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特許7103150画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/10 20060101AFI20220712BHJP
   G03G 15/04 20060101ALI20220712BHJP
   G03B 27/62 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
H04N1/10
G03G15/04 111
G03B27/62
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018194657
(22)【出願日】2018-10-15
(65)【公開番号】P2020065123
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-07-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】南原 康亮
(72)【発明者】
【氏名】中澤 政元
(72)【発明者】
【氏名】白土 寛貴
(72)【発明者】
【氏名】小山 忠明
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 達也
(72)【発明者】
【氏名】佐々 朋紘
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-323642(JP,A)
【文献】特開平06-118520(JP,A)
【文献】特開2012-104877(JP,A)
【文献】特開2003-195428(JP,A)
【文献】特開2005-037451(JP,A)
【文献】特開2000-089394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/10
G03G 15/04
G03B 27/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光部材と、
前記透光部材を介して検出対象に照射光を照射する発光部と、
前記透光部材を介して前記検出対象からの反射光を受光する受光部と、
前記検出対象の画像を読み取る手段と、
を備え、
前記照射光の射出方向と前記透光部材の上面との接点である第1の反射点が、前記上面に対して垂直であり前記発光部の配置位置を通る第1の垂線と前記上面との接点である第1の点と、前記上面に対して垂直であり前記受光部の配置位置を通る第2の垂線と前記上面との接点である第2の点との間であって、前記第1の点及び前記第2の点のいずれにも重ならない部分に位置し、
前記受光部は、前記照射光の射出方向と前記透光部材の下面との接点である第2の反射点において反射された前記照射光の正反射光の進行方向上以外の場所に配置されている、
前記発光部の射出面から前記透光部材の下面までの高さをh、前記第1の垂線と前記照射光の射出方向とのなす角度をθ、前記発光部の射出面と前記受光部の受光面との間隔をxとするとき、下記式(1)又は式(2)の関係が成り立つ、
0.2≦2htanθ/x≦0.8 …(1)
1.2≦2htanθ/x≦1.8 …(2)
画像読取装置。
【請求項2】
前記受光部は、前記受光部の受光面に対する垂線が前記第1の反射点を通るように配置されている、
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記発光部と前記透光部材との間に配置され前記照射光を集光する第1のレンズ、
を更に備える請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記受光部と前記透光部材との間に配置され前記第1の反射点からの反射光を集光する第2のレンズ、
を更に備える請求項1~3のいずれか1項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置により読み取られた画像を記録媒体に印刷する手段と、
を備える画像形成装置。
【請求項6】
発光部が透光部材を介して検出対象に照射光を照射する工程と、
受光部が前記透光部材を介して前記検出対象からの反射光を受光する工程と、
前記受光部により受光された前記反射光の光量に基づいて前記検出対象の存否を判定する工程と、
前記検出対象の画像を読み取る工程と、
を含む画像読取方法であって、
前記照射光の射出方向と前記透光部材の上面との接点である第1の反射点が、前記上面に対して垂直であり前記発光部の配置位置を通る第1の垂線と前記上面との接点である第1の点と、前記上面に対して垂直であり前記受光部の配置位置を通る第2の垂線と前記上面との接点である第2の点との間であって、前記第1の点及び前記第2の点のいずれにも重ならない部分に位置し、
前記受光部は、前記照射光の射出方向と前記透光部材の下面との接点である第2の反射点において反射された前記照射光の正反射光の進行方向上以外の場所に配置されている、
前記発光部の射出面から前記透光部材の下面までの高さをh、前記第1の垂線と前記照射光の射出方向とのなす角度をθ、前記発光部の射出面と前記受光部の受光面との間隔をxとするとき、下記式(1)又は式(2)の関係が成り立つ、
0.2≦2htanθ/x≦0.8 …(1)
1.2≦2htanθ/x≦1.8 …(2)
ことを特徴とする画像読取方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
原稿の画像を読み取る画像読取装置等において、原稿の存在を検出するためのセンサが用いられている。このようなセンサとして、発光素子から透明部材を介して原稿へ光を照射し、原稿からの反射光を受光素子が検知するか否かに基づいて原稿の有無を判断する反射型光電センサがある。
【0003】
例えば、反射型光源センサにおいて高濃度原稿を検出可能にすることを目的として、発光素子の光量を制御する光量制御手段を設け、高濃度原稿を検出する際に光量を増加させる技術が開示されている(特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
反射型光電センサを用いて原稿を検出しようとするとき、検出対象の原稿が黒色等の吸光度の高い色彩を有する高濃度原稿である場合には、原稿からの反射光の光量が少なくなるため、十分な精度で原稿を検出することができない可能性がある。上記従来技術によれば、高濃度原稿を検出する際に光量を増加させることにより原稿からの反射光の光量を増加させることができるが、光量制御手段の搭載によるコスト増、光量変更時にユーザによる操作が必要となること等の問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原稿の検出精度を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様は、透光部材と、前記透光部材を介して検出対象に照射光を照射する発光部と、前記透光部材を介して前記検出対象からの反射光を受光する受光部と、前記検出対象の画像を読み取る手段と、を備え、前記照射光の射出方向と前記透光部材の上面との接点である第1の反射点が、前記上面に対して垂直であり前記発光部の配置位置を通る第1の垂線と前記上面との接点である第1の点と、前記上面に対して垂直であり前記受光部の配置位置を通る第2の垂線と前記上面との接点である第2の点との間であって、前記第1の点及び前記第2の点のいずれにも重ならない部分に位置し、前記受光部は、前記照射光の射出方向と前記透光部材の下面との接点である第2の反射点において反射された前記照射光の正反射光の進行方向上以外の場所に配置されている、ことを特徴とする画像読取装置である。また、前記発光部の射出面から前記透光部材の下面までの高さをh、前記第1の垂線と前記照射光の射出方向とのなす角度をθ、前記発光部の射出面と前記受光部の受光面との間隔をxとするとき、下記式(1)又は式(2)の関係が成り立つ。
0.2≦2htanθ/x≦0.8 …(1)
1.2≦2htanθ/x≦1.8 …(2)
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、原稿サイズの検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1の実施形態に係る画像読取装置の構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る光センサの構成例を示す図である。
図3図3は、拡散光と正反射光とのなす角度と、拡散光の光量との関係を例示する図である。
図4図4は、比較例に係る光センサの構成例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る発光素子及び受光素子の好適な配置例を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
図7図7は、第2の実施形態に係る光センサの構成例を示す図である。
図8図8は、第3の実施形態に係る光センサの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、検出装置、画像読取装置、画像形成装置、及び検出方法の実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及びいわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更、及び組み合わせを行うことができる。
【0010】
(第1の実施形態)
<画像読取装置の構成>
図1は、第1の実施形態に係る画像読取装置1の構成例を示す図である。本実施形態に係る画像読取装置1は、デジタル複写機、デジタル複合機、ファクシミリ装置等の画像形成装置に搭載されるスキャナ装置である。画像読取装置1は、単体のスキャナ装置であってもよい。図中、X軸は主走査方向に対応し、Y軸は副走査方向に対応し、Z軸は高さ方向に対応する。
【0011】
本実施形態に係る画像読取装置1は、図1に示すように、筐体10、コンタクトガラス11(透光部材)、第1のキャリッジ12、第2のキャリッジ13、レンズユニット14、撮像素子15、及び光センサ16(検出装置)を含む。
【0012】
筐体10の上面部には、透明の板状部材からなり、画像読取の対象となる原稿が載置されるコンタクトガラス11が配置されている。
【0013】
第1のキャリッジ12は、光源21及び第1のミラー22を含み、ステッピングモータ等の適宜な駆動機構により副走査方向(Y軸方向)に移動可能なユニットである。光源21は、走査光をコンタクトガラス11(原稿)へ向けて射出するユニットであり、LED25等の発光素子を含んで構成される。走査光は、主走査方向(X軸方向)に沿った線状の光であってもよい。この場合、コンタクトガラス11上に載置された原稿の主走査方向の長さを1ラインで検出することができる。第1のミラー22は、光源21から射出された走査光の反射光を第2のキャリッジ13側へ反射させる。
【0014】
第2のキャリッジ13は、第2のミラー23及び第3のミラー24を含み、ステッピングモータ等の適宜な駆動機構により副走査方向に移動可能なユニットである。第2のミラー23は、第1のキャリッジ12(第1のミラー22)からの反射光を第3のミラー24へ反射させる。第3のミラー24は、第2のミラー23からの反射光をレンズユニット14へ反射させる。
【0015】
レンズユニット14は、第2のキャリッジ13(第3のミラー24)からの反射光を集光する。
【0016】
撮像素子15は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の素子を利用して構成され、レンズユニット14により集光された反射光を受光して光電変換する。
【0017】
光センサ16は、コンタクトガラス11へ向けて照射光を射出する発光素子、コンタクトガラス11側からの反射光を受光して光電変換する受光素子等を含んで構成される反射型光電センサである。光センサ16は、筐体10内の所定の位置に固定され、反射光の光量に基づいて光センサ16の上方に原稿が存在しているか否かを検出する。光センサ16の検出結果に基づいて原稿のサイズ(例えばA4、B5等)を識別することが可能となる。なお、光センサ16を所定の駆動機構を利用して変位可能に設置してもよい。
【0018】
原稿をコンタクトガラス11上に載置して原稿の画像を読み取る通常の画像読時には、光源21が走査光を射出しながら、第1のキャリッジ12及び第2のキャリッジ13がステッピングモータ等により副走査方向に移動する。このとき、コンタクトガラス11から撮像素子15までの光路長を一定に維持するために、第2のキャリッジ13は第1のキャリッジ12の1/2の速度で移動する。
【0019】
走査光が原稿の画像面に照射されると、画像面からの反射光が第1のミラー22、第2のミラー23、第3のミラー24、及びレンズユニット14を経由して撮像素子15において結像される。撮像素子15は、受光(結像)した反射光を画素毎に光電変換する。光電変換された信号は、デジタル信号に変換される。このように原稿の画像が読み取られ、デジタルの画像データが取得される。
【0020】
<光センサの構成>
図2は、第1の実施形態に係る光センサ16の構成例を示す図である。本実施形態に係る光センサ16は、ケーシング30、発光素子31、及び受光素子32を有する。
【0021】
ケーシング30の内部には、発光素子31及び受光素子32が主走査方向に沿って配置されている。発光素子31は、所定の電子制御ユニットからの制御信号や駆動電流に応じて照射光41を射出するLED等の素子である。照射光41は、コンタクトガラス11を介してコンタクトガラス11上に載置された原稿に照射される。受光素子32は、コンタクトガラス11上に載置された原稿からの反射光を、コンタクトガラス11を介して受光して光電変換するCCD、CMOS等の光電変換素子である。ケーシング30の上面には、発光素子31から射出された照射光41を透過する射出口35と、コンタクトガラス11側からの反射光43を透過する受光口36とが形成されている。
【0022】
図2において、第1の垂線L1とコンタクトガラス11の上面との接点である第1の点P1、第2の垂線L2とコンタクトガラス11の上面との接点である第2の点P2、照射光41の射出方向とコンタクトガラス11の上面との接点である第1の反射点α、及び照射光41の進行方向とコンタクトガラス11の下面との接点である第2の反射点βが示されている。第1の垂線L1は、コンタクトガラス11の上面又は下面に対して垂直であり、発光素子31の配置位置を通る線である。第2の垂線L2は、コンタクトガラス11の上面又は下面に対して垂直であり、受光素子32の配置位置を通る線である。
【0023】
本実施形態に係る光センサ16においては、第1の反射点αが第1の点P1と第2の点P2との間に位置し、且つ受光素子32は、第2の反射点βにおいて反射された照射光41の正反射光45の進行方向上以外の場所に配置されている。なお、「第1の反射点αが第1の点P1と第2の点P2との間に位置」するという条件には、第1の反射点αが第1の点P1及び第2の点P2のいずれにも重ならないという条件が含まれる。
【0024】
図2に示すように、照射光41が第1の反射点αで反射した拡散光42の一部が反射光43として受光素子32に受光される。受光素子32により受光される反射光43の光量は、反射光43の進行方向と、第1の反射点αにおいて反射された照射光41の正反射光44の進行方向とのなす角度θ1に依存する。
【0025】
図3は、拡散光42と正反射光44とのなす角度と、拡散光42の光量との関係を例示する図である。図3中、各矢印の太さは光量を表し、矢印が太いほど光量が多いことを示している。図3に示すように、照射光41が非完全拡散面111に反射されたときに発生する拡散光42の光量は、正反射光44のものが最も多く、正反射光44とのなす角度が大きくなるに従い少なくなっていく。
【0026】
図2に示すように、本実施形態に係る光センサ16は、第1の反射点αが第1の点P1と第2の点P2との間に位置するように構成されているため、角度θ1が比較的小さくなる。これにより、受光素子32により受光される反射光43の光量が多くなり、高濃度の原稿20であっても高い精度で検出することができる。
【0027】
図4は、比較例に係る光センサ101の構成例を示す図である。本比較例においては、第1の反射点αが第2の点P2と重なっている。このような場合、正反射光44と反射光43とのなす角度θ2は、図2に示す本実施形態に係る角度θ1より大きくなる。そのため、比較例においては、受光素子32により受光される反射光43の光量が少なくなり、高濃度の原稿20の検出する際の精度が不足する可能性がある。
【0028】
また、本実施形態においては、図2に示すように、第2の反射点βにおける照射光41の正反射光45の進行方向上に受光素子32が配置されていないことにより、当該正反射光45が受光素子32により直接受光されることがない。当該正反射光45は原稿20の誤検出の要因となるため、本実施形態のように構成することにより、原稿20の検出精度を向上させることができる。
【0029】
図5は、第1の実施形態に係る発光素子31及び受光素子32の好適な配置例を示す図である。発光素子31の射出面からコンタクトガラス11の下面までの高さをh、第1の垂線L1と照射光41の射出方向とのなす角度をθ、発光素子31の射出面と受光素子32の受光面との間隔をxとするとき、下記式(1)又は式(2)の関係が成り立つことが好ましい。
0.2≦2htanθ/x≦0.8 …(1)
1.2≦2htanθ/x≦1.8 …(2)
【0030】
式(1)又は式(2)の関係が満たされるとき、実用上十分な検出精度が得られることが実験により確認されている。式(1)は、第1の反射点αが第1の点P1と第2の点P2との中間点より第1の点P1(発光素子31)側にある場合において好適な範囲を示している。式(2)は、第1の反射点αが第1の点P1と第2の点P2との中間点より第2の点P2(受光素子32)側にある場合において好適な範囲を示している。
【0031】
<画像形成装置の構成>
上記のような光センサ16を利用した画像読取装置1を複写機、MFP等の画像形成装置に搭載することにより、高濃度の原稿20であっても高精度で検出可能な画像形成装置を提供することができる。
【0032】
図6は、第1の実施形態に係る画像形成装置200の構成例を示す図である。画像形成装置200は、画像読取装置1、ADF(Auto Document Feeder)202、給紙部203、及び画像形成部204を有する。
【0033】
画像形成部204内には、タンデム方式の作像部205、作像部205に給紙部203から搬送路207を介して記録紙(記録媒体)を供給するレジストローラ208、光書き込み装置209、定着・搬送部210、両面トレイ211等が設けられている。
【0034】
作像部205には、YMCKの4色に対応して4本の感光体ドラムが並設されている。各感光体ドラム212の回りには、帯電器、現像器206、転写器、クリーナ、及び除電器を含む作像要素が配置されている。また、転写器と感光体ドラム212との間には両者のニップに挟持された状態で駆動ローラと従動ローラとの間に張架された中間転写ベルト213が配置されている。
【0035】
上記のような構成の画像読取装置1においては、先ず感光体ドラム212にYMCKの色毎の潜像を書き込み、現像器206により各色のトナー像を形成する。その後、各色のトナー像を中間転写ベルト213上に例えばY,M,C,Kの順で1次転写する。1次転写により4色重畳されたフルカラーの画像は記録紙に2次転写される。2次転写されたフルカラーの画像は定着後に排紙される。
【0036】
以上のように、本実施形態によれば、受光素子32により受光される反射光43の光量の不足を避けることができると共に、誤検出の要因となるコンタクトガラス11からの正反射光44の受光を避けることができる。これにより、高濃度の原稿20であっても高い精度で検出することが可能となる。
【0037】
以下に他の実施形態について図面を参照して説明するが、第1の実施形態と同一又は同様の作用効果を奏する箇所については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0038】
(第2の実施形態)
図7は、第2の実施形態に係る光センサ51の構成例を示す図である。本実施形態に係る光センサ51は、受光素子32の設置状態が第1の実施形態と相違している。
【0039】
本実施形態に係る受光素子32は、受光素子32の受光面に対する垂線L3が第1の反射点α(照射光41の射出方向とコンタクトガラス11の上面との接点)を通るように配置されている。
【0040】
本実施形態によれば、受光素子32による反射光43の受光効率を向上させることができ、原稿20の検出精度を更に向上させることができる。
【0041】
(第3の実施形態)
図8は、第3の実施形態に係る光センサ61の構成例を示す図である。本実施形態に係る光センサ61は、発光素子31とコンタクトガラス11との間に第1のレンズ65が配置され、受光素子32とコンタクトガラス11との間に第2のレンズ66が配置されている点で第1の実施形態と異なっている。
【0042】
第1のレンズ65は、発光素子31から射出された照射光41を集光し、第1の反射点α又はその近傍で集結させる。第2のレンズ66は、第1の反射点αからの反射光43を集光し、受光素子32の受光面又はその近傍で集結させる。第1のレンズ65又は第2のレンズ66のいずか一方のみを配置するようにしてもよい。
【0043】
本実施形態によれば、受光素子32による反射光43の受光効率を向上させることができ、原稿20の検出精度を更に向上させることができる。
【0044】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図するものではない。この新規な実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更、及び組み合わせを行うことができる。この実施形態及びその変形は発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
1 画像読取装置
10 筐体
11 コンタクトガラス(透光部材)
12 第1のキャリッジ
13 第2のキャリッジ
14 レンズユニット
15 撮像素子
16,51,61 光センサ(検出装置)
20 原稿(検出対象)
21 光源
22 第1のミラー
23 第2のミラー
24 第3のミラー
30 ケーシング
31 発光素子(発光部)
32 受光素子(受光部)
35 射出口
36 受光口
41 照射光
42 拡散光
43 反射光
44,45 正反射光
65 第1のレンズ
66 第2のレンズ
200 画像形成装置
202 ADF
203 給紙部
204 画像形成部
205 作像部
206 現像器
207 搬送路
208 レジストローラ
209 光書き込み装置
210 定着・搬送部
211 両面トレイ
212 感光体ドラム
213 中間転写ベルト
L1 第1の垂線
L2 第2の垂線
L3 第3の垂線
P1 第1の点
P2 第2の点
α 第1の反射点
β 第2の反射点
【先行技術文献】
【特許文献】
【0046】
【文献】特開平8-211789号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8