(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-20
(45)【発行日】2022-07-28
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20220721BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20220721BHJP
【FI】
G03G15/08 347
G03G15/01 J
(21)【出願番号】P 2018063843
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】菊地 徹平
(72)【発明者】
【氏名】四折 淳
(72)【発明者】
【氏名】小池 寿男
(72)【発明者】
【氏名】麻生 和宏
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 道治
(72)【発明者】
【氏名】近藤 慧之輔
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-004559(JP,A)
【文献】特開2017-215415(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0092216(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
G03G 15/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤がそれぞれ収容された複数の現像剤容器と、
前記複数の現像剤容器から複数の被補給部に向けて現像剤をそれぞれ搬送するための複数の搬送路と、
を備え、
前記複数の搬送路のうち少なくとも1つの搬送路は、その途中に、上流側搬送路と下流側搬送路とのうち一方を接離可能な中継部を具備し、
前記複数の現像剤容器の配置が変更されず、前記複数の被補給部のうち少なくとも2つの被補給部の配置が変更されるときに、それらの被補給部にそれぞれ対応する前記搬送路の前記上流側搬送路と前記中継部との位置が固定された状態で、前記下流側搬送路が当該中継部から取り外された後に、配置が変更された当該被補給部と当該中継部とに当該下流側搬送路が接続されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記中継部は、前記下流側搬送路を接離可能な2つのジョイント部が、異なる向きに開口するように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
現像剤がそれぞれ収容された複数の現像剤容器と、
前記複数の現像剤容器から複数の被補給部に向けて現像剤をそれぞれ搬送するための複数の搬送路と、
を備え、
前記複数の搬送路のうち少なくとも1つの搬送路は、その途中に、上流側搬送路と下流側搬送路とのうち一方を接離可能な中継部を具備し、
前記複数の現像剤容器の配置が変更されず、前記複数の被補給部のうち少なくとも2つの被補給部の配置が変更されるときに、配置が入れ替えられる2つの被補給部のうち1つの被補給部に対応する前記搬送路の前記下流側搬送路と前記中継部との位置が固定された状態で、前記上流側搬送路が当該中継部から取り外された後に、配置が入れ替えられた当該1つの被補給部に当該上流側搬送路が接続され、配置が入れ替えられたもう1つの被補給部に当該下流側搬送路が接続されるとともに当該もう1つの被補給部に対応する前記搬送路が上流側搬送路として前記中継部に接続されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
前記中継部は、前記少なくとも2つの被補給部の配置の変更にともない配置が入れ替えられる2つの被補給部から略等距離の位置に配置されたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記複数の搬送路は、それぞれ、貯留部を介して前記現像剤容器に接続されたチューブであって、
前記被補給部は、像担持体に形成された潜像を現像する現像装置、又は、前記現像装置に接続されたサブホッパ、であって、搬送ポンプを介して前記チューブの下流側に着脱可能に接続され、
前記搬送ポンプは、当該
画像形成装置に対して前記現像装置又は前記サブホッパとともに一体的に着脱可能に構成されたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は、それらの複合機等の画像形成装置において、通常のカラー画像を形成するための4色用(YMCB用)の作像部に加えて、白色や透明色などの特色用の作像部が並設されたものが広く知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における画像形成装置は、中間転写ベルトに対向するように5つの感光体ドラム(像担持体)が並設されていて、5つの感光体ドラムに形成された潜像をそれぞれ現像する5つの現像装置が設置されている。5つの現像装置は、通常のカラー画像を形成するための4色用(YMCB用)の現像装置と、白色や透明色などの特色用の現像装置と、であって、それぞれ対応する感光体ドラムの表面に対応する色のトナー像を形成することになる。そして、5つの感光体ドラムの表面に形成されたトナー像が、中間転写ベルトの表面に重ねて1次転写されて、さらに重ねられたトナー像(カラー画像)がシートに2次転写されることになる。
【0004】
また、特許文献1における画像形成装置には、5つの現像装置に対応して5つの現像剤容器(トナー容器)が設置されている。また、5つの現像剤容器に収容された現像剤(トナー)を5つの現像装置にそれぞれ補給するための5つのチューブ(搬送路)が設置されている。
詳しくは、現像剤容器から排出された現像剤は、一旦、貯留部に貯留される。貯留部と、サブホッパ(被補給部)に設置された搬送ポンプと、の間はフレキシブルなチューブによって接続されている。そして、搬送ポンプが稼働することで、貯留部に貯留された現像剤がチューブを介してサブホッパ(被補給部)に向けて搬送される。サブホッパに搬送されて貯留された現像剤は、サブホッパに設置された搬送スクリュが回転駆動されることによって、サブホッパの排出口から排出されて、現像装置に向けて適宜に供給されることになる。そして、適宜に現像剤が供給されて適量の現像剤が収容された現像装置によって、感光体ドラムの表面に形成された潜像が現像されることになる。
【0005】
一方、特許文献1には、中間転写ベルトの表面に重ねるトナー色の順番を変えるために、複数の現像装置やサブホッパ(被補給部)の配置を変更するときに、複数のサブホッパにそれぞれ現像剤を補給するために接続された複数のチューブ(搬送路)や複数の現像剤容器の配置を変更しないで、複数のチューブの配回しを変更する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の画像形成装置は、複数の被補給部の配置を変更するため、複数の搬送路の配回しを変更するときの作業性が充分に高くなかった。
【0007】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、複数の搬送路の配回しを変更するときの作業性が高い、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明における画像形成装置は、現像剤がそれぞれ収容された複数の現像剤容器と、前記複数の現像剤容器から複数の被補給部に向けて現像剤をそれぞれ搬送するための複数の搬送路と、を備え、前記複数の搬送路のうち少なくとも1つの搬送路は、その途中に、上流側搬送路と下流側搬送路とのうち一方を接離可能な中継部を具備し、前記複数の現像剤容器の配置が変更されず、前記複数の被補給部のうち少なくとも2つの被補給部の配置が変更されるときに、それらの被補給部にそれぞれ対応する前記搬送路の前記上流側搬送路と前記中継部との位置が固定された状態で、前記下流側搬送路が当該中継部から取り外された後に、配置が変更された当該被補給部と当該中継部とに当該下流側搬送路が接続されるものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の搬送路の配回しを変更するときの作業性が高い、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図2】プロセスカートリッジの近傍を示す断面図である。
【
図3】カラー色用の現像剤補給装置を示す全体構成図である。
【
図4】搬送ポンプとサブホッパとを示す断面図である。
【
図5】特色用及び黒色用の現像剤補給装置を示す全体構成図である。
【
図6】(A)カラー色用及び黒色用の現像剤容器が現像剤補給装置に対して着脱される状態を示す概略図と、(A)特色用の現像剤容器が貯留部とともに現像剤補給装置に対して着脱される状態を示す概略図と、である。
【
図7】搬送ポンプ及びサブホッパと、現像装置と、がそれぞれ現像剤補給装置に対して着脱される状態を示す概略図である。
【
図8】(A)中間転写ベルトに対して走行方向上流側から特色、カラー色、黒色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図と、(B)中間転写ベルトに対して走行方向上流側から黒色、カラー色、特色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図と、である。
【
図9】変形例1としての、中継部を示す斜視図である。
【
図10】変形例2としての、(A)中間転写ベルトに対して走行方向上流側から特色、カラー色、黒色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図と、(B)中間転写ベルトに対して走行方向上流側からカラー色、黒色、特色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図と、である。
【
図11】変形例3としての、(A)中間転写ベルトに対して走行方向上流側から特色、カラー色、黒色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図と、(B)中間転写ベルトに対して走行方向上流側から黒色、カラー色、特色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図と、である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0012】
まず、
図1及び
図2にて、画像形成装置100における全体の構成・動作について説明する。
図1は画像形成装置としてのプリンタを示す構成図であり、
図2はそのプロセスカートリッジ6Yの近傍を示す拡大図である。
図1に示すように、画像形成装置本体100の上方の一端側には、種類が異なる5つの略筒状の現像剤容器としてのトナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sがそれぞれ着脱可能に設置された現像剤補給装置90Y、90M、90C、90K、90S(トナー補給装置)が並設されている。詳しくは、
図1に示すように、最左方には特色に対応したトナー容器32S(現像剤補給装置90S)が設置されている。そして、その右方にはカラー用の3色(イエロー、マゼンタ、シアン)に対応したトナー容器32Y、32M、32C(現像剤補給装置90Y、90M、90C)が、左方からイエロー、マゼンタ、シアンの順に設置されている。そして、最右方には黒色(ブラック)に対応したトナー容器32K(現像剤補給装置90K)が設置されている。
そして、本実施の形態において、このようなトナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sと、現像剤補給装置90Y、90M、90C、90K、90Sと、のそれぞれの並び順(配置)は、可変されないように設定している。
【0013】
図1、
図3等を参照して、カラー用の3つの現像剤補給装置90Y、90M、90Cは、それぞれ、カラー用のトナー容器32Y、32M、32C(現像剤容器)に収容されたカラー(イエロー、マゼンタ、シアン)のトナー(現像剤)を、カラー用の現像装置5Y、5M、5Cにそれぞれ補給するためのものである。
また、
図1、
図5等を参照して、黒色用の現像剤補給装置90Kは、黒色用のトナー容器32K(現像剤容器)に収容された黒色のトナー(現像剤)を、黒色用の現像装置5Yに補給するためのものである。
また、特色用の現像剤補給装置90Sは、特色用のトナー容器32S(現像剤容器)に収容された特色のトナー(現像剤)を、特色用の現像装置5Sに補給するためのものである。
【0014】
黒色トナーや、カラートナー(イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー)や、特殊トナーとしては、公知のものを用いることができる。
特に、特殊トナーは、黒色トナーやカラートナーとは異なるもので、ユーザーの用途に合わせて公知のクリアトナー(透明トナー、無色トナー、無彩色トナー、ノーピグメントトナーなどである。)や白色トナーや金色トナーや銀色トナーなどを用いることができる。
【0015】
図1を参照して、画像形成装置本体1の上部には、それぞれ、5つの露光部7Y、7M、7C、7K、7Sが設置され、その下方に各色(イエロー、マゼンタ、シアン、黒色、特色)に対応したプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S(現像装置5Y、5M、5C、5K、5S)が、中間転写ベルトユニット15(中間転写ベルト8)に対向するように並設されている。
図1に示すように、5つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S(現像装置5Y、5M、5C、5K、5S)の基本的な並び順(配置)は、中間転写ベルト8の走行方向上流側から、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)、イエロー用のプロセスカートリッジ6Y(現像装置5Y)、マゼンタ用のプロセスカートリッジ6M(現像装置5M)、シアン用のプロセスカートリッジ6C(現像装置5C)、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)、となっている。そして、この並び順(配置)は、ユーザーの用途に応じて適宜に変更できるように構成されている。
特に、本実施の形態では、
図8(A)及び
図8(B)をも参照して、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)と、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)と、の配置を変更することができるように構成されている。
【0016】
特色のトナーは1つの種類のものに限定されることなく、ユーザーの用途に応じて、種類の異なる特色用のトナー容器32Sが適宜に交換される場合が多い。例えば、クリアトナー用のトナー容器32Sから白色トナー用のトナー容器32Sに交換されるような場合である。
そして、そのような場合に、特色トナーの種類に応じて、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)の並び順(配置)を、中間転写ベルト8の走行方向最上流側から走行方向最下流側に変更した方が良い場合がある。例えば、特色トナーとしてクリアトナーが用いられる場合には、画像の光沢性を向上させる目的で用いられるため、中間転写ベルト8上に最初に1次転写されることが望ましく、
図1、
図8(A)に示すように、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)が中間転写ベルト8の走行方向最上流に配置される。これに対して、特色トナーとして白色トナーが用いられる場合には、白色ではない有色のシートP上に画像を形成する目的で用いられるため、シートP上の最下層に2次転写されることが望ましく、
図8(B)に示すように、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)が中間転写ベルト8の走行方向最下流に配置される。そして、そのような特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)の配置(設置位置)の変更にともない、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)の配置が入れ替えられるように変更されることになる。また、これらの入れ替え作業は、画像形成装置100の外装部に設置された表示パネルに表示される操作マニュアルに基いて、ユーザー(又は、サービスマン)によって手動でおこなわれることになる。
このような、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)と、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)と、の配置の変更については、後でさらに詳しく説明する。
【0017】
図2を参照して、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Yは、像担持体としての感光体ドラム1Yと、感光体ドラム1Yの周囲に配設された帯電装置4Y、現像装置5Y、クリーニング装置2Yが一体化されたユニット(着脱ユニット)である。そして、感光体ドラム1Y上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、感光体ドラム1Y上にイエロー画像が形成されることになる。
【0018】
なお、他の4つのプロセスカートリッジ6M、6C、6K、6Sも、使用されるトナーの色(種類)が異なる以外は、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Yとほぼ同様の構成となっていて、それぞれのトナー色に対応した画像が形成される。以下、他の4つのプロセスカートリッジ6M、6C、6K、6Sの説明を適宜に省略して、イエローに対応したプロセスカートリッジ6Yのみの説明をおこなうことにする。
【0019】
図2を参照して、像担持体としての感光体ドラム1Yは、駆動モータによって反時計方向に回転駆動される。そして、帯電装置4Yの位置で、感光体ドラム1Yの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、露光部7Y(書込み装置)から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によってイエローに対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0020】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、現像装置5Yとの対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、イエローのトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム1Yの表面は、中間転写ベルト8及び1次転写ローラ9Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上のトナー像が中間転写体としての中間転写ベルト8上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム1Y上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
【0021】
その後、感光体ドラム1Yの表面は、クリーニング装置2Yとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1Y上に残存した未転写トナーがクリーニングブレード2aによってクリーニング装置2Y内に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム1Yの表面は、除電装置との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム1上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム1Y上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
【0022】
なお、上述した作像プロセスは、他のプロセスカートリッジ6M、6C、6K、6Sでも、イエローのプロセスカートリッジ6Yと同様におこなわれる。すなわち、プロセスカートリッジの上方に配設された各露光部7M、7C、7K、7Sから、画像情報に基いたレーザ光Lが、各プロセスカートリッジ6M、6C、6K、6Sの感光体ドラム上に向けて照射される。詳しくは、露光部は、光源からレーザ光Lを発して、そのレーザ光Lを回転駆動されたポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学素子を介して感光体ドラム上に照射する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写する。こうして、中間転写ベルト8上に所望のカラー画像が形成される。
【0023】
なお、中間転写ベルトユニット15(中間転写ベルト装置)は、中間転写体としての中間転写ベルト8、5つの1次転写ローラ(9Y)、駆動ローラ、2次転写対向ローラ、複数のテンションローラ、クリーニング対向ローラ、中間転写クリーニング装置、等で構成される。中間転写ベルト8(中間転写体)は、複数のローラ部材によって張架・支持されるとともに、1つのローラ部材(駆動ローラ)の回転駆動によって
図1の矢印方向(時計方向)に無端移動される。
【0024】
5つの1次転写ローラ(9Y)は、それぞれ、中間転写ベルト8を感光体ドラム(1Y)との間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写ローラ(9Y)に、トナーの極性とは逆の転写電圧(1次転写バイアス)が印加される。
そして、中間転写ベルト8は、矢印方向に走行して、1次転写ローラ(9Y)の1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム(1Y)上の各色のトナー像が、中間転写ベルト8上に重ねて1次転写される。
【0025】
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト8は、2次転写ローラ19との対向位置に達する。この位置では、2次転写対向ローラが、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト8上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された用紙等のシートP上に転写される。このとき、中間転写ベルト8には、シートPに転写されなかった未転写トナーが残存する。
【0026】
その後、中間転写ベルト8は、中間転写クリーニング装置の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト8上の未転写トナーが除去される。
こうして、中間転写ベルト8上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
【0027】
ここで、
図1を参照して、2次転写ニップの位置に搬送されるシートPは、装置本体100の下方に配設された給紙ユニット26(給紙カセット)から、給紙ローラ27やレジストローラ対28等が配設された搬送経路K1を経由して搬送されるものである。
詳しくは、給紙ユニット26には、シートPが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ27が
図1の反時計方向に回転駆動されると、一番上のシートPがレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。
【0028】
レジストローラ対28(タイミングローラ対)に搬送されたシートPは、回転駆動を停止したレジストローラ対28のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト8上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対28が回転駆動されて、シートPが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、シートP上に、所望のカラー画像が転写される。
【0029】
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着ベルト及び圧力ローラによる熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像がシートP上に定着される(定着工程である。)。
その後、シートPは、排出経路K2を経由して排紙ローラ対によって装置外へと排出される。排紙ローラ対によって装置外に排出されたシートPは、出力画像として、スタック部上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0030】
次に、
図2を用いて、プロセスカートリッジにおける現像装置の構成・動作について、さらに詳しく説明する。
現像装置5Yは、感光体ドラム1Yに対向する現像ローラ51、現像ローラ51に対向するドクターブレード52、現像剤収容部に配設された2つの搬送スクリュ55と、現像剤中のトナー濃度を検知する濃度検知センサ56、現像剤収容部にトナー(現像剤)を補給するためのユニット側開口部57、等で構成される。現像ローラ51は、内部に固設されたマグネットや、マグネットの周囲を回転するスリーブ等で構成される。現像剤収容部内には、キャリアとトナーとからなる2成分現像剤Gが収容されている。
【0031】
このように構成された現像装置5Yは、次のように動作する。
現像ローラ51のスリーブは、
図2の矢印方向に回転している。そして、マグネットにより形成された磁界によって現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転にともない現像ローラ51上を移動する。
【0032】
ここで、現像装置5Y内の現像剤Gは、現像剤中のトナーの割合(トナー濃度)が所定の範囲内になるように調整される。詳しくは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、トナー容器32Y(現像剤容器)に収容されているトナー(粉体)が、現像剤補給装置90Yによって現像装置5Y(現像剤収容部)内に補給される。なお、トナー容器32Yや現像剤補給装置90Yの構成・動作については、後で詳しく説明する。
【0033】
その後、現像装置5Y(現像剤収容部)内に補給されたトナーは、2つの搬送スクリュ55によって、現像剤Gとともに混合・撹拌されながら、仕切り部材によって仕切られた2つの現像剤収容部を循環する(
図2の紙面垂直方向の長手方向の移動である。)。そして、2成分現像剤G中のトナーは、キャリアとの摩擦帯電によりキャリアに吸着して、現像ローラ51上に形成された磁力によりキャリアとともに現像ローラ51上に担持される。
【0034】
現像ローラ51上に担持された現像剤Gは、スリーブの回転方向に沿うように搬送されて、ドクターブレード52の位置に達する。そして、現像ローラ51上の現像剤Gは、この位置で現像剤量が適量化された後に、感光体ドラム1Yとの対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界によって、感光体ドラム1Y上に形成された潜像にトナーが吸着される。その後、現像ローラ51上に残った現像剤Gはスリーブの回転にともない現像剤収容部の上方に達して、この位置で現像ローラ51から離脱されて現像剤収容部に戻される。
【0035】
次に、
図3にて、イエロー用の現像剤補給装置90Yの構成・動作について、簡単に説明する。
なお、本実施の形態では、他の2つのカラー用の現像剤補給装置(マゼンタ用の現像剤補給装置90M、シアン用の現像剤補給装置90Cである。)も、使用されるトナーの色(種類)が異なる以外は、イエロー用の現像剤補給装置90Yとほぼ同様の構成となっているため、それらの現像剤補給装置90M、90Cの説明を適宜に省略して、イエロー用の現像剤補給装置90Yのみの説明をおこなうことにする。
【0036】
イエロー用の現像剤補給装置90Yは、設置部31に設置された現像剤容器としてのトナー容器32Yを所定方向(
図3の矢印方向である。)に回転駆動して、トナー容器32Y内に収容されたトナーを容器外に排出して、現像装置5Yに導くためのものであって、トナー補給経路(トナー搬送経路)を形成している。
なお、
図3(及び、後述する
図5)は、理解を容易にするために、トナー容器32Y、現像剤補給装置90Y、現像装置5Yの配置方向などを変えて図示している。実際には、
図3において、トナー容器32Yと現像剤補給装置90Yの一部との長手方向が紙面垂直方向になるように配設されている(
図1参照)。また、チューブ95Y(搬送路)の向きや配置も簡略化して図示している。
【0037】
画像形成装置本体100の設置部31に設置されたトナー容器32Y内のトナーは、現像装置5Y内のトナー消費に応じて、現像剤補給装置90Yによって適宜に現像装置5Y内に補給される。
詳しくは、トナー容器32Yが装置本体100の設置部31にセットされると、トナー容器32Yのボトル・ギア37が装置本体100の駆動ギア110に噛合するとともに、キャップ受部91のキャップ開閉チャック92によってトナー容器32Yからキャップ34(トナー排出口Cを塞ぐための部材である。)が取り外される。これにより、トナー容器32Yのトナー排出口C(開口部)が開放されて、トナー容器32Y内に収容されたトナーの排出が可能になる。
【0038】
一方、現像剤補給装置90Yにおいて、開放されたトナー排出口Cの下方には、落下経路部82を介して貯留部81Yが設けられている。貯留部81Yの底部には吸引口83が設けられていて、この吸引口83がノズルを介してチューブ95Y(搬送路)の一端に接続されている。チューブ95Yは、親トナー性の低いフレキシブルなゴム材料からなり、その他端が搬送ポンプ60Y(ダイヤフラムポンプ)に接続されている。搬送ポンプ60Yは、サブホッパ70Y、搬送管98を介して現像装置5Yに接続されている。
このように構成された現像剤補給装置90Yにおいて、駆動モータ115によって駆動ギア110が駆動されるとトナー容器32Yの容器本体33が所定方向に回転駆動されて、トナー容器32Yのトナー排出口Cからトナーが排出される。トナー容器32Yから排出されたトナーは、落下経路部82を落下して貯留部81に貯留される。貯留部81に貯留されたトナーは、搬送ポンプ60Yが稼働することで、吸引口83から吸引されてチューブ95Yを介して搬送ポンプ60Yからサブホッパ70Yに向けて搬送される。そして、被補給部としてのサブホッパ70Yに搬送(補給)されたトナーは、垂直方向に延在する搬送管98を介して、現像装置5Y内に補給される。すなわち、トナー容器32Y内のトナーは、
図3中の破線矢印方向に搬送されることになる。なお、本実施の形態において、サブホッパ70Yと現像装置5Yとを中継する搬送管98(搬送パイプ)は、チューブ95Yとは異なり、変形しにくい硬質な樹脂材料や金属材料で形成されている。
【0039】
次に、
図4にて、現像剤補給装置90Yにおける搬送ポンプ60Y及びサブホッパ70Yについて詳述する。
図4を参照して、本実施の形態における搬送ポンプ60Yは、ダイヤフラムポンプ(容積式ポンプ)であって、ダイヤフラム61(ゴム部材)、ケース62、モータ67、回転板68、逆止弁63、64、シール部材65、66(弾性部材)、等で構成されている。このように構成された搬送ポンプ60Yは、比較的小型かつ低コストのものである。
【0040】
ここで、ケース62とダイヤフラム61とでポンプ本体を形成する。
ケース62は、剛性を有する樹脂材料又は金属材料からなり、ポンプ本体の主部(ハウジング)として機能する。ケース62(ポンプ本体)には、内部に向けて現像剤を空気とともに流入するための流入口Aと、内部から現像剤を空気とともに流出するための流出口Bと、が形成されている。
ダイヤフラム61は、親トナー性が低く弾性を有するゴム材料で形成されていて、椀状に形成された部分の内部が容積可変部Wとして機能して、その外周部に起立するようにアーム部61a(その穴部に回転板68の偏心軸68aが嵌合している。)が形成されている。ダイヤフラム61はケース62に対して隙間が生じないように接合されていて、ダイヤフラム61の容積可変部Wと、ケース62の内部と、がポンプ本体の内部において1つの閉空間として形成されている。そして、ポンプ本体61、62は、後述する回転板68(偏心軸68a)の回転にともなうダイヤフラム61の伸縮動作によって、内部の容積を増減させて正圧と負圧とを交互に発生させることになる。
【0041】
回転板68は、モータ67のモータ軸に設置されていて、その面上においてモータ軸(回転中心)から偏心した位置に起立するように偏心軸68aが設けられている。回転板68の偏心軸68aは、ダイヤフラム61におけるアーム部61aの先端部に形成された穴部に挿入(嵌合)されている。
このような構成により、制御部120に制御されてモータ67が駆動されることで、回転板68(偏心軸68a)が回転して、それにともないダイヤフラム61が容積可変部Wの容積を周期的に増減するように伸縮することになる。そして、このようなダイヤフラム61の伸縮動作にともない、ポンプ本体61、62の内部に正圧と負圧とが交互に発生されることになる。
【0042】
ここで、ポンプ本体(ケース62)の流入口Aには、流入側逆止弁63が設置されている。この流入側逆止弁63は、ポンプ本体61、62の内部に負圧が発生したときに流入口Aを開放して、ポンプ本体61、62の内部に正圧が発生したときに流入口Aを閉鎖するものである。流入側逆止弁63は、ポンプ本体61、62の内側(内部)から流入口Aに対向するように配設されている。搬送ポンプ60Yにおける流入口Aの側には、チューブ95Yを介して貯留部81が接続されている。
他方、ポンプ本体(ケース62)の流出口Bには、流出側逆止弁64が設置されている。この流出側逆止弁64は、ポンプ本体61、62の内部に負圧が発生したときに流出口Bを閉鎖して、ポンプ本体61、62の内部に正圧が発生したときに流出口Bを開放するものである。流出側逆止弁64は、ポンプ本体61、62の外側から流出口Bに対向するように配設されている。搬送ポンプ60Yにおける流出口Bの側には、サブホッパ70Yが接続されている。
このような構成・動作により、先に
図3を用いて説明したように、搬送ポンプ60Yが稼働することで、補給元となる貯留部81の内部に貯留されたトナーが吸引口83から吸引されてチューブ95Yを搬送された後に、搬送ポンプ60Yを介してサブホッパ70Y内にトナーが搬送されることになる。詳しくは、サブホッパ70Yのホッパ残量センサ76がサブホッパ70内におけるトナー量の不足を検知すると、搬送ポンプ60Y(モータ67)を駆動して、貯留部81からサブホッパ70Yへのトナー補給をおこなう。
なお、搬送ポンプ60Y(モータ67)は、ホッパ残量センサ76がサブホッパ70内におけるトナー量が所定量に達しておらず不足状態を検知したときに、比較的短い周期で間欠的に駆動される。これにより、サブホッパ70Yにおける搬送スクリュ71、72によるトナー搬送量が、搬送ポンプ60Yから供給されるトナー量に追いつかずに、サブホッパ70Yの一部でトナーが滞留する不具合が防止されることになる。
【0043】
図4を参照して、被補給部としてのサブホッパ70Yには、2つの搬送スクリュ71、72、ホッパ残量センサ76、補給モータ121(
図3を参照できる。)、等が設置されている。また、サブホッパ70Yの第1搬送経路(第1搬送スクリュ71が設置された搬送経路である。)の上流側の上方には、搬送ポンプ60Yの流出口Bに連通する補給口が形成されている。サブホッパ70Yの第2搬送経路(第2搬送スクリュ72が設置された搬送経路である。)の下流側の下方には排出口74が形成されていて、この排出口74が搬送管98(搬送パイプ)を介して現像装置5Yに接続されている。また、サブホッパ70Yの第2搬送経路の上方には、搬送ポンプ60Yからトナーとともに送入された空気を排出するための排気口75が設けられている。
ホッパ残量センサ76は、上述したように、サブホッパ70Yに収容されたトナー(現像剤)が所定量に達していない不足状態を検知する検知手段として機能するものである。
【0044】
ここで、サブホッパ70Yにおいて、第1搬送経路の下流側と第2搬送経路の上流側とは長手方向(
図3及び
図4の紙面垂直方向である。)の一端側で連通しているが、その連通部分を除いて第1搬送経路と第2搬送経路とは壁部で隔絶されている。
そして、サブホッパ70Y内に補給されたトナーは、補給モータ121によって回転駆動される搬送スクリュ71、72によって、サブホッパ70Y内の第1搬送経路、第2搬送経路の順に搬送されて、その後にサブホッパ70Yから搬送管98を介して現像装置5Y内に補給される。詳しくは、現像装置5Yの濃度検知センサ56が現像剤収容部(搬送スクリュ55による循環経路である。)におけるトナー濃度の不足を検知すると、制御部120による制御によってサブホッパ70Yの搬送スクリュ71、72を回転駆動して、サブホッパ70Yから現像装置5Yへのトナー補給をおこなう。
このように、本実施の形態では、貯留部81Yから搬送ポンプ60Yに至るトナーの搬送路をフレキシブルなチューブ95Yで形成している。そのため、貯留部81Yと搬送ポンプ60Yとの間の空間に種々の部材が設置されている場合であっても、それらの部材を避けるようにチューブ95Yを配回してトナーの搬送路を形成することができる。したがって、トナー容器32Yの設置部31を現像装置5Yから離れた位置に比較的自由にレイアウトすることができる。
【0045】
次に、
図3を用いて、トナー容器32Yについての説明と、それに付随する現像剤補給装置90Yについての説明と、をおこなう。
先に説明したように、トナー容器32Yは、主として、容器本体33と、そのトナー排出口Cに着脱可能に設けられたキャップ34(栓部材)と、で構成される。
容器本体33の頭部には、容器本体33と一体的に回転するボトル・ギア37と、トナー排出口Cと、が設けられている。ボトル・ギア37は、装置本体100の駆動ギア110と噛合して容器本体33を所定方向に回転駆動するためのものである。また、トナー排出口Cは、容器本体33内に収容された現像剤としてのトナー(粉体)を落下経路部82に向けて排出するためのものである。
容器本体33には、外周面から内周面にかけて、螺旋状の突起33aが設けられている。この螺旋状の突起33aは、容器本体33を回転駆動してトナー排出口Cからトナーを排出するためのものである。
なお、このように構成された容器本体33は、ボトル・ギア37とともにブロー成形にて製造することができる。
【0046】
一方、
図3を参照して、現像剤補給装置90Yのキャップ受部91は、設置部31(現像剤補給装置90Y)に設置された状態のトナー容器32Yの頭部を覆うように設けられている。
キャップ受部91には、トナー容器32Yの着脱動作に連動してキャップ34の開閉動作をおこなうキャップ開閉チャック92や、キャップ開閉チャック92を駆動する開閉駆動部が設けられていて、落下経路部82などとともに、貯留部81Yの一部として設けられている。そして、設置部31上に載置されたトナー容器32Yがキャップ受部91に向けてスライド移動されて、キャップ34がキャップ開閉チャック92の位置に達すると、さらにトナー容器32Yをスライド移動させて押し込む動作に連動して、キャップ開閉チャック92がキャップ34を挟んだ状態でトナー排出口Cからキャップ34を離脱させるように開閉駆動部が稼働する。これにより、トナー容器32Yのトナー排出口Cが開放された状態になって、トナー排出口Cからのトナー排出が可能になる。また、このようなトナー容器32Yの装着動作に連動して、ロック機構が稼働してトナー容器32Yの頭部側が設置部31から取り外されないようにロックされる。このとき、トナー容器32Yは、現像剤補給装置90Y(設置部31)に対して、そのトナー排出口C(頭部)の側が回転可能に固定されて、容器本体33が設置部31上において回転可能に保持されることになる。
また、設置部31(トナー容器受台)に対してトナー容器32Yが離脱されるときには、上述した装着時の動作と逆の動作がおこなわれることになる。
【0047】
現像剤補給装置90Yの貯留部81Yは、落下経路部82を落下したトナーが貯留されるように略椀状に形成されていて、その内部にはトナー検知センサ86や撹拌部材が設置されている。搬送ポンプ60Yは、搬送路としてのチューブ95Yを介して貯留部81Yの吸引口83に接続されていて、貯留部81Yに貯留されたトナーを吸引してチューブ95Y内を搬送させる。
このように、本実施の形態では、トナー容器32Yから排出されたトナーを搬送ポンプ60Yによって直接的に吸引するのではなくて、トナー容器32Yから排出されて貯留部81Yにある程度貯留されたトナーのうち、必要な量だけ搬送ポンプ60Yで吸引するように構成しているため、搬送ポンプ60Yで吸引するトナー量に不足が生じてしまう不具合を確実に軽減することができる。
【0048】
トナー検知センサ86は、トナー容器32Yの内部に収容されたトナーが空になった状態(トナーエンド状態)、又は、それに近い状態(トナーニアエンド状態)を間接的に検知するためのものであって、吸引口83に近い位置に設置している。そして、トナー検知センサ86の検知結果に基いて、トナー容器32Yからトナーを排出している。
詳しくは、トナー検知センサ86としては、圧電センサ、透過光センサなどを用いることができる。本実施の形態では、トナー検知センサ86として圧電センサを用いている。トナー検知センサ86の検知面の高さは、吸引口83の上方に堆積されるトナー量(堆積高さ)が狙いの値になるように設定されている。
そして、トナー検知センサ86の検知結果に基いて、制御部120による制御によって、トナー容器32Y(容器本体33)を回転駆動する駆動モータ115の駆動タイミングや駆動時間が制御される。具体的に、トナー検知センサ86によってその位置にトナーがないものと判別された場合には駆動モータ115が所定時間だけ駆動されて、トナー検知センサ86によってその位置にトナーがあるものと判別された場合には駆動モータ115の駆動が停止されることになる。
【0049】
以下、
図5等を用いて、本実施の形態において特徴的な、特色用の現像剤補給装置90S(及び、黒色用の現像剤補給装置90K)の構成・動作について説明する。
なお、特色用の現像剤補給装置90S(及び、黒色用の現像剤補給装置90K)は、使用されるトナーの色(種類)が異なる点と、搬送路としてのチューブ95S、96S(95K、96K)の途中に中継部140S(140K)が設置されている点と、を除いて、
図3を用いて説明したイエロー用の現像剤補給装置90Y(及び、マゼンタ用の現像剤補給装置90M、シアン用の現像剤補給装置90C)とほぼ同様の構成となっているため、双方の共通する構成や動作の説明を適宜に省略することにする。
また、黒色用の現像剤補給装置90Kは、使用されるトナーの色(種類)が異なる以外は、特色用の現像剤補給装置90Sとほぼ同様の構成となっているため、その説明を適宜に省略して、特色用の現像剤補給装置90Sのみの説明をおこなうことにする。
【0050】
特色用の現像剤補給装置90S(又は、黒色用の現像剤補給装置90K)は、カラー用の現像剤補給装置90Y、90M、90Cと同様に、現像剤容器としてのトナー容器32S(32K)に収容されたトナー(現像剤)を被補給部(補給先)としてのサブホッパ70S(70K)に向けて補給するものである。
【0051】
図5(及び、
図8)に示すように、現像剤補給装置90S(90K)は、トナー容器32Sが設置される設置部31、キャップ受部91などが設置された貯留部81S(81K)、搬送ポンプ60S(60K)、被補給部としてのサブホッパ70S(70K)、上流側搬送路としての上流側チューブ95S(95K)、下流側搬送路としての下流側チューブ96S(96K)、上流側チューブ95S(95K)と下流側チューブ96S(96K)とを中継する中継部140S(140K)、などで構成されている。
【0052】
ここで、本実施の形態において、特色用の現像剤補給装置90Sは、
図6(B)に示すように、トナー容器32Sと貯留部81Sとが一体的に、現像剤補給装置90Sに対して着脱できるように構成されている。具体的に、上流側チューブ95Sの上流側開口(ノズル部)に対して、トナー容器32Sと貯留部81Sとが一体化されたユニットの吸引口83が着脱可能に設置されることになる。このように、トナー容器32Sと貯留部81Sとを一体化したユニットとして構成することで、種類の異なる特色用のトナー容器32Sに交換しても、交換後の特色トナーが貯留されるべき貯留部81Sに、交換前の特色トナーが混色される不具合を軽減することができる。
これに対して、
図6(A)に示すように、黒色用の現像剤補給装置90Kは、カラー用の現像剤補給装置90Y、90M、90Cと同様に、トナー容器32Kが貯留部81K(現像剤補給装置90K)に対して着脱できるように構成されている。
ここで、いずれの現像剤補給装置90Y、90M、90C、90K、90Sにおいても、下流側チューブ96S、96Kを除くチューブ95Y、95M、95C、95K、95Sは、先に説明したように、種々の部材が密集する空間に配回されていて、その交換作業が困難であるため、原則的に画像形成装置本体100からユーザーが取り外さなくても良いように固定されている。
【0053】
なお、特色用の現像剤補給装置90Sを、その他の現像剤補給装置90Y、90M、90C、90Kと同じように構成することもできるし、その他の現像剤補給装置90Y、90M、90C、90Kを特色用の現像剤補給装置90Sと同じように構成することもできる。
また、トナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sを貯留部81Y、81M、81C、81K、81Sを介してチューブ95Y、95M、95C、95K、95Sに間接的に接続するのではなくて、トナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sをチューブ95Y、95M、95C、95K、95Sに直接的に接続するように構成することもできる。特に、特色用の現像剤補給装置90Sは、そのように構成することで、先に
図6(B)を用いて説明したような、チューブ95Sにノズル部を介して着脱されるトナー容器32S側のユニットが、簡略化されることになる。
【0054】
また、本実施の形態において、特色用の現像剤補給装置90Sは、
図7に示すように、搬送ポンプ60Sが、現像剤補給装置90Sに対してサブホッパ70S(被補給部)とともに一体的に着脱可能に構成されている。さらに、搬送ポンプ60Sとサブホッパ70Sと下流側チューブ96Sとが一体化されたユニットに対して、現像装置5S(プロセスカートリッジ6Sに搬送管98が接続された状態のものである。)が着脱可能に構成されている。そして、種類の異なる特色用のトナー容器32S(及び、貯留部81S)に交換されるときに、それに対応するように、種類の異なる特色用の搬送ポンプ60S及びサブホッパ70S及び下流側チューブ96Sと、種類の異なる特色用の現像装置5Sと、が
図7に示すように着脱されることになる。これにより、交換後の特色トナーが収納されるべき現像装置5Sやサブホッパ70Sに、交換前の特色トナーが混色される不具合を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、
図7に示すように、搬送ポンプ60Sとサブホッパ70Sと下流側チューブ96Sが一体化されたユニットに、現像装置5Sの着脱動作に連動して排出口74を開閉するシャッタ79が設けられている。これにより、搬送ポンプ60Sとサブホッパ70Sと下流側チューブ96Sとが一体化されたユニットに対して、現像装置5Sが取り外された場合であっても、サブホッパ70Sの排出口74からトナーが漏出する不具合を防止することができる。
また、本実施の形態では、黒色用の現像剤補給装置90Kも、特色用の現像剤補給装置90Sと同様に、
図7に示すように搬送ポンプ60Kとサブホッパ70Kと下流側チューブ96Kとが一体化されたユニットと、現像装置5Kと、がそれぞれ別々に着脱されるように構成されている。
【0055】
先に
図1等を用いて説明したように、本実施の形態における画像形成装置100には、所定の走行方向(
図1の時計方向である。)に走行する中間転写体としての中間転写ベルト8や、中間転写ベルト8(中間転写体)に対向するように中間転写ベルト8の走行方向に沿って並設された複数の像担持体としての感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1Sが設置されている。また、
図8に示すように、画像形成装置100には、複数の感光体ドラム1Y、1M、1C、1K、1Sに形成された潜像をそれぞれ現像する複数の現像装置5Y、5M、5C、5K、5Sや、現像剤としてのトナーがそれぞれ収容された複数のトナー容器32Y、32M、32C、32K、32S(現像剤容器)や、複数のトナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sに収容されたトナーを複数の現像装置5Y、5M、5C、5K、5Sにそれぞれ補給するための複数のチューブ95Y、95M、95C、95K、95S、などが設置されている。
【0056】
そして、本実施の形態では、先に説明したように、必要に応じて、複数のトナー容器32Y、32M、32C、32K、32S(現像剤容器)の配置(配列)を変更することなく、複数の現像装置5Y、5M、5C、5K、5Sの走行方向の配置(中間転写ベルト8の走行方向に沿った並び順である。)を変更している。
詳しくは、先に説明したように、複数の現像装置5Y、5M、5C、5K、5Sは、それぞれ、複数の感光体ドラムのうち対応する感光体ドラムとともにプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6Sを構成している。したがって、複数のトナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sの配置を変更している。
【0057】
特に、本実施の形態では、
図8に示すように、5つのトナー容器32Y、32M、32C、32K、32S(及び、5つの貯留部81Y、81M、81C、81K、81S)の配置を変更することなく、5つの現像装置5Y、5M、5C、5K、5S(プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S)及びサブホッパ70Y、70M、70C、70K、70Sのうち、最上流に位置する現像装置5S(プロセスカートリッジ6S)及びサブホッパ70S(及び、搬送ポンプ60S、下流側チューブ96S)と、最下流に位置する現像装置5K(プロセスカートリッジ6K)及びサブホッパ70K(及び、搬送ポンプ60K、下流側チューブ96K)と、の配置を変更している。このような配置の変更作業をおこなうことで、配置変更の前後で黒色と特色とが混色する不具合を防止することができる。
【0058】
このように、本実施の形態における画像形成装置100は、複数のトナー容器32S、32K(現像剤容器)から複数のサブホッパ70S、70K(被補給部)に向けてトナー(現像剤)をそれぞれ搬送するための複数の搬送路としてのチューブ95S(96S)、95K(96K)が設けられている。
そして、本実施の形態では、その複数のチューブのうち少なくとも1つの搬送路(本実施の形態では、2つの搬送路としてのチューブ95S(96S)、95K(96K)である。)の途中に、上流側搬送路としての上流側チューブ95S、95Kと、下流側搬送路としての下流側チューブ96S、96Kと、のうち一方を接離可能な中継部140S、140Kが設けられている。
【0059】
詳しくは、
図5、
図8に示すように、特色用の現像剤補給装置90Sには、搬送経路として、上流側から、上流側チューブ95S(上流側搬送路)、中継部140S、下流側チューブ96S(下流側搬送路)、が設けられている。中継部140Sは、その搬送路の上流側端部(上流側開口)からも下流側端部(下流側開口)からも充分に離れた位置に設けられている。また、中継部140Sは上流側チューブ95Sにも下流側チューブ96Sにも連通するように形成されていて、上流側チューブ95Sの上流側開口から流入したトナーは、下流側チューブ96Sの下流側開口から流出されることになる。そして、本実施の形態では、中継部140Sに対して下流側チューブ96Sを接続したり分離したりできるように構成されている。
同様に、黒色用の現像剤補給装置90Kには、搬送経路として、上流側から、上流側チューブ95K(上流側搬送路)、中継部140K、下流側チューブ96K(下流側搬送路)、が設けられている。中継部140Kは、その搬送路の上流側端部(上流側開口)からも下流側端部(下流側開口)からも充分に離れた位置に設けられている。また、中継部140Kは上流側チューブ95Kにも下流側チューブ96Kにも連通するように形成されていて、上流側チューブ95Kの上流側開口から流入したトナーは、下流側チューブ96Kの下流側開口から流出されることになる。そして、本実施の形態では、中継部140Kに対して下流側チューブ96Kを接続したり分離したりできるように構成されている。
なお、上流側チューブ95S、95Kも下流側チューブ96S、96Kも、他のチューブ95Y、95M、95Cと同様に、親トナー性の低いフレキシブルなゴム材料で形成されている。
【0060】
ここで、本実施の形態では、複数のトナー容器32Y、32M、32C、32S、32Kの配置が変更されず、複数のサブホッパ70Y、70M、70C、70S、70K(被補給部)のうち少なくとも2つのサブホッパ70S、70Kの配置が変更されるときに、それらのサブホッパ70S、70Kにそれぞれ対応する搬送路の上流側チューブ95S、95Kと中継部140S、140Kとの位置が固定された状態で、下流側チューブ96S、96Kが中継部140S、140Kから取り外された後に、配置が変更されたサブホッパ70S、70Kと中継部140S、140Kとに下流側チューブ96S、96Kが接続される。
【0061】
具体的に、
図8(A)に示すように、特色用の現像装置5S(プロセスカートリッジ6S)及びサブホッパ70S(及び、搬送ポンプ60S)が最上流に配置され、黒色用の現像装置5K(プロセスカートリッジ6K)及びサブホッパ70K(及び、搬送ポンプ60K)が最下流に配置された状態で、まず、中継部140S、140Kから下流側チューブ96S、96Kが取り外される。
そして、
図8(B)に示すように、特色用の現像装置5S(プロセスカートリッジ6S)及びサブホッパ70S(及び、搬送ポンプ60S、下流側チューブ96S)が最下流に配置変更され、黒色用の現像装置5K(プロセスカートリッジ6K)及びサブホッパ70K(及び、搬送ポンプ60K、下流側チューブ96K)が最上流に配置変更される。このとき、トナー容器32S、32K(及び、貯留部81S、81K)、上流側チューブ95S、95Kは、それらの位置が固定されたままである。
そして、
図8(B)に示すように、最下流に配置変更された特色用の下流側チューブ96Sが特色用の中継部140S(位置が固定されている。)に接続され、最上流に配置変更された黒色用の下流側チューブ96Kが黒色用の中継部140K(位置が固定されている。)に接続される。
なお、
図8(B)の状態から
図8(A)の状態に配置変更する場合にも、同じような手順で作業がおこなわれることになる。
【0062】
このように構成することで、トナー容器32Y、32M、32C、32K、32Sや、貯留部81Y、81M、81C、81K、81Sなどの配置(並び順)を変えることなく、
図8(B)に示すような、現像装置5Y、5M、5C、5K、5Sと、サブホッパ70Y、70M、70C、70K、70Sと、搬送ポンプ60Y、60M、60C、60K、60Sと、の並び順で画像形成プロセスをおこなうことが可能になる。このような配置(並び順)で画像形成プロセスをおこなう場合としては、先に説明したように、例えば、特色トナーとして白色トナーが用いられる場合である。
【0063】
そして、本実施の形態において、配置の入れ替えに関わる特色用のチューブと黒色用のチューブとには、それぞれ、中継部140S、140Kが設けられているため、2つのチューブの配回しを変更するときの作業性を高めることができる。
詳しくは、チューブは長いため、中継部140S、140Kが設けられていない場合には、チューブの配回しを変更するときに、チューブが安定しないで接離が難しくなる。これに対して、本実施の形態では、中継部140、140Kが設けられているため、上流側チューブ95S、95Kから中継部140S、140Kまでは位置を固定することができて、中継部140S、140Kと、比較的短い下流側チューブ96S、96Kと、の接離をおこなうのみで、比較的安定した状態でチューブの配回しを変更することができる。したがって、比較的簡易に、特色用のサブホッパ70S、搬送ポンプ60S、プロセスカートリッジ6Sと、黒色用のサブホッパ70K、搬送ポンプ60K、プロセスカートリッジ6Kと、の入れ替え操作をおこなうことができる。
【0064】
ここで、
図8を参照して、本実施の形態において、中継部140S、140Kは、2つのサブホッパ70S、70K(少なくとも2つの被補給部の配置の変更にともない配置が入れ替えられる2つの被補給部である。)から略等距離(X0/2)の位置に配置されている。
これにより、
図8(A)の状態から
図8(B)の状態(又は、
図8(B)の状態から
図8(A)の状態)への現像装置5K、5S(プロセスカートリッジ6K、6S)及びサブホッパ70K、70S(及び、搬送ポンプ60K、60S)の配置の変更をおこなうときに接離される下流側チューブ96S、96Kの長さに過不足が生じにくく、搬送路を全体的に最適な長さに設定することができる。
【0065】
<変形例1>
図9は、変形例1としての中継部140S、140Kを示す斜視図である。
図9に示すように、変形例1において、中継部140S、140Kは、下流側チューブ96S、96Kを接離可能な2つのジョイント部140b、140cが、異なる向きに開口するように形成されている。
詳しくは、中継部140S、140Kは、その分岐部140aの上流側端部に、上流側チューブ95S、95Kが接続されている。また、分岐部140aの下流側は、第1ジョイント部140bと第2ジョイント部140cとに分岐している。2つのジョイント部140b、140cは、互いに、約180度ずれた位置に配置されていて、緩やかに湾曲して、下流側開口が異なる方向を向いている。第1ジョイント部140bは最上流に位置するサブホッパに向けて開口していて、第2ジョイント部140cは最下流に位置するサブホッパに向けて開口している。そして、最上流側のサブホッパに接続された下流側チューブ96S、96Kは第1ジョイント部140bに接続され、最下流側のサブホッパに接続された下流側チューブ96S、96Kは第2ジョイント部140cに接続されることになる。なお、2つのジョイント部140b、140cのうち、下流側チューブ96S、96Kに接続されないジョイント部は、その開口がシャッタなどで閉鎖されることが好ましい。
このように構成された中継部140S、140Kを使用することで、
図8(A)の状態から
図8(B)の状態(又は、
図8(B)の状態から
図8(A)の状態)への配置変更をするときの、下流側チューブ96S、96Kの接離の作業性をさらに高めることができる。
【0066】
<変形例2>
図10(A)は、中間転写ベルト8に対して走行方向上流側から特色、カラー色、黒色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図であって、
図10(B)は中間転写ベルト8に対して走行方向上流側からカラー色、黒色、特色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図であって、それぞれ本実施の形態における
図8(A)、(B)に対応する図である。
図10(A)に示すように、変形例2においても、5つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S(現像装置5Y、5M、5C、5K、5S)の基本的な並び順(配置)は、中間転写ベルト8の走行方向上流側から、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)、イエロー用のプロセスカートリッジ6Y(現像装置5Y)、マゼンタ用のプロセスカートリッジ6M(現像装置5M)、シアン用のプロセスカートリッジ6C(現像装置5C)、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)、となっている。
ところが、変形例2では、
図10(B)に示すように、5つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S(現像装置5Y、5M、5C、5K、5S)の並び順(配置)を変更する場合、中間転写ベルト8の走行方向上流側から、イエロー用のプロセスカートリッジ6Y(現像装置5Y)、マゼンタ用のプロセスカートリッジ6M(現像装置5M)、シアン用のプロセスカートリッジ6C(現像装置5C)、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)、となっている。すなわち、特色用のプロセスカートリッジ6S(及び、サブホッパ70S、搬送ポンプ60S)は最上流側から最下流側に配置変更され、その他の4つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K(及び、サブホッパ70Y、70M、70C、70K、搬送ポンプ60Y、60M、60C、60K)は、それぞれ配置が1つ上流側にずれることになる。
そして、変形例2では、すべての色の搬送路に、上流側チューブ95Y、95M、95C、95K、95S、中継部140Y、140M、140C、140K、140S、下流側チューブ96Y、96M、96C、96K、96Sが設けられている。また、本実施の形態のものと同様に、上流側チューブ95Y、95M、95C、95K、95Sと、中継部140Y、140M、140C、140K、140Sと、は固定されていて、配置変更のときに中継部140Y、140M、140C、140K、140Sに対して下流側チューブ96Y、96M、96C、96K、96Sが接離されることになる。
さらに、本実施の形態のものと同様に、中継部140Y、140M、140C、140K、140Sは、配置が入れ換えられる2つのサブホッパから略等距離の位置に配置されている。具体的に、特色用の中継部140Sは、最上流のサブホッパと最下流のサブホッパとから略等距離(X0/2)の位置に配置されている。また、その他の中継部140Y、140M、140C、140Kは、隣接するサブホッパから略等距離(X1/2、X2/2、X2/2、X4/2)の位置に配置されている。
そして、変形例2においても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0067】
<変形例3>
図11(A)は、中間転写ベルト8に対して走行方向上流側から特色、カラー色、黒色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図であって、
図11(B)は中間転写ベルト8に対して走行方向上流側から黒色、カラー色、特色の順番でトナー像を1次転写するときの各部材の配列を示す概略図であって、それぞれ本実施の形態における
図8(A)、(B)に対応する図である。
図11(A)に示すように、変形例3においても、5つのプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6K、6S(現像装置5Y、5M、5C、5K、5S)の基本的な並び順(配置)は、中間転写ベルト8の走行方向上流側から、特色用のプロセスカートリッジ6S(現像装置5S)、イエロー用のプロセスカートリッジ6Y(現像装置5Y)、マゼンタ用のプロセスカートリッジ6M(現像装置5M)、シアン用のプロセスカートリッジ6C(現像装置5C)、黒色用のプロセスカートリッジ6K(現像装置5K)、となっている。そして、
図11(B)に示すように、変形例3においても、特色用のプロセスカートリッジ6S(及び、サブホッパ70S、搬送ポンプ60S)と、黒色用のプロセスカートリッジ6K(及び、サブホッパ70K、搬送ポンプ60K)と、の配置が入れ替えられることになる。
なお、変形例3において、トナー容器と貯留部との配置は、上流側から、イエロー、マゼンタ、シアン、黒色、特色の順になっている。
ここで、変形例3では、
図11に示すように、複数のトナー容器32Y、32M、32C、32K、32S(現像剤容器)の配置が変更されず、複数のサブホッパ70Y、70M、70C、70K、70S(被補給部)のうち少なくとも2つのサブホッパ70S、70Kの配置が変更されるときに、配置が入れ替えられる2つのサブホッパ70S、70Kのうち1つのサブホッパ70Sに対応する搬送路の下流側チューブ97(下流側搬送路)と中継部141との位置が固定された状態で、上流側チューブ95S(上流側搬送路)が中継部141から取り外された後に、配置が入れ替えられた1つのサブホッパ70Sに上流側チューブ95Sが接続され、配置が入れ替えられたもう1つのサブホッパ70Kに下流側チューブ97が接続されるとともに、そのサブホッパ70Kに対応するチューブ95Kが上流側搬送路として中継部141に接続される。
具体的に、
図11(A)に示すように、基本的な並び順であるとき、特色用のトナー容器32S(及び、貯留部81S)とサブホッパ70S(及び、搬送ポンプ60S)とを結ぶ搬送路は、上流側チューブ95S、中継部141、下流側チューブ97で構成されている。これに対して、黒色用のトナー容器32K(及び、貯留部81K)とサブホッパ70K(及び、搬送ポンプ60K)とを結ぶ搬送路は、一本のチューブ95Kのみで構成されている。ここで、中継部141と下流側チューブ97とは固定されていて、中継部141に対して上流側チューブ95S(95K)が接離可能に構成されている。
そして、
図11(B)に示すように、並び順が変更されるときには、まず、特色用の上流側チューブ95Sが中継部141から取り外され、黒色用のチューブ95Kもサブホッパ70Kから取り外される。そして、サブホッパ70S、70Kや現像装置5S、5Kの配置が変更された後に、黒色用のチューブ95Kが上流側チューブとして中継部141に接続され、特色用の上流側チューブ95Sの下流側端部が、最下流に位置するサブホッパ70Sに接続される。
このように構成した場合であっても、2つの搬送路の配回しを変更するときの作業性を高めることができる。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態における画像形成装置100は、トナー(現像剤)がそれぞれ収容された複数のトナー容器32S、32K(現像剤容器)と、複数のトナー容器32S、32Kから複数のサブホッパ70S、70K(被補給部)に向けてトナーをそれぞれ搬送するための複数の搬送路(チューブ95S、95K、96S、96K)と、が設けられている。そして、複数の搬送路のうち少なくとも1つの搬送路は、その途中に、上流側チューブ95S、95K(上流側搬送路)と下流側チューブ96S、96K(下流側搬送路)とのうち一方を接離可能な中継部140S、140Kが設けられている。
これにより、複数の搬送路の配回しを変更するときの作業性を高めることができる。
【0069】
なお、本実施の形態では、現像装置5Yが感光体ドラム1Y(像担持体)と帯電装置4Yとクリーニング装置2Yとともに、プロセスカートリッジ6Yとして一体化されているものに対して、本発明を適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されることなく、現像装置5Yが単体で画像形成装置本体100に対して着脱されるユニットして構成されている場合であっても、当然に本発明を適用することができる。
なお、本願明細書等において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体とが、一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
【0070】
また、本実施の形態では、サブホッパ70Sに搬送ポンプ60Sを接続して一体化した。これに対して、現像装置5Sに搬送ポンプ60Sを接続して一体化することもできる。すなわち、サブホッパを介在しないで搬送路、搬送ポンプ60Sを介して被補給部としての現像装置5Sにトナーを補給するように構成することもできる。
また、本実施の形態では、チューブ(下流側チューブ96S)が最上流(又は、最下流)に配置されたサブホッパ70Sに搬送ポンプ60Sを介して間接的に接続されるように構成した。すなわち、複数の被補給部にそれぞれ間接的に接続可能に形成された複数の搬送路を設けた。これに対して、チューブ(下流側チューブ96S)が最上流(又は、最下流)に配置されたサブホッパに搬送ポンプを介さず直接的に接続されるように構成することもできる。すなわち、複数の被補給部にそれぞれ直接的に接続可能に形成された複数の搬送路を設けることもできる。
また、本実施の形態では、複数のトナー容器(現像剤容器)にそれぞれ貯留部を介して間接的に複数のチューブ(搬送路)が接続されるように構成したが、複数の現像剤容器にそれぞれ直接的に複数の搬送路が接続されるように構成することもできる。
また、本実施の形態では、略筒状の容器本体が回転駆動されるトナー容器32Sが設置された現像剤補給装置90Sに対して本発明を適用したが、現像剤補給装置に設置されるトナー容器の形態はこれに限定されることなく、例えば、箱形状のトナー容器が設置された現像剤補給装置に対しても本発明を適用することができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0071】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、本実施の形態の中で示唆した以外にも、実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、上記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【符号の説明】
【0072】
5Y、5M、5C、5K、5S 現像装置、
6Y、6M、6C、6K、6S プロセスカートリッジ、
8 中間転写ベルト(中間転写体)、
32Y、32M、32C、32K、32S トナー容器(現像剤容器)、
60Y、60M、60C、60K、60S 搬送ポンプ、
70Y、70M、70C、70K、70S サブホッパ(被補給部)、
81Y、81M、81C、81K、81S 貯留部、
90Y、90M、90C、90K、90S 現像剤補給装置、
95Y、95M、95C チューブ(搬送路)、
95K、95S 上流側チューブ(搬送路、上流側搬送路)、
96K、96S 下流側チューブ(搬送路、下流側搬送路)、
100 画像形成装置(画像形成装置本体)、
140S、140K 中継部(切替部)、
140a 分岐部、 140b、140c ジョイント部、
141 中継部(切替部)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】