(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-04
(45)【発行日】2022-07-12
(54)【発明の名称】複雑な回路の統合用のコンパクトな測定デバイス構成体
(51)【国際特許分類】
G01B 5/012 20060101AFI20220705BHJP
【FI】
G01B5/012
(21)【出願番号】P 2020517448
(86)(22)【出願日】2018-09-27
(86)【国際出願番号】 US2018053176
(87)【国際公開番号】W WO2019067755
(87)【国際公開日】2019-04-04
【審査請求日】2021-07-08
(32)【優先日】2017-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】000137694
【氏名又は名称】株式会社ミツトヨ
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】特許業務法人MTS国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キューアイ バーナデット バクイ
(72)【発明者】
【氏名】ウィスナー リチャード アラン
【審査官】飯村 悠斗
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-116520(JP,A)
【文献】特開2017-151068(JP,A)
【文献】特開平11-220235(JP,A)
【文献】特開2002-43507(JP,A)
【文献】特開2001-141433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 5/00-5/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路を座標測定機(CMM)のプローブに統合するためのCMMのプローブ構成体において、
位置合わせフレームと、
前記位置合わせフレームに一定の関係で取り付けられ、少なくとも第1の光源と第1の位置感知検出器とを備える光学検出構成体と、
を備え、前記位置合わせフレームと前記光学検出構成体とが、内側ビーム経路容積を少なくとも部分的に取り囲み、かつ前記内側ビーム経路容積へのアクセスを提供するために自身の遠位端に開口を提供するスタイラス位置検出部と、
前記スタイラス位置検出部に一定の関係で結合する懸架フレームと、
スタイラスに堅固に結合されるように構成されたスタイラス結合部と、
前記懸架フレームと前記スタイラス結合部とに取り付けられ、前記懸架フレームに対して前記スタイラス結合部の移動を可能にするように構成されたスタイラス移動機構と、
前記スタイラス結合部に対して固定され、前記スタイラス結合部と共に移動し、第1の光源光路に沿って前記光源からの光を受け取り、前記第1の位置感知検出器に対して第1の測定光路に沿って第1の測定光ビームを出力するように配置され、前記第1の測定光ビームが自身の対応する移動に従って移動する第1の位置指示要素と、
を備え、前記スタイラス位置検出部の前記遠位端に近接して配置されたスタイラス懸架部と、
それぞれの曲げ軸を有する少なくとも3つのフレキシブルな曲げ部を備える1セットの曲げ部によって結合された少なくとも4つの基板部を備える1セットの基板部を備え、自身がほぼ平面に展開された形態にあるとき、少なくとも2つの前記曲げ部の前記曲げ軸がそれら少なくとも2つの前記曲げ部の間で60度と120度の間の角度に成形される剛性フレックス回路要素と、
前記1セットの基板部の少なくとも2つの基板部に嵌合する1セットの支持面を備え、前記剛性フレックス回路要素が少なくとも2つの前記基板部を自身上の対応する支持面に近接するように配置するために、前記曲げ部で折り曲げられるように構成された3次元のキャリアフレームと、
を備える回路基板アセンブリと、
を備え、少なくとも2つの前記基板部が前記キャリアフレーム上の対応する前記支持面に結合されるように構成され、前記回路基板アセンブリが前記スタイラス位置検出部の大部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、前記位置合わせフレームに対して固定された前記キャリアフレームで前記位置合わせフレームに結合される
ことを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1の位置指示要素は前記スタイラス位置検出部の前記遠位端の前記開口を通って前記内側ビーム経路容積内に延在するように構成され、前記第1の光源光路と前記第1の測定光路は前記内側ビーム経路容積内にすべて含まれることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項3】
請求項1において、
前記第1の位置指示要素は前記内側ビーム経路容積の外側に配置され、前記第1の光源光路と前記第1の測定光路は前記スタイラス位置検出部の前記遠位端の前記開口を通って延在することを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項4】
請求項1において、
少なくとも2つの前記基板部の前記曲げ軸は、前記剛性フレックス回路要素がほぼ平面
に展開された形態であるときに、ほぼ直交しており、少なくとも2つの前記基板部は少なくとも1つの保持要素またはボンディングによって前記キャリアフレーム上の対応する前記支持面に結合されるように構成され、前記キャリアフレームの1つまたは複数の支持面は前記位置合わせフレームの1つまたは複数の表面に接することを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項5】
請求項1において、
前記1セットの基板部は、前記位置合わせフレームに固定された少なくとも1つの電子部品に電子的に接続する少なくとも1つのコネクタ基板部を備えることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項6】
請求項1において、
前記キャリアフレームは、少なくとも1つの丸みを帯びた曲げ軸支持領域を備え、前記剛性フレックス回路要素が少なくとも2つの前記基板部を前記キャリアフレーム上の対応する前記支持面に近接するように配置するために前記曲げ部で折り曲げられる際に、少なくとも1つの曲げ部は、少なくとも1つの前記曲げ軸支持領域に近接して配置されることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項7】
請求項1において、
前記キャリアフレームは、Z軸を横切るように向けられ、前記Z軸を横切るように向けられた基板部を支持する少なくとも1つの支持面を備えることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項8】
請求項1において、
前記1セットの基板部は、少なくとも1つの内側基板部と少なくとも1つの外側基板部とを備え、前記剛性フレックス回路要素が前記曲げ部で折り曲げられたとき、少なくとも1つの前記内側基板部は前記キャリアフレーム上の対応する支持面に近接して配置され、少なくとも1つの前記内側基板部及び少なくとも1つの前記外側基板部は、互いにほぼ平行に配置され、少なくとも1つの前記外側基板部、少なくとも1つの前記内側基板部、及び前記キャリアフレーム上の対応する前記支持面にほぼ垂直な方向に沿って少なくとも部分的に互いに重なり合うことを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項9】
請求項1において、
前記基板部の1つは、前記剛性フレックス回路要素へのプログラム可能なアクセスを提供するように構成されたフィールドプログラマブルゲートアレイを備えることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項10】
請求項1において、
前記懸架フレームは、前記位置合わせフレームに堅固にかつ解放可能に結合されることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項11】
請求項10において、
前記懸架フレームは、回転調整可能なクランプ機構を使用して、前記位置合わせフレームに取り付けられることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項12】
請求項1において、
前記キャリアフレームは、電気絶縁材料からなり、組み立て中に金属ハウジングを前記CMMのプローブ構成体上の位置に案内し、前記剛性フレックス回路要素上の非接地導電要素と組み立てられた前記金属ハウジングとの間の接触を防止する一体型スペーサまたは絶縁リブの少なくとも1つを備えるCMMのプローブ構成体。
【請求項13】
請求項1において、
前記光学検出構成体は、第2の位置感知検出器を備え、
前記スタイラス懸架部は、前記第1の位置指示要素に対して固定され、第2の光源光路に沿って前記光源からの光を受け取り、前記第2の位置感知検出器に対して第2の測定光路に沿って第2の測定光ビームを出力するように配置された第2の位置指示要素を備え、前記第2の測定光ビームは、前記第2の位置指示要素の対応する移動に従って移動し、
前記第1及び第2の位置感知検出器は前記位置合わせフレームに固定され、前記1セットの基板部は、前記第1及び第2の位置感知検出器の少なくとも1つに電子的に接続する少なくとも1つのコネクタ基板部を備えることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項14】
請求項13において、
前記第1の位置指示要素及び前記第2の位置指示要素は、互いにかつ前記スタイラス結合部に堅固に結合され、前記内側ビーム経路容積内に配置されることを特徴とするCMMのプローブ構成体。
【請求項15】
座標測定機(CMM)で使用するための走査プローブを組み立てる方法であって、
それぞれの曲げ軸を有する少なくとも3つのフレキシブルな曲げ部を備える1セットの曲げ部によって結合された少なくとも4つの基板部を備える1セットの基板部を備える剛性フレックス回路要素の折り曲げ工程であって、前記剛性フレックス回路要素が折り曲げられる前で、前記剛性フレックス回路要素がほぼ平面に展開された形態にあるとき、少なくとも2つの前記曲げ部の前記曲げ軸がそれら少なくとも2つの前記曲げ部の間で60度と120度との間の角度を形成し、
前記剛性フレックス回路要素を、取り付けの一部として、前記1セットの基板部の少なくとも2つの基板部に嵌合する支持面のセットを備える3次元のキャリアフレームに取り付ける工程であって、前記剛性フレックス回路要素を折り曲げ工程が少なくとも2つの前記基板部を前記キャリアフレーム上の対応する支持面に近接するように配置するために、前記曲げ部で折り曲げることを含み、前記取り付けの一部として、少なくとも2つの前記基板部が前記キャリアフレーム上の対応する前記支持面に取り付けられ、回路基板アセンブリがスタイラス位置検出部の大部分を少なくとも部分的に取り囲み、位置合わせフレームに対して固定された前記キャリアフレームで前記位置合わせフレームに結合され、そして
スタイラス懸架部に前記スタイラス位置検出部を結合する工程であって、
前記スタイラス位置検出部は、
前記位置合わせフレームと、
前記位置合わせフレームに一定の関係で取り付けられ、少なくとも第1の光源と第1の位置感知検出器とを備える光学検出構成体と、
を備え、前記位置合わせフレームと前記光学検出構成体とが、内側ビーム経路容積を少なくとも部分的に囲み、かつ前記内側ビーム経路容積へのアクセスを提供するために前記スタイラス位置検出部の遠位端に開口を提供し、そして
前記スタイラス懸架部は、前記スタイラス位置検出部の前記遠位端に近接して配置され、
前記スタイラス位置検出部と一定の関係で結合する懸架フレームと、
スタイラスに堅固に結合されるように構成されたスタイラス結合部と、
前記懸架フレームと前記スタイラス結合部とに取り付けられ、前記懸架フレームに対して前記スタイラス結合部の移動を可能にするスタイラス移動機構と、
前記スタイラス結合部に対して固定され、前記スタイラス結合部と共に移動し、第1の光源光路に沿って前記光源からの光を受け取り、前記第1の位置感知検出器に対して第1の測定光路に沿って第1の測定光ビームを出力するように配置され、前記第1の測定光ビームが自身の対応する移動に従って移動する第1の位置指示要素と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項16】
システムにおいて、
位置合わせフレームと、
前記位置合わせフレームに一定の関係で取り付けられ、少なくとも第1の光源構成体と第1の位置感知検出器及び第2の位置感知検出器とを備える光学検出構成体と、
を備え、前記位置合わせフレームと前記光学検出構成体とが、内側ビーム経路容積を少なくとも部分的に取り囲み、かつ前記内側ビーム経路容積へのアクセスを提供するために自身の遠位端に開口を提供するスタイラス位置検出部と、
前記スタイラス位置検出部に一定の関係で結合する懸架フレームと、
ワークピースの表面に沿って走査するための接触部を有するスタイラスに堅固に結合されるように構成されたスタイラス結合部と、
前記懸架フレームと前記スタイラス結合部とに取り付けられ、前記懸架フレームに対して前記スタイラス結合部の移動を可能にするように構成されたスタイラス移動機構と、
前記スタイラス結合部に対して固定され、前記スタイラス結合部と共に移動し、第1の光源光路に沿って前記第1の光源構成体からの光を受け取り、前記第1の位置感知検出器に対して第1の測定光路に沿って第1の測定光ビームを出力するように配置され、前記第1の測定光ビームが自身の対応する移動に従って移動する第1の位置指示要素と、
前記スタイラス結合部に対して固定され、前記スタイラス結合部と共に移動し、第2の光源光路に沿って前記第1の光源構成体からの光を受け取り、前記第2の位置感知検出器に対して第2の測定光路に沿って第2の測定光ビームを出力するように配置され、前記第2の測定光ビームが自身の対応する移動に従って移動する第2の位置指示要素と、
を備え、前記スタイラス位置検出部の前記遠位端に近接して配置されたスタイラス懸架部と、
それぞれの曲げ軸を有する少なくとも3つのフレキシブルな曲げ部を備える1セットの曲げ部によって結合された少なくとも4つの基板部を備える1セットの基板部を備える剛性フレックス回路要素と、
前記1セットの基板部の少なくとも2つの基板部に嵌合する1セットの支持面を備え、前記剛性フレックス回路要素が少なくとも2つの前記基板部を自身上の対応する支持面に近接するように配置するために、前記曲げ部で折り曲げられるように構成された3次元のキャリアフレームと、
を備える回路基板アセンブリと、
を備え、少なくとも2つの前記基板部が前記キャリアフレーム上の対応する前記支持面に結合されるように構成され、前記回路基板アセンブリが前記スタイラス位置検出部の大部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、前記位置合わせフレームに対して固定された前記キャリアフレームで前記位置合わせフレームに結合される走査プローブと、
前記第1の位置感知検出器からの第1のセットの位置指示信号と、前記第2の位置感知検出器からの第2のセットの位置指示信号とを処理して、前記スタイラスの接触部の3D位置を決定する処理部と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項17】
請求項16において、
前記剛性フレックス回路要素の前記1セットの基板部は、前記第1の位置感知検出器からの第1のセットの位置指示信号と前記第2の位置感知検出器からの第2のセットの位置指示信号とを処理して、前記スタイラスの接触部の3D位置を決定する処理部を含むことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、精密計測に関し、より詳細には、座標測定機で使用されるプローブのコンパクトな構成に関する。
【背景技術】
【0002】
座標測定機(CMM's)は、検査対象のワークピースの測定値を取得することができる。その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,438,746号に記載された例示的な従来技術のCMMは、ワークピースを測定するためのプローブ、プローブを移動させるための移動機構、及びその移動を制御するためのコントローラを備える。表面走査プローブを備えるCMMは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,652,275号に記載されている。そこに開示されているように、機械的な接触プローブまたは光学プローブは、ワークピースの表面を横切って走査することができる。
【0003】
機械的な接触プローブを採用するCMMは、米国特許第6,971,183号( '183特許)にも記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。そこに開示されているプローブは、表面接触部を有するスタイラス、軸方向移動機構及び回転移動機構を備える。軸方向移動機構は、接触部が測定プローブの中心軸方向(Z方向または軸方向とも呼ばれる)に移動することを可能にする移動部材を備える。回転移動機構は、接触部がZ方向に垂直に移動することを可能にする回転部材を備える。軸方向移動機構は、回転移動機構内に入れ子になっている。接触部の位置および/またはワークピースの表面座標は、回転部材の変位及び軸方向移動の移動部材の軸方向変位に基づいて決定される。
【0004】
例示的なタッチプローブは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、McMurtryの米国特許第5,755,038号に開示されている。McMurtryは、遠位のスタイラスモジュールに解放可能に係合するタッチプローブ本体または検出モジュールを有するタッチプローブを開示している。最もよく理解されるように、McMurtryは、弾性的に支持された移動負荷部材を囲む剛性支持構造を含む3つの柱の間で軸方向に延びる中央の弾性的に支持された移動負荷部材を有するプローブ本体を開示している。ASIC信号プロセッサを備えるプリント回路基板は、剛性支持構造上の弾性的に支持された移動負荷部材の周囲に取り付けられている。弾性的に支持された移動負荷部材は、その中心軸に沿って検出モジュールのほぼ全長に沿って延び、剛性支持構造の上端近くで弾性的なダイアフラムに接続されている。3つの適合する支柱が、移動荷重部材を剛性支持構造の下端に接続する。各支柱は、剛性支持構造に対する負荷部材の移動に応じてトリガー信号を生成するように、ASIC(特定用途向け集積回路)信号プロセッサに接続されたひずみゲージを備える。製造、組み立て、及び修理がより経済的であり、比較的複雑な回路を比較的コンパクトなプローブ本体に収納することができる高精度プローブの構成体が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
この概要は、以下の[発明を実施するための形態]においてさらに説明される概念の抜粋を簡略化された形式で紹介するために提供されている。この概要は、特許請求された主題の主要な特徴を特定することを意図しておらず、特許請求された主題の範囲を決定する際の補助として使用されることも意図していない。
【0006】
複雑な回路をCMMのプローブに統合するためのコンパクトな座標測定機(CMM)のプローブ構成体が提供されている。CMMのプローブ構成体は、スタイラス位置検出部、スタイラス懸架部、及び回路基板アセンブリを備える。スタイラス位置検出部は、位置合わせフレームと、位置合わせフレームに一定の関係で取り付けられた光学検出構成体と、を備える。光学検出構成体は、少なくとも第1の光源と第1の位置感知検出器とを備える。位置合わせフレームと光学検出構成体とは、内側ビーム経路容積を少なくとも部分的に取り囲み、内側ビーム経路容積へのアクセスを提供するためにスタイラス位置検出部の遠位端に開口を提供するように構成される。
【0007】
スタイラス懸架部は、スタイラス位置検出部の遠位端に近接して配置される。スタイラス懸架部は、懸架フレーム、スタイラス結合部、スタイラス移動機構、及び第1の位置指示要素を備える。懸架フレームは、スタイラス位置検出部に一定の関係で結合する。スタイラス結合部は、スタイラスに堅固に結合されるように構成される。スタイラス移動機構は、懸架フレームとスタイラス結合部とに取り付けられ、懸架フレームに対してスタイラス結合部の移動を可能にするように構成される。第1の位置指示要素は、スタイラス結合部に対して固定され、スタイラス結合部と共に移動する。さらに、第1の位置指示要素は、第1の光源光路に沿って光源からの光を受け取り、第1の位置感知検出器に対して第1の測定光路に沿って第1の測定光ビームを出力するように配置される。なお、第1の測定光ビームは、第1の位置指示要素の対応する移動に従って移動する。
【0008】
回路基板アセンブリは、剛性フレックス回路要素と3次元のキャリアフレームとを備えている。剛性フレックス回路要素は、それぞれの曲げ軸を有する少なくとも3つのフレキシブルな曲げ部を備える1セットの曲げ部によって結合された少なくとも4つの基板部を備える1セットの基板部を備える。様々な実施形態では、少なくとも2つの曲げ部の曲げ軸は、剛性フレックス回路要素がほぼ平面に展開された形態にあるときに、それら少なくとも2つの曲げ部の間で60度と120度の間の角度を形成する。3次元のキャリアフレームは、1セットの基板部の少なくとも2つの基板部に嵌合する1セットの支持面を備える。剛性フレックス回路要素は、少なくとも2つの基板部をキャリアフレーム上の対応する支持面に近接するように配置するために、曲げ部で折り曲げられるように構成される。少なくとも2つの基板部は、キャリアフレーム上の対応する支持面に結合されるように構成される。加えて、回路基板アセンブリは、スタイラス位置検出部の大部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、位置合わせフレームに対して固定されたキャリアフレームでそこ(位置合わせフレーム)に結合される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本明細書に開示されるような走査プローブを利用するCMMを備える測定システムの様々な典型的な構成要素を示す図である。
【
図2】CMMに結合され、位置信号を提供する走査プローブの様々な要素を示すブロック図である。
【
図3A】スタイラスに結合されたスタイラス懸架部及びスタイラス懸架部の位置を検出するためのスタイラス位置検出部の例示的な実施形態の断面を示す図である。
【
図3B】スタイラス懸架部の位置を検出するためのスタイラス位置検出部の例示的な実施形態の断面を示す図である。
【
図4C】スタイラス位置検出部とキャリアフレーム部を示す図である。
【
図5A】ほぼ平面に展開された形態の剛性フレックス回路要素を示す図である。
【
図5B】ほぼ平面に展開された形態の剛性フレックス回路要素を示す図である。
【
図5C】ほぼ平面に展開された形態の剛性フレックス回路要素を示す図である。
【
図6A】
図4A~4Cのキャリアフレーム及びスタイラス位置検出部の周りに取り付けられた折り曲げられた形態の
図5A~5Cの剛性フレックス回路要素を示す図である。
【
図6B】
図4A~4Cのキャリアフレーム及びスタイラス位置検出部の周りに取り付けられた折り曲げられた形態の
図5A~5Cの剛性フレックス回路要素を示す図である。
【
図7】位置合わせフレームに結合された懸架フレームを備えるスタイラス懸架部の例示的な実施形態の断面を示す図である。
【
図8】CMMで使用するための走査プローブを組み立てる方法の例示的な一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本明細書に開示されるような走査プローブ300を利用するCMM200を備える測定システム100の様々な典型的な構成要素を示す図である。測定システム100は、操作ユニット110、CMM200の移動を制御するモーションコントローラ115、ホストコンピュータ120及びCMM200を備える。操作ユニット110は、モーションコントローラ115に結合され、手動でCMM200を操作するためのジョイスティック111を備えることができる。ホストコンピュータ120は、モーションコントローラ115に結合され、CMM200を操作し、ワークピースWの測定データを処理する。ホストコンピュータ120は、例えば、測定条件を入力するための入力手段125(例えば、キーボードなど)と、例えば、測定結果を出力するための出力手段130(例えば、ディスプレイ、プリンタなど)と、を備える。
【0011】
CMM200は、定盤210上に配置された駆動機構220と、走査プローブ300を駆動機構220に取り付けるための保持要素224と、を備える。駆動機構220は、走査プローブ300を三次元的に移動させるために、x軸、y軸、及びz軸スライド機構222、221、及び223、それぞれを備える。走査プローブ300の端部に取り付けられたスタイラス306は、接触部348を備える。以下により詳細に説明するように、スタイラス306は走査プローブ300のスタイラス懸架部に取り付けられ、接触部348がワークピースWの表面上の測定経路に沿って移動するとき、接触部348が複数の方向でその位置を自由に変更可能とされている。
【0012】
高速での動作には、走査プローブ300とホストコンピュータ120との間の大量のデータの双方向伝送が必要な場合があることが理解されよう。いくつかの場合では、データ伝送の要求で、そのような測定がなされる速度が制限されるかもしれない。走査プローブ300によって生成されたデータの少なくとも一部を走査プローブ300で処理して、ホストコンピュータ120に送信しなければならないデータの量を減らすことは有益であろう。しかしながら、高速動作中に、走査プローブ300は非常に急速に加速されるかもしれない。これらの高加速度により、信号処理電子機器の質量の増加と、電子機器の増加に対応するために走査プローブ300の材料を除去することに伴う構造剛性の低下と相まって、他の望ましい特性(例えば、十分な機械的剛性、経済的な組み立てなど)を保持しつつ、より包括的な信号処理システムを走査プローブ300に「統合された」CMMに統合する能力が以前から制限されてきた。これらの問題を克服し、特定の利点を提供する機能の組み合わせを含む実施形態を以下に説明する。
【0013】
図2は、CMM200に結合され、位置信号を提供する走査プローブ300の様々な要素を示すブロック図である。上述のように、走査プローブ300は、保持要素224によってCMM200に結合される。走査プローブ300は、スタイラス懸架部307と、スタイラス位置検出部311と、ローカル信号処理及び制御回路及びルーチン部380と、を組み込むプローブ本体302(例えば、ケーシングなどを含む)を備える。スタイラス懸架部307は、スタイラス結合部342とスタイラス移動機構309とを備える。スタイラス結合部342は、スタイラス306に堅固に結合される。スタイラス移動機構309は、スタイラス結合部342及び取り付けられたスタイラス306の様々なタイプの移動を可能にするように構成される。例えば、一実施形態では、スタイラス移動機構309は、軸方向に沿ってスタイラス結合部342及び取り付けられたスタイラス306の軸方向移動を可能にし、回転中心の周りのスタイラス結合部342及び取り付けられたスタイラス306の回転移動を可能にするように構成することができる。
【0014】
スタイラス位置検出部311は、第1の位置検出構成体313及び第2の位置検出構成体325を備える。第1の位置検出構成体313は、位置指示信号313'の第1のセットを出力する。1つの特定の例示的な実施形態では、位置指示信号313'の第1のセットは、スタイラス結合部342の回転位置を示す少なくとも第1及び第2の回転信号(例えば、X及びY位置信号)を備えることができる。第2の位置検出構成体325は、位置指示信号325'の第2のセットを出力する。1つの特定の例示的な実施形態では、位置指示信号325'の第2のセットは、軸方向に沿ったスタイラス結合部342の軸方向位置を示す軸方向信号(例えば、Z位置信号)を備えることができる。
【0015】
ローカル信号処理及び制御回路及びルーチン部380は、位置指示信号313'及び位置指示信号325'の第1及び第2のセットを受信することができる。様々な実施形態では、ローカル信号処理及び制御回路及びルーチン部380の構成要素/部分の一部またはすべては、回路基板アセンブリに含まれてもよい(例えば、
図5A~5Cに関して以下により詳細に説明されるように、回路基板アセンブリ490の剛性フレックス回路要素491に含まれる)。様々な実施形態では、ローカル信号処理及び制御回路及びルーチン部380は、アナログ増幅器及び処理部381、ローカル電源部382、プローブ識別部383、プローブ信号処理部384、及び入出力管理部385を備えることができる。
【0016】
様々な実施形態では、アナログ増幅器及び処理部381は、位置指示信号313'及び位置指示信号325'の第1及び第2のセットを増幅および/または処理する増幅器および/または他の構成要素を備えることができる。ローカル電源部382(例えば、バッテリーまたは他のローカル電源および/または電力線389A及び信号線389Bを介したCMMからの電力接続など)は、ローカル信号処理及び制御回路及びルーチン部380の構成要素の動作および/または走査プローブ300の他の一般的な動作のための電力を提供することができる。様々な実施形態では、プローブ識別部383は、識別データを記憶及び提供し、および/または走査プローブ300および/または関連する構成要素を識別するメカニズムを提供することができる。様々な実施形態では、走査プローブ300及び任意の交換可能な構成要素の適切な識別により、様々なタイプの機能の実行をすることができる。例えば、適切な識別により、(例えば、位置指示信号313'及び位置指示信号325'の処理に関して)正確な動作と走査プローブ300及び任意の交換可能な構成要素からの結果の測定値を確実にするために、適切な構成及び較正データを利用することができる。
【0017】
様々な実施形態では、構成及び較正データは、位置指示信号313'及び位置指示信号325'に対して特定の処理を実行するためにプローブ信号処理部384によって提供および/または利用されてもよい。様々な実施形態では、入出力管理部385は、走査プローブ300に/から(例えば、電力線389A及び信号線389B上で)提供される信号を管理することができる。例えば、様々な実施形態では、(例えば、走査プローブ300、CMM200、モーションコントローラ115、および/またはホストコンピュータ120などの)1つまたは複数の受信部分は、(例えば、位置指示信号313'及び位置指示信号325'の第1及び第2のセットの生バージョンまたは処理済みバージョンに対応する)信号を受信することができる。そして、(例えば、走査プローブ300、CMM200、モーションコントローラ115、および/またはホストコンピュータ120などの)1つまたは複数の関連する処理部は、接触部が測定されているワークピースの表面に沿って移動する際に、スタイラス結合部342および/または取り付けられたスタイラス306の接触部の3D位置を決定するために利用されてもよい。
【0018】
図3A及び3Bは、スタイラス406及びスタイラス懸架部407の位置を検出するためのスタイラス位置検出部411に結合されたスタイラス懸架部407の例示的な実施形態を含む走査プローブ400の様々な構成要素の断面を示す図である。同様のスタイラス懸架部及びスタイラス位置検出部の様々な構成要素は、同時係属中の同一譲受人に譲渡された米国特許公開第2017/0176170号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる(以下、'170公報)。
図3A及び3Bの特定の番号付けされた構成要素4XXは、
図2の類似の番号付けされた対応する構成要素3XXに対応および/または同様の動作を有することができ、それと同様であり、さもなければ以下で説明するように理解できることが理解されよう。類似の設計および/または機能を有する要素を示すこの番号付けのスキームは、以下の
図4~7にも適用される。
【0019】
以下に、より詳細に説明するように、
図3Aの走査プローブ400のCMMのプローブ構成体は、スタイラス懸架部407、スタイラス位置検出部411、及び回路基板アセンブリ490を備える。スタイラス位置検出部411は、位置合わせフレーム437と、位置合わせフレーム437に一定の関係で取り付けられた光学検出構成体438と、を備える。
図3Bに関して以下に、より詳細に説明されるように、様々な実施形態では、光学検出構成体438は光源418と位置感知検出器421、427とを備える。位置合わせフレーム437と光学検出構成体438とは、内側ビーム経路容積IBPVを少なくとも部分的に取り囲むように構成され、内側ビーム経路容積IBPV(例えば、
図4A及び4Cを参照)へのアクセスを提供するためにスタイラス位置検出部411の遠位端DEに開口OPNを提供する。回路基板アセンブリ490は、
図4~7に関して以下に、より詳細に説明されるように、剛性フレックス回路要素491と、三次元のキャリアフレーム495と、を備える。
【0020】
図3Aに示すように、スタイラス懸架部407は、スタイラス位置検出部411の遠位端DEに近接して配置され、懸架フレーム439、スタイラス結合部442、スタイラス移動機構409、及び位置指示要素416、426を備える。懸架フレーム439は、スタイラス位置検出部411に一定の関係で結合する。様々な実施形態では、懸架フレーム439は、回転調整可能なクランプ機構を使用して位置合わせフレーム437に取り付けることができる。例えば、一実施形態では、位置合わせフレーム437に結合される構成要素は、最初に位置合わせフレーム437内で整列、調整および/または較正などすることができる。その後、懸架フレーム439が位置合わせフレーム437に取り付けられてもよい。ここで、位置合わせフレーム437に結合された構成要素(例えば、光源418、位置感知検出器421及び427、対応する光学経路など)に対する懸架フレーム439に結合された構成要素(例えば、位置指示要素416、426)のアライメントが調整されてもよい。例えば、位置合わせフレーム437に対する懸架フレーム439の向きは、(例えば、V溝と止めねじを利用する)クランプ機構またはその他の種類の機構で互いに対して位置を固定する前に、取り付けられた構成要素を適切に位置合わせするために回転調整可能であってもよい。
【0021】
様々な実施形態では、スタイラス結合部442は、ワークピースW(図示せず)の表面Sに接触するための接触部448を有するスタイラス406に堅固に結合されるように構成される。スタイラス移動機構409は、懸架フレーム439とスタイラス結合部442とに取り付けられ、接触部448が表面Sの形状に沿ってその位置を変化することができるように、懸架フレーム439に対してスタイラス結合部442及び取り付けられたスタイラス406の移動を可能にするように構成される。1つの特定の実施形態では、スタイラス移動機構409は、接触部448が表面Sの形状に沿って3方向にその位置を変化することができるように、スタイラス結合部442及び取り付けられたスタイラス406の軸方向移動及び回転移動を可能にするように構成される。説明のために、
図3Aの紙面上の垂直方向と水平方向はそれぞれZ方向とY方向として定義され、紙面に垂直な方向はX方向として定義される。走査プローブ300の中心軸Oの方向(例えば、軸方向AD)は、この図のZ方向と一致する。
【0022】
位置指示要素416、426は、スタイラス結合部442に対して固定され、スタイラス結合部442とともに移動する。
図3Bに関して以下でより詳細に説明するように、第1の位置指示要素416は、第1の光源光路423に沿って光源418から光を受け取り、第1の位置感知検出器421に対して第1の測定光路423'に沿って第1の測定光ビームを出力するように配置される。ここで、第1の測定光ビームは、第1の位置指示要素416の対応する移動に従って移動する。第2の位置指示要素426は、第2の光源光路429に沿って光源418からの光を受け取り、第2の位置感知検出器427に対して第2の測定光路429'に沿って第2の測定光ビームを出力するように配置される。ここで、第2の測定光ビームは、第2の位置指示要素426の対応する移動に従って移動する。
【0023】
図3Bに関して以下でさらに詳細に説明するように、様々な実施形態では、位置感知検出器427からの位置指示信号と組み合わせた位置感知検出器421からの位置指示信号は、位置合わせフレーム437と懸架フレーム439に対するスタイラス結合部442の位置を示す。様々な実施形態では、位置指示要素416は回転検出デフレクターであり、位置指示要素426は軸方向検出デフレクターである。様々な実施形態では、第1の位置指示要素416及び第2の位置指示要素426は、互いにかつスタイラス結合部442に堅固に結合され、内側ビーム経路容積IBPV内に配置される。
【0024】
図3Aに示すように、スタイラス移動機構409は、移動部材412、回転部材436、回転部材436の回転移動を支持及び可能にするために懸架フレーム439に結合された屈曲要素440、及び移動部材412を支持し、それを回転部材436に結合して、移動部材412の軸方向移動を可能にする屈曲要素414、415(すなわち、第1の屈曲要素として参照される)を備えることができる。屈曲要素440(すなわち、第2の屈曲要素として参照される)は、軸方向Oで1対の屈曲要素414、415(すなわち、第1の屈曲要素として参照される)のそれぞれの平面の間に配置されている。回転部材436は、第2の屈曲要素440に関して対称な形状を有してもよく、2つのリング部436Aと、2つの接続部436Bと、1つの円筒部436Cと、を一体的に備えることができる。第1の屈曲要素414、415の周辺部は、リング部436Aに固定されている。接続部436Bは、中空部を有する円筒部436Cに接続するように、リング部436Aの内側に延在している。第1の屈曲要素414、415は、第2の屈曲要素440に対して対称の距離に配置されてもよいが、そのような実施形態は、例示に過ぎず、限定するものではない。
【0025】
移動部材412を備える軸方向移動機構410は回転部材436の内側に支持され、回転部材436及び軸方向移動機構410はスタイラス移動機構409の一部である移動モジュールを一緒に構成する。回転部材436を備える回転移動機構434は、スタイラス406の接触部448が回転中心RC周りの回転移動により軸方向Oを横切る(例えば、ほぼ垂直)ように移動することを可能にする。
図3Bを参照して以下により詳細に説明されるように、光学検出構成体438は、スタイラス移動機構409および/またはスタイラス406の接触部448の位置および/または移動を決定するために利用される。
【0026】
移動部材412は、下部412Aと、ロッド部412Bと、上部412Cと、を一体的に備える。位置指示要素416(例えば、曲面鏡)及び位置指示要素426(例えば、レンズ)を上部412Cに堅固に取り付けるために、ブラケット432が利用される。ロッド部412Bは、一対の第1の屈曲要素414、415との間に配置される。ロッド部412Bは、回転部材436内に収納される。
【0027】
下部412Aは、ロッド部412Bの下に形成され、スタイラス結合部442(例えば、フランジ部材)が下部412Aに取り付けられている。スタイラス406を取り付けるためのフランジ部444が設けられている。フランジ部444とスタイラス結合部442は、様々なスタイラス406とスタイラス結合部442との間の取り付け及び取り外しを反復可能な位置決め(例えば、スタイラスが脱落する衝突の場合、またはスタイラスを意図的に変更するときなど)で可能にする取り外し可能な連結機構(例えば、既知のタイプのキネマティックジョイントまたはキネマティックカップリング)を構成することができる。
【0028】
図5A~5Cに関して以下により詳細に説明するように、走査プローブ400は、また、剛性フレックス回路要素491とキャリアフレーム495とを備えた回路基板アセンブリ490を備える。
図3Aに示される剛性フレックス回路要素491の部分に関して、光源418に接続された内側基板部IBP1が示されている。内側基板部IBP1の上には、内側基板部IBP4、中間基板部MBP1、及び外側基板部EBP6があり、すべてがほぼ積み重ねられた構成である。
図3Aの断面図では、外側基板部EBP2が左側に示され、外側基板部EBP4が、曲げ部BD6によって内側基板部IBP4に接続されているように右側に示されている。加えて、内側基板部IBP2は、位置感知検出器421に接続されるように示され、内側基板部IBP3は、位置感知検出器427に接続されるように示される。以下により詳細に説明するように、剛性フレックス回路要素491の様々な基板部BP(例えば、以下に説明する内側基板部IBPと外側基板部EBP)は、様々な回路部分と他の構成要素(例えば、
図2のローカル信号処理及び制御回路及びルーチン部380のものなど)とを備えることができる。例えば、内側基板部IBP2、IBP3は、それぞれ、位置感知検出器421、427からの位置指示信号を増幅するための(例えば、
図2のアナログ増幅器及び処理部381の一部として)増幅器を備えることができる。
【0029】
図3Bは、
図3Aのスタイラス位置検出部411の光学検出構成体438を示す図である。
図3Aに関して上記で説明したように、光学検出構成体438の様々な構成要素は、特に指示がない限り、位置合わせフレーム437に対して固定されてもよい。光学検出構成体438は、光源構成体417と、ビームスプリッタ420と、誘導部435と、位置感知検出器421、427と、を備える。図示されるように、光源構成体417は、光源418(例えば、LED光源)を備え、いくつかの実施形態では(例えば、コリメートレンズ418'を使用して)、平行化されたまたはほぼ平行化された光ビーム419を提供するように構成することができる。ビームスプリッタ420(例えば、偏光ビームスプリッタ)は、光ビーム419を受け取り、光源光路423、429に沿った光源光ビームに分割する。代替の実施形態では、複数の光源を含む光源構成体を利用することができ、ビームスプリッタは光を複数の経路に分割するのに必要ないかもしれない。
【0030】
位置感知検出器421は、表面平面を有する光検出器422を備える。図示の実施形態では、ビームスプリッタ420を透過したビームは、光源光路423に沿って軸方向に沿って位置指示要素416に進み、そこで反射される。図示のように、光ビームは、測定光路423'に沿って凹面の位置指示要素416によって反射され、光軸に垂直な方向に沿って光の少なくとも一部を光検出器422の表面上の位置に反射するビームスプリッタ420のビームスプリッタ表面(偏光ビームスプリッタであってもよい)に向かって戻る。ここで、光検出器422は、それぞれX軸方向とY軸方向とに沿ったスポット位置に関連する信号を提供する既知のタイプのものでもよい。
【0031】
ビームスプリッタ420が偏光ビームスプリッタである場合、1/4波長板433はビーム分割面と位置指示要素416との間の光源光路の一部に沿って配置されてもよい。1/4波長板433は、既知の方法によって、ビームスプリッタからの直線偏光を円偏光に変更する。位置指示要素416から反射された光ビームは、1/4波長板433を通って戻り、偏光ビームスプリッタ420が光のすべてまたは大部分を光検出器422に向けて反射するような回転偏光で再び直線偏光になる。そのような偏向ビームスプリッタ構成体は、光源418を反射光から分離し、非偏光ビームスプリッタ構成体と比較してスタイラス位置検出の電力効率を大幅に改善することができる。
【0032】
図示のように、位置感知検出器427は、光検出器422の表面平面にほぼ平行な表面平面を有する光検出器428を備える。図示の実施形態では、分割光ビームは誘導部435(例えば、屋根型(a roof)プリズムの構成又は二面角(dihedral)のプリズムの構成)を通り、位置指示要素426(例えば、円形レンズまたは円柱レンズ)に向かって、そして、それを通り、光源光路429に沿ってビームスプリッタ420から反射される。位置指示要素426は軸方向を横切って向けられる光源光路429の一部に沿って延在するその光軸に配置され、位置指示要素426は光検出器428の表面平面上の位置に向けて測定光路429'に沿って透過光を向ける。なお、光検出器428は、Z軸方向に沿ったスポット位置に関連する信号を提供する既知のタイプのものとすることができる。
【0033】
位置指示要素426は、スタイラス懸架部の移動部材(例えば、
図3Aを参照して前述した移動部材412)に結合されている。一実施形態では、位置指示要素426と位置指示要素416とは両方とも、移動部材に結合されたブラケット432に取り付けられている。移動部材の軸方向移動により、位置指示要素426は、光源光路429を横切り、その光軸を横切る軸方向に沿って(例えば、ほぼZ軸方向に沿って)移動する。この並進移動で、入力の光源光路429に対して位置指示要素426が再配置される。位置指示要素426のレンズ形状により、透過光はそのデフレクター426の光軸からの距離の関数として測定光路429'を屈折または偏向する。したがって、光検出器428上に結果として生じるスポットの位置は、位置指示要素426とそれが取り付けられている移動部材412の軸方向移動を示している。
【0034】
同様に、移動部材412の回転移動により、位置指示要素416は、光源光路423を横断し、その光軸を横断する(例えば、Z軸方向を横切る)ように移動する。この並進移動で、入力の光源光路423に対して位置指示要素416が再配置される。位置指示要素416の凹面により、反射光は位置指示要素416の光軸からの距離の関数として測定光路423'を偏向する。したがって、光検出器422上の結果として生じるスポットの位置は、位置指示要素416とそれが取り付けられている移動部材412の回転移動を示している。様々な実施形態では、位置指示要素416の凹面は、光検出器422によって検出される反射光に所望の「偏向関係」を提供するように成形されてもよい。そのような構成は様々な利点(例えば、光検出器422の小型化を可能にする、様々な長さのスタイラスをより広い範囲で使用できるようにするなど)を持つことができる。
【0035】
先に組み込まれた '170公報において、より詳細に説明されるように、光検出器422、428上の結果として生じるスポットの移動と、位置指示要素416、426の回転移動及び軸方向移動との間の相関を決定/表すために、さまざまな三角法の方程式および/または他の方程式を利用することができる。したがって、様々な実施形態では、光検出器428からの位置指示信号に光検出器422からの位置指示信号を組み合わせることで、(例えば、位置合わせフレーム437、懸架フレーム439などに対して)移動部材412と取り付けられたスタイラス結合部442の位置が示される。
【0036】
様々な実施形態では、位置指示要素416及び位置指示要素426のいずれか一方または両方は、スタイラス位置検出部411の遠位端DE(例えば、
図4A、4Cを参照)の開口OPNを通って内側ビーム経路容積IBPV内に延在するように構成することができる。そのような構成において、光源光路423及び光源光路429のいずれか一方または両方、及び対応する測定光路423'及び測定光路429'のいずれか一方または両方は、内側ビーム経路容積IBPV内にすべて含まれてもよい。いくつかの実施形態では、位置指示要素416及び位置指示要素426の一方または両方は、内側ビーム経路容積IBPVの外側に配置されてもよい。そのような構成において、光源光路423及び光源光路429の一方または両方、及び対応する測定光路423'及び測定光路429'の一方または両方は、スタイラス位置検出部411の遠位端DEの開口OPNを通って延在してもよい。
【0037】
図4A~4Cは、スタイラス位置検出部411とキャリアフレーム部495Aを示す図である。
図4Aに示すように、スタイラス位置検出部411は、位置合わせフレーム437と、位置合わせフレーム437に一定の関係で取り付けられた光学検出構成体438と、を備える。より具体的には、位置合わせフレーム437は、(例えば、
図3Bに関して上述したような)光学検出構成体438の構成要素が取り付けられる表面を備える。例えば、光源418、ビームスプリッタ420、位置感知検出器421及び427、及び誘導部435(例えば、屋根型(a roof)プリズムの構成又は二面角(dihedral)のプリズムの構成)はすべて、位置合わせフレーム437に対して一定の関係で取り付けられてもよい。上述したように、位置合わせフレーム437及び光学検出構成体438は、内側ビーム経路容積IBPVを少なくとも部分的に取り囲むように構成され、内側ビーム経路容積IBPVへのアクセスを提供するために、スタイラス位置検出部411の遠位端DEに開口OPNを提供する。
【0038】
以下でより詳細に説明するように、様々な実施形態では、
図4Aの位置合わせフレーム437は、(例えば、
図4Cの構成に示されるように)
図4Bのキャリアフレーム部495Aに対して取り付ける、さもなければ固定することができる。キャリアフレーム部495Aが位置合わせフレーム437に取り付けられる前に、位置合わせフレーム437に結合される(例えば、光学検出構成体438の)構成要素は位置合わせフレーム437内で最初に取り付けられ、位置合わせされ、調整され、および/または較正されることが望ましい場合がある。より具体的には、最初に位置合わせフレーム437の内側/外側部分にスペースを設けて利用し、取り付けられた構成要素がキャリアフレーム部495Aを邪魔したり、そうでなければキャリアフレーム部495Aに取り付けられたりしない構成要素を取り付け、位置合わせ、調整、較正などのために利用されることが望ましい場合がある。その後、
図4Cに関して以下により詳細に説明するように、キャリアフレーム部495Aを位置合わせフレーム437に取り付けることができる。
【0039】
図4Bに示されるように、キャリアフレーム部495Aは、(例えば、剛性フレックス回路要素491の様々な基板部BPが嵌合され得る)キャリアフレーム部495Aの側面SD1~SD4上に様々な支持面SRを備える。
図4Bに示される図に関して、支持面SR1は側面SD1に示され、支持面SR2、SR5は側面SD2に示される。
図5A~6Bに関して以下により詳細に説明するように、組み立て中に、外側基板部EBP1は支持面SR1に嵌合され、外側基板部EBP2は支持面SR2に嵌合され、外側基板部EBP5は支持面SR5に嵌合される。様々な実施形態では、キャリアフレーム495の側面SD3及びSD4は、追加の支持面(例えば、
図4Bの図では見えない支持面SR3及びSR4)を備えることができ、これにそれぞれ、外側基板部EBP3及びEBP4が嵌合されてもよい。
【0040】
図4Bに示すように、支持面SR1及びSR2は、それぞれ切り欠き部CP1及びCP2を備える。
図5A~6Bに関して以下により詳細に説明するように、基板部の少なくともいくつか(例えば、基板部EBP1及びEBP2)は、基板部の外側に配置された少なくとも1つの電子部品と、基板部の内側に配置された少なくとも1つの電子部品と、を備える。基板部がそれぞれの支持面に嵌合されるとき、基板部の内側の電子部品は、それぞれの切り欠き部を通って延在することができる。
【0041】
様々な実施形態では、キャリアフレーム495は、組み立てプロセスの一部としてキャリアフレーム部495Aに追加される追加のキャリアフレーム部を備えるように作られてもよい。例えば、
図6Bに関して以下により詳細に説明されるように、追加のキャリアフレーム部495B及び495Cは、連続する層でキャリアフレーム部495Aの上部TPの上に追加することができる。そのような追加のキャリアフレーム部495B及び495Cは、Z軸を横切るように向けられ、したがってZ軸を横切るようにも向けられ得る基板部を支持する支持面TSR1及びTSR2を備えることができる。Z軸を横切るように向けられた基板部BPの別の例として、組み立てプロセスの一部として、スタイラス位置検出部411の上面によって支持されるように、基板部は光源418に搭載されて取り付けられてもよい。
【0042】
様々な実施形態では、キャリアフレーム部495Aは、丸みを帯びた曲げ軸支持領域BASRを備えることができる。例えば、丸みを帯びた曲げ軸支持領域BASR2は、側面SD1とSD2との間の移行部分に示されており、対応して、支持面SR1とSR2との間の移行部分に配置されている。さらなる例として、丸みを帯びた曲げ軸支持領域BASR1及びBASR3が、それぞれ側面SD4とSD1、及びSD2とSD3の間の移行部分に同様に示されている。
図5A~6Bに関して以下でより詳細に説明するように、剛性フレックス回路要素491は、少なくともいくつかの基板部BPをキャリアフレーム495上の対応する支持面SRに近接するように配置するために、曲げ部BDで折り曲げられる際に、剛性フレックス回路要素491のそれぞれの曲げ部BDは、それぞれの丸みを帯びた曲げ軸支持領域BASRに近接して配置されてもよい(例えば、周りに曲げられてもよい)。
【0043】
図4Cは、
図4Bのキャリアフレーム部495Aに取り付けられた
図4Aの位置合わせフレーム437を備えるスタイラス位置検出部411の図である。
図5A~6Bに関して以下により詳細に説明するように、様々な実施形態では、回路基板アセンブリ490は、スタイラス位置検出部411の大部分を少なくとも部分的に取り囲むように構成され、位置合わせフレーム437に対して固定されたキャリアフレーム495でそこ(位置合わせフレーム437)に結合される。上述のように、一実施形態では、キャリアフレーム部495Aが取り付けられる前に、(例えば、光学検出構成体438の)様々な構成要素が位置合わせフレーム437内に取り付けられ、位置合わせ、調整および/または較正などがなされてもよい。
図5A~6Bに関して以下により詳細に説明するように、様々な実施形態では、剛性フレックス回路要素491は、キャリアフレーム部495Aが位置合わせフレーム437に取り付けられる前または後に、キャリアフレーム部495Aに取り付けることができる。様々な実施形態では、追加のキャリアフレーム部495B及び495Cは、キャリアフレーム部495Aが位置合わせフレーム437に取り付けられる前または後に、キャリアフレーム495を形成するようにキャリアフレーム部495Aに取り付けられてもよい。様々な実施形態では、キャリアフレーム495が位置合わせフレーム437に取り付けられるとき、キャリアフレーム495の1つまたは複数の支持面SRは位置合わせフレーム437の1つまたは複数の表面に接してもよい。
【0044】
様々な実施形態では、キャリアフレーム495は、電気的短絡及び他の関連問題を回避するために、剛性フレックス回路要素491または他の要素上の導電要素に電子的に結合しない電気絶縁材料から構成されてもよい。加えて、キャリアフレーム495は、その組み立て中に金属ハウジング(例えば、
図2のプローブ本体302の外側部分の一部として含まれるケーシング)をCMMのプローブ構成体上の位置に案内し、剛性フレックス回路要素491上の任意の非接地導電要素と組み立てられた金属ハウジングとの間の接触を防止する一体型スペーサまたは絶縁リブの少なくとも1つをさらに備えることができる。別の例として、
図4A~4C、及び
図6Aに示される実施形態では、キャリアフレーム部495A、495B、及び495Cは一体型スペーサとして機能し、キャリアフレーム部495Aの一部は絶縁リブ485として機能することができる。
【0045】
図5A~5Cは、ほぼ平面に展開された形態PLNの剛性フレックス回路要素491を示す図である。図示されるように、剛性フレックス回路要素491は、それぞれの曲げ軸BAを有する個々のフレキシブルな曲げ部BDを備える1セットの曲げ部493によって結合された個々の基板部BPを備える1セットの基板部492を備える。より具体的には、1セットの基板部492は、外側基板部EBP1~EBP6、中間基板部MBP1、及び内側基板部IBP1~IBP4を備える。1セットの曲げ部493は、それぞれの曲げ軸BA1~BA11を有する曲げ部BD1~BD11を備える。
【0046】
図4B及び4Cに関して上述したように、キャリアフレーム495は、1セットの基板部492の少なくともいくつかの基板部BPに嵌合する1セットの支持面SRを備える。以下により詳細に説明するように、剛性フレックス回路要素491は、少なくともいくつかの基板部BPをキャリアフレーム495上の対応する支持面SRに近接するように配置するために、曲げ部BDで折り曲げられるように構成される。様々な実施形態では、少なくともいくつかの基板部BPは、(例えば、1つまたは複数の保持要素、ボンディングなどにより)キャリアフレーム495上の対応する支持面SRに結合されるように構成されている。様々な実施形態では、キャリアフレーム495は、キャリアフレーム495上の対応する支持面SRに近接して基板部BPを捕捉及び保持する基板部の保持要素RE(例えば、基板部上のタブなどの対応する保持要素REに結合するための溝部分)を備えることができる。
【0047】
様々な実施形態では、少なくともいくつかの曲げ部BDの曲げ軸BAは、剛性フレックス回路要素491が(例えば、
図5A~5Cに示されるように)ほぼ平面に展開された形態PLNにあるとき、それら(曲げ部BD)の間で60度と120度の間の角度を形成することができる(例えば、いくつかの構成では、少なくともいくつかの曲げ軸BAは互いにほぼ直交してもよい)。
図5A~5Cの構成例では、曲げ軸BA2、BA3、BA5、BA7、BA8、BA10、及びBA11はすべて互いにほぼ平行であり、曲げ軸BA4、BA6、BA7'、BA8'及びBA9にほぼ直交している。
【0048】
様々な実施形態では、1セットの基板部492は少なくとも1つの内側基板部IBPと少なくとも1つの外側基板部EBPを備え、剛性フレックス回路要素491が曲げ部BDで折り曲げられたとき、少なくとも1つの内側基板部IBPはキャリアフレーム495上の対応する支持面SRに近接して配置され、少なくとも1つの内側基板部IBP及び少なくとも1つの外側基板部EBPは、互いにほぼ平行に配置され、少なくとも1つの内側基板部IBP及びキャリアフレーム495上の対応する支持面SRはもちろん、少なくとも1つの外側基板部EBPにほぼ垂直な方向に沿って少なくとも部分的に互いに重なり合う。例えば、
図6Aに関して以下により詳細に説明するように、内側基板部IBP4と外側基板部EBP6は、剛性フレックス回路要素491が曲げ部BDで折り曲げられたときに、そのような基準を満たすことができる。別の例として、内側基板部IBP2及びIBP3及び外側基板部EBP4は、剛性フレックス回路要素491が曲げ部BDで折り曲げられたときに、そのような基準を満たすこともできる。
【0049】
様々な実施形態では、1セットの基板部492は、位置合わせフレーム437に固定される少なくとも1つの電子部品に電子的に接続する少なくとも1つのコネクタ基板部BPを備える。例えば、内側基板部IBP1は、位置合わせフレーム437に固定される光源418に電子的に接続されるコネクタ基板部として指定されてもよい。別の例として、内側基板部IBP2、IBP3は、位置合わせフレーム437に固定される位置感知検出器421、427にそれぞれ電子的に接続するコネクタ基板部として指定されてもよい。ここで、コネクタ基板部IBP2、IBP3は、位置感知検出器421、427からの出力を増幅する信号増幅器を備えることができる。様々な実施形態では、例えば、外側基板部EBP5は、(例えば、組み立て完了後などの剛性フレックス回路要素491の外部プログラミングなどを可能にするために)その上に取り付けられたフィールドプログラマブルゲートアレイFPGAを備える。
【0050】
図5B及び5Cは、正面図及び背面図を示し、剛性フレックス回路要素491の基板部BPの外側及び内側を示す。
図5B及び5Cの比較によって示されるように、少なくともいくつかの基板部BPは、外側と内側の両方に電子部品を備える。
図4Bに関して上述したように、場合によっては、基板部BPがそれぞれの支持面SRに嵌合されると、基板部の内側の電子部品は、キャリアフレーム495のそれぞれの支持面SRのそれぞれの切り欠き部CPを通って延在することができる。一例として、様々な実施形態では、外側基板部EBP1は、基板部の外側に1つまたは複数の電子部品EC1及び(例えば、組み立て時に、切り欠き部CP1を通って延在するように)基板部の内側に1つまたは複数の電子部品IC1を備える。別の例として、様々な実施形態では、外側基板部EBP2は、基板部の外側に1つまたは複数の電子部品EC2及び(例えば、組み立て時に、切り欠き部CP2を通って延在するように)基板部の内側に1つまたは複数の電子部品IC2を備える。基板部の内側の電子部品の別の例として、
図5Cでは、内側基板部IBP2及びIBP3は、位置感知検出器421及び427にそれぞれ接続するための内側電子コネクタIEC2、IEC3を備えるように示されている。
【0051】
図5B及び5Cにさらに示されるように、基板部BPの少なくともいくつかは、(例えば、キャリアフレーム495上の対応する保持要素REに取り付けるためなどの)保持要素REを備えることができる。例えば、基板部の保持要素REがキャリアフレーム部の対応する保持要素RE(例えば、対応する形状の溝)に「スナップ(snap)」するタブを構成することができ、タブ及び溝構成体を利用することができる。別の例として、基板部BPの少なくともいくつかをキャリアフレーム495に取り付けるために、結合機構を利用することができる。
【0052】
ほぼ平面に展開された形態PLNの剛性フレックス回路要素491は、従来のPCB製造及び組立技術を利用して作成できることが理解されよう。加えて、剛性フレックス回路要素491がほぼ平面に展開された形態PLNにある間において、回路などの従来の試験を実行することができる。それから、
図6A及び
図6Bに関して以下により詳細に説明するように、剛性フレックス回路要素491は、走査プローブ300の一部として挿入するために折り曲げることができる。様々な実施形態では、剛性フレックス回路要素491の多面形状は、(例えば、直径27.2mm内のシリンダーのように、特定の実施形態の走査プローブ300の直径25mmから30mm以内の)比較的コンパクトなプローブ直径の内部に一層適合可能でありながら、必要な電気部品が基板部のパネル上に収まることを可能にする。
【0053】
剛性フレックス回路要素491の複雑な信号処理システムは、経済的な非カスタム部品を使用しながら、そのような走査プローブ内で前例のない信号処理動作の範囲を提供することができる。様々な実施形態では、剛性フレックス回路要素491は、(例えば、スタイラス406の接触部448の移動および/または3D位置を決定するための)位置感知検出器421及び427からの位置指示信号の処理の重要な部分またはすべてを実行することができる。一実施形態では、剛性フレックス回路要素491の1セットの基板部は、スタイラス406の接触部448の3D位置を決定するために、第1の位置感知検出器421からの位置指示信号の第1のセット及び第2の位置感知検出器427からの位置指示信号の第2のセットを処理する処理部分を備える。
【0054】
図6A及び6Bは、(例えば、3次元のキャリアフレーム495及びスタイラス位置検出部411の周りに取り付けられた)折り曲げられた形態FLDの剛性フレックス回路要素491を示す図である。折り曲げられた形態の剛性フレックス回路要素491の様々な基板部BPの位置をよりよく示すために、キャリアフレーム495及びスタイラス位置検出部411は
図6Aには示されておらず、キャリアフレーム495とスタイラス位置検出部411を備える組み立てられた形態が
図6Bに示されている。1つの特定の例示的な実施形態では、剛性フレックス回路要素491の折り曲げは、以下のシーケンスを含むことができる。
【0055】
折り曲げプロセスは、(例えば、
図4B及び4Cのキャリアフレーム部495Aの側面SD1上の支持面SR1上への)外側基板部EBP1の位置決めから開始することができる。次に、曲げ部BD2は、(例えば、キャリアフレーム部495Aの側面SD2上の支持面SR2上に)外側基板部EBP2を位置決めする一部として、曲げ軸BA2の周りで90度曲げられてもよい。次に、曲げ部BD3は、(例えば、キャリアフレーム部495Aの側面SD3上の支持面SR3上に)外側基板部EBP3を位置決めする一部として、曲げ軸BA3の周りで90度曲げられてもよい。次に、曲げ部BD4は、(例えば、位置合わせフレーム437に取り付けられた光源418に取り付けるために)内側基板部IBP1を位置決めする一部として、曲げ軸BA4の周りで90度曲げられてもよい。
【0056】
既に配置されている(例えば、キャリアフレーム部495Aの側面SD1上の支持面SR1に配置されている)外側基板部EBP1から、曲げ部BD5は、(例えば、キャリアフレーム部495Aの側面SD4上の支持面SR4に近接するように)外側基板部EBP4を緩やかに位置決めする一部として、曲げ軸BA5の周りで90度緩やかに曲げられてもよい。次いで、曲げ部BD6は、(例えば、キャリアフレーム部495Aのほぼ上部にあるように)内側基板部IBP4を緩やかに位置決めする一部として曲げ軸BA6の周りに緩やかに90度曲げられてもよい。次いで、曲げ部BD7及びBD8は、(例えば、位置合わせフレーム437に取り付けられるように、位置感知検出器421及び427にそれぞれ取り付けのために)内側基板部IBP2及びIBP3の位置決めの一部として、(例えば、外側基板部EBP3の下にねじ込まれるように)それぞれの曲げ軸BA7及びBA8の周りに90度曲げられ、次いで(例えば、外側基板部EBP4の下にねじ込まれるように)それぞれの曲げ軸BA7'及びBA8'の周りに再び90度曲げられてもよい。
図6Bでは、位置感知検出器421及び427を位置合わせフレーム437に取り付けるために使用されたものとして、取り付けねじMS1及びMS2が示されている。次いで、外側基板部EBP4は、キャリアフレーム部495Aの側面SD4上の支持面SR4上に完全に位置決めする(例えば、結合する、固定する、など)ことができる。
【0057】
次いで、キャリアフレーム部495Bは、キャリアフレーム部495Aの上部を覆って取り付けられてもよく、Z軸を横切るように向けられた上部支持面TSR1を提供することができる。次いで、内側基板部IBP4は、(例えば、キャリアフレーム部495Aの上部に取り付けられたキャリアフレーム部495B上の支持面TSR1上に固定されて)Z軸を横切って向けられるように完全に位置決めされてもよい。次に、キャリアフレーム部495Cは、キャリアフレーム部495Bの上部に取り付けられ、Z軸を横切るように向けられた上部支持面TSR2を提供することができる。(例えば、キャリアフレーム部495Aの側面SD1上の支持面SR1上に位置する)既に位置決めされた外側基板部EBP1から、曲げ部BD9は、(例えば、キャリアフレーム部495Bの上部に取り付けられるように、キャリアフレーム部495C上の支持面TSR2上に固定される)Z軸を横切って向けられる中間基板部MBP1を位置決めする一部として曲げ軸BA9の周りに90度曲げられてもよい。
【0058】
図6Bに示すように、また上述したように、一実施形態では、中間基板部MBP1上の保持要素RE(例えば、タブ)は、キャリアフレーム部495C上の対応する保持要素RE(例えば、対応する溝)への取り付けに利用することができる。他の例として、結合機構、または他の取り付け構成体も、または代わりに取り付けに利用されてもよい。様々な実施形態では、他の基板部BPは、対応するキャリアフレーム部495A、495Bまたは495Cのいずれかに同様に取り付けられてもよく、キャリアフレーム部は互いに同様に取り付けられてもよいことが理解されよう。
【0059】
既に位置決めされた中間基板部MBP1から、曲げ部BD11は、外側基板部EBP6の位置決めの一部として曲げ軸BA11の周りに180度曲げられてもよい。したがって、様々な実施形態では、基板部EBP6、MBP1、IBP4、IBP1は、(例えば、
図3Aの走査プローブ構成体の上部付近に示すように)すべてZ軸を横切って向けられるような積層した構成体のタイプとすることができる。
【0060】
様々な実施形態では、基板部BPの回路/プログラミングは、基板部BPが接続されている構成要素に対して特定の機能を実行することができる。例えば、外側基板部EBP6は、走査プローブ300に特定の通信/制御/電力接続を提供するために、走査プローブ300に対する自動結合コネクタのタイプに対応しており、取り付けられた中間基板部MBP1(及び他の結合された基板部)は、
図2の入出力管理部385の特定の機能に対応する回路/プログラミングを備えることができる。内側基板部IBP1は、光源418に接続することができ、外側基板部EBP3(及び他の結合された基板部BP)は、特定の照明制御/電力機能のための回路/プログラミングを備えることができる。内側基板部IBP2及びIBP3は、取り付けられた内側基板部IBP4(及び他の結合した基板部)とともに、位置感知検出器421及び427の動作/信号処理に対応する回路/プログラミング(例えば、アナログ増幅器を含む)を備えることができ、
図2のアナログ増幅器及び処理部381、および/またはプローブ信号処理部384の特定の機能に対応することができる。
【0061】
図7は、位置合わせフレーム437に結合された懸架フレーム439を備えるスタイラス懸架部407の例示的な実施形態の断面を示す図である。様々な実施形態では、スタイラス懸架部407は、位置合わせフレーム437を備えるスタイラス位置検出部411の遠位端DEに近接して配置される。様々な実施形態では、懸架フレーム439は、位置合わせフレーム437に堅固にかつ解放可能に結合される。以下により詳細に記載されるように、様々な実施形態では、懸架フレーム439は、回転調整可能なクランプ機構を使用して、位置合わせフレーム437に取り付けられる。
【0062】
1つの特定の実施形態では、位置合わせフレーム437の底部は、懸架フレーム439の取り付けに利用されるV溝710を備える。より具体的には、懸架フレーム439に取り付けられる止めねじ720は、位置合わせフレーム437のV溝710の中まで延在している。したがって、所望の回転の向きが達成されると、止めねじ720を、懸架フレーム439を位置合わせフレーム437にクランプするために利用することができる。この構成により、止めねじ720が完全に締められていないときには、懸架フレーム439を位置合わせフレーム437に対して回転させることができ、所望の向きが達成されるまで回転の向きを調整することができる。
図3Aに関して上述したように、様々な実施形態では、位置合わせフレーム437に結合された構成要素(例えば、光源418、位置感知検出器421、427、対応する光学経路など)に対して懸架フレーム439に結合された構成要素(例えば、位置指示要素416、426)を適切に整列させることができるように、回転調整を実行することが望ましい場合がある。
図7に示すように、位置合わせフレーム437へのいくつかの構成要素の取り付けの一例として、取り付けねじMS1、MS1'、MS2及びMS2'は、位置合わせフレーム437に対して位置感知検出器421、427を取り付けるために利用される。
【0063】
図8は、座標測定機(CMM)で使用するための走査プローブを組み立てるための手順800の1つの例示的な実施形態を示す流れ図である。ブロック810で、剛性フレックス回路要素が折り曲げられる。ここで、剛性フレックス回路要素は、それぞれの曲げ軸を有する少なくとも3つのフレキシブルな曲げ部を備える1セットの曲げ部によって結合された少なくとも4つの基板部を備える1セットの基板部を備える。加えて、剛性フレックス回路要素は、折り曲げられる前で、剛性フレックス回路要素がほぼ平面に展開された形態にあるとき、少なくとも2つの曲げ部の曲げ軸は、それら少なくとも2つの曲げ部の間で60度と120度の間の角度を形成する。
【0064】
ブロック820で、剛性フレックス回路要素は、取り付けプロセスの一部として、1セットの基板部の少なくとも2つの基板部に嵌合する1セットの支持面を備える3次元のキャリアフレームに取り付けられる。剛性フレックス回路要素の折り曲げ工程は、少なくとも2つの基板部をキャリアフレーム上の対応する支持面に近接するように配置するために、曲げ部で折り曲げることを含む。取り付けの一部として、少なくとも2つの基板部はキャリアフレーム上の対応する支持面に取り付けられ、回路基板アセンブリはスタイラス位置検出部の大部分を少なくとも部分的に取り囲み、位置合わせフレームに対して固定されたキャリアフレームでそこ(位置合わせフレーム)に結合される。
【0065】
ブロック830で、スタイラス位置検出部は、(例えば、回転調整可能なクランプ機構を利用して)スタイラス懸架部に結合される。様々な実施形態では、(例えば、1つまたは複数の位置指示要素を備える)スタイラス懸架部の位置合わせは、スタイラス懸架部の方向がスタイラス位置検出部に対して固定される前に(例えば、位置指示要素と連動して動作する光学検出構成体を備える)スタイラス位置検出部に対して調整することができる。例えば、そのような調整は、スタイラス位置検出部に対するスタイラス懸架部の回転方向を固定するために、(例えば、止めねじ720を備えたV溝710を利用して)回転調整可能なクランプ機構をクランプする前に行うことができる。
【0066】
2017年9月29日に出願された米国仮特許出願第62/565,961号の開示は、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0067】
本開示の好ましい実施形態が図示及び説明されたが、特徴及び動作のシーケンスの図示及び説明された配置の多数の変形例は、本開示に基づいて当業者には明らかであろう。本明細書に開示される原理を実施するために、様々な代替形態を使用することができる。さらに、上記の様々な実施形態を組み合わせて、さらなる実施形態を提供することができる。本明細書で言及されるすべての米国特許及び米国特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。必要に応じてさらに実施形態を提供するために様々な特許及び出願の概念を採用して、実施形態の側面を変更することができる。
【0068】
上記の詳細な説明に照らして、これらの変更及び他の変更を実施形態に加えることができる。一般に、以下の請求項では、使用される用語は、請求項を明細書及び請求項に開示された特定の実施形態に限定するように解釈されるべきではなく、そのような請求項に権利される同等の全範囲に沿って可能なすべての実施形態を備えると解釈されるべきである。