(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-07
(45)【発行日】2022-07-15
(54)【発明の名称】現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20220708BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20220708BHJP
【FI】
G03G15/08 390B
G03G21/16 147
(21)【出願番号】P 2018107607
(22)【出願日】2018-06-05
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】田牧 真二
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05983052(US,A)
【文献】特開2015-219248(JP,A)
【文献】特開2009-053274(JP,A)
【文献】実開平01-085852(JP,U)
【文献】特開2014-149412(JP,A)
【文献】特開平09-211954(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 13/00
G03G 13/08
G03G 13/095
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/08
G03G 15/095
G03G 15/36
G03G 21/00
G03G 21/02
G03G 21/14
G03G 21/16 -21/18
G03G 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動手段によって駆動されて、像担持体に形成される潜像を現像してトナー像を形成する現像装置であって、
当該現像装置の内外に連通するように開口部が形成された現像ケースと、
前記開口部を覆った状態で前記現像ケースに対して
長手方向を搖動方向
として搖動可能に保持されたフィルタと、
前記駆動手段によって駆動されて前記フィルタを前記搖動方向に搖動する搖動手段と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
駆動手段によって正方向に駆動されて、像担持体に形成される潜像を現像してトナー像を形成する現像装置であって、
当該現像装置の内外に連通するように開口部が形成された現像ケースと、
前記開口部を覆った状態で前記現像ケースに対して所定の搖動方向に搖動可能に保持されたフィルタと、
前記駆動手段によって当該現像装置が逆方向に駆動されて前記フィルタを前記搖動方向に搖動する搖動手段と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項3】
前記フィルタを保持するとともに、前記現像ケースに対して前記搖動方向に搖動可能に保持されて、カムフォロア部を具備した保持部材と、
前記搖動手段は、
前記駆動手段によって回転駆動されるとともに、前記カムフォロア部に当接するカムと、
前記カムフォロア部が前記カムに当接する方向であって、前記搖動方向の一端側に前記保持部材を付勢する付勢部材と、
を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記カムは、前記搖動方向に沿った方向を回転軸方向として回転するとともに、前記搖動方向に段状に傾斜するように形成された複数のカム山を周方向に具備したことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記現像ケースは、前記カムの回転にともない前記カムフォロア部が前記カム山の位置を通過したときに、前記付勢部材に付勢された前記保持部材が衝突する当接部を具備したことを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記カムは、非画像形成時に前記駆動手段によって前記複数のカム山のうち少なくとも1つのカム山を通過するように回転駆動されることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の現像装置。
【請求項7】
前記駆動手段によって前記現像装置が正方向に駆動されるときには前記駆動手段から前記カムに駆動を伝達せずに、非画像形成時であって前記駆動手段によって前記現像装置が逆方向に駆動されるときには前記駆動手段から前記カムに駆動を伝達するワンウェイクラッチを備えたことを特徴とする請求項3~請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
前記現像ケースの前記開口部と、前記保持部材と、の隙間に配置されたシール部材を備え、
前記シール部材は、その摺動面が低摩擦材料で形成されたことを特徴とする請求項3~請求項7のいずれかに記載の現像装置。
【請求項9】
前記像担持体に対向して、前記駆動手段によって回転駆動される現像剤担持体を備え、
前記搖動方向は、前記現像剤担持体の回転軸方向に沿った方向であることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の現像装置。
【請求項10】
画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1~請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とが一体化されたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項11】
請求項1~請求項9のいずれかに記載の現像装置と前記像担持体とを備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置と、そこに設置される現像装置及びプロセスカートリッジと、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置において、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤などの現像剤を収容した現像装置であって、現像装置の内部から外部に向けて空気を送出するための開口部が形成されて、その開口部を覆うようにフィルタが設置されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、現像装置における現像ケース(ケース)には、内外に連通する開口部が形成されていて、その開口部にはフィルタ(トナーフィルタ)が覆設されている。一方、現像ローラ(現像剤担持体)を感光体ドラム(像担持体)に対して対向させるために現像装置に形成された開口からのトナー飛散を防止するために、現像領域の下流側であって現像ローラと現像ケースとのギャップの部分に、ポンプ作用によって現像装置の内部に向けて吸い込み気流が形成されるように、上述したギャップが設定されている。このような構成などによって現像装置の内圧は高まる傾向にあり、内圧の高まりによる装置の隙間からのトナー飛散を防止するために、上述した開口部とフィルタとが機能することになる。すなわち、フィルタが覆設された開口部を設けることで、トナーを捕集して外部への飛散を防止しながら通気のみをおこなって、現像装置の内圧の上昇を抑えている。
【0004】
一方、このようなフィルタが設置された現像装置において、経時でフィルタがトナーで目詰まりしてフィルタとして機能しなくなる不具合を軽減することを目的として、フィルタに振動を与える技術が知られている。
詳しくは、特許文献1には、バイブレーションモータや圧電素子を振動源としてフィルタを水平方向に振動させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の現像装置は、フィルタに振動を与えているため、経時でフィルタがトナーで目詰まりしてフィルタとしての機能が低下する不具合を軽減する効果が期待できる。すなわち、フィルタとしての機能が低下して現像装置の内圧上昇にともなうトナー飛散が発生してしまう不具合を軽減する効果が期待できる。
しかし、従来の現像装置は、上述した効果が、まだまだ充分なものではない可能性があった。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、フィルタがトナーで目詰まりする不具合が効率的かつ充分に軽減される、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、粉体収容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における現像装置は、駆動手段によって駆動されて、像担持体に形成される潜像を現像してトナー像を形成する現像装置であって、当該現像装置の内外に連通するように開口部が形成された現像ケースと、前記開口部を覆った状態で前記現像ケースに対して長手方向を搖動方向として搖動可能に保持されたフィルタと、前記駆動手段によって駆動されて前記フィルタを前記搖動方向に搖動する搖動手段と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フィルタがトナーで目詰まりする不具合が効率的かつ充分に軽減される、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び、粉体収容装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図3】(A)現像装置の上部を長手方向にみた概略断面図と、(B)現像装置の下部を長手方向にみた概略断面図と、である。
【
図7】フィルタユニットの、(A)一端側を示す斜視図と、(B)他端側を示す斜視図と、である。
【
図9】カム山とフィルタユニットとの動作を示す模式図である。
【
図10】カムユニットへの駆動伝達経路を示す概略図である。
【
図11】現像装置に設置されたフィルタユニットの近傍を示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、
図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、3は原稿を原稿読込部に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、5は出力画像が積載される排紙トレイ、7は用紙等のシートPが収容される給紙部、を示す。
また、9はシートPの搬送タイミングを調整するレジストローラ(タイミングローラ)、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム、を示す。
また、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成される静電潜像を現像する現像装置、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成されたトナー像をシートP上に重ねて転写する1次転写バイアスローラ、を示す。
また、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像をシートP上に転写するための2次転写バイアスローラ、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、28は各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナーを現像装置13に供給する各色のトナー容器、を示す。
【0012】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。なお、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面でおこなわれる作像プロセスについては、
図2をも参照することができる。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
【0013】
詳しくは、原稿読込部4は、コンタクトガラス上の原稿の画像に対して、照明ランプから発した光を照射しながら走査させる。そして、原稿にて反射した光を、ミラー群及びレンズを介して、カラーセンサに結像する。原稿のカラー画像情報は、カラーセンサにてRGB(レッド、グリーン、ブルー)の色分解光ごとに読み取られた後に、電気的な画像信号に変換される。さらに、RGBの色分解画像信号をもとにして画像処理部で色変換処理、色補正処理、空間周波数補正処理等の処理をおこない、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのカラー画像情報を得る。
【0014】
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部に送信される。そして、書込み部からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(
図2を参照できる。)が、それぞれ、対応する感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に向けて発せられる。
【0015】
一方、4つの感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKは、それぞれ、
図1の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、帯電装置12(
図2参照)との対向部で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれのレーザ光Lの照射位置に達する。
書込み部において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
【0016】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目の感光体ドラム11Yの表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム11Yの回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置12にて帯電された後の感光体ドラム11Yの表面には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
【0017】
同様に、マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から2番目の感光体ドラム11Mの表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。シアン成分のレーザ光は、紙面左から3番目の感光体ドラム11Cの表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目の感光体ドラム11BKの表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0018】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、現像装置13との対向位置に達する。そして、各現像装置13から感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写バイアスローラ14が設置されている。そして、1次転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17の表面に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0019】
そして、転写工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、クリーニング装置15との対向位置に達する。そして、クリーニング装置15で、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、除電部の位置で表面電位が除電されて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
【0020】
他方、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上の各色のトナーが重ねて転写(担持)された中間転写ベルト17は、
図1の反時計方向に走行して、2次転写バイアスローラ18との対向位置に達する。そして、2次転写バイアスローラ18との対向位置で、シートP上に中間転写ベルト17上に担持されたカラーのトナー像が転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト17の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
【0021】
ここで、中間転写ベルト17と2次転写バイアスローラ18との間(2次転写ニップである。)に搬送されるシートPは、給紙部7からレジストローラ9等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送ガイドを通過した後に、レジストローラ9に導かれる。レジストローラ9に達したシートPは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
【0022】
そして、フルカラー画像が転写されたシートPは、その後に定着装置20に導かれる。定着装置20では、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラによって装置本体1外に出力画像として排出されて、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0023】
次に、
図2及び
図3を用いて、画像形成装置における作像部について詳述する。
図2は、作像部を示す構成図である。
図3(A)は現像装置13の上部(第2搬送部材としての第2搬送スクリュ13b2の位置である。)を長手方向にみた概略断面図(水平方向の断面図)であって、
図3(B)は現像装置13の下部(第1搬送部材としての第1搬送スクリュ13b1の位置である。)を長手方向にみた概略断面図である。
なお、各作像部はほぼ同一構造であるために、
図2及び
図3にて作像部及び現像装置は符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。
【0024】
図2に示すように、作像部は、像担持体としての感光体ドラム11、帯電装置12、現像装置13、クリーニング装置15、等で構成される。
像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電の有機感光体であって、回転駆動機構によって
図2の時計方向に回転駆動される。
【0025】
帯電装置12は、芯金上に、ウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンブラック、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン層をローラ状に形成した弾性を有する帯電ローラである。帯電装置12の中抵抗層の材質としては、ウレタン、エチレン-プロピレン-ジエンポリエチレン(EPDM)、ブタジエンアクリロニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたものを用いることもできる。
クリーニング装置15は、感光体ドラム11に摺接するクリーニングブレードが設置されていて、感光体ドラム11上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。
【0026】
現像装置13は、現像剤担持体としての現像ローラ13aが感光体ドラム11に近接するように配置されていて、双方の対向部分には感光体ドラム11と磁気ブラシとが接触する現像領域(現像ニップ部)が形成される。現像装置13内には、トナーTとキャリアCとからなる現像剤G(2成分現像剤)が収容されている。なお、本実施の形態では、現像装置13内に、トナー濃度が7重量%の現像剤Gが所定量収容されている。そして、現像装置13は、感光体ドラム11上に形成される静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0027】
図1及び
図2を参照して、トナー容器28は、その内部に現像装置13内に供給するためのトナーTを収容している。具体的に、現像装置13に設置されたトナー濃度検知手段としての磁気センサ13mによって検知されるトナー濃度(現像剤G中のトナーの割合である。)の情報に基いて、トナー搬送管を介して、トナー容器28から現像装置13内に向けてトナー補給口13eからトナーTを適宜に補給する。
【0028】
以下、画像形成装置における現像装置13について詳述する。
図2及び
図3を参照して、現像装置13は、現像剤担持体としての現像ローラ13a、第1搬送部材としての第1搬送スクリュ13b1、第2搬送部材としての第2搬送スクリュ13b2、現像剤規制部材としてのドクターブレード13c、フィルタ13pと保持部材13qとからなるフィルタユニット、シール部材13r、等で構成されている。
【0029】
現像ローラ13aは、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成してなるスリーブ13a2が駆動手段としての駆動モータ50によって
図2の反時計方向に回転駆動されるように構成されている。現像ローラ13aのスリーブ13a2内には、スリーブ13a2の周面に複数の磁極を形成するマグネット13a1が固設されている。現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、現像ローラ13aの矢印方向の回転にともなって搬送されて、ドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム11上に形成された潜像にトナーが吸着される。現像ローラ13aは
図2の反時計方向に回転して、感光体ドラム11は
図2の時計方向に回転する。
【0030】
図2等を参照して、ドクターブレード13cは、現像ローラ13aの下方に配設された非磁性の板状部材(その一部を磁性材料で形成することもできる。)である。
【0031】
2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、現像装置13内に収容された現像剤Gを長手方向(
図2の紙面垂直方向である。)に循環しながら撹拌・混合する。
第1搬送スクリュ13b1は、現像ローラ13aに対向する位置に配設されていて、現像剤Gを長手方向(回転軸方向)の一端側から他端側に向けて水平に搬送する(
図3(B)の破線矢印に示す左方向の搬送である。)とともに、現像ローラ13a上に現像剤Gを供給(
図3(B)の白矢印方向の供給である。)する。第1搬送スクリュ13b1は、
図2の反時計方向に回転する。
【0032】
第2搬送スクリュ13b2は、第1搬送スクリュ13b1の上方であって現像ローラ13aに対向する位置に配設されている。そして、現像ローラ13aから離脱した現像剤G(現像工程後に現像ローラ13a上から強制的に離脱された現像剤Gであって、
図3(A)の白矢印方向に離脱するものある。)を長手方向の他端側から一端側に向かって水平に搬送する(
図3(A)の破線矢印に示す右方向の搬送である。)。なお、本実施の形態では、第2搬送スクリュ13b2の回転方向が、現像ローラ13aの回転方向に対して逆方向(
図2の時計方向である。)になるように設定されている。
そして、第2搬送スクリュ13b2は、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路の下流側から第1中継部13fを介して流入される現像剤Gを、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路の上流側に第2中継部13gを介して搬送する(
図3の一点鎖線矢印に示す時計方向の搬送である。)。
2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、現像ローラ13aや感光体ドラム11と同様に、回転軸がほぼ水平になるように配設されている。また、2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、いずれも、軸部にスクリュ部が螺旋状に巻装されたスクリュ部材である。そして、2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、それぞれ、駆動モータ50(駆動手段)から現像ローラ13aに入力された駆動がギア列を介して入力されて、回転駆動されることになる。
【0033】
ここで、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路と、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路と、は、長手方向両端部を除いて、壁部によって隔絶されている。
図3を参照して、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の下流側と、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路の上流側と、は第2中継部13gを介して連通している。第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の下流側に達した現像剤Gが、第2中継部13gにて自重落下して、第1搬送経路の上流側に達することになる。
また、
図3を参照して、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路の下流側と、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の上流側と、は第1中継部13fを介して連通している。そして、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路にて現像ローラ13a上に供給されなかった現像剤Gが、第1中継部13fの近傍に留まって盛り上がって、第1中継部13fを介して第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の上流側に流入(搬送)されることになる。
【0034】
このような構成により、2つの搬送スクリュ13b1、13b2によって、現像装置13において現像剤Gを長手方向に循環させる循環経路が形成されることになる。すなわち、現像装置13が稼動されると、装置内に収容された現像剤Gは
図3中の破線矢印で示す時計方向に流動する。そして、このように、現像ローラ13aに対する現像剤Gの供給経路(第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路である。)と、現像ローラ13aから離脱する現像剤Gの回収経路(第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路である。)と、を分離することで、感光体ドラム11上に形成するトナー像の濃度偏差を小さくすることができる。
【0035】
なお、第1搬送スクリュ13b1による搬送経路中には、装置内を循環する現像剤のトナー濃度を検知する磁気センサ13m(トナー濃度検知手段)が設置されている。そして、磁気センサ13mによって検知されるトナー濃度の情報に基いて、トナー容器28からトナー補給口13e(第2搬送経路延在部であって、第1中継部13fの近傍に配設されている。)を介して現像装置13内に向けて新品のトナーT(補給トナー)が補給される。
【0036】
ここで、
図2、
図4~
図6、
図11等を参照して、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の上方の位置には、現像ケース13kに開口部13k1が形成されていて、その開口部13k1を覆うようにフィルタ13pが設置されている。換言すると、現像装置13の内部から外部に向けて空気を送出するための流路が、現像ケース13kに形成されている。そして、その流路の一部を覆うようにフィルタ13pが設置されている。このフィルタ13pは、トナーTやキャリアCの粒径よりも小さなメッシュからなり、空気のみが通過できるように形成されている。これにより、現像装置13の内部の圧力が上昇して現像装置13の隙間からトナーが飛散する不具合が軽減される。
なお、フィルタ13pは、樹脂材料からなる保持部材13qに保持されていて、搖動手段によって回転軸方向(
図2の紙面垂直方向であって、
図5、
図6の両矢印方向である。)に搖動可能に構成されているが、これについては、後で詳しく説明する。
【0037】
なお、本実施の形態において、トナーTやキャリアCは、公知のものを用いることができる。本実施の形態では、粒径が10μm以下の小径のトナーTを用いて、粒径が40μm以下の小径のキャリアCを用いている。
【0038】
以下、本実施の形態の現像装置13における、特徴的な構成・動作について説明する。
先に
図2等を用いて説明したように、現像装置13は、駆動手段としての駆動モータ50によって駆動される。具体的に、駆動モータ50から現像ローラ13a(スリーブ13a2)に駆動が入力されて現像ローラ13a(スリーブ13a2)が
図2の反時計方向に回転して、現像ローラ13aに入力された駆動がギア列を介して2つの搬送スクリュ13b1、13b2にそれぞれ入力されて2つの搬送スクリュ13b1、13b2が
図2の矢印方向に回転する。本実施の形態において、現像装置13を駆動する駆動モータ50は、感光体ドラム11などを駆動するモータとは別に設けられた現像装置用の現像モータである。
【0039】
また、
図2、
図11に示すように、現像装置13には、現像装置13の内外に連通するように開口部13k1が形成された現像ケース13kが設けられている。
そして、現像装置13には、現像剤G(特に、トナーTである。)を捕集して通気できるように形成されたフィルタ13pが、開口部13k1を覆うように保持部材13qを介して現像ケース13kに保持されている。
詳しくは、フィルタ13pは、
図2、
図7、
図11等に示すように、フィルタ表面(現像装置13の内側に向いた表面であって、トナーTが付着する表面である。)の周囲が保持部材13qの上面に当接するように、保持部材13qに保持されている。保持部材13qには、現像ケース13kの開口部13k1が装置の外部に向けて開口するように、貫通穴部が設けられている。このように、フィルタ13pと保持部材13qとが一体化されて、フィルタユニットを構成している。このような構成により、現像装置13の内部から、開口部13k1、保持部材13qの貫通穴部、フィルタ13pを介して、外部に向けて空気を送出するための流路が形成されることになる。
【0040】
そして、本実施の形態において、フィルタ13pは、
図5~
図7に示すように、開口部13k1を覆った状態で現像ケース13kに対して所定の搖動方向(現像ローラ13aの回転軸方向に沿った方向であって、長手方向である。)に搖動可能に保持されている。具体的に、フィルタ13pを保持した保持部材13q(フィルタユニット)が、現像ケース13kに対して長手方向(搖動方向)に搖動可能に保持されている。現像ケース13kには、そのようなフィルタユニット13p、13qのスムーズな搖動を可能にするためのレール部が形成されている。
また、本実施の形態における現像装置13には、駆動モータ50(駆動手段)によって駆動されて、フィルタ13p及び保持部材13q(フィルタユニット)を長手方向(搖動方向)に搖動する搖動手段としての搖動機構13n、13jが設けられている。
【0041】
すなわち、フィルタ13p及び保持部材13q(フィルタユニット)は、駆動モータ50を駆動源とする搖動機構13n、13j(搖動手段)によって、所定のタイミングで
図5~
図7の両矢印方向に加振されることになる。これにより、フィルタ13pの表面に付着したトナーTが振り落されることになる。
なお、本実施の形態において、開口部13k1は、
図3(A)に示すように、現像装置13の長手方向に沿った方向を長手方向として略矩形状に形成されている。そのため、開口部13k1を覆った状態で長手方向に搖動するフィルタ13p(フィルタユニット)は、その搖動する範囲を含めて、その長手方向の範囲が開口部13k1の長手方向の範囲を含むように構成されている。
【0042】
詳しくは、搖動機構(搖動手段)は、カム13n3を備えたカムユニット13nや、付勢部材としての圧縮スプリング13j、などで構成されている。
カムユニット13nのカム13n3は、駆動モータ50(駆動手段)によって搖動方向に沿った方向を回転軸方向として回転駆動されるとともに、保持部材13qのカムフォロア部13q1に当接するように構成されている。
圧縮スプリング13j(付勢部材)は、カムフォロア部13q1がカム13n3に当接する方向であって、搖動方向の一端側に保持部材13qを付勢するものである。すなわち、フィルタユニット13p、13qは、圧縮スプリング13jによって
図7(B)の矢印方向に付勢されて、カムフォロア部13q1がカム13n3に当接した状態が維持されることになる。
カムフォロア部13q1は、保持部材13qの長手方向一端側において下方(カム13n3が位置する方向である。)に向けて起立して、カム13n3に当接するように形成された接触部である。
【0043】
また、
図8を参照して、カムユニット13nには、カム13n3の他に、ギア部13n1、ワンウェイクラッチ13n2、軸部13n4、が設けられている。
詳しくは、カム13n3は、軸部13n4と一体的に形成されている。また、カム13n3には、搖動方向に段状に傾斜するように形成されたカム山13n30が周方向に間隔をあけて複数設けられている。すなわち、カム13n3が軸部13n4とともに軸部13n4を中心に回転すると、
図9に示すように、3段階で高さが漸増するカム山13n30が、順次、フィルタユニット13p、13qのカムフォロア部13q1を、圧縮スプリング13jの付勢力に抗するように長手方向他端側(
図9の右方である。)に押動することになる。
図9に示すように、カム山13n30とカム山13n30との間は、カム山の頂部からの高さ(搖動方向の距離である。)が比較的大きくなるように形成されている。
一方、軸部13n4は、ワンウェイクラッチ13n2を介して、ギア部13n1に保持されている。ギア部13n1は、
図10に示すように、現像ローラ13a(スリーブ13a2)の軸部に設置されたギア13sに噛合するアイドラギア13tに噛合している。したがって、駆動モータ50からギア13s、アイドラギア13tを介してギア部13n1に駆動が伝達されることになる。そして、ギア部13n1に伝達された駆動は、ワンウェイクラッチ13n2が連結されたとき(本実施の形態では、後述する逆回転時である。)に、軸部13n4に伝達されてカム13n3が回転することになる。
【0044】
そして、駆動モータ50の駆動が軸部13n4に伝達されてカム13n3が
図7、
図8の破線矢印方向に回転すると、複数のカム山13n30がカムフォロア部13q1の位置を順次通過することになる。このとき、複数のカム山13n30は、それぞれ、高さが漸増する階段状の3段の山が形成されているため、個々の山を通過するたびに、フィルタユニット13p、13qは比較的小さな振幅で長手方向に搖動することになる。
そして、3段の山のうち最後の3段目の山をカムフォロア部13q1が越えた直後に、カム山13n30によるカムフォロア部13q1に対する押動が解除されて、圧縮スプリング13jの付勢力によって、フィルタユニット13p、13qが
図9の左方へ勢いよく移動することになる。すなわち、フィルタユニット13p、13qは比較的大きな振幅で長手方向に移動することになる。ここで、
図5に示すように、現像ケース13kには、カム13n3の回転にともないカムフォロア部13q1がカム山13n30(3段目の山)の位置を通過したときに、圧縮スプリング13j(付勢部材)に付勢された保持部材13qが衝突する当接部13k2が設けられている。したがって、3段目の山をカムフォロア部13q1が越えた直後に、フィルタユニット13p、13qは長手方向一端側に勢いよく移動して当接部13k2に衝突して、フィルタ13pに付着したトナーTが振り落されることになる。
【0045】
このように、本実施の形態では、カム機構からなる搖動機構13n、13jを用いてフィルタ13p(フィルタユニット)を比較的大きな振幅で振動させているため、バイブレーションモータや圧電素子を振動源としてフィルタを比較的小さな振幅で振動させる場合に比べて、経時でフィルタ13pがトナーTで目詰まりしてフィルタ13pとしての機能が低下する不具合を効率的かつ充分に軽減することができる。したがって、フィルタ13pとしての機能が低下して現像装置13の内圧上昇にともなうトナー飛散が発生してしまう不具合も効率的かつ充分に軽減されることになる。
特に、本実施の形態では、高さが漸増する階段状の複数の山からなるカム山13n30によって、フィルタ13p(フィルタユニット)を比較的小さな振幅でも振動させていているため、フィルタ13p(フィルタユニット)が大小のバリエーションの振幅で加振されることになり、フィルタ13pに付着したトナーがさらに効率的に振り落されることになる。
また、本実施の形態では、現像装置13の駆動源である駆動モータ50を用いて搖動機構13n、13jを駆動しているため、搖動機構用の駆動源を別に設ける場合に比べて、装置を低コスト化、小型化することができる。
【0046】
なお、本実施の形態において、搖動機構13n、13jによるフィルタユニット13p、13qの搖動(加振)は、非画像形成時(先に
図1、
図2を用いて説明した画像形成プロセスがおこなわれていないときである。)におこなっている。
これにより、フィルタユニット13p、13qの振動が、現像装置13や感光体ドラム11などの作像部材に伝搬しにくくなる。そのため、振動により正常な画像が形成されなくなる不具合を未然に防止することができる。
【0047】
先に
図8を用いて説明したように、本実施の形態において、カムユニット13nには、ワンウェイクラッチ13n2が設けられている。
そして、このワンウェイクラッチ13n2は、
図10(A)に示すように、駆動モータ50(駆動手段)によって現像装置13が正方向に駆動されるとき(通常の画像形成時である。)には、駆動モータ50からカム13n3(軸部13n4)に駆動を伝達せずに、回転するギア部13n1に対してカム13n3(軸部13n4)は相対的に空転して回転しないことになる。したがって、このとき、フィルタユニット13p、13qは搖動(振動)せずに、停止した状態になる。
これに対して、ワンウェイクラッチ13n2は、
図10(B)に示すように、非画像形成時であって駆動モータ50によって現像装置13が逆方向に駆動されるときには、駆動モータ50からカム13n3(軸部13n4)に駆動を伝達して、ギア部13n1とともにカム13n3(軸部13n4)は回転することになる。したがって、このとき、フィルタユニット13p、13qは搖動(振動)することになる。
【0048】
なお、本実施の形態では、ドクターブレード13cと現像ローラ13aとの隙間(ドクターギャップ)に現像剤Gが滞留して固着するのを防止するために、一連の画像形成動作(現像工程)が終了するたびに、駆動モータ50を逆方向に所定時間だけ駆動して、現像ローラ13a(現像装置13)を僅かに逆回転させている。一方、現像ローラ13aを大きく逆回転させてしまうと、現像ローラ13aからトナーが離脱して装置外への剤漏れが生じる可能性があるため、現像ローラ13a(現像装置13)を逆回転させる角度は、現像ローラ13aの1/4周分以下に設定している。
そして、このように現像装置13が逆方向に駆動されるときに、上述したように駆動モータ50からカム13n3(軸部13n4)に駆動が伝達されて、フィルタユニット13p、13qが搖動(加振)されることになる。
このとき、フィルタ13pの清掃を充分におこなうため、カム13n3は、非画像形成時に駆動モータ50(駆動手段)によって複数のカム山13n30のうち少なくとも1つのカム山13n30を通過するように回転駆動されることが好ましい。
【0049】
ここで、
図11を参照して、本実施の形態における現像装置13には、現像ケース13kの開口部13k1と、保持部材13qと、の隙間に、シール部材13rが配置されている。これにより、その隙間から現像剤Gが漏出する不具合を防止することができる。
ここで、本実施の形態において、シール部材13rは、その摺動面13r1がPET(ポリエチレンテレフタレート)や高分子ポリエチレンなどの低摩擦材料で形成されている。具体的に、シール部材13rは、その主部が発泡ポリウレタンなどからなる弾性層となっていて、現像ケース13k(又は、保持部材13q)に貼着される面に両面テープが設けられて、保持部材13q(又は、現像ケース13k)に摺動する摺動面13r1が低摩擦材料で形成されている。
このようにシール部材13rの摺動面13r1を低摩擦材料で形成することにより、フィルタユニット13p、13qが搖動により摺動してもシール部材13rが損傷しにくくなる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置13は、現像ケース13kに開口部13k1が形成されていて、その開口部13k1を覆うフィルタ13pが現像ケース13kに対して所定の搖動方向に搖動可能に保持されている。そして、現像装置13を駆動する駆動モータ50(駆動手段)によって駆動されてフィルタ13pを搖動方向に搖動する搖動機構13n、13j(搖動手段)が設けられている。
これにより、フィルタ13pがトナーTで目詰まりする不具合を効率的かつ充分に軽減することができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、回収スクリュとして機能する第2搬送スクリュ13b2が供給スクリュとして機能する第1搬送スクリュ13b1の上方に設置されて、ドクターブレード13cが現像ローラ13aの下方に設置された2成分現像方式の現像装置13に対して、本発明を適用した。しかし、本発明が適用される現像装置はこれに限定されることない。例えば、回収スクリュとして機能する第2搬送スクリュ13b2が供給スクリュとして機能する第1搬送スクリュ13b1の下方に設置されて、ドクターブレード13cが現像ローラ13aの上方に設置された現像装置13に対しても、本発明を適用することができる。また、その他の搬送方式で2成分現像剤を搬送する現像装置(例えば、パドル部材などを用いて長手方向ではなくて短手方向に現像剤を搬送する現像装置である。)や、現像剤としてトナー(1成分現像剤)を用いた1成分現像方式の現像装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、駆動モータ50から現像ローラ13aへの駆動入力によって現像装置13が駆動されるように構成したが、駆動モータから現像装置への駆動入力の経路はこれに限定されることなく、例えば、駆動モータから搬送スクリュに駆動入力されるように構成することもできる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、本実施の形態においては、現像装置13が単体で画像形成装置本体に着脱されるユニットして構成されている画像形成装置に対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、作像部の一部又は全部がプロセスカートリッジ化されている画像形成装置に対しても、当然に本発明を適用することができる。その場合、作像部のメンテナンスの作業性が向上することになる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0053】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、本実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
11、11Y、11C、11M、11BK 感光体ドラム(像担持体)、
13 現像装置、
13a 現像ローラ(現像剤担持体)、
13c ドクターブレード(現像剤規制部材)、
13k 現像ケース、
13k1 開口部、
13k2 当接部、
13n カムユニット、
13n1 ギア部、
13n2 ワンウェイクラッチ、
13n3 カム、 13n30 カム山、
13n4 軸部、
13p フィルタ、
13q 保持部材、
13q1 カムフォロア部(接触部)、
13r シール部材、
13r1 摺動面、
50 駆動モータ(駆動手段)、
G 現像剤(2成分現像剤)、 T トナー、 C キャリア。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】