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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-11
(45)【発行日】2022-07-20
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体装置の起動方法
(51)【国際特許分類】
   G05F 3/30 20060101AFI20220712BHJP
【FI】
G05F3/30
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018099728
(22)【出願日】2018-05-24
(65)【公開番号】P2019204339
(43)【公開日】2019-11-28
【審査請求日】2021-03-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年1月16日にラピスセミコンダクダ株式会社の顧客事業所にて試供品を配布
(73)【特許権者】
【識別番号】308033711
【氏名又は名称】ラピスセミコンダクタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】大森 鉄男
【審査官】麻生 哲朗
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07148672(US,B1)
【文献】米国特許第05867013(US,A)
【文献】特開2008-003727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の起動電流が供給されることにより第1の電流が第1の方向に流れる第1の一方向性素子、及び前記第1の起動電流と異なる第2の起動電流が供給されることにより第2の電流が第2の方向に流れる第2の一方向性素子を備え、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々におけるバンドギャップ電圧に基づいて、予め定めた所定電圧を発生する電圧発生回路と、
前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に異なる起動電流を供給する起動回路と、
前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に流れる電流差に基づいて、前記起動回路を起動する起動信号を出力する差動アンプと、
を備え
前記起動回路は、
前記起動信号に基づいて、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に起動電流を供給することを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に異なる起動電流を出力する出力部と、を含む半導体装置。
【請求項2】
前記第1の一方向性素子は、前記所定電圧を発生するノードに接続され、かつ前記第1の一方向性素子に流れる電流の電流密度より、前記第2の一方向性素子に流れる電流の電流密度が大きい場合、
前記起動回路は、
前記第1の一方向性素子に供給する第1の起動電流を、前記第2の一方向性素子に供給する第2の起動電流より小さくする
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記起動回路に含まれる前記検出部は、第1のトランジスタ素子と、第2のトランジスタ素子と、電流源とを直列に接続して形成する
請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
第1の起動電流が供給されることにより第1の電流が第1の方向に流れる第1の一方向性素子、及び前記第1の起動電流と異なる第2の起動電流が供給されることにより第2の電流が第2の方向に流れる第2の一方向性素子を備え、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々におけるバンドギャップ電圧に基づいて、予め定めた所定電圧を発生する電圧発生回路と、
予め定めた所定電流を発生する電流発生回路へ、起動電流を供給する起動回路と、
前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に流れる電流差に基づいて、前記起動回路を起動する起動信号を出力する差動アンプと、
を備えた半導体装置。
【請求項5】
前記起動回路は、
前記起動信号に基づいて、前記電流発生回路に起動電流を供給することを検出する検出部と、
前記検出部の検出結果に基づいて、前記電流発生回路へ起動電流を出力する出力部と、を含む
請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記起動回路に含まれる前記検出部は、第1のトランジスタ素子と、第2のトランジスタ素子と、電流源とを直列に接続して形成する
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
第1の起動電流が供給されることにより第1の電流が第1の方向に流れる第1の一方向性素子、及び前記第1の起動電流と異なる第2の起動電流が供給されることにより第2の電流が第2の方向に流れる第2の一方向性素子を備え、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々におけるバンドギャップ電圧に基づいて、予め定めた所定電圧を発生する電圧発生回路と、
前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に異なる起動電流を供給する起動回路と、
前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に流れる電流差に基づいて、前記起動回路を起動する起動信号を出力する差動アンプと、
を備えた半導体装置の起動方法であって、
出力電圧を予め定めた所定電圧に到達するように、作動を開始し、
電流供給源からの供給電流により定まる第1の電圧と、起動時に変化する前記第1の電圧と異なる第2の電圧とに基づいて、前記出力電圧が前記所定電圧に未到達の状態を検出することで、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に起動電流を供給することを検出し、
前記未到達の状態である場合に、出力ノードの電圧を規定の電圧まで上昇させるように、前記第1の電圧を形成する第1ノード、及び前記第2の電圧を形成する第2ノードの各々に異なる起動電流を供給することで、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に異なる起動電流を出力する
半導体装置の起動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及び半導体装置の起動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体を用いた各種の装置では、基準電圧発生回路を備えて、外部電源の外部電圧を降圧した基準電圧を発生させている。この基準電圧発生回路の一例として、ダイオード等の一方向に電流が流れる2個の一方向性素子を用いて、所謂バンドギャップ電圧に基づき、安定した所定の電圧を形成するバンドギャップリファレンス(Band Gap Reference:BGR)回路が知られている。また、2個の一方向性素子の各々に流れる電流差に基づいて、所定電圧を安定させる差動アンプを用いた基準電圧発生回路の差動段に起動電流を供給する技術も知られている。例えば、バンドギャップリファレンス回路の差動段の双方に起動電流を供給する技術が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-151653号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バンドギャップリファレンス回路の差動段の一方に起動電流を供給する場合、製造時の素子のバラつきなどにより差動段にかかる電流差が大きくなったり、安定した所定の電圧に到達するまでの立ち上がり時間を要する場合がある。また、バンドギャップリファレンス回路の差動段の双方に起動電流を供給する場合、供給する起動電流の関係により差動段の一方に起動電流を供給する場合と同様の課題を有する場合があり、起動時に短時間で動作を安定させるためには改善の余地がある。
【0005】
本開示は、起動時に短時間で動作を安定させることができる半導体装置及び半導体装置の起動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本開示の半導体装置の第1態様は、
第1の起動電流が供給されることにより第1の電流が第1の方向に流れる第1の一方向性素子、及び前記第1の起動電流と異なる第2の起動電流が供給されることにより第2の電流が第2の方向に流れる第2の一方向性素子を備え、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々におけるバンドギャップ電圧に基づいて、予め定めた所定電圧を発生する電圧発生回路と、
前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に異なる起動電流を供給する起動回路と、
前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に流れる電流差に基づいて、前記起動回路を起動する起動信号を出力する差動アンプと、
を備え
前記起動回路は、前記起動信号に基づいて、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に起動電流を供給することを検出する検出部と、前記検出部の検出結果に基づいて、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に異なる起動電流を出力する出力部と、を含む。
【0007】
また、本開示の半導体装置の第2態様は、
第1の起動電流が供給されることにより第1の電流が第1の方向に流れる第1の一方向性素子、及び前記第1の起動電流と異なる第2の起動電流が供給されることにより第2の電流が第2の方向に流れる第2の一方向性素子を備え、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々におけるバンドギャップ電圧に基づいて、予め定めた所定電圧を発生する電圧発生回路と、
予め定めた所定電流を発生する電流発生回路へ、起動電流を供給する起動回路と、
前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に流れる電流差に基づいて、前記起動回路を起動する起動信号を出力する差動アンプと、
を備える。
【0008】
また、本開示の半導体装置の第3態様は、
装置の作動時に、予め定めた第1の電圧と、前記第1の電圧と異なる第2の電圧との差分に基づいて、前記第1の電圧に対応する所定電圧を出力するレギュレータ素子と、
電流供給源からの供給電流を用いて、前記レギュレータ素子から前記所定電圧が出力されるように、前記レギュレータ素子における前記第1の電圧を形成する第1ノード、及び前記第2の電圧を形成する第2ノードの各々に異なる起動電流を供給する起動回路と、
を備える。
【0009】
また、本開示の半導体装置の第4態様は、
起動時に、電流源からの供給電流により定まる第1の電圧と、前記起動時に変化する前記第1の電圧と異なる第2の電圧との差分に基づいて、前記第1の電圧を形成する第1ノード、及び前記第2の電圧を形成する第2ノードの各々に異なる起動電流を供給する起動回路
を備える。
【0010】
また、本開示の半導体装置の起動方法は、
第1の起動電流が供給されることにより第1の電流が第1の方向に流れる第1の一方向性素子、及び前記第1の起動電流と異なる第2の起動電流が供給されることにより第2の電流が第2の方向に流れる第2の一方向性素子を備え、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々におけるバンドギャップ電圧に基づいて、予め定めた所定電圧を発生する電圧発生回路と、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に異なる起動電流を供給する起動回路と、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に流れる電流差に基づいて、前記起動回路を起動する起動信号を出力する差動アンプと、を備えた半導体装置の起動方法であって、
出力電圧を予め定めた所定電圧に到達するように、作動を開始し
電流供給源からの供給電流により定まる第1の電圧と、起動時に変化する前記第1の電圧と異なる第2の電圧とに基づいて、前記出力電圧が前記所定電圧に未到達の状態を検出することで、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に起動電流を供給することを検出し、
前記未到達の状態である場合に、出力ノードの電圧を規定の電圧まで上昇させるように、前記第1の電圧を形成する第1ノード、及び前記第2の電圧を形成する第2ノードの各々に異なる起動電流を供給することで、前記第1の一方向性素子及び前記第2の一方向性素子の各々に異なる起動電流を出力する
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、短時間で、起動時における動作の安定性を向上することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1実施形態に係り、半導体装置を適用した基準電圧発生回路を含むバンドギャップリファレンス回路の一例の構成を表す回路図である。
図2】基準電圧発生回路の比較例の構成を表す回路図である。
図3】起動時における出力ノードの電圧時間特性の一例を表すグラフである。
図4】第1実施形態に係るバンドギャップリファレンス回路における動作流れの一例を表すフローチャートである。
図5】第2実施形態に係り、半導体装置を適用した基準電流源回路の一例の構成を表す回路図である。
図6】基準電流源回路の比較例の構成を表す回路図である。
図7】起動時における出力ノードの電圧時間特性の一例を表すグラフである。
図8】第3実施形態に係る起動回路の接続先を電圧レギュレータとした一例の構成を表す回路図である。
図9】第4実施形態に係る第1変形例の構成を表す回路図である。
図10】第4実施形態に係る第2変形例の構成を表す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態は、基準電圧発生回路に本開示の半導体装置を適用したものである。
【0014】
(比較例)
まず、第1実施形態に係る半導体装置の説明に先立ち、基準電圧発生回路の比較例1を説明する。
【0015】
図2に、比較例1に係る基準電圧発生回路として、差動アンプを用いたバンドギャップリファレンス(BGR)回路100の回路図の一例を示す。BGR回路100は、異なる2つのバイポーラ型のトランジスタQ1とQ2のベース、エミッタ間電圧差が定電圧となることを利用して基準の定電圧を発生させる。
【0016】
図2に示すように、BGR回路100は、差動アンプ110と、起動回路120と、バイポーラ型のトランジスタQ0,Q1と、PMOS型のトランジスタMP0、MP1、MPSと、電流源ISTを備える。
【0017】
このBGR回路100では、トランジスタQ1とQ2は、ベースとコレクタとが共通接続されてダイオード形態とされる。トランジスタQ1とQ2のベースとコレクタは、回路の接地電位点Vssに接続される。トランジスタQ0のエミッタは、抵抗R0を介して、ソースが電源電位点Vddに接続されたPMOS型のトランジスタMP0のドレインに接続される。また、トランジスタQ1のエミッタは、抵抗R1を介してソースが電源電圧Vddに接続されたトランジスタMP0とミラー形態のPMOS型のトランジスタMP1のドレインに接続される。トランジスタMP1のドレインと抵抗R0との間は、出力ノードvbgに接続される。また、トランジスタQ0のエミッタと抵抗R0との間は、ノードvst0とされ、トランジスタMP1のドレインと抵抗R1との間は、ノードvst1とされる。
【0018】
差動アンプ110は、ノードvst0とノードvst1の電圧が共通電圧になるように作動する。具体的には、差動アンプ110は、PMOS型のトランジスタMP2、MP3、MP4、MP5、MP6と、NMOS型のトランジスタMN1、MN2、MN3、MN4を含んで構成される。トランジスタMP3、MP4と、トランジスタMP5、MP6と、トランジスタMN1、MN2と、トランジスタMN3、MN4との各々は、電流ミラー形態に接続される。トランジスタMP5、MP6と、トランジスタMN1、MN2と、トランジスタMN3、MN4とは直列に接続される。また、トランジスタMP5、MP6の各ソースは電源電位点Vddに接続され、トランジスタMN3、MN4の各ドレインが接地電位点Vssに接続される。トランジスタMP5、MP6のゲートとトランジスタMP5のドレインとは共通に接続され、ノードvpgxとされる。また、トランジスタMP6のドレインはトランジスタMP0、MP1のゲートと共通に接続され、ノードvpgとされる。トランジスタMP3、MP4の各ソースは共通に接続され、トランジスタMP2を介して電源電位点Vddに接続される。また、トランジスタMP3のゲートは、ノードvst0に接続され、トランジスタMP4のゲートはノードvst1に接続される。なお、差動アンプ110は、周知の構成であるため、詳細な説明を省略する。
【0019】
起動回路120は、トランジスタQ0、Q1が起動するように作動する。具体的には、起動回路120は、PMOS型のトランジスタP0、P1、P2とNMOS型のトランジスタN0、N1を含んで構成される。ゲートが共通に接続されたミラー形態のPMOS型のトランジスタP1、P2は、各々ソースが電源電位点Vddに接続される。トランジスタP1のドレインは、ソースが電源電位点Vddに接続されたトランジスタP0のゲートに接続され、かつ、ドレインが接地電位点Vssに接続されたトランジスタN1のソースに接続される。トランジスタP0のドレインは、ノードvst0に接続される。トランジスタP2のドレインは、トランジスタN1のゲートに接続され、かつ、ドレインが接地電位点Vssに接続されたトランジスタN0のソースに接続される。トランジスタN0のゲートは、ノードvbgに接続される。
【0020】
BGR回路100では、出力ノードvbgの電圧がトランジスタN0の閾値(健闘値)を越えない限りトランジスタN0はオン(ON)せずに、トランジスタP0を通してトランジスタQ0に起動電流Ist0が流れてトランジスタQ0が起動する。このトランジスタQ0の起動により、差動アンプ110がノードvst0とノードvst1の電圧を検知してトランジスタQ1にも電流が流れ、回路全体が動作を開始する。
【0021】
一方、出力ノードvbgの電圧がトランジスタN0の閾値(健闘値)を越えるとトランジスタN0はオンしてトランジスタP0からの起動電流Ist0は停止する。なお、比較例1において起動回路120の回路構成は多種多様の構成が存在するが、回路方式としては出力vbgを検出する方式が一般的であった。
【0022】
ところで、比較例1のBGR回路100では、起動時に出力ノードvbgの電圧はオーバーシュートを引き起こす等の課題を有している。
【0023】
図3に、基準電圧発生回路の起動時における電圧時間特性の一例を示す。
図3には、出力ノードvbgの電圧がオーバーシュートを引き起こす電圧時間特性が第1課題として1点鎖線で示されている。また、出力ノードvbgの電圧が規定の電圧に上昇するまで経過時間を有する電圧時間特性が第2課題として2点鎖線で示されている。
【0024】
すなわち、第1課題は、差動アンプ110により増幅されるノードvst0、vst1の電位差に起因して発生する。例えば、製造バラツキ等によって起動電流Ist0が大きい、またはトランジスタQ1がオンし難かった場合、ノードvst0、vst1の電位差が大きくなる。ここで、差動アンプ110は回路構成上、十分な利得が必要であり、例えば、60dBから80dBの増幅率を持っている。このため、ノードvst0、vst1の電位差が差動アンプ110によって増幅され、出力ノードvbgの電圧がオーバーシュートを発生する。特に低消費電流でバイポーラ型のトランジスタQ0、Q1に流せる電流がnAオーダであった場合、発生するオーバシュートが顕著に表れる。
【0025】
第2課題は、低消費電流における寄生容量及びリーク電流の影響に起因して発生する。例えば、トランジスタN0の閾値(健闘値)によって出力ノードvbgの電圧レベルを検出して起動回路120が制御されるが、製造バラツキによって閾値(健闘値)も変動して、出力ノードvbgの電圧が低レベルで検出されてオンとなる場合、起動回路120が停止する。また、低消費電流の場合は寄生容量及びリーク電流の影響が無視出来なくなり、電源の立上り時間、及び温度等の条件によって、出力ノードvbgの電圧が高くなり、トランジスタN0が検出して起動回路120が停止する。したがって、出力ノードvbgの電圧が規定の電圧まで上昇する以前、または出力ノードvbgの電圧が回路全体の安定点に達する以前に起動回路120は停止し、出力ノードvbgの電圧が立ち上がるまでに時間を要することになる。
【0026】
そこで、第1実施形態では、上記第1課題及び第2課題を解消可能な回路、すなわち、基準電圧発生回路に含まれる少なくとも起動回路を提供する。
【0027】
(回路構成)
図1に、第1実施形態に係る基準電圧発生回路として、差動アンプを用いたBGR回路1の回路図の一例を示す。なお、本開示のBGR回路1は、比較例1に示すBGR回路100と同一部分について同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0028】
図1に示すように、第1実施形態に係るBGR回路1は、BGR回路100と同様の構成の差動アンプ10と、起動回路20と、バイポーラ型のトランジスタQ0,Q1と、PMOS型のトランジスタMP0、MP1、MPSと、電流源ISTを備える。
【0029】
起動回路20は、PMOS型のトランジスタP0、P1、P2、P3と、基準電流ISTUPを供給する電流源とを含んで構成される。トランジスタP0、P1は、ゲートが共通に接続されたミラー形態とされ、各々ソースが電源電位点Vddに接続される。トランジスタP0のドレインは、ノードvst0に接続され、トランジスタP1のドレインは、ノードvst1に接続される。トランジスタP2、P3は、直列に接続され、トランジスタP2のソースが電源電位点Vddに接続される。一方、トランジスタP3のドレインは、基準電流ISTUPを供給する電流源を介して接地電位点Vssに接続される。トランジスタP2のゲートはノードvpgxに接続され、トランジスタP3のゲートはノードvpgに接続される。これらトランジスタP2、P3と、基準電流ISTUPを供給する電流源とは、検出部22を構成する。また、トランジスタQ0に起動電流Ist0を流すトランジスタP0と、トランジスタQ1に起動電流Ist1を流すトランジスタP1は、出力部24を構成する。なお、基準電流ISTUPを供給する電流源の構成については抵抗やトランジスタを用いる等の多種多様でかつ一般的な構成のため、詳細な説明を省略する。
【0030】
(回路動作)
起動時には、差動アンプ10は、出力ノードvbgの電圧を規定の電圧まで上昇(又は下降)させるため、ノードvpg、vpgxの電圧を引き下げる(又は引き下げる)ように作動する。以下の説明では、出力ノードvbgの電圧を規定の電圧まで上昇させ、ノードvpg、vpgxの電圧を引き下げる場合を説明する。この差動アンプ10の作動によって、ノードvpg、vpgxに接続されたトランジスタP2、P3がオフし、トランジスタP0を通してトランジスタQ0に起動電流Ist0が流れる。同様に、トランジスタP1を通してトランジスタQ1に起動電流Ist1が流れる。これによって、BGR回路1の回路全体が作動を開始する。
【0031】
出力ノードvbgの電圧が規定の電圧を越えるとノードvpg、vpgxの電圧は回路全体の安定点となる電圧に達する。この電圧はトランジスタP2、P3の閾値(健闘値)であり、トランジスタP2とP3がオンしてトランジスタP0による起動電流Ist0の供給、及びトランジスタP1による起動電流Ist1の供給が停止される。
【0032】
トランジスタQ0、Q1の各々に起動電流Ist0、Ist1を供給することによって、上記の第1課題である起動時にノードvpg、vpgxの電位差が大きくなることを抑制でき、出力ノードvbgの電圧がオーバーシュートを発生することを抑制できる。
【0033】
ここで、BGR回路1におけるトランジスタQ0、Q1の電流比は次に示す(1)式で表される。
Q0<Q1 ・・・(1)
トランジスタQ0、Q1の電流比が(1)式に適合する場合、起動電流Ist0、Ist1の関係は次に示す(2)式で表される。
Ist0≦Ist1 ・・・(2)
【0034】
起動電流Ist0が起動電流Ist1より大きい場合には、ノードvpg、vpgxの電位が逆転し、BGR回路1の回路全体の安定点が崩れ、差動アンプ10が増幅してオーバーシュートを引き起こしてしまうので、(1)式、及び(2)式に適合する条件下で起動回路20を作動させることが好ましい。このように、起動電流Ist1を起動電流Ist0より大きくすることは、トランジスタQ0に流れる起動電流Ist0を形成するトランジスタP0の電圧より、トランジスタQ1に流れる起動電流Ist1を形成するトランジスタP1の電圧を大きくするように電圧比を異ならせることに対応する。
【0035】
このように、起動回路20に含まれる検出部22のトランジスタP2、P3を差動アンプ10のノードvpg、vpgxに接続することで、出力ノードvbgの電圧が規定の電圧に達するまで起動回路20が動作する。
【0036】
これによって、上記の第1課題である出力ノードvbgの電圧が低いレベルで起動回路20が停止する、また、上記の第2課題である出力ノードvbgの電圧がBGR回路1の回路全体の安定点に達する以前に起動回路20が停止することを抑制可能になる。
【0037】
また、BGR回路1の起動時は、ノードvpg、vpgxの電圧が不定であるため、何れか一方の電圧が検出部22のトランジスタP2、P3の閾値(健闘値)を越えたとしても、他方はオフしているので、起動回路20が停止することは無い。
【0038】
すなわち、次に示す条件に適合する場合に、起動回路20は停止する。
(停止条件)
・出力ノードvbgの電圧が規定の電圧である
・回路全体が安定点に達している
・差動アンプのノードvpg、vpgxの電圧が
(1)式、及び(2)式が成立する安定電圧である
したがって、上述の比較例1に比べて起動時の安定性が向上する。
【0039】
このように、起動回路20に含まれる検出部22のトランジスタP2、P3を差動アンプ10のノードvpg、vpgxに接続し、出力ノードvbgの電圧が規定の電圧に達するまで起動回路20を作動させる。これによって、出力ノードvbgの電圧が低いレベルの状態、及び出力ノードvbgの電圧が回路全体の安定点に達する以前の状態の少なくとも一方の状態で、起動回路20が停止することを抑制できる。
【0040】
以上説明した半導体装置としてのBGR回路1は、起動時に、電流供給源からの供給電流により定まる第1の電圧と、前記起動時に変化する前記第1の電圧と異なる第2の電圧との差分を検出し、検出結果に基づいて、第1の電圧を形成する第1ノード、及び第2の電圧を形成する第2ノードの各々に異なる起動電流を供給するように作動する。
【0041】
(BGR回路の動作の流れ)
次に、BGR回路1について、動作の流れを示すフローチャートを参照してさらに説明する。BGR回路1は、電源が投入されると、図4に一例を示したフローチャートの処理にしたがって作動する。
【0042】
半導体装置としてのBGR回路1は、起動時に、まず、ステップS100で、出力電圧を規定の電圧に到達するように、作動を開始する。具体的には、出力ノードvbgの電圧を規定の電圧まで上昇させるため、ノードvpg、vpgxの電圧を引き下げるように、差動アンプ10が作動する。
【0043】
次に、BGR回路1は、差動アンプ10の作動に応じて、回路全体を作動させる。この場合、起動回路20は、出力ノードvbgの電圧が規定の電圧まで上昇していない場合に、トランジスタQ1、Q2に、起動時における起動電流が流れるように、作動する。具体的には、ステップS102で、検出部22は、出力ノードvbgの電圧が規定の電圧まで上昇していない未到達状態を検出する。検出部22は、ステップS104で、未到達状態か否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップS106で、出力部24は、起動電流を供給し、否定判定の場合は、ステップS108で、起動電流の供給停止する。すなわち、起動回路20による起動電流Ist0、Ist1の供給は、出力ノードvbgの電圧が規定の電圧を越えるまで実行される。具体的には、未到達状態では、ノードvpg、vpgxに接続されたトランジスタP2、P3がオフする。トランジスタP2、P3がオフすることにより、トランジスタP0を通してトランジスタQ0に起動電流Ist0が流れ、トランジスタP1を通してトランジスタQ1に起動電流Ist1が流れる。
【0044】
このとき、起動回路20は、ノードvst0、vst1に、予め定めた電流比で起動電流Ist0、Ist1を供給する。すなわち、起動回路20が供給する起動電流Ist0が、起動電流Ist1より大きい場合、ノードvpg、vpgxの電位が逆転し、BGR回路1の回路全体の安定点が崩れ、差動アンプ10が増幅してオーバーシュートを引き起こす。このため、起動回路20は、ノードvst0、vst1に、トランジスタQ0、Q1の電流比(Q0<Q1)に応じた起動電流Ist0、Ist1の関係(Ist0≦Ist1)で、起動電流Ist0、Ist1を供給する。
【0045】
一方、出力ノードvbgの電圧が規定の電圧を越えるとノードvpg、vpgxの電圧は回路全体の安定点となる電圧に達する。この電圧はトランジスタP2、P3の閾値(健闘値)であり、トランジスタP2、P3がオンしてトランジスタP0による起動電流Ist0の供給、及びトランジスタP1による起動電流Ist1の供給が停止される。
【0046】
以上説明したように、第1実施形態に係るBGR回路1は、起動時に、トランジスタQ0、Q1の各々に、トランジスタQ0、Q1の電流比(Q0<Q1)に応じた起動電流Ist0、Ist1の関係(Ist0≦Ist1)で、起動電流Ist0、Ist1を供給することによって、起動時に発生するノードvpg、vpgxの電位差が大きくなることを抑制でき、出力ノードvbgの電圧がオーバーシュートを発生することを抑制できる。また、出力ノードvbgの電圧が低いレベルで起動回路20が停止する、また、出力ノードvbgの電圧が回路全体の安定点に達する以前に起動回路20が停止することを抑制可能になる。
【0047】
なお、第1実施形態に係るBGR回路1では、バイポーラ型のトランジスタQ0,Q1を備えた形態について説明したが、当該形態に限定されず、ダイオード素子を用いてもよい。
【0048】
<第2実施形態>
第2実施形態は、基準電流源回路(以下、バイアス回路と称する)に本開示の半導体装置を適用したものである。すなわち、第2実施形態は、バイアス回路の起動回路に本開示の半導体装置が適用される。
【0049】
(回路構成)
図5に、第2実施形態に係るバイアス回路2の回路図の一例を示す。なお、バイアス回路2は、図1に示すBGR回路1と同様の構成であるため、同一部分について同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0050】
図5に示すように、第2実施形態に係るバイアス回路2は、BGR回路100と同様の構成の差動アンプ10と、起動回路20Aと、バイポーラ型のトランジスタQ0,Q1と、PMOS型のトランジスタMP0、MP1と、PMOS型のトランジスタP1、P2と、NMOS型のトランジスタN2、N3と、を備える。
【0051】
バイアス回路2を構成するトランジスタP1、P2は、ゲートが共通に接続されたミラー形態とされ、各々ソースが電源電位点Vddに接続される。トランジスタP1のドレインは、ノードvpとされ、NMOS型のトランジスタN2及び抵抗R3を介して電源電位点Vddに接続される。また、ノードvpは、差動アンプ10に含まれるトランジスタMP2のゲートにも接続される。トランジスタP2のドレインは、ノードvnとされ、NMOS型のトランジスタN3を介して電源電位点Vddに接続される。トランジスタN2、N3は、ゲートが共通に接続されたミラー形態とされ、ノードvnにも接続される。なお、バイアス回路は一般的な構成のため、詳細な説明を省略する。
【0052】
起動回路20Aは、PMOS型のトランジスタP4、P5と、基準電流ISTUPを供給する電流源とを含んで構成される。トランジスタP4、P5は、直列に接続され、トランジスタP4のソースが電源電位点Vddに接続される。一方、トランジスタP5のドレインは、基準電流ISTUPを供給する電流源を介して接地電位点Vssに接続される。また、トランジスタP4のドレインはノードvsとされ、バイアス回路のノードvnへ起動電流を供給するためのトランジスタP0のゲートに接続される。トランジスタP0のソースは電源電位点Vddに接続され、トランジスタP0のドレインは、ノードvnに接続される。これらトランジスタP4、P5と、基準電流ISTUPを供給する電流源とは、検出部22Aを構成する。また、ノードvnへ起動電流を供給するためのトランジスタP0は、出力部24Aを構成する。
【0053】
(回路動作)
起動時には、バイアス回路が起動しないとバンドギャップリファレンスに回路電流が流れない。
ノードvpgxと接続されたトランジスタP4とノードvpgに接続されたトランジスタP5にも電流が流れず基準電流ISTUPによってノードvsの電位が引き下げられてトランジスタP0がオンとなり、ノードvnに起動電流が流れ、バイアス回路が起動する。
【0054】
バイアス回路が起動するとバンドギャップリファレンスの回路電流も増加して規定の電流となるとトランジスタP4、P5の電流も増加して、ノードvsの電位は引き上げられてトランジスタP0がオフとなり起動回路20Aは停止する。
【0055】
また、起動時は、バンドギャップリファレンスのノードvpg、vpgxの電圧は不定であるため、何れか一方の電圧が検出部22AのトランジスタP4、P5の閾値(健闘値)以下であれば、起動回路20Aが停止することは無い。
【0056】
(比較例2)
ここで、一般的なバイアス回路と起動回路の比較例2を説明する。
図6に、比較例2に係るバイアス回路と起動回路の回路図の一例を示す。比較例2に係るバイアス回路200は、バイアス回路2と同様に、トランジスタP1、P2、N2、N3と、抵抗R3とを備える。また、起動回路220は、トランジスタP0、P4と、基準電流ISTUPを供給する電流源とを含む。トランジスタP4のゲートはノードvpに接続され、トランジスタP4のドレインはノードvnに接続される。
【0057】
比較例2に係るバイアス回路200は、トランジスタP4の閾値(健闘値)によって起動回路220が作動するが、製造バラツキによってトランジスタP4の閾値(健闘値)も変動して低レベルでトランジスタP4がオフされてバイアス回路200のバイアス電流が規定の電流値に到達するまで時間を要する場合がある。
【0058】
図7に、バイアス回路の起動時における電圧時間特性の一例を示す。
図7には、バイアス電流が規定の電流値に到達するまで時間を要する電圧時間特性が第3課題として2点鎖線で示されている。特に消費電流がnAオーダーであった場合、この第3課題が顕著に表れる。一方、第2実施形態に係るバイアス回路2における電圧時間特性が実線で示されている。
【0059】
図7から理解されるように、第2実施形態に係るバイアス回路2は、バイアス回路の起動回路の検出部22Aをバンドギャップリファレンスに接続するので、比較例2に係るバイアス回路200に比べて、起動を早くすることができる。
【0060】
<第3実施形態>
第3実施形態は、電圧レギュレータに本開示の半導体装置を適用したものである。電圧レギュレータとは、入力電圧及び出力電流が変化しても所定電圧を出力する集積回路である。
【0061】
図8に、第3実施形態に係る本開示の起動回路の接続先を電圧レギュレータとした回路図の一例を示す。すなわち、第3実施形態は、起動回路の接続先を、BGR回路に代えて電圧レギュレータ回路にしたものである。なお、第3実施形態は、上記実施形態と同一部分について同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、
【0062】
図8に示すように、第3実施形態に係る電圧レギュレータ回路3は、図5に示す起動回路20Aと同様の構成の起動回路20Bを備える。すなわち、第3実施形態に係る起動回路20Bは、図5に示す起動回路20Aの検出部22Aと同様の構成の検出部22Bと、出力部24Aと同様の構成の出力部24Bとを備える。
【0063】
(回路動作)
起動時には、バイアス回路が起動しないと電圧レギュレータ回路に回路電流が流れない。ノードvpgxと接続されたトランジスタP4とノードvpgに接続されたトランジスタP5にも電流が流れず基準電流ISTUPによってノードvsの電位が引き下げられてトランジスタP0がオンとなり、ノードvnに起動電流が流れ、バイアス回路が起動する。
【0064】
バイアス回路が起動すると電圧レギュレータ回路の回路電流も増加して規定の電流となるとトランジスタP4、P5の電流も増加して、ノードvsの電位は引き上げられてトランジスタP0がオフとなり起動回路20Bは停止する。また、起動時は、バンドギャップリファレンスのノードvpg、vpgxの電圧は不定であるため、何れか一方の電圧が検出部22AのトランジスタP4、P5の閾値(健闘値)以下であれば、起動回路20Bが停止することは無い。
【0065】
<第4実施形態>
第4実施形態は、第2実施形態の変形例である。
図9に第4実施形態に係る第1変形例と示し、図10に第2変形例を示す。
図9に示す第1変形例の起動回路20Cは、図5に示す起動回路20AにおけるトランジスタP5のゲートの接続先をノードvpgに代えて、ノードvpとした検出部22Cとした点で相違する。図9に示す第1変形例の起動回路20Cによる構成とした場合であっても、第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0066】
また、図10に第2変形例の起動回路20Dは、図5に示す起動回路20Aにおける検出部22Aを構成するトランジスタP4,P5に、PMOS型のトランジスタP6をさらに直列に接続しした構成の検出部22Dとした点で相違する。図10に示す第2変形例の起動回路20Dによる構成とした場合であっても、第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0067】
なお、本開示の半導体装置に係る上記各実施形態では、差動アンプ、基準電圧源回路、基準電流源回路、電圧レギュレータ回路を備える形態について説明したが、当該形態に限定されず、差動アンプ、基準電圧源回路、基準電流源回路、電圧レギュレータ回路の一部または全部を、外付けの素子としてもよい。
【0068】
また、上記各実施形態で説明した起動回路は図6に示す起動回路と組み合わせて構成することも可能である。
【0069】
なお、上記各実施形態で説明した本開示の半導体装置に係る回路の構成及び動作等は一例であり、本開示の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0070】
1 バンドギャップリファレンス回路(基準電圧発生回路)
2 バイアス回路(基準電流源回路)
3 電圧レギュレータ回路
10 差動アンプ
20 起動回路
22 検出部
24 出力部
ISTUP 基準電流
Ist0 起動電流
Ist1 起動電流
N0、N1、N2、N3 トランジスタ
P0、P1、P2、P3、P4、P4、P5、P6 トランジスタ
Q0、Q1 トランジスタ
Vdd 電源電位点
Vss 接地電位点
vbg、vn、vp、vpg、vpgx、vs、vst0、vst1 ノード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10