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特許7095529リソース予約システム、リソース予約方法、情報処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-27
(45)【発行日】2022-07-05
(54)【発明の名称】リソース予約システム、リソース予約方法、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/10 20120101AFI20220628BHJP
   G06Q 10/02 20120101ALI20220628BHJP
【FI】
G06Q10/10
G06Q10/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018181060
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020052698
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】山田 剛
【審査官】渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-59593(JP,A)
【文献】国際公開第2017/213808(WO,A1)
【文献】特開2014-59641(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0115791(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソースの予約に関する設定を受け付ける端末装置と、前記端末装置から送信された前記予約に関する設定に基づいてリソースの予約を受け付ける1つ以上の情報処理装置と、を有するリソース予約システムであって、
前記端末装置は、
アクセスポイントの識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記アクセスポイントの識別情報を前記情報処理装置に送信する第一の送信手段と、を有し、
前記情報処理装置は、
前記アクセスポイントの識別情報と前記アクセスポイントの場所を対応付けて記憶するアクセスポイント場所情報記憶部と、
前記リソースの場所を記憶するリソース場所情報記憶部と、
前記端末装置から前記アクセスポイントの識別情報を受信する受信手段と、
前記端末装置から送信された前記アクセスポイントの識別情報に対応付けられた前記アクセスポイントの場所を、前記アクセスポイント場所情報記憶部から取得し、前記アクセスポイントの場所の近傍の前記リソースを前記リソース場所情報記憶部から取得するリソース取得手段と、
前記リソース取得手段が取得した前記リソースに関する情報を前記端末装置に送信する第二の送信手段と、を有することを特徴とするリソース予約システム。
【請求項2】
前記アクセスポイント場所情報記憶部において前記アクセスポイントの場所は複数のカテゴリにより特定されており、
前記リソース場所情報記憶部において前記リソースの場所は複数のカテゴリにより特定されており、
前記リソース取得手段は、前記アクセスポイントの場所と前記リソースの場所が一致するか否かをカテゴリごと比較し、
前記アクセスポイントの場所と前記リソースの場所のカテゴリが一致する数が多い順に前記リソースを前記リソース場所情報記憶部から取得することを特徴とする請求項1に記載のリソース予約システム。
【請求項3】
前記複数のカテゴリにはそれぞれ予め優先度が設定されており、
前記リソース取得手段は、前記アクセスポイントの場所と前記リソースの場所をカテゴリごとに比較し、一致した場合はカテゴリに応じた優先度をカテゴリの数だけ加算し、
加算した値が大きい順に前記リソースを前記リソース場所情報記憶部から取得することを特徴とする請求項2に記載のリソース予約システム。
【請求項4】
前記カテゴリは、棟、フロア、方位、及び、エレベータであることを特徴とする請求項3に記載のリソース予約システム。
【請求項5】
前記優先度は、棟>エレベータ>フロア>方位の順に大きいことを特徴とする請求項4に記載のリソース予約システム。
【請求項6】
前記受信手段は、前記リソースを予約する日時を前記端末装置から受信し、
前記リソース取得手段は、前記日時に空いている前記リソースを、前記リソースの予約状況を管理する第二の情報処理装置から取得し、
前記第二の情報処理装置から取得した前記リソースのうち、前記アクセスポイントの場所から近い順に1つ以上の前記リソースを前記リソース場所情報記憶部から取得することを特徴とする請求項1に記載のリソース予約システム。
【請求項7】
前記アクセスポイント場所情報記憶部において前記アクセスポイントの場所は複数のカテゴリにより特定されており、
前記リソース場所情報記憶部において前記リソースの場所は複数のカテゴリにより特定されており、
前記リソース取得手段は、前記カテゴリとして、棟、フロア及び方位が一致する前記リソースを最も高い優先順位に決定し、
棟及び方位が一致する前記リソースを次の優先順位に決定し、
棟及びエレベータが一致する前記リソースをその次の優先順位に決定し、
前記優先順位が大きい順に前記リソースを前記リソース場所情報記憶部から取得することを特徴とする請求項6に記載のリソース予約システム。
【請求項8】
前記端末装置は、
前記情報処理装置から受信した前記リソースに関する情報を、前記アクセスポイントの場所から近い順に表示装置に表示する表示処理手段を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のリソース予約システム。
【請求項9】
リソースの予約に関する設定を受け付ける端末装置と、前記端末装置から送信された前記予約に関する設定に基づいてリソースを提供する1つ以上の情報処理装置と、を有するリソース予約システムが行うリソース予約方法であって、
前記端末装置は、
アクセスポイントの識別情報を取得するステップと、
前記アクセスポイントの識別情報を前記情報処理装置に送信するステップと、を有し、
前記情報処理装置は、
前記アクセスポイントの識別情報と前記アクセスポイントの場所を対応付けて記憶するアクセスポイント場所情報記憶部を参照して、前記端末装置から送信された前記アクセスポイントの識別情報に対応付けられた前記アクセスポイントの場所を、前記アクセスポイント場所情報記憶部から取得するステップと、
前記リソースの場所を記憶するリソース場所情報記憶部を参照して、前記アクセスポイントの近傍の前記リソースを前記リソース場所情報記憶部から取得するステップと、
前記リソース場所情報記憶部から取得された前記リソースに関する情報を前記端末装置に送信するステップと、を有することを特徴とするリソース予約方法。
【請求項10】
リソースの予約に関する設定を受け付ける端末装置から送信された前記予約に関する設定に基づいてリソースを提供する情報処理装置であって、
端末装置が取得したアクセスポイントの識別情報を受信する受信手段と、
前記アクセスポイントの識別情報と前記アクセスポイントの場所を対応付けて記憶するアクセスポイント場所情報記憶部と、
前記リソースの場所を記憶するリソース場所情報記憶部と、
前記端末装置から送信された前記アクセスポイントの識別情報に対応付けられた前記アクセスポイントの場所を、前記アクセスポイント場所情報記憶部から取得し、前記アクセスポイントの近傍の前記リソースを前記リソース場所情報記憶部から取得するリソース取得手段と、
前記リソース取得手段が取得した前記リソースに関する情報を前記端末装置に送信する送信手段と、を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソース予約システム、リソース予約方法、及び、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
会議室等のリソースの予約を受け付けるリソース予約システムが知られている。会議の予約者は端末装置を予約管理サーバと通信させ、端末装置で動作するブラウザで会議室を予約できる。会議の各参加予定者は端末装置を操作してそれぞれ予約管理サーバと通信し、会議の予定や場所等を確認できる。
【0003】
ユーザが会議室を予約する際には日時と人数などの会議の開催条件で空いている会議室を探すが、更に検索条件を追加する技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、会議室の空き時間の総計が減るように会議室を推奨する予約システムについて開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のリソース予約システムでは、ユーザの場所とリソースの場所とが考慮されていないという問題があった。つまり、会議のためにユーザは遠く離れた会議室まで移動するには時間がかかってしまう。ユーザから見て近い場所の会議室が空いている場合は、この会議室を予約することでユーザが効率よく移動でき生産性を向上できる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、ユーザの場所とリソースの場所とを考慮して予約の対象のリソースを提案できるリソース予約システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に鑑み、本発明は、リソースの予約に関する設定を受け付ける端末装置と、前記端末装置から送信された前記予約に関する設定に基づいてリソースを提供する1つ以上の情報処理装置と、を有するリソース予約システムであって、
前記端末装置は、アクセスポイントの識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記アクセスポイントの識別情報を前記情報処理装置に送信する第一の送信手段と、を有し、
前記情報処理装置は、前記アクセスポイントの識別情報と前記アクセスポイントの場所を対応付けて記憶するアクセスポイント場所情報記憶部と、前記リソースの場所を記憶するリソース場所情報記憶部と、前記端末装置から前記アクセスポイントの識別情報を受信する受信手段と、前記端末装置から送信された前記アクセスポイントの識別情報に対応付けられた前記アクセスポイントの場所を、前記アクセスポイント場所情報記憶部から取得し、前記アクセスポイントの近傍の前記リソースを前記リソース場所情報記憶部から取得するリソース取得手段と、前記リソース取得手段が取得した前記リソースに関する情報を前記端末装置に送信する第二の送信手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
ユーザの場所とリソースの場所とを考慮してリソースを提案できるリソース予約システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】リソース予約システムの全体的な動作の概略を説明する図の一例である。
図2】会議管理サーバが予約者の現在地に適した会議室を提案する際の動作について説明する図である。
図3】リソース予約システムの一例のシステム構成図である。
図4】会議管理サーバの一例のハードウェア構成図である。
図5】会議室端末の一例のハードウェア構成図である。
図6】予約管理サーバ、チャットサーバ、及び、会議管理サーバの機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
図7】端末装置及び会議室端末の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
図8】会議室の予約時におけるリソース予約システムの処理を説明するシーケンス図の一例である。
図9】会議室提案部が会議室を提案する手順を示すフローチャート図の一例である。
図10図8のステップS107で端末装置が表示する予約設定画面の一例を示す図である。
図11】優先度情報DBに記憶されている優先度情報テーブルの一例を示す図である。
図12】会議室提案部が会議室を提案する手順を示すフローチャート図の一例である。
図13】会議室提案部が会議室を提案する手順を示すフローチャート図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、リソース予約システムとリソース予約システムが行うリソース予約方法について図面を参照しながら説明する。
【0010】
<リソース予約システムの概略>
始めに図1を用いてリソース予約システムの概略を説明する。図1はリソース予約システム100の全体的な動作の概略を説明する図の一例である。
【0011】
A.予約者は自分の端末装置を操作して予約管理サーバ20と通信し、会議室を予約する。予約管理サーバ20は汎用のクラウドサービス(Office365、G Suite(いずれも登録商標)等)であるが、予約者が所属する企業などの組織が有する会議室が登録されている。
【0012】
B.会議管理サーバ30は会議室の予約状況に基づいてリソース予約システム100の全体を制御するサーバである。会議管理サーバ30は適宜、予約管理サーバ20と通信して予約情報を取得するので、予約管理サーバ20と予約情報を同期している。
【0013】
C.リソース予約システム又は組織側の管理者は会議管理サーバ30に対し、ユーザの登録、及び、各種の設定を行うことができる。ユーザの登録とは、チャットサーバ10(slack、Line、Microsoft Teams(いずれも登録商標)等)を使った各種の通知の対象となるユーザを登録することをいう。また、通知は会議管理サーバ30としてメッセージを送信するボットを介して行われるためチャットサーバが提供するボットも登録される。各種の設定は、会議室端末90の登録、リマインドのタイミングの設定などである。
【0014】
D.会議管理サーバ30は予約情報における会議の開始時刻の一定時間前になると、予約者に会議の開催をリマインドする。これにより、会議室の空予約を抑制する。また、会議管理サーバ30は必要に応じてユーザに招待コードを通知する。会議の予約者はリマインドを受信することで会議室にチェックインするための情報(会議識別情報)を端末装置60に保存する。
【0015】
E.各会議室6には会議室端末90が配置されており、定期的にこの会議室で行う会議の予約情報を会議室端末90がダウンロードしている。会議室端末90は当日や直近の会議の予定などを表示して参加者に予定を確認させることができる。会議の開始時刻の少し前になると会議室の予約者は会議室6に赴いてチェックインする。例えば、会議識別情報を会議室端末90に入力する、又は、端末装置60を会議識別情報にかざす(会議識別情報を読み取らせる、通信させるなど)。
【0016】
F.会議室端末90はチェックイン要求を会議管理サーバ30に送信するので、会議識別情報で認証できれば、チェックインできた旨の応答を会議管理サーバ30から受信する。会議室端末90は会議中(使用中)である旨を表示する。会議の開始時刻に対し決まった時刻までにチェックインが確認できない場合、会議管理サーバ30は会議室6の予約をキャンセルして、予約情報に含まれるステータスとしてキャンセル済みを会議室端末90に送信する。この場合、会議室端末90は空室である旨を表示するので、任意のユーザが会議室6を使用できる。
【0017】
G.会議室端末90は、会議管理サーバ30からの要求により電子機器70を制御する。例えば、会議開始時刻に電源をONし、会議終了時刻に電源をOFFする。こうすることで、会議の参加者による電子機器70の操作時の利便性を向上できる。
【0018】
H.電子機器70が例えばテレビ会議の機能を有する場合、別の拠点4の電子機器(テレビ会議端末70x等)と通信して、他拠点と会議を開催できる。なお、アプリが動作するPC70yも電子機器70と通信できる。予約情報には予め他拠点を示す宛先情報(宛先の通信ID)が含まれており、電子機器70は自動でテレビ会議端末70x及びPC70yと通信できる。
【0019】
I.予約者が会議を終了する際、会議室端末90のボタンを押下してチェックアウトするので、会議室端末90は次の予約状況を表示する。これにより、任意のユーザが会議室の予約状況を把握できる。
【0020】
<会議室の提案の概略>
図2は、会議管理サーバ30が予約者の現在地5に適した会議室を提案する際の動作について説明する図である。
(1)まず、予約者301はある建物のあるフロアのある方位に存在している。予約者301は端末装置60を操作して会議管理サーバ30と通信する。予約者301の近くには無線LANのアクセスポイント71があり、端末装置60はこのアクセスポイント71を経由して会議管理サーバ30と通信する。
(2)端末装置60はアクセスポイント71のMACアドレスを会議管理サーバ30に送信するので、会議管理サーバ30はこのMACアドレスを使って予約者301の近くの会議室6を提案することができる。
(3)会議管理サーバ30は、
I. MACアドレスにアクセスポイント71の場所(棟・フロア・方位)が対応付けられたテーブルを参照して、予約者301の現在地5を推定する。
II. 次に、会議室の場所が登録されたテーブルを参照して、予約者の現在地5に近傍の会議室6を決定する。
【0021】
この会議室6はアクセスポイント71に近傍の会議室6なので、予約者の現在地5から見ても近傍の会議室6である。したがって、本実施形態の会議管理サーバ30は予約者301の現在地5に近い会議室6を提案できる。
【0022】
<用語について>
リソースとは資源をいう。会議室、及び、会議室で使用可能な備品、装置、人(受け付け)、仕組みなどがリソースとなりうる。リソースのうち移動しにくいものを設備という。本実施形態では説明の便宜上、リソースの一例として会議室という用語を使用する。
【0023】
リソースに関する情報とは、リソースを少なくとも特定できる情報であればよい。例えば、設備名、設備の場所、設備までの経路などをいう。
【0024】
アクセスポイントとは、無線LANなどの無線通信において電波を中継する機器をいう。ルーティング機能を有さないブリッジタイプとルーティング機能を有するルータータイプのどちらでもよい。
【0025】
アクセスポイントの識別情報はアクセスポイントを特定又は識別する識別情報であり、本実施形態ではMACアドレスという用語で説明する。アクセスポイントを識別できれば、MACアドレス以外の情報が用いられてよい。例えば、アクセスポイントに割り当てられた数値、アルファベット、記号などでもよい。
【0026】
参加者とは会議への参加者をいう。予約者は会議室を予約した者をいう。一般に予約者は参加者の一人であるので両者を厳密に区別しなくてよい。予約者が行う作業は参加者が行うことができる場合がある。参加予定者とは、会議へ参加する予定の者をいう。本実施形態では予約情報に参加する予定であると登録されている者でよい。会議室を利用する者を単に総称してユーザという。
【0027】
<システム構成例>
図3は、リソース予約システム100のシステム構成図の一例である。リソース予約システム100は、主に社外ネットワークN2と社内ネットワークN1に分けることができる。社内ネットワークN1はファイアウォール73の内側のネットワークをいい、社外ネットワークN2は不特定多数の通信が伝送されるインターネット等のネットワークである。
【0028】
社外ネットワークN2には、予約管理サーバ20、会議管理サーバ30、及びチャットサーバ10が接続されており、各サーバは必要に応じて通信することができる。社外ネットワークN2に会議の参加者が操作する端末装置60が必要に応じて接続されてよい。
【0029】
予約管理サーバ20は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現される。予約管理サーバ20が提供する設備の予約に関するシステムを予約管理システムという。予約管理サーバ20はカレンダーシステムを有しており、各種の予定を管理するWebアプリを提供する。具体的には、例えば以下のような機能を有している。
・予定の登録を受け付け、いつでもどこからでも予約者が確認できる
・予定の30分前など、設定した日時に電子メールで通知する
・一人が複数のカレンダー(仕事用、家庭用など)で予定を管理できる
・同じグループの人とカレンダーを共有する
予約管理サーバ20はユーザをアカウントで管理する。アカウントとはユーザがサービスを利用する権利のことである。多くのシステムではユーザはアカウントを使用してシステムにログインする。このため、アカウントはシステムがユーザを一意に特定する機能(識別情報の機能)を有している。本実施形態では、予め登録しておいたアカウント(ドメイン)の予約情報を予約管理サーバ20が会議管理サーバ30に送信する。あるいは、予約管理サーバ20のアカウントを指定して会議管理サーバ30が予約情報を要求することで、会議管理サーバ30が会議室6の予約情報を予約管理サーバ20から取得できる。なお、アカウントは例えば電子メール、ID、電話番号など、ユーザを一意に識別できる情報であればよい。
【0030】
本実施形態で予定として管理されるのは会議室6の予約であるが、予約管理サーバ20は会議室6に限られず各種の予定を管理できる。会議室6の他、各種の電子機器のレンタル、駐車場の予約など、レンタルオフィス、レンタルスタジオ、レンタカー、レンタサイクル、ホテル等の宿泊施設、催し物会場・ロッカーなどの貸しスペースなど、各種の設備の予約に利用できる。
【0031】
なお、予約管理システムとしては、G Suite(登録商標)、Office365(登録商標)等が知られているが、本実施形態で説明する機能を有する予約管理サーバ20であればよい。
【0032】
また、本実施形態では、社内ネットワークN1の会議室6に関する情報が予約管理サーバ20に予め登録されている。すなわち、リソース予約システム100を利用する企業の社内ネットワークにある各会議室6の会議室名、会議室ID、予約可能時間、各会議室6の定員、及び、予約単位等に応じて予約管理サーバ20のWebアプリがカスタマイズされている。したがって、リソース予約システム100を利用する企業の会議室6と予約情報が結びつけられる。
【0033】
チャットサーバ10は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。チャットサーバ10が提供する複数のユーザにおけるテキスト、音声、映像などの情報のリアルタイムな共有システムをチャットシステムという。チャットサーバ10は端末装置60に会議室6の予約に関する情報(予約した日時や会議室名など)を通知する。
【0034】
共有される情報には画像や音声等もありテキストに限られないが、本実施形態では説明の便宜上、通知には主にテキストが用いられるとして説明している。例えば、チャットシステムは、グループ間の音声通話機能を提供してよい。音声通話は1対1でも1対N(≧2)でもよい。したがって、本実施形態でチャットシステムが会議室6の予約に関する情報を通知する際は、テキストの表示の他、音声メッセージの出力でもよい。なお、チャットシステムとしてはLINE(登録商標)、Slack(登録商標)、Microsoft Teams(登録商標)等が知られているが、ボット(事前に決められている処理を実行するプログラム)から1又は複数のユーザに対して通知が可能なチャットシステムであればよい。
【0035】
チャットサーバ10も同様にアカウント(予約管理サーバ20のアカウントとは異なる)でユーザを管理するが、原則的に会議管理サーバ30はチャットサーバ10のアカウントを意識する必要はない。しかし、会議管理サーバ30はチャットサーバ10の任意のアカウントを指定して通知することができる。
【0036】
会議管理サーバ30は、一般的なサーバOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。会議管理サーバ30は社外ネットワークN2に関する処理として、予約管理サーバ20から会議室6の予約情報を取得し、予約情報に設定されている参加予定者を取得し、設定されているタイミングで参加予定者と対応付けられたチャットサーバ10のグループ(又は予約者など個別の者)に通知を送信する。また、社内ネットワークN1に関する処理として、会議室6へのチェックイン及びチェックアウトを管理したり、予約管理サーバ20から取得した会議室6の予約情報に基づいて電子機器70の電源等を制御したりする。
【0037】
社内には会議室6や予約者の現在地5などがあり、参加予定者は各地から社内ネットワークN1を介して社外ネットワークN2にアクセスできる。社内ネットワークN1は例えばLAN(Local Area Network)である。
【0038】
会議室6には社内ネットワークN1に接続されたアクセスポイント72が配置されている。会議室端末90、及び電子機器70はアクセスポイント72を介して社内ネットワークN1に接続する。会議室端末90、及び電子機器70はアクセスポイント72を介して必要に応じて通信することができる。
【0039】
アクセスポイント72は、会議室端末90と電子機器70が無線LANで通信するための基地局である。アクセスポイント72がルータの機能を有していてもよく、アクセスポイント72は通信の宛先IPアドレスに基づいて宛先が社外ネットワークN2か社内ネットワークN1かを判断して通信の転送先を切り替える。なお、社内ネットワークN1はファイアウォール73の内側にあるため、社外ネットワークN2から社内ネットワークN1への直接の通信は困難になっている。当然ながら有線で通信してもよい。
【0040】
会議室端末90は、会議室6を利用する参加者が操作する情報処理装置(設備端末)である。会議室端末90は会議室6の机の上に配置されていたり、会議室6の入り口に配置されたりしている。1つの会議室6に会議室端末90が複数、配置されていてもよい。会議室端末90は、一般的なOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。
【0041】
会議室端末90は会議管理サーバ30に会議室IDを送信し、当日の会議室6の会議管理情報などを表示する。また、電子機器70の電源ON、OFF等の制御情報を会議管理サーバ30から取得する。これにより、会議室端末90は電子機器70の電源をON及びOFFする。
【0042】
また、会議室端末90はチェックイン、チェックアウトなどのための待ち受け画面を表示し、チェックイン又はチェックアウトを会議管理サーバ30に知らせるために会議管理サーバ30と通信する。チェックインの際、会議室端末90は予約者から入力された会議識別情報と予め保持する会議室IDを会議管理サーバ30に送信するので、会議管理サーバ30は会議識別情報と会議室IDにより、会議室6を予約した予約者が予約した会議室6を使用することを確認できる。
【0043】
電子機器70は会議室6で使用され得る各種のオフィス機器である。例えば、電子黒板、複合機、プロジェクタ、デジタルサイネージ、デジタルカメラ等である。電子黒板とは、タッチパネル付大型ディスプレイを有しユーザが指示した盤面の座標を検出し座標を接続してストロークを表示する。この他、接続されたPCの映像を表示したり、他拠点の電子黒板と通信してストロークを同期したりすることができる。なお、電子黒板は、電子情報ボード、電子ホワイトボードと呼ばれる場合もある。
【0044】
複合機は、コピー機、スキャナ、プリンタ、ファクス送受信などの機能を有し、会議中の資料の印刷や資料のコピー、資料の電子化、資料の送信などに利用される。プロジェクタは画像を投影する装置である。例えば、端末装置60がディスプレイに表示する映像をスクリーン等に投影することで参加者の間で共有することを可能にする。デジタルサイネージは大型のディスプレイであり任意の静止画又は動画を表示するために使用される。デジタルカメラは紙の資料や電子黒板に表示された資料を各参加者が撮像して保存するために使用される。
【0045】
予約者の現在地5にはアクセスポイント71があり、端末装置60はこのアクセスポイント71を介して社内ネットワークN1に接続する。端末装置60は電波強度が最も大きいアクセスポイント71と通信する。電波強度が最も大きいアクセスポイント71が予約者から見て最も近いとは限らないが、少なくともアクセスポイント71から電波が届く範囲に予約者が存在する。したがって、端末装置60が通信しているアクセスポイント71の近く又は電波が届く範囲の予約者の現在地5である。
【0046】
複数のアクセスポイント71があってもよい。つまり、端末装置60が並行して複数のアクセスポイント71と通信できる状況もあり得る。この場合、端末装置60によっては自動的に電波強度が大きい方のアクセスポイント71と通信するローミングという機能を有しており、電波強度が最も大きいアクセスポイント71が自動的に特定される。
【0047】
端末装置60は、一般的なOSなどが搭載された1台以上の情報処理装置(コンピュータシステム)によって実現できる。端末装置60は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、ウェアラブルPC(サングラス型、腕時計型など)などである。ただし、通信機能を有しブラウザソフトウェア、又は、チャットサーバ10若しくは予約管理サーバ20に専用のアプリケーションソフトウェアが動作すればよい。例えば、カーナビ、ゲーム機、テレビ受像器なども端末装置60となりうる。
【0048】
端末装置60ではチャットサーバ10に専用のアプリケーションソフトウェア(以下、チャットアプリという)が動作し、更に、リソース予約システム100に専用のアプリケーションソフトウェア(以下、会議アプリという)が動作する。ただし、これらはブラウザソフトウェアで代用されてよい。
【0049】
<ハードウェア構成>
<<会議管理サーバのハードウェア構成>>
図4は、会議管理サーバ30のハードウェア構成図の一例である。会議管理サーバ30の概略的なハードウェア構成図の一例である。会議管理サーバ30は、CPU201と、CPU201が使用するデータの高速アクセスを可能とするメモリ202とを備える。CPU201及びメモリ202は、システム・バス203を介して、会議管理サーバ30の他のデバイス又はドライバ、例えば、グラフィクス・ドライバ204及びネットワーク・ドライバ(NIC)205へと接続されている。
【0050】
グラフィクス・ドライバ204は、バスを介してLCD(表示装置、ディスプレイの一例)206に接続されて、CPU201による処理結果をモニタする。また、ネットワーク・ドライバ205は、トランスポート層レベル及び物理層レベルで会議管理サーバ30を社外ネットワークN2へと接続して、他の機器とのセッションを確立させている。
【0051】
システム・バス203には、更にI/Oバス・ブリッジ207が接続されている。I/Oバス・ブリッジ207の下流側には、PCIなどのI/Oバス208を介して、IDE、ATA、ATAP80I、シリアルATA、SCSI、USBなどにより、HDD(ハードディスクドライブ)209などの記憶装置が接続されている。HDD209は会議管理サーバ30の全体を制御するプログラム209pを記憶している。HDD209はSSD(Solid State Drive)でもよい。プログラム209pは記憶媒体に記憶された状態で配布されてもよいし、プログラム配信用のサーバから配信されてもよい。
【0052】
また、I/Oバス208には、USBなどのバスを介して、キーボード及びマウス(ポインティング・デバイスと呼ばれる)などの入力装置210が接続され、システム管理者などのオペレータによる入力及び指令を受け付けている。
【0053】
なお、図示した会議管理サーバ30のハードウェア構成は、会議管理サーバ30が備えていることが好ましいハード的な要素を示す。
【0054】
予約管理サーバ20、チャットサーバ10、及び、端末装置60のハードウェア構成図は、会議管理サーバ30と同様であるか、又は、異なるとしても本実施形態のリソース予約システム100の説明の上で支障はないものとする。また、会議管理サーバ30、予約管理サーバ20、及び、チャットサーバ10はクラウドコンピューティングに対応するため、これらのハードウェア構成は負荷に応じてハード的なリソースが動的に接続・切断されることで構成されてよい。なお、クラウドコンピューティングとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。
【0055】
<<会議室端末>>
図5は会議室端末90の一例のハードウェア構成図である。なお、図5の会議室端末90はタブレット装置が想定されている。会議室端末90は、CPU601、ROM602、RAM603、EEPROM604、CMOSセンサ605、加速度・方位センサ606、メディアドライブ608を備えている。
【0056】
CPU601は会議室端末90の全体の動作を制御する。ROM602は基本入出力プログラムを記憶している。RAM603はCPU601のワークエリアとして使用される。EEPROM604はCPU601の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う。CMOSセンサ605は、CPU601の制御にしたがって被写体を撮像し画像データを得る。加速度・方位センサ606は地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等である。
【0057】
メディアドライブ608は、フラッシュメモリ等のメディア607に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。メディアドライブ608は、既に記録されていたデータが読み出され又は新たにデータが書き込まれて記憶するメディア607を着脱自在な構成となっている。
【0058】
なお、EEPROM604には、CPU601が実行するプログラム604pが記憶されている。プログラム604pは実施形態における各種処理を実行するためのアプリケーションソフトウェアやOS等である。プログラム604pはメディア607などに記憶された状態で配布されてもよいし、プログラム配信用のサーバから配信されてもよい。
【0059】
また、CMOSセンサ605は光を電荷に変換して被写体の画像を電子化する電荷結合素子である。CMOSセンサ605は被写体を撮像することができるのであれば、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサであってもよい。CMOSセンサ605はバーコードや二次元バーコードを読み取ることができる。
【0060】
更に、会議室端末90は、RFタグリーダ/ライタ622、アンテナI/F623、及び、振動アクチュエータ624を備える。RFタグリーダ/ライタ622は例えばNFC(Near Field Communication)などの規格にしたがって通信する。
【0061】
振動アクチュエータ624は、会議室端末90を振動させるモータである。例えば、会議の終了時刻が迫ると会議室端末90が振動することで参加者にその旨を知らせることができる。
【0062】
更に、会議室端末90は音声入力部609、音声出力部610、アンテナ611、通信部612、無線LAN通信部613、近距離無線通信用アンテナ614、近距離無線通信部615、ディスプレイ616、タッチパネル617及びバスライン619を備える。
【0063】
音声入力部609は音声を音声信号に変換する。音声出力部610は音声信号を音声に変換する。通信部612はアンテナ611を利用して無線通信信号により最寄りの基地局装置と通信を行う。無線LAN通信部613はIEEE802.11規格に準拠する無線LAN通信を行う。
【0064】
近距離無線通信部615は近距離無線通信用アンテナ614を利用して例えばBluetooth(登録商標)、又は、Bluetooth Low Energy(登録商標)の通信規格にしたがった通信装置である。
【0065】
ディスプレイ616は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL等である。タッチパネル617は、ディスプレイ616上に載せられ、感圧式又は静電式のパネルによって構成され、指やタッチペン等によるタッチによってディスプレイ616上におけるタッチ位置を検出する。バスライン619は上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0066】
また、会議室端末90は専用の電池618を備え、電池618又は商用電源のいずれによっても駆動され得る。なお、音声入力部609は音声を入力するマイクが含まれる。音声出力部610は音声を出力するスピーカが含まれている。
【0067】
<機能について>
図6は、予約管理サーバ20、チャットサーバ10、及び、会議管理サーバ30の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0068】
<<予約管理サーバ>>
予約管理サーバ20は、通信部21、及び、予約情報管理部22を有する。予約管理サーバ20が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成カテゴリのいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
【0069】
通信部21は、会議管理サーバ30及び端末装置60と各種の情報を送受信する。端末装置60から予約の設定を受信する。また、予約情報を会議管理サーバ30に送信する。通信部21は、図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0070】
予約情報管理部22は、ユーザが登録した予約情報を管理する。予約情報管理部22は会議管理サーバ30から要求された会議室6の予約情報を予約情報DB291から読み出して、通信部21を介して会議管理サーバ30に送信する。あるいは、予約情報が登録(又は変更)されると要求がなくても予約情報を会議管理サーバ30に送信する。予約管理サーバ20に予約者が会議室6を予約する方法としては一般的なWebアプリが使用されるものとする。Webアプリが予約者の端末装置60に表示する画面例を図10に示す。予約情報管理部22は、図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0071】
また、予約管理サーバ20は記憶部29を有している。記憶部29は図4のメモリ202及びHDD209等により実現される。記憶部29には予約情報DB291(Data Base)が記憶されている。
【0072】
【表1】
表1は予約情報DB291に記憶されている予約情報の一例を示す。予約情報は会議室6の予約状況を管理するための情報である。予約情報には、予約IDに対応付けて予約者アカウント、会議名、会議室ID、開始時刻、終了時刻、及び、参加予定者アカウントの各項目が登録されている。予約IDは予約情報の1レコードを識別する識別情報である。IDはIdentificationの略であり識別子や識別情報という意味である。IDは複数の対象から、ある特定の対象を一意的に区別するために用いられる名称、符号、文字列、数値又はこれらのうち1つ以上の組み合わせをいう。予約ID以外のIDについても同様である。予約者アカウントは会議室6を予約した参加予定者のアカウントである。会議名は予約者が任意に付与した会議の名称である。会議室IDは社内ネットワークにある会議室6を識別する識別情報である。開始時刻は会議室6が予約された時間帯の始期(会議が開始される時刻)であり、終了時刻は会議室6が予約された時間帯の終期(会議が終わる時刻)である。参加予定者アカウントは会議に参加する予定の参加予定者のアカウントである。なお、表1のアカウントはいずれも予約管理サーバ20が発行したアカウントである。
【0073】
<<チャットサーバ>>
チャットサーバ10は、通信部11、及び、テキスト処理部12を有する。チャットサーバ10が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成カテゴリのいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。
【0074】
通信部11は、会議管理サーバ30と各種の情報を送受信する。本実施形態では会議管理サーバ30から会議室の予約に関する情報、ボットを識別する情報(後述するトークンなど)、及び、通知先のグループを特定する情報を受信する。このボットを識別する情報は、会議管理サーバ30のボットを作成した際に予めチャットサーバ10からボットの識別情報として通知されている。更に、予約者などの個人のアカウントが指定される場合もある。また、通信部11は参加予定者が会議室の予約に関する情報を既読した旨、又は、表示された会議室の予約に関する情報に対する参加予定者の応答を会議管理サーバ30に送信する。通信部11は、図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0075】
テキスト処理部12は、会議管理サーバ30から通知されたボットを識別する情報及び通知先のグループを特定する情報に基づき、ボットが発言する情報として、グループに属する参加予定者に会議室6の予約に関する情報を送信する。会議管理サーバ30から更に通知先のアカウントが指定された場合は、グループに属する参加予定者の一人に会議室6の予約に関する情報を送信する。したがって、通知は参加予定者の数だけ行われる場合と、予約者などの任意のユーザのみに行われる場合がある。
【0076】
テキスト処理部12はいわゆるプッシュ通知を行うことができる。仕組みとしては、例えば以下のようなものがある。チャットアプリ60a(後述する)はプッシュ通知用のID(トークン)を、OS(Operating System)のメーカが運営するサーバから受け取る。このサーバではトークンとデバイス(端末装置60)を紐付けておく。チャットアプリ60aはトークンとチャットアプリ60aのアカウントをチャットサーバ10に登録しておく。チャットサーバ10がプッシュ通知を行う場合、チャットアプリ60aのアカウントを特定するので紐付いたトークンを特定できる。チャットシステムはトークンを指定して通知内容をOSのメーカが運営するサーバに送信する。このサーバはトークンに紐付いたデバイス(端末装置60)に対しプッシュ通知する。
【0077】
また、チャットサーバ10は記憶部19を有している。記憶部19は図4のメモリ202及びHDD209等により実現される。記憶部19にはグループ情報DB191が記憶されている。
【0078】
【表2】
表2はグループ情報DB191に記憶されているグループ情報の一例を示す。グループ情報は同じグループに属するメンバのアカウントが登録された情報である。グループ情報には、ワークスペースとチャンネルに対応付けて、メンバアカウント1~n(表2ではn=4)、及び、ボットアカウントが登録されている。
【0079】
ワークスペースは企業や部署などの組織を識別するための識別情報である。本実施形態では複数のメンバがワークスペース(例えばA社)に所属している。ワークスペースは例えばURLであるが、一意性があればよい。更にワークスペースはチャットの目的等に応じた複数のチャンネルを有する。チャンネルは例えば、製品A用のグループ、製品B用のグループ等、共通する情報が交換されるメンバの集まりである。チャンネルにはワークスペースに所属するメンバのうちいずれかのメンバが所属している。つまり、通知先はワークスペースとチャンネルによって特定される。ただし、通知先の特定方法はチャットシステムによって異なるため、グループを一意に特定できる識別情報が存在すれば、その情報のみでも良いし、3つ以上の情報によって特定されてもよい。
【0080】
チャンネルは一意性が保証されている。メンバアカウント1~nはチャンネルのメンバのアカウントであり、このアカウントはチャットサーバ10により発行されたものである。本実施形態では、会議室6の予約に関する情報を通知するためのメンバとしてボットが登録される。ボットはいわば会議管理サーバ30の代理人又は架空のメンバということができる。ボットの発言(テキスト)がメンバアカウント1~nの端末装置60に送信される。
【0081】
ワークスペースとチャンネルは、会議管理サーバ30によって管理され、参加者が属するグループを識別するための情報になる。
【0082】
<<会議管理サーバ>>
会議管理サーバ30は、通信部31、情報対応付部32、予約情報取得部33、通知判断部34、制御情報生成部35、制御情報応答部36、会議情報通知部37、チェックイン管理部38、及び、会議室提案部39を有する。会議管理サーバ30が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成カテゴリのいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム209pは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0083】
通信部31は、予約管理サーバ20、チャットサーバ10、及び、端末装置60と各種の情報を送受信する。通信部31は送信部31aと受信部31bを有している。受信部31bは予約管理サーバ20から予約情報を受信し、会議室端末90から予約情報の要求を受信する。また、受信部31bは会議室端末90からチェックイン要求を受信する。また、受信部31bは管理者が操作する任意の端末からチャットシステムのグループとアカウントの対応付けを受け付ける。送信部31aはチャットサーバ10に会議室の予約に関する情報を送信し、会議室端末90に予約情報を送信する。また、受信部31bは端末装置60からアクセスポイント71のMACアドレスを受信し、送信部31aは予約者の近くの会議室の候補を送信する。通信部31は、図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0084】
情報対応付部32は、主に事前の登録作業に関する処理を行う。すなわち、管理者が操作する端末等からドメインの登録を受けつけ顧客ドメインDB495に登録し、端末等から送信されたチャットシステムのワークスペース及びチャンネルと予約管理サーバ20のアカウントを対応付けて対応付情報DB491に登録する。情報対応付部32は、図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0085】
予約情報取得部33は、リソース予約システム100を利用する顧客のアカウントを指定して予約管理サーバ20から予約情報を取得して会議管理情報として会議管理情報DB493に登録する。あるいは変更があった予約情報を受信する。したがって、予約管理サーバ20の予約情報の少なくとも一部の予約情報が会議管理情報DB493に記憶される。予約情報取得部33は、予約管理サーバ20が保持する予約情報のうち現在から所定期間未来の予約情報を取得する。所定期間はどのくらい先の会議まで会議室6の予約に関する情報を通知するかによって定まる。予約情報取得部33は、図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0086】
通知判断部34は、会議管理情報の中に通知する条件を満たす開始時刻の予約があるか否かを判断する。例えば、通知設定DB496を参照し、予約の開始時刻から逆算して設定された日時になると通知すると判断する。なお、例えばリマインダー用のボット、予約受付用のボット等、役割ごとにボットが分けられている場合、処理に応じてボットを特定する。通知判断部34は、図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0087】
会議情報通知部37は、通知判断部34が通知すると判断すると、ボットを識別する情報(例えばslackではトークン)及び通知先のグループを特定する情報を指定して会議室6の予約に関する情報を通知することをチャットサーバ10に要求する。なお、通知は何回に分けて行われるが、そのうちの少なくとも1回の通知に会議識別情報を含める。会議識別情報は、予約された会議室6を予約した時間帯に参加者が使用する権利を有することを会議管理サーバ30が確認するための情報である。会議情報通知部37は、少なくとも最終的な通知の前に会議識別情報を生成する。なお、会議識別情報は会議識別情報DB494に登録される。会議情報通知部37は、図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0088】
制御情報生成部35は、会議管理情報を参照して電子機器70の制御情報を生成し、制御情報を制御情報DB497に登録する。例えば、会議の開始時刻の数分前になると電子機器70の電源をONする制御情報を生成し、チェックアウトを検出すると電子機器70の電源をOFFする制御情報を生成する。制御情報は制御情報DB497に記憶される。制御情報生成部35は、図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0089】
制御情報応答部36は、会議室6の会議室端末90から制御情報があるかどうかの問い合わせを受け付け、制御情報DB497を参照し、会議室6に対応する制御情報を会議室端末90に送信する。制御情報応答部36は、図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0090】
チェックイン管理部38は、会議室へのチェックイン・チェックアウトを管理する。また、主にチェックイン・チェックアウトに伴う会議のステータスを会議管理情報DB493に登録する。チェックインは、予約IDで特定される会議の開始時刻の5~10分前になると認められる。そして、会議室端末90が送信する会議室IDと会議識別情報の組が会議識別情報DB494に登録されている場合にチェックインを許可する。チェックイン管理部38は、図4のCPU201がプログラム209pを実行すること等により実現される。
【0091】
会議室提案部39は会議室提供情報DB498に基づいて予約者の近くの会議室6を提案する。例えば、予約者のアクセスポイント71の近くにある会議室6を提案する。
【0092】
また、会議管理サーバ30は記憶部49を有している。記憶部49は図4のメモリ202及びHDD209等により実現される。記憶部49には、対応付情報DB491、会議管理情報DB493、会議識別情報DB494、顧客ドメインDB495、通知設定DB496、制御情報DB497、会議室提供情報DB498、及び、優先度情報DB499が記憶されている。
【0093】
【表3】
表3は対応付情報DB491に記憶されている対応付情報の一例を示す。対応付情報は予約管理システムのアカウントとチャットシステムのグループを対応付ける情報である。対応付情報は、ワークスペース、チャンネル及びメンバアカウント1~n(図ではn=4)の各項目を有する。ワークスペースとチャンネルは上記のとおりである。メンバアカウント1~nには予約管理サーバ20が発行した各参加予定者のアカウントが登録される。また、表3に示すようにチャットシステムのアカウントが登録されてよい。グループに対して通知を行うためには予約管理サーバ20に対して会議を予約したユーザの予約管理サーバ20のアカウントと通知先のグループ及びチャンネルを特定するための情報(本実施形態ではワークスペースとチャンネル名)があればよく、必ずしもグループに所属するすべてのメンバのアカウントが登録されている必要はない。ただし、個人ユーザ宛に通知する場合、それぞれのチャットシステムのアカウント情報が必要なため、表3のように登録されていてもよい。
【0094】
【表4】
表4は会議管理サーバ30の会議管理情報DB493が記憶する会議管理情報の一例を示す。表4では表1の予約情報DB291との相違を説明する。表4の会議管理情報はステータスの項目を有する。ステータスは、予約の状況を意味する。例えば、会議室6の予約に関する情報の通知済み、利用確定、チェックイン済み、チェックアウト、又は、キャンセル(取り消し)等の状況が登録される。
【0095】
【表5】
表5は会議識別情報DB494に記憶されている会議識別情報管理情報の一例を示す。会議識別情報管理情報は会議室6の予約ごとに会議識別情報を管理する情報である。会議識別情報管理情報は、予約ID、会議室ID、及び、会議識別情報の各項目を有する。これらについてはステータスを除き予約情報と同じであり(予約管理サーバ20から受信した予約情報)、既出であるため説明は省略する。なお、予約IDが登録されているのは、同じ会議室6の予約を識別するためである。ステータスは、予約の状況を意味する。例えば、会議室の予約に関する情報の通知済み、利用確定、チェックイン済み、チェックアウト、又は、キャンセル(取り消し)等の状況が登録される。
【0096】
【表6】
表6は顧客ドメインDB495に記憶されている顧客ドメイン情報の一例を示す。顧客ドメイン情報は顧客のドメインと顧客の管理者のアカウントを管理する情報である。顧客ドメイン情報には顧客のドメイン名と顧客の管理者アカウントが対応付けて登録されている。表6の顧客のドメインは予約管理サーバ20が発行したアカウント(メールアドレス)のドメインである。また、管理者アカウントは、顧客の管理者(代表する)のアカウントである。なお、表6のアカウントは予約管理サーバ20が発行したものである。
【0097】
【表7】
表7は通知設定DB496に記憶されている通知設定情報の一例を示す。通知設定情報は顧客ごとに通知に関する設定を保持する。通知設定情報には、顧客ドメイン名と通知設定が対応付けて登録されている。通知設定には、会議の開始時刻のどのくらい前に、会議室6の予約に関する情報を通知するかのタイミングが設定されている。あるいは決まった日時が設定されていてもよい。また、タイミングは1つである必要はなく、1つの顧客に複数回の通知設定が登録されていてもよい。
【0098】
【表8】
表8は制御情報DB497に記憶されている制御情報の一例を示す。制御情報は会議室6の電子機器70を制御するための情報である。制御情報は、会議室ID、及び、制御内容の各項目を有する。制御内容は、電子機器70の具体的な制御方法である。会議管理サーバ30は電子機器70ごとに詳細な制御内容を設定できる。また、制御する時刻が登録されないのは、社外ネットワークの会議管理サーバ30から会議室端末90に送信することが困難であり、会議室端末90が会議管理サーバ30にアクセスし、この時、制御情報が生成されていれば制御内容を送信するからである。
【0099】
【表9】
表9(a)は、会議室提供情報DB498に記憶されているアクセスポイントテーブル501の一例を示す。アクセスポイントテーブル501にはアクセスポイント71が設置されている場所が登録されている。アクセスポイントテーブル501は、MACアドレス、棟、フロア及び方位の各項目を有している。アクセスポイント71の場所を特定する棟、フロア又は方位をカテゴリという。
【0100】
MACアドレスはネットワーク上で各ノード(各固体)を識別するために設定されているLANカードなどのネットワーク機器のハードウェアに一意に割り当てられる物理アドレスである。表9(a)ではアクセスポイント71のMACアドレスが登録されている。棟は、アクセスポイント71が設置されている建物を、フロアはアクセスポイント71が設置されている建物のフロアを、方位はアクセスポイント71がフロア内のどの辺り(例えば東西南北であるが、区画を示す番号、○○階段の近く、××エレベータの近くなどでもよい)に設置されているかを示す。したがって、MACアドレスが分かればアクセスポイント71がどの場所にあるか分かる。
【0101】
表9(b)は、会議室提供情報DB498に記憶されている会議室場所テーブル502の一例を示す。会議室場所テーブル502には会議室6がある場所が登録されている。会議室場所テーブル502は会議室名、棟、フロア、方位の各項目を有する。会議室名は会議室6の名称である。棟、フロア、方位は表9(a)と同じである。したがって、場所が指定されればこの場所に近い会議室6が分かる。
【0102】
<<端末装置>>
図7は、端末装置60及び会議室端末90の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。電子機器70の機能については必要に応じて説明する。
【0103】
端末装置60は、通信部61a、操作受付部61b、チャット通信部62、テキスト表示部63、アプリ通信部64、サーバ通信部65、表示制御部66、アプリ通信部67、端末通信部68、MACアドレス取得部69-1、及び、予約設定部69-2を有する。端末装置60が有するこれら各機能部は、図4に示された各構成カテゴリのいずれかが、HDD209からメモリ202に展開されたプログラム209pに従ったCPU201からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム209pは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。端末装置60ではチャットアプリ60aと会議アプリ60bが動作しているので、プログラム209pにはチャットアプリ60aと会議アプリ60bが含まれる。
【0104】
通信部61aは、会議管理サーバ30及び予約管理サーバと各種の情報を送受信する。通信部61aは、図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0105】
操作受付部61bは、端末装置60に対する参加者の各種の操作を受け付ける。操作受付部は、図4のCPU201がプログラム209pを実行し入力装置210を制御すること等により実現される。
【0106】
チャットアプリ60aのチャット通信部62は、チャットサーバ10と各種の情報の送受信を行う。本実施形態ではチャットサーバ10から会議室6の予約に関する情報を受信し、既読であること、会議室6が利用される又はキャンセルされるか、等をチャットサーバ10に通知する。チャット通信部62は、図4のCPU201がプログラム209pを実行しネットワーク・ドライバ205を制御すること等により実現される。
【0107】
チャットアプリ60aのテキスト表示部63は、チャットサーバ10から送信されたテキスト(会議室6の予約に関する情報)を表示する。例えば、発言元はボットでありボットが入力したかのようにテキストを表示する。テキスト表示部63は、図4のCPU201がチャットアプリ60aを実行すること等により実現される。
【0108】
チャットアプリ60aのアプリ通信部64は、会議アプリ60bを呼び出すと共に会議識別情報を会議アプリ60bに送信する。チャットサーバ10は、会議室6の予約に関する情報を通知する際、会議アプリ60bを識別する情報を端末装置60に送信しているので、チャットアプリ60aはOSに対し会議アプリ60bを指定し会議識別情報の通知を依頼する。OSは会議アプリ60bを起動することができる。アプリ通信部64は、図4のCPU201がチャットアプリ60aを実行すること等により実現される。
【0109】
会議アプリ60bのサーバ通信部65は、アクセスポイント71を介して会議管理サーバ30及び予約管理サーバ20と通信する。本実施形態では、会議管理サーバ30にアクセスポイント71のMACアドレスを送信して会議室6の候補を受信し、予約管理サーバ20に会議室6の予約の設定に関する情報を送信する。なお、会議識別情報を含む2次元コードを会議管理サーバ30から取得することなども行う。サーバ通信部65は図4のCPU201が会議アプリ60bを実行すること等により実現される。2次元コードはチェックイン時の認証に使用される。認証用の数桁の数字でもよい。
【0110】
会議アプリ60bの表示制御部66は、会議管理サーバ30から通知された会議室の候補を選択するための予約設定画面、上記の2次元コード等をLCD206に表示する。表示制御部66は、図4のCPU201が会議アプリ60bを実行しグラフィクス・ドライバを制御すること等により実現される。
【0111】
会議アプリ60bのアプリ通信部67は、OSを介して、チャットアプリ60aから各種の情報(会議室6の予約に関する情報に含まれる会議識別情報等)を取得する。アプリ通信部67は、図4のCPU201が会議アプリ60bを実行すること等により実現される。
【0112】
端末通信部68は、会議室端末90と通信し会議識別情報等を送信する。端末通信部68は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信で会議室端末90の存在を検出し、会議室端末90を検出すると会議識別情報を送信する。また、会議室端末90に対し2次元コードを表示する機能を提供する。端末通信部68は、図4のCPU201が会議アプリ60bを実行すること等により実現される。
【0113】
MACアドレス取得部69-1は、サーバ通信部65を介してアクセスポイント71のMACアドレスを取得する。MACアドレスはイーサネット(登録商標)のフレームで送受信されており、端末装置60から見ると送信元(アクセスポイント71)のアドレスに相当する。送信元MACアドレスはイーサネットヘッダ(登録商標)に設定されている。したがって、端末装置60は特別な機能なしにMACアドレスを受信できる。MACアドレス取得部69-1は、図4のCPU201が会議アプリ60bを実行すること等により実現される。
【0114】
予約設定部69-2は、サーバ通信部65を介して(アクセスポイント71も介して)会議管理サーバ30と通信し、MACアドレスを指定してアクセスポイント71に近くの会議室を要求する。また、予約管理サーバ20と通信し、会議管理サーバ30から取得した会議室6の候補のうち予約者が予約しようとする会議室6の予約を予約管理サーバ20に対して設定する。予約設定部69-2は、図4のCPU201が会議アプリ60bを実行すること等により実現される。
【0115】
<<会議室端末>>
会議室端末90はサーバ通信部91、端末装置通信部92、操作受付部93、表示制御部94、及び、電子機器通信部95を有する。会議室端末90が有するこれら各機能部は、図5に示された各構成カテゴリのいずれかが、EEPROM604からRAM603に展開されたプログラム604pに従ったCPU601からの命令により動作することで実現される機能又は手段である。このプログラム604pは、プログラム配信用のサーバから配信されるか又は記憶媒体に記憶された状態で配布される。
【0116】
本実施形態のサーバ通信部91は、予約情報に変更があれば定期的に予約情報を受信する。また、チェックイン時に、端末装置通信部92が端末装置60から受信した会議識別情報又は手で入力された会議識別情報を会議管理サーバ30に送信する。また、サーバ通信部91は会議管理サーバ30から制御情報を受信する。
【0117】
定期的に予約情報を受信するタイミングは数秒~数分ごとの周期である。周期が短い方が早期に予約情報を更新できるが、通信負荷も高くなるため、両者を考量して決定される。サーバ通信部91は少なくとも当日の会議室6の会議管理情報(予約情報)等を受信できる。サーバ通信部91は、図5のCPU601がプログラム604pを実行し無線LAN通信部613を制御すること等により実現される。
【0118】
端末装置通信部92は端末装置60と通信する。本実施形態では会議識別情報等を受信する。端末装置通信部92は、図5のCPU601がプログラム604pを実行し近距離無線通信部615又はRFタグリーダ/ライタ622を制御すること等により実現される。
【0119】
電子機器通信部95は、電子機器70と通信する。本実施形態ではサーバ通信部91が受信した制御情報を電子機器70に送信する。電子機器通信部95は、図5のCPU601がプログラム604pを実行し無線LAN通信部613を制御すること等により実現される。
【0120】
表示制御部94はディスプレイ616に端末アプリ90aが生成する画面を表示する。この画面はチェックイン、チェックアウトなどが可能な待ち受け画面等である。表示制御部94は、図5のCPU601がプログラム604pを実行しディスプレイ616を制御すること等により実現される。
【0121】
操作受付部93は会議室端末90に対する各種の操作を受け付ける。操作受付部93は図5のCPU601がプログラム604pを実行しタッチパネル617を制御すること等により実現される。
【0122】
また、会議室端末90は記憶部99を有している。記憶部99は図5のROM602及びEEPROM604等により実現される。記憶部99には会議室ID、及び電子機器70のIPアドレスが記憶されている。
【0123】
<端末装置が会議室を予約する際の端末装置等の処理>
続いて、図8を用いて予約者が端末装置60を操作して会議室6を予約する際の端末装置60等の処理について説明する。図8は、会議室6の予約時におけるリソース予約システム100の処理を説明するシーケンス図の一例である。
【0124】
S101:予約者は端末装置60の会議アプリを実行し会議室6の予約を行うための操作を開始する。例えば、会議アプリを起動することで図8の処理がスタートする。なお、予約者は予約管理サーバ20のアカウントで会議管理サーバ30にログインしており、予約者のアカウントが特定されている。予約者は会議を開催する日時(開始時刻と終了時刻)、人数など必要な情報を端末装置60に入力する。操作受付部61bは情報の入力を受け付ける。
【0125】
S102:端末装置60のMACアドレス取得部69-1はアクセスポイント71のMACアドレスを取得する。例えば、端末装置60のOS(Operating System)は従来からアクセスポイント71のSSID、プロトコル、IPアドレス、MACアドレスを取得しているので、OSから取得する方法がある。あるいは、「netsh wlan show interfaces」というコマンドを実行することで調べることができる。
【0126】
S103:次に、予約設定部69-2は、取得したMACアドレスと予約者が入力した日時と人数などの情報を指定して会議室6の検索要求を会議管理サーバ30に送信する。
【0127】
S104:会議管理サーバ30の通信部31の受信部31bは会議室6の検索要求を受信し、会議室提案部39は予約者に最寄りの会議室6を提案する。詳細は図9にて説明する。なお、最寄りの会議室6は、アクセスポイント71から近い順の1つ以上の会議室6である(最も近い1つには限られない)。
【0128】
処理速度の観点から、予約者が日時を入力する前にMACアドレスだけ先に端末装置60が会議管理サーバ30へ送信してもよい。こうすることで、予約者が日時を入力している間に、MACアドレスに基づく会議室の候補を決定しておくことができる。
【0129】
なお、全てのアクセスポイント71のMACアドレスは会議室提供情報DB498に登録されていることが好ましいが、例えば新しいアクセスポイント71がまだ会議室提供情報DB498に登録されていない状況も生じうる。端末装置60が送信したMACアドレスが会議室提供情報DB498に登録されていない場合は、アクセスポイント71の場所を考慮せずに全ての会議室のリストを提案してよい。あるいは、予約者が過去に使用した会議室の会議管理情報を会議管理情報DB493から取得して、過去に使用されている頻度の順に会議室を提案してもよい。
【0130】
S105:会議管理サーバの会議室提案部39はアクセスポイント71に近い順のいくつかの会議室6を指定して、予約者が入力した日時にこれらの会議室6が空いているかどうかの空き状況を予約管理サーバ20に問い合わせる。予約管理サーバ20に対して空き状況を問い合わせすることで、アクセスポイント71に会議室6、かつ、空いている会議室6がわかる。なお、予約者が入力した人数を収容できる会議室6を取得できる。
【0131】
このように、会議室提案部39は、アクセスポイント71から近い順に3~5個程度の会議室6を決定し、各会議室6ごとに空き状況を取得する。端末装置60には予約者に近くて、日時に空いている会議室6のリストが送信される。予約者は会議室6のリストから所望の会議室6を選択できる。仮にリストの中に予約者が望む会議室6が入っていない場合は、従来通り、予約者は手動で所望の会議室6を選択できる。
【0132】
S106:会議管理サーバ30の会議室提案部39は通信部31の送信部31aを介して会議室6の候補のリストを端末装置60に送信する。
【0133】
S107:端末装置60のサーバ通信部65は会議室6の候補のリストを受信する。表示制御部66は後述する予約設定画面において会議室6の候補のリストをLCD206に表示する。リストには予約者が入力した日時に空いており、予約者に近い順に3~5個程度の会議室6が含まれる。予約者が入力した日時に空いている会議室が0個の場合もありうるが、このような状況を低減するためステップS104で検索する最寄りの会議室6の数を大きくしておくことが考えられる。
【0134】
S108:予約者は会議室6の候補のリストから1つ以上の会議室6を選択する。操作受付部61bは予約者の操作を受け付ける。
【0135】
S109:端末装置60の予約設定部69-2はサーバ通信部65を介して予約者が選択した会議室6と日時を会議管理サーバ30に送信して予約の実行要求を送信する。会議管理サーバ30の受信部31bは予約の実行要求を受信する。
【0136】
S110:会議管理サーバ30の送信部31aは予約者が選択した会議室6と日時を予約管理サーバ20に送信して予約の実行要求を送信する。予約管理サーバ20の通信部21は予約の実行要求を受信し、予約情報管理部22が表1に示すような情報を予約情報DB291に登録する。
【0137】
こうすることで、予約者の現在地5に近い会議室6を予約することができる。
【0138】
なお、ステップS104ではアクセスポイント71に近いいくつかの会議室6を特定しているが、この会議室6の全てが空いていない場合には会議室提案部39が会議室6の候補のリストを作成できない。そこで、会議室提案部39は予め予約者が入力した日時に基づいて空き状況を予約管理サーバに問い合わせ、空いている会議室6の中からアクセスポイント71に近い会議室6を近い順に提案してもよい。こうすることで、会議管理サーバ30が予約管理サーバ20から会議室6の空き状況を取得したが、予約者が入力した日時に空いている会議室6がないという状況を回避しやすくなる。
【0139】
図9は、会議室提案部39が会議室6を提案する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0140】
まず、会議室提案部39は、端末装置60から送信されたアクセスポイント71のMACアドレスをアクセスポイントテーブル501から検索する(S201)。
【0141】
次に、会議室提案部39は検索に適合したMACアドレスに対応付けられている場所(棟、フロア、方位)を取得する(S202)。
【0142】
次に、会議室提案部39は取得した場所(棟、フロア、方位)を会議室場所テーブル502のカテゴリごとに比較し、各会議室6との一致度を算出する(S203)。一致度は、棟が一致すれば1/3、フロアが一致すれば1/3、方位が一致すれば1/3のように算出し、これらの値を合計した合計値を一致度とする。
【0143】
会議室提案部39は一致度の高い順にいくつかの会議室6の候補をリスト化する(S204)。なお、会議室6の候補の数は予め決まっていてもよいし、予約者が設定してもよい。
【0144】
会議室提案部39は会議室6の候補が1つも見つからない場合は、その旨を示すメッセージを生成して端末装置60に送信する。見つからない場合とは、いくつかの会議室6の一致度を算出したが、最大の一致度がゼロの場合をいうが、最大の一致度が閾値未満の場合には見つからないと判断してよい。
【0145】
このリスト化された会議室6の候補が端末装置60に送信されるので、予約者は自分の現在地から近い会議室6を選択できる。
【0146】
会議室提案部39が予め予約者が入力した日時に空いている会議室6を予約管理サーバ20に問い合わせる場合は、予約管理サーバ20から取得した会議室6の一致度を図9と同様に算出する。
【0147】
<端末装置が表示する予約設定画面の例>
図10は、図8のステップS107で端末装置60が表示する予約設定画面の一例を示す。なお、図10は簡略された画面例であり、本実施形態で説明の対象としない項目は省略されている。
【0148】
予約設定画面401は、開始日時入力欄402、終了日時入力欄403、及び、会議室選択欄404を有する。予約者は予約管理サーバ20のアカウントで予約管理サーバ20にログインし、予約設定画面401に必要事項を入力する。開始日時入力欄402、終了日時入力欄403には例えばカレンダーから日にちを、時計形状の入力欄から時刻を選択することで入力が可能になっている。
【0149】
予約者が開始日時入力欄402と終了日時入力欄403に日時を入力して検索ボタン405を押下すると、図8図9で説明した処理が実行され、端末装置60は会議室6の候補のリストを受信する。表示制御部66はこのリストを会議室選択欄404にプルダウン形式で表示する。会議室6の候補のリストは予約者の現在地5に近い順にソートされているので、ユーザはリストの上から順に所望の会議室6を選択すれば、自分から近い場所にある会議室6を選択できる。
【0150】
<会議室を決定するカテゴリについて>
表9ではアクセスポイント71の場所を決定するカテゴリとして棟、フロア及び方位がアクセスポイントテーブル501に設定されている。これに対し、高層ビルの場合、フロアによってエレベータが止まる階層が制限されている場合がある。例えば、1~13階に止まるエレベータと、13~22階に止まるエレベータが別々に決まっている場合、15階の予約者が12階に行こうとすると、必ずエレベータを乗り換える必要がある。15階の予約者が例えば21階などに行く場合と比べて、フロアとしては12階の方が近いのに、21階に行くよりもかえって移動に時間がかかってしまう。
【0151】
そこで、このような不都合を防止するため、エレベータをカテゴリとして、会議室6の候補を決定することが考えられる。
【0152】
【表10】
表10(a)は、アクセスポイントテーブル501の別の一例を示す。このアクセスポイントテーブル501はエレベータの項目を有している。表10(a)ではエレベータがカテゴリの1つである。エレベータ1、エレベータ2はそれぞれアクセスポイント71があるフロアに停止するエレベータを示す。
【0153】
表10(b)は会議室場所テーブル502の別の一例を示す。表10(b)の会議室場所テーブル502は同様にエレベータの項目を有している。エレベータ1、エレベータ2はそれぞれ会議室6があるフロアに停止するエレベータを示す。
【0154】
表10のようなアクセスポイントテーブル501及び会議室場所テーブル502の場合も、図9と同様の手順で会議室提案部39は一致度を算出することができる。したがって、エレベータを乗り換えることによる距離(移動時間)も考慮して、会議室提案部39はアクセスポイント71に近い会議室6を提案できる。
【0155】
<会議室を決定するカテゴリの優先度について>
図9で説明した会議室6を決定する処理では各カテゴリの優先度を考慮していなかったが、予約者の移動のしやすさという面から各カテゴリには優先度があると考えられる。以下では、各カテゴリに予め優先度が決定されている場合を説明する。
【0156】
【表11】
表11(a)は、アクセスポイントテーブル501の別の一例を示す。このアクセスポイントテーブル501はエレベータの項目を有している。エレベータ1、エレベータ2はそれぞれアクセスポイント71があるフロアに停止するエレベータを示す。
【0157】
表11(b)は会議室場所テーブル502の別の一例を示す。表11(b)の会議室場所テーブル502は同様にエレベータの項目を有している。エレベータ1、エレベータ2はそれぞれ会議室6があるフロアに停止するエレベータを示す。
【0158】
表11(a)(b)において、アクセスポイント71のMACアドレスがUU:UU:UU:UU:UU:UUであるとする。この場合、会議室提案部39は、
C棟-20F-2001会議室 = 3/4
C棟-19F-1904会議室 = 3/4
という一致度を算出する。したがって、どちらの会議室6を優先して予約者に提案すべきか判断が困難になる。
【0159】
そこで、図11に示すように各カテゴリについて優先度を設定する。図11は、優先度情報DB499に記憶されている優先度情報テーブルの一例である。図11によれば、棟>エレベータ>フロア>方位の順に優先度が高い。会議室提案部39は優先度が高いカテゴリが一致した場合、優先度が低いカテゴリが一致した場合よりもこの会議室6の一致度が高くなるようにカテゴリに重みを付ける。
【0160】
例えば、各カテゴリが一致した場合、以下の点数を一致したカテゴリに応じて加算する。
棟:10点,エレベータ:8点 フロア:6点 方位:3点
例えば、棟とフロアとエレベータで一致すると一致度は24となり、棟と方位とエレベータで一致すると一致度は21点となる。
【0161】
こうすることで、一致しているカテゴリの数が同じでも優先されるべき会議室6を決定できる。図11の優先度では、エレベータ>フロアの関係にあるため、フロアが近いかどうかよりもエレベータを乗り換える必要があるかどうかを優先できる。つまり、完全にフロアが一致することを狙うのではなく、エレベータの乗り換えが少ないことを優先して会議室6を決定できる。
【0162】
この他、カテゴリにbitを割り当ててもよい。例えば左の桁ほど優先度が高い。一致するカテゴリがある場合、会議室提案部39はこのカテゴリに対応するbitを1にする。各bitを数値化した場合に値が大きいほど優先されるべきであることが分かる。
【0163】
<会議室を提案する手順の別の例>
会議室提案部39が会議室6を提案する手順の別の例について説明する。
図12は、会議室提案部39が会議室6を提案する手順を示すフローチャート図の一例である。図12では、優先されるカテゴリから順に比較することで会議室6を検索する。図12では表9のアクセスポイントテーブル501と会議室場所テーブル502に基づいて説明する。
【0164】
まず、会議室提案部39は、端末装置60から送信されたアクセスポイント71のMACアドレスをアクセスポイントテーブル501から検索する(S301)。
【0165】
次に、会議室提案部39は検索に適合したMACアドレスに対応付けられている場所(棟、フロア、方位)を取得する(S302)。
【0166】
次に、会議室提案部39は取得した場所(棟、フロア、方位)と一致する会議室6が会議室場所テーブル502にあるか否かを判断する(S303)。
【0167】
ステップS303の判断がYesの場合、会議室提案部39は場所(棟、フロア、方位)が一致した会議室6を優先順位1の会議室6の候補に決定する(S304)。
【0168】
次に、会議室提案部39は取得した場所(棟、フロア)と一致する会議室6が会議室場所テーブル502にあるか否かを判断する(S305)。
【0169】
ステップS305の判断がYesの場合、会議室提案部39は場所(棟、フロア)が一致した会議室6を優先順位2の会議室6の候補に決定する(S306)。
【0170】
次に、会議室提案部39は取得した場所(棟)と一致する会議室6が会議室場所テーブル502にあるか否かを判断する(S307)。
【0171】
ステップS307の判断がYesの場合、会議室提案部39は場所(棟)が一致した会議室6を優先順位3の会議室6の候補に決定する(S308)。更に、予約者の現在地5のフロアに近い順に、優先順位3の会議室6の候補をソートするとよい。
【0172】
会議室提案部39は、優先順位1~3の会議室6の候補を優先順位1~3にしたがってリスト化する(S309)。
【0173】
このような処理では、予約者がいる棟及びフロアにある会議室6を検索しやすくすることができる。
【0174】
<<カテゴリにエレベータが含まれる場合>>
次に、アクセスポイントテーブル501と会議室場所テーブル502が表10に示すようにエレベータの項目を有する場合について説明する。
【0175】
図13は、会議室提案部39が会議室6を提案する手順を示すフローチャート図の一例である。図13の説明では主に図12との相違を説明する。まず、ステップS401~S406は図12のステップS301~S306と同様でよい。ただし、ステップS402では場所のカテゴリにエレベータが含まれる。また、ステップS401~S406ではフロアが一致するかどうかが判断されているので、エレベータが一致するかどうかは判断しないでよい。
【0176】
ステップS407では、会議室提案部39は取得した場所(棟、エレベータ)が一致する会議室6があるか否かを判断する(S407)。つまり、棟が同じなら同じエレベータが止まる会議室6を優先する。
【0177】
ステップS407の判断がYesの場合、会議室提案部39は場所(棟、エレベータ)が一致した会議室6を優先順位3の会議室6の候補に決定する(S408)。更に、予約者の現在地5のフロアに近い順に、優先順位3の会議室6の候補をソートするとよい。
【0178】
ステップS409~S411の処理は図12のステップS307~S309の処理と同様でよい。
【0179】
このような処理では、予約者がいる棟及びフロアにある会議室6を検索しやすくすることができる。また、棟及びフロアが一致しない場合は、予約者がいるフロアに止まり、更に会議室6のフロアにも止まるエレベータで移動できる会議室6を検索しやすくなる。
【0180】
<まとめ>
以上説明したように、本実施形態のリソース予約システムは予約者の現在地の近傍の会議室6を提案できる。また、会議管理サーバ30は予約管理サーバ20と連携して、予約情報を取得するので、予約管理サーバ20だけでは困難な、会議室のキャンセル、会議のリマインド等、ユーザが使いやすい仕組みを提供できる。
【0181】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0182】
例えば、本実施形態では無線通信のアクセスポイントに近い会議室を提案しているが、有線で接続されたハブやルータに近い会議室を提案してもよい。
【0183】
なお、会議管理サーバ30は複数、存在してもよいし、会議管理サーバ30の機能が複数のサーバに分散されていてもよい。また、予約管理サーバ20と会議管理サーバ30が一体でもよい。
【0184】
また、以上の実施例で示した図6図7などの構成例は、リソース予約システム100の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。しかし、各処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。リソース予約システム100は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0185】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0186】
MACアドレス取得部69-1は識別情報取得手段の一例であり、サーバ通信部65は第一の送信手段の一例であり、アクセスポイントテーブル501はアクセスポイント場所情報記憶部の一例であり、リソース場所情報記憶部は会議室場所テーブル502の一例であり、受信部31bは受信手段の一例であり、会議室提案部39はリソース取得手段の一例であり、送信部31aは第二の送信手段の一例であり、予約管理サーバ20は第二の情報処理装置の一例であり、表示制御部66は表示処理手段の一例である。
【符号の説明】
【0187】
10 チャットサーバ
20 予約管理サーバ
30 会議管理サーバ
60 端末装置
70 電子機器
90 会議室端末
100 リソース予約システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0188】
【文献】特開2017-091293号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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