(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-14
(45)【発行日】2022-07-25
(54)【発明の名称】製造データに基づく半導体デバイスのターゲットされたリコール
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20220715BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20220715BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20220715BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
G01R31/28 H
H01L21/66 J
(21)【出願番号】P 2020549592
(86)(22)【出願日】2019-03-19
(86)【国際出願番号】 US2019022833
(87)【国際公開番号】W WO2019183008
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2022-03-18
(32)【優先日】2018-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-07-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】特許業務法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラザート ロバート ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】プライス デイビッド ダブリュ
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-11963(JP,A)
【文献】特表2006-527488(JP,A)
【文献】特表2021-502694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
G01R 31/28
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲットされたリコールを提供するシステムであって、
一つ又はそれ以上の半導体製造ステップの後に、複数のダイに対してインライン測定を実行し、前記複数のダイに対するインライン測定プロファイルを生成する計測サブシステムであって、一つ又はそれ以上のパッケージングステップの後に前記複数のダイの一つ又はそれ以上の測定を実行して、前記複数のダイに対するパッケージ特徴付けプロファイルを生成する、計測サブシステムと、
故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部を決定する故障分析サブシステムと、
一つ又はそれ以上のプロセッサを通信的に含むコントローラであって、前記一つ又はそれ以上のプロセッサに、
前記複数のダイに対して
製造フィンガープリントを生成するステップであり、
前記製造フィンガープリントは、計測サブシステムから受領した前記インライン測定プロファイルと、前記計測サブシステムから受領した前記複数のダイのパッケージ特徴付けプロファイルとを含み、
サプライチェーンを通じて転送された少なくともいくつかのダイに対してメモリに記憶され、前記複数のダイのそれぞれのダイに対する固有の電子チップ識別子
(ECID)に照合され
る、ステップと、
1つまたはそれ以上の機械学習技法を適用して、故障したダイの製造フィンガープリントと、前記故障したダイの最近傍ダイに関連する製造フィンガープリントのデータベースとを比較し、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップであり、前記危険な状態にあるダイは、欠陥の可能性を示す製造フィンガープリントを表示する1つまたはそれ以上の最近傍ダイを含む、ステップと、
ターゲットされたリコールを前記一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイに向けるステップと、
を実行させるプログラム指令を実行するように、前記一つ又はそれ以上のプロセッサが構成されている、コントローラと、
を備える、システム。
【請求項2】
前記インライン測定プロファイル又は前記パッケージ特徴付けプロファイルの少なくとも一つに基づいてアウトライアダイを識別し、前記複数のダイに対するアウトライアプロファイルを生成するステップをさらに包含し、前記複数のダイに対する前記製造フィンガープリントが前記アウトライアプロファイルを含む、請求項1に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項3】
前記アウトライアダイを識別するステップが、部分平均テスト技法に基づいてアウトライアダイを識別するステップを包含する、請求項2に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項4】
前記部分平均テスト技法が、インライン部分平均テスト技法、ダイナミック部分平均テスト技法、又はジオグラフィック部分平均テスト技法の少なくとも一つを包含する、請求項3に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項5】
前記インライン測定プロファイル又は前記パッケージ特徴付けプロファイルの少なくとも一つに基づいてアウトライアダイを識別するステップが、前記インライン測定プロファイル又は前記パッケージ特徴付けプロファイルの少なくとも一つの選択されたずれ公差を超えた平均値からのずれに基づいてアウトライアダイを識別するステップを包含する、請求項3に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項6】
前記アウトライアダイの少なくとも一部が配置に先立ってスクリーニングされる、請求項2に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項7】
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップが、
最近傍技法に基づいて、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを包含する、請求項1に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項8】
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップが、
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との相関に基づいて、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを包含する、請求項1に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項9】
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との相関に基づいて前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップが、
前記インライン測定プロファイル及び前記パッケージ特徴付けプロファイルの重み付けされた相関に基づいて、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを包含する、請求項8に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項10】
前記故障したダイの故障に関連した故障メカニズムを決定するステップと、
前記故障メカニズムに基づいて、前記製造フィンガープリントの要素に相関重み付けを割り当てるステップと、
をさらに包含する、請求項9に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項11】
前記製造フィンガープリントが製造プロファイルを含む、請求項1に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項12】
前記製造プロファイルが、電子的チップ識別子(ECID)、製造設備、ロット識別子、ウエハ識別子、又はウエハ位置識別子のうちの少なくとも一つを包含する、請求項11に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項13】
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップが、
前記インライン測定プロファイル、前記パッケージ特徴付けプロファイル、及び前記故障したダイに関する前記複数のダイの製造履歴プロファイルの重み付けされた比較に基づいて、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを包含する、請求項11に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項14】
前記製造履歴プロファイルが、前記インライン測定プロファイル又は前記パッケージ特徴付けプロファイルの少なくとも一つよりも低く重み付けされている、請求項13に記載のターゲットされたリコールを提供するシステム。
【請求項15】
ターゲットされたリコールを提供する方法であって、
一つ又はそれ以上の半導体製造ステップの後に、複数のダイに対してインライン測定を実行し、前記複数のダイに対するインライン測定プロファイルを生成するステップと、
一つ又はそれ以上のパッケージングステップの後に前記複数のダイの一つ又はそれ以上の測定を実行して、前記複数のダイに対するパッケージ特徴付けプロファイルを生成するステップと、
前記複数のダイに対して
製造フィンガープリントを生成するステップであり、前記製造フィンガープリントは、前記インライン測定プロファイルと前記複数のダイのパッケージ特徴付けプロファイルとを含み、
サプライチェーンを通じて転送された少なくともいくつかのダイに対してメモリに記憶され、前記複数のダイのそれぞれのダイに対する固有の電子チップ識別子(ECID)に照合される、ステップと、
前記複数のダイのうちの故障したダイの前記製造フィンガープリントの少なくとも一部を決定するステップと、
1つまたはそれ以上の機械学習技法を適用して、故障したダイの製造フィンガープリントと、前記故障したダイの最近傍ダイに関連する製造フィンガープリントのデータベースとを比較し、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップであり、前記危険な状態にあるダイは、欠陥の可能性を示す製造フィンガープリントを表示する1つまたはそれ以上の最近傍ダイを含む、ステップと、
前記一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを含むデバイスをリコールするステップと、
を包含する、方法。
【請求項16】
前記インライン測定プロファイル又は前記パッケージ特徴付けプロファイルの少なくとも一つに基づいてアウトライアダイを識別し、前記複数のダイに対するアウトライアプロファイルを生成するステップをさらに包含し、前記複数のダイに対する前記製造フィンガープリントが前記アウトライアプロファイルを含む、請求項15に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項17】
前記アウトライアダイを識別するステップが、部分平均テスト技法に基づいてアウトライアダイを識別するステップを包含する、請求項16に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項18】
前記部分平均テスト技法が、インライン部分平均テスト技法、ダイナミック部分平均テスト技法、又はジオグラフィック部分平均テスト技法の少なくとも一つを包含する、請求項17に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項19】
前記インライン測定プロファイル又は前記パッケージ特徴付けプロファイルの少なくとも一つに基づいてアウトライアダイを識別するステップが、前記インライン測定プロファイル又は前記パッケージ特徴付けプロファイルの少なくとも一つの選択されたずれ公差を超えた平均値からのずれに基づいてアウトライアダイを識別するステップを包含する、請求項17に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項20】
前記アウトライアダイの少なくとも一部が配置に先立ってスクリーニングされる、請求項16に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項21】
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップが、
最近傍技法に基づいて、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを包含する、請求項15に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項22】
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップが、
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との相関に基づいて、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを包含する、請求項15に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項23】
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との相関に基づいて前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップが、
前記インライン測定プロファイル及び前記パッケージ特徴付けプロファイルの重み付けされた相関に基づいて、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを包含する、請求項22に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項24】
前記故障したダイの故障に関連した故障メカニズムを決定するステップと、
前記故障メカニズムに基づいて、前記製造フィンガープリントの要素に相関重み付けを割り当てるステップと、
をさらに包含する、請求項23に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項25】
前記製造フィンガープリントが製造プロファイルを含む、請求項15に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項26】
前記製造プロファイルが、電子的チップ識別子(ECID)、製造設備、ロット識別子、ウエハ識別子、又はウエハ位置識別子のうちの少なくとも一つを包含する、請求項25に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項27】
前記複数のダイの製造フィンガープリントと前記故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップが、
前記インライン測定プロファイル、前記パッケージ特徴付けプロファイル、及び前記故障したダイに関する前記複数のダイの製造履歴プロファイルの重み付けされた比較に基づいて、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを包含する、請求項25に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項28】
前記製造履歴プロファイルが、前記インライン測定プロファイル又は前記パッケージ特徴付けプロファイルの少なくとも一つよりも低く重み付けされている、請求項27に記載のターゲットされたリコールを提供する方法。
【請求項29】
ターゲットされたリコールを提供するシステムであって、
計測サブシステム及び故障分析サブシステムに通信的に結合されたコントローラを備えており、前記コントローラは一つ又はそれ以上のプロセッサを含み、前記一つ又はそれ以上のプロセッサに、
複数のダイに対する製造フィンガープリントを生成するステップであって、前記製造フィンガープリントが、一つ又はそれ以上の半導体製造ステップの後のインライン測定に基づいて前記計測サブシステムから受領した前記複数のダイのインライン測定プロファイルを含み、前記製造フィンガープリントがさらに、一つ又はそれ以上のパッケージングステップの後の測定に基づいて前記計測サブシステムから受領した前記複数のダイのパッケージ特徴付けプロファイルを含み、前記製造フィンガープリントが、
サプライチェーンを通じて転送された少なくともいくつかのダイに対してメモリに記憶され、前記複数のダイのそれぞれのダイに対する固有の電子チップ識別子(ECID)に照合される、ステップと、
1つまたはそれ以上の機械学習技法を適用して、故障したダイの製造フィンガープリントと、前記故障したダイの最近傍ダイに関連する製造フィンガープリントのデータベースとを比較し、前記複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップであり、前記危険な状態にあるダイは、欠陥の可能性を示す製造フィンガープリントを表示する1つまたはそれ以上の最近傍ダイを含む、ステップと、
ターゲットされたリコールを前記一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイに向けるステップと、
を実行させるプログラム指令を実行するように、前記一つ又はそれ以上のプロセッサが構成されている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は半導体デバイスのリコールに関し、より具体的には、製造データに基づく半導体デバイスのターゲットリコールに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連した出願への相互参照)
本出願は、ロバート・J・ラザート及びデービッド・W・プライスを発明者として名前を挙げている「全体論的製造データ及び機械学習を使用して危険な状態にある半導体デバイスのターゲットされたリコールを可能にする方法」という名称の2018年3月20日付けで出願され、参照により全体としてここに援用される米国仮特許出願第62/645,406号の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張する。
【0003】
半導体デバイスの故障による製品リコールは、典型的にはコストが掛かり、ビジネス及び顧客の両方にとって活動を阻害するものである。これより、関連するコスト及び阻害を低減するために、故障することが想定される半導体デバイスにリコールを限定することが望ましい。典型的な製品リコールは、製造の場所及び時間窓のような、故障したデバイスに関連した粗い属性に基づく。しかし、そのような総括的リコールは、将来の同じ又は類似のタイプの故障を防ぐには非効率又は非有効的であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許出願公開第2010/0303334号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体デバイスの故障は、典型的には複数の要因の集中に関連しており、この要因は、限定されるものではないが製造及び動作条件における欠陥を含む。実際には、所与の半導体デバイスは、複数の製造地点のいずれかで製造され得て、且つさらに、限定されるものではないが温度、湿度、振動、電子的過負荷(EOS)、又は静電放電(ESD)条件のような異なる動作条件にさらされ得る。したがって、デバイスの故障を正確に予測してターゲットされたリコールを提供することは、進行中のチャレンジのままである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一つ又はそれ以上の描写的な実施形態に従って、ターゲットされたリコールを提供するシステムが開示される。一つの描写的な実施形態では、本システムは、一つ又はそれ以上の製造ステップの後に半導体ダイに対してインライン測定を実行して、インライン測定プロファイルを生成する計測サブシステムを含む。他の描写的な実施形態では、この計測サブシステムは、一つ又はそれ以上のパッケージングステップの後に半導体ダイの一つ又はそれ以上の測定を実行して、パッケージ特徴付けプロファイルを生成する。他の描写的な実施形態では、本システムは故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部を決定する故障分析サブシステムを含む。他の描写的な実施形態では、本システムはコントローラを含む。他の描写的な実施形態では、このコントローラは、半導体ダイのインライン測定プロファイル及びパッケージ特徴付けプロファイルに基づいて、その半導体ダイに対する製造フィンガープリントを生成する。他の描写的な実施形態では、製造フィンガープリントは、その半導体ダイについての固有の電子チップ識別子に照合される。他の描写的な実施形態では、コントローラは、その半導体ダイの製造フィンガープリントと故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて、一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別する。他の描写的な実施形態では、コントローラは、ターゲットされたリコールを一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイに向ける。
【0007】
本開示の一つ又はそれ以上の描写的な実施形態に従って、ターゲットされたリコールを提供する方法が開示される。一つの描写的な実施形態では、この方法は、一つ又はそれ以上の半導体製造ステップの後に半導体ダイに対してインライン測定を実行して、インライン測定プロファイルを生成するステップを含む。他の描写的な実施形態では、この方法は、一つ又はそれ以上のパッケージングステップの後に半導体ダイの一つ又はそれ以上の測定を実行して、パッケージ特徴付けプロファイルを生成するステップを含む。他の描写的な実施形態では、この方法は、インライン測定プロファイル及びパッケージ特徴付けプロファイルに基づいて、その半導体ダイに対する製造フィンガープリントを生成するステップを含む。他の描写的な実施形態では、製造フィンガープリントは、その半導体ダイについての固有の電子チップ識別子に照合される。他の描写的な実施形態では、この方法は、複数のダイのうちの故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部を決定するステップを含む。他の描写的な実施形態では、この方法は、複数のダイの製造フィンガープリントと故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて、複数のダイのうちの一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップを含む。他の描写的な実施形態では、この方法は、一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを含むデバイスをリコールするステップを含む。
【0008】
本開示の一つ又はそれ以上の描写的な実施形態に従って、ターゲットされたリコールを提供するシステムが開示される。一つの描写的な実施形態では、本システムは、計測サブシステム及び故障分析サブシステムに通信的に結合されたコントローラを含む。他の描写的な実施形態では、コントローラは、半導体ダイに対する製造フィンガープリントを、一つ又はそれ以上の半導体製造ステップの後に計測サブシステムから受領されたその半導体ダイのインライン測定プロファイルに基づいて、及びさらに、一つ又はそれ以上のパッケージングステップの後に計測サブシステムから受領されたその半導体ダイのパッケージ特徴付けプロファイルに基づいて、生成する。他の描写的な実施形態では、製造フィンガープリントは、その半導体ダイに対して固有の電子チップ識別子に照合される。他の描写的な実施形態では、コントローラは、半導体ダイの製造フィンガープリントと、故障分析サブシステムから受領された故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて、一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別する。他の描写的な実施形態では、コントローラは、ターゲットされたリコールを一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイに向ける。
【0009】
以上の一般的な記述及び以下の詳細さ記述の両方が、例示的且つ説明的であるのみであって、必ずしも本発明を特許請求されているように制約するものではないことが理解されるべきである。本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は本発明の実施形態を描き、一般的な記述と一緒に、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【0010】
本開示の数多くの利点は、添付の図面を参照することによって、当業者によって、より良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、ターゲットされたリコールを提供するためのシステムの概念図である。
【
図1B】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、計測サブシステムを描く概念図である。
【
図1C】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、粒子ベースの計測サブシステムを描く概念図である。
【
図2】半導体デバイスのターゲットされたリコールを実行する方法において実行されるステップを描いた流れ図である。
【
図3A】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、半導体製造プロセスのウエハステージの間のインライン測定の概念図である。
【
図3B】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、半導体製造プロセスのパッケージステージの間の測定の概念図である。
【
図4A】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、ダメージを示す外部エンクロージャの光学イメージを含む図である。
【
図4B】本開示の1つ又はそれ以上の実施形態に従った、ダメージを示す外部エンクロージャの粒子ビームイメージを含む図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付の図面に描かれている開示された主題への参照が、ここでは詳細に行われる。本開示は、ある実施形態及びその特定の特徴に関して、特に示され且つ開示される。ここで提示される実施形態は、制約的なものではなく、むしろ描写的であると捉えられる。形式及び詳細における様々な変更及び改変が、本開示の考え及び範囲から逸脱すること無くなされ得ることが、当業者には容易に明らかであるべきである。
【0013】
本開示の実施形態は、全体論的製造データに基づく半導体デバイスのターゲットされたリコールを提供するためのシステム及び方法に向けられる。
【0014】
いくつかの実施形態では、製造フィンガープリント(例えば、フィンガープリント)は、限定されるものではないが製造プロファイル、インライン測定プロファイル、パッケージテストプロファイル、又はバーンインプロファイルのような、半導体デバイスの製造履歴に関連したデータを統合及び/又は追跡するために展開される。デバイスの故障(例えば、フィールドで動作しているデバイスの故障)時には、故障したデバイスの少なくとも部分的なフィンガープリントが抽出され得る。それから、ターゲットされたリコールは、故障したデバイスと類似のフィンガープリントを有する半導体デバイスのみを含み得る。これに関して、ターゲットされたリコールは、故障したデバイスと類似した条件下で故障しやすい類似の欠陥及び/又はテストプロファイルを有する半導体デバイスのサブセットを識別するために、デバイス特有の製造データを利用し得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、製造フィンガープリントは、製造に関連した様々な条件を識別するために適した製造プロファイルデータを含む。例えば、製造プロファイルデータは、製造設備、製造設備内の製造ラインなどのような製造位置を含み得る。他の例として、製造プロファイルデータは、製造時間又は時間窓を含み得る。他の例として、製造プロファイルデータは、特定のウエハ、ウエハ上の特定のダイ、ダイ内の特定の位置などに関連した粒度情報を含み得る。例えば、製造プロファイルデータは、ロット識別子、ウエハ識別子、又はウエハ上の(例えば、X-Y座標、極座標などにおける)ダイ位置のような粒度情報を含み得るが、これらに限定されるものではない。他の例としては、各デバイスに固有の製造電子ID(ECID)である。
【0016】
製造プロファイルデータが不十分であり得て、且つ/又は時として、半導体デバイスの故障率の貧弱な預言者であり得ることが、ここでは認識される。例えば、製造プロファイルデータのみに基づく製品リコールは、故障したデバイスと時間的に近接した時点に同じ位置で製造されたデバイスが、故障したデバイスと類似の故障率を有するであろうと推定する。しかし、これらの粗い特性によって識別されたデバイスの動作条件が異なり得る場合があり得る。例えば、故障したデバイスと同じ製造設備からの、且ついくつかの場合には同じロットからの半導体デバイスが、異なる構成要素に一体化されて且つ異なる動作条件にさらされ得る。したがって、製造プロファイルデータのみに基づく製品リコールは、それらのデバイスに対する実際の動作条件下では故障しない確率が高い半導体デバイスを含み得る。さらに、製造プロファイルデータのみに基づく製品リコールは、他のロット又は他の設備で製造されたがそれ以外は類似の製造履歴を有し、且つ故障したデバイスと類似の動作条件の対象になって高い故障確率を示すような半導体デバイスを、含まないかもしれない。
【0017】
いくつかの実施形態では、製造フィンガープリントはインライン測定プロファイルデータ(例えば、欠陥プロファイルデータ、計測プロファイルデータ、検査プロファイルデータ、など)を含む。製造欠陥(例えば、設計仕様からのずれ)及び/又は汚染物質の存在がデバイス故障を導き得ることが、ここで認識される。したがって、インライン測定プロファイルデータを含む製造フィンガープリントは、故障したデバイスと同じ又は類似の欠陥に基づく故障メカニズムの影響を受けやすい半導体デバイスの識別を容易にし得る。例えば、半導体製造プロセスは、製造プロセスを特徴付けて、モニタし、及び/又は制御する一連の計測ステップを含み得る。例として、半導体製造プロセスは、汚染物質の導入、目標値からの製造特徴のずれなどに関連した欠陥を識別する検査ステップを含み得る。他の例では、半導体製造プロセスは、連続して製造された層の相対位置を決定するオーバーレイ計測ステップを含み得る。したがって、フィンガープリントは、製造中の任意の点におけるウエハ及び/又はダイに関連した計測結果を含み得る。
【0018】
いくつかの実施形態では、製造フィンガープリントはテストプロファイルデータを含む。半導体ウエハは典型的に、ウエハデバイスに渡って分布された複数のダイを含んで複数のデバイスを並行して製造する。製造後に、ウエハはダイシングされ得て、各ダイは単独で又は付加的な構成要素とともにパッケージされて半導体デバイスを形成し得る。パッケージされた構成要素(又は部分的にパッケージされた構成要素)はそれから、普通は、限定されるものではないが、様々な構成要素の間の電気的及び/又は機械的接続を特徴付けする接続テスト、デバイスが選択された仕様の範囲内で機能するかどうかを判定する機能性テスト、又は構成要素が様々なストレスの対象にされてデバイスを様々な動作条件下での故障に対してスクリーニングするバーンインテストのような様々なテストの対象となる。類似のテストプロファイルを有するデバイスは、故障したデバイスと同じ又は類似の動作条件に基づく故障メカニズムの影響を受けやすいかもしれないことが、ここで認識される。したがって、フィンガープリントは、パッケージされた又は部分的にパッケージされたデバイスに関連したテスト結果を含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、製造フィンガープリントは、期待される動作プロファイルデータを含む。所与の半導体デバイスが故障したデバイスと同じ又は類似の動作条件にさらされるかどうかが故障の期待される可能性に影響し得ることが、ここで認識される。例えば、期待される動作環境(例えば、温度、圧力、EOS、EDS、など)及び/又は所期の使用(例えば、航空機のコックピット、自動車、民生用電子デバイス、など)が製造時点で既知である場合があり得る。したがって、フィンガープリントは、期待される動作条件を含み得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、同じ又は類似のタイプの半導体デバイスに関連した製造フィンガープリントは、フィンガープリント内の様々なデータのサーチ及び相関分析を容易にするフォーマットで保存される。例えば、フィンガープリントは、サーチ可能なデータベース内に保存され得る。他の例として、フィンガープリントは、機械学習技法を使用した相関のために適したシステム内に保存され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、デバイス故障時に、完全な又は部分的なフィンガープリントが故障したデバイスに対して抽出される。例えば、特定の故障したデバイスについて完全な製造フィンガープリントが生成されて保存されていたら、完全なフィンガープリントが知られ得る。他の例として、完全な又は部分的なフィンガープリントが、未知の又は識別不能な部分の故障分析に基づいて抽出され得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、半導体デバイスのサブセットが、故障したデバイスのフィンガープリント(又は少なくとも部分的なフィンガープリント)と保存されたフィンガープリントとの比較分析に基づいて、ターゲットされたリコールの一部として識別され得る。比較分析は、故障したデバイスと類似の動作条件下で故障する可能性が高い半導体デバイスを識別するために適した当該技術において既知の任意の技法を含み得る。例えば、比較分析は、限定されるものではないが、選択された指標によって決定されたものと類似のフィンガープリントを有する半導体デバイスを識別する「最近傍」技法を含み得る。他の例として、比較分析は、フィンガープリントに含まれる様々なデータオブジェクトに関連した重み付けを含み得る。フィンガープリントの異なるデータオブジェクト又はデータオブジェクトの組み合わせが故障の予測に対して異なる関与を有し得ることが、ここでは認識される。例えば、欠陥及び/又はテストプロファイルデータは、そうすることが必要とされるものではないが、製造プロファイルデータよりも高い予測重み付けを有し得る。他の例として、既知の欠陥タイプ及び既知の動作条件の特定の組み合わせが、より高くデバイス故障に相関され得る。
【0023】
ここで
図1~4Bを参照して、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態にしたがって、製造フィンガープリントに基づいてターゲットされたリコールを提供するためのシステム及び方法が詳細に記述される。
【0024】
図1Aは、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態にしたがってターゲットされたリコールを提供するためのシステム100の概念図である。一つの実施形態では、システム100は、製造フィンガープリント104を保存及び/又は分析するための製造フィンガープリントサブシステム102を含む。例えば、製造フィンガープリントサブシステム102は、製造プロセスに沿った様々なステップにて、半導体ダイ106に関連したデータオブジェクトをサーチ可能なフォーマットにコンパイルし且つ保存して、製造フィンガープリント104を形成し得る。他の例として、故障したダイ108(例えば、半導体ダイ106の一つ)の故障時に、製造フィンガープリントサブシステム102は、保存された製造フィンガープリント104を分析して、故障したダイ108に類似した製造フィンガープリント104を有する半導体ダイ106のサブセットを、危険な状態にあるダイ110として識別し得る。したがって、危険な状態にあるダイ110は、故障したダイ108と類似した動作条件下で故障する可能性が十分にあり得て、リコールに値する。
【0025】
他の実施形態では、製造フィンガープリントサブシステム102は、メモリ媒体114上に維持されたプログラム指令を実行するように様々な一つ又はそれ以上のプロセッサ112を含む。これに関して、製造フィンガープリントサブシステム102の一つ又はそれ以上のプロセッサ112は、本開示に渡って記述される様座なプロセスステップの任意のものを実行し得る。製造フィンガープリントサブシステム102の一つ又はそれ以上のプロセッサ112は、当該技術で既知の任意の処理要素を含み得る。この意味で、一つ又はそれ以上のプロセッサ112は、アルゴリズム及び/又は指令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。一つの実施形態では、一つ又はそれ以上のプロセッサ112は、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ、あるいは、本開示に渡って記述されるように、システムを動作するように構成されたプログラムを実行するように構成された任意の他のタイプのコンピュータシステム(例えば、ネットワーク化されたコンピュータ)から成り得る。「プロセッサ」という用語が広く規定され得て、非一時的メモリ媒体114からプログラム指令を実行する一つ又はそれ以上のプロセス要素を有する任意のデバイスを包含することが、ここでさらに認識される。
【0026】
メモリ媒体114は、関連した一つ又はそれ以上のプロセッサ112によって実行可能なプログラム指令を保存するために適した当該技術で既知の任意の記憶媒体を含み得る。例えば、メモリ媒体114は非一時的メモリ媒体を含み得る。他の例では、メモリ媒体114は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気的又は光学的メモリデバイス(例えば、ディスク)、磁気テープ、固体ドライブなどを含み得るが、これらに限定されるものではない。メモリ媒体114が一つ又はそれ以上のプロセッサ112と共通のコントローラハウジングに収容され得ることがさらに注記される。一つの実施形態では、メモリ媒体114は、一つ又はそれ以上のプロセッサ112の物理的位置に関して、離れて位置され得る。例えば、製造フィンガープリントサブシステム102の一つ又はそれ以上のプロセッサ112は、リモートメモリ(例えば、サーバ)にアクセスし得て、ネットワーク(例えば、インターネット、イントラネット、など)を通してアクセス可能であり得る。それゆえ、上記の記述は、本発明に対する制限として解釈されるべきではなく、単なる描写である。
【0027】
他の実施形態では、システム100は製造サブシステム116を含み、これは、限定するものではないが、リソグラフィツール、エッチングツール、研磨ツール、ダイシングツール、又はパッケージングツールのような、半導体ダイ106を製造するための一つ又はそれ以上の製造ツールを含む。製造サブシステム116(例えば、任意の関連した製造ツール)は、製造フィンガープリントサブシステム102に通信的に結合され得て、半導体ダイ106に関連した製造情報を提供する。これに関して、製造フィンガープリントサブシステム102によって保存された製造フィンガープリント104は、製造サブシステム116についての及び/又はそこからの情報を含む製造プロファイルデータを含み得る。例えば、製造プロファイルデータは、製造設備、製造設備内の製造ライン、又は様々な製造ステップで使用される製造ツールを含み得るが、これらに限定されるものではない。他の例として、製造プロファイルデータは、限定されるものではないがロット識別子、ウエハ識別子、ダイ識別子、又はウエハ上のダイの位置のような、ウエハ及び/又はダイに特有の情報を含み得る。
【0028】
他の実施形態では、システム100は計測サブシステム118を含み、これは、製造プロセスの様々なステップで半導体ダイ106を特徴付け及び/又はスクリーニングするための一つ又はそれ以上の計測ツールを含む。計測サブシステム118は、製造プロセスの任意の点での任意のタイプの計測及び/又は検査測定に適した任意のタイプの計測ツールを含み得る。
【0029】
例えば、計測サブシステム118は、堆積されたフィルム及び/又は製造された形状の一つ又はそれ以上の局面を特徴付けする計測ツールを含み得る。したがって、製造フィンガープリント104は、一つ又はそれ以上のプロセスステップでの計測結果に関連したインライン測定プロファイルを含み得る。
【0030】
計測サブシステム118は、当該技術で既知の任意のタイプの計測ツールを含み得る。ある場合には、計測サブシステム118は、限定されるものではないが、ウエハ厚さ、ウエハ平坦度、フィルム厚さ、フィルム平坦度、屈折率、又は応力のようなベアウエハ及び/又はパターニングされていないフィルムの局面を特徴付けするウエハ計測ツールを含む。他の場合には、計測サブシステム118は、限定されるものではないが、限界寸法(CD)、形、方向、又は線粗さのような、製造された形状の局面を特徴付けする計測ツールを含む。他の場合には、計測サブシステム118は、半導体ダイ106の異なる層に製造された形状の間の相対的なレジストレーション位置を測定するオーバーレイ計測ツールを含む。
【0031】
他の例として、計測サブシステム118は、限定されるものではないが、汚染物質又は製造欠陥のような欠陥を識別及び/又は特徴付けするための検査ツールを含み得る。したがって、製造フィンガープリント104は、一つ又はそれ以上のプロセスステップにおける検査結果を含み得る。
【0032】
計測サブシステム118は、当該技術で既知の任意のタイプの検査ツールを含み得る。ある場合には、計測サブシステム118は、限定されるものではないが、限界寸法(CD)エラー、構成要素の間の所望されていない接続(例えば、電気的短絡)、構成要素における所望されていないギャップ、線粗さエラー、形のずれ(例えば、丸みがついたコーナー)などのような、製造された形状の設計仕様からのずれを特徴付ける検査ツールを含む。これに関して、製造フィンガープリント104は、製造プロセスの複数のステージにおける検査結果(例えば、製造された形状の既知の欠陥及び/又は目標値からの変動)に関連した半導体ダイ106のインライン測定プロファイルを含み得る。他の実施形態では、計測サブシステム118は、限定されるものではないが、半導体ダイ106上に堆積した所望されない材料又は製造欠陥(例えば、研磨ステップの間のひっかき傷、ピット、ボイド、など)のような汚染物質を検出する検査ツールを含む。
【0033】
他の例では、計測サブシステム118は、パッケージされた半導体ダイ106の機能性及び/又は接続性を調べるパッケージ検査及び/又はテストツールを含み得る。したがって、製造フィンガープリント104は、限定されるものではないが、ウエハが個別のダイにダイシングされるダイシングステップ、又は付加的な構成要素への一体化に適するようにダイがチップに(例えば、電気リード線、外部サポート、ケース詰めなどで)一体化されるパッケージングステップのような、一つ又はそれ以上のプロセスステップにおけるテスト結果を含み得る。
【0034】
計測サブシステム118は、当該技術で既知の任意のタイプのパッケージテストツールを含み得る。ある場合には、計測サブシステム118は、パッケージされた半導体ダイ106の電気的及び/又は機械的接続を特徴付けし得るテストツールを含み得る。ある場合には、計測サブシステム118は、パッケージされた半導体ダイ106の性能が、限定されるものではないが温度、電圧、電流、又は機械的応力のような様々な動作条件下でテストされるバーンインテスト器具を含む。
【0035】
計測サブシステム118に関連した計測ツールは、限定されるものではないが、光学計測システム(例えば、光ベースの計測システム)、粒子ベースの計測システム、又はプローブベースの計測システムのような、当該技術で既知の計測システムの任意の組み合わせを含み得る。
【0036】
ある実施形態では、計測サブシステム118は、半導体ダイ106を光で照射する、及び/又は半導体ダイ106から発生した光を収集することに基づいた光学計測ツールを含み得る。
【0037】
図1Bは、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態にしたがった計測サブシステム118を描いた概念図である。例えば、
図1Bは光学計測ツールを表し得るが、それを表すことには限定されない。
【0038】
ある実施形態では、計測サブシステム118は、計測照射ビーム122を生成する計測照射源120を含む。計測照射ビーム122は、電磁照射のビーム又は粒子ビームを含み得る。例えば、計測照射ビーム122は、限定されるものではないが、X線照射、紫外(UV)照射、可視照射、又は赤外(IR)照射を含む一つ又はそれ以上の選択された波長の電磁照射を含み得る。他の例では、計測照射ビーム122は、電子、イオン、中性粒子などのビームを含み得る。
【0039】
他の実施形態では、計測照射源120は、計測照射ビーム122を照射経路124を介して、サンプルステージ126の上に配置された半導体ダイ106に向ける。照射経路124は、一つ又はそれ以上の照射経路レンズ128を含み得る。さらに、照射経路124は、計測照射ビーム122を改変及び/又はコンディショニングするために適した一つ又はそれ以上の付加的な光学構成要素130を含み得る。例えば、一つ又はそれ以上の光学構成要素130は、限定されるものではないが、一つ又はそれ以上の偏光子、一つ又はそれ以上のフィルタ、一つ又はそれ以上のビームスプリッタ、一つ又はそれ以上のディフューザ、一つ又はそれ以上のホモジェナイザ、一つ又はそれ以上のアポダイザ、あるいは一つ又はそれ以上のビームシェーパを含み得る。
【0040】
一つの実施形態では、照射経路124はビームスプリッタ132を含む。他の実施形態では、計測サブシステム118は、計測照射ビーム122を半導体ダイ106上にフォーカスさせる対物レンズ134を含む。
【0041】
他の実施形態では、計測サブシステム118は、半導体ダイ106から発生した照射を、収集経路138を通って捕捉するように構成された一つ又はそれ以上の検出器136を含む。収集経路138は、限定されるものではないが、半導体ダイ106からの照射を収集するための一つ又はそれ以上の収集経路レンズ140を含み得る。例えば、検出器136は、半導体ダイ106から(例えば、正反射、拡散反射などを介して)反射又は散乱された照射を、一つ又はそれ以上の収集経路レンズ140を介して受領し得る。他の例では、検出器136は、半導体ダイ106によって生成された照射(例えば、計測照射ビーム122の吸収に関連した蛍光、など)を受領し得る。他の例では、検出器136は、半導体ダイ106からの一つ又はそれ以上の回折次数の照射(例えば、0次照射、±1次照射、±2次照射、など)を受領し得る。
【0042】
検出器136は、半導体ダイ106から受領された照射を測定するために適した当該技術で既知の任意のタイプの検出器を含み得る。例えば、検出器は、限定されるものではないが、CCD検出器、TDI検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)などを含み得る。他の例では、検出器136は、半導体ダイ106から発生した照射の波長を識別するために適した分光検出器を含み得る。他の例では、検出器136は、計測照射ビーム122に反応して半導体ダイ106から発生した粒子(例えば、二次電子、後方散乱電子、など)を検出するために適した粒子検出器を含み得る。さらに、計測サブシステム118は、計測サブシステム118による複数の計測測定を容易にするために、複数の検出器136(例えば、一つ又はそれ以上のビームスプリッタによって生成された複数のビーム路に関連した)を含み得る。
【0043】
他の例では、計測サブシステム118は、半導体ダイ106を粒子ビーム(例えば、電子ビーム、イオンビーム、など)で照射すること、及び/又は半導体ダイ106からの粒子ベースの照射を収集することに基づいた、粒子ベースの計測ツールを含み得る。例えば、粒子ベースの計測ツールは、限定されるものではないが、走査型電子顕微鏡(SEM)又は収束イオンビーム(FIB)システムを含み得る。
【0044】
図1Cは、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態に従った、粒子ベースの計測サブシステム118を描いた概念図である。
【0045】
一つの実施形態では、計測サブシステム118は、粒子ビーム144(例えば、電子ビーム、粒子ビーム、など)を生成する粒子源142(例えば、電子ビーム源、イオンビーム源、など)を含む。粒子源142は粒子ビーム144を生成するために適した当該技術で既知の任意の粒子源を含み得る。例えば粒子源142は、限定されるものではないが、電子銃又はイオン銃を含み得る。他の実施形態では、粒子源142は、チューナブルなエネルギーを有する粒子ビームを提供するように構成される。例えば、電子源を含む粒子源142は、限定されるものではないが、0.1kV~30kVの範囲の加速電圧を提供し得る。他の例では、イオン源を含む粒子源142は、それが必要とされるものではないが、1~50keVの範囲のエネルギーを有するイオンビームを提供し得る。
【0046】
他の実施形態では、計測サブシステム118は、一つ又はそれ以上の粒子フォーカス素子146を含む。例えば、一つ又はそれ以上の粒子フォーカス素子146は、限定されるものではないが、単一の粒子フォーカス素子、あるいは、複合システムを形成する一つ又はそれ以上の粒子フォーカス素子を含み得る。他の実施形態では、一つ又はそれ以上の粒子フォーカス素子146は、粒子ビーム144をサンプルステージ126上に位置された半導体ダイ106に向けるように構成された粒子対物レンズ148を含む。さらに、一つ又はそれ以上の粒子源142は、限定されるものではないが、静電、磁気、単極、又は双極レンズを含む当該技術で既知の任意のタイプの電子レンズを含み得る。
【0047】
ある実施形態では、計測サブシステム118は、単一のフォーカス素子又は複合フォーカス素子として配置された一つ又はそれ以上の粒子フォーカス素子(例えば、照射経路レンズ128など)を含む。例えば、一つ又はそれ以上の粒子フォーカス素子は、限定されるものではないが、単一の粒子フォーカス素子、あるいは、計測照射ビーム122を半導体ダイ106に向けるために適した複合システムを形成する一つ又はそれ以上の粒子フォーカス素子を含み得る。
【0048】
他の実施形態では、計測サブシステム118は、半導体ダイ106から発生する粒子及び/又は電磁照射をイメージングするか、又はその他の方法で検出する一つ又はそれ以上のオフセット検出器136を含み得る。例えば、検出器136は、電子収集器(例えば、二次電子収集器、後方散乱電子検出器、など)を含み得る。他の例として、検出器136は、サンプル表面からの電子及び/又は光子を検出するための光子検出器(例えば、光検出器、X線検出器、光電子増倍管(PMT)検出器に結合されたシンチレーティング素子、など)を含み得る。
【0049】
粒子ベースの計測ツールは、複数の並列測定を提供するために、一つ又はそれ以上のカラムを含み得る。例えば、
図1Cは、粒子ベースの計測ツールの単一のカラム150を表し得るが、それを表すことには限定されない。計測サブシステム118は、任意の数のカラム150を含み得る。さらに、複数のカラム150を含む計測サブシステム118は、複数のカラム150に対する単一の計測照射源120、あるいは一つ又はそれ以上のカラム150に対して専用の計測照射源120を含み得る。
【0050】
さらに、計測サブシステム118(例えば、光学計測システム、粒子ベースの計測システム、など)に関連した計測ツールは、イメージングモード又は非イメージングモードで動作し得る。例えば、イメージベースの計測ツールは、選択された視野を一つのレンズでイメージングするか、又はテスト中のデバイス上で照射ビーム(例えば、光ビーム、粒子ビーム、など)を走査してポイント毎のイメージを蓄積していくかのいずれかによって、半導体ダイ106のイメージを生成し得る。
【0051】
他の例では、計測サブシステム118は、ソースプローブ及び/又は収集プローブを含むプローブベースの計測ツールを含み得る。例えば、プローブベースの計測ツールは、(例えば、電気パッドに)電圧及び/又は電流を供給するプローブ、ならびに回路の選択された部分(例えば、電気パッドにて、選択された構成要素の間で、など)で電圧及び/又は電流を測定するプローブを含み得る。加えて、プローブベースの計測ツールが、限定されるものではないが、テスト中のデバイスに物理的に接触することが意図された機械的プローブ、又は非接触プローブのような、当該技術で既知の任意のタイプのプローブを有し得ることが、ここでは認識される。ある場合には、プローブベースの計測ツールは、帯電した粒子ビームを利用してデバイス内に電圧及び/又は電流を誘起し得る。
【0052】
測定プローブは、スタンドアローンのプローブベースの計測システムによって利用され得るか、あるいは、限定されるものではないが光学計測システム又は粒子ベースの計測システムのような他の計測システムに一体化され得る。ある実施形態では、
図1Bに描かれているように、一つ又はそれ以上の測定プローブ152がイメージング光学計測システムに一体化される。例えば、光学計測システムは、半導体ダイ106上の測定プローブ152の位置が視認され得て位置合わせ(例えば、コンタクトパッドに対する測定プローブ152の位置合わせ、など)を容易にするように、イメージングシステムとして形成され得る。
【0053】
他の実施形態では、システム100は、故障したダイ108に関連した故障メカニズムを決定するための一つ又はそれ以上の計測及び/又はテストツールを含む故障分析サブシステム154を含む。例えば、故障分析サブシステム154は、計測サブシステム118の計測ツールのいずれか(例えば、検査ツール、プローブベースのツール、など)を含み得るが、含むことが求められるものではない。したがって、故障分析サブシステム154は、限定されるものではないが、選択された構成要素の間の電気的接続性を特徴付ける電気的トレーステスト、選択された構成要素の間の故障したダイ108の周波数応答を決定するインピーダンステスト、あるいは故障点を識別するための故障したダイ108の様々な部分のイメージング、あるいは外部情報源(例えば、事故報告、ログ、など)の分析のような当該技術で既知の任意の技法を使用して、故障したダイ108を調べ得る。
【0054】
ある実施形態では、故障分析サブシステム154が、故障メカニズムを製造フィンガープリント104の一つ又はそれ以上の要素にリンクし得る。例えば、故障は、限定されるものではないが、製造された形状の物理的、電気的、機械的、光学的、又は化学的特性のような故障したダイ108の既知の特性にリンクされ得る。したがって、故障分析サブシステム154は、故障メカニズムに寄与しているかもしれない故障したダイ108の製造フィンガープリント104の一つ又はそれ以上の構成要素(例えば、インライン測定、パッケージ特徴付け測定、バーンインテスト)などを識別し得る。したがって、製造フィンガープリントサブシステム102は、故障メカニズムにリンクされた製造フィンガープリント104の類似の構成要素を有する危険な状態にあるダイ110を識別し得る。
【0055】
デバイス故障時に故障したダイ108に関連した故障メカニズムが知られていないかもしれない場合があり得る。例えば、故障したダイ108が十分にダメージを受けていて、故障メカニズムが所望の信頼性レベルの範囲内では決定され得ない場合があり得る。他の例として、故障の性質が所望の信頼性レベルの範囲内では決定され得ない。ある実施形態では、一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイ110が、故障メカニズムの特別な考慮なしに、故障したダイ108の製造フィンガープリント104に一般的に基づいて決定される。
【0056】
他の実施形態では、製造フィンガープリントサブシステム102は、限定されるものではないが、製造サブシステム116、計測サブシステム118、又は故障分析サブシステム154のような機器からの製造プロセスに沿った複数の点で生成されたデータに基づいて、半導体ダイ106についての製造フィンガープリント104を生成する。例えば、製造フィンガープリントサブシステム102は、各半導体ダイ106に関連した製造フィンガープリント104を、メモリ媒体114に保存し得る。さらに、製造フィンガープリント104は、当該技術で既知の任意の技法を使用して、半導体ダイ106と照合され得る。ある実施形態では、各半導体ダイ106は、固有の電子チップ識別子(ECID)を与えられる。したがって、製造フィンガープリント104及びそれに関連したデータは、ECIDと照合され得る。
【0057】
他の実施形態では、製造フィンガープリント104は、様々なデータオブジェクト(例えば、製造プロファイル、欠陥プロファイル、テストプロファイル、など)が、故障したダイ108の製造フィンガープリント104の対応するデータオブジェクトとの比較のために個別にアクセス可能であり得るように、サーチ可能なフォーマットで保存される。さらに、製造フィンガープリントサブシステム102は、製造フィンガープリント104又は分析結果を保存、アクセス、分析、及び/又は見るために適した任意のフレームワークを含み得る。例えば、製造サブシステム116は、限定されるものではないがApache Hadoop、Apache Spark、Apache Storm、又はGoogle BigQueryのようなデータフレームワーク(例えばビッグデータフレームワークなど)を含み得る。これに関して、製造フィンガープリントサブシステム102は、限定されるものではないがバッチ処理又はストリーム処理のようなデータ処理スキームの任意の組み合わせを具現化し得る。
【0058】
さらに製造フィンガープリントサブシステム102は、限定されるものではないが、Apache Hadoop分散ファイルシステム(HDFS)、Cephファイルシステム、Lustreファイルシステムのような、製造フィンガープリント104を保存するためのファイルシステムを含み得る。さらに製造フィンガープリントサブシステム102は、限定されるものではないが、MapReduceフレームワーク(例えば、Apache MapReduce、Google MapReduce、Pachydem MapReduce、など)、Apache Tez、Apache Ignite、Apache PIG、JAQL、又はApache Flinkのような、保存された製造フィンガープリント104に処理を行うために適したデータ分析及び/又はデータマインイングモデルを含み得る。
【0059】
製造フィンガープリントサブシステム102は、構造の任意のレベルを有する製造フィンガープリント104(例えば、製造プロセスに沿った様々なステップからの半導体ダイ106に関連したデータオブジェクト)を保存し得る。さらに、製造フィンガープリント104は、異なるレベルの構造を有するデータを含み得る。例えば、製造フィンガープリント104、又はその一部は、未構造化、半構造化、又は構造化データとして保存され得る。しかし、構造化データ、半構造化データ、未構造化データなどのラベルが所与のデータセット内での構造の量を記述するスペクトラム上での一般的な位置を表し得るように、データが構造又は組織の様々なレベルを一般的に有し得ることが、ここでは認識される。したがって、未構造化データさえ、組織又は構造のいくらかの量を提示し得る。
【0060】
例えば、製造フィンガープリント104又はその一部は構造化又は半構造化データを含み得て、そこでは、情報が組織的ラベルの規定されたシリーズに組織化され得る(例えば、識別情報、所与の処理ステップにおける欠陥性プロファイル、所与のパッケージングステップにおけるテストデータ、など)。これに関して、データ構造は、製造フィンガープリント104の間の比較を容易にし得て、且つ異なる組織的ラベルに渡った製造フィンガープリント104の間の類似性及び相違を識別し得る。さらに、すべての半導体ダイ106が処理ステップ、計測ステップ、及び/又はテストステップの同じシリーズを経験するわけではなく、異なる半導体ダイ108の製造フィンガープリント104が異なる規定された組織構造に関連したデータを含み得ることが、ここでは認識される。しかし、特定の半導体デバイスに関連した半導体ダイ106は共通の組織的ラベル内でデータを有し得る場合があり得る。他の例として、製造フィンガープリント104又はその一部は、未構造化データとして保存され得る。これに関して、製造フィンガープリント104は、限定されるものではないが製造中に遭遇した特別の状況又は問題のような、規定された組織化ラベルにフィットし得ない情報を含み得る。
【0061】
製造フィンガープリントサブシステム102は、当該技術で既知の任意のタイプのデータベースストレジに、製造フィンガープリント104又はその一部を保存し得る。例えば、製造フィンガープリント104に関連した構造化データは、限定されるものではないがApache Hive、Google BigQuery、Apache Tajo、又はApache MRQLのようなリレーショナルインフラストラクチュア(例えば、リレーショナルデータベースなど)に保存され得るが、それが必要とされるわけではない。他の例として、製造フィンガープリント104に関連した半構造化データは、限定されるものではないが文書データモデル、ストリームデータモデル、キー値データモデル、又はグラフデータモデルのような任意のタイプのNoSQLデータベースに保存され得るが、それが必要とされるわけではない。例えば、半構造化データは、限定されるものではないがApache Cassandra、Apache HBase、Google BigTable、Hypertable、又はApache Kuduのような任意のタイプの半構造化データインフラストラクチュアに保存され得る。他の例として、未構造化データは、任意のサーチ可能なフォーマットに保存され得る。
【0062】
製造フィンガープリント104はさらに、単一のサーチ可能なデータセットに組織化され得るか、又は任意の数の別個のデータセット内に分布され得る。例えば、すべての既知の製造フィンガープリント104を含む単一のデータセットは、多くの異なる半導体ダイ106の間の相関を容易にし得て、且つ任意の利用可能なデータに基づいて危険な状態にあるダイ110を識別し得る。他の実施形態では、製造フィンガープリント104は、独立してサーチされ得る複数のデータセットに渡って分割され得る。
【0063】
例えば、所与のデータセットのサイズを制限して、効率的なサーチ及び有用な相関を促進することが望まれ得る。したがって、製造フィンガープリント104は、限定されるものではないが製造の時間、半導体デバイスのタイプ(例えば、メモリチップ、汎用処理チップ、ビデオ処理チップ、など)、又は期待される動作環境(例えば、パーソナルエレクトロニクス、車載、航空、など)のような任意のタイプの組織化スキームに基づいて、一つ又はそれ以上のデータセットに保存され得る。
【0064】
他の例として、製造フィンガープリント104に関連したデータオブジェクトが、データ内の構造のレベルに基づいて、複数のデータセットに分布され得る。例えば、製造フィンガープリント104内のデータオブジェクトの組織化インフラストラクチュアが、関連したデータオブジェクトのサーチ、マイニング、及び/又は分析のためのアルゴリズムの利用可能性及び/又は効率をガイドし得る場合があり得る。したがって、危険な状態にあるダイ110は、異なる構造のレベルを有する製造フィンガープリント104の一部に関連した異なるデータセットの複数のクエリに基づいて、識別され得る。
【0065】
他の例として、製造フィンガープリント104は、一つ又はそれ以上の処理ステップにおいて、関連したデータオブジェクトが(例えば、計測サブシステム118からの)計測データに基づいてアウトライアであると判断されるかどうかに基づいて、複数のデータセットに分布され得る。選択されたクォリティー許容範囲内にあるとみなされた任意の所与の処理ステップにおける半導体ダイ106に関連した計測データが、典型的には値の分布及び/又はクラスターによって特徴付けされること、ならびに、いくつかの半導体ダイ106は、依然として選択されたクォリティー許容範囲内にありながら、値の分布の外にある計測測定値を示し得る(例えば、アウトライア)ことが、ここで認識される。しかし、選択されたクォリティー許容範囲内にある一つ又はそれ以上の計測測定値に関連したアウトライアデータを示す半導体ダイ106が、分布内の半導体ダイ106よりも故障しやすいことがある場合があり得る。したがって、一つ又はそれ以上の処理ステップにおいてアウトライアデータを有する危険な状態にあるダイ110に関連した製造フィンガープリント104は、共通のデータセットに保存され得るが、それが必要とされるわけではない。
【0066】
さらに、アウトライアデータは当該技術で既知の任意の方法を使用して識別され得る。例えば、アウトライアデータは部分平均テスト(PAT)分析を使用して識別され得る。ある実施形態では、システム100は静的PAT(S-PAT)分析を実行する。これに関して、計測データが半導体ダイ106のシリーズに対して(典型的には異なるロットからであるが、必ずしもそうではない)生成され、統計的に分析されて、選択されたクォリティー許容(例えば、特定の計測測定に対する選択された上下限)の範囲内の計測データの分布を決定する。例えば、計測データに対して平均及び標準偏差が生成され得る。統計的分析からPAT限界が生成され得て、アウトライアデータを識別する。例えば、計測データのガウス分布に対するPAT限界は標準偏差の6倍分の平均からのずれ(例えばμ+6σ)であり得るが、これが必要とされるわけではない。したがって、製造の間に得られた半導体ダイ106に対する計測データはPAT限界と比較され得て、アウトライアデータを決定する。さらに、PATデータは、半導体ダイ106をスクリーニングしてアウトライアデータを含む半導体ダイ106の分布を制限するために使用され得て、且つ/又は、配置されるべき半導体ダイ106の製造フィンガープリント104の中に一体化され得る。
【0067】
システム100は、限定されるものではないが製造サブシステム116、計測サブシステム118、製造フィンガープリントサブシステム102、又は付加的なサブシステム(図示されていない)のような構成要素の任意の組み合わせを使用して、PAT分析を実行し得る。ある実施形態では、PAT分析は計測サブシステム118によって実行され、結果のデータは、製造フィンガープリント104への一体化のために製造フィンガープリントサブシステム102に提供される。他の実施形態では、製造フィンガープリントサブシステム102が計測サブシステム118から計測データを受領して、製造フィンガープリント104に含めるためにPAT分析を実行する。さらに、システム100は、アウトライアの決定のためのPAT分析の変形の任意の組み合わせを実行し得る。ある実施形態では、システム100は、製造中にインライン検査及び/又は計測データに基づいてインラインPAT(I-PAT)を実行する。I-PATは、「潜在的な信頼性欠陥検出のためのインライン部分平均テスト(I-PAT)計測手法」という名称で2017年3月23日付けで出願された米国特許出願第62/475,749号に一般的に記述されており、この出願は参照によって全体的にここに援用される。他の実施形態では、システム100は、ローリングデータセットを使用して統計的PAT限界を生成することに基づいて、動的PAT(D-PAT)を実行する。他の実施形態では、システム100は、パラメトリックデータに基づいて、パラメトリック(P-PAT)を実行する。他の実施形態では、システム100は、ウエハに対する測定のジオグラフィック(例えば位置)データに基づいた計測データのクラスタリングに基づいて、ジオグラフィックPAT(G-PAT)を実行する。
【0068】
製造フィンガープリントサブシステム102は、製造フィンガープリント104にアクセスし且つ/又は分析を実行するための様々なインターフェースを含み得る。例えば、製造フィンガープリントサブシステム102は、クエリを提供(例えば、故障したダイ108のものに類似した製造フィンガープリント104を有する危険な状態にあるダイ110を識別)して且つ関連した結果を見るためのローカルインターフェース(例えば、ローカルな有線又は無線ネットワーク上の計算デバイス)を含み得る。これに関して、製造フィンガープリント104へのアクセスは、データセットに関する強化されたセキュリティ及び/又はアクセスコントロールを容易にするために密に制御され得る。他の例として、製造フィンガープリントサブシステム102は、一つ又はそれ以上のリモートな計算デバイスが、保存された製造フィンガープリント104にアクセスし、クエリを提供し、及び/又はクエリ結果を見るようなリモートインターフェースを提供し得る。例えば、リモートインターフェースは、ウエブポータル(例えば、任意の適切なデバイス上のブラウザ又はアプリケーションを介して見ることができる)、仮想プライベートネットワーク(VPN)などを含み得るが、これらに限定されるものではない。さらに、リモートインターフェースは、限定されるものではないがAdvanced Encryption Standard(AES)、Twofish、Blowfishなどのような当該技術で既知の任意のタイプのセキュリティメカニズムを含み得る。
【0069】
他の実施形態では、製造フィンガープリントサブシステム102は、一つ又はそれ以上の選択された類似性指標に基づいて、故障したダイ108のものと類似の製造フィンガープリント104を有する半導体ダイ(例えば、危険な状態にあるダイ110)のサブセットを識別する。これに関して、危険な状態にあるダイ110は、故障したダイ108と類似の動作条件下で故障しやすいものと予測される。したがって、ターゲットされたリコールは、危険な状態にあるダイ110のみを含んで開始され得る。例えば、故障したダイ108の完全な又は部分的な製造フィンガープリント104が、故障時に抽出され得る。例えば、故障したダイ108の完全な製造フィンガープリント104が製造フィンガープリントサブシステム102に保存されている場合には、その完全な製造フィンガープリント104が(例えば、ECIDを参照することによって、などで)抽出され得る。他の例として、故障したダイ108が識別不能である(例えば、印刷されたECIDが故障によってダメージを受けている、など)の場合には、部分的な製造フィンガープリント104が、故障分析サブシステム154を使用して抽出され得る。非制限的な例として、アーク放電に関連した短絡の場合、故障分析サブシステム154は、そのアーク放電に結び付けられている故障点に近いサイズ及び/又は形状分離を有する形状を識別し得る。
【0070】
製造フィンガープリントサブシステム102は、限定されるものではないが分類、ソート、クラスタリング、アウトライア検出、信号応答計測、回帰分析、実例ベースの分析(例えば最近傍分析など)、次元性低減(例えば、要因分析、特徴抽出、主構成要素分析、など)、監督学習(例えば、人工ニューラルネットワーク、サポートベクトルマシン、ランダムフォレスト、など)、半監督学習(例えば生成的モデルなど)、非監督学習(例えばベクトル量子化など)、深層学習又はベイズ統計のような当該技術で既知の任意の分析技法を使用して、製造フィンガープリント104を比較する。分析技法及び任意の関連したラベルは描写目的のためのみに提供されており、制限とは意図されていないことが理解されるべきである。例えば、製造フィンガープリントサブシステム102は、当該技術で既知の任意の機械学習技法を使用して製造フィンガープリント104を比較し得て、これは、限定されるものではないが、ここで提供された任意の機械学習技法を含み得る。分析技法が様々な方法で記述され且つ/又は分類され得ることが、ここでは認識される。さらに、分析技法の組み合わせが具現化され得る。
【0071】
さらに、製造フィンガープリントサブシステム102は、限定されるものではないが、Apache Mahout、Waikato Environment for Knowledge Analysis(WEKA)、deeplearning4j、Sparkling Water、又はApache SystemMlのような、カスタム設計されたツール、商業的に利用可能なツール、オープンソースツール、又はそれらの改変の任意の組み合わせを使用して、選択された分析技法を具現化し得る。
【0072】
ある実施形態では、製造フィンガープリントサブシステム102は、少なくとも部分的に、危険な状態にあるダイ110が選択された距離指標に基づいて識別される最近傍法に基づいて、危険な状態にあるダイ110を識別する。例えば、製造フィンガープリント104に関連した様々なデータオブジェクトは多次元空間に表され得て、危険な状態にあるダイ110は、選択された距離指標に基づいて、故障したダイ108からのある距離に基づいて選択され得る。距離指標は、ユークリッド距離のような当該技術で既知の任意のタイプの距離指標であり得るが、これに限定されるものではない。
【0073】
最近傍アルゴリズムは、複数の方法で具現化され得る。例えば、製造フィンガープリントサブシステム102は、固定された最近傍サーチに基づいて、危険な状態にあるダイ110を識別し得る。これに関して、危険な状態にあるダイ110は、故障したダイ108の製造フィンガープリント104から(選択された距離指標に基づいて)固定距離内にある製造フィンガープリント104を有するとして、識別され得る。したがって、一つ又はそれ以上の固定距離がクエリにおける故障したダイ108の製造フィンガープリントとともに提供され得て、危険な状態にあるダイ110を識別する。他の例として、製造フィンガープリントサブシステム102は、k番目に近接した近傍サーチに基づいて、危険な状態にあるダイ110を識別し得る。これに関して、最近傍の選択された数kが識別され得る。したがって、kの一つ又はそれ以上の値がクエリにおける故障したダイ108の製造フィンガープリントとともに提供され得て、危険な状態にあるダイ110を識別する。他の例では、製造フィンガープリントサブシステム102は、最近傍距離比に基づいて、危険な状態にあるダイ110を識別し得る。これに関して、近傍の間の相対距離が、最近傍を識別する閾値を決定するために使用される。例えば、最近傍サーチの結果が閾値設定(例えば、固定距離法における固定距離、k番目の近傍法における最近傍の数k、など)に非常に依存し得ることが、ここでは認識される。したがって、近傍のサブセット(例えば、半導体ダイ106)が、類似の条件下では故障することが予測され得るように一緒にクラスター化され得るが、所与の最近傍サーチは全ての近傍をそのクラスターに含み損ね得る。ある場合には、限定されるものではないが最近傍距離比又はクラスター化技法のような付加的な技法が、クラスターの少なくとも一部が最近傍サーチによって識別されるときに、クラスター化された近傍を識別し得る。
【0074】
いくつかの実施形態では、製造フィンガープリント104内のデータオブジェクトが、任意の選択された基準に基づいて、任意の分析技法にて重み付けされ得る。製造フィンガープリント104に含まれる全てのデータオブジェクトが、故障したダイ108と類似の条件下で故障すると予測される半導体ダイ106のサブセットが識別されるときに等しく関連しているわけではないことが、ここでは認識される。したがって、製造フィンガープリント104内のデータオブジェクトは、限定されるものではないが組織化ラベル(例えば、工場ID、工場内の地理的位置、ロットID、製造のタイムフレーム、所与の製造ステップにおける欠陥プロファイル、所与の製造ステップにおける計測結果、パッケージングステップにおけるテストプロフィル、完成したデバイスのバーンインテストプロファイル、など)のような任意の選択されたスキームに基づいて、クエリの間に重み付けされ得る。
【0075】
ある実施形態では、重み付けは、クエリの間に、故障したダイ108(例えば故障分析サブシステム154で識別された)の故障に関連した故障に基づいて、製造フィンガープリント104内の様々なデータオブジェクトに割り得てられ得る。例えば、故障メカニズムは、特定の製造ステップに関連した特定の欠陥(例えば、特定の製造ステップにおける製造された要素の間の意図されない短絡又はブリッジ、2つ又はそれ以上の製造層における製造された要素の間のオーバーレイエラー、研磨ステップの間の研磨におけるエラによる形状厚さのずれ、パッケージングステップの間に生成された欠陥、など)を含み得る。したがって、識別された欠陥にリンクされ得る計測サブシステム118からのデータを含む製造フィンガープリント104内のデータオブジェクトは、類似の計測データを有する危険な状態にあるダイ110の識別を容易にするために、より高い重み付けが割り当てられ得る。
【0076】
同様に、故障メカニズムは、一つ又はそれ以上の製造ラインの既知のエクスカーション(規定外変動)又はドリフトにリンクされ得る。したがって、情報の識別に関連したデータオブジェクト(例えば、工場ID、ロットID、製造の時間、など)は、危険な状態にあるダイ110と同じ頃に同じ工場で製造された半導体ダイ106の識別に恩恵をもたらす(必ずしも限定しない)ように、より高い重み付けを割り当てられ得る。例えば、同じロット、又は同じ回の付加的なロットで製造された半導体ダイ106がエクスカーションによって影響されている場合があり得る。しかし、そのエクスカーションが半導体ダイ106の一部(例えば、所与のロットの一部の半導体ダイ106、又はウエハの特定の位置の半導体ダイ106、など)のみにインパクトを与えているかもしれない。これに関して、組織化ラベルの複数のタイプに重み付けを割り当てることは、故障したダイ108と同時に又は同じ頃に製造された半導体ダイ106の強化されたセキュリティを容易にし得るが、依然として、故障メカニズムにリンクされた計測データに基づいて微妙に異なる分析を加えている。さらに、クエリは、故障メカニズムにリンクされた計測データに基づいて、他の時点又は場所で製造された半導体ダイ106を包含するほど十分に広範であり得る。したがって、システム100は、多要因分析に基づいて、危険な状態にあるダイ110のターゲットされたリコールを提供し得る。
【0077】
他の例として、重み付けは、半導体ダイ106の期待される又は既知の動作条件に関連した組織化ラベルに割り当てられ得る。例えば、所与の製造欠陥が、ある動作条件(例えば、極端な温度、圧力、湿度レベル、動作サイクル、など)における故障のみを導き得る場合があり得る。これに関して、故障メカニズムに関連して故障したダイ108と類似した計測データを有するが、その故障メカニズムをトリガすることが期待されない動作条件下で配置された半導体ダイ106は、危険な状態にあるダイ110と識別されないかもしれず、これよりリコールから除外され得る。
【0078】
他の例として、重み付けは、アウトライア分析に基づいて、計測データ(例えば、欠陥プロファイルデータ、オーバーレイデータ、テストデータ、バーンインデータ、など)に関連されたデータオブジェクトに割り当てられ得る。ここで先に記述されたように、一つ又はそれ以上のプロセスステップでアウトライア計測データを示しているが依然として選択されたクォリティー許容範囲内にあるとみなされている半導体ダイ106が、アウトライア計測データの無い半導体ダイ106よりも故障しやすいかもしれない場合があり得る。これに関して、アウトライアデータに関連した製造フィンガープリント104内のデータオブジェクトは、関連した計測が故障したダイ108の故障メカニズムにリンクされ得るときに特に、ターゲットされたリコールに含まれる可能性を増すように、任意の分析技法(例えば、最近傍技法、又は任意の選択された分析技法)で重み付けされ得る。
【0079】
製造フィンガープリントサブシステム102は、クエリの結果を、限定されるものではないが、テキスト、表、又はグラフィックオブジェクト(例えば、グラフ、半導体ダイ106の間の多次元関係を示すトポグラフィックマップ、など)のような任意のフォーマット、又は複数のフォーマットの組み合わせで提供し得る。さらに、製造フィンガープリントサブシステム102は、異なるサーチ基準に基づいて、ターゲットされたリコールのために、複数のセットの危険な状態にあるダイ110を提供し得る。例えば、製造フィンガープリントサブシステム102は、複数のクエリ(例えば、製造フィンガープリント104内の様々なデータオブジェクトに割り当てられた異なる重み付けで実行された、異なるデータセットに対して実行された、複数の分析技法、など)に基づいて、危険な状態にあるダイ110のセットを提供し得る。他の例として、製造フィンガープリントサブシステム102は、異なる信頼性レベルに基づいて、危険な状態にあるダイ110のセットを提供し得る。これに関して、オペレータは、状況(例えば、故障の深刻さ、リコールの予測されるインパクト、など)に基づいて、選択された危険な状態にあるダイ110のターゲットされたリコールを制定し得る。
【0080】
図2は、半導体デバイスのターゲットされたリコールを実行するための方法200にて実行されるステップを描いた流れ図である。システム100の文脈で先にここで記述された実施形態及び実現する技法が方法200に拡張されると解釈されるべきであると、出願人は明記する。しかし、方法200はシステム100のアーキテクチュアには限定されないことが、さらに明記される。
【0081】
ある実施形態では、この方法200は、一つ又はそれ以上の半導体製造ステップの後に、複数のダイに対してインライン測定を実行して、それら複数のダイに対するインライン測定プロファイルを生成するステップ202を含む。半導体ダイ(例えば、システム100に関して描かれた半導体ダイ106)は、製造プロセスのウエハステージにおける様々なインライン検査及び/又は計測ステップによって、特徴付けされ得る。例えば、複数の半導体ダイが、単一のウエハ上に並列に製造され得る。
【0082】
図3Aは、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態に従った、半導体製造プロセスのウエハステージの間のインライン測定の概念図である。
【0083】
ある実施形態では、半導体ダイは、製造のウエハステージの間に、限定されるものではないが堆積ステップ302a、リソグラフィステップ302b、エッチングステップ302c、及び研磨ステップ302dのような一連のプロセスステップを受ける。システム100の描写的な例を考慮すれば、プロセスステップ302は、限定されるものではないが堆積チャンバ、リソグラフィツール、エッチングツール(例えば、プラズマエッチングツール、液体エッチングツール、など)、研磨ツール(例えば、化学的機械的平坦化(CMP)ツール、など)のような、製造サブシステム116からの一つ又はそれ以上の製造ツールを使用して実行され得る。
【0084】
他の実施形態では、ステップ202は、ウエハステージの任意の数のプロセスステップ(例えば、
図3Aに描かれたプロセスステップ302、又は図示されていない付加的なウエハステージプロセスステップ)において、一つ又はそれ以上のインライン測定を実行することを含む。
【0085】
例えば、一つ又はそれ以上のインライン測定は、堆積されたフィルム及び/又は製造された形状の一つ又はそれ以上の局面を特徴付けする計測測定値304を含み、これらは、フィルム厚さ、屈折率、フィルム応力、限界寸法(CD)、及び製造された形状の形状計測測定値、製造された形状の表面プロファイル測定、又は2つまたはそれ以上の層の形状の間のオーバーレイレジストレーション測定のようなものであるが、これらに限定されるものではない。
【0086】
他の例として、一つ又はそれ以上のインライン測定は、限定されるものではないが任意のプロセスステップにおける製造欠陥又は汚染物質のような欠陥を識別及び/又は特徴付ける検査測定306を含み得る。例えば、検査ツール(例えば、システム100の計測サブシステム118の一部)が、製造に先立ってパターン化されていないウエハに関連した欠陥(例えば、ウエハ厚さのずれ、ウエハ応力測定、ひっかき傷、ピット、ボイド、など)、あるいは一つ又はそれ以上の層における製造形状の設計仕様からのずれを、モニタ及び/又は特徴付けし得る。
【0087】
他の実施形態では、インライン測定はメモリ媒体308(例えば、システム100のメモリ媒体114、など)に保存され得る。これに関して、インライン測定は対応する半導体ダイにリンクされ得て、製造フィンガープリント104に一体化され得る(例えば、分析に適したフォーマットで構造化、半構造化、又は未構造化データとして保存される)。
【0088】
インライン測定は、任意の数の方法で利用され得る。ある実施形態では、インライン測定は、アウトライアを識別するために使用される。例えば、方法200は、限定されるものではないが一つ又はそれ以上のPAT分析技法(例えば、S-PAT、D-PAT、I-PAT、G-PAT、P-PAT、など)のような当該技術で既知の任意の技法を使用して、アウトライアを識別するステップを含み得る。
【0089】
さらに、アウトライア分析の結果は複数の方法で利用され得る。一つの実施形態では、インライン測定に関連したアウトライアを含む半導体ダイの少なくとも一部がスクリーニングされて、配置されない(例えば製造時に除外される)。他の実施形態では、インライン測定に関連したアウトライアを含む半導体ダイの少なくとも一部が配置される(例えば、それらはクォリティー許容度をパスしたとみなされる)が、アウトライアデータが製造フィンガープリント104に組み込まれる。
【0090】
他の実施形態では、方法200は、一つ又はそれ以上のパッケージングステップの後に複数のダイの一つ又はそれ以上の測定を実行して、その複数のダイに対するパッケージ特徴付けプロファイルを生成するステップ204を含む。半導体ダイ(例えば、システム100に関して描かれた半導体ダイ106)は、製造のパッケージングステージの間または後に、様々な検査及び/又は計測ステップによって特徴付けられ得る。例えば、ウエハは(例えば、スクライブ線に沿って、など)ダイシングされ得て、複数の製造された半導体ダイを分離する。したがって、半導体ダイは個別にパッケージされ得て、機械的サポート、エンクロージャ、電気接触などを提供する。これに関して、半導体ダイは、スタンドアローンの動作又は付加的なシステムへの一体化に適しているかもしれない。
【0091】
図3Bは、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態に従った半導体製造プロセスのパッケージステージの間の測定の概念図である。
【0092】
ある実施形態では、半導体ダイは製造のパッケージングステージの間に、限定されるものではないがパッケージ検査ステップ310a、パッケージテストステップ310b、又はバーンインテストステップ310cのような一連のプロセスステップを経験する。システム100の描写的な例を考慮すると、プロセスステップ310は、限定されるものではないがダイシングツール又はパッケージングツールのような製造サブシステム116からの一つ又はそれ以上の製造ツールを使用して実行され得る。
【0093】
他の実施形態では、ステップ202は、任意の数のパッケージステージプロセスステップ(例えば、
図3Bに描かれたプロセスステップ310、又は図示されていない付加的なウエハステージのプロセスステップ)にて、一つ又はそれ以上の測定を実行するステップを含む。
【0094】
例えば、パッケージ検査ステップ310aは、パッケージされた半導体ダイの一つ又はそれ以上の局面を特徴付けし得る。例えば、パッケージ検査ステップ310aは、限定されるものではないが、半導体ダイのダイシングされたエッジの検査、取り付けられたリード線の機械的及び/又は電気的テスト、あるいはエンクロージャの完全性を含み得る。他の例として、パッケージテストステップ310bは、パッケージされた半導体デバイスの性能を特徴付けし得る。例えば、パッケージテストステップ310bは、限定されるものではないが、リード線の間の電気的接続の分析、又はパッケージされた半導体ダイの動作性能の分析を含み得る。他の例として、バーンインテスト310cは、限定されるものではないが、過剰な温度、湿度条件、動作電圧、動作電流、又は動作頻度のような極端な及び/又はストレスフルな条件での動作テストを含み得る。これに関して、バーンインテスト310cは、故障に弱い半導体ダイ又は半導体ダイのグループを識別し得る。
【0095】
他の実施形態では、インライン測定はメモリ媒体308(例えば、システム100のメモリ媒体114、など)に保存され得る。これに関して、パッケージステージ測定は、対応する半導体ダイにリンクされ得て、製造フィンガープリント104に一体化され得る(例えば、分析に適したフォーマットで、構造化、半構造化、又は未構造化データとして保存される)。
【0096】
インライン測定に関して先にここで記述されたように、パッケージステージ測定は任意の数の方法で利用され得る。ある実施形態では、パッケージステージ測定はアウトライアを識別するために使用される。例えば、方法200は、限定されるものではないが一つ又はそれ以上のPAT分析技法(例えば、S-PAT、D-PAT、I-PAT、G-PAT、P-PAT、など)のような当該技術で既知の任意の技法を使用して、アウトライアを識別するステップを含み得る。
【0097】
さらに、ここで先に記述されたように、アウトライア分析の結果は複数の方法で使用され得る。ある実施形態では、パッケージ測定に関連したアウトライアを含む半導体ダイの少なくとも一部がスクリーニングされて、配置されない(例えば製造中に除外される)。他の実施形態では、インライン測定に関連したアウトライアを含む半導体ダイの少なくとも一部が配置される(例えば、それらはクォリティー許容度をパスしたとみなされる)が、アウトライアデータが製造フィンガープリント104に組み込まれる。
【0098】
他の実施形態では、方法200は、複数のダイに対して製造フィンガープリント(例えばシステム100の製造フィンガープリント104)を生成するステップ206を含む。
【0099】
ある実施形態では、ステップ206は、半導体ダイに対するインライン測定プロファイル又はパッケージ特徴付けプロファイルに関連したデータオブジェクトを集めるステップを含む。例えば、データオブジェクトは、データを生成した計測ツール(例えば、計測サブシステム118に関連した計測ツール、など)から受領され得る。他の例として、保存されたデータオブジェクトがメモリデバイス(例えば、メモリ媒体114)から受領され得る。
【0100】
製造フィンガープリントに関連したデータオブジェクトは、当該技術で既知の任意の方法を使用して、物理的な半導体ダイにリンクされ得るか又はその他の方法で関連付けられ得る。ある実施形態では、各半導体ダイは、半導体ダイ上に視認できるか又はその他の方法でそこから検索可能である固有の電子チップ識別子(ECID)を有して製造される。これに関して、各半導体ダイの製造フィンガープリントは、関連付けされたECIDを含み得る。
【0101】
他の実施形態では、ステップ206は、一つ又はそれ以上のデータオブジェクト(例えば、インライン測定プロファイル、パッケージ測定プロファイルなどに関連したデータオブジェクト)を、(例えば、システム100の製造フィンガープリントサブシステム102などによる)サーチ及び/又は比較分析に適したフォーマットに変換し得る。例えば、半導体ダイに関連したデータオブジェクト又はその一部は、製造フィンガープリントの選択された組織化ラベルに基づくカテゴリー化に適した一様なフォーマットに変換され得る。これに関して、製造フィンガープリントに関連したデータオブジェクトは、構造化又は半構造化データとして組織化され得る。
【0102】
ある場合には、データオブジェクト(例えば、計測データ、検査データ、パッケージ検査データ、パッケージテストデータ、バーンインデータ、など)は、(例えば、固定の組織化ラベルを有するリレーショナルデータベースにおける)構造化データとして、又は(例えばフレキシブルな組織化構造を許容するNoSQLデータベースにおける)半構造化データとしての保存に適した英数字フォーマットに変換され得る。英数字フォーマットでの保存に適したデータは、これより、測定値、複数の特徴に関連した統計値(例えば、平均値、標準偏差、分散、など)、又はアウトライア情報(例えば、測定値の平均値からのずれ、など)を含み得るが、これらに限定されるものではない。さらに、統計的及び/又はアウトライア情報は、限定されるものではないが、所与の半導体ダイにおける形状、所与のウエハにおける形状、所与のロットにおける形状、又は所与の製造ラインからの形状のような、半導体ダイの任意の選択されたセットと照合され得る。
【0103】
他の場合には、データオブジェクト(例えば、計測データ、検査データ、パッケージ検査データ、パッケージテストデータ、バーンインデータ、など)の少なくとも一部は、限定されるものではないがイメージ又はグラフのようなグラフィックフォーマットで保存され得る。グラフィックデータの間の相関が様々な機械学習技法を使用して分析され得ることが、ここで認識される。さらに、ステップ206で生成された製造フィンガープリントは、限定されるものではないが英数字及びグラフィックデータを含む任意のタイプのデータの任意の組み合わせを含み得る。
【0104】
他の実施形態では、ステップ206で生成された製造フィンガープリントは、半導体ダイの製造に関与した識別情報に関連した製造プロファイルデータを含む。例えば、製造プロファイルデータは、製造設備、製造設備内の製造ラインなどのような製造位置を含み得る。他の例として、製造プロファイルデータは、製造時間又は時間窓を含み得る。他の例として、製造プロファイルデータは、特定のウエハ、ウエハ上の特定のダイ、ダイ内の特定の位置などに関連した粒度情報を含み得る。例えば、製造プロファイルデータは、限定されるものではないがロット識別子、ウエハ識別子、又はウエハ上の(例えば、X-Y座標、極座標などにおける)ダイ位置のような粒度情報を含み得る。
【0105】
他の実施形態では、ステップ206で生成された製造フィンガープリントは、期待された又は既知の動作条件を含む。例えば、期待される動作環境(例えば、温度、圧力、EOS、EDS、など)及び/又は所期の使用(例えば、航空機のコックピット、自動車、民生用電子デバイス、など)が、所与の半導体ダイが故障し得る可能性に影響し得る場合があり得る。したがって、それ以外は類似した製造フィンガープリントを有する半導体ダイが、いくつかの動作条件では故障し得て、他のものではしない。
【0106】
他の実施形態では、方法200は、故障したダイ(例えば、
図1Aに描かれた故障したダイ108、など)の製造フィンガープリントの少なくとも一部を決定するステップを含む。例えば、故障したダイの製造フィンガープリントが配置に先立って生成されていて且つ故障したダイのECIDが既知である場合には、製造フィンガープリント又はその一部は、ストレジから(例えばメモリ媒体114などから)検索され得る。
【0107】
他の実施形態では、ステップ208は、一つ又はそれ以上の計測及び/又はテストステップを実行して、故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部を決定するステップを含む。例えば、故障したダイの製造フィンガープリントが配置に先立って生成されていない場合には、一つ又はそれ以上のテスト又は計測ステップが(例えば、システム100の計測サブシステム118及び/又は故障分析サブシステム154などで)実行され得て、故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部を決定する(例えば、故障したダイの一つ又はそれ以上の層の製造された形状を特徴付ける、など)。
【0108】
他の実施形態では、ステップ208は、故障したダイに関連した一つ又はそれ以上の故障メカニズムを(例えば、システム100の故障分析サブシステム154を使用して、など)識別するステップを含む。したがって、ステップ208は、限定されるものではないが、選択された構成要素の間の電気的接続性を特徴付けする電気的トレーステスト、選択された構成要素の間の故障したダイ108の周波数応答を決定するインピーダンステスト、あるいは故障点を識別するための故障したダイ108の様々な部分のイメージング、あるいは外部情報源(例えば、事故報告、ログ、など)の分析のような、当該技術で既知の任意の技法を使用して、故障したダイ108を調べるステップを含み得る。
【0109】
図4A及び
図4Bは、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態に従った故障したダイのイメージを描いている。
図4Aは、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態に従って、ダメージを示す外部エンクロージャの光学イメージ402を含む。例えば、イメージ402は、故障のタイプ(例えば加熱)の識別を容易にし得る。
図4Bは、本開示の一つ又はそれ以上の実施形態に従って、ダメージを示す外部エンクロージャの粒子ビームイメージ404を含む。例えば、イメージ404は、一つ又はそれ以上の特定の故障点、及び/又は特定の故障点における故障メカニズムの識別を容易にし得る。これに関して、故障点に関連した製造フィンガープリントの要素(例えば、設計仕様からのずれ、など)が識別され得て、付加的な危険な状態にあるダイ110の判定のための基礎として使用され得る。
【0110】
他の実施形態では、ステップ208は、故障メカニズムを製造フィンガープリントの一つ又はそれ以上の要素にリンクするステップを含み得る。例えば、故障は、限定されるものではないが、製造された形状の物理的、電気的、機械的、光学的、又は化学的特性のような故障したダイ108の既知の特性にリンクされ得る。したがって、ステップ208は、故障したダイの製造フィンガープリントの一つ又はそれ以上の構成要素(例えば、インライン測定、パッケージ特徴付け測定、又はバーンインテスト)、あるいは故障メカニズムに寄与し得ている同様のものを識別するステップを含み得る。
【0111】
他の実施形態では、ステップ200は、一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイの製造フィンガープリントと故障したダイの製造フィンガープリントの少なくとも一部との比較に基づいて、一つ又はそれ以上の危険な状態にあるダイを識別するステップ210を含む。他の実施形態では、方法200は、一つ又はそれ以上の付加的なダイを含むデバイスをリコールするステップ212を含む。
【0112】
他の実施形態では、ステップ210は、一つ又はそれ以上の選択された類似性指標に基づいて、故障したダイ108のそれと類似した製造フィンガープリント104を有する半導体ダイ106(例えば、危険な状態にあるダイ110)のサブセットを識別するステップを含む。これに関して、危険な状態にあるダイ110は、故障したダイ108と類似した動作条件下で故障しやすいことが予測される。したがって、ターゲットされたリコールは、危険な状態にあるダイ110のみを含んで始められ得る。
【0113】
ステップ210は、限定されるものではないが分類、ソート、クラスタリング、アウトライア検出、信号応答計測、回帰分析、実例ベースの分析(例えば最近傍分析など)、次元性低減(例えば、要因分析、特徴抽出、主構成要素分析、など)、監督学習(例えば、人工ニューラルネットワーク、サポートベクトルマシン、ランダムフォレスト、など)、半監督学習(例えば生成的モデルなど)、非監督学習(例えばベクトル量子化など)、深層学習又はベイズ統計のような当該技術で既知の任意の分析技法を使用して、製造フィンガープリント104を比較するステップを含み得る。分析技法及び任意の関連したラベルは描写目的のためのみに提供されており、制限とは意図されていないことが理解されるべきである。例えば、製造フィンガープリントサブシステム102は、該技術で既知の任意の機械学習技法を使用して製造フィンガープリント104を比較し得て、これは、限定されるものではないが、ここで提供された任意の機械学習技法を含み得る。分析技法が様々な方法で記述され且つ/又は分類され得ることが、ここでは認識される。さらに、分析技法の組み合わせが具現化され得る。
【0114】
ある実施形態では、製造フィンガープリントサブシステム102は、少なくとも部分的に、危険な状態にあるダイ110が選択された距離指標に基づいて識別される最近傍法に基づいて、危険な状態にあるダイ110を識別する。例えば、製造フィンガープリント104に関連した様々なデータオブジェクトが多次元空間で表され得て、危険な状態にあるダイ110は、選択された距離指標に基づいて、故障したダイ108からの距離(例えば、ユークリッド距離、など)に基づいて選択され得る。
【0115】
いくつかの実施形態では、ステップ210は、危険な状態にあるダイを製造フィンガープリントの構成要素の重み付け分析に基づいて識別するステップを含む。製造フィンガープリント104に含まれる全てのデータオブジェクトが、故障したダイ108と類似の条件下では故障すると予測される半導体ダイ106のサブセットが識別されるときに等しく関連しているわけではないことが、ここでは認識される。したがって、製造フィンガープリント104内のデータオブジェクトは、限定されるものではないが組織化ラベル(例えば、工場ID、工場内の地理的位置、ロットID、製造のタイムフレーム、所与の製造ステップにおける欠陥プロファイル、所与の製造ステップにおける計測結果、パッケージングステップにおけるテストプロフィル、完成したデバイスのバーンインテストプロファイル、など)のような任意の選択されたスキームに基づいて、クエリの間に重み付けされ得る。
【0116】
危険な状態にあるダイは、限定されるものではないが、故障メカニズムにリンクされた製造フィンガープリントの構成要素(例えばステップ208で決定される、など)、故障したダイの動作条件に類似であり得る既知の製造フィンガープリントを有する半導体ダイのセットの動作条件、又はアウトライア分析のような、任意のタイプの重み付けスキームに基づいて、識別され得る。
【0117】
非限定的な例として、命及び/又は財産の損失を含む高プロファイル状況における半導体ダイの散発的な故障が生じ得る(例えば、自動車に組み込まれた半導体ダイに関連した、など)。デバイス故障時には、故障したダイの固有のECIDが識別され得て、且つ故障したダイの製造フィンガープリントが検索され得る。故障分析は、故障メカニズムが潜在的な製造欠陥に関連していることを示し得る。例えば、故障分析は、動作環境に固有の(例えば、自動車への組み込みに関連した)電気的過負荷時に故障し得る特定の処理層における部分的な開口の存在を示し得る。この情報とともに、故障したダイの履歴が決定され得て、限定されるものではないが製造設備、ロットID,ウエハID、及びウエハの部分的開口の位置を含み得る。さらに、計測及び/又は検査測定、パッケージ特徴付けテスト結果、及び/又はバーンインテスト結果に関連したインライン測定が、故障したダイに対して製造フィンガープリントに基づいて識別され抽出され得る。したがって、ターゲットされたリコールは、製造フィンガープリントの所望の組み合わせ及び/又は重み付けされた組み合わせに基づいて、危険な状態にあるダイを識別し得る。例えば、50個の類似のダイが、検出されたプロファイル(例えば、部分的開口の存在)に基づいて、危険な状態にあるダイとして識別され得る。さらに、故障したダイのものと時間的に類似した製造に関連した製造設備、識別子(例えば、ロットID、ウエハID、ウエハ上での欠陥の位置、など)が、分析における要因とされ得るが、それが必要とされるわけではない。50個の類似のダイから20個のダイのみが、故障したダイと類似の動作条件で配置されていると判断され、それらが故障のリスクにあるとみなされ得る。したがって、これら20個のダイが危険な状態にあるダイと識別され得て、ターゲットされたリコールの対象とされ得る。
【0118】
ここで記述された主題はときどき、他の構成要素に含まれるか又は接続された異なる構成要素を描く。そのような描かれたアーキテクチュアは単に例示的であり、実際に同じ機能を達成する多くの他のアーキテクチュアが具現化されることができることが、理解されるべきである。概念的な意味では、同じ機能を達成する構成要素の任意の組み合わせは、所望の機能が達成されるように有効に「関連付け」られる。これより、特定の機能を達成するようにここで組み合わされた任意の2つの構成要素は、アーキテクチュア又は中間構成要素に関わらず、所望の機能が達成されるようにお互いに「関連付けられた」とみなされることができる。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素もまた、所望の機能が達成されるようにお互いに「接続」又は「結合」されているとみなされることができ、そのように関連付けられることができる任意の2つの構成要素もまた、所望の機能が達成されるようにお互いに「接続可能」又は「結合可能」であるとみなされることができる。結合可能な特定の例は、物理的に相互作用可能な及び/又は物理的に相互作用している構成要素、及び/又はワイヤレスに相互作用可能な及び/又はワイヤレスに相互作用している構成要素、及び/又は論理的に相互作用可能な及び/又は論理的に相互作用している構成要素を含むが、これらに限定されるものではない。
【0119】
本開示及びその従属した効果の多くが前述の記述によって理解されて、様々な変化が、開示された主題から逸脱することなく又はその材料の効果の全てを犠牲にすることなく、構成要素の形態、製造、及び配置についてなされ得ることが明らかであると、信じられる。記述された形態は単に例示的なものであり、そのような変化を包含し且つ含むことが、以下の特許請求項の意図である。さらに、本発明が添付の特許請求項によって規定されることが理解されるべきである。