特許7097547IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

細胞壁内のリグニンの含有量が低減され、及び/又は、リグニンの質が改変された植物、斯かる植物を得るための方法及び核酸、並びに斯かる植物を用いたグルコースの製造方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明は、二次細胞壁中に含まれるセルロースやリグニン等、更にはそれらを分解して得られるグルコース等の成分が回収しやすくなるように植物を改変する新たな技術の提供を目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者らは鋭意検討の結果、植物の木質を蓄積する繊維細胞(以降適宜「木質繊維細胞」と称する。)において、特定の酵素を発現させることにより、二次細胞壁中に含まれるリグニンが量的及び/又は質的に改変され、二次細胞壁中に含まれるセルロースやリグニン等、更にはそれらを分解して得られるグルコース等の成分の回収効率が向上された植物が得られることを見出し、本発明に到達した。

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明によれば、木質繊維細胞の二次細胞壁中に含まれるリグニンが量的及び/又は質的に改変された植物を得ることができる。斯かる植物を用いれば、二次細胞壁中に含まれるセルロースやリグニン等、更にはそれらを分解して得られるグルコース等の成分を、容易に抽出することが可能となる。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 図1は、シロイヌナズナの野生株(Col-O)及びPkC4Hpro:HpSK1導入株の茎を、それぞれ、リグニンをフロログルシン染色して明視野で観察した画像(上段)、リグニンをモイレ染色して明視野で観察した画像(下段)を示す。茎の横断切片におけるリグニン染色の様子を観察したところ、シロイヌナズナをHpSK1をコードする核酸を含むベクターにより形質転換した株(適宜「PkC4Hpro:HpSK1導入株」、或いは単に「HpSK1導入株」という。)では、フロログルシン染色が野生株に比べてより鮮やかに呈色していたほか、モイレ染色においても野生株とは異なった呈色を示した。これらのことは、HpSK1導入株では野生株に比べてリグニンが質的に変化していることを示唆している。
【図2】 図2は、シロイヌナズナの野生株及びPkC4Hpro:HpSK1導入株の茎から抽出した、それぞれ、クラソンリグニン量(a)、酸可溶性リグニン量(b)を示す(野生株 n=8、PkC4Hpro:HpSK1導入株n=5)。クラソンリグニン量及び酸可溶性リグニン量が、HpSK1導入株では顕著に減少していることがわかる。
【図3】 図3は、シロイヌナズナの野生株、及び、PkC4Hpro:HpSK1導入株の一個体あたりの全乾燥花茎重(a)、同花茎中のグルコース量(b)、不溶性画分を一定のセルラーゼ処理によって糖化したときの酵素糖化率(c)、および一個体あたりから酵素糖化によって得られるであろうグルコース収量(d)(野生株 n=8、PkC4Hpro:HpSK1導入株n=5)。HpSK1導入株では図2で示されるようにリグニンが減少しているにもかかわらず、一個体あたりの花茎重量およびその細胞壁中のグルコース量は野生株と比較して変化していない。一方で、酵素糖化性は野生株よりも極めて高く、HpSK1導入株では一個体あたりからより多くのグルコースを抽出できるものと考えられる。

代表図 図1本件の代表的な図

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