(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】基板処理装置及び半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20220712BHJP
H01L 21/318 20060101ALI20220712BHJP
C23C 16/455 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/318 B
C23C16/455
(21)【出願番号】P 2021044934
(22)【出願日】2021-03-18
(62)【分割の表示】P 2018100711の分割
【原出願日】2018-05-25
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 寛哲
(72)【発明者】
【氏名】上村 大義
【審査官】田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/041376(WO,A1)
【文献】特開2014-236129(JP,A)
【文献】特開2009-206489(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/318
C23C 16/455
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持具と、
前記基板保持具を収容する処理室が形成された管部材であって、前記処理室の内部の流体を外部に排出する排出部と、前記排出部とは異なる位置で前記基板を処理する処理ガスを前記処理室の内部へ供給する供給部とが形成された管部材と、
前記供給部によって前記処理室と連通し、ノズルを収容するノズル室と、
前記ノズル室に周方向に並んで配置され、内部を流れる前記処理ガスを、前記供給部を通して前記処理室の内部へ噴射する噴射孔が側面に形成された、上下方向に延びた第1、第2及び第3ノズルと、
前記第1、第2及び第3ノズルと夫々のガス供給源との間を夫々連通させる複数のガス供給管と、を備え、
前記処理ガスは、第1および第2原料ガスと、不活性ガスとを含み、前記第1および第2原料ガスの少なくとも一方は基板に形成される膜を構成する元素を含み、
前記第1ノズルは、2つのガスノズルを有し、前記第1原料ガスと不活性ガスを噴射可能に構成され、
前記第2ノズルは、前記管部材の周方向において前記第1ノズルの間に配置され、前記第1ノズルが前記第1原料ガスを噴射しているときに不活性ガスを供給可能であり、且つ、前記第1ノズルが前記第1原料ガスを噴射していないときに前記第2原料ガスを噴射可能に構成され、
前記第3ノズルは、前記第1ノズルの2つのガスノズルにそれぞれ隣接して配置される2つのガスノズルを含み、不活性ガスを噴射可能に構成され、
前記第2ノズルが前記第2原料ガスを噴射しているときに前記第1ノズル若しくは前記第3ノズルの前記噴射孔から夫々噴射される不活性ガスの供給量若しくは流速を、前記第2ノズルの前記噴射孔から噴射される前記第2原料ガスの供給量若しくは流速と比して小さくする基板処理装置。
【請求項2】
基板を保持する基板保持具と、
前記基板保持具を収容する処理室が形成された管部材であって、前記処理室の内部の流体を外部に排出する排出部と、前記排出部とは異なる位置で前記基板を処理する処理ガスを前記処理室の内部へ供給する供給部とが形成された管部材と、
前記供給部によって前記処理室と連通し、ノズルを収容するノズル室と、
前記ノズル室に周方向に並んで配置され、内部を流れる前記処理ガスを、前記供給部を通して前記処理室の内部へ噴射する噴射孔が側面に形成された、上下方向に延びた第1、第2及び第3ノズルと、
前記第1、第2及び第3ノズルと夫々のガス供給源との間を夫々連通させる複数のガス供給管と、を備え、
前記処理ガスは、
第1および第2原料ガスと、不活性ガスとを含み、前記第1および第2原料ガスの少なくとも一方は基板に形成される膜を構成する元素を含み、
前記第1ノズルは、2つのガスノズルを有し、前記第1原料ガスと不活性ガスを噴射可能に構成され、
前記第2ノズルは、前記管部材の周方向において前記第1ノズルの間に配置され、前記第2原料ガスを噴射可能に構成され、
前記第3ノズルは、前記第1ノズルの2つのガスノズルにそれぞれ隣接して配置される2つのガスノズルを含み、前記基板が配置される方向の範囲の上方部分および下方部分の少なくとも一方に形成された前記噴射孔から不活性ガスを噴射して、余剰となった前記第1原料ガス又は前記第2原料ガスを希釈あるいはパージすることが可能に構成された基板処理装置。
【請求項3】
基板を保持する基板保持具と、
前記基板保持具を収容する処理室が形成された管状の管部材であって、前記処理室の内部の流体を外部に排出する排出部と、前記排出部とは前記処理室の周方向で異なる位置で前記基板を処理する処理ガスを前記処理室の内部へ供給する供給孔とが形成された管部材と、
前記管部材の外周面側で前記周方向に並んで複数形成されると共に前記供給孔によって前記処理室と連通する供給室を区画する区画部材と、
複数の前記供給室に夫々1個以上配置され、前記処理ガスを、前記供給孔を通して前記処理室の内部へ噴射する噴射孔が側面に形成されたガスノズルと、
夫々の前記ガスノズルと夫々のガス供給源との間を夫々連通させる複数のガス供給管と、を備え、
前記供給室は、第1ノズル室と第2ノズル室を含み、
前記処理ガスは、前記基板に形成される膜の原料となる原料ガスと、前記処理室内での前記原料ガスの流れをアシストするアシストガスとを含み、
前記ガスノズルは、アシストガスを噴射する第1ノズルと、第2ノズル室に配置され前記原料ガスを噴射する第2ノズルと、を含み、前記第1ノズルは前記第2ノズルに隣接して配置され、
前記第2ノズル室の前記供給孔から出たガスが前記第2ノズル室に流入することを抑制するように、前記第1ノズルの前記噴射孔から噴射されるアシストガスの流量若しくは流速と、前記第2ノズルの前記噴射孔から噴射される原料ガスの流量若しくは流速とを制御することが可能なよう構成される制御部を更に備える基板処理装置。
【請求項4】
前記第1ノズルは、前記第2ノズルが前記原料ガスを噴射していないときに、
反応ガスを噴射し、前記第2ノズルが前記原料ガスを噴射しているときに、前記アシストガスを噴射することが可能なよう構成された
請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第2ノズル室には、前記第2ノズルと、一対の前記第1ノズルが配置され、前記周方向において、前記第2ノズルが、一対の前記第1ノズルに挟まれている請求項
3に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ガスノズルは、前記第1ノズル室に配置され反応ガスを噴射する第3ノズルを含む請求項3
又は5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記供給室は、前記第1ノズル室とは反対側で前記第2ノズル室に隣接して形成される第3ノズル室を含み、前記第1ノズル室、前記第2ノズル室及び第3ノズル室はこの順序で前記管部材の前記周方向に連続して形成され、
前記ガスノズルは、前記第3ノズル室に配置され、反応ガス又は前記アシストガスを噴射する第3ノズルを更に含む請求項3、4及び6のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1ノズルに連通する前記ガス供給管には、前記アシストガスの流量を制御する流量制御器が設けられ、
前記第2ノズルに連通する前記ガス供給管には、
前記原料ガスの流量を制御する流量制御器が設けられ
前記流量制御器を制御して、一対の
前記第1ノズルの前記噴射孔から夫々噴射されるアシストガスの流量若しくは流速を、前記第2ノズルの前記噴射孔から噴射される原料ガスの流量若しくは流速と比して大きくするとともに、前記第2ノズルの噴射孔の開口は、前記第1ノズルの噴射孔の開口より大きく形成される、請求項3
又は7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記ガスノズルは、前記第1ノズル室に配置され、前記処理ガスのいずれかと同時に不活性ガスを供給可能に構成される第3ノズルを含み、
前記第2ノズルには、前記処理室内で前記基板が配置される領域に渡って前記噴射孔が形成され、
前記第3ノズルには、前記領域の上端側の部分又は下端側の部分の少なくともいずれか一方に前記噴射孔が形成され、前記上端側と前記下端側の間の中央部分に前記噴射孔が形成されない請求項3乃至5のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記流量制御器を制御して、一対の前記第1ノズルの前記噴射孔から夫々噴射されるアシストガスの流量を、前記第2ノズルの前記噴射孔から夫々噴射される前記原料ガスより小さくする請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記第3ノズルは、前記周方向において、前記第2ノズルを挟むように配置され、前記第3ノズルは、前記第1ノズルの前記第2ノズルとは反対側に配置される請求項1又は2に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記ノズル室は、前記管部材の外周面側で前記周方向に連続して並ぶ第1及び第2及び第3ノズル室を有し、
前記第2ノズルは、前記第2ノズル室に配置され、
前記第1ノズル及び前記第3ノズルは、前記第1ノズル室及び前記第3ノズル室に1つずつ配置される請求項1、2及び11のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記不活性ガスの流れる時間と前記第1又は第2原料ガスの流れる時間は少なくとも一部が重なっており、
前記第1、第2及び第3ノズルの夫々の噴射孔は、前記基板の中心方向若しくは、互いに平行な方向を向いて開口する請求項1、2及び12のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第1ノズルは、前記処理室内に前記第1原料ガス及び前記第2原料ガスのいずれも供給されていないときに、不活性ガスを間欠的に噴射可能に構成される請求項1、2及び13のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記第3ノズルは、前記第1ノズルが第1原料ガスを噴射しているときに、不活性ガスを噴射して前記希釈あるいは前記パージすることが可能に構成される請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第1及び第2ノズルの噴射孔が形成される方向の範囲は、複数の前記基板が配置される領域の範囲を覆っており、
前記第3ノズルには、前記領域の上端側の部分又は下端側の部分の少なくともいずれか一方に前記噴射孔が形成され、前記上端側と前記下端側の間の中央部分に前記噴射孔が形成されない請求項1、2及び15のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第1ノズル及び前記第2ノズルは、前記複数の基板に対応して複数形成された前記噴射孔を有し、前記供給孔は、複数の前記基板に対応して複数形成される横長のスリットである請求項3、4及び10のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記第2ノズルの前記噴射孔は、複数の前記基板が配置される領域の範囲を覆うように延在する請求項1、2、3、4、10及び17のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項19】
前記第1ノズル及び前記第2ノズルと夫々連通する前記複数のガス供給管には、前記処理ガスの流量を制御する流量制御器が夫々設けられ、前記処理室内における前記第1及び第2原料ガスのガス流速の拡散速度に対する比が1より大きくなるように、前記処理ガスの流量を設定する請求項1
又は2に記載の基板処理装置。
【請求項20】
前記第2ノズル室には、上端部で折り返したU字状の前記第2ノズルが設けられ、
前記第2ノズルの一端に連通する前記ガス供給管には、原料ガス供給源および不活性ガス供給源が流体連通可能に接続され、前記第2ノズルの他端には、ガス排出管が接続され、前記第2ノズル内を不活性ガスでパージ可能に構成される請求項
3乃至
10、12、17のいずれか1項に記載の基板処理装置。
【請求項21】
基板保持具を収容する処理室を形成し、前記処理室の内部の流体を外部に排出する排出部を有する管部材と、
前記排出部とは前記処理室の周方向で異なる位置で、基板保持具に基板が保持される領域に沿って配置され、前記処理室の内部へガスを噴射する噴射孔が側面に形成された第1ノズル及び第2ノズルと、
を備え、
前記第1ノズルは、2列に形成された前記噴射孔を有し、
前記第2ノズルは、前記第1ノズルの内部に設けられ、前記第1ノズルの前記2列の間で前記第1ノズルの外部と連通する複数の連通管を有し、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルから同時にアシストガスと原料ガスをそれぞれ噴射することが可能に構成された基板処理装置。
【請求項22】
基板を保持する基板保持具と、
前記基板保持具を収容する処理室が形成された管部材であって、前記処理室の内部の流体を外部に排出する排出部と、前記排出部とは前記処理室の周方向で異なる位置に形成されたノズル配置室とを有する管部材と、
前記ノズル配置室に配置され、前記処理室の内部へガスを噴射する噴射孔が側面に形成された複数のガスノズルと、
夫々の前記ガスノズルと、対応する処理ガスの供給源との間を夫々連通させる複数のガス供給管と、を備え、
前記処理ガスは、前記基板に形成される膜の原料となる原料ガスと、不活性ガスとを含み、
前記ガスノズルは、前記不活性ガスを噴射する第1ノズル及び第2ノズルと、前記原料ガスを噴射する第3ノズルと、前記不活性ガスを噴射する第4ノズル及び第5ノズルを含み、前記第1ノズルから前記第5ノズルの順で周方向に並んで配置され、
前記第3ノズルの供給孔から噴射され前記ノズル配置室を出たガスが前記ノズル配置室に流入することを抑制するように、前記第2ノズルおよび前記第4ノズルのそれぞれの前記噴射孔から噴射される前記不活性ガスの流量若しくは流速と、前記第3ノズルの前記噴射孔から噴射される前記原料ガスの流量若しくは流速とを制御することが可能なよう構成される制御部を更に備える基板処理装置。
【請求項23】
請求項1、2及び20のいずれか1項に記載の基板処理装置を用いて、
前記処理室内へ前記基板を収容する工程と、
前記第1ノズル若しくは前記第3ノズルから、不活性ガスを前記処理室の内部へ噴射しながら、前記第2ノズルから、前記第2原料ガスを前記処理室の内部へ噴射する工程と、
を行うことで基板を処理する工程を有する半導体装置の製造方法。
【請求項24】
請求項3、4、10及び21のいずれか1項に記載の基板処理装置を用いて、
前記処理室内へ前記複数の基板を収容する工程と、
前記第1ノズルから、前記アシストガスを前記処理室の内部へ噴射しながら、前記第2ノズルから、前記原料ガスを前記処理室の内部へ噴射する工程と、
を行うことで基板を処理する工程を有する半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
夫々の特許文献には、処理室に配置された基板(ウェハ)の表面に膜を形成させる基板処理装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/045137号
【文献】国際公開第2015/045137号
【文献】米国特許出願公開第2007/0084406A号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、処理室に配置された基板に膜を形成させる場合に、膜の原料となる原料ガスと、原料ガスをアシストするキャリアガスとが、同じガスノズルの同じ噴射孔から処理室に向けて噴射される。このため、原料ガスの流量とキャリアガスの流量とを個別に制御することが困難であり、基板に形成される膜の膜厚が一枚の基板の中でばらついてしまうことがある。
【0005】
本発明の課題は、基板に形成される膜の膜厚ばらつきを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第一態様によれば、基板を保持する基板保持具と、前記基板保持具を収容する処理室が形成された管部材であって、前記処理室の内部の流体を外部に排出する排出部と、前記排出部とは異なる位置で前記基板を処理する処理ガスを前記処理室の内部へ供給する供給部とが形成された管部材と、前記供給部によって前記処理室と連通し、ノズルを収容するノズル室と、前記ノズル室に周方向に並んで配置され、内部を流れる前記処理ガスを、前記供給部を通して前記処理室の内部へ噴射する噴射孔が側面に形成された、上下方向に延びた第1、第2及び第3ノズルと、前記第1、第2及び第3ノズルと夫々のガス供給源との間を夫々連通させる複数のガス供給管と、を備え、前記処理ガスは、第1および第2原料ガスと、不活性ガスとを含み、前記第1および第2原料ガスの少なくとも一方は基板に形成される膜を構成する元素を含み、前記第1ノズルは、2つのガスノズルを有し、前記第1原料ガスと不活性ガスを噴射可能に構成され、前記第2ノズルは、前記管部材の周方向において前記第1ノズルの間に配置され、前記第1ノズルが前記第1原料ガスを噴射しているときに不活性ガスを供給可能であり、且つ、前記第1ノズルが前記第1原料ガスを噴射していないときに前記第2原料ガスを噴射可能に構成され、前記第3ノズルは、前記第1ノズルの2つのガスノズルにそれぞれ隣接して配置される2つのガスノズルを含み、不活性ガスを噴射可能に構成され、前記第2ノズルが前記第2原料ガスを噴射しているときに前記第1ノズル若しくは前記第3ノズルの前記噴射孔から夫々噴射される不活性ガスの供給量若しくは流速を、前記第2ノズルの前記噴射孔から噴射される前記第2原料ガスの供給量若しくは流速と比して小さくすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、基板に形成される膜の膜厚ばらつきを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る基板処理装置を水平方向で切断した断面図である。
【
図2】実施形態に係る基板処理装置を示す概略構成図である。
【
図3】実施形態に係る基板処理装置の反応管の一部を示した斜視図である
【
図4】実施形態に係る基板処理装置の反応管の全体を示した斜視図である
【
図5】実施形態に係る基板処理装置を垂直方向で切断した断面図である。
【
図6】実施形態に係る基板処理装置を垂直方向で切断した断面図である。
【
図7】実施形態に係る基板処理装置の制御部の制御系を示すブロック図である。
【
図8】実施形態に係る基板処理装置の成膜シーケンスをグラフで示した図面である。
【
図9】変形例1に係る基板処理装置を水平方向で切断した断面図である。
【
図10】変形例2に係る基板処理装置を水平方向で切断した断面図である。
【
図11】変形例2に係る基板処理装置を垂直方向で切断した断面図である。
【
図12】(A)(B)変形例3に係る基板処理装置を水平方向で切断した断面図、及び拡大断面図である。
【
図13】変形例3に係る基板処理装置に備えられたガスノズル等を示した斜視図である。
【
図14】変形例4に係る基板処理装置に備えられたガスノズル等を示した斜視図である。
【
図15】変形例5に係る実施形態基板処理装置に備えられた反応管等を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<実施形態>
本発明の実施形態に係る基板処理装置の一例について
図1~
図8に従って説明する。なお、図中に示す矢印Hは装置上下方向(鉛直方向)を示し、矢印Wは装置幅方向(水平方向)を示し、矢印Dは装置奥行方向(水平方向)を示す。
【0010】
(基板処理装置10の全体構成)
基板処理装置10は、
図2に示されるように、各部を制御する制御部280及び処理炉202を備え、処理炉202は、加熱手段であるヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、図示しないヒータベースに支持されることにより装置上下方向に据え付けられている。ヒータ207は、処理ガスを熱で活性化させる活性化機構としても機能する。なお、制御部280については、詳細を後述する。
【0011】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応容器を構成する反応管203が立てて配置されている。反応管203は、例えば石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により形成されている。基板処理装置10は、いわゆるホットウォール型である。
【0012】
反応管203は、
図1にも示されるように、円筒状の内管12と、内管12を囲むように設けられた円筒状の外管14とを有している。内管12は、外管14と同心円状に配置され、内管12と外管14との間には、間隙Sが形成されている。内管12は、管部材の一例である。
【0013】
内管12は、
図2に示したように、下端が開放され、上端が平坦状の壁体で閉塞された有天井形状で形成されている。また、外管14も、下端が開放され、上端が平坦状の壁体で閉塞された有天井形状で形成されている。さらに、内管12と外管14との間に形成された間隙Sには、
図1に示したように、複数(本実施形態では3個)のノズル室222が形成されている。なお、ノズル室222については、詳細を後述する。
【0014】
この内管12の内部には、
図2に示したように、基板としてのウェハ200を処理する処理室201が形成されている。また、この処理室201は、ウェハ200を水平姿勢で垂直方向に多段に整列した状態で保持可能な基板保持具の一例であるボート217を収容可能とし、内管12は、収容されたウェハ200を包囲する。なお、内管12については、詳細を後述する。
【0015】
反応管203の下端は、円筒体状のマニホールド226によって支持されている。マニホールド226は、例えばニッケル合金やステンレス等の金属で構成されるか、又は石英若しくはSiC等の耐熱性材料で構成されている。マニホールド226の上端部にはフランジが形成されており、このフランジ上に外管14の下端部が設置されている。このフランジと外管14の下端部との間には、Oリング等の気密部材220が配置されており、反応管203内を気密状態にしている。
【0016】
マニホールド226の下端の開口部には、シールキャップ219がOリング等の気密部材220を介して気密に取り付けられており、反応管203の下端の開口部側、すなわちマニホールド226の開口部が気密に塞がれている。シールキャップ219は、例えばニッケル合金やステンレス等の金属で構成され、円盤状に形成されている。シールキャップ219は、石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料でその外側を覆うように構成してもよい。
【0017】
シールキャップ219上にはボート217を支持するボート支持台218が設けられている。ボート支持台218は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で構成され断熱部として機能する。
【0018】
ボート217は、ボート支持台218上に立設されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料で構成されている。ボート217はボート支持台218に固定された図示しない底板とその上方に配置された天板とを有しており、底板と天板との間に複数本の支柱217a(
図1参照)が架設されている。
【0019】
ボート217には、内管12内の処理室201で処理される複数枚のウェハ200が保持されている。複数枚のウェハ200は、互いに一定の間隔をあけながら水平姿勢を保持し、かつ互いに中心を揃えた状態でボート217の支柱217a(
図1)に支持されており、積載方向が反応管203の軸方向となる。つまり、基板の中心がボート217の中心軸にあわせられ、ボート217の中心軸は反応管203の中心軸に一致する。
【0020】
シールキャップ219の下側には、ボートを回転させる回転機構267が設けられている。回転機構267の回転軸265は、シールキャップ219を貫通してボート支持台218に接続されており、回転機構267によって、ボート支持台218を介してボート217を回転させることでウェハ200を回転させる。
【0021】
シールキャップ219は、反応管203の外部に設けられた昇降機構としてのエレベータ115によって垂直方向に昇降され、ボート217を処理室201に対して搬入、及び搬出することができる。
【0022】
マニホールド226には、処理室201の内部にガスを供給するガスノズル340a~340eを支持するノズル支持部350a~350eが(
図6参照)、マニホールド226を貫通するようにして設置されている(ガスノズル340a、ノズル支持部350aのみ図示)。ここで、本実施形態では、5本のノズル支持部350a~350e(
図6参照)が設置されている。ノズル支持部350a~350cは、例えばニッケル合金やステンレス等の材料により構成されている。
【0023】
ノズル支持部350a~350e(
図6参照)の一端には、処理室201の内部へガスを供給するガス供給管310a~310eが夫々接続されている。また、ノズル支持部350a~350e(
図6参照)の他端には、ガスノズル340a~340eが夫々接続されている(ノズル支持部350a、ガスノズル340aのみ図示)。ガスノズル340a~340eは、例えば石英またはSiC等の耐熱性材料により構成されている。なお、ガスノズル340a~340e、及びガス供給管310a~310eについては、詳細を後述する。
【0024】
一方、反応管203の外管14には、排気口230が形成されている。排気口230は、後述する第二排気口237よりも下方に形成され、この排気口230には、排気管231が接続されている。
【0025】
排気管231には、処理室201の内部の圧力を検出する圧力センサ245、及び圧力調整器としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空排気装置としての真空ポンプ246が接続されている。真空ポンプ246の下流側の排気管231は、図示しない廃ガス処理装置等に接続されている。これにより、真空ポンプ246の出力及びバルブ244の開度を制御することで、処理室201の内部の圧力が所定の圧力(真空度)となるよう真空排気できるように構成されている。
【0026】
また、反応管203の内部には、温度検出器としての図示しない温度センサが設置されており、温度センサにより検出された温度情報に基づいて、ヒータ207への供給電力を調整することで、処理室201の内部の温度が所望の温度分布となるように構成されている。
【0027】
この構成において、処理炉202では、バッチ処理される複数枚のウェハ200を多段に積載するボート217がボート支持台218によって処理室201の内部へ搬入される。そして、処理室201へ搬入されたウェハ200を、ヒータ207によって所定の温度に加熱する。このような処理炉を有する装置は、縦型バッチ装置と呼ばれる。
【0028】
(要部構成)
次に、内管12、ノズル室222、ガス供給管310a~310e、ガスノズル340a~340e、及び制御部280について説明する。
【0029】
〔内管12〕
内管12の周壁には、
図3、
図4に示されるように、供給孔の一例である供給スリット235a、235b、235cと、供給スリット235a、235b、235cと対向するように、排出部の一例である第一排気口236が形成されている。また、内管12の周壁において第一排気口236の下方には、第一排気口236より開口面積が小さい排出部の一例である第二排気口237が形成されている。このように、供給スリット235a、235b、235cと、第一排気口236、第二排気口237とは、内管12の周方向において異なる位置に形成されている。
【0030】
内管12に形成された第一排気口236は、
図2に示されるように、処理室201のウェハ200が収容される下端側から上端側に至るまでの領域(以下「ウェハ領域」と記載することがある)に形成されている。内管12の第一排気口236の下方には、第二排気口237が形成されている。第一排気口236は、処理室201と間隙Sとを連通するように形成され、第二排気口237は、処理室201の下方の雰囲気を排気するよう形成されている。
【0031】
すなわち、第一排気口236は、処理室201の内部の雰囲気を間隙Sに排気するガス排気口であり、第一排気口236から排気されたガスは、間隙S及び排気口230を介して、排気管231から反応管203の外部へ排気される。同様に、第二排気口237から排気されたガスは、間隙Sの下側及び排気口230を介して、排気管231から反応管203の外部へ排気される。
【0032】
この構成において、ウェハ通過後のガスが筒部外側を経由して排気されることで、真空ポンプ246等の排気部の圧力とウェハ領域の圧力との差を小さくして圧力損失を最小限とすることができる。そして、圧力損失を最小限とすることにより、ウェハ領域の圧力を下げることができ、ウェハ領域の流速を上げ、ローディング効果を緩和することができる。
【0033】
一方、内管12の周壁に形成された供給スリット235aは、
図6に示されるように、横長のスリット状で上下方向に複数形成されており、第一ノズル室222a(
図3参照)と処理室201とを連通している。
【0034】
また、供給スリット235bは、横長のスリット状で上下方向に複数形成されており、供給スリット235aの側方に配置されている。さらに、供給スリット235bは、第二ノズル室222b(
図3参照)と処理室201とを連通している。
【0035】
また、供給スリット235cは、横長のスリット状で上下方向に複数形成されており、供給スリット235bを挟んで供給スリット235aの反対側に配置されている。さらに、供給スリット235cは、第三ノズル室222c(
図3参照)と処理室201とを連通している。
【0036】
供給スリット235a~235cの内管12の周方向の長さを、各ノズル室222a~222cの周方向の長さと同じにすると、ガス供給効率が向上するので良い。
【0037】
また、供給スリット235a~235cは、四隅としてのエッジ部が曲面を描くように滑らかに形成されている。エッジ部にRがけ等を行い、曲面状にすることにより、エッジ部周縁のガスのよどみを抑制することができ、エッジ部に膜が形成されるのを抑制することができ、さらに、エッジ部に形成される膜の膜剥がれを抑制することができる。
【0038】
また、内管12の供給スリット235a~235c側の内周面12aの下端には、ガスノズル340a~340eをノズル室222の対応する各ノズル室222a~222cに設置するための開口部256が形成されている。
【0039】
供給スリット235a~235cは、上下方向において、
図5に示されるように、処理室201に収容された状態のボート217(
図2参照)に複数段載置された隣り合うウェハ200とウェハ200との間に夫々配置されるように形成されている。
【0040】
供給スリット235a~235cは、ボート217に載置可能な最下段のウェハ200とボート217の底板の間から最上段のウェハ200とボート217の天板の間に至るまで、各ウェハ200、底板、及び天板の間に位置するよう形成することが望ましい。
【0041】
また、第一排気口236は、
図2に示したように、内管12のウェハ領域に形成され、処理室201と間隙Sが連通している。第二排気口237は、排気口230の上端よりも高い位置から排気口230の下端よりも高い位置まで形成されている。
【0042】
〔ノズル室222〕
ノズル室222は、
図1、
図4に示されるように、内管12の外周面12cと外管14の内周面14aとの間の間隙Sに形成されている。ノズル室222は、上下方向に延びている第一ノズル室222aと、上下方向に延びている第二ノズル室222bと、上下方向に延びている第三ノズル室222cとを備えている。また、第一ノズル室222aと、第二ノズル室222bと、第三ノズル室222cとは、この順番で処理室201の周方向に並んで形成されている。
【0043】
さらに、処理室201の周方向の長さについては、第二ノズル室222bの周方向の長さが、第一ノズル室222aの周方向の長さ、及び第三ノズル室222cの周方向の長さと比して、長くされている。第一ノズル室222a、第二ノズル室222b、及び第三ノズル室222cは、供給室の一例である。
【0044】
具体的には、内管12の外周面12cから外管14へ向けて延出した第一仕切18aと内管12の外周面12cから外管14へ向けて延出した第二仕切18bとの間で、かつ、第一仕切18aの先端と第二仕切18bの先端とを繋ぐ円弧状の天板20と内管12との間に、ノズル室222が形成されている。
【0045】
さらに、ノズル室222の内部には、内管12の外周面12cから天板20側へ向けて延出した第三仕切18cと、第四仕切18dとが形成されており、第三仕切18cと第四仕切18dとは、この順番で第一仕切18aから第二仕切18b側へ並んでいる。また、天板20は、外管14と離間している。さらに、第三仕切18cの先端、及び第四仕切18dの先端は、天板20に達している。各仕切18a~18d、及び天板20は、区画部材の一例である。
【0046】
また、各仕切18a~18d、及び天板20は、ノズル室222の天井部から反応管203の下端部まで形成されている。具体的に、第三仕切18cの下端、及び第四仕切18dの下端は、
図6に示したように、開口部256の上縁よりも下側まで形成される。
【0047】
そして、第一ノズル室222aは、
図1に示されるように、内管12、第一仕切18a、第三仕切18c、及び天板20に囲まれて形成されており、第二ノズル室222bは、内管12、第三仕切18c、第四仕切18d、及び天板20に囲まれて形成されている。さらに、第三ノズル室222cは、内管12、第四仕切18d、第二仕切18b、及び天板20に囲まれて形成されている。これにより、各ノズル室222a~222cは、下端部が開放されると共に上端が内管12の天面を構成する壁体で閉塞された有天井形状で、上下方向に延びている。
【0048】
そして、前述したように、第一ノズル室222aと処理室201を連通する供給スリット235aが、
図6に示されるように、上下方向に並んで、内管12の周壁に形成されている。また、第二ノズル室222bと処理室201を連通する供給スリット235bが、上下方向に並んで、内管12の周壁に形成されており、第三ノズル室222cと処理室201を連通する供給スリット235cが、上下方向に並んで、内管12の周壁に形成されている。
【0049】
〔ガスノズル340a~340e〕
ガスノズル340a~340cは、上下方向に延びており、
図1に示したように、各ノズル室222a~222cに夫々設置されている。具体的には、ガス供給管310a(
図2参照)に連通するガスノズル340aは、第一ノズル室222aに配置されている。さらに、ガス供給管310b(
図2参照)に連通するガスノズル340b、ガス供給管310c(
図2参照)に連通するガスノズル340c、及びガス供給管310d(
図2参照)に連通するガスノズル340dは、第二ノズル室222bに配置されている。また、ガス供給管310e(
図2参照)に連通するガスノズル340eは、第三ノズル室222cに配置されている。
【0050】
ここで、上方から見て、ガスノズル340cは、処理室201の周方向において、ガスノズル340bとガスノズル340dとに挟まれている。また、ガスノズル340aと、ガスノズル340b、340c、340dとは、第三仕切18cによって仕切られており、ガスノズル340b、340c、340dと、ガスノズル340eとは、第四仕切18dによって仕切られている。これにより、各ノズル室222間で、ガスが混ざり合うことを抑制することができる。
【0051】
ガスノズル340a~340eは、I字型のロングノズルとして夫々構成されている。ガスノズル340a~340eの周面には、
図5、
図6に示されるように、供給スリット235a~235cと夫々対向するようにガスを噴射する噴射孔234a~234eが夫々形成されている。具体的には、ガスノズル340a~340eの噴射孔234a~234eは各供給スリット235に対し1個ずつ対応するように、各供給スリット235a~235cの縦幅の中央部分に形成すると良い。例えば、供給スリット235a~235cが25個形成されている場合、夫々25個の噴射孔234a~234eが形成されると良い。すなわち、供給スリット235a~235cと噴射孔234a~234eは、載置されるウェハ200の枚数+1個形成されると良い。このようなスリット構成とすることにより、ウェハ200上にウェハ200に平行な処理ガスの流れを形成することができる(
図5の矢印参照)。
【0052】
本実施形態では、噴射孔234a~234eは、ピンホール状とされている。また、ガスノズル340aの噴射孔234aからガスが噴射される噴射方向は、上方から見て、処理室201の中心に向いており、側方から見て、
図5に示されるように、ウェハ200とウェハ200との間、最上位のウェハ200の上面の上側部分、又は最下位のウェハ200の下面の下側部分を向いている。
【0053】
このように、噴射孔234a~234eが上下方向で形成されている範囲は、ウェハ200が上下方向で配置されている範囲を覆っている。さらに、夫々の噴射孔234a~234eからガスが噴射される噴射方向は、同じ方向とされている。
【0054】
この構成において、各ガスノズル340a~340eの噴射孔234a~234eから噴射されたガスは、各ノズル室222a~222cの前壁を構成する内管12に形成された供給スリット235a~350cを通って処理室201へ供給される。そして、処理室201へ供給されたガスは、夫々のウェハ200の上面及び下面に沿って流れる(
図5の矢印参照)。
【0055】
さらに、
図6に示されるように、ガスノズル340aは、ノズル支持部350aによって支持され、ガスノズル340bは、ノズル支持部350bによって支持され、ガスノズル340cは、ノズル支持部350cによって支持されている。また、ガスノズル340eは、ノズル支持部350eによって支持されている。さらに、各ノズル支持部350a~350eは、開口部256に配置されている。
【0056】
この構成において、各ガスノズル340a~340eを各ノズル室222a~222cへ設置する場合は、開口部256から対応する各ノズル室222a~222cにガスノズル340a~340eを挿入し、ガスノズル340a~340eの下端をノズル支持部350a~350eの上端より一旦高く持ち上げる。そして、ガスノズル340a~340eの下端がノズル支持部350a~350eの上端よりも低くなるように、ガスノズル340a~340eの下端をノズル支持部350a~350eに差し込む。これにより、
図1に示したように、各ガスノズル340a~340eは、各ノズル室222a~222cに収容される。
【0057】
〔ガス供給管310a~310e〕
ガス供給管310aは、
図2に示されるように、ノズル支持部350aを介してガスノズル340aと連通しており、ガス供給管310bは、ノズル支持部350b(
図6参照)を介してガスノズル340bと連通している。また、ガス供給管310cは、ノズル支持部350c(
図6参照)を介してガスノズル340cと連通しており、ガス供給管310dは、ノズル支持部350d(
図6参照)を介してガスノズル340dと連通している。さらに、ガス供給管310eは、ノズル支持部350e(
図6参照)を介してガスノズル340eと連通している。
【0058】
ガス供給管310aには、ガスの流れ方向において上流側から順に、処理ガスとしての第1原料ガスを供給する原料ガス供給源360a、流量制御器の一例であるマスフローコントローラ(MFC)320a、及び開閉弁であるバルブ330aが夫々設けられている。
【0059】
ガス供給管310bには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360b、MFC320b、及びバルブ330bが夫々設けられている。ガス供給管310cには、上流方向から順に、処理ガスとしての第2原料ガスを供給する原料ガス供給源360c、MFC320c、及びバルブ330cが夫々設けられている。ガス供給管310dには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360d、MFC320d、及びバルブ330dが夫々設けられている。
【0060】
ガス供給管310eには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360e、MFC320e、及びバルブ330eが夫々設けられている。
【0061】
ガス供給管310aのバルブ330aよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管310fが接続されている。ガス供給管310fには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360f、MFC320f、及びバルブ330fが夫々設けられている。
【0062】
また、ガス供給管310cのバルブ330cよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管310gが接続されている。ガス供給管310gには、上流方向から順に、処理ガスとしての不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360g、MFC320g、及びバルブ330gが夫々設けられている。なお、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源360b、360d、360e、360f、360gは、共通の供給元に接続されている。
【0063】
また、ガス供給管310aから供給する第1原料ガスとしては、アンモニア(NH3)ガスが挙げられる。また、ガス供給管310cから供給する第2原料ガスとしては、シリコン(Si)ソースガスが挙げられる。さらに、各ガス供給管310b、310d、310e、310f、310gから供給する不活性ガスとしては、窒素(N2)ガスが挙げられる。
【0064】
〔制御部280〕
図7は、基板処理装置10を示すブロック図であり、基板処理装置10の制御部280(所謂コントローラ)は、コンピュータとして構成されている。このコンピュータは、CPU(Central Processing Unit)121a、RAM(Random Access Memory)121b、記憶装置121c、及びI/Oポート121dを備えている。
【0065】
RAM121b、記憶装置121c、I/Oポート121dは、内部バス121eを介して、CPU121aとデータ交換可能なように構成されている。制御部280には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置122が接続されている。
【0066】
記憶装置121cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置121c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、後述する基板処理の手順や条件等が記載されたプロセスレシピ等が、読み出し可能に格納されている。
【0067】
プロセスレシピは、後述する基板処理工程における各手順を制御部280に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、プロセスレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。
【0068】
本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、プロセスレシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM121bは、CPU121aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0069】
I/Oポート121dは、上述のMFC320a~320g、バルブ330a~330g、圧力センサ245、APCバルブ244、真空ポンプ246、ヒータ207、温度センサ、回転機構267、エレベータ115等に接続されている。
【0070】
CPU121aは、記憶装置121cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置122からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置121cからプロセスレシピを読み出すように構成されている。
【0071】
CPU121aは、読み出したプロセスレシピの内容に沿うように、MFC320a~320gによる各種ガスの流量調整動作、バルブ330a~330gの開閉動作、APCバルブ244の開閉動作を制御するように構成されている。また、CPU121aは、圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、真空ポンプ246の起動及び停止、温度センサに基づくヒータ207の温度調整動作を制御するように構成されている。さらに、CPU121aは、回転機構267によるボート217の回転及び回転速度調節動作、エレベータ115によるボート217の昇降動作等を制御するように構成されている。
【0072】
制御部280は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置123を用意し、この外部記憶装置123を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態の制御部280を構成することができる。外部記憶装置としては、例えば、ハードディスク等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ等が挙げられる。
【0073】
(作用)
次に、本発明に関わる基板処理装置の動作概要を、制御部280が行う制御手順に従って
図8に示す成膜シーケンスを用いて説明する。
図8には、本実施形態に係る成膜シーケンスにおけるガスの供給量(縦軸)と、ガス供給のタイミング(横軸)とがグラフで示されている。なお、反応管203には、予め所定枚数のウェハ200が載置されたボート217が搬入されており、シールキャップ219によって反応管203が気密に閉塞されている。
【0074】
制御部280による制御が開始されると、制御部280は、
図2に示す真空ポンプ246及びAPCバルブ244を作動して排気口230から反応管203の内部の雰囲気を排気する。さらに、制御部280は、回転機構267を制御し、ボート217及びウェハ200の回転を開始する。なお、この回転については、少なくとも、ウェハ200に対する処理が終了するまでの間は継続して行われる。
【0075】
図8に示す成膜シーケンスでは、第1の処理工程、第1の排出工程、第2の処理工程、及び第2の排出工程を1サイクルとし、この1サイクルを所定回数繰り返してウェハ200に対する成膜が完了する。そして、この成膜が完了すると、前述した動作の逆の手順により、ボート217が反応管203の内部から搬出される。さらに、ウェハ200は、図示しないウェハ移載機により、ボート217から移載棚のポッドに移載され、ポッドは、ポッド搬送機により、移載棚からポッドステージに移載され、外部搬送装置により、筐体の外部に搬出される。
【0076】
以下成膜シーケンスの1サイクルについて説明する。なお、成膜シーケンスが実行される前の状態では、バルブ330a、330b、330c、330d、330e、330f、330gは、閉じられている。
【0077】
-第1の処理工程-
制御部280による各部の制御によって、排気口230から反応管203の内部の雰囲気が排気されると、制御部280は、バルブ330b、330c、330dを開作動して、ガスノズル340cの噴射孔234cから第2原料ガスとしてシリコン(Si)ソースガスを噴射させる。さらに、ガスノズル340bの噴射孔234b、及びガスノズル340dの噴射孔234dからキャリアガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を噴射させる(
図8参照)。つまり、制御部280は、第二ノズル室222bに配置されているガスノズル340b、340c、340dの噴射孔234b、234c、234dから処理ガスを噴出せせる。
【0078】
また、制御部280は、バルブ330f、330eを開作動して、ガスノズル340a、340eの噴射孔234a、234eから逆流防止ガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を噴射させる。
【0079】
このとき、制御部280は、圧力センサ245から得られる圧力が一定になるように真空ポンプ246及びAPCバルブ244を作動して反応管203の内部の雰囲気を排気口230から排出し、反応管203の内部を負圧とする。これにより、第2原料ガスは、ウェハ200上を平行に流れた後、第一排気口236及び第二排気口237を通って間隙Sの上部から下部へ流れ、排気口230を介して排気管231から排気される。
【0080】
ここで、制御部280は、MFC320b、MFC320c、MFC320dによってガスの供給量を制御する。具体的には、制御部280は、噴射孔234bからキャリアガスを噴射させる供給量、及び噴射孔234dからキャリアガスを噴射させる供給量を、噴射孔234cから第2原料ガスを噴射させる供給量に対して夫々多くする。
【0081】
なお、本実施形態では、キャリアガスの供給量または流速の少なくとも一方を第2原料ガスのそれに対して多くする。ガスノズル340b、340dから供給されるキャリアガスの夫々の供給量は、原料ガスの供給量の0.1倍~500倍で良く、原料ガスの供給量より大きい方が好ましい。さらに、キャリアガスが処理室201へ供給されるときの流速は、原料ガスが処理室201へ供給されるときの流速に対して速いことが望ましい。例えば、1〔slm〕程度の大流量のキャリアガスは、10〔Pa〕の処理室201において10〔m/s〕程度の流速となる。
【0082】
また、噴射孔234b、234c、234dは、前述したように、ピンホール状とされており、噴射孔234b、234c、234dからの処理ガスの噴射方向は、同じ方向とされている。換言すれば、一対のガスノズル340b、340dの噴射孔234b、234dから夫々噴射されるキャリアガスの噴出方向と、ガスノズル340cの噴射孔234cから噴射される第2原料ガスの噴出方向とが並行になる。
【0083】
なお、流速の速い噴流を用いると、巨視的な移流(強制対流)によるガス流速と、拡散による移動速度の比を大きくすることができる。この比が1より大きくなると、処理室201の内部のガス置換は移流が支配的となり、より短時間でガスの置換が行われる。キャリアガスについても、処理時間を短くする観点から、この比を1より大きくすることが好ましい。
【0084】
一方で、従来構成のように、一のノズル室に一のノズルが配置される場合に噴流を用いると、レイノルズ数の増大に伴う渦や乱流によって、或いは供給スリット235の横幅の範囲において正の流速を確保できないことによって、ノズル室を出たガスが、再びノズル室に戻ることがある。そのとき、他のノズル室からのガスが混入することがある。
【0085】
-第1の排出工程-
所定時間経過して第1の処理工程が完了すると、制御部280は、バルブ330cを閉作動して、ガスノズル340cからの第2原料ガスの供給を停止する。また、制御部280は、バルブ330b、バルブ330dの開度を小さくし、ガスノズル340b、340dの噴射孔234b、234cから逆流防止ガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を噴射させる。さらに、制御部280は、バルブ330gを開作動して、ガスノズル340cの噴射孔234cから逆流防止ガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を噴射させる。
【0086】
また、制御部280は、真空ポンプ246及びAPCバルブ244を制御し、反応管203の内部の負圧の度合を大きくする等して、反応管203の内部の雰囲気を排気口230から排気する。これと同時に、制御部280は、バルブ330eを間欠的に大きく開放して、ガスノズル340eの噴射孔234eからパージガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を処理室201へ供給し、反応管203の内部に滞留しているガスを排気口230からパージアウトする。
【0087】
-第2の処理工程-
所定時間経過して第1の排出工程が完了すると、制御部280は、バルブ330aを開作動して、ガスノズル340aの噴射孔234aから第1原料ガスとしてアンモニア(NH3)ガスを噴射させる。さらに、制御部280は、バルブ330fを閉作動して、ガスノズル340aからの逆流防止ガスとしての不活性ガス(窒素ガス)の供給を停止する。
【0088】
また、制御部280は、バルブ330eの間欠動作を停止し、ガスノズル340eの噴射孔234eから逆流防止ガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を噴射させる。
【0089】
このとき、制御部280は、圧力センサ245から得られる圧力が一定になるように真空ポンプ246及びAPCバルブ244を作動して反応管203の内部の雰囲気を排気口230から排出し、反応管203の内部を負圧とする。
【0090】
これにより、第1原料ガスは、ウェハ200上を平行に流れた後、第一排気口236及び第二排気口237を通って間隙Sの上部から下部へ流れ、排気口230を介して排気管231から排気される。
【0091】
-第2の排出工程-
所定時間経過して第2の処理工程が完了すると、制御部280は、バルブ330aを閉作動して、ガスノズル340aからの第1原料ガスの供給を停止する。また、制御部280は、バルブ330fを開作動して、ガスノズル340aの噴射孔234aから逆流防止ガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を噴射させる。
【0092】
さらに、制御部280は、真空ポンプ246及びAPCバルブ244を制御し、反応管203の内部の負圧の度合を大きくして、反応管203の内部の雰囲気を排気口230から排気する。これと同時に、制御部280は、バルブ330eを間欠的に大きく開放して、ガスノズル340eの噴射孔234eからパージガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を処理室201へ供給し、反応管203の内部に滞留しているガスを排気口230からパージアウトする。
【0093】
前述したように、第1の処理工程、第1の排出工程、第2の処理工程、及び第2の排出工程を1サイクルとし、これを所定回数繰り返してウェハ200の処理が完了する。
【0094】
(まとめ)
以上説明したように、基板処理装置10では、第2原料ガスが流れるガスノズル340cが配置された第二ノズル室222bには、キャリアガスとしての不活性ガス(窒素ガス)が流れるガスノズル340b、340dも配置されている。さらに、ガスノズル340b、ガスノズル340c、ガスノズル340dと、ガス供給源360b、360c、360dとの間は、夫々ガス供給管310b、310c、310dによって独立に連通されている。
【0095】
このため、ガスノズル340bの噴射孔234bから噴射されるガスの供給量、ガスノズル340cの噴射孔234cから噴射されるガスの供給量、及びガスノズル340dの噴射孔234dから噴射されるガスの供給量を、夫々管理することができる。
【0096】
また、処理室201の周方向において、ガスノズル340cは、ガスノズル340bとガスノズル340dとの間に挟まれている。このため、原料ガスとキャリアガスとが、同じガスノズルの同じ噴射孔から処理室に向けて噴射される場合と比して、ウェハ200に形成される膜の膜厚のばらつきを抑制することができる。
【0097】
また、ガス供給管310b、310c、310dには、MFC320b、320c、320dが夫々設けられている。このため、ガスノズル340bの噴射孔234bから噴射されるガスの供給量、ガスノズル340cの噴射孔234cから噴射されるガスの供給量、及びガスノズル340dの噴射孔234dから噴射されるガスの供給量のバランスを、制御することができる。そこで、夫々のガス供給管にMFCが夫々設けられていない場合と比して、ウェハ200に形成される膜の膜厚のばらつきを抑制することができる。
【0098】
また、制御部280は、MFC320b、320c、320dを制御することで、噴射孔234bからキャリアガスが噴射される供給量、及び噴射孔234cからキャリアガスを噴射させる供給量を、噴射孔234cから原料ガスが噴射される供給量に対して、夫々多くする。このように、第二ノズル室222bから、原料ガスと、原料ガスを挟むように原料ガスに対して供給量が多いキャリアガスとを流すことで、キャリアガスが原料ガスの拡散を防ぎ、原料ガスがウェハ200の中心まで届く(
図1の矢印参照)。このため、キャリアガスの供給量が原料ガスの供給量に対して少ない場合と比して、ウェハ200に形成される膜の膜厚のばらつきを抑制することができる。
【0099】
また、一対のガスノズル340b、340dの噴射孔234b、234dから夫々噴射されるキャリアガスの噴出方向と、ガスノズル340cの噴射孔234cから噴射される原料ガスの噴出方向とが実質的に平行になるように噴射孔234b、234c、234dが、ガスノズル340b、340c、340dに夫々形成されている。実質的に平行は、夫々の噴射方向がウェハの中心を向くように、平行からわずかに内向きに傾いた状態を含む。
【0100】
これにより、噴射孔234b、234c、234dから噴射されるガスは、噴流(好ましくは層流噴流)を形成する。また、噴射孔234b、234dからの平行な噴流は、互いを引き寄せて誘引作用(コアンダ効果)が生じるため、一旦収束する(噴流の間隔が狭くなる)。これにより、その間に挟まれた原料ガスの速度分布の広がりが抑えられることで、原料ガスがウェハ200の中心まで効果的に届く。このため、噴射方向が夫々異なる場合と比して、ウェハ200に形成される膜の膜厚のばらつきを抑制することができる。また噴射孔234b、234dから噴射される不活性ガスの流速が十分速ければ、原料ガスも不活性ガスと一緒に運ばれるため、原料ガスの噴射時の初速は低くてよい。その場合、噴射孔234cの開口は噴射孔234b等に比して、大きくすることができる。噴射孔234cは例えば、複数のウェハ200に亘って連続的に開口する縦長スリットとすることができる。
【0101】
第2原料ガスは、しばしば、第1原料ガスよりも分解し易い若しくは反応性が高く、第1原料ガスと同じ方法ではウェハ200の全体に亘って良子な均一性で供給することが困難な場合がある。輻射によって加熱されることのない大流量の窒素ガスをガスノズル340b、340dから供給することは、第2原料ガスの温度を下げ分解を抑制し、均一な供給に寄与しうる。
【0102】
<変形例1>
次に、変形例1に係る基板処理装置510の一例を
図9に従って説明する。なお、変形例1については、最初に説明した実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0103】
図9に示されるように、基板処理装置510では、基板処理装置10と同様に、第二ノズル室222bには、第2原料ガスが流れるガスノズル340cと、ガスノズル340cを挟むと共に不活性ガスが流れる一対のガスノズル340b、340dとが配置されている。
【0104】
この構成において、基板処理装置510の制御部580は、成膜シーケンスの第1の処理工程において、バルブ330b、330c、330d(
図2参照)を開作動する。そして、制御部580は、ガスノズル340cの噴射孔234cから第2原料ガスとしてシリコン(Si)ソースガスを噴射させ、ガスノズル340bの噴射孔234b、及びガスノズル340dの噴射孔234dから逆流防止ガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を噴射させる(
図9の矢印参照)。具体的に、ガスノズル340bの噴射孔234b、及びガスノズル340dの噴射孔234dから噴射される不活性ガス(窒素ガス)の流量を、処理室201の内部へ供給された第1及び第2の原料ガスが第二ノズル室222bに流入するのを防ぐために必要な最小の量とする。
【0105】
つまり、一対のガスノズル340b、340dの噴射孔234b、234dから、噴流ではなく十分少ない流量(例えば第2原料ガスの流量の1倍未満)で、不活性ガス(窒素ガス)を噴射させることで、供給スリット235bの両側部付近において処理室201へ向かう層流(例えばレイノルズ数が1以下)を形成させる。これにより、第二ノズル室222bから出たガスが再び第二ノズル室222bに流入する帰還流を防ぐことができる。
【0106】
この結果、第二ノズル室222bの内部でのパーティクルが発生するのを抑制することができる。帰還流の抑制は更に、帰還流に混入した、処理室201内の他の原料ガス等が第二ノズル室222b内に流入または拡散するのを防ぐので、パーティクルの抑制につながる。
【0107】
また、実施形態に比してガスノズル340b、340dからの不活性ガスの供給量が格段に少ないので、第2原料ガスの希釈が抑制され、或いは第2原料ガスの供給中(第1の処理工程)における物質輸送が主に拡散によって行われることにより、ある種のプロセスにおいてはウェハ200に形成される膜の膜厚のばらつきを抑制することができる。
【0108】
<変形例2>
次に、変形例2に係る基板処理装置610の一例を
図10、
図11に従って説明する。なお、変形例2については、最初に説明した実施形態と異なる部分を主に説明する。基板処理装置610は、実施形態の第一ノズル室222aに対応する第一ノズル室622aと、実施形態の第二ノズル室222bに対応する第二ノズル室622bと、実施形態の第三ノズル室222cに対応する第三ノズル室622cとを備えている。
【0109】
そして、処理室201の周方向の長さについては、第一ノズル室622aの周方向の長さ、第二ノズル室622bの周方向の長さ、及び第三ノズル室622cの周方向の長さが、同様の長さとされている。第一ノズル室622a、第二ノズル室622b、及び第三ノズル室622cは、供給室の一例である。
【0110】
(第二ノズル室622b)
図10、
図11に示されるように、第二ノズル室622bには、上端部で折り返したU字状のガスノズル640cが配置されている。さらに、ガスノズル640cには、上下方向に延びている一対の噴射孔634c、634dが形成されている。具体的には、噴射孔634c、634dは、ガスノズル640cの上下方向に延びる部分に夫々形成されている。また、噴射孔634c、634dが上下方向で形成されている範囲は、ウェハ200が上下方向で配置されている範囲を上下方向で覆っている。さらに、一対の噴射孔634c、634dは、供給スリット235bと夫々対向するように形成されている。
【0111】
また、ガスノズル640cを支持するノズル支持部650cには、ガス供給管610cが接続されている。ガス供給管610cには、ガスの流れ方向において上流側から順に、第2原料ガス(シリコンソースガス)を供給する原料ガス供給源660c、MFC620c、及び開閉弁であるバルブ630cが夫々設けられている。
【0112】
さらに、ガス供給管610cのバルブ630cよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管610dが接続されている。ガス供給管610dには、上流方向から順に、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源660d、MFC620d、及びバルブ630dが夫々設けられている。
【0113】
(第一ノズル室622a)
図10、
図11に示されるように、第一ノズル室622aには、ガスノズル640aと、ガスノズル640aに対して第二ノズル室622b側に位置するガスノズル640bとが配置されている。さらに、ガスノズル640aには、ピンホール状の噴射孔634aが、上下方向に並んで同様の間隔で複数形成されている。また、噴射孔634aが上下方向で形成されている範囲は、ウェハ200が上下方向で配置されている範囲を上下方向で覆っている。さらに、噴射孔634aは、供給スリット235aと夫々対向するように形成されている。
【0114】
また、ガスノズル640aを支持するノズル支持部650aには、ガス供給管610aが接続されている。ガス供給管610aには、ガスの流れ方向において上流側から順に、第1原料ガス(アンモニアガス)を供給する原料ガス供給源660a、MFC620a、及び開閉弁であるバルブ630aが夫々設けられている。
【0115】
さらに、ガス供給管610aのバルブ630aよりも下流側には、不活性ガス(窒素ガス)を供給するガス供給管610mが接続されている。ガス供給管610mには、上流方向から順に、不活性ガス(窒素ガス)を供給する不活性ガス供給源660m、MFC620m、及びバルブ630mが夫々設けられている。
【0116】
これに対して、ガスノズル640bには、ピンホール状の噴射孔634bが、上下方向の上方部分、及び下方部分に、上下方向に並んで複数形成されている。また、ガスノズル640bの上方部分に形成されている噴射孔634bは、最上位のウェハ200が配置されている範囲を上下方向で覆っている。さらに、ガスノズル640bの下方部分に形成されている噴射孔634bは、最下位のウェハ200が配置されている範囲を上下方向で覆っている。また、噴射孔634bは、供給スリット235aと夫々対向するように形成されている。
【0117】
さらに、ガスノズル640bを支持するノズル支持部650bには、ガス供給管610bが接続されている。ガス供給管610bには、ガスの流れ方向において上流側から順に、不活性ガス(窒素ガス)を供給する不活性ガス供給源660b、MFC620b、及び開閉弁であるバルブ630bが夫々設けられている。
【0118】
(第三ノズル室622c)
図10、
図11に示されるように、第三ノズル室622cには、ガスノズル640eと、ガスノズル640eに対して第二ノズル室622b側に位置するガスノズル640fとが配置されている。さらに、ガスノズル640eには、ピンホール状の噴射孔634eが、上下方向に並んで同様の間隔で複数形成されている。また、噴射孔634eが上下方向で形成されている範囲は、ウェハ200が上下方向で配置されている範囲を上下方向で覆っている。さらに、噴射孔634eは、供給スリット235cと夫々対向するように形成されている。
【0119】
さらに、ガスノズル640eを支持するノズル支持部650eには、ガス供給管610eが接続されている。ガス供給管610eには、ガスの流れ方向において上流側から順に、第1原料ガス(アンモニアガス)を供給する原料ガス供給源660e、MFC620e、及び開閉弁であるバルブ630eが夫々設けられている。
【0120】
また、ガス供給管610eのバルブ630eよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管610nが接続されている。ガス供給管610nには、上流方向から順に、不活性ガス(窒素ガス)を供給する不活性ガス供給源660n、MFC620n、及びバルブ630nが夫々設けられている。
【0121】
これに対して、ガスノズル640fには、ピンホール状の噴射孔634fが、上下方向の上方部分、及び下方部分に、上下方向に並んで複数形成されている。また、ガスノズル640fの上方部分に形成されている噴射孔634fは、最上位のウェハ200が配置されている範囲を上下方向で覆っている。さらに、ガスノズル640fの下方部分に形成されている噴射孔634fは、最下位のウェハ200が配置されている範囲を上下方向で覆っている。また、噴射孔634fは、供給スリット235cと夫々対向するように形成されている。
【0122】
さらに、ガスノズル640fを支持するノズル支持部650fには、ガス供給管610fが接続されている。ガス供給管610fには、ガスの流れ方向において上流側から順に、不活性ガス(窒素ガス)を供給する不活性ガス供給源660f、MFC620f、及び開閉弁であるバルブ630fが夫々設けられている。
【0123】
(作用)
基板処理装置610の制御部680は、成膜シーケンスの第1の処理工程において、バルブ630c、630dを開作動して、ガスノズル640cの噴射孔634c、634dから第2原料ガスとしてシリコンソースガスを噴射させる。
【0124】
さらに、成膜シーケンスの第2の処理工程において、バルブ630a、630eを開作動して、ガスノズル640a、640eの噴射孔634a、634eから第1原料ガスとしてアンモニアガスを噴射させる。さらに、制御部680は、バルブ630b、630fを開作動して、ガスノズル640b、640fの噴射孔634b、634fから不活性ガス(窒素ガス)を噴射させる。
【0125】
ここで、噴射孔634a、634eから噴射されるアンモニアガスが、上下方向に並べられたウェハ200の最上位部分、及び最下位部分で余剰となることがある。このような場合は、予め入手した余剰となるガス量の情報に基づいて、制御部680は、バルブ630b、630fの開度を制御する。
【0126】
これにより、ウェハ200の最上位部分、及び最下位部分で余剰となったアンモニア(NH3)ガスが、噴射孔634b、634fから噴射された不活性ガス(窒素ガス)によって希釈される。余剰のアンモニア(NH3)ガスが希釈されることで、上下方向に並べられたウェハ200へ供給されるアンモニアガスの供給量のばらつきを抑制することができる。
【0127】
また、上下方向に並べられたウェハ200へ供給されるアンモニアガスの供給量のばらつきが抑制されることで、上下方向に並べられたウェハ200に形成される膜の膜厚のばらつきを抑制することができる。
【0128】
<変形例3>
次に、実施形態の変形例3に係る基板処理装置710の一例を
図12、
図13に従って説明する。なお、変形例3については、最初に説明した実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0129】
図12(A)(B)、
図13に示されるように、基板処理装置710の第二ノズル室222bには、上下方向に延びている2本のガスノズル740b、740cが配置されている。
【0130】
具体的には、ガスノズル740bと、ガスノズル740cとで二重管ノズルが形成されており、ガスノズル740cは、ガスノズル740bの内部に収容されている。
【0131】
ガスノズル740bの長手方向に直交する断面の形状は、処理室201の周方向に延びている長円筒状とされており、ガスノズル740cの長手方向に直交する断面の形状は、円筒状とされている。
【0132】
ガスノズル740bにおいて、処理室201の周方向の両側部分には、
図12(A)に示されるように、ピンホール状の噴射孔734bが夫々形成されている。具体的には、噴射孔734bは、上方から見て、ガスノズル740bの壁面に対して傾斜する方向に形成されている。この噴射孔734bは、上下方向に並んで同様の間隔で複数形成されている。また、噴射孔734bが上下方向で形成されている範囲は、ウェハ200が上下方向で配置されている範囲を上下方向で覆っている。さらに、噴射孔734bは、供給スリット235bと夫々対向するように形成されている。
【0133】
ガスノズル740cは、ガスノズル740bの内周面と隙間を空けて配置されており、ガスノズル740cには、ピンホール状の噴射孔734cが複数形成されている。この噴射孔734cは、上下方向に並んで同様の間隔で複数形成されている。また、噴射孔734cが上下方向で形成されている範囲は、ウェハ200が上下方向で配置されている範囲を上下方向で覆っている。
【0134】
さらに、ガスノズル740bの壁面において、ピンホール状の噴射孔734cと対向する位置には、ピンホール状の噴射孔734dが形成されている。また、噴射孔734c、734dは、供給スリット235bと夫々対向するように形成されている。さらに、噴射孔734cと、噴射孔734dとを連通させる連通管742が複数設けられている。
【0135】
また、
図13に示されるように、ガスノズル740b、740cを支持する支持部750bには、ガスノズル740bの内周面とガスノズル740cの外周面との間に形成された空間に連通するガス供給管710bが接続されている。ガス供給管710bには、ガスの流れ方向において上流側から順に、不活性ガス(窒素ガス)を供給する不活性ガス供給源760b、MFC720b、及び開閉弁であるバルブ730bが夫々設けられている。
【0136】
さらに、支持部750bには、ガスノズル740cの内部に連通するガス供給管710cが接続されている。ガス供給管710cには、ガスの流れ方向において上流側から順に、第2原料ガス(シリコンソースガス)を供給する原料ガス供給源760c、MFC720c、及び開閉弁であるバルブ730cが夫々設けられている。
【0137】
この構成において、前述したように、ガスノズル740bの噴射孔734bは、上方から見て、ガスノズル740bの壁面に対して傾斜する方向に形成されている。このため、噴射孔734bから噴射されるアシストガスとしての不活性ガスの乱流が軽減されることで、アシストガスと、第2原料ガスとの混合を抑制することができる。
【0138】
また、アシストガスと原料ガスとの混合が抑制されることで、原料ガスがウェハ200の中心まで届き、ウェハ200に形成される膜の膜厚のばらつきを抑制することができる。
【0139】
<変形例4>
次に、変形例4に係る基板処理装置810の一例を
図14に従って説明する。なお、変形例4については、最初に説明した実施形態と異なる部分を主に説明する。
【0140】
図14に示されるように、基板処理装置810の第二ノズル室222bには、上端部で折り返したU字状のガスノズル840cが配置されている。
【0141】
このガスノズル840cには、ピンホール状の噴射孔834c、834dが複数形成されている。具体的には、ガスノズル840cは、上下方向に延びる一対の延設部842c、842dを有する。そして、延設部842cには、ピンホール状の噴射孔834cが、上下方向に並んで同様の間隔で複数形成されている。また、噴射孔834cが上下方向で形成されている範囲は、ウェハ200が上下方向で配置されている範囲を上下方向で覆っている。さらに、噴射孔834cは、供給スリット235b(
図1、
図6参照)と夫々対向するように形成されている。
【0142】
また、延設部842dには、ピンホール状の噴射孔834dが、上下方向に並んで同様の間隔で複数形成されている。さらに、噴射孔834dが上下方向で形成されている範囲は、ウェハ200が上下方向で配置されている範囲と上下方向で覆っている。また、噴射孔834dは、供給スリット235b(
図1、
図6参照)と夫々対向するように形成されている。
【0143】
延設部842cを支持するノズル支持部850cには、ガス供給管810cが接続されている。ガス供給管810cには、ガスの流れ方向において上流側から順に、第2原料ガス(シリコンソースガス)を供給する原料ガス供給源860c、MFC820c、及び開閉弁であるバルブ830cが夫々設けられている。さらに、ガス供給管810cのバルブ830cよりも下流側には、不活性ガスを供給するガス供給管810gが接続されている。ガス供給管810gには、上流方向から順に、不活性ガス(窒素ガス)を供給する不活性ガス供給源860g、MFC820g、及びバルブ830gが夫々設けられている。
【0144】
これに対して、延設部842dを支持するノズル支持部850dには、ガス供給管810dが接続されている。ガス供給管810dには、ガスの流れ方向において上流側から順に、第2原料ガス(シリコンソースガス)を供給する原料ガス供給源860d、MFC820d、及び開閉弁であるバルブ830dが夫々設けられている。さらに、ガス供給管810dのバルブ830dよりも下流側には、処理ガスを外部に排出するためのガス排出管810hが接続されている。ガス排出管810hには、バルブ830hが設けられ、その先は真空ポンプ246に接続されている。
【0145】
この構成において、基板処理装置810の制御部880は、成膜シーケンスの第1の処理工程において、バルブ830c、830d、830g、830hを制御し、ガスノズル840cの噴射孔834c、834dから原料ガスとしてシリコン(Si)ソースガスと、アシストガスとしての不活性ガス(窒素ガス)を噴射させることができる。或いは、ガスノズル840c内を不活性ガスでパージすることができる。その場合、ガスノズル840c内のガスは、その一部がパージは噴射孔834c、834dから漏れ、残りの大部分が処理室を経ずに排気されるよう、ガス排出管810hのコンダクタンス等が設計される。変形例4の構成は、一のノズル室に対し、独立に流量を制御可能な複数のガス供給管が設けられている点において、冒頭の実施形態やその変形例と同じである。
【0146】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上述の実施形態およびその変形例では、内管12の周壁に供給スリット235bを形成することで、第二ノズル室222bと処理室201とを連通させたが、例えば、
図15に示される変形例5ように、スリットを上下方向で繋いだ大きな開口238を内管12の周壁に形成することで、第二ノズル室222bと処理室201とを連通させてもよい。
【0147】
また、上記実施形態では、特に説明しなかったが、原料ガスとして、ハロシラン系ガスを用いることができる。ハロシラン系ガスとしては、例えば、SiおよびClを含む原料ガス、すなわち、クロロシラン系ガスを用いることができる。また、クロロシラン系ガスは、Siソースとして作用する。クロロシラン系ガスとしては、例えば、ヘキサクロロジシラン(Si2Cl6、略称:HCDS)ガスを用いることができる。
【0148】
(本発明の好ましい態様)
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
複数の基板を軸方向に並んだ状態で保持する基板保持具と、
前記基板保持具を収容する前記軸方向に延びた円柱状の処理室が形成された管状の管部材であって、前記処理室内の流体を外部に排出するための排出部と、前記排出部とは周方向で異なる位置で前記基板を処理する処理ガスを前記処理室へ供給するための複数の供給孔とが形成された管部材と、
前記管部材の外周面側で前記処理室の周方向に並んで複数形成されると共に前記供給孔によって前記処理室と連通する供給室を区画する区画部材と、
複数の前記供給室に夫々配置され、内部を流れる前記処理ガスを、前記供給孔を通して前記処理室の内部へ噴射する噴射孔が周面に形成され、前記軸方向に延びたガスノズルと、
夫々の前記ガスノズルと夫々のガス供給源との間を夫々連通させる複数のガス供給管と、を備え、
前記供給室は、第1ノズル室と第2ノズル室を含み、
前記処理ガスは前記基板に形成される膜の原料となる原料ガスを含んでおり、前記原料ガスが流れるガスノズルが配置された第2ノズル室には、他の処理ガスが流れるガスノズルが配置されている基板処理装置。
(付記2)
付記1の基板処理装置であって、前記原料ガスが流れるガスノズル及び前記他の処理ガスが流れるガスノズルと連通する前記ガス供給管には、処理ガスの流量を制御する流量制御器が夫々設けられている。
(付記3)
付記1又は付記2に記載の基板処理装置であって、前記他の処理ガスは、噴射された原料ガスをアシストするキャリアガスを含んでおり、
前記第2ノズル室には、原料ガスが流れるガスノズルと、キャリアガスが流れる一対のガスノズルが配置されており、前記周方向において、原料ガスが流れる前記ガスノズルが、キャリアガスが流れる一対の前記ガスノズルに挟まれている。
(付記4)
付記2を引用する付記3に記載の基板処理装置であって、前記流量制御器を制御して、キャリアガスが流れる一対の前記ガスノズルの前記噴射孔から夫々噴射されるキャリアガスの流量若しくは流速を、原料ガスが流れる前記ガスノズルの前記噴射孔から噴射される原料ガスのそれと比して多くする。
(付記5)
付記4に記載の基板処理装置であって、キャリアガスが流れる一対の前記ガスノズルの前記噴射孔から夫々噴射されるキャリアガスの噴出方向と、原料ガスが流れる前記ガスノズルの前記噴射孔から噴射される原料ガスの噴出方向とが実質的に平行になるように前記噴射孔が前記ガスノズルに形成されている。
(付記6)
付記1~5の何れか1に記載の基板処理装置であって、前記他の処理ガスは、噴射された原料ガスをアシストするキャリアガスを含んでおり、
前記第1ノズル室には、原料ガスが流れるガスノズルと、キャリアガスが流れるガスノズルが配置されており、
原料ガスが流れる前記ガスノズルには、前記軸方向に渡って満遍なく前記噴射孔が形成され、キャリアガスが流れる前記ガスノズルには、上端側の部分、及び下端側の部分にのみ前記噴射孔が形成されている。
(付記7)
付記1~6の何れか1に記載の基板処理装置であって、前記処理ガスは、噴射された原料ガスをアシストするキャリアガスを含んでおり、
前記第2ノズル室には、原料ガスが流れる前記ガスノズルと、前記ガスノズルを内部に収容されると共にキャリアガスが流れるガスノズルとが配置されており、
原料ガスが流れる前記ガスノズルの内部と、キャリアガスが流れる前記ガスノズルの外部とを連通させ、外部に噴射される原料ガスが流れる複数の連通管を備える。
(付記8)
付記2を引用する付記3に記載の基板処理装置であって、前記流量制御器を制御して、キャリアガスが流れる一対の前記ガスノズルの前記噴射孔から夫々噴射されるキャリアガスの流量を微量とする。
【符号の説明】
【0149】
10 基板処理装置
12 内管(管部材の一例)
18a 第一仕切(区画部材の一例)
18b 第二仕切(区画部材の一例)
18c 第三仕切(区画部材の一例)
18d 第四仕切(区画部材の一例)
20 天板
200 ウェハ(基板の一例)
201 処理室
217 ボート(基板保持具の一例)
222a 第一ノズル室(供給室の一例)
222b 第二ノズル室(供給室の一例)
222c 第三ノズル室(供給室の一例)
234a~234e 噴射孔
235a~ 235c 供給スリット(供給孔の一例)
236 第一排気口(排出部の一例)
237 第二排気口(排出部の一例)
310a~310g ガス供給管
320a~ 320g MFC(流量制御器の一例)
340a~340e ガスノズル
360a 原料ガス供給源
360b 不活性ガス供給源
360c 原料ガス供給源
360d~360g 不活性ガス供給源