(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-24
(45)【発行日】2022-07-04
(54)【発明の名称】レーザチャンバ内の電極の寿命を延ばす方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H01S 3/038 20060101AFI20220627BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20220627BHJP
H01S 3/041 20060101ALI20220627BHJP
H01S 3/0977 20060101ALI20220627BHJP
【FI】
H01S3/038
H01S3/00 G
H01S3/041
H01S3/038 Z
H01S3/0977
(21)【出願番号】P 2020521972
(86)(22)【出願日】2018-10-09
(86)【国際出願番号】 US2018055078
(87)【国際公開番号】W WO2019083722
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-06-11
(32)【優先日】2017-10-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ダフィー,トーマス,パトリック
(72)【発明者】
【氏名】メルチャー,ポール,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ガレスピー,ウォルター,デール
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/046186(WO,A1)
【文献】特開昭63-229789(JP,A)
【文献】特表2014-511036(JP,A)
【文献】特開2012-023172(JP,A)
【文献】特表2010-525571(JP,A)
【文献】国際公開第2016/143105(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0078028(US,A1)
【文献】国際公開第2015/186224(WO,A1)
【文献】特開平10-308547(JP,A)
【文献】特開2000-058944(JP,A)
【文献】特開2002-043669(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 3/00 - 4/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
放電チャンバと、
少なくとも部分的に前記放電チャンバ内部に配置された第1の電極と、
少なくとも部分的に前記放電チャンバ内部に配置された第2の電極と、
ギャップの幅を制御するために第2の放電面を位置決めするように前記第2の電極に機械的に結合されたモーターと、
前記モーターに接続されたコントローラと
を備え、
前記第1の電極は第1の放電面を有し、前記第2の電極は第2の放電面を有し、前記第1の放電面及び前記第2の放電面は前記ギャップをまたいで互いに対向するように配置されており、
前記第1の電極が前記放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、前記第1の電極の極性は前記第2の電極の極性に対して正になっている、
前記コントローラは、前記モーターに制御信号を供給して前記ギャップの前記幅を制御し、
前記コントローラは、
実質的に一定の出力電力を維持するのに必要な放電中の前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧差の大きさに少なくとも部分的に基づいて、前記制御信号を生成する、レーザ。
【請求項2】
前記第1の電極の位置は、前記放電チャンバに対して固定されている、請求項1に記載のレーザ。
【請求項3】
前記第1の電極は、前記第1の電極が前記放電チャンバでの放電中にアノードとして機能する際に耐侵食性被覆を形成する材料を含む、請求項1に記載のレーザ。
【請求項4】
前記第1の電極に施された耐侵食性被覆を更に含む、請求項1に記載のレーザ。
【請求項5】
前記第1の電極と前記第2の電極のうちの少なくとも一方に複数のパルスを供給するために前記第1の電極及び前記第2の電極に電気的に接続された電源を更に含み、前記電源は整流子モジュール及び圧縮ヘッドモジュールを含み、前記整流子モジュール及び前記圧縮ヘッドモジュールは、前記パルス中に前記第1の電極がアノードとして機能するように、前記第1の電極の極性が前記第2の電極の極性に対して正であるように調整される、請求項1に記載のレーザ。
【請求項6】
放電チャンバと、
少なくとも部分的に前記放電チャンバ内部に配置されており、前記放電チャンバに対して固定された第1の電極と、
少なくとも部分的に前記放電チャンバ内部に配置された第2の電極と、
ギャップの幅を制御するために第2の放電面を位置決めするように前記第2の電極に機械的に結合されたモーターと、
前記モーターに接続されたコントローラであって、前記モーターに制御信号を供給して前記ギャップの前記幅を所定の範囲内に維持する、コントローラと、
を備え、
前記第1の電極は第1の放電面を有し、前記第2の電極は第2の放電面を有し、前記第1の放電面と前記第2の放電面は前記ギャップをまたいで互いに対向するように配置されており、前記第1の電極が前記放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、前記第1の電極の極性は前記第2の電極の極性に対して正になっており、前記第1の電極は、前記第1の電極が前記放電チャンバでの放電中にアノードとして機能する際に耐腐食性被覆を形成する材料を含み、
前記コントローラは、
実質的に一定の出力電力を維持するのに必要な放電中の前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧差の大きさに少なくとも部分的に基づいて、前記制御信号を生成する、レーザ。
【請求項7】
前記コントローラは、前記放電チャンバ内で発生した放電の数に少なくとも部分的に基づいて前記制御信号を生成する、請求項
6に記載のレーザ。
【請求項8】
放電チャンバと、
少なくとも部分的に前記放電チャンバ内部に配置されており、前記放電チャンバに対して固定された第1の電極と、
少なくとも部分的に前記放電チャンバ内部に配置された第2の電極と、
前記ギャップの幅を制御するために前記第2の放電面を位置決めするように前記第2の電極に機械的に結合されたモーターと、
前記モーターに接続されたコントローラと
を備え、
前記第1の電極は第1の放電面を有し且つ前記第2の電極は第2の放電面を有し、前記第1の放電面及び前記第2の放電面はギャップをまたいで互いに対向するように配置されており、
前記第1の電極が前記放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、前記第1の電極の極性は前記第2の電極の極性に対して正であり、前記第1の電極は、前記第1の電極が前記放電チャンバでの放電中にアノードとして機能する際に耐侵食性被覆を形成する材料を含み、
前記コントローラは、前記モーターに制御信号を供給して前記ギャップの前記幅を制御し、
前記コントローラは、
実質的に一定の出力電力を維持するのに必要な放電中の前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧差の大きさに少なくとも部分的に基づいて、前記制御信号を生成する、レーザ。
【請求項9】
前記コントローラは、前記放電チャンバ内で発生した放電の数に少なくとも部分的に基づいて前記制御信号を生成する、請求項
8に記載のレーザ。
【請求項10】
レーザの動作を制御する方法において、前記レーザは放電チャンバと、ギャップによって間隔をあけられた第1の電極及び第2の電極とを含み、前記第2の電極は前記ギャップの幅を規定するように位置決め可能であり、
前記方法は、
前記第1の電極と前記第2の電極との間で前記放電チャンバ内に放電を発生させることにより前記レーザを動作させるステップであって、前記第1の電極が前記放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、前記第1の電極の極性は前記第2の電極の極性に対して正である、動作させるステップと、
前記レーザの動作パラメータを測定するステップと、
前記測定される動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の電極の位置を自動的に制御するステップと、
を含み、
前記測定される動作パラメータは、
実質的に一定の出力電力を維持するのに必要な放電中の前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧差の大きさである、方法。
【請求項11】
前記測定される動作パラメータは、所定の出力エネルギーを達成又は維持するのに必要な、放電中の前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧差の大きさである、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記測定される動作パラメータは、前記放電チャンバ内で発生した放電の数である、請求項
10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2017年10月24日に出願された米国仮特許出願第62/576,371号の優先権を主張するものであり、該出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示の主題は、集積回路フォトリソグラフィ製造プロセスに使用されるようなレーザ生成光源に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] ArFパワーリングアンプエキシマー放電チャンバ(「PRA」)又はKrFエキシマー放電チャンバなどのレーザ放電チャンバでは、電極の侵食により、チャンバモジュールの有効寿命に著しい制限が課される。KrFエキシマー放電チャンバモジュールの有効寿命を延ばす1つの方法は、摩耗しない材料のアノードを作製することを含む。アノード材料として使用するのに適した材料に関する情報は、例えば、2007年11月27日に発行された米国特許第7,301,980号及び2004年2月10日に発行された米国特許第6,690,706号に見られ、これらの特許は両方とも本出願の譲受人に付与され、またこれらの特許は両方ともその全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらの材料のうちの幾つかは、耐腐食性であるだけでなく、実際のところ、耐侵食性被覆(「リーフ(reef)」)を成長させ、この耐侵食性被覆は、アノード面を元の位置、即ち、電極が新しいときと実質的に同じ位置に維持する。
【0004】
[0004] アノード上に形成される耐侵食性被覆は、カソード上には形成されない。従って、耐侵食性被覆を形成する材料をアノードとして使用しても、その材料をカソード材料として使用する場合にはその被覆は形成されず、レーザが発射される際にカソードを侵食から防げない。
【0005】
[0005] 現在のチャンバでは、侵食により、放電ギャップの幅の増加と放電の広がりの両方がもたらされる。これらの現象は両方とも、より低エネルギー密度の放電につながり、次いでそれにより、エネルギー出力を維持するのに必要な電極間の電圧差を増加させる必要性が生じる。更に、放電の広がりにより、ガス流のクリア率が低下し、下流のアーク放電の増加につながり、エネルギーのドロップアウト及び結果として生じるドーズエラーがもたらされる。一旦ドーズエラー率が所定の閾値を超えて増加すると、チャンバはその有効寿命の終わりに達したとみなされ、交換されなければならない。
【0006】
[0006] 従って、特定の放電チャンバ設計では、無限に長く継続することができるアノードを提供することが可能であると判明しているが、無限に長く継続することができるカソードを提供することが可能であるとは判明していないので、カソードの寿命は、依然として、全体的なチャンバの寿命の制限要因である。従って、カソードの寿命を大幅に延ばし、及び/又はカソードの侵食を補償する構成が必要である。
【発明の概要】
【0007】
[0007] 本発明についての基本的な理解をもたらすために、以下では1つ又は複数の実施形態の簡単化された概要を提示する。この概要は、全ての企図される実施形態の徹底したあらましではなく、また、全ての実施形態の主要な若しくは重要な要素を特定すること、又は任意の若しくは全ての実施形態の範囲を明確に記述することを意図してはいない。その唯一の目的は、後に提示するより詳細な説明の前置きとして、1つ又は複数の実施形態の幾つかの概念を簡略化した形式で提示することである。
【0008】
[0008] 一態様によれば、本開示の主題は、放電の極性を逆にすることによってチャンバの寿命を延ばす。従って、上側の電極はアノードになり、侵食を阻止する保護層を形成する材料から作製される。この構成の利点は、侵食をより被り易い下側の電極(ここではカソード)を上昇させてチャンバの寿命全体を通じて徐々にその侵食を補償することができる、下側の電極に取り付けられた機構を使用することで、高められる。
【0009】
[0009] 一態様によれば、レーザが開示され、このレーザは放電チャンバと、少なくとも部分的に放電チャンバ内部に配置された第1の電極と、少なくとも部分的に放電チャンバ内部に配置された第2の電極であって、第1の電極は第1の放電面を有し、第2の電極は第2の放電面を有し、第1の放電面と第2の放電面はギャップをまたいで互いに対向するように配置されている第2の電極と、ギャップの幅を制御するために第2の放電面を位置決めするために第2の電極に機械的に結合されたモーターと、を含み、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、第1の電極の極性は第2の電極の極性に対して正になっている。第1の電極の位置は、放電チャンバに対して固定されていることがある。第1の電極は、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能する際に耐侵食性被覆を形成する材料を含むことがある。これに加えて或いはその代わりに、第1の電極は施された耐侵食性被覆を含むことがある。レーザは、モーターに接続されたコントローラも含むことがあり、コントローラは、制御信号を供給してモーターを制御し、それによってギャップの幅を制御する。コントローラは、ギャップの幅を所定の範囲内に維持するように、モーターを制御することができる。コントローラは、放電中に実質的に一定の出力電力を維持するのに必要な第1の電極と第2の電極との間の電圧差の大きさに少なくとも部分的に基づいて、又は検出器によって測定された若しくは推測されたキャップ幅に少なくとも部分的に基づいて、制御信号を生成することがある。レーザは、第1の電極と第2の電極のうちの少なくとも一方に複数のパルスを供給するために第1の電極及び第2の電極に電気的に接続された電源を含むことがあり、この電源は整流子モジュール及び圧縮ヘッドモジュールを含み、整流子モジュール及び圧縮ヘッドモジュールは、パルス中に第1の電極がアノードとして機能するように、第1の電極の極性が第2の電極の極性に対して正であるように調整される。
【0010】
[0010] 別の態様によれば、レーザが開示され、このレーザは放電チャンバと、少なくとも部分的に放電チャンバ内に配置され放電チャンバに対して固定された第1の電極と、少なくとも部分的に放電チャンバ内に配置された第2の電極であって、第1の電極は第1の放電面を有し、第2の電極は第2の放電面を有し、第1の放電面と第2の放電面はギャップをまたいで互いに対向するようになっており、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、第1の電極の極性は第2の電極の極性に対して正になっており、第1の電極は、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能する際に耐侵食性被覆を形成する材料を含む、第2の電極と、を含む。このレーザは更に、ギャップの幅を制御するために第2の放電面を位置決めするために第2の電極に機械的に結合されたモーターと、モーターに接続されたコントローラであって、ギャップの幅を制御するためにモーターを制御するための制御信号を供給するコントローラと、を含むことがある。コントローラは、ギャップの幅を所定の範囲内に維持するように、モーターを制御することができる。コントローラは、放電中に第1の電極と第2の電極との間の電圧差の大きさに少なくとも部分的に基づいて、制御信号を生成することがある。レーザは、ギャップの幅を測定し且つそのギャップ幅を示す信号を提供するためのコントローラに接続された検出器を更に備えることがあり、コントローラは、検出器によって測定されたギャップ幅に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成する。
【0011】
[0011] 別の態様によれば、レーザの動作を制御する方法が開示され、レーザは放電チャンバと、ギャップによって間隔をあけられた第1の電極及び第2の電極とを含み、第2の電極はギャップの幅を規定するように位置決め可能であり、この方法は、第1の電極と第2の電極との間で放電チャンバ内で放電を発生させることにより、レーザを動作させるステップであって、第1の電極が放電チャンバ中にアノードとして機能するように第1の電極の極性は第2の電極の極性に対して正である、動作させるステップと、ギャップの幅を所定の範囲内に維持するために第2の電極の位置を制御するステップと、を含む。第2の電極の位置は、放電中に実質的に一定の出力電力を維持するのに必要な第1の電極と第2の電極との間の電圧差の大きさに少なくとも部分的に基づいて、又は測定ステップで測定されたギャップ幅に少なくとも部分的に基づいて、又は放電チャンバ内で発生した放電の数に少なくとも部分的に基づいていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012]開示される主題の一態様による、フォトリソグラフィシステムの全体的な広い概念の、正確な縮尺ではない、概略図を示す。
【
図2】[0013]開示される主題の一態様による、照明システムの全体的な広い概念の、正確な縮尺ではない、概略図を示す。
【
図3】[0014]開示される主題の態様による、エキシマレーザ用の放電チャンバの、正確な縮尺ではない、概略断面図である。
【
図4】[0015]開示される主題の態様による、エキシマレーザ用の放電チャンバの、正確な縮尺ではない、概略断面図である。
【
図5】[0016]開示される主題の態様による、エキシマレーザ用の放電チャンバの、正確な縮尺ではない、概略断面図である。
【
図6】[0017]開示される主題の態様による、電極侵食の影響を制御する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0018] ここで、図面を参照して様々な実施形態について説明する。図面では、全体を通じて、同様の要素を指すために同様の参照番号を用いる。以下の説明では、説明の目的のために、1つ又は複数の実施形態の完全な理解を容易にするために、多数の具体的な詳細について記載する。しかしながら、幾つかの又は全ての場合において、以下で説明する任意の実施形態を、以下に説明する特定の設計詳細を用いることなく実施することができることは、明らかであることがある。他の場合では、1つ又は複数の実施形態の説明を容易にするために、周知の構造及びデバイスについては、ブロック図の形式で示す。実施形態についての基本的な理解をもたらすために、以下では1つ又は複数の実施形態の簡単化された概要を提示する。この概要は、全ての企図される実施形態の徹底したあらましではなく、また、全ての実施形態の主要な若しくは重要な要素を特定すること、又は任意の若しくは全ての実施形態の範囲を明確に記述することを意図してはいない。
【0014】
[0019]
図1を参照すると、照明システム105を含むフォトリソグラフィシステム100が示されている。以下でより完全に説明するように、照明システム105は光源を含み、この光源は、パルス光ビーム110を生成し、そのビームを、ウェーハ120上に超微小電子フィーチャをパターン形成するフォトリソグラフィ露光装置又はスキャナ115に向ける。ウェーハ120は、ウェーハ120を保持するように構築され、且つ、特定のパラメータに従ってウェーハ120を正確に位置決めするように構成されたポジショナに接続された、ウェーハテーブル125上に置かれる。
【0015】
[0020] フォトリソグラフィシステム100は、例えば248ナノメートル(nm)又は193nmの波長を伴う深紫外線(DUV)範囲の波長を有する光ビーム110を使用する。ウェーハ120上にパターン形成することができる超微小電子フィーチャの最小寸法は、光ビーム110の波長に依存し、波長がより短くなると最小のフィーチャサイズがより小さくなる。光ビーム110の波長が248nm又は193nmである場合、超微小電子フィーチャの最小寸法は、例えば、50nm以下とすることができる。光ビーム110の帯域幅は、光ビーム110の光エネルギーが様々な波長に渡ってどのように分布しているかという情報を含む光スペクトル(又は放射スペクトル)の、実際の瞬間的な帯域幅とすることができる。スキャナ115は、例えば、1つ又は複数の集光レンズ、マスク、及び対物系構成を有する光学的構成を含む。マスクは、1つ又は複数の方向に沿って、例えば、光ビーム110の光軸に沿って、又は光軸に垂直な面内で、移動可能である。対物系構成は、投影レンズを含み、マスクからウェーハ120上のフォトレジストへの画像転写を可能にする。照明システム105は、マスクに当たる光ビーム110の角度の範囲を調節する。照明システム105はまた、マスク全体に渡る光ビーム110の強度分布を均質化(均一化)する。
【0016】
[0021] スキャナ115は、とりわけ、リソグラフィコントローラ130、空調装置、及び様々な電気部品用の電源を含むことができる。リソグラフィコントローラ130は、ウェーハ120上にどのように層がプリントされるのかを制御する。リソグラフィコントローラ130は、プロセスレシピなどの情報を記憶するメモリを含む。プロセスプログラム又はレシピは、例えば使用するマスク、並びに露光に影響を与える他の要因に基づいて、ウェーハ120上での露光の長さを決定する。リソグラフィ中に、光ビーム110の複数のパルスがウェーハ120の同じ領域を照射して、照射ドーズを構成する。
【0017】
[0022] フォトリソグラフィシステム100はまた、制御システム135を含むことが好ましい。一般的に、制御システム135は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちの1つ又は複数を含む。制御システム135は、読み出し専用メモリ及び/又はランダムアクセスメモリであり得るメモリも含む。コンピュータプログラム命令及びデータを具体的に取り込むのに適したストレージデバイスとしては、例として、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイスなどの半導体メモリデバイスを含む全ての形態の不揮発性メモリ、内蔵ハードディスク及びリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、及びCD-ROMディスクが挙げられる。
【0018】
[0023] 制御システム135は、1つ又は複数の入力デバイス(例えば、キーボード、タッチスクリーン、マイクロホン、マウス、手持ち式入力デバイス、等)及び1つ又は複数の出力デバイス(例えば、スピーカー又はモニター等)を含むこともできる。制御システム135は、1つ又は複数のプログラム可能プロセッサ、及び、1つ又は複数のプログラム可能プロセッサによって実行されるように機械可読ストレージデバイス内に具体的に取り込まれた1つ又は複数のコンピュータプログラムも含む。1つ又は複数のプログラム可能プロセッサはそれぞれ、命令のプログラムを実行して、入力データを操作し適切な出力を生成することによって、所望の機能を実行することができる。一般的に、プロセッサは、メモリから命令及びデータを受け取る。前述のいずれも、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)によって補完されるか、又はこれに組み込まれることがある。制御システム135は、中央集中型とするか、又はフォトリソグラフィシステム100全体に渡って部分的に若しくは全面的に分散させることができる。
【0019】
[0024]
図2を参照すると、例示的な照明システム105は、光ビーム110としてパルスレーザビームを生成するパルスレーザ源である。
図2は、開示される主題の特定の態様の一実施形態による、ガス放電レーザシステムを、例示的にブロック図で示す。ガス放電レーザシステムは、例えば、固体又はガス放電シードレーザシステム140、増幅ステージ、例えば、パワーリング増幅器(「PRA」)ステージ145、リレー光学部品150、及びレーザシステム出力サブシステム160を含むことがある。シードシステム140は、例えば、主発振器(「MO」)チャンバ165を含むことがある。
【0020】
[0025] シードレーザシステム140はまた、主発振器出力カプラ(「MO OC」)175を含むことがあり、このMO OC175は、シードレーザ140が発振してシードレーザ出力パルスを形成する発振器キャビティをライン狭隘化モジュール(「LNM」)170内の反射格子(図示せず)と共に形成する、即ち、主発振器(「MO」)を形成する、部分反射ミラーを含むことがある。このシステムは、ライン中心分析モジュール(「LAM」)180を含むこともある。LAM180は、微細な波長測定用のエタロンスペクトロメータ及び粗い解像度の格子スペクトロメータを含むことがある。MO波面エンジニアリングボックス(「WEB」)185は、MOシードレーザシステム140の出力を増幅ステージ145に向け直すように作用することがあり、また、例えば、マルチプリズムビーム拡大器(図示せず)を用いたビーム拡大、及び、例えば、光遅延経路(図示せず)の形態でのコヒーレンス破壊を含むことがある。
【0021】
[0026] 増幅ステージ145は、例えばPRAレージングチャンバ200を含むことがあり、PRAレージングチャンバ200もまた、例えば、シードビーム注入及び出力結合光学系(図示せず)によって形成される発振器であることがあり、この結合光学系は、PRA WEB210に組み込まれることがあり、また、ビーム反転器220によってチャンバ200内の利得媒質を通過して戻るように向け直されることがある。PRA WEB210は、部分反射型入力/出力カプラ(図示せず)と、公称動作波長(例えば、ArFシステムの場合には約193nm)に対する最大限の反射ミラーと、1つ又は複数のプリズムと、を組み込むことがある。
【0022】
[0027] 増幅ステージ145の出力部にある帯域幅分析モジュール(「BAM」)230は、増幅ステージから出力されたレーザ光ビームのパルスを受け取り、その光ビームの一部を計測目的のために取り出して、例えば、出力帯域幅及びパルスエネルギーを測定することがある。次いで、レーザ出力光ビームのパルスは、光パルスストレッチャー(「OPuS」)240及び出力結合自動シャッター計測モジュール(「CASMM」)250を通過し、CASMM250は、パルスエネルギーメーターが置かれる位置でもあり得る。OPuS240の目的の1つは、例えば、単一の出力レーザパルスをパルス列に変換することであり得る。元の単一の出力パルスから生成される二次パルスは、互いに対して遅延することがある。元のレーザパルスのエネルギーを二次パルス列に分配することにより、レーザの有効パルス長を拡大することができ、同時に、ピークパルス強度を低下させることができる。従って、OPuS240は、BAM230を介してPRA WEB210からレーザビームを受け取り、OPuS240の出力をCASMM250に向けることができる。
【0023】
[0028] PRAレージングチャンバ200及びMO165はチャンバとして構成され、このチャンバでは、電極間の放電がレージングガス中でレージングガス放電を引き起こして、例えばAr、Kr、及び/又はXeを含む高エネルギー分子の反転分布を生み出して比較的に広帯域の放射を生成し、この放射は、当該技術分野で知られるように、ライン狭隘化モジュール(「LNM」)170において選択された比較的に非常に狭い帯域幅及び中心波長にライン狭隘化されることがある。そのようなチャンバ300の構成が
図3に示されており、
図3は、放電チャンバの非常に様式化された断面図である。チャンバ300はカソードとして機能する上側電極310と、アノードとして機能する下側電極320とを含む。下側電極320及び上側電極310の一方又は両方は、チャンバ壁305によって画定されるチャンバ300の圧力エンベロープ内に完全に包含されることがあり、或いは、これらの電極のうちの一方はそのように包含されていないことがある。レージングガス放電は、幅Aを有するギャップ内のこれら2つの電極間で発生する。
図3には、上側絶縁体315及び下側絶縁体325も示されている。下側電極320は、チャンバ300の壁305に電気的に接続されている。安全性の理由により、チャンバ壁300、よって下側電極320を接地電位に維持することが望ましい。
図3に示した実施形態では、上側電極310は、下側電極320に対して負である電圧で電圧源340によって駆動される。
【0024】
[0029]
図3に示すようにアノードとして機能する場合、下側電極320は、摩耗を示さないが実際には腐食被覆330(「リーフ」とも呼ばれる)を成長させる材料から有利にも作られ、この腐食被覆330は、下側電極320の表面を、下側電極320が新しかったときと実質的に同じ位置に維持する。或いは、この電極は、耐侵食性被覆を用いてコーティングされることがある。被覆330の寸法は、例示目的のために
図3では誇張されている。被覆330が成長したものは、上側電極310がカソードとして機能する際には上側電極310上には形成されず、その結果、上側電極310はレーザが発射されると侵食される。現在のチャンバでは、この侵食により、放電ギャップの寸法Aの増加と放電の広がりとの両方がもたらされる。上側電極には小さな隆起312が設けられていることにも留意したい。
【0025】
[0030] 上述のように、
図3には、カソード310とアノード320との間に電圧勾配を確立する電圧源340も示されている。電圧源340の出力の極性について、表記(-)が示されているが、これは、絶対的な極性ではなく相対的なものである、即ち、下側電極320の極性を基準にしたものであり、下側電極320は、一般的に、チャンバ300の本体に電気的に接触しており、接地(0)電位に保持されたままでなければならない、ということを理解されたい。上側電極(カソード310)は、大きな(約20kV)負の電圧に帯電する。
【0026】
[0031] 開示する主題の一態様によれば、KrF MO及びPRAなどの「リーフィングアノード(reefing anode)」チャンバの場合、放電の極性は逆になり、上側電極310がアノードになり、保護腐食層330を形成し、侵食を防ぐ。これは
図4に示されている。下側電極320がチャンバ本体と電気的に接触しており、接地に保持されたままでなければならない構成では、これは、上側電極310が大きな(約20kV)の正の電圧に帯電することを意味する。これは、電圧源340を変更することにより、達成することができる。電圧源340は、3つのモジュール、即ち高電圧電源、整流子、及び圧縮ヘッドに分割することができる。整流子モジュールは、昇圧変圧器を含むことがある。電圧源340の変更は、整流子モジュールの極性を変更することを含むことがある。また、これは、電圧源圧縮ヘッドの磁性物質の変更も含む。圧縮ヘッドは、磁気パルス圧縮を使用して整流子からのパルスを圧縮する。圧縮ヘッド磁性物質も、極性の変更に適合するように変更される必要があり得る。
【0027】
[0032] たった今説明したシステムは、上側電極310の摩耗には対処するが、下側電極320がカソードになるので、下側電極320は侵食を受けやすい電極になる。また、保護腐食層を形成するアノード材料の選択により、特に高い繰り返し率で、レーザ性能が許容できないほど低下する、例えばArF MOなどの放電チャンバがある。これらの問題に対処するために、下側電極アノード320は、チャンバ寿命全体を通じて徐々にその表面を持ち上げ、それによって表面をその元の(新しい)位置に維持するために使用することができる機構に接続されていることが好ましい。下側の可動の電極がアノードとして維持されるチャンバでは、固定された上側のカソードの侵食が依然として発生するが、これは、アノードの侵食速度よりもはるかに遅い速度になる。位置が機械的に調節可能であるアノードについては、例えば、2016年1月26日に発行され、本出願の譲受人に譲渡された米国特許第9,246,298号に記載されており、その内容は、その全体が本出願に組み込まれる。しかしながら、調節可能な電極を使用することの利点は、下側電極がカソードとして機能し、その結果下側電極の上には耐腐食性層は形成されないことが予期される場合の下側電極のように、摩耗をより受けやすい電極に適用される場合に、特に顕著である。
【0028】
[0033] 上側電極ではなく下側電極を可動にすることが一般的に好ましい、というのも、上側電極は放電チャンバの圧力エンベロープの一部を形成するようにすることが好ましいからであり、低ヘッドインダクタンス(優れた効率のために重要である)を維持するためには、この電極の形状及び体積要求に対して強い制約がある。
【0029】
[0034] 具体的には
図5では、モーター360が、下側電極320の上面の位置、従って下側電極320と上側電極310との間のギャップの幅Aを制御するような態様で、下側電極320に機械的に結合されている。本明細書のここ及び他の箇所において、「モーター」は、動きを生み出すことができるデバイス又はデバイスの組み合わせを意味するように広く使われる。例えば、モーター360は、リニア電気モーター又は圧電デバイスに結合されたスクリュードライブ、摩擦ドライブ、又はラックアンドピニオン式ドライブであり得る。モーター360は、コントローラ370から制御信号を受け取るようになっている。コントローラ370は、動作時間の経過又はチャンバ内で発生したパルスの数に基づいて、モーター360に下側電極320の上面を上昇させる制御信号を提供することがある。コントローラ370はまた、駆動電圧の変動又は大きさなどの何らかの動作パラメータに基づいて制御信号を提供することもできる。例えば、制御信号は、固定の目標出力エネルギーを達成するために必要な電圧に少なくとも部分的に基づいていることがある。コントローラ370は、計測ユニット380によって測定された、又は何らかの他の手段によって推測された、電極間のギャップのサイズAに基づいて、制御信号を提供することもできる。
【0030】
[0035]
図5の構成は、上側電極310が必然的にチャンバ300の圧力エンベロープの一部であり、その結果、侵食を補償するために上側電極310を移動させる機構の具備が実現可能ではないチャンバ設計にとって、有益である。下側電極320のみが固定されているチャンバ設計では、上側電極310は位置決め可能であるように構成することができる。どちらの電極も固定されておらず、どちらも完全にチャンバ300の圧力エンベロープの内部にないチャンバ設計では、一方又は両方の電極を位置決め可能であるように構成することができる。
【0031】
[0036]
図6は、
図5に示したような構成を動作させる方法の一例を示すフローチャートである。ステップS10では、ギャップによって分離された少なくとも2つの電極を有するレーザが提供される。電極のうちの一方、カソードとして機能するように電気的に接続されている方は、制御信号の制御下で可動であるようになっており、その結果、電極間のギャップの幅を自動的に制御することができることが、理解されよう。ステップS20では、レーザを動作させ、ステップS30では、レーザの少なくとも1つの動作パラメータが測定される。動作パラメータは、チャンバの経過動作時間の大きさ、チャンバ内で発生したパルスの数、固定の目標出力エネルギーを達成するのに必要な駆動電圧の変動又は大きさ、或いは計測ユニット380によって測定された、又は何らかの他の手段によって推測された、電極間のギャップのサイズ、などの上述したパラメータのいずれかであることがある。ステップS40では、ギャップの幅は、測定された動作パラメータに基づいて制御される。例えば、可動電極は、ギャップの幅を、元のギャップ幅などの所定の値に実質的に等しくするような態様で、動かされ得る。
図6のプロセスは、基本的に連続的に行うことも、或いは、所定の間隔をおいて行うこともできることが理解されよう。
【0032】
[0037] 上記の説明は、複数の実施形態の例を含む。当然ながら、前述の実施形態を説明する目的のために、構成要素又は方法の全ての考えられる組み合わせを記載することは不可能であるが、当業者であれば、様々な実施形態の多数の更なる組み合わせ及び置き換えが可能であることを理解することができる。従って、記載した実施形態は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に該当するそのような変更例、修正例、及び変形例の全てを包含することが意図されている。更に、「含む(includes)」という用語が発明を実施するための形態又は特許請求の範囲のいずれかで使用される範囲では、そのような用語は、「含む(comprising)」が請求項で移行語として用いられる場合に解釈されるように、「含む(comprising)」という用語と同様の態様で包括的であることが意図されている。更に、記載した態様及び/又は実施形態の要素は単数形で記載又は請求されていることがあるが、単数に限定することが明示されていない限り、複数形も予期されている。更に、特に断りの無い限り、任意の態様及び/又は実施形態の全て又は一部は、任意の他の態様及び/又は実施形態の全て又は一部と共に利用されることがある。
【0033】
[0038] 実施形態については、以下の条項を使用して更に説明することができる。
条項1.レーザであって、
放電チャンバと、
少なくとも部分的に放電チャンバ内部に配置された第1の電極と、
少なくとも部分的に放電チャンバ内部に配置された第2の電極であって、第1の電極は第1の放電面を有し且つ第2の電極は第2の放電面を有し、第1の放電面及び第2の放電面はギャップをまたいで互いに対向するように配置されている、第2の電極と、
ギャップの幅を制御するために第2の放電面を位置決めするために第2の電極に機械的に結合されたモーターと、を含み、
第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、第1の電極の極性は第2の電極の極性に対して正になっている、レーザ。
【0034】
条項2.第1の電極の位置は、放電チャンバに対して固定されている、条項1に記載のレーザ。
【0035】
条項3.第1の電極は、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能する際に耐侵食性被覆を形成する材料を含む、条項1に記載のレーザ。
【0036】
条項4.第1の電極に施された耐侵食性被覆を更に含む、条項1に記載のレーザ。
【0037】
条項5.モーターに接続されたコントローラを更に含み、コントローラは、モーターに制御信号を供給してギャップの幅を制御する、条項1に記載のレーザ。
【0038】
条項6.コントローラは、ギャップの幅を所定の範囲内に維持するように、モーターを制御する、条項5に記載のレーザ。
【0039】
条項7.コントローラは、実質的に一定の出力電力を維持するのに必要な放電中の第1の電極と第2の電極との間の電圧差の大きさに少なくとも部分的に基づいて、制御信号を生成する、条項5に記載のレーザ。
【0040】
条項8.ギャップの幅を測定し且つその幅を示す信号を提供するためのコントローラに接続された検出器を更に備え、コントローラは、検出器によって測定された幅に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成する、条項5に記載のレーザ。
【0041】
条項9.第1の電極と第2の電極のうちの少なくとも一方に複数のパルスを供給するために第1の電極及び第2の電極に電気的に接続された電源を更に含み、この電源は整流子モジュール及び圧縮ヘッドモジュールを含み、整流子モジュール及び圧縮ヘッドモジュールは、パルス中に第1の電極がアノードとして機能するように、第1の電極の極性が第2の電極の極性に対して正であるように調整される、条項1に記載のレーザ。
【0042】
条項10.コントローラは、放電チャンバ内で発生した放電の数に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成する、条項5に記載のレーザ。
【0043】
条項11.レーザであって、
放電チャンバと、
少なくとも部分的に放電チャンバ内部に配置され且つ放電チャンバに対して固定された第1の電極と、
少なくとも部分的に放電チャンバ内部に配置された第2の電極であって、第1の電極は第1の放電面を有し第2の電極は第2の放電面を有し、第1の放電面と第2の放電面はギャップをまたいで互いに対向するようになっており、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、第1の電極の極性は第2の電極の極性に対して正になっており、第1の電極は、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能する際に耐腐食性被覆を形成する材料を含む、第2の電極と、
ギャップの幅を制御するために第2の放電面を位置決めするために第2の電極に機械的に結合されたモーターと、
モーターに接続されたコントローラであって、モーターに制御信号を供給してギャップの幅を所定の範囲内に維持する、コントローラと、を含むレーザ。
【0044】
条項12.コントローラは、放電チャンバ内で発生した放電の数に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成する、条項11に記載のレーザ。
【0045】
条項13.レーザであって、
放電チャンバと、
少なくとも部分的に放電チャンバ内部に配置され且つ放電チャンバに対して固定された第1の電極と、
少なくとも部分的に放電チャンバ内部に配置された第2の電極であって、第1の電極は第1の放電面を有し且つ第2の電極は第2の放電面を有し、第1の放電面及び第2の放電面はギャップをまたいで互いに対向するように配置されている、第2の電極と、を含み、
第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、第1の電極の極性は第2の電極の極性に対して正であり、第1の電極は、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能する際に耐侵食性被覆を形成する材料を含む、レーザ。
【0046】
条項14.ギャップの幅を制御するために第2の放電面を位置決めするために第2の電極に機械的に結合されたモーターを更に含む、条項13に記載のレーザ。
【0047】
条項15.モーターに接続されたコントローラを更に含み、コントローラは、モーターに制御信号を供給してギャップの幅を制御する、条項14に記載のレーザ。
【0048】
条項16.コントローラは、ギャップの幅を所定の範囲内に維持するように、モーターを制御する、条項15に記載のレーザ。
【0049】
条項17.コントローラは、放電中に第1の電極と第2の電極との間の電圧差の大きさに少なくとも部分的に基づいて、制御信号を生成する、条項15に記載のレーザ。
【0050】
条項18.ギャップの幅を測定し且つその幅を示す信号を提供するためのコントローラに接続された検出器を更に備え、コントローラは、検出器によって測定された幅に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成する、条項15に記載のレーザ。
【0051】
条項19.コントローラは、放電チャンバ内で発生した放電の数に少なくとも部分的に基づいて制御信号を生成する、条項13に記載のレーザ。
【0052】
条項20.レーザの動作を制御する方法であって、レーザは放電チャンバと、ギャップによって間隔をあけられた第1の電極及び第2の電極とを含み、第2の電極はギャップの幅を規定するように位置決め可能であり、この方法は、
第1の電極と第2の電極との間で放電チャンバ内で放電を発生させることによりレーザを動作させるステップであって、第1の電極が放電チャンバでの放電中にアノードとして機能するように、第1の電極の極性は第2の電極の極性に対して正である、動作させるステップと、
レーザの動作パラメータを測定するステップと、
測定される動作パラメータに少なくとも部分的に基づいて、第2の電極の位置を自動的に制御するステップと、を含む方法。
【0053】
条項21.測定される動作パラメータは、所定の出力エネルギーを達成又は維持するのに必要な、放電中の第1の電極と第2の電極との間の電圧差の大きさである、条項20に記載の方法。
【0054】
条項22.測定される動作パラメータは、第1の電極と第2の電極との間のギャップの幅の大きさである、条項20に記載の方法。
【0055】
条項23.測定される動作パラメータは、放電チャンバ内で発生した放電の数である、条項20に記載の方法。
【0056】
[0039] 他の実施態様が、特許請求の範囲内に存在する。