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特許7105324空間光変調器のためのデータストリームを削減する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-13
(45)【発行日】2022-07-22
(54)【発明の名称】空間光変調器のためのデータストリームを削減する方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20220714BHJP
【FI】
G03F7/20 501
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020573103
(86)(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 US2019033482
(87)【国際公開番号】W WO2020005421
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】16/024,062
(32)【優先日】2018-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, ジョセフ アール.
(72)【発明者】
【氏名】レイディグ, トーマス エル.
(72)【発明者】
【氏名】ベンチャー, クリストファー デニス
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-032825(JP,A)
【文献】特開2009-109550(JP,A)
【文献】登録実用新案第3211148(JP,U)
【文献】特表2017-517881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
H01L 21/027
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板をパターニングするための固体エミッタデバイスであって、
電圧を送達するように構成されたプログラムゲート、
前記プログラムゲートに電気的に接続された状態格納ノードであって、前記プログラムゲートによって送達された電圧を格納するように構成された状態格納ノード、
前記状態格納ノードに電気的に接続された駆動ゲートであって、前記状態格納ノードが、前記プログラムゲートによって前記状態格納ノードに送達された電圧を格納しているときに、アクティブ化される駆動ゲート、
前記駆動ゲートに電気的に接続された少なくとも2本の電力線、および
少なくとも第1のサブピクセルと第2のサブピクセルとを含むピクセルであって、前記第1のサブピクセルおよび前記第2のサブピクセルはそれぞれ前記駆動ゲートに電気的に接続されている、ピクセル、
を備え、
アクティブ化された前記駆動ゲートは、第1の電力線から前記駆動ゲートに第1の電気パルスが送達されると、前記第1の電気パルスを前記第1のサブピクセルに伝達して前記第1のサブピクセルを点灯させるように構成されており、点灯された前記第1のサブピクセルからの光が、前記基板上の1つの位置に投射され、
アクティブ化された前記駆動ゲートは、第2の電力線から前記駆動ゲートに第2の電気パルスが送達されると、前記第2の電気パルスを前記第2のサブピクセルに伝達して前記第2のサブピクセルを点灯させるように構成されており、点灯された前記第2のサブピクセルからの光が、前記基板上の前記1つの位置に投射される、固体エミッタデバイス。
【請求項2】
前記基板が、前記第1のサブピクセルおよび前記第2のサブピクセルに対してある速度で移動するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1のサブピクセルが、前記第2のサブピクセルから第1の距離だけ離れている、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の電気パルスの送達と前記第2の電気パルスの送達が、時間遅延によって隔てられている、請求項3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記時間遅延が、前記第1の距離を前記基板の前記速度で割ったものに等しい、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プログラムゲートが、固体プログラミングデバイスと通信しており、
前記固体プログラミングデバイスが、前記プログラムゲートに電圧を送達するかどうかを決定するように構成されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
複数の固体エミッタデバイスを含む、基板をパターニングするための固体エミッタアレイであって、各固体エミッタデバイスが、
電圧を送達するように構成されたプログラムゲート、
前記プログラムゲートに電気的に接続された状態格納ノードであって、前記プログラムゲートによって送達された電圧を格納するように構成された状態格納ノード、
前記状態格納ノードに電気的に接続された駆動ゲートであって、前記状態格納ノードが、前記プログラムゲートによって前記状態格納ノードに送達された電圧を格納しているときに、アクティブ化される駆動ゲート、
前記駆動ゲートに電気的に接続された少なくとも2本の電力線、および
少なくとも第1のサブピクセルと第2のサブピクセルとを含むピクセルであって、前記第1のサブピクセルおよび前記第2のサブピクセルはそれぞれ前記駆動ゲートに電気的に接続されている、ピクセル、
を備え、
アクティブ化された前記駆動ゲートは、第1の電力線から前記駆動ゲートに第1の電気パルスが送達されると、前記第1の電気パルスを前記第1のサブピクセルに伝達して前記第1のサブピクセルを点灯させるように構成されており、点灯された前記第1のサブピクセルからの光が、前記基板上の1つの位置に投射され、
アクティブ化された前記駆動ゲートは、第2の電力線から前記駆動ゲートに第2の電気パルスが送達されると、前記第2の電気パルスを前記第2のサブピクセルに伝達して前記第2のサブピクセルを点灯させるように構成されており、点灯された前記第2のサブピクセルからの光が、前記基板上の前記1つの位置に投射される、固体エミッタアレイ。
【請求項8】
前記複数の固体エミッタデバイスが、行と列で構成されている、請求項7に記載のアレイ。
【請求項9】
前記基板が、前記アレイに対してある速度で移動するように構成されている、請求項8に記載のアレイ。
【請求項10】
前記第1のサブピクセルの各々が、前記第2のサブピクセルの各々から第1の距離だけ離れている、請求項9に記載のアレイ。
【請求項11】
前記第1の電気パルスの送達と前記第2の電気パルスの送達が、時間遅延によって隔てられている、請求項10に記載のアレイ。
【請求項12】
前記時間遅延が、前記第1の距離を前記基板の前記速度で割ったものに等しい、請求項11に記載のアレイ。
【請求項13】
前記アレイが、固体プログラミングデバイスと通信しており、
前記固体プログラミングデバイスが、前記プログラムゲートに電圧を送達するかどうかを決定するように構成されている、請求項7に記載のアレイ。
【請求項14】
固体エミッタデバイスを使用して基板をパターニングするための方法であって、前記基板が、ある速度で前記固体エミッタデバイスを通り過ぎるように構成されており、
状態格納ノードに接続されたプログラムゲートに電圧を伝達すること、
前記プログラムゲートから前記状態格納ノードに前記電圧を伝達すること、
前記状態格納ノードに前記電圧を格納することであって、そのような格納が駆動ゲートをアクティブ化する、前記電圧を格納すること、
第1の電気パルスを第1の電力線から前記駆動ゲートに伝達することであって、アクティブ化された前記駆動ゲートへの前記第1の電気パルスの伝達により、前記第1の電気パルスが前記駆動ゲートを通過し、第1のサブピクセルを点灯させる、第1の電気パルスを伝達すること、
点灯された前記第1のサブピクセルからの光を、前記基板上の1つの位置に投射すること、
第2の電気パルスを第2の電力線から前記駆動ゲートに伝達することであって、アクティブ化された前記駆動ゲートへの前記第2の電気パルスの伝達により、前記第2の電気パルスが前記駆動ゲートを通過し、第2のサブピクセルを点灯させる、第2の電気パルスを伝達すること、および
点灯された前記第2のサブピクセルからの光を、前記基板上の前記1つの位置に投射すること、
を含む方法。
【請求項15】
時間遅延が、前記第1の電気パルスの送達を前記第2の電気パルスから隔て、前記時間遅延が、前記第1のサブピクセルと前記第2のサブピクセルとの間の距離を前記速度で割ったものに等しい、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、一般に、1つ以上の基板を処理するための装置、システム、および方法に関し、より具体的には、フォトリソグラフィプロセスを実行するための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]フォトリソグラフィは、半導体デバイスや、液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイデバイスの製造に広く使用されている。LCDの製造には、大面積の基板が、多くの場合、使用される。LCD、すなわちフラットパネルは、コンピュータ、タッチパネルデバイス、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、テレビモニタなどのアクティブマトリックスディスプレイに一般に使用される。一般に、フラットパネルは、2つのプレートの間に挟まれた、ピクセルを形成する液晶材料の層を含む。電源からの電力が、液晶材料の両端に印加されると、液晶材料を通過する光の量が、ピクセル位置で制御され、画像を生成することができる。
【0003】
[0003]マイクロリソグラフィ技術が、ピクセルを形成する液晶材料層の一部として組み込まれた電気的フィーチャを生成するために採用されてきた。これらの技術によれば、感光性フォトレジストが、基板の少なくとも1つの表面に塗布される。次に、パターンジェネレータが、パターンの一部として感光性フォトレジストの選択された領域を、光で露光し、選択領域のフォトレジストに化学変化を引き起こして、これらの選択領域を、電気的フィーチャを生成するための、その後の材料除去および/または材料添加プロセスのために準備する。
【0004】
[0004]消費者が要求する価格でディスプレイデバイスおよび他のデバイスを提供し続けるために、大面積基板などの基板上にパターンを正確かつ費用対効果の高いやり方で作製するための新しい装置およびアプローチが必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の実施形態は、一般に、固体エミッタデバイスを使用する改良されたフォトリソグラフィシステムおよび方法を提供する。一実施形態では、固体エミッタデバイスは、電圧を送達するように構成されたプログラムゲート、プログラムゲートに電気的に接続された状態格納ノードであって、プログラムゲートによって送達された電圧を格納するように構成された状態格納ノード、状態格納ノードに電気的に接続された駆動ゲート、駆動ゲートに電気的に接続された少なくとも2本の電力線、および少なくとも2つのサブピクセルを含むピクセルであって、各サブピクセルは、駆動ゲートに電気的に接続されている、ピクセル、を備え、駆動ゲートは、第1の電力線から駆動ゲートへ第1の電気パルスが送達されると、状態格納ノードに格納された電圧を第1のサブピクセルに伝達するように構成され、駆動ゲートは、第2の電力線から駆動ゲートへ第2の電気パルスが送達されると、状態格納ノードに格納された電圧を第2のサブピクセルに伝達するように構成され、サブピクセルへの電気パルスの送達は、サブピクセルの点灯を引き起こす。
【0006】
[0006]別の実施形態では、基板をパターニングするための固体エミッタアレイが開示されている。固体エミッタアレイは、複数の固体エミッタデバイスを備え、各固体エミッタデバイスは、電圧を送達するように構成されたプログラムゲート、プログラムゲートに電気的に接続された状態格納ノードであって、プログラムゲートによって送達された電圧を格納するように構成された状態格納ノード、状態格納ノードに電気的に接続された駆動ゲート、駆動ゲートに電気的に接続された少なくとも2本の電力線、および少なくとも2つのサブピクセルを含むピクセルであって、各サブピクセルは、駆動ゲートに電気的に接続されている、ピクセル、を備え、駆動ゲートは、第1の電力線から駆動ゲートへ第1の電気パルスが送達されると、状態格納ノードに格納された電圧を第1のサブピクセルに伝達するように構成され、駆動ゲートは、第2の電力線から駆動ゲートへ第2の電気パルスが送達されると、状態格納ノードに格納された電圧を第2のサブピクセルに伝達するように構成され、サブピクセルへの電気パルスの送達は、サブピクセルの点灯を引き起こす。
【0007】
[0007]別の実施形態では、固体エミッタデバイスを使用して基板をパターニングするための方法が開示される。この実施形態では、基板は、ある速度で固体エミッタデバイスを通り過ぎるように構成される。この方法は、状態格納ノードに接続されたプログラムゲートに電圧を伝達すること、プログラムゲートから状態格納ノードに電圧を伝達すること、状態格納ノードに電圧を格納すること、第1の電気パルスを第1の電力線から駆動ゲートに伝達することであって、第1の電気パルスの伝達により、状態格納ノードに格納された電圧が駆動ゲートを通過し、第1のサブピクセルを点灯させる、伝達すること、および第2の電気パルスを第2の電力線から駆動ゲートに伝達することであって、第2の電気パルスの伝達により、状態格納ノードに格納された電圧が駆動ゲートを通過し、第2のサブピクセルを点灯させる、伝達すること、を含む。
【0008】
[0008]本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明は、実施形態を参照することによって得ることができ、そのいくつかは添付の図面に示されている。しかしながら、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示し、したがって、その範囲を限定すると見なされるべきではなく、本開示は、他の同等に有効な実施形態を認めることができることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本明細書に開示される実施形態によるフォトリソグラフィシステムの斜視図である。
図1B】本明細書に開示される実施形態によるフォトリソグラフィシステムの斜視図である。
図2A】本明細書に開示される実施形態による画像投影装置の斜視概略図である。
図2B】本明細書に開示される実施形態による画像投影装置の斜視概略図である。
図3】本明細書に開示される実施形態による固体エミッタデバイスの概略図である。
図4】本明細書に開示される実施形態によるアクティブマトリックスマイクロLEDデバイスの概略図である。
図5】本明細書に開示される実施形態によるマイクロLEDアレイの概略図である。
図6】本明細書に開示される実施形態による、基板をパターニングする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0017]理解を容易にするために、可能な限り、同一の参照番号を使用して、図に共通する同一の要素を指定している。さらに、一実施形態の要素は、本明細書に記載の他の実施形態での利用に有利に適合させることができる。
【0011】
[0018]本開示の実施形態は、マイクロLEDアレイを使用する改良されたフォトリソグラフィシステムおよび方法を提供する。マイクロLEDアレイは、行および列に配置された固体エミッタデバイスを含み、各固体エミッタデバイスは、2つ以上のサブピクセルを含む。各固体エミッタデバイスは、状態格納ノードに電圧を伝達できる1つのプログラムゲートを備えている。状態格納ノードは、駆動ゲートと電気的に通信している。駆動ゲートは、2つ以上のサブピクセルと通信している。複数のサブピクセルが単一の駆動ゲートと通信する配置により、一つより多いパルスが駆動ゲートに送達され、各駆動ゲートで一つより多いサブピクセルの点灯がもたらされる。その結果、データ効率の向上、信号対雑音比の改善、および基板パターニングの解像度の改善がもたらされる。
【0012】
[0019]図1Aは、本明細書に開示される実施形態によるフォトリソグラフィシステム100の斜視図である。システム100は、ベースフレーム110、スラブ120、ステージ130、および処理装置160を含む。ベースフレーム110は、製造施設の床に置かれ、スラブ120を支持する。パッシブエアアイソレータ112が、ベースフレーム110とスラブ120との間に配置されている。一実施形態では、スラブ120は、花崗岩のモノリシック片であり、ステージ130は、スラブ120上に配置されている。基板140が、ステージ130によって支持されている。複数の穴(図示せず)が、ステージ130に形成され、複数のリフトピン(図示せず)が、それを通って伸長することができる。いくつかの実施形態では、リフトピンは、例えば、1つ以上の移送ロボット(図示せず)などから、基板140を受け取るために伸長位置まで上昇する。1つ以上の移送ロボットを使用して、基板140をロードおよびステージ130からアンロードする。
【0013】
[0020]基板140は、任意の適切な材料、例えば、フラットパネルディスプレイの一部として使用される石英を含む。他の実施形態では、基板140は、他の材料でできている。いくつかの実施形態では、基板140上にフォトレジスト層が形成されている。フォトレジストは、放射に対して感応性がある。ポジ型フォトレジストは、放射に曝されたときに、パターンがフォトレジストに書き込まれた後にフォトレジストに塗布されたフォトレジスト現像剤にそれぞれ溶解する、フォトレジストの部分を含む。ネガ型フォトレジストは、放射に曝されたときに、パターンがフォトレジストに書き込まれた後にフォトレジストに塗布されたフォトレジスト現像剤にそれぞれ溶解しない、フォトレジストの部分を含む。フォトレジストの化学組成が、フォトレジストがポジ型フォトレジストになるかネガ型フォトレジストになるかを決定する。フォトレジストの例には、ジアゾナフトキノン、フェノールホルムアルデヒド樹脂、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルグルタルイミド)、およびSU-8のうちの少なくとも1つが含まれるが、これらに限定されない。このようにして、パターンが、電子回路を形成するために基板140の表面上に作製される。
【0014】
[0021]システム100は、一対の支持体122および一対のトラック124を含む。一対の支持体122は、スラブ120上に配置され、スラブ120および一対の支持体122は、材料の単一片である。一対のトラック124は、一対の支持体122によって支持され、ステージ130は、トラック124に沿ってX方向に移動する。一実施形態では、一対のトラック124は、一対の平行な磁気チャネルである。示されるように、一対のトラック124の各トラック124は、直線状である。他の実施形態では、1つ以上のトラック124が、非直線状である。エンコーダ126が、位置情報をコントローラ(図示せず)に提供するために、ステージ130に結合されている。
【0015】
[0022]処理装置160は、支持体162および処理ユニット164を含む。支持体162は、スラブ120上に配置され、ステージ130が処理ユニット164の下を通るための開口166を含む。処理ユニット164は、支持体162によって支持されている。一実施形態では、処理ユニット164は、フォトリソグラフィプロセスにおいてフォトレジストを露光するように構成されたパターンジェネレータである。いくつかの実施形態では、パターンジェネレータは、マスクレスリソグラフィプロセスを実行するように構成される。処理ユニット164は、複数の画像投影装置(図2Aおよび図2Bに示される)を含む。一実施形態では、処理ユニット164は、84個もの画像投影装置を含む。各画像投影装置は、ケース165内に配置されている。処理装置160は、マスクレス直接パターニングを実行するのに有用である。
【0016】
[0023]動作中、ステージ130は、図1に示されるようなロード位置から処理位置へX方向に移動する。処理位置は、ステージ130が処理ユニット164の下を通るときの、ステージ130の1つ以上の位置である。動作中、ステージ130は、複数のエアベアリング(図示せず)によって持ち上げられ、一対のトラック124に沿って、ロード位置から処理位置まで移動する。複数の垂直ガイドエアベアリング(図示せず)が、ステージ130に結合され、ステージ130の移動を安定させるために、各支持体122の内壁128に隣接して配置される。ステージ130はまた、基板140を処理および/または割り出しするためにトラック150に沿って移動することによって、Y方向にも移動する。ステージ130は、独立した動作が可能であり、基板140を一つの方向にスキャンし、もう一つの方向にステップすることができる。
【0017】
[0024]計測システムが、各ステージ130のXおよびY横位置座標をリアルタイムで測定するので、複数の画像投影装置のそれぞれは、フォトレジストで覆われた基板に書き込まれているパターンの位置を正確に特定することができる。計測システムはまた、垂直軸またはZ軸の周りの各ステージ130の角度位置のリアルタイム測定値を提供する。角度位置測定値は、スキャン中にサーボ機構により角度位置を一定に保つために、使用することができ、または、図2A図2Bに示されている画像投影装置270、271によって基板140上に書き込まれているパターンの位置に補正を適用するために、使用することができる。これらの技法は、組み合わせて使用することができる。
【0018】
[0025]図1Bは、本明細書に開示される実施形態によるフォトリソグラフィシステム200の斜視図である。システム200は、システム100と同様であるが、システム200は、2つのステージ130を含む。2つのステージ130のそれぞれは、独立した動作が可能であり、基板140を一つの方向にスキャンし、もう一つの方向にステップすることができる。いくつかの実施形態では、2つのステージ130のうちの1つが、基板140をスキャンしているとき、2つのステージ130のうちの別のステージは、露光された基板をアンロードし、露光される次の基板をロードしている。
【0019】
[0026]図1A図1Bは、フォトリソグラフィシステムの2つの実施形態を示しているが、他のシステムおよび構成もまた、本明細書で企図されている。例えば、任意の適切な数のステージを含むフォトリソグラフィシステムもまた、企図されている。
【0020】
[0027]図2Aは、一実施形態による画像投影装置270の斜視概略図であり、これは、システム100またはシステム200などのフォトリソグラフィシステムに有用である。画像投影装置270は、1つ以上の空間光変調器280、焦点センサ283およびカメラ285を含む位置合わせおよび検査システム284、ならびに投影光学系286を含む。画像投影装置の構成要素は、使用されている空間光変調器によって異なる。空間光変調器には、マイクロLED、デジタルマイクロミラーデバイス(DMD)、液晶ディスプレイ(LCD)、および垂直共振器型面発光レーザー(VCSEL)が含まれるが、これらに限定されない。
【0021】
[0028]動作中、空間光変調器280は、画像投影装置270を通って基板140などの基板に投射される光の、振幅、位相、または偏光などの1つ以上の特性を変調するために、使用される。位置合わせおよび検査システム284は、画像投影装置270の構成要素の位置合わせおよび検査のために使用される。一実施形態では、焦点センサ283は、カメラ285のレンズを通って往復するように方向付けられ、画像投影装置270が焦点が合っているかどうかを検出するためにセンサ上に画像化される複数のレーザーを含む。カメラ285は、基板140などの基板を画像化するために使用され、画像投影装置270とフォトリソグラフィシステム100もしくは200の位置合わせが正しい、または所定の許容範囲内にあることを保証する。1つ以上のレンズなどの投影光学系286は、基板140などの基板上に光を投射するために使用される。
【0022】
[0029]図2Bは、本明細書に記載の実施形態による画像投影装置271である。図2Bに示される実施形態では、画像投影装置271は、空間光変調器としての1つ以上の固体エミッタデバイス287、焦点センサ283および検査システム284、ならびに投影光学系286を含む。固体エミッタデバイス287は、電磁放射を放出する微視的(例えば、約100μm未満)デバイスである。固体エミッタデバイス287は、アレイ状に配置され、ディスプレイデバイスなどの基板の個々のピクセルを形成するために使用され得る。固体エミッタデバイスは、自発光型であるので、それ自体で空間光変調器として機能し、別個の外部光源は、画像投影装置271に必要ない。
【0023】
[0030]マイクロLEDを使用する実施形態では、カメラ285は、1つ以上の固体エミッタの画像ピクセルピッチを測定して、固体エミッタデバイスで発生する熱膨張に対して較正するのにも有用である。
【0024】
[0031]図3は、アクティブマトリックス固体エミッタデバイス287の概略図である。固体エミッタデバイス287は、プログラムソース301、プログラムゲート302、およびプログラムドレイン303を備える。プログラムソース301は、電圧源300に電気的に接続されている。プログラムゲート302は、固体プログラミングデバイス304と電気的に接続されている。プログラムドレイン303は、状態格納ノード305に電気的に接続されている。状態格納ノード305は、駆動ゲート306に電気的に接続されている。第1の電力線307が、第1のソース308に電気的に接続されている。第1のソース308は、駆動ゲート306に電気的に接続されている。駆動ゲート306は、第1のサブピクセル309に電気的に接続されている。
【0025】
[0032]基板をパターニングするためのアクティブマトリックス固体エミッタデバイスの使用は、2つのフェーズによって特徴付けられる。第1のフェーズで、プログラミングデバイス304が、プログラムゲート302がオンにされるかオフにされるかを決定する。電圧源300が、プログラムソース301に電圧を印加する。プログラムゲート302が、プログラミングデバイス304によってオフにされる場合、電圧は格納されない。プログラムゲート302が、プログラミングデバイス304によってオンにされる場合、電流は、プログラムゲート302を通って、プログラムドレイン302を通って流れ、状態格納ノード305に格納される。次に、電圧源300が、オフにされる。第2のフェーズで、パルスが、第1の電力線307を介して印加される。状態格納ノード305が、格納された電圧を有する場合、駆動ゲート306が、第1の電力線307から第1のサブピクセル309に電流を伝達し、その結果、第1のサブピクセル309の点灯がもたらされ、これにより次に光が基板上に投射される。あるいは、状態格納ノード305が、格納電圧を有しない場合、駆動ゲート306は、第1の電力線307からサブピクセル309に電流を伝達せず、その結果、サブピクセル309の点灯も、基板上への光の投射も起こらない。サブピクセルの点灯または非点灯が、基板のパターニングをもたらす。
【0026】
[0033]各格納ノードは、単一のパルスと単一のピクセルにリンクされるので、パターニングの精度は、ピクセルのサイズによって制限される。いくつかのパターンは、1つのピクセルのサイズよりも小さいフィーチャを有する場合がある。既存のシステムでは、これらの小さなフィーチャの細部を捕捉できない。さらに、既存のシステムは、エラーを減少または平均化するための冗長性を提供していない。
【0027】
[0034]図4は、本明細書に開示される実施形態によるアクティブマトリックス固体エミッタデバイス400の概略図である。アクティブマトリックス固体エミッタデバイス287は、プログラムソース301、プログラムゲート302、およびプログラムドレイン303を備える。プログラムソース301は、電圧源300に電気的に接続されている。プログラムゲート302は、固体プログラミングデバイス304に電気的に接続されている。プログラムドレイン303は、状態格納ノード305に電気的に接続されている。状態格納ノード305は、駆動ゲート306に電気的に接続されている。第1の電力線307が、第1のソース308に電気的に接続されている。第1のソース308は、駆動ゲート306に電気的に接続されている。駆動ゲート306は、第1のサブピクセル309に電気的に接続されている。第2の電力線410が、第2のソース411に電気的に接続されている。第2のソース411は、駆動ゲート306に電気的に接続されている。駆動ゲート306は、第2のサブピクセル412に電気的に接続されている。
【0028】
[0035]図5は、本明細書に開示される実施形態による、基板をパターニングする方法のフローチャートである。この方法の使用は、2つのフェーズによって特徴付けられる。第1のフェーズで、プログラミングデバイス304が、プログラムゲート302がオンにされるかオフにされるかを決定する。501で、プログラムゲートがオンにされる場合、502で、電圧源300が、プログラムソース302に電圧を印加する。プログラムゲート302が、プログラミングデバイス304によってオフにされる場合、電圧は格納されない。プログラムゲート302がプログラミングデバイス304によってオンにされる場合、503において、電流が、プログラムゲート302を通ってプログラムドレイン303に流れる。504で、電圧が、状態格納ノード305に格納される。次に、505で、電圧源300が、オフにされる。506で、電圧が、状態格納ノード305に保持され、駆動ゲート306に印加される。
【0029】
[0036]第2のフェーズでは、507において、パルスが、第1の電力線307を介して印加される。508において、状態格納ノード305が、格納された電圧を有する場合、駆動ゲート306が、第1の電力線307から第1のサブピクセル309に電流を伝達し、その結果、第1のサブピクセル309の点灯がもたらされ、これにより次に光が基板上に投射される。あるいは、状態格納ノード305が、格納された電圧を有しない場合、駆動ゲート306は、第1の電力線307から第1のサブピクセル309に電流を伝達せず、その結果、第1のサブピクセル309の点灯も、基板上への光の投射も起こらない。509で、時間遅延が発生する。510において、第2のパルスが、第2の電力線410を介して印加される。511において、状態格納ノード305が、格納された電圧を有する場合、駆動ゲート306が、第2の電力線410から第2のサブピクセル412に電流を伝達し、その結果、第2のサブピクセル412の点灯がもたらされ、これにより次に光が基板上に投射される。あるいは、状態格納ノード305が、格納された電圧を有しない場合、駆動ゲート306は、第2の電力線410から第2のマイクロLEDサブピクセル412に電流を伝達せず、その結果、第2のマイクロLEDサブピクセル412の点灯も、基板上への光の投射も起こらない。マイクロLEDサブピクセルの点灯または非点灯が、基板のパターニングをもたらす。
【0030】
[0037]第1のパルスと第2のパルスの間の時間遅延の間、基板は、空間光変調器に対してある速度で移動しているので、マイクロLEDサブピクセルに対する基板の位置は異なる。時間遅延は、2つのサブピクセル間の距離を基板速度で割ったものに等しくすることができる。その結果、基板上の同じ場所が、2つの異なるサブピクセルによって2回ターゲットにされる。その結果、1回のプログラミング作業で、基板上の同じ位置の上でサブピクセルの2回の別々の点灯がもたらされる。
【0031】
[0038]例えば、サブピクセルが、1ミクロン離れており、基板が、空間光変調器に対して5ミクロン/秒の速度で移動する場合、パルス遅延は、0.2秒に等しい。当業者は、基板速度が毎秒数百ミリメートルであり得、そのため、パルス遅延がミリ秒、マイクロ秒、またはナノ秒のオーダーであり得ることを理解するであろう。
【0032】
[0039]本明細書に開示される実施形態は、いくつかの利点を提供する。この実施形態は、ぼやけまたは不鮮明さを増加させることなく基板上の同じ場所で起こる、2つの光バーストを想定している。処理速度を最適化するために必要なデータ負荷が重いので、データ効率は、優先度が高い。固体エミッタデバイスでは、データ効率が、処理速度の主な制限要因である。例えば、アレイ内のLEDの数を2倍または4倍にすると、必要な計算が、2倍または4倍になる。本明細書に記載の実施形態は、格納ノードの数に比例する必要なデータ負荷を低減する方法を提供する。
【0033】
[0040]本明細書に開示される実施形態の別の利点は、同じ場所が2回照射されることに内在する冗長性による、信号対雑音比の改善であり得る。結果として得られる基板パターンは、2つの照射の平均を反映し、パターンの均一性の統計的改善をもたらす。
【0034】
[0041]本明細書に開示される実施形態の別の利点は、照射の冗長性が、光源に存在し得るばらつきを補償することである。例えば、マイクロLEDの厚さまたは寸法にばらつきがあり、その結果、放出される光の輝度がばらつく可能性がある。この方法により、各マイクロLEDからの照射の冗長性が追加され、パターニングされた基板の均一性が向上する。
【0035】
[0042]もう1つの利点は、単一の状態コンデンサが、2つのサブピクセルをブリッジしているので、1ビットで2つのパルスを制御できることである。データ効率の高いこのアプローチでは、1ビットで2つ以上の露光がもたらされるので、必要なデータ入力と出力が低減される。したがって、上記の冗長性の利点は、追加のビットマップを計算して送達するというコストなしで、有効になる。
【0036】
[0043]サブピクセルの数が2を超えてもよく、パルスの数も2を超えてもよいことを、当業者は理解するであろう。パルスの数が多いほど、冗長性が高くなり、したがって、基板のパターニングが、より正確になる。パルスの数またはサブピクセルの数に実際的な制限はない。コンデンサごとに2つまたは10またはそれより多いサブピクセルとパルスが存在してもよい。
【0037】
[0044]図6は、本明細書に開示される実施形態による固体エミッタアレイの概略図である。固体エミッタデバイスの製造は、典型的には、行601および列602に配置された固体エミッタデバイスのアレイ600をもたらす。そのようなアレイ600は、各単一のピクセルが、1つより多いマイクロLEDを有する、単一のピクセルにおける上記の特定の利点の、基板全体への幅広い適用を可能にする。さらに、アレイ600は、アレイに対する基板のわずかな移動が、単純な1コンデンサ1サブピクセルの固体エミッタデバイスで可能であるよりも高い解像度のパターニングをもたらすことを、可能にする。矢印603によって示されるように、基板を固体エミッタデバイスに対して小さな距離だけ移動させる間に、光のパルスを頻繁に印加することにより、パターニングの効率は、既知の方法を使用して単純にパターニングするときに可能な効率を超える。
【0038】
[0045]上記は、本開示の例に向けられているが、本開示の他のさらなる例が、その基本的な範囲から逸脱することなく考案されることができ、その範囲は、以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6