(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-21
(45)【発行日】2022-07-29
(54)【発明の名称】ポリエステルポリオール樹脂及び塗料
(51)【国際特許分類】
C08G 63/16 20060101AFI20220722BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20220722BHJP
C08L 67/02 20060101ALI20220722BHJP
C09D 167/02 20060101ALI20220722BHJP
【FI】
C08G63/16
B32B15/08 U
C08L67/02
C09D167/02
(21)【出願番号】P 2018548967
(86)(22)【出願日】2017-10-26
(86)【国際出願番号】 JP2017038678
(87)【国際公開番号】W WO2018084063
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2019-03-04
【審判番号】
【審判請求日】2020-08-20
(31)【優先権主張番号】P 2016216190
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002886
【氏名又は名称】DIC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【氏名又は名称】小川 眞治
(74)【代理人】
【識別番号】100163290
【氏名又は名称】岩本 明洋
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【氏名又は名称】大野 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】アレハンドロ グラン マルティネス
(72)【発明者】
【氏名】松下 美桜
【合議体】
【審判長】細井 龍史
【審判官】井上 政志
【審判官】近野 光知
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-32424(JP,A)
【文献】特開2016-113615(JP,A)
【文献】特開2016-145276(JP,A)
【文献】特開2003-138204(JP,A)
【文献】特開2017-2158(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G63/00-63/91
C09D1/00-10/00
C09D101/00-201/10
C09J1/00-5/10
C09J9/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
重量平均分子量(Mw)が3,000~120,000の範囲であるポリエステルポリオール樹脂であって、
下記(A)~(D)を反応原料とし、
ジカルボン酸原料の総質量に対する前記脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体(C)の割合が1~30質量%の範囲であり、
ジオール原料の総質量に対する、2-メチル-1,3-プロパンジオール(B)の割合が50~97質量%の範囲であることを特徴とするポリエステルポリオール樹脂。
炭素原子数5~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物(A)
2-メチル-1,3-プロパンジオール(B)
脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体(C)
芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(D)
【請求項2】
水酸基価が2~100mgKOH/gの範囲である請求項1記載のポリエステルポリオール樹脂。
【請求項3】
請求項
1又は2に記載のポリエステルポリオール樹脂を含有する主剤と、硬化剤とからなる硬化性樹脂組成物。
【請求項4】
請求項
3記載の硬化性樹脂組成物からなる塗料。
【請求項5】
請求項
4記載の塗料からなる塗膜を有する塗装鋼板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弱溶剤への溶解性が高く、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランス及び耐候性に優れるポリエステルポリオール樹脂、これを用いた硬化性樹脂組成物、塗料及び塗装鋼板に関する。
【背景技術】
【0002】
家電や自動車部品、建材、製缶用途等の各種金属部品或いは金属成型品の塗装方法として、鋼板に予め塗装を施すプレコート法と、鋼板を成形した後に塗装するポストコート法が知られている。プレコート法に用いる鋼板は一般にプレコートメタル(以下「PCM」と略記することがある)と呼ばれており、予め塗装した鋼板を用途に応じて切断し、様々な形状に成形加工して用いるため、PCM塗料には塗膜表面の硬度や光沢に加え、非常に高い柔軟性と鋼板密着性とが求められる。また、塗装作業環境改善の観点から、一般に弱溶剤と呼ばれる環境負荷の低い溶剤への溶解性が高いことや、弱溶剤溶液の保存安定性等も重要な性能である。PCM塗料には二液硬化型、紫外線硬化型、揮発乾燥型等様々な形態の塗料が用いられており、また、樹脂系もポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂等多種多様であるが、これらの中でも特にポリエステル樹脂を主剤とする二液硬化型の塗料が広く利用されている。
【0003】
ポリエステル樹脂を主剤とする二液硬化型のPCM塗料としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオールを反応原料とする数平均分子量(Mn)11,000のポリエステル樹脂を主剤とする塗料が知られているが(特許文献1参照)、特許文献1記載のポリエステル樹脂は弱溶剤への溶解性が低い上、硬化塗膜における表面硬度と柔軟性、耐候性も十分なものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題は、弱溶剤への溶解性が高く、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランス及び耐候性に優れるポリエステルポリオール樹脂、これを用いた硬化性樹脂組成物、塗料及び塗装鋼板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、炭素原子数5~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物、2-メチル-1,3-プロパンジオール、脂肪族ジカルボン酸化合物、及び芳香族ジカルボン酸を必須の反応原料とし、ジカルボン酸原料の総質量に対する脂肪族ジカルボン酸の割合が1~30質量%の範囲であるポリエステルポリオール樹脂は、弱溶剤への溶解性が高く、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランス及び耐候性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、重量平均分子量(Mw)が3,000~120,000の範囲であるポリエステルポリオール樹脂であって、下記(A)~(D)を必須の反応原料とし、ジカルボン酸原料の総質量に対する脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体(C)の割合が1~30質量%の範囲であることを特徴とするポリエステルポリオール樹脂に関する。
炭素原子数5~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物(A)
2-メチル-1,3-プロパンジオール(B)
脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体(C)
芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(D)
【0008】
本発明は更に、前記ポリエステルポリオール樹脂を含有する主剤と、硬化剤とからなる硬化性樹脂組成物に関する。
【0009】
本発明は更に、前記硬化性樹脂組成物からなる塗料に関する。
【0010】
本発明は更に、前記塗料からなる塗膜を有する塗装鋼板に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、弱溶剤への溶解性が高く、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランス及び耐候性に優れるポリエステルポリオール樹脂、これを用いた硬化性樹脂組成物、塗料及び塗装鋼板を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のポリエステルポリオール樹脂は、重量平均分子量(Mw)が3,000~120,000の範囲であるポリエステルポリオール樹脂であって、下記(A)~(D)を必須の反応原料とし、ジカルボン酸原料の総質量に対する脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体(C)の割合が1~30質量%の範囲であることを特徴とする。
炭素原子数5~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物(A)
2-メチル-1,3-プロパンジオール(B)
脂肪族ジカルボン酸又はその誘導体(C)
芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(D)
【0013】
前記炭素原子数5~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物(A)は、具体的には、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオールの何れかである。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランスに優れる点で、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオールの何れかが好ましく、1,6-ヘキサンジオールが特に好ましい。
【0014】
本発明のポリエステルポリオール樹脂は、原料のジオール成分として前記5~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物(A)及び2-メチル-1,3-プロパンジオール(B)を必須の成分とするが、これら以外のその他のジオール化合物を併用しても良い。その他のジオール化合物は、例えば、炭素原子数が1~4或いは13以上の直鎖の脂肪族ジオール化合物;前記2-メチル-1,3-プロパンジオール(B)以外の分子構造中に分岐構造を有する脂肪族ジオール化合物(B’);シクロヘキサンジオールやシクロヘキサンジアルコール等の脂環構造含有ジオール化合物;ビフェノールやビスフェノール等の芳香環含有ジオール化合物;ポリエーテルジオール;ポリカーボネートジオール等が挙げられる。前記分子構造中に分岐構造を有する脂肪族ジオール化合物(B’)は、例えば、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,4-ブタンジオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチルブタン-14-ブタンジオール、2,3-ジメチル-1,4-ブタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチルペンタン-1,5-ジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、3-プロピルペンタン-1,5-ジオール、2,2-ジエチル-1,4-ブタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、2,2-ジプロピル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2-ブチル-1,3-プロパンジオール、2,5-ジエチル-1,6-ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0015】
本発明のポリエステルポリオール樹脂は、弱溶剤への溶解性が高く、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランス及び耐候性に優れるという効果が十分に発揮されることから、ジオール原料の総質量に対し、前記炭素原子数4~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物(A)と2-メチル-1,3-プロパンジオール(B)との合計質量が60質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。また、ジオール原料の総質量に対する前記炭素原子数4~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物(A)の割合は3~30質量%の範囲であることが好ましく、5~20質量%の範囲であることが好ましい。ジオール原料の総質量に対する2-メチル-1,3-プロパンジオール(B)の割合は50~97質量%の範囲であることが好ましく、70~95質量%の範囲であることが好ましい。更に、前記炭素原子数4~12の直鎖の脂肪族ジオール化合物(A)と前記分子構造中に分岐構造を有する脂肪族ジオール化合物(B)との質量比[(A)/(B)]が3/97~30/70の範囲であることが好ましい。
【0016】
前記脂肪族ジカルボン酸化合物又はその誘導体(C)は、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、及びこれらの酸無水物や酸ハロゲン化物等が挙げられる。前記脂肪族ジカルボン酸化合物又はその誘導体(C)はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランス及び耐候性に優れる点から、炭素原子数4~8の直鎖の飽和脂肪族ジカルボン酸化合物又はその誘導体が好ましい。
【0017】
前記芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(D)は、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、及びこれらの酸無水物や酸ハロゲン化物等が挙げられる。前記芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(D)はそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0018】
本発明のポリエステルポリオール樹脂は、前記脂肪族ジカルボン酸化合物又はその誘導体(C)と前記芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(D)とを必須の反応原料とするが、これらと併せて、脂環式ジカルボン酸化合物又はその誘導体を用いても良い。脂環式ジカルボン酸化合物又はその誘導体は、例えば、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、及びこれらの酸無水物や酸ハロゲン化物等が挙げられる。
【0019】
本発明のポリエステルポリオール樹脂は、ジカルボン酸原料の総質量に対する前記脂肪族ジカルボン酸化合物又はその誘導体(C)の割合が1~30質量%の範囲であることを特徴としており、これにより、弱溶剤への溶解性が高く、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランス及び耐候性に優れるという効果が十分に発揮される。更に、ジカルボン酸原料の総質量に対する前記脂肪族ジカルボン酸化合物又はその誘導体(C)の割合が1~20質量%の範囲であることがより好ましい。また、ジカルボン酸原料の総質量に対する前記脂肪族ジカルボン酸化合物又はその誘導体(C)と前記芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(D)との合計質量は60質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましい。ジカルボン酸原料の総質量に対する前記芳香族ジカルボン酸又はその誘導体(D)の割合は50~99質量%の範囲であることが好ましく、70~98質量%の範囲であることがより好ましい。更に、前記脂肪族ジカルボン酸化合物又はその誘導体(C)と芳香族ジカルボン酸化合物又はその誘導体(D)との質量比[(C)/(D)]が1/99~30/70の範囲であることが好ましい。
【0020】
本発明のポリエステルポリオール樹脂は、(A)~(D)成分の他、3官能以上のポリオール化合物(E1)や3官能以上のポリカルボン酸化合物或いはその誘導体(E2)を反応原料として用いても良い。これらを用いる場合には、弱溶剤への溶解性が高く、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランス及び耐候性に優れるという効果が十分に発揮されることから、ポリエステルポリオール樹脂の反応原料の総質量に対し、前記3官能以上のポリオール化合物(E1)と前記3官能以上のポリカルボン酸化合物或いはその誘導体(E2)との合計が10質量%以下となるように用いることが好ましく、5質量%以下となるように用いることがより好ましい。
【0021】
前記3官能以上のポリオール化合物(E1)は、一分子中に水酸基を3つ以上有する化合物であれば、その他の具体構造は特に限定されず、多種多様な化合物を用いることができる。前記3官能以上のポリオール化合物(E1)の具体例としては、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール等の脂肪族ポリオール化合物;トリヒドロキシベンゼン等の芳香族ポリオール化合物;前記脂肪族ポリオール化合物又は芳香族ポリオール化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の環状エーテル化合物との開環重合によって得られるポリエーテル変性ポリオール化合物等が挙げられる。前記3官能以上のポリオール化合物(E1)はそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
【0022】
前記3官能以上のポリカルボン酸化合物或いはその誘導体(E2)は、一分子中にカルボキシ基を3つ以上有する化合物であれば、その他の具体構造は特に限定されず、多種多様な化合物を用いることができる。前記3官能以上のポリカルボン酸化合物或いはその誘導体(E2)の具体例としては、例えば、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,2,4-シクロヘキサントリカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸化合物及びこれらの酸無水物や酸ハロゲン化物;トリメリット酸、無水トリメリット酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸化合物及びこれらの酸無水物や酸ハロゲン化物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
【0023】
本発明のポリエステルポリオール樹脂の製造方法は特に限定されず、どのような方法にて製造したものであっても良い。具体的には、反応原料の全てを一括で反応させても良いし、反応原料の一部を分割添加する方法で製造しても良い。反応温度は一般的なポリエステル樹脂の反応温度同様180~300℃程度であることが好ましく、必要に応じて公知慣用のエステル化触媒を用いても良い。
【0024】
本発明のポリエステルポリオール樹脂は、必要に応じて有機溶剤中で反応させても良いし、反応終了後に有機溶剤を添加して粘度等を調整しても良い。前記有機溶剤は前記ポリエステルポリオール樹脂を溶解し得るものであれば特に限定なく、公知慣用のものを用いることができる。特に、本発明のポリエステルポリオール樹脂は一般に弱溶剤と呼ばれる種類の有機溶剤に対しても高い溶解性を有する。一般に弱溶剤と呼ばれる有機溶剤としては、例えば、山一化学工業株式会社製「ナフサNo.6」、JX日鉱日石エネルギー株式会社製「ミネラルスピリット」、JX日鉱日石エネルギー株式会社製「Aソルベント」、エクソンモービル有限会社製「ソルベッソ100」、「ソルベッソ150」等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
【0025】
その他、本発明のポリエステルポリオール樹脂の溶解性が高い有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のジアルキレングリコールジアルキルエーテル;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のアルキレングリコールアルキルエーテルアセテート;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。
【0026】
これら有機溶剤による希釈率は用途等に応じて適宜調整されるが、例えば、前記ポリエステルポリオール樹脂を塗料用途に用いる場合には、不揮発分が40~80質量%となる程度に希釈することが好ましい。また、用いる有機溶剤のうち、弱溶剤を70質量%以上用いることが好ましく、90質量%以上用いることがより好ましい。
【0027】
本発明のポリエステルポリオール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランスに優れる点で、3,000~120,000の範囲であることが好ましく、5,000~50,000の範囲であることがより好ましく、5,000~30,000の範囲であることが特に好ましい。また、数平均分子量(Mn)は2,000~10,000の範囲であることが好ましく、2,000~6,000の範囲であることがより好ましい。分子量分布(Mw)/(Mn)は1.2~20の範囲であることが好ましく、1.5~6の範囲であることがより好ましい。尚、本発明においてポリエステルポリオール樹脂の分子量は下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値である。
【0028】
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII 測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0029】
本発明のポリエステルポリオール樹脂の水酸基価は、硬化性に優れる樹脂となることから、2~100mgKOH/gの範囲であることが好ましく、5~50mgKOH/gの範囲であることがより好ましく、10~30mgKOH/gの範囲であることが特に好ましい。また、本発明のポリエステルポリオール樹脂の酸価は、10mgKOH/g以下であることが好ましい。
【0030】
本発明の硬化性樹脂組成物は、前記ポリエステルポリオール樹脂を含有する主剤と、硬化剤とからなる。
【0031】
前記主剤は本発明のポリエステルポリオール樹脂以外のその他樹脂を含有しても良い。その他の樹脂としては、本発明のポリエステルポリオール樹脂以外のその他のポリオール樹脂等が挙げられる。これらその他の樹脂を用いる場合には、本発明が奏する硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランスに優れ、弱溶剤への溶解性が高いという効果が十分に発揮されることから、主剤が含有する樹脂成分の総質量に対し前記本発明のポリエステルポリオール樹脂を50質量%以上用いることが好ましく、80質量%以上用いることが好ましい。
【0032】
前記硬化剤は、前記本発明のポリエステルポリオール樹脂と硬化反応を生じ得る成分を含有していればよく、このような成分としては、例えば、アミノ樹脂、ポリイソシアネート樹脂、レゾール樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、二種類以上を併用しても良い。硬化剤の成分は硬化性樹脂組成物の用途や使用環境、所望の硬化物物性等に応じて適宜選択されるが、主剤として本発明のポリエステルポリオール樹脂を用いる限り、いずれの硬化剤を用いた場合であっても、本発明が奏する硬化塗膜における硬度と柔軟性とのバランスに優れる効果は十分に発揮される。
【0033】
前記アミノ樹脂の具体例としては、例えば、メラミン、尿素及びベンゾグアナミンのうち少なくとも1種とホルムアルデヒド類とから合成されるメチロール化アミノ樹脂;前記メチロール化アミノ樹脂のメチロール基の一部又は全部をメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の低級一価アルコールによって、アルキルエーテル化したもの等を挙げることができる。
【0034】
このようなアミノ樹脂の製品例としては、例えば、Allnex社製「Cymel 303」(メチル化メラミン樹指)、「Cymel 350」(メチル化メラミン樹脂)、三井化学株式会社社製「ユーバン520」(n-ブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン20-SE-60」(n-ブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン2021」(n-ブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン220」(n-ブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン22R」(n-ブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン2028」(n-ブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン165」(イソブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン114」(イソブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン62」(イソブチル化変性メラミン樹脂)、「ユーバン60R」(イソブチル化変性メラミン樹脂)等が挙げられる。これらアミノ樹脂を用いる場合には、リン酸エステル等の酸化合物を硬化促進剤として添加しても良い。
【0035】
前記ポリイソシアネート樹脂の具体例としては、例えば、ブタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物;ノルボルナンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物;下記構造式(1)で表される繰り返し構造を有するポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アロファネート変性体、ブロック化ポリイソシアネート樹脂等が挙げられる。
【0036】
【化1】
[式中、R
1はそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1~6の炭化水素基の何れかである。R
2はそれぞれ独立に炭素原子数1~4のアルキル基、又は構造式(1)で表される構造部位と*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点の何れかである。mは0又は1~3の整数であり、lは1以上の整数である。]
【0037】
前記エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ポリオール化合物のポリグリシジルエーテル、ポリカルボン酸化合物のポリグリシジルエステル、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0038】
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化触媒、硬化促進剤、顔料、顔料分散剤、マッティング剤、レベリング剤、乾燥抑制剤、紫外線吸収剤、消泡剤、増粘剤、沈降防止剤、有機溶剤等を添加しても良い。これら各成分の配合割合や、配合物の種類は硬化性樹脂組成物の用途や所望の性能によって適宜調整される。本発明の硬化性樹脂組成物は、一液型であっても良いし、二液型であっても良い。本発明の硬化性樹脂組成物が二液型である場合、前記各種の添加剤は、主剤又は硬化剤のどちらか一方又は両方に添加することができる。
【0039】
本発明の硬化性樹脂組成物の用途は特に限定されないが、硬化塗膜における硬度と柔軟性のバランスに優れることから、塗料や接着剤用途に好ましく用いることができ、特に塗装鋼板用塗料として好適に用いることができる。本発明の塗装鋼板は、例えば、家電や自動車部品、建材等の各種金属部品或いは金属成型品用のプレコートメタルや、製缶用途等に用いることができる。
【0040】
本発明の塗料を塗装鋼板に用いる場合、塗装は一層でも良いし、多層であっても良い。多層の場合、本発明の塗料の一種乃至複数種を重ねて塗装しても良いし、本発明の塗料とその他の塗料とを組み合わせて塗装しても良い。その他の塗料は、例えば、ポリエステル樹脂やウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を主剤とする塗料が挙げられる。一般に、鋼板の塗装には、プライマー層と呼ばれる層を鋼板上に塗装した後、その上にトップコート層と呼ばれる層を塗装する方法が広く用いられている。本発明の塗料は、プライマー層としても、トップコート層としても利用することができる。プライマー層の膜厚は凡そ0.5~30μm程度であることが好ましい。また、トップコート層の膜厚は凡そ1~60μm程度であることが好ましい。塗料の塗布方法は、公知慣用の方法を何れも利用でき、例えば、スプレーコート、ディップコート、スピンコート、フローコート、ローラーコート等が挙げられる。塗料の硬化条件は、硬化剤の選択や膜厚等によって適宜調整されるが、120~350℃程度の温度範囲で数秒から数分間程度加熱硬化させる方法が好ましい。
【実施例】
【0041】
以下に本発明を具体的な合成例、実施例を挙げてより詳細に説明する。以下、「部」「%」は、特に記載のない限り、質量基準である。
【0042】
本願実施例において数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
【0043】
測定装置 ;東ソー株式会社製 HLC-8320GPC
カラム ;東ソー株式会社製 TSKgel 4000HXL、TSKgel 3000HXL、TSKgel 2000HXL、TSKgel 1000HXL
検出器 ;RI(示差屈折計)
データ処理;東ソー株式会社製 マルチステーションGPC-8020modelII 測定条件 ;カラム温度 40℃
溶媒 テトラヒドロフラン
流速 0.35ml/分
標準 ;単分散ポリスチレン
試料 ;樹脂固形分換算で0.2%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(100μl)
【0044】
実施例1 ポリエステルポリオール樹脂(1)溶液の製造
攪拌機、コンデンサ、温度計が備えられた反応容器に2-メチル-1,3-プロパンジオール1189質量部、1,6-ヘキサンジオール150質量部、イソフタル酸2018質量部、アジピン酸200質量部、リン酸チタン触媒(マツモトファインケミカル株式会社製「オルガチックスTA-21」)1.78質量部を投入した。窒素気流下で撹拌しながら200~250℃で14時間反応させて、数平均分子量(Mn)4,500、重量平均分子量(Mw)8,500、酸価4.2mgKOH/g、水酸基価20mgKOH/gのポリエステルポリオール樹脂(1)を得た。得られたポリエステルポリオール樹脂(1)をエクソンモービル有限会社製「ソルベッソ100」1449質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート161質量部との混合溶剤に溶解させて、不揮発分66.4質量%のポリエステルポリオール樹脂(1)溶液を得た。ポリエステルポリオール樹脂(1)溶液のガードナー粘度はZ3であった。
【0045】
比較例1 ポリエステルポリオール樹脂(1’)溶液の製造
攪拌機、コンデンサ、温度計が備えられた反応容器にネオペンチルグリコール453.2質量部、1,6-ヘキサンジオール440.0質量部、トリメチロールプロパン190.0質量部、無水フタル酸464.4質量部、イソフタル酸1215.3質量部、ネオデカン酸グリシジルエステル464.4質量部を投入した。窒素気流下で撹拌しながら180~250℃で13時間反応させて、重量平均分子量(Mw)12,000、酸価は8.5mgKOH/g、水酸基価は52mgKOH/gのポリエステルポリオール樹脂(1’)を得た。得られたポリエステルポリオール樹脂(1’)をエクソンモービル有限会社製「ソルベッソ100」1364.4質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート151.8質量部との混合溶剤に溶解させて、不揮発分65.0質量%のポリエステルポリオール樹脂(1’)溶液を得た。ポリエステルポリオール樹脂(1’)溶液のガードナー粘度はZ-Z1であった。
【0046】
弱溶剤への溶解性試験
実施例1及び比較例1で得たポリエステルポリオール樹脂溶液を室温25℃の条件下で保存し、1か月後の状態を目視で評価した。
ポリエステルポリオール樹脂(1)溶液:白濁は一切見られず、流動性も良好であった。
ポリエステルポリオール樹脂(1’)白濁は一切見られず、流動性も良好であった。
【0047】
実施例2 塗料(1)の製造
ポリエステルポリオール樹脂(1)溶液71.6質量部、酸化チタン94.5質量部、シリカ0.9質量部、混合溶剤35.2質量部を混合し、酸化チタンの粒径が10μm以下となるまでペイントシェーカーで分散を行った。次いで、ポリエステルポリオール樹脂(1)溶液71.6質量部、アミノ樹脂16.9質量部、硬化促進剤0.9質量部、マッティング剤0.9質量部、レベリング剤1.5質量部、混合溶剤6.2質量部を加えて混合し、さらに25℃でのフォードカップ♯4粘度が約100秒になるよう混合溶剤で調節して、塗料(1)を得た。
【0048】
比較例2 塗料(1’)の製造
実施例2において、ポリエステルポリオール樹脂(1)溶液71.6質量部をポリエステルポリオール樹脂(1’)溶液73質量部に変更し、分散時の混合溶剤量を35.2質量部から33.3質量部に変更した以外は実施例2と同様にして塗料(1’)を得た。
【0049】
製造例1 プライマー塗料の製造
攪拌機、コンデンサー、温度計が備えられた反応容器にネオペンチルグリコール901.3質量部、1,6-ヘキサンジオール240質量部、イソフタル酸840質量部、アジピン酸545質量部、テレフタル酸570質量部、リン酸チタン触媒(マツモトファインケミカル株式会社製「オルガチックスTA-21」)1.72質量部投入した。窒素気流下で撹拌しながら200~250℃で14時間反応させて、重量平均分子量(Mw)7,100、酸価7.7mgKOH/g、水酸基価27mgKOH/gのポリエステルポリオール樹脂を得た。得られたポリエステルポリオール樹脂をエクソンモービル有限会社製「ソルベッソ100」1251質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート139質量部との混合溶剤に溶解させて、不揮発分67.6質量%、ガードナー粘度Z2のポリエステルポリオール樹脂溶液を得た。
先で得たポリエステルポリール樹脂溶液70.5質量部、リン酸カルシウム23.9質量部、酸化チタン70.6質量部、シリカ0.9質量部、混合溶剤38.3質量部を混合し、酸化チタンの粒径が10μm以下となるまでペイントシェーカーで分散を行った。次いで、ポリエステルポリオール樹脂溶液70.5質量部、アミノ樹脂16.7質量部、硬化促進剤0.9質量部、マッティング剤0.9質量部、混合溶剤6.8質量部を加えて混合し、さらに25℃でのフォードカップ♯4粘度が約100秒になるよう混合溶剤で調節して、プライマー塗料を得た。
【0050】
塗料及びプライマー塗料の製造で用いた各配合成分の詳細は以下の通り
酸化チタン:Dupont社製「Ti-PureR960」
シリカ:Evonik Industries社製「Aerosil R972」
混合溶剤:エクソンモービル有限会社製「ソルベッソ100」とプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとを質量比7:3で混合したもの
アミノ樹脂:Allnex社製「Cymel 303」
硬化促進剤:Allnex社製「Cycat 4040」(スルホン酸系)
マッティング剤:Allnex社製「Syloid ED3」(シリカ系)
レベリング剤:Allnex社製「Modaflow 2100」
リン酸カルシウム:ICL/Advanced additives社製「Halox 430」)
【0051】
実施例3及び比較例3 塗装鋼板の製造と評価
下記要領で塗装鋼板を製造し、各種評価を行った。結果を表1に示す。
【0052】
塗装鋼板の製造
厚さ0.5mmの溶融亜鉛めっきクロメート処理鋼板に、先で得たプライマー塗料をバーコーターで塗装し、250℃のオーブンで20秒間加熱乾燥し(メタルピーク温度は199~204℃)、乾燥膜厚5μmのプライマー層を形成した。次いで、プライマー層の上に先で得た塗料(1)又は(1’)をバーコーターで塗装し、250℃のオーブンで40秒加熱乾燥し(メタルピーク温度は232~241℃)、乾燥膜厚15μmのトップコート層を有する塗装鋼板を得た。
【0053】
光沢の測定
先で得た塗装鋼板の塗装面の60°反射率をEN 13523-2に準じて測定した。
【0054】
鉛筆硬度の測定
先で得た塗装鋼板の塗装面の鉛筆硬度をEN 13523-4に準じて測定した。
【0055】
柔軟性の評価(1) クラックフリーテスト
T-ベンド折り曲げ試験にて塗膜の柔軟性を評価した。EN 13523-7に準拠して、先で得た塗装鋼板を180°折り曲げ、屈曲部に発生するクラックを10倍のルーペで観察した。屈曲部に何もはさまずに塗装鋼板を180°折り曲げた場合を0T、屈曲部に塗装鋼板と同じ厚さの板をX枚挟んで折り曲げた場合を(X/2)Tとし、屈曲部にクラックが発生しない最小値で評価した。
【0056】
柔軟性の評価(2) テープテスト
T-ベンド折り曲げ試験にて塗膜の柔軟性を評価した。EN 13523-7に準拠して、塗装鋼板を180°折り曲げ、屈曲部にニチバン社製「セロテープ」を貼り、急速に剥がした場合の塗膜の剥がれの有無で評価した。屈曲部に何もはさまずに塗装鋼板を180°折り曲げた場合を0T、屈曲部に塗装鋼板と同じ厚さの板をX枚挟んで折り曲げた場合を(X/2)Tとし、剥がれが発生しない最小値で評価した。
【0057】
耐候性の評価
塗装鋼板を70×150mmの大きさに切断し、塗装のない裏面および切断面にアルミテープを貼ってシーリングした。Q-LAB社製「QUV耐侯性試験機」を用いてEN 13523-10に準じた促進耐候性試験を行い、試験時間497時間、993時間、1563時間それぞれにおける塗装面の60°反射率の変化率[(試験後の塗装面の60°反射率)/(試験前の塗装面の60°反射率)]×100[%]で評価した。
A:反射率の変化率が99.0%以上
B:反射率の変化率が95%以上99%未満
C:反射率の変化率が95%未満
【0058】