(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-19
(45)【発行日】2022-07-27
(54)【発明の名称】装飾部材およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 7/023 20190101AFI20220720BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20220720BHJP
B32B 33/00 20060101ALI20220720BHJP
B32B 9/00 20060101ALI20220720BHJP
B32B 3/30 20060101ALI20220720BHJP
H04M 1/02 20060101ALI20220720BHJP
【FI】
B32B7/023
B32B27/00 E
B32B33/00
B32B9/00 A
B32B3/30
H04M1/02 J
(21)【出願番号】P 2020528899
(86)(22)【出願日】2018-12-12
(86)【国際出願番号】 KR2018015787
(87)【国際公開番号】W WO2019117626
(87)【国際公開日】2019-06-20
【審査請求日】2020-05-29
(31)【優先権主張番号】10-2017-0173250
(32)【優先日】2017-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン チャン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ホ、ナンスラ
(72)【発明者】
【氏名】ション、ジョン ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジョ、ピルソン
【審査官】深谷 陽子
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-533678(JP,A)
【文献】特開2009-269222(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0086329(KR,A)
【文献】特開2011-170295(JP,A)
【文献】特開2008-201104(JP,A)
【文献】特開2010-173273(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104423114(CN,A)
【文献】特開2010-197798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
B29C 45/00-45/84
H04M 1/02- 1/23
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光反射層と、前記光反射層上に備えられ、
前記光反射層に対向する面の反対面に非対称構造の断面を有する凸部または凹部形状を含む光吸収層とを含む色発現層、および、
前記色発現層の一面上に備えられたインモールドラベル層を含み、
前記光吸収層および前記光反射層は互いに界面を形成し、
前記光吸収層は、インジウム(In)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、金(Au)、および銀(Ag)の中から選択される1種または2種以上の材料またはその酸化物、窒化物、または酸窒化物を含む単層または多層であ
り、
△E
*
ab>1の二色性を有するものである、装飾部材。
【請求項2】
前記色発現層は、前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面
、または前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に備えられたカラーフィルムをさらに含むものである、請求項1に記載の装飾部材。
【請求項3】
前記色発現層は、前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面、または前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に備えられた基材をさらに含むものである、請求項1または2に記載の装飾部材。
【請求項4】
前記光吸収層は、厚さの異なる2以上の点を含むものである、請求項1から3の何れか一項に記載の装飾部材。
【請求項5】
前記光吸収層は、上面が傾斜角度0度超過90度以下の傾斜面を有する領域を1つ以上含み、前記光吸収層は、いずれか1つの傾斜面を有する領域での厚さと異なる厚さを有する領域を1つ以上含むものである、請求項1から4の何れか一項に記載の装飾部材。
【請求項6】
前記光吸収層の上面は、コーン(cone)形態の突出部または溝部を有するパターン、最高点が線形態の突出部または最低点が線形態の溝部を有するパターン、またはコーン形態の上面が切られた構造の突出部または溝部を有するパターンを含むものである、請求項1から
5の何れか一項に記載の装飾部材。
【請求項7】
前記コーン形態の突出部または溝部を有するパターンは、前記コーン形態のパターンを上面から観察し、コーンの頂点を基準に360度回転した場合に、同一の形態が2つ以下存在するものである、請求項
6に記載の装飾部材。
【請求項8】
前記最高点が線形態の突出部または最低点が線形態の溝部を有するパターンは、上面から観察し、重心点を基準に360度回転した場合に、同一の形態が1つしか存在しないものである、請求項
6に記載の装飾部材。
【請求項9】
前記光吸収層は、400nmにおける屈折率が0~8である、請求項1から
8の何れか一項に記載の装飾部材。
【請求項10】
前記光吸収層は、400nmにおける消滅係数(k)が0超過4以下である、請求項1から
9の何れか一項に記載の装飾部材。
【請求項11】
前記インモールドラベル層は、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)、PMMA(Poly methyl methacrylate)、PC(Polycarbonate)、AS(Acrylonitrile-styrene)、SAN(Styrene-Acrylonitrile)、PET(Polyethylene Terephthalate)、およびPP(polypropylene)のうちの1種以上を含むものである、請求項1から
10の何れか一項に記載の装飾部材。
【請求項12】
前記装飾部材は、デコフィルムまたはモバイル機器のケースである、請求項1
から11のうちの何れか1項に記載の装飾部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2017年12月15日付で韓国特許庁に提出された第10-2017-0173250号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、装飾部材およびその製造方法に関する。具体的には、本出願は、モバイル機器や電子製品への使用に適した装飾部材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
携帯電話、多様なモバイル機器、家電製品は、製品の機能のほか、製品のデザイン、例えば、色相、形態、パターンなどが、顧客にとっての製品の価値付与に大きな役割を果たす。デザインによって製品の選好度および価格も左右されている。
【0004】
一例として、携帯電話の場合、多様な色相と色感を多様な方法で実現して製品に適用している。携帯電話ケース素材自体に色を付与する方式と、色と形状を実現したデコフィルムをケース素材に付着させてデザインを付与する方式とがある。
【0005】
既存のデコフィルムにおいて、色相の発現は、印刷、蒸着などの方法により実現しようとした。異種の色相を単一面に表現する場合は2回以上印刷をしなければならず、立体パターンに色を多様に与えようとする際は実現が現実的に難しい。また、既存のデコフィルムは、見る角度によって色相が固定されており、やや変化があるとしても色感の差の程度に限る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本出願は、多様な色相を容易に実現可能であり、必要に応じて立体パターンに多数の色相を実現し、見る角度によって色相の変化を提供できる装飾部材を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の一実施態様は、
光反射層と、前記光反射層上に備えられ、非対称構造の断面を有する凸部または凹部形状を含む光吸収層とを含む色発現層、および、
前記色発現層の一面上に備えられたインモールドラベル層を含む装飾部材を提供する。
【0008】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記色発現層は、前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面、前記光反射層と前記光吸収層との間、または前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に備えられたカラーフィルムをさらに含む。
【0009】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記カラーフィルムは、前記カラーフィルムが備えられていない場合に比べて前記カラーフィルムが存在する場合、前記色発現層の色座標CIE L*a*b*上におけるL*a*b*の空間での距離である色差△E*abが1を超えるようにする。
【0010】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面、または前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に基材が備えられる。前記基材が前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面に備えられ、前記カラーフィルムは、前記基材と前記光反射層との間、または前記基材の前記光反射層に対向する面の反対面に備えられる。前記基材が前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に備えられ、前記カラーフィルムは、前記基材と前記光吸収層との間、または前記基材の前記光吸収層に対向する面の反対面に備えられる。
【0011】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、厚さの異なる2以上の点を含む。
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、厚さの異なる2以上の領域を含む。
【0012】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、上面が傾斜角度0度超過90度以下の傾斜面を有する領域を1つ以上含み、前記光吸収層は、いずれか1つの傾斜面を有する領域での厚さと異なる厚さを有する領域を1つ以上含む。
【0013】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、厚さが漸進的に変化する領域を1つ以上含む。
【0014】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、上面が傾斜角度0度超過90度以下の傾斜面を有する領域を1つ以上含み、少なくとも1つの傾斜面を有する領域は、光吸収層の厚さが漸進的に変化する構造を有する。
【0015】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、400nmにおける消滅係数(k)値が0超過4以下、好ましくは0.01~4である。
【0016】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記装飾部材は、デコフィルムまたはモバイル機器のケース、または家電製品ケース、またはカラー装飾が要求される生活用品である。
【発明の効果】
【0017】
本明細書に記載の実施態様によれば、外部光が色発現層を通して入射時の入射経路と反射時の反射経路それぞれで光吸収が行われ、外部光は光吸収層の表面と光反射層の表面でそれぞれ反射が行われるので、光吸収層の表面での反射光と光反射層の表面での反射光との間に補強干渉および相殺干渉現象が発生する。前記のような入射経路と反射経路での光吸収と補強干渉および相殺干渉の現象により特定の色相が発現できる。したがって、光反射層の材料による反射率スペクトルと光吸収層の組成によって特定の色相を実現することができる。また、発現する色相は厚さ依存性を有しているため、同一の物質構成を有する場合にも、厚さに応じて色相を変化させることができる。
【0018】
追加的に、カラーフィルムを追加的に含む場合、前記光反射層と光吸収層の材料および厚さが決定されている場合にも、実現可能な色相の幅をさらに大きく増加させることができる。カラーフィルタの追加による色相の変化幅は、カラーフィルタの適用前後のL*a*b*の差である色差(△E*ab)で定義することができる。追加的に、同一面に光吸収層が厚さの異なる2以上の点または領域をもたせることにより、複数の色相の発現が可能であり、立体パターンに色発現層を形成することにより、立体パターンに多様な色相の実現が可能である。
【0019】
また、光吸収層の上面が少なくとも1つの傾斜面を有する場合、見る角度によって発現する色相の変化を実現できるだけでなく、簡単な工程で光吸収層が厚さの異なる2以上の領域を有するように製造することができる。
【0020】
さらに、本出願の一実施態様に係る装飾部材は、色発現層の一面上にインモールドラベル層を含むことにより、デコフィルム、モバイル機器のケースなどのような装飾部材に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本出願の一実施態様に係る装飾部材の積層構造を例示するものである。
【
図2】光吸収層の表面反射光および界面反射光を示すものである。
【
図4】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図5】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図6】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図7】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図8】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図9】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図10】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図11】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図12】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図13】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図14】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図15】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図16】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図17】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図18】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図19】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図20】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図21】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図22】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図23】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図24】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図25】本出願の実施態様に係る装飾部材の光吸収層の上面構造を例示するものである。
【
図26】本出願の実施態様に係る装飾部材の積層構造を例示するものである。
【
図27】本出願の実施態様に係る装飾部材の積層構造を例示するものである。
【
図28】本出願の実施態様に係る装飾部材の積層構造を例示するものである。
【
図29】本出願の実施態様に係る装飾部材の積層構造を例示するものである。
【
図30】光吸収層の厚さに応じて色相の発現が異なって現れることを示す図である。
【
図31】光吸収層の厚さに応じて色相の発現が異なって現れることを示す図である。
【
図32】光吸収層の厚さに応じて色相の発現が異なって現れることを示す図である。
【
図33】本出願の一実施態様に係るインモールドラベリング工程により製作した製品の写真を示す図である。
【
図34】本出願の一実施態様に係るインモールドラベリング工程により製作した製品の写真を示す図である。
【
図35】ガラス貼り合わせ工程により製作した製品の写真を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0023】
本明細書において、「点」とは、面積を有しない1つの位置を意味するものである。本明細書では、光吸収層の厚さが互いに異なる点が2以上存在するということを示すために前記表現が使われる。
【0024】
本明細書において、「領域」とは、一定の面積を有する部分を表現する。例えば、前記装飾部材を、光反射層が下部、前記光吸収層が上部に置かれるように地面に置き、前記傾斜面の両端部または厚さが同一の両端部を地面に対して垂直に区分した時、傾斜面を有する領域は、前記傾斜面の両端部に区分された面積を意味し、厚さが同一の領域は、前記厚さが同一の両端部に区分された面積を意味する。
【0025】
本明細書において、「面」または「領域」は、平面であってもよいが、これに限定されず、全部または一部が曲面であってもよい。例えば、垂直断面の形態が円や楕円の弧の一部、波構造、ジグザグなどの構造が含まれる。
【0026】
本明細書において、「傾斜面」とは、前記装飾部材を、光反射層が下部、前記光吸収層が上部に置かれるように地面に置いた時、地面を基準として上面のなす角度が0度超過90度以下の面を意味する。
【0027】
本明細書において、ある層の「厚さ」とは、当該層の下面から上面までの最短距離を意味する。
本明細書において、「または」とは、別の定義がない限り、挙げられたものを選択的にまたはすべて含む場合、すなわち「および/または」の意味を表す。
【0028】
本明細書において、「層」とは、当該層が存在する面積を70%以上覆っているものを意味する。好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上覆っているものを意味する。
【0029】
本出願の一実施態様は、光反射層と、前記光反射層上に備えられ、非対称構造の断面を有する凸部または凹部形状を含む光吸収層とを含む色発現層と、前記色発現層の一面上に備えられたインモールドラベル層とを含む装飾部材を提供する。
【0030】
本明細書において、抵抗または面抵抗は、4-point probe方式により、公知の面抵抗器を用いて測定できる。面抵抗は、4つの探針で電流(I)と電圧(V)を測定して抵抗値(V/I)を測定した後、これにサンプルの面積(断面積、W)と抵抗を測定するための電極間の距離(L)を用いて面抵抗を求め(V/I×W/L)、面抵抗単位のオーム/スクエアで計算するために抵抗補正係数(RCF)を乗じる。抵抗補正係数は、サンプルのサイズ、サンプルの厚さおよび測定時の温度を用いて算出され、これはポアソン方程式によって算出される。全積層体の面抵抗は、積層体自体から測定および算出され、各層の面抵抗は、全積層体から測定しようとする対象層を除いた残りの材料からなる層を形成する前に測定されるか、全積層体から測定しようとする対象層を除いた残りの材料からなる層を除去した後に測定されるか、対象層の材料を分析して、対象層と同一の条件で層を形成した後に測定される。
【0031】
本明細書の一実施態様において、基材は、当技術分野で知られた材料を用いることができる。具体的には、基材として、ガラス、プラスチックなどを用いることができ、ただし、これらに限定されない。
【0032】
本明細書の一実施態様において、基材は、透明基材を用いることができる。一実施態様において、前記基材は、可視光線領域での透過率が60%以上のものを用いることができる。他の実施態様において、前記基材は、可視光線領域での透過率が80%以上のものを用いることができる。
【0033】
本明細書の一実施態様において、基材は、透過率が80%以上のガラスを用いることができる。基材の厚さは、必要に応じて選択可能であり、例えば、50~200μmの範囲を有することができる。
【0034】
図1は、本出願の一実施態様に係る装飾部材の積層構造を例示するものである。
図1には、色発現層100と、インモールドラベル層1101とを含む装飾部材が示される。色発現層100は、基材101と、光反射層201と、光吸収層301とを含む。
図1には、基材101が色発現層100の光反射層201側に備えられた構造を示したが、基材101は、省略されるか、光反射層301の光吸収層201に接する面の反対面に備えられてもよい。
【0035】
前記実施態様によれば、光吸収層では、光の入射経路および反射経路で光吸収が行われ、また、光は光吸収層の表面と光吸収層と光反射層との界面でそれぞれ反射して2つの反射光が補強または相殺干渉をする。本明細書において、光吸収層の表面で反射する光は表面反射光、光吸収層と光反射層との界面で反射する光は界面反射光で表現される。
図2にこのような作用原理の模式図を示した。
図2には、基材101が光反射層201側に備えられた構造が例示されたが、このような構造に限定されず、基材101の位置は、前述した説明のように、これらは他の位置に配置されてもよい。
【0036】
図3により、光吸収層と光反射層について説明する。
図3の装飾部材には、各層(layer)が光の入る方向を基準として、L
i-1層、L
i層、およびL
i+1層の順に積層されており、L
i-1層とL
i層との間に界面(interface)I
iが位置し、L
i層とL
i+1層との間に界面I
i+1が位置する。
【0037】
薄膜干渉が生じないように各層に垂直な方向に特定の波長を有する光を照射した時、界面Iiでの反射率を下記数式1で表現することができる。
【0038】
【0039】
前記数式1中、ni(λ)は、i番目の層の波長(λ)による屈折率を意味し、ki(λ)は、i番目の層の波長(λ)による消滅係数(extinction coefficient)を意味する。消滅係数は、特定の波長で対象物質が光をどれだけ強く吸収するかを定義できる尺度であって、定義は後述の通りである。
【0040】
前記数式1を適用して、各波長で計算された界面Iiでの波長別反射率の合計をRiとする時、Riは、下記数式2の通りである。
【0041】
【0042】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層がパターンを含む場合、前記パターンは、対称構造、非対称構造、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0043】
一例によれば、前記光吸収層は、対称構造のパターンをさらに含んでもよい。対称構造としては、プリズム構造、レンチキュラーレンズ構造などが含まれる。
【0044】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層が非対称構造のパターンを含むことができる。
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、非対称構造の断面を有する凸部または凹部形状を含む。
【0045】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、非対称構造の断面を有する凸部形状を含む。
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、非対称構造の断面を有する凹部形状を含む。
【0046】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、非対称構造の断面を有する凸部形状と、非対称構造の断面を有する凹部形状とを含む。
【0047】
本明細書において、「断面」とは、前記凸部または凹部をいずれか一方向に切断した時の面を意味する。例えば、断面とは、前記装飾部材を地面上に置いた時、前記地面と平行な方向または地面に対して垂直な方向で、前記凸部または凹部を切断した時の面を意味することができる。前記実施態様に係る装飾部材の光吸収層の凸部または凹部形状の表面は、地面に対して垂直な方向の断面のうちの少なくとも1つが非対称構造を有することを特徴とする。
【0048】
本明細書において、「非対称構造の断面」とは、断面の枠で構成された図形が線対称性または点対称性を有しない構造であることを意味する。線対称性とは、ある図形を一直線を中心に対称させた時に重なる性質を有することをいう。点対称性は、ある図形を一点を基準に180度回転した時、本来の図形に完全に重なる対称性質を有することを意味する。ここで、前記非対称構造の断面の枠は、直線、曲線、またはこれらの組み合わせであってもよい。
【0049】
本明細書の一実施態様において、前記非対称構造の断面を有する凸部または凹部形状は、少なくとも1つの断面が傾斜角が異なるか、屈曲度が異なるか、辺の形態が異なる2以上の辺を含む。例えば、少なくとも1つの断面を構成する辺のうち2つの辺が互いに傾斜角が異なるか、屈曲度が異なるか、辺の形態が異なる場合には、前記凸部または凹部は、非対称構造を有する。
【0050】
前記のように光吸収層の表面に含まれる非対称構造の断面を有する凸部または凹部によって、前記装飾部材は、二色性を発現することができる。二色性とは、見る角度によって異なる色相が観測されることを意味する。色の表現は、CIE L*a*b*で表現可能であり、色差は、L*a*b*空間での距離(△E
*ab)を用いて定義される。具体的には、色差は、
【数3】
であり、0<△E
*ab<1の範囲内では観察者が色差を認識することができない[参考文献:Machine Graphics and Vision20(4):383-411]。したがって、本明細書では、二色性を△E
*ab>1で定義することができる。
【0051】
本明細書の一実施態様において、前記装飾部材は、△E*ab>1の二色性を有する。具体的には、前記装飾部材全体において色座標CIE L*a*b*上におけるL*a*b*の空間での距離である色差△E*abが1を超えることができる。
【0052】
本明細書の一実施態様において、前記色発現層は、△E*ab>1の二色性を有する。具体的には、前記色発現層の色座標CIE L*a*b*上におけるL*a*b*の空間での距離である色差△E*abが1を超えることができる。
【0053】
本明細書の一実施態様において、前記凸部または凹部の形状は、傾斜角が互いに異なる第1傾斜面および第2傾斜面を含む。
【0054】
本明細書の一実施態様において、前記凸部または凹部の形状は、少なくとも1つの断面が傾斜角が互いに異なる第1傾斜辺および第2傾斜辺を含む。前記第1傾斜辺および第2傾斜辺の形態は、互いに同一または異なり、それぞれ直線形態または曲線形態である。
【0055】
本明細書の一実施態様において、前記非対称構造の断面の枠は、直線、曲線、またはこれらの組み合わせである。
【0056】
図4は、前記第1傾斜辺および前記第2傾斜辺の形態が直線形態であることを示す。各凸部形状は、第1傾斜辺を含む第1領域D1と、第2傾斜辺を含む第2領域D2とを含む。前記第1傾斜辺および第2傾斜辺は、直線形態である。第1傾斜辺と第2傾斜辺とのなす角度c3は、75度~105度であってもよい。第1傾斜辺と地面(基材)とのなす角度c1と、第2傾斜辺と地面とのなす角度c2とは異なる。例えば、c1およびc2の組み合わせは、20度/80度、10度/70度、または30度/70度であってもよい。
【0057】
図5は、第1傾斜辺または第2傾斜辺の形態が曲線形態であることを示す。光吸収層の断面は、凸部形状を有し、凸部形状の断面は、第1傾斜辺を含む第1領域E1と、第2傾斜辺を含む第2領域E2とを含む。前記第1傾斜辺および第2傾斜辺のうちのいずれか1つ以上は、曲線形態であってもよい。例えば、第1傾斜辺および第2傾斜辺とも曲線形態であってもよく、第1傾斜辺は直線形態であり、第2傾斜辺は曲線形態であってもよい。第1傾斜辺は直線形態、第2傾斜辺は曲線形態の場合、角度c1は、角度c2より大きい。
図5は、第1傾斜辺が直線形態であり、第2傾斜辺が曲線形態であることを示すものである。曲線形態を有する傾斜辺が地面となす角度は、傾斜辺と地面との当接する点から第1傾斜辺と第2傾斜辺の接する点まで任意の直線を引いた時、その直線と地面とのなす角度から計算される。曲線形態の第2傾斜辺は、光吸収層の高さに応じて屈曲度が異なり、曲線は、曲率半径を有することができる。前記曲率半径は、凸部形状の幅(E1+E2)の10倍以下であってもよい。
図5(a)は、曲線の曲率半径が凸部形状の幅の2倍であることを示すものであり、
図5(b)は、曲線の曲率半径が凸部形状の幅の1倍であることを示すものである。凸部の幅(E1+E2)に対する曲率のある部分(E2)の比率は、90%以下であってもよい。
図5(a)および(b)は、前記凸部の幅(E1+E2)に対する曲率のある部分(E2)の比率が60%であることを示すものである。
本明細書において、前記傾斜辺の傾斜角は、前記傾斜面の傾斜角と同一に取り扱われる。
【0058】
本明細書において、別の言及がない限り、「辺」は、直線であってもよいが、これに限定されず、全部または一部が曲線であってもよい。例えば、辺は、円や楕円の弧の一部、波構造、ジグザグなどの構造を含むことができる。
【0059】
本明細書において、前記辺が円や楕円の弧の一部を含む場合、その円や楕円は、曲率半径を有することができる。前記曲率半径は、曲線の極めて短い区間を円弧に換算する時、円弧の半径で定義される。
【0060】
本明細書において、凸部の傾斜角は、凸部の傾斜面と光吸収層の水平面とのなす角度を意味することができる。本明細書において、特別な言及がない限り、図面上で、第1傾斜面は、凸部の左側傾斜面で定義することができ、第2傾斜面は、凸部の右側傾斜面を意味することができる。
【0061】
本明細書において、別の言及がない限り、「傾斜辺」は、前記装飾部材を地面に置いた時、地面に対して辺のなす角度が0度超過90度以下の辺を意味する。この時、辺が直線の場合には、直線と地面とのなす角度を測定することができる。辺に曲線が含まれた場合、前記装飾部材を地面に置いた時、前記辺のうち地面と最も近い点と、前記面のうち地面と最も遠い点とを最短距離で連結した直線が地面となす角度を測定することができる。
【0062】
本明細書において、別の言及がない限り、「傾斜面」は、前記装飾部材を地面に置いた時、地面に対して面のなす角度が0度超過90度以下の面を意味する。この時、面が平面の場合には、平面と地面とのなす角度を測定することができる。面に曲面が含まれた場合、前記装飾部材を地面に置いた時、前記面のうち地面と最も近い点と、前記面のうち地面と最も遠い点とを最短距離で連結した直線が地面となす角度を測定することができる。
【0063】
本明細書において、別の言及がない限り、「傾斜角」とは、前記装飾部材を地面に置いた時、前記光吸収層を構成する面または辺が地面となす角度であって、0度超過90度以下である。あるいは、光吸収層を構成する面または辺が地面に接する点(a')と、光吸収層を構成する面または辺が地面と最も遠く離れた点(b')とを互いに連結した時に生じる線分(a'-b')と地面とのなす角度を意味することができる。
【0064】
本明細書において、別の言及がない限り、「屈曲度」とは、辺または面の連続した点における接線の傾きの変化程度を意味する。辺または面の連続した点における接線の傾きの変化が大きいほど、屈曲度は大きい。
【0065】
本明細書において、前記凸部は、凸部単位体形状であり、前記凹部は、凹部単位体形状であってもよい。前記凸部単位体形状または凹部単位体形状は、2つの傾斜辺(第1傾斜辺および第2傾斜辺)を含む形状を意味し、3つ以上の傾斜辺を含む形状ではない。
図8を参照すれば、円C1の凸部P1は、第1傾斜辺および第2傾斜辺を含む1つの凸部単位体形状である。しかし、円C2に含まれる形状は、凸部単位体形状を2つ含むものである。前記第1傾斜辺は、凸部または凹部の左側傾斜辺で定義することができ、前記第2傾斜辺は、凸部または凹部の右側傾斜辺を意味することができる。
【0066】
本明細書の一実施態様において、前記第1傾斜面と第2傾斜面とのなす角度は、80度~100度の範囲内であってもよい。前記角度は、具体的には、80度以上、83度以上、86度以上、または89度以上であってもよく、100度以下、97度以下、94度以下、または91度以下であってもよい。前記角度は、第1傾斜面と第2傾斜面とからなる頂点の角度を意味することができる。前記第1傾斜面と第2傾斜面とが互いに頂点をなさない場合、前記第1傾斜面と第2傾斜面を仮想で延長して頂点をなすようにした状態の頂点の角度を意味することができる。
【0067】
本明細書の一実施態様において、前記凸部の第1傾斜面の傾斜角と第2傾斜面の傾斜角との差は、30度~70度の範囲内であってもよい。前記第1傾斜面の傾斜角と第2傾斜面の傾斜角との差は、例えば、30度以上、35度以上、40度以上、または45度以上であってもよく、70度以下、65度以下、60度以下、または55度以下であってもよい。第1傾斜面と第2傾斜面の傾斜角の差が前記範囲内の場合、方向による色表現の実現の面で有利であり得る。すなわち、傾斜辺の傾斜角の差が前記範囲内の場合、第1傾斜辺および第2傾斜辺にそれぞれ形成された光吸収層の厚さが異なり、これによって、同一の方向から装飾部材を眺めた時、二色性がさらに大きくなり得る(下記表1参照)。
【0068】
【0069】
本明細書の一実施態様において、前記凸部または凹部形状の断面は、三角形または四角形の多角形形態であってもよい。
図6は、前記凸部形状が四角形形態であることを示す。前記四角形形態は、一般的な四角形形態であってもよいし、各傾斜辺の傾斜角が互いに異なるものであれば特に制限されない。前記四角形形態は、三角形を一部切って残る形態であってもよい。例えば、一対の対辺が平行な四角形である台形、または互いに平行な対辺の対が存在しない四角形形態であってもよい。凸部形状は、第1傾斜辺を含む第1領域F1と、第2傾斜辺を含む第2領域F2と、第3傾斜辺を含む第3領域F3とを含む。第3傾斜辺は、地面に平行であってもよく、平行でなくてもよい。例えば、四角形形態が台形の場合、第3傾斜辺は、地面に平行である。第1傾斜辺から第3傾斜辺のいずれか1つ以上は、曲線形態であってもよいし、曲線形態に関する内容は、上述したものと同一である。F1+F2+F3をすべて合わせた長さは、凸部形状のピッチで定義される。
【0070】
図9は、凸部形状の形状を定める方法を示すものである。例えば、凸部形状は、ABO1三角形形状の特定領域を除去した形態であってもよい。前記除去される特定領域を定める方法は、以下の通りである。傾斜角c1およびc2に関する内容は、上述したものと同一である。
【0071】
1)AO1線分をL1:L2の比率で割るAO1線分上の任意の点P1を設定する。
2)BO1線分をm1:m2の比率で割るBO1線分上の任意の点P2を設定する。
3)AB線分をn1:n2の比率で割るAB線分上の任意の点O2を設定する。
4)O2O1線分をo1:o2の比率で割るO1O2線分上の任意の点P3を設定する。
【0072】
この時、L1:L2、m1:m2、n1:n2およびo1:o2の比率は、互いに同一または異なり、それぞれ独立して1:1000~1000:1であってもよい。
【0073】
5)P1O1P2P3多角形のなす領域を除去する。
6)ABP2P3P1多角形のなす形状を凸部の断面とする。
【0074】
前記凸部形状は、L1:L2、m1:m2、n1:n2およびo1:o2の比率を調節することにより、多様な形態に変形可能である。例えば、前記L1およびm1が大きくなる場合、パターンの高さが高くなり、前記o1が大きくなる場合、凸部上に形成される凹部の高さが小さくなり、n1の比率を調節することにより、凸部に形成される凹部の最も低い点の位置を凸部の傾斜辺のいずれか一方に近く調節することができる。
【0075】
前記L1:L2、m1:m2、およびo1:o2の比率がすべて同一の場合、断面の形状が台形の形態であってもよい(
図10)。台形の高さ(ha、hb)は、前記L1:L2の比率を調節することにより異なり得る。例えば、
図10(a)は、前記L1:L2の比率が1:1であり、
図10(b)は、前記L1:L2の比率が2:1、m1:m2の比率が1:1、o1:o2の比率が1:8の場合に製造される凸部形状を示すものである。
【0076】
本明細書の一実施態様において、前記凸部または凹部形状は、前記凸部または凹部形状を2以上含む。このように2以上の凸部または凹部形状を有することにより、二色性をさらに大きくすることができる。この時、2以上の凸部または凹部形状は、同一の形状が繰り返された形態であってもよいが、互いに異なる形状が含まれる。これを
図11~
図13に示した。
【0077】
図11は、2以上の互いに異なる凸部形状が交互に配列されたことを示す。前記凸部P1の間に、前記凸部に比べて高さの小さい第2凸部P2が配置された形状を有することができる。以下、第2凸部の前に説明された凸部を第1凸部と称することができる。
【0078】
図12は、2以上の凸部形状の間に凹部が含まれたことを示す。前記光吸収層の表面は、前記凸部P1の先端部(尖った部分)に、前記凸部に比べて高さの小さい凹部P3をさらに含む形状を有することができる。このような装飾部材は、イメージの色が見る角度によってほのかに変化する効果を示すことができる。
【0079】
図13は、各形状が逆相の構造に配列されたものであってもよい。このように、前記光吸収層は、凸部または凹部形状を含み、各形状は、逆相の構造に配列されたものであってもよい。
【0080】
具体的には、
図13(a)に示すように、前記光吸収層の表面は、複数の凸部が180度の逆相の構造に配列された形状を有することができる。具体的には、前記光吸収層の表面は、第1傾斜面に比べて第2傾斜面の傾斜角が大きい第1領域C1と、第1傾斜面に比べて第2傾斜面の傾斜角が大きい第2領域C2とを含むことができる。一つの例において、前記第1領域に含まれる凸部は、第1凸部P1と称することができ、前記第2領域に含まれる凸部は、第4凸部P4と称することができる。前記第1凸部P1および第4凸部P4の高さ、幅、傾斜角、および第1および第2傾斜面のなす角度は、前記凸部P1の項目で記述した内容が同一に適用可能である。
【0081】
図13(b)に示すように、前記第1領域および第2領域のいずれか1つの領域は、イメージまたはロゴに対応し、他の1つの領域は、背景部分に対応するように構成することができる。このような装飾部材は、イメージまたはロゴの色が見る角度によってほのかに変化する効果を示すことができる。また、イメージまたはロゴ部分と背景部分が眺める方向によって色が互いに変わって見える装飾効果を示すことができる。
【0082】
前記第1領域および第2領域は、それぞれ複数の凸部を含むことができる。前記第1領域および第2領域の幅および凸部の個数は、目的のイメージまたはロゴの大きさを考慮して適宜調節可能である。
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、2以上の凸部形状を含み、各凸部形状間の一部または全部に平坦部をさらに含んでもよい。
【0083】
図7によれば、光吸収層の各凸部の間に平坦部G1を含むことができる。前記平坦部は、凸部が存在しない領域を意味する。光吸収層が平坦部をさらに含むことを除けば、残りの構成要素(D1、D2、c1、c2、c3、第1傾斜辺および第2傾斜辺)に関する説明は、上述した通りである。一方、D1+D2+G1をすべて合わせた長さは、パターンのピッチで定義されるが、上述したパターンの幅とは差がある。
【0084】
前記凸部P1の高さ(H1)は、5μm~30μmであってもよい。凸部の高さが前記範囲内の場合、生産工程的な面で有利であり得る。本明細書において、凸部の高さは、前記光吸収層の水平面を基準として、凸部の最も高い部分と最も低い部分との最短距離を意味することができる。この凸部の高さに関連する説明は、前述した凹部の深さにも同一の数値範囲が適用可能である。
【0085】
前記凸部P1の幅(W1)は、10μm~90μmであってもよい。凸部の幅が前記範囲内の場合、パターンを加工および形成するのに工程的な面で有利であり得る。前記凸部P1の幅(W1)は、例えば、10μm以上、15μm以上、20μm以上、または25μm以上であってもよく、90μm以下、80μm以下、70μm以下、60μm以下、50μm以下、40μm以下、または35μm以下であってもよい。この幅に関連する説明は、凸部だけでなく、前述した凹部にも適用可能である。
【0086】
前記凸部P1間の間隔は、0μm~20μmであってもよい。本明細書において、凸部間の間隔は、隣接する2つの凸部において、1つの凸部が終わる点と他の1つの凸部が始まる点との最短距離を意味することができる。前記凸部間の間隔が適切に維持される場合、装飾部材を凸部の傾斜角がさらに大きい傾斜面側から眺める時、相対的に明るい色を示さなければならないが、反射領域がシェーディングで暗く見える現象を改善することができる。前記凸部の間には、後述のように、前記凸部に比べて高さがさらに小さい第2凸部が存在できる。この間隔に関連する説明は、凸部だけでなく、前述した凹部にも適用可能である。
【0087】
前記第2凸部P2の高さ(H2)は、前記第1凸部P1の高さ(H1)の1/5~1/4の範囲を有することができる。例えば、前記第1凸部と第2凸部の高さの差(H1-H2)は、10μm~30μmであってもよい。第2凸部の幅(W2)は、1μm~10μmであってもよい。前記第2凸部の幅(W2)は、具体的には、1μm以上、2μm以上、3μm以上、4μm以上、または4.5μm以上であってもよく、10μm以下、9μm以下、8μm以下、7μm以下、6μm以下、または5.5μm以下であってもよい。
【0088】
本明細書の一実施態様において、前記第2凸部は、傾斜角が互いに異なる2つの傾斜面(S3、S4)を有することができる。前記第2凸部の前記2つの傾斜面がなす角度(a4)は、20度~100度であってもよい。前記角度(a4)は、具体的には、20度以上、30度以上、40度以上、50度以上、60度以上、70度以上、80度以上、または85度以上であってもよく、100度以下または95度以下であってもよい。前記第2凸部の両傾斜面の傾斜角の差(a6-a5)は、0度~60度であってもよい。前記傾斜角の差(a6-a5)は、0度以上、10度以上、20度以上、30度以上、40度以上、または45度以上であってもよく、60度以下または55度以下であってもよい。前記第2凸部の寸法が前記範囲内の場合、傾斜面の角度が大きい側面から光の流入を増加させて明るい色相を形成できるとの面で有利であり得る。
【0089】
本明細書の一実施態様において、前記凹部P3の高さ(H3)は、3μm~15μmであってもよい。前記凹部P3の高さ(H3)は、具体的には、3μm以上であってもよく、15μm以下、10μm以下、5μm以下であってもよい。前記凹部は、傾斜角が互いに異なる2つの傾斜面(S5、S6)を有することができる。前記凹部の前記2つの傾斜面がなす角度(a7)は、20度~100度であってもよい。前記角度(a7)は、具体的には、20度以上、30度以上、40度以上、50度以上、60度以上、70度以上、80度以上、または85度以上であってもよく、100度以下または95度以下であってもよい。前記凹部の両傾斜面の傾斜角の差(a9-a8)は、0度~60度であってもよい。前記傾斜角の差(a9-a8)は、0度以上、10度以上、20度以上、30度以上、40度以上、または45度以上であってもよく、60度以下または55度以下であってもよい。前記凹部の寸法が前記範囲内の場合、鏡面で色感の追加が可能であるとの面で有利であり得る。
【0090】
一例によれば、前記光吸収層は、上面がコーン(cone)形態の突出部または溝部を有するパターンを含む。コーン形態は、円錐、楕円錐、または多角錐の形態を含む。ここで、多角錐の底面の形態は、三角形、四角形、突出点が5つ以上の星状などがある。前記コーン形態は、光吸収層の上面に形成された突出部の形態であってもよく、光吸収層の上面に形成された溝部の形態であってもよい。前記突出部は、断面が三角形であり、前記溝部は、断面が逆三角形形態になる。光吸収層の下面も、光吸収層の上面と同一の形態を有することができる。
【0091】
一例によれば、前記コーン形態のパターンは、非対称構造を有することができる。例えば、前記コーン形態のパターンを上面から観察し、コーンの頂点を基準に360度回転した場合に、同一の形態が3つ以上存在すると、前記パターンから二色性が発現しにくい。しかし、前記コーン形態のパターンを上面から観察し、コーンの頂点を基準に360度回転した場合に、同一の形態が2つ以下存在すると、二色性が発現できる。
図14は、コーン形態の上面を示すものであり、a)は、すべて対称構造のコーン形態を示すものであり、b)は、非対称構造のコーン形態を例示するものである。
【0092】
対称構造のコーン形態は、コーン形態の底面が円であるか各辺の長さが同一の正多角形であり、コーンの頂点が底面の重心点の垂直線上に存在する構造である。しかし、非対称構造のコーン形態は、これを上面から観察した時、コーンの頂点の位置を底面の重心点ではない点の垂直線上に存在する構造であるか、底面が非対称構造の多角形または楕円の構造である。底面が非対称構造の多角形の場合は、多角形の辺または角のうち少なくとも1つを残りと異なって設計することができる。
【0093】
例えば、
図15のように、コーンの頂点の位置を変更することができる。具体的には、
図15の1番目の図のように、上面から観察時、コーンの頂点を底面の重心点(O1)の垂直線上に位置するように設計する場合、コーンの頂点を基準に360度回転した場合に、4つの同一の構造を得ることができる(4fold symmetry)。しかし、コーンの頂点を底面の重心点(O1)ではない位置(O2)に設計することにより、対称構造が破れる。底面の一辺の長さをx、コーンの頂点の移動距離をaおよびb、コーンの頂点(O1またはO2)から底面まで垂直に連結した線の長さであるコーン形態の高さをh、底面とコーンの側面とのなす角度をθnとすれば、
図15の面1、面2、面3および面4に対して下記のようなコサイン値が得られる。
【0094】
【0095】
この時、θ1とθ2は同一であるので、二色性がない。しかし、θ3とθ4は異なり、│θ3-θ4│は、2色間の色差(△E*ab)を意味するので、二色性を示すことができる。ここで、│θ3-θ4│>0である。このように、コーンの地面に対する水平断面と側面とのなす角度を用いて、対称構造がどれだけ破れているか、すなわち非対称の程度を定量的に示すことができ、このような非対称の程度を示す数値は、二色性の色差と比例する。
【0096】
図16は、最高点が線形態である凸部の形状を有する表面を示すものであり、a)は、二色性を発現しない凸部を有するパターンを例示するものであり、b)は、二色性を発現する凸部を有するパターンを例示するものである。
図16のa)のX-X'断面は、二等辺三角形または正三角形であり、
図16のb)のY-Y'断面は、側辺の長さが互いに異なる三角形である。
【0097】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、最高点が線形態の凸部形状または最低点が線形態の凹部形状の表面を有する。前記線形態は、直線形態であってもよく、曲線形態であってもよいし、曲線と直線をすべて含むか、ジグザグ形態であってもよい。これを
図17~
図19に示した。最高点が線形態の凸部または最低点が線形態の凹部形状の表面を、前記凸部または凹部形状の表面側から観察し、前記凸部または凹部の地面に対する水平断面の重心点を基準に360度回転した場合に、同一の形態が1つしか存在しないと、二色性を発現するのに有利である。
【0098】
本明細書の一実施態様において、前記光吸収層は、コーン形態の先端部が切られた構造の凸部または凹部形状の表面を有する。
図20に、装飾部材を地面に置いた時、地面に垂直な断面が非対称である逆台形の凹部を実現した写真を示した。このような非対称断面は、台形または逆台形形態であってもよい。この場合にも、非対称構造の断面によって二色性を発現することができる。
【0099】
前記例示した構造のほかにも、
図21のような多様な凸部または凹部形状の表面を実現することができる。
【0100】
本明細書において、別の言及がない限り、「面」は、平面であってもよいが、これに限定されず、全部または一部が曲面であってもよい。例えば、面に対して垂直な方向への断面の形態が円や楕円の弧の一部、波構造、ジグザグなどの構造を含むことができる。
【0101】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、厚さの異なる2以上の領域を含むことができる。
【0102】
前記実施態様に係る構造の例示を
図22および
図23に示した。
図22および
図23は、基材101、光反射層201、および光吸収層301が積層された構造を例示するものである(
図22には基材省略)。
図22および
図23には、基材101が光反射層201側に備えられた構造を例示したが、これのみに限定されたものではなく、基材101は、光吸収層301側に備えられてもよい。
図22および
図23によれば、前記光吸収層301は、互いに異なる厚さを有する2以上の点を有する。
図22によれば、A点とB点での光吸収層301の厚さが異なる。
図23によれば、C領域とD領域での光吸収層301の厚さが異なる。
【0103】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、上面が傾斜角度0度超過90度以下の傾斜面を有する領域を1つ以上含み、前記光吸収層は、いずれか1つの傾斜面を有する領域での厚さと異なる厚さを有する領域を1つ以上含む。
【0104】
前記光反射層の上面の傾斜度のような表面特性は、前記光吸収層の上面と同一であってよい。例えば、光吸収層の形成時、蒸着方法を利用することにより、光吸収層の上面は、光反射層の上面と同一の傾斜度を有することができる。
【0105】
図24に上面が傾斜面を有する光吸収層を有する装飾部材の構造を例示した。基材101、光反射層201、および光吸収層301が積層された構造であって、光吸収層301のE領域での厚さt1とF領域での厚さt2とは異なる。
【0106】
図24は、互いに向かい合う傾斜面、すなわち断面が三角形の構造を有する光吸収層に関するものである。
図24のように互いに向かい合う傾斜面を有するパターンの構造では、同一の条件で蒸着を進行させても、三角形構造の2つの面で光吸収層の厚さが異なり得る。これによって、1回の工程だけで厚さの異なる2以上の領域を有する光吸収層を形成することができる。これによって、光吸収層の厚さに応じて発現色相が異なる。この時、光反射層の厚さは、一定以上であれば色相の変化に影響を及ぼさない。
【0107】
図24は、基材101が光反射層201側に備えられた構造が例示されたが、このような構造に限定されず、基材101の位置は、前述した説明のように、これらは他の位置に配置されてもよい。また、
図24の基材101は、光反射層201と接する面が平坦面であるが、基材101の光反射層201と接する面は、光反射層201の上面と同じ傾きを有するパターンを有することができる。この場合、基材のパターンの傾き差のため、光吸収層の厚さも差が発生しうる。しかし、これに限定されず、他の蒸着方法を利用して基材と光吸収層が異なる傾きを有するようにするとしても、パターンの両側に光吸収層の厚さを異ならせて前述した二色性を示すことができる。
【0108】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、厚さが漸進的に変化する領域を1つ以上含む。
図25によれば、光吸収層の厚さが漸進的に変化する構造を例示した。
【0109】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層は、上面が傾斜角度0度超過90度以下の傾斜面を有する領域を1つ以上含み、少なくとも1つの傾斜面を有する領域は、光吸収層の厚さが漸進的に変化する構造を有する。
図25に上面が傾斜面を有する領域を含む光吸収層の構造を例示した。
図25のG領域とH領域とも光吸収層の上面が傾斜面を有し、光吸収層の厚さが漸進的に変化する構造を有する。
【0110】
一例によれば、前記光吸収層は、傾斜角度が1度~90度の範囲内である第1傾斜面を有する第1領域を含み、上面が前記第1傾斜面と傾斜方向が異なるか、傾斜角度が異なる傾斜面を有するか、上面が水平である第2領域をさらに含んでもよい。この時、前記第1領域と前記第2領域で光吸収層の厚さが互いに異なり得る。
【0111】
もう一つの例によれば、前記光吸収層は、傾斜角度が1度~90度の範囲内の第1傾斜面を有する第1領域を含み、上面が前記第1傾斜面と傾斜方向が異なるか、傾斜角度が異なる傾斜面を有するか、上面が水平である2つ以上の領域をさらに含んでもよい。この時、前記第1領域および前記2つ以上の領域での光吸収層の厚さは、すべて互いに異なり得る。
【0112】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記色発現層は、前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面、前記光反射層と前記光吸収層との間、または前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に備えられたカラーフィルムを含む。
【0113】
前記カラーフィルムは、前記カラーフィルムが備えられていない場合に比べて前記カラーフィルムが存在する場合、前記色発現層の色座標CIE L*a*b*上におけるL*a*b*の空間での距離である色差△E
*abが1を超えるようにするものであれば特に限定されない。
色の表現は、CIE L*a*b*で表現可能であり、色差は、L*a*b*空間での距離(△E
*ab)を用いて定義される。具体的には、
【数5】
であり、0<△E
*ab<1の範囲内では観察者が色差を認識することができない[参考文献:MachineGraphics and Vision20(4):383-411]。したがって、本明細書では、カラーフィルムの追加による色差を△E
*ab>1で定義することができる。
【0114】
図26は、カラーフィルムを含む色発現層を示すものであって、
図26(a)に光反射層201、光吸収層301、およびカラーフィルム401が順次に積層された構造、
図26(b)に光反射層201、カラーフィルム401、および光吸収層301が順次に積層された構造、および
図26(c)にカラーフィルム401、光反射層201、および光吸収層301が順次に積層された構造を例示した。
【0115】
前記カラーフィルムは、基材の役割を果たすこともできる。例えば、基材として使用可能なものに染料または顔料を添加することにより、カラーフィルムとして使用できる。
【0116】
前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面(
図27(a));または前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面(
図27(b))に基材が備えられる。
【0117】
例えば、前記基材が前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面に備えられ、前記カラーフィルムが前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面に位置する場合、前記カラーフィルムは、前記基材と前記光反射層との間;または前記基材の前記光反射層に対向する面の反対面に備えられる。もう一つの例として、前記基材が前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に備えられ、前記カラーフィルムが前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に位置する場合、前記カラーフィルムは、前記基材と前記光吸収層との間;または前記基材の前記光吸収層に対向する面の反対面に備えられる。
【0118】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光反射層の前記光吸収層に対向する面の反対面に基材が備えられ、カラーフィルムが追加的に備えられる。
図28(a)にはカラーフィルム401が光吸収層301の光反射層201側の反対面に備えられた構造、
図28(b)にはカラーフィルム401が光吸収層301と光反射層201との間に備えられた構造、
図28(c)にはカラーフィルム401が光反射層201と基材101との間に備えられた構造、
図28(d)にはカラーフィルム401が基材101の光反射層201側の反対面に備えられた構造を示すものである。
図28(e)には、カラーフィルム401a、401b、401c、401dがそれぞれ光吸収層301の光反射層201側の反対面、光吸収層301と光反射層201との間、光反射層201と基材101との間、および基材101の光反射層201側の反対面に備えられた構造を例示するものであり、これのみに限定されるものではなく、カラーフィルム401a、401b、401c、401dのうち1~3つは省略されてもよい。
【0119】
本出願のもう一つの実施態様によれば、前記光吸収層の前記光反射層に対向する面の反対面に基材が備えられ、カラーフィルムが追加的に備えられる。
図29(a)にはカラーフィルム401が基材101の光吸収層301側の反対面に備えられた構造、
図29(b)にはカラーフィルム401が基材101と光吸収層301との間に備えられた構造、
図29(c)にはカラーフィルム401が光吸収層301と光反射層201との間に備えられた構造、
図29(d)にはカラーフィルム401が光反射層201の光吸収層301側の反対面に備えられた構造を示すものである。
図29(e)には、カラーフィルム401a、401b、401c、401dがそれぞれ基材101の光吸収層301側の反対面、基材101と光吸収層301との間、光吸収層301と光反射層201との間、および光反射層201の光吸収層301側の反対面に備えられた構造を例示するものであり、これのみに限定されるものではなく、カラーフィルム401a、401b、401c、401dのうち1~3つは省略されてもよい。
【0120】
図28(b)と
図29(c)のような構造は、カラーフィルムの可視光透過率が0%超過であれば、光反射層でカラーフィルムを通過して入射した光を反射できるので、光吸収層と光反射層との積層による色相の実現が可能である。
【0121】
図28(c)、
図28(d)および
図29(d)のような構造では、カラーフィルムの追加による色差の変化を認識できるように、光反射層201のカラーフィルムから発現する色相の光透過率が1%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であることが好ましい。このような可視光線透過率範囲で透過された光がカラーフィルムによる色相と混合できるからである。
前記カラーフィルムは、1枚または、同種または異種が2枚以上積層された状態で備えられる。
【0122】
前記カラーフィルムは、前述した光反射層および光吸収層の積層構造から発現する色相とともに組み合わされて所望の色相を発現できるものを使用することができる。例えば、顔料および染料のうちの1種または2種以上がマトリックス樹脂内に分散して色相を示すカラーフィルムが使用できる。前記のようなカラーフィルムは、カラーフィルムが備えられる位置に直接カラーフィルム形成用組成物をコーティングして形成してもよく、別途の基材にカラーフィルム形成用組成物をコーティングするか、キャスティング、押出などの公知の成形方法を利用してカラーフィルムを製造した後、カラーフィルムが備えられる位置にカラーフィルムを配置または付着させる方法が利用可能である。コーティング方法は、ウェットコーティングまたはドライコーティングが使用できる。
【0123】
前記カラーフィルムに含まれる顔料および染料としては、最終装飾副材料から所望の色相を達成できるものであって、当技術分野で知られているものの中から選択可能であり、赤色系、黄色系、紫色系、青色系、ピンク色系などの顔料および染料のうちの1種または2種以上が使用できる。具体的には、ペリノン(perinone)系赤色染料、アントラキノン系赤色染料、メチン系黄色染料、アントラキノン系黄色染料、アントラキノン系紫色染料、フタロシアニン系青色染料、チオインジゴ(thioindigo)系ピンク色染料、イソキシンジゴ(isoxindigo)系ピンク色染料などの染料が単独または組み合わせで使用できる。カーボンブラック、銅フタロシアニン(C.I.Pigment Blue15:3)、C.I.Pigment Red112、Pigment blue、Isoindoline yellowなどの顔料が単独または組み合わせで使用されてもよい。前記のような染料または顔料は、市販のものを用いることができ、例えば、Ciba ORACET社、Chokwang Paint(株)などの材料を使用することができる。前記染料または顔料の種類およびこれらの色相は例示に過ぎず、公知の染料または顔料が多様に使用可能であり、これによってさらに多様な色相を実現することができる。
【0124】
前記カラーフィルムに含まれるマトリックス樹脂は、透明フィルム、プライマー層、接着層、コーティング層などの材料として公知の材料が使用可能であり、特にその材料に限定されない。例えば、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ウレタン系樹脂、線状オレフィン系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂など多様な材料が選択可能であり、前記例示された材料の共重合体または混合物も使用可能である。
【0125】
前記カラーフィルムが前記光反射層または前記光吸収層より装飾部材を観察する位置により近く配置された場合、例えば、
図28(a)、(b)、
図29(a)、(b)、(c)のような構造では、前記カラーフィルムが光反射層、光吸収層、または光反射層と光吸収層との積層構造から発現する色相の光透過率が1%以上、好ましくは3%以上、より好ましくは5%以上であることが好ましい。これによって、カラーフィルムから発現する色相と光反射層、光吸収層、またはこれらの積層構造から発現する色相がともに組み合わされて所望の色相を達成することができる。
【0126】
前記カラーフィルムの厚さは特に限定されず、所望の色相を示し得るものであれば、当技術分野における通常の知識を有する者が厚さを選択して設定することができる。例えば、カラーフィルムの厚さは、500nm~1mmであってもよい。
【0127】
前記光吸収層は、屈折率(n)、消滅係数(k)、および厚さ(t)に応じて多様な色相の実現が可能である。
図30は、光吸収層の厚さに応じて、波長別反射率を示すものであり、
図31は、これによって実現した色相を示すものである。具体的には、
図30の場合、CuO/CuのCuO蒸着厚さ別反射率のシミュレーショングラフであって、同一の蒸着条件でCuOの厚さを10~60nm変更しながら作成した資料である。
【0128】
図32は、視野角度によって異なる色相が観察されることを示すシミュレーション結果である。
図32は、CuON/Alのシミュレーション結果である。
図32では、光吸収層の厚さを10nmから100nmまで10nmずつ増加させ、入射角を0度から60度まで15度間隔で調整したものである。このようなシミュレーション結果により、本出願の実施態様に係る構造で光吸収層の厚さと上面の傾斜角を調整することにより、多様な色相を実現できることが分かる。これに加えて、カラーフィルムを備えることにより、さらに多様な色相を実現することができる。
【0129】
図32のA1~A5のL*a*b*座標値はそれぞれ(91,3,5)であり、B1~B5のL*a*b*座標値はそれぞれ(74,14,8)、(74,14,8)、(72,15,10)、(69,15,11)、(66,16,13)であり、C1~C5のL*a*b*座標値はそれぞれ(46,22,-11)、(45,22,-10)、(43,25,-9)、(40,28,-4)、(42,30,6)であり、D1~D5のL*a*b*座標値はそれぞれ(36,-12,-22)、(35,-11,-23)、(30,-7,-24)、(20,6,-26)、(18,38,-12)であり、E1~E5のL*a*b*座標値はそれぞれ(49,-20,-7)、(48,-20,-7)、(43,-20,-8)、(34,-18,39)、(18,7,-10)であり、F1~F5のL*a*b*座標値はそれぞれ(60,-10,4)、(59,-10,4)、(55,-11,4)、(47,-11,4)、(31,-4,3)であり、G1~G5のL*a*b*座標値はそれぞれ(66,-4,10)、(65,-4,10)、(62,-4,10)、(54,-5,11)、(40,-2,10)であり、H1~H5のL*a*b*座標値はそれぞれ(69,1,11)、(68,1,12)、(64,1,13)、(58,1,14)、(44,2,13)であり、I1~I5のL*a*b*座標値はそれぞれ(68,5,11)、(67,5,11)、(64,5,12)、(58,6,14)、(41,7,14)であり、J1~J5のL*a*b*座標値はそれぞれ(66,8,8)、(65,8,8)、(62,8,10)、(56,9,11)、(43,11,11)である。
【0130】
前記光反射層は、光を反射できる材料であれば特に限定されないが、光反射率は、材料に応じて決定可能であり、例えば、50%以上で色相の実現が容易である。光反射率はellipsometerを用いて測定することができる。
【0131】
前記光吸収層は、400nmにおける屈折率(n)が0~8のものが好ましく、0~7であってもよく、0.01~3であってもよく、2~2.5であってもよい。屈折率(n)は、sinθ1/sinθ2(θ1は、光吸収層の表面で入射する光の角であり、θ2は、光吸収層の内部における光の屈折角である)で計算される。
【0132】
前記光吸収層は、380~780nmにおける屈折率(n)が0~8のものが好ましく、0~7であってもよく、0.01~3であってもよく、2~2.5であってもよい。
【0133】
前記光吸収層は、400nmにおける消滅係数(k)が0超過4以下であり、0.01~4のものが好ましく、0.01~3.5であってもよく、0.01~3であってもよいし、0.1~1であってもよい。消滅係数(k)は、-λ/4πI(dI/dx)(ここで、光吸収層内における経路単位長(dx)、例えば、1mあたりの光の強度の減少分率dI/Iにλ/4πを乗じた値であり、ここで、λは光の波長)である。
【0134】
前記光吸収層は、380~780nmにおける消滅係数(k)が0超過4以下であり、0.01~4のものが好ましく、0.01~3.5であってもよく、0.01~3であってもよいし、0.1~1であってもよい。
【0135】
400nm、好ましくは380~780nmの可視光線の全波長領域における消滅係数(k)が前記範囲であるので、可視光線範囲内で光吸収層の役割を果たすことができる。
【0136】
例えば、樹脂中に染料を添加して光を吸収する方式を利用することと、前述したような消滅係数を有する材料を用いる場合には、光を吸収するスペクトルが異なる。樹脂中に染料を添加して光を吸収する場合、吸収波長帯が固定され、コーティング厚さの変化に応じて吸収量が変化する現象のみ発生する。また、所望の光吸収量を得るために、光吸収量を調節するために、最小数マイクロメートル以上の厚さ変化が必要である。これに対し、消滅係数を有する材料では、厚さが数または数十ナノメートル規模に変化しても、吸収する光の波長帯が変化する。
【0137】
一実施態様によれば、前記光反射層は、金属層、金属酸化物層、金属窒化物層、金属酸窒化物層、または無機物層であってもよい。前記光反射層は、単層から構成されてもよく、2層以上の多層から構成されてもよい。
【0138】
一例として、前記光反射層は、インジウム(In)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジム(Nb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、金(Au)、および銀(Ag)の中から選択される1種または2種以上の材料、その酸化物、窒化物または酸窒化物、炭素および炭素複合体のうちの1種または2種以上の材料を含む単層または多層であってもよい。例えば、前記光反射層は、前記材料の中から選択される2つ以上の合金、その酸化物、窒化物、または酸窒化物を含むことができる。もう一つの例によれば、前記光反射層は、炭素または炭素複合体を含むインクを用いて製造されることにより、高抵抗の反射層を実現することができる。炭素または炭素複合体としては、カーボンブラック、CNTなどがある。前記炭素または炭素複合体を含むインクは、前述した材料またはその酸化物、窒化物、または酸窒化物を含むことができ、例えば、インジウム(In)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジム(Nb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、金(Au)、および銀(Ag)の中から選択される1種または2種以上の酸化物が含まれる。前記炭素または炭素複合体を含むインクを印刷した後、硬化工程が追加的に行われる。
【0139】
前記光反射層は、2種以上の材料を含む場合、2種以上の材料を1つの工程、例えば、蒸着または印刷の方法を利用して形成してもよいが、1種以上の材料で先に層を形成した後、追加的に1種以上の材料でその上に層を形成する方法が利用可能である。例えば、インジウムやスズを蒸着して層を形成した後、炭素を含むインクを印刷した後に硬化させて光反射層を形成することができる。前記インクは、チタン酸化物、シリコン酸化物のような酸化物が追加的に含まれる。
一実施態様によれば、前記光吸収層は、単層であってもよく、2層以上の多層であってもよい。
【0140】
前記光吸収層は、400nm、好ましくは380~780nmにおける消滅係数(k)を有する材料、すなわち消滅係数が0超過4以下、好ましくは0.01~4の材料からなる。
【0141】
例えば、前記光吸収層は、金属、半金属、および金属や半金属の酸化物、窒化物、酸窒化物、および炭化物からなる群より選択される1つまたは2つ以上を含むことができる。前記金属または半金属の酸化物、窒化物、酸窒化物、または炭化物は、当業者が設定した蒸着条件などによって形成することができる。光吸収層は、光反射層と同一の金属、半金属、2種以上の合金、または酸窒化物を含むこともできる。
【0142】
例えば、前記光吸収層は、インジウム(In)、チタン(Ti)、スズ(Sn)、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、バナジウム(V)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、ネオジム(Nb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、金(Au)、および銀(Ag)の中から選択される1種または2種以上の材料またはその酸化物、窒化物、または酸窒化物を含む単層または多層であってもよい。具体例として、前記光吸収層は、銅酸化物、銅窒化物、銅酸窒化物、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、アルミニウム酸窒化物、およびモリブデンチタン酸窒化物の中から選択される1種または2種以上を含む。
一例によれば、前記光吸収層は、シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)を含む。
【0143】
シリコン(Si)またはゲルマニウム(Ge)からなる光吸収層は、400nmにおける屈折率(n)が0~8であり、0~7であってもよく、消滅係数(k)が0超過4以下、好ましくは0.01~4であり、0.01~3または0.01~1であってもよい。
【0144】
もう一つの例によれば、前記光吸収層は、銅酸化物、銅窒化物、銅酸窒化物、アルミニウム酸化物、アルミニウム窒化物、アルミニウム酸窒化物、およびモリブデンチタン酸窒化物の中から選択される1種または2種以上を含む。この場合、光吸収層は、400nmにおける屈折率(n)が1~3、例えば、2~2.5であってもよいし、消滅係数(k)が0超過4以下、好ましくは0.01~2.5、好ましくは0.2~2.5、さらに好ましくは0.2~0.6であってもよい。
【0145】
一例によれば、前記光吸収層は、AlOxNy(x>0、y>0)である。
もう一つの例によれば、前記光吸収層は、AlOxNy(0≦x≦1.5、0≦y≦1)であってもよい。
もう一つの例によれば、前記光吸収層は、AlOxNy(x>0、y>0)であり、全原子数100%に対して各原子の数が下記式を満足する。
【0146】
【0147】
一実施態様によれば、前記光吸収層は、400nm、好ましくは380~780nmにおける消滅係数(k)を有する材料からなり、例えば、光吸収層/光反射層は、CuO/Cu、CuON/Cu、CuON/Al、AlON/Al、AlN/AL/AlON/Cu、AlN/Cuなどの材料で形成される。
【0148】
一実施態様によれば、前記光反射層の厚さは、最終構造で所望の色相に応じて決定可能であり、例えば、1nm以上、好ましくは25nm以上、例えば、50nm以上、好ましくは70nm以上である。
【0149】
一実施態様によれば、前記光吸収層の厚さは、5~500nm、例えば、30~500nmであってもよい。
【0150】
一実施態様によれば、前記光吸収層の領域別厚さの差は、2~200nmであり、所望の色相の差に応じて決定可能である。
【0151】
一実施態様によれば、前記光反射層の下面または前記光吸収層の上面に備えられた基材をさらに含んでもよい。前記基材の上面の傾斜度のような表面特性は、前記光反射層および光吸収層の上面と同一であってよい。これは、光反射層と光吸収層が蒸着方法により形成されることにより、基材、光反射層、および光吸収層が同一の角度の傾斜面を有することができる。例えば、前記のような構造は、基材の上面に傾斜面または立体構造を形成し、その上に光反射層および光吸収層を順に蒸着するか、光吸収層および光反射層を順に蒸着することにより実現できる。
【0152】
一例によれば、前記基材の表面に傾斜面または立体構造を形成することは、紫外線硬化型樹脂にパターンを形成し、紫外線を利用して硬化することにより製造するか、レーザ加工する方法で行うことができる。一実施態様によれば、前記装飾部材は、デコフィルムまたはモバイル機器のケースであってもよい。前記装飾部材は、必要に応じて粘着層をさらに含んでもよい。
【0153】
前記基材の材料は特に限定されず、前記のような方法で傾斜面または立体構造を形成する場合、当技術分野で公知の紫外線硬化型樹脂が使用できる。
前記光吸収層上には、追加的に保護層が備えられてもよい。
【0154】
一例によれば、前記光吸収層または光反射層が備えられた基材の反対面には、追加的に接着剤層が備えられる。この接着剤層は、OCA(optically clear adhesive)層であってもよい。前記接着剤層上には、必要に応じて保護のための剥離層(release liner)が追加的に備えられる。
【0155】
本明細書では、光反射層および光吸収層を形成する方法の例としてスパッタリング方式のような蒸着を言及したが、本明細書に記載の実施態様に係る構成および特性を有することができれば、薄膜を作製する多様な方式の適用が可能である。例えば、蒸発蒸着法、CVD(chemical vapor deposition)、ウェットコーティング(wet coating)などが使用できる。
【0156】
本出願の一実施態様では、前記色発現層の一面上にインモールドラベル層が備えられる。前記インモールドラベル層は、ABS(acrylonitrile butadiene styrene)、PMMA(Poly methyl methacrylate)、PC(Polycarbonate)、AS(Acrylonitrile-styrene)、SAN(Styrene-Acrylonitrile)、PET(Polyethylene Terephthalate)、およびPP(polypropylene)のうちの1種以上を含むことができる。また、前記インモールドラベル層は、印刷層を追加的に含むことができる。
【0157】
一般的に、ラベルを金型内に導入しておき、金型内でプラスチックフィルムを成形すると同時に、前記プラスチックフィルム上にラベルを形成する方法をインモールドラベルプロセスという。前記インモールドラベルプロセスは、プラスチックフィルム成形後のラベル付着や成形品の製作中に保管の必要がないので、製作中の製品保管スペースの削減が可能であり、その場で出荷できるという利点がある。
【0158】
本出願の一実施態様において、前記インモールドラベル層の印刷層は、文字、画像などの情報を含むことができる。より具体的には、前記インモールドラベル層の印刷層は、バーコード、製造元、販売会社名、キャラクタ、商品名、使用方法などの印刷物を含むことができる。
【0159】
前記インモールドラベル層は、当技術分野で知られたインモールド成形方法を用いて製造することができる。より具体的には、前記インモールドラベル層は、中空成形、インジェクション成形、差圧成形などのインモールド成形方法を用いて製造することができるが、これのみに限定されるものではない。
【0160】
本出願の一実施態様において、前記インモールドラベル層と色発現層は、OCA(optically clear adhesive)層のような接着剤層によって互いに接着できる。より具体的には、前記接着剤が塗布された色発現層上に前記インモールドラベル層材料が射出されるインモールドラベリング工程によって、前記インモールドラベル層と色発現層が互いに接着できる。
【0161】
[実施例]
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。以下の実施例は本発明を例示するためのものに過ぎず、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0162】
<実施例>
<実施例1>
工程圧3mTorrの真空条件下で反応性スパッタリング蒸着を利用して、PETフィルム上に20nmの厚さを有するアルミニウム酸窒化物光吸収層を製造した。ベース圧力(Base Pressure)3×10-6Torr、工程圧3mTorrの真空条件下で蒸着工程を進行させ、Arガスは100sccmに調節し、反応性ガス分圧区間は40%であった。光反射層としてBlack InK(反射率5%)を用いてスクリーン印刷で4度印刷進行させた。前記印刷されたフィルムに粘着剤を塗布した後、成形、トリミングし、これを金型に入れて射出して一体化(インモールドラベリング)した。レジン(RESIN)材料はABSを用いた。前記光吸収層は、非対称構造の断面を有するプリズム形態の形状を含むことができる。
【0163】
前記インモールドラベリング工程により製作した電子機器のコントローラ製品の前後面の写真を下記の
図33に示し、これをInlay工程を用いてプラスチック成形物に付着させた製品の写真を下記の
図34に示した。
【0164】
<比較例1>
工程圧3mTorrの真空条件下で反応性スパッタリング蒸着を利用して、PETフィルム上に20nmの厚さを有するアルミニウム酸窒化物光吸収層を製造した。ベース圧力(Base Pressure)3×10
-6Torr、工程圧3mTorrの真空条件下で蒸着工程を進行させ、Arガスは100sccmに調節し、反応性ガス分圧区間は40%であった。光反射層としてBlack InK(反射率5%)を用いてスクリーン印刷で4度印刷進行させた。前記印刷されたフィルムは、保護フィルム貼り合わせ工程を経た後、レーザおよびトムソン方法を利用して製品のサイズに合わせて打ち抜き、ガラス貼り合わせ工程により最終製品を製作した。
前記ガラス貼り合わせ工程により製作した製品の写真を下記の
図35に示した。
【符号の説明】
【0165】
100:色発現層
101:基材
201:光反射層
301:光吸収層
401、401a、401b、401c、401d:カラーフィルム
1101:インモールドラベル層