(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-28
(45)【発行日】2022-07-06
(54)【発明の名称】開放空間均圧化通路および側方閉じ込めを備えた平坦な基板縁部接触部
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20220629BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20220629BHJP
C23C 16/458 20060101ALI20220629BHJP
C23C 16/505 20060101ALI20220629BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20220629BHJP
【FI】
H01L21/31 F
H01L21/31 C
H01L21/302 101B
H01L21/302 101G
C23C16/458
C23C16/505
H01L21/68 N
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017202502
(22)【出願日】2017-10-19
【審査請求日】2020-10-16
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリック・ブレイリング
(72)【発明者】
【氏名】ラメッシュ・チャンドラセカーラン
(72)【発明者】
【氏名】カール・リーサー
(72)【発明者】
【氏名】ポール・コンコラ
(72)【発明者】
【氏名】アドリエン・ラボワ
(72)【発明者】
【氏名】クロエ・バルダッセローニ
(72)【発明者】
【氏名】シャンカー・スワミナタン
(72)【発明者】
【氏名】イシュタク・カリム
(72)【発明者】
【氏名】崎山 幸紀
(72)【発明者】
【氏名】エドムンド・ミンシャル
(72)【発明者】
【氏名】スン・ジェ・キム
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・デュバル
(72)【発明者】
【氏名】フランク・パスクアーレ
【審査官】佐藤 靖史
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-504925(JP,A)
【文献】特開平07-238380(JP,A)
【文献】特表2001-525997(JP,A)
【文献】特開平11-111707(JP,A)
【文献】特開2016-122837(JP,A)
【文献】特開2006-005274(JP,A)
【文献】国際公開第2009/020024(WO,A1)
【文献】特表2002-526915(JP,A)
【文献】特開2006-005177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/3065
C23C 16/458
C23C 16/505
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムのためのペデスタルであって、
基板対向面、及び、その半径方向外側縁部の周りに環状ノッチを含むペデスタル本体と、
前記基板対向面の上に配置され、基板の半径方向外側縁部を支持するように構成された環状バンドと、
前記ペデスタル本体の前記基板対向面に規定され、前記環状バンドの半径方向内側に配置された空洞であって、前記空洞は、前記基板の底面と前記ペデスタル本体の前記基板対向面との間に空間を形成する、空洞と、
前記ペデスタル本体を貫通して前記空洞と流体連通することで、処理中に前記基板の両面における圧力を均一にする複数のベントであって、前記複数のベントは、各々、
前記ペデスタル本体の半径方向外側から半径方向内向きに伸びる第1ベント部分と、
前記第1ベント部分の半径方向内側端部から前記空洞まで垂直に伸びる第2ベント部分と、を備える、複数のベントと、
前記ペデスタル本体
とは別体として、前記ペデスタル本体上の前記環状ノッチ内に配置されたリングと、
を備え、
前記リングの底面は、前記基板の底面よりも下方にあり、
前記リングの上面は、前記基板の上面よりも下方にあり、
前記リングは、誘電材料で形成されている、ペデスタル。
【請求項2】
請求項1に記載のペデスタルであって、前記環状バンドは、4mm~12mmの範囲の幅を有する、ペデスタル。
【請求項3】
請求項1に記載のペデスタルであって、前記環状バンドは、5mm~9mmの範囲の幅を有する、ペデスタル。
【請求項4】
請求項1に記載のペデスタルであって、前記環状バンドは、6mm~7mmの範囲の幅を有する、ペデスタル。
【請求項5】
請求項1に記載のペデスタルであって、前記環状バンドは、2~32の範囲の表面粗さ(Ra)を有する、ペデスタル。
【請求項6】
請求項5に記載のペデスタルであって、前記表面粗さ(Ra)は、2~24の範囲である、ペデスタル。
【請求項7】
請求項5に記載のペデスタルであって、前記表面粗さ(Ra)は、2~16の範囲である、ペデスタル。
【請求項8】
請求項1に記載のペデスタルであって、前記環状バンドは、導電材料の表面上に形成された誘電体コーティング、コーティングされていない導電材料、コーティングされていない金属、および、コーティングされていない誘電材料からなる群より選択された材料で形成される、ペデスタル。
【請求項9】
基板処理システムのためのペデスタルであって、
基板対向面を含むペデスタル本体と、
前記基板対向面の上に配置され、基板の半径方向外側縁部を支持するように構成された環状バンドと、
前記ペデスタル本体の前記基板対向面に規定され、前記環状バンドの半径方向内側に配置された空洞であって、前記空洞は、前記基板の底面と前記ペデスタル本体の前記基板対向面との間に空間を形成する、空洞と、
前記ペデスタル本体を貫通して前記空洞と流体連通することで、処理中に前記基板の両面における圧力を均一にする複数のベントであって、前記複数のベントは、各々、
前記ペデスタル本体の半径方向外側から半径方向内向きに伸びる第1ベント部分と、
前記第1ベント部分の半径方向内側端部から前記空洞まで垂直に伸びる第2ベント部分と、を備える、複数のベントと、
前記ペデスタル本体
とは別体として、前記ペデスタル本体上の前記基板および前記環状バンドの半径方向外側に配置されたリングと、を備え、
前記リングの上面は、前記基板の上面よりも上方に配置され、
前記リングは、誘電材料で形成されている、ペデスタル。
【請求項10】
請求項9に記載のペデスタルであって、前記誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコンからなる群より選択される、ペデスタル。
【請求項11】
基板処理システムのためのペデスタルであって、
基板対向面を含むペデスタル本体と、
前記基板対向面の上に配置され、基板の半径方向外側縁部を支持するように構成された環状バンドと、
前記ペデスタル本体の前記基板対向面に規定され、前記環状バンドの半径方向内側に配置された空洞であって、前記空洞は、前記基板の底面と前記ペデスタル本体の前記基板対向面との間に空間を形成する、空洞と、
前記ペデスタル本体を貫通して前記空洞と流体連通することで、処理中に前記基板の両面における圧力を均一にする複数のベントであって、前記複数のベントは、各々、
前記ペデスタル本体の半径方向外側から半径方向内向きに伸びる第1ベント部分と、
前記第1ベント部分の半径方向内側端部から前記空洞まで垂直に伸びる第2ベント部分と、を備える、複数のベントと、
前記ペデスタル本体
とは別体として、前記ペデスタル本体の上に配置されたリングであって、前記基板の半径方向内側かつ下方に配置された半径方向内側表面と、前記基板の半径方向外側に配置された半径方向外側表面とを含むリングと、を備え、
前記リングの上面は、前記基板の上面と平行であり、
前記リングは、誘電材料で形成されている、ペデスタル。
【請求項12】
請求項11に記載のペデスタルであって、前記誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコンからなる群より選択される、ペデスタル。
【請求項13】
請求項1に記載のペデスタルであって、前記誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコンからなる群より選択される、ペデスタル。
【請求項14】
請求項1に記載のペデスタルであって、さらに、
前記基板の中央を支持するために前記空洞内に配置された複数のピンを備え、
前記ピンの上面は、処理中に前記環状バンドの上面よりも下方、平行、または、上方のいずれかにある、ペデスタル。
【請求項15】
請求項1に記載のペデスタルであって、さらに、
前記基板の中央を支持するための複数の突起を備え、
前記突起の上面は、前記環状バンドの上面よりも下方、平行、または、上方のいずれかにある、ペデスタル。
【請求項16】
請求項1に記載のペデスタルであって、前記環状バンドは、前記基板が処理中に前記環状バンドと平行になるように、前記半径方向外側縁部に沿った前記基板の裏面を支持するように構成されている、ペデスタル。
【請求項17】
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された請求項1のペデスタルと、
前記処理チャンバ内に配置されたRF発生器と、
を備える、基板処理システム。
【請求項18】
請求項17に記載の基板処理システムであって、さらに、
前記ペデスタル本体から伸張可能な複数の最小接触面積(MCA)ピンと、
前記MCAピンの上面が、前記環状バンドよりも下方、平行、または、上方のいずれかになるように、処理中に前記MCAピンを伸ばすように構成されたコントローラと、
を備える、基板処理システム。
【請求項19】
請求項1に記載のペデスタルであって、さらに、前記空洞内で前記ペデスタル本体から上向きに伸びる複数の突起を備える、ペデスタル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2016年10月28日出願の米国仮出願第62/414,072号の利益を主張する。上記の出願の開示全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、基板処理システムに関し、特に、基板処理システムのためのペデスタルに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供されている背景技術の記載は、本開示の背景を概略的に提示するためのものである。ここに名を挙げられている発明者の業績は、この背景技術に記載された範囲において、出願時に従来技術として通常見なされえない記載の態様と共に、明示的にも黙示的にも本開示に対する従来技術として認められない。
【0004】
半導体ウエハなどの基板上に膜を蒸着、エッチング、または、処理するために、基板処理システムが利用されうる。基板処理システムは、通例、処理チャンバ、ガス分配装置、および、ペデスタルを備える。処理中、基板は、ペデスタルの上に配置される。様々なガス混合物が、膜を処理するために処理チャンバに導入されうる。基板加熱および/または高周波(RF)プラズマも、化学反応を活性化するために利用されうる。
【0005】
典型的には、ペデスタルのキャリアリングが、基板の半径方向外側縁部に沿って狭いバンドで基板と接触する。通例、狭いバンドは、1.0~1.5mmの幅を有する。最小接触面積(MCA)ピンが、基板の中央領域を支持するために用いられる。基板の中央にあるMCAピンは、基板の外縁を支持する狭いバンドよりも基板の中心を高く持ち上げて、基板湾曲条件を作る。換言すると、MCAピンの上面が、狭いバンドによって規定される平面よりも高く持ち上げられる。基板縁部は、接線または線接触でキャリアリングと接触する。これは、搬送中および処理中に基板およびペデスタルの正確なアライメントを必要とする。必要な精度と「現場」での設定の制限とにより、ピンおよびキャリアリングは、通例、基板の裏面への蒸着を十分に阻止できない。基板の裏面縁部との接触量も限られているので、このアプローチは、中心を外れた基板の配置に関しても耐性が低い。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムのためのペデスタルが、基板対向面を含むペデスタル本体を備える。基板対向面の上に配置された環状バンドが、基板の半径方向外側縁部を支持するように構成されている。空洞が、ペデスタル本体の基板対向面に規定され、環状バンドの半径方向内側に配置されている。空洞は、基板の底面とペデスタル本体の基板対向面との間に空間を形成する。複数のベントが、ペデスタル本体を貫通して空洞と流体連通することで、処理中に基板の両面における圧力を均一にする。
【0007】
別の特徴において、バンドは、4mm~12mmの範囲の幅を有する。バンドは、5mm~9mmの範囲の幅を有する。バンドは、6mm~7mmの範囲の幅を有する。バンドは、2~32の範囲の表面粗さ(Ra)を有する。表面粗さ(Ra)は、2~24の範囲である。表面粗さ(Ra)は、2~16の範囲である。
【0008】
別の特徴において、複数のベントは、ペデスタル本体の半径方向外側から半径方向内向きに伸びる第1ベント部分と、第1ベント部分の半径方向内側端部から空洞まで伸びる第2ベント部分と、を備える。
【0009】
別の特徴において、複数のベントは、ペデスタル本体の底部側から空洞に向かって軸方向に伸びる第1ベント部分と、第1ベント部分を空洞に接続する複数の孔を含む第2ベント部分と、を備える。
【0010】
別の特徴において、バンドは、導電材料の表面上に形成された誘電体コーティング、コーティングされていない導電材料、コーティングされていない金属、および、コーティングされていない誘電材料からなる群より選択された材料で形成される。
【0011】
別の特徴において、リングが、基板およびバンドの半径方向外側に配置される。リングの上面は、基板の上面よりも上方に配置される。リングは、誘電材料で形成される。
【0012】
別の特徴において、誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコンからなる群より選択される。リングが、基板の半径方向内側かつ下方に配置された半径方向内側表面と、基板の半径方向外側に配置された半径方向外側表面とを含む。リングの上面は、基板の上面と平行である。リングは、誘電材料で形成される。
【0013】
別の特徴において、誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコンからなる群より選択される。ペデスタル本体は、その半径方向外側縁部の周りに環状ノッチを備える。リングが、環状ノッチ内に配置される。リングの底面は、基板の底面よりも下方にある。リングの上面は、基板の上面よりも下方にある。リングは、誘電材料で形成される。
【0014】
別の特徴において、誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコンからなる群より選択される。
【0015】
別の特徴において、複数のピンが、基板の中央を支持するために空洞内に配置される。ピンの上面は、処理中に環状バンドの上面よりも下方、平行、または、上方のいずれかにある。
【0016】
別の特徴において、複数の突起が、基板の中央を支持する。突起の上面は、環状バンドの上面よりも下方、平行、または、上方のいずれかにある。基板の半径方向外側縁部に沿った基板の裏面は、処理中にバンドと平行である。
【0017】
基板処理システムが、処理チャンバおよびペデスタルを備える。ペデスタルが、処理チャンバ内に配置されている。RF発生器が、処理チャンバ内に配置されている。
【0018】
別の特徴において、複数の最小接触面積(MCA)ピンが、ペデスタル本体から伸びる。MCAピンの上面が、バンドよりも下方、平行、または、上方のいずれかになるように、コントローラが、処理中にMCAピンを伸ばすように構成されている。
【0019】
別の特徴において、複数の突起が、空洞内でペデスタル本体から上向きに伸びている。
【0020】
詳細な説明、特許請求の範囲、および、図面から、本開示を適用可能なさらなる領域が明らかになる。詳細な説明および具体的な例は、単に例示を目的としており、本開示の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示は、詳細な説明および以下に説明する添付図面から、より十分に理解できる。
【0022】
【
図1】本開示に従って、ペデスタルを備えた基板処理システムの一例を示す機能ブロック図。
【0023】
【
図2】本開示に従って、ペデスタルの一例を示す側断面図。
【0024】
【
図3】本開示に従って、ペデスタルの一例を示す斜視図。
【0025】
【
図4】従来技術に従って、狭いバンドについての裏面蒸着の厚さを示すグラフ。
【
図5】本開示に従って、より広いバンドについての裏面蒸着の厚さを示すグラフ。
【0026】
【
図6】本開示に従って、基板の下の空洞への半径方向のベントを備えたペデスタルの一例を示す斜視図。
【0027】
【
図7】本開示に従って、基板の下の空洞への軸方向のベントを備えたペデスタルの一例を示す斜視図。
【0028】
【
図8】本開示に従ったベント有りの場合および従来技術に従ったベント無しの場合の処理中の基板の位置変化のサンプルを示すグラフ。
【0029】
【
図9】本開示に従って、基板の上面の上方に配置された上面を備えたリングの一例を示す斜視図。
【0030】
【
図10】本開示に従って、基板の上面と平行に配置された上面を備えたリングの一例を示す斜視図。
【0031】
【
図11】本開示に従って、基板の上面の下方に配置された上面を備えたリングの一例を示す斜視図。
【0032】
図面において、同様および/または同一の要素を特定するために、同じ符号を用いる場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示に従ったペデスタルは、処理中に基板の半径方向外側縁部を支持する上向きの環状バンドを備える。環状バンドは、上述の狭いバンドに比べてかなり広い幅を有する。基板の裏面に沿った基板の外径が、環状バンドと平行または接線接触するように維持される。
【0034】
ペデスタルの上面が、基板の底面とペデスタルの上面との間に空洞を規定する。空洞は、環状バンドの半径方向内側に配置される。ベントが、処理チャンバの主要処理空間から基板の下の空洞の空間へとガスが流れることを可能にするために提供される。一部の例では、MCAピンが、基板の中央を支持するために用いられる。別の例では、複数の固定突起が、空洞内でペデスタルの上面から伸びて、基板の中央を支持する。
【0035】
誘電材料のリングが、環状バンドの半径方向外側に配置されてよい。リングの半径方向内側部分は、基板の外径の半径方向内側に、外径に隣接して、または、外径の半径方向外側に配置されてよい。リングの上面は、基板の上面の上方に、上面と平行に、または、上面の下方に配置されてよい。
【0036】
本開示に従ったペデスタルの環状バンドは、基板の裏面の縁部においてより幅広い接触面積を提供し、これは、基板位置公差を増大させる。ベントは、空洞内の空間と主要処理空間との間の均圧化を提供する。ベントは、ペデスタルの外径に向かって半径方向に方向付けられてもよいし、ペデスタルの底部から軸方向に方向付けられてもよい。ベントの数およびベント通路のサイズは、特定の処理で用いられる処理圧力およびガス流量に応じて様々である。
【0037】
環状バンドの幅は、基板上に膜を蒸着するために用いられる処理温度および化学物質に応じて様々である。リングの幾何形状および位置は、蒸着される特定の膜のための処理変数を調整するために、基板直径およびペデスタルに対して様々である。リングの厚さ、体積、および、形状は、蒸着される特定の膜のための処理変数に応じて変更されてよい。
【0038】
ここで、
図1を参照すると、本明細書に記載の蒸着を実行するための基板処理システムの一例が示さている。基板処理システムの具体的な例が示されているが、他の基板処理システムが用いられてもよい。一部の例において、基板処理システムは、膜のプラズマ強化(PE:plasma enhanced)蒸着を実行する。一部の例において、基板処理システムは、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)またはプラズマ強化原子層蒸着(PEALD)を実行するが、その他の処理が用いられてもよい。
【0039】
基板処理システム10は、基板処理システム10の他の構成要素を収容すると共に(特定の基板処理に用いられる場合に)RFプラズマを閉じ込める処理チャンバ12を備える。基板処理システム10は、シャワーヘッド14およびペデスタルアセンブリ16を備える。基板18が、ペデスタルアセンブリ16上に配置される。シャワーヘッド14は、処理ガスを導入して分配する。
【0040】
プラズマが用いられる場合、プラズマは、直接プラズマまたは遠隔プラズマでありうる。この例では、RF発生システム30が、RF電圧を生成して、シャワーヘッド14またはペデスタルアセンブリ16のいずれかに出力する(他方は、DC接地、AC接地されるか、または、浮遊する)。単に例として、RF発生システム30は、整合回路網34によってシャワーヘッド14またはペデスタルアセンブリ16に供給されるRF電圧を生成するRF電圧発生器32を備えてよい。あるいは、プラズマは、遠隔プラズマ源36によって供給されてもよい。
【0041】
ガス供給システム40は、1または複数のガス源42-1、42-2、・・・、および、42-N(集合的に、ガス源42)を備えており、ここで、Nはゼロより大きい整数である。ガス源42は、1または複数のエッチングガス混合物、前駆体ガス混合物、洗浄ガス混合物、アッシングガス混合物などを処理チャンバ12へ供給する。気化した前駆体が用いられてもよい。ガス源42は、バルブ44-1、44-2、・・・、および、44-N(集合的に、バルブ44)ならびにマスフローコントローラ46-1、46-2、・・・、および、46-N(集合的に、マスフローコントローラ46)によってマニホルド48に接続されている。マニホルド48の出力は、処理チャンバ12に供給される。単に例として、マニホルド48の出力は、シャワーヘッド14に供給される。
【0042】
ヒータ50が、ペデスタルアセンブリ16内に配置されたヒータコイル(図示せず)に接続されてよい。ヒータ50は、ペデスタルアセンブリ16および基板18の温度を制御するために用いられてよい。バルブ60およびポンプ62が、処理チャンバ12から反応物質を排出するために用いられてよい。コントローラ70が、基板処理システム10の構成要素を制御するために用いられてよい。単に例として、コントローラ70は、処理ガスの流量、処理パラメータ(温度、圧力、電力など)の監視、プラズマの点火および消火、反応物質の除去などを制御するために用いられてよい。
【0043】
一部の例において、最小接触面積(MCA)ピン71が、処理中に基板18の中央領域を支持するために用いられる。用いられる場合、コントローラ70は、MCAピン71を作動させるために用いられてもよい。一部の例では、MCAピン71の上面が、環状バンドの上面の下方に、上面と平行に、または、上面の上方になる高さに配置されて、基板と環状バンドとの間に平行接触を提供する。一部の例において、MCAピン71は、サファイアで製造されるが、その他の材料が用いられてもよい。MCAピンは、基板(ウエハ)と環状リング(シールバンド)との間の接触力を変えるために、高さが環状バンドの上方、平行、または、下方になるように設定されうる。より高い接触力は、基板と環状リングとの間のギャップを減少させることによって基板への裏面蒸着の低減を保証しうる。MCAピンが環状リングの上方および下方でどれだけ離れているかに関しては両方に制限がある;両方の方向で、離れすぎると、基板とリングとの間の接触力が低減することにより、ギャップが増大する。
【0044】
ここで、
図2~
図3を参照すると、ペデスタルアセンブリ16は、基板18を支持するペデスタル本体110を備える。空洞118が、基板18とペデスタル本体110の上面119との間に規定されてよい。一部の例において、空洞118は、円筒形状を有する。環状バンド122が、空洞118の半径方向外側に配置されている。一部の例において、環状バンド122は平面であり、半径方向内側縁部126および半径方向外側縁部128を備える。基板18の外径は、処理中に環状バンド122と平行または接線接触に維持される。リング132が、ペデスタル本体110の上で基板18の略半径方向外側に配置される。
【0045】
一部の例において、環状バンド122は、2~32の表面粗さRaを有する。一部の例において、環状バンド122は、2~24の表面粗さRaを有する。一部の例において、環状バンド122は、2~16の表面粗さRaを有する。一部の例において、環状バンド122は、2~8の表面粗さRaを有する。
【0046】
環状バンド122の半径方向の幅は、基板縁部が基板の配置に関わらず接触したままになることを保証するのに十分な幅に選択される。一部の例において、環状バンド122は、4mm~12mmの範囲の半径方向の幅を有する。一部の例において、環状バンド122は、5mm~9mmの範囲の半径方向の幅を有する。一部の例において、環状バンド122は、6mm~7mmの範囲の半径方向の幅を有する。
【0047】
環状バンド122を形成する材料は、導電材料の表面上に誘電体コーティングを形成したもの、コーティングされていない導電材料または金属、もしくは、コーティングされていない誘電材料を含みうる。環状バンド122に用いられる材料は、膜を蒸着するために用いられる処理化学物質と化学的に相互作用しないように選択されてよい。さらなる選択基準は、インピーダンスおよびプラズマ相互作用を含む。一部の例において、環状バンド122に用いられる材料は、いくつかの処理化学物質との特異的相互作用を提供するように選択されてもよい。
【0048】
ここで、
図4~
図5を参照すると、裏面蒸着への環状バンド122の幅の影響が示されている。図からわかるように、環状バンド122が上述のように狭い幅を有する場合、裏面蒸着は、
図4に示すように生じる傾向がある。本明細書に開示するように、環状バンド122がより広い幅を有する場合、裏面蒸着は、
図5に示すように低減または排除される。
【0049】
ここで、
図6~
図7を参照すると、空洞118内の空間をベントして、主要処理空間との均圧化を提供するためのいくつかの異なる変形例が示されている。ベントは、基板18の両面の間の均圧化を提供して、環状バンド122上の基板18の移動を低減する。移動の低減は、蒸着均一性を改善すると共に裏面蒸着を防ぐ傾向がある。
【0050】
例えば、
図6において、ペデスタル本体110は、複数のベント150-1、150-2、150-3、・・・150-V(集合的に、ベント150)を備える(ここで、Vは、1以上の整数)。理解できる通り、ベントの数は、適切な動的均圧化を提供するために必要に応じて調整されてよい。ベント150は、主要処理空間と、基板18の下の空洞118内の空間との間の流体連通を提供する。この例において、ベント150は、半径方向に伸び、ペデスタル本体110の半径方向外側の面に配置された開口部154-1を備える第1ベント部分152-1を備える。第2ベント部分156-1が、第1ベント部分152-1の半径方向内側端部158-1から空洞118内のペデスタル本体110の上面まで軸方向に伸びる。第1ベント部分152-1および第2ベント部分156-1は、(空洞118内の)基板の下の空間と、処理が行われる主要処理空間との間の流体連通のための通路を提供する。換言すると、処理チャンバの主要空間が基板18の上面を含み、ベント150が基板18の下の空洞118の空間内の均圧化を提供するので、均圧化が起こり、基板の移動が防止される。
【0051】
基板18の下の空洞118の高さは、所定の制限の範囲内で基板18を移動させるのに十分な大きさの基板18への上向きの圧力を発生することなしに、空洞118の内外へのガスの交換を可能にするように選択される。一部の例において、空洞118は、0.004インチ~0.010インチの範囲の深さを有する。一部の例において、空洞は、0.004インチ~0.008インチの範囲の深さを有する。複数のMCAピン161が、基板18の中央を支持して持ち上げるために用いられてよい。一部の例において、MCAピン161は、MCAピン161の上面が環状バンド122の上面と平行になる高さに移動される。一部の例において、MCAピン161は、MCAピン161の上面が環状バンド122の上面よりも高くなる高さに移動される。一部の例において、MCAピン161は、3個または6個のMCピンを含んでよいが、他の数のMCAピンが用いられてもよい。
【0052】
図7に、ベント配置の別の例が示されている。複数のベント200-1および200-2(集合的にベント200)が、主要処理空間から基板18の下に配置された空洞118へ流体をベントするために、軸方向に配置されている。図からわかるように、2つのベントが示されているが、さらなるベントが、ペデスタル110の周囲に離間して放射配列で配置されてもよい。一部の例において、ベント200-1は、ペデスタル本体110の底面からペデスタル本体110の1または複数の層を通して空洞118内のペデスタルの上面へ(または、それに近いが離れた位置へ)伸びる第1ベント部分210-1を備える。第2ベント部分210-2が、任意選択的に、第1ベント部分210-1を空洞118へ接続する。一部の例において、第2ベント部分210-2の各々は、第1ベント部分210-1および空洞118とそれぞれ流体連通する両端を有する複数の離間した貫通孔220を備える。
【0053】
一部の例において、第1ベント部分210-1は、0.2インチ~0.8インチの範囲の直径を有する。一部の例において、第1ベント部分210-1は、0.3インチ~0.5インチの範囲の直径を有する。一部の例において、複数の離間した貫通孔220は、第1ベント部分210-1よりもおよそ一桁小さい。一部の例において、複数の離間した貫通孔220は、0.01インチ~0.08インチの範囲の直径を有する。一部の例において、複数の離間した貫通孔220は、0.01インチ~0.03インチの範囲の直径を有する。
【0054】
ここで、
図8を参照すると、複数の基板がプロセスに送られ、処理された後に、取り出されている。基板は、まず(0,0)付近に供給され、処理後にロボットアームによってピックアップされる。理解できる通り、ロボットアームのピックアップ位置は、処理中に基板がどれだけ移動したかを示す。ペデスタル本体がベントされない場合、基板は、主要処理空間と空洞118内の空間との間の圧力差により、ペデスタル本体の上面で移動する傾向がある。対照的に、ベントが利用された場合、基板はあまり移動しない。基板がリングに対して移動するにつれて、局所的な蒸着の差が発生しうる。基板18の移動が低減されると、蒸着のばらつきが小さくなる。
【0055】
ここで、
図9~
図11を参照すると、リング132の様々な配置例が示されている。リング132は、略環状の形状を有し、誘電材料で製造されてよい。一部の例において、誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化
シリコンから選択される。
図9において、リング132-1は、基板の外径(OD)および環状バンド122の半径方向外側に配置されている。リング132-1は、ペデスタル本体110のノッチ315内に受け入れられる下側部分313を備える。リング132-1は、さらに、上側部分317を備える。一部の例において、リング132-1の上側部分
317は、下側部分313と比べて半径方向の厚さが大きい。リング132-1は、環状バンド122の外側縁部128および基板18の半径方向外側縁部の半径方向外側に離間した半径方向内側表面300-1を備える。リング132-1の上面310-1は、基板18の上面の上方に、上面と平行に、または、上面の下方に配置されてよい。
【0056】
図10において、リング132-2は、基板18の半径方向外側縁部の下に少なくとも一部が存在する第1環状ノッチ330を備える。第1環状ノッチ330は、基板18の外径の半径方向内側かつ環状バンド122の半径方向外側に配置されている。リング132-2は、さらに、基板18の半径方向外側縁部の半径方向内側に離間した半径方向最内表面334を備える。リング132-2の半径方向内側の上面332が、基板18の半径方向外側縁部を収容するための段差を提供する。リング132-2の上面310-2は、基板18の上面の下方に、上面の上方に、または、上面と平行に配置される。一部の例において、上面310-2は、基板18の上面を含む平面と平行な平面内にある。
【0057】
図11において、ペデスタル本体110は、ペデスタル本体110の半径方向外側縁部の周りに配置された環状凹部340を備える。リング132-3は、環状の形状を有しており、環状凹部340の軸方向高さd1よりも大きい軸方向高さd2を有する下側部分342を備える。リング132-3の上面350は、基板18の上面と平行な平面内もしくは距離d3だけ基板18の上面の上方または下方にある平面内に配置される。
【0058】
リング132は、基板18の縁部に隣接した位置のイオン化率および電子密度を変更する。リング132は、この領域における望ましくないプラズマ不連続の発生を低減する。また、リング132は、ペデスタル本体110上での基板18の移動を物理的に抑制する。リング132は、或るガス種、バンド、および/または、ベントを用いた場合に基板18の縁部で発生しうるプラズモイドを減少させる。基板18の外径でのリング132の近接は、基板の縁部付近の電子密度およびイオン化率を減少させうる。
【0060】
上述の記載は、本質的に例示に過ぎず、本開示、応用例、または、利用法を限定する意図はない。本開示の広範な教示は、様々な形態で実施されうる。したがって、本開示には特定の例が含まれるが、図面、明細書、および、以下の特許請求の範囲を研究すれば他の変形例が明らかになるため、本開示の真の範囲は、それらの例には限定されない。方法に含まれる1または複数の工程が、本開示の原理を改変することなく、異なる順序で(または同時に)実行されてもよいことを理解されたい。さらに、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして記載されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載された特徴の内の任意の1または複数の特徴を、他の実施形態のいずれかに実装することができる、および/または、組み合わせが明確に記載されていないとしても、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができる。換言すると、上述の実施形態は互いに排他的ではなく、1または複数の実施形態を互いに置き換えることは本開示の範囲内にある。
【0061】
要素の間(例えば、モジュールの間、回路要素の間、半導体層の間)の空間的関係および機能的関係性が、「接続される」、「係合される」、「結合される」、「隣接する」、「近接する」、「の上部に」、「上方に」、「下方に」、および、「配置される」など、様々な用語を用いて記載されている。第1および第2要素の間の関係性を本開示で記載する時に、「直接」であると明確に記載されていない限り、その関係性は、他に介在する要素が第1および第2の要素の間に存在しない直接的な関係性でありうるが、1または複数の介在する要素が第1および第2の要素の間に(空間的または機能的に)存在する間接的な関係性でもありうる。本明細書で用いられているように、「A、B、および、Cの少なくとも1つ」という表現は、非排他的な論理和ORを用いて、論理(AまたはBまたはC)を意味すると解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、および、Cの少なくとも1つ」という意味であると解釈されるべきではない。
【0062】
いくつかの実施例において、コントローラは、システムの一部であり、システムは、上述の例の一部であってよい。かかるシステムは、1または複数の処理ツール、1または複数のチャンバ、処理のための1または複数のプラットフォーム、および/または、特定の処理構成要素(基板ペデスタル、ガスフローシステムなど)など、半導体処理装置を備えうる。これらのシステムは、半導体基板または基板の処理前、処理中、および、処理後に、システムの動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。電子機器は、「コントローラ」と呼ばれてもよく、システムの様々な構成要素または副部品を制御しうる。コントローラは、処理要件および/またはシステムのタイプに応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器設定、RF整合回路設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置および動作設定、ならびに、ツールおよび他の移動ツールおよび/または特定のシステムと接続または結合されたロードロックの内外への基板移動など、本明細書に開示の処理のいずれを制御するようプログラムされてもよい。
【0063】
概して、コントローラは、命令を受信する、命令を発行する、動作を制御する、洗浄動作を可能にする、エンドポイント測定を可能にすることなどを行う様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェアの形態のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1または複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含みうる。プログラム命令は、様々な個々の設定(またはプログラムファイル)の形態でコントローラに伝えられて、半導体基板に対するまたは半導体基板のための特定の処理を実行するための動作パラメータ、もしくは、システムへの動作パラメータを定義する。動作パラメータは、いくつかの実施形態において、基板の1または複数の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ダイの加工中に1または複数の処理工程を達成するために処理エンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0064】
コントローラは、いくつかの実施例において、システムと一体化されるか、システムに接続されるか、その他の方法でシステムとネットワーク化されるか、もしくは、それらの組み合わせでシステムに結合されたコンピュータの一部であってもよいし、かかるコンピュータに接続されてもよい。例えば、コントローラは、「クラウド」内にあってもよいし、基板処理のリモートアクセスを可能にできるファブホストコンピュータシステムの全部または一部であってもよい。コンピュータは、現在の処理のパラメータを変更する、現在の処理に従って処理工程を設定する、または、新たな処理を開始するために、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の現在の進捗を監視する、過去の製造動作の履歴を調べる、もしくは、複数の製造動作からの傾向または性能指標を調べうる。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)が、ネットワーク(ローカルネットワークまたはインターネットを含みうる)を介してシステムに処理レシピを提供してよい。リモートコンピュータは、パラメータおよび/または設定の入力またはプログラミングを可能にするユーザインターフェースを備えてよく、パラメータおよび/または設定は、リモートコンピュータからシステムに通信される。いくつかの例において、コントローラは、データの形式で命令を受信し、命令は、1または複数の動作中に実行される処理工程の各々のためのパラメータを指定する。パラメータは、実行される処理のタイプならびにコントローラがインターフェース接続するまたは制御するよう構成されたツールのタイプに固有であってよいことを理解されたい。したがって、上述のように、コントローラは、ネットワーク化されて共通の目的(本明細書に記載の処理および制御など)に向けて動作する1または複数の別個のコントローラを備えることなどによって分散されてよい。かかる目的のための分散コントローラの一例は、チャンバでの処理を制御するために協働するリモートに配置された(プラットフォームレベルにある、または、リモートコンピュータの一部として配置されるなど)1または複数の集積回路と通信するチャンバ上の1または複数の集積回路である。
【0065】
限定はしないが、システムの例は、プラズマエッチングチャンバまたはモジュール、蒸着チャンバまたはモジュール、スピンリンスチャンバまたはモジュール、金属メッキチャンバまたはモジュール、洗浄チャンバまたはモジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはモジュール、原子層蒸着(ALD)チャンバまたはモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはモジュール、イオン注入チャンバまたはモジュール、トラックチャンバまたはモジュール、ならびに、半導体基板の加工および/または製造に関連するかまたは利用されうる任意のその他の半導体処理システムを含みうる。
【0066】
上述のように、ツールによって実行される1または複数の処理工程に応じて、コントローラは、他のツール回路またはモジュール、他のツール構成要素、クラスタツール、他のツールインターフェース、隣接するツール、近くのツール、工場の至る所に配置されるツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、もしくは、半導体製造工場内のツール位置および/またはロードポートに向かってまたはそこから基板のコンテナを運ぶ材料輸送に用いられるツール、の内の1または複数と通信してもよい。
本発明は、以下の適用例としても実現可能である。
<適用例1>
基板処理システムのためのペデスタルであって、
基板対向面を含むペデスタル本体と、
前記基板対向面の上に配置され、前記基板の半径方向外側縁部を支持するように構成された環状バンドと、
前記ペデスタル本体の前記基板対向面に規定され、前記環状バンドの半径方向内側に配置された空洞であって、前記空洞は、前記基板の底面と前記ペデスタル本体の前記基板対向面との間に空間を形成する、空洞と、
前記ペデスタル本体を貫通して前記空洞と流体連通することで、処理中に前記基板の両面における圧力を均一にする複数のベントと、
を備える、ペデスタル。
<適用例2>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記バンドは、4mm~12mmの範囲の幅を有する、ペデスタル。
<適用例3>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記バンドは、5mm~9mmの範囲の幅を有する、ペデスタル。
<適用例4>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記バンドは、6mm~7mmの範囲の幅を有する、ペデスタル。
<適用例5>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記バンドは、2~32の範囲の表面粗さ(Ra)を有する、ペデスタル。
<適用例6>
適用例5に記載のペデスタルであって、前記表面粗さ(Ra)は、2~24の範囲である、ペデスタル。
<適用例7>
適用例5に記載のペデスタルであって、前記表面粗さ(Ra)は、2~16の範囲である、ペデスタル。
<適用例8>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記複数のベントは、
前記ペデスタル本体の半径方向外側から半径方向内向きに伸びる第1ベント部分と、
前記第1ベント部分の半径方向内側端部から前記空洞まで伸びる第2ベント部分と、
を備える、ペデスタル。
<適用例9>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記複数のベントは、
前記ペデスタル本体の底部側から前記空洞に向かって軸方向に伸びる第1ベント部分と、
前記第1ベント部分を前記空洞に接続する複数の孔を含む第2ベント部分と、
を備える、ペデスタル。
<適用例10>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記バンドは、導電材料の表面上に形成された誘電体コーティング、コーティングされていない導電材料、コーティングされていない金属、および、コーティングされていない誘電材料からなる群より選択された材料で形成される、ペデスタル。
<適用例11>
適用例1に記載のペデスタルであって、さらに、
前記基板および前記バンドの半径方向外側に配置されたリングを備え、
前記リングの上面は、前記基板の上面よりも上方に配置され、
前記リングは、誘電材料で形成されている、ペデスタル。
<適用例12>
適用例11に記載のペデスタルであって、前記誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコーンからなる群より選択される、ペデスタル。
<適用例13>
適用例1に記載のペデスタルであって、さらに、
前記基板の半径方向内側かつ下方に配置された半径方向内側表面と、前記基板の半径方向外側に配置された半径方向外側表面とを含むリングを備え、
前記リングの上面は、前記基板の上面と平行であり、
前記リングは、誘電材料で形成されている、ペデスタル。
<適用例14>
適用例13に記載のペデスタルであって、前記誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコーンからなる群より選択される、ペデスタル。
<適用例15>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記ペデスタル本体は、その半径方向外側縁部の周りに環状ノッチを備え、前記ペデスタルは、さらに、
前記環状ノッチ内に配置されたリングを備え、
前記リングの底面は、前記基板の底面よりも下方にあり、
前記リングの上面は、前記基板の上面よりも下方にあり、
前記リングは、誘電材料で形成されている、ペデスタル。
<適用例16>
適用例15に記載のペデスタルであって、前記誘電材料は、アルミナ、窒化アルミニウム、サファイア、石英、および、酸化シリコーンからなる群より選択される、ペデスタル。
<適用例17>
適用例1に記載のペデスタルであって、さらに、
前記基板の中央を支持するために前記空洞内に配置された複数のピンを備え、
前記ピンの上面は、処理中に前記環状バンドの上面よりも下方、平行、または、上方のいずれかにある、ペデスタル。
<適用例18>
適用例1に記載のペデスタルであって、さらに、
前記基板の中央を支持するための複数の突起を備え、
前記突起の上面は、前記環状バンドの上面よりも下方、平行、または、上方のいずれかにある、ペデスタル。
<適用例19>
適用例1に記載のペデスタルであって、前記基板の前記半径方向外側縁部に沿った前記基板の裏面は、処理中に前記バンドと平行である、ペデスタル。
<適用例20>
基板処理システムであって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバ内に配置された適用例1のペデスタルと、
前記処理チャンバ内に配置されたRF発生器と、
を備える、基板処理システム。
<適用例21>
適用例20に記載の基板処理システムであって、さらに、
前記ペデスタル本体から伸張可能な複数の最小接触面積(MCA)ピンと、
前記MCAピンの上面が、前記バンドよりも下方、平行、または、上方のいずれかになるように、処理中に前記MCAピンを伸ばすように構成されたコントローラと、
を備える、基板処理システム。
<適用例22>
適用例1に記載の基板処理システムであって、さらに、前記空洞内で前記ペデスタル本体から上向きに伸びる複数の突起を備える、基板処理システム。