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特許7097163ゲームシステム、ゲーム提供方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-06-29
(45)【発行日】2022-07-07
(54)【発明の名称】ゲームシステム、ゲーム提供方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/63 20140101AFI20220630BHJP
   A63F 13/795 20140101ALI20220630BHJP
   A63F 13/822 20140101ALI20220630BHJP
   A63F 13/47 20140101ALI20220630BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20220630BHJP
【FI】
A63F13/63
A63F13/795
A63F13/822
A63F13/47
A63F13/35
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2017180726
(22)【出願日】2017-09-20
(65)【公開番号】P2019054986
(43)【公開日】2019-04-11
【審査請求日】2020-07-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】八坂 亮
【審査官】石原 豊
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-236816(JP,A)
【文献】特開2007-260355(JP,A)
【文献】特開2002-056409(JP,A)
【文献】新規プレイヤーはこう遊べ!,ファミ通App[online],2013年08月19日,https://app.famitsu.com/20130819_210653/,特に本文を参照。[検索日2022年3月11日]
【文献】資源の略奪II タウンホールのレベル差による補正,ファミ通App[online],2013年07月10日,https://app.famitsu.com/20130710_192298/,特に本文を参照。[検索日2022年3月11日]
【文献】とびだせ どうぶつの森 ザ・コンプリートガイド ,第4版,株式会社アスキー・メディアワークス ,2013年02月06日,第1-254ページ,特に第10,21-31,48-49,65,145,208ページを参照。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マップを用いてゲームを進行させるプログラムであって、
所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング制御手段、
記憶手段にプレーヤ毎に記憶された固有マップのデータを固有マップデータとして取得する取得手段、
前記取得された固有マップデータに基づいて、前記マッチングされた各プレーヤの固有マップを用いて前記ゲームに用いるゲームマップを生成するマップ生成手段、及び、
前記生成されたゲームマップに基づいて、前記プレーヤにおける所与のゲームを進行させるゲーム制御手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングの状況として当該マッチングの際のプレーヤのプレーヤ情報に基づいて、前記ゲームマップに用いた固有マップを示す各固有マップに関するマップパラメータの種別を変更することを特徴とするプログラム。
【請求項2】
マップを用いてゲームを進行させるプログラムであって、
所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング制御手段、
記憶手段にプレーヤ毎に記憶された固有マップのデータを固有マップデータとして取得する取得手段、
前記取得された固有マップデータに基づいて、前記マッチングされた各プレーヤの固有マップを用いて前記ゲームに用いるゲームマップを生成するマップ生成手段、及び、
前記生成されたゲームマップに基づいて、前記プレーヤにおける所与のゲームを進行させるゲーム制御手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記生成されたゲームマップに基づいた前記所与のゲームの実行中に、所与の条件を具備した場合には、前記マッチングされたプレーヤの双方の固有マップに形成されていな
いマップ上のエリアを新規に追加することを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプログラムにおいて、
前記ゲーム制御手段が、
前記生成されたゲームマップを用いて前記マッチングされた各プレーヤにおける所与のゲームを進行させ、
所与の終了条件を具備した場合に前記マッチングを解消させて前記生成されたゲームマップに基づく所与のゲームを終了させる、プログラム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングされたプレーヤの固有マップに基づいて、前記所与のゲームが提供されるプレーヤの固有マップに関する第1のマップパラメータ、及び、当該プレーヤが前記ゲームマップを用いて前記所与のゲームを実行するために設定される第2のマップパラメータの少なくともいずれか一方のパラメータの設定又は変更を実行し、
前記ゲーム制御手段が、
前記設定又は変更されたマップパラメータに基づいて、前記所与のゲーム又は該当するプレーヤの固有マップを用いたゲームを進行させる、プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムにおいて、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングされた第1のプレーヤの固有マップに基づいて、前記第1のプレーヤとは異なる第2のプレーヤの第1のマップパラメータ、及び、当該第2のプレーヤの第2のマップパラメータの少なくともいずれか一方のパラメータの設定又は変更を実行する、プログラム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記ゲーム制御手段が、
前記生成されたゲームマップに基づいた前記所与のゲームの実行中に、所与の条件を具備した場合には、前記ゲームマップ上に探索可能な探索エリアを追加する、プログラム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記ゲームの実行中に、当該ゲームに用いられるオブジェクト及び当該ゲームで実行されるイベントの少なくとも2以上の選択肢群の中から、前記所与のゲームにおけるゲーム状況に応じて、少なくとも1の選択肢を選択する選択処理を実行する選択処理手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記ゲームマップに用いられた固有マップに設定されているパラメータに応じて、前記選択処理に用いる前記選択肢群を決定し、
前記選択処理によって選択された前記オブジェクトを提供し、又は、当該選択処理によって選択された前記イベントを実行する、プログラム。
【請求項8】
請求項7に記載のプログラムにおいて、
前記選択処理手段が、
前記プレーヤの状況、前記固有マップに設定されたパラメータ、及び、前記所与のゲームのプレー環境を規定するマップパラメータの中から、少なくとも1の要素に基づいて、当該ゲームに用いられる少なくとも2以上の選択肢の中から選択されるべき選択肢の当選確率を変更し、
前記変更した当選確率に基づいて、少なくとも1の選択肢を選択する選択処理を実行
する、プログラム。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記プレーヤの操作に基づいて、前記固有マップのマップパラメータを設定する設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記設定されたマップパラメータに基づいて所与のゲーム又は前記固有マップに基づくゲームを進行させる、プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記設定されたマップパラメータに基づいて、前記固有マップ又は前記ゲームマップによって形成されるゲーム空間に登場する所与のオブジェクトを制御するオブジェクト制御手段として更に前記コンピュータを機能させる、プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムにおいて、
前記所与のオブジェクトが、前記固有マップ又は前記ゲームマップによって形成されるゲーム空間内に配置されるオブジェクトである、プログラム。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記ゲーム制御手段が、
前記マッチングされたタイミング又は前記所与のゲームの実施タイミングが予め定められたタイミングである場合には、前記所与のゲームの実行中に当該タイミングに適した所与のイベントを実行する、プログラム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングが実行された場合には、当該マッチングによって生成されるゲームマップに用いた前記固有マップに関するマップパラメータにおける、既に設定されている種別及び値の少なくともいずれか一方を変更する、プログラム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のプログラムにおいて、
前記プレーヤのゲームのプレー状況に応じて、所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせる、プログラム。
【請求項15】
マップを用いてゲームを進行させるゲームシステムであって、
所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング制御手段と、
記憶手段にプレーヤ毎に記憶された固有マップのデータを固有マップデータとして取得する取得手段と、
前記取得された固有マップデータに基づいて、前記マッチングされた各プレーヤの固有マップを用いて前記ゲームに用いるゲームマップを生成するマップ生成手段と、
前記生成されたゲームマップに基づいて、前記プレーヤにおける所与のゲームを進行させるゲーム制御手段と、
を備え、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングの状況として当該マッチングの際のプレーヤのプレーヤ情報に基づいて、前記ゲームマップに用いた固有マップを示す各固有マップに関するマップパラメータの種別を変更することを特徴とするゲームシステム。
【請求項16】
マップを用いてゲームを進行させるゲームシステムであって、
所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング制御手段と、
記憶手段にプレーヤ毎に記憶された固有マップのデータを固有マップデータとして取得する取得手段と、
前記取得された固有マップデータに基づいて、前記マッチングされた各プレーヤの固有マップを用いて前記ゲームに用いるゲームマップを生成するマップ生成手段と、
前記生成されたゲームマップに基づいて、前記プレーヤにおける所与のゲームを進行させるゲーム制御手段と、
を備え、
前記ゲーム制御手段が、
前記生成されたゲームマップに基づいた前記所与のゲームの実行中に、所与の条件を具備した場合には、前記マッチングされたプレーヤの双方の固有マップに形成されていないマップ上のエリアを新規に追加することを特徴とするゲームシステム。
【請求項17】
マップを用いてゲームを進行させるサーバ装置から、当該ゲームをプレーするプレーヤの端末装置に、ゲームに関する情報を提供するためのゲーム提供方法であって、
前記サーバ装置が、
所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング制御手段と、
記憶手段にプレーヤ毎に記憶された固有マップのデータを固有マップデータとして取得する取得手段と、
前記取得された固有マップデータに基づいて、前記マッチングされた各プレーヤの固有マップを用いて前記ゲームに用いるゲームマップを生成するマップ生成手段と、
前記生成されたゲームマップに基づいて、前記プレーヤにおける所与のゲームを進行させるゲーム制御手段と、
を備え、かつ、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングの状況として当該マッチングの際のプレーヤのプレーヤ情報に基づいて、前記ゲームマップに用いた固有マップを示す各固有マップに関するマップパラメータの種別を変更する、
場合において、
前記プレーヤの操作を受け付けて当該受け付けたプレーヤの操作に関する情報をサーバ装置に送信し、
前記ゲームに関する処理を実行するサーバ装置からゲームに関する情報を受信する、
ことを特徴とするゲーム提供方法。
【請求項18】
マップを用いてゲームを進行させるサーバ装置から、当該ゲームをプレーするプレーヤの端末装置に、ゲームに関する情報を提供するためのゲーム提供方法であって、
前記サーバ装置が、
所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング制御手段と、
記憶手段にプレーヤ毎に記憶された固有マップのデータを固有マップデータとして取得する取得手段と、
前記取得された固有マップデータに基づいて、前記マッチングされた各プレーヤの固有マップを用いて前記ゲームに用いるゲームマップを生成するマップ生成手段と、
前記生成されたゲームマップに基づいて、前記プレーヤにおける所与のゲームを進行させるゲーム制御手段と、
を備え、かつ、
前記ゲーム制御手段が、
前記生成されたゲームマップに基づいた前記所与のゲームの実行中に、所与の条件を
具備した場合には、前記マッチングされたプレーヤの双方の固有マップに形成されていないマップ上のエリアを新規に追加する、
場合において、
前記プレーヤの操作を受け付けて当該受け付けたプレーヤの操作に関する情報をサーバ装置に送信し、
前記ゲームに関する処理を実行するサーバ装置からゲームに関する情報を受信する、
ことを特徴とするゲーム提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びプログラムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、対戦ゲームやロールプレイングゲームなどのゲームにおいては、予め用意されたマップに沿ってプレーヤが選択したキャラクタを操作させてゲームを進行させるようになっており、どのようなマップを用意してその世界観を創り出すかがゲームを提供する上で重要な要素の1つなっている。
【0003】
また、最近では、複数のユーザによって、ゲームに用いるマップを生成し、当該生成したマップに基づいてゲームを進行させるものも知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4470296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のゲームシステムであっては、生成されたマップによってゲームを進めることになり、ゲーム中のマップの変更はないので、当該ゲームの世界観に変化を与えて当該変化による意外性を提供することができずに、長期に渡ってゲームの興趣性を維持させることが難しい。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ゲームの世界観に変化を与え、かつ、当該変化の意外性をゲームに組み込むことによって、長期に渡ってゲームの興趣性を維持させること、及び、その結果、魅力的なゲームを提供することが可能なゲームシステム又はプログラムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本発明は、
マップを用いてゲームを進行させるプログラムであって、
所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング制御手段
記憶手段にプレーヤ毎に記憶された固有マップのデータを固有マップデータとして取得する取得手段、
前記取得された固有マップデータに基づいて、前記マッチングされた各プレーヤの固有マップを用いて前記ゲームに用いるゲームマップを生成するマップ生成手段、及び、
前記生成されたゲームマップに基づいて、前記マッチングされたプレーヤにおける所与のゲームを進行させるゲーム制御手段
としてコンピュータを機能させる構成を有している。
【0008】
この構成により、本発明は、例えば、プレーヤ固有のゲームに用いられる固有のマップなど固有マップを用いることによって、マッチングする毎にゲームを実行するゲームマップを変化させることができるので、ゲーム環境や発生するイベントに変化を与えることができるとともに、その結果、ゲームの世界観を創り出す重要な要素の1つであるゲームマップを無数に変化させて提供することができる。
【0009】
特に、本発明は、マッチングされるプレーヤが異なればゲームマップを変化させることができるとともに、ゲームマップが変化すれば、プレーヤキャラクタが移動するゲーム空間を変化させることができるので、ゲームの世界観に変化を加えることができる。
【0010】
したがって、本発明は、ゲームを継続的に実行したとしても、マッチングを行うことによって未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができる。
【0011】
この結果、本発明は、同じゲームを継続的に実行してゲームを先に進めることによって生じる興趣性を提供しつつも、ゲームの世界観に変化を与え、かつ、当該変化の意外性をゲームに組み込むことによって、長期に渡ってゲームの興趣性を維持させること、及び、魅力的なゲームを提供することができる。
【0012】
なお、ゲームマップは、例えば、個々の固有マップをゲーム空間内において物理的に接続させて形成されており、個々の固有マップにおける地形、当該固有のマップに備わる設備や建設された施設、生態系(住人含む)、又は、固有マップ内の既に構築されている環境要素が維持された状態で形成されている。
【0013】
また、固有マップは、各プレーヤが種々の設定を行って生成したマップ、又は、ゲームから予め提供されてマップであってもよく、ゲームが進行するに従ってレベルアップや環境要因が変化するなど育成されるマップであってもよい。
【0014】
特に、「固有マップを用いてゲームマップを生成する」とは、例えば、固有マップを接続し、又は、組み合わせてゲームマップを生成する場合、及び、複数のマップが欠けたゲームマップを用意し、当該ゲームマップの未設定の位置に固有マップを当てはめてゲームマップ船体を生成する場合などを含む。
【0015】
そして、所与のタイミングとは、毎週月曜日の0時などのゲーム上予め定められたタイミング、プレーヤが要求したタイミング、フレンド登録が所定数集まったタイミングや所定の募集に応募した他のプレーヤが所定数集まった場合など予め定められた条件が成立したタイミング、又は、プレーヤが個々に有するゲーム装置が接続されてゲームが開始されたタイミングなどが含まれる。
【0016】
さらに、マッチングには、例えば、ゲームに参加するプレーヤをランダムにマッチングさせる他に、フレンド登録されたプレーヤや同一のゲームレベルを有するプレーヤ、又は、同一のゲーム上の属性を有するプレーヤなどの所与のマッチング条件を具備したプレーヤをマッチングさせること、及び、所与のマッチング条件を具備するプレーヤとのマッチングする確率を変化させたマッチングをさせることを含む。
【0017】
そして、所与のマッチング条件には、例えば、
(A)同一のゲームレベルを有するプレーヤであること、
(B)所定のゲームレベル差のあるプレーヤであること、
(C)フレンド登録のあるプレーヤ又はフレンド登録の無いプレーヤであること、
(D)所定の期間内(1週間以内)にゲームを実行しているアクティブプレーヤであること、又は、当該所定の期間内にゲームを実行していない休眠プレーヤであること、及び、(E)同一のゲーム上の属性を有するプレーヤであること、
が含まれる。
【0018】
上記に加えて、所与のゲームには、ロールプレイングゲーム、又は、ストーリー性のあるシミュレーションゲーム、対戦ゲーム若しくはシューティングゲームなどマップを用い
てゲームを進行させるゲームが含まれる。特に、「プレーヤにおける所与のゲーム」には、マッチングされたプレーヤ、固有マップデータを有するプレーヤ又はゲームに参加するプレーヤが実行するゲームの他に、単にゲームマップを利用するプレーヤが実行する際のゲームも含む。
【0019】
また、ゲームに参加するプレーヤとは、ゲームを提供するネットワークサービスにログインや登録しているプレーヤの他に、ゲームを行うべく登録をしたプレーヤ、ゲームを実行する上で必要はゲームプログラムを取得したプレーヤ、所与のゲームに参加表明をしたプレーヤ、又は、CPU(プログラム)によって制御されるプレーヤ(いわゆる、NPC(ノンプレーヤキャラクタ))などが含まれる。
【0020】
さらに、「ゲームを進行させる」とは、生成されたゲームマップに基づいて形成された共通のゲーム空間上でマッチングされた各プレーヤのゲームをそれぞれ進行させてもよいし、当該生成されたゲームマップを分離独立させ、それぞれのマッチングされたプレーヤがそれぞれの同じゲームマップを用いてゲームを進行させてもよい(マッチングされた他のプレーヤのプレーヤキャラクタを自分のゲームにゴーストとして出現させる場合も含む。)。
【0021】
(2)また、本発明は、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングの状況に応じて、前記ゲームマップに用いた固有マップを示す各固有マップに関するマップパラメータの種別及び値の少なくともいずれか一方を変更する、構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明は、マッチングされたプレーヤ間における不公平な能力や条件のバランスを図ること、資源を無駄にせずにゲームに活用すること、及び、ゲームパラメータにアクセントを付けて興趣性の高いゲームマップを用いたゲーム(すなわち、ワールドマップゲーム)を実行させることができる。
【0023】
例えば、本発明は、マッチングされたプレーヤ間において、レベル差が大きい場合に、プレーヤキャラクタの能力差を小さくするなど、プレーヤキャラクタの能力やマップ自体の能力を調整することによって、ゲーム上のアクセントを付けて、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0024】
また、例えば、本発明は、所定のゲームレベル差のあるプレーヤをマッチングさせる場合には、マッチング対象のゲームレベルの低いプレーヤのマップパラメータにおいて、マップとしての防御能力(又は戦闘能力)を規定するパラメータの値を、マッチング対象のゲームレベルの高いプレーヤのマップパラメータの値より低く(又は高く)することができる。
【0025】
さらに、本発明は、例えば、所定の期間内(1週間以内)にゲームを実行しているアクティブプレーヤと所定の期間内にゲームを実行していない休眠プレーヤとをマッチングさせる場合には、アクティブプレーヤのマップパラメータにおいて、マップとしての防御能力(又は戦闘能力)を規定するパラメータの値を、休眠プレーヤのマップパラメータの値より高く(又は低く)し、休眠中のデータを利用することができる。
【0026】
したがって、本発明は、マッチング状況に応じてマッチングされたプレーヤ間における不公平な能力や条件のバランスを図ること、又は、資源を無駄にせずにゲームに活用することによって、ゲームの興趣性を高めることができる。
【0027】
なお、マップパラメータには、例えば、
(A)属性(ゲーム内の職業、種族や性別)、経験値、レベル(キャラクタレベルやプレーヤレベル)、キャラクタの能力(戦闘能力、魔法力、俊敏性や成長能力)、及び、装備するアイテムに関するパラメータなどのプレーヤキャラクタを規定するパラメータ(以下、「プレーヤキャラクタパラメータ」ともいう。)
(B)固有マップ上に住む住人、動物やその他の固有マップに登場するキャラクタなど固有マップに存在するキャラクタ(敵キャラクタや味方キャラクタの他に当該固有のマップに将来的に登場するキャラクタなどの動的オブジェクト)に規定されるパラメータ((A)に例示するパラメータを含み、以下、「動的オブジェクトパラメータ」ともいう。)、(C)固有マップ上に形成される施設(建物、店舗、ダンジョン、牧場、畑、ダンジョン、港や鉄道)又は領域(街、道、山や川)などの静的オブジェクト又は静的オブジェクト群(当該固有のマップに将来的に形成されるオブジェクト又はオブジェクト群も含む)に規定されるパラメータ(以下、「静的オブジェクトパラメータ」ともいう。)、
(D)イベントの種別、発生タイミング、又は、発生エリアなどのイベントに関するパラメータ(以下、「イベントパラメータ」という。)、及び、
(E)レベル、経験値又はマッチングによって新たに設定されたイベントを制御するパラメータなどゲームの進行に応じて変化するパラメータ、又は、属性など一度設定されると変化不能な固有マップ自体に規定されるパラメータ(以下、「マップ固有パラメータ」ともいう。)、
が含まれる。
【0028】
(3)また、本発明は、
前記ゲーム制御手段が、
前記生成されたゲームマップを用いて前記マッチングされた各プレーヤにおける所与のゲームを進行させ、
所与の終了条件を具備した場合に前記マッチングを解消させて前記生成されたゲームマップに基づく所与のゲームを終了させる、構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明は、例えば、1週間毎やイベント(特定のアイテムの獲得やボスキャラからの勝利などクエストの終了も含む。)終了毎など所定の期間毎に繰り返しマッチングを実行してゲームマップを生成することができるので、ゲームを継続的に実行したとしても、マッチングを行うことによって未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができる。
【0030】
なお、所与の終了条件には、例えば、ゲームマップに基づく所与のゲームの開始から1週間など予め定められたゲーム期間の終了、及び、当該所与のゲームにおける敵のボスキャラを倒したときなどの実行中のイベントの終了が含まれる。
【0031】
(4)また、本発明は、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングされたプレーヤの固有マップに基づいて、前記所与のゲームが提供されるプレーヤの固有マップに関する第1のマップパラメータ、及び、当該プレーヤが前記ゲームマップを用いて前記所与のゲームを実行するために設定される第2のマップパラメータの少なくともいずれか一方のパラメータの設定又は変更を実行し、
前記ゲーム制御手段が、
前記設定又は変更されたマップパラメータに基づいて、前記所与のゲーム又は該当するプレーヤの固有マップを用いたゲームを進行させる、構成を有している。
【0032】
この構成により、本発明は、マッチングされたプレーヤの固有マップに基づいて、例えば、所与のゲームが提供されるプレーヤのプレーヤキャラクタの移動可能な範囲が変化す
るだけでなく、自プレーヤや他プレーヤのマップパラメータに応じて、所与のゲーム中又は自プレーヤの固有マップを用いたゲーム中に発生するイベント、プレーヤキャラクタを含む各種のキャラクタの特性、又は、各種のオブジェクトの特性をも変化させることができる。
【0033】
例えば、本発明は、他のプレーヤのプレーヤキャラクタが戦士の場合であって、自プレーヤのプレーヤキャラクタが鍛冶職人の場合には、鍛冶職人のパラメータを戦士化した鍛冶職人としてのマップパラメータを変更し、当該戦士化された鍛冶職人として動作制御することができる。
【0034】
また、例えば、本発明は、他のプレーヤが所定の生態系(イチゴが収穫可能な畑)を有していることを示すマップパラメータを有している場合であって、自プレーヤが所定の生態系を有していない場合には、自プレーヤの固有マップ上に当該生態系を備えるためのパラメータを設定することができる。
【0035】
さらに、例えば、本発明は、自プレーヤの固有マップがマッチングされることによって当該固有マップに関連付けて設定されたNPCや施設オブジェクトなどの能力や特性を進化させるためのマップパラメータを設定することができる。
【0036】
したがって、本発明は、他のプレーヤとマッチングする毎に、未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができる。
【0037】
この結果、本発明は、同じゲームを継続的に実行してゲームを先に進めることによって生じる興趣性を提供しつつも、ゲームの世界観に変化を与え、かつ、当該変化の意外性をゲームに組み込むことによって、長期に渡ってゲームの興趣性を維持させることができるとともに、魅力的なゲームを提供することができる。
【0038】
なお、「マッチングされたプレーヤの固有マップに基づいて、所与のゲームが提供されるプレーヤの固有マップに関するマップパラメータ・・・・の設定又は変更を実行する」とは、マッチングされた他のプレーヤの固有マップに基づいてゲームを実行する自プレーヤの固有マップのマップパラメータの設定又は変更するだけでなく、マッチングされた自プレーヤの固有マップに基づいてゲームを実行する自プレーヤの固有マップのマップパラメータの設定又は変更することも含む。
【0039】
また、「マッチングされたプレーヤの固有マップに基づいて、・・・・・プレーヤが所与のゲームを実行するために設定されるマップパラメータ・・・設定又は変更を実行する」とは、マッチングされた他のプレーヤの固有マップに基づいてゲームを実行する自プレーヤのゲームマップのマップパラメータの設定又は変更するだけでなく、マッチングされた自プレーヤの固有マップに基づいてゲームを実行する自プレーヤのゲームマップのマップパラメータの設定又は変更することも含む。
【0040】
さらに、「第1のマップパラメータ」には、例えば、固有マップの地形などのパラメータ、当該固有マップに生息するキャラクタに関するパラメータ、及び、固有マップに規定されているイベントや世界観などの環境に関するパラメータが含まれる。
【0041】
そして、「第2のマップパラメータ」には、ゲームマップに関するパラメータを含み、例えば、イベントに関するパラメータや当該ゲームマップを生成する上で各固有マップの接続に関するパラメータを含む。
【0042】
(5)また、本発明は、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングされた第1のプレーヤの固有マップに基づいて、前記第1のプレーヤとは異なる第2のプレーヤの第1のマップパラメータ、及び、当該第2のプレーヤの第2のマップパラメータの少なくともいずれか一方のパラメータの設定又は変更を実行する、構成を有している。
【0043】
この構成により、本発明は、マッチングされた第1のプレーヤの固有マップに基づいて、例えば、所与のゲームが提供されるプレーヤのプレーヤキャラクタの移動可能な範囲が変化するだけでなく、例えば他のプレーヤとなる第1のプレーヤのマップパラメータに応じて所与のゲーム中、又は、例えば自プレーヤとなる第2のプレーヤの固有マップを用いたゲーム中に発生するイベント、プレーヤキャラクタを含む各種のキャラクタの特性、又は、各種のオブジェクトの特性をも変化させることができる。
【0044】
(6)また、本発明は、
前記ゲーム制御手段が、
前記生成されたゲームマップに基づいた前記所与のゲームの実行中に、所与の条件を具備した場合には、前記ゲームマップ上に探索可能な探索エリアを追加する、構成を有している。
【0045】
この構成により、本発明は、例えば、所与の条件を具備した場合に、ゲームマップ上に新たな探索エリアを形成し、又は、ゲームマップの生成時に生成された探索エリアのロックを解除して利用可能にするなど、プレーヤが所与のゲームを実行する上でダンジョンなどの新たな探索エリアを追記することができる。
【0046】
すなわち、本発明は、自己の固有マップ及び他のプレーヤの固有マップに来訪し、又は、探索するゲームを提供することができるとともに、ダンジョンなどの新たな探索エリアを形成することができるので、マッチング毎に、未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができる。
【0047】
なお、所与の条件とは、マッチングされたプレーヤ同士が友人関係や同一のゲームレベルなどのプレーヤの関係性、マッチングされたプレーヤにおけるプレーヤキャラクタの種別が同一や3以上の異属性であることなどプレーヤキャラクタの関係性、自プレーヤと他プレーヤのNPC(動的オブジェクト)や静的オブジェクトの関係性、又は、自プレーヤと他プレーヤのゲーム環境におけるパラメータの関係性に基づく条件が含まれる。
【0048】
(7)また、本発明は、
前記ゲームの実行中に、当該ゲームに用いられるオブジェクト及び当該ゲームで実行されるイベントの少なくとも2以上の選択肢群の中から、前記所与のゲームにおけるゲーム状況に応じて、少なくとも1の選択肢を選択する選択処理を実行する選択処理手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記ゲームマップに用いられた固有マップに設定されているパラメータに応じて、前記選択処理に用いる前記選択肢群を決定し、
前記選択処理によって選択された前記オブジェクトアイテムを提供し、又は、当該選択処理によって選択された前記イベントを実行する、構成を有している。
【0049】
この構成により、本発明は、生成されたゲームマップによってゲームを進行する際に、そのゲームで発生するイベント(戦闘、ミニゲーム又は作業など)に利用可能なアイテム(例えば、武器などの道具)の提供(いわゆる、ガチャ)や施設などのオブジェクト、又
は、ボーナスステージのゲームの提供や敵のボスキャラクタとの対戦などの当該イベントそのものを実行することができるので、各ゲームマップに基づいて進行するゲームにおいて適したアイテムなどのオブジェクトの提供やイベントの実行を制御することができる。
【0050】
したがって、本発明は、未知のゲーム要素を取り込んである場合であっても、興趣性を喪失させることなく、ゲームを提供することができる。
【0051】
なお、オブジェクトとは、例えば、プレーヤキャラクタが装備する道具や魔法、対戦相手として登場する敵キャラクタや味方になるキャラクタ、イベントによって出現する巨大建造物や新たな探索エリアを有する建物などの各種のオブジェクトが含まれる。
【0052】
また、「選択処理に用いる選択肢群を決定する」とは、ゲームマップの生成に用いられた固有マップに応じて、選択されるべき複数の選択肢から構成される選択肢群を作成すること(すなわち、カスタマイズすること)、及び、複数の選択肢によって構成された選択肢群を予め複数用意し、当該用意した複数の選択肢群の中から1の選択肢群を決定することを含む。
【0053】
そして、「選択肢を選択する」とは、例えば、アイテムなどのオブジェクトの提供すること、及び、イベントを実行することの選択肢を選択することを含む。
【0054】
特に、選択されるべき複数の選択肢から構成される選択肢群には、基本的には、ゲームマップの生成に用いられた各固有マップやそこで発生するイベントによって利用可能又は出現可能なオブジェクトが含まれる。ただし、当該選択肢群には、ゲーム内通貨やライフエネルギーなど、どのゲームマップ(固有マップ)においても利用可能なアイテムが含まれていてもよい。
【0055】
また、選択処理としては、ガチャなどの抽選によって選択されてもよいし、特定のキャラクタからの勝利やクエストの達成などの所定の条件をクリアした際にランダムに選択された1のオブジェクトが選択されてもよい。
【0056】
さらに、ゲーム状況とは、ゲームマップや当該ゲームマップに用いた各固有マップに規定されたマップパラメータの種別及び値が含まれる。
【0057】
(8)また、本発明は、
前記選択処理手段が、
前記プレーヤの状況、前記固有マップに設定されたパラメータ、及び、前記所与のゲームのプレー環境を規定するマップパラメータの中から、少なくとも1の要素に基づいて、当該ゲームに用いられる少なくとも2以上の選択肢の中から選択されるべき選択肢の当選確率を変更し、前記変更した当選確率に基づいて、少なくとも1の選択肢を選択する選択処理を実行する構成を有している。
【0058】
この構成により、本発明は、ゲームマップに基づいて進行するゲームにおいて適したオブジェクトを提供すること自体にも抽選というゲーム要素を組み込むことができるので、ゲーム性を高めて興趣性を向上させることができる。
【0059】
(9)また、本発明は、
プレーヤの操作に基づいて、固有マップのマップパラメータを設定する設定手段として前記コンピュータを更に機能させ、
前記ゲーム制御手段が、
前記設定されたマップパラメータに基づいて前記所与のゲーム又は前記固有マップに
基づくゲームを進行させる、構成を有している。
【0060】
この構成により、本発明は、例えば、固有マップをプレーヤ自ら作り上げることができるので、生成されるゲームマップの基になる固有マップのバリエーションが増加することによって、固有マップに基づくゲームを実行する際に、又は、マッチングしてゲームマップに基づくゲームを実行する際に、マップの環境やゲーム状況に変化を与え、又は、NPCなどの動的オブジェクトの登場や静的オブジェクトの配置など当該マップによって形成されるゲーム空間に対して様々な要素を反映させることができる。
【0061】
したがって、本発明は、ゲームの世界観を創り出す重要な要素の1つであるゲームマップを無数に変化させて提供することができるので、ゲームを継続的に実行したとしても、マッチングを行うことによって未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができる。
【0062】
(10)また、本発明は、
前記設定されたマップパラメータに基づいて前記固有マップによって形成されるゲーム空間に登場する所与のオブジェクトを制御するオブジェクト制御手段として更に前記コンピュータを機能させる、構成を有している。
【0063】
この構成により、本発明は、マップパラメータに含まれる操作可能なパラメータなどのマップパラメータをプレーヤの指示に基づいて設定することによって、自己の固有マップにNPCなどの動的オブジェクト又は建物や山などの静的なオブジェクトを固有マップによって形成されるゲーム空間内に配置することができるので、プレーヤ毎にプレーヤの世界観を固有マップに反映させることができる。
【0064】
したがって、本発明は、マッチングにより他のプレーヤのマップと繋がることによって、他のプレーヤの固有マップに基づいて形成されたゲーム空間を来訪し、又は、探索するなど、未知の領域をゲームに取り込むことができるので、マッチング毎に、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができる。
【0065】
なお、マップパラメータには、例えば、操作可能なパラメータとレベルや属性などの固有マップ自体に規定されるマップ固有パラメータなどの操作不可のパラメータが含まれている。
【0066】
また、操作可能パラメータには、例えば、固有マップにおいて実行可能な静的オブジェクトの配置を規定するパラメータ(城や鉄道などの生成可能な静的なオブジェクトの種別、属性及び能力を規定するパラメータ)、動的オブジェクトの設定を行うパラメータ(住人や住人以外のキャラクタ(ロボットや獣人)の人数、種族、属性、職種及び能力(装備可能なアイテムも含む))、イベントを制御するパラメータ(エリア、規模、クエストの種別、獲得可能なアイテム及び新規に提供されるダンジョンの有無)が含まれる。
【0067】
(11)また、本発明は、
前記所与のオブジェクトが、前記固有マップ又は前記ゲームマップによって形成されるゲーム空間内に配置されるオブジェクトである、構成を有している。
【0068】
この構成により、本発明は、マップパラメータに含まれる操作可能なパラメータなどのマップパラメータをプレーヤの指示に基づいて設定することによって、自己の固有マップにNPCなどの動的オブジェクト又は建物や山などの静的なオブジェクトを固有マップによって形成されるゲーム空間内に配置することができるので、プレーヤ毎にプレーヤの世界観を固有マップに反映させることができる。
【0069】
(12)また、本発明は、
前記設定手段が、
前記ゲームマップに用いた固有マップを示す固有マップ又は当該固有マップに関するマップパラメータに応じて、設定可能なマップパラメータを変更する、構成を有している。
【0070】
この構成により、本発明は、マッチングする毎に、設定可能なマップパラメータを変化させることができるので、プレーヤの様々な意志を固有マップに反映させることができるとともに、それによって生成されるゲームマップの形態や実行される各種のゲームに様々なバリエーションを提供させることができる。
【0071】
したがって、本発明は、ゲームの世界観を創り出す重要な要素の1つであるゲームマップを無数に変化させて提供することができるので、ゲームを継続的に実行したとしても、マッチングを行うことによって未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができる。
【0072】
(13)また、本発明は、
前記ゲーム制御手段が、
前記マッチングされたタイミング又は前記所与のゲームの実施タイミングが予め定められたタイミングである場合には、前記所与のゲームの実行中に当該タイミングに適した所与のイベントを実行する、構成を有している。
【0073】
この構成により、本発明は、例えば、クリスマス時期にマッチング処理を実行した場合又はゲームマップを用いたゲーム(すなわち、ワールドマップゲーム)を実行している場合には、ワールドマップゲームにおいてクリスマスイベントを実行し、マッチングした日やワールドマップゲームの実施日がマッチングされたプレーヤの誕生日である場合には、ワールドマップゲームの中において誕生日イベントを実行することができる。
【0074】
したがって、本発明は、時期合わせたイベントを実行することができるので、ゲームのバリエーションを幅広く提供すること、及び、その結果、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0075】
(14)また、本発明は、
前記マップ生成手段が、
前記マッチングが実行された場合には、当該マッチングによって生成されるゲームマップに用いた前記固有マップに関するマップパラメータの既に設定されている種別及び値の少なくともいずれか一方を変更する、構成を有している。
【0076】
この構成により、本発明は、例えば、マッチングする毎に、自動的に固有マップのマップパラメータを成長させること、また、固有マップによって形成されるゲーム空間内の状況を進化させること(登場するキャラクタを増加させ、施設オブジェクトを多く構築させるなど)ができるので、マッチングに対するモチベーションを高め、ゲームの興趣性を向上させることができる。
【0077】
(15)また、本発明は、
前記プレーヤのゲームのプレー状況に応じて、所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせる、構成を有している。
【0078】
この構成により、本発明は、例えば、所定の期間内(1週間以内)にゲームを実行して
いいない休眠プレーヤについては、マッチング対象には含めないこと、ゲームレレベルが同一又は略同一(±2)の当該ゲームレベル同士のプレーヤをマッチングさせること、ゲームレベルの低いプレーヤに対してはゲームレベルが高くゲーム時間の長いプレーヤをマッチングさせること、又は、同じ世界観を有しているプレーヤ同士をマッチングさせることができる。
【0079】
しがって、本発明は、マッチング自体に興趣性を持たせることができるとともに、それによって種々の組合せによってゲームを実行させることができるので、さらにゲームの興趣性を向上させることができる。
【0080】
(16)また上記課題を解決するため、本発明は、
マップを用いてゲームを進行させるゲームシステムであって、
所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング制御手段と
記憶手段にプレーヤ毎に記憶されたプレーヤ固有のゲームに用いられる固有マップを形成するデータを、固有マップデータとして、取得する取得手段と、
前記取得された固有マップデータに基づいて、前記マッチングされた各プレーヤの固有マップを接続して前記ゲームに用いるゲームマップを生成するマップ生成手段と
前記生成されたゲームマップに基づいて、前記マッチングされたプレーヤにおける所与のゲームを進行させるゲーム制御手段と
を備える、構成を有している。
【0081】
この構成により、本発明は、マッチングする毎にゲームを実行するゲームマップを変化させることによって、ゲーム環境や発生するイベントに変化を与えることができるので、ゲームの世界観を創り出す重要な要素の1つであるゲームマップを無数に変化させて提供することができる。
【0082】
特に、本発明は、マッチングされるプレーヤが異なればゲームマップを変化させることができるとともに、ゲームマップが変化すれば、プレーヤキャラクタが移動するゲーム空間を変化させることができるので、ゲームの世界観に変化を加えることができる。
【0083】
したがって、本発明は、ゲームを継続的に実行したとしても、マッチングを行うことによって未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができる。
【0084】
この結果、本発明は、同じゲームを継続的に実行してゲームを先に進めることによって生じる興趣性を提供しつつも、ゲームの世界観に変化を与え、かつ、当該変化の意外性をゲームに組み込むことによって、長期に渡ってゲームの興趣性を維持させること、及び、魅力的なゲームを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
図1】一実施形態のゲームシステムの構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
図2】一実施形態におけるサーバ装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
図3】一実施形態における端末装置の構成を示す機能ブロック図の一例である。
図4】一実施形態における固有マップを用いたシミュレーションゲーム及び固有マップを接続して形成されたワールドマップを用いたワールドマップゲームの原理を説明するための図(その1)である。
図5】一実施形態における固有マップを用いたシミュレーションゲーム及び固有マップを接続して形成されたワールドマップを用いたワールドマップゲームの原理を説明するための図(その2)である。
図6】一実施形態の固有マップの各マップパラメータの例を示す図(その1)である。
図7】一実施形態の固有マップの各マップパラメータの例を示す図(その2)である。
図8】一実施形態のワールドマップの各マップパラメータの例を示す図である。
図9】一実施形態の変形例の一例を示す図である。
図10】一実施形態の端末装置において実行されるマッチング処理及びマップ生成処理含むワールドマップゲーム実行処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0086】
以下、実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0087】
[1]ゲームシステム
まず、図1を用いて本実施形態のゲームシステム1の概要及び概要構成について説明する。なお、図1は、本実施形態のゲームシステム1の構成を示すシステム構成の一例を示す図である。
【0088】
本実施形態のゲームシステム1は、図1に示すように、ゲームサービスを提供するサーバ装置10と、端末装置20(例えば、端末装置20A、20B、20C)とが、インターネット(ネットワークの一例)に接続可能に構成されている。
【0089】
ユーザは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、インターネットを介してサーバ装置10から送信されてくるゲームをプレーすることができる。また、ユーザは、端末装置20からサーバ装置10にアクセスすることにより、他のユーザとの間でコミュニケーションを図ることができるようになっている。
【0090】
サーバ装置10は、インターネットを介して通信接続された端末装置20を用いて、ユーザにゲームをプレーさせるサービスを提供することが可能な情報処理装置である。また、サーバ装置10は、コミュニケーション型のサービスを提供するSNSサーバとして機能してもよい。ここで、SNSサーバとは、複数のユーザ間でコミュニケーションを提供することが可能なサービスを提供する情報処理装置であってもよい。
【0091】
また、サーバ装置10は、例えば、SNSサーバとして機能する場合には、提供するSNSの動作環境(API(アプリケーションプログラミングインタフェース)、プラットフォーム等)を利用して実行されるソーシャルゲーム(Social Game)をと呼ばれるゲームを提供することができるようになっている。
【0092】
特に、サーバ装置10は、端末装置20のWebブラウザ上で提供されるゲーム、例えばHTML、FLASH、CGI、PHP、shockwave、Java(登録商標)アプレット、JavaScript(登録商標)など様々な言語で作られたブラウザゲーム(Webブラウザで設置サイトを開くだけで起動するゲーム)を提供することができるようになっている。
【0093】
なお、ソーシャルゲームとは、既存のオンラインゲームとは違い、専用のクライアントソフトウェアを必要とせず、WebブラウザとSNSのアカウントのみで利用可能なゲームが含まれる。また、サーバ装置10は、ネットワークを介して他のユーザの端末(スマートフォン、パソコン、ゲーム機など)と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有することができるオンラインゲームを提供することが可能な構成を有している。
【0094】
一方、サーバ装置10は、ネットワークを介して他のユーザの端末(スマートフォン、パソコン、ゲーム機など)と接続し、オンラインで同時に同じゲーム進行を共有すること
ができるオンラインゲームを提供することが可能な構成を有していてもよい。
【0095】
他方、サーバ装置10は、1つの(装置、プロセッサ)で構成されていてもよいし、複数の(装置、プロセッサ)で構成されていてもよい。
【0096】
そして、サーバ装置10の記憶領域(後述する記憶部140)には、課金情報、ゲーム情報、及び、プレーヤ情報146など各種の情報が記憶される。ただし、これらの各情報は、ネットワーク(イントラネット又はインターネット)を介して接続されたデータベース(広義には記憶装置、メモリ)に記憶されてもよい。
【0097】
また、本実施形態においては、サーバ装置10から提供されたゲームが端末装置20によって実行されるが、サーバ装置10は、他のプレーヤとの連動する場合(例えば、他のプレーヤの固有マップを利用する場合)には、端末装置20のユーザ(すなわち、ゲームを実行するプレーヤ)の操作に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいて所定のゲーム処理を実行する。
【0098】
そして、この場合には、サーバ装置10は、ゲーム処理結果を端末装置20に送信し、端末装置20は、サーバ装置10から受信したゲーム処理結果を端末装置20にユーザに閲覧可能に提供する各種の処理を行う。
【0099】
なお、サーバ装置10は、端末装置20のユーザ(すなわち、ゲームを実行するプレーヤ)の操作に基づく入力情報を受信し、受信した入力情報に基づいて全てのゲーム処理を実行してもよい。
【0100】
端末装置20は、スマートフォン、携帯電話、PHS、コンピュータ、ゲーム装置、PDA、携帯型ゲーム機等、画像生成装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ装置10に接続可能な装置である。なお、端末装置20とサーバ装置10との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0101】
また、端末装置20は、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、当該ゲーム処理に基づくゲームを実行する。
【0102】
そして、端末装置20は、Webページ(HTML形式のデータ)を閲覧可能なWebブラウザを備えている。すなわち、端末装置20は、サーバ装置10との通信を行うための通信制御機能、及び、サーバ装置10から受信したデータ(Webデータ、HTML形式で作成されたデータなど)を用いて表示制御を行うとともに、Webブラウザ機能によって、ユーザ操作のデータをサーバ装置10に送信し、かつ、ゲーム画面をユーザに提供する各種の処理を実行する構成を有している。
【0103】
特に、端末装置20は、他のプレーヤとの連動(例えば、他のプレーヤの固有マップを利用する場合)に関しては、APIを用いることにより、SNSサーバとして機能するサーバ装置10に所定の処理を行わせ、又は、SNSサーバとして機能するサーバ装置10が管理するプレーヤ情報146を取得させてゲームを実行する構成を有している。
【0104】
なお、端末装置20は、サーバ装置10から提供されたゲーム制御情報を取得して所定のゲーム処理を実行し、当該ゲーム処理に基づくゲームを実行してもよい。
【0105】
[2]サーバ装置
次に、図2を用いて本実施形態のサーバ装置10について説明する。なお、図2は、本実施形態のサーバ装置10の機能ブロックを示す図である。また、本実施形態のサーバ装
置10は図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0106】
サーバ装置10は、管理者やその他の入力に用いるための入力部120、所定の表示を行う表示部130、所定の情報が記憶された情報記憶媒体180、端末装置20やその他と通信を行う通信部196、主に提供するゲームに関する処理を実行する処理部100、及び、主にゲームに用いる各種のデータを記憶する記憶部140を含む。
【0107】
入力部120は、システム管理者等がゲームに関する設定やその他の必要な設定、データの入力に用いるものである。例えば、本実施形態の入力部120は、マウスやキーボード等によって構成される。
【0108】
表示部130は、システム管理者用の操作画面を表示するものである。例えば、本実施形態の表示部130は、液晶ディスプレイ等によって構成される。
【0109】
情報記憶媒体180(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などによって構成される。
【0110】
通信部196は、外部(例えば、端末装置20、他のサーバや他のネットワークシステム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどによって構成される。
【0111】
記憶部140は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるもので、その機能は、RAM(VRAM)などによって構成される。なお、記憶部140に記憶される情報は、データベースで管理してもよい。
【0112】
また、本実施形態においては、記憶部140には、提供するゲームに関する情報を示すゲーム情報144、ゲームに参加する各プレーヤに関する情報を示すプレーヤ情報146、プレーヤ毎に、それぞれ設定された、プレーヤ固有のゲームに用いられるマップ(以下、「固有マップ」という。)のデータが固有マップデータとして記憶されるとともに、当該固有マップに基づいて生成されるワールドマップのデータがワールドマップデータとして記憶されるマップデータ記憶部147、及び、その他ゲーム演算に必要な各種の情報が記憶される。
【0113】
プレーヤ情報146には、各プレーヤIDに対応付けて、ゲームに参加する各プレーヤの誕生日、年齢(年代)や性別などの個人情報、ゲーム開始(又は登録)からの継続プレー時間、直近のログイン日時、ゲームレベル、アクセス率(継続プレー時間/登録してから経過時間)、及び、友人登録(フレンド登録)された他のプレーヤのプレーヤIDなどの各情報が記憶される。
【0114】
マップデータ記憶部147は、各プレーヤにおける固有マップに基づくゲーム空間を形成するための固有マップデータと当該固有マップに関する各種のパラメータ(後述のマップパラメータ)とが対応付けられて記憶される。
【0115】
特に、各マップパラメータは、マッチングの状況(マッチング条件を含む。)や他のマップパラメータの関係に対応付けられて、イベントなどの特定の情報を固有マップ上に反映させるか否かを示すフラグ情報、及び、各種のパラメータや他のプレーヤのキャラクタとの関係性や能力を規定する値によって構成される。
【0116】
また、マップデータ記憶部147は、各プレーヤの固有マップに基づいて形成されるワールドマップのワールドマップデータと当該ワールドマップに関する各種のパラメータ(マップパラメータ)とが対応付けられて記憶される。
【0117】
特に、ワールドマップのマップパラメータは、マッチングの状況(マッチング条件を含む。)や他のマップパラメータの関係に対応付けられて、ワールドマップに発動するイベントや追加するダンジョンの有無を示すフラグ情報、及び、各種のパラメータや他のプレーヤのキャラクタとの関係性や能力を規定する値によって構成される。
【0118】
処理部100は、記憶部140内の主記憶部142をワーク領域として各種処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0119】
処理部100は、情報記憶媒体180に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0120】
例えば、処理部100(プロセッサ)は、情報記憶媒体に記憶されているプログラムに基づいて、サーバ装置10全体の制御を行うとともに、各部間におけるデータ等の受け渡しの制御などの各種の処理を行う。さらに、端末装置20からの要求に応じた各種サービスを提供する処理を行う。
【0121】
具体的には、本実施形態の処理部100は、通信制御部101、Web処理部102、及び、ゲーム管理部103を少なくとも有している。
【0122】
通信制御部101は、端末装置20とネットワークを介してデータを送受信する処理を行う。すなわち、サーバ装置10は、通信制御部101によって端末装置20等から受信した情報に基づいて各種処理を行う。
【0123】
特に、本実施形態の通信制御部101は、ユーザの端末装置20からの要求に基づいて、ゲーム画面を、当該ユーザの端末装置20に送信する処理を行う。
【0124】
Web処理部102は、Webサーバとして機能する。例えば、Web処理部102は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルを通じて、端末装置20にインストールされているWebブラウザの要求に応じてデータを送信する処理、及び、端末装置20のWebブラウザによって送信されるデータを受信する処理を行う。
【0125】
なお、本実施形態では、サーバ装置10がSNSサーバとしての機能も備えていている場合を例にとり説明するが、サーバ装置10を、ゲーム用のサーバと、SNS用のサーバと別々に形成してもよい。また、本実施形態のゲームの処理は、サーバ装置10が一部又は全部を行ってもよいし、端末装置20が一部を行ってもよい。
【0126】
ゲーム管理部103は、端末装置20によって実行されたゲーム処理と連動して所定の処理を実行する。
【0127】
例えば、ゲーム管理部103は、ゲームデータの提供、ゲームに用いるオブジェクトデータの提供、ゲーム中に2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング処理に関するデータの受信及び提供、プレーヤ固有のゲームに用いられる固有マップのデータ(以下、「固有マップデータ」という。)、固有マップに関するパラメータ(以下、「マップパラメ
ータ」という。)のデータ(以下、「マップパラメータデータ」という。)の受信及び提供、並びに、固有マップを接続して形成されるマップ(すなわち、ワールドマップ)のデータ(ワールドマップデータ)の受信及び提供を実行する。
【0128】
なお、ゲーム管理部103は、後述するマッチング処理、及び、ワールドマップの生成処理を実行してもよい。
【0129】
[3]端末装置
次に、図3を用いて本実施形態の端末装置20について説明する。なお、図3は、本実施形態における端末装置20の構成を示す機能ブロック図の一例である。また、本実施形態の端末装置20は図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0130】
入力部260は、プレーヤが操作データを入力するためのものであり、その機能は、タッチパネル若しくはタッチパネル型ディスプレイ、十字キーやテンキーなどの所定の操作キー、又は、コントローラなどにより実現できる。
【0131】
例えば、入力部260がタッチパネルやタッチパネル型ディスプレイによって構成されている場合には、画像が表示される画面上における2次元の指示位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。例えば、入力部260は、接触検出領域(タッチパネル)における、2次元の接触位置座標(x,y)を検出可能な検出部262を備えている。
【0132】
また、本実施形態において、接触位置は、プレーヤの接触操作(直接的な接触及びポインティングデバイスによる間接的な接触も含む)により、接触検出領域から得られる位置情報である。
【0133】
さらに、入力部260は、指示位置以外の操作情報(操作信号)を入力可能なボタンやレバー、キーボード、ステアリング、マイク、加速度センサなどを備えていてもよい。
【0134】
記憶部270は、処理部200や通信部296などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(VRAM)などにより実現できる。そして、本実施形態の記憶部270には、ワーク領域として使用される主記憶部271と、最終的な表示画像等が記憶される画像バッファ272と、提供するゲームに関してプレーヤに関する情報を示すプレーヤ情報273と、当該プレーヤの固有マップデータを含む、ゲームに関する各種のデータが記憶されるゲームデータ記憶部274と、が記憶される。なお、これらの一部を省略する構成としてもよいし、サーバ装置10の記憶部140がその一部を構成してもよい。
【0135】
プレーヤ情報273には、端末装置20を用いてゲームを実行するプレーヤ(すなわち、自プレーヤ)のプレーヤIDに対応付けて、プレーヤの誕生日、年齢(年代)や性別などの個人情報、ゲーム開始(又は登録)からの継続プレー時間、直近のログイン日時、ゲームレベル、アクセス率(継続プレー時間/登録してから経過時間)、及び、友人登録(フレンド登録)された他のプレーヤのプレーヤIDなどの各情報が記憶される。なお、当該プレーヤ情報146は、所定のタイミングでサーバ装置10に登録される。
【0136】
ゲームデータ記憶部274には、自プレーヤにおける、固有マップに基づくゲーム空間を形成するための固有マップデータと当該固有マップに関する各種のパラメータ(後述のマップパラメータ)と対応付けられて記憶される。
【0137】
特に、各マップパラメータは、マッチングの状況(マッチング条件を含む。)や他のマップパラメータの関係に対応付けられて、特定の情報を固有マップ上に反映させるか否か
を示すフラグ情報、及び、各種のパラメータや他のプレーヤのキャラクタとの関係性や能力を規定する値によって構成される。
【0138】
また、ゲームデータ記憶部274には、自プレーヤの固有マップに基づいて形成されるワールドマップのワールドマップデータと当該ワールドマップに関する各種のパラメータ(マップパラメータ)とが対応付けられて記憶される。
【0139】
特に、ワールドマップのマップパラメータは、マッチングの状況(マッチング条件を含む。)や他のマップパラメータの関係に対応付けられて、ワールドマップに発動するイベントや追加するダンジョンの有無を示すフラグ情報、及び、各種のパラメータや他のプレーヤのキャラクタとの関係性や能力を規定する値によって構成される。
【0140】
さらに、ゲームデータ記憶部274には、ワールドマップを用いたゲーム(以下、「ワールドマップゲーム」という。)の実行中に実行される抽選などによるアイテム選択処理(いわゆるガチャ)におけるアイテムデータ及びアイテムデータ群(いわゆるガチャ用のボックス)のデータが記憶される。
【0141】
情報記憶媒体280(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。
【0142】
また、情報記憶媒体280には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)を記憶することができる。なお、処理部200は、後述するように、情報記憶媒体280に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。
【0143】
表示部290は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0144】
特に、本実施形態では表示部290は、タッチパネルディスプレイを用いることによりプレーヤがゲーム操作を行う入力部260としても機能する。ここでタッチパネルとして、例えば抵抗膜方式(4線式、5線式)、静電容量方式、電磁誘導方式、超音波表面弾性波方式、赤外線走査方式などのタッチパネルを用いることができる。
【0145】
音出力部292は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0146】
通信部296は、外部(例えばホスト装置や他の端末装置)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0147】
なお、端末装置20は、サーバ装置10が有する情報記憶媒体や記憶部270に記憶されている本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムやデータを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを情報記憶媒体280や記憶部270に記憶してもよい。このようにプログラムやデータを受信して端末装置20を機能させる場合も本発明の範囲内に含めることができる。
【0148】
処理部200(プロセッサ)は、入力部260からの入力データやプログラムなどに基
づいて、サーバ装置10と連動して、ゲーム処理、画像生成処理、他のプレーヤとマッチングするマッチング処理、ゲームに用いるゲームマップを生成する処理、各種のパラメータの設定処理、或いは、音生成処理などの処理を行う。
【0149】
また、本実施形態においては、ゲーム処理としては、ゲーム開始条件が満たされた場合にゲームを開始する処理、ゲームを進行させる処理、プレーヤオブジェクト、敵オブジェクトなどのオブジェクトを配置する処理、オブジェクトを表示する処理、ゲーム結果を演算する処理、或いはゲーム終了条件が満たされた場合にゲームを終了する処理などが含まれる。
【0150】
そして、処理部200は、記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアやプログラムにより実現できる。
【0151】
特に、本実施形態の処理部200は、オブジェクト空間設定部210、入力処理部211、表示制御部212、ゲーム処理部213、マッチング制御部214、マップ生成部215、仮想カメラ制御部216、アイテム選択制御部217、描画部220と、音処理部230とを含む。また、これらの一部を省略する構成としてもよい。
【0152】
なお、例えば、本実施形態の入力処理部211は、本発明の設定手段を構成し、ゲーム処理部213は、本発明の設定手段、ゲーム制御手段、パラメータ設定手段、オブジェクト制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態のマッチング制御部214は、本発明のマッチング制御手段を構成し、マップ生成部115は、本発明のマップ生成手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態のアイテム選択制御部217は、本発明の選択処理手段を構成する。
【0153】
オブジェクト空間設定部210は、オブジェクト(プレーヤオブジェクト、移動体、敵オブジェクト)、移動経路、建物、樹木、柱、壁、マップ(地形)などの表示物を表す各種オブジェクト(スプライト、ビルボード、ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブ面で構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間(以下、「ゲーム空間」ともいう。)に配置設定する処理を行う。
【0154】
具体的には、オブジェクト空間設定部210は、オブジェクト(モデルオブジェクト)の位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y)或いは(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y軸回りでの回転角度)或いは(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。
【0155】
なお、オブジェクト空間とは、いわゆる仮想2次元空間、仮想3次元空間の両方を含む。2次元空間とは、例えば2次元座標(X,Y)においてオブジェクトが配置される空間であり、3次元空間とは、例えば3次元座標(X,Y,Z)においてオブジェクトが配置される空間である。
【0156】
また、オブジェクト空間を2次元空間とした場合には、複数のオブジェクトそれぞれについて設定された優先順位に基づいてオブジェクトを配置する。例えば、奥側にあるように見せたいオブジェクト(スプライト)から順にオブジェクトを配置し、手前側にあるように見せたいオブジェクトを重ねて配置する処理を行うことができる。
【0157】
そして、描画サイズが大きなオブジェクトを画像の下方に配置し、描画サイズが小さなオブジェクトを画像の上方に配置すれば、画面の上方に対応するオブジェクト空間が奥側にあるように見せることができ、画面の下方に対応するオブジェクト空間が手前側にある
ように見せることができる。
【0158】
一方、オブジェクト空間を3次元空間とした場合には、ワールド座標系にオブジェクトを配置する。
【0159】
入力処理部211は、プレーヤの操作指示を受け付けて、プレーヤキャラクタの動作をゲーム処理部213に出力し、及び、パラメータなどの各種の設定を実行してプレーヤ情報273及びゲームデータ記憶部274へのデータの登録又は更新を実行する。
【0160】
表示制御部212は、タッチパネル上に、プレーヤの指示に基づいて実行されるゲームに関するコンテンツを表示する。特に、表示制御部212は、ゲームの進行に応じて、又は、プレーヤの操作入力(例えば、タッチ操作入力やスライド操作入力)に応じてタッチパネル上に表示されるコンテンツの表示領域部分をスクロールさせて移動させるスクロール表示処理を制御する。
【0161】
ゲーム処理部213は、対戦ゲーム、ロールプレイングゲーム又はシミュレーションゲームなどの第1のゲームを実行する処理を行う。例えば、ゲーム処理部213は、仮想空間において、プレーヤキャラクタと相手プレーヤキャラクタとを対戦させるゲーム(例えば、サッカーゲーム)を実行する処理を行う。
【0162】
なお、本実施形態のキャラクタは、人物、動物やロボットの他に、自動車、戦艦、自然や国家などのあらゆる概念が擬人化及びデフォルメされたゲーム空間に配置可能な形成物であってプレーヤが使用するものであり、かつ、プレーヤの操作に基づいてゲームを進行させつつ、設定された1以上のパラメータを成長させるものであればよい。
【0163】
ゲーム処理部213は、プレーヤの操作指示、固有マップデータ、及び、そのマップパラメータデータに基づいてシミュレーションゲームを実行する。
【0164】
そしてゲーム処理部213は、所定のタイミングにマッチング処理が実行されてワールドマップが生成されると、プレーヤの操作指示に基づきつつ、生成されたワールドマップデータ、そのマップパラメータデータ、及び、固有マップデータ(マップパラメータデータを含む)に基づいてワールドマップゲームを実行する。
【0165】
また、ゲーム処理部213は、他の端末装置20と連動する場合には、該当する他の端末装置20又はサーバ装置10と連動して、ワールドマップゲームを実行する。
【0166】
マッチング制御部214は、所与のタイミングに、サーバ装置10から他のプレーヤのプレーヤ情報146を取得し、当該取得した他のプレーヤのプレーヤ情報146と、自プレーヤのプレーヤ情報273と、に基づいて、ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるマッチング処理を実行する。
【0167】
マップ生成部215は、マッチング処理によってマッチングされた他のプレーヤの固有マップデータ及びそのマップパラメータデータを取得し、取得した固有マップデータ及びそのパラメータデータと、自プレーヤの固有マップデータ及びそのマップパラメータデータと、に基づいてワールドマップ及びそのマップパラメータを生成するとともに、該当する固有マップ及びそのマップパラメータの値を変更又は新規に設定する。
【0168】
仮想カメラ制御部216は、所与の視点から見える画像であって、奥行きがあるように見える画像を生成する。この場合に、仮想カメラ制御部216が、オブジェクト空間内の所与(任意)の視点から見える画像を生成するための仮想カメラ(視点)の制御処理を行
う。具体的には、仮想カメラの位置(X、Y、Z)又は回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)を制御する処理(視点位置や視線方向を制御する処理)を行う。
【0169】
例えば、仮想カメラによりオブジェクト(例えば、プレーヤユニット、対戦ユニット、ボール又は車)を後方から撮影する場合には、オブジェクトの位置又は回転の変化に仮想カメラが追従するように、仮想カメラの位置又は回転角度(仮想カメラの向き)を制御する。
【0170】
この場合には、オブジェクト空間設定部210で得られたオブジェクトの位置、回転角度又は速度などの情報に基づいて、仮想カメラを制御できる。或いは、仮想カメラを、予め決められた回転角度で回転させたり、予め決められた移動経路で移動させる制御を行ってもよい。また、この場合には、仮想カメラの位置(移動経路)又は回転角度を特定するための仮想カメラデータに基づいて仮想カメラを制御する。
【0171】
なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラについて上記の制御処理が行われる。
【0172】
アイテム選択制御部217は、ワールドマップゲームの実行中に、複数のアイテムから構成されるアイテム群の中から、当該ワールドマップゲームにおけるゲーム条件に応じて、少なくとも1のアイテムを選択する選択処理(いわゆるガチャ)を実行する。
【0173】
描画部220は、処理部200で行われる種々の処理(ゲーム処理)の結果に基づいて描画処理を行い、これにより画像を生成し、表示部(ディスプレイ)290に出力する。描画部220が生成する画像は、いわゆる2次元画像であってもよいし、いわゆる3次元画像であってもよい。特に、描画部220は、オブジェクト空間における仮想カメラから見える画像であって、画面上に表示する画像を生成する。
【0174】
ここで2次元画像を生成する場合には、描画部220は、設定された優先度が低いオブジェクトから順に描画して、オブジェクト同士が重なる場合には、優先度の高いオブジェクトを上書きして描画する。
【0175】
また、3次元画像を生成する場合には、本実施形態の描画部220は、まずオブジェクト(モデル)の各頂点の頂点データ(頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ、法線ベクトル或いはα値等)を含むオブジェクトデータ(モデルデータ)が入力され、入力されたオブジェクトデータに含まれる頂点データに基づいて、頂点処理が行われる。なお、頂点処理を行うに際して、必要に応じてポリゴンを再分割するための頂点生成処理(テッセレーション、曲面分割、ポリゴン分割)を行うようにしてもよい。
【0176】
また、頂点処理では、頂点の移動処理や、座標変換(ワールド座標変換、カメラ座標変換)、クリッピング処理、透視変換、あるいは光源処理等のジオメトリ処理が行われ、その処理結果に基づいて、オブジェクトを構成する頂点群について与えられた頂点データを変更(更新、調整)する。そして、頂点処理後の頂点データに基づいてラスタライズ(走査変換)が行われ、ポリゴン(プリミティブ)の面とピクセルとが対応づけられる。そしてラスタライズに続いて、画像を構成するピクセル(表示画面を構成するフラグメント)を描画するピクセル処理(フラグメント処理)が行われる。
【0177】
ピクセル処理では、テクスチャの読出し(テクスチャマッピング)、色データの設定/変更、半透明合成、アンチエイリアス等の各種処理を行って、画像を構成するピクセルの最終的な描画色を決定し、透視変換されたオブジェクトの描画色を画像バッファ272(フレームバッファ、ピクセル単位で画像情報を記憶できるバッファ。VRAM、レンダリ
ングターゲット)に出力(描画)する。すなわち、ピクセル処理では、画像情報(色、法線、輝度、α値等)をピクセル単位で設定あるいは変更するパーピクセル処理を行う。
【0178】
これにより、オブジェクト空間内に設定された仮想カメラ(所与の視点)から見える画像が生成される。なお、仮想カメラ(視点)が複数存在する場合には、それぞれの仮想カメラから見える画像を分割画像として1画面に表示できるように画像を生成することができる。
【0179】
なお、描画部220が行う頂点処理やピクセル処理は、シェーディング言語によって記述されたシェーダプログラムによって、ポリゴン(プリミティブ)の描画処理をプログラム可能にするハードウェア、いわゆるプログラマブルシェーダ(頂点シェーダやピクセルシェーダ)により実現されてもよい。プログラマブルシェーダでは、頂点単位の処理やピクセル単位の処理がプログラム可能になることで描画処理内容の自由度が高く、ハードウェアによる固定的な描画処理に比べて表現力を大幅に向上させることができる。
【0180】
そして、描画部220は、オブジェクトを描画する際に、ジオメトリ処理、テクスチャマッピング、隠面消去処理、αブレンディング等を行う。
【0181】
ジオメトリ処理では、オブジェクトに対して、座標変換、クリッピング処理、透視投影変換、或いは光源計算等の処理を行う。そして、ジオメトリ処理後(透視投影変換後)のオブジェクトデータ(オブジェクトの頂点の位置座標、テクスチャ座標、色データ(輝度データ)、法線ベクトル、或いはα値等)を記憶部270に記憶する。
【0182】
テクスチャマッピングでは、記憶部270のテクスチャ記憶部に記憶されるテクスチャ(テクセル値)をオブジェクトにマッピングする処理を行う。具体的には、オブジェクトの頂点に設定(付与)されるテクスチャ座標等を用いて記憶部270のテクスチャ記憶部からテクスチャ(色(RGB)、α値などの表面プロパティ)を読み出し、2次元の画像であるテクスチャをオブジェクトにマッピングする。この場合に、ピクセルとテクセルとを対応づける処理や、テクセルの補間としてバイリニア補間などを行う。
【0183】
なお、本実施形態では、オブジェクトを描画する際に、所与のテクスチャをマッピングする処理を行うようにしてもよい。この場合には、マッピングされるテクスチャの色分布(テクセルパターン)を動的に変化させることができる。
【0184】
また、この場合において、色分布(ピクセルパターン)が異なるテクスチャを動的に生成してもよいし、複数の色分布が異なるテクスチャを予め用意しておき、使用するテクスチャを動的に切り替えるようにしてもよい。またオブジェクト単位でテクスチャの色分布を変化させてもよい。
【0185】
隠面消去処理では、描画ピクセルのZ値(奥行き情報)が格納されるZバッファ(奥行きバッファ)を用いたZバッファ法(奥行き比較法、Zテスト)による隠面消去処理を行う。すなわち、オブジェクトのプリミティブに対応する描画ピクセルを描画する際に、Zバッファに格納されるZ値を参照するとともに、当該参照されたZバッファのZ値と、プリミティブの描画ピクセルでのZ値とを比較し、描画ピクセルでのZ値が、仮想カメラから見て手前側となるZ値(例えば小さなZ値)である場合には、その描画ピクセルの描画処理を行うとともにZバッファのZ値を新たなZ値に更新する。
【0186】
αブレンディング(α合成)では、描画部220は、α値(A値)に基づく半透明合成処理(通常αブレンディング、加算αブレンディング又は減算αブレンディング等)を行う。なお、α値は、各ピクセル(テクセル、ドット)に関連づけて記憶できる情報であり、例えば色情報以外のプラスアルファの情報である。α値は、マスク情報、半透明度(透
明度、不透明度と等価)、バンプ情報などとして使用できる。
【0187】
特に、本実施形態での描画部220は、接触検出領域に対応する表示領域に表示させる画像を生成してもよい。表示領域に表示させる画像とは、例えばオブジェクトを含む画像でもよい。
【0188】
音処理部230は、処理部200で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部292に出力する。
【0189】
[4]本実施形態の手法
[4.1]概要
次に、図4及び図5を用いて本実施形態の手法の概要について説明する。なお、図4及び図5は、本実施形態における固有マップを用いたシミュレーションゲーム及び固有マップを接続して形成されたワールドマップを用いたワールドマップゲームの原理を説明するための図である。また、本実施形態においては、主に端末装置20によってゲーム処理を実行する場合を例に説明するが、一部又は全部のゲーム処理をサーバ装置10によって実行させてもよい。
【0190】
本実施形態の端末装置20は、固有のマップ上のゲーム空間を作り上げるゲーム(いわゆる、シミュレーションゲーム)において、所定のタイミングや所定のタイミング毎に、他のプレーヤとマッチングし、当該他のプレーヤにおけるプレーヤキャラクタ及び固有マップと、当該固有マップ上に配置されたキャラクタやオブジェクトの情報と、を取り込んで、ゲームを進行させ、プレーヤの予想を超える展開が発生するゲームを実行する構成を有している。
【0191】
具体的には、本実施形態の端末装置20は、固有マップ内において、プレーヤキャラクタと、固有マップ内の住人及び当該固有マップ内に生息する動植物、獣人やロボットなどのノンプレーヤキャラクタ(以下、「NPC」とい、)と、城、畑、鉄道又はダンジョンなどの固有マップ上に形成される静的オブジェクト(以下、「施設等オブジェクト」という。)と、を用いて街づくりや島づくりなどの当該固有のマップ上のゲーム空間を作り上げるゲーム(いわゆる、シミュレーションゲーム)を実行する。
【0192】
また、本実施形態の端末装置20は、シミュレーションゲーム中の所定のタイミングや所定のタイミング毎に、ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせるとともに、当該マッチングさせた各プレーヤが有する固有マップを接続してゲームマップ(すなわち、ワールドマップ)を生成し、当該ワールドマップを用いて当該マッッチングされたプレーヤにおけるワールドマップゲームを実行する構成を有している。
【0193】
さらに、本実施形態の端末装置20は、ワールドマップゲームとしては、ワールドマップを用いて、敵キャラクタを倒すことで経験値を増やしてレベルを上げ、また、敵のボスキャラクタとの対決などのイベントの解消やクエストの達成など、プレーヤキャラクタに対して、ロールプレイングゲーム、又は、ストーリー性やゲーム空間の移動がある対戦ゲームやシューティングゲームなどの所与のゲームを実行する。
【0194】
特に、本実施形態の端末装置20は、ワールドマップゲームを実行する際のワールドマップをマッチング毎に(すなわち、所定のタイミング毎に)変化させることによって、ゲーム環境や発生するイベントに変化を与えることが可能な構成を有しており、ゲームの世界観を創り出す重要な要素の1つであるマップを無数に変化させて提供することができるようになっている。
【0195】
すなわち、本実施形態の端末装置20は、マッチングされるプレーヤが異なればゲームマップを変化させて、プレーヤキャラクタやNPCが移動するゲーム空間を変化させることが可能な構成を有しており、ゲームの世界観に変化を加えるゲームを提供することができるようになっている。
【0196】
なお、本実施形態の端末装置20は、ワールドマップゲームにおいては、
(A)サーバ装置10を介して他の端末装置20と連動し、マッチングした他のプレーヤと共通のワールドマップを利用しつつ、他の端末装置20から他のプレーヤの操作指示を含むプレーヤ状況を示す各種のデータを随時受信し、受信したデータを自機で実行中のワールドマップゲームに反映させてもよいし、
(B)マッチングされた他のプレーヤのデータに基づいて、ワールドマップ(マップパラメータを含む)を生成後においては、当該ワールドマップを用いて単独でワールドマップゲームを実行してもよい。
【0197】
また、端末装置20は、上記の(B)の単独でワールドマップゲームを実行する場合であっても、ワールドマップの生成時における他のプレーヤのマップパラメータに基づいて、ゴーストキャラクタ的に、各種のキャラクタやオブジェクトをワールドマップゲームに反映させることも可能である。
【0198】
より具体的には、本実施形態の端末装置20は、
(1)所与のタイミングに、ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせ、
(2)サーバ装置10(具体的には、記憶部140)や記憶部270にプレーヤ毎に記憶された固有マップ(例えば、プレーヤ固有のゲームに用いられる固有マップ)のデータを、固有マップデータとして、取得し、
プレーヤ毎に、それぞれ設定されてサーバ装置10に記憶された固有マップデータを取得し、
(3)取得した固有マップデータに基づいて、マッチングされた各プレーヤの固有マップを用いてゲームに用いるゲームマップとしてのワールドマップを生成し、
(4)生成したワールドマップに基づいて、マッチングされた各プレーヤにおけるロールプレイングゲームなどのストーリー性のあるゲームを進行させる、
構成を有している。
【0199】
例えば、各プレーヤに、固有マップとして、ゲームに空間に形成される海に囲まれた島が提供された場合であって、固有マップに基づくシミュレーションゲームとして島づくりゲームが実行され、かつ、ワールドマップが提供された各島を接続して生成されるとともに、生成されたワールドマップを用いてワールドマップゲームが実行される場合を想定する。
【0200】
このような場合において、本実施形態の端末装置20は、図4(A)に示すように、個々のプレーヤの操作に基づいて、それぞれ提供された島に、プレーヤキャラクタ、島の住人や当該島に生息する動植物又は獣人やロボットなどのNPC、及び、城、畑、鉄道又はダンジョンなどの施設等オブジェクトを設定し、かつ、これらのキャラクタやオブジェクトを形成(製造及び生産を含む。)又は成長させて、シミュレーションゲームを実行する。
【0201】
また、本実施形態の端末装置20は、図4(B)に示すように、所定のタイミングに、複数のプレーヤのマッチングを実行すると、マッチングしたプレーヤの島(すなわち、固有マップ)を陸続きに接続し、橋を設置し、又は、海を介して接続し、互いの島への来訪可能なワールドマップを生成する。
【0202】
なお、このとき、本実施形態の端末装置20は、ワールドマップに、例えば、ダンジョンなどのプレーヤキャラクタやNPCが来訪可能な探索エリア(以下、「追加探索エリア」という。)を形成する。
【0203】
そして、本実施形態の端末装置20は、ワールドマップを生成すると、図5に示すように、それぞれの島の住人等キャラクタを他の島に来訪させること、他の島への来訪時に他の島の住人等キャラクタと交流させること(戦闘を含む。)、来訪した他の島の住人等キャラクタによって来訪された島の施設等オブジェクトへの探訪や当該施設等オブジェクトを利用した活動(アクティビティ)、情報の伝達、又は、他の島を巻き込んだイベントなど、それぞれの島に他の島の影響を及ぼしつつ、ワールドマップ全体を使用したロールプレイングゲームやシミュレーションゲームを実行する。
【0204】
特に、本実施形態の端末装置20は、ロールプレイングゲームやシミュレーションゲームにおいては、他の島の要素を取り込んで各固有マップのパラメータを変更し、プレーヤ、島、住人等キャラクタ及び施設等オブジェクトを、成長を含む各島の環境や状態を変化させてゲームストーリーを進行させる。
【0205】
さらに、本実施形態の端末装置20は、このようなマッチング、ワールドマップの生成及び生成されたワールドマップに基づくゲーム制御を繰り返し実行し、マッチング毎に異なるワールドマップの生成、異なるゲームストーリーの進行、又は、異なるイベントの発生を制御する。
【0206】
このように、本実施形態においては、マッチングされるプレーヤが異なれば生成されるワールドマップを変化させて、プレーヤキャラクタが移動するゲーム空間を変化させることができるので、ゲームの世界観に変化を加えることができるようになっている。
【0207】
したがって、本実施形態においては、ゲームを継続的に実行したとしても、マッチングを行うことによって未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることができるようになっている。
【0208】
よって、本実施形態においては、本発明は、同じゲームを継続的に実行してゲームを先に進めることによって生じる興趣性を提供しつつも、ゲームの世界観に変化を与え、かつ、当該変化の意外性をゲームに組み込むことによって、長期に渡ってゲームの興趣性を維持させることができるとともに、魅力的なゲームを提供することができるようになっている。
【0209】
[4.2]固有マップ
次に、図6及び図7を用いて本実施形態の固有マップについて説明する。なお、図6及び図7は、本実施形態の固有マップの各パラメータの例を示す図である。
【0210】
(固有マップ及びマップパラメータ)
固有マップは、例えば、図6及び図7に示すように、ゲームデータ記憶部274に記憶されている固有マップデータによってゲーム空間(2次元又は3次元のゲーム空間)を構築するために規定されるマップであって、地形や画像を構成する地形情報と、ゲーム空間に島や街などを形成するための各種のオブジェクト(動的及び静的なオブジェクトを含む。)のパラメータと、プレーヤキャラクタなど各オブジェクトを規定するためのマップパラメータと、から形成される。
【0211】
例えば、固有マップは、海に囲まれた島などのプレーヤ毎に所定の地形(形状)を有し、プレーヤ毎に設定され、かつ、マッチングされていない状態においては、プレーヤ毎に
閉じたゲーム空間であるとともに、複数のプレーヤがマッチングした場合には、他の固有マップによって形成されたゲーム空間と物理的に接続されるゲーム空間である。
【0212】
すなわち、固有マップは、プレーヤ毎に閉じたゲーム空間において街づくりや島づくりなどのシミュレーションゲームを実行する際に、当該ゲーム空間を構築するためのマップである。
【0213】
また、固有マップは、ワールドマップの一部を構成し、ロールプレイイングゲームやストーリー性やゲーム空間の移動を伴った対戦ゲームやシューティングゲームなどを実行する際に、ワールドマップにおけるゲーム空間の一部を構築するためのマップである。
【0214】
また、各固有マップ上には、個々のプレーヤによって、
(1)プレーヤキャラクタ、
(2)NPCとしてゲーム空間内を移動可能な動的オブジェクト、及び
(3)施設や設備などのゲーム空間に固定設置される静的オブジェクト(すなわち、施設等オブジェクト)
が形成される。
【0215】
そして、各固有マップには、例えば、図6及び図7に示すように、
(A)プレーヤキャラクタ、NPC及び施設等オブジェクトに関するパラメータ(以下、「キャラクタパラメータ」という。)と、
(B)シミュレーションゲーム及びワールドマップゲームのゲーム環境を規定するためのパラメータ(以下、「環境パラメータ」という。)と、
がマップパラメータとして規定されている。
【0216】
特に、各マップパラメータは、特定の情報を固有マップ上に反映させるか否かを示すフラグ情報、及び、各種の関係性や能力を規定する値によって構成される。
【0217】
そして、キャラクタパラメータ及び環境パラメータの双方とも、該当する固有マップのレベル変化、ゲームの進度、又は、他のプレーヤとのマッチングの状況において、変化する。
【0218】
なお、本実施形態において、固有マップには、基本的には、プレーヤが所有する固有マップを含むが、既にゲームへの参加を取り止めたプレーヤの固有マップなど実際のゲームを実行するプレーヤでないNPCが所有する固有マップを含んでもよい。例えば、ワールドマップを生成する際に、当該ワールドマップを生成するための固有マップの数を満たすため実際に参加するプレーヤが少ない場合などにこのようなNPCを用いる。
【0219】
(キャラクタパラメータ)
キャラクタパラメータは、各固有マップにおけるプレーヤキャラクタ、NPC及び施設等オブジェクトのそれぞれのキャラクタやオブジェクトを、ゲーム空間(固有マップ内だけでなくワールドマップ内も含む。)上に形成させるため、及び、移動などの行動を制御する際に用いるパラメータであり、ゲームプログラムに組み込まれるパラメータである。
【0220】
例えば、本実施形態においては、図6に示すように、固有マップに基づくシミュレーションゲームが島づくりゲームの場合には、固有マップ毎に、プレーヤキャラクタ、NPC及び施設等オブジェクトのそれぞれにおいて、以下のような各パラメータが規定される。
【0221】
具体的には、各プレーヤキャラクタには、それぞれ、
(A1-1)レベル(以下、「プレーヤレベル」ともいう。)を規定するプレーヤレベル
パラメータ、
(A1-2)釣り人、メイド、鍛冶職人などの職業を規定する職業パラメータ、
(A1-3)攻撃力、防御力、魔法力(MP)や俊敏性などの職業及びにプレーヤレベルに応じた能力パラメータ、
(A1-4)人間、島に生息する動植物(恐竜その他の生き物を含む。)や獣人(鳥人や海人も含む。)又は島で製造されたロボットなどの種族を規定する種族パラメータ、
(A1-5)キャラクタの性別や年齢などの属性を規定する属性パラメータ、及び、
(A1-6)武器や防具などのアイテムの種別タ及び当該アイテムの攻撃力や防御力などの能力パラメータを補正するパラメータなどのアイテムのパラメータ(以下、「アイテムパラメータ」という。)、
が規定される。
【0222】
なお、各キャラクタパラメータは、プレーヤによってゲーム開始時又はゲーム中に設定され、又は、ゲームの進行に応じて変化する。
【0223】
また、各キャラクタパラメータとしては、NPC毎に、又は、NPCの種別毎に、それぞれ、
(A2-1)人間、動物やロボットなどの種別を規定する種別パラメータ、
(A2-2)攻撃力、防御力、魔法力(MP)、俊敏性などの能力を規定する能力パラメータ、及び、
(A2-3)特殊能力を規定する特殊パラメータ、
が規定される。
【0224】
さらに、各施設等オブジェクトには、それぞれ、
(A3-1)山、川、城、畑、牧場、港、向上又は、鉄道などの種別を規定する種別パラメータ、
(A3-2)港や鉄道の場合には輸送能力、牧場や畑の場合には精算能力、城の場合には防御力、又は、山や川の場合には繁栄力(動植物の住みやすさや治水などの環境能力)などの能力を規定する能力パラメータ、及び、
(A3-3)特殊能力を規定する特殊パラメータ、
が規定される。
【0225】
(環境パラメータ)
環境パラメータは、シミュレーションゲームを用いたゲームの実行時に、ゲーム空間内のゲーム環境を制御するためのパラメータであり、ゲームプログラムに組み込まれるパラメータである。
【0226】
具体的には、環境パラメータには、図7に示すように、
(B1)シミュレーションゲーム中に発生し、経験値又はマッチングによって新たに設定されるイベントにおいて、当該イベントの種別、発生タイミング、又は、発生エリアなどのイベントに関するパラメータ(以下、「イベントパラメータ」という。)、及び、
(B2)属性など一度設定されると変化不能な固有マップ自体に規定されるパラメータ(以下、「マップ固有パラメータ」ともいう。)、
が含まれる。
【0227】
例えば、イベントパラメータには、発動条件や他のマップパラメータの関係に対応付けられて、
(B1-1)イベントを固有マップ上に実行させるか否かを示すフラグ情報、
(B1-2)イベントが実行されるタイミング(時刻情報)、
(B1-3)イベントが実行されるエリア(ゲーム空間上のエリアを特定する情報)、
(B1-4)イベントが実行される際の条件、及び、
(B1-5)NPCや施設等オブジェクトのパラメータとの関係性や能力を規定する値、
が規定される。
【0228】
また、例えば、マップ固有パラメータには、固有マップに基づくシミュレーションゲームが島づくりゲームの場合には、固有マップ毎に、
(B2-1)ファンタジー、ホラー又は未来などの固有マップ全体の世界観を規定するパラメータ、
(B2-2)NPCの設定や成長の制御、施設等オブジェクトの配置制御、及び、イベントの発動制御を行うレベル(以下、「固有マップレベル」ともいう。)を規定するパラメータ、
(B2-3)プレーヤキャラクタやNPCの設定可能な種別、及び、プレーヤキャラクタやNPCが使用する道具や武器などのアイテムを規定するパラメータ、
(B2-4)施設等オブジェクトの設定可能な種別(以下、「OB種別」ともいう。)、及び、施設等オブジェクトにおいてプレーヤキャラクタやNPCが入手可能なアイテム(以下、「OBアイテム」ともいう。)を規定するパラメータ(B2-2の固有マップレベルに応じて規定される場合も含む。)、並びに、
(B2-5)固有マップのみで入手可能なアイテム(以下、「固有アイテム」ともいう。)又は、施設等オブジェクト(以下、「固有OB」ともいう。)
が規定される。
【0229】
[4.3]ワールドマップ
次に、図8を用いて本実施形態のワールドマップについて説明する。なお、図8は、本実施形態のワールドマップの各パラメータの例を示す図である。
【0230】
本実施形態のワールドマップは、マッチングされたプレーヤが有する個々の固有マップをゲーム空間内において物理的に接続されて形成されており、例えば、陸続きになるように、又は、海を介して各固有マップが接続されて形成される。
【0231】
そして、ワールドマップは、上述のように形成されると、例えば、図8に示すワールドマップデータとして、ゲームデータ記憶部274に記憶される。
【0232】
なお、ワールドマップは、マッチング処理とともに自プレーヤのゲームにおいて完結したものであってもよいし(すなわち、個々の端末装置20にそれぞれ独自にマッチング処理を実行してもよいし)、他の端末装置20と連動して共通のマップとして利用されてもよい。ただし、他の端末装置20と共通のマップとして利用される場合には、サーバ装置10や他の端末装置20によってマッチング処理が実行されて生成されたワールドマップの提供を受けてもよいし、自プレーヤ用にマッチング処理を実行して生成したワールドマップを、サーバ装置10又は他の端末装置20に提供してもよい。
【0233】
また、本実施形態のワールドマップは、個々の固有マップにおける地形、当該固有のマップに備わる設備や建設された施設(すなわち、施設等オブジェクト)、生態系(動植物などの上述のNPCや山や川などの施設等オブジェクトを含む)及び各固有マップ内の既に構築されている環境要素が維持された状態で形成される。
【0234】
このため、ワールドマップは、マッチングされたプレーヤが異なると、それぞれ固有マップの地形(すなわち、島の形状)を生かしつつも、全体的には異なるマップが形成される。
【0235】
一方、ワールドマップ用のマップパラメータとしては、使用される固有マップ及び他の
固有マップとの接続方法が規定された接続固有マップのパラメータ(以下、「接続パラメータ」という。)と、ワールドゲーム中に発生するイベントにおいて、当該イベントの実行の有無、種別、発生タイミング、発生エリア、及び、イベント発生時の他のマップパラメータの値などのイベントに関するイベントパラメータと、が含まれる。
【0236】
例えば、接続パラメータには、図8に示すように、固有マップの所有するプレーヤID(自プレーヤも含む。)と、それぞれの固有マップにおける他の固有マップとの接続方法とを示すパラメータが含まれる。
【0237】
また、イベントパラメータには、図8に示すように、イベントをワールドマップに実行させるか否か、実行されるタイミング、実行されるエリア、実行される際の条件、及び、各種のパラメータや他のプレーヤのキャラクタとの関係性や能力を規定する値が規定される。
【0238】
特に、イベントパラメータは、マッチングの状況やマッチング条件に応じてパラメータの値が変化する。
【0239】
なお、本実施形態においては、ワールドマップは、マッチングされたプレーヤの複数の固有マップを接続することによって形成されているが、ワールドマップを構成する全ての固有マップがマッチングされたプレーヤの固有マップである必要はなく、予め基準となるマップ(固有マップに該当するマップ)が組み込まれたゲームマップに、マッチングされたプレーヤの固有マップを組み込むことによって形成されてもよい。
【0240】
[4.4]固有マップのマップパラメータのプレーヤによる設定
次に、本実施形態のシミュレーションゲームの実行時及びワールドマップゲームの終了後に実行される固有マップのマップパラメータのプレーヤによる設定について説明する。
【0241】
入力処理部211は、プレーヤの操作に基づいて、プレーヤに関する情報の入力を受け付けるとともに、例えば、図6(能力及び特殊能力を除く)及び図7(イベントパラメータを除く)に示すような予め設定可能に設定されている固有マップのマップパラメータの入力を受け付け、受け付けたプレーヤに関する情報をプレーヤ情報273に記憶するとともに、受け付けたマップパラメータをマップパラメータデータとしてゲームデータ記憶部274に記憶する。
【0242】
特に、入力処理部211は、後述するように、既に生成されたワールドマップに用いた固有マップを示す固有マップに関するマップパラメータ応じて、設定可能なマップパラメータが拡張(今まで設定不可のパラメータが設定可能に開放されることや予め定められた上限値が上方に変更されること)や縮小(今まで設定可能なパラメータが設定不能になること)を含み、設定可能なマップパラメータが変化した場合には、当該変化したマップパラメータの設定に関する入力を受け付けることが可能な構成を有していてもよい。
【0243】
また、入力処理部211は、マッチング回数、又は、他のプレーヤの固有マップに応じて自プレーヤのマップパラメータを変化させる制御が実行された場合には、これらの変化したマップパラメータについての操作指示を受け付ける。
【0244】
例えば、入力処理部211は、既に生成されたワールドマップに用いた固有マップを示す固有マップに応じて、新たにNPCが設定可能になった場合(パラメータが拡張した場合)には、当該NPCに関するパラメータ(例えば、図6に示すNPCのパラメータ(能力及び特殊能力を除く))の設定を行う。
【0245】
そして、入力処理部211は、このように受け付けて入力されたマップパラメータ(例えば、図6(能力及び特殊能力を除く)及び図7(イベントパラメータを除く)パラメータ)を、マップパラメータデータとして、ゲームデータ記憶部274に記憶する。
【0246】
なお、ゲーム処理部213は、このように設定されたマップパラメータに基づいて、ゲーム空間にオブジェクトを登場させるなど(例えば、NPCの登場や施設オブジェクトの設置)、当該設定されたマップパラメータを用いて固有マップにおけるシミュレーションゲームを実行するとともに、その後にマッチングが実行された場合には、このように設定されたマップパラメータに基づいて、ワールドマップゲームを実行する。
【0247】
[4.5]シミュレーションゲーム
次に、本実施形態のシミュレーションゲームについて説明する。
【0248】
(シミュレーションゲームの原理)
ゲーム処理部213は、シミュレーションゲームとしては、プレーヤの操作指示に基づいて、キャラクタパラメータ及び環境パラメータのマップパラメータ(一部のパラメータを除く。)を設定するとともに、プレーヤの操作指示及びゲーム状況に応じて、設定した各パラメータを変化させつつ、NPCと協力して、又は、施設等オブジェクトを利用して、プレーヤキャラクタによるストーリーを展開させつつ、固有マップの閉じたゲーム空間における島づくりゲームを実行する。
【0249】
具体的には、ゲーム処理部213は、プレーヤの操作指示に基づいて、プレーヤキャラクタの初期設定を行うとともに、プレーヤキャラクタ以外に所定のアルゴリズムによってゲーム空間を移動可能な島の住人、当該島に生息する動植物や獣人、及び、当該島で製造されたロボットなどのNPCの初期設定を実行し、ゲームデータ記憶部274に固有マップデータとして記憶する。
【0250】
そして、ゲーム処理部213は、ゲームの開始後においては、プレーヤの操作指示及び各種のキャラクタパラメータに応じて、かつ、NPC及び施設等オブジェクトに状況に応じて、所定のアルゴリズムに従いつつ、ゲーム空間内におけるプレーヤキャラクタ、NPC及び施設等オブジェクトを制御してプレーヤキャラクタによるストーリーを展開させて島づくりゲームを実行する。
【0251】
特に、ゲーム処理部213は、初期設定としては、プレーヤキャラクタ、NPC及び施設等オブジェクトに対する各キャラクタパラメータを設定することによって実行し、ゲーム開始後においては、ゲームの進行情報に応じてプレーヤキャラクタ、NPC及び施設等オブジェクトに対する各キャラクタパラメータを変化させてゲームデータ記憶部274に記憶された固有マップデータを更新する。
【0252】
(シミュレーションゲームの例示)
例えば、上述の島づくりゲームの場合には、ゲーム処理部213は、初期設定としては、プレーヤの操作指示及びアルゴリズムに基づいて、プレーヤキャラクタの職業パラメータ、種族パラメータ、属性パラメータ、及び初期に装備可能なアイテムの種別を示すアイテムパラメータを設定する。
【0253】
また、例えば、上述の島づくりゲームの場合には、ゲーム処理部213は、ゲームの進行に伴って、ゲーム開始後のシミュレーションゲーム期間中には、プレーヤの操作指示、アルゴリズム及び初期設定された各パラメータに基づいて、攻撃力などの能力パラメータ、プレーヤレベルパラメータ及びプレーヤキャラクタの能力を補正するアイテムパラメータと、島の環境を制御する環境パラメータと、を変化させ、当該変化させた各パラメータ
に基づいて、各種のイベントの実行制御などをしつつ、ゲームを進行させる。
【0254】
さらに、例えば、ゲーム処理部213は、プレーヤキャラクタ、住人などのNPC及び施設等オブジェクトの能力やレベルを上げて(初期に設定されたレベルの上限を書き換えてさらに上のレベルに設定可能になる上限突破を含む概念。)、新規な農作物や工業製品の生産やその効率化を実行し、その島固有の道具などのアイテム(その島でしか入手できない道具や武器など)の使用や製造を実行し、新たな施設等オブジェクトの作成や配置を可能にし、及び、その島でしか生息しない又は育成できない動植物を出現させるなどのゲーム処理を実行する。
【0255】
具体的には、ゲーム処理部213は、プレーヤの操作指示に基づいて、課金によって、又は、ゲーム内で取得したゲーム内通貨によって、固有マップのゲーム空間内に新たな施設として店舗を配置し、武器、防具又は道具などのアイテムを購入及び売却をする制御を実行する。
【0256】
また、ゲーム処理部213は、プレーヤの操作指示に基づいて、課金によって、ゲーム内で取得したゲーム内通貨によって、又は、住人の能力に応じて、新たな施設として農地を配置し、所定の農作物を生産する制御を実行する。
【0257】
さらに、ゲーム処理部213は、プレーヤの操作指示に基づいて、課金によって、又は、ゲーム内で取得したゲーム内通貨によって、鍛冶職人を設定しつつ、当該能力を向上させて、固有マップ内において固有の道具を生産させる制御を実行する。
【0258】
なお、本実施形態のマップパラメータは、記憶部270に記憶するとともに、予め定められたタイミングにおいて、プレーヤIDに対応付けてサーバ装置10に登録される。
【0259】
また、本実施形態においては、ゲーム処理部213は、課金によって、ゲーム空間における対戦によって、又は、ガチャなどの抽選の他のゲーム要素によって、各パラメータを強化(変更)してもよい。
【0260】
[4.6]マッチング処理
次に、本実施形態のマッチング処理及びワールドマップの生成処理について説明する。
【0261】
マッチング制御部214は、所定のタイミング(又は、所定のタイミング毎)に、サーバ装置10から他のプレーヤ情報146を取得し、当該取得した他のプレーヤ情報146と記憶部270に記憶された自プレーヤのプレーヤ情報273と、に基づいて、それぞれの固有マップを用いてシミュレーションゲームを実行している複数のプレーヤを、マッチングさせるマッチング処理を実行する。
【0262】
例えば、マッチング制御部214は、月曜日の0時などゲーム上予め定められたタイミング、プレーヤが要求したタイミング、フレンド登録が所定数集まったタイミング又は所定の募集に応募した他のプレーヤが所定数集まった場合などの所定のタイミングに、複数のプレーヤを、マッチングさせるマッチング処理を実行する。
【0263】
特に、マッチング制御部214は、所定のタイミングに、同一レベルを有するプレーヤ、フレンド登録されているプレーヤ、又は、同一の誕生月のプレーヤなどの所与のマッチング条件に基づいて、2以上のプレーヤをマッチングする。
【0264】
すなわち、マッチング制御部214は、サーバ装置10から他のプレーヤのプレーヤ情報146を取得するとともに、取得したプレーヤ情報146及び記憶部270に記憶され
た自プレーヤのプレーヤ情報273に基づいて、所与のマッチング条件を具備したプレーヤをマッチングさせること、及び、所与のマッチング条件を具備するプレーヤとのマッチングする確率(以下、「マッチング確率」という。)を変化させたマッチングを実行する。
【0265】
例えば、マッチング制御部214は、
(A)同一のゲームレベルを有するプレーヤであること、
(B)所定のゲームレベル差のあるプレーヤであること、
(C)フレンド登録のあるプレーヤ又はフレンド登録の無いプレーヤであること、
(D)所定の期間内(1週間以内)にゲームを実行しているアクティブプレーヤであること、又は、当該所定の期間内にゲームを実行していない休眠プレーヤであること、及び、(E)同一のゲーム上の属性を有するプレーヤであること、
をマッチング条件としてマッチング処理を実行する。
【0266】
また、マッチング制御部214は、例えば、同一のゲームレベルを有する2以上のプレーヤをマッチングするマッチング処理を実行し、又は、同一のゲームレベルを有する2以上のプレーヤをマッチングする確率を高くしたマッチング処理(例えば、他のマッチング各率の2倍など)を実行する。
【0267】
一方、マッチング制御部214は、マッチング処理の実行後であって、所与の期間結果後に、所定のタイミングに、又は、ワールドマップゲームの終了後に、それぞれの固有マップに基づいてシミュレーションゲームを実行している複数のプレーヤを、マッチングさせるマッチング処理を再度実行し、当該マッチング処理を繰り返す。
【0268】
例えば、マッチング制御部214は、毎週月曜日の0時などゲーム上予め定められたタイミング毎に、複数のプレーヤを、マッチングさせるマッチング処理を実行する。
【0269】
なお、本実施形態においては、シミュレーションゲームを実行しているプレーヤについてマッチング処理を実行しているが、ゲームを行うべく登録をしたプレーヤ、ゲームを実行する上で必要なゲームプログラムを取得したプレーヤ若しくは所与のゲームに参加表明をしたプレーヤなど未だシミュレーションゲームを実行していないプレーヤ、又は、既にゲームへの参加を取り止めたプレーヤ(すなわち、ゲームプログラムを削除するなど退会したプレーヤ)であってもよく、この場合には、予め用意された固有マップや最終的に記憶されている固有マップを用いればよい。
【0270】
また、本実施形態のサーバ装置10は、マッチング制御部214の機能を有し、マッチング処理を当該サーバ装置10(具体的には、ゲーム管理部103)によって実行することも可能である。この場合には、マッチング制御部214は、プレーヤのプレーヤ情報をサーバ装置10に提供し、マッチング結果(マッチングされた他のプレーヤの固有マップデータやプレーヤ情報)を取得する。
【0271】
他方、マッチング制御部214は、プレーヤのゲームのプレー状況に応じて、所与のタイミングに、前記ゲームに参加する2以上のプレーヤをマッチングさせてもよい。
【0272】
例えば、マッチング制御部214は、所定の期間内(1週間以内)にゲームを実行していいない休眠プレーヤについては、マッチング対象には含めないこと、ゲームレレベルが同一又は略同一(±2)の当該ゲームレベル同士のプレーヤをマッチングさせること、ゲームレベルの低いプレーヤに対してはゲームレベルが高くゲーム時間の長いプレーヤをマッチングさせること、又は、同じ世界観を有しているプレーヤ同士をマッチングさせてもよい。
【0273】
[4.7]ワールドマップの生成処理
次に、本実施形態のワールドマップの生成処理について説明する。
【0274】
(ワールドマップの生成処理の原理)
マップ生成部215は、サーバ装置10からマッチングされた他のプレーヤの固有マップのデータを取得し、当該取得した固有マップデータとゲームデータ記憶部274に記憶された自プレーヤの固有マップデータと、に基づいて、ワールドマップを生成する。
【0275】
特に、マップ生成部215は、各固有マップによって形成されるゲーム空間上において、例えば、図4(B)に示すように、物理的に接続され、かつ、他のプレーヤの固有マップのゲーム空間へ相互に移動可能なゲームマップをワールドマップとして生成する。
【0276】
また、マップ生成部215は、固有マップの地形(例えば、島の形状)及び各固有マップに設置された施設等オブジェクトを維持しつつ、かつ、住人を含む生態系を維持しつつ、ワールドマップを生成する。
【0277】
そして、マップ生成部215は、生成したワールドマップをワールドマップデータとしてゲームデータ記憶部274に登録するとともに、他のマッチングされたプレーヤに提供する場合には、サーバ装置10又は他の端末装置20に当該ワールドマップデータを提供する。
【0278】
例えば、固有マップとして海に囲まれた島のゲーム空間を規定するマップを用いる場合には、マップ生成部215は、例えば、図4(B)に示すような島と島とがゲーム空間上において陸続きで接続され、又は、海を介して接続され、当該海を介して接続される場合には、島同士を橋、飛行機、又は、船によって行き来可能に接続されたワールドマップを生成する。
【0279】
なお、マップ生成部215は、3以上のプレーヤがマッチングされた場合には、各島同士が接続されたワールドマップを生成してもよいし、他の島を介して行き来可能に接続されるワールドマップを生成してもよい。
【0280】
また、本実施形態のサーバ装置10は、マップ生成部215の機能を有し、ワールドマップを生成するマップ生成処理を当該サーバ装置10(具体的には、ゲーム管理部103)によって実行することも可能である。この場合には、マップ生成部215は、プレーヤの固有マップデータをサーバ装置10に提供し、生成されたワールドマップデータ(マップパラメータを含む。)を取得する。
【0281】
(ワールドマップゲームにおけるマップパラメータ)
マップ生成部215は、マッチングされたプレーヤの固有マップ(固有マップ用のマップパラメータを含む。)に基づいて、当該固有マップによって生成したワールドマップ用のマップパラメータを設定する。
【0282】
特に、マップ生成部215は、ワールドマップの生成時に、ワールドマップ自体に設定されるイベントや後述の探索エリアに関するパラメータ(例えば、図8に示すようなワールドマップ用のマップパラメータ)を設定する。
【0283】
そして、マップ生成部215は、設定したワールドマップ用のマップパラメータを、ゲームデータ記憶部274に登録するとともに、他のマッチングされたプレーヤに提供する場合には、サーバ装置10又は他の端末装置20に、当該ワールドマップデータとともに
当該マップパラメータを提供する。
【0284】
例えば、マップ生成部215は、ワールドマップ用のマップパラメータとしては、上述の図8に示すように、
(1)ワールドマップ上によって発生するイベントの種類を規定するパラメータ、
(2)イベントをワールドマップに実行させるか否か、
(3)実行されるタイミング、
(4)実行されるエリア、
(5)実行される際の条件、及び、
(6)各種のパラメータや他のプレーヤのキャラクタとの関係性や能力を規定する値
が規定される。
【0285】
(探索エリアの追加)
マップ生成部215は、ワールドマップを生成すると、マッチングの結果、所与の条件を具備した場合に、イベントとして、例えば、図4(B)に示すように、生成したワールドマップ上に、新たに探索可能な探索エリア(すなわち、ダンジョン)を設定(追加)する。
【0286】
特に、マップ生成部215は、探索エリアとしては、ワールドマップゲームの開始当初には場所が不明、又は、入り口から入れないなどの到達することができない状態であって、当該ワールドマップゲームを進めることによって発見可能、又は、到達可能で迷宮的な探索エリアであってもよい。
【0287】
また、マップ生成部215は、マッチングされたプレーヤ同士が友人関係や同一のゲームレベルなどのプレーヤの関係性、マッチングされたプレーヤにおけるプレーヤキャラクタの種別が同一や3以上の異属性であることなどプレーヤキャラクタの関係性、自プレーヤと他プレーヤのNPCや静的オブジェクトの関係性、又は、自プレーヤと他プレーヤのゲーム環境におけるパラメータの関係性など、所与の条件が合致した場合に、ワールドマップ上にダンジョンを設定する。
【0288】
そして、マップ生成部215は、ワールドマップの生成及びワールドマップ用のゲームパラメータを設定し、ゲームデータ記憶部274に登録するとともに、他のマッチングされたプレーヤに提供する場合には、サーバ装置10又は他の端末装置20に探索エリアを追加した当該ワールドマップデータを提供する。
【0289】
なお、本実施形態のマップ生成部215は、上記の所与の条件を具備した場合に、ゲームマップ上に新たな探索エリアを形成してもよいし、ワールドマップの生成時に同時に生成された探索エリアをロックしておき、上記の所与の条件を具備した場合に、当該ロックを解除して該当する探索エリアを利用可能にしてもよい。
【0290】
(マッチング処理に伴う固有マップのマップパラメータの設定及び変更)
マップ生成部215は、マッチングされたプレーヤ間における不公平な能力や条件のバランスを図るため、資源を無駄にせずにゲームに活用するため、又は、ゲームパラメータにアクセントを付けて興趣性の高いワールドマップゲームを実行させるために、マッチングの状況に基づいて、固有マップに規定されているマップパラメータの種別、値又はその双方をする構成を有している。
【0291】
特に、マッチングされたプレーヤ間において、レベル差が大きい場合に、プレーヤキャラクタの能力差を小さくするなど、プレーヤキャラクタの能力やマップ自体の能力を調整することによって、ゲーム上のアクセントを付けると、ゲームの興趣性が向上する場合が
ある。
【0292】
また、通常、ワールドマップを生成することによって、他のプレーヤのゲームレベルが自プレーヤよりも高くても、自プレーヤより攻撃力が低い場合も想定される。この場合に、マップパラメータを調整しないでワールドマップゲームを実行すると、プレーヤ間に不公平感を与えるだけでなく、ゲームとしてのバランスも欠く。
【0293】
そこで、本実施形態においては、マップ生成部215は、マッチングの状況や生成したワールドマップに基づいて、自プレーヤのマップパラメータの設定又は変更を実行し、かつ、ゲームデータ記憶部274に登録し、他のプレーヤにマップパラメータを提供する場合には、マッチングの状況に応じて、他のプレーヤの固有マップのマップパラメータの設定又は変更を実行してサーバ装置10又は他の端末装置20に提供する。
【0294】
特に、マップ生成部215は、ワールドマップを生成する際に、マッチングの状況に応じて、前記ゲームマップに用いた固有マップを示す各固有マップに関するマップパラメータの種別及び値の少なくともいずれか一方を変更する。
【0295】
そして、マップ生成部215は、マッチングされたプレーヤの固有マップに基づいて、例えば、図6及び図7に示すような固有マップのマップパラメータ(キャラクタパラメータ及び環境パラメータ)などのワールドマップゲームが提供されるプレーヤの固有マップに関するマップパラメータの設定又は変更を実行する。
【0296】
具体的には、マップ生成部215は、マッチング制御部214からマッチングの状況を示す情報を取得するとともに、サーバ装置10から他のプレーヤの固有マップデータ(マップパラメータを含む。)を取得し、取得したマッチングの状況の情報に基づいて、自プレーヤの固有マップに規定されているマップパラメータの種別(例えば、キャラクタの能力)及び値(例えば、100%を基準とした能力値)の少なくともいずれか一方を変更し、ゲームデータ記憶部274の該当するマップパラメータを更新する。
【0297】
そして、マップ生成部215は、他のプレーヤにマップパラメータを提供する場合には、マッチングの状況に基づいて、取得した他のプレーヤの固有マップパラメータの設定又は変更を実行してサーバ装置10又は他の端末装置20に提供する。
【0298】
例えば、マップ生成部215は、所定のゲームレベル差のあるプレーヤをマッチングさせるマッチングの状況の場合には、マッチング対象のゲームレベルの低いプレーヤのマップパラメータにおいて、マップとしての防御能力(又は戦闘能力)を規定するパラメータの値を、マッチング対象のゲームレベルの高いプレーヤのマップパラメータの値より低く(又は高く)設定し、ゲームデータ記憶部274の該当するマップパラメータを更新する。
【0299】
また、マップ生成部215は、例えば、所定の期間内(1週間以内)にゲームを実行しているアクティブプレーヤと所定の期間内にゲームを実行していない休眠プレーヤとをマッチングさせるマッチング条件の場合には、アクティブプレーヤのマップパラメータにおいて、マップとしての防御能力(又は戦闘能力)を規定するパラメータの値を、休眠プレーヤのマップパラメータの値より高く(又は低く)設定し、ゲームデータ記憶部274の該当するマップパラメータを更新する。
【0300】
そして、マップ生成部215は、マッチングされた全てのプレーヤのゲームレベルが「1」であるマッチング条件の場合には、プレーヤ全員での協力プレーによって解決するイベントを発生させるためのパラメータ(他のプレーヤの「戦闘」を規定するパラメータを
「0」及び「友好」を規定するパラメータを最大に設定)をマップパラメータとしてゲームデータ記憶部274に登録する。
【0301】
一方、マップ生成部215は、マッチング処理が実行された場合には、当該マッチングによって生成されるワールドマップに用いた固有マップに関するマップパラメータの既に設定されている種別及び値の少なくともいずれか一方を変更してもよい。
【0302】
すなわち、マップ生成部215は、マッチングに対するモチベーションを高めるため、及び、ゲームの興趣性を向上させるため、マッチング処理が実行される毎に、固有マップに関するマップパラメータを自動的に更新し、更新したマップパラメータを固有マップにおけるシミュレーションゲームやワールドマップゲームを進行させる。
【0303】
具体的には、マップ生成部215は、マッチングする毎に、自動的に固有マップのマップパラメータを成長させるためのマップパラメータ、また、固有マップによって形成されるゲーム空間内の状況を進化させるためのマップパラメータ(登場するキャラクタを増加させ、施設オブジェクトを多く構築させるなどのマップパラメータ)を新たに追加し、又は、その値を更新してもよい。
【0304】
例えば、マップ生成部215は、マッチング処理が実行される毎に、NPCや施設オブジェクトのレベルを「+1」ずつ更新させ、NPCの人数を所定数ずつ増加させ、又は、畑の施設オブジェクトの生産量を増加させる。
【0305】
なお、マップ生成部215は、ワールドマップゲームが終了した場合には、当該ワールドマップゲームを実行する際のマッチングの状況に応じて、該当する固有マップに規定されたマップパラメータの種別及び値(すなわち、ワールドマップが生成されたタイミングにおける元の値)の少なくともいずれか一方を変更し、ゲームデータ記憶部274の該当するマップパラメータを更新してもよい。
【0306】
また、本実施形態のサーバ装置10は、マップ生成部215の機能を有し、マップ生成処理をサーバ装置10(具体的には、ゲーム管理部103)によって実行することも可能である。この場合には、マップ生成部215は、マッチング結果(マッチングされた他のプレーヤの固有マップデータやプレーヤ情報)とともに、ワールドマップのデータと変更された自プレーヤのマップパラメータを取得する。
【0307】
そして、マップ生成部215は、ゲームデータ記憶部274に記憶されている自プレーヤのマップパラメータを、取得したマップパラメータに更新する。
【0308】
さらに、入力処理部211は、上述のように、マッチング処理時に、ワールドマップゲームの実行時、又は、当該ワールドマップゲームの終了時に、プレーヤの操作に基づいて、プレーヤに関する情報の入力を受け付け、受け付けたマップパラメータをマップパラメータデータとしてゲームデータ記憶部274に記憶してもよい。
【0309】
(他のプレーヤの固有マップに基づくマップパラメータの設定及び変更)
マップ生成部215は、他のプレーヤとマッチングする毎に、未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させるため、マッチングされた他のプレーヤの固有マップ及び自プレーヤの固有マップに基づいて、自プレーヤが使用するワールドマップゲームのプレー環境を規定するマップパラメータの設定又は変更を実行し、ゲームデータ記憶部274に登録する。
【0310】
特に、マップ生成部215は、ワールドマップを生成することによって、プレーヤキャ
ラクタやNPCの移動可能な範囲を変化させるだけでなく、マップパラメータに応じてゲーム中に発生するイベント、プレーヤキャラクタを含む各種のキャラクタの特性、又は、各種のオブジェクトの特性をも変化させるため、ワールドマップを生成すると、固有マップに規定されているマップパラメータの設定又は変更を実行し、又は、ワールドマップのマップパラメータを設定し、ゲームデータ記憶部274に登録する。
【0311】
そして、マップ生成部215は、他のプレーヤに固有マップのマップパラメータ又はワールドマップ用のマップデータを提供する場合には、マッチングされた自プレーヤ及び他のプレーヤの固有マップに基づいて、取得した他のプレーヤの固有マップパラメータの設定又は変更を実行してサーバ装置10又は他の端末装置20に提供する。
【0312】
具体的には、マップ生成部215は、マッチングされた他のプレーヤの固有マップのマップパラメータと、自プレーヤの固有マップのマップパラメータと、に基づいて、所与の条件を具備するか否かを判定し、所与の条件に具備している場合には、例えば、所定のイベントやクエストの追加(敵キャラクとしての魔王の登場、さらわれた姫の救出)、探索エリアの追加(ワールドマップ上の特定のエリアにダンジョンが設定されること)、プレーヤキャラクタやNPCの変化(ロボット化、ゾンビ化又は戦士化)及び施設等オブジェクトの改変など、固有マップに規定されているマップパラメータの設定又は変更を実行し、又は、ワールドマップ用のマップパラメータを設定し、ゲームデータ記憶部274に登録する。
【0313】
例えば、マップ生成部215は、プレーヤキャラクタにおける職業において、「釣り人」が「2人」、「メイド」が「3人」及び「鍛冶職人」が1人集まった場合には、他のプレーヤキャラクタと行動を共にすることを条件に、特定のアイテムが入手する特別イベントを発生させるためのパラメータをゲームデータ記憶部274に登録する。
【0314】
また、マップ生成部215は、マッチングされたプレーヤのプレーヤキャラクタの種族が「人間」と「ロボット」である場合には、各プレーヤが協力プレーによってイベントを実行した場合には、人造人間になるイベントを発生させるためのパラメータをゲームデータ記憶部274に登録する。
【0315】
一方、マップ生成部215は、マッチングされたプレーヤの固有マップにおける環境パラメータにおいて、同一の世界観(例えば、ファンタジー)のパラメータが設定されている場合には、同一の世界観(すなわち、ファンタジー)のワールドマップを生成するためのパラメータをゲームデータ記憶部274に登録する。
【0316】
また、マップ生成部215は、マッチングされた各プレーヤの固有マップにおける施設等オブジェクトの種別(キャラクタパラメータ)において、「店」が「1」、「城」が「2」及び「特定のダンジョン」が「2」を有するプレーヤがマッチングされた場合には、自プレーヤが保有していない施設を利用可能にするためのパラメータをゲームデータ記憶部274に登録する。
【0317】
さらに、マップ生成部215は、マッチングされた2以上のプレーヤの固有マップにおけるNPCの種別(キャラクタパラメータ)において、「開墾能力」を有する住人及び「鍛冶能力」を有する住人が規定されている場合には、鍛冶能力を有する武器を生産することを可能にするためのパラメータをゲームデータ記憶部274に登録する。
【0318】
[4.8]ワールドマップゲーム
次に、本実施形態のワールドマップゲームについて説明する。
【0319】
ゲーム処理部213は、ワールドマップゲームとしては、例えば、図5に示すように、自プレーヤに対して、ワールドマップを用いて形成された同一のゲーム空間において、他のマッチングプレーヤと協力して又は単独で(他のマッチングされたプレーヤをゴーストとして利用する場合も含む。)、ロールプレイングゲーム又はストーリー性やゲーム空間の移動がある対戦ゲームやシューティングゲームなどのワールドマップゲームの実行を制御する。
【0320】
特に、ゲーム処理部213は、生成されたワールドマップ、プレーヤの操作指示、設定された自プレーヤの固有マップのマップパラメータ、及び、生成されたワールドマップのマップパラメータに基づいて、ワールドマップを用いたロールプレイングゲーム、又は、ストーリー性やゲーム空間の移動を伴う対戦ゲーム若しくはシューティングゲームなどのワールドマップゲームの実行を制御する。
【0321】
具体的には、ゲーム処理部213は、生成されたワールドマップ、プレーヤの操作指示、設定された自プレーヤの固有マップのマップパラメータ、及び、生成されたワールドマップのマップパラメータに基づいて、固有マップのマップパラメータを変化させつつ、
(1)自分のプレーヤキャラクタ及びNPCと他の固有マップのゲーム空間内に設定されたプレーヤキャラクタ及びNPCとを接触(協力や対戦)させて、
(2)自分のプレーヤキャラクタ及びNPCを他の固有マップのゲーム空間内に設定された施設等オブジェクトに来訪させて、
プレーヤキャラクタによるストーリーを展開させる。
【0322】
そして、ゲーム処理部213は、マッチングされた各プレーヤの固有マップのマップパラメータ、及び、ワールドマップゲームのマップパラメータの少なくともいずれか一方に基づいて、ゲームにおけるイベントを制御する。
【0323】
すなわち、ゲーム処理部213は、マッチングする毎に、各プレーヤの固有マップのマップパラメータやワールドマップのパラメータに基づいて、ゲームに発生するイベントを制御し、マッチング毎に、未知のゲーム要素を取り込むこと、また、当該未知のゲーム要素によって予想外の展開にゲームを発展させることが可能な構成を有している。
【0324】
なお、本実施形態の端末装置20は、ワールドマップゲームにおいて、プレーヤキャラクタが特定の他のプレーヤの固有マップに来訪した場合に、当該他のプレーヤの固有マップ上の住人やその他の住人を招集することが可能なイベントを発動することも可能である。
【0325】
例えば、自プレーヤのプレーヤキャラクタが「獣人」の場合であって、マッチングされた他のプレーヤの個人マップがクリスマス島のゲーム空間が形成されている場合に、本実施形態の端末装置20は、ワールドマップゲーム中に、獣人のプレーヤキャラクタがクリスマス島に来訪すると、サンタのそりをひいて集まったNPCにプレゼントを配布するイベントを実行してもよい。
【0326】
一方、ゲーム処理部213は、予め定められたワールドマップゲームのゲーム期間の終了や当該ワールドマップゲームにおける所定のイベントの終了など所与の終了条件を具備した場合に、当該ワールドマップゲームを終了させるとともに、マッチングを解消させる。
【0327】
例えば、本実施形態においては、所与の条件には、ゲームマップに基づく所与のゲームの開始から1週間などの実行しているワールドマップゲームを実行する上で予め定められたゲーム期間の終了、及び、当該所与のゲームにおける敵のボスキャラを倒したときなど
のワールドマップゲームの実行中に、1又は複数のイベントを終了させたこと(全てのイベントやクエストの終了であってもよいし、3つのイベントのうち、2つのイベントを終了させるなど予め定められたイベントやクエストに基づく条件を終了させていればよい。)が含まれる。
【0328】
そして、ゲーム処理部213は、ワールドマップゲーム中に変化した固有マップにおけるマップパラメータを維持しつつ、当該固有マップに基づくシミュレーションゲームを開始する。
【0329】
また、ゲーム処理部213は、マッチング処理によって、他のプレーヤの固有マップのマップデータによって、又は、ワールドマップゲームによって、自プレーヤのマップパラメータが新たに設定可能になった場合に、すなわち、特定のマップパラメータが利用可能となるフラグ情報に更新された場合に、これらのパラメータの変更又は設定を受け付けるための処理を実行する。
【0330】
例えば、ゲーム処理部213は、ワールドマップゲームにおいて、ダンジョンによって新たなアイテムを獲得した場合には、当該アイテムに関するパラメータの設定可能を示すフラグ情報を更新し、プレーヤの操作指示によって当該パラメータの設定を可能にする。
【0331】
また、ゲーム処理部213は、他のプレーヤの固有マップ上において所定の生態系(イチゴが収穫可能な畑)を備えたマップパラメータを有している場合であって、自プレーヤの固有マップ上において所定の生態系を備えていない場合には、自プレーヤの固有マップ上に当該生態系を備えるためのパラメータの設定を可能にする。
【0332】
なお、この場合には、ゲーム処理部213は、他のプレーヤの固有マップ上の生態系を有していない状態に他のプレーヤのマップパラメータを設定してもよいし、当該生態系をそのまま維持するように、マップパラメータもそのまま維持させてもよい。
【0333】
[4.9]その他の処理
次に、本実施形態のアイテム選択処理などのその他の処理について説明する。
【0334】
(アイテム選択処理)
アイテム選択制御部217は、シミュレーションゲームの実行中、又は、ワールドマップゲームの実行中であって、所定のタイミングに、又は、所定の条件を具備した場合に、複数のアイテムから構成されるアイテム群の中から、シミュレーションゲームやワールドマップゲームにおけるゲーム状況(規定されているマップパラメータの種別や値)に応じて、少なくとも1のアイテムを選択する選択処理(いわゆるガチャ)を実行する。
【0335】
具体的には、本実施形態においては、プレーヤキャラクタ、及び、固有マップ上に配置設定されているキャラクタや施設等オブジェクト、さらに、それらを規定する環境パーメータに合わせたアイテムが供給される必要があるため、ゲーム処理部213は、自プレーヤのプレーヤキャラクタ、NPC及び施設等オブジェクトに関するマップパラメータ(すなわち、キャラクタパラメータ)、及び、各環境パラメータに応じて、選択されるべき複数のアイテムを設定してアイテム群(ガチャを実行するための複数のアイテムが設定されたボックス)を決定する、
【0336】
例えば、アイテム選択制御部217は、NPCの住人として鍛冶職人が設定されている場合には、鍛冶職人が利用するアイテムを選択されるべきアイテムとして設定し、プレーヤキャラクタがロボットの場合には、その部品(修理時に必要な部品)を選択されるべきアイテムとして設定する。
【0337】
また、アイテム選択制御部217は、ワールドマップゲームにおいて魔宮を探索するダンジョンが追加されている場合には、当該魔宮において利用可能なアイテムを選択されるべきアイテムとして設定し、ワールドマップゲームにおいて敵キャラクタとしての魔王との対戦のイベントが発生した場合には、当該魔王を倒すための武器を選択されるべきアイテムとして設定する。
【0338】
なお、アイテム選択制御部217は、固有マップやワールドマップの生成に用いられた固有マップに応じて、選択されるべき複数のアイテムから構成されるアイテム群を作成すること(すなわち、カスタマイズすること)、及び、複数のアイテムによって構成されたアイテム群を予め複数用意し、当該用意した複数のアイテム群の中から1のアイテム群を決定することを含む。
【0339】
また、選択されるべき複数のアイテムから構成されるアイテム群には、基本的には、固有マップ、ワールドマップの生成に用いられた各固有マップ及びそこで発生するイベントによって利用可能なアイテムが含まれる。ただし、当該アイテム群には、ゲーム内通貨やライフエネルギーなど、どのワールドマップや固有マップのいずれの場合においても利用可能なアイテムが含まれていてもよい。
【0340】
さらに、アイテム選択制御部217は、プレーヤの状況、固有マップに設定されたパラメータ、及び、所与のゲームのプレー環境を規定するマップパラメータの中から、少なくとも1の要素に基づいて、アイテム群の中から選択されるべきアイテムの当選確率を変更し、変更した当選確率に基づいて、少なくとも1のアイテムを選択する選択処理を実行してもよい。
【0341】
すなわち、アイテム選択制御部217は、複数のアイテムによって構成されたアイテム群を予め用意し、マップパラメータの要素に基づいて、各アイテムの選択確率を変更してもよい。
【0342】
なお、本実施形態においては、アイテムに代えて、又は、アイテムに加えて、敵キャラクタの出現、若しくは、ダンジョンの追加などのオブジェクトの提供、又は、敵キャラクタや他のプレーヤとの対戦、若しくは、ボーナスゲームの実施などのイベントの実施を選択処理の選択肢群の中に含めてもよいし上述のように、その当選確率の設定や変更が実行されてもよい。
【0343】
(マッチング時間に伴うイベントの発動)
ゲーム処理部213は、マッチング処理のタイミングに応じて又はワールドマップゲームの実行中のタイミングに応じて、当該ワールドマップゲームのイベントの種別及びその発動を制御してもよい。
【0344】
例えば、ゲーム処理部213は、クリスマス時期にマッチング処理を実行した場合又はワールドマップゲームを実行している場合には、ワールドマップゲームにおいてクリスマスイベントを実行し、マッチングした日やワールドマップゲームの実施日がマッチングされたプレーヤの誕生日である場合には、ワールドマップゲームの中において誕生日イベントが発動させてもよい。
【0345】
[4.10]変形例
次に、図9を用いて本実施形態の変形例について説明する。なお、図9は、本実施形態の変形例の一例を示す図である。
【0346】
[4.10.1]変形例1
本実施形態のサーバ装置10においては、上記のゲーム処理を実行し、他の端末装置20から各種のデータ(他のプレーヤの固有マップデータなど)をサーバ装置10経由で取得し、又は、提供しているが、例えば、図9に示すように、複数の端末装置20がそれぞれ無線通信又は有線通信によって直接接続され、1の端末装置が上記のサーバ装置10に関する処理をホストとして実行することによって、他のプレーヤに関する各種のデータを提供してもよい。
【0347】
[4.10.2]変形例2
本実施形態においては、マッチングされたプレーヤだけでなく、ゲームに参加するプレーヤや当該ゲームを提供するサービスに登録したプレーヤに対してワールドマップを提供しているが、単に、利用を希望するプレーヤに対して当該生成されたワールドマップを提供してもよい。
【0348】
[5]本実施形態における動作(ワールドマップゲーム実行開始処理)
次に、図10を用いて本実施形態の端末装置20において実行されるマッチング処理及びマップ生成処理含むワールドマップゲーム実行開始処理の動作について説明する。なお、図10は、本実施形態の端末装置20において実行されるマッチング処理及びマップ生成処理含むワールドマップゲーム実行開始処理の動作を示すフローチャートである。
【0349】
本動作においては、シミュレーションゲームの実行中であるものとし、既にシミュレーションゲームに使用されている固有マップ及び当該固有マップの各マップパラメータがゲームデータ記憶部274に記憶されているものとする。
【0350】
また、本動作においては、サーバ装置10には他のプレーヤによってシミュレーションゲームが実行されて固有マップ及び当該固有マップのマップパラメータが記憶されているものとする。
【0351】
まず、マッチング制御部214は、所定のマッチング処理の実行タイミングを検出すると(ステップS101)サーバ装置10から他のプレーヤ情報146を取得し、当該取得した他のプレーヤ情報146と記憶部270に記憶された自己のプレーヤ情報273と、に基づいて、複数のプレーヤを、マッチングさせるマッチング処理を実行する(ステップS102)。
【0352】
例えば、マッチング制御部214は、上述のように、所与のマッチング条件に基づいて、マッチング処理を実行する。
【0353】
次いで、マップ生成部215は、サーバ装置10からマッチングされた他のプレーヤの固有マップを取得し、当該取得した固有マップデータとゲームデータ記憶部274に記憶された自己の固有マップデータと、に基づいて、ワールドマップを生成するとともに、必要に応じて当該ワールドマップのマップパラメータを生成する(ステップS103)。
【0354】
次いで、マップ生成部215は、当該取得した固有マップデータとゲームデータ記憶部274に記憶された自プレーヤの固有マップデータと、に基づいて、自プレーヤの固有マップにおけるマップパラメータの設定及び変更を実行する(ステップS104)。
【0355】
なお、このとき、マップ生成部215は、マッチングした他のプレーヤにおける固有マップのマップパラメータを生成し、サーバ装置10を介して又は直接他の端末装置20に提供してもよい。
【0356】
次いで、ゲーム処理部213は、プレーヤの操作指示とともに、生成されたワールドマップ、そのマップパラメータ及び自プレーヤの固有マップにおけるマップパラメータに基づいて、ワールドマップゲームの実行を開始する(ステップS105)。
【0357】
なお、ゲーム処理部213は、ワールドマップゲームの終了タイミングを検出するまで、プレーヤの操作指示とともに、生成されたワールドマップ、そのマップパラメータ及び自プレーヤの固有マップにおけるマップパラメータに基づいて、ワールドマップゲームを実行する。
【0358】
また、ゲーム処理部213は、ワールドマップゲームの進行に伴って変化したゲームデータ記憶部274に記憶されている各マップパラメータを更新させる。
【0359】
次いで、ゲーム処理部213は、ワールドマップゲームの終了タイミングを検出すると(ステップS106)、ワールドマップゲームを終了させる(ステップS107)。
【0360】
最後に、ゲーム処理部213は、ワールドマップゲームにおいて更新されてゲームデータ記憶部274に記憶されているマップパラメータデータに基づいて、固有マップのシミュレーションゲームを再度開始して(ステップS108)本動作を終了させる。
【0361】
[6]その他
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【0362】
また、本実施形態で行うゲームは、アクションゲーム、レースゲーム、音楽ゲーム、格闘ゲーム、フライトシューティングゲームであっても実現可能である。
【0363】
本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0364】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0365】
10 … サーバ装置
20 … 端末装置
100 … 処理部
101 … 通信制御部
102 … Web処理部
103 …ゲーム管理部
120 … 入力部
130 … 表示部
140 … 記憶部
142 … 主記憶部
144 … ゲーム情報
146 … プレーヤ情報
148 … マップデータ記憶部
180 … 情報記憶媒体、
196 … 通信部
200 … 処理部
210 … オブジェクト空間設定部
211 … 入力処理部
212 … 表示制御部
213 … ゲーム処理部
214 … マッチング処理部
215 … マップ生成部
216 … 仮想カメラ制御部
217 … アイテム制御部
220 … 描画部
230 … 音処理部
270 … 記憶部
271 … 主記憶部
272 … 画像バッファ
273 … プレーヤ情報
274 … ゲームデータ記憶部
260 … 入力部
262 … 検出部
280 … 情報記憶媒体
290 … 表示部
291 … 音出力部
296 … 通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10