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特許7101339携帯型画像形成装置、及び携帯型画像形成装置本体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】携帯型画像形成装置、及び携帯型画像形成装置本体
(51)【国際特許分類】
   B41J 3/28 20060101AFI20220708BHJP
   B41J 25/304 20060101ALI20220708BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
B41J3/28
B41J25/304
B41J2/01 451
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018050283
(22)【出願日】2018-03-17
(65)【公開番号】P2019155888
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100098626
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 壽
(72)【発明者】
【氏名】中村 光孝
(72)【発明者】
【氏名】西岡 国彦
(72)【発明者】
【氏名】田中 章喜
(72)【発明者】
【氏名】石井 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 理
(72)【発明者】
【氏名】上田 正之
【審査官】佐藤 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0170900(US,A1)
【文献】特開2017-177809(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0076082(US,A1)
【文献】特開平10-035028(JP,A)
【文献】特開平09-123537(JP,A)
【文献】特開2001-225512(JP,A)
【文献】特開平05-116380(JP,A)
【文献】特開平09-300727(JP,A)
【文献】特開平01-310973(JP,A)
【文献】特開平10-129044(JP,A)
【文献】特開2015-076920(JP,A)
【文献】特開平01-257072(JP,A)
【文献】特開平02-026769(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0012660(US,A1)
【文献】特開平09-286139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 3/28
B41J 25/304
B41J 2/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録材に画像を記録する記録部と、ユーザーに対して前記記録部による記録位置を視覚的に認識させる案内手段とを有し、走査方向に移動せしめられながら前記記録材に画像を形成する携帯型画像形成装置において、
携帯型画像形成装置本体における複数の面のうち、走査方向への移動中に記録材と対面する記録面とは反対側の記録反対面の面内であって、前記記録部と対向する位置に案内手段が設けられており、
前記走査方向に沿って当該携帯型画像形成装置を直進させるローラ部を有するローラユニットが取り外された状態で、当該携帯型画像形成装置を前記記録材の表面に置いたとき、前記記録材に接触して当該携帯型画像形成装置を三点支持する三つの突起が、前記記録面に設けられていることを特徴とする携帯型画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の携帯型画像形成装置であって、
前記案内手段は、前記記録反対面の面内であって、前記記録部と対向する位置に設けられたユーザーによる記録部動作命令の操作がなされる命令操作ボタンであることを特徴とする携帯型画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2の携帯型画像形成装置において、
前記案内手段を発光させる光源を設けたことを特徴とする携帯型画像形成装置。
【請求項4】
請求項3の携帯型画像形成装置において、
画像情報を取得する画像情報取得手段と、前記画像情報取得手段によって画像情報が取得されたことに基づいて前記光源を発光させる制御手段とを設けたことを特徴とする携帯型画像形成装置。
【請求項5】
請求項4の携帯型画像形成装置において、
携帯型画像形成装置の記録材上における位置変位を検知する変位検知手段を設け、前記変位検知手段による検知結果に基づいて前記光源の発光を停止させる処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とする携帯型画像形成装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4又は5の携帯型画像形成装置において、
画像の記録を行う箇所であることを示す目印を前記記録部に設け、
前記案内手段の平面形状及び平面サイズを、前記記録部の平面形状及び平面サイズと同じにしたことを特徴とする携帯型画像形成装置。
【請求項7】
請求項1、2、3、4、5又は6の携帯型画像形成装置において、
前記案内手段を、前記走査方向に並ぶ二つの側面のそれぞれにも設けたことを特徴とする携帯型画像形成装置。
【請求項8】
携帯型画像形成装置本体と、記録材に画像を記録し且つ携帯型画像形成装置本体に着脱可能な記録部と、ユーザーに対して前記記録部による記録位置を視覚的に認識させるように前記携帯型画像形成装置本体に設けられた案内手段とを有する携帯型画像形成装置の携帯型画像形成装置本体において、
携帯型画像形成装置本体における複数の面のうち、走査方向への移動中に記録材と対面する記録面とは反対側の記録反対面の面内であって、前記記録部と対向する位置に案内手段が設けられており、
前記走査方向に沿って当該携帯型画像形成装置を直進させるローラ部を有するローラユニットが取り外された状態で、当該携帯型画像形成装置を前記記録材の表面に置いたとき、前記記録材に接触して当該携帯型画像形成装置を三点支持する三つの突起が、前記記録面に設けられていることを特徴とする携帯型画像形成装置本体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型画像形成装置、及び携帯型画像形成装置本体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、記録材に画像を記録する記録部と、ユーザーに対して記録部による記録位置を案内する案内手段とを有し、走査方向に移動せしめられながら記録材に画像を形成する携帯型画像形成装置が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載のハンディーコピー機は、記録部としての印字素子と、コピー機本体における走査方向と直交する方向に延在する側面に設けられた印字ガイド目盛とを有している。案内手段としての印字ガイド目盛は、ハンディーコピー機の側面を見るユーザーに対し、用紙面で走査方向とは直交する方向(以下、走査直交方向という)における印字範囲を案内するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このハンディーコピー機では、記録材の横方向に真っ直ぐ沿わせて画像を形成することが困難であるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、記録材に画像を記録する記録部と、ユーザーに対して前記記録部による記録位置を視覚的に認識させる案内手段とを有し、走査方向に移動せしめられながら前記記録材に画像を形成する携帯型画像形成装置において、携帯型画像形成装置本体における複数の面のうち、走査方向への移動中に記録材と対面する記録面とは反対側の記録反対面の面内であって、前記記録部と対向する位置に案内手段が設けられており、前記走査方向に沿って当該携帯型画像形成装置を直進させるローラ部を有するローラユニットが取り外された状態で、当該携帯型画像形成装置を前記記録材の表面に置いたとき、前記記録材に接触して当該携帯型画像形成装置を三点支持する三つの突起が、前記記録面に設けられていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、記録材の横方向に真っ直ぐ沿わせて画像を形成することを容易に実現することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係るHMPを斜め上方から示す外観斜視図。
図2】移動操作中の同HMPを記録材及び形成直後画像部分とともに示す斜視図。
図3】上部ユニットを下部ユニットに対して開いた状態の同HMPを示す斜視図。
図4】同HMPを記録面側から示す底面図。
図5】同HMPの電気回路の一部を示すブロック図。
図6】同HMPのプリントボタンと記録部との位置関係を説明するための斜視図。
図7】記録材に画像を形成しているときの同HMPを記録材P及び形成直後画像部分とともに示す平面図。
図8】プリントボタンを発光させた同HMPを示す斜視図。
図9】第一実施例に係る画像形成中のHMPを記録材及び形成直後画像部分とともに示す斜視図。
図10】ローラユニットを取り外した状態の同HMPを示す底面図。
図11】湾曲軌道に沿って移動操作されている同HMPを示す斜視図。
図12】移動操作中の第二実施例に係るHMPを、記録材及び形成直後画像部分とともに示す平面図。
図13】移動操作中の第三実施例に係るHMPを、記録材及び形成直後画像部分とともに示す斜視図。
図14】裏返した状態の同HMPを示す斜視図。
図15】同HMPの記録部及びこの周囲を示す部分斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を、携帯型画像形成装置であるハンディモバイル型インクジェットプリンタ(以下、HMPという)に適用した一実施形態について説明する。
まず、実施形態に係るHMPの基本的な構成について説明する。
【0009】
図1は、実施形態に係るHMP1を斜め上方から示す外観斜視図である。同図に示されるHMP1は、上部ユニット2と下部ユニット3とから主に構成されている。HMP1は、全体的に直方体形状を有しており、その走査方向(=印字方向:図中矢印X方向)の幅は、ユーザーが掌で掴める程度である。
【0010】
HMP1の筐体は、後述するインクジェットヘッドの記録部を用紙などの記録材に対面させる面である記録面30、これの反対面である上面31、走査直交方向(図中矢印Y方向)に延在する左側面32などを有している。また、走査直交方向(図中矢印Y方向)に延在する右側面33、走査方向(図中矢印X方向)に延在する背面34、走査方向に延在する正面35なども有している。なお、走査直交方向は、記録材を主体にした場合における走査直交方向は、記録材の表面において走査方向と直交する方向である。また、HMP1を主体にした場合における走査直交方向は、記録面30の表面において走査方向と直交する方向である。
【0011】
同図に示されるHMP1は、記録面30を鉛直方向下方に向けつつ、記録反対面である上面31を鉛直方向上方に向ける姿勢になっている。上面31の外縁内(枠内)には、プリントボタン14と、電源ボタン15とが設けられている。また、上部ユニット2の左側面32には、USB接続口6が設けられている。
【0012】
USB接続口6にはUSBケーブルを接続するためのものである。HMP1の中に装着された充電式のバッテリー(図3の51)に対し、USB接続口6に接続したUSBケーブルを介して外部の電源から電力を供給することで、バッテリーを充電することができる。
【0013】
下部ユニット3の正面35側の端部は、下部ユニット3の前記端部以外の部分よりも幅の広い把持部36になっている。ユーザーは、画像形成のためにHMP1を記録材の表面上で走査方向(図中矢印X方向)に移動させるときには、把持部36を持ってHMP1を移動操作する。走査直交方向において、把持部36が他の部分に比べて幅広になっているのは、手で持ち易くするための他、把持部36が後述するバッテリー収容部になっているからである。
【0014】
ユーザーは電源ボタン15を長押しすることによってHMP1の電源の入切(ON/OFF)を切り替えることができる。電源を入れた状態では、スマートフォンなどとのBluetooth(登録商標)通信により、HMP1の上部ユニット2内に設けられた制御基板に対して画像情報を取得させることができる。その後、記録面30を記録材の表面に対面させる姿勢でHMP1を記録材の表面上に置いた後、プリントボタン14を一度押してから、図2に示されるようにHMP1を走査方向に沿って移動させることで、記録材Pの表面に画像を形成することができる。なお、このHMP1は、ユーザーの移動操作によって走査方向(図中矢印X方向)に沿って往移動せしめられるときと、復移動せしめられるときとのそれぞれで、記録材の表面に画像を形成することができる。
【0015】
記録材は、用紙などの紙類に限定されるものではなく、OHP、布、段ボール、包装容器、ガラス、基板などが含まれる。
【0016】
図3は、上部ユニット2を下部ユニット3に対して開いた状態のHMP1を示す斜視図である。図示のように、上部ユニット2は下部ユニット3に対して開閉するように下部ユニット3に保持されている。下部ユニット3の把持部36の内部空間には、HMP1の各機器に電源供給するためのバッテリー51が装着されている。
【0017】
下部ユニット3の把持部36とは異なる部分の中には、インクタンク一体型のインクジェットヘッド40(インクカートリッジ)が着脱されるようになっている。図3に示されるように、インクジェットヘッド40すなわちインクカートリッジは、記録部とインクタンクとを一体で備えるとともに、HMP1の下部ユニット3に対して着脱可能である。このとき、インクの液滴を吐出する記録部が鉛直方向下方に向けられる。このインクジェットヘッド40は、記録部からインクの液滴を吐出して記録を行うものである。
【0018】
上部ユニット2の内面には、下部ユニット3内に装着されたインクジェットヘッド40を押さえて係止するためのヘッド押さえ板バネ37が固定されている。
【0019】
このHMP1では、下部ユニット3内において、バッテリー51をインクジェットヘッド40の側方に位置させているため、上方に位置させる構成に比べてHMP1の高さを低くしている。これにより、HMP51の重心位置を低くすることで、移動操作時におけるHMP1を転倒を抑えることができている。
【0020】
HMP1は、走査方向の大きさ(装置幅)をできるだけ小さくするように設計している。インクジェットヘッド40よりも僅かに幅広になっている程度である。装置幅が大きくなるほど、記録材Pの表面上においてHMP1を走査方向に移動操作できる範囲が小さくなって、記録可能範囲も狭くなってしまう。装置幅をできるだけ小さくすることで、記録材Pの表面上における記録可能範囲をできるだけ広くすることができる。
【0021】
図4は、HMP1を記録面側から示す底面図である。同図において、HMP1の記録面としての記録面30には、下部ユニット(図3の3)内に装着されたインクジェットヘッド40の記録部41を外部に露出させるための開口30aが設けられている。記録部41は、複数の吐出孔41aを有しており、圧電素子の駆動によってそれぞれの吐出孔41aからインクの液滴を個別に吐出することが可能である。
【0022】
記録部41は、インクジェットヘッド40の基板のうち、基板面方向において吐出孔41aを囲むように設けられている複数のインナーリードよりも内側(吐出孔41aの側)の領域である。このHMP1では、基板における記録部41の領域を白色に塗装して、周囲の黒色の領域とはっきり区別できるようにしている。つまり、白色の領域は、記録部41であることを示す目印になっている。この目印の形は、図示のように矩形状になっている。
【0023】
インクジェットヘッド40は、インクを吐出するための駆動源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子又は薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を具備する、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを用いるものである。
【0024】
記録部41の吐出孔41aから吐出される「液体」は、吐出孔41aから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下になるものであることが好ましい。具体的には、「液体」は、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、等を含む溶液、懸濁液、乳濁液等である。これらは例えばインクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0025】
記録面30の外縁内には、記録材上におけるHMP1の位置を検知する検知手段としての位置検知センサー8、回転可能な左側第一ローラ部17a、左側第二ローラ部17b、右側第一ローラ部18a、右側第二ローラ部18bなどが設けられている。
【0026】
HMP1はユーザーによって走査方向に移動操作されるときに、記録材の表面上に接触している前述した四つのローラ部をタイヤのように回転させる。このようなローラ部が設けられていることで、ユーザーはHMP1を走査方向に沿って直進させることができる。このとき、記録材の表面に接触させているのは、HMP1の四つのローラ部だけであり、記録面30を記録材の表面に接触させていない。このため、インクジェットヘッド40の記録部41と記録材の表面との距離を一定に保って、所望の高画質の画像を形成することができる。
【0027】
位置検知センサー8は、記録材の表面までの距離や表面状態(例えば凹凸)を検知したり、HMP1の移動距離を検知したりするセンサーであり、例えばパソコンの光学式マウス(ポインティングデバイス)などで使用されているのと同類のものである。位置検知センサー8は、置かれている場所(記録材)に光を照射し、その部分の状態を「模様」として読み取る。そして、位置検知センサー8の動きに対してその「模様」がどのように移動するのかを連続して捉えることで、移動量を算出する。
【0028】
図5は、HMP1の電気回路の一部を示すブロック図である。
制御基板57は、各種の演算処理やプログラム実行を行うCPU55、Bt(Bluetooth)基板52、データを一時記憶するRAM53、ROM54、記録制御部56などを有している。この制御基板57は、上部ユニット(図1の2)の中空内において、USB接続口(図2の6)の裏側の位置に固定されている。
【0029】
Bt基板52は、スマートフォンやタブレット端末などの外部機器とのBluetooth通信によってデータ交信を行うものである。また、ROM54は、HMP1のハードウェア制御を行うファームウェアや、インクジェットヘッド40の駆動波形データ等を格納するものである。また、記録制御部56は、インクジェットヘッド40を駆動させるためのデータ処理を実行したり、駆動波形を生成したりするものである。
【0030】
制御基板57には、ジャイロセンサー58、位置検知センサー8、LEDランプ59、インクジェットヘッド40、プリントボタン14、電源ボタン15、バッテリー51などが電気接続されている。
【0031】
ジャイロセンサー58は、周知の技術により、HMP1の傾きや回転角度を検知して、その結果を制御基板57に送信するものである。LEDランプ59は、プリントボタン14における光透過性の材料からなる外装カバーの内部に設けられ、プリントボタン14を発光させるものである。
【0032】
電源ボタン15を押してHMP1の電源を入れると、各モジュールに電力が供給され、CPU55はROM54に格納されているプログラムに基づいて起動動作を開始し、プログラムや各データをRAM53に展開する。形成対象の画像データを外部機器からBluetooth通信によって受信すると。記録制御部56は、画像データに応じた駆動波形を生成する。そして、位置検知センサー8によって検知された記録材の表面上の位置に応じた画像を形成するようにインクジェットヘッド40のからのインクの吐出を制御する。
【0033】
次に、特許文献1に記載のハンディーコピー機における課題について説明する。
このハンディーコピー機で画像を形成するときには、ハンディーコピー機の側面に設けられた印字ガイドを確認しながら、ハンディーコピー機を操作方向に真っ直ぐに移動させていく。すると、記録材の表面における全域のうち、ハンディーコピー機を通過させた直後の領域に、形成直後の画像部分(以下、形成直後画像部分という)が見えてくる。この形成直後画像部分の走査直交方向における位置は、ハンディーコピー機の側面に設けられた印字ガイドの位置とほぼ同じである。
【0034】
画像を記録材の縦方向や横方向に真っ直ぐに沿わせて形成するためには、ハンディーコピー機の姿勢を次のように維持しながら、ハンディーコピー機を移動させていく必要がある。即ち、ハンディーコピー機の走査直交方向(記録材表面上で走査方向と直交する方向:図1の矢印Y方向)と、記録材における外縁の四辺のうち、走査直交方向に真っ直ぐに延びている辺とを平行にする姿勢である。ところが、画像形成中において、ユーザーはハンディーコピー機の側面に設けられた印字ガイドに注目しており、その視線で前述の辺を捉えることが困難である。
【0035】
例えば、縦長の姿勢で置いてある記録材に対して画像を横方向に真っ直ぐに沿わせて形成する場合には、ハンディーコピー機の走査直交方向を記録材の長辺と平行にする必要がある。その長辺はユーザーの左手側、右手側のそれぞれに存在している。このハンディーコピー機の走査方向は、記録材を前に置いているユーザーの左手側から右手側に向かう方向である。印字ガイドは、走査方向の上流側の側面に付されている。ユーザーが印字の開始時からその印字ガイドを見るためには、記録材とハンディーコピー機とを正面よりも右手側にずらした位置に置いて、ハンディーコピー機の前述の側面を見るために視線を右手側に向ける必要がある。その後、ハンディーコピー機を更に右手側に移動させて画像を形成するので、ユーザーは右手側を見続けることになる。この過程で、記録材の左手側の長辺は、ユーザーの視野から外れてしまう。また、記録材の右手側の長辺はハンディーコピー機の裏側に隠れていることから、右手側の長辺を視野に入れることも困難である。これらの結果、ハンディーコピー機の走査直交方向と、記録材の長辺とを平行にするハンディーコピー機の姿勢を維持することが困難であることから、記録材の横方向に真っ直ぐに沿わせて画像を形成することが困難なのである。
【0036】
なお、横長の姿勢で置いた記録材に対して画像を横方向に真っ直ぐに沿わせて画像を形成する場合には、記録材の短辺を目で捉えることが困難である。このため、記録材を縦長の姿勢で置く場合と同様に、横方向に真っ直ぐに沿わせて画像を形成することが困難になる。
【0037】
次に、実施形態に係るHMP1の特徴的な構成について説明する。
図6は、HMP1のプリントボタン14と記録部41との位置関係を説明するための斜視図である。同図において、プリントボタン14は、記録反対面としての上面31の面内に設けられている。また、記録部41は、記録面30の面内に設けられている。そして、プリントボタン14は、記録面30と上面31との対向方向におけるプリントボタン14の投影像を記録部41に重ねる位置に配設されている。つまり、プリントボタン14は記録部41の真上に配設されている。
【0038】
プリントボタン14の平面形状及び平面サイズは、記録部41であることを示す上述の目印(図中の点線)の平面形状及び平面サイズと同じになっている。ここで、平面形状及び平面サイズと同じであるとは、厳密に一致するときのみならず多少の寸法差がある場合を含む。
【0039】
プリントボタン14は、ユーザーからのプリント命令操作がなされるボタンに加えて、上面31を見るユーザーに対して記録部41による記録位置を案内する案内手段として兼用されている。ユーザーは、HMP1の上面31に注目することで、記録材の表面に対する走査方向(図中矢印X方向)の記録位置と、走査直交方向(図中矢印Y方向)の記録位置とを知ることができる。
【0040】
図7は、記録材Pに画像を形成しているときのHMP1を記録材P及び形成直後画像部分とともに示す平面図である。ユーザーは、記録材Pの表面上に置いたHMP1を図中矢印方向に移動操作して、HMP1に画像形成プロセスを実行させている。このとき、案内手段としてのプリントボタン14に注目する視線は、図に示されるようにHMP1を真っ直ぐに見下ろすアングルになる。すると、記録材Pの左手側の辺と、右手側の辺とを容易に視認することができるため、HMP1の長手方向(図中矢印Y方向)と、記録材Pにおける左手側の辺、又は右手側の辺とを平行にするHMP1の姿勢を容易に維持することが可能になる。よって、画像を記録材Pの横方向や縦方向に真っ直ぐ沿わせて形成することを容易に実現することができる。
【0041】
命令操作手段としてのプリントボタン14が案内手段を兼ねていることから、ユーザーは、プリントを開始するためにプリントボタン14を押したときに、記録部41による記録位置を視覚的だけでなく、触覚的にも認識する。これにより、ユーザーに対して容易に記録位置を把握してもらうことができる。
【0042】
先に図5に示した制御基板57は、外部機器とのBluetooth通信によって画像データを取得すると、LEDランプ59を点滅させることで、光透過性のあるプリントボタン14を発光点滅させる。これを見たユーザーは、HMP1の画像データ取得が終了したことを知る。その後、HMP1を記録材P上に置いて、プリントボタン14を押す。
【0043】
一方、制御基板57は、LEDランプ59の点滅制御を開始すると、プリントボタン14が押されるのを待機する。そして、プリントボタン14が押されると、LEDランプ59を連続点灯させることで、図8に示されるようにプリントボタン14を連続発光させる。これを見たユーザーは、HMP1の走査方向への移動操作を開始する。このとき、プリントボタン14が連続発光しているので、ユーザーによる記録位置の把握をより促すことができる。
【0044】
HMP1の移動操作を終えたユーザーは、HMP1を記録材Pから取り上げて卓上などに置く。位置検知センサー8は、HMP1が記録材P上から取り上げられたとき、位置の検知ができなくなる。制御基板57は、位置検知センサー8が位置を検知しなくなったタイミングで、LEDランプ59を消灯させて、プリントボタン14の発光を停止させる。これを見たユーザーは、HMP1のプリント用の処理が終了したことを把握することができる。
【0045】
なお、移動操作中にプリントボタン14を押し続ける必要はない。移動操作に先立ってプリントボタン14を押して離せば、位置検知センサー8による検知結果に基づく画像形成処理が、画像形成の終了まで、もしくは位置検知センサー8による位置検知不能まで継続される。
【0046】
次に、実施形態に係るHMP1に、より特徴的な構成を付加した各実施例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各実施例に係るHMP1の構成は、実施形態と同様である。
[第一実施例]
図9は、第一実施例に係る画像形成中のHMP1を記録材Pや形成直後画像部分とともに示す斜視図である。このHMP1においては、左側面32の下端部における特定の領域に、案内手段としてガイド目印61を付している。特定の領域は、具体的には、ガイド目印61の走査方向の投影像と、記録部(図6の41)の鉛直方向の投影像とを重ねる領域である。
【0047】
ユーザーは、HMP1を記録材Pの表面上で移動操作しているときに、形成直後画像部分と、ガイド目印61との走査直交方向(図中矢印Y方向)の位置ずれの有無を目視する。これにより、HMP1について、形成直後画像部を形成してから、現時点に至るまでの間に、HMP1を走査直交方向に微妙に変位させているか否かを確認する。微妙な変位を認めた場合に、HMP1を変位量とは逆方向に僅かに変位させるように心掛けることで、画像の走査方向(図中矢印X方向)の各部における走査直交方向の位置ずれを低減することができる。
【0048】
図10は、ローラユニットを取り外した状態のHMP1を示す底面図である。このHMP1は、左側ローラユニット17と、右側ローラユニット18とを有している。左側ローラユニット17は、HMP1の走査方向(図中矢印X方向)における左側面32側の端部に取り付けられる。また、右側ローラユニット18は、HMP1の走査方向における右側面33側の端部に取り付けられる。
【0049】
左側ローラユニット17は、金属製の軸部材17cと、これの長手方向における一端側に固定された左側第一ローラ部17aと、他端側に固定された左側第二ローラ部17bとを具備している。左側第一ローラ部17a、左側第二ローラ部17bのそれぞれは、ゴムなどの摩擦抵抗の大きな材料からなる。
【0050】
右側ローラユニット18は、金属製の軸部材18cと、これの長手方向における一端側に固定された右側第一ローラ部18aと、他端側に固定された右側第二ローラ部18bとを具備している。右側第一ローラ部18a、右側第二ローラ部18bのそれぞれも、ゴムなどの摩擦抵抗の大きな材料からなる。
【0051】
左側ローラユニット17は、軸部材17cの長手方向における両端付近のそれぞれがHMP1に固定された滑り軸受け73に係合することで、滑り軸受け73に回転可能に保持される。滑り軸受け73は、周方向において切り欠き部を具備しており、この切り欠き部を通じて軸部材17cが軸受け内部に挿入される。このとき、軸部材17cを押し込められる力によって一時的に歪むことで、通常時には軸部材17cの直径よりも小さい幅の切り欠き部を、軸部材17cの直径とほぼ同じ値まで拡げる。軸部材17cが滑り軸受け73内に完全に押し込まれると、滑り軸受け73の歪みが解消されて、切り欠き部の幅が軸部材17cの直径よりも小さくなる。これにより、左側ローラユニット17が滑り軸受け73に回転可能に保持される。
【0052】
左側ローラユニット17について説明したが、右側ローラユニット18も左側ローラユニット17と同様にして、HMP1に固定された滑り軸受け72に回転可能に保持される。
【0053】
左側ローラユニット17や右側ローラユニット18は、HMP1の走査方向(図中の矢印X方向)への直進走行性を高めるためのものである。互いに軸部材17cに固定された左側第一ローラ部17aと左側第二ローラ部17bとが一体的に回転しつつ、互いに軸部材18cに固定された右側第一ローラ部18aと右側第二ローラ部18bとが一体的に回転することで、直進走行性を向上させる。
【0054】
このように左側ローラユニット17と右側ローラユニット18とを取り付けていることでHMP1の走査方向における直進走行性を高めることが可能になっている。しかし、湾曲軌道に沿ってHMP1を移動させたい場合には、左側ローラユニット17や右側ローラユニット18がHMP1の湾曲軌道に沿った移動を阻害してしまう。
【0055】
そこで、このHMP1では、図示のように、左側ローラユニット17と右側ローラユニット18とを簡単にHMP1から取り外せるようにしている。加えて、三点支持を可能にする三つの突起71を記録面30に設けている。この二つのローラユニット(17、18)をHMP1から取り外した状態でHMP1を記録材Pの表面上におくと、プラスチックなどからなる三つの突起71のそれぞれが記録材Pに接触してHMP1を三点支持する。三点支持であることから、二つのローラユニットを取り付けているときに比べて、HMP1の湾曲走行性が向上する。また、三点支持では、記録面30を記録材Pの表面に接触させていないことから、記録材Pの表面の形成直後画像部を記録面30で擦って乱してしまうことを防止することができる。
【0056】
図11は、湾曲軌道に沿って移動操作されているHMP1を示す斜視図である。HMP1の右側面33の下端部における特定の領域には、案内手段としてガイド目印62が付されている。特定の領域は、具体的には、ガイド目印62の短手方向の投影像と、記録部(図6の41)の鉛直方向の投影像とを重ねる領域である。
【0057】
ユーザーは、HMP1を記録材Pの表面上で湾曲移動操作しているときに、記録材Pの表面上における予定湾曲軌道上にガイド目印62を位置させるようにすることで、画像を湾曲軌道に沿って容易に形成することができる。
【0058】
なお、ガイド目印61やガイド目印62としては、印刷などによって周囲とは異なる色にしたものを例示することができる。HMP1のケーシングの目印部分に凸形状や凹形状を設けたものでもよい。また、光源点灯などによって周囲とは異なる見え方にしたものでもよい。また、シールなどのケーシングとは別部品をケーシングに固定したものでもよい。単に色を異ならせたり、凸形状や凹形状にしたりするだけでなく、文字やアイコンを付したものでもよい。
【0059】
[第二実施例]
図12は、移動操作中の第二実施例に係るHMP1を、記録材P及び形成直後画像部分とともに示す平面図である。HMP1の上面31には、二つのガイド目印63が付されている。一方のガイド目印63は、上面31の短手方向(図中矢印X方向)における左側面32側の端部、他方のガイド目印63は、右側面33側の端部に設けられている。
【0060】
ユーザーは、HMP1を移動操作するときに、左側面32側のガイド目印63と形成直後画像部分との位置関係を確認しながら、右側面33側のガイド目印63と記録材Pの罫線との位置関係を確認して、HMP1の進行方向を調整する。これにより、走査方向(図中矢印X方向)に真っ直ぐに沿わせた画像を容易に形成することができる。
【0061】
[第三実施例]
図13は、移動操作中の第三実施例に係るHMP1を、記録材P及び形成直後画像部分とともに示す斜視図である。また、図14は、裏返した状態のHMP1を示す斜視図である。また、図15は、HMP1の記録部41及びこの周囲を示す部分斜視図である。これらの図に示されるように、HMP1の左側面32や右側面33には、高さ方向の全域に渡るガイド目印64が付されている。また、上面31には、プリントボタン14の両脇に、左側面32や右側面33に繋がるガイド目印64が付されている。また、背面34には、高さ方向の全域に渡るガイド目印64が付されている。また、記録面30には、記録部41の両脇にガイド目印64が付されている。
【0062】
このHMP1では、多様なアングルからガイド目印64を視認することができるため、ユーザーの希望通りの方向に延びる画像を容易に形成することができる。
【0063】
背面34に付されたガイド目印64は、走査方向(図中矢印X方向)の記録位置を案内するものである。このガイド目印64を、図13に示されるように、既に形成済みの画像における走査方向の記録開始位置に合わせることで、これから形成する画像の記録開始位置を合わせることができる。
【0064】
記録面30において、記録部41の両脇に付されたガイド目印64は、記録部41の位置をユーザーに解り易く知らせて、ユーザーが記録部41に誤って触れることによる手の汚れや記録部41の破損を抑えることができる。
【0065】
以上、インクジェット方式のHMP1に本発明を適用した例について説明したが、本発明の構成は他の画像形成方法による装置にも適用できる。例えば、感熱方式、又は熱転写方式など適宜な方式の記録装置に適用できる。熱転写方式のHMPは、液体を収納する収納容器としてのインクリボンを備えるため、インクリボンの底部に凹所を形成し、凹所により形成されたスペースに記録材を検知する検知手段としての位置検知センサを収容すればよい。
【0066】
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[第1態様]
第1態様は、画像を記録する記録部(例えば記録部41)を記録材(例えば記録材P)に対面させる面である記録面(例えば記録面30)とは異なる面を見るユーザーに対して前記記録部による記録位置を案内する案内手段(例えばプリントボタン14、ガイド目印61、62、63、64)を有し、走査方向(例えば矢印X方向)に移動せしめられながら前記記録材に画像を形成する携帯型画像形成装置(例えばHMP1)において、前記記録面とは反対側の面である記録反対面(例えば上面31)の外縁内であって、前記記録面と前記記録反対面との対向方向(例えば矢印Z方向)にて重複する位置に前記案内手段を設けたことを特徴とするものである。
【0067】
第1態様においては、画像形成のために机上の記録材の上に置かれる携帯型画像形成装置が、記録面を下方に向けて記録材の表面に対面させつつ、記録反対面を真上に向ける。ユーザーがこの携帯型画像形成装置を移動操作するとき、記録反対面の面内の案内手段に注目するのユーザーの視線は、特許文献1に記載のハンディーコピー機を移動させるときの視線とは異なり、携帯型画像形成装置を真っ直ぐに見下ろす方向になる。この方向では、記録材の左手側の辺も右手側の辺も視野に入り易いことから、携帯型画像形成装置における走査方向の上流側の側面や、下流側の側面を、それらの辺と平行に維持することが容易になる。よって、記録材の横方向に真っ直ぐ沿わせて画像を形成することを容易に実現することができる。
【0068】
[第2態様]
第2態様は、第1態様であって、前記案内手段が、ユーザーによる記録部動作命令の操作がなされる命令操作手段(例えばプリントボタン14)を兼ねることを特徴とするものである。
【0069】
第2態様においては、携帯型画像形成装置の記録部による記録位置を、ユーザーに視覚的に把握してもらうことに加えて、案内手段に対する命令操作時に触覚的に把握してもらう。これにより、記録位置をより容易にユーザーに把握してもらうことができる。
【0070】
[第3態様]
第3態様は、第1又は第2態様において、前記案内手段を発光させる光源(例えばLEDランプ59)を設けたことを特徴とするものである。
【0071】
第3態様においては、案内手段を発光させることで、単純に色や形状だけで記録位置をユーザーに把握してもらう構成に比べて、より容易に記録位置を把握してもらうことができる。更には、暗い環境であっても、記録位置を容易に把握してもらうことができる。
【0072】
[第4態様]
第4態様は、第3態様において、画像情報を取得する画像情報取得手段(例えばBt基板52)と、前記画像情報取得手段によって画像情報が取得されたことに基づいて前記光源を発光させる制御手段(例えば制御基板57)とを設けたことを特徴とするものである。
【0073】
第4態様においては、スマートフォンやタブレット端末などの外部機器から送られてくる画像情報を取得したことを、発光によって容易にユーザーに知ってもらうことができる。
【0074】
[第5態様]
第5態様は、第4態様において、携帯型画像形成装置の記録材上における位置変位を検知する変位検知手段(例えば位置検知センサー8)を設け、前記変位検知手段による検知結果に基づいて前記光源の発光を停止させる処理を実施するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
【0075】
第5態様においては、ユーザーが移動操作していた携帯型画像形成装置を記録材上から取り上げて変位検知手段による位置変位の検知ができなくなったことに基づいて光源の発光を停止させることで、次のことが可能になる。即ち、画像の形成を終えている場合には、携帯型画像形成装置における残りの画像動作がないことをユーザーに知ってもらうことができる。また、画像の形成を終えていない場合には、続きの画像形成動作ができなくなったことをユーザーに知ってもらうことができる。
【0076】
[第6態様]
第6態様は、第1、第2、第3、第4又は第5態様において、画像の記録を行う箇所であることを示す目印を前記記録部に設け、前記案内手段の平面形状及び平面サイズを、前記記録部の平面形状及び平面サイズと同じにしたことを特徴とする携帯型画像形成装置。
【0077】
第6態様においては、記録部が記録材の表面上のどの位置にあるのかをユーザーに容易に把握してもらうことができる。
【0078】
[第7態様]
第7態様は、第1、第2、第3、第4、第5又は第6態様において、前記案内手段を、前記走査方向に並ぶ二つの側面(例えば左側面32。右側面33)のそれぞれにも設けたことを特徴とするものである。
【0079】
第7態様においては、第一実施例で説明したように、画像の走査方向の各部における走査直交方向の位置ずれを低減することができる。また、画像を湾曲軌道に沿って容易に形成することもできる。
【0080】
[第8態様]
第8態様は、画像を記録する記録部を記録材に対面させる面である記録面と、前記記録面とは異なる面を見るユーザーに対して記録位置を案内する案内手段とを具備する携帯型画像形成装置本体と、前記携帯型画像形成装置本体に対して着脱可能な前記記録部とを有し、走査方向に移動せしめられながら前記記録材に画像を形成する携帯型画像形成装置の前記携帯型画像形成装置本体において前記記録面とは反対側の面である記録反対面の枠内であって、前記記録面と前記記録反対面との対向方向にて重複する位置に前記案内手段を設けたことを特徴とするものである。
【0081】
第8態様においては、画像を記録材の横方向や縦方向に真っ直ぐ沿わせて形成することを容易に実現することができる。
【符号の説明】
【0082】
P:記録材
X:走査方向
Z:対向方向
1:HMP(携帯型画像形成装置)
8:位置検知センサー(変位検知手段)
14:プリントボタン(命令操作手段、案内手段)
30:記録面
31:上面(記録反対面)
32:左側面(二つの側面の一方)
33:右側面(二つの側面の他方)
41:記録部
52:Bt基板(画像情報取得手段)
57:制御基板(制御手段)
59:LEDランプ(光源)
61、62、63、64:ガイド目印(案内手段)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【文献】特開昭63-178659号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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