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特許7107066機器管理装置、機器管理プログラム及び機器管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】機器管理装置、機器管理プログラム及び機器管理システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/00 20220101AFI20220720BHJP
   G06F 21/44 20130101ALI20220720BHJP
【FI】
H04L67/00
G06F21/44
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018141845
(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2020017236
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-05-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】木ノ本 力
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-178743(JP,A)
【文献】特開2016-081455(JP,A)
【文献】特開2017-167824(JP,A)
【文献】特開2007-286993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/00
G06F 21/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して端末装置と接続し、前記端末装置のみと接続された機器のシリアル番号とIPアドレスを含む機器状態情報と、前記機器に付与されたライセンス情報とを、前記端末装置を介して取得する取得部と、
前記機器の機器状態情報が格納された記憶部を参照し、前記取得部が取得した機器状態情報に応じて、前記端末装置と接続されている機器が、過去と同一の機器であるか否かを判定する同一判定処理部と、
前記取得した機器状態情報と前記格納された機器状態情報とが一致しない場合に、前記ライセンス情報を認証サーバに送信し、認証結果に応じて、前記取得した機器状態情報を、前記格納された機器状態情報に反映させるか否かを判定するライセンス制御部と、を有し、
前記ライセンス制御部は、
前記認証サーバにおいて前記ライセンス情報が認証された場合に、前記格納された機器状態情報を、前記取得した機器状態情報に更新する、機器管理装置。
【請求項2】
前記ライセンス制御部は、
前記認証サーバにより、前記ライセンス情報が認証されなかった場合、前記取得した機器状態情報を、新たな機器の機器状態情報として、前記記憶部に格納する、請求項1記載の機器管理装置。
【請求項3】
前記ライセンス情報が認証されなかった場合に、前記ライセンス情報の更新の可否を選択させる画面を表示装置に表示させる表示制御部を有し、
前記表示制御部は、
前記ライセンス情報の更新の選択を受け付けて、前記ライセンス情報の入力画面を前記表示装置に表示させる、請求項2記載の機器管理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記同一判定処理部により、前記取得した機器状態情報と前記格納された機器状態情報とが一致しないと判定された場合に、前記端末装置を介して前記機器から前記ライセンス情報を取得する、請求項1乃至3の何れか一項に記載の機器管理装置。
【請求項5】
ネットワークを介して端末装置と接続し、前記端末装置のみと接続された機器のシリアル番号とIPアドレスを含む機器状態情報と、前記機器に付与されたライセンス情報、前記端末装置を介して取得する処理と、
前記機器の機器状態情報が格納された記憶部を参照し、前記取得する処理により取得した機器状態情報に応じて、前記端末装置と接続されている機器が、過去と同一の機器であるか否かを判定する処理と、
前記取得した機器状態情報と前記格納された機器状態情報とが一致しない場合に、前記ライセンス情報を認証サーバに送信し、認証結果に応じて、前記取得した機器状態情報を、前記格納された機器状態情報に反映させるか否かを判定する処理と、
前記認証サーバにおいて前記ライセンス情報が認証された場合に、前記格納された機器状態情報を、前記取得した機器状態情報に更新する処理と、をコンピュータに実行させる機器管理プログラム。
【請求項6】
端末装置と、前記端末装置とネットワークを介して接続される機器管理装置とを有する機器管理システムであって、
前記機器管理装置は、
前記端末装置のみと接続された機器のシリアル番号とIPアドレスを含む機器状態情報と、前記機器に付与されたライセンス情報とを、前記端末装置を介して取得する取得部と、
前記機器の機器状態情報が格納された記憶部を参照し、前記取得部が取得した機器状態情報に応じて、前記端末装置と接続されている機器が、過去と同一の機器であるか否かを判定する同一判定処理部と、
前記取得した機器状態情報と前記格納された機器状態情報とが一致しない場合に、前記ライセンス情報を認証サーバに送信し、認証結果に応じて、前記取得した機器状態情報を、前記格納された機器状態情報に反映させるか否かを判定するライセンス制御部と、を有し、
前記ライセンス制御部は、
前記認証サーバにおいて前記ライセンス情報が認証された場合に、前記格納された機器状態情報を、前記取得した機器状態情報に更新する、機器管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器管理装置、機器管理プログラム及び機器管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ネットワーク等に接続された複数の機器を機器管理サーバにより管理する機器管理システムが知られている。また、近年の機器管理システムでは、ネットワークに接続された管理対象機器に、ローカル接続されていた周辺機器(以下、ローカル機器)も加わっており、このローカル機器に対する保守等のサービスを提供する技術が知られている。
【0003】
その一例としては、例えば、監視装置が、プリンタの電源が投入されたとき、プリンタに対してシリアル番号を問い合わせ、過去のシリアル番号と異なる場合は、印刷処理を禁止して旧プリンタのログをアップロードし、新たなプリンタの設定情報を作成する技術が知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは、ローカル機器の入れ替えや、ローカル機器のポート名の変更等が行われると、ローカル機器が新規の機種として扱われ、既存の機器状態情報が引き継がれないため、ローカル機器の保守等において支障が出る可能性があった。
【0005】
開示の技術は、このような事情に鑑みてなされたものであり、ローカル機器の状態を示す情報を引き継がせることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の技術は、ネットワークを介して端末装置と接続し、前記端末装置のみと接続された機器のシリアル番号とIPアドレスを含む機器状態情報と、前記機器に付与されたライセンス情報とを、前記端末装置を介して取得する取得部と、前記機器の機器状態情報が格納された記憶部を参照し、前記取得部が取得した機器状態情報に応じて、前記端末装置と接続されている機器が、過去と同一の機器であるか否かを判定する同一判定処理部と、前記取得した機器状態情報と前記格納された機器状態情報とが一致しない場合に、前記ライセンス情報を認証サーバに送信し、認証結果に応じて、前記取得した機器状態情報を、前記格納された機器状態情報に反映させるか否かを判定するライセンス制御部と、を有し、前記ライセンス制御部は、前記認証サーバにおいて前記ライセンス情報が認証された場合に、前記格納された機器状態情報を、前記取得した機器状態情報に更新する、機器管理装置である。
【発明の効果】
【0007】
ローカル機器の状態を示す情報を引き継ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】機器管理システムの一例を示す図である。
図2】機器管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】機器状態データベースの一例を示す図である。
図4】ライセンスデータベースの一例を示す図である。
図5】機器管理システムの機能を説明する図である。
図6】端末装置の機能を説明する図である。
図7】機器管理システムの動作を説明するシーケンス図である。
図8】ライセンスデータベースの更新を説明する図である。
図9】機器状態データベースの更新を示す図である。
図10】機器管理システムの動作を説明する他のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に図面を参照して、実施形態について説明する。図1は、機器管理システムの一例を示す図である。
【0010】
本実施形態の機器管理システム100は、機器管理サーバ200と、端末装置300と、ローカル機器400とを含む。
【0011】
機器管理システム100において、機器管理サーバ200と端末装置300とは、例えば、無線LAN(Local Area Network)等のネットワークN1によって接続されている。また、端末装置300とローカル機器400とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)等によって接続されている。つまり、ローカル機器400は、機器管理サーバ200とネットワークN1を介して接続されておらず、端末装置300のみと接続されている。
【0012】
本実施形態のローカル機器400は、例えば、プリンタやスキャナ等であっても良いし、プリンタ機能、スキャン機能等の複数の機能を有する複合機であっても良い。ローカル機器400は、端末装置300にUSB接続することが可能な装置であれば良い。また、ローカル機器400と端末装置300とは、USB以外の接続方法で接続されていても良い。
【0013】
尚、機器管理サーバ200には、ネットワーク機器500が接続されていても良い。ネットワーク機器500は、ネットワークN1を介して機器管理サーバ200に接続される機器である。端末装置300は、ネットワーク機器500の一種である。
【0014】
また、本実施形態の機器管理サーバ200は、インターネットN2を介して、認証サーバ600と通信を行う。認証サーバ600は、ライセンスデータベース610を有し、機器管理サーバ200からの問い合わせに応じて、ローカル機器400の認証を行う。
【0015】
本実施形態の機器管理サーバ200は、機器状態データベース210と、機器管理部220とを有する。
【0016】
機器状態データベース210は、機器管理サーバ200により管理される機器の状態を示す機器状態情報が格納される。
【0017】
機器管理部220は、認証サーバ600に問い合わせを行って、ローカル機器400に与えられたライセンス情報の認証を行い、認証の結果に応じて、ローカル機器400の機器状態情報の引き継ぎを行う。
【0018】
尚、図1の例では、機器管理システム100に含まれる端末装置300とローカル機器400と、それぞれ1台としているが、これに限定されない。機器管理システム100には、任意の台数のネットワーク機器500が含まれて良く、ネットワーク機器500には、任意の台数のローカル機器400が接続されていて良い。
【0019】
また、図1の例では、機器状態データベース210が機器管理サーバ200に設けられるものとしたが、これに限定されない。機器状態データベース210は、機器管理サーバ200の外部に設けられていても良い。
【0020】
さらに、図1の例では、機器管理サーバ200とは別に、認証サーバ600が設けられるものとしたが、これに限定されない。例えば、機器管理サーバ200は、インターネットN2上に設けられ、認証サーバ600の機能を有しても良い。つまり、機器管理サーバ200が認証サーバ600を兼ねていても良い。
【0021】
次に、図2を参照して、本実施形態の機器管理サーバ200について説明する。図2は、機器管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
【0022】
本実施形態の機器管理サーバ200は、それぞれバスBで相互に接続されている入力装置21、出力装置22、ドライブ装置23、補助記憶装置24、メモリ装置25、演算処理装置26及びインターフェース装置27を含む情報処理装置である。
【0023】
入力装置21は、各種の情報の入力を行うための装置であり、例えばキーボードやポインティングデバイス等であっても良い。出力装置22は、各種の情報の出力を行うためものであり、例えばディスプレイ等であっても良い。インターフェース装置27は、LANカード等を含み、ネットワークに接続する為に用いられる。
【0024】
機器管理プログラムは、機器管理サーバ200を制御する各種プログラムの少なくとも一部である。機器管理プログラムは例えば記憶媒体28の配布やネットワークからのダウンロード等によって提供される。機器管理プログラムを記録した記憶媒体28は、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的、電気的或いは磁気的に記録する記憶媒体、ROM、フラッシュメモリ等の様に情報を電気的に記録する半導体メモリ等、様々なタイプの記憶媒体を用いることができる。
【0025】
また、機器管理プログラムは、機器管理プログラムを記録した記憶媒体28がドライブ装置23にセットされると、記憶媒体28からドライブ装置23を介して補助記憶装置24にインストールされる。ネットワークからダウンロードされた機器管理プログラムは、インターフェース装置27を介して補助記憶装置24にインストールされる。
【0026】
補助記憶装置24は、インストールされた機器管理プログラムを格納すると共に、必要なファイル、データ等を格納する。メモリ装置25は、機器管理サーバ200の起動時に補助記憶装置24から機器管理プログラムを読み出して格納する。そして、演算処理装置26はメモリ装置25に格納された機器管理プログラムに従って、後述するような各種処理を実現している。
【0027】
本実施形態の端末装置300のハードウェア構成は、機器管理サーバ200と同様であるから、説明を省略する。尚、端末装置300は、例えば、タブレット型の端末装置や、スマートフォン等であっても良く、入力装置21と出力装置22との代わりに、タッチパネル等により実現される表示操作装置を有していても良い。
【0028】
次に、図3を参照して、機器管理サーバ200の有する機器状態データベース210について説明する。図3は、機器状態データベースの一例を示す図である。
【0029】
本実施形態の機器状態データベース210は、ローカル機器400毎に、機器の状態を示す機器状態情報が格納されている。
【0030】
機器状態情報は、情報の項目として、IPアドレス、MACアドレス、シリアル番号、ベンダー名、ライセンスID、カウンタ値、トナー残量等を含む。機器状態情報に含まれる情報の項目は、ローカル機器400の種類に応じて異なる。
【0031】
次に、図4を参照して、本実施形態のライセンスデータベース610について説明する。図4は、ライセンスデータベースの一例を示す図である。
【0032】
本実施形態のライセンスデータベース610は、情報の項目として、ライセンスID、シリアル番号、対応機能を有し、項目「ライセンスID」と、その他の項目とが対応付けられている。以下の説明では、項目「ライセンスID」の値とその他の値とを含む情報をライセンス情報と呼ぶ。
【0033】
項目「ライセンスID」の値は、ローカル機器400やネットワーク機器500に付与されたライセンスを特定する情報である。項目「シリアル番号」の値は、ライセンスIDが付与された機器を特定する情報である。項目「対応機能」の値は、ライセンスIDと対応付けられた機能を示す。
【0034】
図4の例では、例えば、ライセンスIDが「ライセンスA」のライセンスは、コピー機能とFAX機能と、スキャン機能の3つの機能の使用を許可するライセンスであり、このライセンスは、シリアル番号「aabbccddeeff」で特定される機器に与えられていることがわかる。
【0035】
次に、図5図6を参照して、本実施形態の機器管理システム100の有する各装置の機能について説明する。
【0036】
図5は、機器管理システムの機能を説明する図である。本実施形態の機器管理サーバ200の機器管理部220は、メイン処理部221、UI制御部222、機器情報制御部223、機器検索部224、取得制御部225、機器設定部226、機器通信制御部227、ネットワーク通信監視部228、USB通信制御部229、USB通信監視部230、ライセンス制御部231、同一判定処理部232を有する。
【0037】
メイン処理部221は、機器管理サーバ200の動作の全体を制御する。具体的には、メイン処理部221は、ローカル機器400の検索やポーリング、各種の設定等を行う。
【0038】
UI制御部222は、機器管理サーバ200が管理する機器の管理画面を出力装置22等に表示させる。具体的には、UI制御部222は、Webブラウザに管理画面を表示させても良い。言い換えれば、UI制御部222は、表示制御部である。また、UI制御部222は、機器管理サーバ200と接続された管理用端末等に管理画面を表示させても良い。また、UI制御部222は、管理画面に対する管理者の操作を受け付ける。
【0039】
機器情報制御部223は、ローカル機器400から機器状態情報を取得し、機器状態データベース210へ格納する。また、本実施形態の機器情報制御部223は、ローカル機器400からライセンス情報を取得し、ライセンス制御部231へ渡す。
【0040】
機器検索部224は、各種の検索方法により、機器管理サーバ200と接続された機器を検索する。また、機器検索部224は、機器検索を行うプロトコルの選定を行う。
【0041】
取得制御部225は、機器状態情報の取得の仕方を制御する。取得の仕方とは、例えば、標準MIB(Management Information Base)による取得、プライベートMIBを使ったとSNMP(Simple Network Management Protocol)通信による取得、WebServiceを使ったSOAP(Simple Object Access Protocol)通信による取得等がある。
【0042】
機器設定部226は、ローカル機器400やネットワーク機器500に対する各種の設定を行う。
【0043】
機器通信制御部227は、ローカル機器400やネットワーク機器500に対するアクセス方法を制御する。アクセス方法とは、例えば、IPアドレスを使ったSNMP通信やSOAP通信、USBポートを使ったUSB通信等がある。
【0044】
ネットワーク通信監視部228は、自機と他の機器との通信を制御する。通信の制御とは、具体的には、通信の制御とは、通信を行うタイミングの制御や、データの送受信の管理等である。
【0045】
USB通信制御部229は、USBポートを使った通信を制御する。USB通信監視部230は、USBポートを介して接続された機器からのシャットダウン通知の受信や、OS(Operating System)からのUSB通信の切断通知の受信等を行う。
【0046】
ライセンス制御部231は、ネットワーク通信監視部228を介して、認証サーバ600へライセンス情報を送信し、ライセンス情報の認証を行わせる。また、ライセンス制御部231は、認証サーバ600の認証結果に応じて、端末装置300から取得した機器状態情報を、引き継がせるか否かを判定する。
【0047】
同一判定処理部232は、機器状態情報に応じて、端末装置300と接続されているローカル機器400が、過去と同一の機器であるか否かを判定する。
【0048】
次に、図6を参照して、本実施形態の端末装置300の機能について説明する。図6は、端末装置の機能を説明する図である。
【0049】
本実施形態の端末装置300は、メイン処理部310、SNMP通信制御部311、ネットワーク通信監視部312、機器情報制御部313、機器検索部314、取得制御部315、機器設定部316、USB通信制御部317、USB通信監視部318、ライセンス制御部319を有する。
【0050】
メイン処理部310は、機器管理サーバ200からのローカル機器400に対する指示や要求に基づき、ローカル機器400を制御する。
【0051】
SNMP通信制御部311は、機器管理サーバ200との間でSNMP通信を行う。ネットワーク通信監視部312は、自機と機器管理サーバ200との通信を制御する。
【0052】
機器情報制御部313は、ローカル機器400からの機器状態情報の取得や、機器管理サーバ200に対する機器状態情報の出力等を行う。また、機器情報制御部313は、ローカル機器400の検索や、ローカル機器400に対する設定等を行う。
【0053】
機器検索部314は、端末装置300に実装されたOSが保有しているUSBプリンタのポートを検索する。
【0054】
取得制御部315は、USB通信プロトコルを使った機器状態情報を取得する。また、取得制御部315は、ローカル機器400から、定期的に機器状態情報を受信する。
【0055】
機器設定部316は、定期的にローカル機器400の機器状態情報を端末装置300に送信するように、ローカル機器400に対して設定を行う。
【0056】
USB通信制御部317は、USBポートを使ったUSB通信を行う。USB通信監視部318は、ローカル機器400からのシャットダウン通知の受信や、OSからのUSB通信の切断通知の受信等を行う。
【0057】
ライセンス制御部319は、ライセンス情報の取得要求を受けて、ローカル機器400からライセンス情報を取得する。
【0058】
次に、図7を参照して、本実施形態の機器管理システム100の動作について説明する。図7は、機器管理システムの動作を説明するシーケンス図である。
【0059】
本実施形態の機器管理システム100において、機器管理サーバ200は、端末装置300に対して機器状態情報の取得要求を行う(ステップS701)。端末装置300は、この要求を受けて、自機と接続されているローカル機器400へ機器状態情報の取得指示を行う(ステップS702)。
【0060】
ローカル機器400は、この指示を受けて、自機が保持している機器状態情報を取得して、端末装置300へ送信する(ステップS703)。端末装置300は、機器状態情報を受信すると、機器管理サーバ200へ送信する(ステップS704)。
【0061】
続いて、機器管理サーバ200は、受信した機器状態情報と、機器状態データベース210に格納された機器状態情報とを比較し、ステップS704で取得した機器状態情報が示すローカル機器400が、過去のローカル機器400と同一であるか否かを判定する(ステップS705)。
【0062】
具体的には、機器管理サーバ200は、同一判定処理部232により、機器状態データベース210に、取得した機器状態情報に含まれるシリアル番号とIPアドレスとが一致する機器状態情報が格納さてれているか否かを判定する。
【0063】
そして、同一判定処理部232は、機器状態データベース210に該当する機器状態情報が存在する場合、端末装置300に接続されているローカル機器400は、過去に機器状態情報を取得したローカル機器400と同一の機器であると判定する。
【0064】
また、同一判定処理部232は、機器状態データベース210に該当する機器状態情報が存在しない場合、端末装置300に接続されているローカル機器400は、過去の機器状態情報を取得したローカル機器400とは異なる機器であると判定する。
【0065】
ステップS705において、ローカル機器400が異なる機器であると判定された場合、機器管理サーバ200は、ライセンス制御部231により、端末装置300に対してローカル機器400のライセンス情報の取得要求を行う(ステップS706)。
【0066】
端末装置300は、この取得要求を受けて、ローカル機器400に対してライセンス情報の取得指示を行う(ステップS707)。ローカル機器400は、この指示を受けて、自機が保持しているライセンス情報を端末装置300へ送信する(ステップS708)。尚、ローカル機器400が保持しているライセンス情報とは、ライセンスIDと対応機能とを含む情報であっても良い。
【0067】
端末装置300は、このライセンス情報を機器管理サーバ200へ送信する(ステップS709)。
【0068】
機器管理サーバ200は、ライセンス情報を取得すると、認証サーバ600に対して取得したライセンス情報とライセンス情報の認証要求とを送信する(ステップS710)。このとき、ライセンス情報には、ステップS704で取得した機器状態情報に含まれるシリアル番号が対応付けられて、認証サーバ600に送信される。
【0069】
認証サーバ600は、ライセンス情報の認証要求を受けて、ライセンスデータベース610を参照し、認証を行い(ステップS711)、その結果を機器管理サーバ200へ送信する(ステップS712)。
【0070】
具体的には、認証サーバ600は、ライセンスデータベース610に、受信したライセンス情報に含まれるライセンスIDと、同一のライセンスIDを含むライセンス情報が存在する場合に、このライセンス情報を認証する。
【0071】
機器管理サーバ200は、ライセンス情報が認証された場合、ステップS704で取得した機器状態情報を、機器状態データベース210に上書して更新する(ステップS713)。言い換えれば、機器管理サーバ200は、ステップS704で取得した機器状態情報を、機器状態データベース210の対応する機器状態情報に反映させる。
【0072】
機器管理サーバ200は、ライセンス情報が認証されなかった場合、ステップS704で取得した機器状態情報を、新規のローカル機器400の機器状態情報として、機器状態データベース210に追加する。
【0073】
ここで、図8及び図9を参照して、ステップS713における機器状態データベース210の更新について説明する。
【0074】
以下の説明では、端末装置300に接続されたローカル機器400がローカル機器400-1に入れ替えられ、ローカル機器400-1にローカル機器400が有しているライセンスが付与された場合を示している。
【0075】
この場合、認証サーバ600のライセンスデータベース610は、図8に示すように、ライセンスデータベース610にライセンスIDと対応するローカル機器のシリアル番号が更新される。
【0076】
図8は、ライセンスデータベースの更新を説明する図である。図8では、ライセンスID「ライセンスA」と、シリアル番号「ffeeddccbbaa」となっており、図4においてライセンスID「ライセンスA」と対応付けられたシリアル番号とは異なるシリアル番号となっている。
【0077】
この、ライセンスIDとシリアル番号との対応付けは、例えば、機器管理システム100の管理者等によって、予め行われていても良い。
【0078】
この状態で、機器管理サーバ200が、ローカル機器400-1から機器状態情報を取得して、機器状態データベース210内を検索しても、ローカル機器400-1のシリアル番号と一致する機器状態情報は存在しない。したがって、機器管理サーバ200は、図7のステップS705の処理で、ローカル機器400-1は、過去に端末装置300と接続されていたローカル機器400と同一の機器ではない、と判定する。
【0079】
次に、機器管理サーバ200は、端末装置300を介して、ローカル機器400-1からライセンス情報を取得し、認証サーバ600に対して、認証要求を行う。このとき、機器管理サーバ200は、例えば、ローカル機器400-1のシリアル番号「ffeeddccbbaa」と、ローカル機器400-1が保持しているライセンスIDとを認証サーバ600に送信する。
【0080】
認証サーバ600では、図8に示すように、シリアル番号「ffeeddccbbaa」とライセンスID「ライセンスA」とが対応付けられているため、ローカル機器400-1は認証される。
【0081】
そして、機器管理サーバ200は、機器状態データベース210に格納されたローカル機器400の機器状態情報のシリアル番号を、ローカル機器400-1のシリアル番号に書き換えることで、ローカル機器400-1から取得した機器状態情報を機器状態データベース210の機器状態情報に反映させる。
【0082】
図9は、機器状態データベースの更新を示す図である。図9では、図3において、ローカル機器400の機器状態情報とされたものが、ローカル機器400-1の機器状態情報とされ、シリアル番号がローカル機器400-1のものに変更されている。言い換えれば、ローカル機器400-1から取得した機器状態情報が、機器状態データベース210に格納されたローカル機器400の機器状態情報に反映されている。
【0083】
つまり、機器状態データベース210では、ローカル機器400の機器状態情報として格納されていた情報が、そのままローカル機器400-1の機器状態情報として、引き継がれる。
【0084】
尚、上述した例では、ローカル機器400がローカル機器400-1と入れ替えられた場合を説明したが、例えば、ローカル機器400の接続先が、端末装置300から他の端末装置300に変更された場合にも、本実施形態は適用される。
【0085】
この場合には、機器管理サーバ200が、他の端末装置300を介して取得したローカル機器400の機器状態情報は、機器状態データベース210に格納されているローカル機器400の機器状態情報と比較すると、IPアドレスが異なっている。
【0086】
したがって、機器管理サーバ200は、他の端末装置300を介してローカル機器400からライセンス情報を取得し、認証サーバ600に対して認証要求を行う。
【0087】
この場合は、ローカル機器400のシリアル番号は変わらないため、ローカル機器400は認証される。
【0088】
この認証を受けて、機器管理サーバ200は、機器状態データベース210に格納されたローカル機器400の機器状態情報のIPアドレスを、他の端末装置300を介して取得したローカル機器400の機器状態情報に含まれるIPアドレスに更新する。つまり、機器状態データベース210では、ローカル機器400の機器状態情報のIPアドレスが変更されるだけで、ローカル機器400の機器状態情報は、そのまま引き継がれる。
【0089】
したがって、例えば、ローカル機器400が、印刷枚数に応じた課金を行う画像形成装置である場合には、画像形成装置を他の画像形成装置に交換されても印刷枚数のカウンタ値は継続して保持される。また、本実施形態では、例えば、画像形成装置の設置場所が変更された場合でも、この画像形成装置のトナー残量や印刷枚数のカウンタ値は継続して保持される。
【0090】
したがって、本実施形態によれば、ローカル機器400に対する保守等を適切に行うことができる。
【0091】
尚、本実施形態では、認証サーバ600において、ローカル機器400から取得したライセンス情報が認証されなかった場合に、ライセンス情報の更新を行うか否かを問い合わせるようにしても良い。以下に、その際の機器管理システム100の動作を説明する。
【0092】
図10は、機器管理システムの動作を説明する他のシーケンス図である。
【0093】
図10の例では、機器管理サーバ200は、定期的に、ローカル機器400の機器状態情報を取得するためのボーリングを開始する(ステップS1001)。
【0094】
図10のステップS1002からステップS1014までの処理は、図7のステップS701~ステップS713までの処理と同様であるから、説明を省略する。
【0095】
機器管理サーバ200は、ライセンス情報が認証されなかった場合、機器管理サーバ200は、UI制御部222により、ローカル機器400のライセンス情報を更新するか否かを問い合わせる画面を出力装置22や機器管理サーバ200管理用端末等に表示させる(ステップS1015)。
【0096】
具体的には、UI制御部222は、ライセンス情報の更新を行うか行わないかを選択させる画面を表示させても良い。
【0097】
機器管理サーバ200は、ライセンス情報の更新を行わない選択がされた場合、ステップS1005で取得した機器状態情報を、新規のローカル機器400の機器状態情報として、機器状態データベース210に追加する(ステップS1016)。
【0098】
また、機器管理サーバ200は、ライセンス情報の更新を行う選択がなされた場合、認証サーバ600に対して、ライセンス情報の更新要求を行う(ステップS1017)。具体的には、機器管理サーバ200は、UI制御部222により、ステップS1005で取得した機器状態情報と対応付くライセンス情報の入力画面を出力装置22や、機器管理サーバ200の管理用端末等の表示装置に表示させても良い。
【0099】
認証サーバ600は、機器管理サーバ200から、ライセンス情報の入力を受け付けて、ライセンスデータベース610を更新する(ステップS1018)。
【0100】
続いて、機器管理サーバ200は、ステップS1005で取得した機器状態情報を、新規の機器状態情報として、機器状態データベース210に格納し(ステップS1019)、処理を終了する。
【0101】
尚、図7及び図10では、機器管理サーバ200は、機器状態情報の取得要求と、ライセンス情報の取得要求とを別々のタイミングで端末装置300へ送信するものとしたが、これに限定されない。機器管理サーバ200は、機器状態情報の取得要求と、ライセンス情報の取得要求とを同時に端末装置300に送信しても良い。
【0102】
端末装置300は、機器状態情報の取得要求とライセンス情報の取得要求とを同時に受け付けた場合、ローカル機器400から、機器状態情報とライセンス情報の両方を取得し、機器管理サーバ200へ送信すれば良い。
【0103】
以上、各実施形態に基づき本発明の説明を行ってきたが、上記実施形態に示した要件に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の主旨をそこなわない範囲で変更することができ、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0104】
100 機器管理システム
200 機器管理サーバ
210 機器状態データベース
220 機器管理部
231 ライセンス制御部
232 同一性判定部
300 端末装置
400 ローカル機器
500 ネットワーク機器
600 認証サーバ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0105】
【文献】特開2006-665432号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10