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  • 特許-ドライエッチング方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】ドライエッチング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220705BHJP
【FI】
H01L21/302 103
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018137423
(22)【出願日】2018-07-23
(65)【公開番号】P2020017555
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-07-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000231464
【氏名又は名称】株式会社アルバック
(74)【代理人】
【識別番号】110000305
【氏名又は名称】特許業務法人青莪
(72)【発明者】
【氏名】廣庭 大輔
【審査官】高柳 匡克
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-032732(JP,A)
【文献】特開平01-181424(JP,A)
【文献】特開平01-020623(JP,A)
【文献】特開2012-199342(JP,A)
【文献】国際公開第2006/106871(WO,A1)
【文献】特開昭61-051925(JP,A)
【文献】特開2013-207210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッチング対象物を、基板表面に所定のレジストパターンを形成した後にモールド樹脂で封止したものとし、レジストパターンの端面が表出するようにエッチング対象物をドライエッチングするドライエッチング方法において、
真空チャンバ内に設けた保持手段にエッチング対象物をセットすると共に、エッチング対象物を除く保持手段の部分に、金属製の支持体とこの支持体に積層される樹脂膜とで構成される終点検知用の目印体をセットする工程と、
真空雰囲気中の真空チャンバ内で、プラズマにより生成したエッチングガスのラジカルによってエッチング対象物と共に目印体をエッチングし、目印体の支持体の表出を検出してエッチング対象物に対するエッチングの終点を判定する工程とを含むことを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項2】
前記樹脂膜は、レジストパターン端面からモールド樹脂表面までに相当する厚みを持ち且つモールド樹脂と同等のエッチングレートを持つことを特徴とする請求項1記載のドライエッチング方法。
【請求項3】
エッチング対象物を、基板表面に所定のレジストパターンを形成した後にモールド樹脂で封止したものとし、レジストパターンの端面が表出するようにエッチング対象物をドライエッチングするドライエッチング方法において、
保持手段の全面に金属製の支持体とこの支持体に積層される樹脂膜とで構成される終点検知用の目印体をセットすると共に、真空チャンバ内に設けた保持手段にエッチング対象物をセットする工程と、
真空雰囲気中の真空チャンバ内で、プラズマにより生成したエッチングガスのラジカルによってエッチング対象物と共に目印体をエッチングし、目印体の支持体の表出を検出してエッチング対象物に対するエッチングの終点を判定する工程とを含むことを特徴とするドライエッチング方法。
【請求項4】
前記エッチングの終点が判定されると、前記エッチング対象物にバイアス電位を印加し、プラズマにより生成したエッチングガスのイオンによって、モールド樹脂を更にエッチングする工程を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項記載のドライエッチング方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッチング対象物を、基板表面に所定のレジストパターンを形成した後にモールド樹脂で封止したものとし、レジストパターンの端面が表出するようにエッチング対象物をドライエッチングするドライエッチング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電子デバイスの製造工程において、リソグラフィ技術を用いて基板表面にレジストパターンを形成し、このレジストパターンをモールド樹脂で封止した後に、モールド樹脂を除去してレジストパターンの端面を表出させる工程があり、このようなレジストパターンの端面を表出させる方法として、従来CMP法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、レジストパターンは比較的低い硬度を持つ樹脂で構成されるため、上記従来例のようにCMP法を用いると、レジストパターン端面に研磨傷が不可避的に形成され、研磨傷が形成されたレジストパターンは光学用途のものに使用できなくなる。このような研磨傷が形成されないように、ドライエッチング方法を用いてレジストパターン端面を表出させることが考えられる。この場合、エッチング対象物を基板表面に所定のレジストパターンを形成した後にモールド樹脂で封止したものとし、このエッチング対象物を真空チャンバ内に設けた保持手段にセットし、真空チャンバ内に例えばフッ素系のエッチングガスを導入してプラズマを発生させ、プラズマにより生成したエッチングガスのラジカルやイオンによってエッチング対象物をドライエッチングする。
【0004】
ところで、エッチング対象物をエッチングする間、真空チャンバ内のプラズマの発光強度を測定し、その発光強度の変化に基づいてエッチングの終点を判定し、エッチングを終了することが一般である。然しながら、レジストパターンとモールド樹脂とはいずれも炭素を主成分とする樹脂で構成されるため、発光強度の変化に基づいてエッチングの終点を判定することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-222752号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、モールド樹脂をドライエッチングしてレジストパターン端面を表出させる場合でも、エッチングの終点を確実に判定することが可能なドライエッチング方法を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、エッチング対象物を、基板表面に所定のレジストパターンを形成した後にモールド樹脂で封止したものとし、レジストパターンの端面が表出するようにエッチング対象物をドライエッチングする本発明のドライエッチング方法は、真空チャンバ内に設けた保持手段にエッチング対象物をセットすると共に、エッチング対象物を除く保持手段の部分に、金属製の支持体とこの支持体に積層される樹脂膜とで構成される終点検知用の目印体をセットする工程と、真空雰囲気中の真空チャンバ内で、プラズマにより生成したエッチングガスのラジカルによってエッチング対象物と共に目印体をエッチングし、目印体の支持体の表出を検出してエッチング対象物に対するエッチングの終点を判定する工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、保持手段にセットしたエッチング対象物をエッチングすると、保持手段に設けた目印体も同時にエッチングされる。このとき、樹脂膜のエッチングレートを考慮して樹脂膜の厚みを適宜設定すれば、エッチング対象物のモールド樹脂がエッチングされてレジストパターンの端面が表出するタイミングと、目印体の絶縁膜がエッチングされて支持体が表出するタイミングとが略一致する。ここで、支持体は金属製であるため、公知の方法を用いて支持体の表出を検出することができる。これにより、エッチング対象物に対するエッチングの終点を確実に判定することができる。
【0009】
本発明においては、前記樹脂膜が、レジストパターン端面からモールド樹脂表面までに相当する厚みを持ち且つモールド樹脂と同等のエッチングレートを持つことが好ましい。これによれば、エッチング対象物のモールド樹脂がエッチングされてレジストパターンの端面が表出するタイミングと、目印体の絶縁膜がエッチングされて支持体が表出するタイミングとを確実に略一致させることができる。
【0010】
上記課題を解決するために、エッチング対象物を、基板表面に所定のレジストパターンを形成した後にモールド樹脂で封止したものとし、レジストパターンの端面が表出するようにエッチング対象物をドライエッチングする本発明のドライエッチング方法は、保持手段の全面に金属製の支持体とこの支持体に積層される樹脂膜とで構成される終点検知用の目印体をセットすると共に、真空チャンバ内に設けた前記保持手段にエッチング対象物をセットする工程と、真空雰囲気中の真空チャンバ内で、プラズマにより生成したエッチングガスのラジカルによってエッチング対象物と共に目印体をエッチングし、目印体の支持体の表出を検出してエッチング対象物に対するエッチングの終点を判定する工程とを含むことを特徴とする。これによれば、支持体の面積を広くできるため、支持体の表出を精度良く検出することができ、有利である。
【0011】
ところで、エッチングの終点が判定された後に、更に一定時間エッチング(所謂オーバーエッチング)することが一般であるが、ラジカルによるオーバーエッチングを行うと、レジストパターンの端面が平面ではなく錐状となることが判明した。これは、レジストパターンよりもモールド樹脂のエッチングレートが高いため、レジストパターンとの界面におけるモールド樹脂がエッチングされてレジストパターンの側面上部が露出し、露出したレジストパターン側面上部と端面とがなす角部が過度にエッチングされることによるものと考えられる。そこで、本発明においては、前記エッチングの終点が判定されると、前記エッチング対象物にバイアス電位を印加し、プラズマにより生成したエッチングガスのイオンによって、モールド樹脂を更にエッチングする工程を含むことが好ましい。これによれば、レジストパターンとモールド樹脂とが同等のエッチングレートでエッチングされるため、レジストパターンの端面が錐状となることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態で用いられるドライエッチング装置の構成を模式的に説明する断面図。
図2】(a)及び(b)は、本発明の実施形態のドライエッチング方法を説明する工程図。
図3】(a)及び(b)は、本発明の変形例のドライエッチング方法を説明する工程図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、エッチング対象物Sを、シリコンウエハ等の基板Wの表面に所定のレジストパターンRpを形成した後にモールド樹脂Rmで封止したものとし、レジストパターンRpの端面Rpaが表出するようにエッチング対象物Sをドライエッチングする場合を例に、本発明のドライエッチング方法の実施形態について説明する。
【0014】
図1を参照して、EMは、本実施形態のドライエッチング方法を実施する所謂ダウンフロー型のドライエッチング装置であり、ドライエッチング装置EMは、真空ポンプPにより真空引きされて真空雰囲気の形成が可能な真空チャンバ1を備える。以下、「上」「下」といった方向を示す用語は、図1の姿勢を基準として説明する。
【0015】
真空チャンバ1の側壁上部には、図示省略するOリングを介して、天板11が装着されている。天板11には、上下方向に貫通する透孔110が開設されていると共に、この透孔110に連通するガス供給路111が穿設されている。ガス供給路111の端部には、図示省略のガス源に通じるガス管2が接続され、ガス管2に介設されるマスフローコントローラ21を制御することにより、透孔110にエッチングガスを所定流量で導入できるようになっている。エッチングガスは、エッチング対象物Sに応じて適宜選択され、例えば、CF、SFやNF等のフッ素系ガスが主として用いられ、プラズマ密度を高めるために酸素ガスや窒素ガス等の添加ガスを添加することができる。
【0016】
天板11の上面には、図示省略するOリングを介して、透孔110の上部開口を塞ぐように例えば石英製の誘電体窓112が設けられ、この誘電体窓112には、マイクロ波電源3に通じる導波管31が接続されている。透孔110内にエッチングガスを導入した状態で、誘電体窓112を介してマイクロ波を導入することで、透孔110内でプラズマが発生し、これによりエッチングガスのラジカルやイオンが生成する。透孔110の下方には、天板11の下面に吊設されてガスの通過を許容する複数の孔(図示省略)が開設されて、マイクロ波を遮蔽する遮蔽板113が配置されている。遮蔽板113をプラズマが通過しようとすると、プラズマ中のイオンや電子は遮蔽板113でトラップされ、ラジカルのみが遮蔽板113を通過してエッチング対象物Sをエッチングすることができる。
【0017】
真空チャンバ1内の底部には金属製のステージ4が設けられている。ステージ4の上面には、保持手段5としての矩形または円形の輪郭を持つ導電性樹脂製の板状のキャリアが設けられている。キャリア5の上面には、複数のエッチング対象物Sの各々がモールド樹脂Rm側を上方に向けて間隔を存して保持されている。ステージ4には、バイアス電源Eとしての高周波電源の出力が接続され、後述するオーバーエッチング時に、高周波電源Eから所定周波数(例えば13.53MHz)の高周波電力を投入することで、エッチング対象物Sに対しバイアス電位を印加できるようにしている。これにより、真空チャンバ1内にプラズマが形成し、プラズマにより生成したエッチングガスのイオンによりエッチング対象物Sをエッチング(オーバーエッチング)することができる。
【0018】
上記ドライエッチング装置EMは、エッチング対象物Sのエッチングにより生じる発光の強度を測定し、その発光強度の変化に基づいてエッチングの終点を判定する公知の終点判定手段Mpを備える。ここで、エッチング対象物Sを構成するレジストパターンRpとモールド樹脂Rmとは、いずれも炭素を主成分とする樹脂で構成されるため、発光強度の変化に基づきエッチングの終点(すなわち、レジストパターンRpの端面Rpaが表出したこと)を判定することは困難である。
【0019】
そこで、本実施形態では、エッチング対象物Sを除くキャリア5の上面部分に、金属製の支持体51とこの支持体51に積層される樹脂膜52とで構成される終点検知用の目印体50を設けた。支持体51は、例えば金属板や金属膜で構成することができ、これらの金属板や金属膜を構成する金属としては、エッチングガスのラジカルでエッチングされて発光するものであればよく、フッ素系のエッチングガスを用いる場合、例えばTiを用いることができる。本実施形態では、樹脂膜52として、レジストパターン端面Rpaからモールド樹脂Rm表面までに相当する厚みdを持ち、且つ、モールド樹脂Rmと同等のエッチングレートを持つものを用いた。樹脂膜52を構成する材料としては、例えば、ポリイミド樹脂、レジスト、ポリテトラフルオロエチレンの中から選択して用いることができる。尚、支持体51としての金属膜や樹脂膜52の成膜方法やパターニング方法としては、公知のものを用いることができるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0020】
また、上記ドライエッチング装置EMは、図示省略する公知のマイクロコンピュータやシーケンサ等を備えた制御手段Cを備え、制御手段Cにより、マイクロ波電源3やバイアス電源Eの稼働、マスフローコントローラ21の稼働や真空ポンプPの稼働等を統括管理するほか、終点判定手段Mpを制御してエッチングの終点を判定する。以下、上記エッチング装置EMを用いたドライエッチング方法について説明する。
【0021】
先ず、真空ポンプPを作動させて真空チャンバ1内を所望の真空度(例えば、0.1Pa)まで真空引きした状態で、予めエッチング対象物Sと目印体50とが設けられたキャリア5を図外の搬送ロボットを用いて真空チャンバ1内に搬送し、ステージ4上に載置する。これにより、真空チャンバ1内に設けたキャリア5にエッチング対象物Sがセットされると共に、エッチング対象物Sを除くキャリア5の部分に目印体50がセットされる。
【0022】
次に、マスフローコントローラ21を制御して透孔110内にCFガスを10~1000sccmの流量で導入する。このとき、エッチングレートをより高くするために、添加ガスとして酸素ガスを10~2000sccm、窒素ガスを10~500sccm導入することが好ましい。これと共に、マイクロ波電源3から例えば2.45GHzのマイクロ波を100W~3000W投入することで、透孔110でプラズマを発生させる。このとき、高周波電源Eからステージ4を介してエッチング対象物Sにはバイアス電位を印加しないため、遮蔽板113を通過したエッチングガスのラジカルにより、エッチング対象物Sがドライエッチングされると同時に、目印体50もドライエッチングされる。
【0023】
このとき、モールド樹脂Rmと樹脂膜52とは同等のエッチングレートでエッチングされる。ここで、図2(a)に示すように、樹脂膜52の厚みdは、レジストパターンRpの端面Rpaからモールド樹脂Rm表面までの厚みd(例えば、100μm)に予め設定されているため、図2(b)に示すように、エッチング対象物SのレジストパターンRpの端面Rpaが表出するタイミングと、目印体50の支持体51が表出するタイミングとを略一致させることができる。支持体51は金属製であるため、公知のプラズマの発光強度に基づく終点判定方法を用いる終点検知手段Mpにより支持体51の表出を確実に検出することができる。従って、支持体51の表出を検出した時点を、エッチング対象物Sに対するエッチングの終点であるとして判定することができる。このようにエッチングの終点が判定されると、マイクロ波電源3からのマイクロ波の導入やエッチングガスの供給を停止してエッチングを終了する。
【0024】
また、エッチングの終点が判定された後に、継続して一定時間オーバーエッチングを行ってもよい。オーバーエッチングの時間は、モールド樹脂Rmが例えば5~10μm程度エッチングされる時間に設定される。オーバーエッチングの条件としては、バイアス電源Eからステージ4に例えば13.56MHzの高周波電力を50W~1000W投入してエッチング対象物Sにバイアス電位を印加する点以外は、上記エッチング条件と同様の条件を用いることができる。これにより、プラズマにより生成したエッチングガスのイオンがエッチング対象物Sに引き込まれ、このエッチングガスのイオンによりモールド樹脂RmとレジストパターンRpとがエッチングされる。このとき、レジストパターンRpとモールド樹脂Rmとが同等のエッチングレートでエッチングされるため、上記従来例のようにレジストパターンの端部が錐状となることを防止でき、良好なエッチング形状を実現することができる。
【0025】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変形することができる。例えば、上記実施形態では、キャリア5の上面のうちエッチング対象物Sを除く部分に目印体50を設けたが、図3(a)に示すように、キャリア5の全面に目印体500を設けるようにしてもよい。この場合、目印体500を構成する支持体501の面積が上記支持体51よりも広くなり、支持体501が表出したときの発光強度が強くなるため、支持体501の表出を精度良く検出することができ、有利である。
【0026】
また、上記実施形態では、エッチングガスとしてフッ素系ガス(CFガス)と酸素ガスと窒素ガスの混合ガスを用いているが、フッ素系ガスのみを用いてもよい。但し、フッ素系ガスのラジカルのみのエッチングレートは低いため、高いエッチングレートを実現するには、上記実施形態の如く酸素ガスと窒素ガスを添加することが好ましい。尚、エッチング開始時点からエッチング対象物Sにバイアス電位を印加してエッチングガスのイオンによりエッチングを行うことも考えられるが、モールド樹脂Rmを比較的厚く(例えば100~200μm)除去する場合、モールド樹脂Rmの表面温度が高くなり、モールド樹脂Rmが溶ける虞がある。
【0027】
また、樹脂膜52はモールド樹脂Rmと同等のエッチングレートを持たなくてもよく、その場合、予め樹脂膜52とモールド樹脂Rmのエッチングレートを夫々求め、求めたエッチングレートの差に応じて樹脂膜52の厚さを設定することで、エッチング対象物SのレジストパターンRpの端面Rpaが表出するタイミングと、目印体50の支持体51が表出するタイミングとを略一致させてもよい。
【0028】
また、上記実施形態では、支持体51が表出したときに、レジストパターンRpの端面Rpaが表出するように、支持体51の厚みdを設定しているが、支持体51が表出したときに、レジストパターンRpの端面Rpaの上に所定厚み(例えば、2~3μm)のモールド樹脂Rmが存在するように、支持体51の厚みdを設定してもよい。この場合、支持体51の厚みdを、レジストパターン端面Rpaからモールド樹脂表面までの厚みから上記所定厚み分を引いた厚みに設定すればよく、これにより、エッチングの終点判定後のオーバーエッチングによりレジストパターンRpの端面Rpaを表出させることができる。
【符号の説明】
【0029】
Rm…モールド樹脂、Rp…レジストパターン、Rpa…レジストパターンRpの端面、S…エッチング対象物、1…真空チャンバ、5…キャリア(保持手段)、50,500…目印体、51,501…支持体、52,502…樹脂膜。
図1
図2
図3