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特許7098986情報処理装置、プログラムおよび情報処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラムおよび情報処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/907 20190101AFI20220705BHJP
【FI】
G06F16/907
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018051438
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019164509
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】平形 悟
【審査官】鹿野 博嗣
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-154051(JP,A)
【文献】米国特許第07194618(US,B1)
【文献】特開2015-005956(JP,A)
【文献】特開2004-023406(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/907
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書管理機能を有する情報処理装置であって、
ユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
署名を含む文書ファイルを受け付ける受付手段と、
受け付けた前記文書ファイル内の前記署名の文字列を解析する解析手段と、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザ情報と前記解析手段による解析結果とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記文書ファイルを所定の送信先に送信する送信手段と、を備え、
自装置が保有するフォルダに前記ユーザ情報が紐付られて保持され、
前記受付手段は、前記文書ファイルを前記フォルダに格納することを受け付け、
前記ユーザ情報取得手段は、前記フォルダに対応する前記ユーザ情報を取得する、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記解析手段は、前記署名の文字列を光学文字認識する光学文字認識手段であることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記比較手段による比較結果が一致した場合、前記文書ファイルは前記ユーザ情報が示すユーザのものであると特定する特定手段を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記フォルダは、ユーザのみがアクセス可能なものであることを特徴とする請求項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記フォルダは、共有フォルダを含むフォルダであり、
前記ユーザ情報は、フォルダ名であることを特徴とする請求項またはに記載の情報処理装置。
【請求項6】
ユーザが使用する情報端末装置の装置情報に前記ユーザ情報が紐付られて保持され、
前記ユーザ情報取得手段は、前記装置情報を介して前記ユーザ情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
コンピュータを、
ユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
名を含む文書ファイルを受け付ける受付手段と、
受け付けた前記文書ファイル内の署名の文字列を解析する解析手段と、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザ情報と前記解析手段による解析結果とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記文書ファイルを所定の送信先に送信する送信手段と、して機能させ、
文書管理機能を有する情報処理装置が保有するフォルダに前記ユーザ情報が紐付られて保持され、
前記受付手段は、前記文書ファイルを前記フォルダに格納することを受け付け、
前記ユーザ情報取得手段は、前記フォルダに対応するユーザ情報を取得する、プログラム。
【請求項8】
ユーザが文書管理を依頼する情報端末装置と、情報端末装置から依頼された文書ファイルを管理する文書管理機能を有した情報処理装置とがネットワークに接続された情報処理システムであって、
前記情報端末装置は、
署名を含む前記文書ファイルの管理を前記情報処理装置に依頼する依頼手段を備え、
前記情報処理装置は、
ユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、
前記署名を含む前記文書ファイルを受け付ける受付手段と、
受け付けた前記文書ファイル内の前記署名の文字列を解析する解析手段と、
前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザ情報と前記解析手段による解析結果とを比較する比較手段と、
前記比較手段による比較結果に応じて、前記文書ファイルを所定の送信先に送信する送信手段と、を備え、
前記情報処理装置が保有するフォルダに前記ユーザ情報が紐付られて保持され、
前記受付手段は、前記文書ファイルを前記フォルダに格納することを受け付け、
前記ユーザ情報取得手段は、前記フォルダに対応するユーザ情報を取得する、ことを特徴とする情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラムおよび情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電帳法施行規則改正により、3万円未満の国税関係書類の電子処理が可能になっている。また、文書管理サーバなどは、特定のフォルダにデータが置かれると、形式変換や印刷など予め決められた処理を行い、自動で処理することができる。この機能を使い、例えば国税関係の書類をカメラなどで取り、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)処理を施し、光学文字認識結果のテキストと元データを合わせてPDF(Portable Document Format)ファイルに変換し、文書管理サーバに保存することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、処理されたファイルを、国税関係書類の電子処理において使用する場合、直筆署名したものをOCR処理すればよい。しかし、実際に署名したユーザを特定するためには、筆跡鑑定などを行う必要があり、システム構築する場合にはシステムが大規模になる。このため、署名のある証憑などの文書ファイルを容易に活用することができなかった。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、署名を含む文書ファイルを仕分ける際、前記文書ファイル内の署名の解析結果と署名したユーザとの関連付けを容易に行って前記文書ファイルの仕分けを迅速に行うことができる情報処理装置、プログラムおよび情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、文書管理機能を有する情報処理装置であって、ユーザ情報を取得するユーザ情報取得手段と、署名を含む文書ファイルを受け付ける受付手段と、受け付けた前記文書ファイル内の前記署名の文字列を解析する解析手段と、前記ユーザ情報取得手段が取得した前記ユーザ情報と前記解析手段による解析結果とを比較する比較手段と、前記比較手段による比較結果に応じて、前記文書ファイルを所定の送信先に送信する送信手段と、を備え、自装置が保有するフォルダに前記ユーザ情報が紐付られて保持され、前記受付手段は、前記文書ファイルを前記フォルダに格納することを受け付け、前記ユーザ情報取得手段は、前記フォルダに対応する前記ユーザ情報を取得する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、署名を含む文書ファイルを仕分ける際、前記文書ファイル内の署名の解析結果と署名したユーザとの関連付けを容易に行って前記文書ファイルの仕分けを迅速に行うことができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態にかかる情報処理システムの装置構成の例を示す図である。
図2図2は、文書管理サーバのハードウェア構成を示す図である。
図3図3は、文書管理サーバの機能構成を示す図である。
図4図4は、スマートデバイスの機能構成を示す図である。
図5図5は、文書管理サーバが公開しているフォルダ構成を示す図である。
図6図6は、文書管理サーバとスマートデバイスとの関連付けの処理を説明する説明図である。
図7図7は、文書管理サーバに証憑を保存する処理手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、情報処理装置、プログラムおよび情報処理システムの実施の形態を詳細に説明する。
【0009】
<情報処理システムの装置構成>
はじめに、本実施の形態の情報処理システムの装置構成の例について説明する。
【0010】
図1は、実施の形態にかかる情報処理システムの装置構成の例を示す図である。図1に示すように、情報処理システムは、情報処理装置として機能する文書管理サーバ10と情報端末装置として機能するスマートデバイス20とがファイヤウォール30及びリレーサーバ40を介して通信接続される。文書管理サーバ10は、複数のファイルを管理する記憶装置11を有する。リレーサーバ40はクラウド上に配置される。スマートデバイス20は、ユーザが使用するデバイスであり、ユーザに対応したデバイス情報を有する。
【0011】
<文書管理サーバのハードウェア構成>
図2は、文書管理サーバ10のハードウェア構成を示す図である。図1において、CPU101は、文書管理サーバ10内の各装置の制御やデータの演算、加工を行う。CPU101は、メモリユニット102に記憶されたプログラムを実行する演算装置で、入力装置や記憶装置からデータを受け取り、演算、加工した上で、出力装置や記憶装置に出力する。なお、以下説明する各部は内部バスによって接続される。
【0012】
メモリユニット102は、ROMやRAMなどの記憶デバイスであり、文書管理サーバ10が実行する基本ソフトウェアであるOSやアプリケーションソフトウェアなどのプログラムやデータを記憶又は一時保存する。
【0013】
記憶装置制御ユニット103は、HDDなどの記憶デバイスであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する。また、文書管理サーバ10が管理する各種情報(例えば、ユーザ情報など)が格納され、データベース、ファイルシステムなどの機能により管理される。
【0014】
ネットワーク制御部104は、イーサネット(登録商標)コントローラなどであり、LANやWANを用いて他のコンピュータと通信を行うための機能を有する。
【0015】
入出力装置制御ユニット105は、外部メディア入出力装置106や各種インターフェース107の管理を行い、外部機器からのデータの入出力を行う。
【0016】
外部メディア入出力装置106は、USBメディアやCF、SDカードなどの外部メディアを制御してデータの入出力を行う。
【0017】
各種インターフェース107は、シリアルポートやUSBポート、IEEE1394などの外部機器を接続するためのインターフェースである。各種インターフェース107を有することにより汎用的な入出力装置も使用できる。
【0018】
<文書管理サーバの機能構成>
図3は、文書管理サーバ10の機能構成を示す図である。図3に示すように文書管理サーバ10は、通信制御部111、データ管理部112、画像処理部113、履歴管理部114、認証制御部115、ユーザ管理部116、データファイル監視部117、ファイル共有制御部118、データ解析部119、データ解析部119、及びデータベース120を有する。
【0019】
通信制御部111は、スマートデバイス20などの情報端末装置からの各種要求(情報提供、情報取得、各種通知等)の送受信を行う。
【0020】
データ管理部112は、文書管理サーバ10に保存されているデータを管理する。
【0021】
画像処理部113は、文書管理サーバ10に置かれたファイルの画像処理(形式変換やOCR)を処理する。OCRでは、特定の領域のみを処理することもできる。本実施の形態によるファイルの画像処理は、OCR処理を行うものとして説明する。なお、画像処理部113は、解析手段として機能する。
【0022】
履歴管理部114は、文書管理サーバ10内での処理やアクセスを記録する。
【0023】
認証制御部115は、文書管理サーバ10へのアクセス権を制御する。
【0024】
ユーザ管理部116は、文書管理サーバ10にアクセス可能なユーザを管理する。
【0025】
データファイル監視部117は、文書管理サーバ10が共有しているフォルダを監視し、特定のフォルダに置かれたファイルに対して処理の依頼も行う。
【0026】
ファイル共有制御部118は、文書管理サーバ10が外部に公開する共有フォルダの制御を行う。
【0027】
データ解析部119、インポートデータなどを解析及びデータの比較も行う。データ解析部119は、比較手段として機能する。
【0028】
データベース120は、ユーザ情報、デバイス情報、システムの設定値、ファイルの共有情報、履歴情報を保持する。
【0029】
<スマートデバイスの機能構成>
図4は、スマートデバイス20の機能構成を示す図である。図4に示すようにスマートデバイス20は、表示部201、操作受付部202、カメラ制御部203、2次元コード読み取り部204、画像情報生成部205、画像生成部206、設定記憶部207、データ送信部208、データ受信部209、ファイル管理部210、及びテキスト情報生成部211を有する。
【0030】
表示部201は、ユーザにファイルの内容やチャット、ファイル選択画面などを表示する。
【0031】
操作受付部202は、ユーザ操作を受け付ける。
【0032】
カメラ制御部203は、カメラの起動を行う。
【0033】
2次元コード読み取り部204は、2次元コードを読み取る。
【0034】
画像情報生成部205は、表示部に表示されているファイルの画像のうち、ユーザが選択した部分画像の位置やファイル名などの画像情報を生成する。
【0035】
画像生成部206は、画像情報から画像を生成する。
【0036】
設定記憶部207は、ユーザ名、パスワード、グループなどの設定を記憶する。
【0037】
データ送信部208は、チャットや画像情報などを送信する。
【0038】
データ受信部209は、チャットや画像情報、ファイルなどを受信する。
【0039】
ファイル管理部210は、受信したファイルのキャシュの保存、破棄を行う。
【0040】
テキスト情報生成部211は、表示部201に表示されているファイルのうち、ユーサが選択した文字列の位置やファイル名などの画像情報を生成する。
【0041】
<文書管理サーバのフォルダ構成>
図5は、文書管理サーバ10が公開しているフォルダ構成を示す図である。図5において、フォルダ「AllUsers」配下は、文書管理サーバ10に登録されているユーザであれば誰でもアクセスできる。
【0042】
ユーザのフォルダ(suzuki,tanakaなど)は、文書管理サーバに登録したユーザIDがフォルダ名称になる。ユーザフォルダはそのユーザしかアクセスすることができない。例えば、ユーザのフォルダ「suzuki」であれば、「suzuki」アカウントで文書管理サーバ10にログインした場合のみアクセスできる。
【0043】
「ワークフロー」のフォルダ配下は、文書管理サーバ10の管理ツール(Webユーザインターフェース)であらかじめ設定した処理を、当該フォルダに置かれたファイルに対して実行する。「PDF変換」のフォルダであれば、当該フォルダに置いたファイルをPDFに変換して出力することができる。変換可能形式は、PDF、PDF+OCR、画像ファイル等である。変換後の出力先は、文書管理サーバ10の共有フォルダである。変換通知は、メールでの通知、チャットでの通知等がある。
【0044】
「キーワード検索」のフォルダ配下は、このフォルダに作成したフォルダ名称を検索キーワードとし、文書管理サーバ10の共有フォルダから、その検索キーワードを含む文書のショートカットを作成する。例えば、「MFP」という名称のフォルダをキーワード検索フォルダの配下に作成すると、「AllUsers」のファイル配下に置かれているファイルの中から、「MFP」という文言を含む文書を検索することができる。
【0045】
「ファイル」フォルダ配下は、ファイルを保存する領域である。
【0046】
<文書管理サーバとスマートデバイスとの関連付け>
ユーザが使用するスマートデバイス20と文書管理サーバ10に登録されているユーザ情報を紐付けるためには、次の処理を実施する。
【0047】
まず、PCなどの情報端末装置で文書管理サーバ10のWebユーザインターフェースを表示する。その後Webユーザインターフェースに登録済みのユーザでログインし、デバイス紐付けのための2次元コードを表示する(図6(b)参照)。その後、スマートデバイス20でクライアントアプリを起動し、クライアントアプリの「接続」を選択する。すると、これによりカメラが起動する(図6(a)参照)。その後、スマートデバイス20のカメラで、図6(b)に示した2次元コードを読み取る(図6(c)参照)。スマートデバイス20のクライアントアプリは、読み取った情報を文書管理サーバ10に送信し、ユーザとこのスマートデバイス20とが紐付けられる。
【0048】
<文書管理サーバが保持するユーザ情報>
表1は、文書管理サーバ10が保持するユーザ情報の一例である。
【表1】
表1の「UserID」は、文書管理サーバ10に登録されたユーザのユーザIDであり、文書管理サーバ10内でユニークになる。「User名称」は、ユーザの表示名称であり、署名で使用する名称が登録される。「デバイス名称」は、スマートデバイスの表示名称である。「デバイスID」は、スマートデバイスごとに割り振られるユニークなIDである。「デバイス利用可否」は、証憑登録可能なスマートデバイスを設定する。「メールアドレス」は、ユーザのメールアドレスが登録される。「共有フォルダ」は、ユーザが共有しているフォルダを示している。
【0049】
<文書管理サーバでのデータ保存処理>
次に、文書管理サーバ10でのデータ保存処理について説明する。ここでは、証憑を文書管理サーバ10に送り、その証憑を保存するまでの処理を説明する。図7は、文書管理サーバ10に証憑を保存する処理手順を示すシーケンス図である。
【0050】
図7に示すように、まず、スマートデバイス20は、クライアントアプリを起動する(ステップS101)。クライアントアプリを起動した後、ユーザ情報を入力して文書管理サーバ10にログインする(ステップS102)。そして、クライアントのメニューから「証憑送信」を選択し(ステップS103)、これにより、カメラが起動する(ステップS104)。その後、起動したカメラで署名した証憑を撮影してデータ保存を行う。これにより、予め設定されたフォルダーに撮影し(ステップS105)、データ保存を行う(ステップS106)。このデータ保存は、ユーザのワークフローのフォルダに保存する。これにより、文書管理サーバ10が保存されたデータに対して処理を実行することになる。
【0051】
文書管理サーバ10は、ユーザのワークフローのフォルダにデータ(ファイル)が保存されたことを検知する(ステップS107)と、このデータに対してOCR処理を実施する(ステップS108)。そして、文書管理サーバ10は、ワークフローのフォルダのユーザ情報と、OCR処理の結果である署名情報とを比較する(ステップS109)。なお、フォルダのユーザ情報ではなく、日時情報やフォルダ名称を用いた比較判断も追加することができる。例えば、日時情報も平行して行う場合は、証憑提出期限内のものしか受け入れない、といった処理が可能になる。また、フォルダ名称と署名情報を比較して処理を行うこともできる。このファイル名称などは予めユーザ情報と紐付ておけばよい。
【0052】
文書管理サーバ10は、ユーザ情報と署名情報とが一致する場合、証憑保存用のフォルダに保存する(ステップS110)。そして、成功したことをメールで通知することができる(ステップS111)。なお、証憑保存用のフォルダに保存するのではなく、他のシステムに送信することも可能である。その後、文書管理サーバ10は、証憑処理が成功したことをスマートデバイス20に通知し(ステップS112)、スマートデバイス20のクライアントアプリの画面に表示し(ステップS113)、一連の処理が終了する。
【0053】
一方、文書管理サーバ10は、ユーザ情報と署名情報とが不一致である場合、証憑のデータを、送信元のユーザのフォルダに保存する(ステップS114)。そして、失敗したことをメールで通知することができる(ステップS115)。その後、文書管理サーバ10は、証憑処理が失敗したことをスマートデバイス20に通知し(ステップS116)、スマートデバイス20のクライアントアプリの画面に表示し(ステップS117)、一連の処理が終了する。
【0054】
この実施の形態では、署名を含む文書ファイルを受け付け、OCR処理で文書ファイルを解析し、文書ファイルに含まれる手書きの署名の文字列を識別し、この文字列とユーザ情報とが一致する場合に、所定のファイルなどの送信先に文書ファイルを送るようにしている。すなわち、署名を含む文書ファイルのユーザを、文字認識処理結果を用いて容易に特定することができる。
【0055】
なお、ステップS109のユーザ情報は、フォルダではなく、ログインにユーザ認証されたユーザ情報であってもよい。文書管理サーバ10は、このログイン時にユーザ認証されたユーザ情報を含めて、ステップS109でユーザ情報を取得することになる。
【0056】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【0057】
また、上述した実施の形態の情報処理装置(文書管理サーバ10)で実行されるソフトウェア(プログラム)は、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)などのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネットなどのネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROMなどに予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 文書管理サーバ
20 スマートデバイス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【文献】特開2017-004529号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7