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  • 特許-シート給送装置及び画像形成装置 図1
  • 特許-シート給送装置及び画像形成装置 図2A
  • 特許-シート給送装置及び画像形成装置 図2B
  • 特許-シート給送装置及び画像形成装置 図3
  • 特許-シート給送装置及び画像形成装置 図4
  • 特許-シート給送装置及び画像形成装置 図5
  • 特許-シート給送装置及び画像形成装置 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】シート給送装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/06 20060101AFI20220705BHJP
   B41J 13/02 20060101ALI20220705BHJP
   B41J 13/076 20060101ALI20220705BHJP
   B65H 3/52 20060101ALI20220705BHJP
【FI】
B65H3/06 330A
B41J13/02
B41J13/076
B65H3/06 330E
B65H3/52 330A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017224500
(22)【出願日】2017-11-22
(65)【公開番号】P2019094166
(43)【公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】木村 一平
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-246559(JP,A)
【文献】特開2010-155679(JP,A)
【文献】特開2001-192134(JP,A)
【文献】特開2010-168137(JP,A)
【文献】特開2009-018916(JP,A)
【文献】特開2006-151525(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
B65H 5/00
B41J 13/00
B41J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材が積載された積載部から給送される前記シート材を、1枚ずつ分離搬送するための分離搬送手段を有するシート給送装置であって、前記分離搬送手段は、
前記シート材の給送方向に回転する給送ローラと、
前記シート材を挟んで前記給送ローラに圧接可能な分離ローラとを有し、
前記給送ローラと前記分離ローラとが同一のゴム材料で形成されており、
前記給送ローラと前記分離ローラが、それぞれのローラの回転軸に固定される円筒状のハ
ブ部と、当該ハブ部の外周に嵌合される円筒状の弾性層とを有し、
前記給送ローラはその弾性層の外周面または内周面に凹凸部を有することで、前記給送ローラの見掛け硬さを前記分離ローラの見掛け硬さよりも小さくし、
前記給送ローラと前記分離ローラとが圧接する圧接部のニップ形状を前記給送ローラ側に凹形状となるようにしたことを特徴とするシート給送装置。
【請求項2】
前記凹凸部が、ローラの軸線方向に形成された複数の凸条と凹条を有することを特徴とする請求項のシート給送装置。
【請求項3】
前記凹凸部が、ローラの周方向に形成された複数の凸条と凹条を有することを特徴とする請求項のシート給送装置。
【請求項4】
前記凹凸部が、散点状に形成された複数の突起を有することを特徴とする請求項のシート給送装置。
【請求項5】
前記凹凸部が、散点状に形成された複数の窪みを有することを特徴とする請求項のシート給送装置。
【請求項6】
前記給送ローラと前記分離ローラの径が略同一に形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項のシート給送装置。
【請求項7】
前記請求項1からのいずれか1項のシート給送装置と、当該シート給送装置から送り出されたシート材に画像を形成する画像形成手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシート給送装置と当該シート給送装置を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やプリンタなどの画像形成装置では、給紙トレイに積載された用紙束から1枚ずつ用紙を分離して給紙するため、FRR分離やFR分離などの分離搬送手段が配設されている。FRR分離は、トルクリミッタを介して反給紙方向に一定量のトルクを印加された分離ローラ(戻しローラ)を給送ローラに圧接させてローラ間のニップで用紙を分離する。FR分離は、トルクリミッタを介して固定軸に支持された分離ローラ(摩擦ローラ)を給送ローラに圧接させてローラ間のニップで用紙を分離する。
【0003】
ところで、近年、画像形成装置に使用される記録媒体である用紙を、低コスト化と耐環境性のために炭酸カルシウム用紙(以下「炭カル紙」と称す)に変更する傾向が強まっている。この炭カル紙はパルプに代えて炭酸カルシウム(以下「炭カル」と称する)を多く配合した用紙であるが、この高炭カル紙を使用すると、分離搬送手段のローラに用紙から脱落した炭カルが付着・堆積しやすい。そうするとローラの摩擦力が経時で低下し、紙送り不良(不送)や重送によるジャムが発生しやすくなる。
【0004】
このような課題を解決するため、給送ローラのゴムの硬さと、給送ローラに圧接する分離ローラ(戻しローラ・摩擦ローラ)のゴムの硬さを異ならせることが提案されている。例えば特許文献1(特許3633658号公報)の発明では、給送ローラのゴム硬さよりも、分離ローラのゴム硬さを硬くすることが提案されている。こうすることで分離ローラのスリップを抑制して炭カルの飛散・付着を防止し、給送ローラに対して連れ回りしやすくすることでジャム発生を防止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1(特許3633658号公報)の発明は、給紙ローラのゴム材料と分離ローラのゴム材料をそれぞれ違う物性値の材料にすることでゴム硬さを異ならせている。このため、温度、湿度などの環境要因やローラ摩耗量の経時変化によって当該ゴム硬さが変化することで、ジャムの発生を有効に阻止することができなくなる可能性がある。
【0006】
また、経時でゴムの液体成分が給紙ローラから分離ローラに、或いは分離ローラから給紙ローラに移動し、液体成分が移動した側のローラの容積が増大する「膨潤」現象が発生する可能性もある。この膨潤が発生するとローラ径が変化することで用紙搬送量が変化したり、ローラ間隙間が変化したりすることでジャムが発生しやすくなる。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、安定した用紙分離作用により高炭カル紙を使用しても経時で用紙との間でスリップが発生したり、ローラ径の変化でジャムが発生したりするのを抑制するシート給送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため本発明のシート給送装置は、シート材が積載された積載部から給送される前記シート材を、1枚ずつ分離搬送するための分離搬送手段を有するシート給送装置であって、前記分離搬送手段は、前記シート材の給送方向に回転する給送ローラと、前記シート材を挟んで前記給送ローラに圧接可能な分離ローラとを有し、前記給送ローラと前記分離ローラとが同一のゴム材料で形成されており、前記給送ローラと前記分離ローラが、それぞれのローラの回転軸に固定される円筒状のハブ部と、当該ハブ部の外周に嵌合される円筒状の弾性層とを有し、前記給送ローラはその弾性層の外周面または内周面に凹凸部を有することで、前記給送ローラの見掛け硬さを前記分離ローラの見掛け硬さよりも小さくし、前記給送ローラと前記分離ローラとが圧接する圧接部のニップ形状を前記給送ローラ側に凹形状となるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、給送ローラと分離ローラの見掛け硬さを異ならせることで、ニップ形状を給送ローラ側に凹形状となるようにしたので、安定した用紙分離作用が得られ、経時で用紙との間でスリップが発生したり、ローラ径の変化でジャムが発生したりするのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図2A】本発明の実施形態に係るシート給送装置の斜視図である。
図2B】本発明の実施形態に係るシート給送装置の側面図である。
図3】本発明の第1実施形態のシート給送装置に使用するローラ対の(a)は無加圧状態、(b)は加圧状態の側面図である。
図4】本発明の第2実施形態のシート給送装置に使用するローラ対の給送ローラの(a)は組立斜視図、(b)は分解斜視図、(c)(d)は当該給送ローラを使用したローラ対の側面図である。
図5】本発明の第3実施形態のシート給送装置に使用するローラ対の給送ローラの(a)は組立斜視図、(b)は分解斜視図、(c)(d)は当該給送ローラを使用したローラ対の側面図である。
図6】本発明の第4実施形態のシート給送装置に使用するローラ対の給送ローラの(a)は組立斜視図、(b)は分解斜視図、(c)(d)は当該給送ローラを使用したローラ対の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係るシート給送装置と、当該シート給送装置を備えた画像形成装置(レーザプリンタ)について図面を参照して説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。また各構成部品の説明にある寸法、材質、形状、その相対配置などは例示であって、特に特定的な記載がない限りこの発明の範囲をそれらに限定する趣旨ではない。
【0012】
以下の実施形態では「シート材」を「用紙」として説明する。但し「シート材」は紙に限定されない。「シート材」は紙(用紙)だけでなくOHPシートや布帛、金属シート、プラスチックフィルム、或いは炭素繊維にあらかじめ樹脂を含浸させたプリプレグシートなども含む。
【0013】
現像剤やインクを付着させることができる媒体、記録媒体、記録紙、記録シートなどと称されるものも、すべて「シート材」に含まれる。また、「用紙」とは、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ等も含まれる。
【0014】
また、以下の説明で使用する「画像形成」とは、文字や図形等の意味を持つ画像を媒体に対して付与することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像を媒体に付与することも意味する。
【0015】
(レーザプリンタの構成)
図1は、本発明のシート給送装置を備えた画像形成装置の一実施形態としてのカラーレーザプリンタの構成を概略的に示す構成図である。このカラーレーザプリンタ100は、画像形成手段としての4つのプロセスユニット1K、1Y、1M、1Cを備えている。これらプロセスユニットは、カラー画像の色分解成分に対応するブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の現像剤によって画像を形成する。
【0016】
各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cは、互いに異なる色の未使用トナーを収容したトナーボトル6K、6Y、6M、6Cを有する以外は、同様の構成となっている。このため、1つのプロセスユニット1Kの構成を以下に説明し、他のプロセスユニット1Y、1M、1Cは、その構成の説明を省略する。
【0017】
プロセスユニット1Kは、像担持体2K(例えば感光体ドラム)と、ドラムクリーニング装置3Kと、除電装置を有している。プロセスユニット1Kはさらに、像担持体の表面を一様帯電する帯電手段としての帯電装置4Kと、像担持体上に形成された静電潜像の可視像処理を行う現像手段としての現像装置5K等を有している。そして、プロセスユニット1Kは、レーザプリンタ100の本体に対して着脱自在に装着され、消耗部品を同時に交換可能となっている。
【0018】
露光器7は、このレーザプリンタ100に設置された各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cの上方に配設されている。そして、この露光器7は、画像情報に応じた書き込み走査、すなわち、画像データに基づいてレーザダイオードからレーザ光を発光するように構成されている。
【0019】
転写装置15は、この実施形態では各プロセスユニット1K、1Y、1M、1Cの下方に配設されている。一次転写ローラ19K、19Y、19M、19Cは、各像担持体2K、2Y、2M、2Cに対向して中間転写ベルト16に当接して配置されている。
【0020】
中間転写ベルト16は、各一次転写ローラ19K、19Y、19M、19C、駆動ローラ18、従動ローラ17に掛け渡された状態で循環走行するようになっている。二次転写ローラ20は、駆動ローラ18に対向し中間転写ベルト16に当接して配置されている。なお、像担持体2K、2Y、2M、2Cが各色の第1の像担持体とすれば、中間転写ベルト16はそれらの像を合成した第2の像担持体である。
【0021】
ベルトクリーニング装置21は、中間転写ベルト16の走行方向において、二次転写ローラ20より下流側に設置されている。また、クリーニングバックアップローラが中間転写ベルト16に対してベルトクリーニング装置21と反対側に設置されている。
【0022】
シート材を積載する積載部を有する給紙トレイ50は、レーザプリンタ100の下方に設置され、用紙Pを多数枚束状で収容可能となっている。給紙トレイ50は、用紙の補給等のために、このレーザプリンタ100の本体に挿脱可能となっている。搬送手段としての給紙ローラ60とローラ対210は、レーザプリンタ100に設置された状態の給紙トレイ50の上方に配置され、給紙トレイ50の最上位の用紙Pを給紙トレイ50から給紙路32に向けて搬送するようになっている。
【0023】
分離搬送手段としてのレジストローラ対250は、二次転写ローラ20の搬送方向直近上流側に配置され、給紙トレイ50から給紙された用紙Pを一旦停止させることができる。この一旦停止により用紙Pの先端側に弛みが形成される。
【0024】
レジストローラ対250の搬送方向直近上流側にはレジストセンサ31が配設され、このレジストセンサ31によって用紙先端部分の通過が検知されるようになっている。レジストセンサ31が用紙先端部分の通過を検知した後、所定時間が経過すると、当該用紙はレジストローラ対250に突き当てられて一旦停止する。
【0025】
給紙ローラ60とローラ対210は、図2A図2Bのように、ユニット化されたシート給送装置200に配設されている。シート給送装置200の下流端には、図2Bのように、ローラ対210から右側に搬送された用紙を上方に向けて搬送するための搬送ローラ240が配設されている。図1に示すように、搬送ローラ240は用紙を上方のレジストローラ対250へ向けて搬送する。
【0026】
ローラ対210は上下一対のローラで構成されている。当該ローラ対210はFRR分離方式又はFR分離方式とすることができる。FRR分離方式は、駆動軸によりトルクリミッタを介して反給紙方向に一定量のトルクを印加された分離ローラ(戻しローラ)を給送ローラに圧接させてローラ間のニップで用紙を分離する。FR分離方式は、トルクリミッタを介して固定軸に支持された分離ローラ(摩擦ローラ)を給送ローラに圧接させてローラ間のニップで用紙を分離する。
【0027】
この実施形態ではローラ対210をFRR分離方式で構成している。すなわち、ローラ対210は、用紙をマシン内部に搬送する上側の給送ローラ220と、この給送ローラ220と逆方向にトルクリミッタを介して駆動軸により駆動力を与えられる下側の分離ローラ230で構成されている。
【0028】
分離ローラ230は給送ローラ220に向けてバネ等の付勢手段で付勢されている。なお、前記給紙ローラ60は、給送ローラ220の駆動力をクラッチ手段を介して伝達することで図2Bで左回転するようになっている。
【0029】
レジストローラ対250に突き当てられて弛みが形成された用紙Pは、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が好適に転写されるタイミングに合わせ、二次転写ローラ20と駆動ローラ18との二次転写ニップ部に送り出される。そして、送り出された用紙Pは、二次転写ニップ部において印加されたバイアスによって、中間転写ベルト16上に形成されたトナー像が所望の転写位置に高精度に静電的に転写されるようになっている。
【0030】
転写後搬送路33は、二次転写ローラ20と駆動ローラ18の二次転写ニップ部の上方に配設されている。定着装置34は、転写後搬送路33の上端近傍に設置されている。定着装置34は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ34aと、この定着ローラ34aに対して所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ34bを備えている。なお、定着装置34としては無端状の回転ベルトを採用したものやIH加熱方式など他の構成も可能である。
【0031】
定着後搬送路35は、定着装置34の上方に配設され、定着後搬送路35の上端で、排紙路36と反転搬送路41に分岐している。この分岐部に切り替え部材42が配置され、切り替え部材42はその揺動軸42aを軸として揺動するようになっている。また排紙路36の開口端近傍には排紙ローラ対37が配設されている。
【0032】
反転搬送路41は、分岐部と反対側の他端で給紙路32に合流している。そして、反転搬送路41の途中には、反転搬送ローラ対43が配設されている。排紙トレイ44は、レーザプリンタ100の上部に、レーザプリンタ100の内側方向に凹形状を形成して、設置されている。
【0033】
粉体収容器10(例えばトナー収容器)は、転写装置15と給紙トレイ50の間に配置されている。そして、粉体収容器10は、レーザプリンタ100の本体に対して着脱自在に装着されている。
【0034】
本実施形態のレーザプリンタ100は、転写紙搬送の関係により、給紙ローラ60から二次転写ローラ20までの所定の距離が必要である。そして、この距離に生じたデッドスペースに粉体収容器10を設置し、レーザプリンタ全体の小型化を図っている。
【0035】
転写カバー8は、給紙トレイ50の上部で、給紙トレイの引出方向正面に設置されている。そして、この転写カバー8を開くことで、レーザプリンタ100の内部を点検可能にしている。転写カバー8には、手差し給紙用の手差し給紙ローラ45、及び手差し給紙用の手差しトレイ46が設置されている。
【0036】
なお、本実施形態のレーザプリンタは画像形成装置の一例であり、当該画像形成装置はレーザプリンタに限定されない。すなわち、画像形成装置は複写機、ファクシミリ、プリンタ、印刷機、及びインクジェット記録装置のいずれか一つ、又はこれらの少なくとも2つ以上を組み合わせた複合機として構成することも可能である。
【0037】
(レーザプリンタの作動)
次に、本実施形態に係るレーザプリンタの基本的動作について図1を参照して以下に説明する。最初に、片面印刷を行う場合について説明する。給紙ローラ60は、図1に示すように、レーザプリンタ100の制御部からの給紙信号によって回転する。そして、給紙ローラ60は、給紙トレイ50に積載された束状用紙Pの最上位の用紙のみを分離し、給紙路32へ送り出す。
【0038】
給紙ローラ60およびローラ対210によって送り出された用紙Pは、その先端がレジストローラ対250のニップ部に到達すると、弛みを形成し、その状態で待機する。そして、中間転写ベルト16上に形成されたトナー画像をこの用紙Pに転写する最適なタイミング(同期)を図ると共に、用紙Pの先端スキューを補正する。
【0039】
手差しによる給紙の場合は、手差しトレイ46に積載された束状用紙が、最上位の用紙から一枚ずつ手差し給紙ローラ45によって反転搬送路41の一部を通り、レジストローラ対250のニップ部まで搬送される。以後の動作は給紙トレイ50からの給紙と同一である。
【0040】
ここで、作像動作については、1つのプロセスユニット1Kを説明し、他のプロセスユニット1Y、1M、1Cについてのその説明を省略する。まず、帯電装置4Kは、像担持体2Kの表面を高電位に均一に帯電する。そして、露光器7は、画像データに基づいたレーザビームLを像担持体2Kの表面に照射する。
【0041】
レーザビームLが照射された像担持体2Kの表面は、照射された部分の電位が低下して、静電潜像を形成する。現像装置5Kは、トナーを含む現像剤を担持する現像剤担持体を有し、トナーボトル6Kから供給された未使用のブラックトナーを、現像剤担持体を介して、静電潜像が形成された像担持体2Kの表面部分に転移させる。トナーが転移した像担持体2Kは、その表面にブラックトナー画像を形成(現像)する。そして、像担持体2K上に形成されたトナー画像を中間転写ベルト16に転写する。
【0042】
ドラムクリーニング装置3Kは、中間転写行程を経た後の像担持体2Kの表面に付着している残留トナーを除去する。除去された残留トナーは、廃トナー搬送手段によって、プロセスユニット1K内にある廃トナー収容部へ送られ回収される。また、除電装置は、クリーニング装置3Kによって残留トナーが除去された像担持体2Kの残留電荷を除電する。
【0043】
各色のプロセスユニット1Y、1M、1Cにおいても、同様にして像担持体2Y、2M、2C上にトナー画像を形成し、各色トナー画像が重なり合うように中間転写ベルト16に転写する。
【0044】
各色トナー画像が重なり合うように転写された中間転写ベルト16は、二次転写ローラ20と駆動ローラ18の二次転写ニップ部まで走行する。一方、レジストローラ対250は、それに突き当てられた用紙を所定のタイミングで挟み込んで回転し、中間転写ベルト16上に重畳転写して形成されたトナー像が好適に転写されるタイミングに合わせて、二次転写ローラ20の二次転写ニップ部まで搬送する。このようにして、中間転写ベルト16上のトナー画像をレジストローラ対250によって送り出された用紙Pに転写する。
【0045】
トナー画像が転写された用紙Pは、転写後搬送路33を通って定着装置34へと搬送される。そして、定着装置34に搬送された用紙Pは、定着ローラ34aと加圧ローラ34bによって挟まれ、加熱・加圧することで未定着トナー画像が用紙Pに定着される。トナー画像が定着された用紙Pは、定着装置34から定着後搬送路35へ送り出される。
【0046】
切り替え部材42は、定着装置34から用紙Pが送り出されたタイミングでは、図1の実線で示すように定着後搬送路35の上端近傍を開放している位置にある。そして、定着装置34から送り出された用紙Pは、定着後搬送路35を経由して排紙路36へ送り出される。排紙ローラ対37は、排紙路36へ送り出された用紙Pを挟み込み、回転駆動することで排紙トレイ44に排出することで片面印刷を終了する。
【0047】
次に、両面印刷を行う場合について説明する。片面印刷の場合と同様に、定着装置34は用紙Pを排紙路36へ送り出す。そして、両面印刷を行う場合、排紙ローラ対37は、回転駆動によって用紙Pの一部をレーザプリンタ100外に搬送する。
【0048】
そして、用紙Pの後端が、排紙路36を通過すると、切り替え部材42は、図1の点線で示すように揺動軸42aを軸として揺動し、定着後搬送路35の上端を閉鎖する。この定着後搬送路35の上端の閉鎖とほぼ同時に、排紙ローラ対37は、用紙Pをレーザプリンタ100外へ搬送する方向と逆の方向に回転し、反転搬送路41へ用紙Pを送り出す。
【0049】
反転搬送路41へ送り出された用紙Pは、反転搬送ローラ対43を経て、レジストローラ対250に至る。そして、レジストローラ対250は、中間転写ベルト16上に形成されたトナー画像を用紙Pのトナー画像未転写面に転写する最適なタイミング(同期)を図り、用紙Pを二次転写ニップ部へ送り出す。
【0050】
そして、二次転写ローラ20と駆動ローラ18は、用紙Pが二次転写ニップ部を通過する際に用紙Pのトナー画像未転写面(裏面)にトナー画像を転写する。そして、トナー画像が転写された用紙Pは、転写後搬送路33を通って定着装置34へと搬送される。
【0051】
定着装置34は、定着ローラ34aと加圧ローラ34bによって、搬送された用紙Pを挟み、加熱・加圧することで未定着トナー画像を用紙Pの裏面に定着する。このようにして、表裏両面にトナー画像が定着された用紙Pは、定着装置34から定着後搬送路35へ送り出される。
【0052】
切り替え部材42は、定着装置34から用紙Pが送り出されたタイミングでは、図1の実線で示すように定着後搬送路35の上端近傍を開放している位置にある。そして、定着装置34から送り出された用紙Pは、定着搬送路を経由して排紙路36へ送り出される。排紙ローラ対37は、排紙路36へ送り出された用紙Pを挟み、回転駆動し排紙トレイ44に排出することで両面印刷を終了する。
【0053】
中間転写ベルト16上のトナー画像を用紙Pに転写した後、中間転写ベルト16上には残留トナーが付着している。ベルトクリーニング装置21は、この残留トナーを中間転写ベルト16から除去する。また、中間転写ベルト16から除去されたトナーは、廃トナー搬送手段によって、粉体収容器10へと搬送され、粉体収容器10内に回収される。
【0054】
(ローラ対のローラ)
次に、本発明の実施形態に係るシート給送装置200のローラ対210に使用するローラを、図3図6を参照して説明する。図3図6は、それぞれ異なる実施形態1~4を示したものである。
【0055】
全ての実施形態において、ローラ対210の給送ローラ220と分離ローラ230は、ゴム製の弾性層222、232を有する。当該弾性層222、232のゴム材料は、後述する「膨潤」を防止するために、給送ローラ220と分離ローラ230で完全に同一のゴム材料とされている。
【0056】
当該ゴム材料は、室温にてゴム弾性を有する高分子物質あるいはその材料であり、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ウレタンゴム(U)、エピクロルヒドリンゴム(CO、ECO)、シリコーンゴム(Q)、ふっ素ゴム(FKM)などを採用することができる。
【0057】
また全ての実施形態において、分離ローラ230の見掛け硬さが給送ローラ220の見掛け硬さよりも硬くされている。この見掛け硬さの大小関係はローラの幾何学的構造の相違によるものであり、それゆえ温度、湿度などの環境要因やローラ摩耗量の経時変化の影響を受けることなく、分離ローラ230の順転性能と分離性能を向上することができる。なお、硬さの大小関係による順転性能と分離性能の向上は、特許文献1の表1-19で既に検証済である。
【0058】
「硬さ」の種類は「標準硬さ」と「見掛け硬さ」がある。「標準硬さ」は各試験方法に準拠し、試験片の寸法・形状が規定を満足しているものである。「見掛け硬さ」は、各試験法に準拠していても、試験片の寸法・形状が規定を満足しないものである(JIS K 6253-2参照)。
【0059】
本発明は給送ローラ220と分離ローラ230の「見掛け硬さ」を異ならせることで、給送ローラ220側が凹形状となるニップ形状にしたことに特徴がある。給送ローラ220と分離ローラ230の弾性層222、232の「見掛け硬さ」は、それぞれの弾性層222、232の「ゴムの厚み」により変えることができる。
【0060】
以下に説明する第1実施形態~第3実施形態は、この「ゴムの厚み」の変え方を異ならせたものである。なお、第4実施形態はゴムの厚み自体は変えないで、ハブ部221の外周面の凹凸部によって「見掛け硬さ」を異ならせるものである。
【0061】
(第1実施形態)
図3は第1実施形態を示すもので、(a)は給送ローラ220と分離ローラ230の無加圧状態を示し、図3(b)は給送ローラ220と分離ローラ230の加圧状態を示す。下側の分離ローラ230はバネ等の弾性力により上方の給送ローラ220に向けて付勢されることにより、用紙を挟んで給送ローラ220に圧接可能である。そして両ローラ間に所定の接触圧のニップNが形成されるようになっている。
【0062】
給送ローラ220と分離ローラ230は、それぞれ、ローラの回転軸に固定される硬質円筒状のハブ部221、231と、当該ハブ部221、231の外周に嵌合される円筒状の弾性層222、232とを有する。ハブ部221、231は、ローラの回転軸に嵌合される内筒221a、231aと、外筒221b、231bと、これらを半径方向に連結する複数のスポーク221c、231cとを有する。ローラの回転軸が内筒221a、231aの孔221d、231dに嵌合される。
【0063】
給送ローラ220と分離ローラ230は略同径である。これにより、両ローラ間で用紙の分離と搬送を行いやすくなる。なお、両ローラは同一外径であることが最も好ましいが、完全に同一の径でなくてもよい。一方のローラが他方のローラの2倍以内、1.5倍以内又は1.2倍以内などであってもよい。
【0064】
給送ローラ220の弾性層222の半径方向厚さは、分離ローラ230の弾性層232の半径方向厚さより厚くされている。この第1実施形態では、弾性層222、232の半径方向厚さを前述のように異ならせることで、分離ローラ230の見掛け硬さを給送ローラ220の見掛け硬さよりも硬いものにしている。すなわち、当該見掛け硬さの相違により、図3(b)のように給送ローラ220と分離ローラ230のニップNの形状が、分離ローラ230が給送ローラ220に食い込んだ形、すなわち給送ローラ220側が凹形状のニップ形状になる。
【0065】
なお、図3(b)では分離ローラ230の形状ないし直径を図3(a)に比べて殆ど変化させていない。分離ローラ230の弾性層232は給送ローラ220の弾性層222と同様に弾性を有するから、実際は分離ローラ230の形状ないし直径も微小ではあるが変形する。しかし、前述した弾性層222、232の半径方向厚さの相違を、例えば2:1のように適宜大きく設定することで、給送ローラ220側が凹形状となるニップ形状に及ぼす当該微小変形量の影響を事実上無視することができる。
【0066】
図3(b)のような上向き凸状のニップ形状によりニップNにおけるヒステリシス摩擦力が増大する。ヒステリシス摩擦力は、変形したゴムが元の形に戻ろうとする力により生じるローラ表面の摩擦力である。
【0067】
また上向き凸状のニップ形状により分離ローラ230の半径方向変形量(押込量)を小さくすることができる。これにより弾性層232の外周面からハブ部231の回転中心までの距離を長く確保することができ、分離ローラ230を順転させるための回転力を小さくすることができる。
【0068】
そして、ハブ部231の回転中心までの距離を長く確保した上向き凸状のニップNに、高い面圧を掛けた状態で給送ローラ220の回転力を作用させることができるので、分離ローラ230の順転性能が高まる。したがって、ニップNに用紙一枚を挟んで給送する場合は、当該高順転性能と前記ヒステリシス摩擦力の増大とにより、用紙とのスリップがないスムーズな給送が行われ、特に高炭カル紙を使用した場合は分離ローラ230のスリップがないため炭カルの脱落を抑制することができる。
【0069】
またニップNに用紙複数枚が挟まれた場合は、上層用紙に対してはヒステリシス摩擦力の増大によりスリップのない確実な搬送作用が得られる一方、下層用紙に対しては分離ローラ230の相対的に大きい見掛け硬さと上向き凸状のニップNによる分離性能向上で確実な分離作用が得られる。
【0070】
また、給送ローラ220と分離ローラ230は各弾性層222、232のゴム材料が完全に同一とされているので、ゴムの液体成分が給送ローラ220から分離ローラ230に、或いは分離ローラ230から給送ローラ220に移動して、「膨潤」が発生するのを防止することができる。
【0071】
ゴムの液体成分は配合剤(加硫剤、加硫促進剤、補強剤、老化防止剤、充填剤、可塑剤、着色剤等)から滲み出るものであって、ガソリン、潤滑油のような鉱物油、各種の動植物油、溶剤、薬品類などが含まれている。前記「膨潤」が発生すると双方のローラ径が変化し、ひいては用紙搬送量が変化してジャムが発生する可能性が高まる。しかし、本発明の実施形態では給送ローラ220と分離ローラ230のゴム材料を完全同一にすることで膨潤の発生を防止しているので、膨潤のよるジャムの発生を防止することができる。
【0072】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態の給送ローラ220を示すもので、(a)はローラの組立状態、(b)は分解状態、(c)(d)は当該給送ローラ220を使用したローラ対を示す。
【0073】
給送ローラ220は、その弾性層222の外周面に凹凸部が形成されている。この凹凸部は、給送ローラ220の軸線方向に延びる凸条222aと凹条222bを周方向に交互等間隔に形成したものである。弾性層222の内側に図4(b)の矢印方向からハブ部221が嵌合される。このハブ部221は第1実施形態で使用したものと同じである。
【0074】
前記凹凸部の断面形状は図示例では矩形状であるが、当該凹凸部は台形や三角形など他の任意の形状にすることができる。また金型転写により例えば1mm未満の深さを有するシボ(皺)状パターンにしたり、研磨加工による研磨目パターンにしたりすることも可能である。
【0075】
このように弾性層222の外周面に凹凸部を形成することで、弾性層222の見掛け硬さを柔らかくすることができる。図4(c)は(a)の給送ローラ220を使用したローラ対210である。下側の分離ローラ230は第1実施形態と同じものを使用している。
【0076】
図4(c)のように、給送ローラ220の弾性層222の外周面に凹凸部を形成し、分離ローラ230の弾性層222は凹凸部のない内外周面とすることで、分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くすることができる。したがって、給送ローラ220の弾性層222と分離ローラ230の弾性層232を同じ厚さにした場合でも、分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くして、両ローラが圧接する圧接部のニップ形状を給送ローラ220側に凹形状とすることができる。
【0077】
また、図4(d)のように給送ローラ220だけでなく分離ローラ230の弾性層232の外周面にも凸条232aと凹条232bによる凹凸部を形成した場合でも、当該凹凸部の高さを給送ローラ220の凹凸部よりも低くすることで、前述実施形態と同様に分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くして、ニップ形状を給送ローラ220側に凹形状とすることができる。
【0078】
(第3実施形態)
図5は第3実施形態の給送ローラ220を示すもので、(a)はローラの組立状態、(b)は分解状態、(c)(d)は当該給送ローラ220を使用したローラ対を示す。
【0079】
給送ローラ220は、その弾性層222の内周面に凹凸部が形成されている。この凹凸部は、給送ローラ220の軸線方向に延びる凸条222aと凹条222bを周方向に交互等間隔に形成したものである。弾性層222の内側に図5(b)の矢印方向からハブ部221が嵌合される。このハブ部221は第1実施形態で使用したものと同じである。
【0080】
前記凹凸部の断面形状は図示例では矩形状であるが、当該凹凸部は台形や三角形など他の任意の形状にすることができる。また金型転写により例えば1mm未満の深さを有するシボ(皺)状パターンにしたり、研磨加工による研磨目パターンにしたりすることも可能である。
【0081】
このように弾性層222の内周面に凹凸部を形成することで、弾性層222の見掛け硬さを柔らかくすることができる。図5(c)は(a)の給送ローラ220を使用したローラ対210である。下側の分離ローラ230は第1実施形態と同じものを使用している。
【0082】
図5(c)のように、給送ローラ220の弾性層222の内周面に凹凸部を形成し、分離ローラ230の弾性層222は凹凸部のない内外周面とすることで、分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くすることができる。したがって、給送ローラ220の弾性層222と分離ローラ230の弾性層232を同じ厚さにした場合でも、前述実施形態と同様に、分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くして、両ローラが圧接する圧接部のニップ形状を給送ローラ220側に凹形状とすることができる。
【0083】
また、図5(d)のように給送ローラ220だけでなく分離ローラ230の弾性層232の内周面にも凸条232cと凹条232dによる凹凸部を形成した場合でも、当該凹凸部の高さを給送ローラ220の凹凸部よりも低くすることで、前述実施形態と同様に分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くして、ニップ形状を給送ローラ220側に凹形状とすることができる。
(第4実施形態)
図6は第4実施形態の給送ローラ220を示すもので、(a)はローラの組立状態、(b)は分解状態、(c)(d)は当該給送ローラ220を使用したローラ対を示す。
【0084】
給送ローラ220は、そのハブ部221の外周面に凹凸部が形成されている。この凹凸部は、ハブ部221の軸線方向に延びる凸条221eと凹条221fを周方向に交互等間隔に形成したものである。弾性層222の内側に図6(b)の矢印方向からハブ部221が嵌合される。このハブ部221は第1実施形態で使用したものと同じである。
【0085】
前記凹凸部の断面形状は図示例では矩形状であるが、当該凹凸部は台形や三角形など他の任意の形状にすることができる。また金型転写により例えば1mm未満の深さを有するシボ(皺)状パターンにしたり、研磨加工による研磨目パターンにしたりすることも可能である。
【0086】
このようにハブ部221の外周面に凹凸部を形成することで、その外側に嵌合される弾性層222の見掛け硬さを柔らかくすることができる。図6(c)は(a)の給送ローラ220を使用したローラ対210である。下側の分離ローラ230は第1実施形態と同じものを使用している。
【0087】
図6(c)のように、給送ローラ220のハブ部221の外周面に凹凸部を形成し、分離ローラ230のハブ部231は凹凸部のない外周面とすることで、分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くすることができる。すなわち、給送ローラ220の弾性層222の内周面はニップNに作用する圧力によってハブ部221の外周面の凹凸部に部分的に食い込むのに対し、分離ローラ230は凹凸部がないので弾性層232が逃げる余地がない。したがって、給送ローラ220の弾性層222と分離ローラ230の弾性層232を同じ厚さにした場合でも、分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くして、両ローラが圧接する圧接部のニップ形状を給送ローラ220側に凹形状とすることができる。
【0088】
また、図6(d)のように給送ローラ220だけでなく分離ローラ230のハブ部231の外周面にも凸条231eと凹条231fによる凹凸部を形成した場合でも、当該凹凸部の高さを給送ローラ220の凹凸部よりも低くすることで、前述実施形態と同様に、分離ローラ230の見掛け硬さを相対的に硬くして、ニップ形状を給送ローラ220側に凹形状とすることができる。
【0089】
以上、本発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば前記「凹凸部」は、ローラの弾性層の内周面又は外周面、或いはハブ部の外周面に、複数の凸条と凹条を周方向に形成することで構成してもよい。
【0090】
また「凹凸部」は散点状に形成された複数の突起又は窪みで構成することもでき、その場合突起又は窪みの高さ又は深さ、形成密度又は径を変えることで、給送ローラと分離ローラの見掛け硬さを異ならせることができる。また前記凹凸部、突起又は窪み、発泡弾性層は、それらを2つ以上組み合わせることで給送ローラ220と分離ローラ230の見掛け硬さを異ならせるようにしてもよい。
【0091】
また給送ローラの弾性層に発泡弾性層を形成することで給送ローラと分離ローラの見掛け硬さを異ならせるようにしてもよい。発泡弾性層の素材としては例えば独立気泡構造の樹脂発泡体またはゴム発泡体を使用することができる。分離ローラの弾性層にも発泡弾性層を形成した場合、給送ローラの発泡弾性層の発泡倍率を分離ローラの発泡弾性層の発泡倍率より大きくすることで両ローラの見掛け硬さを異ならせることができる。
【符号の説明】
【0092】
1C、1M、1Y、1K:プロセスユニット 2C、2M、2Y、2K:像担持体
3C、3M、3Y、3K:ドラムクリーニング装置 4C、4M、4Y、4K:帯電装置
5C、5M、5Y、5K:現像装置 6C、6M、6Y、6K:トナーボトル
7:露光器 8:転写カバー
10:粉体収容器 15:転写装置
16:中間転写ベルト 17:従動ローラ
18:駆動ローラ 19C、19M、19Y、19K:一次転写ローラ
20:二次転写ローラ 21:ベルトクリーニング装置
31:レジストセンサ 32:給紙路
33:転写後搬送路 34:定着装置
34a:定着ローラ 34b:加圧ローラ
35:定着後搬送路 36:排紙路
37:排紙ローラ対 41:反転搬送路
42:切り替え部材 42a:揺動軸
43:反転搬送ローラ対 44:排紙トレイ
45:給紙ローラ 46:手差しトレイ
50:給紙トレイ 60:給紙ローラ
100:カラーレーザプリンタ 200:シート給送装置
210:ローラ対 220:給送ローラ
221:ハブ部 221e:凸条
221f:凹条 222:弾性層
222a:凸条 222b:凹条
230:分離ローラ 231:ハブ部
232:弾性層 240:搬送ローラ
250:レジストローラ対 L:レーザビーム
N:ニップ P:用紙
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【文献】特許3633658号公報
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6