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特許7102608統合された静電放電軽減を備えた流体回路
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-08
(45)【発行日】2022-07-19
(54)【発明の名称】統合された静電放電軽減を備えた流体回路
(51)【国際特許分類】
   F16L 11/127 20060101AFI20220711BHJP
   F16L 25/01 20060101ALI20220711BHJP
【FI】
F16L11/127
F16L25/01
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021509946
(86)(22)【出願日】2019-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-12
(86)【国際出願番号】 US2019019759
(87)【国際公開番号】W WO2019216973
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2020-10-28
(31)【優先権主張番号】62/667,783
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】レイズ、ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リンダー、ジェームズ シー.
(72)【発明者】
【氏名】マッケンジー、ジェフリー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】グレガーソン、バリー
(72)【発明者】
【氏名】ライショウ、ブレット シー.
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/210293(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/210291(WO,A2)
【文献】特開昭61-004857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 11/127
F16L 25/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの入口と少なくとも1つの出口とを有する所定の流体流路用の流体回路であって、
前記流体回路は複数の管セグメントと複数の作動構成要素とを備え、
それぞれの前記作動構成要素は、内部流体流路と複数の管コネクタ継手とを備えた本体部分を含み、前記作動構成要素は、選択された前記管コネクタ継手で複数の前記管セグメントを接続し、複数の前記管セグメントと前記作動構成要素とは前記流体回路を通る前記流体流路を提供し、
それぞれの前記管セグメントは、(i)流体通路を規定する非導電性ポリマー部分と、(ii)それぞれの前記管セグメントの端部へと軸方向に延びる導電性フルオロポリマーの1つまたは複数の内部導電性ストライプとを備え、前記導電性フルオロポリマーの前記1つまたは複数の内部導電性ストライプは前記流体通路の表面に位置しており、
前記作動構成要素のそれぞれの前記本体部分は、複数の前記管コネクタ継手のそれぞれの間に延びる導電性フルオロポリマーを備え、
それぞれの前記管コネクタ継手は、前記本体部分のそれぞれの導体を、前記管セグメントの1つまたは複数の前記内部導電性ストライプに導電的に接続する、
流体回路。
【請求項2】
複数の前記作動構成要素は、弁、ストレートコネクタ、Tコネクタ、エルボコネクタ、マルチコネクタマニホールド、フィルタ、熱交換器、またはセンサのいずれか1つを含む、
請求項1に記載の流体回路。
【請求項3】
前記管コネクタ継手は、雄ニップル部分と継手ナットとを備える1つまたは複数の入口部分を有し、
前記雄ニップル部分は、前記継手ナットに係合するためのネジ部分を有し、
前記継手ナットは、前記作動構成要素の前記導電性フルオロポリマーを前記管セグメントの端部の前記内部導電性ストライプと係合させて、前記導電性フルオロポリマーと前記管セグメントの端部の前記内部導電性ストライプとを導電的に接続する、
請求項1に記載の流体回路。
【請求項4】
1つまたは複数の前記作動構成要素は、それぞれの前記作動構成要素の導電性ポリマーを接地に導電的に接続する取付特徴を備える、
請求項1に記載の流体回路。
【請求項5】
前記作動構成要素は、流体通路を有するハウジングと、フィルタ要素と、2つの導電性エンドキャップとを備える本体部分を含むフィルタであり、前記導電性エンドキャップは、前記フィルタに接続された管セグメントに導電的に接続するための管コネクタ継手と導電性継手ナットとを有し、
前記本体部分は、複数の前記導電性エンドキャップを導電的に接続するための導電性の外部ストライプを有する、
請求項1に記載の流体回路。
【請求項6】
前記作動構成要素は、2つの導電性エンドキャップを前記本体部分の外部に導電的に接続する導電性スリーブを有するフィルタを含む、
請求項1に記載の流体回路。
【請求項7】
前記作動構成要素は、流体通路を有するハウジングと、フィルタ要素と、単一の導電性エンドキャップとを有する本体部分を備えるフィルタであり、前記導電性エンドキャップは、前記フィルタに接続された前記管セグメント同士を導電的に接続するための管コネクタ継手と導電性継手ナットとを有する、
請求項1に記載の流体回路。
【請求項8】
前記作動構成要素は、単一のエンドキャップを前記本体部分の外部に導電的に接続するための導電性スリーブを有するフィルタである、
請求項1に記載の流体回路。
【請求項9】
前記作動構成要素は、ドレーン継手の中に継ぎ手する導電性プローブを備える、
請求項1に記載の流体回路。
【請求項10】
前記管セグメントの1つまたは複数の前記内部導電性ストライプのそれぞれは、導電性フルオロポリマーを含み、
複数の作動構成要素のそれぞれは、前記管セグメントの1つまたは複数の前記内部導電性ストライプを介して互いに導電的に接続される、
請求項1~9のいずれか一項に記載の流体回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、流体処理システム、より具体的には、静電放電軽減(electrostatic discharge mitigation)を備えた超高純度流体処理システムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
高純度基準を提供する流体処理システムは、高度な技術の用途において多くの用途を有する。これらの用途にはソーラーパネル、フラットパネルディスプレイの処理と製造が含まれ、半導体業界では、フォトリソグラフィー、バルク化学デリバリー、化学機械研磨(CMP:chamical mechanical polishing)、ウェットエッチング、およびクリーニングなどの用途が含まれる。これらの用途で使用される特定の化学物質は特に腐食性であり、流体処理構成要素の腐食および化学物質の環境への浸出の可能性があるため、従来の流体処理技術の使用を妨げる。
【0003】
そのような用途の耐食性および純度の要件を満たすために、流体処理システムは、不活性ポリマーから作られた管(tubing)、継手(fittings)、弁、および他の要素を提供する。これらの不活性ポリマーには、テトラフルオロエチレンポリマー(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)、エチレンおよびテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、エチレン、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンポリマー(EFEP)、およびフッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)などのフルオロポリマーが含まれ得るが、これらに限定されない。非腐食性で不活性な構造を提供することに加えて、PFAなどの多くのフルオロポリマーは射出成形および押出成形が可能である。PRIMELOCK(登録商標)継手、PILLAR(登録商標)継手、フレア継手、およびその他の継手など、このようなポリマーで作られたいくつかのタイプのコネクタ継手が利用可能であり、知られている。例示的な継手は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および特許文献6に説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第5154453号明細書
【文献】米国特許第6409222号明細書
【文献】米国特許第6412832号明細書
【文献】米国特許第6601879号明細書
【文献】米国特許第6758104号明細書
【文献】米国特許第6776440号明細書
【非特許文献】
【0005】
【文献】NFPA 77、「Recommended Practice on Static Electricity(静電気に関する推奨プラクティス)」、77-1~77-67頁、2014年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
静電放電(ESD:Electrostatic discharge)は、半導体産業および他の技術用途における流体処理システムにとって重要な技術的問題である。流体と、流体システム内のさまざまな作動構成要素(管(tubing)やパイプ(piping)、弁、継手(fittings)、フィルタなど)の表面との間の摩擦接触により、静電荷が発生および蓄積する可能性がある。電荷生成の程度は、構成要素と流体の性質、流体速度、流体粘度、流体の導電率、接地への経路、液体中の乱流と剪断、流体中の空気の存在、および表面積など、限定されないがさまざまな要因によって異なる。これらの特性、およびこれらの特性によって引き起こされる望ましくない静電荷を軽減する方法については、非特許文献1に説明および報告されている。
【0007】
さらに、流体がシステムを通って流れるとき、ストリーミング電荷と呼ばれる現象で電荷は下流に運ばれる可能性があり、電荷が発生した場所を超えて電荷が蓄積する可能性がある。十分な電荷の蓄積は、管(tubing)やパイプ(pipe)の壁、構成要素の表面、さらにはさまざまな処理工程で基板やウェーハにESDを引き起こす可能性がある。
【0008】
いくつかの用途では、半導体基板またはウェーハは静電荷に非常に敏感であり、そのようなESDは、基板またはウェーハの損傷または破壊をもたらす可能性がある。たとえば、制御されていないESDにより、基板上の回路が破壊され、通常の露光の前に光活性化合物が活性化される可能性がある。さらに、蓄積された静電荷は、流体処理システム内から外部環境に放出され、流体処理システムの構成要素(たとえば、管(tubing)またはパイプ(piping)、継手(fittings)、構成要素、コンテナ、フィルタなど)に損傷を与える可能性があり、リーク(漏れ)、システム内の液体のこぼれ、および構成要素のパフォーマンスの低下につながる可能性がある。これらの状況では、そのような放電は、危険にさらされた流体処理システムで可燃性、毒性、および/または腐食性の流体が使用されると、潜在的な火災または爆発につながる可能性がある。
【0009】
いくつかの流体処理システムでは、静電荷の蓄積を低減するために、流体処理システム内の特定の金属または導電性構成要素はシステム内の静電荷の蓄積を軽減するために接地され、電荷は金属または導電性構成要素から接地に継続的に分散される。複数の接地ストラップの従来の使用は、流体処理システムに過度の機械的混乱をもたらす可能性があり、広範なメンテナンスを必要とする複雑な接地システムネットワークにつながったり、または望ましくない故障につながる可能性のある複雑なシステムにつながったりする可能性がある。
【0010】
構成要素性能を改善し、潜在的に損傷を与えるESDイベントを低減するために、超高純度流体処理システムにおけるESD軽減を改善することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、ESD軽減を備えた流体処理システム内の流体回路に関する。1つまたは複数の実施形態では、流体回路は、複数の導電性作動構成要素(conductive operative components)および管セグメント(tubing segments)を含む。
【0012】
特定の実施形態では、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有する所定の流体流路(気体または液体、あるいはその両方など)のための流体回路であり、流体回路は、複数の管セグメントと複数の作動構成要素とを含む。それぞれの作動構成要素は、内部流体流路と複数の管コネクタ継手(tubing connector fittings)とを備えた本体部分を含む。作動構成要素は、選択された管コネクタ継手で複数の管セグメントを接続し、複数の管セグメントおよび作動構成要素は、流体回路を通る流体流路を提供する。それぞれの管セグメントは、(i)流体通路を規定する非導電性ポリマー部分と、(ii)それぞれの管セグメントの端部へと軸方向に延びる1つまたは複数の内部導電性フルオロポリマーストライプとを含む。それぞれの作動構成要素の本体部分は、複数の管コネクタ継手のそれぞれの間に延在する導電性フルオロポリマーを含み、それぞれの管コネクタ継手は、本体部分のそれぞれ導体を、管セグメントの内部導電性フルオロポリマーストライプに導電的に接続する。
【0013】
他の開示された実施形態は、少なくとも1つの入口および少なくとも1つの出口を有する所定の流体流路のための静電放電軽減流体回路を作製する方法であり、方法は、複数の管セグメントを複数の作動構成要素に導電的に接続することを含む。それぞれの作動構成要素は、内部流体流路と複数の管コネクタ継手とを有する本体部分を備える。作動構成要素は、選択された管コネクタ継手で複数の管セグメントを接続し、複数の管セグメントおよび作動構成要素は、流体回路を通る流体流路を提供する。ここで、それぞれの管セグメントは、(i)流体通路を規定する非導電性ポリマー部分と、(ii)導電性フルオロポリマーの1つまたは複数の内部導電性ストライプとを含む。導電性フルオロポリマーは、それぞれの管コネクタ継手の端部へと軸方向に延びる非導電性ポリマー部分に結合され均一にされる。それぞれの本体部分は、複数の管コネクタ継手のそれぞれの間に延びる導電性フルオロポリマーを含む。それぞれの管コネクタ継手は、本体部分のそれぞれの導体を管セグメントの内部導電性フルオロポリマーストライプの少なくとも1つに導電的に接続し、静電放電軽減流体回路を接地する。
【0014】
様々な実施形態において、流体回路を通る導電性経路および流体通路を提供するために、作動構成要素は、それらのそれぞれの管コネクタ継手で構成要素に接続する1つまたは複数の管セグメントによって接続される。適切な作動構成要素は、例えば、弁、ストレートコネクタ、Tコネクタ、エルボコネクタ、マルチコネクタマニホールド、フィルタ、熱交換器、またはセンサを含む。適切なセンサには、例えば、流量コントローラー、レギュレーター、流量計、圧力計、または可変面積計が含まれ得る。1つまたは複数の実施形態では、作動構成要素の本体部分は、コネクタ継手と流体流路との間に延びる導電性部分に結合され、均一であり得る。
【0015】
特定の実施形態では、複数の管セグメントはそれぞれ、非導電性ポリマー部分と、非導電性ポリマー管部分と共に軸方向に延びる1つまたは複数の内部導電性フルオロポリマーストライプとを含む。管セグメントの導電性フルオロポリマーのストライプは、管コネクタ継手で本体部分の導電性経路に導電的に接続する。
【0016】
1つまたは複数の実施形態では、それぞれの管コネクタ継手は、本体部分の導電経路を、それぞれの管コネクタ継手に接続された管部分の導電性フルオロポリマーのストライプに導電的に接続する。
【0017】
上記の要約は、本開示のそれぞれの例示された実施形態またはすべての実装を説明することを意図するものではない。
本開示に含まれる図面は、本開示の実施形態を例示し、明細書とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。図面は、特定の実施形態を例示するだけであり、開示を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による、流体処理システムおよび流体回路を示している。
図2】本開示の1つまたは複数の実施形態による、作動構成要素および接続された管セグメントを示す。
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態による、作動構成要素、管コネクタ継手、継手ナット、および管セグメントを示す。
図4a】本開示の1つまたは複数の実施形態による、管コネクタ継手(図4a)および管セグメント(図4b)を有する作動構成要素の側面を示す。
図4b】本開示の1つまたは複数の実施形態による、管コネクタ継手(図4a)および管セグメント(図4b)を有する作動構成要素の部分断面図を示す。
図5a】本開示の1つまたは複数の実施形態による、作動構成要素の断面図を示す。
図5b図5aの断面線5-1で見られた断面図を示している。
図5c図5aの断面線5-1で見られた代替の実施形態の断面図を示す。
図5d図5aの断面線5-1で見られた代替の実施形態の断面図を示す。
図5e図5aの断面線5-1で見られた代替の実施形態の断面図を示す。
図6a】本開示の1つまたは複数の実施形態による、2つのエンドキャップを有するフィルタの分解等角図を示す。
図6b】本開示の1つまたは複数の実施形態による、2つのエンドキャップを有するフィルタの等角図を示す。
図7a】本開示の1つまたは複数の実施形態による、1つのエンドキャップを有するフィルタの分解等角図を示す。
図7b】本開示の1つまたは複数の実施形態による、1つのエンドキャップの等角図を示す。
図8a】本開示の管セグメントの代替の実施形態の等角図を示す。
図8b】本開示の管セグメントの代替の実施形態の等角図を示す。
図8c】本開示の管セグメントの代替の実施形態の等角図を示す。
図8d】本開示の管セグメントの代替の実施形態の等角図を示す。
図9】本開示の管セグメントのデジタル画像を示している。
図10】本開示の押出システムを示している。
図11】静電荷を生成するための異なる管セグメントの能力を試験するために使用されるファラデーカップ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施形態は、様々な修正および代替の形態に従順であり、特定の詳細が、例えば、図面に示され、詳細に説明される。開示を,記載された特定の実施形態に限定することを意図するものではないことが理解される。その意図は、この開示の趣旨と範囲に含まれるすべての修正、同等物、および代替案を網羅することである。
【0020】
本開示は、流体供給から1つまたは複数の下流処理ステージへの流体流路を有するESD軽減を備えた流体処理システムの実施形態を報告する。このシステムの実施形態は、導電的に接続された作動構成要素および管セグメントを含む流体回路を含む。従来のいくつかのESD軽減流体回路は、例えば、国際特許出願WO2017/210293で報告されており、明示的な定義または特許請求の範囲を除いて、参照により本明細書に組み込まれる。その他のESD軽減流体回路は、たとえば、インテグリスのパンフレット、FLUOROLINE Electrostatic(ESD)Tubing、2015-2017で報告されている。
【0021】
本開示における作動構成要素は、流体入力および流体出力を有し、流体の流れを方向付けまたは提供するために管に接続する任意の構成要素または装置を指す。作動構成要素の例には、継手、弁、フィルタ、熱交換器、センサ、ポンプ、ミキサー、スプレーノズル、およびディスペンスヘッドが含まれるが、これらに限定されない。これらおよび追加の非限定的な作動構成要素の例は、例えば、米国特許第5,672,832号;米国特許第5,672,832号;米国特許第5,678,435号;米国特許第5,869,766号;米国特許第6,412,832号;米国特許第6,601,879号;米国特許第6,595,240号;米国特許第6,612,175号;米国特許第6,652,008号;米国特許第6,758,104号;米国特許第6,789,781号;米国特許第7,063,304号;米国特許第7,308,932号;米国特許第7,383,967号;米国特許第8,561,855号;米国特許第8,689,817号;および米国特許第8,726,935号に説明される。これらは、リストされた文書に含まれる明示的な定義または特許請求の範囲を除いて、参照により本明細書に組み込まれる。
【0022】
作動構成要素は、例えば、パーフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)、エチレンおよびテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、エチレン、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンポリマー(EFEP)、フッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンポリマー(PTFE)、または他の適切なポリマー材料を含む導電性フルオロポリマーから構成され得る。例えば、いくつかの実施形態では、導電性フルオロポリマーは、導電性材料が含有(loaded)されたPFA(例えば、含有PFA(loaded PFA))である。この含有PFAには、カーボンファイバー、ニッケルコーティングされたグラファイト、カーボンファイバー、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、金属粒子、およびスチールファイバーが含有されたPFAが含まれるが、これらに限定されない。様々な実施形態において、導電性材料は、正方形あたり約1×10オーム未満の表面抵抗率レベルを有し、一方、非導電性材料は、正方形あたり約1×1010オームを超える表面抵抗率レベルを有する。特定の実施形態では、導電性材料は、正方形あたり約1×10オーム未満の表面抵抗率レベルを有し、一方、非導電性材料は、正方形あたり約1×10オームを超える表面抵抗率レベルを有する。開示された流体処理システムが超高純度流体処理用途で使用するように構成されている場合、管セグメントと作動構成要素の両方は、通常、純度と耐食性の基準を満たすためにポリマー材料で構成される。
【0023】
本開示における管セグメントは、典型的には、流体を収容または輸送するのに適した任意の可撓性または非可撓性のパイプまたは管(tubing)を指す。管セグメントは導電性であり、流体回路内のそれぞれの管セグメントの長さに沿って導電性経路を提供する。導電性管(Conductive tubing)は、金属または含有ポリマー材料(loaded polymeric material)を含む材料から構成することができる。含有ポリマー材料には、鋼線、アルミニウムフレーク、ニッケル被覆グラファイト、カーボンファイバー、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、または他の導電性材料が含有されたポリマーが含まれる。場合によっては、管セグメントは部分的に導電性であり、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミド、ポリウレタン、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリ尿素、ポリビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、およびフルオロポリマーなどの様々な炭化水素ポリマーおよび非炭化水素ポリマーから構成されるような非導電性材料または低導電性材料から構成される主要部分を有する。例示的なフルオロポリマーには、パーフルオロアルコキシアルカンポリマー(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレンポリマー(ETFE)、エチレン、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロプロピレンポリマー(EFEP)、フッ素化エチレンプロピレンポリマー(FEP)、およびテトラフルオロエチレンポリマー(PTFE)、もしくは他の適切なポリマー材料が、限定されずに含まれ、例えば、二次共押出導電性部分を有する。特定の実施形態では、管セグメントの内部フルオロポリマー導電性ストライプは、約0.1~1センチメートルの範囲の幅を有する。選択された実施形態では、それぞれの管セグメントは、約1~100フィート(0.3048~30.48メートル)の範囲の長さを有する。他の選択された実施形態では、管セグメントは、約1/8インチ(3.18ミリメートル)から約2インチ(5.08センチメートル)の外径を有する。他の実施形態では、管セグメントは、約1.2×10~6.7×10オームの測定された抵抗を有する。さらに他の実施形態では、管セグメントは、約2.5~4.3×10オームの測定された抵抗を有する。
【0024】
図1は、本開示の1つまたは複数の実施形態による流体処理システム150を示している。システム150は、流体が流体供給152から流体供給源の下流に配置された1つまたは複数の処理ステージ156に流れるための流路を提供する。システム150は、流体処理システム150の流路の一部を含む流体回路160を含む。流体回路160は、管セグメント164と、管セグメント164を介して相互接続された複数の作動構成要素168とを含む。図1に示されるように、作動構成要素168は、エルボ形状継手(elbow shaped fitting)170、T字型継手172、弁174、フィルタ176、流量計178、およびストレート継手179を含む。しかし、様々な実施形態において、流体回路160は、数とタイプについて追加またはより少ない作動構成要素168を含み得る。例えば、流体回路160は、ポンプ、ミキサー、ディスペンスヘッド、スプレーノズル、圧力レギュレーター、流量コントローラー、または他のタイプの作動構成要素を代替するか、または追加的に含むことができる。組み立てにおいて、作動構成要素168は、それらのそれぞれの管コネクタ継手(tubing connector fittings)186で構成要素168に接続する複数の管セグメント164によって、一緒に接続される。一緒に接続される、複数の管セグメント164および作動構成要素168は、流体回路160を通って流体供給152から処理ステージ156に向かう流体通路を提供する。特定の実施形態では、作動構成要素168はそれぞれ、流体流路を規定する本体部分182と、1つまたは複数の管コネクタ継手186とを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの管コネクタ継手186は、流体を本体部分182に受け入れるための入口部分であり、管コネクタ継手186の少なくとも別の1つは、入口部分を介して受け取った流体を出力するための出口部分である。例えば、T字型継手172は、流体供給152から流体を受け取る入口部分である1つの管コネクタ継手186と、処理ステージ156に向かって流体を出力する出口部分である2つの管コネクタ継手186とを含む。入口部分および出口部分は、それぞれ、管セグメント164に接続されるかまたは接続可能である。しかしながら、いくつかの実施形態では、例えば、流体回路160内の作動構成要素168がスプレーノズルを含む場合、入口部分のみが、管セグメント164に接続可能である必要がある。いくつかの実施形態では、作動構成要素168のうちの1つまたは複数は、単一の管コネクタまたは継手179を含む。
【0025】
図1に示されるように、それぞれの本体部分182は、導電性材料を使用してさらに構成され、管コネクタ継手186のそれぞれの間に延在して管コネクタ継手186のそれぞれの間に導電性経路を提供する導体部分を形成する。様々な実施形態において、導電性経路は、本体部分182に結合されるとともに均一であり、導電性ポリマー材料から構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、導体部分は、導電性材料が含有(loaded)されたPFAから構成されている。この含有PFAには、カーボンファイバー、ニッケルコーティングされたグラファイト、カーボンファイバー、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、金属粒子、およびスチールファイバーが含有されたPFAが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
図2および図3に示されるように、管セグメント164は部分的に導電性であり、非導電性または低導電性のポリマー材料から構成された主要部分または管部分187を有するとともに、管部分187の内部長さに沿って軸方向に延びて導電性材料から構成された二次部分または導電性部分188(破線で示される)を有する。例えば、いくつかの実施形態では、管セグメント164はそれぞれ、非導電性フルオロポリマーの管部分187と、軸方向に延びて非導電性フルオロポリマーの主要部分187に結合して均一になる導電性ポリマーのストライプとして形成された導電性部分188とを含む。特定の実施形態では、管部分は、炭素含有PFAから構成された二次部分の1つまたは複数の導電性ストライプ187を備えるPFAから構成され、導電性ストライプ187はそれぞれの管セグメント164の内面またはその近くで管セグメント164の内部長さに沿って押し出される。
【0027】
図1に示されるように、作動構成要素168のそれぞれは、本体部分182のそれぞれの導電経路を、作動構成要素168に接続される管セグメント164の導電性部分187(図2および図3に示される)に導電的に接続するための架橋構成要素を含む。したがって、特定の実施形態では、接続された作動構成要素168および管セグメント164は、流体回路160全体に沿って電気経路を形成し、管セグメント160間の導電性の破断を消滅させる。回路図190は、電気経路を説明するために流体回路160に重ね合わされている。様々な実施形態において、導電性材料は、正方形あたり約1×1010オーム未満の表面抵抗率レベルを有し、一方、非導電性材料は、正方形あたり約1×1010オームを超える表面抵抗率レベルを有する。特定の実施形態では、導電性材料は、正方形あたり約1×10オーム未満の表面抵抗率レベルを有し、一方、非導電性材料は、正方形あたり約1×10オームを超える表面抵抗率レベルを有する。
【0028】
特定の実施形態では、静電荷の蓄積を軽減するために、1つまたは複数の作動構成要素168は、1つまたは複数の取付固定具198を介してアース194に電気的に接続される。接地取付固定具198は、流体回路160に静電気が蓄積するにつれて、導電性経路190から接地194への経路を提供することで静電気を連続的に分散させる。
【0029】
図2および図3は、本開示の1つまたは複数の実施形態による作動構成要素210の例を示している。図2は、継手214、より具体的には、「T」形状(例えば、T字型継手)を有する3方向コネクタである作動構成要素210を示す。図3は、弁218を示している。T字型継手214は、導電性の本体部分222と、本体部分122から外向きに延びる3つのコネクタ継手226とを含む。特定の実施形態では、コネクタ継手の外面は、構造面270を含む。弁218は、導電性の本体部分230と、本体部分230から外向きに延びる2つのコネクタ継手227とを含む。特定の実施形態では、コネクタ継手の外面は、構造面270を含む。
【0030】
様々な実施形態において、コネクタ継手226および227は、実質的に同じ設計である。上記のように、様々な実施形態において、本体部分222,230は、導電性ポリマー材料を使用して構成される。例えば、本体部分222または230は、PFA、ETFE、FEP、およびPTFEを含むがこれらに限定されない導電性炭素含有(loaded)フルオロポリマーから構成することができる。
【0031】
図4aは、2つの管セグメントを接続するためのストレートコネクタ継手400を示している。コネクタ継手400は、作動構成要素の本体部分404に隣接する肩領域402を含み、ネック領域406、ネジ領域406a、およびニップル部分406bを形成するように外側に延びる。管セグメント164は、ニップル部分406bによって受け取られ、ニップル部分406bは、特定の実施形態では、例えば、FLARETEK(登録商標)継手として構成され得る。コネクタ継手400はまた、外部電気接点に、次に接地に取り付けられるために本体部分504に導電的に接続される導電性材料である取付特徴408を含む。例えば、取付特徴408は、ESD軽減のために作動構成要素コネクタ継手400を構成するために接地された電気接点に接続することができる。
【0032】
図4bに示される実施形態では、コネクタ継手400は、ネジ領域406aに係合して管セグメント164を固定するためのコネクタ継手ナット410を含む。いくつかの実施形態では、継手ナットは、例えば、圧縮ナットであり得る。継手ナット410を回転させてネジ領域406aに締め付けると、管セグメント164はコネクタ継手と係合し、内部導電性ストライプが導電性部分をニップル部分406bに導電的に接続し、管とコネクタ継手との間に漏れ防止シールを形成する。1つまたは複数の実施形態では、継手ナット410は、ネジ領域406aと螺合するためのネジ410aを含む内面を有するほぼ円筒形の形状を有する。さらに、継手ナット410は、例えば、図2および図3に示されるリブ270などの構造化された外面を有し得る。リブは、ネジ領域406a上の継手ナット410を締めたり緩めたりするためのレンチまたはロック装置と嵌合するために、外面の周りに対称的に配置されている。
【0033】
1つまたは複数の実施形態では、継手ナット410は、ポリマー材料から構成されている。例えば、特定の実施形態では、継手ナット410は、PFA、ポリアニリン、または他の適切なポリマーから構成される。
【0034】
いくつかの実施形態では、コネクタ継手400は、例えば、炭素含有PFAなどの導電性ポリマー材料、または従来の成形処理を使用して形成される他の適切な導電性ポリマーである。
【0035】
特定の実施形態では、コネクタ継手400が管セグメント164と組み立てられるとき、継手ナット410は、ニップル前方部分406bで管セグメント164の外面に接触し、管セグメント164とコネクタ継手400との間に連続流体通路を形成する。継手ナット410を回転させて締めると、継手ナット410と肩部分402との間に配置されたOリング412が、継手ナットと肩部分との両方の外面に接触し、漏れ防止接続を提供する。
【0036】
様々な実施形態において、Oリング360は、PFAなどのポリマー材料、または他のポリマーまたはエラストマーから構成される。
当業者は、図2図3、および図4に示される特定の実施形態が同一のコネクタ継手を有し、或る実施形態では、コネクタ継手は、様々なサイズを有し得、降圧(step-down)または昇圧(step-up)継手などの様々な設計を有し得るか、または様々なタイプの作動構成要素210上に配置され得ることを理解するであろう。
【0037】
図5a~図5eは、作動構成要素500のいくつかの実施形態を示す。作動構成要素500は、本体部分504、管コネクタ継手520、および継手ナット508を含む。1つまたは複数の実施形態では、作動構成要素500は、本体内に作動要素506をさらに含む。様々な実施形態における作動要素506は、様々な作動を実行するように作動構成要素500を構成するための適切な構造、電子機器、または他の材料を広く含む。例えば、いくつかの実施形態では、作動要素506は、ミキサー、センサ、フィルタ、ポンプ、熱交換器、または他の適切な要素である。したがって、作動構成要素500は、流体回路内で様々な処理またはタスクを実行するように構成可能である。
【0038】
本体部分504は、管コネクタ継手520のそれぞれの間に延在する導電性PFAを含み、導電性PFAは、管コネクタ継手520のそれぞれと、管セグメント522aおよび522bの内部導電性ストライプとの間に電気的接触を形成する。図5bおよび図5cにおいて、1つまたは複数の実施形態では、管セグメントの導電性部分は、管セグメントの非導電性ポリマー材料に結合且つ均一とされる導電性材料の狭い内部ストライプである。図5bは、4つの内部導電性ストライプ524a~524dを備えた管セグメントを示している。別の実施形態では、図5cは、8つの内部導電性ストライプ524a~524hを備えた管セグメントを示している。さらに他の実施形態では、図5dは、8つの内部導電性ストライプ524a~524hと、2つの外部導電性ストライプ526aおよび526bとを備えた管セグメントを示している。内部および外部のストライプを備えた管セグメントの同様の構造では、図5eは、8つの内部導電性ストライプ524a~524hと、2つの外部導電性ストライプ526aおよび526bとを備えた管セグメントを示している。
【0039】
上記のように、様々な実施形態では、作動構成要素500は、コネクタ継手508のそれぞれで管セグメント522aおよび522bに接続されている。コネクタ継手508は、管セグメントの導電性部分522aおよび522bからコネクタ部分508を通って本体部分504を横切る電気経路を形成する。
【0040】
様々な実施形態において、図5aに示されるように、本体部分504は、取付特徴528を含む。1つまたは複数の実施形態では、取付特徴528は、外部電気接点に取り付けられて次に接地されるために本体部分504に導電的に接続される一片の導電性材料である。例えば、取付特徴528は、ESD軽減のために作動構成要素500を構成するために接地された電気接点に接続することができる。1つまたは複数の実施形態では、取付特徴528は、ナットまたは他のネジ付きコネクタに取り付けるためにネジが切られたコネクタボスである。いくつかの実施形態では、取付特徴528は、電気接点に接続するためのタブ、ネジ穴、または他の適切な特徴である。しかしながら、特定の実施形態では、取付特徴528は、電気接点との継手のための締まり継手(interference fit)、スナップ継手(snap fit)、摩擦継手(friction fit)、または他の継手方法のために構成することができる。
【0041】
図6aは、フィルタである作動構成要素の一実施形態を示している。フィルタ600のこの等角投影図は、ハウジング602と、2つの導電性エンドキャップ604および606と、ならびに外側導電性スリーブ608とを含む。ハウジング602は、いくつかの実施形態では交換可能な構成要素である内部フィルタ要素(図示せず)を含む。一方、他の実施形態では内部フィルタ要素は、固定された交換不可能な構成要素である。様々な実施形態において、ハウジング602は、ポリマー材料であり得るし、他の実施形態において、例えば、上記のような導電性の炭素含有PFAなどの導電性ポリマーであり得る。両方の導電性エンドキャップ604、606は、例えば、導電性の炭素含有PFAなどの導電性材料であり得る。それぞれのエンドキャップ604、606は、エンドキャップをハウジング602に接続するための継手を含む。いくつかの実施形態では、接続は取り外し可能であり得、他の実施形態では、接続は固定または永久的であり得る。さらに、それぞれのエンドキャップ604、606は、管セグメントから1つのエンドキャップとハウジングを通って別のエンドキャップと管セグメントへの接続経路と流体通路との両方を提供するために、それぞれのエンドキャップを管セグメント(これも示されていない)に接続するべく上記のように1つまたは複数のコネクタ継手を含む。特定の実施形態では、コネクタ継手は、例えば、上記のように、ニップル部分610、ネジ部分612、肩部分614、および継手ナット616を含み、管セグメントおよびフィルタ600からの導電性接続と漏れ防止通路とを提供する。さらに、コネクタ継手はOリング(図示せず)を含み得る。導電性スリーブ608は、ハウジング602と導電性エンドキャップ604、606との両方の外面上に延在する。スリーブ608は、例えば、エンドキャップ604との間の導電性接続を提供する炭素含有PFAなどの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施形態では、スリーブ608は、ハウジング602およびエンドキャップ604、606の外部に配置され、従来の装置および処理を使用してスリーブに熱を加えることによって外面に接続され得るシュリンクラップポリマーである。任意選択で、両方のエンドキャップ604、606の一方または両方は、取付特徴(図示せず)を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、取付特徴は、外部電気接点に取り付けてよってアースに取り付けるために、一方または両方のエンドキャップ604、606に導電的に接続されている導電性材料の一片である。たとえば、取付特徴は、ESD軽減のためにフィルタを構成するために接地された電気接点に接続できる。1つまたは複数の実施形態では、取付特徴は、ナットまたは他のネジ付きコネクタに取り付けるためにネジ切りされたコネクタボスである。いくつかの実施形態では、取付特徴は、電気接点に接続するためのタブ、ネジ穴、または他の適切な特徴である。しかしながら、特定の実施形態では、取付特徴は、締まり継手、スナップ継手、摩擦継手、または電気接点を備えた他の継手方法のために構成することができる。
【0042】
図6bに示されるような特定の実施形態では、フィルタ600は、ドレーン継手618およびドレンプラグ620を含む。ドレーン継手618とドレンプラグとのうちの少なくとも一方が導電性材料である場合、これらの構成要素の一方または両方をアース(ground)に接続して、ESD軽減を提供することができる。
【0043】
図7aはまた、フィルタである作動構成要素の一実施形態を示している。フィルタ700のこの等角投影図は、ハウジング702、導電性エンドキャップ704、および外側導電性スリーブ708を含む。ハウジング702は、いくつかの実施形態では交換可能な構成要素である内部フィルタ要素(図示せず)を含む。一方、他の実施形態では内部フィルタ要素は、固定された交換不可能な構成要素である。様々な実施形態において、ハウジング702は、ポリマー材料であり得るし、他の実施形態において、例えば、上記のような導電性の炭素含有PFAなどの導電性ポリマーであり得る。導電性エンドキャップ704は、例えば、導電性の炭素含有PFAなどの導電性材料であり得る。導電性エンドキャップ704は、エンドキャップをハウジング702に接続するための継手を含む。いくつかの実施形態では、接続は取り外し可能であり得、他の実施形態では、接続は固定または永久的であり得る。さらに、エンドキャップ704は、管セグメントと導体継手とからハウジングを通って別の導体継手と管セグメントとへの接続通路と流体通路との両方を提供するために、上記のようにエンドキャップを管セグメントに接続するべく1つまたは複数のコネクタ継手710を含む。特定の実施形態では、コネクタ継手は、例えば、上記のように、ニップル部分、ネジ部分、肩部分、および継手ナットを含み、管セグメント164およびフィルタ700からの導電性接続と漏れ防止流体通路とを提供する。さらに、コネクタ継手は、Oリング(図示せず)を含み得る。導電性スリーブ708は、ハウジング702および導電性エンドキャップ704の両方の外面上に延在する。スリーブ708は、例えば、エンドキャップ704とフィルタ700の外部との間に導電性接続を提供する炭素含有PFAなどの導電性ポリマー材料である。いくつかの実施形態では、スリーブ708は、ハウジング702およびエンドキャップ704の外側に配置され、従来の装置および処理を使用してスリーブに熱を加えることによって外面に接続され得るシュリンクラップポリマーである。オプションとして、エンドキャップ704は、取付特徴(図示せず)を含み得る。1つまたは複数の実施形態では、取付特徴は、外部電気接点に取り付けてよって接地するためにエンドキャップ704に導電的に接続されている導電性材料の一片である。たとえば、取付特徴は、ESD軽減のためにフィルタを構成するために接地された電気接点に接続できる。1つまたは複数の実施形態では、取付特徴は、ナットまたは他のネジ付きコネクタに取り付けるためにネジ切りされたコネクタボスである。いくつかの実施形態では、取付特徴は、電気接点に接続するためのタブ、ネジ穴、または他の適切な特徴である。しかしながら、特定の実施形態では、取付特徴は、締まり継手、スナップ継手、摩擦継手、または電気接点を備えた他の継手方法のために構成することができる。特定の実施形態では、フィルタ700は、ドレーン継手718およびドレンプラグ(図示せず)を含む。ドレーン継手718とドレンプラグとのうちの少なくとも一方が導電性材料である場合、これらの構成要素の一方または両方をアースに接続してESDを軽減することができる。図7aはまた、クランプ要素721、722、および723を含むオプションの保持クランプを示している。
【0044】
図7bは、導電性ポリマー部分730と天然ポリマー部分732とを含むエンドキャップ704の実施形態を示す。
[共押出処理]
本開示に記載されている導電性ポリマーストライプを有する管セグメントは、様々な共押出し処理を使用して作製することができる。例えば、図8aに示される管セグメント800aは、管セグメントの外部または外径に導電性ストライプ802aおよび804aを含み、管セグメントの内部または内径に導電性ストライプ806aを含む。別の実施形態では、図8bは、管セグメントの内部に導電性ストライプ802bを有する管セグメント800bを示し、導電性ストライプ802bは管セグメントの軸方向の長さに沿って延びる螺旋状のストライプである。別の実施形態では、図8cは、管セグメントの外側および内側の両方に導電性ストライプ802cおよび804cを有する管セグメント800cを示し、導電性ストライプ802cおよび804cは管セグメントの長さに沿って軸方向に沿って延びる螺旋状のストライプである。さらに別の実施形態では、図8dは、管セグメントの外側に導電性ストライプ802dを有する管セグメント800dを示し、導電性ストライプ802dは管セグメントの長さに沿って軸方向に沿って延びる螺旋状のストライプである。
【0045】
図9は、管セグメント900のデジタル画像であり、管セグメントの内部に、画像内の黒いストライプである8つの内部ストライプを含む。このデジタル画像は、内部のストライプが管セグメントの他の部分に結合されて均一にしていることを示している。
【0046】
図10は、本開示に記載されている1つまたは複数の管セグメントを提供する押出装置のデジタル画像である。図10は、管セグメント1050の内径と、管セグメントの内径および外径の両方とにストライプ1030を押し出すツール1020に対して、垂直に供給される非導電性押出しポリマー(PFA)フィード1000と導電性押出しポリマー(PFA/カーボンブラックポリマー)フィード1010とを示す。当業者は、管セグメントの非導電性部分に結合されて均一である導電性ストライプを有する管セグメントを提供するであろう特定の押出しパラメータを容易に決定するであろう。
【0047】
[例1:静的生成テスト]
この実施例は、以下の[テーブル1]に示される導電性材料および非導電性材料を含む管セグメントに、脱イオン水(deionaized water:脱イオン化水)を流すことによって生成される静電気の量を測定した。静電気の測定は、発生した電荷をファラデーカップで収集および測定するための既知の方法を使用して行われた。
【0048】
図11は、この例で使用されるファラデーカップ装置1100を示すデジタル画像である。簡単に言えば、脱イオン水1110は、作動要素1130と接地された管セグメント1120とを通過し、次いでファラデーカップに集められる。ファラデーカップ1150は、この例のデータが収集されたときには、画像に表示されなかったカバーを含んでいた。画像化されたデータによって提供される例示的なデータは、以下の[チャート1]~[チャート4]に示されている。
【0049】
[チャート1](表1)および[チャート2](表2)は、同じ流れ条件下で同じ直径を有するPFA管セグメントと、ステンレス鋼(SS)管セグメントとの間の静電荷発生の違いをグラフで示している。PFA管セグメントは、SS管セグメントによって生成された静電荷(約80nC)と比較して、実質的により多くの静電荷(約1600nC)を生成した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】
[チャート3](表3)および[チャート4](表4)は、同じ流れ条件下で同じ直径を有するPFA/内径および外径ストライプ管セグメントと、PFA/内径ストライプ管セグメントとの間の静電荷生成の違いをグラフで示している。PFA/内径および外径ストライプ管セグメントは、PFA/内径ストライプ管セグメントによって生成される静電荷(約115nC)と比較して、より少ない静電荷(約43nC)を生成した。
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
[テーブル1](表5)は、この例で試験された様々な管セグメントによって生成された静電気の測定された量を要約している。これらの結果は、[チャート5](表6)にもグラフで表示される。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
本開示の様々な実施形態の説明は、例示の目的で提示されたが、網羅的であることを意図するものではなく、または開示される実施形態に限定されることを意図するものではない。説明された実施形態の範囲および趣旨から逸脱することなく、多くの修正および変形が当業者には明らかであろう。本明細書で使用される用語は、実施形態の原理、市場で見られる技術に対する実際の適用または技術的改善を説明するため、または当業者が本明細書に開示される実施形態を理解できるようにするために選択された。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図5d
図5e
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図8c
図8d
図9
図10
図11