(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】フォルダブルバックプレート、フォルダブルバックプレートの製造方法およびこれを含むフォルダブルディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
B32B 27/34 20060101AFI20220712BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20220712BHJP
C09J 7/38 20180101ALI20220712BHJP
C09J 7/25 20180101ALI20220712BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220712BHJP
【FI】
B32B27/34
B32B27/00 M
C09J7/38
C09J7/25
G09F9/00 342
(21)【出願番号】P 2020556766
(86)(22)【出願日】2019-11-11
(86)【国際出願番号】 KR2019015229
(87)【国際公開番号】W WO2020105923
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2020-11-10
(31)【優先権主張番号】10-2018-0145357
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヒー
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒョン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン チョル
【審査官】石塚 寛和
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-529987(JP,A)
【文献】特開2004-269675(JP,A)
【文献】特開2007-266558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
C09J 7/00-7/50
G09F 9/00、9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイミド(PI、Polyimide)基材と、
前記ポリイミド基材の一面に備えられた第1粘着層と、
前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が接する面の反対面に備えられた第2粘着層とを含むフォルダブルバックプレートであって、
前記ポリイミド基材の20℃での貯蔵弾性率(G1)が下記式1を満足し、
前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上であり、
前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上であるフォルダブルバックプレート:
[式1]
1GPa≦G1≦5GPa
【請求項2】
前記第1粘着層および前記第2粘着層の-30℃での貯蔵弾性率はG2であり、
前記第1粘着層および前記第2粘着層の60℃での貯蔵弾性率はG3であり、
前記G2およびG3は下記式2および式3を満足するものである、請求項1に記載のフォルダブルバックプレート:
[式2]
1×10
4Pa≦G2≦1×10
6Pa
[式3]
1×10
4Pa≦G3≦1×10
6Pa
【請求項3】
前記第1粘着層および前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接するそれぞれの面の23℃で2時間放置後の初期粘着力(gf/inch)はA1であり、60℃/湿度90%での20日放置後の後期粘着力(gf/inch)はA2であり、
前記A1およびA2は下記式4を満足するものである、請求項1または2に記載のフォルダブルバックプレート:
[式4]
A1×0.8≦A2
【請求項4】
前記ポリイミド基材の20℃での破断伸び率(elongation at break)が20%以上200%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項5】
前記ポリイミド基材の200℃での熱収縮率が0.1%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項6】
前記ポリイミド基材の厚さは10μm以上150μm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項7】
前記第1粘着層および第2粘着層のそれぞれの厚さは10μm以上100μm以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項8】
前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第1離型フィルムと、
前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第2離型フィルムとをさらに含むフォルダブルバックプレートであって、
前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下であり、
前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低いものである、請求項1から7のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項9】
前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は23℃で15gf/inch以下である、請求項8に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項10】
前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムのそれぞれの厚さは10μm以上150μm以下である、請求項8または9に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項11】
前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムは、シリコーン系である、請求項8から10のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項12】
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は500V以下の条件で10
10Ω/sq以下である、請求項8から11のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレート。
【請求項13】
ポリイミド(PI、Polyimide)基材の一面に第1粘着層をコーティングするステップと、
前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に、第1離型フィルムをラミネーション(lamination)するステップと、
第2離型フィルムの一面に第2粘着層をコーティングするステップと、
前記第2粘着層の前記第2離型フィルムが接する面の反対面を、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が形成された面の反対面にラミネーション(lamination)するステップとを含むフォルダブルバックプレートの製造方法であって、
前記ポリイミド基材の20℃での貯蔵弾性率(G1)が下記式1を満足し、
前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下であり、
前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低いものであるフォルダブルバックプレートの製造方法:
[式1]
1GPa≦G1≦5GPa
【請求項14】
前記第1粘着層および前記第2粘着層をコーティングするステップは、直接コーティングである、請求項13に記載のフォルダブルバックプレートの製造方法。
【請求項15】
請求項1~7のいずれか1項に記載のフォルダブルバックプレートを含むフォルダブルディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年11月22日付で韓国特許庁に出願された韓国特許出願第10-2018-0145357号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、フォルダブルバックプレート、フォルダブルバックプレートの製造方法およびこれを含むフォルダブルディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、ディスプレイ関連技術の発達に伴い、折り畳んだり、ロール(Roll)状に巻き取ったり、ゴム紐のように伸ばすなど、使用段階で変形可能なディスプレイ装置が研究および開発されている。これらのディスプレイは多様な形態に変形可能なため、使用段階でのディスプレイの大型化の要求と携帯のためのディスプレイの小型化の要求をすべて満足させることができる。
【0004】
変形可能なディスプレイ装置は、予め設定された形態に変形できるだけでなく、使用者の要求に応じて、またはディスプレイ装置が用いられる状況の必要に合わせて多様な形態に変形できる。したがって、ディスプレイの変形した形態を認識し、認識した形態に対応してディスプレイ装置を制御する必要がある。
【0005】
一方、変形可能なディスプレイ装置は変形によってディスプレイ装置の各構成が損傷する問題があるため、このようなディスプレイ装置の各構成はフォールディング(Folding)信頼性および安定性を満足しなければならない。
【0006】
特に最近は、ディスプレイの薄膜化のためにフレキシブル(Flexible)基板が主に用いられており、フレキシブル基板が用いられた表示パネルは薄すぎるため、表示パネルを支持可能なバックプレートをフレキシブル基板の下部に付着させて用いている。
【0007】
フォルダブルディスプレイは折り畳んでは広げる動作が伴うため、フォルダブルディスプレイの基板の下部に動作のガイドラインになる支持体を付着させる過程が必須である。既存のディスプレイ用バックプレートの場合、基材の断面に粘着剤がコーティングされていて、下部にガイドラインになる支持体を付着させるために、追加的に粘着剤または接着剤を形成する過程が必要である。
【0008】
したがって、フォルダブルディスプレイに用いられバックプレートに支持体を付着させる工程が簡便で安価なフォルダブルバックプレートの研究が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本出願は、フォルダブルバックプレート、フォルダブルバックプレートの製造方法およびこれを含むフォルダブルディスプレイ装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願の一実施態様において、ポリイミド(PI、Polyimide)基材と、前記ポリイミド基材の一面に備えられた第1粘着層と、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が接する面の反対面に備えられた第2粘着層とを含むフォルダブルバックプレートであって、前記ポリイミド基材の20℃での貯蔵弾性率(G1)が下記式1を満足し、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上であり、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上であるフォルダブルバックプレートを提供する。
[式1]
1GPa≦G1≦5GPa
【0012】
他の実施態様は、ポリイミド(PI、Polyimide)基材と、前記ポリイミド基材の一面に備えられた第1粘着層と、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が接する面の反対面に備えられた第2粘着層と、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第1離型フィルムと、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第2離型フィルムとを含むフォルダブルバックプレートであって、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下であり、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低いものであるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0013】
さらに他の実施態様は、ポリイミド(PI、Polyimide)基材を用意するステップと、前記ポリイミド基材の一面に第1粘着層をコーティングするステップと、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に、第1離型フィルムをラミネーション(lamination)するステップと、第2離型フィルムを用意するステップと、前記第2離型フィルムの一面に第2粘着層をコーティングするステップと、前記第2粘着層の前記第2離型フィルムが接する面の反対面を、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が形成された面の反対面にラミネーション(lamination)するステップとを含むフォルダブルバックプレートの製造方法であって、前記ポリイミド基材の20℃での貯蔵弾性率(G1)が下記式1を満足し、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下であり、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低いものであるフォルダブルバックプレートの製造方法を提供する。
[式1]
1GPa≦G1≦5GPa
【0014】
最後に、本出願の一実施態様において、本出願に係るフォルダブルバックプレートを含むフォルダブルディスプレイ装置を提供しようとする。
【発明の効果】
【0015】
本出願の一実施態様に係るフォルダブルバックプレートは、バックプレート基材の両面に第1粘着層および第2粘着層を同時に有することで、バックプレートをフレキシブル基板の表示パネル上に接着させると同時に、追加の接着剤または粘着剤の形成工程なしに反対面に支持体を付着させることができる特徴を有する。
【0016】
また、本出願に係るフォルダブルバックプレートは、第1粘着層および第2粘着層にそれぞれ第1離型フィルムおよび第2離型フィルムを備え、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低く形成されることで、バックプレート基材をフレキシブル基板の表示パネルに接着させる時、第1離型フィルムを除去しても第2離型フィルムの浮き上がり現象が発生せず、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下の値を有することで、バックプレート基材に支持体を付着させるために第2離型フィルムを除去する時にも表示パネルの損傷を防止できる特徴を有する。
【0017】
さらに、本発明に係るフォルダブルバックプレートの製造方法は、バックプレート基材に第1粘着層を直接コーティング後、第1離型フィルムをラミネーションして工程ステップを減少させることができ、フィルムの使用量を減少させることができ、直接コーティング方式を用いてバックプレート基材との密着性も増加させることができる特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本出願の一実施態様に係るフォルダブルバックプレートの積層構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本明細書についてさらに詳細に説明する。
【0020】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0021】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付した図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0022】
本出願の一実施態様において、ポリイミド(PI、Polyimide)基材と、前記ポリイミド基材の一面に備えられた第1粘着層と、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が接する面の反対面に備えられた第2粘着層とを含むフォルダブルバックプレートであって、前記ポリイミド基材の20℃での貯蔵弾性率(G1)が下記式1を満足し、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上であり、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上であるフォルダブルバックプレートを提供する。
[式1]
1GPa≦G1≦5GPa
【0023】
本出願の一実施態様に係るフォルダブルバックプレートは、バックプレート基材の両面に第1粘着層および第2粘着層を同時に有することで、バックプレートをフレキシブル基板の表示パネル上に接着させると同時に、追加の接着剤または粘着剤の形成工程なしに反対面に支持体を付着させることができる特徴を有する。
【0024】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上であってもよい。
【0025】
他の実施態様において、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上、好ましくは550gf/inch以上、さらに好ましくは700gf/inch以上であってもよい。
【0026】
さらに他の実施態様において、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が2500gf/inch以下、好ましくは2300gf/inch以下、さらに好ましくは2000gf/inch以下であってもよい。
【0027】
本出願の一実施態様において、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上であってもよい。
【0028】
他の実施態様において、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が500gf/inch以上、好ましくは550gf/inch以上、さらに好ましくは700gf/inch以上であってもよい。
【0029】
さらに他の実施態様において、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力が2500gf/inch以下、好ましくは2300gf/inch以下、さらに好ましくは2000gf/inch以下であってもよい。
【0030】
前記第1粘着層および前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面をポリイミド(PI、Polyimide)に対して接合後の23℃で2時間放置後の粘着力は、180゜の角度および2400mm/分の剥離速度でテクスチャーアナライザー(Texture analyzer(Stable Micro Systems社))を用いて測定し、本発明により製造されたフォルダブルバックプレートを23℃でそれぞれ測定した値である。
【0031】
本出願の一実施態様において、前記G1は1GPa≦G1≦5GPaであり、好ましくは1.5GPa≦G1≦4GPa、さらに好ましくは2GPa≦G1≦4GPaであってもよい。
【0032】
本出願に係るポリイミド基材が前記G1の範囲を満足することにより、後にフォルダブルディスプレイのバックプレートに適用される場合、数回フォールディングを繰り返しても信頼性が維持され、フォールディング時に発生するストレス(stress)値を最小化し、表示パネルを支持可能な程度の硬度を満足できる特徴を有する。
【0033】
本出願の一実施態様は、ポリイミド(PI、Polyimide)基材と、前記ポリイミド基材の一面に備えられた第1粘着層と、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が接する面の反対面に備えられた第2粘着層と、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第1離型フィルムと、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第2離型フィルムとを含むフォルダブルバックプレートであって、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下であり、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低いものであるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0034】
また、本出願に係るフォルダブルバックプレートは、第1粘着層および第2粘着層にそれぞれ第1離型フィルムおよび第2離型フィルムを備え、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低く形成されることで、バックプレート基材をフレキシブル基板の表示パネルに接着させる時、第1離型フィルムを除去しても第2離型フィルムの浮き上がり現象が発生せず、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下の値を有することで、バックプレート基材に支持体を付着させるために第2離型フィルムを除去する時にも表示パネルの損傷を防止できる特徴を有する。
【0035】
図1は、本出願に係るフォルダブルバックプレートの積層構造を示すもので、具体的には、ポリイミド(PI、Polyimide)基材103の両面に第1粘着層102および第2粘着層104がそれぞれ備えられ、第1粘着層の一面に第1離型フィルム101、および第2粘着層の一面に第2離型フィルム105が備えられることを確認することができる。また、前記フォルダブルバックプレートが後にフォルダブルディスプレイ装置に適用される場合、前記第1離型フィルム101および前記第2離型フィルム105は除去可能である。
【0036】
本出願の一実施態様において、前記ポリイミド基材の20℃での破断伸び率(elongation at break)が20%以上200%以下であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0037】
他の実施態様において、前記ポリイミド基材の20℃での破断伸び率(elongation at break)が20%以上200%以下、好ましくは40%以上180%以下、さらに好ましくは70%以上150%以下であってもよい。
【0038】
前記ポリイミド基材の破断伸び率は、ポリイミド基材の初期長さをL1、これを延伸によって破断の発生する長さをL2とする場合、(L2-L1)/L1*100(%)を意味する。
【0039】
前記貯蔵弾性率および破断伸び率の測定は、KS M ISO527の方法で測定するためにZwick社のUTMを用いた。測定しようとするフィルムを横5mm、縦60mm以上に切断した後、グリップ間の間隔は40mmに設定して、20mm/minの速度でサンプルフィルムを引っ張りながら測定される値でそれぞれ測定することができる。
【0040】
本出願の一実施態様において、前記ポリイミド基材の200℃での熱収縮率が0.1%以下であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0041】
他の実施態様において、前記ポリイミド基材の200℃での熱収縮率が0.1%以下、好ましくは0.09%以下、さらに好ましくは0.08%以下であってもよい。
【0042】
さらに他の実施態様において、前記ポリイミド基材の200℃での熱収縮率が0.03%以上であってもよい。
【0043】
前記熱収縮率は、前記ポリイミド基材に熱を加える場合、最大収縮力を有する方向に収縮する程度を意味するもので、ポリイミド基材の初期長さをM1、200℃で2時間加熱した後の収縮方向に収縮された長さをM2とする場合、(M1-M2)/M1*100の値を意味する。
【0044】
前記ポリイミド基材が前記範囲の熱収縮力を有することにより、バックプレートコーティング工程で熱を加えても収縮力が低くて、変形が起こらない特徴を有する。
【0045】
本出願に係るフォルダブルバックプレートの場合、前記条件を満足するポリイミド基材を用いることにより、フォルダブルディスプレイを折り畳んでは広げる動作が繰り返される場合にも、バックプレートに塑性変形(plastic deformation)が発生せず耐久性に優れ、フォールディング時に発生したstrainをdefolding時に永久変形なく復元できる特徴を有する。
【0046】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および前記第2粘着層の-30℃での貯蔵弾性率はG2であり、前記第1粘着層および前記第2粘着層の60℃での貯蔵弾性率はG3であり、前記G2およびG3は下記式2および式3を満足するものであるフォルダブルバックプレートを提供する。
[式2]
1×104Pa≦G2≦1×106Pa
[式3]
1×104Pa≦G3≦1×106Pa
【0047】
本出願の一実施態様において、前記G2は1×104Pa≦G2≦1×106Paであり、好ましくは1×105Pa≦G2≦1×106Paであってもよく、さらに好ましくは1×105Pa≦G2≦9×105Paであってもよい。
【0048】
本出願の一実施態様において、前記G3は1×104Pa≦G3≦1×106Paであり、好ましくは1×104Pa≦G3≦1×105Pa、さらに好ましくは1×104Pa≦G3≦8×104Paであってもよい。
【0049】
前記G2およびG3が前記範囲を満足することにより、フォールディング(folding)時にかかるストレスを最小化でき、同時に、裁断工程や保管過程で異物や吸出(bleed out)を防止できる特徴を有する。
【0050】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接するそれぞれの面の23℃で2時間放置後の初期粘着力(gf/inch)はA1であり、60℃/湿度90%での20日放置後の後期粘着力(gf/inch)はA2であり、前記A1およびA2は下記式4を満足するものであるフォルダブルバックプレートを提供する。
[式4]
A1×0.8≦A2
【0051】
本出願の一実施態様において、前記A1は500gf/inch以上2000gf/inch以下、好ましくは600gf/inch以上1800gf/inch以下、さらに好ましくは800gf/inch以上1500gf/inch以下であってもよい。
【0052】
本出願の一実施態様において、前記A2は400gf/inch以上2500gf/inch以下、好ましくは500gf/inch以上2000gf/inch以下、さらに好ましくは650gf/inch以上1800gf/inch以下であってもよい。
【0053】
本出願に係る第1粘着層および第2粘着層は、A1およびA2が前記範囲を有することにより、高温および高湿条件でもバックプレート基材に対する粘着力が一定に維持されて浮き上がりおよび気泡発生が起こらない特徴を有する。
【0054】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および第2粘着層は、アクリル系粘着層、ゴム系粘着層、およびシリコーン系粘着層からなる群より選択される1以上を使用することができる。
【0055】
他の実施態様において、前記第1粘着層および第2粘着層は、アクリル系粘着層を使用することができる。
【0056】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は23℃で15gf/inch以下であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0057】
他の実施態様において、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は23℃で12gf/inch以下、好ましくは11gf/inch以下、さらに好ましくは10gf/inch以下であってもよい。
【0058】
さらに他の実施態様において、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は23℃で3gf/inch以上、好ましくは4gf/inch以上、さらに好ましくは5gf/inch以上であってもよい。
【0059】
さらに他の実施態様において、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は23℃で6gf/inch以上、15gf/inch以下であってもよい。
【0060】
本出願の一実施態様において、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0061】
他の実施態様において、前記第2離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下、好ましくは19gf/inch以下、さらに好ましくは18gf/inch以下であってもよい。
【0062】
さらに他の実施態様において、前記第2離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は23℃で10gf/inch以上、好ましくは11gf/inch以上、さらに好ましくは12gf/inch以上であってもよい。
【0063】
さらに他の実施態様において、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で13gf/inch以上、18gf/inch以下であってもよい。
【0064】
前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力および前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は、180゜の角度および2400mm/分の剥離速度でテクスチャーアナライザー(Texture analyzer(Stable Micro Systems社))を用いて測定し、本発明により製造されたフォルダブルバックプレートを23℃でそれぞれ測定した値である。
【0065】
本出願に係るフォルダブルバックプレートは、第1粘着層および第2粘着層にそれぞれ第1離型フィルムおよび第2離型フィルムを備え、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低く形成されることで、バックプレート基材をフレキシブル基板の表示パネルに接着させる時、第1離型フィルムを除去しても第2離型フィルムの浮き上がり現象が発生せず、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は前記範囲を有することで、バックプレート基材に支持体を付着させるために第2離型フィルムを除去する時にも表示パネルの損傷を防止できる特徴を有する。
【0066】
すなわち、本出願に係るフォルダブルバックプレートは、バックプレート基材の両面に粘着剤層を有することで、表示パネルおよび支持体に接合時に追加の工程を必要とせず、それぞれの粘着剤層に対する離型フィルムの剥離力が重剥離および軽剥離形態を有することで、バックプレートの接着時、表示パネルおよびバックプレート基材の損傷を防止できる特徴を有する。
【0067】
前記第1および第2離型フィルムは、厚さが非常に薄い第1および第2粘着層を保護するための層であって、第1および第2粘着層の一面に付着させる透明層をいうものであり、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れたフィルムを用いることができる。例えば、トリアセチルセルロース(TAC)のようなアセテート系、ポリエステル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、シクロオレフィン系、ポリウレタン系、シリコーン系、およびアクリル系樹脂フィルムなどを用いることができるが、市販のシリコーン系離型フィルムであればこれに限定されない。
【0068】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムは、シリコーン系であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0069】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムは、表示パネルの下部に付着時、静電気による表示パネルの損傷を防止するために帯電防止処理を追加的に含むことができる。
【0070】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は500V以下の条件で1010Ω/sq以下であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0071】
他の実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は500V以下の条件で1010Ω/sq以下、好ましくは3×109Ω/sq以下、さらに好ましくは1×109Ω/sq以下であってもよい。
【0072】
さらに他の実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は500V以下の条件で107Ω/sq以上であってもよい。
【0073】
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は、試験片PETの背面上に同心円電極を用いて測定することができ、MCT-HT800(三菱ケミカルアナリテック社)の印加電圧500V、印加時間10秒間、25℃、55RH%で測定することができる。
【0074】
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムは、帯電防止処理によって前記範囲の表面抵抗値を有し、後に第1離型フィルムを剥離後、表示パネルの下部に付着時、静電気による表示パネルの損傷を防止できる特徴を有する。
【0075】
本出願の一実施態様において、前記ポリイミド基材の厚さは10μm以上150μm以下であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0076】
他の実施態様において、前記ポリイミド基材の厚さは20μm以上120μm以下、好ましくは30μm以上100μm以下、さらに好ましくは40μm以上80μm以下であってもよい。
【0077】
前記ポリイミド基材が前記厚さ範囲を有することにより、後にフォルダブルディスプレイのバックプレートとして用いられる場合、支持体としての役割に優れ、ロールコーティング時のハンドリングの問題が発生せず、曲率半径の偏差が適してフォールディング(folding)時のストレス(stress)値が最小化できる特徴を有する。
【0078】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および第2粘着層のそれぞれの厚さは10μm以上100μm以下であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0079】
他の実施態様において、前記第1粘着層および第2粘着層のそれぞれの厚さは10μm以上100μm以下、好ましくは15μm以上80μm以下、さらに好ましくは15μm以上50μm以下であってもよい。
【0080】
前記第1粘着層および第2粘着層が前記厚さ範囲を満足する場合、フォールディング(folding)時のストレス(stress)が最小化されて、厚さ対比の変形を最小化でき、前記厚さ範囲を満足する場合、曲率半径の偏差が適してフォールディング(folding)時に最外角部フィルムにかかるストレス(stress)値が最小化できる特徴を有する。
【0081】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムのそれぞれの厚さは10μm以上150μm以下であるフォルダブルバックプレートを提供する。
【0082】
他の実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムのそれぞれの厚さは10μm以上150μm以下、好ましくは15μm以上125μm以下、さらに好ましくは25μm以上80μm以下であってもよい。
【0083】
前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムの厚さが前記範囲を有することにより、ロールコーティング時のハンドリングに優れるという利点を有する。
【0084】
本出願の一実施態様において、ポリイミド(PI、Polyimide)基材を用意するステップと、前記ポリイミド基材の一面に第1粘着層をコーティングするステップと、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に、第1離型フィルムをラミネーション(lamination)するステップと、第2離型フィルムを用意するステップと、前記第2離型フィルムの一面に第2粘着層をコーティングするステップと、前記第2粘着層の前記第2離型フィルムが接する面の反対面を、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が形成された面の反対面にラミネーション(lamination)するステップとを含むフォルダブルバックプレートの製造方法であって、前記ポリイミド基材の20℃での貯蔵弾性率(G1)が下記式1を満足し、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は23℃で20gf/inch以下であり、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低いものであるフォルダブルバックプレートの製造方法を提供する。
[式1]
1GPa≦G1≦5GPa
【0085】
前記フォルダブルバックプレートに含まれる各層に関する説明は前記言及したものと同じである。
【0086】
本発明に係るフォルダブルバックプレートの製造方法は、バックプレート基材に第1粘着層を直接コーティング後、第1離型フィルムをラミネーションして工程ステップを減少させることができ、フィルムの使用量を減少させることができ、直接コーティング方式を用いてバックプレート基材との密着性も増加させることができる特徴を有する。
【0087】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および前記第2粘着層をコーティングするステップは、直接コーティングであるフォルダブルバックプレートの製造方法を提供する。
【0088】
本発明に係るフォルダブルバックプレートの製造方法は、直接コーティング方式を用いることにより、第1離型フィルムおよび第2離型フィルムの離型力を容易に変更することができ、これにより製造されたフォルダブルバックプレートの場合、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低く形成できる特徴を有する。
【0089】
本出願に係るフォルダブルバックプレートにおいて、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムを除去した後、一方の面はフォルダブルディスプレイの表示パネルに付着させることができ、もう一方の面はバックプレートの支持体に付着させて用いることができる。
【0090】
前記支持体は、フォルダブルディスプレイのフォールディング(folding)のガイドになり得、折り畳み可能な支持体であれば制限なく用いることができ、プラスチック、金属、硬度の高いフィルムなど、必要に応じて市販の物質を制限なく用いることができる。
【実施例】
【0091】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0092】
<製造例>
【0093】
<フォルダブルバックプレートの製造>
【0094】
1.第1共重合体の製造
窒素ガスが還流し温度調節が容易となるように冷却装置を設けた1L反応器に、エチルヘキシルアクリレート(Ethylhexyl acrylate、EHA)およびアクリル酸(Acrylic acid、AA)から構成される単量体混合物を投入後、溶媒としてエチルアセテート(Ethyl Acetate、EAc)を投入した。その後、酸素を除去するために窒素ガスを約1時間パージング(purging)した後、反応器の温度を62℃に維持した。混合物を均一にした後、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)400ppmおよび連鎖移動剤としてn-ドデシルメルカプタン(n-dodecylmercaptan、n-DDM)400ppmを投入し、混合物を反応させた。反応後にEAcを希釈して重量平均分子量が200万の共重合体を製造した。
【0095】
2.第2共重合体の製造
窒素ガスが還流し温度調節が容易となるように冷却装置を設けた1L反応器に、ブチルアクリレート(butyl acrylate、EHA)およびアクリル酸(Acrylic acid、AA)から構成される単量体混合物を投入後、溶媒としてエチルアセテート(Ethyl Acetate、EAc)を投入した。その後、酸素を除去するために窒素ガスを約1時間パージング(purging)した後、反応器の温度を62℃に維持した。混合物を均一にした後、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)400ppmおよび連鎖移動剤としてn-ドデシルメルカプタン(n-dodecylmercaptan、n-DDM)400ppmを投入し、混合物を反応させた。反応後にEAcを希釈して重量平均分子量が200万の共重合体を製造した。
【0096】
3.粘着層-1の製造
前記のように製造された第1共重合体100gにエポキシ系架橋剤を添加して、エチルアセテート溶液に18重量%に希釈して投入した後、均一に混合した。前記組成を設計して重合された粘着剤組成物をコーティングに適当な粘度(500~1500cp)を有するように固形分を調節するための溶剤で希釈後、mechanical stirrerを用いて15分以上混合(mixing)した。常温で放置して混合中に発生した気泡を除去して、applicaterを用いて塗膜を形成した後、mathis ovenを用いて140℃、3分乾燥して粘着層-1を製造した。
【0097】
4.粘着層-2の製造
前記のように製造された第2共重合体100gにエポキシ系架橋剤を添加して、エチルアセテート溶液に18重量%に希釈して投入した後、均一に混合した。前記組成を設計して重合された粘着剤組成物をコーティングに適当な粘度(500~1500cp)を有するように固形分を調節するための溶剤で希釈後、mechanical stirrerを用いて15分以上混合(mixing)した。常温で放置して混合中に発生した気泡を除去して、applicaterを用いて塗膜を形成した後、mathis ovenを用いて140℃、3分乾燥して粘着層-2を製造した。
【0098】
5.フォルダブルバックプレートの製造
【0099】
1)実施例1~3および比較例1
下記表1に記載の物性を有するバックプレートの一面に前記製造された粘着層-1をコーティングし、前記粘着層-1の前記バックプレート基材と接する面の反対面に、下記表1の軽剥離離型フィルムをラミネーション(lamination)した。
【0100】
その後、下記表1に記載の重剥離離型フィルムを用意した後、前記重剥離離型フィルム上に前記製造された粘着層-1をコーティングし、前記粘着層-1の前記重剥離離型フィルムが接する面の反対面と、前記製造されたバックプレート基材の前記粘着層-1が形成された面の反対面とをラミネーション(lamination)して、3layer(粘着層/バックプレート/粘着層)構造のフォルダブルバックプレートを製造した。
【0101】
2)比較例2の製造
前記実施例1~3および比較例1で製造したフォルダブルバックプレートの製造方法において、粘着層-1の代わりに粘着層-2を用いたことを除き、前記実施例1~3および比較例1で製造したフォルダブルバックプレートの製造と同様の方法で製造して、3layer(粘着層/バックプレート/粘着層)構造のフォルダブルバックプレートを製造した。
【0102】
【0103】
前記表1中、フォールディングテストにおいて、OKは、前記表1の条件でFOLDINGテストの進行時、バックプレート基材と第1および第2粘着剤層との間に浮きあがりが発生しないことを意味し、N.Gは、前記表1の条件でFOLDINGテストの進行時、バックプレート基材と第1および第2粘着剤層との間に浮き上がりが発生することを意味する。前記表1から分かるように、本願の実施例1~3の場合、第1粘着層および第2粘着層が特定の粘着力範囲を満足し、また、バックプレート基材が式1の範囲を満足することにより、数回フォールディングを繰り返しても信頼性が維持され、フォールディング時に発生するストレス(stress)値を最小化し、表示パネルを支持可能な程度の硬度を満足できる特徴を有することを確認することができた。
【0104】
前記表1中、比較例1は、本願の実施例1~3と同じ種類の粘着剤を用いたが、バックプレート基材として式1の範囲(貯蔵弾性率)を外れた場合であり、前記比較例2の場合、バックプレート基材は本願の実施例1~3と同じ種類を用いたが、粘着剤の種類が異なっていて、粘着力の範囲を外れた場合である。前記比較例1および比較例2から確認できるように、本願発明の実施例1~3よりフォールディングテストの結果値が良くないことを確認することができた。
【0105】
さらに、本願のフォルダブルバックプレートは、バックプレート基材の両面に前記のような第1粘着層および第2粘着層を同時に有することで、バックプレートをフレキシブル基板の表示パネル上に接着させると同時に、追加の接着剤または粘着剤の形成工程なしに反対面に支持体を付着させることができる特徴を有することを確認することができた。
【符号の説明】
【0106】
101:第1離型フィルム
102:第1粘着層
103:ポリイミド基材
104:第2粘着層
105:第2離型フィルム