(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-15
(45)【発行日】2022-07-26
(54)【発明の名称】包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 75/62 20060101AFI20220719BHJP
B65D 85/07 20170101ALI20220719BHJP
【FI】
B65D75/62 B
B65D85/07
(21)【出願番号】P 2020092657
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2021-10-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100139022
【氏名又は名称】小野田 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100192463
【氏名又は名称】奥野 剛規
(74)【代理人】
【識別番号】100169328
【氏名又は名称】藤本 健治
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 英人
(72)【発明者】
【氏名】村井 隆将
(72)【発明者】
【氏名】戸田 温樹
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-224353(JP,A)
【文献】特開2001-301859(JP,A)
【文献】特開2011-178422(JP,A)
【文献】国際公開第2010/041026(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 67/00-79/02
B65D 85/07-85/18
B65D 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅方向、奥行方向、及び上下方向を有し、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含み、前記前面部と前記右面部とが交わる部分、前記前面部と前記左面部とが交わる部分、前記後面部と前記右面部とが交わる部分、及び前記後面部と前記左面部とが交わる部分の各々に角部を有する、複数の吸収性物品を収納した包装体であって、
前記前面部及び前記後面部の各々において前記幅方向に沿って延びるように形成され、前記右面部及び前記左面部の各々において前記奥行方向に沿って延びるように形成された第1弱め線と、
前記角部を跨ぐように形成された第2弱め線と、
を備え、
隣り合う前記第1弱め線同士は、前記角部で互いに離間しており、
隣り合う前記第1弱め線と前記第2弱め線とは、互いに離間しており、
隣り合う前記第2弱め線と前記第1弱め線との距離は、隣り合う前記第1弱め線同士の距離よりも短く、
前記第2弱め線の端部の延長線は、当該第2弱め線の端部と隣り合う前記第1弱め線と交差する、
包装体。
【請求項2】
前記第2弱め線の少なくとも端部は、隣り合う前記第1弱め線と、前記上下方向において重なる、
請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記第1弱め線は、前記上下方向における前記複数の吸収性物品の上側の端縁と同じ位置又は前記端縁よりも上側の位置に形成さており、
前記第2弱め線は、前記第1弱め線よりも前記上下方向の上側の位置に形成されている、
請求項1又は2に記載の包装体。
【請求項4】
前記第2弱め線の少なくとも端部の延長線は、隣り合う前記第1弱め線に対して鋭角に交差する、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項5】
前記第2弱め線は、前記第2弱め線における前記包装体の表面に沿った方向の中央部を頂点とする、前記上下方向の上側又は下側に凸の形状を有する、
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項6】
前記前面部、前記後面部、前記右面部、及び前記左面部の各々における前記上下方向の上側の部分に設けられた取手部を更に備える、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項7】
前記右面部及び前記左面部は、それぞれ前記前面部及び前記後面部との間における、前記幅方向の右側及び左側に谷折りに折り畳まれた部分であり、
前記右面部と前記前面部との前記角部の前記第2弱め線は、前記右面部と前記前面部との境界線に対して線対称な形状を有し、前記右面部と前記後面部との前記角部の前記第2弱め線は、前記右面部と前記後面部との境界線に対して線対称な形状を有し、前記左面部と前記前面部との前記角部の前記第2弱め線は、前記左面部と前記前面部との境界線に対して線対称な形状を有し、前記左面部と前記後面部との前記角部の前記第2弱め線は、前記左面部と前記後面部との境界線に対して線対称な形状を有する、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項8】
前記第1弱め線は、前記上下方向における前記包装体に収納された前記複数の吸収性物品の上側の端縁と同じ位置又は前記端縁よりも上側の位置に形成されており、
前記第2弱め線は、前記第1弱め線よりも前記上下方向の上側に位置している、
請求項7に記載の包装体。
【請求項9】
隣り合う前記第1弱め線と前記第2弱め線との距離は、前記第1弱め線を構成する弱め部分同士の距離よりも長い、
請求項1乃至8のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項10】
前記第2弱め線は、前記包装体の表面に沿った方向の中央を頂点とするアーチ型の形状を有する、
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の包装体。
【請求項11】
前記第2弱め線は、隣り合う少なくとも一つの前記第1弱め線の切り離しが行われ、前記前面部、前記後面部、前記右面部、及び前記左面部の少なくとも一つの前記第1弱め線よりも前記上下方向の上側の部分が把持されて、前記包装体が持ち上げられたとき、前記複数の吸収性物品の重みで、前記第1弱め線の切り離しが、前記角部に伝搬したとしても、到達できない位置、に形成されている、
請求項1乃至10のいずれか一項に記載の包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収性物品の包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
尿取りパッドのような吸収性物品を内包する包装体が知られている。包装体は、ミシン目のような弱め線を外面に備えている。使用者は、弱め線の切り離しを行って、包装体に開口部を形成し、その開口部から包装体の内部の吸収性物品を取り出す。
【0003】
そのような包装体として、例えば、特許文献1に、紙おむつ等の包装袋(包装体)が開示されている。この包装体には、上開口部のシールラインよりも下方で充填収容される被包装物の上面またはその近傍に至るまでの区間で、包装体の底面と概ね平行な破断線(弱め線)が付設されている。例えば、包装体の全周に亘って連続的に破断線が設けられる場合や、包装体の角部に夫々独立して同一高さに破断線が設けられ、かつ、それら破断線よりも少し低い位置に正面部、両側面部および背面部に夫々破断線が更に設けられる場合がある。以下の説明では、特許文献1の破断線も弱め線という。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
使用者は、吸収性物品を内包する包装体を、様々な態様で使用する。例えば、包装体における弱め線よりも上側の部分である上面部を取り除いて、包装体の上側に開口部を形成し、その開口部から吸収性物品を取り出す態様があり得る。すなわち、包装体を完全に開封する態様があり得る。また、例えば、包装体における上面部の外周の一部を裂いて、上面部を部分的に包装体に結合させたまま、包装体の上側に開口部を形成し、その開口部から吸収性物品を取り出す態様があり得る。すなわち、包装体を部分的に開封する態様があり得る。この態様では、状況に応じて、上面部を把持して包装体を容易に持ち運ぶことができ、任意の場所で開口部から吸収性物品を取り出すことができる。このように、包装体は、様々な使用の態様に応じて、その上面部の開封の度合いを調節される。
【0006】
特許文献1の包装体では、包装体の全周に亘って連続的に弱め線が設けられる場合がある。この場合、包装体の上面部を取り除いて開口部を形成すること、よって完全に開封すること、及び、上面部を部分的に包装体に結合させたまま開口部を形成すること、よって部分的に開封することは、いずれも容易である。すなわち、いずれの態様においても、包装体の開封は容易である。しかし、包装体を部分的に開封する態様において、包装体の持ち運びのときに、吸収性物品の重みで、上面部と包装体との間で更なる弱め線の切り離しが生じるおそれがある。そうなると、上面部が包装体から外れてしまい易くなり、包装体を持ち運び難くなる。すなわち、包装体が部分的に開封された状態を維持できず、完全に開封された状態になるおそれがあり、包装体の開封の制御が困難である。
【0007】
一方、特許文献1の包装体では、包装体の角部に夫々独立して同一高さに弱め線が設けられ、かつ、それら弱め線よりも少し低い位置に正面部、両側面部および背面部に夫々弱め線が更に設けられる場合がある。この場合、これら複数の弱め線は、包装体の全周に亘って連続的に設けられてはいない。すなわち、角部において、隣り合う弱め線は互いに分離されている。したがって、包装体を部分的に開封する態様では、包装体の持ち運びのときに、吸収性物品の重みで、上面部と包装体との間の複数の弱め線のうち、いくつかの弱め線の切り離しは起きるかもしれない。とはいえ、それらの弱め線の切り離しは角部で止まるので、隣の弱め線に及ぶことはない。すなわち、複数の弱め線のすべてに切り離しが生じることはなく、包装体から上面部が外れることはない。それにより、上面部を把持して包装体を持ち運ぶことができる。すなわち、包装体の開封の制御は容易である。しかし、複数の弱め線は、包装体の全周に亘って連続的に設けられておらず、角部において互いに分離されている。そのため、複数の弱め線のすべてについて切り離しを行い、包装体の上面部を取り除くことや、複数の弱め線のいくつかについて切り離しを行い、上面部を部分的に切り離すことは容易ではない。すなわち、いずれの態様においても、包装体の開封は容易ではない。
【0008】
このように、特許文献1の包装体では、包装体の開封の容易性と、包装体の開封度合いの制御性との両立が困難である。
【0009】
したがって、本発明の目的は、包装体の開封の容易性と、包装体の開封度合いの制御性とを両立することが可能な包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様の包装体は次の通りである。
幅方向、奥行方向、及び上下方向を有し、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含み、前記前面部と前記右面部とが交わる部分、前記前面部と前記左面部とが交わる部分、前記後面部と前記右面部とが交わる部分、及び前記後面部と前記左面部とが交わる部分の各々に角部を有する、複数の吸収性物品を収納した包装体であって、前記前面部及び前記後面部の各々において前記幅方向に沿って延びるように形成され、前記右面部及び前記左面部の各々において前記奥行方向に沿って延びるように形成された第1弱め線と、前記角部を跨ぐように形成された第2弱め線と、を備え、隣り合う前記第1弱め線同士は、前記角部で互いに離間しており、隣り合う前記第1弱め線と前記第2弱め線とは、互いに離間しており、隣り合う前記第2弱め線と前記第1弱め線との距離は、隣り合う前記第1弱め線同士の距離よりも短く、前記第2弱め線の端部の延長線は、当該第2弱め線の端部と隣り合う前記第1弱め線と交差する、包装体。
【0011】
また、本発明の他の態様の包装体は次の通りである。
幅方向、奥行方向、及び上下方向を有し、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含み、前記前面部と前記右面部とが交わる部分、前記前面部と前記左面部とが交わる部分、前記後面部と前記右面部とが交わる部分、及び前記後面部と前記左面部とが交わる部分の各々に角部を有する、複数の吸収性物品を収納した包装体であって、前記前面部及び前記後面部の各々において前記幅方向に沿って延びるように形成され、前記右面部及び前記左面部の各々において前記奥行方向に沿って延びるように形成された第1弱め線と、前記角部を跨ぐように形成された第2弱め線と、を備え、前記第2弱め線は、隣り合う少なくとも一つの前記第1弱め線の切り離しが行われ、前記前面部、前記後面部、前記右面部、及び前記左面部の少なくとも一つの前記第1弱め線よりも前記上下方向の上側の部分が把持されて、前記包装体が持ち上げられたとき、前記複数の吸収性物品の重みで、前記第1弱め線の切り離しが、前記角部に伝搬したとしても、到達できない位置、に形成されている、包装体。
【0012】
本発明によれば、包装体の開封の容易性と、包装体の開封度合いの制御性とを両立することが可能な包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る包装体の構成例を模式的に示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る包装体の構成例を模式的に示す正面図及び右側面図である。
【
図3】実施形態に係る包装体の包装袋を模式的に示す平面図である。
【
図4】実施形態に係る包装体の第1弱め線及び第2弱め線の構成例を示す模式図である。
【
図5】実施形態に係る包装体を完全に又は部分的に開封する態様を示す模式図である。
【
図6】実施形態に係る包装体の作用効果を示す模式図である。
【
図7】実施形態に係る包装体の作用効果を示す模式図である。
【
図8】実施形態に係る第1弱め線及び第2弱め線の構成例を示す模式図である。
【
図9】実施形態に係る第1弱め線及び第2弱め線の構成例を示す模式図である。
【
図10】実施形態に係る包装体の製造方法の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態は、以下の態様に関する。
[態様1]
幅方向、奥行方向、及び上下方向を有し、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含み、前記前面部と前記右面部とが交わる部分、前記前面部と前記左面部とが交わる部分、前記後面部と前記右面部とが交わる部分、及び前記後面部と前記左面部とが交わる部分の各々に角部を有する、複数の吸収性物品を収納した包装体であって、前記前面部及び前記後面部の各々において前記幅方向に沿って延びるように形成され、前記右面部及び前記左面部の各々において前記奥行方向に沿って延びるように形成された第1弱め線と、前記角部を跨ぐように形成された第2弱め線と、を備え、隣り合う前記第1弱め線同士は、前記角部で互いに離間しており、隣り合う前記第1弱め線と前記第2弱め線とは、互いに離間しており、隣り合う前記第2弱め線と前記第1弱め線との距離は、隣り合う前記第1弱め線同士の距離よりも短く、前記第2弱め線の端部の延長線は、当該第2弱め線の端部と隣り合う前記第1弱め線と交差する、包装体。
【0015】
本包装体では、角部において、第1弱め線の近傍に第2弱め線が形成され、第2弱め線の端部の延長線が第2弱め線と隣り合う第1弱め線と交差している。
そのため、包装体を完全に開封する態様及び包装体を部分的に開封する態様にて、使用者は、第2弱め線の切り離しを行ったのち、そのままその切り離しの力を第1弱め線に容易に移行させることができるので、その第1弱め線の切り離しを容易に行うことができる。よって、必要な数の第1弱め線及び第2弱め線の切り離しを行うことで、包装体から、包装体の上面部を容易に取り除くこと、及び、部分的に容易に切り離すことができる。
更に、本包装体では、包装体の全周(前面部、後面部、右面部及び左面部)に亘って設けられた複数の第1弱め線は、連続的には設けられていない。すなわち、角部において、隣り合う第1弱め線同士は互いに離間している。更に、包装体の全角部に設けられた複数の第2弱め線は、複数の第1弱め線のうちの隣り合う第1弱め線とは所定の距離で互いに離間している。この場合、前面部、後面部、右面部、及び左面部の第1弱め線及び第2弱め線よりも上下方向の上側の部分が上面部である。
ここで、包装体を部分的に開封する態様では、包装体の上面部を把持して持ち運ぶときに、吸収性物品の重みで、切り離しの力が、開封のために切り離された第1弱め線から、切り離されていない第1弱め線に伝わることで、切り離しが起きる又は進むかもしれない。しかし、本包装体では、それらの第1弱め線の切り離しは、角部で止まり、隣の第2弱め線に移行することはなく、更に隣の第1弱め線に移行することがないので、包装体から上面部が外れることはない。それにより、使用者は、上面部を把持して包装体を別の場所へ持ち運ぶことができる(持ち運びの耐久性が高くなる)。
このように、この包装体は、様々な使用の態様に応じて、包装体の上面部の切り離しの度合いを調節すること、すなわち、包装体の開封度合いの制御性と、包装体の上面部を完全に又は部分的に容易に切り離すこと、すなわち、包装体の開封の容易性と、を両立させることができる。
【0016】
[態様2]
前記第2弱め線の少なくとも端部は、隣り合う前記第1弱め線と、前記上下方向において重なる、態様1に記載の包装体。
本包装体では、第2弱め線の少なくとも端部が隣り合う第1弱め線と上下方向において重なっている。そのため、使用者が、包装体を開封しようとして、第2弱め線の切り離しを行ったとき、その切り離しの力を第1弱め線に確実に移行でき、その第1の弱め線の切り離しをより容易に行うことができる。よって、包装体を容易に開封できる。
【0017】
[態様3]
前記第1弱め線は、前記上下方向における前記複数の吸収性物品の上側の端縁と同じ位置又は前記端縁よりも上側の位置に形成さており、前記第2弱め線は、前記第1弱め線よりも前記上下方向の上側の位置に形成されている、態様1又は2に記載の包装体。
本包装体では、第1弱め線は、上下方向において、包装体に収納された吸収性物品の上側の端縁と同じ位置又は端縁よりも上側の位置に形成されており、第2弱め線は、第1弱め線よりも上下方向の上側に位置している。そのため、第2弱め線の位置が、包装体の吸収性物品の位置と重なることがない。したがって、包装体が、吸収性物品で膨れた状態であっても、使用者は、その膨れた部分に影響されることなく、例えば、第2弱め線の近傍を容易に摘まんで、第2弱め線の切り離しを容易に行うことができる。すなわち、包装体を容易に開封できる。
【0018】
[態様4]
前記第2弱め線の少なくとも端部の延長線は、隣り合う前記第1弱め線に対して鋭角に交差する、態様1乃至3のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体では、第2弱め線の少なくとも端部の延長線は、隣り合う第1弱め線に対して鋭角に交差する。そのため、使用者が、包装体を開封しようとして、第2弱め線の切り離しを行ったとき、その切り離しの力を、第2弱め線の第1弱め線に対する鋭角な傾きに沿って、第2弱め線から第1弱め線へ滑らかに移行させることができる。それにより、両弱め線の切り離しをより容易に行うことができ、包装体を容易に開封できる。
【0019】
[態様5]
前記第2弱め線は、前記第2弱め線における前記包装体の表面に沿った方向の中央部を頂点とする、前記上下方向の上側又は下側に凸の形状を有する、態様1乃至4のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体では、第2弱め線が、包装体の表面に沿った方向の中央部を頂点とする、上下方向の上側又は下側に凸の形状、よって、両側、すなわち、隣り合う第1弱め線側の部分が第1弱め線に漸近する形状を有している。そのため、使用者が、包装体を開封しようとして、第2弱め線の切り離しを行ったとき、その切り離しの力を、第2弱め線の第1弱め線側の部分に沿って、第2弱め線から第1弱め線へより滑らかに移行させることができる。それにより、両弱め線における切り離しをより容易に行うことができ、包装体をより容易に開封できる。
【0020】
[態様6]
前記前面部、前記後面部、前記右面部、及び前記左面部の各々における前記上下方向の上側の部分に設けられた取手部を更に備える、態様1乃至5のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体は、前面部、後面部、右面部、及び左面部における上下方向の上側の部分、例えば、上面部、又は、上面部の上部、に設けられた取手部を備えている。それにより、包装体の上面部における外周の一部を第1弱め線で切り離し、部分的に結合されている上面部を取っ手で把持して包装体を別の場所へ容易に持ち運ぶことができる。ここで、このような包装体を持ち運ぶとき、吸収性物品の重みで、上面部における外周の残りの部分が切り離されて、上面部が包装体から分離してしまうそれがある。しかし、この包装体は、上記したような構成を有しているので、部分的に結合されている上面部が分離する事態を生じさせることはない。
【0021】
[態様7]
前記右面部及び前記左面部は、それぞれ前記前面部及び前記後面部との間における、前記幅方向の右側及び左側に谷折りに折り畳まれた部分であり、前記右面部と前記前面部との前記角部の前記第2弱め線は、前記右面部と前記前面部との境界線に対して線対称な形状を有し、前記右面部と前記後面部との前記角部の前記第2弱め線は、前記右面部と前記後面部との境界線に対して線対称な形状を有し、前記左面部と前記前面部との前記角部の前記第2弱め線は、前記左面部と前記前面部との境界線に対して線対称な形状を有し、前記左面部と前記後面部との前記角部の前記第2弱め線は、前記左面部と前記後面部との境界線に対して線対称な形状を有する、態様1乃至6のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体は、右面部及び左面部がそれぞれ前面部及び後面部との間に谷折りに折り畳まれた部分であるから、ガゼットタイプの包装体である。そして、第2弱め線は、右面部及び左面部の各々と前面部及び後面部の各々との境界線に対して線対称な形状を有している。それにより、右面部及び左面部の各々と前面部及び後面部の各々との角部から、第2弱め線の切り離しを行うことで、右面部及び左面部の各々の第2弱め線と前面部及び後面部の各々の第2弱め線とを同時に一緒に破断することができる。それにより、両第2弱め線の切り離しをより容易に行うことができ、全体として包装体をより容易に開封できる。
【0022】
[態様8]
前記第1弱め線は、前記上下方向における前記包装体に収納された前記複数の吸収性物品の上側の端縁と同じ位置又は前記端縁よりも上側の位置に形成されており、前記第2弱め線は、前記第1弱め線よりも前記上下方向の上側に位置している、態様7に記載の包装体。
本包装体では、第1弱め線が複数の吸収性物品の上側の端縁と同じ位置又は端縁よりも上側の位置に形成され、第2弱め線が第1弱め線の上側に位置している。そのため、包装体における第2弱め線の位置が、収納された吸収性物品の位置と重なることがない。したがって、包装体が、収納された吸収性物品で膨れた状態であっても、使用者は、その膨れた部分に影響されることなく、例えば、第2弱め線の近傍を容易に摘まんで、第2弱め線の切り離しを容易に行うことができる。すなわち、包装体を容易に開封できる。
【0023】
[態様9]
隣り合う前記第1弱め線と前記第2弱め線との距離は、前記第1弱め線を構成する弱め部分同士の距離よりも長い、態様1乃至8のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体では、第1弱め線と第2弱め線との距離が第1弱め線を構成する弱め部分同士の距離よりも長い。そのため、包装体1を部分的に開封する態様において、上面部を把持して包装体を持ち運ぶとき、吸収性物品の重みがあっても、第1弱め線の切り離しは、第2弱め線に伝搬せず、角部で止まることになる。それにより、上面部を把持して包装体を別の場所へ安定的に持ち運ぶことができる(持ち運びの耐久性が高くなる)。
【0024】
[態様10]
前記第2弱め線は、前記包装体の表面に沿った方向の中央を頂点とするアーチ型の形状を有する、態様1乃至9のいずれか一項に記載の包装体。
本包装体では、第2弱め線が、包装体の表面に沿った方向の中央を頂点とするアーチ型、よって、略円弧の形状を有している。そのため、包装体1を部分的に開封する態様において、上面部を把持して包装体を持ち運ぼうとしたとき、吸収性物品の重みで、第1弱め線の切り離しが隣り合う第2弱め線へ伝搬したとしても、第2弱め線がアーチ型であるため、切り離しの力が分散され、第2弱め線の切り離しが進行し難くなる。それにより、上面部を把持して包装体を別の場所へ安定的に持ち運ぶことができる(持ち運びの耐久性が高くなる)。
【0025】
[態様11]
幅方向、奥行方向、及び上下方向を有し、前面部、後面部、右面部、及び左面部を含み、前記前面部と前記右面部とが交わる部分、前記前面部と前記左面部とが交わる部分、前記後面部と前記右面部とが交わる部分、及び前記後面部と前記左面部とが交わる部分の各々に角部を有する、複数の吸収性物品を収納した包装体であって、前記前面部及び前記後面部の各々において前記幅方向に沿って延びるように形成され、前記右面部及び前記左面部の各々において前記奥行方向に沿って延びるように形成された第1弱め線と、前記角部を跨ぐように形成された第2弱め線と、を備え、前記第2弱め線は、隣り合う少なくとも一つの前記第1弱め線の切り離しが行われ、前記前面部、前記後面部、前記右面部、及び前記左面部の少なくとも一つの前記第1弱め線よりも前記上下方向の上側の部分が把持されて、前記包装体が持ち上げられたとき、前記複数の吸収性物品の重みで、前記第1弱め線の切り離しが、前記角部に伝搬したとしても、到達できない位置、に形成されている、包装体。
【0026】
本包装体は、前面部、後面部、右面部、及び左面部の各々に、幅方向又は奥行方向に沿って延びるように形成された第1弱め線を有し、角部を跨ぐように形成された第2弱め線を有している。したがって、第1弱め線及び第2弱め線を用いて、包装体を容易に開封することができる。この場合、前面部、後面部、右面部、及び左面部の第1弱め線及び第2弱め線よりも上下方向の上側の部分が上面部である。
更に、包装体を部分的に開封する態様では、少なくとも一つの第1弱め線の切り離しが行われた後で、上面部が把持されて、包装体が持ち上げられたとき、吸収性物品の重みで、その第1弱め線の切り離しが角部へ向かって伝搬することが起こり得る。そこで、この包装体では、角部の第2弱め線は、第1弱め線の切り離しが、その角部に伝搬したとしても、到達できない位置に形成されている。それにより、第2弱め線の切り離しが起こることを抑制でき、第2弱め線よりも先の第1弱め線に切り離しが生じることを抑制できる。それにより、上面部を把持して包装体を別の場所へ安定的に持ち運ぶことができる。
このように、この包装体は、包装体の開封の容易性と、包装体の開封度合いの制御性と、を両立させることができる。
【0027】
以下、実施形態に係る包装体について説明する。ただし、本明細書において、ある方向に「沿う」とは、その方向に対して±30°の範囲の方向に沿うことを含むものとする。また、ある部材等のある方向の端部とは、その部材のその方向の端縁から、その部材等のその方向での全体の長さの1/5(好ましくは1/10)以下の長さの範囲をいう。
【0028】
図1~
図3は実施形態に係る包装体1の構成例を示す模式図である。ただし、
図1は包装体1の構成例を模式的に示す斜視図であり、
図2は包装体1の構成例を模式的に示す正面図及び右側面図であり、
図3は包装体1の包装袋2を模式的に示す平面図である。
【0029】
包装体1は、互いに直交する幅方向W、奥行方向D、及び上下方向Tを有している。そして、包装体1は、複数の吸収性物品3と、複数の側面部を含み、複数の吸収性物品3を収納する包装袋2と、を備えている。複数の側面部は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14を含んでいる。前面部11及び後面部12は包装体1(包装袋2)の前面及び後面を構成する部分であり、前面部11及び後面部12の一方から他方へ向かう方向が奥行方向Dである。右面部13及び左面部14は包装体1(包装袋2)の右面及び左面を構成する部分であり、右面部13及び左面部14の一方から他方へ向かう方向が幅方向Wである。互いに隣り合う前面部11、右面部13、後面部12及び左面部14で構成される筒の延びる方向が上下方向Tである。なお、複数の側面部は、包装袋2の側面部であると共に、包装体1の側面部でもあるから、包装体1が複数の側面部を有する、ということができる。
【0030】
包装体1(包装袋2)は、互いに隣接する側面部同士が交わる部分に角部19を有している。すなわち、前面部11と右面部13とが交わる部分、前面部11と左面部14とが交わる部分、後面部12と右面部13とが交わる部分、及び後面部12と左面部14とが交わる部分の各々に角部19を有している。ここで、互いに隣接する側面部同士の境界を境界線CLとすると、前面部11と右面部13との境界、前面部11と左面部14との境界、後面部12と右面部13との境界、及び、後面部12と左面部14との境界に境界線CLが存在する。したがって、角部19は境界線CLを含む領域である。本実施形態では、境界線CLは、角部19における包装体1(包装袋2)の表面に沿う底面部16(後述)に平行な方向の中心に位置している。なお、
図3は、包装袋2を後面部12と左面部14との境界線CLで切断して展開した図である。
【0031】
本実施形態では、包装袋2は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートのような合成樹脂で形成されたシート部材で構成されている。包装袋2には、複数の吸収性物品3が、縦置きされた状態で、幅方向Wに重ねられ一列に並べられつつ、上下方向Tに三段重ねられて収納されている。ただし、複数の吸収性物品3の包装袋2への収納方法は特に制限されず任意である。また、本実施形態では、吸収性物品3は尿取りパッドである。ただし、吸収性物品3の種類はこの例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲を逸脱しない限り、他の吸収性物品でもよい。他の吸収性物品としては、生理用ナプキン、失禁パッド、パンツ型おむつ、テープ型おむつ、などが挙げられる。なお、包装体1に内包される折り畳まれた吸収性物品3の大きさは、特に制限はないが、例えば、5~30cm×5~40cm×1~10cmが挙げられる。
【0032】
本実施形態では、包装体1(包装袋2)は直方体の形状を有しており、したがって、その各側面部、すなわち前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々は矩形の形状を有している。ただし、包装体1は、主に変形容易なシート部材及び吸収性物品で構成されているので、厳密な直方体の形状を有していなくてもよい。例えば、吸収性物品3が圧縮されて包装袋2に収納され、その後に吸収性物品3が膨張して包装袋2が内側から伸長した状態のように、側面部の一部又は全部や、角部19の一部又は全部が、曲面を有していたり、丸みを帯びていたり、凸凹を有していたりしてもよい。なお、包装体1(包装袋2)の大きさは、特に制限はないが、例えば、幅方向Wの長さ10~80cm、奥行方向Dの長さ10~80cm、上下方向Tの長さ10~100cmが挙げられる。
【0033】
包装体1(包装袋2)は、前面部11及び後面部12の各々において幅方向Wに沿って延びるよう、及び、右面部13及び左面部14の各々において奥行方向Dに沿って延びるように、それぞれ形成された第1弱め線21と、各角部19を跨ぐように形成された第2弱め線22と、を備えている。ここで、第1弱め線21及び第2弱め線22のような弱め線とは、包装袋2のシート部材をその厚さ方向に貫通した部分又は厚さ方向に薄く削ってハーフカットした部分(以下、「弱め部分」ともいう。)が所定の方向に間欠的に複数個並んだものをいい、ミシン目に例示される。弱め線を挟んで両側の部分を、互いに引き離すように引っ張ることで、弱め線に沿って互いに容易に切り離すことができる。
【0034】
前面部11には、上下方向Tの上側の部分に、前面部11と右面部13との角部19の近傍から、前面部11と左面部14との角部19の近傍まで、幅方向Wに沿って延びる第1弱め線21が形成されている。同様に、後面部12には、上下方向Tの上側の部分に、後面部12と右面部13との角部19の近傍から、後面部12と左面部14との角部19の近傍まで、幅方向Wに沿って延びる第1弱め線21が形成されている。右面部13には、上下方向Tの上側の部分に、右面部13と前面部11との角部19の近傍から、右面部13と後面部12との角部19の近傍まで、奥行方向Dに沿って延びる第1弱め線21が形成されている。左面部14には、上下方向Tの上側の部分に、左面部14と前面部11との角部19の近傍から、左面部14と後面部12との角部19の近傍まで、奥行方向Dに沿って延びる第1弱め線21が形成されている。
【0035】
そして、前面部11と右面部13との角部19を跨いで、前面部11における幅方向Wの右面部13側の端部から、右面部13における奥行方向Dの前面部11側の端部まで、第2弱め線22が形成されている。同様に、前面部11と左面部14との角部19を跨いで、前面部11における幅方向Wの左面部14側の端部から、左面部14における奥行方向Dの前面部11側の端部まで、第2弱め線22が形成されている。後面部12と右面部13との角部19を跨いで、後面部12における幅方向Wの右面部13側の端部から、右面部13における奥行方向Dの後面部12側の端部まで、第2弱め線22が形成されている。後面部12と左面部14との角部19を跨いで、後面部12における幅方向Wの左面部14側の端部から、左面部14における奥行方向Dの後面部12側の端部まで、第2弱め線22が形成されている。
【0036】
本実施形態では、包装体1(包装袋2)は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々の第1弱め線21及び第2弱め線22よりも上下方向Tの上側の部分で形成された上面部15を更に含んでいる。上面部15は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々の上下方向Tの上側の端部が互いに熱融着された結合部17を含んでいる。結合部17は、弱め線で形成された取手部18を含んでいる。包装体1(包装袋2)は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の各々の上下方向Tの下側の端部が互いに熱融着された底面部16を更に有している。包装体1(包装袋2)は、上面部15、前面部11、後面部12、右面部13、左面部14及び底面部16により複数の吸収性物品3を包んでいる。
【0037】
なお、本実施形態では、包装体1(包装袋2)は、前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14の少なくとも一つに開封部20を含んでいる。開封部20は、弱め線である二本の縦弱め線25と、横弱め線24と、を含んでいる。二本の縦弱め線25は、上下方向Tに沿って延び、幅方向W又は奥行方向Dに間隔を空けて並んでいる。横弱め線24は、幅方向W又は奥行方向Dに沿って延び、二本の縦弱め線25における上下方向Tの上側の端部同士をつないでいる。この場合、横弱め線24及び二本の縦弱め線25の切り離しを行うことで、開封部20を開口して、吸収性物品3を取り出してもよい。
【0038】
図4は、実施形態に係る包装体1の第1弱め線21及び第2弱め線22の構成例を示す模式図である。具体的には、角部19及びその近傍における第1弱め線21と第2弱め線22との位置関係を、包装体1(包装袋2)の表面に沿って示す模式図である。
【0039】
図4に示すように、隣り合う第1弱め線21同士は、角部19で互いに離間している。よって、角部19における隣り合う第1弱め線21同士の距離をd2とすると、少なくともd2>0である。隣り合う第1弱め線21と第2弱め線22とは、互いに離間している。よって、隣り合う第1弱め線21と第2弱め線22との距離をd1とすると、少なくともd1>0である。そして、隣り合う第2弱め線22と第1弱め線21との距離d1は、隣り合う第1弱め線同士の距離d2よりも短い(d1<d2)。すなわち、隣り合う第2弱め線22と第1弱め線21との距離d1は相対的に短くなっている。ただし、距離d1、d2は、包装袋2の表面伝いに測定される最短の距離である。更に、第2弱め線22の端部の延長線L0は、第2弱め線22の端部と隣り合う第1弱め線21と交差している。
【0040】
なお、包装体1の大きさにも依存するが、d1の大きさとしては0.1~4cmが挙げられ、0.5~3cmが好ましい。下限は、第1弱め線21の切り離しが第2弱め線22へ不要なときに伝搬するのを抑制する観点であり、上限は、第2弱め線22の切り離しが第1弱め線21へ必要なときに伝搬し難くなるのを抑制する観点である(後述)。d2の大きさとしては2~15cmが挙げられ、3~10cmが好ましい。下限は第1弱め線21の切り離しが隣接する第1弱め線21へ伝搬するのを抑制する観点であり、上限は弱め線の切り離しが必要なときに切り離し難くなるのを抑制する観点である。また、包装袋2の表面伝いに測定される第2弱め線22の長さd3は、2~15cmが挙げられる。
【0041】
図5は、実施形態に係る包装体1を完全に又は部分的に開封する態様を示す模式図である。
図5(a)に示すように、包装体1を完全に開封する態様では、複数の側面部すべてにおいて、第1弱め線21及び第2弱め線22の切り離しが行われる。それにより、複数の側面部すべてにおいて、第1切断線21a及び第2切断線22aが形成され、上面部15が取り除かれて、開口部OPが形成される。使用者は、開口部OPから吸収性物品3を取り出し得る。一方、
図5(b)に示すように、包装体1を部分的に開封する態様では、複数の側面部のうちの一部(例示:前面部11、右面部13及び左面部14)において、第1弱め線21及び第2弱め線22の切り離しが行われる。それにより、複数の側面部のうちの一部(例示:前面部11、右面部13及び左面部14)において、第1切断線21a及び第2切断線22aが形成され、開口部OPが形成される。使用者は、開口部OPから吸収性物品3を取り出し得る。加えて、使用者は、上面部15が複数の側面部のうちの他の一部分(例示:後面部12)に結合された状態で、結合部17の取手部18を手Hで把持して、包装体1を持ち運び得る。
【0042】
図6は、実施形態に係る包装体の作用効果を示す模式図である。この図は、主に角部19における第1弱め線21及び第2弱め線22での切り離しの状態を、包装体1(包装袋2)の表面に沿って示している。
【0043】
本包装体1では、角部19で、第1弱め線21近傍に第2弱め線22が形成され、第2弱め線22の端部の延長線L0が第2弱め線22と隣り合う第1弱め線21と交差する。
そのため、包装体1を完全に又は部分的に開封する態様において、
図6(a)の矢印が示すように、使用者は、第2弱め線22の切り離しを行い、そのままその切り離しの力を第1弱め線21に容易に移行させ、第1弱め線21の切り離しを容易に行うことができる。すなわち、第2弱め線22の第2切断線22aを形成した後に、そのまま連続的に第1弱め線21の第1切断線21aを容易に形成できる。それにより、必要な数の第1弱め線21及び第2弱め線22の切り離しを行うことで、包装体1から、包装体の上面部15を容易に取り除くこと、及び、部分的に容易に切り離すことができる。
【0044】
更に、本包装体1では、包装体1の全周(前面部11、後面部12、右面部13及び左面部14)に亘って設けられた複数の第1弱め線21は、連続的には設けられていない。すなわち、角部19において、隣り合う第1弱め線21同士は所定の距離d2で互いに離間している。更に、全角部19に設けられた複数の第2弱め線22は、複数の第1弱め線21のうちの隣り合う第1弱め線21とは所定の距離d1で互いに離間している。
ここで、包装体1を部分的に開封する態様では、包装体1の上面部15を把持して持ち運ぶときに、吸収性物品3の重みで、切り離しの力が、開封のために切り離された第1弱め線から、切り離されず結合されたままの第1弱め線21に伝わることで、切り離しが起きる又は進む場合があり得る。しかし、その場合でも、本包装体1では、
図6(b)に示すように、それら第1弱め線21の切り離し(第1切断線21a)は、角部19(P1及びP2のX印で示す位置)で止まり、隣り合う第2弱め線22や第1弱め線21に移行することがない。したがって、包装体1から上面部15が外れることはない。それにより、使用者は、上面部15を把持して包装体1を別の場所へ持ち運ぶことができる(持ち運びの耐久性が高くなる)。
【0045】
このように、この包装体1は、様々な使用の態様に応じて、包装体1の上面部15の切り離しの度合いを調節すること、すなわち、包装体1の開封度合いの制御性と、包装体1の上面部15を完全に又は部分的に容易に切り離すこと、すなわち、包装体1の開封の容易性と、を両立させることができる。
【0046】
ここで、上記の実施形態において、包装体1における第1弱め線21と第2弱め線22との関係として、0<d1<d2、かつ、延長線L0と第1弱め線21との交差が挙げられている。その関係は、言い換えると、以下のような関係であるともいえる。すなわち、第2弱め線22は、隣り合う少なくとも一つの第1弱め線21の切り離しが行われた後、上面部15が把持されて、包装体1が持ち上げられたとき、複数の吸収性物品3の重みで、第1弱め線21の切り離しが、角部19に伝搬したとしても、到達できない位置、に形成されている。以下、
図7を参照して、具体的に説明する。
【0047】
図7は、実施形態に係る包装体の作用効果を示す模式図である。この図は、一例として、右面部13、及び、右面部13と後面部12との間の角部19における、第1弱め線21での切り離しの状態を示している。ただし、分かり易さのために、右面部13の表面に、奥行方向Dに平行で、上下方向Tに間隔を空けた複数の線を記載している。それら複数の線の歪みなどの変化により右面部13の状態を立体的に表現している。
【0048】
本包装体1は、例えば、
図7に示すように、右面部13に、奥行方向Dに沿って延びるように形成された第1弱め線21を備え、角部19を跨ぐように形成された第2弱め線22を備えている。ここで、包装体1を部分的に開封する態様では、少なくとも前面部11及び右面部13の第1弱め線21の切り離しが行われ、第1切断線21aが形成された後で、上面部15が把持されて、包装体1が持ち上げられる。そのとき、吸収性物品3の重みで、第1切断線21aが角部19へ向かって伝搬することが起こり得る。
その場合、第1切断線21aが、第1弱め線21の方向にそのまま伝搬すれば、
図7に示す第1切断線21a0のようになる。あるいは、上面部15を上方へ持ち上げる力と、吸収性物品3の重みによる右面部13を下方へ押し下げる力との関係で、第1切断線21aが、第1弱め線21の方向よりも斜め上方に伝搬し、
図7に示す第1切断線21aXのようになる。いずれの場合にも、角部19に第2弱め線22が無ければ、概ね角部19の途中で第1切断線21aの伝搬は止まり得る。しかし、その場合、弱め線が角部19にないため、上面部15を取り除きたい場合などでは、その取り外しが困難となる。
ここで、上面部15の取り除きを容易にするために、
図7に示すように、角部19における第1弱め線21の近傍に、上下方向Tに間隔を空けて、第1弱め線21と平行に奥行方向Dに延びる第2弱め線121を形成することが考えられる(特許文献1)。しかし、その場合でも、第1切断線21aXが、第2弱め線121に伝搬してしまうので、第2弱め線121の切り離しが起こり、その切り離しが更に後面部12の第1弱め線21まで伝搬するおそれがある。そうなると、結局、弱め線のすべてに切り離しが起きて、上面部15が取り除かれるおそれがある。
そこで、本包装体1では、
図7に示すように、角部19の第2弱め線22が、第1弱め線21の切り離しがその角部19に伝搬したとしても到達できない位置に形成されている。それにより、第2弱め線22の切り離しが起こることを抑制でき、第2弱め線22よりも先の第1弱め線21に切り離しが生じることを抑制できる。それにより、上面部15を把持して包装体1を別の場所へ安定的に持ち運ぶことができる。このように、この包装体1は、包装体1の開封の容易性と、包装体の開封度合いの制御性と、を両立できる。
【0049】
図8は、実施形態に係る第1弱め線及び第2弱め線の構成例を示す模式図である。具体的には、角部19及びその近傍における第1弱め線21と第2弱め線22との位置関係を、包装体1(包装袋2)の表面に沿って示す模式図である。本実施形態では、第2弱め線22の少なくとも端部は、隣り合う前記第1弱め線21と、上下方向Tにおいて重なっていてもよい。すなわち、隣り合う第2弱め線22と前記第1弱め線21とは、上下方向Tにおいて長さdL(>0)だけ重複していてもよい。それにより、使用者が、包装体1を開封しようとして、第2弱め線22の切り離しを行ったとき、その切り離しの方向が、第2弱め線22の端部の延長線L0から逸れたとしても、その切り離しを確実に第1弱め線21に伝搬させることができる。すなわち、第2弱め線22の切り離しの力を第1弱め線21に確実に移行でき、その第1の弱め21線の切り離しをより容易に行うことができる。したがって、包装体を容易に開封できる。
dLは、第2弱め線22の切り離しを確実に第1弱め線21に伝搬させる観点から0.1cm以上が好ましく、0.5cm以上がより好ましい。dLは、隣り合う第1弱め線21同士を十分に離間させる観点から4cm以下が好ましく、3cm以下がより好ましい。
【0050】
また、本実施形態では、
図8に示すように、第2弱め線22の少なくとも端部の延長線L0は、隣り合う第1弱め線21に対して鋭角に交差してもよい。すなわち、延長線L0と第1弱め線21との成す角をαとすると、(0<)α<90°でもよい。それにより、使用者が、包装体1を開封しようとして、第2弱め線22の切り離しを行ったとき、その切り離しの力を、第2弱め線22の第1弱め線21に対する鋭角な傾き(角α)に沿って、第2弱め線22から第1弱め線21へ滑らかに移行させることができる。したがって、両弱め線の切り離しをより容易に行うことができ、包装体1を容易に開封できる。
ここで、αは、第2弱め線22の切り離しを確実に第1弱め線21に伝搬させる観点から15°以上が好ましく、30°以上がより好ましい。また、αは、第2弱め線22の切り離しを滑らかに第1弱め線21に伝搬させる観点から80°以下が好ましく、70°以下がより好ましい。
【0051】
また、本実施形態では、
図8に示すように、第1弱め線21が、間欠的に配置された複数の弱め部分21wと、隣り合う弱め部分21w間に位置する複数の非弱め部分21vとで構成されていてもよい。その場合、本実施形態では、隣り合う第1弱め線21と第2弱め線22との距離d1は、第1弱め線21を構成する弱め部分21w同士の距離よりも長くてもよい。すなわち、弱め部分21w同士の距離をd21とすると、d21<d1でもよい。それにより、包装体1を部分的に開封する態様では、上面部15を把持して包装体1を持ち運ぶとき、吸収性物品3の重みがあっても、第1弱め線21の切り離しは、第2弱め線22に伝搬し難く、角部19で止まり易くなる。それにより、上面部15を把持して包装体1を安定的に持ち運ぶことができる(持ち運びの耐久性が高くなる)。
【0052】
図9は、実施形態に係る第1弱め線及び第2弱め線の構成例を示す模式図である。具体的には、角部19及びその近傍における第1弱め線21と第2弱め線22との位置関係を、包装体1(包装袋2)の表面に沿って示す模式図である。(a)~(d)は、第2弱め線22が第1弱め線21よりも上下方向Tの上側に位置する場合での構成のバリエーションを示し、(e)~(f)は、第2弱め線22が第1弱め線21よりも上下方向Tの下側に位置する場合での構成のバリエーションを示している。
【0053】
本実施形態では、
図9に示すように、第2弱め線22は、第2弱め線22における包装体1(包装袋2)の表面に沿った方向の中央部22pを頂点とする、上下方向Tの上側に凸の形状((a)~(d))又は下側に凸の形状((e)~(h))を有していてもよい。この場合、第2弱め線22において、隣り合う第1弱め線21側の部分が、第1弱め線21に漸近する形状を有している。そのため、使用者が、包装体1を開封しようとして、第2弱め線22の切り離しを行ったとき、その切り離しの力を、第2弱め線22の第1弱め線21側の部分に沿って、第2弱め線22から第1弱め線21へより滑らかに移行させることができる。それにより、両弱め線における切り離しをより容易に行うことができ、包装体をより容易に開封することができる。
【0054】
ただし、(a)、(e)の第2弱め線22はアーチ型であり、(b)、(f)の第2弱め線22は(丸みを帯びた)三角形型であり、(c)、(g)の第2弱め線22は(丸みを帯びた)三角形型であるが、第2弱め線22と第1弱め線21とが上下方向Tには重なっていない。(d)、(h)の第2弱め線22は矩形型である。ただし、アーチ型や矩形型の場合でも、第2弱め線22と第1弱め線21とが上下方向Tには重なっていなくてもよい。また、第2弱め線22の形状はこの例に限定されるものではなく、他の形状であってもよく、半円形型、半楕円形型、台形型などであってもよい。また、各第2弱め線22は、境界線CLに対して線対称であってもよい。その場合、境界線CL付近を指で摘まんで第2弱め線22の切り離しを行うとき、境界線CLを挟んだ両側の側面部の各々の第2弱め線22を同時に一緒に破断することができる。
【0055】
また、第2弱め線22は、アーチ型、よって、略円弧の形状を有していることが好ましい((a)、(e))。それにより、包装体1を部分的に開封する態様において、上面部15を把持して包装体1を持ち運ぼうとしたとき、吸収性物品3の重みで、第1弱め線21の切り離しが隣り合う第2弱め線22へ伝搬したとしても、切り離しの力が、第2弱め線22の各部分での接線方向に分散され、第2弱め線22の切り離しが進行し難くなる。それにより、上面部15を把持して包装体1を安定的に持ち運ぶことができる(持ち運びの耐久性が高くなる)。
【0056】
また、本実施形態では、
図1~
図3に示すように、第1弱め線21は、上下方向Tにおける複数の吸収性物品3の上側の端縁3TEと同じ位置又は端縁3TEよりも上側の位置に形成さていてもよい。その場合、第2弱め線22は、第1弱め線21よりも上下方向Tの上側の位置に形成されている。そのため、第2弱め線22の位置が、包装体1の吸収性物品3の位置と重なることがない。したがって、包装体1が、吸収性物品3で膨れた状態であっても、使用者は、その膨れた部分に影響されることなく、例えば、第2弱め線22の近傍を容易に摘まんで、第2弱め線22の切り離しを容易に行うことができる。すなわち、包装体1を容易に開封することができる。
【0057】
また、本実施形態では、
図1~
図3に示すように、前面部11、後面部12、右面部13、及び左面部14の各々における上下方向Tの上側の部分、例えば、上面部15、又は、上面部15の上部、に設けられた取手部18を更に備えてもよい。それにより、包装体1を部分的に開封する態様において、上面部15を取手部18で把持して包装体1を容易に持ち運ぶことができる。ここで、このような包装体1を持ち運ぶとき、吸収性物品3の重みで、上面部15における外周の残りの部分が切り離されて、上面部15が包装体1から分離してしまうそれがある。しかし、この包装体1は、上記したような構成を有しているので、部分的に結合されている上面部15が分離する事態を生じさせることはない。
【0058】
次に、実施形態に係る包装体1の製造方法について説明する。
図10は、実施形態に係る包装体の製造方法の一例を示す模式図である。この製造方法では、例として、ガゼットタイプの包装体1の製造方法について説明することとする。ただし、本製造方法は、各工程における資材の搬送等において、互いに直交する搬送方向MD、横断方向CD及び厚さ方向TD(図示されず)を有する。
【0059】
まず、複数の吸収性物品3を収納可能な包装袋2を形成する。包装袋2の形成方法は、面形成工程と、弱め線形成工程と、を備えている。
【0060】
側面形成工程は、搬送方向MDに沿って延びる筒状の樹脂性のシート部材50(
図10(a))における、横断方向CDの両側を、それぞれ横断方向CDの内側に向かって谷折りで折り畳む。それにより、側面形成工程は、厚さ方向TDの一方側及び他方側にそれぞれ位置する前面部11及び後面部12と、前面部11と後面部12との間に折り畳まれ、横断方向CDの右側及び左側にそれぞれ位置する右面部13及び左面部14と、を形成する(
図10(b))。このとき、前面部11と後面部12とが厚さ方向TDに重なり、かつ、前面部11及び後面部12の右側の部分と右面部13とが厚さ方向TDに重なり、かつ、前面部11及び後面部12の左側の部分と左面部14とが厚さ方向TDに重なる。
【0061】
弱め線形成工程は、前面部11及び後面部12のうちの一方側から他方側に向かって(厚さ方向TDに)弱め線形成刃(図示されず)を押し付ける。例えば、折り畳まれたシート部材50を、弱め線形成刃を有するロールとアンビルロールとに挟持させる。それにより、弱め線形成工程は、前面部11及び後面部12に、横断方向CDに沿って延びる第1弱め線21及び第2弱め線22を形成する。それに伴い、同時に、前面部11と後面部12との間に位置し、厚さ方向TDに重なった右面部13及び左面部14に、横断方向CDに沿って延びる第1弱め線21及び第2弱め線22が形成される。このとき、第1弱め線21及び第2弱め線22は、第1弱め線21と第2弱め線22との関係が、上記0<d1<d2、かつ、延長線L0と第1弱め線21との交差、を満足するように形成される。なお、第2弱め線22は、隣り合う少なくとも一つの第1弱め線21の切り離しが行われた後、上面部15が把持され、包装体1が持ち上げられたとき、複数の吸収性物品3の重みで、第1弱め線21の切り離しが、角部19に伝搬したとしても、到達できない位置、に形成されてもよい。
【0062】
更に弱め線形成工程は、前面部11及び後面部12のうちの一方側から他方側に向かって(厚さ方向TDに)別の弱め線形成刃(図示されず)を押し付ける。例えば、折り畳まれ、第1弱め線21及び第2弱め線22が形成されたシート部材50を、別の弱め線形成刃を有するロールとアンビルロールとに挟持させる。それにより、弱め線形成工程は、前面部11及び後面部12に、搬送方向MDに延びる二本の縦弱め線25及び横断方向CDに延びる横弱め線24を形成する。それに伴い、同時に、弱め線形成工程は、前面部11と後面部12との間に位置し、厚さ方向TDに重なった右面部13及び左面部14に、搬送方向MDに延びる二本の縦弱め線25及び横断方向CDに延びる横弱め線24が形成される。ここで、二本の縦弱め線25における搬送方向MDの下端の位置が、包装袋2に複数の吸収性物品3が収納されているとき、複数の吸収性物品3における搬送方向MDに平行な上下方向Tの下端の位置よりも高く、複数の吸収性物品3における上下方向Tの中間の位置よりも低くなるよう、二本の縦弱め線25及び横弱め線24が形成されてもよい。
【0063】
ただし、第1弱め線21及び第2弱め線22を形成する工程と、二本の縦弱め線25及び横弱め線24を形成する工程とは、どちらを先に行ってもよいし、同時に行ってもよい。同時に行う場合には、例えば、折り畳まれたシート部材50を、弱め線形成刃と別の弱め線形成刃とを有する一つのロールとアンビルロールとで挟持する。なお、同時に、取手部18を形成してもよい。以上のようにして、包装袋2が形成される(
図10(c))。
【0064】
このとき、
図10(c)の包装袋2を後面部12と左面部14との境界線CLで切断して展開すると
図3のようになる。ここで、右面部13と前面部11との境界線CLを含む領域STAについて考える。ただし、領域STAは、包装袋2の表面に沿う底面部16に平行な方向(幅方向W及び奥行方向D)の幅が、右面部13の幅と同じであり、包装袋2の表面に沿う底面部16に平行な方向(幅方向W及び奥行方向D)の中心が、右面部13と前面部11との境界線CLである領域である。このとき、領域STAにおいて、境界線CLを跨ぐ第2弱め線は、境界線CLに対して線対称である。更に、境界線CLの両側に隣り合う前面部11の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線と、右面部13の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線とは、境界線CLに対して線対称である。他の境界線CLを含む領域STA(図示されず)においても同様である。例えば、右面部13と後面部12との境界線CLを含む領域STAでは、その幅は右面部13の幅と同じであり、境界線CLを跨ぐ第2弱め線、隣り合う後面部12及び右面部13の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線は、境界線CLに対して線対称である。また、左面部14と前面部11との境界線CLを含む領域STAでは、その幅は左面部14の幅と同じであり、境界線CLを跨ぐ第2弱め線、隣り合う前面部11及び左面部14の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線は、境界線CLに対して線対称である。また、左面部14と後面部12との境界線CLを含む領域STAでは、その幅は左面部14の幅と同じであり、境界線CLを跨ぐ第2弱め線、隣り合う後面部12及び左面部14の第1弱め線、横弱め線及び縦弱め線は、境界線CLに対して線対称である。
【0065】
その後、形成された包装袋2における底面側の部分を熱融着で封止して底面部16を形成する。次いで、包装袋2における上面側から複数の吸収性物品3を収納する。最後に、包装袋2における上面側の部分を熱融着で封止して結合部17を形成する。以上のようにして、ガゼットタイプの包装体1が形成される。
【0066】
本実施形態では、
図1~
図3(、
図10)に示すように、包装体1がガゼットタイプであってもよい。その場合、右面部13及び左面部14は、それぞれ前面部11及び後面部12との間における、幅方向Wの右側及び左側に谷折りに折り畳まれた部分である。そのとき、右面部13と前面部11との角部19の第2弱め線22は、右面部13と前面部11との境界線CLに対して線対称な形状を有してもよい。同様に、右面部13と後面部12との角部19の第2弱め線22は、右面部13と後面部12との境界線CLに対して線対称な形状を有してもよい。左面部14と前面部11との角部19の第2弱め線22は、左面部14と前面部11との境界線CLに対して線対称な形状を有してもよい。左面部14と後面部12との角部19の第2弱め線22は、左面部14と後面部12との境界線CLに対して線対称な形状を有してもよい。それにより、右面部13及び左面部14の各々と前面部11及び後面部12の各々との角部19から、第2弱め線22の切り離しを行うことで、右面部13及び左面部14の各々の第2弱め線22と前面部11及び後面部12の各々の第2弱め線22とを同時に一緒に破断できる。それにより、両第2弱め線の切り離しをより容易に行うことができ、全体として包装体1をより容易に開封できる。
【0067】
本実施形態では、
図1~
図3(、
図10)に示すように、包装体1がガゼットタイプであってもよい。その場合、第1弱め線21は、上下方向Tにおける包装体1に収納された複数の吸収性物品3の上側の端縁3TEと同じ位置又は端縁3TEとよりも上側の位置に形成されていてもよい。その場合、第2弱め線22は、第1弱め線21よりも上下方向Tの上側に位置している。そのため、包装体1における第2弱め線22の位置が、収納された吸収性物品3の位置と重なることがない。したがって、包装体1が、収納された吸収性物品3で膨れた状態であっても、使用者は、その膨れた部分に影響されることなく、例えば、第2弱め線22の近傍を容易に摘まんで、第2弱め線22の切り離しを容易に行うことができる。すなわち、包装体を容易に開封することができる。
【0068】
本発明の包装体1は、上述した実施形態に制限されることなく、技術的矛盾が生じない限り、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、他の技術の追加・置換等により適用が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1 包装体
3 吸収性物品
11 前面部
12 後面部
13 右面部
14 左面部
19 角部
21 第1弱め線
22 第2弱め線