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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】医療用クリップ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/122 20060101AFI20220714BHJP
【FI】
A61B17/122
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022000558
(22)【出願日】2022-01-05
【審査請求日】2022-01-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504174180
【氏名又は名称】国立大学法人高知大学
(73)【特許権者】
【識別番号】319016932
【氏名又は名称】ニレック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000224
【氏名又は名称】特許業務法人田治米国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】隅田 哲雄
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-526356(JP,A)
【文献】特表2016-526448(JP,A)
【文献】特開2021-069802(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/122
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する第1アームと第2アーム、及び第1アームの一端と第2アームの一端との連続部を有する板バネ状の医療用クリップであって、
該医療用クリップは、第1アームと第2アームに外嵌して該医療用クリップを閉じるカシメリングを有さず、
第1アームの長手方向の中央部に第2アームの両側部をラッチし得る一対の鈎状突起を有し、
第1アームと第2アームが所定距離に近接することで一対の鈎状突起が第2アームの両側部をラッチし、第1アームと第2アームの近接状態が保持され
該医療用クリップは、第1アームと反対側の第2アームの外側面であって、第1アームの鈎状突起によってラッチされる第2アームの被ラッチ部位よりも第2アームの先端部よりに、第2アームの長手方向に伸びたスロープ状突起を有し、
該スロープ状突起の高さは、第2アームの外側面に対し、第2アームの先端部に向かって徐々に高くなっている
医療用クリップ。
【請求項2】
第2アームの外側面に対するスロープ状突起の傾斜角が、第2アームの先端部に向かって徐々に大きくなっている請求項記載のクリップ。
【請求項3】
スロープ状突起が、第2アームの両側辺に沿って形成されている請求項又は記載のクリップ。
【請求項4】
第2アームと反対側の第1アームの外側面であって、一対の鈎状突起よりも第1アームの先端部よりに、インナーシースストッパーとして突出部が設けられ、
第1アームの鈎状突起が第2アームをラッチした状態における、インナーシースストッパーの連続部側端部のクリップ長手方向の位置が、同状態におけるスロープ状突起のクリップ長手方向の形成範囲内にある請求項のいずれかに記載のクリップ。
【請求項5】
第1アームが、鈎状突起と前記連続部との間に、第2アーム側に湾曲した第1アーム湾曲部を有し、第2アームが被ラッチ部位と前記連続部との間に、第1アーム側に湾曲した第2アーム湾曲部を有し、第1アーム湾曲部と第2アーム湾曲部とが当接し、その当接部分が第1アームと第2アームの開閉の支点となる請求項1~のいずれかに記載のクリップ。
【請求項6】
対向する第1アームと第2アーム、及び第1アームの一端と第2アームの一端との連続部を有する板バネ状の医療用クリップであって、
第1アームの長手方向の中央部に第2アームの両側部をラッチし得る一対の鈎状突起を有し、
第2アームの、鈎状突起にラッチされる部位が、第1アーム側に井戸型に凹んでおり、
第1アームと第2アームが所定距離に近接することで一対の鈎状突起が第2アームの両側部をラッチし、第1アームと第2アームの近接状態が保持される
医療用クリップ。
【請求項7】
第1アーム及び第2アームは、それぞれの先端部からアーム部の長手方向に突出した圧迫片を有し、圧迫片は蛍光色素を含有する弾性樹脂で形成されている請求項1~のいずれかに記載のクリップ。
【請求項8】
樹脂の射出成形により製造する請求項1~のいずれかに記載のクリップの製造方法。
【請求項9】
樹脂が蛍光色素を含有する請求項記載のクリップの製造方法。
【請求項10】
金属板の曲げ加工により製造する請求項1~のいずれかに記載のクリップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用クリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、止血クリップや外科手術時に患部の位置を特定するマーカー用のクリップとして、内視鏡用クリップ装置に装着して用いる医療用クリップが使用されている。例えば、ステンレス等の金属製の板バネを概略「>」字型に折り曲げ成形したクリップ本体と、クリップ本体に外嵌させてクリップ本体を閉じるカシメリングからなるもの(特許文献1)、クリップ本体を特定形状とすることによりクリップ本体を樹脂製としたもの(特許文献2)等が知られている。
【0003】
また、止血用クリップとしては、弾性材料からなるクリップの先端部にフックとそのフックに嵌合する構造を設けることにより、カシメリングを使用することなくクリップを閉じた状態とするものがある(特許文献3)。この止血用クリップの開閉は、鉗子型の器具を使用して行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第6572229号公報
【文献】特許第6675674号公報
【文献】特開昭56-3048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1、2等に記載のカシメリングを使用する従来のクリップは、内視鏡用クリップ装置のクリップ用シースに取り付けられ、クリップ装置の操作によって開閉する。例えば本願の図16Aに示すように、このクリップ1Xはクリップ用シース40のインナーシース41に取り付けられ、操作ワイヤー43が連結部44によって連結され、図16Bに示すように患部近傍で操作ワイヤー43を引くことによりインナーシース41内に引込まれ、それに応じてカシメリング2が移動してクリップ1Xの開きが狭くなる。さらに操作ワイヤー43を引くと、カシメリング2はクリップ1Xの先端方向に移動し、クリップ1Xが閉じて患部を挟持する。しかしながら、このクリップ1Xは、一旦カシメリング2によってクリップの開きが狭くなると、患部の挟持位置の修正のためにクリップの開きを元に戻したくてもクリップの開きを元に戻すことができない。即ち、図16Cに示すようにインナーシース41を引き戻してもクリップ1Xにおけるカシメリング2の位置は元に戻らないため、クリップ1Xの開きは狭いままとなる。
【0006】
一方、特許文献3等に記載のクリップは、一旦クリップを閉じた後も、再度クリップを開閉することができるので、クリップで挟む患部の位置を修正することができる。しかしながら、このクリップの開閉には鉗子型の器具を使用することが必要とされ、内視鏡用クリップ装置ではこのクリップを開閉することができない。また、このクリップでは一対のアーム部(脚部)の先端部とヒンジ部との間で血管等を挟み、その状態を、先端部のフックの嵌合により保持するが、先端部で患部を挟むと先端部のフックを嵌合させることができないので患部を挟んだ状態を保持することができない。このため、このクリップをマーク用に使用することができない。
【0007】
これに対し、本発明は、内視鏡用クリップ装置で使用することができ、止血用にもマーク用にも使用することができる医療用クリップについて、クリップが完全に閉じるまではクリップの開閉のやり直しを可能とすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、対向するアームを有する板バネ状のクリップについて、クリップの一方のアームの長手方向の中央部に鈎状突起を設け、その鈎状突起で他方のアームをラッチすると、クリップの先端部は止血用にもマーク用にも使用することができ、また、カシメリングが不要となり、一方のアームの鈎状突起が他方のアームを完全にラッチするまでは、クリップの開閉を繰り返せることを見出し、本発明を想到した。
【0009】
即ち、本発明は、対向する第1アームと第2アーム、及び第1アームの一端と第2アームの一端とが連続した連続部を有する板バネ状の医療用クリップであって、
第1アームは、その長手方向の中央部に、第2アームを両側部からラッチし得る一対の鈎状突起を有し、
第1アームと第2アームが所定距離に近接することで一対の鈎状突起が第2アームの両側部をラッチし、第1アームと第2アームの近接状態が保持される医療用クリップを提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の医療用クリップによれば、第1アームの長手方向の中央部にある一対の鈎状突起と第2アームとのラッチによりクリップの先端部が完全に閉じた状態が保持される。このため、クリップの先端部は止血用にもマーク用にも使用することができる。
【0011】
また、第1アームの鈎状突起が第2アームをラッチしない限り、第1アームと第2アームは開閉を繰り返すことができる。よって、クリップを閉じかけた後においてもクリップが患部を挟持する位置を修正することが容易となる。
【0012】
また、この医療用クリップは内視鏡用クリップ装置のインナーシースに取り付けて使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A図1Aは、実施例のクリップ1Aが開いている状態を、その先端部側から見た斜視図である。
図1B図1Bは、実施例のクリップ1Aが開いている状態を、その連続部側から見た斜視図である。
図1C図1Cは、実施例のクリップ1Aが開いている状態の上面図である。
図1D図1Dは、実施例のクリップ1Aが開いている状態の側面図である。
図2図2は、実施例のクリップ1Aのラッチ状態の斜視図である。
図3A図3Aは、実施例のクリップ1Aの使用方法を説明する断面図である。
図3B図3Bは、実施例のクリップ1Aの使用方法を説明する断面図である。
図3C図3Cは、実施例のクリップ1Aの使用方法を説明する断面図である。
図3D図3Dは、実施例のクリップ1Aの使用方法を説明する断面図である。
図3E図3Eは、実施例のクリップ1Aの使用方法を説明する断面図である。
図4A図4Aは、実施例のクリップ1Aで粘膜を挟持する方法を説明する断面図である。
図4B図4Bは、実施例のクリップ1Aで粘膜を挟持する方法を説明する断面図である。
図4C図4Cは、実施例のクリップ1Aで粘膜を挟持する方法を説明する断面図である。
図4D図4Dは、実施例のクリップ1Aで粘膜を挟持する方法を説明する断面図である。
図5A図5Aは、実施例のクリップ1Bが開いている状態を、その先端部側から見た斜視図である。
図5B図5Bは、実施例のクリップ1Bが開いている状態を、その連続部側から見た斜視図である。
図6図6は、実施例のクリップ1Bのラッチ状態の斜視図である。
図7A図7Aは、実施例のクリップ1Bで粘膜を挟持する方法を説明する断面図である。
図7B図7Bは、実施例のクリップ1Bで粘膜を挟持する方法を説明する断面図である。
図8A図8Aは、実施例のクリップ1Cの使用方法を説明する断面図である。
図8B図8Bは、実施例のクリップ1Cの使用方法を説明する断面図である。
図9図9は、実施例のクリップ1Aの変形態様の側面図である。
図10図10は、圧迫片を取り付けた実施例のクリップ1Aの側面図である。
図11図11は、圧迫片を取り付けた実施例のクリップ1Aの上面図である。
図12図12は、圧迫片を取り付けた実施例のクリップ1Aで粘膜を挟持している状態の断面図である。
図13図13は、実施例のクリップ1Dの斜視図である。
図14A図14Aは、圧迫片を取り付けた実施例のクリップ1Dを先端部側から見た斜視図である。
図14B図14Bは、圧迫片を取り付けた実施例のクリップ1Dを連結部側から見た斜視図である。
図15図15は、圧迫片を取り付けた実施例のクリップ1Dで粘膜を挟持している状態の断面図である。
図16A図16Aは、従来の医療用クリップ1Xをインナーシースに取り付けた状態の断面図である。
図16B図16Bは、従来の医療用クリップ1Xをインナーシースへ少し引き込み、それに応じてクリップの開きが狭まった状態の断面図である。
図16C図16Cは、従来の医療用クリップ1Xをインナーシースへ少し引きこんだ後、インナーシースを引き戻した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しつつ本発明を詳細に説明する。なお、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。
【0015】
<医療用クリップの基本構成>
図1A及び図1Bは、本発明の一実施例の医療用クリップ1Aが開いている状態の斜視図であり、図1Cはその上面図、図1Dはその側面図である。また、図2は、医療用クリップ1Aのラッチ状態の斜視図である。
【0016】
このクリップ1Aは、板バネ等の弾性材料で形成されており、対向する第1アーム10と第2アーム20、及び第1アーム10の一端と第2アーム20の一端とが湾曲して連続している連続部30を有する。第1アーム10と第2アーム20の他端同士は離れており、全体が概略「<」字型に屈曲している。なお、本発明において連続部30は、必ずしも1枚の帯状の金属材料に曲げ加工を施すことにより得られる、第1アームと第2アームを連続させる湾曲部又は屈曲部に限られず、例えば、特許6694893号の図4図7に記載のように、第1アームと第2アームを、後端部をL字型に屈曲させた2枚の板バネから形成した場合に、それらの後端部近傍を補強部材で連続させた部位とすることができる。
【0017】
また、本実施例のクリップ1Aでは、第1アーム10の先端部11は第2アーム20側に屈曲し、第2アーム20の先端部21は第1アーム10側に屈曲し、これらの先端形状は、互いに嵌合する三角波形状となっている。なお、本発明のクリップにおいて、先端部11、21の形状はこれに限られず、台形、矩形等に形成されていてもよく、先端部11、21が屈曲しておらず、第1アーム10と第2アーム20とが閉じた状態で、これらの先端部11、21が互いに重なるように形成されていてもよい。
【0018】
第1アーム10の先端部11に隣接する挟持部15と、第2アーム20の先端部21に隣接する挟持部25は、それぞれ連続部30に比してアーム幅が広くなっている。挟持部15、25の両側辺部は内向きに起立し、挟持部15、25による生体組織の挟持を容易にしている。なお、本発明において挟持部15、25の形状は当該クリップの用途等に応じて適宜変更することができる。
【0019】
(鈎状突起)
第1アーム10は、その長手方向の中央部に第2アーム20を、該第2アーム20の両側部からラッチし得る一対の鈎状突起12a、12bを有している。より具体的には、第1アーム10の先端部11と連続部30との間で、第1アーム10の両側辺に沿って、一対の鈎状突起12a、12bが第2アーム部20方向に起立しており、この一対の鈎状突起12a、12bの先端は互いに対向する向きに屈曲している。なお、本実施例のクリップ1Aでは、鈎状突起12a、12bが第1アーム10の両側辺に沿って起立しており、これによりクリップ1Aを金属板の曲げ加工により容易に製造することが可能となる。一方、クリップ1Aを樹脂成型する場合等においては、鈎状突起12a、12bを第1アーム10の側辺よりも該アームの内側から起立させてもよい。
【0020】
このクリップ1Aは、第1アーム10と第2アーム20とが押圧され、所定距離に近接することで、図2に示すように、一対の鈎状突起12a、12bが第2アーム20の被ラッチ部位22をラッチする。この被ラッチ部位22は平板状になっており、一旦、第1アーム10の鈎状突起12a、12bが第2アーム20の被ラッチ部位22をラッチすると、クリップ1Aが弾性材料で形成されていることにより、第2アーム20は、第1アーム10と第2アーム20との開きが大きくなる方向に付勢されるのでラッチ状態が安定し、第1アーム10と第2アーム20の近接状態が保持される。
【0021】
(スロープ状突起)
一方、第1アーム10と反対側の第2アーム20の外側面20oであって、第2アーム20の被ラッチ部位22よりも先端部21よりには第2アーム20の長手方向に伸びたスロープ状突起23が設けられている。図1Dに示すように、スロープ状突起23の第2アーム20の外側面20oに対する高さHsは、第2アーム20の先端部21に向かって徐々に高くなっている。このため、クリップ1Aの側面視において、スロープ状突起23は三角板状となる。
【0022】
後述するように、クリップ用シース40を用いてクリップ1Aを患部にクリップする際に、クリップ1Aをインナーシース41方向に引き込み、インナーシース41の内壁によって第1アーム10と第2アーム20が近接するように押圧するにあたり、上述のようにスロープ状突起23が傾斜していると、第2アーム20を効率よく押圧することができる。また、第1アーム10の鈎状突起12a、12bが第2アーム20の被ラッチ部位22をラッチした後、このクリップ1Aを患部に留置するために、インナーシース41を引き戻すときには、スロープ状突起23が上述のように傾斜していると、クリップ1Aとインナーシース41の内壁との接触面積が低減し、それらの間の摩擦抵抗が小さくなる。このため、クリップ1Aを患部に留置しつつインナーシース41を引き戻すことが容易となる。
【0023】
第2アーム20の外側面20oに対するスロープ状突起23の傾斜角αは、第2アーム20の先端部21に向かって徐々に大きくすること、即ち、スロープ状突起23の傾斜面にRを持たせることがより好ましい。また、同様の理由で、第2アーム20の短手方向のスロープ状突起23の幅Wsは狭くすることが好ましく(図1C)、クリップ1Aを金属板の曲げ加工により形成する場合、金属板の板厚程度の厚さとすることが好ましい。
【0024】
なお、本実施例ではスロープ状突起23を第2アーム20の左右の両側辺に沿って2本形成しているが、スロープ状突起23の形成態様はこれに限られず、例えば、第2アーム20の短手方向の幅の中心線A上に1本のスロープ状突起を形成してもよい。
【0025】
(インナーシースストッパー)
第2アーム20と反対側の第1アーム10の外側面10oであって、一対の鈎状突起12a、12bよりも第1アームの先端部11よりには、インナーシースストッパーとして突出部13が設けられている。後述するように、クリップ用シース40に取り付けたクリップ1Aを操作ワイヤー43でインナーシース41方向へ引き込み、第1アーム10と第2アーム20とを近接させるときに、インナーシースストッパー13が設けられていると、インナーシース41の開口端面がインナーシースストッパー13に当接し、クリップ1Aがインナーシース41内に無用に引きこまれなくなるので好ましい。
【0026】
図2に示すように、第1アーム10の鈎状突起12a、12bが第2アーム20をラッチした状態における、インナーシースストッパー13の連続部側端部13aのクリップ長手方向の位置は、同状態におけるスロープ状突起23のクリップ長手方向の形成範囲内とすることが好ましい。これにより、クリップ用シース40に取り付けられているクリップ1Aをインナーシース41方向へ引き込むことで第1アーム10と第2アーム20とを近接させるときに、クリップ1Aがインナーシース41内に引き込まれる長さを必要最小限に抑えることができる。
【0027】
(第1アームの湾曲部と第2アームの湾曲部)
第1アーム10は、鈎状突起12a、12bと連続部30との間に、第2アーム20側に対して凸に湾曲した第1アーム湾曲部14を有する。一方、第2アーム20は、被ラッチ部位22と連続部30との間に、第1アーム10側に対して凸に湾曲した第2アーム湾曲部24を有する。
【0028】
この第1アーム湾曲部14と第2アーム湾曲部24は、クリップ1Aを閉じるためにクリップ1Aをインナーシース41に引き込むと当接し、第1アーム10と第2アーム20の開閉の支点となる。インナーシース41におけるクリップ1Aの引き込み量が長くなり、第1アーム10と第2アーム20との開きが小さくなるにつれて、第1アーム湾曲部14と第2アーム湾曲部24との当接点が第1アームの先端部11、第2アームの先端部21側に移動する。これによりクリップ1Aを閉じて挟持部15、25で生体組織を挟持する力が高まり、また、クリップ1Aを閉じるときにクリップ1Aにかかる応力が分散する。よって、クリップ1Aを樹脂製とした場合でも、クリップ1Aの開閉によりアーム10、20が折れることを防止できる。
【0029】
(第1アーム及び第2アームの幅)
クリップ1Aの上面視(図1C)における第2アーム20の幅W2(第2アーム20の長手方向に直交する方向の長さ)は、連続部30と第2アーム湾曲部24が最も狭く、これよりも被ラッチ部位22とスロープ状突起23の形成部位の幅は広い。患部を直接クリップすることとなる先端部21及び挟持部25はさらに広く、クリップ用シース40のアウターシース42に収容できればよい。第1アーム10の幅W1も、同様に連続部30や第1アーム湾曲部14に対して鈎状突起12a、12bの形成部位が広く、さらに先端部11及び挟持部15が鈎状突起12a、12bの形成部位よりも幅広に形成されている。
【0030】
(形成材料)
クリップ1Aは、ステンレス等の板バネとなる金属板に曲げ加工を施すことにより容易かつ安価に製造することができる。
また、クリップ1Aは、特許文献2に記載の樹脂と同様に強い剛性を発揮するポリカーボネート、ABS等の樹脂から形成してもよく、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の耐熱性の熱可塑性樹脂を使用してもよい。クリップの用途に応じて適宜選択する。
【0031】
樹脂の曲げ弾性率(JIS K 7171)は2000MPa以上が好ましく、曲げ強さ(JIS K 7171)は90MPa以上が好ましい。消化液に対する耐酸性と耐アルカリ性に優れる点からもポリカーボネート、ABS等が好ましい。
【0032】
クリップ1Aを樹脂製とする場合には、「<」字型形状のクリップ1Aの弾性力を高めるため、連続部30の樹脂量を多くすることが好ましい。
【0033】
また、クリップ1Aをマーカー用とする場合、クリップ1Aを形成する樹脂には蛍光色素を含有させることが好ましい。蛍光色素としては、600~1400nmの赤色光乃至近赤外光の波長域、好ましくは700~1100nmの赤色光乃至近赤外光の波長域で蛍光を発するものが好ましい。このような波長域の光は、皮膚、脂肪、筋肉等の人体組織に対して透過性が高く、例えば、直腸等の管状の人体組織の粘膜から漿膜面まで良好に到達することができる。
【0034】
上述の波長域の蛍光を発する蛍光色素としては、リボフラビン、チアミン、NADH(nicotinamide adenine dinucleotide)、インドシアニングリーン(ICG)、特開2011-162445号公報に記載のアゾ-ホウ素錯体化合物、WO2016/132596号公報に記載の縮合環構造を有する色素、特許5177427号公報に記載のボロンジピロメテン骨格を有する色素、特開2020-74905号公報に記載のシリカ粒子と化学結合する色素、特開2020-105170号公報に記載のフタロシアニン系色素等をあげることができる。
【0035】
樹脂中の蛍光色素の好ましい濃度は当該蛍光色素や樹脂の種類等に応じて設定することができ、通常、0.001~1質量%とすることが好ましい。
【0036】
樹脂に蛍光色素を含有させる方法としては、例えば、二軸混練機を使用して樹脂に蛍光色素を混練する。その後、射出成形にてクリップ本体を成形すればよい。
【0037】
(使用方法)
クリップ1Aを内視鏡用クリップとして使用する場合の使用方法としては、例えば図3Aに示すように、クリップ1Aを内視鏡用クリップ装置のクリップ用シース40に取り付ける。クリップ用シース40としては、例えば、特許4388324号公報、特許5045484号公報等に記載されているインナーシース41とアウターシース42と操作ワイヤー43を有するものを使用することができ、市販のものを使用することができる。クリップ1Aのクリップ用シース40への取り付け方法としては、例えば、操作ワイヤー43の連結部44をクリップ1Aの連続部30の端部に掛合させればよい。また、特許第5781347号公報等に記載されているように連結フックを用いても良い。
【0038】
内視鏡用クリップ装置の操作によりクリップ1Aを操作ワイヤー43によってアウターシース42内に引き込むと図3Bに示すようにクリップ1Aが閉じ、クリップ1Aをアウターシース42から突出させると、再度図3Aに示すようにクリップ1Aの先端部11、21側が開く。また、図3Cに示すようにクリップ1Aをインナーシース41内に引き込んでいくと次第にクリップ1Aの先端部11、21側が閉じ、図3Dに示すようにインナーシース41がインナーシースストッパー13の連続部側端部13aに当たると共に、スロープ状突起23の斜面に当たると、第1アーム10の鈎状突起12a、12bが第2アーム20をラッチする。クリップ1Aをインナーシース41内にこれ以上引き込むことはできなくなる。次に、インナーシース41を引き戻すと、図3Eに示すように第1アーム10と第2アーム20が鈎状突起12a、12bによりラッチされた状態のクリップ1Aをクリップ用シース40から外すことができる。
【0039】
そこで、クリップ1Aで、例えば管腔臓器の粘膜の患部を挟持する場合を説明すると、クリップ1Aを操作ワイヤー43に取り付け、図3Bに示したようにクリップ1Aを操作ワイヤー43によってアウターシース42内に引き込み、その状態でクリップ用シース40を管腔臓器の内部に挿入する。内視鏡用クリップ装置を操作して図4Aに示すようにアウターシース42からクリップ1Aを突出させ、粘膜Xの患部近傍でクリップ1Aの先端部11、21を開く。そして、図4Bに示すようにクリップ1Aを粘膜Xに接触させ、クリップ1Aをインナーシース41内に引き込んでいくことによりクリップ1Aの先端部11、21側を閉じていく。図4Bに示したようにクリップ1Aの先端部11、21が粘膜Xをつかみかけても、第1アーム10の鈎状突起12a、12bが第2アーム20をラッチしていない状態では、インナーシース41を引き戻すことにより再度クリップ1Aの先端部11、21は開くので、クリップ1Aの先端部11、21がクリップする粘膜の位置を必要に応じて修正することができる。
【0040】
クリップ1Aの先端部11、21が粘膜Xを狙った位置でつかめた場合には図4Cに示すように、第1アーム10の鈎状突起12a、12bに第2アーム20をラッチさせ、クリップ1Aの先端部11、21が粘膜Xを挟持した状態を固定する。このとき、インナーシース41は、インナーシースストッパー13の連続部側端部13aに当たると共に、スロープ状突起23の斜面に当たっているだけなので、インナーシース41を引き戻すにあたりインナーシース41とクリップ1Aとの摺動抵抗は低い。このため、容易にインナーシース41を引き戻すことができる。よって、図4Dに示すように、操作ワイヤー43の連結部44をクリップ1Aの連続部30から外し、インナーシース41及びアウターシース42を引き戻すことで、粘膜Xを挟持したクリップ1Aを管腔臓器の粘膜に留置することができる。
【0041】
(変形態様)
本発明の医療用クリップは種々の態様をとることができる。例えば、上述のクリップ1Aは、鈎状突起12a、12bを有する第1アーム10にインナーシースストッパー13が形成され、被ラッチ部位22を有する第2アーム20にスロープ状突起23が形成されているが、鈎状突起12a、12bを有する第1アーム10にスロープ状突起23を形成し、被ラッチ部位22を有する第2アーム20にインナーシースストッパー13を形成してもよい。
【0042】
また、本発明では、スロープ状突起23やインナーシースストッパー13を省略してもよい。例えば、図5A図5B、及び図6に示したクリップ1Bは、第1アーム10が鈎状突起12a、12bを有し、この鈎状突起12a、12bが第2アーム20をラッチすることにより第1アーム10の先端部11と第2アーム20の先端部21が閉じた状態が保持される点で上述のクリップ1Aと共通するが、このクリップ1Bでは被ラッチ部位22が井戸型に第1アーム10側に凹んでいる。このように第2アーム20の被ラッチ部位22を第1アーム10側に凹ませることにより、クリップ1Bを内視鏡用クリップ装置のクリップ用シース40に取り付け、操作ワイヤー43でクリップ1Bをインナーシース41内に引き込むにあたり、より少ない引込み量で第1アーム10の鈎状突起12a、12bを第2アーム20にラッチさせることが可能となる。
【0043】
また、このクリップ1Bでは、第2アーム20にスロープ状突起が形成されておらず、第1アーム10にはインナーシースストッパー13が形成されていない。
【0044】
このため、図7Aに示すようにクリップ1Bを、内視鏡用クリップ装置のクリップ用シース40に取り付け、操作ワイヤー43でクリップ1Bをインナーシース41内に引き込んで行くと、図7Bに示すように、被ラッチ部位22の凹みの連続部30側で該凹みに隣接する凸部26がインナーシース41の内壁に当たり、それによりクリップ1Bの先端部11、21が閉じる。
【0045】
こうしてクリップ1Bが閉じた後、クリップ1Bをクリップ用シース40から外すときは、前述のクリップ1Aと同様にインナーシース41を引き戻すと共に、操作ワイヤー43をクリップ1Bから取り外せばよい。
【0046】
このクリップ1Bのインナーシース41の引き戻しでは、第2アーム20の凸部26と第1アーム10の外側面10oがインナーシース41の内壁と摺動することになる。そのため、クリップ1Bの表面は摺動抵抗が低いものが好ましい。
【0047】
一方、クリップがインナーシース41の内壁に接する面積を低減させて摺動抵抗を低くするため、例えば図8A図8Bに示すクリップ1Cのように、第2アーム20の凸部26の連続部30側で該凸部26に隣接する部位と、第1アーム10の対応する部位に半球型凸部17、27を設けてもよい。半球型凸部17、27は、インナーシース41の内壁と点接触するので、クリップ1Cとインナーシース41の内壁との摺動抵抗を押さえることができる。
【0048】
また、上述の各クリップにおいて、例えば図9に示すように操作ワイヤー43の連結部45として、先端が鈎型に屈曲しており、その鈎型部分をクリップの連続部30に掛止するものを使用する場合、操作ワイヤー43の先端が無用にクリップ1A、1B、1Cの先端部11、21側に動くことを防止する突出部31を連続部30に設けても良い。
【0049】
上述の各クリップの挟持部15、25に、例えば図10に示したように、可撓性樹脂製で、蛍光色素を保持している圧迫片50を取り付け、アームの先端部11、21から圧迫片50を突出させてもよい。図11は、圧迫片50を有するクリップ1Aの上面図である。また、図12は、この圧迫片50付きのクリップ1Aで粘膜を挟持している状態の断面図である。
【0050】
圧迫片50を形成する可撓性樹脂としては、消化管等に長期に留置しても変性せず、胃酸に耐える耐酸性を有しているものが好ましい。このような可撓性樹脂としては、軟質ポリ塩化ビニル、熱可塑性ポリウレタン、シリコーン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の医療器具に用いられる樹脂を挙げることができる。
【0051】
また、圧迫片50は、クリップ1Aが生体組織を挟持している状態で、圧迫片50が屈曲することにより突出部分51が効果的に生体組織を圧迫できるように、適度な硬さと弾性を有していることが好ましい。
【0052】
圧迫片50の硬さとしては、デュロメータで計測したショアA(JIS K 6253)としてA10~A90、または、ショアD(JIS K 6253)としてD40~D70の範囲が好ましい。また、圧迫片50の硬さは、圧迫片50の形状、大きさ等に応じて適宜選択することが好ましい。
【0053】
圧迫片50の弾性としては、曲げ弾性率(ASTM D 790)が4~200MPaが好ましく、10~100MPaがより好ましい。
【0054】
圧迫片50に保持させる蛍光色素としては、600~1400nmの赤色光乃至近赤外光の波長域、好ましくは700~1100nmの赤色光乃至近赤外光の波長域で蛍光を発するものが好ましく、前述したものを使用することができる。
【0055】
圧迫片50に蛍光色素を保持させる具体的な態様としては、圧迫片50を形成する可撓性樹脂に蛍光色素を含有させたり、可撓性樹脂で形成した圧迫片の表面に蛍光色素を含有する塗布膜を形成したりすることができる。圧迫片50を形成する可撓性樹脂に蛍光色素を含有させる場合、蛍光色素の好ましい濃度は当該蛍光色素や樹脂の種類等に応じて設定することができ、通常、0.001~1質量%とすることが好ましい。
【0056】
一方、圧迫片50の形状は概略短冊型であり、第1アーム10、第2アーム20のそれぞれにおいて、圧迫片50を挟持部15、25からアームの長手方向に突出させる。圧迫片50には、各アームの先端部11、21の近傍であって、アームの長手方向の内側と外側にくびれ52、53を設けることができる。これにより、図10に破線で示したように圧迫片50の突出部分51が屈曲しやすくなる。くびれ52、53の大きさ、形状、くびれ52、53の有無により、圧迫片50付きクリップ1Aで生体組織を挟持したときに圧迫片50が生体組織を押圧する力を調整することができる。
【0057】
図12に示したように、圧迫片50付きのクリップ1Aで生体組織Xを挟持すると、圧迫片50が屈曲し、屈曲した部分が生体組織Xを該生体組織の厚み方向に強く押圧し、粘膜下層の血管網Yの血液が排除される。この状態で圧迫片50に、励起光として赤色乃至近赤外の波長域の励起光を漿膜側から照射すると、その励起光は、ヘモグロビンで殆ど吸収阻害されることなく、圧迫片50が保持する蛍光色素に吸収され、蛍光色素が赤色乃至近赤外の波長域の蛍光を発する。この蛍光は、ヘモグロビンで殆ど吸収阻害されることなく管腔臓器の外側に出射する。したがって、この蛍光を管腔臓器の外側から良好に観察することができ、管腔臓器の内部に挟持させた生体圧迫クリップの位置がわかり、患部の位置を特定することができる。
【0058】
クリップに圧迫片50を設ける場合に、図13に示すクリップ1Dのように各アーム10、20の先端部11、21から挟持部15、25にかけての領域を櫛歯状としてもよい。図14A図14Bは、クリップ1Dの挟持部15、25にインサート成形により圧迫片50を設けたものの斜視図である。
【0059】
即ち、このクリップ1Dでは、各アーム10、20の先端部11、21から挟持部15、25にかけて2本の櫛歯11t、21tが並列しており、2本の櫛歯間は櫛歯間スペース11s、21sとなっている。また、各アーム10、20の挟持部15、25において、櫛歯11t、21tよりも連続部30よりの部分には、圧迫片50の固定を確実にするための穴部18、28が必要に応じて設けられている。なお、本実施例のクリップ1Dでは各アーム10、20に2本の櫛歯11t、21tが設けられているが、本発明において各アーム10、20における櫛歯の歯数はこれに限られず、2本以上とすることができ、好ましくは2~3本である。
【0060】
また、櫛歯11t、21tの先端部において内向きに起立している爪11a、21aは、クリップ1Dが閉じた状態で爪11a、21aがクリップ1Dの中心軸Lから離間するように形成することが好ましい。ここで、本発明においてクリップの中心軸Lとは、クリップの上面図においてアームの幅Wを二等分し(図11)、かつクリップの側面図において一対のアーム10、20と等距離にある軸である(図12)。クリップ1Dが閉じた状態で、先端部11、21の爪11a、21aが中心軸Lから離間していることにより、図15の断面図に示すようにクリップ1Dで生体組織の粘膜を挟持した場合に、圧迫片50の突出部分51や外側部分54だけでなく、内側部分55や櫛歯間部分56が発する蛍光が各アーム10、20を構成する金属板や爪11a、21aで遮られることなく、漿膜方向に出射する。したがって、観察方向の蛍光強度を格段に強めることができる。
【0061】
また、圧迫片50を有するクリップ1Dは、インサート成形により容易に製造することができ、また、別個に成形した圧迫片をアーム10、20の挟持部15、25に接着剤で取り付ける場合にも、櫛歯間スペース11s、21sに圧迫片を嵌め込むことにより、圧迫片50を容易かつ強固に取り付けることができる。
上述した種々の変形態様は適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0062】
1A、1B、1C、1D クリップ
1X クリップ
2 カシメリング
10 第1アーム
10o 第1アームの外側面
11 先端部
11a 爪
11t 櫛歯
11s 櫛歯間スペース
12a、12b 鈎状突起(ラッチ部)
13 インナーシースストッパー、突出部
13a インナーシースストッパーの連続部側端部
14 第1アーム湾曲部
15 挟持部
16 操作用凸部
17 半球型凸部
18 穴部
20 第2アーム
20o 第2アームの外側面
21 先端部
21a 爪
21t 櫛歯
21s 櫛歯間スペース
22 被ラッチ部位
23 スロープ状突起
24 第2アーム湾曲部
25 挟持部
26 凸部
27 半球型凸部
28 穴部
30 連続部
31 突出部
40 クリップ用シース
41 インナーシース
42 アウターシース
43 操作ワイヤー
44 連結部
45 連結部
50 圧迫片
51 突出部分
52 くびれ
53 くびれ
54 外側部分
55 内側部分
56 櫛歯間部分
57 補強部分
A 第2アームの短手方向の幅の中心線
Hs スロープ状突起の高さ
L クリップの中心軸
W、W1、W2 アームの幅、第1アームの幅、第2アームの幅
Ws スロープ状突起の幅
X 粘膜、生体組織
Y 血管網
α スロープ状突起の傾斜角
【要約】
【課題】内視鏡用クリップ装置で使用することができ、止血用にもマーク用にも使用することができる医療用クリップについて、クリップが完全に閉じるまではクリップの開閉のやり直しを可能とする。
【解決手段】対向する第1アーム10と第2アーム20、及び第1アーム10の一端と第2アーム20の一端との連続部30を有する板バネ状の医療用クリップ1Aが、第1アーム10の長手方向の中央部に第2アーム20の両側部をラッチし得る一対の鈎状突起12a、12bを有し、第1アーム10と第2アーム20が所定距離に近接することで一対の鈎状突起12a、12bが第2アーム20の両側部をラッチし、第1アーム10と第2アーム20の近接状態を保持する。
【選択図】図2
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図16C