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特許7106908画像形成装置、システム、および課金方法
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  • 特許-画像形成装置、システム、および課金方法 図1
  • 特許-画像形成装置、システム、および課金方法 図2
  • 特許-画像形成装置、システム、および課金方法 図3
  • 特許-画像形成装置、システム、および課金方法 図4
  • 特許-画像形成装置、システム、および課金方法 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】画像形成装置、システム、および課金方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220720BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220720BHJP
   G03G 21/02 20060101ALI20220720BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20220720BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
G06F3/12 373
H04N1/00 127A
G03G21/02
B41J29/00 Z
B41J29/38
G06F3/12 303
G06F3/12 385
G06F3/12 336
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018051615
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019164534
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】土屋 遊
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-300355(JP,A)
【文献】特開2017-139630(JP,A)
【文献】特開2009-290551(JP,A)
【文献】特開2002-215378(JP,A)
【文献】特開2007-328764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09- 3/12
B41J 29/00-29/70
G03G 13/34
G03G 15/00
G03G 15/36
G03G 21/00-21/02
G03G 21/14
H04L 12/28
H04L 12/44-12/46
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグVLANに対応したネットワーク機器を含む複数のネットワークとの接続が可能な画像形成装置において、
複数の排紙先テーブルと、
前記タグVLANのタグ情報と、前記排紙先テーブルを示す排紙先情報と、課金情報とを対応付けた対応情報を記憶する記憶手段と、
前記複数のネットワークのうちの何れかのネットワーク上の情報処理装置から送信された排紙要求情報に含まれている前記タグ情報と前記対応情報とに基づき前記排紙先テーブルを決定する決定手段と、
前記対応情報において、前記決定手段により決定された排紙先テーブルに対応する課金情報を更新する更新手段と、
を有 し、
前記決定手段は、
前記排紙要求情報に前記タグVLANのタグ情報が含まれている場合は、前記対応情報に基づき前記排紙要求情報に含まれる前記タグ情報に対応する排紙先テーブルを決定し、
前記排紙要求情報に前記タグVLANのタグ情報が含まれていない場合は、前記タグVLANを使用しないネットワークに対応する排紙先テーブルを決定する、
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記対応情報を設定する設定手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記更新手段は、前記排紙先テーブルから排紙される紙の印刷形態に応じて課金の追加量を変更する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記対応情報は、前記排紙先情報として、第1の排紙先テーブルを示す排紙先情報と第2の排紙先テーブルを示す排紙先情報とを含み、
前記決定手段は、前記第1の排紙先テーブルがFULLの場合に、前記第2の排紙先テーブルを前記排紙先テーブルとして決定する、
ことを特徴とする請求項1乃至3の内の何れか一項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
複数のネットワークと接続するタグVLANに対応したネットワーク機器と、該複数のネットワークと接続する画像形成装置とを含むシステムにおいて、
複数の排紙先テーブルと、
前記タグVLANのタグ情報と、前記排紙先テーブルを示す排紙先情報と、課金情報とを対応付けた対応情報を記憶する記憶手段と、
前記複数のネットワークのうちの何れかのネットワーク上の情報処理装置から送信された排紙要求情報に含まれている前記タグ情報と前記対応情報とに基づき前記排紙先テーブルを決定する決定手段と、
前記対応情報において、前記決定手段により決定された排紙先テーブルに対応する課金情報を更新する更新手段と、
を有 し、
前記決定手段は、
前記排紙要求情報に前記タグVLANのタグ情報が含まれている場合は、前記対応情報に基づき前記排紙要求情報に含まれる前記タグ情報に対応する排紙先テーブルを決定し、
前記排紙要求情報に前記タグVLANのタグ情報が含まれていない場合は、前記タグVLANを使用しないネットワークに対応する排紙先テーブルを決定する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項6】
複数の排紙先および当該複数の排紙先の各々に排紙される用紙の種類に応じてタグVLANに対応したネットワーク機器に課金される課金情報を取得し、
前記取得した課金情報と、当該課金情報に基づいて課金されるネットワーク機器が排紙する排紙先の状態に応じて、他の排紙先へ排紙するか否かを判断し、他の排紙先に排紙すると判断した場合は前記排紙先を切り替える
ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
タグVLANに対応したネットワーク機器を含む複数のネットワークとの接続が可能な画像形成装置において、
タグVLANのタグ情報と、排紙先テーブルを示す排紙先情報と、課金情報とを対応付けた対応情報を有する画像処理装置における課金方法であって、
タグVLANを使用するネットワークから送信された排紙要求情報にタグVLANのタグ情報を追加するステップと、
前記排紙要求情報に前記タグVLANのタグ情報が含まれている場合は、前記対応情報に基づき前記排紙要求情報に含まれる前記タグ情報に対応する排紙先テーブルを決定し、前記排紙要求情報に前記タグVLANのタグ情報が含まれていない場合は、前記タグVLANを使用しないネットワークに対応する排紙先テーブルを決定するステップと、
前記対応情報において、決定された排紙先テーブルに対応する課金情報を更新するステップと、
を含む課金方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、システム、および課金方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一のフロアに複数の企業が存在するシチュエーションにおいて、共通のプリンタを利用させる方法が考えられている。しかし、各々の企業でネットワークは管理されており、それぞれのネットワークにはアクセスできないため、各企業のネットワーク上に設けられたプリンタを個別に利用するのが一般的である。
【0003】
ネットワークをVLANで分離する方法が知られている。VLANにはタグVLANという技術があり、タグVLANを利用する技術として例えば次のようなものが開示されている。受信パケットから送信元MACアドレスとタグVLANとを抽出し、このタグVLANをMACアドレスと対応づけて学習することにより、通信先に応じてパケットに付加すべきタグVLANを適切に調整する(特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、タグVLANを利用した方式でネットワークを分離したとしても、共用する画像形成装置(プリンタ等)において各ネットワークのユーザ別に課金を課す仕組みがないという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、排紙先別に各ユーザの課金制御を行うことが可能な画像形成装置、システム、および課金方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、発明の一実施の形態は、タグVLANに対応したネットワーク機器を含む複数のネットワークとの接続が可能な画像形成装置において、複数の排紙先テーブルと、前記タグVLANのタグ情報と、前記排紙先テーブルを示す排紙先情報と、課金情報とを対応付けた対応情報を記憶する記憶手段と、前記複数のネットワークのうちの何れかのネットワーク上の情報処理装置から送信された排紙要求情報に含まれている前記タグ情報と前記対応情報とに基づき前記排紙先テーブルを決定する決定手段と、前記対応情報において、前記決定手段により決定された排紙先テーブルに対応する課金情報を更新する更新手段と、を有し、前記決定手段は、前記排紙要求情報に前記タグVLANのタグ情報が含まれている場合は、前記対応情報に基づき前記排紙要求情報に含まれる前記タグ情報に対応する排紙先テーブルを決定し、前記排紙要求情報に前記タグVLANのタグ情報が含まれていない場合は、前記タグVLANを使用しないネットワークに対応する排紙先テーブルを決定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排紙先別に各ユーザの課金制御を行うことが可能になるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施の形態にかかるネットワークシステムの全体構成の一例を示す図である。
図2図2は、画像形成装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、設定テーブルの構成の一例を示す図である。
図4図4は、排紙先決定課金処理にかかる主な機能ブロックの構成の一例を示す図である。
図5図5は、画像形成装置における排紙先決定課金処理のフローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる画像形成装置、システム、および課金方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0010】
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態にかかるネットワークシステムの全体構成の一例を示す図である。図1に示すネットワークシステム1は、画像形成装置10、PC_Aで表したPC20A、PC_Bで表したPC20B、PC_Cで表したPC20C、VLAN(Virtual Local Area Network)対応スイッチ30、Net_Aで表した第1のネットワーク40A、Net_Bで表した第2のネットワーク40B、Net_Cで表した第3のネットワーク40Cを含む。ここで、PC(Personal Computer)20A、PC20B、およびPC20Cは、「情報処理装置」の一例である。VLAN対応スイッチ30は、「ネットワーク機器」の一例である。
【0011】
図1には、3系統のネットワーク(第1のネットワーク40A、第2のネットワーク40B、第3のネットワーク40C)を示している。これらのうち、第1のネットワーク40AはタグVLANを使用しないネットワーク系統であり、第2のネットワーク40Bと第3のネットワーク40CはタグVLANを使用するネットワーク系統である。
【0012】
タグVLANを使用するネットワーク系統と使用しないネットワーク系統とは互いにネットワークが分離されている。第2のネットワーク40Bと第3のネットワーク40CはVLAN対応スイッチ30を介して接続されており、画像形成装置10は、VLAN対応スイッチ30を介して第2のネットワーク40Bと第3のネットワーク40Cとに接続されている。また、画像形成装置10は、タグVLANを使用しない第のネットワーク40Aにも接続されている。
【0013】
具体的に、第2のネットワーク40Bと第3のネットワーク40Cは、VLAN対応スイッチ30の異なるポート(それぞれVLAN10、VLAN20)を介して接続されている。
【0014】
ここでは一例として3系統のネットワーク(第1のネットワーク40A、第2のネットワーク40B、第3のネットワーク40C)を示しているが、その他の複数の系統(2系統や4系統以上など)であってもよい。
【0015】
PC20Aは第1のネットワーク40Aに接続されており、PC20Bは第2のネットワーク40Bに接続されており、PC20Cは第3のネットワーク40Cに接続されている。各ネットワーク(第1のネットワーク40A、第2のネットワーク40B、第3のネットワーク40C)上に、それぞれ1台のPC(PC20A、PC20B、PC20C)を示しているが、一例として示すものであり、台数をこれらに限定するものではない。
【0016】
画像形成装置は複数のNIC(Network Interface Controller)を有し、タグVLANを使用するネットワークとタグVLANを使用しないネットワークとにそれぞれ接続されている。それ以外のコントローラのハードウェア構成は、演算装置、記憶装置、ネットワークインターフェースを持つ一般的なものである。各ネットワーク系統に合わせて排紙先が用意されており、各ネットワークおよび使用する用紙に合わせて課金情報(カウンタ)も制御できるようになっている。
【0017】
画像形成装置10は排紙先として、排紙先A、排紙先B、排紙先Cを有する。各PC(PC20A、PC20B、PC20C)からそれぞれのネットワーク(第1のネットワーク40A、第2のネットワーク40B、第3のネットワーク40C)を通じてプリントの要求信号が送信されると、排紙先A、排紙先B、排紙先Cの何れかを使用してプリントの排紙を行う。以下、画像形成装置10の構成と動作について詳しく説明する。
【0018】
図2は、画像形成装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。図2には、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14と、操作パネル15、画像形成部16、通信I/F17とを有する。各部はバス18を介して接続されている。
【0019】
CPU11は、演算処理や制御処理を実行する中央演算処理装置である。CPU11は、各種プログラムを実行するなどして画像形成装置10全体を統括的に制御する。
【0020】
ROM12は、固定プログラム(例えばBIOS(Basic Input/Output System)等)を記憶する不揮発性メモリである。RAM13は、各種処理の作業領域などとして使用する揮発性メモリである。HDD14は、「記憶手段」の一例として示しており、動作プログラムやデータなどを格納する補助記憶装置である。動作プログラムには、画像形成装置専用のOS(Operating System)やファームウエアやアプリケーションプログラムなどが含まれる。また、後述する設定テーブルD1を格納している。設定テーブルD1は「対応情報」の一例である。
【0021】
操作パネル15は、ユーザが本体に動作を指示するための入力受付部や表示部を有する。入力受付部はハードキーやタッチパネルセンサなどである。表示部はLCD(Liquid Crystal Display)などである。
【0022】
画像形成部16は、プロッタなどのエンジンを含み、画像を形成する。また、画像形成部16は、複数の排紙先(排紙先A、排紙先B、排紙先C)を有し、そのうちの選択された排紙先に排紙する。
【0023】
通信I/F17は、複数のNIC17-1、17-2を含むイーサネット(登録商標)ボードである。画像形成装置10本体がNet_A(第1のネットワーク40A)や、VLAN対応スイッチ30(第2のネットワーク40B、第3のネットワーク40C)に接続するための通信インタフェースである。本例では、NIC17-1がVLAN対応スイッチ30に接続され、NIC17-2がNet_Aに接続されている。
【0024】
図3は、設定テーブルD1の構成の一例を示す図である。図3に示す設定テーブルD1には、設定項目として、ネットワークの種類を示す「network」と、第1の排紙先を示す「排紙先1」と、第2の排紙先を示す「排紙先2」と、タグVLANの種類を示す「VLAN ID」と、課金を更新する「カウンタ」とを設けている。図3の各設定項目には設定データ(テーブル値)の一例を示している。ここで、「排紙先1」と「排紙先2」とに設定される情報が「排紙先情報」に相当する。「VLAN ID」に設定される情報が「タグ情報」に相当する。「カウンタ」に設定される情報が課金情報に相当する。図3の各設定項目に設定した情報(テーブル値)は一例である。
【0025】
「カウンタ」を除く各設定項目のテーブル値は、管理者が操作パネル15などにより設定する。操作パネル15以外にも例えば第1のネットワーク40Aに設けた管理者PC(不図示)などからテーブル値を設定してもよい。図3に示す各テーブル値の詳細は、後の動作フローにおいて説明する。
【0026】
続いて、画像形成装置10の機能ブロックを示し、画像形成装置10における排紙先の決定および課金処理(以下、「排紙先決定課金処理」と言う)のフローを説明する。画像形成装置10では、CPU11が動作プログラムを適宜読み出して実行することにより、画像形成装置10が備える各種の機能を実現する。本実施の形態では、排紙先決定課金処理を行う主な機能ブロックについて説明する。
【0027】
図4は、排紙先決定課金処理にかかる主な機能ブロックの構成の一例を示す図である。図4に示すように、CPU11は、設定部101と、決定部102と、更新部103とを実現する。ここで、設定部101は「設定手段」に相当する。決定部102は「決定手段」に相当する。更新部103は「更新手段」に相当する。
【0028】
設定部101は、設定テーブルD1の各テーブル値を設定する。
【0029】
決定部102は、タグ情報(タグVLANの有無やタグVLANのID)と設定テーブルD1のテーブル値から排紙先を決定する。
【0030】
更新部103は、排紙を行った排紙先テーブルについて設定テーブルD1のカウンタの課金情報を更新する。
【0031】
なお、設定テーブルD1のテーブル値は起動時にRAM13に読み込まれて各部により値が操作され、操作後の値はHDD14に格納されて保持される。
【0032】
図5は、画像形成装置10(CPU11)における排紙先決定課金処理のフローの一例を示す図である。このフローは、PC(PC20A、PC20B、PC20C)の何れかからそれぞれのネットワーク(第1のネットワーク40A、第2のネットワーク40B、第3のネットワーク40C)を通じて送信されたプリントの要求信号を画像形成装置10で受信した場合に実行される。
【0033】
先ず、CPU11は、通信I/F17で受信したイーサネット(登録商標)フレームにタグVLANが含まれているかを判定する(S1)。
【0034】
続いて、CPU11は、イーサネットフレームにタグVLANが含まれているか否か、さらにタグVLANが含まれている場合のタグVLANのIDに基づき、プリントジョブのIDに重みづけを行う(S2)。例えば、CPU11は、プリントジョブのIDの先頭にタグVLANの有無を判別する値を追加し、その次にタグVLANのIDを追加するなどの方式により重みづけを行う。これにより、3系統のネットワーク(第1のネットワーク40A、第2のネットワーク40B、第3のネットワーク40C)の何れのネットワークのPCからのジョブかを一意に判別できるようにする。なお、重みづけを行った後の情報が「排紙要求情報」に相当する。
【0035】
続いて、画像形成装置10が備える給紙設定およびPCから送られたプリントジョブのプリント設定とから、用紙を設定する(S3)。
【0036】
続いて、CPU11は、排紙先設定が有効か無効かを判断する(S4)。
【0037】
排紙先設定が無効(OFF)である場合(S4:No)、CPU11は設定テーブルD1の「排紙先1」のテーブル値「A」が示すデフォルトの排紙先A161をプリントジョブの排紙先に決定し、設定テーブルD1において「排紙先1」のテーブル値「A」に対応する「カウンタ」の課金情報を更新するカウンタ制御を行う(S5)。
【0038】
なお、プリントジョブの排紙先の決定により、決定された排紙先からプリントの排紙が行われるが、何らかの原因で排紙されなかった場合は「カウンタ」の更新を戻すものとする。
【0039】
また、当該課金情報は、プリント出力設定、例えば使用した用紙の種類やカラー/モノクロなどの違いに応じて「カウンタ」への課金情報の追加量を変えてもよい。その場合には、用紙の種類やカラー/モノクロなど、それぞれについての追加量を対応付けた対応情報をHDD14などに記憶させておく。
【0040】
排紙先設定が有効(ON)である場合、プリントジョブの排紙先1を決定し、その排紙先1に設定されている排紙先がFULLかどうかを判定する(S6)。
【0041】
例えば、プリントジョブのIDの先頭にタグVLANが無いと判別される値が追加されている場合、設定テーブルD1において「network」のテーブル値が「Net_A」に該当し、「Net_A」に対応する「排紙先1」のテーブル値「A」つまり排紙先A161がプリントジョブの排紙先に決定される。
【0042】
また、プリントジョブのIDの先頭にタグVLANが有ると判別される値が追加されている場合、「network」のテーブル値が「Net_B」のものと「Net_C」のものとが該当する。さらに、先頭の次に追加されているタグVLANのIDにより何れかの一方が特定される。例えば、タグVLANのIDが「10」である場合、「Net_B」に該当し、「Net_B」に対応する「排紙先1」のテーブル値「B」つまり排紙先B162がプリントジョブの排紙先に決定される。
【0043】
排紙先1がFULLかどうかは、排紙先1にスプールされているプリントジョブの数や排紙先1の動作状態や、用紙の有無などにより判定する。
【0044】
排紙先1がFULLでない場合(S6:No)、CPU11は、設定テーブルD1において、決定した排紙先1に対応する「カウンタ」の課金情報を更新するカウンタ制御を行う(S7)。
【0045】
例えば、CPU11は、排紙先1がテーブル値「A」の排紙先A131である場合に、設定テーブルD1において「Net_A」に対応する「カウンタ」のテーブル値を更新する。
【0046】
また、CPU11は、排紙先1がテーブル値「B」の排紙先B132である場合に、設定テーブルD1において「Net_B」に対応する「カウンタ」のテーブル値を更新する。
【0047】
当該課金情報は、例えば使用した用紙の種類やカラー/モノクロなどの印刷形態の違いに応じて「カウンタ」への課金情報の追加量を変えてもよい。その場合には、用紙の種類やカラー/モノクロなど、各印刷形態における追加量を対応付けた対応情報をHDD14などに記憶させておく。
【0048】
続いて、CPU11は、決定された排紙先からプリントジョブのプリントの排紙を行う(S8)。なお、何らかの原因で排紙されなかった場合は「カウンタ」の更新を戻すものとする。
【0049】
一方、排紙先1がFULLである場合(S6:Yes)、設定テーブルD1において「排紙先2」に設定されている第2の排紙先に用紙があるかどうかを判定する(S9)。第2の排紙先に用紙がある場合には(S9:Yes)、排紙を行わずに排紙先1のFULLが解消されるまで待ち(S10)、ステップS7へ移行する。この他、プリントジョブをキャンセルしてもよい。
【0050】
第2排紙先に用紙がない場合(S9:No)、排紙先として第2の排紙先が適用され、排紙先テーブル自体が動いて、第1の排紙先の排紙先テーブルと隣接する場所へ移動する(S11)。場所を移動することで、用紙の取間違いを防止する。用紙が取り除かれたのを確認すると、排紙先テーブルは第1の排紙先に移動する。
【0051】
ステップS11の後は、ステップS7からの処理を行う。
【0052】
なお、この動作の主体は一例であり、一部の処理をネットワーク上の他の機器で行ってもよい。
【0053】
以上のように、各ネットワーク系統に合わせて排紙先が用意されており、各ネットワークおよび使用する用紙に合わせて課金情報(カウンタ)も制御できるようになっている。各ネットワークにはPCが接続されており、各々のネットワークからプリントができるようになっている。当該フローでは、タグVLANがあるかないか、またはタグVLANのIDでどのネットワークからプリントが指示されたかを判別し、ネットワークに応じて排紙および課金情報の更新を行う。
【0054】
複数のネットワークの各ユーザが、tomboloのようなタグVLANを利用した方式でネットワークを分離している場合に、タグVLANを利用しているか、利用していないかという条件でプリントの排紙先を分けることができる。また、例えば複数の企業が同一のフロアに存在し、複数の企業でプリンタを一台共有したい、もしくは部門毎に一台共有したいという場合に、どの企業が排紙したかが分かるように排紙先を分けることができる。さらに、排紙先や、紙の種類や、枚数などに応じてカウンタを制御することにより企業や部門ごとに課金を管理することも可能になる。
【0055】
従って、異なる企業や部門等が各自のネットワークを通じて共通の画像形成装置からプリントを実行する場合でも、企業や部門等ごとに、排紙先テーブルや、課金情報を分けて管理することが可能になる。
【0056】
このように、タグVLANで排紙先を判定することで、ネットワークの系統が異なる場合でも、タグVLANのIDで排紙先を分けることができ、排紙先の設定を簡単に行うことができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
複数の排紙先および当該複数の排紙先の各々に排紙される用紙の種類に応じてタグVLANに対応したネットワーク機器に課金される課金情報を取得し、前記取得した課金情報と、当該課金情報に基づいて課金されるネットワーク機器が排紙する排紙先の状態に応じて、他の排紙先へ排紙するか否かを判断し、他の排紙先に排紙すると判断した場合は前記排紙先を切り替えることを特徴とするネットワークシステム。
【0058】
実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
【0059】
また、実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、実施の形態の画像形成装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。また、実施の形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0060】
11 CPU
101 設定部
102 決定部
103 更新部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0061】
【文献】特開2006-311066号公報
図1
図2
図3
図4
図5