合成例9:化合物C-21の合成
【0172】
【化37】
【0173】
前記合成された中間体C-1-1と9-(4-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)-phenyl)-carbazole(cas:785051-54-9)を各1.0当量ずつ用いて前記合成例6のような方法で化合物C-21を合成した。
LC/MS calculated for: C39H24N4O Exact Mass: 564.1950 found for: 565.20。
【0174】
合成例10:化合物C-22の合成
【0175】
【化38】
【0176】
前記合成された中間体C-1-1と9-(3-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)-phenyl)-carbazole(cas:870119-58-7)を各1.0当量ずつ用いて前記合成例6のような方法で化合物C-22を合成した。
LC/MS calculated for: C39H24N4O Exact Mass: 564.1950 found for: 565.20。
【0177】
合成例11:化合物C-25の合成
【0178】
【化39】
【0179】
a)中間体C-25-1の合成
3-フェニル-9H-カルバゾール1当量と3-クロロ-1-ブロモベンゼン1.2当量を用いて前記合成例2のような方法で中間体C-25-1を合成した。
【0180】
b)中間体C-25-2の合成
前記合成された中間体C-25-1を用いて前記合成例5のa)のような方法で中間体C-25-2を合成した。
【0181】
c)化合物C-25の合成
前記合成された中間体C-25-2と中間体C-1-1を各1.0当量ずつ用いて前記合成例6のような方法で化合物C-25を合成した。
LC/MS calculated for: C45H28N4O Exact Mass: 640.2263 found for: 641.23。
【0182】
合成例12:化合物B-14の合成
【0183】
【化40】
【0184】
a)中間体B-14-1の合成
2,4-ジクロロ-6-フェニルトリアジン1当量とジベンゾフラン-4-ボロン酸0.9当量を用いて前記合成例4のa)のような方法で中間体B-14-1を合成した。
【0185】
b)化合物B-14の合成
前記合成された中間体B-14-1と9-(3-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)-phenyl)-carbazole(cas:870119-58-7)を各1.0当量ずつ用いて前記合成例6のような方法で化合物B-14を合成した。
LC/MS calculated for: C39H24N4O Exact Mass: 564.1950 found for: 565.20。
【0186】
合成例13:化合物B-22の合成
【0187】
【化41】
【0188】
a)中間体B-22-1の合成
2,4-ジクロロ-6-フェニルトリアジン1当量とジベンゾフラン-2-ボロン酸0.9当量を用いて前記合成例4のa)のような方法で中間体B-22-1を合成した。
【0189】
b)化合物B-22の合成
前記合成された中間体B-22-1と9-(3-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)-phenyl)-carbazole(cas:870119-58-7)を各1.0当量ずつ用いて前記合成例6のような方法で化合物B-22を合成した。
LC/MS calculated for: C39H24N4O Exact Mass: 564.1950 found for: 565.21。
【0190】
合成例14:化合物B-25の合成
【0191】
【化42】
【0192】
a)中間体B-25-1の合成
2,4-ジクロロ-6-フェニルトリアジン1当量とジベンゾフラン-1-ボロン酸0.9当量を用いて前記合成例4のa)のような方法で中間体B-25-1を合成した。
【0193】
b)化合物B-25の合成
前記合成された中間体B-25-1と9-(3-(4,4,5,5-tetramethyl-1,3,2-dioxaborolan-2-yl)-phenyl)-carbazole(cas:870119-58-7)を各1.0当量ずつ用いて前記合成例6のような方法で化合物B-25を合成した。
LC/MS calculated for: C39H24N4O Exact Mass: 564.1950 found for: 565.20。
【0194】
(第2ホストの製造)
合成例15:化合物D-129の合成
【0195】
【化43】
【0196】
窒素雰囲気下の撹拌機付きの500mL丸底フラスコに3-ブロモ-6-フェニル-N-メタビフェニルカルバゾール20.00g(42.16mmol)、N-フェニルカルバゾール-3-ボロン酸エステル17.12g(46.38mmol)およびテトラヒドロフラン:トルエン(1:1)175mLと2M-炭酸カリウム水溶液75mLを混合した後、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)1.46g(1.26mmol)を入れて窒素気流下で12時間加熱還流した。反応終結後反応物をメタノールに注いで固形物をろ過した後収得した固形物を水とメタノールで十分に洗浄して乾燥した。これより収得した結果物を700mLのクロロベンゼンに加熱して溶かした後溶液をシリカゲルフィルタし、溶媒を完全に除去した後、400mLのクロロベンゼンに加熱して溶かした後再結晶して化合物D-129 18.52g(収率69%)を収得した。
LC/MS calculated for: C42H32N2Exact Mass: 636.2565 found for: 636.27。
【0197】
合成例16:化合物D-137の合成
【0198】
【化44】
【0199】
250mL丸いフラスコでN-フェニル-3,3-ビカルバゾール6.3g(15.4mmol)、4-(4-ブロモフェニル)ジベンゾ[b,d]フラン5.0g(15.4mmol)、ソジウムt-ブトキシド3.0g(30.7mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.9g(1.5mmol)およびトリt-ブチルホスフィン1.2mL(50%inトルエン)をキシレン100mLと混合して窒素気流下で15時間加熱して還流した。これより収得した混合物をメタノール300mLに加えて結晶化された固形分をろ過した後、ジクロロベンゼンに溶かしてシリカゲル/セライトにろ過し、有機溶媒を適当量除去した後、メタノールで再結晶して中間体D-137(7.3g、73%の収率)を収得した。
LC/MS calculated for: C48H30N2O Exact Mass: 650.2358 found for: 650.24。
【0200】
合成例17:化合物D-40の合成
【0201】
【化45】
【0202】
250mL丸いフラスコでN-フェニル-3,3-ビカルバゾール1当量、3-ブロモ-9-フェニルカルバゾール1当量をソジウムt-ブトキシド1.5当量と、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.03当量およびトリt-ブチルホスフィン0.06当量をキシレン(0.3M)と混合して窒素気流下で15時間加熱して還流した。これより収得した混合物をメタノール300mLに加えて結晶化された固形分をろ過した後、ジクロロベンゼンに溶かしてシリカゲル/セライトでろ過して、有機溶媒を適当量除去した後、メタノールで再結晶して化合物D-40を60%の収率で収得した。
LC/MS calculated for: C48H31N3 Exact Mass: 649.2518 found for: 649.25。
【0203】
(燐光ドーパントの製造)
合成例18:化合物E-24の合成
ドーパント化合物E-24はUS2014-0131676の化合物II-1の製造方法で出発物質として下記反応式16に記載されたイリジウム着物を使用したことを除いては同様に反応してドーパント化合物E-24を製造した。
【0204】
【化46】
【0205】
(有機発光素子の製作)
実施例1:
ITO(Indium tin oxide)が1500Åの厚さで薄膜コーティングされたガラス基板を蒸溜水超音波で洗浄した。蒸溜水の洗浄が終わるとイソプロピルアルコール、アセトン、メタノールなどの溶剤で超音波洗浄をして乾燥させた後、プラズマ洗浄機に移送させた後酸素プラズマを用いて前記基板を10分間洗浄した後真空蒸着機に基板を移送した。このように準備されたITO透明電極を陽極として用いてITO基板の上部に化合物Aを真空蒸着して700Åの厚さの正孔注入層を形成し、前記注入層の上部に化合物Bを50Åの厚さで蒸着した後、化合物Cを1020Åの厚さで蒸着して正孔輸送層を形成した。正孔輸送層の上部に第1ホストとして化合物C-1を、第2ホストとして化合物D-99を用いて、燐光ドーパントとして化合物E-24を10wt%でドーピングして真空蒸着で400Åの厚さの発光層を形成した。ここで、化合物C-1と化合物D-99は3:7重量比で用いられ、下記の実施例の場合、別の比率を記述した。次に前記発光層の上部に化合物DとLiqを同時に1:1比率で真空蒸着して300Åの厚さの電子輸送層を形成し前記電子輸送層の上部にLiq15ÅとAl 1200Åを順次真空蒸着して陰極を形成することによって有機発光素子を製作した。
【0206】
前記有機発光素子は5層の有機薄膜層を有する構造からなっており、具体的には次のとおりである。
【0207】
ITO/化合物A(700Å)/化合物B(50Å)/化合物C(1020Å)/EML[化合物C-1:化合物D-99:化合物E-24(10wt%)]400Å)/化合物D:Liq(300Å)/Liq(15Å)/Al(1200Å)の構造で製作した。
【0208】
化合物A:N4,N4’-diphenyl-N4,N4’-bis(9-phenyl-9H-carbazol-3-yl)biphenyl-4,4’-diamine
化合物B:1,4,5,8,9,11-hexaazatriphenylene-hexacarbonitrile(HAT-CN)
化合物C: N-(biphenyl-4-yl)-9,9-dimethyl-N-(4-(9-phenyl-9H-carbazol-3-yl)phenyl)-9H-fluoren-2-amine
化合物D:8-(4-(4,6-di(naphthalen-2-yl)-1,3,5-triazin-2-yl)phenyl)quinolone。
【0209】
【化47】
【0210】
実施例2~実施例23および比較例1~6
第1ホスト、第2ホストおよび燐光ドーパントの組成を下記表1の記載のように変更したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で有機発光素子を製作した。
【0211】
評価1:発光効率および寿命上昇効果の確認
前記実施例1~23、および比較例1~6による有機発光素子の発光効率および寿命特性を評価した。具体的な測定方法は下記のとおりであり、その結果は表1のとおりである。
【0212】
(1)電圧変化による電流密度の変化測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら電流-電圧計(Keithley 2400)を用いて単位素子に流れる電流値を測定し、測定された電流値を面積で割って結果を得た。
【0213】
(2)電圧変化に応じた輝度変化の測定
製造された有機発光素子に対して、電圧を0Vから10Vまで上昇させながら輝度系(Minolta Cs-1000A)を用いてその時の輝度を測定して結果を得た。
【0214】
(3)発光効率の測定
前記(1)および(2)から測定された輝度と電流密度および電圧を用いて同一の電流密度(10mA/cm)の電流効率(cd/A)を計算した。
【0215】
(4)寿命の測定
製造された有機発光素子に対してポーラーオニキス寿命測定システムを用いて実施例1~24および比較例1~6の素子を初期輝度(cd/m)を5000cd/mで発光させて時間経過に応じた輝度の減少を測定して初期輝度対比90%に輝度が減少した時点をT90寿命として測定した。
【0216】
(5)駆動電圧の測定
電流-電圧計(Keithley 2400)を用いて15mA/cmで各素子の駆動電圧を測定して結果を得た。
【0217】
【表1】
【0218】
表1を参照すると、DBXとカルバゾールを含む材料を第1ホストとして用いて、ビスカルバゾールを第2ホストとして用いた場合、第1ホストを単独で用いるかCBPを第2ホストとして用いた場合より駆動と寿命の側面から大きい長所を示す。また、DBX骨格を含まない燐光ドーパントのIr(ppy)を用いる時より、DBX骨格を含む燐光ドーパントの化合物E-24を用いる時、寿命と効率側面から大きく増加することを確認することができる。特に第1ホストとしてトリアジンにジベンゾフラン3番位置が直接連結された構造を用いる場合、駆動電圧の追加的な減少と寿命の追加的な増加効果を確認することができた。
【0219】
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態に製造され得、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的な思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態に実施されることを理解することができる。したがって、以上記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的でないものと理解しなければならない。
【符号の説明】
【0220】
100、200:有機発光素子
105:有機層
110:陰極
120:陽極
130:発光層
140:正孔補助層
図1
図2